マーケティング分析コンテスト2015

専修大学

ネットワーク情報学部 江原プロジェクト

問題意識と分析方法

最近の流行でもある健康ブームにあやかって、健康志向を持つ消費者をターゲットとした製品の広告がどのようなシーンでどのように消費者と触れ合い、また結果としてどのような影響を消費者に与えるのかを分析しています。中でも「缶コーヒー」「お茶」「ダイエット食品」の3分野において商品ブランドごとに調査を行いました。

また作成した消費者属性を軸に、消費者が商品広告の掲載されたメディアと接触を経ることで、購買意欲がどのように変化し購買実態へ結びつくのかを解析していきます。

消費者属性ライフステージと性年代の分類•サンプルとして与えられた男女20~59歳3000サンプルをフラグ化するために、性別と年齢を条件に6分類の「性年代」として、世帯構成、子供の有無を条件にして6分類の「ライフステージ」として新たな属性へと加工し分析に利用しました。

性年代別・M1~ 男性 ~34 歳・M2~ 男性 35~49 歳・M3~ 男性 50 歳 ~・F1~ 女性 ~34 歳・F2~ 女性 35~49 歳・F3~ 女性 50 歳 ~

ライフステージ

• 1. 単身

• 2. 夫婦のみ

• 3. 末子 6 歳未満形成期

• 4. 末子 6~18 歳成長期

• 5. 末子 19 歳以上成熟期

• 6.その他

消費者属性消費価値観の因子分析結果変数(=33)n=2778

第１因子 第2因子 第3因子 第4因子 第5因子

名前 高くていいもの買う

慎重派 安全・環境に配慮

流行りのものものを買う

見た目重視

分散 2.4868531 1.7679906 1.0995483 1.0402340 0.9725252

寄与率 7.54% 5.36% 3.33% 3.15% 2.95%

・多少値段が高くても、品質の良いものを買う・無名なメーカーの商品よりは、有名なメーカーの商品を買う・名の通ったブランドやメーカーの商品であれば、そのぶん多少値段が高くても良い

0.643360.52330.5038

・価格が品質に見合っているかどうかをよく検討してから買う・商品を買う前にいろいろ情報を集めてから買う・とにかく安くて経済的なものを買う

0.5060.4867

0.44806

・安全性に配慮して商品を買う・環境保護に配慮して商品を買う・よい情報を得るためにはお金を払うのが当然である

0.419390.41134

0.3111

・流行にはこだわるほうである・周りの人が良いと言っているものを選ぶことが多い・有名な人が良いと言っているものを選ぶことが多い

0.430970.394030.36874

・テレビやパソコンなどの商品でも、色やデザインを重視して商品を買う・使いやすいかどうかよりも、色やデザインを重視して商品を買う・周りの人と違う個性的なものを選ぶ

0.454310.4303

0.40945

消費者属性趣味の因子分析結果変数(=32)n=2778

第１因子 第2因子 第3因子 第4因子 第5因子

名前 鑑賞好き 旅行好き 中年 老人

分散2.043012 1.573532 1.445791 1.03395 0.559048

寄与率 6.38% 4.92% 4.52% 3.23% 1.74%

・音楽鑑賞（コンサートも含む）・映画・演劇・美術鑑賞・ビデオ・ＤＶＤ鑑賞

0.604350.553010.48912

・国内旅行・海外旅行・外食、グルメ、食べ歩き

0.742490.4578

0.41583

・パチンコ・アウトドア、キャンプ・釣り

0.378260.36538

0.3619

・園芸、庭いじり

・書道、茶道、華道、絵画、俳句・日曜大工、機械・模型いじり

0.43850.376950.35904

・日曜大工、機械・模型いじり・編み物、料理・写真・ビデオ撮影

0.103640.126310.01889

消費者属性保有耐久財の因子分析結果

変数(=42)n=2778

第１因子 第2因子 第3因子 第4因子 第5因子

名前 録画系 家庭 ゲーム機

分散 3.201844 2.0940584 1.428608 1.3744967 1.2438937

寄与率 7.62% 4.99% 3.40% 3.27% 2.96%

・ノート型パソコン・薄型テレビ（49インチ以下）・プリンター

0.663860.6342

0.51396

・ビデオデッキ（VHSなど））・DVDレコーダー）・ビデオカメラ（デジタル含む））

0.616140.427540.42363

・床暖房・食器洗い機・ホームセキュリティ（セコムなど）

0.529490.480890.41564

・携帯型ゲーム機（DSなど）・家庭用ゲーム機（Wiiなど）

0.750770.68999

・デスクトップ型パソコン・タブレット端末（iPadなど）・デジタル携帯オーディオプレーヤー

0.506140.4056

0.31407

ネット利用パターン１

変数(=166)n=2778

第１因子 第2因子 第3因子 第4因子 第5因子 第6因子 第7因子 第8因子 第9因子 第１0因子

名前 ネットフリーク ネット多用 中年 金困り 楽天ユーザー

ネットサーフィン

ケチ系女子 エキサイトユーザー

暇・子育て系主婦

暇・子育て系主婦の旦那

分散 17.976758 8.865783 6.901935 6.844143 5.769429 4.805896 4.588884 3.871589 2.962683 2.925309

寄与率 10.8% 5.34% 4.16% 4.12% 3.48% 2.90% 2.76% 2.33% 1.78% 1.76%

@0243やずや@1361 JX@0790 JAL@1042 ｸﾚﾃﾞｨｾｿﾞﾝ@0856 ﾌｧﾝｹﾙ

0.784780.757750.750720.743610.72234

@0644 Y!ニュース@0635 Y!@0558 GOOGLE@0689 Y!メール@0052 facebook

0.782960.726030.601400.578980.53359

@0048 ECﾅﾋﾞ ｻｰﾋﾞｽ比較@2324 タイヤ館@0123 キューサイ@0637 Y!ｵｰｸｼｮﾝ@1515 アイシティ

0.846530.828480.743220.724130.65595

@0158 NET OFF@1046 ジャックス@0959 ドミノピザ@1055 ダイナースクラブ@1059 ビューカード

0.812940.765320.740970.698690.69809

@1115 Edy@0574 楽天不動産@0579 楽天レシピ@0183 楽天ブックス@0573 楽天ウーマン

0.783840.713140.707460.672830.65465

@0606 NAVARまとめ@0074 アメブロ@0724 はてなﾌﾞｯｸﾏｰｸ@0072 Y!ﾌﾞﾛｸﾞ@0085 ココログ

0.561810.549160.508210.498650.42533

@0004 G.U.@0036 ユニクロ@1073 楽天カード@0845 ﾄﾞｸﾀｰｼｰﾗﾎﾞ@0344 FooMoo

0.841270.800580.590620.543910.33665

@0715ｴｷｻｲﾄｳｰﾏﾝ@0695 ｴｷｻｲﾄ翻訳@0691 ｴｷｻｲﾄﾆｭｰｽ

ｴｷｻｲﾄ

0.908570.885060.81457

缶コーヒー対象商品

・ジョージア ・BOSS ・ワンダ ・ルーツ

デモグラフィクス

•性年代別

中年男性が圧倒的に多い

→ビジネスマンと推測

高齢者の購入は少ない

女性の購入も少ない

→カフェインを敬遠

ジョージアの売上が良い

• ライフステージ

ジョージアの売上が良い

ワンダも飲まれている

→朝用が人気と推測

単身者が多い

成長期が多い

→ビジネスマンや受験生

ジョージアは、コカ・コーラが大規模的であるワンダは、朝専用缶コーヒーを中心として売り上げている。

→BOSSの特徴とこれからのターゲットを分析

新規購買者の決定木 ～BOSS～•新規購買者の中には、デパートを利用している人の中で電子メールを使用している人が多い。

• そのことを考えると、デパートのメールを受信している人をターゲットに販促を行ったほうが良い。

• また、新規購買者は、DMM.comのWEBサイトあまり見ていない。

•継続者は動画を見ていると考えると、新規購買の可能性は、動画をあまり見ない人にあるのではないだろうか。

•具体的には、高齢者や高級路線の顧客である推測できる。

購買中止者の決定木 ～BOSS～• ローソンを使わない人が顕著に見られる

• gooブログをあまり見ない

• Yahooニュースをあまり見ない

• ニッポン放送をあまり聴かない

• エステ、マッサージに全く行かない

•食べログをあまり閲覧しない

→カフェインを敬遠する女性、若者に

飲まない人が多いとみれる

結果と残された課題

結果

• カフェインを気にする人が、購買を中止している。

• 新規購買者は、スーパーではなく、デパートへ行く人、動画を普段あまり見ない人である。電子メールをよく活用する。

残された課題

• カフェインレスやカフェインの効能に注目

• 高級路線や高齢者をターゲットとした製品開発

• 他ブランドとのさらなる差別化

デスクワークなどの肩をこりやすい仕事をしている人よりもそうでない人のほうが購入していると考えられる。また、CMのイメージとして、工事現場の人がよく飲んでいるイメージがあり、上の考えに当てはまっているのではないかと思う。

お茶

対象商品

・黒烏龍茶（サントリー）

・胡麻麦茶（サントリー）

・伊右衛門特茶（サントリー）

・からだすこやか茶W（コカ・コーラ）

（・ヘルシア緑茶 ・蕃爽麗茶 ・健茶王）

お茶製品の購買意向の仮説と特徴

ライフステージ ターゲット

対象商品 買ってもよい人 単身 夫婦 形成期 成長期 成熟期 その他 F1 F2 F3 M1 M2 M3

お茶合計 4171 21% 14% 13% 18% 9% 25% 18% 20% 10% 15% 26% 10%

黒烏龍茶 898 20% 15% 13% 18% 9% 24% 18% 22% 9% 14% 26% 10%

ヘルシア緑茶 705 16% 11% 11% 15% 8% 22% 16% 20% 11% 15% 26% 12%

蕃爽麗茶 329 8% 5% 5% 5% 3% 28% 19% 19% 10% 19% 26% 9%

健茶王 294 8% 5% 4% 4% 3% 27% 20% 19% 8% 19% 26% 9%

胡麻麦茶 507 12% 9% 8% 8% 5% 26% 20% 19% 11% 16% 23% 10%

伊右衛門特茶 837 18% 12% 13% 19% 9% 24% 16% 20% 10% 14% 28% 12%

からだすこやか茶W 601 15% 10% 9% 12% 5% 24% 20% 22% 8% 15% 27% 8%

お茶製品の購買意欲を持つ人のうち「黒烏龍茶」と「伊右衛門特茶」を選ぶ人が中でも多く、それぞれ全体の20％近くになり、健茶王はあまり認知されていないことが伺える。またライフステージ別では、単身と成長期に多く、性年代別ではM2（男35~49歳）がM3 （男50歳~）の2倍近く意向を持っており、男女間での差は大きく見受けられない。

仮説お茶自体が浸透した商品であり、商品を購入せずとも常飲している消費者は多いと考えられる。またメディアでの取り上げも多く、昨今の健康ブームの環境においては特定保健用食品として認定されるお茶製品であれば、健康志向と相まって、お茶製品ブランド間においての競合は少ないのではないかと思われる。

黒烏龍茶の決定木

購買決定木

メディア接触決定木

伊右衛門特茶の決定木

メディア接触決定木

購買決定木

胡麻麦茶の決定木

メディア接触決定木

購買決定木

からだすこやか茶Wの決定木

メディア接触決定木

購買決定木

結果と課題

黒烏龍茶やヘルシア緑茶など、CMや広告を積極的に打つブランドを選択する消費者には釣りやスキー、アウトドアが趣味でない人の購入が多いことから、どちらかというとインドアな人の購入が多いと考えられる。また、流行にこだわりのない人の購入が多いことから、流行に流されない自分自身の考えが強い人と考えられ、商品が気に入ればリピーターになってくれる可能性が高いと考えられる。さらにインドアの人が多く健康飲料を飲んでいることから、自分自身で運動しようとせずに健康になろうとする思惑が見て取れる。

伊右衛門特茶や胡麻麦茶に関しては、比較的若い世代層で、オーダーメイドを好まず、情報を買物前に調べることない人が多く購入していることから、あまりこだわりのない人がよく購入していることがわかる。さらに競馬が趣味でない人の購入が多いことから賭け事が好きでない無難な考えをもっている傾向がある人が多いと考えらる。この点から宣伝・広告を今まで以上に打つことで、こだわりのない人は流されて購入するようになり、その他認知レベルの低い商品との差別化に成功すれば売上向上につなげることができるのではないかと思われる。

ダイエット食品

対象商品

・明治スマートボディー

・DHCプロテインダイエット

・ヒルズダイエット

・明治プロビオヨーグルトLG21（ドリンクタイプ）

この４ブランドについて分析を行う

ヨーグルトダイエットが最近流行っているため、ヨーグルトもダイエット食品として対象にする

ダイエット食品の購買意向の仮説と特徴

ライフステージ 性年代

対象商品 買ってもよい人 単身 夫婦 形成期 成長期 成熟期 M1 M2 M3 F1 F2 F3

合計 1680 46% 13% 15% 18% 8% 16% 25% 11% 18% 23% 8%

スマートボディ 246 50% 15% 14% 16% 5% 19% 26% 8% 21% 21% 5%

DHC 253 53% 9% 15% 18% 6% 16% 25% 8% 19% 26% 6%

ヒルズダイエット 178 51% 11% 20% 14% 4% 18% 24% 7% 25% 22% 4%

LG21 1003 42% 15% 15% 19% 10% 15% 25% 13% 15% 22% 9%

・どのブランドにおいても、単身の人が約半数を占めている・性年代では、男女ともに中年に購入意向がある。・スマートボディ、ヒルズダイエットは、若い女性からも人気がある。

46%

13%

15%

18%

8%

ライフステージ

単身 夫婦 形成期 成長期 成熟期

仮説

1.ダイエット食品は見た目に気を使っている若い女性が多く買っている

2.高価なものが多く、買いたいと思う人がいても実際に買うまでに至るのは裕福な層だけである

3.楽をして痩せたい人がダイエット食品に頼っている

DHCプロテインダイエットの実態ツリー

明治スマートボディ実態ツリー

ヒルズダイエット実態ツリー

LG21プロビオヨーグルト実態ツリー

それぞれ関係が深かったもの（意向）

DHC

1消費価値観（プライベートブランド）2 CGM利用頻度（LINE)

3スーパー三和4携帯電話（お財布.com)

LG21

1携帯サイト（ぐるなびモバイル）2趣味（ドライブ）3趣味（パチンコ）4症状（痔）5音楽演奏

6ミニストップ

ヒルズ

1症状（筋肉痛）

2 gooモバイル

3趣味（遊園地、テーマパーク）

4症状（生理痛）

5スーパー（ライフ）

6ドリプラ

明治1テレフォンショッピング2スーパー（オーケーストア）3趣味（その他）4雑誌などを使った通信販売5ドリプラ

それぞれの関係が深かったもの（実態）DHC

1 gooモバイル

2テレフォンショッピング

3性別

男性 女性

4競馬 有名人などが良いと思ったもの5趣味（特になし） BIGLOBE（ケータイ）

デイリーヤマザキ

スマートボディ

1消費価値観（テレビやパソコンなどでの、色やデザインを重視

2パソコン利用（映像配信サービス）

3スーパー利用（その他）

4楽天市場

ヒルズダイエット

1チャネル（大型家庭電器（パソコン、カメラ）店）

2スーパーにはいっていない

3デイリーヤマザキ

4伊勢丹

5三越

LG21

1マッサージ、エステ

2 Twitter

3インターネットショッピング（スマホ・ケータイ）

4楽天オークション

5そごう6ドラッグストア（ウェルシア）

結果1.ダイエット食品は見た目に気を使っている若い女性が多く買っている

⇒男女ともに単身層において購買が多く、ターゲットは若い女性のみではないことがわかった

2.高価なものが多く、買いたいと思う人がいても実際に買うまでに至るのは裕福な層だけである

⇒特に高価なヒルズダイエットは意向、実態のツリーを比べてみると、実態ツリーの方では高級志向が高く、やはり裕福な層での購買が目立った。対してLG21はどの層からも購買がある。

3.楽をして痩せたい人がダイエット食品に頼っている

⇒意向のツリーでは気になる症状（筋肉痛）が関連しているのに対し、実態ツリーではマッサージ・エステ、パソコンの利用などの運動をあまりしていないように考えられる。そのため実際に運動などをしてダイエットをしている人は関心は持っているが、実際に購買はしていない。

傾向と対策

ヒルズダイエットはツリーから、高級志向なのではないだろうか（伊勢丹・三越の利用などから）

実際に他の商品と比べてみると、値段が高いことがわかった。（各商品の公式HPから）

実際に買っている人も少なく、口コミでも高価格なため続かないなどの意見が多くみられるため、学生キャンペーンなどで低価格設定をしてまずシェア率の確保を行うべきだと考える。