packazine2015年号

食品・製菓編

Brüggen | フレキシビリティに優れた連続生産用シリアルバー包装ラインBig Heart Pet Brands | ペット製品用フレキシブルソリューション Amul Dairy | 「インドの味」を包み込む

2 | packazine Table of contents | Editorial

www.boschpackaging.com packaging@bosch.com

07 10

ニュース

最新情報04 ボッシュ パッケージング サービス　 「お約束通りのサービスを提供」

お客様紹介と市場傾向

食品・製菓07 Brüggen フレキシビリティに優れた連続生産用シリアルバー包装ライン

10 Interbos ベトナム初の無菌熱成形・充填・シール機

12 Amul Dairy 「インドの味」を包み込む

14 Mondelēz South Africa アップグレードで予定外の機械停止を防止

17 Big Heart Pet Brands ペット製品用フレキシブルソリューション

20 Swizzels Matlow 英国の老舗菓子メーカーが導入した最新ロボット技術

22 Unilever 世界中の食卓へ

イベント

24 2015～2016年食品・製菓関連イベント

表紙ペットフード・ペット用品メーカーBig Heart Pet Brandsの

人気商品「Milk-Bone」ビスケット

目　　次

packazine | 3

17 22

Friedbert Klefenzパッケージング・テクノロジー社長

読者の皆様へ

　お客様が本当に必要とする製品やサービスを提供すること ― 私た

ちにとってこれ以上重要なことはありません。新薬の開発、新規ビス

ケットラインの導入、従業員への特別な教育訓練や専門技術の提供な

ど、お客様のニーズは様々です。ボッシュは技術的専門性、総合的な

コンサルティングとサービスでお客様をサポートする、信頼性あるパー

トナーです。

　今回の packazineにおいても、その具体的な事例を数多く掲載し

ています。さらに、当社のソリューションが、世界中で幅広い製品の

生産・加工・充填・包装に使用されていることをご覧いただくことが

できます。たとえば、シリアルバーを製造しているドイツのある企業

では、食品製造・包装における当社の製品ラインナップを全面的に採

用しています。ベトナムでは、ボッシュの機械が、企業や農業経営者

の持続的な経営に貢献しています。

　また、ヨーロッパ最大の注射剤受託生産企業がボッシュの検査技

術を導入し、サウジアラビアの医薬品メーカーとのプロジェクトでは、

私達が提唱する「ラインコンピテンス」を提供しています。Achema

2015における当社の展示では、これらを実感していただくことがで

きます（ホール 3.1、ブース番号C71）。「お約束通りのプロセス、包装、

サービス」のモットーに、お客様のご要望に応じた最適なソリューショ

ンと高度な技術により、がん治療薬やインスリン製剤の開発と生産に

おいて製薬企業をサポートしていることをご覧いただければ幸いです。

　新しい packazineをお楽しみください。

Friedbert Klefenz

はじめに

4 | packazine News Facts & Trends

　生産コストを削減しつつ、機器の稼働率を向上させ、生産能力を最

大化する ― これは非現実的な理想でしょうか。実際はそうではあり

ません。ビスケット包装ラインであれ、抗癌剤充填ラインであれ、す

べての機器は、数時間あるいは数分間といった限られた時間内に最大

数の製品を生産、包装、または加工しなければなりません。機械停止

時間の 1秒 1秒が貴重な生産時間を消費していきます。医薬品、食

品および菓子のメーカーに信頼性に優れた機器と高い稼働率を保証す

るため、アフターサービス専門技術者が重要な役割を果たします。

地域密着のサポート

　工業生産は急速な進歩を遂げています。グローバル化とコネクティ

ビティの向上が、あらゆる分野で企業による日々の生産状況を変化

させています。特にアジアや、ラテンアメリカの一部、東欧、アフ

リカでは急速な経済発展がみられます。人口増加と所得上昇に伴い、

食料や医薬品に対する需要も急速に増加しています。その結果、企

業は生産の一部をいわゆる新興経済地域に移転しつつあり、現地企

業も生産能力を増強させています。このような発展と並行して、プ

ロセス・充填・包装用機械、さらに総合的なサービスに対する需要

「お約束通りのサービスを提供」ボッシュは将来的な業界のニーズを見据え、トレーニングなど、お客様の目標達成をサポートする総合的な幅広いサービスを開発してきました

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も成長しています。

　お客様のあるところにボッシュあり ― この信条のもと、ボッシュ

パッケージングテクノロジーは新興国に拠点を設けています。既存

の現地支社の拡大と新規拠点の設置により、距離と納期を短縮し、

お客様と集中的にコンタクトすることが可能となります。例えば、

中国や南米でのサービス拠点の拡充により、現地の顧客企業のニー

ズに合わせた、きめ細かいサービスをより迅速に提供することがで

きます。同時に、十分な教育訓練を受けたスタッフへの投資は、必

要なスペアパーツを迅速に納品することと同じくらい重要です。そ

のため、ボッシュのスタッフは、個々の地域の特性を熟知し、現地

語で会話ができ、ボッシュの高品質のサービスを地域レベルで適切

に提供いたします。これにより信頼を構築し、お客様との長期的な

協力関係の基礎を築いています。

キーワードは「積極的」

　このような状況は医薬品や食品のメーカーにとって日常的なもの

になりつつあります。機械から予期しないエラーレポートが送ら

れ、急に生産が停止したとします。欠陥は直ちに特定できないこと

が多く、必要なスペアパーツの在庫がない場合もあります。このよ

うな最悪のケース ― そして、それに伴うコストのかかる機械停止時

間 ― は、積極的なアプローチにより防止できます。

　予防的保守は、潜在的な問題を早期に確実に発見し、修正するも

のです。さらに、先を見据えたモダナイゼーションによって機器を

最新の状態にし、機械寿命を大幅に延長することも可能です。ブラ

ジルの武田薬品（医薬品編 p.10）や南アフリカのMondelēz社の

プロジェクトから、適時のモダナイゼーションによって、長時間機

械停止のリスクをいかに防止できるかをご覧いただくことができま

す。

6 | packazine News Facts & Trends

デミーは、その重要な基盤となるものです。世界的なトレーニング

拠点として、ボッシュパッケージングテクノロジーの機器全般に関

する共通の知識をお客様や従業員に提供しています。新興市場では

教育訓練を受けたスタッフに対する需要が大きいため、コンピテン

スセンターや各国のアカデミーが、医薬品や食品・菓子用の製品領

域について、総合的なセミナープログラムを提供しています。

　お客様施設で個々のトレーニングを提供することも新規従業員の

指導に有用であり、世界各国の顧客企業において、機器に関する実

務的な知識を機械のオペレータに伝達するために実施されています。

ボッシュパッケージングテクノロジーの従業員は世界中で、継続的

に知識を習得し、お客様に迅速で適切なサポートを提供するために、

トレーニングの場を活用しています。これによって、従業員のモチ

ベーションを高め、高い顧客満足度を達成することが可能となりま

す。

設備を最大限活かすために

　お客様が最善の生産実績を実現できるようボッシュとしてサポー

トすると同時に、ボッシュパッケージングサービスとしても信頼性

の高いサービスをスピーディに提供できるよう、継続的にサービス

内容を進化させています。ボッシュパッケージングテクノロジーで

は、2020年までにプロセス・包装技術における世界的なリーディ

ングポジションをさらに拡充することを目標としています。この目

標のもと、ボッシュパッケージングサービスは今後数年間にわたっ

て大規模なプロジェクトを実施する予定です。

　個別トレーニング、スペアパーツの迅速な納品、予防的保守計画

の策定、複雑なラインの分析など、さまざまな戦略の目的はひとつ

―「“お約束通りのサービスを提供” をモットーに、革新的な製品と

優れたサービスを提供し、お客様がその設備を最大限活用できるよ

うサポートすること」です。

予防的手段を講じていても予想しない事態が発生した場合には、

ボッシュのリモートサービスにより迅速かつ効果的に対応します。

サービス技術者が訪問しなくて済む場合や、より周到に準備した上

で訪問できる場合も多くあります。サービス技術者が機器にアクセ

スするにあたって、データセキュリティは最重要項目です。例えば、

新しいリモートサービスポータルは確実な VPN接続と認証ベース

の暗号化を採用しています。サービスラインナップのさらなる開発

に加え、世界中の顧客に向けた新たなコンサルティングコンセプト

も構築されつつあります。ボッシュは協力企業とともに、完全なラ

イン分析を行います。分析結果からは、性能、メンテナンスコスト

や工程に関する詳細な情報が得られます。これは、予防的保守契約、

改造、最適なスペアパーツ管理など、適切な対策のために重要な情

報です。これにより、コスト削減と機械の稼働率向上を実現するこ

とができます。

ボッシュパッケージングアカデミー

　最適な製造工程の実現には、技術的専門性が重要な要素です。ボッ

シュが長年培った幅広い専門知識をお客様に提供する理由はここに

あります。2014年 3月に創設されたボッシュパッケージングアカ

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　Heinrichと Johannesの Brüggen兄弟が 1868年にドイツの

都市ノイミュンスターで会社を設立してから、時代は大きく変わりま

した。かつてはオートフレークのような伝統的な製品を取扱っていま

したが、現在は、革新的なレシピと新製品の生産工程の開発が事業の

中心となっています。

　ハンブルク近郊のリューベックにある 8,500m2の主要工場では、

約 620名の従業員が幅広い製品の生産を行っています。最も人気の

ある製品は様々なバーやミューズリーバーです。バーの需要増に対応

するため、Brüggen（ブリュッゲン）社はバーの製造から小売用包

装までの生産工程全体をカバーする新規生産ラインを計画しました。

経験と専門性の上に築かれたパートナーシップ

　Brüggen社は数年間にわたってボッシュ製包装機械を使用して

おり、その品質、信頼性とサービスを高く評価しています。ボッシュ

ボッシュがシリアルバーメーカーBrüggen社と協力

フレキシビリティに優れた連続生産用シリアルバー包装ライン

8 | packazine Customers & Markets Food and Confectionery

とその革新的でフレキシブルな技術実績に基づき、Brüggen社は

バー生産用一貫ラインをボッシュに発注しました。ボッシュの複数

の工場がこのプロジェクトに関わりました。プロセス技術はフィア

ゼン（ドイツ）、ピロー包装とカートニング技術はベーリンゲン（ス

イス）、小売用ケース包装はレムスハルデン（ドイツ、シュヴァーベ

ン地方）から提供されました。

　ボッシュ製機器の設計におけるモジュラー性を生かした、バー製

造における連続生産工程と包装工程は決定的な要因となりました。

各インターフェースとシステム間の連携がスムーズで、シンプルで

信頼性の高い機械運転を確実にしています。

連続生産

　様々なレシピに従い、多様な形状のバーを 600本 /分で生産する

ため、ボッシュは生地の仕込み段階と連続混合、成形、冷却、切断

およびコーティングを行う連続ラインを据付ました。結合剤の調製

が完了すると、逆回転式の混合用シャフトを備えたWRM型ミキサー

が各固形成分を丁寧に混合します。調製後のバー生地はWRF型 2

段ローラー式成形機に供給されます。本機は均一な温度で、製品の

硬度や粘度を一定に保つとともに、生地を均一にします。プロファ

イルローラーが、バーに適する形状に成型した後、WRC型冷却ト

ンネルで最適な切断温度まで冷却し、WRL型横型切断機に送ります。

ここで、個々の製品としてバー状に切断します。バー状に切断され

たものは、スプレッダーシステムで、引き延ばされ、クロス切断機

に供給されます。ここでは、トリミングの最適化により、製品ロス

を最小限におさえます。その後、バーの種類により、製品にチョコレー

トディップやデコレーションが施されます。Brüggen社にとっては、

連続ラインの様々なユニットへのアクセス性と清掃性を確保するこ

とが課題でした。「この連続ラインにより、当社では 300種類の

製品を生産できます。品種替えも工具不要で、たった数分間で完了

します。」と Brüggen 社のマネージングディレクター Hanno

Brüggen氏は言っています。

小売用包装

　加工が完了すると、冷却トンネルがバーの列を Sigpack DAA

Accuflex型分配アキュムレータに送ります。アキュムレータは、

加工～包装段階の間で製品フローを調節するとともに、Brüggen

社工場の上階から下階への製品搬送をサポートします。これにより、

変動を補正し、連続して製品を包装機に供給します。その後、製品

は排出ステーションから、回転式ヒートシール装置を備えた高速横

型ピロー包装機に供給されます。優れた製品ハンドリング技術によ

り、粘度の高い製品でも、回転式ヒートシール装置による気密シー

リングにおいてボトルネックのないスムーズな同期化が可能です。

一次包装に続き、製品はトップローダーの真空ホイールにより回収、

グループ化され、起函後のカートンに挿入されます。その後カート

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なるユニットで構成されていますが、各機械の連動はとてもスムー

スで、品種替えや清掃のための計画された機械停止時間は大幅に短

縮されました。この新規システムにより、当社では清掃時間が 7時

間から 2時間まで短縮できました。」と Hanno Brüggen氏。「ボッ

シュの協力があれば、当社は今後も末永く革新的な包装スタイルと

高品質の製品を提供できるでしょう。」

ンは封函され、計量されます。最後に、優れたラップアラウンド技

術を採用したケースパッカー Elematic 3000型がカートンを整列

させ、トレー・フードで小売用包装を行います。トレー・フードは

小売業者が開封しやすく、ケースのまま陳列できるため、ハンドリ

ングがシンプルです。本機の導入により、Brüggen社は 12種類

の品種からフレキシブルに選択し、顧客のニーズにこたえることが

可能となりました。品種替えは工具不要で、15～ 20分の短時間で

すばやく簡単に行うことができます。その結果同社は、カートン 12

個を並べた小型パッケージからカートン 21個の大型パッケージま

で、形状とサイズが異なる様々なスタイルで製品を提供可能となり

ました。

　「機械の導入プロセス全体を通じて、ボッシュは価値あるパート

ナーであることを自ら証明してくれました。生産ラインは複数の異

　2012年に創設された Interbos（インターボス）社は、ベトナム

における乳製品のトップメーカーのひとつです。ハノイ近郊のフンイ

エンにある主要施設は、クリームデザート、フレッシュチーズ、栄養

強化ヨーグルトなど高品質の乳製品に特化しています。最高品質の製

品を提供するため、Interbos社は複数の直営農場で牧畜を行い、自

社で牛乳を生産しています。また、環境に配慮した最新の飼育方法を

周知することによって地域の農家をサポートし、経済的支援も行って

います。ベトナムにおける乳製品産業は成長を続ける 1 一方で、多く

のメーカーでは製品の市場への輸送に問題を抱えています。そのため、

高品質で安全な乳製品を入手できる消費者はごく一部であり、ベビー

フードやデザートの大半はヨーロッパからの輸入品です。

1 : http://www.euromonitor.com/dairy-in-vietnam/report

10 | packazine Customers & Markets Food and Confectionery

ベトナム初の無菌熱成形・充填・シール機ボッシュとInterbos社が協力し、保存期間の長い高品質の乳製品をベトナム市場に提供しています

新たな 1章

　高品質の製品を顧客に提供するという Interbos社の理念に従い、

同社はベトナムにおける従来のヨーグルト包装の限界を突破すること

を決意。新しい無菌充填と安全な包装の導入により、特に十分な冷却

が得られない輸送・保管段階において、品質低下や劣化のリスクを回

避することが可能です。そのため Interbos社は、人工香料や保存

料を使用せず、高温多湿なベトナムで、製品の保存期間をクーリング

チェーン外で 6ヵ月以上延長できるような方策を構築できる新規ライ

ンが必要でした。これらの重要分野で専門技術を提供する欧州の機器

メーカーが多いことを知り、Interbos社は欧州企業からパートナー

の選定を開始しました。複数のサプライヤーを検討した後、同社はこ

のプロジェクトにボッシュパッケージングテクノロジーを選定。グ

ローバル市場での有名ブランドとして、ベトナムの乳製品メーカーに

対しても同様の実績を示してくれるであろうとの信頼に基づく選定で

した。

品質の追求

　ボッシュは汎用性の高い設備の構築に注力しました。生産ラインは

ボッシュの無菌熱成形・充填・シール機 TFA 4818型を中心に構成

されました。同機は完全に無菌閉鎖されたトンネルが特徴で、クリー

ンルーム環境のための投資も、大きな設置面積も不要です。本機では、

保存剤、レトルト加工、冷蔵を使用せず、常温保存可能な商品の無菌

包装が可能です。高精度のカップ成形機と、無菌エアーの圧力状態の

継続的モニタリング機能を備えた完全に閉鎖された無菌トンネルによ

り、FDAおよび VDMAの基準を満たす、一貫した高品質の製品が提

供されます。品種替えの間も機械の無菌性は維持され、様々な安全対

策により、無菌環境が損なわれる可能性が生じた場合は機械は自動停

止し、滅菌プログラムの完了後にのみ生産継続が可能となります。

　「開発の過程で、ボッシュの専門技術者は当社を大いにサポートし

てくれました。」と Interbos社の創設者で最高責任者の Tuan Khai

氏。「現地の技術者が 2名対応可能で、常に誰かがいて、すぐに助け

てくれました。」汚染につながるようなオペレータのミスを防止する

ため、ボッシュは、1年目はメンテナンスフリーで運転可能な 2台の

フルメタルピストン充填機を組み入れました。全体として必要なメン

テナンスが最小限に抑えられ、ベトナム語による操作パネルも装備し、

操作は容易です。さらに、資材はロール状で保管スペースは最小限。

コスト効率に優れた包装・ハンドリングを実現しています。

挑戦の始まり

　「ベトナム初の無菌熱成形・充填・シール機により、当社はこの１

ラインで、高品質の新鮮な製品を提供することが可能となりました。

連続したクーリングチェーンがなくとも保存期間は 12ヵ月 ― 当初

の要求の 2倍です。」と Kai氏。「新規ラインは当社の要求をすべて

満たしています。製品は消費者に喜ばれ、他の乳製品メーカーも当社

製品の品質の高さに驚いています。しかし、私たちの挑戦は始まった

ばかりです。FDAおよび VDMAの基準を満たす製品を提供できるラ

インにより、今後、需要の高いベビーフードなどをベトナムで提供可

能となるでしょう。」

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12 | packazine Customers & Markets Food and Confectionery

　インドの Amul Dairy社（アムール・デイリー、以下「Amul社」）

は、同国最大の食品ブランドです。その事業展開は地域の農民におけ

る起業家精神の形成に貢献してきました。Sardar Patel氏は 1946

年、インドの牛乳生産者と消費者を結び付け、価格変動をおさえ、農

民が自らの発展をはかることを目標に、Amul Dairy組合設立の構想

を実現しました。同組合の設立は、多くのインド農民とその家族の生

活を大きく変え、国の経済成長に貢献しました。現在、17,000に及

ぶインドの村々から、毎朝 3百万人の女性が 8百万ドル以上に相当

する牛乳を地域の組合に運んでいます。牛乳はここから地区の牛乳生

産者組合に輸送され、インド全土に存在する Amul社の工場に運ばれ

ます。この偉大なサクセスストーリーにおいて、ボッシュパッケージ

ングテクノロジーは、この有名乳製品メーカーにプロセスチーズ専用

充填・包装機DCP 0600型機を提供するなど、様々な形で貢献して

います。

フロンティアの開拓

　Amul社とボッシュの協力関係は、1996年にさかのぼります。ボッ

シュパッケージングテクノロジーの一員である Sapal社がカイラ地

区（グジャラード州アーナンド）の Amul社の工場に、プロセスチー

ズ用充填・包装機として最初のML-2型機を納品しました。ボッシュ

の高品質技術と丁寧なサービスにより、両者の間には強力なビジネス

関係が築かれました。このような背景のもと、2013年、生産拡大を

決定した Amul社はボッシュに引き合いを出しました。DCP 0600

型は最大能力としてポーションチーズ 500個 /分の生産を実現し、

乳製品プロセスラインの能力は既存ラインとの比較で 40%向上しま

した。Amul社がこの設備を選択した主な要因は、生産速度とボッシュ

のカスタマイズ能力でした。同社の Kaira地区牛乳生産者組合責任者

の K. Rathnam博士の説明によれば、「Amulブランドのプレーン

チーズは、欧米諸国で販売されているどんな乳製品とも違うのです。」

「インドの味」を包み込む偉大なビジネスサクセスストーリーがたった一人から始まることがあります ―インドのAmul Dairyのように

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とのこと。「この製品は 100%ナチュラルチェダーチーズで、その食

感と味は独特です。ボッシュのチームは我々の独自の要求内容を把握

し、ニーズにベストマッチするようカスタマイズされた包装設備を開

発してくれました。」

完璧な包装

　ボッシュのDCP 0600型機はプロセスチーズを各 25 gの正方形

のポーションとして充填・包装します。生産工程の第 1段階はアルミ

の成形です。その後、包材と製品を節約するよう、液体の製品が高精

度に充填されます。DCP 0600型機は速度にかかわらず折りを同時

に行うフォールディングボックスを備え、完全に左右対称な折り方と

し、包材の消費を最小限におさえます。四角いポーションとなったプ

ロセスチーズは、120℃を超える高温下で気密シールされ、消費者が

親しみやすく、開封しやすいティアテープを備えた包装スタイルとな

ります。DCP 0600型充填・包装機とともに、ボッシュは全自動カー

トナー（イタリアの協力メーカーGrandi社製）を据付ました。同機

はポーションを最大 4層まで、1カートンあたり最大 1㎏まで包装可

能です。

製品保護機能に裏付けられたプレミアム パッケージ

　「インドの味」のキャッチフレーズを冠したこのブランドは、その

高級なイメージにふさわしい包装能力に裏付けられています。その

パッケージは外観が優れているだけではありません。その高度な製

品保護により、インド市場で販売される他のチーズブランドよりも

インパクトの強い、新たな包装スタイルとなっています。「2015～

2016年に牛乳量が増加すれば、新たなDCP 0600型機への投資を

検討します。」と K. Rathnam博士は述べています。

14 | packazine Customers & Markets Food and Confectionery

　自動車が専門家による定期的な点検・検査を必要とするのと同じく、

包装機も最大能力を維持するためには定期的なメンテナンスが必要で

す。機械が古くなるに伴い、スペアパーツや機械ユニットの発注や取

付に時間がかかります。このことは特に、ピロー包装機の心臓部にあ

たる制御システムのハードウェアに当てはまります。スペアパーツが

入手不可能になることもあり、製品に対して極めて高いリスクが生じ

ます。

　Mondelēz South Africa社（モンデリーズ・サウスアフリカ、

以下「Mondelēz社」）は南アフリカ国内最大の菓子メーカー。ポート・

エリザベスの施設で危機的な状況に遭遇しました。同社は南アフリカ

のチョコレート、キャンディ、バブルガム業界におけるマーケットリー

ダーであり、Cadbury Dairy Milk、Oreo、Hallsといった有名ブ

ランドを多数擁しています。1926年に開設されたポート・エリザベ

スの施設は、1,000名の従業員を有する同社最大の施設のひとつです。

有名な Cadburyチョコレートバーやキャンディは同社工場で生産さ

れ、南アフリカ全土のみならず、ボツワナやナミビア、ジンバブエと

いった近隣諸国で販売されています。

約 20年間の稼働実績

　同社はチョコレートバー包装設備として、ボッシュパッケージング

テクノロジーの支社であるSapal社製保管ユニットSapastoc型と、

ピロー包装機 Sigpack HSM型を使用。両機械ともに、約 20年に

わたって生産の一部を担う重要な機械として確実に稼働してきまし

た。保管ユニットは包装前のチョコレートバーを包装機に供給するも

ので、チョコレートバーを一定時間保管することにより、切れ目のな

い包装フローを実現します。ピロー包装機 Sigpack HSM型は、チョ

アップグレードで予定外の機械停止を防止Mondelēz South Africa社20年前に製造された横型ピロー包装機をボッシュがアップグレード

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コレートバーを最大で毎分 1,200本、余裕を持たせた包装やぴった

りとしたタイトな包装を行います。バキュームを用いた製品供給装置

は常に高速で稼働し、Mondelēz社は様々な種類・サイズのチョコ

レートバーを丁寧にハンドリングすることが可能です。また、パッケー

ジに切り取り線を入れることで、引っ張るだけで開封でき、消費者に

とって取扱いやすいパッケージを実現しました。「これらの機械の性

能は長年にわたって当社の要求にこたえており、モダナイゼーショ

ンやアップグレードは考えませんでした。」とMondelēz South

Africa社の施設エンジニアリングマネージャDaniel Matthee氏は

言います。

　ボッシュパッケージングサービスのマーケット責任者 Eduardo

Dos Santos氏は、定期的に生産施設を訪問し、Mondelēz社と緊

密な連絡を保っていました。「サービスのために訪問した際、機械の

能力について話し、欠陥のあるユニットや古くなったユニットがあり、

スペアパーツが入手不可能になることで生じる長期機械停止のリスク

について話し合いました。」とDos Santos氏は述べています。当時、

両機械はいずれも満足できるレベルで稼働していたため、Mondelēz

社は制御ユニット交換の延期を決定。「しかし、予期していないとと

きに、事態は起こるものです。」とDaniel Matthee氏。

スピーディなサービスサポートが必要

　2013 年春、Mondelēz 社は最悪のシナリオを経験します。

Sigpack HSMの心臓部であるコントロールユニットにハードウェ

アエラーが発生したのです。その結果機械が故障し、直ちに解決する

必要が生じました。ボッシュは必要なスペアパーツを取り揃えました

が、古い機械であったため、それは容易ではありませんでした。「適

切なユニットを取り付けた後、今後も確実に生産を続けるには、古く

廃版になった重要なスペアパーツをすべて交換する必要があると感じ

ました。」とMatthee氏。ボッシュと協力し、Mondelēz社のプロジェ

クトマネージャは中央制御ユニットの制御盤および駆動部をモダナイ

ゼーションすることを決定しました。さらに、この機会に Sapastoc

型保管ユニットをアップグレードし、新しい操作用装置を取り付ける

こととしました。

　ボッシュの専門スタッフは両ユニットの製造とプログラミングを

6ヵ月以内に完了し、2013年 12月初めには南アフリカに納品しま

した。主な課題は、ポート・エリザベスでの生産を混乱させないよう

にすることでした。そのため、3週間のクリスマス休暇中に新規ユニッ

16 | packazine Customers & Markets Food and Confectionery

トの据付を行うことを決定。「時間は極めて重要でした。顧客や市場

の注文に対応するため、年明けからすぐに生産を開始する必要があっ

たのです。」とDaniel Matthee氏。「Cadburyチョコレートバー

を大量に事前生産してはいましたが、与えられた期間内に滞りなく据

付を完了することが必要でした。」ボッシュは複数の専門エンジニア

やソフトウェア専門技術者からなるチームを生産施設に派遣。チーム

はMondelēz社のプロジェクトプランナーとともに新規ユニットを

据付し、機械を再稼働させました。

単なるモダナイゼーションを超えて

　モダナイゼーションの完了後、横型ピロー包装機は確実に稼働し、

最大能力を発揮しています。さらに、オーバーホールにはさらなるメ

リットがありました。使いやすい操作パネルが導入され、オペレータ

がより多くのレシピやフォーマットをデータベースに登録することが

可能となりました。最も重要なメリットは、上述のような困難な状況

が近い将来には発生しないことが確信できることです。万が一不具合

が生じたとしても、モダナイゼーションされた Sigpack HSM型の

最新ユニットでは、必要な交換用サイズパーツが容易に、迅速に入手

できます。

　「全体的な結果のみならず、モダナイゼーションの準備や実施段階

のボッシュとプロジェクトチームメンバ―の努力にはとても満足して

います。」とMatthee氏。「緊密な協力のおかげで、生産に大きな影

響を及ぼすことなく、このような重大な場面に対応できました。同時

に、当社施設に最新の機械が導入され、今後も確実に、慣れ親しんだ

ボッシュ品質でのチョコレートバーの包装が可能になりました。」

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　飼い主が犬の健康に対していかに気を配っているかを目の当たりに

するにつけ、「犬は人の親友である」という言葉がより真実味を帯び

てきます。犬用製品のなかでも、ペットの健康増進に役立つ様々な製

品が登場しています。熱心な飼い主のニーズにこたえるため、多くの

ブランドが歯の健康のためのグッズを導入しています。

　サンフランシスコ（カリフォルニア州）に本社を置く Big Heart

Pet Brands社（ビッグ ハート・ペット ブランズ、以下「Big

Heart Pet社」）は、象徴的なMilk-Boneビスケットシリーズで

有名です。同社は動物用ケア製品の草分けとしても知られています。

近年のヒット商品の例として、「お菓子のような味で、歯ブラシのよ

うに歯をきれいにする」、犬用歯磨きガム “Milk-Bone Brushing

Chew” があります。陳列棚での差別化をはかるため、Milk-Bone

と Big Heart Pet社は新規パッケージに力を入れました。

予想を超える革新的パッケージ

　Big Heart Pet社の包装研究開発部門シニアマネージャ Paul

ペット製品用 フレキシブルソリューション歯磨き粉用ボックスで注目を集める犬用ガム包装ラインはPMMI※“Packaging Line of the Year”賞を受賞

※ : PMMI: The Association for Packaging and Processing Technologies

18 | packazine Customers & Markets Food and Confectionery

Baker氏によれば、「目標は、犬の健康のためになる商品であること

をお客様に瞬時に理解してもらうことでした。」とのこと。「慎重に検

討した結果、伝統的な歯磨き粉用カートンに似たパッケージをつくる

というアイディアに行き着きました。このようなパッケージは目に付

きやすく、標準的なスタンディングパウチと差別化できます。」

　鮮度と品質を維持するため、Milk-Bone Brushing Chewsは再

封可能なチャック付き袋に包装された後、歯磨き粉用箱に挿入されま

す。Big Heart Pet社では、各容量の製品を包装するため、3種類

のカートンサイズと 2種類のパウチスタイルが必要でした。ドイパッ

ク型のパウチは最小容器に対応し、より大型の 2つのカートンではサ

イドガセット付パウチの使用が計画されました。

製袋

　課題となった要求事項は、ドイパック型の袋に Velcroテープを取

付けること、あらかじめテープを付けたフィルムを機械で使用し横ガ

ゼット付きスタンディングバックを製袋すること、3通りのカートン

サイズと 2通りの袋スタイルに対応するフレキシビリティをもたせ

ることなどでした。内袋については、Big Heart Pet社が複数の包

装機メーカーを検討し、その包装上のニーズに基づいて最終的にボッ

シュを選定しました。多種多様な包装用機器をシングルソースサプラ

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イヤーとして提供するボッシュに対する評判から、Big Heart Pet

社は高品質のソリューションが得られることを確信したのです。

　Big Heart Pet社の要求を確認後、ボッシュが提案した機種は、

多様なスタイルの袋をフレキシブルにハンドリングする縦型包装機

SVI 2620 WR型でした。Big Heart Pet社は独特のチャック付き

袋を使用予定であったため、ボッシュは一般的なジッパーではなく、

より使いやすい Velcroジッパーに適合するよう SVI 2620 WR型

をカスタマイズしました。

　「過去 20年にわたって私たちが経験したサービスや機械品質のレ

ベルに基づき、安心してボッシュを選定することができました。」と

Baker氏。「ボッシュは広範な設備を取扱い、技術をカスタマイズ・

アップグレードする能力があります。それにより、現在の事業目標を

達成しつつ、ブランドの成長に従って生産を拡大する際にもフレキシ

ブルに対応できると考えました。」

可動部分の接続

　ボッシュの包装機 VFFS型の選定に加え、Big Heart Pet社は株

式会社イシダのマルチヘッド秤量器、Kliklock Woodman社のカー

トン起函・封緘装置を選定しました。3社はニューリッチモンド（ウィ

スコンシン州）のボッシュ施設で協力し、起点から終点まで連続した

フローのライン設計を行いました。

　複雑な包装設計では、ライン停止を防止し、稼働時間を最大化する

ため、正確な充填が必要となります。ボッシュは幅広い経験を生かし

てイシダ社と協力し、マルチヘッド秤量器および包装機のテストと調

整を念入りに行いました。Big Heart Pet社は、ボッシュのプロジェ

クトマネージャは、そのサービスレベルによりスムーズでシンプルな

工程を実現できると信頼し、オペレータトレーニングを行ったサービ

ス技術者にも信頼を置いていました。

　「ボッシュチームは機器が当社のニーズに適しているかを徹底的に

確認し、新規包装機が最大限能力を発揮できるよう、当社のチームに

丁寧なトレーニングを提供してくれました。」と Baker氏。「一連の

トレーニングと工場出荷検収を通じて、縦型包装機が当社の製品に何

をもたらすかが分かってきました。」

　Milk-Bone Brushing Chews用新規パッケージは、2014年の

発売以来好評を博しました。2014年 11月には、革新的な包装ライ

ンの設計が PMMIの “Packaging Line of the Year “賞を受賞し

ました。Big Heart Pet社、そして愛犬たちにとってメリットの大

きいプロジェクトでした。

20 | packazine Customers & Markets Food and Confectionery

　最初に食べた “Love Heart” キャンディを覚えている人は多いで

しょう。多くの人々にとって、メッセージが刻印されたあのスイー

ツは、子ども時代の忘れられない記憶となっています。この Love

Heartキャンディや、ベストセラーとなっているその他多くのスイー

ツのメーカーである Swizzels Matlow社（スウィゼルズ・マトロー、

以下「Swizzels社」)は、英国で 80年の歴史を誇る老舗菓子メーカー

です。従業員 550名を有し、英国やヨーロッパにとどまらず、全世

界で 9千万ドルを超える売上を上げています。

　かつて繊維工場であった美しい外観のニューミルズ（イングラン

ド、ダービーシャー）工場を拠点とする Swizzels社は、将来の成功

英国の老舗菓子メーカーが導入した最新ロボット技術有名キャンディブランド“Love Hearts”のメーカーSwizzels Matlow社新商品の人気を支えるボッシュの最新型ロボットシステム

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をもたらす鍵は、人気商品への再投資と、生産ラインの継続的な革新

であると考えています。同社は 2012年、新製品 “Squashies” を

発売。これは Love Hearts、Drumsticks、New Refreshers、

Double Lolliesといった人気ブランド製品をもちもちしたおいしい

ガムの形にした画期的な菓子です。

　20 gから 160 gまで、4通りのサイズのピロー包装で提供される

本製品に対する需要は伸び、メーカーにとっては生産量の増加が必要

となりました。

　ボッシュパッケージングテクノロジーのトップローダー Paloma

D2型は、ニューミルズ工場に導入された最初の包装用ロボットとな

りました。本機は実績ある堅牢な設計で効率性に優れ、画像システム

を備えた高速 Deltaロボット 3台を使用し、1包装あたりのコスト

を低減しつつ、製品の包装に欠陥がないことを確認します。ドロップ・

ロードシステムに代えてこの新たな設備を導入したことにより、縦型

包装機から製品を最大 3列で供給し、陳列用ケースに直接入れること

が可能となりました。

最適なソリューション

　Swizzels社のオペレーション責任者 Paul Harvey氏によれば

「ボッシュは、当社のビジネスニーズを確実に把握し、Paloma型機

が最適なソリューションであると理解しました。現地での据付作業は

素晴らしく、予定より早く完了しました。」

　結果はすぐに表われます。新規 Paloma型ロボットソリューショ

ンによって生産能力は 20%向上、360袋 /分の包装が可能となり、

以前の 2シフト生産に代えて、週 7日、1日 24時間のフル稼働も可

能となりました。すべての包装サイズを 1台の機械でハンドリングで

きるため、Swizzels社工場の貴重な設置床面積の節約にもつながっ

ています。

　Swizzels社マネージングディレクター Jeremy Dee氏は感銘を

受けたと言います。「新規ボッシュ製機械は高速で、感動的です。売

れ行きの良い新製品にとって重要な生産能力も保証されています。」

今回納入されたロボット設備は従業員にも好評です。このことから、

Swizzels社にとって、会社と従業員の未来に対する投資であったこ

とがわかります。

素晴らしい実績

　ボッシュパッケージングテクノロジー SAのセールスディレク

ターMarc de Vries氏は、「このプロジェクトで Swizzels社の素

晴らしい実績を見ることができ、本当にうれしく思います。企業が

どのようにロボットオートメーションを活用して需要にこたえ、競

争力を培っていくことができるかを示す良い例です。今回の納入機

は Swizzels社にとって最初の Deltaロボット包装設備でしたが、

Swizzels社のさらなる成長をサポートできるよう、今後も関係強化

に努めていきたいと思います。」

　長年にわたる人気ブランド Love Heartsのメーカーにとって、

ボッシュの Deltaロボットは、強力で実りの多いパートナーシップ

の始まりとなりました。

22 | packazine Customers & Markets Food and Confectionery

　消費者は，欲しいものを、欲しいときに手に入れることを望みます。

一方、食品メーカーは、市場変化への迅速かつ効率的な対応を可能に

する設備を必要としています。世界のコンシューマー製品のトップ企

業である Unilever（ユニリーバ）社にとって、包装におけるフレキ

シビリティは、生産性の最大化における最優先事項です。

　例えば、同社のベストセラーである食品ブランド「クノール」を見

てみましょう。サングイネット（イタリア）のクノール工場は、世界

中で販売される同ブランドのゼリーブイヨンのほとんどを生産してい

ます。その高い生産性により、Unilever社における生産指標となっ

ています 1。同工場では、多種多様な包装スタイルやフォーマットに

対する需要の増加に対応するため、ケース包装をよりフレキシブルに

行う必要が出てきました。

　サングイネット工場のプロジェクトデリバリーエンジニア Carlo

Forchia氏によれば、「ほんの数年前まで、1種類の標準フォーマッ

トに対応できるケースパッカーで十分だったのですが、現在では、特

殊な、様々なフォーマットをお客様に提供する必要があります。」

　フレキシブルなケース包装設備を新規に導入するため、Unilever

社がコンタクトしたのはボッシュパッケージングテクノロジーでした。

世界の食卓へ

　クノール製品ラインは、世界とつながっています。毎日、世界中で

約 3億 2千万人にのぼる人々がクノール製品を消費しています 2。サ

ングイネット工場におけるゼリーブイヨンの生産では、特許取得済み

のゼリー技術を使用して、自然に料理に溶け込み豊かなフレーバーを

世界の食卓へボッシュ製機械の導入によりUnilever社のクノール生産ラインのフレキシビリティが飛躍的に向上

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1 出典 : http://www.unilever.com/resource/search/index.aspx?Search=Sanguinetto

2 出典 : http://www.knorr.com/article/detail/245640/brand-history3 出典 : http://www.unilever.com/brands-in-action/detail/

Knorr/292018/

与えるスープストックが製造されています 3。同工場はイタリア国内

でゼリーブイヨンを生産する唯一の工場ですが、その他のクノール製

品も生産しています。

　同工場はイタリア市場にとどまらず、特に英国、ドイツ、南米など、

広く国外市場にも製品を供給しています。

フレキシビリティが 3倍に

　クノール工場は 2011年、ボッシュからラップアラウンドケース包

装機 Elematic2000型を初めて導入し、一貫高速ラインが完成しま

した。「ボッシュとは、私たちがイタリア国内の Unilever工場とし

て初めて、ボッシュ製機械をラインに取り入れた時以来のお付き合い

です。」と Forchia氏。上記の Elematic型機の実績は高く評価され、

さらに 2台の Elematic型ケースパッカーが導入され、2013年 9

月に稼働を開始しました。

　その結果、Unilever社では稼働効率が改善され、クノールの多

種多様な製品に対してもスピーディな品種替えが可能になりました。

ボッシュ製機器は、2つの標準包装ラインと 1つの高速ラインで使用

されています。

　Elematic 2000型は、より少量のロットのケース包装を目的とし

て設計されており、トレーに蓋（hood）を取り付けることができま

す。本機ではトレーに始まり、全体をラップアラウンド包装した 2分

割の陳列用包装に至るまで、幅広い包装スタイルをハンドリングしま

す。「本ユニットはフレキシブルで、1段または 2段のマルチパック

スタイルにも対応できます。」と Forchia氏。同工場の Elematic型

は現在、35～ 40ケースの能力で稼働していますが、この能力はさ

らに高速化が可能です。

　品種替えも工具不要で迅速に行うことができます。「ボッシュ製機

器の設計は実にクレバー。品種替えはすばやく簡単で、30分～ 1時

間で完了します。新しい種類のトレーの生産が可能で、市場のニーズ

にすばやく対応することができます。」

　また、サングイネット工場では、ボッシュによる円滑な実作業やカ

スタマイズなども大きなメリットです。「技術者がすぐに駆けつけ、

どんな問題もすぐに解決してくれます。」と Forchia氏。

最近の例として、サングイネット工場で様々なフォーマットの製品に

対応したことにより、ベルトの摩耗が発生。ボッシュは Unilever社

のフォーマットをより効率的にハンドリングできるようカスタマイズ

した新規のベルトを製作しました。Forchia氏によれば、「ボッシュ

は真に問題解決志向です。実際に効果を発揮するソリューションを提

供してくれます。素晴らしいアプローチです。」

　フレキシブルな包装は、Unilever社クノールブランドの成功の鍵と

なってきました。ボッシュのサポートにより、Unilever社は品質を損

なうことなく、消費者のニーズに対応することが可能となっています。

本　　　社 〒150-0002 東京都渋谷区渋谷 3-12-22 渋谷プレステージ 7F TEL: 03（5466）2550（代） FAX: 03（5466）2551関西営業所 〒532-0004 大阪市淀川区西宮原 2-1-3 SORA新大阪 21 18F TEL: 06（6391）4641（代） FAX: 06（6391）4640船 橋 工 場 〒273-0017 千葉県船橋市西浦 2-2-2 TEL: 047（435）2571（代） FAX: 047（432）8181ビジョンテクノロジーCoC 〒355-0813 埼玉県比企郡滑川町月輪 1464番地 4 TEL: 0493（81）5068（代） FAX: 0493（81）5094ホームページアドレス http://www.boschpackaging.jp E-mail info.packaging.jp@bosch.com

2015.6

2015年～2016年 食品関連イベント日程 イベント名 開催地 分野

2015 年 5月 14～ 17日 Afro Packaging カイロ 食品

5月 23～ 25日 East Africa Trade Exhibition ダルエスサラーム 食品

6月 9～ 12日 Fooma Japan 東京 食品

6月 10～ 12日 Tea & Coffee World Cup ホーチミンシティ 食品

6月 16～ 19日 Expo Pack Mexico メキシコシティ 食品

6月 17～ 20日 Propack Asia バンコク 食品

6月 23～ 26日 Fispal サンパウロ 食品

7月 15～ 17日 Propack China 上海 食品

7月 21～ 26日 Filda ルアンダ 食品

9月 1～ 3日 Propack West Africa ラゴス 食品

9月 12～ 17日 iba ミュンヘン 食品

9月 28～ 30日 Pack Expo ラスベガス 一般

9月 29～ 10月 1日 Fachpack ニュルンベルク 一般

9月 30～ 10月 3日 AllPack Indonesia ジャカルタ 一般

10月 13～ 16日 Japan Pack 東京 一般

10月 20～ 23日 Scanpack ヨーテボリ 一般

10月 27～ 29日 Gulfood Manufacturing ドバイ 食品

11月 27～ 30日 Addis Agrofood アディスアベバ 食品

2016 年 1月 31～ 2月 3日 ProSweets ケルン 食品

（上記は変更されることがあります。）