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思考力・判断力・表現力等を育てるモデル授業づくり
教科:算数(小学校)
北薩地区オープンサポート教科フォーラム思考力・判断力・表現力とは
• 既習事項を基にして,結果や方法の見通しを立て,自分の考えの根拠を明らかにしながら筋道を立てて課題解決をすることができる。
思考力(見通しをもち,筋道を立てて考察する力)
• 多くの事柄の共通性を見いだし,同じものとしてまとめたり,それらを活用して新たな課題解決を図ったりすることができる。
判断力(統合的・発展的に考察する力)
• 自分の考えを,言葉だけでなく式や図などの数学的表現方法を用いて説明したり,それぞれの表現方法を互いに関連付けたりすることができる。
表現力(簡潔・明瞭・的確に表したり,柔軟に表現したりする力)
平成31年度 全国学力学習状況調査 平成31年度 全国学力学習状況調査
領域平均正答率
県(公立) 全国(公立)
数と計算 61.9% 63.2%
量と測定 50.7% 52.9%
図形 76.3% 76.7%
数量関係 66.5% 68.3%
平成31度 全国学力学習状況調査
評価の観点平均正答率
県(公立) 全国(公立)
数学的な考え方 61.0% 62.2%
技能 72.4% 73.6%
知識・理解 69.1% 70.1%
問題形式平均正答率
県(公立) 全国(公立)
選択式 74.9% 75.7%
短答式 71.2% 72.8%
記述式 46.3% 47.4%
平成31年度 全国学力学習状況調査
資料の特徴を把握し,数理的に処理する力の育成
日常生活の問題の解決のために,複数の情報を関連付けて論理的に考察し,数学的に表現したり,適切に判断したりする力の育成
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新学習指導要領 算数科 目標
数学的な見方・考え方を働かせ,数学的活動を通して,数学的に考える資質・能力を次の通りに育成することを目指す。
(1)数量や図形などについての基礎的・基
本的な概念や性質などを理解するとともに,日常の事象を数理的に処理する技能を身に付けるようにする。
新学習指導要領 算数科 目標
数学的な見方・考え方を働かせ,数学的活動を通して,数学的に考える資質・能力を次の通りに育成することを目指す。
(2)日常の事象を数理的に捉え見通しをもち
筋道を立てて考察する力,基礎的・基本的な数量や図形の性質などを見いだし統合的・発展的に考察する力,数学的な表現を用いて事象を簡潔・明瞭・的確に表したり目的に応じて柔軟に表したりする力を養う。
新学習指導要領 算数科 目標
数学的な見方・考え方を働かせ,数学的活動を通して,数学的に考える資質・能力を次の通りに育成することを目指す。
(3) 数学的活動の楽しさや数学のよさに気付
き,学習を振り返ってよりよく問題解決しようとする態度,算数で学んだことを生活や学習に活用しようとする態度を養う。
「思考力・判断力・表現力等を育てるモデル授業づくり」のポイント
1 必然性のある課題の設定
2 ねらいを明確にした学び合いの場の設定
3 振り返りの場の充実
必然性のある課題の設定
【「思考力・判断力・表現力等を育てるモデル授業づくり」の取組①】
魅力ある学習課題
・ 「解いてみたい」と思うような学習課題・ 「友達と一緒に考えたい」と思うような学習課題
学習課題の工夫の視点
・ 身近な日常の生活の場面を取り入れる・ 具体物を用意する・ 役割演技で場面をイメージしやすくさせる・ ゲームを通して課題を見つけさせる・ 認識の差異を見つけさせる・ 単元全体を通してストーリー性をもたせた課題にする
必然性のある課題の設定
【「思考力・判断力・表現力等を育てるモデル授業づくり」の取組①】
【本時までの学習課題】時間 学習課題の内容
第1時修学旅行の集合場所である「阿久根駅」へ行く時の,3人の移動の速さ(分速)を求める課題
第2時道のりや時間を実測し,自分の歩く速さを求める学習課題
第3時新幹線(時速)とおれんじ鉄道(分速)と走るのが速い先生の速さ(秒速)を求める学習課題
第4時新幹線(時速)とおれんじ鉄道(分速)と走るのが速い先生の速さ(秒速)を比べる学習課題
第5時熊本市内から遊園地までの移動で,高速道路と一般道を使ったときのそれぞれの時間を求める学習課題
第6時(本時)
遊園地内での移動手段をゴンドラ・バス・徒歩から選び,アトラクションも選んで3か所を周る計画を立てる学習課題
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【「思考力・判断力・表現力等を育てるモデル授業づくり」の取組①】
必然性のある学習課題の工夫本時までの学習課題
第1時
第3時
第4時
必然性のある学習課題の設定
【「思考力・判断力・表現力等を育てるモデル授業づくり」の取組①】
必然性のある学習課題の設定
【「思考力・判断力・表現力等を育てるモデル授業づくり」の取組①】
必然性のある学習課題の設定
【「思考力・判断力・表現力等を育てるモデル授業づくり」の取組①】
課題文をこれからある修学旅行の場面に置き換え,具体的な旅行先の図などを使って興味をもたせ学習意欲を引き出した。
遊園地のマップの資料から,提示した様々な条件が視覚的にも理解でき,問題解決への見通しがもてるようにした。
実際の修学旅行と同様に,グループで問題解決をさせることで,対話的な学びが実現できるようにした。
効率よくエリアを回り,好きなアトラクションを多く楽しみたいという児童の強い思いから,必然的に
「速さ」特に「時間」に問題意識が向くようにした。
【実践のポイント】
必然性のある学習課題の設定
【「思考力・判断力・表現力等を育てるモデル授業づくり」の取組①】
再検証授業の学習課題
必然性のある学習課題の設定
【「思考力・判断力・表現力等を育てるモデル授業づくり」の取組①】
再検証授業の学習課題
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【「思考力・判断力・表現力等を育てるモデル授業づくり」の取組②】
ねらいを明確にした学び合いの場の設定
【各学習形態のよさ】ペア学習
(意見交換)グループ学習
(小規模・大規模)全体学習
表現を通して自分の考えを整理することができる
それぞれの意見を確認して,その内容を吟味したり練り上げたりすることで,考えを深めることができる。
多くのアイディア,多様な見方や考え方に触れることができる。
ねらいを明確にした学び合いの場の設定【「思考力・判断力・表現力等を育てるモデル授業づくり」の取組②】
【ペア学習の様子】
ねらいを明確にした学び合いの場の設定【「思考力・判断力・表現力等を育てるモデル授業づくり」の取組②】
【グループ学習の様子】ねらいを明確にした学び合いの場の設定
【「思考力・判断力・表現力等を育てるモデル授業づくり」の取組②】
【思考を深める発問】
場面 発問例
共通点に着目させたいとき
どの考えにも共通しているものがないかな?
根拠が正しいか判断させたいとき
本当にこれでいいのかな?
序列をつけさせたいとき
・どれが一番簡単にできるかな?・どれが一番早くできるかな?
考えを分類したり構造化したりさせたいとき
・どの考えが仲間かな?
・○○の場合は,どの考えが使えるかな?
ねらいを明確にした学び合いの場の設定【「思考力・判断力・表現力等を育てるモデル授業づくり」の取組②】
【問い返しの様子】ねらいを明確にした学び合いの場の設定
【「思考力・判断力・表現力等を育てるモデル授業づくり」の取組②】
【実践のポイント】
ペアやグループなどの少人数で話し合うことで,自分の考えに自信をもたせることができた。
友達に質問しながら納得するまで聞くことができて足りない考えを付加することができた。
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振り返りの場の充実
【「思考力・判断力・表現力等を育てるモデル授業づくり」の取組③】
習熟を図る問題
適用問題
自己の学びを振り返り,次に生かそうとする振り返りの場の充実
理解していること・できることをどう使うか
思考力・判断力・表現力等の育成へ
学習が分かったか
できるようになった実感をもてたか
振り返りの場の充実
【「思考力・判断力・表現力等を育てるモデル授業づくり」の取組③】
【適用問題】
振り返りの場の充実
【「思考力・判断力・表現力等を育てるモデル授業づくり」の取組③】
【再授業の適用問題】
振り返りの場の充実
【「思考力・判断力・表現力等を育てるモデル授業づくり」の取組③】
【実践のポイント】
適用問題を解くことで自分が本時の学習をどの程度理解することができたか実感させることができた。
適用問題を解くことで実感できた「理解したこと・できるようになったこと」を日常生活,特に修学旅行で使ってみたいという意欲が高まった。
振り返りの場の充実
【「思考力・判断力・表現力等を育てるモデル授業づくり」の取組③】
児童の「一言感想」より
成 果
◎ 課題を工夫することにより,児童に学びたいという意欲をもたせることができた。
◎ ペア学習やグループ学習を取り入れ,多様な考え方に触れさせたり,児童同士でも問い返しをさせることで理解を深めさせたりすることができた。
◎ 振り返りを充実させることで,児童が自身の学びを把握したり,学びを価値付けたり,次に生かしたりすることができた。
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課 題
▲ 児童の実態に応じた,適度に負荷のかかる学習問題を設定していく必要がある。
▲ 実践例を共有し,よりよい実践につながるようにしていく必要がある。
▲ 「速さ」の学習では,効率のよさを実感させるような手立てをとる必要がある。
思考力・判断力・表現力等を育てるモデル授業づくり
教科:算数(小学校)
北薩地区オープンサポート教科フォーラム
ご静聴ありがとうございました