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1 Copyright © ASAHI BREWERIES, LTD. All rights reserved. アサヒビールグループCSR活動報告サマリー2010 【マネジメント】 発行:2010 年 6 月 詳細は Web サイトで報告しています→http://www.asahibeer.co.jp/csr/ マネジメント ■経営理念 アサヒビールグループは、最高の品質と心のこもった行動を通じて、 お客様の満足を追求し、世界の人々の健康で豊かな社会の実現に貢献します。 ■企業行動指針 お客様の満足 全ての企業活動の原点を「お客様の満足」におき、高品質でオリジナリティーあふれる商品・サービスを提供し ます。 思考と行動の革新を通じて、お客様の期待に応える新たな価値を提案します。 環境と安全への配慮 「美しい地球の保全と人に優しく」を基本に、環境と安全に配慮した企業行動に徹します。 廃棄物の減量とリサイクルに努め、省資源・省エネルギーを推進します。 公正で透明性のある企業倫理 健全で公正な企業倫理を重んじ、社会から信頼される企業行動を徹底します。 社会とのコミュニケーションを重視し、相互理解のために、情報開示を積極的に行います。 国際基準の企業行動 世界的視野にたち、国際基準に沿った企業行動に努めます。 世界を舞台としたグローバルなビジネスチャンスに挑戦します。 豊かな発想とバイタリティー溢れる企業風土 社員一人一人の豊かな発想と挑戦意欲を発揮できる企業風土をつくります。 自ら考え、自ら行動する活力に溢れた働きがいのある企業風土をつくります。 独創的でスピーディーな企業行動 時代の変化を先取りし、常に前向きで、スピーディーな企業行動に努めます。 独創的な発想と個性的な行動で社会との感動の共有をめざします。 自立と総合力のグループ経営 それぞれの会社が自主性を発揮した企業経営をめざします。 総合力が発揮できるグループ経営をめざします。 継続的で質の高い成長 経営資源を有効に活用し、効率的な経営をめざします。 継続的で質の高い成長を通じて、お客様、株主、社員をはじめ、すべての人々の期待に応えます。

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    マネジメント ■経営理念

    アサヒビールグループは、最高の品質と心のこもった行動を通じて、

    お客様の満足を追求し、世界の人々の健康で豊かな社会の実現に貢献します。

    ■企業行動指針

    お客様の満足

    • 全ての企業活動の原点を「お客様の満足」におき、高品質でオリジナリティーあふれる商品・サービスを提供します。

    • 思考と行動の革新を通じて、お客様の期待に応える新たな価値を提案します。

    環境と安全への配慮

    • 「美しい地球の保全と人に優しく」を基本に、環境と安全に配慮した企業行動に徹します。 • 廃棄物の減量とリサイクルに努め、省資源・省エネルギーを推進します。

    公正で透明性のある企業倫理

    • 健全で公正な企業倫理を重んじ、社会から信頼される企業行動を徹底します。 • 社会とのコミュニケーションを重視し、相互理解のために、情報開示を積極的に行います。

    国際基準の企業行動

    • 世界的視野にたち、国際基準に沿った企業行動に努めます。 • 世界を舞台としたグローバルなビジネスチャンスに挑戦します。

    豊かな発想とバイタリティー溢れる企業風土

    • 社員一人一人の豊かな発想と挑戦意欲を発揮できる企業風土をつくります。 • 自ら考え、自ら行動する活力に溢れた働きがいのある企業風土をつくります。

    独創的でスピーディーな企業行動

    • 時代の変化を先取りし、常に前向きで、スピーディーな企業行動に努めます。 • 独創的な発想と個性的な行動で社会との感動の共有をめざします。

    自立と総合力のグループ経営

    • それぞれの会社が自主性を発揮した企業経営をめざします。 • 総合力が発揮できるグループ経営をめざします。

    継続的で質の高い成長

    • 経営資源を有効に活用し、効率的な経営をめざします。 • 継続的で質の高い成長を通じて、お客様、株主、社員をはじめ、すべての人々の期待に応えます。

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    ■ブランドステートメント

    ■CSR 活動方針

    ●CSR 活動に関する方針

    アサヒビールグループ CSR 基本方針 (2010 年 1 月策定)

    アサヒビールグループは世界中のあらゆる事業活動を通じて、持続可能な社会の発展に貢献していきます。

    私たちはすべての国、地域の法令や諸ルールを遵守することはもとより、グローバルな視点で社会的責任を

    果たす活動を自主的、かつ積極的に推進していきます。

    さらにそれにとどまることなく、私たちは新たな社会的価値の創造により、世界中の人々と感動をわかちあい

    たいと考えます。

    そのために私たちは何ができるかを、私たちを取り巻くすべての人々と共に考え、行動していきます。

    *企業としての土台・・・法令・倫理規範の遵守/リスクマネジメント など

    *社会からの期待への対応・・・社会的責任を自主的かつ積極的に推進

    *社会的価値の創造・・・社会の人々と感動をわかちあえる活動の推進

    いつも新鮮な価値を創造することが、

    人のこころを動かして、強い絆となる。

    いつも新鮮な明日を想像することが、

    人のこころを動かして、輝く力になる。

    そんな感動を、ひとりでも

    多くの人々とわかちあいたい。

    それが、私たちアサヒビールグループの願いです。

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    ●グローバル・コンパクトの支持

    アサヒビールは、2002 年 6 月に「グローバル・コンパクト」の支持を表明しました。

    「グローバル・コンパクト」の 10 原則

    人権 企業は、

    原則 1: 国際的に宣言されている人権の保護を支持、尊重し、

    原則 2: 自らが人権侵害に加担しないよう確保すべきである。

    労働基準 企業は、

    原則 3: 組合結成の自由と団体交渉の権利の実効的な承認を支持し、

    原則 4: あらゆる形態の強制労働の撤廃を支持し、

    原則 5: 児童労働の実効的な廃止を支持し、

    原則 6: 雇用と職業における差別の撤廃を支持すべきである。

    環境 企業は、

    原則 7: 環境上の課題に対する予防原則的アプローチを支持し、

    原則 8: 環境に関するより大きな責任を率先して引き受け、

    原則 9: 環境に優しい技術の開発と普及を奨励すべきである。

    腐敗防止 企業は、

    原則 10: 強要と贈収賄を含むあらゆる形態の腐敗の防止に取り組むべきである。

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    ■内部統制システム

    ●内部統制システムの整備に関する基本方針

    内部統制システムの整備に関する基本方針

    当社は、経営理念「アサヒビールグループは、最高の品質と心のこもった行動を通じて、お客様の満足を追求

    し、世界の人々の健康で豊かな社会の実現に貢献します。」を実現するため、

    • 会社法及び会社法施行規則に基づき、当社及び当社の子会社(以下「グループ会社」という。)から成るアサヒビールグループの業務の適正を確保するための体制(以下「内部統制」という。)の整備に関

    する基本方針を以下のとおり定める。

    • 代表取締役は本決議に基づく内部統制の整備に関する最高責任を負い、各担当役員をして所管部門を通じた本基本方針に基づく必要な個別規程・マニュアルの整備、運用を徹底せしめるものとする。

    • 本基本方針及び規程・マニュアル等を状況変化に応じて適宜見直すことにより、内部統制の実効性の維持向上を図る。

    (1)取締役及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制

    ①企業行動指針に定める「公正で透明性のある企業倫理」に基づき、「アサヒビールグループ企業倫理規

    程」を定め、取締役、監査役及び従業員はこれを遵守する。

    ②「アサヒビールグループ企業倫理委員会」を設置し、アサヒビールグループのコンプライアンスを統括す

    る。委員のうち 1 名は外部の弁護士とする。

    ③アサヒビールグループのコンプライアンス・リスク管理は当社の担当執行役員が所轄し、当該事務は当

    社の総務・法務部門が担当する。

    ④当社全事業場及びグループ会社に、各現場におけるコンプライアンス推進担当者を配置する。各推進

    担当者は、当社の法務部門及び各現場の総務部門と連携し、各現場における法務知識の普及とコンプ

    ライアンス意識の高揚を図る。

    ⑤内部通報制度として、アサヒビールグループを対象に「クリーン・ライン制度」を設ける。

    ⑥購買先を対象に、公平・公正な取引や社会的責任に対する相互の取組みを定める「購買基本方針」及

    び「購買クリーン・ライン制度」を設ける。これらの購買先への周知を図ることにより、購買先と一体となっ

    た内部統制システムの構築を進める。

    ⑦反社会的勢力の排除のため、情報をアサヒビールグループ内で共有し、対応に関する体制を整備する。

    また業界・地域社会で協力し、警察等の外部専門機関と緊密な連携を取る。

    ⑧上記諸機関・制度の運用の細目は、別途定める「アサヒビールグループ企業倫理基本規程」による。

    (2)取締役の職務の遂行にかかる情報の保存及び管理に関する体制

    ①取締役の職務の遂行にかかる情報につき、文書管理規程その他関連する規程・マニュアルに従い、適

    切に保存及び管理を行う。

    ②上記の情報の保存及び管理は、当該情報を取締役・監査役が常時閲覧できる状態で行う。

    ③上記の情報の保存及び管理の事務の所轄は、各々の規程に従う。

    (3)損失の危険の管理に関する規程その他の体制

    ①リスクマネジメントに関する基本規程を制定し、これをアサヒビールグループのリスクマネジメントに関す

    る最上位規範として位置付けるほか、リスクマネジメント運用マニュアルを策定し、浸透を図る。

    ②リスク管理は当該分野の所管部が行うほか、「アサヒビールグループ・リスクマネジメント委員会」を設置

    し、アサヒビールグループ全体の横断的な管理を行う。委員会は前項に定める規程・マニュアルに従い、

    リスクの定期的な分析・評価のうえ、必要に応じてリスクマネジメントシステムの包括的な見直しを行う。

    とくに品質リスクについては、食品メーカーとしての商品の安全・安心の確保という社会的責任を認識し、

    最大限の留意を払う。

    ③大規模な事故、災害、不祥事等が発生したときは、代表取締役を議長とした緊急事態対策会議を設置

    する。

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    (4)取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制

    ①取締役の職務の効率性を確保するため、取締役会において取締役の合理的な職務分掌及び適切な執

    行役員の任命を行う。

    ②権限委譲と部門間の相互牽制機能を備えた権限基準を定める。

    ③経営戦略会議、経営会議の有効な活用を図る。

    ④業務効率の最大化にあたっては、客観的で合理性のある経営管理指標等を用い、統一的な進度管理・

    評価を行う。

    (5)当該株式会社並びにその親会社及び子会社から成る企業集団における業務の適正を確保するための

    体制

    ①コンプライアンス、リスク管理体制その他内部統制に必要な制度は、アサヒビールグループ全体を横断

    的に対象とするものとし、当社がグループ本社として、グループ会社の個別の状況に応じてその管理運

    営にあたる。

    ②当社の内部監査部門は、グループ会社の監査を行う。また財務報告に係る内部統制については、当社

    に設置した評価組織がグループ会社の内部統制評価及び報告を行う。

    ③グループ会社は当社の監査役に対し、リスク情報を含めた業務執行状況の報告を行う。

    ④グループ会社の事業活動に係る決裁権限は、「グループ会社権限基準」による。

    (6)監査役がその職務を補助すべき使用人を置くことを求めた場合における当該使用人に関する事項

    監査役会に監査役スタッフを配置し、監査役の業務を補助させるものとする。

    (7)前号の使用人の取締役からの独立性に関する事項

    ①前項に定める監査役スタッフは、監査役より監査業務に必要な命令を受けた場合は、その命令に関して

    取締役、従業員の指揮命令を受けない。

    ②前項に定める監査役スタッフの発令・異動・考課・懲戒にあたっては、事前に監査役の同意を得るものと

    する。

    (8)取締役及び使用人が監査役に報告をするための体制その他の監査役への報告に関する体制

    ①取締役及び使用人は、内部統制に関する事項について監査役に対し定期的に、また重要事項が生じた

    場合は都度報告するものとし、監査役は必要に応じて取締役及び使用人(グループ会社を含む)に対し

    て報告を求めることができる。

    ②取締役は、監査役が取締役会のほか経営戦略会議、経営会議等の重要な会議に常時出席する機会を

    確保するものとし、またその議題内容につき事前に提示を行う。

    ③監査役は、重要な議事録、決裁書類等を常時閲覧できるものとする。

    (9)その他監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制

    取締役は、監査の実効性を確保するため、監査役が内部監査部門及び外部監査人と定期的に情報・意見

    を交換する機会を確保する。

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    ■コーポレート・ガバナンス

    ●基本的な考え方

    アサヒビールグループは、消費者の皆様をはじめ、株主や投資家の皆様、お取引先、従業員、地域社会な

    ど、あらゆるステークホルダーを、当社グループを叱咤激励してくださる「お客様」と位置づけています。

    この「お客様」にご満足いただける企業活動を実践し、また激変する経営環境にスピーディに対応していくた

    めに、コーポレート・ガバナンスの充実を経営の優先課題として、グループ経営の強化、ステークホルダーと

    の信頼関係の強化、企業としての社会性・経営の透明性の向上に努めています。

    ●コーポレート・ガバナンス体制

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    ◇取締役会、監査役会、指名委員会・報酬委員会(2010 年 3 月末日現在)

    2010 年 3 月末日現在、アサヒビールの取締役会は 14 名で構成され、うち 3 名が社外取締役です。

    監査役会は 5 名で構成され、うち 3 名が社外監査役です。過半数の 3 名を社外監査役とすることで、透明性

    を高めています。

    また、役員人事や役員報酬の公正性・透明性を確保するために、取締役会の下部組織として「指名委員会」

    と「報酬委員会」を設置しています。これら委員会は、ともに社内取締役 2 名と社外取締役 2 名の合計 4 名で

    構成しています。指名委員会は、取締役会に対して、取締役・執行役員および監査役の候補者の推薦など

    を行い、報酬委員会は、取締役会に対して、取締役・執行役員の報酬制度および報酬案を付議します。

    表)取締役会開催実績および社外取締役の出席率

    2007 年 2008 年 2009 年

    定期取締役会開催数 11 回 11 回 11 回

    臨時取締役会開催数 1 回 1 回 0 回

    社外取締役の出席率 62.5% 100% 93.5%

    表)監査役会開催実績および社外監査役の出席率

    2007 年 2008 年 2009 年

    監査役会開催数 7 回 7 回 8 回

    社外監査役の出席率 85% 85% 95.8%

    表)指名委員会・報酬委員会開催実績および委員の出席率

    2007 年 2008 年 2009 年

    指名委員会開催数 2 回 2 回 1 回

    委員の出席率 88% 92% 100%

    報酬委員会開催数 4 回 5 回 2 回

    委員の出席率 94% 90% 100%

    ◇取締役の報酬

    取締役の報酬は全取締役の報酬の上限額につき株主総会で承認を受け、その限度額内で個々の報酬案

    を報酬委員会から取締役会に付議し、決定します。

    表)取締役および監査役の報酬・退職金

    2007 年度 2008 年度 2009 年度

    報酬総額 役員賞与

    総額 報酬総額

    役員賞与

    総額 報酬総額

    役員賞与

    総額

    社内取締役 32,600 万円 9,290 万円 36,200 万円 9,800 万円 40,713 万円 9,870 万円取締役

    社外取締役 2,070 万円 540 万円 2,160 万円 670 万円 2,880 万円 810 万円

    社内監査役 5,382 万円 230 万円 6,177 万円 230 万円 6,300 万円 0 万円監査役

    社外監査役 2,853 万円 150 万円 3,060 万円 150 万円 3,195 万円 0 万円

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    ◇経営戦略会議と経営会議

    取締役会の意思決定を速やかに具現化するために、「経営戦略会議」と「経営会議」を設置しています。これ

    らの会議には社内監査役が 1 名以上出席し、客観的で合理性のある経営管理指標を用いて役員ごとの業

    務の進度を管理・評価することで、業務効率の最大化を図っています。

    ●「経営戦略会議」:CEO が統括し、グループ全体に関わる極めて重要な事項について討議

    ●「経営会議」:COO が統括し、グループ全体に関わる事項の決定および主力事業である酒類事業に関わる

    事項について討議

    ◇グループ CSR 委員会

    アサヒビールは、2003 年 12 月に社長直轄の「CSR 委員会」を設置(2004 年 9 月「グループ CSR 委員会」へ

    組織変更)し、CSR 経営を推進しています。

    ●内部監査の実施

    アサヒビールグループは、グループ内で統一した監査基準をもとに事業場・グループ会社の内部監査を実

    施しています。内部監査は、アサヒビール社長直轄の監査部を中心として専門的な知識をもった従業員が

    担当します。監査の結果、グループ全体に関わる重要な事柄が明らかになった場合には、その総括を年に

    2 回定期的に経営戦略会議に提出し、新たな方針策定に反映しています。

    2009 年度は、前年度と同様「リスクやコンプライアンス面での予防的指導(予防措置がとられているか否

    か)」「実効性ある自主監査※ができているか」に焦点をあてて内部監査を実施しました。

    ※ 自主監査とはグループ内各組織が、年1回、自らが自らの業務を点検し、その結果を自ら評価し、事業場長(社長)に報告す

    るものです。まず自らが改善点を見出し改善していく主体的な監査であり、予め監査基準は監査部で定めています。

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    ■コンプライアンス

    ●コンプライアンスへの取り組みに関する基本的な考え方と体制

    アサヒビールグループは「アサヒビールグループ企業倫理規程」および新会社法に基づいて 2006 年に定め

    た「内部統制システムの整備に関する基本方針」に則って、コンプライアンスとリスクマネジメントに取り組ん

    でいます。

    アサヒビールグループ企業倫理規程

    (改訂日:2006 年 12 月 18 日)

    第 1 章 消費者との関係

    1.基本方針

    私たちは、製造、品質、表示・広告、販売、消費者情報管理など、すべての面で消費者保護関連諸法

    規を遵守し、消費者からの信頼の維持・向上に努めます。また消費者からの要望やクレームを受けた

    場合は、誠実な対応を行います。

    2.具体的指針

    1)品質の維持

    商品の品質については、食品衛生法等の品質関連法規を遵守し、消費者に安全かつ安心できる商

    品を提供します。

    2)適切な表示・広告、景品

    表示や広告、キャンペーンの実施にあたっては、食品衛生法、JAS 法、景品表示法をはじめとする

    関連法規や自主規制を遵守し、虚偽や誇大表現、誤解を招く表現のない誠実な商品選択情報を提

    供することにより、消費者からの信頼の維持向上に努めます。

    3)消費者情報の管理

    消費者の個人情報については、個人情報保護法や関連社内規定・指針を遵守し、厳重な情報管理

    を徹底します。また、明示された目的以外の使用や第三者への漏洩は行いません。

    4)Q 情報への対処

    消費者からの相談や Q 情報(苦情)については、お客様相談室等が窓口となり、迅速かつ誠意を持

    った対応に努めます。

    第 2 章 お得意先・業界との関係

    1.基本方針

    私たちは、お得意先・業界、また競合他社に対しても、独占禁止法・不正競争防止法・知的財産関連法

    規等を遵守し、公正な取引・フェアな競争による業界の発展に尽くします。

    2.具体的指針

    1)お得意先との関係

    独占禁止法、国税庁指針、その他関連する法規・規範を遵守し、不公正な取引は行いません。

    2)業界・競合他社との関係

    独禁法、不正競争防止法、知的財産権法その他関連する法規・規範を遵守し、カルテル行為、競合

    他社に対するアンフェアな行為や権利の侵害は行いません。また万が一他社によるそのような行為

    があれば、毅然とした対応を取ります。

    3)知的財産権・秘密情報の管理

    (1)知的財産権の管理

    第三者の特許、商標及び著作権等の知的財産権の侵害は行いません。また同様に、当社の知的財

    産権を保護し、他者による侵害行為には断固とした措置を取ります。

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    (2)顧客・業界情報の管理

    業務上入手した得意先・業界関係者の機密に関する情報(個人情報も含む)の扱いについては充分

    な注意を払い、その秘密を守ります。不正な手段による入手や目的外の使用は行いません。

    (3)会社の秘密情報の保護

    会社の秘密情報については、役員・社員に守秘義務を徹底し、また必要のない役員・社員には情報

    を開示しません。会社の秘密情報を第三者に開示する必要のある場合には、所定の社内手続き及

    び開示先との秘密保持契約を締結のうえ行います。

    第 3 章 サプライヤーとの関係

    1.基本方針

    私たちは、原材料やサービス等のサプライヤーとの公正で透明な取引を通じ、強固な信頼関係と長期

    的な協力関係を構築します。

    2.具体的指針

    1)独禁法等の遵守

    独占禁止法・下請法等、すべての関連諸法令及び健全な商習慣を遵守し、高い倫理観に基いて行

    動します。とくに優越的地位の濫用にあたる行為は行いません。

    2)取引参加の基準の明確化

    品質・コスト・納期のほか、環境や社会的責任に対する姿勢も含めた当社の基準をオープンにしたう

    えで、公平で公正な参入機会を提供します。

    3)秘密保持

    サプライヤーまたは参入希望者から提供を受けた情報や技術の秘密は厳守し、社外には提供者の

    了解なく開示しません。また社内でも開示先を限定します。

    4)個人的利害関係の排除

    サプライヤーへの接待・贈答等の要請は一切行いません。

    サプライヤーからの贈答は、金額に拘らず一切受け取りません。また接待は社会的常識の範囲内と

    し、それを超える接待は辞退します。なお一定額以上の接待を受けた場合は上司へ報告します。

    第 4 章 社員との関係

    1.基本方針

    会社と社員は、それぞれに対する義務と責任を誠実に果たして行くことを通じて、相互信頼関係を構築

    して行きます。

    2.具体的指針

    1)会社が社員に対して負う義務

    (1)基本的人権の尊重

    -会社は社員の基本的人権を尊重し、人種、国籍、思想信条、宗教、身体障害、年齢、性別、性的

    嗜好その他の業務遂行と関係のない理由による社員の処遇の差別は一切行いません。

    (2)職場環境の維持・向上

    -会社は社員に対する安全配慮義務を果たし、生命、身体、健康の安全を保護します。とくにセクシ

    ュアル・ハラスメント、パワー・ハラスメントに対しては毅然とした措置を取ります。

    (3)社員の秘密の保護

    -会社は社員の個人情報は責任を持って管理し、目的を明示しない情報取得や、本人の同意のな

    い第三者への開示は行いません。

    -会社はクリーン・ライン制度による通報者を保護し、通報者が通報による不利益を受けないことを

    保証します。

    (4)労働関係法規の遵守

    -会社は社員に対して、法律や社内規則で定めた権利を保証することはもとより、派遣社員や業務

    請負先・請負社員などに対しても、その正当な権利を守り、偽装請負などの違法行為は行いませ

    ん。

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    2)社員が会社に対して負う義務

    (1)職務忠実義務

    -社員は、法令はもとより、就業規則その他の社内諸規則を遵守し、忠実にその義務を果たします。

    また、与えられた権限の濫用は行いません。

    (2)秘密情報の管理

    -社員は、在籍期間中・退職後を問わず、業務上知りえた会社及び第三者の秘密情報の管理に留

    意し、その不正使用や第三者への漏洩はしません。

    -社員はインサイダー取引規制を遵守し、業務上知りえたインサイダー情報を利用した不正な株式

    等の取引は行わず、また第三者への情報漏洩も行いません。

    (3)利益相反行為・公私混同の禁止

    -社員は、会社との利益相反行為や会社財産の私的使用、接待・贈答の要求などの公私混同行為

    は行いません。

    また、中元・歳暮等の贈答については一切辞退します。

    (4)会社の名誉・信用を損なう行為の禁止

    -社員は、個人生活においても健全な社会人としての品格を保ち、節度のある行動を取ります。法

    令遵守は言うに及ばず、結果的に会社の名誉・信用を損なうことになる言動は行いません。

    -とくに、アルコール飲料を扱う企業グループに属する社会的責任を自覚し、適正飲酒に反する行

    為は行いません。

    第 5 章 社会・環境との関係

    1.基本方針

    私たちは、企業市民としての義務を自覚し、企業が国家や地域社会に対して負っている責任を積極的

    に果たして行きます。

    2.具体的指針

    1)CSR(企業の社会的責任)

    企業の社会的責任を果たすため、以下に優先的に取り組みます。

    -品質の追求

    -法令・倫理規範の遵守

    -環境保全活動

    -適切な情報開示

    -地域社会との共生

    -適正飲酒の啓発活動

    2)反社会的勢力との対決

    市民社会に脅威を与える反社会的勢力とは、断固として対決します。

    -反社会的勢力に対する利益供与は一切行いません。

    -反社会的勢力に対する情報をグループ内で共有し、報告・対応に関する体制を整備します。

    -業界・地域社会で協力し、また警察等の関係行政機関と緊密な連携を取って反 社会的勢力の排

    除に努めます。

    第 6 章 政治・行政との関係

    1.基本方針

    私たちは、公務員や政治家・政治団体に対しては健全かつ正常な関係を保ち、違法はもとより、誤解を

    うけるような行為も一切行いません。

    2.具体的指針

    1)公務員への贈賄・接待贈答の禁止

    (1)公務員への贈賄行為、あるいはその誤解を受けるような行為は一切行いません。また、国家公

    務員倫理法・同倫理規程を尊重し、利害関係のある公務員・みなし公務員等への接待贈答は一

    切行いません。

    (2)外国の公務員に対しても、我が国の不正競争防止法及び現地国の諸法令を遵守し、贈賄ある

    いはその誤解を受けるような行為は行いません。

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    2)政治的中立の維持

    (1)選挙運動に関する立場

    -選挙運動にあたっては、公職選挙法及び政治資金規正法を遵守し、飲食提供等の違反行為は

    もとより、候補者の違反行為への協力も行いません。

    また、当選者へのお祝いは、祝電を除いて一切行いません。

    -社員の思想信条の自由を確保するため、選挙にあたっては、特定の候補者への支持の表明を

    組織として個人に強制する行為は行いません。

    (2)違法な政治献金の禁止

    政党・政治資金団体への寄付・パーティー券の購入要請については、政治資金規正法・政党助成

    法を遵守のうえ、その是非を個別に判断し、適切な対処を行ないます。

    第 7 章 株主・投資家との関係

    1.基本方針

    私たちは、公正かつタイムリーな企業情報開示、および積極的な IR 活動を通じ、資本市場で適切な評

    価を得、株主の利益を最大化することに努めます。

    2.具体的指針

    1)株主への安定した収益還元

    株主重視の観点から、業績向上につとめ、安定した収益還元を行います。

    2)公正かつ透明な財務報告

    会計原則・会社法・証券取引法(金融商品取引法)等を遵守し、業績の公正かつ透明な報告を行

    い、併せて会計監査の信頼性を確保します。

    3)積極的な IR 活動

    資本市場において適切な評価を得、また株主・投資家に的確な判断をしていただくために必要な

    情報であれば、法令・諸規則で開示が義務付けられている事項に留まらず、積極的に、かつ公正

    な方法で開示します。

    4)インサイダー取引の禁止

    役員・社員は、インサイダー取引規制に違反する行為、またはその疑いを持たれる行為を行いま

    せん。

    図)アサヒビールグループのコンプライアンス体制

    アサヒビールグループ企業倫理委員会

    企業倫理・コンプライアンス推進のための審議機

    関。企業倫理規程や内部通報制度の運用、コン

    プライアンスの普及・監視活動などを行います。

    ●委員長:コンプライアンス・リスクマネジメント担

    当役員

    ●構成メンバー: 5 名(アサヒビール社取締役、執

    行役員および社外弁護士)

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    ◇「リーガルプロモーター制度」の運用

    アサヒビールグループは、各現場の日常業務の中でコンプライアンスを実践していけるよう、1999 年から「リ

    ーガルプロモーター制度」を導入しました。これは、コンプライアンスに関して一定の知識をもった従業員を、

    コンプライアンス活動のプロモーター(推進担当者)として全事業場・全グループ会社に配置する制度です。

    同制度では、毎年研修を行い、最新の法務知識や事例を共有しています。

    表)リーガルプロモーター制度の内容および配置人数

    人数

    制度名 内容 2007 年

    3 月現在

    2008 年

    12 月現在

    2009 年

    12 月現在

    リーガル

    プロモーター

    総務部門の長が総務・経理・営業企画の各部門の

    担当者の中から選任する。法務の「一般」知識と

    「気付き」の感性を養成し、現場でコンプライアンス

    問題を「発見」する役割を担う。東商ビジネス法務

    検定の 3 級取得を推奨している。

    130 名 159 名 130 名

    シニアリーガル

    プロモーター

    総務部門の長の推薦に基づき、総務法務部担当

    部長が選任する。原則として、総務部門の部長補

    佐級の担当者を配置する。法務の「専門」知識と、

    各現場のコンプライアンスリーダーとしての当事者

    意識を養成し、問題を「解決」する役割を担う。東商

    ビジネス法務検定 2 級取得を必須としている。

    27 名 29 名 30 名

    行政法規

    リーガル

    プロモーター

    アサヒビール本店各部の長の推薦に基づき、総務

    法務部担当部長が選任する。担当業務に直接関

    係する行政取締法規における「高度な専門知識と

    行政との折衝能力」を養成し、法務セクションがカ

    バーしきれない分野の法務リスクに対処する役割

    を担う。

    31 名 29 名 30 名

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    ◇内部通報制度「クリーン・ライン制度」の運用

    アサヒビールグループは、企業活動に伴うリスクの早期発見を促し、重大な問題を未然に防ぐことをめざし

    た内部通報制度「クリーン・ライン制度」を設け、下図の体制で運用しています。この制度についてはイントラ

    ネットなどで従業員に告知し、またその運用にあたっては、いかなる報告・相談であっても、通報者が不利益

    を被らないことを保証しています。

    報告・相談内容は、アサヒビールグループ企業倫理委員会が十分な調査、検討を行い、適切に処理します。

    2009 年は、社内・社外の通報窓口に計 11 件の通報がありました。その大半は 2009 年内に調査・対処を完

    了しています。

    図)「クリーン・ライン制度」の仕組み

    ●コンプライアンスの徹底に向けた取り組み

    ◇「リスク・コンプライアンスアンケート」の実施

    アサヒビールグループは、2002 年から年 1 回、グループ全従業員に対して匿名での「企業倫理アンケート」

    を実施しています。アンケートへの回答をもとにコンプライアンスの浸透度を確認するとともに、現場におけ

    る課題の把握と改善に努めています。2008 年からは、コンプライアンス関連以外の一般リスクについての設

    問を含めた「リスク・コンプライアンスアンケート」として実施しています。

    ◇コンプライアンス研修の実施

    アサヒビールグループでは、派遣社員や契約社員も含むグループ全従業員を対象として、2006 年末に改定

    したグループ企業倫理規程の内容について周知徹底するための研修を 2007 年に実施しました。

    以後、各部門がそれぞれの担当業務やリスクの性質などに応じ、最適な内容のコンプライアンス研修を継続

    的に実施しています。2009 年に実施した主な研修は次ページの表のとおりです。

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    表)2009 年に実施した主なコンプライアンス研修

    対象 内容

    アサヒビールグループ各社の

    商品開発担当者

    食品衛生法・健康増進法・薬事法・景品表示法などによる「表示」と

    商標・著作権などの「知的財産」に関する研修(10 月)

    アサヒビールグループ各社の

    営業部門担当者

    独占禁止法・景品表示法などの公正取引に関する研修(11 月)

    アサヒビールグループ各事業場・

    グループ各社の全従業員

    業務に関する法令や社内規程などのルールについて自ら考え、理解を

    深めるためのコンプライアンス研修

    ●知的財産権の保護

    ◇知的財産権に関する考え方と体制

    アサヒビールグループでは、各社に知的財産権(知財権)担当部門を置いて、事業展開に応じた知財権の

    取得を積極的に推進するとともに、他者からの権利侵害についても関連法規に基づいて適切に対応してい

    ます。また、新商品開発や新規研究課題を策定する際には、調査などを実施して第三者の知財権を尊重し

    ています。さらに、産業界の健全な発展および費用対効果などを勘案し、事業展開する可能性のない権利

    は他者への導出を図り、必要な権利だけを維持するよう努めています。

    また、グループ各社の知的財産を一元管理する「知財管理システム」を 2007 年度から運用しています。この

    システムを利用して、グループ各社の保有する特許関連情報を共有し、各特許の内容や使用状況、管理の

    状態などを互いに把握できる体制を構築しています。

    表)知的財産権(知財権)登録状況(アサヒビール)

    2007 年度 2008 年度 2009 年度

    特許権・意匠権 22 件 33 件 65 件

    ◇発明報奨

    アサヒビールでは、従業員による知的創作を奨励し、会社の発展に寄与することを目的として「特許」「実用

    新案」「意匠」「品種」および「ノウハウ」を対象とする「職務発明規程」を運用しています。この規程に則って、

    発明など知的創作を行った従業員と会社との間で権利の調和を図ると同時に、従業員の発明実績に対して

    報奨金を支払っています。

    表)発明報奨実績(アサヒビール)

    2007 年度 2008 年度 2009 年度

    発明報奨の対象となった件数 33 件 25 件 60 件

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    ●機密情報・個人情報の保護

    アサヒビールグループは「情報管理規程」(2004 年制定)および「アサヒビールグループ個人情報取扱規程」

    (2005 年制定)に基づいて、お客様やお取引先の個人情報を含むさまざまな機密情報を適切に区分・管理

    できるようにしています。機密情報の取り扱いに関しては、総務法務部を主管部とし、各事業場長を「情報管

    理責任者」とする管理体制を敷き、各事業場で従業員の意識向上を図るとともに、自主監査や監査部が実

    施する事業場監査で各種規程の遵守状況などをチェックしています。

    なお、Web サイトを通じて得られる個人情報については、個人情報保護方針(プライバシーポリシー)および

    個人情報保護コンプライアンスプログラム※によって、適切な取り扱いに努めています。

    ※個人情報保護コンプライアンスプログラム

    個人情報を取り扱う個々の事業場が PDCA を通じて活動を強化できるよう、「個人情報取扱指針」「情報委託管理規程」「業務別

    マニュアル」「Q&A」などの取り扱い基準を整備しました。

    表)機密情報・個人情報の保護に関する主な取り組み

    取り組み項目 内容

    個人情報の取得・管理

    方法

    個人情報の重要性を従業員に伝え、その適切な取得・管理方法を周知するため、

    2005 年から総務法務部を主体に個人情報保護研修を実施

    従業員のパソコン利用MO や USB メモリなどの外部メディアへデータを保存する際の暗号化ソフトの導入、

    モバイルパソコンのハードディスク自体の暗号化を 2004 年から実施

    各事業場で利用する

    個人情報の管理

    「個人情報取扱台帳」を整備して、個人情報の取得、保管、活用、廃棄に至るプロセ

    スを管理

    販売促進キャンペーン

    において外部に委託す

    る応募情報の管理

    応募情報の管理を依頼した外部委託先から個人情報が漏洩することがないよう、信

    頼性の高い委託先を選定するとともに、委託先による個人情報取り扱いを規定した

    「情報委託管理規程」の遵守を取引条件としている

    ●インサイダー取引の防止

    アサヒビールでは、グループ各社の役員および従業員が内部の者しか知り得ない情報(インサイダー情報

    および公開買付け情報等、以下「内部情報等」という)を利用して有価証券を売買することのないよう、「イン

    サイダー取引防止規程」を定め、情報管理に十分に配慮しています。当該「内部情報等」については、各部

    門の情報管理責任者ならびに子会社の社長(または総務部長)から法務部門に集約し、一元的に管理する

    体制を敷いています。

    また、インサイダー取引規制に関する啓発活動を随時実施しています。2009 年 11 月には現場コンプライア

    ンス推進担当者(リーガルプロモーター)などを対象とする研修会を開催し、アサヒビールおよびグループ各

    社から計 110 名が参加しました。アサヒビールは年間を通じて、情報管理責任者ならびに子会社の社長(ま

    たは総務部長)を対象とする研修会などを実施しています。

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    ■リスクマネジメント

    ●リスクマネジメントに関する基本的な考え方と体制

    アサヒビールグループは、事業を取り巻くあらゆるリスクの予防と、万が一、緊急事態が起こった際に従業員

    や地域住民の安全を守り、事業を継続していけるよう、リスクマネジメントを推進しています。

    リスクマネジメントの推進にあたっては、その体制と運用に関して基本規程と細則を定めるとともに、推進組

    織として「アサヒビールグループ・リスクマネジメント委員会」を設置しています。

    図)リスクマネジメント推進体制

    表)リスクマネジメントに関する主な取り組み

    取り組み項目 内容

    従業員へのリスク情報の発信

    反社会的勢力への対応を中心に、グループ内からの報告に基づいて対応の

    際のポイントや予防策などをまとめた「危機管理ニュース」を 1993 年から定期

    的に発行。イントラネットを通じてグループ従業員に配信

    リスク調査の実施

    アサヒビールの総務法務部・品質保証部が事務局となり、年 1 回、定期的なリ

    スク調査を実施。アサヒビールグループを取り巻くさまざまなリスクについて、

    その影響度、発生可能性、現状の対策状況を分析・評価して対策の優先度を

    明確化

    ●大規模災害への対策

    アサヒビールは、地震などの大規模災害が発生した際に、被害や周辺環境への影響を最小限に止めるた

    めに、各種行動マニュアルの整備や、設備・備品の整備、防災訓練などを実施しています。

    リスクマネジメント委員会

    ●リスク調査結果に基づいて活動全体の方

    針や対策の優先度を討議・決定

    ●主要リスクの対策内容や計画の進捗状況

    をチェック

    リスクマネジメント推進責任者、リスクマネジメ

    ント推進担当者

    ●社内およびグループ各社の事業特性に応

    じた活動を推進

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    表)大規模災害に備えた主な対策

    テーマ 対策の内容

    従業員の安全確保

    ●災害備蓄品や安否確認システム※を全事業場に配備

    ●地区本部や工場に衛星携帯電話を導入

    ●安否確認訓練の実施

    事業継続

    ●一般的に地震発生リスクが高いとされている地域の工場や営業拠点での耐震補強

    工事や災害備蓄品の増強

    ●生産・出荷を各地の工場に分散する体制の構築

    ●各事業場では自衛消防隊を組織し、定期的に防災訓練を実施

    環境汚染防止

    ●大規模地震などによって薬液タンクが破損した場合に、薬液や有害物質が工場外

    に流出しないよう、タンク周囲に防液堤を設置

    ●雨水の排水溝に薬液やオイルが流入するなどの異常が発生した場合、瞬時にセン

    サーが検知し、工場外への排出を防ぐ「薬液自動検知システム」を導入

    ●地震などの大規模災害時に薬液やオイルが工場外に流出した場合を想定した訓

    練を実施

    ※災害発生時に、従業員が自らの安否を電話やインターネットを使って専用サーバー上に登録する機能や、あらかじめ専用サ

    ーバーに登録した連絡先に、電話や電子メールを発して安否確認をするシステム。

    ●緊急事態の対応(クライシスマネジメント)

    アサヒビールグループでは、危機が発生した際には、危機管理に関する諸規程に則り、危機を認知した事

    業場が本店主管部およびリスクマネジメント委員会事務局(総務法務部・品質保証部)に連絡することとなっ

    ています。また、その後も状況に応じて「緊急対策会議」や「緊急対策本部」を設置し、適切な初動を実行で

    きるようマニュアルを整備しています。

    図)危機発生時の対応フロー

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    ●事故・自然災害発生時の情報公開

    事態の外部公表については、正確な情報を迅速に提供することを基本に、緊急対策会議、緊急対策本部で

    内容や方法を決定することにしています。

    アサヒビールでは、品質への影響など社会に不安を与える可能性がある事故や災害が発生した場合は、正

    確な情報を迅速に提供することを基本に、積極的に情報を開示することにしています。社外への公表につい

    ては、緊急対策会議で内容や方法を決定し、緊急対策本部がその任にあたります。例えば、二次災害など

    近隣への影響が予想される場合には、発生状況や復旧のめど、近隣への影響の程度といった情報を開示。

    また、製品供給への影響がある場合には、必要に応じて関係するお取引先にも情報を開示します。なお、製

    品の品質事故に関する情報開示については、品質保証部の基準に沿って実施することにしています。

    2009 年までの過去 7 年間において、アサヒビールの事業場で、社外に公表した大規模な事故や災害は発生

    していません。今後も適切な対応ができるよう、想定される深刻なリスクが顕在化した場合の対応基準の具

    体化などに努めていきます。

    表)事業場の大規模な事故や災害の発生・公表件数

    2004 年 2005 年 2006 年 2007 年 2008 年 2009 年 発生・公表件数 0 件 0 件 0 件 0 件 0 件 0 件

    ●事業継続計画

    事業継続計画について、アサヒビールグループでは、新型インフルエンザと大規模地震を対象に取り組んで

    います。

    新型インフルエンザ対策については、2008 年に策定した新型インフルエンザ対策ガイドラインに基づき、下

    記の 3 点をポイントにグループ全体で事業継続計画の策定に取り組んでいます。

    • 安全確保を最優先としつつも、可能な範囲で製品出荷を継続し、万が一操業を停止した場合にもスムーズに

    再開するための行動基準

    • 社会機能維持に該当すると想定している事業(食品関係)に関するパンデミック時における事業継続

    • 事業継続が困難になった場合に、社業を維持するための最低限度の業務機能を維持するための継続計画

    地震対策については、過去の地震防災対策の実績を踏まえ、まずは最もダメージが大きいと思われる首都

    圏地震から計画策定に着手しています。現在は、主にアサヒビールの本店の機能維持を中心として、2010

    年中の計画策定をめざしており、完成後はグループ各社や各拠点の事業継続計画に発展させていく予定で

    す。

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    ■コーポレートブランド・マネジメント

    アサヒビールグループすべての企業活動の基礎となる経営理念の理解浸透と具体的な行動の実践に向け

    た活動を通じて、コーポレートブランドの強化に取り組んでいます。

    2009 年 12 月に、コーポレート・ブランド・ステートメントを『その感動を、わかちあう。』と定めました。

    コーポレート・ブランドのオーナーをアサヒビール社長とし、主要グループ会社社長で構成したブランド委員

    会を新たに発足させ、お客様と感動レベルの商品やサービスを提供すべく、グループ全体で啓発活動を進

    めています。

    コーポレートブランドの強化を CSR 活動をはじめ、すべての企業活動の活性化につなげていきます。

    図)経営理念・長期ビジョンとコーポレートブランドの関係

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    図)コーポレートブランド・マネジメント推進体制

    図)今後の活動推進内容