心不全患者の終末期に対する心臓専門医と 看護師の …Vol. 6 No. 2 2011 J Cardiol Jpn Ed 115要 約 原 著 心不全患者の終末期に対する心臓専門医と
心臓リハビリテーション - 九州病院 ·...
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心不全とは…
心臓が悪いために、息切れやむくみが起こりだんだん悪くなり、寿命を縮める病気である。(日本心不全学会 2016年)
心臓リハビリテーション~心臓病最近の話題~
超高齢社会を迎える日本では心不全が急増。65歳以上の場合3人に1人は心不全と予測されています。
【我が国の新規発症心不全患者の推移】
【心不全の病気の進行と状態の予測図】2017年急性・慢性心不全診療ガイドラインより
⇒そこで心臓リハビリテーションでは…
①心不全の原因となる、生活習慣病の改善・心筋梗塞や狭心症の再発予防に取り組んでいます。
②心不全という病気の理解や早期発見のために自己管理(血圧や体重測定など)の習慣付けを行っています。
③特に高齢で心不全になると繰り返す入退院のため段々体力も低下してしまう場合も多いです。適切な運動療法と栄養療法を行い体力向上を目指しています。
心不全は上の図に示すように、一度なると今まで通りの生活をでは繰り返し発症し進行していく可能性があります。
心臓リハビリテーション~理学療法士の役割~
【高齢心臓病患者様に多いフレイル(虚弱)とは】
フレイル(虚弱)とは…
①高齢者の筋力や心身の活力が低下した状態
②自立した生活は送っているが病気や風邪といったちょっとしたことで寝たきりになる
⇒適切な運動によって改善することができます!
【当院でのフレイル患者様の運動方法の紹介】
・フレイルに有効な運動といえば…筋力トレーニング!!
・最近の研究では、筋力増強には負荷量よりも仕事量(負荷量×回数×セット)が重要という報告あり。
⇒体力が著しく低下した方や運動が苦手な方でも導入しやすい運動方法を導入
リカンベントエルゴメーター
・自転車乗ったことない方でも大丈夫・持久力を高めます
レッグプレス
・負荷量の調整が数値で可能
・膝に痛みがある方でもできます
起立着席練習
・回数を多く重ねることで下半身全体の筋力向上が図れます
心臓リハビリテーション~検査技師の役割~
【役割その1】運動療法中の心電図モニタリング
不整脈や心電図変化が生じていないか、運動処方を超える過負荷になっていないかなどをチェックしています。もし、不整脈や心電図変化が生じたり、症状の訴えがあった場合は、すぐに12誘導心電図を記録したり、担当医の指示で生理検査室でホルター心電図(24時間心電図)や超音波検査をすることもあります。
【役割その2】心臓リハビリテーション期間(5ヶ月間)中に行う定期検査リハビリ開始時と卒業時(4か月目)の2回、患者様のそれぞれの時点での病態を評価するために、血液検査、心臓超音波検査、心肺運動負荷試験(CPX)を行います。血液検査
冠危険因子となる高血圧や脂質異常症、糖尿病に関する項目、また、心不全の程度や腎機能、貧血に関する項目を調べます。心臓超音波検査
心臓の大きさや心筋の動き、収縮の強さや拡張のしやすさ、弁膜疾患の有無などを調べます。心臓リハビリテーションの対象となる疾患は、冠動脈疾患をはじめ、心不全や心臓外科手術後など病態はさまざまなので、 各疾患に合わせた評価をしています。心肺運動負荷試験(CPX)
心電図、血圧、呼吸中の酸素、二酸化炭素の濃度を計測しながら運動(自転車こぎ又はベルトの上を走る)を行い、心臓だけではなく肺や運動に使われる筋肉などを総合的にみて運動耐容能(体力)を評価する検査です。
【役割その3】患者教育『心臓に関する検査』という内容で3ヶ月に1回講義を行っています。
心臓リハビリテーション期間を終了してからの自己管理に役立ててほしいという思いでお話しています。
検査室は、心臓リハビリテーションのチーム医療の一員として、以上のように関わり、患者様が安全に心臓リハビリテーションを続けられるようにサポートしています。現在、検査室には、心臓リハビリテーション指導士有資格者が6名在籍しています。
心臓リハビリテーションを行うにあたりその時点での体力を評価し、安全に行える運動の目安(心拍数や負荷量)を決定できます!
心臓リハビリテーション~看護師の役割~
【役割①】心血管疾患の発症には生活環境、生活習慣が密接に関係します。その中で看護師は患者様が再発予防のために生活習慣を見直すことで、QOL(生活の質)向上に向けた日常生活を送ることができるようアドバイスを行っています。また、心臓リハビリを安全に実施できるよう事前に血圧や脈拍の変化、体調に変わりがないかを把握し、問題がある場合は迅速に対応します。
リハビリ来院時には毎回メディカルチェック今日は血圧高いですが、調子に変化ないですか?
うーん、特に変わりはないですけど…
念のため先生に相談してみましょう!
【役割その②】ここ数年、高齢化とともに心不全の患者様も増えています。心不全は自己管理が最も大切な疾患です。当院では、心不全手帳を活用し、自宅での血圧・体重測定の確認、体重増加時や心不全症状出現時の対処方法などの指導に力を入れています。
来院時に持参してもらい、自宅での生活時異常がないか確認しています。
心臓リハビリテーション~薬剤師の役割~
リハビリに参加されている患者様は、病状の安定や二次予防のため、多種類の薬を飲んでいる場合が多く、適切・安全に服薬を継続する必要があります。
私たち薬剤師は、患者様が薬物治療について十分に理解し、安心して服薬を継続できるように、薬効や服薬意義について説明し、副作用の早期発見や薬物相互作用の回避ができるよう努めています。
薬物相互作用を防ぐために薬剤師は相互作用を防ぐため、処方せんをよくチェックするだけでなく、
過去の薬歴やお薬手帳にかかれた情報を確認しています。
お薬手帳をお持ちでない場合や記録されていない
お薬がある場合は、薬剤師にお知らせください。
必ず医師・薬剤師にお伝えください
○複数の診療科や他の医療機関で処方された薬を服用している場合
○一般用医療品(市販薬)や健康食品、サプリメントなどを利用している場合
お薬手帳があると便利です
・「一包化」という方法があります。例えば、朝食後に飲むいくつかの薬をひとつの袋にまとめて入れることですが、 これは薬局で薬を受け取る際にしてもらえます。・自分で1回分ずつを小袋にわけ、日付やいつ飲むのかを書いておくのもよいでしょう。
・市販の薬のケースやカレンダーを利用するのもよいでしょう。自宅のカレンダーに薬を貼るだけでもいいと思います。・薬を飲んだ後にチェックするようにすれば、薬を飲んだかどうかの確認ができます。・食前や食後に飲む薬の場合は、薬を食卓においておけば、飲み忘れにくいでしょう。
・薬を飲んだ後に残る「から」をしばらくとっておけば、薬を飲んだどうかの確認ができます。・一緒に住んでいる家族などでお互いに声をかけあうようにするとよいでしょう。
薬を飲み忘れないようにする工夫をいくつかご紹介します。
このように いろいろと工夫をして、自分が飲み忘れない方法を探してみましょう。
心臓リハビリテーション~栄養師の役割~
循環器疾患には高血圧、狭心症、心筋梗塞、心不全、動脈硬化症などがありますが、これらの予防・治療のためには、身体にとって望ましい食習慣、生活習慣を身につけることが必要です。心臓リハビリでの栄養指導では、主に、食事の適正エネルギー、塩分量や脂肪の質についてお話します。普段の食生活の中で何に気をつければ良いのかを、一緒に考えていきます。
また、毎日の食生活の中での減塩方法のポイントや、その他の調理法についても説明します。
心臓リハビリテーション5ヶ月間のうち初回と4ヵ月後(卒業前)全2回実施しています。
①食事習慣アンケートアンケート結果から個人に合った栄養指導をおこなっています②味覚閾値テスト塩からさの比較を簡単に確認できる濾紙を使用し、日頃から減塩がうまくいっているかの参考にしています
個人栄養指導
心臓リハビリ集団栄養指導月に1回水曜日に実施
(3ヶ月で1クール)
1回目:心臓食の食事について
2回目:心臓食の食品構成・甘い物(間食) について
3回目:減塩について
集団栄養指導 ①
1.適正なエネルギーを摂りましょう2.脂肪は質と量に注意しましょう3.コレステロールの多い食品に注意しましょう
4.甘いもの、アルコールに注意しましょう5.食物繊維を十分に摂りましょう6.降参か食品を積極的に摂りましょう7.塩分の摂りすぎに注意しましょう
減塩調理教室第1.3水曜日に実施
食事療法を実践的に身につけるために、食材や調味料の計量から、調理、出来上がった食事の味付けを確認し、家庭でも実践できるよう勉強していきます。
集団栄養指導②
減塩調理教室のお知らせ
当院では、食事療法を実践的に身につけて頂くために調理教室を
定期的に行っています。これらの教室では、家庭で作りやすい
基本的な料理の作り方について勉強します。食事療法を実践的に
体験してみませんか?ご参加お待ちしております。
開講日 毎月 第1・3水曜日(祝祭日はお休みです)
時間 10:00~12:30
場所 別館2階 栄養相談室2
参加費 500円/人 (別途、集団指導料がかかります)
※入院中の方は必要ありません。
(昼食は教室で作った食事を召し上がって下さい。)
持ってくるもの エプロン 筆記用具
申し込み方法 外来の方:主治医にご相談下さい。
入院の方:主治医または看護師にご相談下さい。 ※初回は栄養指導箋が必要になります。
締め切り日 毎月 第1・3月曜日 10時まで ※食材料の発注の関係により、期日厳守でお願いします。
問い合わせ先 JCHO九州病院 栄養管理室
093-641-5111 (内線2750)
心臓リハビリテーション~臨床心理師の役割~
循環器疾患は、がんに次いで、抑うつ症状や不安感を抱えやすい疾患です。循環器疾患の患者様の約30%が抑うつ症状や不安感などのこころの症状(精神症状)を引き起こすといわれています。これらの症状は冠動脈性心疾患の危険因子でもあり、身体症状の悪化や回復を遅らせる要因にもなります。
心臓病後の患者様のうち、心臓リハビリに通っておられる方全員に、
という質問票を使った抑うつのスクリーニングを行なっています。以下はその短縮版で、セルフチェックにも使えます。
この2週間、次のような問題にどのくらい頻繁に悩まされていますか?
全くない
数日
半分以上
ほとんど毎日
① 物事に対してほとんど興味がない、または楽しめない
② 気分が落ち込む、憂うつになる、または絶望的な気持ちになる
PHQ-9(Patient Health Questionaire-9)
赤枠内に1つでもチェック が入った方は、
今の生活習慣の見直しをおすすめします。