イノベーションの「場」FRI2016 SLho

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『イノベーションにおける「場」の本質』

「個」が中心に動く ネットワーク型社会経済

一般社団法人Japan Innovation Network 一般社団法人Future Center Alliance Japan

多摩大学大学院慶應義塾大学大学院SDM研究科

KIRO(知識イノベーション研究所)紺野 登

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オランダ水利運輸管理庁フューチャーセンターLEF

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「場(ba)」の研究の背景• これまでも「場」は知の創発、知識創造にとって重要と考えられてきたが、組織内の場とい

• • • • •

う色彩が強かった

• 一方で、企業の置かれている環境や状況が変化し、従来とは異なる(企業と)社会や個人との開かれたかかわり合いが生まれてきた

• また、ドラッカーが示唆していたように、知識社会においては、自律的個による人間的関

• • • • • • • • • • •

係性(信頼)が経済価値活動の源泉と考えら• •

れるようになってきた

• そこで「場」を組織や社会の関係性が成立す• • • • • • • • • • • • •

る基本単位として捉え直す必要が生じてきた• • • • •

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Nonaka,I. and N.Konno (1998) “The Concept of 'Ba': Building Foundation for Knowledge Creation” California Management Review Vol 40 (3) spring.

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社会的かつオープンなイノベーション加速支援環境創造のため、3つの場(フューチャーセンター、イノベーションセンター、リビングラボ)からなるプラットフォームを、企業・自治体・大学・ユーザーとともに創る活動

企業・都市・コミュニティのなかにイノベーションを加速・推進する機能を埋め込む

一般社団法人Future Center Alliance Japan

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イノベーションの場とは

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J. A. シュンペーターJ. M. ケインズ

需要が不足していると失業が存在したままで経済が停滞:そこで自由放任にかわって、政府が積極的に経済に介入すべき

イノベーションで破壊と創造をくりかえす:アントレプレナーの新機軸導入による「創造的破壊」が景気循環を生み出す源泉

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イノベーションは「たまにやること」ではなく、 経済・経営の不可分の活動

+

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イノベーションのための場創りが リーダー/マネジャーの中核的仕事に

トップマネジメントの役割 1.イノベーションを経営戦略の中核に据えること 2.マネジャーを選びイノベーション・リーダーに転換すること 3.マネージされた実験と素早い成功のための環境を創り出すこと

• • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • •

“Leadership and innovation” McKinsey(January 2008) byJoanna Barsh, Marla M. Capozzi, and Jonathan Davidson

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「イノベーションにおけるリーダーの役割とは、ビジョンを設定したり、それに従わせようと部下を動機づけすることなどではありません。皆が喜んで、新しいアイデアを生み出せるようなコミュニティを創造することです。」

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古くて新しいテーマ

会社設立の目的 一、真面目なる技術者の技能を、最高度に発揮せしむべき自由闊達にして愉快なる理想工場の建設 一、日本再建、文化向上に対する技術面、生産面よりの活発なる活動 一、戦時中、各方面に非常に進歩したる技術の国民生活内への即事応用 一、諸大学、研究所等の研究成果のうち、最も国民生活に応用価値を有する優秀なるものの迅速なる製品、商品化 一、無線通信機類の日常生活への浸透化、並びに家庭電化の促進 一、戦災通信網の復旧作業に対する積極的参加、並びに必要なる技術の提供 一、新時代にふさわしき優秀ラヂオセットの製作・普及、並びにラヂオサービスの徹底化 一、国民科学知識の実際的啓蒙活動

経営方針 一、不当なる儲け主義を廃し、あくまで内容の充実、実質的な活動に重点を置き、いたずらに規模の大を追わず 一、経営規模としては、むしろ小なるを望み、大経営企業の大経営なるがために進み得ざる分野に、技術の進路と経営活動を期する 一、極力製品の選択に努め、技術上の困難はむしろこれを歓迎、量の多少に関せず最も社会的に利用度の高い高級技術製品を対象とす。また、単に電気、機械等の形式的分類は避け、その両者を統合せるがごとき、他社の追随を絶対許さざる境地に独自なる製品化を行う 一、技術界・業界に多くの知己(ちき)関係と、絶大なる信用を有するわが社の特長を最高度に活用。以(もっ)て大資本に充分匹敵するに足る生産活動、販路の開拓、資材の獲得等を相互扶助的に行う

一、従来の下請工場を独立自主的経営の方向へ指導・育成し、相互扶助の陣営の拡大強化を図る 一、従業員は厳選されたる、かなり小員数をもって構成し、形式的職階制を避け、一切の秩序を実力 本位、人格主義の上に置き個人の技能を最大限に発揮せしむ 一、会社の余剰利益は、適切なる方法をもって全従業員に配分、また生活安定の道も実質的面より充分考慮・援助し、会社の仕事すなわち自己の仕事の観念を徹底せしむ。

1946年(昭和21年)1月、ソニー創業者・井深 大氏が起草した設立趣意書

→「場」の創造、対等なパートナーシップ、個の自律性に基づく経営©2016 N.Konno , KIRO. All Rights Reserved. For Lecture Use Only. Do Not Copy.

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イノベーション経営(Innovation Management): イノベーションを基礎とする経営モデルへ

33%

33%

33%

深化事業 (効率性・再生)

進化事業 (持続性)

新域事業 (非連続性)

既存事業 (主力・中核)

関連事業新規事業

「イノベーション」全てがイノベーションの対象

既存事業中心(重力の法則大) 将来へのバランス/それぞれのKPI

 「本業」経営

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イノベーションとは?時代や社会の変化 (問題や課題、障壁)

新たな状況・状態・知識の獲得・普及

洞察・発見 試行錯誤

活用できる技術・方法・知識

新奇性のある観点・知識の創造

表層

深層

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イノベーションのための組織的能力

知識創造の場

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「場(ba)」とは• 知識は情報とは異なり、常に文脈(Context)に依存して生まれたり伝わったりする

• 「場(ba)」とは、(知識創造活動の当事者間で)時間・空間・関係性によって「動的に共有される文脈(Shared Context-in-Motion)や意味」と位置付けられる

• 「場」はイネイブラー(装置/機能)ではなく、規範・基盤・空間・文化であり、組織においては不可視であるが、共有概念として成員に了解される

共有された文脈

形式知

暗黙知

形式知

暗黙知

心理的な場

仮想的な場

物理的な場

実践的な場

知識創造

「場」は知識創造経営の基本単位 (知識に基づく経営は、有効な知識資産と、知識資産を生み出

す知識創造プロセスからなる)

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現象学的な場

• 「場」「場所」はオフィス、研究所、博物館、テーマパークのような機能的・商業的空間ではない

• 人間は生きる上で経験を通じて、身の回りの空間や環境に自分なりに様々な意味を与えていく:その総体が「場」である

• 「場」は知識創造の「イネイブラー」(補助的存在)や触媒ではなく、知識の源泉となる意味・文脈 「人間が生きるということは、身の回りの空間や環境

に自分なりの様々な意味を与えることと同値である」エドワード・レルフ(1999)『場所の現象学―没場所性を越えて 』ちくま学芸文庫2016(c)N.Konno, KIRO Please Do Not Copy.

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イノベーションを促す「場」の必要性と現状

Future Center 研究会調査 2012年11-12月

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場のある企業/ない企業を分類してみると・・・

Future Center 研究会調査 2012年11-12月

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場の有無によって、職場の雰囲気の変化はどう違うか?

Future Center 研究会調査 2012年11-12月

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「場」のデザインによる  知識創造プラットフォームの形成

対話型の場

プロセス型の場

経験型の場

検証型の場

知識創造 の場

•言語化、視覚化、発散的対話 •概念・設計案等

•編集、構成、体系的/収斂的討議 •仕様書・モデル等

•実験、練習、内省 •習熟知・検証等

•直観、身体知吸収/浸透 •現場感覚、ビジョン等

知識創造 イノベーション

共同化

連結化

表出化

内面化

Socialization Externalization

CombinationInternalization

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場の経営(「場の研究会」資料)✤ 経営者はあるべき組織のメタファーとして、「場」を下記のようにとらえている:

①「オープンな関係性としての場=組織」:多様性(多様な知の結びつき)を促進し、人と人をつなげる関係性を育む場

②「価値共有の文脈としての場=組織」:外部とのコミュニケーションを進化させ、企業のビジョンと社会とのつながりを持った個々人がつながり、価値を生み出す、多様化する社会に対応する場

③「事業プラットフォームとしての場=組織」:トップマネジメント自ら、自社のビジネスを具現化し、経営技術が進化する事業プラットフォームとして組織=場を認識

④「情報空間としての場=組織」:組織を情報空間としてとらえ、知を創発させる情報システムやナレッジワーカーのパワーを最大化するオフィス環境

⑤「組織的制度・システムとしての場=組織」:自社を運営していくシステムとして場=組織をとらえる

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「場」(文脈共有)が間身体性、コミットメントを生み出し、情報を活用する

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価値共有文脈

Q12S4

e1

Q12S5

e2

Q12S6

e3

コミットメント

Q12S22

e4

Q12S23

e5

間身体性

Q12S19e7

Q12S20e8

Q12S21e9

本質的対話内省的思考

Q12S16e10

Q12S17e11

Q12S18e12

.70

.68

.72

事業フ ラ゚ットフォーム

Q12S7

e13

Q12S8

e14

Q12S9

e15

情報空間

Q12S10 e16

Q12S11 e17

Q12S12 e18

組織的制度 システムQ12S14e20

Q12S15e21

オープンな関係性

Q12S1e22

Q12S2e23

Q12S3e24

χ2 値=563.150自由度 df=221

p値=.000GFI=.916AGFI=.895CFI=.915

.96

e25

e26

e27

e28

e29

e30

e31

.61

.70

.65

.62

.70

.65

.44 .67

.60

.74

.65.70.63.51 .56

.54

.65

.67

.57

.68

.85

.78

.92

.91

.53

e32

Q12S24

e33

.55

.41

.26

場のモデル

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参加的場の要請

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社会参加型デザインの重要性の高まり• 参加型デザイン、オープンイノベーションなど、企業間、顧客との共創という関心が高まってきている

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参加型デザイン

オープン イノベーション

共開発

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「共創」の要請

• すでにあった警鐘:1992 年企業白書『「人」創造の経営―個と組織の共創をめざして』:「共創の理念に支えられた人創造の経営こそ、明日の日本企業の明るさと希望の源であると考える」(経済同友会)

米国

欧州

日本

• 日本はバブル期から徐々に「クローズド」になっていった • 一方、米国は日本の成功(系列)に学び、仮想的企業体などの概念を生み

• • • • • •

出し、オープンなネットワークを志向していった

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出所:藤野、鈴木(2013)「グローバル経営を推進する知財戦略の教科書」秀和システム

日米欧の技術提携件数の推移

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内向きの場は場でない• 日本企業の現場は暗黙知をベースとする身体的な相互作用の起きる場の典型だった

• ただし、近年効率化のために部門別の閉鎖的な傾向(内向き、ひきこもり)がすすんでいった

• 場や組織間の連携があるだけでなく、組織内外に相互浸透する、開かれた場の関係性が求められる➡あらためて何のための「場」なのかが示されていかなければならない(「会議」は場でない)

➡現場の持つ意味合いの再考

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イノベーションの質的変化

ソーシャル・イノベーション、リバース・イノベーション、グラスルーツ・イノベーション、破壊的イノベーション、オープン・イノベーション、・・・すべてディマンド・サイド・ロジック(顧客起点の需要創造論理)のイノベーション

需要創造論理•エコシステム・共創•持続的イノベーション

•社会・環境の持続性•価値の探究(見えない価値の深い探究)

モノづくり、技術革新、イノベーション「普及」の発想:サプライ・サイド・ロジック

•自社の生存(組織を食わしていく)が出発点•競争戦略・効率追求

製品供給論理 •コモディティ化•付加価値(見えている価値)

社会

(   )

企業

需要創造論理

(   )

顧客

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Page 23: イノベーションの「場」FRI2016 SLho

Open Innovation 2.0

∂∂

•開発効率の向上

•技術・知財(モノ)中心

•一対一の関係(企業対企業/研究機関)

•インサイドアウト/アウトサイドイン取引

•企業主導(自社論理)

•社会的目的の達成

•多様な相互関係性(コト)

•企業/政府・自治体/大学/市民・ユーザー

•多層的スパイラル進化/ビジネスモデル共創

•市民・ユーザー主導

オープン・イノベーション1.0 オープン・イノベーション2.0

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Page 24: イノベーションの「場」FRI2016 SLho

カギとなる社会構造の変化(Society 3.0)

2014 (c)N.Konno, KIRO Please Do Not Copy.出典・参考:“Society 3.0” Ronald van den Hoff

企業/組織

顧客/ステークホルダー

工業社会(モノの時代) 知識社会(コトの時代)

生産者(供給者) と

消費者(需要者)需要者が生産に参加

供給者と需要者の関係は曖昧/相互置換

暫定的な企業/組織

Page 25: イノベーションの「場」FRI2016 SLho

http://www.web-strategist.com/blog/category/collaborative-economy/

協業経済(シェア・エコノミーの本質)

2015(c)N.Konno, KIRO Please Do Not Copy.

•自由度の高い自律した個人が軸となって協業していく経済社会のモデル

サービスのシェア

食料のシェア

物のシェアカネのシェア

空間のシェア

交通のシェア

個が中心

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ドラッカー「事業家たちの社会」(起業家社会)Innovation and Entrepreneurship: Practice and Principlesby Peter F. Drucker 1993

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• 重要なのは、イノベーションと事業家精神が日常的で継続的なものになり・・・組織、経済、社会の中に埋め込まれていること。

• ハイテクイノベーションは一部でしかない・・・事業家的経済が支えなければならない。

• 計画主義は合わない・・・現場からイノベーションは起きる。

• 個人は生涯継続学習を行わねばならない。

Page 27: イノベーションの「場」FRI2016 SLho

いかに「場」をデザインするか

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Page 28: イノベーションの「場」FRI2016 SLho

バウンダリー・オブジェクトとしての場

• バウンダリー・オブジェクト(Boundary Object)とは、異なるコミュニティやシステムの境界(バウンダリー)にあって、これらを繋ぐものとして生みだされる対象や存在をいう

• 知識創造はシステム内だけで起きるのでなく、むしろシステム間、組織と環境との間での相互作用、創発で起きる:媒介としての場

コミュニティ

コミュニティ

コミュニティ

コミュニティ

コミュニティ

コミュニティ

バウンダリー オブジェクト

© 2015 Noboru Konno, KIRO

Page 29: イノベーションの「場」FRI2016 SLho

Future Center®(フューチャーセンター)ABN AMRO Dialogue House

Telecom Italia Future Center

Rijkswaterstaat LEF Future Center

The Shipyard

The MindLab

Future Center Alliance

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Page 30: イノベーションの「場」FRI2016 SLho

Tokyu Railaway:Catalyst Ba

Kokuyo EcoLive Office

Mitsubishi Real Estate: Ecozzeria SanSan Lab

Fuji Xerox KDI Future Center

Fujitsu Learning Media:CO☆ PIT

FSAS Innovation&Future Center

Nikken Sekkei NAD

Development Bank of Japan: iHub

Future Centers in Japan

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Page 31: イノベーションの「場」FRI2016 SLho

イノベーション経営に向かう場の変化: ワークプレイスのオープン化

2015(c)N.Konno, KIRO Please Do Not Copy.参考:Bror Salmelin(2015)講演資料

コスト/効率化

品質/速度

ソリューション 新規市場展開

イノベーション

局所最適化 内部統合 プロセス革新 ネットワーク化 事業構造再定義

組織内の協業・知の共有への関心

オープンな協業・知の創造への関心

都市との境界融合 社会実験型の場

現在から将来への関心

この10年の関心

「オフィスの生産性」

組織戦略

経営戦略

Page 32: イノベーションの「場」FRI2016 SLho

3つの「場(ba)」からなるプラットフォーム連携フューチャーセンター

イノベーションセンター リビングラボ

www.dialogueshouse.nl/

http://www.ili-lighthouse.nl/RoadmapEhv2030EN.htmlhttp://josephbihag.com/3m-innovation-center/

仮説(シナリオプランニング等) 現状の状況や文脈とは異なる状態を想定してアイデアを展開する

探索(フィールドワーク等) 社会観察:空想やデータで考えず現地現物現場の当事者・状況を観察し課題を発見する

試行(プロトタイピング等) シミュレーションなどを通じて実践的に具現化する

【フューチャーセンター、イノベーションセンター、リビングラボ:Future Center, Innovation Center, Living Labs】

• フューチャーセンターだけでなく、イノベーションセンターやリビングラボなどの場・実践を合わせて、つまり、いずれも知識社会における企業、共同体、都市の「場の革新」を通じて、最終的には社会・経済のイノベーションを生みだす一連の活動

• 「フューチャーセンター」は単なるイベントではなく、①企業、②国・自治体、③共同体・市民、④教育機関等を結ぶ場(boundary object)。

• 「イノベーションセンター」は企業の技術と社会を繋ぐオープン・イノベーションの場。

• 「リビングラボ」は以上から生まれるプロトタイピングのための社会的実験の場

企業

教育研究機関

社会組織

行政

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ユーザー・顧客 共同体成員

協業者 納税者・市民

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Page 34: イノベーションの「場」FRI2016 SLho

外部知を取り入れる様々な手法と場

参加手法 長所(+) 短所(-)

専門家委員会(審議会) 信頼できる専門的知識/情報専門家の参加動機は高い

未知のユーザー意思/現地情報

パネル/モニター 参加者の参加動機は高い 受益者への意見の偏り

シンクタンク 問題への客観的回答や提言 持続的参加動機はない

市場調査(会社) すべての階層からの統計的信頼性のある情報が取得可能

全体にとっての長期的視座はない/持続的参加動機はない

テストマーケティング 利益に対する現実に近い情報 全体にとっての長期的視座はない

ユーザーグループ 特定階層の意思、情報の獲得 公平性や全体的情報の要請

ユーザー共同開発 特殊の利益に関する現実性 公平性や全体的情報の要請

フューチャーセンター/ リビングラボ

対話による知識創造、利益に対する現実に近い情報/全体にとっての長期的視座

公平性や全体的情報/参加動機の醸成の担保の仕組みが不可欠

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Page 35: イノベーションの「場」FRI2016 SLho

7P:「貴社のセンターの活動をデザインしてください」

Purpose Performance

Place

People Promotion

ProgramProcess

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• 大目的の確認 • 駆動目標の設定

• テーマオーナー • 関係者

• 狙いのインパクト • KPIは?

• 時系列プログラム • 試行錯誤のデザイン

• 場のメソッド • 創造の方法論

• 関係者巻き込み • 長期的視点

• 活用する空間 • FC/IC/ LLの連関

• イノベーション加速支援のための共創・協業の場をデザインする

目的

人々

方法

変化

展開

行程

空間(場所)

Page 36: イノベーションの「場」FRI2016 SLho

イノベーションの場における目的の重要性• 金だけで動機づけられる人の数はとても少ない。多くの人は目的のためにここにいるのだと感じたいのです。 ピーター・ドラッカー

• イノベーションはいつでも目的のことだ。これが我々が欲しいものだという焦点が定まった時現実化するのだ。 ジョン・ケイオー

• テスラ・モーターズの大目的とは、私が主要かつ矛盾のない持続的な解決と信じる、資源を掘って燃やす炭化水素経済から太陽電池経済への移行を促進することです。 イーロン・マスク

• 大企業を変えたいなら、とてつもない粘り強さと目的の一貫性がなければならない。これが私が学んだことです。 ジェフ・イメルト(GE)

• 目的志向の高い企業ほど、新技術や新製品開発に積極的である2016(c)N.Konno, KIRO Please Do Not Copy.

Page 37: イノベーションの「場」FRI2016 SLho

目的工学(Purpose Engineering)の要請

• 目的工学とは、

• 社会的に意義ある価値を形成するため、

• 関係する個々の主体が、あるべき未来の実現を目指し、

• 協力せざるをえないような善い目的を共有する臨時的共同体(soft alliance /community)を形成し、

• 必要な資源を持ち寄り、動態的に目的と手段・技術の体系を調整しつつ、より高い価値を創造するために知識を綜合(synthesize)していくための、

• マネジメントの思想と方法の体系のコンセプト

• 善い目的に基づく経営(Management On Purpose)のための・・・

• 社会、企業、個々人の目的を調整して成果を生み出すための(Management Of

Purposes)・・・

実践知(practical wisdom)

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Page 38: イノベーションの「場」FRI2016 SLho

大目的

(中目的) 駆動目標、ミッション

小目的(群)

小目的(群)

小目的(群)

小目的(群)

小目的(群)

利益や売上げばかり考える人は、なぜ失敗してしまうのか: 紺野 登, 目的工学研究所

目的工学:目的群の調整・綜合 社会の要請 (共通善)

個々が自律的に目的を共有することで、知識・能力が発揮される

企業/プロジェクトの為すべきこと

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成功しているプロジェクトは社会課題を解決するような善い目的があり、手段とうまくマッチングしている失敗するプロジェクトの場合、大きな目的がはっきりしていないうえ、手段となる技術がフィットしていないことが多い

Page 39: イノベーションの「場」FRI2016 SLho

ご静聴ありがとうございました。

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