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DF-P4-08 (社)日本船舶海洋工学会 JSQS 精度標準研究委員会 最終報告書 平成21 年3月

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DF-P4-08

(社)日本船舶海洋工学会

JSQS 精度標準研究委員会

最終報告書

平成21年3月

研究組織

研究発表1)活動報告として,2006 年 3月号の KANRIN において「JSQS 精度標準委員会の活動について」掲載を行った。2)2007 年版,JSQS(艤装関係)の本文(和文及び英文)ならびに解説書(和文)一式の発行を行った。

目次

1.研究の背景と目的2.研究成果 1)JSQS 日本語版「はじめに」 2)JSQS 日本語版 見本ページ 3)JSQS 英語版 Prefaceto2007Revision 4)JSQS 英語版 見本ページ 5)JSQS 解説書 見本ページ

1.研究の背景と目的 JSQS「日本鋼船工作法精度標準(艤装関係)」(以下JSQS(艤装関係)と略す)は第一回制定の1969年以来,1975年,1982年,1994年,2000年の改訂を実施しており,造船工事の中でも特に多種少量生産工事である種類・職能・手順等の広い艤装工事の工作精度基準としての標準範囲及び許容限度を制定し,継続的に改訂がなされてきており,艤装工作技術の向上に寄与した。前回2000年に発行したJSQS(艤装関係)からは既に5年を経過したこともあり,また昨今の艤装工作に関わる環境の変化から改訂の機運が高まり見直しを図ることとした。改訂に際し以下の問題点に留意した。(1)船の大型化昨今の新造船の大型化に対して艤装品も大型化しており,精度基準の標準範囲・許容限度の見直しが必要になった点。(2)舶用メーカーの多様化舶用メーカーの最新の実績・実情の工作精度と2000年改訂の精度基準とに差異が見られた点。(3)精度・基準の技術的考察の導入従来のJSQS(艤装関係)では実際の造船所の工作の実態から精度基準を求める手法であり,技術面・品質面の見地からの検討。 これらの問題点に対して,新たにJSQS(艤装関係)の全面見直しを行い,また艤装工作技術の向上と艤装工作トラブルを回避すること,さらに最新の精度標準を策定することを目的として,JSQS精度標準研究委員会を発足

した。本研究委員会の研究活動は造船設計・生産技術交流会船体艤装工作部会の研究活動と同期させて実施し,船体艤装工作部会の研究活動ではJSQS(艤装関係)の発行を含む船体艤装工作の技術向上の寄与を目的として各種テーマを設定して活動を推進した。 本研究委員会の構成としては船体艤装工作部会の全委員が参加し,1) 鉄艤装Ⅰグループ,2) 鉄艤装Ⅱグループ,3)木艤装グループ,4) 管艤装グループ,5) 装置艤装グループ,の5つのワーキンググループを組織して調査・研究を推進した。 研究活動内容としては各ワーキンググループ毎に全項目を見直しを行うこととした。また精度標準の設定に関して,標準範囲は従来通りとして,許容範囲を許容限界に改めて,技術的評価による許容限界値として検討を行った。検討の一例としては,鉄艤装Ⅰグループでは,ハッチカバー等ではこれまでタイプ別(シングルプル・サイドローリング・コンテナ船用ポンツン・フォールディングの各タイプ)と分かれていた従来の精度基準から,統一さらた精度基準化という新しい試みを行ったことや,参加委員において共通に認識されている項目でも調達先であるメーカーとの認識の違いがある場合には,艤装品の各メーカーとの技術交渉による共通の新尺度化等について検討を進めた。また,各ワーキンググループ毎に改訂作業を行ったが,適宜全委員による内容の相互点検やメンバー各社の現状基準を再度確認する等の改訂情報の共有化を図った。 なお,本研究の成果としては,従来の構成と同様にJSQS(艤装関係)と同様に本文(和文)(44ページ)および本文(英文)(42ページ)ならびに解説書(和文)(105ページ)を一式として構成し2007年1月に発行した。

2.研究成果研究成果の一部として,以下の項目を示す。1)JSQS 日本語版「はじめに」2)JSQS 日本語版 見本ページ(1)(2)3)JSQS 英語版「Prefaceto2007Revision」4)JSQS 英語版 見本ページ(1)(2)5)JSQS 解説書 見本ページ

はじめに

 艤装に関わる工事は,取り扱う艤装品の品種,工事の種類,職能,作業手順等が広い分野に渡ることや,造船の設

計・生産技術や安全思想の時代の進展により舶用艤装品も多種・多様に変容するため,船舶の品質の維持・向上の見

地からJSQS艤装関係書が1969年に制定された。この第1回制定以来,これまでに75年,82年,94年,

2000年にJSQS精度標準の改訂作業が継続的に実施されてきており,今回の改訂が5回目となった。

 今回のJSQS改訂作業は,2005 年 6月より学会組織が日本造船学会,関西造船協会,西部造船会が統合され日

本船舶海洋工学会となり新体制のスタートとなったことに伴い,新体制の基に新たに制定された日本船舶海洋工学会

でのプロジェクト研究委員会活動の一環としてJSQS精度標準研究委員会が組織されることとなり,2004 年より

改訂作業を行った。

 また,旧日本造船学会での組織である造船設計・技術研究会・船体艤装工作部会の活動は日本船舶海洋工学会・造

船設計・生産技術研究会・船体艤装工作部会に継承されることとなり,JSQS精度標準研究委員会には部会全委員

の参加がなされた。

 これまで,JSQS精度標準の改訂作業は艤装工作技術の向上と艤装工作上トラブルを回避する最新の尺度を策定

することを目的として,工作精度の標準範囲および許容限度について改訂作業が継続的に実施されてきているが,今

回の改訂作業では次の点に配慮することとした。

(1)船の大型化への対応;昨今の新造船の大型化に対応して艤装品も大型化してきており,精度基準の標準範囲・

許容限度の見直しが必要になった。

(2)舶用品メーカーの多様化;舶用品メーカーがこれまでに増して国内外の多岐に渡ることや,舶用品メーカーの

最近の実績や実状の工作精度とJSQSの精度基準との差異について検討を必要とした。

(3)精度・基準の技術的考察の導入;従来のJSQS艤装関係書では実際の造船所の工作の実状から精度基準を求

める手法が取られて来たが,技術面・品質面の見地からの評価に努めることを試みた。

(4)コンテンツの情報化;前回の改訂作業から進められているコンテンツの情報化のさらなる推進を目標とした。

 これらをポイントにして委員を大きく鉄艤装Ⅰグループ,鉄艤装Ⅱグループ,木艤装グループ,管艤装グループ,

装置艤装グループの5つの作業グループとして組織して改訂作業を行った。

 各作業グループでの主な改訂項目を次に示す。

(1)鉄艤装Ⅰグループ

1)鋼製水密倉口蓋は条約・規則等と照合して「水密」の記述を「風雨密」とし,さらに一般的に使われている呼称

を用いて「風雨密ハッチカバー」と項目の名称を改めた。さらに,従来の精度標準ではハッチカバーがタイプ別に記

載されていたが,記載内容の共通する部分が多いため統合した精度表として表すこととした。これらの改訂に伴いハッ

チカバー本体寸法及び,たわみ・横曲がり・歪み等の許容限界値を新たに設定した。また,近年の新造船の大型化に

対応してハッチカバーの長さと幅の精度について,ハッチカバー本体の大きさに比例させた計算式として改訂した。

さらに,ハッチカバー搭載後の開閉作動における不具合を防ぐための精度を新たに設定した。

2)出入口装置について,各風雨密ハッチの見直しについて検討を行ったが,各社での現場実測から現行の精度にて

問題が無いとの結論に至った。

(2)鉄艤装Ⅱグループ

1)従来のコンテナ積付装置の精度標準については各社の実績および取付基準に基づき決定していたが,今回の改訂

ではISOコンテナでの形状についての規格を基に,コンテナの積付けおよび取り出しの際のトラブルを防ぐために,

幾何学的な考察を加えることにより,許容限界値の検討を試みた。また,セルガイドの精度についても新たに表記す

ることとし,20フィートおよび 40フィートコンテナに区分して検討を行った。

2)従来のスタンランプ・ミッドランプの項目について,ランプの大きさは違うものの形状に関する項目はほぼ同じ

であるということから統合を試み,新たにランプ本体の幅や長さのように大きさに関する精度として簡易な式として

表記することとした。

3)制鎖器の据付寸法については新規に追加項目として検討を行い,ストッパーのアンカーチェーンとの隙間につい

て精度を定めた。

1)JSQS 日本語版「はじめに」

(3)木艤装グループ

1)鋼製戸と戸枠の隙間の精度について審議を行い,取付過程でのトラブルの配慮から製作メーカーでの精度を考慮

して検討を行った。

2)間仕切り部の木壁貫通部については,新たに B級壁貫通部として改訂を行った。

3)デッキコンポジション等の甲板敷物の平面度について審議を行い,JSQS 船殻版と整合性が取れるように見直し

を行った。

4)冷蔵庫の戸の気密性について,本文から削除して解説書へ記載することとした。

(4)管艤装グループ

1)アルミブラス管の管曲げ加工の際のパイプ断面形状の楕円化率について,曲げ半径 R≦ 2Aおよび 4A< Rにつ

いての工事実績があまり見られなかったが,今回の改訂作業では許容限界について審議を行った。

2)管製作寸法における管のスリーブへの差込代と管端部での隙間,パイプ同士の接触について審議を行った。また,

ロングスリーブについても同様の検討も行ったが,見解が異なり除外することとした。

3)ドレッサーの締め付け隙間の許容限界について検討を行い改訂を行った。なお,ロングタイプについては除外した。

(5)装置艤装グループ

1)舵板と舵軸について「リーマボルトの締め代」,「舵板,舵軸,結合時の赤当り」について造船所での調査を行い

解説書に明記した。また「舵板,舵軸,結合時の芯ずれ」について項目の説明を明瞭にするためを記号による図示を行っ

た。さらに「舵軸スリーブの締め代」の標準範囲の設定については 2000 年度版での誤記であることを確認して訂正

を行った。

2)「ピントルと舵板テーパ部赤当り」も造船所での調査を行い解説書に明記した。また,「ピントルとスリーブの締

め代」の標準範囲は 2000 年度版での誤記であることを確認して訂正を行った。

3)「舵軸と舵柄のテーパ部の赤当り」について造船所での調査を行い解説書に明記した。

4)ラムシリンダータイプの舵取機について「ラダーキャリアー及びスタフィンボックス赤当り」「リーマボルトの

締め代」「据付ライナーの隙間」の精度標準について,必要性を初めとして検討したところ,近年では不具合につい

て報告もなされておらず削除した。また「ラムシリンダの水平捩れ」には略図も無く標準範囲の値について理解し難

いため,略図を記載した。さらに「据付完了時の油圧カップリングの芯」については,ZIS に準じた引用の数値の見

直しから,ZIS により定められていた面の傾きの標準範囲および同芯度の標準範囲について検討を行った。

5)甲板機器の機械台の据付けの精度として「台と機械の隙間」についてA,B,Cクラスの機器類の分類として記

載されているが,これに加え新たに「クラス雑用ウインチ類」として記載することとした。

6)固定型デッキクレーンポスト据付けについて,舶用品メーカーの要求値について調査を行い,標準範囲や許容限

界の数値の適合性の検討を行った。検討により「ポストの撓み」についての追加を行った。

 なお,各原案は表に示す分担により検討がなされ,JSQS精度標準委員会,委員会審議,ワーキンググループ審議,

JSQS幹事会において十分な審議を重ねた後,九州大学において最終的な取り纏めを行った。

2007年1月

  日本船舶海洋工学会

  JSQS精度標準研究委員会 委員長

    篠田岳思

委員 委員会・幹事会審議

委員会開催2004年11月19日  三菱重工神戸造船所2005年3月17日  三菱重工長崎造船所2005年7月15日  三菱重工下関造船所2005年12月1日  名村造船伊万里事業所2006年3月7日  住重ME横須賀製造所2006年7月7日  川崎造船神戸工場2006年11月9日  IHI-MU呉工場

JSQS精度標準委員会の委員および審議

委員会幹事

委員長九州大学大学院  篠田 岳思三菱重工業神戸造船所  新見 高広,今泉 尚人,井藤 健太郎ユニバーサル造船有明事業所  福本 峰治,木村 和弘サノヤス・ヒシノ明昌水島製造所  福本 祐之,重住 光啓三井造船玉野事業所  横内 久,大岩 良彦三菱重工業長崎造船所  宮崎 正生,今川 敏夫,中田 宜孝アイ・エイチ・アイ マリンユナイテッド横浜工場  中島 朋広,宮内 達哉

川崎造船神戸工場  谷泉 一,植松 兼万,門山 宏ユニバーサル造船舞鶴事業所  宮崎 剛,下志万 和典,新名 広隆ユニバーサル造船津事業所  三隅 晴生,田村 健太郎川崎造船坂出工場  前田 順二,鴻上 雅典アイ・エイチ・アイ マリンユナイテッド 呉工場  田中 敦,嶋田 栄二,鹿田 浩介佐世保重工業  小林 道徳,坂崎 裕哉三井造船千葉事業所  宇津木 敏克,坪井 雅人住友重機械マリンエンジニアリング横須賀製造所  古森 裕章,浦木 昭名村造船所伊万里事業所  今村 康則,服部 誠三菱重工業下関造船所  竹田 祐幸,西村 理日本海事協会  兼清 忠

担当項目 リーダー会社 メンバー会社

A鉄艤装(A1, A2)

A鉄艤装(A3-A7)

三井玉野 2004年9月28日(三井玉野)2004年12月9日(川崎坂出)2005年5月20日(三菱神戸)2005年11月18日(三井玉野)2006年3月17日(川崎坂出)

B木艤装

C管艤装

D装置艤装 IHIMU 呉佐世保重工

三菱長崎 2004年 12月17日(三菱長崎)2005年 2月10日(三菱長崎)2005年9月9日(三菱長崎)2006年 1月31日(三菱長崎)

三菱神戸川崎坂出

サノヤス・ヒシノ明昌 川崎神戸ユニバーサル舞鶴ユニバーサル津

ワーキンググループのメンバーおよび審議

ワーキンググループ審議

2005年9月2日(川崎神戸)

幹事会開催2006年2月3日  九州大学(箱崎地区)2006年5月23-24日  九州大学(箱崎キャンパス)2006年10月23日  九州大学(伊都キャンパス)2006年12月11日  九州大学(伊都キャンパス)

IHIMU横浜 SHI-ME三井千葉ユニバーサル津

ユニバーサル有明 三菱下関名村造船

2004年6月25日(IHI MU 横浜)2005年8月26日(IHI MU 横浜)2005年10月7日(IHI MU 横浜)

2005年1月28日(ユニバーサル有明)2005年7月1日(ユニバーサル有明)2005年11月24日(ユニバーサル有明)2006年4月28日(ユニバーサル有明)

見本c

d

e

f

g

a

b

± 100004L0 )(3+

± 100004L0 )(3+

)± 100004B0(3+

± 100004B0 )(3+

±5

10

10

±3

± 100003L0 )(3+

± 100003L0 )(3+

)± 100003B0(3+

± 100003B0 )(3+

δ1

δ2

δ3

δ4

δ5

|L1-L2|

|L3-L4|

B0+δ3H0+

δ 5

L 0+δ 1

L 0+δ 2

a

b

c

d

±3

±3 ±4

±4 ±6

5 cover topδ 3

δ 4

δ2

δ2 δ 1

δ 1

δ1

δ2

δ3

|δ 4|

a

b

c

d

e

f

g

±3

±3

±5

±5

±1

±1

±2

±2

5

5

-5 ,10

± t2

δ1

δ2

δ3

δ4

|δ5|

δ7

|δ6|

B0+δ2

H0+

δ 1

L0+δ7

L0+δ7A A

|δ6|Sec.A-A

δ 3

D0+δ4

δ 5

L1

L3L4

L2

A 鉄艤装大区分 A1 風雨密ハッチカバー   

中区分 A1-1 ハッチカバー本体

項 目

小区分 A1-1-1 本体寸法

記号 標準範囲 許容限界

単位mm略  図

長さ(1ハッチ)

長さ(1パネル)

幅(1ハッチ)

カバー高さ

対角線長さの差(1ハッチ)

対角線長さの差(1パネル)

小区分 A1-1-2 たわみ・歪

サイドプレートおよびエンドプレートの上下たわみ

トッププレートの歪(1スパン)

パネル下面のねじれ(パネル四隅と定盤との隙間)

小区分 A1-1-3 風雨密構造及び中間継手

基準線よりパッキン(ガスケット)受け迄の高さ

パッキンガーターの幅

コンプレッションバーのパッキンに対するずれ

パッキン圧縮量

トッププレート相互の段差

サイドおよびエンドプレート相互の段差

合せ目の隙間

t:コンプレッションバーの板厚

幅(サイドローリング型1パネル)

サイドプレートおよびエンドプレートの横曲がり

( 高さ以外はカバー下面の寸法 )

(サイドローリング型)

特殊なサイズおよび型式(ノンタイトポンツーン等)は除外する

屋内での寸法計測を原則とし,屋外での計測の際には日射等の熱影響を避けるなお,ハッチカバーパネルは規定通りに配置する

メーカー精度標準 による

R1) δ4は精度誤差範囲内であっても設計 圧縮量の1/2を下回らないこと

0 ~ 7

0 ~ 7

0 ~ 3

0 ~ 2

0 ~ 2

R1)

B0+δ4

-11-

2)JSQS 日本語版 見本ページ(1)

見本

大区分 A1 風雨密ハッチカバー 中区分 A1-2 ハッチコーミング 

小区分 A1-2-1 本体寸法

記号標準範囲 許容限界

単位mm項 目

長さ

対角線長さの差

サイドコーミングの上下たわみ

エンドコーミングの上下たわみ

サイド及びエンドコーミングの任意1m間隔のたわみ

小区分 A1-2-2 コーミングトップのたわみ

任意1m

aからcは全てコンプレッションバー取付部の精度とする

任意1m

タッチピース型の隙間

直接タッチ型の隙間

レストパッド型の隙間

コンプレッションバーのパッキンに対するずれ

パッキン圧縮量 aからeは日射等の熱影響の無い時にクリート金物等を締め付けた状態とする

(任意の3mで1点以上タッチ している事)

t:コンプレッションバーの板厚

小区分 A1-2-3 コーミングとカバーの隙間

ガイドレール及びランプウェイの取付位置

ランプウェイの倒れ

小区分 A1-2-5 ジャッキ受開口部位置

ホイール芯とジャッキ芯とのずれ

レールとジャッキヘッドの段差

小区分 A1-2-4 レール及びランプウェイ

略  図

b

c

a ±5

±5

±10

15

±10

δ1

δ2

B0+δ2

L 0+δ

1 L1 L2

b

c

a

±5

±5±3

±3

±8

±2

δ 1

δ 2

δ 3

δ 3

δ1

δ2

δ3

b

c

d

e

a

±5±3

2

2

5

±5 ± t2

δ 1 δ 2

δ 3

δ 4 D0+

δ 5

δ1

δ2

δ3

δ4

δ5

b

a ±5

±5

±3

±3

δ1

δ2

L0+δ 1 δ2

b

a 5

2

|δ1|

|δ2|

δ 2δ1

|L1-L2| 0 ~ 10

0 ~ 1

0 ~ 1

0 ~ 3

0 ~ 3

0 ~ 1

R1) δ5は精度誤差範囲内であっても設計圧縮量の 1/2を下回らないこと

R1)

-13-

2)JSQS 日本語版 見本ページ(2)

Prefaceto2007Revision

Quality control is an imperativemission to improve thequalityofproducts inmodern industries.And themanufacturersareresponsibletocustomersforaguaranteeofthefinalqualityofproducts.

Theseprinciplesaresamefortheshipbuilding.However,qualitycontroloftheoutfittingworksintheshipbuildingprocess isdifficult since suchwork is tomanageextensive issues related tovarietymarineequipmentandinstallations.Besides,outfittingtechnologyischangingrapidlyandvariously intimegoingwithprogressofshipsandtheirinstallationsandwiththechangeofsafetyprinciplesforthem.Consequently,somedifferencesofopinionsaboutthequalitycontroloftheoutfittingworksappearamongshipowners,classificationsocieties,shipyardsandmanufacturersofmarineequipmentandinstallations,althoughtheallofthemhavingthesamepurposetoachievetheshipsofsufficientquality.

Fromthesebackgrounds,JapaneseShipbuildingQualityStandard,shortly-calledasJSQS,wasestablishedin1969andhasbeengivingstandardsonvariousoutfittingworksforhelpingengineersandworkersintheirdailyoperation,asacommonguideline.ThisStandardhasbeenreviewedandrevisedasnecessary,andthisrevisionisinfivetimessincethefirstestablishment.

Forthisrevision, theResearchCommitteeonJSQSHullOutfittingProductionTechnologywassetupundertheJapaneseSocietyofNavalArchitectsandOceanEngineersin2004.TheResearchCommitteereviewedthisstandardfocusingonthefollowingissues:

(1) ConsiderationtolargershipsBecauseofthechangeofdimensionsofmarineequipmentandinstallationswithbuildinglargershipsthanthoseatthefirstestablishmentofJSQS,areviewoftraditionalrangeofstandardandtolerancelimitsinaccuracycontrolhasbeenrequired.

(2) VarietiesinmanufacturersofmarineequipmentandinstallationsInrecentyears,manufacturersofmarineequipmentand installationsgrowincreasinglydiverse.Consequently,traditionalaccuracystandardinJSQSisnecessarytobereviewedtakingaccountofrecentexperiencesandactualsituationsofthemanufacturers.

(3) TechnologicalconsiderationtoaccuracycontrolPreviously,accuracystandardsinJSQShavebeendeterminedwithanemphasisonexperiencesandactualsituationsofshipyards.However,forthisrevision,technologicalconsiderationhasbeengiventoeachstandardaspossible.

(4) PromotionondigitizedinformationofthecontentsofJSQSContentsofJSQShavebeentranslatedintodigitizedinformationsince2000revision.Thisdigitalizationpolicy ispromotedinthisrevisionwork.

ThisstandardisexpectedtobeemployedtogetherwiththeHullStructurePartofJSQS,forshipowners,classificationsocieties,shipyardsandrelatedmanufacturers.Furthermore,thisstandardwillpromotethemtoachieverationalandeffectiveproductioncontrol,reductionofproductioncostandgoodquality,notonlyfromtheviewpointofshipyardbutalsofromthatofallthepartiesofshipandmarineindustries.

January2007TakeshiShinodaChairmanofResearchCommitteeonJSQSHullOutfittingProductionTechnologyTheJapanSocietyofNavalArchitectsandOceanEngineers

3)JSQS 英語版「Prefaceto2007Revision」

見本

A IRON WORK Division A1 Weathertight steel hatch cover

Section A1-1 Hatch cover

Sub-section A1-1-1 Dimension of hatch cover

c

Length (1 hatch)

Length (1 panel)

Breadth (1 hatch)

Dimension is to be measured onunder side of cover except height

d Breadth (1 panel of side rolling type )

e Height of hatch cover

f Difference of diagonals (1 hatch)

g Difference of diagonals (1 panel)

a

b

± 100004L0 )(3+

± 100004L0 )(3+

)± 100004B0(3+

± 100004B0 )(3+

±5

10

10

±3

0 ~ 7

0 ~ 7

± 100003L0 )(3+

± 100003L0 )(3+

)± 100003B0(3+

± 100003B0 )(3+

δ1

δ2

δ3

δ4

δ5

|L1-L2|

|L3-L4|

B0+δ3H0+

δ 5

L 0+δ 1

L 0+δ 2

( Side rolling type )

a

b

c

d(Clearance between cover and base line at four corners)

±3

±3

R1) It depends on Manufacturers precision standard

±4

±4 ±6

0 ~ 3 5 cover top

Sub-section A1-1-2 Deflection・Deformation

Deformation of top plate (1 span)

Deformation of panel under surface

Transverse deflection of side plate and end plate

Vertical deflection of side plate and end plate R1)

δ 3

δ 4

δ2

δ2 δ 1

δ 1

δ1

δ2

δ3

|δ 4|

a

b

c

d

e

f

g

±3

±3

±5

±5

±1

±1

±2

±2

0 ~ 2 5

0 ~ 2 5

Sub-section A1-1-3 Weathertight construction and intermediate meeting part

Height from base line to gasket gutter

Breadth of gasket gutter

Deviation between panels on top

Deviation between panels on side

Clearance between hatch cover panels

Deviation between center of gasketand compression bar

Compression depth of gasket

R1) In all cases not less than the half of design compression depth

± t2

δ1

δ2

δ3

δ4

|δ5|

δ7

|δ6|

B0+δ2

H0+

δ 1

L0+δ7

L0+δ7A A

|δ6|Sec.A-A

δ 3

D0+δ4

δ 5

L1

L3L4

L2

t: Thickness of compression bar

Unit mmItem

Standard range

Tolerance limits FigureSymbol

R1)

-5 ,10

Excluding special size hatch cover and special type hatch cover (e, g. Pontoon type)

Measurements of all items are taken indoors and should be avoided under bad influence in general from sunlight. Here, arrangement of hatch cover panels should be located at proper position.

B0+δ4

-9-

4)JSQS 英語版 見本ページ(1)

見本

Unit mmItem

Standard range

Tolerance limits FigureSymbol

Sub-section A1-2-1 Dimension of hatch coaming

Division A1 Weathertight steel hatch coverSection A1-2 Hatch coaming

Length

Breadth

Difference of diagonals

b

c

a ±5

±5

±10

0 ~ 10 15

±10

δ1

δ2

B0+δ2

L 0+δ

1 L1 L2

1m

The deflection is to be measured at installing position of compression bar

1m

Vertical deflection of side coaming

Vertical deflection of end coaming

Deflection of side and end coaming at any 1m span

b

c

a

Sub-section A1-2-2 Deflection of hatch coaming top

±5

±5±3

±3

±8

±2

δ 1

δ 2

δ 3

δ 3

δ1

δ2

δ3

All clearance from item a to e are to be measuredunder cleat tight condition and excluding bad influence from sunlight

(Skirt plate is to be touched on one or more points at any 3m span)

t: Thickness of compression bar

Touch piece type

Direct touch type

Rest pad type

Compression depth of gasket

Deviation between gasketcenter and compression bar center

R1) δ5: Not less than the half of design compress depth

b

c

d

e

a

±5±3

0 ~ 1

0 ~ 1

2

2

0 ~ 3 5

±5 ± t2

δ 1 δ 2

δ 3δ 4

D0+

δ 5

δ1

δ2

δ3

δ4

δ5

Sub-section A1-2-4 Rail and ramp way

Inclination of ramp way away from vertical plane

Installing position of guide rail and ramp way

b

a ±5

±5

±3

±3

δ1

δ2

L0+δ 1 δ2

Sub-section A1-2-5 Hole position of jack

Deviation between wheel center and jack center

Deviation between rail and jack headb

a 0 ~ 3 5

0 ~ 1 2

|δ1|

|δ2|

δ 2δ1

|L1-L2|

Sub-section A1-2-3 Clearance between hatch coaming and hatch cover

R1)

-11-

4)JSQS 英語版 見本ページ(2)

5)JSQS 解説書 見本ページ

見本

A 鉄艤装A1 風雨密ハッチカバー 従来の精度標準はハッチカバーのタイプ別(シングルプル・サイドローリング・コンテナ船用ポンツン・フォールディング)になっていたが,共通な部分が多くまた精度標準を定める考え方に違いは無いので統一した精度表に改訂した。但し特有な部分はタイプ別に明記する事にした。この改訂によりピギーバックタイプ等にも適用することが可能になる。また,従来ハッチカバーの名称を 「鋼製水密倉口蓋」 と記載していたが今回の改訂で 「風雨密ハッチカバー」 に改めた。一般的な貨物船に装備されているハッチカバーは 「風雨密」 の構造であり,国際条約等で定められている条件を満たせば風雨密の扱いとされているため,現状に合わせて改正した。また,「倉口蓋」(そうこうがい)の呼称も一般的に使われている 「ハッチカバー」 に改めた。 なお特殊なサイズや型式 ( ノンタイトポンツーン等 ) のハッチカバーを製作する場合は事前に船主・メーカー・造船所にて協議し数値を決定する。また造船所の先行艤装等のため寸法を抑える必要性がある場合は事前にメーカーと協議する事とする。

A1-1 ハッチカバー本体 ハッチカバー本体の寸法を計測する時の日射等による熱影響を考慮して寸法計測時の条件を記載した。

a)~d) 長さ (1 ハッチ ) δ1,長さ (1 パネル ) δ2,幅 (1 ハッチ ) δ3,幅 ( サイドローリング型1パネル ) δ4 今回の JSQS 精度標準研究委員会の中で重点を置いて取り組んだハッチカバーの長さと幅の精度について,現行 JSQS 精度標準数値とハッチカバー製作メーカーが適用している製作精度公差の表現に差が認められるために船主側から指摘を受けたことから,従来の JSQS で規定されていなかった「許容限界」を機能上満足し得る数値に設定する事を基本に検討した。ハッチカバー本体寸法の実測サンプリング集計や各社の意見をまとめていく中で,近年の船型大型化を考慮した時,ハッチカバーの大きさに比例した計算式公差を用いる事が適切であると判断し,具体的な検証を行なった結果,ハッチコーミングとハッチカバーの関係において,相反する厳しいケースを想定した場合でも問題無いと判断されたため,許容限界の数値を計算式公差とした。 なお「標準範囲」については JSQS 本来の標準範囲設定の考え方をもとに,長さの異なるハッチカバーの実測サンプリング集計グラフにより全体の 95%に近い計算式±(3+3L/10000)に設定した。

A1-1-1 本体寸法

0

4

8

12

16

20

24

-14 -12 -10 -8 -6 -4 -2 0 2 4 6 8 10 12 14誤差(mm)

サンプル数

ハッチカバーの長さ・幅の誤差 サンプリング集計結果

サンプル合計 196箇所

0

2

4

6

8

10

12

14

3 5 7 9 11 13 15 17 19 21 23 25カバー長さ(m)

許容限界 3+4L0/10000 196/196=100%

184/196=93.8%標準範囲 3+3L0/10000

サンプル合計 196箇所

ハッチカバーの長さ・幅における誤差(単位:mm)

誤差  絶対値

(mm)

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