モジュール型水中無人機の現状と今後 の展望および …HILS:Hardware In The...

17
Y.Hagi モジュール型水中無人機の現状と今後 の展望および岩国サテライトにおける 試験評価体制について 艦艇装備研究所 水中対処技術研究部 無人航走体連携研究室 岡部 幸喜

Transcript of モジュール型水中無人機の現状と今後 の展望および …HILS:Hardware In The...

Page 1: モジュール型水中無人機の現状と今後 の展望および …HILS:Hardware In The Loop Simulation 各構成品の データの反映 各構成品の データの反映

Y.Hagi

モジュール型水中無人機の現状と今後

の展望および岩国サテライトにおける

試験評価体制について

艦艇装備研究所 水中対処技術研究部

無人航走体連携研究室

岡部 幸喜

Page 2: モジュール型水中無人機の現状と今後 の展望および …HILS:Hardware In The Loop Simulation 各構成品の データの反映 各構成品の データの反映

MENU

1

本日のメニュー

1. 研究開発ビジョン実現に向けて

2. モジュール型水中無人機の実現へのステップ

3. 岩国海洋環境試験評価サテライト(仮称)の整備

4. 今後の展望・まとめ

Page 3: モジュール型水中無人機の現状と今後 の展望および …HILS:Hardware In The Loop Simulation 各構成品の データの反映 各構成品の データの反映

MENU

2

本日のメニュー

1. 研究開発ビジョン実現に向けて

2. モジュール型水中無人機の実現へのステップ

3. 岩国海洋環境試験評価サテライト(仮称)の整備

4. 今後の展望・まとめ

Page 4: モジュール型水中無人機の現状と今後 の展望および …HILS:Hardware In The Loop Simulation 各構成品の データの反映 各構成品の データの反映

研究開発ビジョン 水中防衛の取組~無人機技術を活用した効率的な水中防衛の実現

3

陸上司令部等からのモニタリングの下、多数の無人機が有機的に協調

設定した識別圏内における警戒監視、支援、対処等の水中防衛を自律的に遂行

UUV : Unmanned Underwater Vehicle(水中無人機)、UAV : Unmanned Aerial Vehicle(航空無人機) 、USV : Unmanned Surface Vehicle(水上無人機) 、UGV : Unmanned Ground Vehicle(陸上無人機)

Page 5: モジュール型水中無人機の現状と今後 の展望および …HILS:Hardware In The Loop Simulation 各構成品の データの反映 各構成品の データの反映

研究開発ビジョンの実現に向けた研究開発の進め方

4

水中無人機の高い信頼性、残存性、自律行動能力を確立するため、多種多様な

運用条件、海洋環境条件における試験評価が必須

水中無人機の基盤となる技術や構成品の多くは民生分野とも共通

デジタルモデルの活用+仮想的な海洋音響環境の構築+民生分野との協力

シミュレーション技術を主体とした効

果的な設計及び試験評価体制の構築

民生分野での優れた技術の取り込みに

よる効率的な水中無人機技術の確立

〇海上での試験条件の設定が困難!〇海上での十分な試験回数の確保が困難!

シミュレーションA シミュレーションB シミュレーションC

・・・

障害物監視ソーナー

慣性航法装置

制御アルゴリズム・・・

民生技術

Page 6: モジュール型水中無人機の現状と今後 の展望および …HILS:Hardware In The Loop Simulation 各構成品の データの反映 各構成品の データの反映

MENU

5

本日のメニュー

1. 研究開発ビジョン実現に向けて

2. モジュール型水中無人機の実現へのステップ

3. 岩国海洋環境試験評価サテライト(仮称)の整備

4. 今後の展望・まとめ

Page 7: モジュール型水中無人機の現状と今後 の展望および …HILS:Hardware In The Loop Simulation 各構成品の データの反映 各構成品の データの反映

多様な任務に対応するモジュール型水中無人機

6

多様な任務に対応可能な水中無人機(UUV)を短期間・低コストで実現するた

めのモジュール交換可能な長期運用型UUVの研究

モジュール構造による多様な任務へ

の対応

信頼性、環境適応能力の向上

単独で長期間活動する能力の獲得

シミュレーションの活用

「シミュレータ」及び「UUVデジタルモデル」

システム確認用実機UUV

尾部頭部

●水中機器設置

モジュールの組合せで様々なミッションに対応

エネルギーモジュール

水中機器設置モジュール

水中機器

長距離進出

長期間航走大容量電池

●警戒監視

●ラインアレイ敷設●海洋調査

水温塩分濃度海底地形海底地質海洋雑音

将来

モジュール部

Page 8: モジュール型水中無人機の現状と今後 の展望および …HILS:Hardware In The Loop Simulation 各構成品の データの反映 各構成品の データの反映

UUVデジタルモデルの活用

7

将来のUUVの各種任務における課題の把握のための運用能力の検証

実機UUVの製造

取得データの反映

UUVの改良

取得データの反映

SILS Ver.2SILS Ver.0

SILS Ver.1SILS Ver.3

UUV構成品の

各種性能パラメータ

HILS Ver.1HILS Ver.2

・・・

・・・

運用性能評価

将来UUV

反映

実海面試験におけるUUVのシステム確認

SILS:Software In The Loop SimulationHILS:Hardware In The Loop Simulation

各構成品のデータの反映

各構成品のデータの反映

岩国海洋環境試験評価サテライト(仮称)の活用

Page 9: モジュール型水中無人機の現状と今後 の展望および …HILS:Hardware In The Loop Simulation 各構成品の データの反映 各構成品の データの反映

シミュレーションによる搭載コンポーネントの検討

8

試験用実機UUV

SILS Ver.0

搭載コンポーネントの抽出

SILS Ver.1

シミュレーションにより搭載コンポーネントの機能・性能の検討を実施

検討

システムインテグレーション

コンポーネントの機能・性能評価

既存コンポーネントの設計検討・管制器 ・慣性航法装置 ・通信器 ・航走用ソーナー ・動力

・舵 ・推進器 ・浮量調整機構 ・ミッションセンサetc.

試験データ取得・流体特性(水槽) ・水中機器投下特性(水槽)etc.

・自律プログラム(シミュレーション)

・新規製造のコンポーネント

Page 10: モジュール型水中無人機の現状と今後 の展望および …HILS:Hardware In The Loop Simulation 各構成品の データの反映 各構成品の データの反映

ソフトウエアコンポーネント航走体

モジュール化に係る仕様の策定

9

将来の機能・性能の付加を容易かつ短期間・低コストで実現するため、ハードウ

エア及びソフトウエアのモジュール化に係る仕様を策定し、互換性を担保

モジュール接合部の構

造仕様

通信形式、電源の仕様

分散型アーキテクチャ

の適用

オープンソース・ソフ

トウェアの利用

策定した仕様はオープン化し、国内研究機関及び国内企業等と共有

将来的には民生分野も含めたモジュールの共通規格の策定を推進

海洋調査用モジュール

音響センサ

音響センサ

INS

新規高性能音響センサ

OS

ミドルウェア

水中機器設置

マップ作製

設置位置決定

障害物回避

類別

ルート決定ルート

決定

類別

行動決定

・ ・・

新規類別ソフトウ

エア

水中機器設置用モジュール

Page 11: モジュール型水中無人機の現状と今後 の展望および …HILS:Hardware In The Loop Simulation 各構成品の データの反映 各構成品の データの反映

MENU

10

本日のメニュー

1. 研究開発ビジョン実現に向けて

2. モジュール型水中無人機の実現へのステップ

3. 岩国海洋環境試験評価サテライト(仮称)の整備

4. 今後の展望・まとめ

Page 12: モジュール型水中無人機の現状と今後 の展望および …HILS:Hardware In The Loop Simulation 各構成品の データの反映 各構成品の データの反映

岩国海洋環境試験評価サテライト(仮称)

11

実機UUVの音響センサ情報等を使っての自律性・信頼性の評価が

可能な陸上試験設備

陸上において精緻なシミュレーションを実施することでUUVの実

海面試験におけるリスクやコスト等を大幅に低減

敷地面積:約30,000m2

試験棟1縦90m×横70m×高さ35m

大型水槽

吸音材を有した、縦35m×横30m×深さ

11mの大型音響計測水槽

シミュレーション装置

実機UUVの各構成品を連接し、高精度な

海洋環境におけるシミュレーションを実施

Page 13: モジュール型水中無人機の現状と今後 の展望および …HILS:Hardware In The Loop Simulation 各構成品の データの反映 各構成品の データの反映

仮想的な海洋音響環境の構築

12

胴体部

音響センサ部

推進部

慣性航法装置

音響模擬機能

デジタルモデル作成機能

シミュレーション実行機能

海底地形、潮流、音波伝搬等の仮想海洋環境を高精度でモデル化

海洋環境モデル作成機能

大型水槽

伝達関数の逆フィルタにより、シミュレーションで模擬する音を大型水槽内の音響アレイで再現

反射音

音響アレイ

計画航路

実際の航路

潮流

目標UUV 雑音

UUVの形状や構成品の配置を任意に設定

構成品

プロペラ 動力 慣性航法装置

音響測位装置音響アレイ

潮流

設定した仮想海洋環境においてUUVを航走させ、機能・性能を評価(SILS/HILS)

音響計測機能HILS機能

時間

振幅

音響センサ部受信波形 音響アレイ送波波形

時間

振幅

シミュレーション装置

Page 14: モジュール型水中無人機の現状と今後 の展望および …HILS:Hardware In The Loop Simulation 各構成品の データの反映 各構成品の データの反映

岩国海洋環境試験評価サテライトの民間活用

13

岩国海洋環境試験評価サテライト(仮称)有識者委員会

岩国海洋環境試験評価サテライト(仮称)の民生分野としての需要及び活用の可能

性等について検討し、我が国の水中無人機技術の向上に向けて試験評価施設を民生

分野での活用を推進していくための方策を提言。

「政府関係機関移転基本方針」において、水中無人機などの研究分野に必要とな

る試験評価施設について、岩国市への整備に関する検討を防衛省、山口県、岩国

市の3者を中心に進めることが決定。令和3年度以降の早い段階から順次運用す

ることを目指す。

目指す将来像の一つとして「民生分野との研究協力及び本試験評価施設の活用に

よる国内の水中無人機分野に関する技術の向上への寄与」。

Page 15: モジュール型水中無人機の現状と今後 の展望および …HILS:Hardware In The Loop Simulation 各構成品の データの反映 各構成品の データの反映

有識者委員会における提言

14

民生分野における本試験評価施設の活用方法

大型水槽等の着実な整備及び運用開始後の試験装置等の機能・性能を適宜向上

試験装置等の一般的な仕様の公開

職員の試験装置に対する確実な技術伝承及び外部のリソースの活用による柔軟な運用体制の確立

高等教育機関や研究機関等との研究協力等の在り方

現行の制度を活用

① 防衛装備庁受託試験研究 ② 安全保障技術研究推進制度

③ 防衛装備庁と公的機関が交わす協定書に基づく研究協力 ④ 広報活動

⑤ 国有施設の使用及び科学技術・イノベーション創出の活性化に関する法律による国有施設の減額使用

地方自治体の試験研究機関が中心となり、橋渡し役として中小企業の技術を取りまとめ、防衛装備

庁と地方自治体の試験研究機関との間で当該技術に基づく研究協力の実施

岩国海洋環境試験評価サテライト(仮称)の民生分野活用による、優

れた民生技術の取り込み及び水中無人機に関する技術進展への貢献

Page 16: モジュール型水中無人機の現状と今後 の展望および …HILS:Hardware In The Loop Simulation 各構成品の データの反映 各構成品の データの反映

MENU

15

本日のメニュー

1. 研究開発ビジョン実現に向けて

2. モジュール型水中無人機の実現へのステップ

3. 岩国海洋環境試験評価サテライト(仮称)の整備

4. 今後の展望・まとめ

Page 17: モジュール型水中無人機の現状と今後 の展望および …HILS:Hardware In The Loop Simulation 各構成品の データの反映 各構成品の データの反映

艦艇装備研究所では、効率的な水中防衛を実現するため、シミュレ

ーション技術及び岩国海洋環境試験評価サテライト(仮称)を活用し

たUUVの迅速かつ効果的な研究開発を進めていく。

特に、広大な我が国周辺海域の監視能力の強化に対応するため、多

様な任務に対応可能となるモジュール型UUVの早期実現を目指す。

更には、UUVに必要となる技術は多岐にわたり、かつ、日進月歩

で進展していることから、民生分野との協力により、効率的に技術を

獲得していくとともに我が国の水中無人機関連の技術基盤強化につな

げていく。

今後の展望・まとめ

16