〔パブリックコメント案〕 - Kobe...神 港将来構想の検討 神...

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(神戸港将来構想) 平成29年5月 神戸市 挑戦・進化を続けるみなと神戸 ~新たな価値創造を目指して~ 〔パブリックコメント案〕

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  • (神戸港将来構想)

    平成29年5月

    神戸市

    挑戦・進化を続けるみなと神戸~新たな価値創造を目指して~

    〔パブリックコメント案〕

  • ⽬ 次

    1

    1. 「神戸港将来構想」について

    2. 神戸と港のあゆみ

    3. 神戸の強みと弱み

    4. 社会経済情勢の変化

    5. 神戸港の将来像とコアプロジェクト

    6. 戦略的取り組み・ 次世代コンテナターミナルと流通・加工・製造機能の高度集積地の一体化

    =神戸港ロジスティクスターミナル・ 神戸市・阪神国際港湾㈱・国・経済界一体となった戦略的海外展開・ 多様な貨物に対応可能な海上物流拠点の形成・ テクノロジーの進化に対応した高効率な物流システムの実現・ 高品質で安全なグリーン物流と新エネルギー活用システムの提供・ 高品質な港湾サービスを支える高度人材育成・ 都市の成長を牽引するウォーターフロントの再開発・ 新たなランドマークとなる神戸港のシンボル景観の整備・ ウォーターフロントの特色を活かした豊かな生活環境の創出・ 多彩なクルーズ船に対応するクルーズターミナル群の再編・ クルーズ文化醸成と国内マーケットの新規開拓・ 海・空・陸のターミナルを結び、集客拠点を回遊する交通網の整備

    7. ゾーニングと将来イメージ

    8. 検証のしくみ

  • 「神戸港将来構想」について

  • 神⼾港将来構想の検討神⼾港将来構想の検討

    ▋神⼾港将来構想の背景と⽬的神戸港は1868年1月1日に開港し、2017(平成29)年

    に開港150年を迎えました。

    近年、ASEANをはじめとするアジア諸国等の急速な

    経済成長や、第4次産業革命とも言われるIoT・人工

    知能などの技術の進展、そして国際海上物流の急速な

    環境変化など、ヒト・モノ・カネ・情報・技術など

    様々な側面で急激な変化やグローバルな結びつきがま

    すます強まっています。一方、国内に目を向けても、

    人口減少社会の進展や国内港湾の相対的地位の低下な

    ど、神戸港を取り巻く状況は大きく変化しています。

    神戸市では開港150年の節目に、今後もさらに大き

    な変化が予見される、世界・日本の社会経済情勢や港

    湾物流の動向等を適切に踏まえ、概ね30年先を見据え

    た、神戸港が目指すべき戦略的な将来像を策定するこ

    ととしました。

    本構想の検討にあたっては、神戸港の主たる機能で

    ある港湾・産業に加え、みなとまち神戸の活力と文化

    を創造するにぎわい・都市、さらに今後一層重要性が

    高まる環境・安全を対象とし、神戸港の総合的な国際

    競争力強化を図ることとしました。

    ▋神⼾港将来構想の位置づけ本構想は、今後とも大きな変化が予見される世界の

    社会経済と港湾物流の流れの中で、神戸港がチャレン

    ジとリノベーションを続けながら、持続的発展を図る

    ための長期的な戦略を示すものです。この戦略のもと

    で、具体の短・中期的な事業計画を立案・実行し、状

    況等の変化にあわせて必要に応じた軌道修正を図りな

    がら、将来像の実現を目指します。

    ▋⽬標年次概ね30年後(2050年)を目標年次とします。

    ▋検討対象範囲検討対象範囲は概ね下図の着色エリアとします。

    ただし、下図エリア外であっても「みなとまち神

    戸」の発展に重要な役割を担う施策は検討対象としま

    す。

    ▋神⼾港将来構想研究会の設置将来像の検討にあたっては、国内外の社会経済情勢

    や、国際的な港湾物流の動向などを反映させる必要が

    あることから、神戸港港湾審議会の中に「神戸港将来

    構想研究会」を設置し、審議会委員に、国際経済や港

    湾物流の専門家を臨時委員として加えるとともに、国

    土交通省や阪神国際港湾株式会社からも同研究会に参

    画頂き、検討を進めました。

    主な検討対象範囲

    神⼾港港湾審議会<神⼾港将来構想研究会>

    概ね30年後の神⼾港の⽬指すべき将来像について議論、検討

    神⼾港港湾審議会<神⼾港将来構想研究会>

    概ね30年後の神⼾港の⽬指すべき将来像について議論、検討

    神⼾市神⼾市報告

    諮問

    神⼾港の将来構想

    3

    :主な検討対象範囲

  • 本構想のフロー

    4

    2.神⼾と港のあゆみ将来像の検討にあたって、神戸港が果たしてきた役割を再確認

    3.神⼾の強みと弱み神戸の強みと弱みの整理と、これを踏まえた取り組むべき方向性

    4.社会経済情勢の変化今後の社会経済情勢を予見し、概ね30年後の神戸港を取り巻く環境を想定

    5.神⼾港の将来像とコアプロジェクト神戸港が目指すべき将来像と、将来像実現のため、特に注力するコアプロジェクト

    6.戦略的取り組み各戦略的取り組みの背景、施策展開イメージ、具体的施策と主な取組主体

    7.ゾーニングと将来イメージ戦略的取り組みを行ったのちの30年後のゾーニングと将来イメージパース

    8 .検証のしくみ社会経済情勢等の変化に柔軟に対応するPDCAによる検証のしくみ

    1.「神⼾港将来構想」について神戸港将来構想の背景と目的、位置づけ、目標年次、検討対象範囲、検討体制など

  • 神戸と港のあゆみ

  • ▋開港以前神戸の港の歴史は古く、日本書紀に務古水門との

    記述があります。奈良時代に築かれた大輪田泊は、

    平安時代末期から鎌倉時代初期にかけて、日宋貿易

    で栄える国際貿易拠点でした。

    室町時代、江戸時代には「兵庫の津」と呼ばれ、

    鎖国政策下の江戸時代には、国内交通の要衝として、

    重要な役割を果たしました。

    ▋開港後100年まで1858年に締結された日米修好通商条約の中で開港

    が定められ、神戸港は1868年1月1日に開港しまし

    た。

    開港後は、人・物・情報が行き交う拠点として、

    また、国際貿易港として常に最新の設備を整備し、

    世界を代表する港に発展しました。

    開港100年にあたる1967年には、わが国で初めての

    コンテナ船が神戸港に入港しました。このコンテナ

    物流は、港湾物流のあり方を大きく変え、神戸港は、

    その後の船舶大型化などにも対応し、その姿や機能

    を変えることとなりました。

    ▋開港後100年〜150年(直近50年間)コンテナ物流という大きな変化にいち早く対応し

    た神戸港は、1970年代には、世界2位のコンテナ取

    扱量を誇りました。 1980~1990年代に完成したポー

    トアイランド、六甲アイランドの2つの巨大人工島

    は、世界最新鋭のコンテナターミナルを有し、神戸

    港の港勢拡大に大きく寄与しました。また、これら

    の人工島においては、物流機能のみならず、居住・

    業務・商業用地の供給など、最先端の多機能複合型

    の海上都市づくりを世界に先駆けて進めました。

    同時に、港湾物流機能の沖合展開により、物流機

    能が移転した都心ウォーターフロントでは、メリケ

    ンパーク、神戸ハーバーランド、ポートアイランド

    キャンパスゾーンなどの再開発が進められました。

    1995年1月に発生した阪神・淡路大震災で、神戸

    港は甚大な被害を受けましたが、わずか2年で施設

    復旧を完了しました。

    復旧後は、港勢回復に努めるとともに、ポートア

    イランド(第2期)の供用や港湾施設の再編などを

    進めましたが、神戸港の再生は決して容易なもので

    はありません。2010年8月には、阪神港として大阪

    港とともに、国際コンテナ戦略港湾に選定され、

    2014年10月には、阪神国際港湾株式会社を設立し、

    現在も基幹航路の維持・拡大や港湾サービスの向上

    に取り組んでいます。

    2016年にはコンテナ取扱量が震災前の水準まで回

    復してきており、ようやく震災前のスタート地点に

    立ちました。このたび、港湾都市神戸の持続的な成

    長を実現するため、概ね30年先という新たなステー

    ジに向かって取り組みをスタートします。

    7

    1967:コンテナ船初⼊港

    1972:ポートアイランド

    開港当時の神⼾港

    2007:ポーアイしおさい公園

    現在の神⼾港

  • ⽇本の主な出来事⽇本の主な出来事

    1964 東京五輪1966 ポートアイランド着⼯(1981年竣⼯)

    1968 ⽇本のGDPがアメリカに次ぐ世界2位に1970 ⼤阪万博

    1991〜1993 バブル経済崩壊

    2008 ⽇本の⼈⼝減少元年2010 ⽇本のGDPが世界3位に転落

    2011 東⽇本⼤震災

    2013 2020東京五輪開催決定

    2015 阪神淡路⼤震災20年

    神⼾と港の主な出来事神⼾と港の主な出来事

    開港100年1967 1967 阪神外貿埠頭公団設⽴、神⼾港へのコンテナ船初⼊港

    8

    開港50年1917

    1889 神⼾市市制施⾏

    1899 外国⼈居留地が神⼾市に編⼊

    1907 第1期修築⼯事着⼯(新港第1から第4突堤(⻄)他。1922年竣⼯)

    1919 第2期修築⼯事着⼯(新港第4(東)から第6、中、兵庫第1、2突堤他。1939年竣⼯)

    1938 中突堤が竣⼯

    1951 神⼾市、港湾管理者となる1958 神⼾市、海岸管理者となる1959 摩耶ふ頭着⼯(1967年竣⼯)

    1972 六甲アイランド着⼯(1992年竣⼯)

    1981 ポートアイランド完成を記念して「ポートピアʼ81」開催(財)神⼾港埠頭公社設⽴

    ポートアイランド(第2期)着⼯(2010年竣⼯)

    1868(明治元年)

    1912(⼤正元年)

    1926(昭和元年)

    1889 ⼤⽇本帝国憲法発布1894 ⽇清戦争

    1904 ⽇露戦争

    1914 第⼀次世界⼤戦

    1945 終戦

    1923 関東⼤震災

    1939 第⼆次世界⼤戦1937 ⽇中戦争

    1946 ⽇本国憲法公布

    1868 居留地第1回競売開港1868

    2006 神⼾空港開港

    1989(平成元年)

    1985 プラザ合意

    2010 阪神港として「国際コンテナ戦略港湾」に選定

    1963 神⼾ポートタワー竣⼯

    1970 ポートターミナル、神⼾⼤橋竣⼯

    1998 六甲アイランド南事業着⼯

    2016 コンテナ取扱量が震災前の⽔準まで回復

    2014 阪神国際港湾株式会社設⽴

    2011 神⼾港埠頭株式会社設⽴

    1985 第13回夏季ユニバーシアード開催

    1988 六甲アイランドまちびらき

    開港150年

    神⼾国際港湾会議(2⽉)神⼾開港150年記念式典(5⽉)

    2007 「ポーアイしおさい公園」オープン

    2017神⼾開港150年(1⽉1⽇)

    1987 メリケンパークオープン、海洋博物館開業

    1992 神⼾ハーバーランドオープン

    1995 阪神・淡路⼤震災

    2004 阪神港として「スーパー中枢港湾」に指定

    1878 神⼾商法会議所(現神⼾商⼯会議所)設⽴

    1945 神⼾⼤空襲

    1967 ⽇本⼈⼝1億⼈突破

    1973 円が固定相場制から変動相場制へ移⾏

    1913 中国⼈⾰命家・孫⽂が来神

    1893 神⼾-ボンベイを結ぶ⽇本初の国際定期遠洋航路開設

    中突堤中央ターミナル供⽤開始東部新都⼼地区(HAT神⼾)まちびらき

  • 神戸の強みと弱み

  • 北⽶⻄岸4 北⽶東岸1

    北⽶/欧州1

    欧州・地中海1

    アフリカ1 オセアニア1

    インド・パキスタン1

    東南アジア30

    中国29

    韓国6

    ナホトカ1

    11

    神戸には、これまでの歴史の中で、蓄積された様々な

    強みと弱みがあります。そして、従来は強みであったこ

    とが、社会経済情勢の変化によって、改善すべき弱みと

    なっているものもあります。

    神戸港の将来像を定めるにあたり、これら活用すべき

    強みと克服すべき弱みを以下に整理します。

    ▋活⽤すべき強み▼アジアをはじめとする国内外との充実したネットワーク

    神戸港は、これまでの港湾物流活動によって、西日本

    随一の基幹航路、さらには近年経済成長が著しい中国や

    ASEANとの充実した航路網、加えて国内においては、中

    国、四国、九州等の各港とのフィーダー・フェリーネッ

    トワークを形成してきました。これらのネットワークを

    通じて、多くの国内外地域との間に、貨物のみならず、

    人的交流も含めた深いつながりがあります。

    平成29年2月には、神戸国際港湾会議にて、神戸港は

    ASEANを中心とする11港と相互連携の覚書(MOU)を

    締結し、翌月には神戸港関係者とともにASEANからの集

    貨戦略を検討するプロジェクトチームを立ち上げるなど、

    具体的な取り組みを始めています。

    今後、日本の人口・経済の縮減が予測される中、この

    ような国内外の地域とのつながりを拡大・発展させなが

    ら、アジア等の成長を神戸に取り込む取り組みが求めら

    れます。

    ▼背後圏とのアクセス性向上現在、関西圏には、大阪湾岸道路西伸部をはじめ、新

    名神高速道路や名神湾岸連絡線といった高速道路の未整

    備の区間(ミッシングリンク)があり、阪神高速3号神

    戸線の渋滞発生や災害時等の代替性確保などの課題に加

    え、背後圏と神戸港のアクセス性の低さによる神戸港の

    競争力低下の一因となっています。

    このため、神戸港内に位置する大阪湾岸道路西伸部は

    2016年度に事業化され早期整備を目指しているほか、新

    名神高速道路は高槻~神戸間が2017年度、全線が2023年

    度に開通予定で整備が進められています。また、名神湾

    岸連絡線は都市計画に向けて検討が進められ、淀川左岸

    線は2期が事業中、延伸部が2017年3月に事業認可を受

    けるなど、ミッシングリンク解消に向けた取り組みが着

    実に進展しています。さらに阪神高速3号神戸線などの

    既設路線の大規模更新等も進められており、今後、ポー

    トアイランド~六甲アイランド間の接続による神戸港内

    の物流拠点の一体化に加え、神戸港の背後圏との陸上ア

    クセス性の向上が見込まれます。

    神⼾港からの外貿航路(数字は航路数)

    2017年1⽉現在

    姫路●

    ⽔島●福⼭●

    広島●

    ⼤⽵●

    岩国●

    徳⼭●

    三⽥尻中関●

    宇部●

    ●⾨司●ひびき

    博多●●伊万⾥

    ●⻑崎●⼋代

    ●薩摩川内

    ⼤分●

    細島●

    油津●志布志●

    ●⾼松

    ●伊予三島徳島●

    ●新居浜

    ●今治●松

    ⼭ ●⾼知

    ●和歌⼭

    名古屋●

    ●東京・横浜・川崎

    宮崎●

    ●:内航フィーダーサービス(31港99便/週)●:内航フェリーサービス (11港、55〜56便/週)●:内航フィーダー+フェリーサービス

    ⼩⾖島●

    神⼾港の内航フィーダー・フェリーネットワーク

    2017年2⽉現在●奄美⼤島・徳之島・沖永良部・与論・那覇

    ⾼速道路ネットワークの整備状況

    出典:経済⼈2014年12⽉号(関⻄経済連合)を加⼯平成29年2⽉に神⼾港と相互連携の覚書(MOU)を締結した港

    神⼾●

    ●上海

    ●基隆●⾼雄

    ●スービック

    ●タンジュンベラック

    ●ホーチミンシアヌークビル●

    ●チッタゴン

    ●コロンボ

    ●ハイフォン

    中国中国

    台湾台湾

    フィリピンフィリピン

    インドネシアインドネシア

    スリランカスリランカ

    バングラデシュバングラデシュ

    カンボジアカンボジア ベトナムベトナム

    出典:経済⼈2014年12⽉号(関⻄経済連合)を加⼯

  • 12

    ▼世界から評価される⾼度で丁寧な港湾荷役神戸港には、高度な技術、ノウハウを有する港湾関

    連事業者が多く立地しており、コンテナをはじめ、特

    殊貨物を含むあらゆる貨物を確実に取り扱うことが可

    能です。また、貨物の破損や汚損の心配がなく安心だ

    と、世界から評価されています。このような荷役技術

    を適切に継承・伝承するとともに、荷役の「質」を世

    界にアピールしていくことで、神戸港選択機会の増加

    を図る取り組みを展開します。

    ▼充実した既存産業の集積神戸には、鉄鋼や造船、産業機械等の分野で、世界

    をリードしてきた企業とそのサプライチェーン企業が

    立地し、広域圏の関西を含めるとその集積は多大なも

    のとなります。

    ▼先端産業など新たな産業の集積近年、神戸周辺に海事・航空機関連の産業クラス

    ター形成が進んでいます。これら航空機などの先端産

    業や食品産業、さらには一大産業クラスターとして成

    長した医療関連産業などが多く立地していることが、

    神戸の強みとなります。

    これら産業集積や先端技術といった産業の強みと、

    神戸の港としての強みを融合させ、双方の成長を促す

    新たな取り組みを展開することが必要です。

    ▼若者の多いまち・神⼾神戸には多くの大学等の教育機関が立地しており、

    進学を機に学生が転入し、多くの若者が集まっていま

    す。しかし、就業を契機とする東京や大阪への流出が

    顕著であり、雇用の場や産業の創出によって、卒業後

    もまちの活力として住み続けもらう取り組みが必要で

    す。

    ▼外国⼈が暮らしやすいまち・神⼾国際港湾都市・神戸には、各国のインターナショナル

    スクールや外国語対応のなされた病院、様々な宗教施設、

    外国人クラブなどが多く立地し、さらに外国人コミュニ

    ティが確立されているなど、外国人が暮らしやすい環境

    が整っています。

    この強みをさらに発展させ、外国人が住みやすく訪れ

    やすい環境を整備し、国外の活力を取り込むとともに、

    海外とのネットワーク強化を図ります。

    外国⼈の⽣活環境が整う神⼾

    カナディアンアカデミー神⼾出典:カナディアンアカデミー神⼾HP 出典:神⼾ムスリムモスクHP

    神⼾ムスリムモスク

    新たな産業の集積

    ⼤学の多い街、神⼾

    (校)

    • 基幹ロケットフェアリング製造

    • ジェットエンジン部品製造• ジェットエンジン中圧圧縮

    機モジュール開発製造

    • MRJ主翼・中央翼の部品製造• MRJ中型部品の表⾯処理・塗装

    • ⺠間航空機ランディングギアの開発・製造

    • B787主翼スパー製造・主翼の⼀部組⽴• ⺠間航空機部品製造• US-2(救難⾶⾏艇)などの開発・製造

    ・基礎研究・臨床応⽤

    重⼯業

    造船 ⾷品サイロ、化学薬品

    航空機製鉄業

    神⼾港に⽴地する代表的な業種

    出典:⽂部科学省「平成28年度学校基本調査」

  • 13

    ▼クルーズ拠点としての優位性と受⼊環境世界的なクルーズ需要の高まりの中、世界有数の観

    光目的地である関西を背後に控えることや、瀬戸内海

    の東端に位置していること、そして空港とも至近にあ

    ることなどから、神戸港はクルーズ拠点として、高い

    優位性を持っています。また、神戸港には2つのク

    ルーズターミナルを完備しており、受入環境も整って

    います。さらに、港湾と中心市街地が近く、クルーズ

    寄港地として、また港を感じられる街として海と陸の

    両側からの来街者に対しての優位点を有します。

    これらの強みを活かし、神戸での滞在を目的とする

    クルーズ誘致や、他都市との広角な連携による需要創

    出を図ります。

    ▼神⼾ならではの⽣活⽂化の存在神戸には、豊かな自然や外国との交流の歴史などを

    背景に、食(肉、パン、ケーキ、酒など)や、ファッ

    ションなど、神戸ブランドを確立した産品が多く存在

    します。また、六甲山や有馬温泉を有し、身近で豊か

    な自然も神戸市民の生活に根付いています。これら産

    品を、日本製品の信頼性に対する需要増等を活用しつ

    つ国際市場に展開するとともに、外国人訪日客等への

    アピール、産業観光化を行うことなどにより、神戸の

    持続的発展に寄与する取り組みが求められます。

    ▼美しい景観を有する神⼾神戸は港から街が始まったため、いまでも三宮など

    街の中心から海や港が近く、また地形上、背後には山

    が控えています。海と山に挟まれコンパクトに展開す

    る市街地は、豊かな緑や歴史的建造物、そして明るく

    洗練された建物群など、街並みの美しさで知られてい

    ます。これまで神戸は景観やデザインに力を入れ、世

    界有数の美しいみなとまちを形成してきました。また

    夜景も、日本新三大夜景に選ばれるなど世界的に有名

    です。

    このような神戸の資源となる景観に磨きをかけ、世

    界の人を魅了する「美しいみなとまち」として、来訪

    機会の増加を図る取り組みを推進します。

    神⼾を代表する⽣活⽂化

    ⽇本新三⼤夜景に選ばれた神⼾の夜景出典:神⼾市、神⼾観光コンベンション協会

    出典:神⼾市

    神⼾港に寄港するクルーズ船の⼊港回数

    20

    72

    9 342

    75

    8 28

    52

    265

    30

    100

    200

    300

    ラグジュアリー プレミアム カジュアル 不明

    クラス別・港別寄港数(2016)

    神⼾ 横浜 博多

    ( )内は、延べ数に対し⼊港した船舶数

    (2)(7)

    (4) (2)(2)

    (6)

    (10)

    (2)(3)

    (9)

    (4) (3)

    (延べ⼊港回数)

    出典:各港資料より作成

  • 14

    ▼環境分野をはじめ豊富な技術蓄積を有する神⼾神戸は「水素スマートシティ神戸構想」など、環境

    モデル都市として、世界的にも最先端の環境施策を展

    開し、高い環境技術を有しています。また、水道や交

    通インフラなどの分野で、既に技術の海外展開を行っ

    ており、海外諸国との技術を通じた良好な関係を構築

    しています。

    このような関係を発展させ、環境技術のビジネス化

    や海外展開、環境そのものの観光化などにより、神戸

    の持続的発展に結びつけ、ブランディングを図ります。

    ▼震災経験都市としての⾼い防災性阪神・淡路大震災の経験都市として、神戸はその後

    の防災対策を推進し、他港に比べ充実した耐震強化岸

    壁を有しています。津波・高潮対策についても、平成

    27年度に50年間にわたる高潮対策事業を終え、平成31

    年度には、都心部や人家部における一定の津波対策の

    ハード整備も完了させる予定です。また、震災を踏ま

    えた防災の国際的研究機関の立地など、防災に対する

    知見でも世界をリードしています。

    このような安全・安心な港湾を全世界にアピールし

    神戸港選択機会の増加に活用するとともに、防災を通

    じた世界との交流などを促進します。

    ▼神⼾港の持続的発展に必要となる⽤地の確保が可能神戸港の持続的発展に向けて、港湾物流施設整備をは

    じめ、新たな戦略的施策を展開していく用地の確保が必

    要となります。神戸港には、現在埋立中である333haに

    及ぶ六甲アイランド南地区が存在するとともに、ポート

    アイランドや六甲アイランドにおいて、定期借地方式で

    民間企業等に提供されている物流関連用地は、今後30年

    の間には借地期間完了を迎え、物流・産業の新たな事業

    展開に活用が可能となります。またこれを受け、ウォー

    ターフロントに立地する物流施設の同エリアへの移転を

    促進することで、ウォーターフロントには都市的土地利

    用への転換が可能となる用地の発生も展望されます。

    このような取り組みを戦略的に行うことによって、神

    戸港では港湾・産業、にぎわい・都市双方において、持

    続的発展のために必要な用地の確保が可能となり、施策

    内容に応じた適切な立地で対応を図るポテンシャルを有

    しています。

    ポートアイランド、ポートアイランド(第2期)の活⽤可能候補地

    ⽔素スマートシティ神⼾構想の推進

    燃料電池⾃動⾞ 家庭⽤燃料電池

    神⼾における先駆的な⽔素エネルギー利⽤技術開発事業の推進

    ⽔素サプライチェーンの構築 ⽔素エネルギーシステムの開発

    ⽔素ステーションの整備促進 燃料電池の利活⽤促進

    神⼾港の耐震強化岸壁

  • ▋克服すべき弱み▼トランシップ率の低下

    コンテナ取扱量は、阪神・淡路大震災被災時に大幅に

    減少しましたが、その後の取り組みもあり、2016年は震

    災以前の水準まで回復しています。しかし2000年以降、

    中国の急速な経済成長等の影響により、外国諸港はもと

    より日本全体の取扱量の伸びに比べても、神戸港の伸び

    率は低い状況にあります。また、かつて50%近くを占め

    たトランシップ率は、近年はほぼ1%前後で推移してい

    ます。

    このような状況に対し、これからの世界の経済・物流

    動向に適切に対応しつつ、神戸港が有する産業集積や高

    度な産業技術、質の高い荷役、高い安全・安心性などを

    活用した新たな取り組みで、トランシップ率の向上とと

    もに、神戸港の港勢を拡大していくことが必要です。

    ▼製造業の海外移転等による輸出⼊量の減少神戸をはじめ関西は国内有数の製造業集積を誇り、こ

    れまで家電や機械など多くの輸出を行ってきました。し

    かしながら、安い人件費や成長するアジア市場との近接

    性等を求め、製造業の海外移転が進行しました。

    その中にあって、神戸市臨海部・内陸部には全国的に

    も多くの製造業が進出しています。創貨に向けての課題

    である高速道路のネットワーク強化や、新たな創貨企業

    の立地に向けたインセンティブ導入などにより、これら

    製造業と神戸港を結びつけ、神戸港の創貨力強化を推進

    することが必要です。

    ▼若者の流出神戸には多くの学生が住んでいますが、就業の機会に

    東京や大阪に流出しています。神戸は、一度住んだこと

    のある人からは住みやすいまちとの評価を受けています

    が、神戸に好印象を持っている人でも、就業に合わせ、

    流出している現状があります。このようなまちのファン

    を留めるために、若者が魅力を感じる雇用の機会を創出

    することが必要です。

    ▼クルーズターミナルのにぎわい不⾜神戸港にある2つのクルーズターミナル、特にポート

    ターミナルではクルーズ船入港時以外は利用者が少なく、

    ウォーターフロントに位置しながらその恵まれた立地条

    件を活用できていません。

    このため、人々が日常的に利用できる施設の導入やイ

    ベント開催などにより魅力を高め、にぎわい創出に寄与

    していく取り組みが求められます。

    15

    神⼾のトランシップ率の低下

    0.0

    10.0

    20.0

    30.0

    40.0

    50.0

    60.0

    1974

    1976

    1978

    1980

    1982

    1984

    1986

    1988

    1990

    1992

    1994

    1996

    1998

    2000

    2002

    2004

    2006

    2008

    2010

    2012

    2014

    神⼾港のコンテナトランシップ率

    (2015)1.2%

    (%)

    ←ピーク時48.2%(1976)

    世界、⽇本、神⼾のコンテナ取扱量の伸び

    出典:世界は世界銀⾏、⽇本は港湾統計、神⼾は神⼾港⼤観より作成

    0.00

    1.00

    2.00

    3.00

    4.00コンテナ取扱量の増加率(2000年=1)

    世界 ⽇本 神⼾

    3.0(2014)

    1.4(2015)

    1.2(2015)

    進学を機に⻄⽇本から神⼾へ転⼊し、就職を機に神⼾から⼤阪と東京圏へ転出する若者

    -1,500

    -1,000

    -500

    0

    500

    1,000

    北海道・東北

    北関東・甲信越

    東京

    南関東︵除東京︶

    東海

    北陸

    ⼤阪

    兵庫︵除神⼾︶

    関⻄︵除⼤阪・兵庫︶

    中国

    四国

    九州・沖縄

    地域別に⾒た若年層における10歳階級別転⼊・転出超過数(2015)

    10〜19歳 20〜29歳 30〜39歳

    (⼈)

    出典:住⺠基本台帳⼈⼝移動報告より作成

    流⼊過多

    流出過多

  • 16

    ▼神⼾ならではの魅⼒的な観光ツールの不⾜神戸には旧居留地や南京町などの、みなとまちならで

    はの人気観光地が存在します。一方、同様の観光資源を

    有するみなとまちは、国内でも横浜、函館、長崎などが

    存在するとともに、同じ関西の大阪・京都・奈良が有す

    る商業集積やテーマパーク、神社仏閣をはじめとする歴

    史・文化施設等と比較しても、観光面における神戸の世

    界的訴求力は高いとは言えません。このため、世界目線

    で観光客を呼び込む場や観光ツールの創出が必要です。

    ▼インバウンドによる好影響を享受できていない神⼾神戸はおしゃれ、ハイカラなイメージをもとに、国内

    有数の観光都市として発展してきました。しかしながら、

    近年、外国人訪日者数(インバウンド)が急増する中で、

    神戸の外国人来訪率は全国の中でも高いとは言えず、イ

    ンバウンドの絶対数もシンガポール、シドニーといった

    世界的な観光都市であるみなとまちと比べて、低い水準

    となっています。

    このような状況に対し、都心ウォーターフロント再開

    発地区や都心内集客拠点の魅力と回遊性向上、クルーズ

    需要の取り込みなどにより、インバウンドのニーズにも

    対応する、にぎわいと交流のまちづくりを推進すること

    が必要です。

    ▼都⼼から海(港)を感じられない神戸の都心・三宮は神戸港から近い位置にあるものの、

    海を眺望できるのは市庁舎展望ロビーなど限定的で、ク

    ルーズ船の入出港など港の様子が感じられません。

    市民の日常的な都市活動の中にあっても、市民が港を

    身近に感じられる仕組みづくりが必要です。

    ▼都⼼部〜ウォーターフロント間のアクセス性・回遊性の低さ神戸は、都心と港が近接したコンパクトなまちですが、

    両者のアクセス性が物理的・心理的に高くなく、ウォー

    ターフロントが都市生活や観光に十分に活かされていま

    せん。また、ウォーターフロント内での回遊性も十分と

    は言えず、各施設をつなぐ一体的な整備が必要です。

    88

    232

    497

    588 588

    265

    156 128

    383

    209 192

    395

    253202

    150

    29

    109 103

    0

    100

    200

    300

    400

    500

    600

    700

    海遊館・天保⼭

    USJ 梅⽥・⼤阪駅

    ⼼斎橋

    難波

    ⽇本橋

    あべの・天王寺

    通天閣・新世界

    ⼤阪城

    京都駅周辺

    ⼆条城・烏丸・河原町

    東⼭

    ⾦閣寺周辺

    宇治・伏⾒

    嵐⼭・嵯峨野

    姫路

    神⼾・三宮

    奈良公園・東⼤寺

    関⻄空港外国⼈利⽤者数の観光地別推計訪問者数(2015)(万⼈)

    出典:関⻄インバウンドプラットフォーム調査(三菱総合研究所)より作成

    外国⼈の主要観光地となり切れていない神⼾

    1,508

    1,076

    718 489

    312 203 150 111 101 89 79

    1,523

    352

    0

    400

    800

    1,200

    1,600外国⼈訪問者数(2015)

    国道2号浜⼿バイパスと阪神⾼速3号神⼾線による⼼理的分断

    出典:H27訪⽇外国⼈数(JNTO)にH27訪⽇外国⼈消費動向調査(観光庁)の都道府県別訪問率を乗じて算出シンガポールは、International Visitor Arrivals Statistics (Singapore Tourism Board)シドニーは、2015.8~2016.9(National and International Visitor Surveys, TRA)

    わが国の中で⾼いとはいえない神⼾(兵庫県)への外国⼈訪問率(万⼈)

    公共交通が整っていない中突堤、新港⻄地区

    駅勢圏500m

  • 社会経済情勢の変化

  • 0

    20,000

    40,000

    60,000⽶

    中国

    イン

    ⽇本

    ドイ

    2011年

    中国

    ⽶国

    イン

    ⽇本

    ロシ

    2030年

    中国

    ⽶国

    イン

    ブラ

    ジル

    ⽇本

    2050年

    2030年にはASEANの多くの国で⾼質な個⼈消費が増⼤

    国別GDPは、中国・⽶国・インドが3⼤国に

    ▋アジアの経済成⻑継続、新たな経済拠点の出現▼アジアとアメリカが世界経済の⼆⼤核

    世界のGDPは今後も増加し、経済は拡大傾向を維持し

    ます。その中でも経済の中心はアジアにあり、世界銀行

    の推計によれば、2050年における国別GDPの3大国のう

    ち中国とインドの2か国がアジアに位置し、世界におけ

    る日本の経済的シェアは大きく減少することになります。

    また、注視すべきはアメリカであり、人口は微増にも

    関わらず世界第2位と、引き続き大きな存在感を示すと

    の予測もあります。このことから、将来的にもアメリカ

    は、消費を中心とした旺盛な経済活動を展開することが

    予測されます。

    ▼中国からASEAN、インドへの⽣産機能の移転が進展中国の経済大国としての地位は今後も拡大すると予想

    されますが、世界の工場と言われる中国の人件費の高騰、

    ASEANとインドの技術力向上などにより、これらの地域

    への生産機能の移転も進んでいます。

    生産拠点の移動は国際物流構造に直結し、ASEANやイ

    ンド発着の貨物が増加し、国際物流構造は、これまでの

    中国中心から、南西方向へ広がっていくことが予測され

    ます。

    ▼アジアでの個⼈所得増と富裕・中間層増加中国に加え、ASEAN、インドでも経済成長が見込まれ

    ており、これらの地域に富裕層が生まれ、中間層増加も

    含め巨大な消費マーケットが誕生することとなります。

    この結果、これら地域での嗜好品や耐久消費財需要が

    高まるとともに、クルーズを含む海外旅行者の増加など、

    同地域のマーケットへの適切な対応が重要となります。

    ▼アフリカ、中南⽶の経済成⻑今後、アフリカとアジアでの人口増加が展望され、特

    にアフリカの増加率が著しいと予測されています。消費

    地としてのアフリカ市場の魅力に加え、製造業は常に安

    い人件費を求めて移動するため、ASEAN、インドの次に

    は、アフリカや中南米が新たな経済拠点となると言われ

    ています。本構想の対象期間である概ね30年先までの間

    は、アジアが世界経済の中心であると予測されることか

    ら、アジアを視野の中心に入れつつ、その次のステージ

    のための準備として、アフリカや中南米に対する神戸港

    の取り組みを検討していきます。

    19

    対2015で何倍か(アジア、アフリカ)

    出典:三菱UFJリサーチ&コンサルティング予測より表作成

    <年平均値> 2006〜2010年度(実績)2011〜2015年度

    (予測)2016〜2020年度

    (予測)2021〜2025年度

    (予測)2026〜2030年度

    (予測)

    実質GDP成⻑率 0.2% 0.6% 0.7% 0.3% 0.8%

    名⽬GDP成⻑率 -1.0% 0.8% 1.2% 0.8% 1.2%

    GDPデフレーター -1.2% 0.2% 0.4% 0.6% 0.5%

    ⽇本の成⻑率は、1%以下に留まる

    0

    20

    40

    60

    80

    100

    1950 1960 1970 1980 1990 2000 2010 2020 2030 2040 2050

    地域別⼈⼝推移

    アジア 北アメリカ南アメリカ ヨーロッパアフリカ オセアニア

    (億⼈)

    出典:World Population Prospectsより作成

    44(2015)

    53(2050)

    12(2015)

    25(2050)

    1.2倍

    2.1倍

    アジア、アフリカを中⼼とする⼈⼝増加

    これからの30年間で予測される世界の社会・経済動向

    を、以下に整理します。本構想を策定するにあたっては、

    これらの動向に適切に対応することが必要となります。

    出典:pwc推計よりグラフ作成

    PPPに基づくGDP(2011年基準

    10億⽶ドル)

    上位5カ国のGDP実績及び予測

    出典:実績はIMF、予測は三菱総合研究所

    世帯収⼊と消費の質の変化について ⼀⼈当たり名⽬GDPと消費の発展段階

    アジア

    アフリカ

    世界のGDPは今後も増加、中国・インド・ASEANの⽐率は倍増世界の実質GDP額推移(2000年ドルベース)

    出典:世界銀⾏「World Development Indicators」、HSBC「The World in 2050」

    ⽶国, 17%

    EU, 18%

    ⽇本, 5%中国, 21%

    インド,

    7%

    ブラジル, 2%

    ロシア, 1%

    ASEAN,

    5%

    その他,

    15%

    2050122兆ドル

    ⽶国,

    28%

    EU, 23%⽇本,

    12%

    中国, 8%インド, 3%

    ブラジル, 2%

    ロシア, 1%

    ASEAN, 2%

    その他,

    22%

    ⽶国,

    30%

    EU,

    23%

    ⽇本,

    16%中国, 1%

    インド, 1%ブラジル, 1%

    ASEAN, 1%

    その他,

    27%

    備考:2050年の世界計GDP額はHSBC試算の上位100ヶ国のみ含む。1970、2011年のASEANにはミャンマー、2050年のASEANにはラオス、カンボジア、ミャンマー含まず。

    201142兆ドル

    197012兆ドル

    3.5倍2.9倍

    出典:経済産業省「通商⽩書2013」

  • 世界の潮流に呼応して⾼まる、⽇本企業の海外売上⾼と海外⽣産⽐率

    出典:わが国製造業の海外事業展開に関する調査報告-2016年度 海外直接投資アンケート結果(第28回)- (国際協⼒銀⾏)

    ⽇本の製造業の海外⽣産、海外売上⾼、海外収益⽐率

    ▋グローバル化のさらなる進展▼わが国製造業の海外進出継続、⼀部企業での国内回帰の動向

    アジアを中心に、巨大消費地への生産・物流コストの

    削減や消費地ニーズの製品への反映を目的として、日本

    からの工場進出が進み、アジアの技術力向上を背景に、

    研究開発拠点を含む高度な生産機能の進出も見られます。

    一方で、高付加価値な生産機能を日本に留める傾向や、

    一部企業では国内生産に回帰する動きも見られます。

    生産機能全体でみると、日本の人口減少もあり、今後

    とも国内から海外への移転が継続すると予測され、国内

    生産機能は高付加価値型、最先端生産技術活用型などに

    特化していくものと予想されることから、これらの生産

    機能を神戸港に組み込むことで、持続的発展を目指して

    いく必要があります。

    ▼製造業を中⼼にボーダレスなサプライチェーンによる経済活動が更に進⾏

    インターネット技術の進展や激しい価格競争などを背

    景に、適材適所の製造ネットワークが構築され、国境を

    超えたサプライチェーンが更に進展するとされています。

    わが国の高付加価値型、最先端生産技術活用型等への

    特化を踏まえると、これに適応したサプライチェーンを

    構築する必要があり、神戸港においても、国際物流構造

    の変化を見据えたサプライチェーンの構築が求められま

    す。

    ▼アジアを中⼼に拡⼤する⽇本のEPA幅広い経済関係の強化を目指して,貿易や投資の自由

    化・円滑化を進める経済連携協定や自由貿易協定の締結

    国が、アジアを中心に増加しています。物品の関税や

    サービス貿易の障壁等を削減・撤廃することで、貿易量

    の増加が予想されます。

    また、協定締結による原産地基準の緩和等により、例

    えば、製品に対する高い信頼性を背景とし、サプライ

    チェーンにおける国内生産機会の増加なども展望される

    ことから、EPAを注視した物流・産業政策が求められる

    ことになります。

    米国のトランプ政権誕生とTPP離脱、英国のEU離脱な

    ど保護主義の台頭が強まっていますが、一方ではRCEP

    実現に向けた動きも見られ、長期的には、確実にグロー

    バル化は進んでいくと考えられます。

    20

    ⽇本のEPA取り組み状況

    出典:経済産業省HP

    出典:グローバル化が続く⽇本の電⼦部品産業-数量増加と低価格化が同時進⾏-増⽥ 耕太郎(⼀財) 国際貿易投資研究所 客員研究員

    多様化する部品調達先と、企業国籍に依らない⼯場⽴地(⽇本企業の港湾を経由しない⽣産活動の例)

    実績値

    2016年度実績⾒込

  • 21

    ▼全世界での交流(観光)⼈⼝増による都市間競争の激化

    新興国の経済成長等により、世界的に交流人口が増加

    しています。わが国では、ビザ発給の緩和や円安などを

    背景に、インバウンド数が急増しています。

    この交流人口の獲得をめざして、国際的な都市間競争

    が激化しており、国際的イベント誘致や国際的な都市ブ

    ランドの確立などが、世界主要都市で展開されています。

    神戸においても、これまでの観光資源や産業・歴史資産

    などを活用し、観光需要に適応した競争力を強化してい

    く必要があります。

    ▋国際物流を取り巻く状況の変化

    ▼ASEANの経済成⻑により、アジアでの国際物流重⼼は現在の中国から南下

    現在、中国からASEANへの生産機能の移転の動きがあ

    り、これが進展することで、アジアにおける国際物流の

    重心は中国から南下することが想定されます。

    重心の南下によって、将来的にも旺盛な消費活動が継

    続すると想定される北米へのASEAN発貨物が増加します

    が、ASEAN各国を基幹航路が巡回することは想定しにく

    く、また河川に位置し大型船に対応するバースが建設で

    きない港湾もあり、ASEAN域外でのトランシップ拠点が

    必要となることが予測されます。台湾・高雄港ではその

    取り込みの動きを見せていますが、ASEAN~北米間のト

    ランシップで要する時間は高雄港と神戸港でほぼ同じで

    あるため、神戸港がASEAN~北米間のトランシップ拠点

    となることを目指します。

    ▼国際的サプライチェーンに適切に対応した港湾空間でのロジスティクスパーク等の整備進展

    生産における国際的な最適化の進行に合わせて、ロジ

    スティクスパークでは、検品、ラベル貼り、再梱包など、

    付加価値をつける役割を担うことが多くなっています。

    欧州のハブ港では、企業のサプライチェーンのニーズに

    対応したロジスティクスパークの整備により、荷主に利

    便性等の利益を提供することで、取扱貨物量の増加を

    図っています。

    神戸港においても、背後圏の製造業の特性に応じた高

    度な製造・加工機能や、最新の流通システムに対応した

    流通機能を有するロジスティクスパークの整備により、

    ASEAN~北米間などの加工・組立型トランシップなど、

    貨物量増加の取り組みが必要です。

    出典:ベッセルトラッカ 全球AIS情報管理システム(https://www.vesseltracker.com/jp/Routing.html)より作成

    ロサンゼルス●

    1,774海⾥

    5,433海⾥

    6,497海⾥2,932海⾥

    タイ・レムチャバン港からロサンゼルス港までの距離

    神⼾●

    ⾼雄●

    各国で進むロジスティクスパーク整備

    出典:新たな時代の港湾経営とロジスティックス戦略(井上聰史、⽇⽐野直彦、森地茂)

    欧州 ⽶国

    ロッテルダム港 ブレーメン港 バルセロナ港 ロサンゼルス港 サバンナ港

    ロジスティクス機能

    広域・⻑距離配送、クロスドッキング、トランスローディングロジスティクス付加価値サービス、差別遅延化、保管(普通、低温、冷凍)、部品センター、修理センター3PL(サプライチェーン管理代⾏)、製品展⽰商談、ロジスティクス研修

    形状 ⼀団地型 ⼀団地型 ⼀団地型 分散型 ⼀団地型

    規模 50~100ha 500ha 40~150ha - 40~700ha

    開発⼿法と港湾管理者の役割

    港湾公社が計画的に整備し、⺠間事業者に貸し付ける

    ブレーメン都市州が計画的に整備し、⺠間事業者に売却ないし貸し付ける

    港湾公社が計画的に整備し、⺠間事業者に貸し付ける

    ロジスティクス企業、製造企業、流通企業、不動産開発企業など⺠間による開発

    最初に港湾公社が⼿掛け、不動産開発企業ロジスティクス企業が続いた

    FTZ・保税措置 ⾮保税 ⾮保税 保税施設 FTZ(港湾管理者が開設・運営者)FTZ(州政府機関が開設・運営者)

    都市ブランド戦略の例

    2010年3⽉に刷新されたシンガポール観光促進キャンペーンの名称。旅⾏者がそれぞれの趣向に合わせた「⾃分だけのシンガポール」を体験できるよう、インターネットを通じて旅⾏情報を提供。

    リヨンでは、2007 年よりそれまで個別に取り組んでいたブランド戦略を統⼀し、官⺠連携によりリヨン都市圏を国際的にPR。観光振興だけでなく、企業誘致、都市魅⼒向上などあらゆる分野において⼀体的なブランド戦略を展開。

    海⾥ ⽇数

    レムチャバン-神⼾ 2,932 5⽇ 2時間

    神⼾-LA/LB 5,433 9⽇ 10時間

    【計】 8,365 14⽇12時間

    ※⽇数は、速度を24knotsとして算出

    海⾥ ⽇数

    レムチャバン-⾼雄 1,774 3⽇ 1時間

    ⾼雄-LA/LB 6,497 11⽇ 6時間

    【計】 8,271 14⽇7時間

    出典:YourSIngapore HP 出典:ONLYLYON HP

  • ▼⾼効率なコンテナターミナル整備が世界的潮流に海外コンテナターミナルでは、コンテナ船の大型化へ

    の対応に加え、高効率なターミナル整備が行われていま

    す。また、メガターミナルオペレーターによる複数ター

    ミナルの運営実績の活用や、高効率荷役機器の導入によ

    る運用面での効率化が進んでおり、技術の進展に伴い、

    この流れは今後とも継続すると予測されます。

    神戸港では港湾従事者の高い技術により、既に効率的

    な荷役を実現していますが、将来的な労働力人口の減少

    を見据え、コンテナターミナルの効率化を一層、推進す

    ることが必要となります。

    ▼船社アライアンスの再編といった変化への柔軟な対応船舶の大型化による投資規模の拡大、これに伴う船腹

    の過剰供給によるコンテナ船の収益悪化などから、船社

    の統合、合併やアライアンスの再編が急激に進むととも

    に、邦船3社では世界に対する競争力を強化するためコ

    ンテナ部門の統合が実施されるなど、船社を取り巻く動

    向は大きく変化しています。

    このような動向は今後とも継続すると予測されており、

    アライアンスの再編動向にも対応した、コンテナターミ

    ナルの機能向上を進めることが求められます。

    ▼海外諸港で進展する貿易の⾃由化海外主要港では競争力を高めるためのフリートレード

    ゾーンが活用されており、たとえば中国では従来の保税

    港区や総合保税区に加え、貿易や投資、金融分野での規

    制緩和措置を適用した自由貿易試験区を新たに設定する

    など、戦略的取り組みが推進されています。

    神戸港においても、取扱貨物量増加や企業立地の進展

    に向けた競争力強化の具体的方策の検討とあわせて、貿

    易に携わる人・モノ・情報・金融などを対象とした、自

    由貿易の実現に向け、新たな環境づくりが望まれます。

    22

    ▋少⼦⾼齢化やライフスタイルの変化が進展▼減少する労働⼒⼈⼝とこれによる社会システムの変化

    日本では、人口及び労働力人口の減少、深刻な高齢化

    が進展します。神戸市の人口も2040年には対2015年比で

    12%減少し、労働力人口については同23%の大幅な減少

    が予測されています。

    このような労働力人口の減少により、物流業界でも人

    手不足への対策として、新たな技術を用いて効率化を進

    める動きがみられ、今後、労働集約型産業である港湾物

    流を含む流通システムに、大きな変革をもたらす可能性

    が高くなっています。

    0

    50

    100

    150

    2010年 2015年 2020年 2025年 2030年 2035年 2040年

    0〜14歳 15〜64歳 65歳以上

    (万⼈)

    出典:⽇本の地域別将来推計⼈⼝(平成25年3⽉推計)国⽴社会保障・⼈⼝問題研究所より作成

    神⼾市の世代別⼈⼝の将来推計

    155万⼈136万⼈(-12%)

    93万⼈72万⼈(-23%)

    減少する神⼾市の⽣産年齢⼈⼝

    アライアンスの再編動向

    世界中で活動を⾏うグローバルターミナルオペレーター(DP World)

    グローバルターミナルオペレーターの世界シェアターミナルオペレーター 2015

    取扱量(百万 TEU)

    世界シェア本拠地 分類

    Hutchison Port Holdings (HPH) ⾹港 専業 81.0 11.9%

    APM Terminals デンマーク 船社系 69.3 10.2%

    PSA International シンガポール 専業 63.8 9.4%

    Cosco Group 中国 船社系 62.8 9.2%

    DP World UAE 専業 60.5 8.9%

    出典:DP World HP

    出典:Port.Today記事(データはDrewry)より作成

    出典:神⼾市作成

  • 23

    ▼ワーク・ライフ・バランスによる余暇時間の増加、物的消費から体験・経験への経済・時間消費構造の変化

    女性の社会進出、家族形態の多様化、男女労働者の意

    識の変化、少子高齢化などの変化を背景に、働く人々の

    意識が「仕事と家庭(家族)」のバランスを求める方向へ

    変化し、その結果、余暇時間の増加が予測されています。

    この時間消費において、先進国では物質的な豊かさが

    満たされたことによる商品の購入・消費への関心が低下

    し、経験や体験に時間やお金を使う傾向が高まっており、

    観光においてもリピーターを中心にこの傾向が顕在化し

    ています。

    このため、神戸においても集客施設等の整備だけでは

    なく、神戸でしかできない文化や産業などの体験型観光

    創出などが求められます。

    ▋産業や⽣活に影響を与える技術の進展▼第4次産業⾰命など新たな産業動向の台頭

    第4次産業革命では、IoTなどの情報技術を駆使して

    製造業を高度にデジタル化することで、カスタマイズ製

    品の安価・迅速な供給が可能となるとともに、「人件費

    の極小化」が実現されます。

    このため、これまでの生産地選択に占める人件費の影

    響が少なくなり、労働人口減少が進展する日本への製造

    業回帰等も展望されます。さらに流通分野における情報

    化の進展も展望されることから、神戸港においても、こ

    れらの動向への適切な対応が重要となります。

    ▼⼈⼯知能による⾃動運転などの実現人工知能等の技術を用いた自動運転の技術開発、実証

    実験が自動車メーカーやIT企業で競争的に行われており、

    近い将来の実用化が展望されています。この実現により、

    港湾業界で課題となっている労働力不足や職場環境の改

    善が見込まれます。

    また、電気自動車の実用化によって、CO2排出など環

    境負荷の面で劣っていた自動車輸送が、鉄道や水上輸送

    と遜色ない手段になることも想定されます。このため、

    これまでどちらかと言えば否定的に捉えられていた自動

    車フィーダー輸送に対する評価が、上がることが予測さ

    れます。

    神戸港の再整備あたっては、このような技術進歩の動

    向を注視しつつ、神戸をはじめとする日本国内企業のテ

    クノロジーを活用して最新鋭ターミナルを整備し、神戸

    港の競争力強化を進めていきます。

    産業⾰命の進展

    コトや時間にお⾦を使いたい⽇本⼈の傾向

    出典:平成28年度版科学技術⽩書

    IoT(モノのインターネット)のイメージ

    減少する労働時間

    出所:平成28年度版男⼥共同参画⽩書

    週間就業時間60時間以上の雇⽤者の割合の推移(男⼥計、男⼥別)

    出典:平成28年度版男⼥共同参画⽩書

    第1次産業⾰命動⼒を獲得

    (蒸気機関)

    第2次産業⾰命動⼒が⾰新

    (電⼒・モーター)

    第3次産業⾰命⾃動化が進む

    (コンピュータ)

    第4次産業⾰命⾃律的な最適化が可能に

    (⼤量の情報を基に⼈⼯知能が⾃ら考えて最適な⾏動を取る)

    ※旅⾏については2015年は「国内旅⾏」「海外旅⾏」のいずれか1つを回答した⼈を対象としている出典:NRI「⽣活者1万⼈アンケート調査」(2003年、2006年、2009年、2012年、2015年)

    積極的にお⾦を使いたい費⽬の推移(複数回答)

  • ⽇本のBtoC-EC市場規模の推移

    24

    多様化するエネルギー源

    出典:電⼦商取引に関する市場調査(H28.6 経済産業省)

    出典:経済産業省産業資⾦課資料

    ITの進展による⾦融サービスの進化

    ▼国際電⼦商取引やBtoC物流の増加など物流形態の変化

    インターネット技術やグローバル化の進展、消費者の

    嗜好の多様化に伴い、個人による生産者への直接発注が

    増え、物流の小口多頻度化をもたらしています。この動

    きは国境を跨いでも見られ、越境Eコマースの増加が展

    望されています。また、ドローンを使った物流の実証実

    験も行われており、近い将来、物流に変化を及ぼす可能

    性が高くなっています。

    したがって、今後の港湾物流を含む流通分野において、

    B to Cや小口多頻度化などの動向を踏まえた新たな流通

    形態に対応した拠点づくりが、これまで以上に重要にな

    ると予測されています。

    ▼決済⽅法の多様化フィンテックと呼ばれるICTを活用した金融サービス

    として、電子マネーやビットコインなどの仮想通貨、モ

    バイル決済、指紋決済など様々なサービスが生まれてき

    ており、生活におけるキャッシュレス化が世界的潮流と

    なっています。特に中国における電子マネーの普及は著

    しく、今後、インバウンド誘致を強化していく中、

    ウォーターフロントを中心としたみなとの施設において

    も利用者の需要に対応した適切な取り組みが必要となり

    ます。

    ▼持続可能な社会の実現に向けた新エネルギー利活⽤近年、LNGや水素等の新エネルギーや、環境に優しい

    未利用・再生可能エネルギーの活用などが世界的に進め

    られています。

    神戸市では、「水素スマートシティ神戸構想」として、

    現在、神戸空港北東部において民間企業と連携した実証

    実験を実施しています。これを契機として、海外でも例

    のない、世界に先駆けた大規模な水素エネルギーサプラ

    イチェーンの構築を図るなど、今後の成長分野である

    「エネルギーの産業化」を目指していくことが望まれま

    す。

    ▼海洋産業の育成近年、シェールガスやメタンハイドレート等の海洋資

    源開発が、世界的に注視されています。わが国近海にも

    膨大なメタンハイドレードの埋蔵が予測されていますが、

    海洋資源開発は難易度の高い技術の利用が不可欠であり、

    今後の技術革新に負うところも多くあります。

    神戸においても、これまで蓄積した技術を活用し、海

    洋資源の生産・処理・輸送機器などを開発し、サブシー

    エンジニアリング・オフショアエンジニアリング等の分野

    で、世界をリードしていくことが望まれます。

    浮体式洋上天然ガス液化プラント

    出典:資源エネルギー庁

    出典:独⽴⾏政法⼈ 産業技術総合研究所 地圏資源環境研究部⾨HP

    ⽔素エネルギー利活⽤の形態

  • 0

    500

    1,000

    1,500

    2,000

    2,500

    3,000

    3,500

    4,000

    2012 2014 2016 2018 2020

    アジア地域におけるクルーズ市場規模の予測

    日本

    韓国

    台湾

    中国・香港

    インド

    東南アジア

    25

    ▋クルーズをはじめとする交流⼈⼝獲得

    ▼ターミナルなどクルーズ船客受⼊環境の充実に海外のみなとまちが取り組む

    欧米を中心に世界のクルーズ人口は急増しており、近

    年はアジアにおいても、急速な経済成長を背景にクルー

    ズ市場が急成長し、今後ともこの傾向は継続すると予測

    されています。現状のアジアではショートクルーズ、カ

    ジュアルクルーズが主流ですが、経済成長に伴い、ロン

    グクルーズ、ラグジュアリーやプレミアムクルーズへと、

    量的、質的に変化していくことが考えられ、様々なカテ

    ゴリーへの対応が必要となります。このような中で、ク

    ルーズ寄港誘致においては、瀬戸内クルーズやFly &

    Cruiseなど神戸ならではの特徴の活用が重要となります。

    また、クルーズ船の大型化が進み、これらに対応して、

    国内外の港ではバースの増設・延伸、快適で効率的な出

    入国管理が可能なターミナルの整備が進んでいます。国

    内のクルーズターミナル整備においては、クルーズ船社

    が旅客ターミナルビルを整備し岸壁の優先的使用を行う

    等の官民連携の動きがあります。これは、交流人口の獲

    得に向けた都市間競争の一環であり、また一人あたりの

    消費額が大きいクルーズ船客獲得は高い経済効果をもた

    らすためであり、今後ともこの競争は継続すると予測さ

    れます。神戸港においても、既存ストックを活用しつつ、

    旅客の快適な乗降に加え、入船時の港の雰囲気や景観、

    交通環境の改善など、総合的なクルーズ船客受入環境の

    充実が必要です。

    ▼背後都市と⼀体となった交流⼈⼝増への取り組み国内外の多くの港が、クルーズ船寄港地として、長時

    間の停泊誘発、そして経済効果拡大のために観光資源創

    出とプロモーションを精力的に行っています。このよう

    な中、交流人口の増加と地元経済への波及効果を目指す

    動向は、今後も継続するものと予測され、クルーズマー

    ケット拡大によりその果実を求める誘致合戦は、さらに

    激しくなることが考えられます。

    このため、神戸港においても、神戸の来訪魅力向上や

    プロモーション、そして神戸が培ってきた観光資源や景

    観・デザイン面での個性に磨きをかけるなど、交流人口

    の増加に取り組んでいく必要があります。

    国内各港のクルーズ船寄港数

    クルーズ船⼊港時の歓迎イベント

    出典:神⼾市

    出典:国⼟交通省 2016年の訪⽇クルーズ旅客数とクルーズ船の寄港実績(速報値)

    アジアで増加が予想されるクルーズ客

    出典:アジア・クルーズ⽩書2014年版(アジア・クルーズ・アソシエーション)

    (年)

    130万⼈

    380万⼈

    2.9倍

    (千⼈)

  • 26

    世界のCO2排出量⾒通し

    出典:グローバルJAPAN-2050年 シミュレーションと総合戦略-⼀般社団法⼈ ⽇本経済団体連合会

    ▋環境配慮が重要な⾏動基準に▼世界的に炭素排出の規制強化が進む

    新興国の成長に伴い、世界のCO2排出総量の増大が予

    想されており、特に中国とインドでの増加が予想されて

    います。COP21では、国別CO2の排出量削減目標が設定

    されました。このため、今後、港湾でのCO2の排出量が、

    港湾選択の要素となる可能性も十分想定されます。

    このような動向の中で、今後神戸港においても、排出

    量削減に向けた低炭素型港湾整備が重要なテーマとなっ

    てきます。また、船舶に対してもさらなる環境負荷低減

    が求められることが考えられ、この一環で、LNGや水素

    など新エネルギーへの対応も重要となります。

    ▼環境負荷が低いことが地域ブランドとなる環境に対する世界的意識の高まりにあわせ、企業の

    CSR(社会的責任)やCI(企業戦略)で環境負荷低減を

    打ち出す企業の増加が予測され、その場合の立地戦略と

    して、環境負荷を低減できるシステムを有する港湾、地

    域の選択性が高くなると想定されます。すなわち、環境負荷が低い地域には、多くの国境を超

    えた企業等の立地が進展することが想定され、これが地

    域経済に好影響をもたらすことから、港湾物流の低炭素

    化はもとより、港湾を含めた都市全体の低炭素化の推進

    が重要です。

    中国インドを中⼼に増加するCO2排出量

    ▋地域間及び官⺠連携の重要性関西は個性や歴史が異なる神戸、大阪、京都が近接し、

    それぞれが発展するかたちで大都市圏が形成されました。

    これからのわが国の人口減少下で、地域として持続的に

    発展していくためには、それぞれの個性等を活かしつつ、

    地域として連携していくことが重要となり、その対象は

    経済、物流、観光、防災など多岐にわたります。

    このような背景を踏まえ、神戸港の持続的発展のため

    に、港湾物流の面では阪神港としての集貨を大阪湾全体

    で行うことに加え、瀬戸内諸港とも連携し、国際フィー

    ダー貨物の広域集貨に取り組むことが重要です。また、

    具体の取り組みにあたっては、行政のみではなく阪神国

    際港湾㈱をはじめとする官民連携の下で推進することも

    必要となります。さらに、関西圏の観光資源の魅力を大

    阪湾諸港と連携しアピールするとともに、クルーズ地と

    して人気が高い瀬戸内海も視野に入れ、都市・地域間連

    携及び官民連携を図りながら取り組みをより効果的・戦

    略的に推進することが求められます。

    地域間連携の事例①瀬⼾内・海の路ネットワーク推進協議会

    (防災、観光、環境)■活動指針

    1.⾼速海上交通時代に対応した今⽇的意義のある「海の路の構築」、並びに地震津波に対応した防災ネットワークの整備

    2.瀬⼾内海の景観、歴史、⽂化、⾷、街並み等インバウンド観光時代における瀬⼾内の魅⼒発信

    3.失われた⼲潟、藻場の再⽣や災害、荒廃によるはげ⼭の修復等の瀬⼾内海の環境創造

    ■会員国⼟交通省9地⽅機関、11府県、107市町村

    ②関⻄国際観光推進本部(観光)■リーディングプロジェクト

    • 関⻄広域での国際観光プロモーション

    • 関⻄統⼀交通パスの発売• 「KANSAI」ブランドの発信• マーケティング調査の実施・セミ

    ナーの開催■「KANSAI国際観光指針」の概要

    (訪⽇外国⼈誘客⽅策の⽅向性)1.世界におけるアジアの観光・⽂

    化⾸都をめざす2.官⺠⼀体、オール関⻄で⾏動し

    「KANSAI」ブランドを構築する3.快適な旅⾏環境を提供する4.多種多様な観光資源を発掘・活

    ⽤し、磨き上げる5.⼤規模なスポーツイベント(ラ

    グビーW杯・東京オリパラ・関⻄WMG等)と連動する

    会員市町村

  • ▋国等の計画との整合大阪湾港湾連携推進協議会※は、大阪湾港湾のさらな

    る国際競争力、良好な環境、安全・安心をそれぞれ確保

    することを主たる目的として、今後必要となる方向性、

    新しい取組、継続すべき取組を「大阪湾港湾の基本構想

    ~スマートベイの実現を目指して~」として平成27年12

    月にとりまとめました。この構想では、概ね10 年後にお

    ける社会、経済、環境、防災など様々な面からの要請を

    踏まえ、今後の方向性を右に示す大きく5つの取組事例

    として打ち出しています。

    また、政府による総合物流施策大綱に関する有識者検

    討会では、現在の大綱が平成29年に目標年次を迎えるこ

    とを踏まえ、新たな大綱づくりを進めています。その中

    で、「現行の物流施策大綱策定(平成25年)後の状況変

    化と主な取組」として右図のように6つの今後発生する

    事柄と対応の方向性を示しています。

    さらに、国土交通省港湾局が検討を進めている「港湾

    における中長期政策の方向性」では、新しく打ち出す政

    策と将来の打ち出しに向けて検討を進める政策として、

    右下に示す8項目が挙げられています。

    本構想は、これら国等の計画と同様の社会経済情勢の

    変化の視点や政策の方向性を踏まえ、策定しています。

    ※構成機関:港湾管理者(大阪府、兵庫県、大阪市、神戸市)

    及び国(国土交通省近畿地方整備局)今後5~10年程度で発⽣する事柄と対応の⽅向性

    出典:平成29年3⽉ 交通政策審議会 第66回港湾分科会 資料

    港湾における新たな中⻑期政策策定に向けた主な検討テーマ

    出典:平成29年2⽉ 第1回総合物流施策⼤綱に関する有識者検討会 資料

    ▋神⼾空港のコンセッション神戸港は港内に神戸空港を有し、港湾と空港が極めて

    近接しているという特徴があり、創貨企業の誘致や

    ウォーターフロントへの誘客などの面で、神戸空港との

    活用が不可欠です。

    一方、神戸空港についてはコンセッションの手続きが

    進められているところであることから、同手続きの完了

    後、今後の神戸空港の運営方針を踏まえ、本構想の見直

    しを行うものとします。

    ■新しく打ち出す政策1. グローバルSCMを支える国際輸送ネットワークの構築2. 効率的かつ持続的なサプライチェーンの構築3. 北東アジアにおけるクルーズネットワークの形成4. 美しく快適で市民に身近な港湾空間の形成

    ■将来の打ち出しに向けて検討を進める政策5. 資源エネルギーサプライチェーンの多様化への対応6. 港湾・物流活動のグリーン化7. 大規模災害に備えたサプライチェーンの強靱化8. 港湾工事・維持管理等の生産性向上

    27

    ⼤阪湾港湾の基本構想〜スマートベイの実現を⽬指して〜の概要

    出典:⼤阪湾港湾の基本構想(平成27年12⽉、⼤阪湾港湾連携推進協議会)概要版

  • 神戸港の将来像とコ

    アプロジェクト

  • 29

    ▋「港湾・産業」の⽬標「港湾・産業」の⽬標グローバルなサプライチェーンの中で、新たな価値を生み出す港

    ~神戸国際ロジスティクスパーク構想~

    「港湾・産業」の⽬標グローバルなサプライチェーンの中で、新たな価値を生み出す港

    ~神戸国際ロジスティクスパーク構想~

    中国に加え、ASEAN諸国やインドなどでの経済成

    長が予測される中、これらの国々を発着する貨物量の

    大幅な増加が展望され、アジアでの国際物流の重心が

    現在の中国中心から南下することとなります。一方、

    わが国では、国内の人口・経済規模は縮小する見込み

    である中、国際港湾都市・神戸が持続的な発展を成し

    遂げるためには、西日本の拠点港として、外貿に接続

    する国際フィーダー貨物の広域からの集貨を図るとと

    もに、増大するアジアの貨物をトランシップという形

    態で取り込むことが不可欠となります。

    しかしながら、近年の神戸港におけるトランシップ

    率は低迷しており、これを、ASEAN~北米間に位置

    する神戸港の立地条件や港湾施設整備だけで回復させ

    ることは困難であるため、神戸を介在することで、ア

    ジアの貨物に「新たな価値」を提供することが必要と

    なります。このような観点で活用すべき神戸港の資源

    をみると、150年の歴史の中で培ってきた海事産業の

    集積とその生産技術や、信頼性の高い荷役技術があげ

    られます。そして、医療や航空宇宙、ロボット、エネ

    ルギーなどの成長産業にチャレンジする企業の存在が

    あります。

    今後、アジア諸国でも生産技術向上等が進展するも

    のと予測しますが、世界の中でも日本にしかない生産

    技術やきめ細やかさは、アジア諸国に追随できないも

    のがあります。また、近年、わが国からアジア等への

    生産拠点の移転が進展する中で、核となる工場等の国

    内回帰の動向も見受けられます。

    このような特性や動向をもとに、チャレンジとリノ

    ベーションを進め、神戸港では、次世代のコンテナ

    ターミナルと、流通・加工・製造機能の高度集積地が

    一体となったロジスティクスターミナルを整備し、

    ASEAN~北米間貨物の取り込みや、国内で製造され

    た部品を神戸港に集め、ここで付加価値の高いMade

    in KOBEの貨物に昇華させます。そして最新技術活用

    や環境・災害対応など、物流サービス品質でも選ばれ

    るブランド力のある、高付加価値化機能を備えた再輸

    出型のトランシップ港を目指します。このため、本構

    想における「港湾・産業」分野の目標を「グローバル

    なサプライチェーンの中で、新たな価値を生み出す

    港」とします。

    ▮ アジアの経済成⻑継続、新たな経済拠点の出現

    ▮ 少⼦⾼齢化やライフスタイルの変化が進展

    ▮ グローバル化のさらなる進展 ▮ クルーズをはじめとする交流⼈⼝獲得

    ▮ 産業や⽣活に影響を与える技術の進展

    ▮ 環境配慮が重要な⾏動基準に▮ 国際物流を取り巻く状況の変化

    ▮ 地域間連携の重要性

    ▋社会経済情勢(メガトレンド)

  • 「にぎわい・都市」の⽬標ラグジュアリーな時・場・出会いで、新たな価値を生み出すみなと

    ~世界を魅了するウォーターフロント構想~

    「にぎわい・都市」の⽬標ラグジュアリーな時・場・出会いで、新たな価値を生み出すみなと

    ~世界を魅了するウォーターフロント構想~

    ▋「にぎわい・都市」の⽬標

    30

    ▋神⼾港が⽬指すべき将来像

    人口減少等が展望されるわが国では、都市の活力低

    下への対応が課題となっており、外からの観光・ビジ

    ネス等の交流人口増加への取り組みが急務となってい

    ます。また、この国際観光客誘致に向けては、世界の

    各都市が熾烈な都市間競争を繰り広げている状況にあ

    ります。このような中で、特に世界的に増加傾向を示

    している外国人観光客(インバウンド)の取り込みや、

    グローバルな企業の立地に向けて、神戸の都市のリノ

    ベーションを進め、多様な人材や文化によって、神戸

    のまちや経済に活力を付与することが求められていま

    す。特にわが国の周辺に位置する東アジア、ASEAN

    諸国は、今後経済成長を続け世界の経済核になること

    が展望されるとともに、所得増による訪日者数やリ

    ピーターの増加が見込まれており、アジアを活力源と

    した神戸の活性化が不可欠となります。

    神戸は、開港以来のハイカラ文化や新しいものを受

    け入れる多様性、そして洗練された都市景観・デザイ

    ンを有し、「みなとまち」として来訪者を魅了してき

    ました。さらに社会経済情勢の変化に対応して物流機

    能が移転した跡地において、ウォーターフロントの再

    開発を行い、都市の魅力を高めてきました。また、ク

    ルーズターミナルを2箇所有するほか、海外からの玄

    関口となる関西国際空港との直結性など、貴重な財産

    や立地条件を有しています。加えて、開港以来の国際

    港湾都市として、海外との深い絆や外国人が生活しや

    すい環境も整っています。

    しかしながら、近年のインバウンドの神戸来訪率は

    高いとはいえず、そのニーズに適応した魅力づくりに

    注力する必要があります。

    このような資源と課題を踏まえ、上質で品格のある

    ラグジュアリーなまちの雰囲気を活かし、都心・三宮

    地域と一体的にウォーターフロントの再開発を推進し、

    「世界を魅了するみなとまち」となることを目指しま

    す。また、みなとならではの集客として、クルーズ需

    要を取り込み・創出する取り組みを推進し、神戸に集

    い・楽しむ「新たな価値」の創出を、神戸全体で戦略

    的に推進します。

    このため、本構想における「にぎわい・都市」分野

    の目標を「ラグジュアリーな時・場・出会いで、新た

    な価値を生み出すみなと」とします。

    挑戦・進化を続けるみなと神⼾~新たな価値創造を⽬指して~

    「4.社会経済情勢の変化」で俯瞰したように、神戸

    港を取り巻く環境は大きく変化し、本構想が目標とす

    る概ね30年後に向けては、更なる変動が予測されます。

    わが国では少子高齢化による人口や労働力の減少が

    予測される一方、周辺アジア諸国での経済成長、そし

    て生産・物流など経済活動のグローバル化のさらなる

    進展が予想されます。また、第4次産業革命とも呼ば

    れるIoT・AIなどICTの急速な進展、環境や安全への

    ニーズの高まりなどに、適切に対応していくことが求

    められています。

    このような環境下で、神戸港が持続的な成長を続け、

    いつまでも世界の中で輝き続けられるよう、わが国・

    神戸港がこれまで蓄積した技術やストックを礎として、

    世界からモノとヒトが集まる場となることを目指しま

    す。このためにはこれまでの150年間にも増して、時

    代の変化に適切に対応した戦略的な取り組みを継続す

    ることが不可欠となります。この未来に向けての決意

    を「挑戦・進化を続けるみなと神戸」として神戸港の

    将来像とします。

    また、モノとヒトが集まるためには求心力が必要と

    なります。本構想ではこの求心力を、神戸港を利用・

    来訪することによる「価値の創造」と位置づけ、具体

    的なプロジェクトや取り組みの基本となる針路を

    ” 新たな価値創造を目指して“とします。

  • 31

    ▋神⼾港の⽬標を実現するためのコアプロジェクトと戦略的取り組みの設定神戸港の「港湾・産業」、「にぎわい・都市」それ

    ぞれの目標の実現に向けて必要不可欠となる戦略を

    「コアプロジェクト」として設定します。さらにコア

    プロジェクトを具現化するため、またはコアプロジェ

    クトの効果を高めるための具体的な取り組みを、「戦

    略的取り組み」として位置づけます。「環境・安全」

    に関する取り組みは独立的に設定せず、「港湾・産

    業」、「にぎわい・都市」の各分野ごとに設定する戦

    略的取り組みに包含するかたちで構成します。

    コアプロジェクトⅠ神⼾港ロジスティクスターミナルの整備による

    ⾼付加価値化機能を備えた再輸出型トランシップ拠点の形成

    コアプロジェクトⅡ

    最先端の技術と⾼品質な物流サービスによる神⼾ブランドの確⽴

    中国からの生産拠点の移転が進み、今後の経済成長

    が見込まれるASEANとインドを主なターゲットとし、

    神戸港を高付加価値化機能を備えた再輸出型トラン

    シップ港として再生させることを目指します。

    この実現のため、コンテナターミナル背後の港湾関

    連用地の整備・再開発と高容積化に加え、自由貿易実

    現に向けた新たな環境づくり、国際フィーダー網の更

    なる拡大、大阪湾岸道路とのダイレクトな接続などの

    実現にチャレンジし、次世代コンテナターミナルと、

    流通・加工・製造機能の高度集積地が一体化した神戸

    港ロジスティクスターミナルを整備し、ASEAN貨物の

    戦略的増加と企業立地による創貨を図ります。

    さらに、神戸港関係者の海外展開を促進することで

    ASEANを中心に海外諸港とのネットワークを強化する

    とともに、在来船、フェリー、RORO船など多様な貨

    物船への対応力強化を進めることで多面的な集貨を図

    り、神戸港でのアセンブル機能を高めることで付加価

    値の高い貨物に昇華させ、そして再輸出するトラン

    シップ拠点の形成を目指します。

    第4次産業革命に代表されるAIやIoTなど、最新の

    技術や環境・防災など今後のニーズに対応した高品質、

    高付加価値な物流サービスを提供し、神戸港で取り扱

    う貨物の価値を高めることを目指します。

    具体的な取り組みとして、労働力人口の減少に対応

    するため新たなテクノロジーを適切に取り入れた高効

    率な物流システムを実現し、港湾の持続的発展を図る

    とともに、神戸で培った技術やシステムを海外展開し、