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オンライン研究会における...
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オンライン研究会における発表のためのヒント
亀川徹 若槻尚斗 黒山喬允 鮫島俊哉三浦雅展 西宮康治朗
Outline
1. はじめに
2. オンライン発表の形態
3. オンライン発表のツール例
4. オフライン(通常の発表)との違いによるPros and Cons
5. 音声に関する留意点
6. 発表者向け発表フロー
7. まとめ
1. はじめに
音楽音響研究会オンライン開催の取り組み
● 2月29日:2月研究会(学生のためのスプリングセミナー)を筑波大で通常ど
おり開催
● 3月16日〜18日:日本音響学会春季研究発表会→ 新型コロナ感染拡大防止対
策を考慮して中止
● 4月1日:4月の音楽音響研究会の開催について幹事団でオンラインミーティ
ングを実施→ オンライン開催を決定
● 4月10日:4月の研究会の講演者(4名) のリハーサルを実施
● 4月19日:4月研究会をオンライン開催(参加者 32名)
● 5月9日:5月研究会講演者リハーサル(3名)
● 5月23日:5月研究会をオンライン開催(参加者 31名)
2. オンライン発表の形態
● 動画配信
○ 研究会発表者が,発表内容の電子ファイルをあらかじめ準備して
おき,それを配信する方式。
○ 研究会主催者は,それらをファイルサーバにアップ,研究会参加
者へアクセスURLを伝える。■ OneDrive,Googleドライブなど。あるいは,研究会独自の,パスワード
で管理されたwebシステム[1]。
○ 発表内容の電子ファイルをダウンロードした参加者へは,当該発
表会が終了した時点でダウンロードしたファイルすべてを破棄し
てもらうように,研究会主催者から指示すると良い[1]。
[1] 農業施設学会, “2020年農業施設学会学生・若手研究発表会,”
http://www.sasj.org/meeting/wm2020/index.html(2020.3.26参照)
2. オンライン発表の形態
● 動画配信
○ 発表風景の動画
■ 通常の研究発表会において口頭発表している風景を動画・音
声として記録,動画ファイルとして保存し,それを配信する
。
■ 動画・音声記録のためのカメラ・マイクが必要である。
■ 電子ファイルのサイズは大きくなり,配信の際の通信量も大
きくなる。
2. オンライン発表の形態
● 動画配信
○ 自動再生スライド
■ 自動再生できるスライドを作成,保存し,それを配信する。
■ 一般的なプレゼンテーションソフトであるPowerPointを使
用する場合の手順
•See 研究会資料
2. オンライン発表の形態
● 動画配信
○ ポスターセッション
■ ポスターセッションの場合では,発表内容の電子ファイルと
してはPDFが自然である[1, 2]。
■ PDFには,音声や動画を埋め込むと効果的であろう。
[1] 農業施設学会, “2020年農業施設学会学生・若手研究発表会,”
http://www.sasj.org/meeting/wm2020/index.html(2020.3.26参照)
[2] 言語処理学会, “言語処理学会第26回年次大会(NLP2020) オンライン開催の記録,”
https://www.anlp.jp/nlp2020/NLP2020_online_report.pdf (2020.6.12参照)
2. オンライン発表の形態
● 動画配信
○ 質疑応答
■ 参加者からの質問は,主催者(そのセッションの座長)がテ
キスト形式で受け付ておき,後日に,発表者からの解答をテ
キスト形式で配信する。
■ 音楽音響研究会5月研究会においては,後述のWeb会議シス
テムを利用し,発表者が作成した自動再生スライドを主催者
が代わって再生し,質疑討論についてはこの方式で行う,と
いう形式(すなわち,後述のWeb会議システム利用と動画配
信利用の,ハイブリッド形態)を1部の発表で採用した。
2. オンライン発表の形態
● 動画配信
○ 質疑応答
■ 質疑討論のみ,オンラインでリアルタイムに実施する方法も
あり得る。● これも,後述のWeb会議システム利用と動画配信利用の,ハイブリッ
ド形態といえる。
■ 文献[1]の事例では,Web上に自動再生スライドやポスター
を掲示するとともに,コメント・チャット機能を設け,発表
者と参加者が討論できるようにしたとのことである。
[1] 農業施設学会, “2020年農業施設学会学生・若手研究発表会,”
http://www.sasj.org/meeting/wm2020/index.html(2020.3.26参照)
2. オンライン発表の形態
● 動画配信
○ 利点と欠点
■ 後述のWeb会議システムを利用してライブ発表(リアルタイ
ム配信)を行う場合につきものの,接続トラブルを回避でき
ること。
■ 音声でのリアルタイム質疑討論(Dynamicなディスカッショ
ン)が困難なことである。
■ 一時的には発表者の作成したスライド・ポスターなどがネッ
トに掲載されることになり,抵抗を感じる発表者もいるかも
しれない。● 講演募集の際には,このことに同意を得て講演申し込みを受け付けると
良いかと思われる。
2. オンライン発表の形態
● Web会議システム利用
○ Webブラウザやクラウドミーティングソフトなどを利用し,イ
ンターネットを介して発表者,参加者同士を接続,発表・質疑討
論のリアルタイム性・双方向性を持たせた発表形態。■ 音楽音響研究会では,過去2回のオンライン研究会のいずれにおいても,こ
の形態で開催した。
2. オンライン発表の形態
● Web会議システム利用
○ 参加者・発表者・座長の振舞い
■ 参加者は,座長や発表者,他の参加者から識別されやすいよ
うに,Web会議システムにおける参加者リストの自分のIDを
,氏名と所属の表記に変更するとよい。
■ 発表者,座長の場合も,それが分かるような表記をすると,
参加者が分かりやすい。● 例1:鮫島俊哉(九大・芸工)
● 例2:発表者:鮫島俊哉(九大・芸工)
● 例3:座長:鮫島俊哉(九大・芸工)
2. オンライン発表の形態
● Web会議システム利用
○ 参加者・発表者・座長の振舞い
■ 発表者は,自身が発表する際には,カメラをONに。● 参加者の立場からの要望。
■ 発表者ではない参加者のカメラについては,一般的には,通
信量削減の観点からOFFにすることが推奨される。● しかし発表者の立場としては,聴講者の顔が見えたほうが安心する。
● 質疑討論に参加する場合には,カメラをONにしたほうがよいであろう
。
● 発言時に音声(マイク)をONにし,発言が一区切りついたら,OFFに
することを忘れないようにする。
[3] 電子情報通信学会, “研究会のオンライン参加クイックマニュアル,”
https://www.ieice.org/jpn_r/event/quick_manual.pdf(2020.4.13参照)
2. オンライン発表の形態
● Web会議システム利用
○ 付随する機能の利用
■ チャット機能,挙手機能,反応(拍手)機能
■ これまでに実施した音楽音響研究会のオンライン研究会では
,特に質疑討論において,チャット機能が有効であったと感
じている。● 参加者画面にて,通常の研究会時のように挙手をして意思表示してもよ
いが,クラウドミーティングソフトによっては,座長や参加者がそれを
認識しにくい。
■ チャット機能で,質問したい意思表示をするとよい。以下に
事例を示す。
2. オンライン発表の形態
● Web会議システム利用
○ 付随する機能の利用
■ 例1:質問の意思のみ記載
質問があります。
■ 例2:質問の概要のみ記載
カニ歩きですか?
■ 例3:質問の内容を具体的に記載
最初に紹介いただいた作品の中で,拡張体験の主体は詩の読
み手でしょうか? 作品上映を体験するオーディエンスは,
スピーカーの外にいる想定か興味があります。
2. オンライン発表の形態
● Web会議システム利用
○ 利点・欠点
■ 通常の研究発表会と同様な音声でのリアルタイム(Dynamic
な)質疑討論が可能。
■ 研究発表会というDynamicな研究コミュニケーションは,学
術雑誌への論文掲載というStaticなそれと同じくらい,重要
な役割を持つ。
■ 参加者は,PC上のWeb会議ソフトによって,発表者のスラ
イドや音響信号を視聴するため,通常の研究発表会時に比べ
て,スライドの視認性が良い
■ 動画配信の裏返し:接続トラブルがあること。
2. オンライン発表の形態
● Web会議システム利用
○ 付随する機能の利用
■ 座長は,チャット機能に記載された順番や,質問内容の概略
情報から,次の質問者を誰にするのかを適切に判断しやすい
。
■ 座長から質問を許可された質問者は,より詳しい内容の質問
を,音声で発すればよい。発言後はマイクをOFFにすること
を忘れがちなので,気をつけるとよい。
3. オンライン発表のツール例
● Google Meet
● Q&A機能、質問への投票機能
● Microsoft Teams Meeting
● 背景画像の設定
● Zoom Meetings
● 背景画像(動画)の設定
● Cisco Webex Meetings
● 書き込み共有機能
● オンライン発表・会議向けツールは複数あり,それぞれ特徴が異なる
発表・参加者はアカウント不要
Zoom
Zoomでは過去の集合写真や飲み会の写真を背景に出来る為、オンライン飲み会が盛り上がる!
これ彼女、いいでしょ~(笑)
Zoom
写真や動画
これ彼女、いいでしょ~(笑)
プレゼンとは!
◆はっきり喋ろ!◆相手の目を見ろ!◆たまに笑え!◆相手を威嚇しろ!
参加者Aの質問
発表者の回答
x
参加者B
の質問
Webexでは書き込みが共有できるので、参加者も細かい部分の質問がしやすい!
3. オンライン発表のツール例
● 補足
○ 各Web 会議システムの仕様や特徴は今後変更される可能性がある
○ Web 会議に対する需要の高まりを受け,下記の動きが活発
■ 機能・セキュリティの強化
● 例:
○ セキュリティ脆弱性対応(2020.4 Zoom)
○ タイル表示(2020.4 Google Meet)
■ 有料版として提供されていた機能の無料版への拡大
● 例:
○ 有料版のみだったMeet機能の無料版対応(2020.6
Google Meet)
4. オフライン(通常の講演)との違いによるPros and Cons
● タイムキーパー/発表開始のCue
○ 座長から合図を送るのが困難。ベルがよい。
● スライドのポインタ移動
○ ポインタの位置が内容理解に大きな影響を与えるが,回線
状況によっては遅延する場合もある。
● 聴講者の反応観察/質疑の受け方
○ 聴講者にあわせてチャットの利用などが望ましい
● セキュリティ
○ 録音や乗っ取りなど。
● 長所も多数○ 小さい文字が見えやすい(スライドの端のほうの文字だと,遠方に着座している人から見えにくい,という心配はない)
○ プロジェクターの性能による色の出る具合を心配しなくてよい○ 発表会場の反響を気にせずに話をしてもよい○ (聴講者サイド)知らない単語を調べながら聞くことができる。
● 短所○ 現物の持参ができないため,デモンストレーションを考えないといけない(特殊なスピーカー,楽器など)
○ 言葉が「はっきりと聞こえる」ため,言い間違えも目立ってしまう。○ 発表者周辺の環境(道路騒音,家庭内騒音など)の影響を受ける。○ 聴講者がどの程度の音の大きさで聞いているのかがわからない。また,何らかの音声伝達エラーがあっても発信者からは気づきにくい(声が小さいや,なぜかエコーがかかってしまうなど)。
5. 音声に関する留意点
● 環境騒音に注意
● 発表者のマイク音声
○ 使用するマイク
○ PCの設定
○ ハウリング防止
● 発表コンテンツ内の音声
○ 会議システムの音声
○ 発表コンテンツ自体を共有
発表者のマイク音声:使用するマイクについて
PC内蔵マイク イヤホン・マイク
外付けマイク単一指向性・息がかからないように・カメラの視野も避ける
実測例:「こんにちは」+環境雑音(PCのファン)
発表者のマイク音声:PCの設定 macOS編
正しいデバイス,音量
発表者のマイク音声:サンプリングレート
サンプリングレートの設定オーディオ関係の設定ツール(OS標準)
発表者のマイク音声:PCの設定 Windows編
発表者のマイク音声:オーディオデバイスの設定
サンプリングレート正しいデバイス,音量
Zoomの設定例
発表者のマイク音声:Web会議システムでの設定
設定方法の確認とテストを必ず実施!!
発表者のマイク音声:ハウリング防止
● 基本的にイヤホン推奨(ハウリング防止)
● 1台/部屋ならスピーカON,マイクONでも
ハウリングしない
● 複数台/部屋でスピーカON,マイクONでは
ハウリング発生(エコーキャンセラが効かない?)
Room1 Room2
Room3
発表コンテンツ内の音声
音声出力ソフトのデモ
音声サンプルの再生
● 会議システムの機能
● 音声キャプチャソフト
(iShowUなど)
● コンテンツ自体を共有
○ YouTube,ほか
Zoomの「画面共有」
Web会議システムの特性:Zoom(macOS)の例
サンプリングレートは
48 kHz? 32 kHz?
内部で変換?
16 kHz
20 kHz
6. 発表者向け発表フロー
● 発表資料の作成
● 発表のリハーサル
● Web会議システムを用いるリアルタイムでの発表
発表資料のサイズとフォント
254 mm (設定値)
143 mm
(設定値)
Arial
24 pt Musical Acoustics
Calibri24 pt Musical Acoustics
32 pt Musical Acoustics
32 pt Musical Acoustics
多くのディスプレイのアスペクト比(縦横比) は 16:9
視認性の高いフォント,読みやすいフォントサイズとする
16:9*の既定値(PowerPoint)*ワイドスクリーンとは異なる
フォントサイズ早見表 (Arial)
見かけのフォントサイズ24 pt18 pt 28 pt
ディスプレイサイズ 5 型
11.4型
14型
21型
24
43.8%
100%
123%
184%
2818
13 15
6412
107
20 221510
12 pt
554127
欧文フォント 和文フォント
*
*
*Ironic Sans, "So you think you can tell Arial from
Helvetica?," http://www.ironicsans.com/helvarialquiz/
発表のリハーサル
音楽音響研究会ではオンライン研究会開催の概ね1週間前に
リハーサルを実施
・発表者の音声 / 映像の確認
・発表資料の画面共有確認
・発表資料等に含まれるオーディオが再生できるかの確認
Zoomの場合は画面共有開始時に
"コンピュータの音声を共有"のチェ
ックを入れる必要がある
ポインタ
・Web会議システムの画像共有ではマウスカーソルも表示
・PowerPointではレーザポインタ機能やペンを利用できる
(それぞれ,Ctrl + L, Ctrl + P)
ポインタの軌跡
共有画面のフレーム
レートは低いため,
カーソルはゆっくり
と動かす必要がある
PowerPointであれば
アニメーションによ
る強調も効果的
7. まとめ
● 事前準備
○ 参加者の把握
○ 講演資料の扱い
● ホストの役割
○ 待機室からの入室承認
○ 強制ミュート
○ 強制退出
● コミュニケーションの取り方
○ チャットの活用
○ 休憩中や研究会終了後の「雑談」
7. まとめ(今後の研究会の予定)
● 6月20日:6月研究会⇨オンライン(本日)
● 7月20日,21日:7月研究会(電気音響他との共催)
⇨オンライン
● 8月23日:8月研究会(岐阜大サテライト)⇨対面と
オンラインのハイブリッドを計画中
● (9月9日〜11日:音響学会秋季研発⇨オンライン)
● 10月24日,25日:10月研究会(日本音楽知覚認知学
会との共催)⇨未定