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資料2

ファッション政策懇談会

(ファッション政策の総合的戦略の調査・検討)

第3回会議向け資料

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1. 主要各国の若手デザイナー支援策の実態

強大な資金力を持つ大手ラグジュアリー・ブランド企業を多数擁するアメリカ、フランス、イギリス、イタリアにおいては、それらの企業が業界団体の中核を成したり、政府系団体のスポンサーとなったりして資金を拠出し、有望な若手デザイナーをコンテスト形式で選出する形の支援が数多く存在する。

賞に選出された若手デザイナーの成功したキャリアパスの一つとして、支援元であったラグジュアリー・ブランドのデザイナーに就任するケースも少なからず存在する。内販市場の大きなアメリカでは特に、自国のデザイナーをNYを中心とする自国のファッション産業全体で育成するような機運が大きい。

これらの支援策においては、コンテストの審査員としてクリエーションとビジネスの両面で多くの成功体験を持つ著名デザイナーや、強大な影響力を持つファッションジャーナリストらが「目利き力」を発揮して優れた才能を発掘することが、受賞者の後の成功の一因となっている。加えて、受賞者には多額の賞金と、各国のファッション/ブランドビジネスの第一人者からビジネス面でのメンタリングが与えられることが多く、後のビジネス面での安定・成功につながるケースも多い。

欧米では「コンテスト形式」の施策例は豊富。目利きによる選出、資金面に加えビジネス面での育成支援が後の成功の鍵に

国内では大手ファッション企業が有望な若手デザイナーを取り込み、自社内でブランドとして育成するようなケースがかつては数多く見られたが、近年になってそのような動きは弱まってきている。

政府や地方自治体等が運営資金を拠出/助成する形で有望な若手ブランドを支援するプロジェクトが近年散見され、その成功しつつあるケースとしては「TOKYO FASHION AWARD」が挙げられる。これらのPJの多くは、漸減する国内市場を背景に「海外販路開拓/拡大支援」を目的とするケースが多いが、欧米の施策と比べてビジネス面での継続的な育成支援が十分とは言えず、大きな成功に至らないことも多い。

国内では「海外販路開拓支援」を掲げた施策が散見されるも、ビジネス面での育成支援は現状まだ不十分

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2. 主要各国の施策事例 ― 1) CFDA Vogue Fashion Fund 【自国デザイナー対象・業界団体主催】

【主催者:米国ファッション協議会(CFDA) / 主目的:アメリカ拠点の優れた若手デザイナーの発掘・支援】

成り立ち:Ralph Lauren、Diane von Furstenbergらアメリカの著名デザイナー/ブランドから成り、NYファッション・ウィークも主催する非営利の業界団体:CFDAが、アメリカを本拠地とする最大手のインターナショナル・ファッションメディアであるVogueとパートナーシップを組み、「次世代のアメリカンデザインの才能を発掘する」ことを目指して2003年に設立したデザインコンペ。年1回開催。

ニューヨーク市内を拠点にする次世代のファッション・デザイナー達を支援する事業開発プログラム

特徴:

クリエーションについてのみならず、デザイナー自身の考える「短期・長期のビジネスゴール」、受賞した場合に描く「今後のキャリアプラン」等も提出させ、審査の対象としている。

共催者であるVogueが受賞者を取り上げるため、受賞を契機にアメリカ国内でデザイナーの知名度が大きく上がる。

現在のNYファッション・ウィークを牽引し、国際的にも活躍する多くの若手~中堅デザイナーを輩出している。

受賞者の得る支援:毎年1名の優勝者、2名の準優勝者が選ばれる。尚、優勝者には、$400, 000の賞金とビジネスメンターによるメンタリングが、また準優勝には、$150, 000の賞金が授与される。

過去の主要な受賞者: Alexander Wang、Derek Lam、Proenza Shouler、Rodarte …等

過去の日本人受賞者: 無し (*「アメリカのデザイナー」が対象のため)

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2. 主要各国の施策事例 ― 2) ANDAM Fashion Award 【自国デザイナー対象・公的機関主催】

【主催者:フランス服飾開発推進委員会 (DEFI) / 主目的:フランス拠点の優れた若手デザイナーの発掘・支援】

成り立ち:フランス経産省・文化庁により1984年から発足されたDEFI(フランス服飾開発推進委員会)の主催で、「フランスのファッション産業を継続・発展させること」を目的とする。フランスを拠点とし、パリでショーを開く新進デザイナーを支援する。並行してミッションに掲げているのは、「世界のファッションの中心としてのパリの名声を強化すること」であり、スポンサーには、ケリング、LVMHといったフランスのラグジュアリー・ブランド・コングロマリットが名を連ねている。1989年によりスタートし、年1回開催される。

特徴:

長年続くファッションコンテストであり、過去の歴代受賞者も今では超一流デザイナーとしての地位を確立していることから、フランスでは若手デザイナーの登竜門として注目を集める。

受賞者はスポンサーである名高いブランドや企業の支援を受けることができる。

受賞者の得る支援:毎年1名の優勝者が選ばれる。尚、優勝者には、$250, 000(約3380万円) の賞金が授与され、ケリンググループ会長によるビジネス指導等のビジネス面でのサポート支援や、有名百貨店やネットでの販路拡大の機会が与えられる。

過去の主要な受賞者: Martin Margiela、Christophe Lemaire、Ami Alexandre Mattiussi …等

過去の日本人受賞者: 古田泰子(TOGA)、森永邦彦 (ANREALAGE)、松重健太(2016年度ファイナリスト)

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2. 主要各国の施策事例 ― 3) NEWGEN 【自国デザイナー対象・公的機関主催】

【主催者:英国ファッション協議会(BFC) / 主目的:イギリス拠点の優れた若手デザイナーの支援プロジェクト】

成り立ち:イギリス政府に従事している非営利団体・英国ファッション協議会(BFC)による、イギリス(主にロンドン市内)を拠点にする次世代のファッション・デザイナー達を支援するプロジェクト。2001年から2016年までイギリスの大手SPA企業であるトップショップがスポンサーを務めた。今年度からウィメンズウェアとメンズウェアのデザイナーをひとつに統合した制度を採用し、それぞれ経済的な支援と共にショーケースの開催やビジネス面での指導というサポートが与えられることになる。1993年設立、年1回開催。

特徴:

対象ブランドはロンドン・コレクション期間中にショーやプレゼンテーション、エキシビションを開催することができ、スタートアップに必要なPRやセールスのきっかけを掴むことができる。

現在のロンドンファッション・ウィークを牽引し、国際的にも活躍する多くの若手~中堅デザイナーを輩出している。

受賞者の得る支援:NEWGENのメンバーに選ばれたデザイナー/ブランドへ資金面、ビジネス面の双方よりサポート。

過去の主要な受賞者: Alexander McQueen、Christopher Kane、J.W.Anderson、Mary Katrantzou …等

過去の日本人受賞者: 無し (*「イギリスのデザイナー」が対象のため)

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2. 国内の施策事例 ― 4) TOKYO FASHION AWARD【自国デザイナー対象・公的機関主催】

【主催:東京都、繊維ファッション産業協議会 / 主目的:日本の優れた若手デザイナーの海外進出支援】

成り立ち:東京都と繊維ファッション産業協議会が主宰し、一般社団法人日本ファッションウィーク推進機構の協力により、2014年に創設。「世界で活躍するファッションデザイナーを東京から輩出すること」を目的に、国際的な活躍が期待されるブランドに対し、海外でのビジネスマッチング機会を提供することを通じてビジネス面における支援を行う。審査は国内の有力セレクトショップや百貨店の敏腕バイヤーが行う。

特徴:

年間売上(卸売ベース)5千万円~1億円程度以上の、比較的小規模なデザイナーも対象としている。

パリ・ファッション・ウィーク中にパリの中心地に開設する合同ショールームや、フィレンツェで開催される世界最大のメンズファッション見本市「Pitti Immagine Uomo」に合同ブースを設け、有力な海外バイヤーやショールーム担当者を事業内で誘致。参加者の海外卸先の拡大を目指す。

国際的にも認知度と売上を拡大しているFACETASMなど、次世代の日本のファッションシーンを牽引する有望なブランドを輩出している。

受賞者の得る支援:パリ・ファッション・ウィーク中に開設する本事業単独の合同ショールーム「showroom.tokyo」への参加権が、受賞後も継続的に認められる。また、受賞年には「Amazon Fashion Week Tokyo」でショーなどイベントを実施できる。「Pitti Uomo」など他の有力な海外合同展への出展機会が与えられることもある。

過去の主な受賞ブランド:FACETASM (落合宏理)、sulvam (藤田哲平)、JOHN LAWRENCE SULLIVAN (柳川荒士)、

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2. 主要各国の施策事例 ― 5) ASOS Fashion Discovery 【自国デザイナー対象・ファッション関連企業主催】

【主催者:EC企業「エイソス(ASOS)」 / 主目的:イギリス国内の若手ブランド育成支援】

成り立ち:イギリス発祥のEC企業ASOSがイギリス国内の若手ブランド育成を目的として2016年に開始。2ブランドが選出される。審査員はASOSのCEOのNick Beightonや、英i-D magazine編集長のJulia Sarr-Jamois。現段階ではイギリスをベースにしているブランドが審査対象だが、今後ASOSがグローバル展開に力を注ぐと同時に、審査対象を世界に広げることも視野にいれている。年1回開催。

特徴:

スポンサーがイギリスのみならずフランス、イタリアや中国にも進出している大手ECサイトであるため、世界の消費者にもブランド名が知られ、購買される機会が増える。

デザイナーズブランドのようなデザイン性を注視するより、マス向けのデザインのメンズ・レディースウェアや服飾雑貨を対象に審査されている傾向もある。

受賞者の得る支援:2ブランドを選出。受賞者には50,000ポンド(日本円:約770万円)とASOSによる12ヶ月のビジネスメンターサポートを与えられる。(もちろんECのノウハウを含む)また、ASOSサイト内で3シーズンに渡ってコレクションを取り扱い販売が行われる。

過去の主要な受賞者: Elissa Poppy、 HANGER

過去の日本人受賞者: 無し (*「イギリスのデザイナー」が対象のため)

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2. 主要各国の施策事例 ― 6) LVMH Prize 【各国のデザイナー対象・ファッション関連企業主催】

【主催者:LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトングループ / 主目的:特に優れた若手デザイナーの発掘・支援】

成り立ち:ラグジュアリー・ブランド・コングロマリットであるLVMHが主催する、若手デザイナーの教育支援を目的としたファッションコンテスト。審査員にはKarl Lagerfeld、Raf Simons ら著名デザイナー/ブランドらが参加。2013年から始まったコンテストではあるが、世界各国から実力のある若手デザイナーが集まり、既に世界有数のファッションコンテストの名声を得ている。年1回開催。

特徴:

少なくとも2年以上の服作りとコレクションでの発表経験を2回以上持つことが条件として掲げられ、レベルの高いコンペである。

LVMHに所属するブランドのデザイナーが審査員を務める他、他分野からの国際的なディレクターを集めたコミッティによって構成され、非常にプロフェッショナルでグローバルな視点で審査が行われる。

ファイナリストは審査を兼ねて国際的に著名なメディア関係者らに引き合わせられる。受賞を契機に知名度は世界的に上がり、卸先もワールドワイドに広がるチャンスとなる。

受賞者の得る支援:毎年1名の優勝者、1名の特別賞が選ばれる。尚、優勝者には助成金として300,000ユーロ(約4,235万円)、特別賞受賞者には150,000ユーロ(約1,864万円)が授与され、1年間にわたりブランド運営の専門知識やノウハウなど、LVMHの専門チームから指導を受ける機会が与えられる。また派生して、ファッションスクールの卒業生に与える “Graduate Prize” では3人を選出し、同じく1年間にわたりLVMHグループのブランドでデザインチームに参加する機会と10,000ユーロ(約141万円)の助成金が授与される。

過去の主要な受賞者: Marine Serre、Grace Wales Bonner、 Marta Marques and Paulo Almeida…等

過去の日本人受賞者:

赤坂公三郎(2017年度 特別賞)、落合宏理(2016年度ファイナリスト)、山縣良和(2015年度ファイナリスト)

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2. 主要各国の施策事例 ― 7) International Fashion and Photography Festival of Hyères【各国のデザイナー対象・公的機関主催】

【主催者:フランス服飾開発推進委員会 (DEFI) / 主目的:特に優れた若手デザイナーの発掘・支援】

成り立ち:イエール国際モード&写真フェスティバルは、シャネル、LVMH、プルミエール・ヴィジョン、クロエ、メルセデス・ベンツなど数多くのファッションブランド、企業やメディアがスポンサーとなって、「有力な若手デザイナーの発掘・支援」を目的とするデザインコンペ。フランスの若手ファッションデザイナーの登竜門として知られ、世界から将来有望な若手デザイナーが集まる。過去の審査員にはKarl Lagerfeldや、KENZOのデザイナーHumberto Leon,山本耀司らの有名デザイナーも名を連ねる。年1回開催、南仏イエールにて開催。

特徴:

デザイナーは審査員やメディアに向けたプレゼンテーションを行う他、メインイベントとしてランウェイショーを行い対外的なアピールをするチャンスが多くある。

スポンサーに有名ブランドが連なるため、受賞者はその傘下に置かれる卓越した技術を持つアトリエやオートクチュール工房から支援を受けることができ、若い才能とフランスの伝統技術の融合が見どころのひとつでもある。

スポンサー各ブランドとのカプセルコレクション制作の機会が与えられることもあり、デザイナーとしての知名度を上げることができる。

受賞者の得る支援:毎年1名の優勝者、2名の準優勝者が選ばれる。尚、優勝者には、スポンサーブランドの工房から手厚い支援を受けることができ、賞金として1万5,000ユーロ(約187万円)が授与され、更には翌年のイエールで新作を発表する機会が与えられる。

過去の主要な受賞者: Anthony Vaccarello 等

過去の日本人受賞者: 富永航(2016年度グランプリ)、松重健太(2014年度グランプリ)

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2. 主要各国の施策事例 ― 8) International Talent Support【各国のデザイナー対象・業界団体主催】

【メインスポンサー:DIESEL / 主目的:特に優れた若手デザイナーの発掘・支援】

成り立ち:若手デザイナーの登竜門として、2000年にスタートしたイタリア・トリエステで開催される国際的なファッションコンテスト。「資金調達のむずかしい若い才能にあふれるデザイナーの発表の場」となるべく、ディーゼルがメインスポンサーとなる。審査員には、ディーゼル創始者Renzo Rossoに加え、ディーゼル・アーティスティック・ディレクターのNicola Formichetti等、業界で国際的に活躍するプロにより編成される。支援には賞金だけではなく、ビジネスノウハウの教育指導にも力を入れている。(※2017年度の開催は見送り。)

特徴:

コンテストはデザイナーの創造性や個性を尊重しながらも、審査においては縫製や素材、ディテールのクオリティも重視される。また英語でのプレゼンに限定され、語学力、コミュニケーション能力でも世界と競争できるかどうか試される。

スポンサーのディーゼル(DIESEL)より、6ヶ月間のディーゼル・クリエイティブ・チームでのインターンシップの資格与えられたり、現場で実践的な経験を積む機会を設けている。

イタリアンヴォーグ誌など、多数ファッション誌やメディアから注目されるイタリア最大の若手デザイナー向けコンペ。受賞すると世界的に知名度を上げることができる。

受賞者の得る支援:毎年1名のコレクション・オブ・ザ・イヤーが選出される。尚、優勝者には、$15,000の賞金と新作コレクション発表の機会が与えられる。その他賞多数。ディーゼル賞ではディーゼル社より選ばれ、イタリアのディーゼル本社で6ヶ月のインターンシップをする機会が与えられる。

過去の日本人受賞者:

西山高士、鈴木一郎、中里周子、片岡弘生、奥田浩太時澤知菜実(2016年度2部門ノミネート)、永川承美(2016年度アクセサリー部門)、片貝葉月(2016年度アートワーク部門)

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2. 主要各国の施策事例 ― 9) CFDA Scholarship Program 【自国の学生対象・業界団体主催】

【主催者:米国ファッション協議会(CFDA) / 主目的:アメリカを拠点としたファッション学生の奨学金プログラム】

成り立ち:CFDAによって1996年に起ち上げられた、アメリカのファッション科在学の3年生を対象にした奨学金プログラム。デザイン分野の各カテゴリーの壁を超えて、模範となるような才能を持つ生徒をApparel, Accessories,Jewelry, Textiles, Knitwear, or Creative Technical Designのカテゴリーの中からポートフォリオを製作しプレゼン。2名のファッション学生をファイナリストとして選定し、奨学金を贈呈。将来有望な若手デザイナーの苦しい資金面をサポートするプログラム。

特徴:

20年以上続く奨学金プログラムにより、これまで200名以上のアメリカを拠点としたのファッション学生の資金面サポートとなっている。

世界トップクラスのファッション大学(Fashion Institute of Technology, Parsons BFA Fashion Design科等)の学生を対象としているので、非常に競争率は高く、レベルが高い。

得られる支援:選び抜かれたファイナリスト2人には$25,000の奨学金が贈られる。

過去の主要な受賞者: Peter Som (1996)、Jack McCollough(2001)、Chris Benz (2003)…等

過去の日本人受賞者:

Kosuke Okawa(FIT/2006年度)、Atsuko Yagi(パーソンズ/2007年度)、 Sawa Takai (FIT/2008年度)

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2. 主要各国の施策事例 ― 10) H&M Design Award 【各国の学生対象・ファッション関連企業主催】

【主催者:H&M Hennes & Mauritz / 主目的:各国の優れたファッション学生の育成・支援】

成り立ち:企業であるH&Mが主催し、ファッション界の若い才能を早い時期から支援することを目的に設立。世界16カ国で最も権威のある約40のファッションスクールの対象者の中から、グランプリを決定し若い才能を発掘する。2015年度からアジア圏の参加対象国として日本と韓国が加わり、国内では文化服装学院、文化ファッション大学院大学 (BFGU)、バンタンデザイン研究所の3校が選出される。ニューヨーク市内を拠点にする次世代のファッション・デザイナー達を支援する事業開発プログラム

特徴:

厳しい審査のもと選び抜かれた世界的に有名なファッションスクール出身のデザイナーのみ応募資格が与えられ、より洗練された若手有力デザイナーが集まりやすい。

主催であるH&Mの協力により、実際にデザイン制作に入りカプセルコレクションを発表することができる。そして世界中の店舗に商品として並べられることで、新人デザイナーの名前を対外的にアピールすることができる。企業・ブランド主催の強みでもある。

受賞者の得る支援:毎年1名の優勝者が選ばれる。尚、優勝者には、$50, 000(約550万円相当)の賞金と 、H&Mのデザインチームとともに主要作品の商品化と全世界のH&Mストアでの販売権利が贈呈される。

過去の主要な受賞者: Richard Quinn 、Hannah Jinkins、Ximon Lee …等

過去の日本人受賞者: 半澤慶樹/文化服装学院(セミファイナリスト)、椎尾絵里子/文化ファッション大学院大学(セミファイナリスト)

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3. 本日の論点

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国内の若手デザイナーに求められる支援策

その他ご意見

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4. 今後の進め方について

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第1回懇談会 (6月20日に終了): 日本のデザイナーズブランドの海外進出について

第2回懇談会 (7月31日に終了): 日本のデザイナーズブランドの、IT活用も含めた「ものづくり」と「売り方」について

第3回懇談会 (本日): 日本のデザイナーズブランドに求められる支援策について

~ (報告書のたたきを事前にお送りし、ご確認いただきます) ~

第4回懇談会 (11月14日(火) 14:00~15:30): 報告書、政策提言に向けたレビューと補足