漁港海岸保全施設の老朽化調査及び老朽化対策計画策定 の...

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漁港海岸保全施設の老朽化調査及び老朽化対策計画策定 のための実務版マニュアル 【平成 21 年度版】 平成 22 年 3 月 水産庁漁港漁場整備部防災漁村課

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漁港海岸保全施設の老朽化調査及び老朽化対策計画策定

のための実務版マニュアル

【平成 21 年度版】

平成 22 年 3月

水産庁漁港漁場整備部防災漁村課

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~ 目 次 ~

第1章 総論 1-1. 本マニュアルの目的 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 1-2. 適用の範囲 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3 1-3. 用語の定義 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6 1-4. 老朽化対策 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9 【老朽化調査編】 第2章 海岸保全施設の調査 2-1. 調査の種類と目的 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 11 2-2. 調査位置 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 13 2-3. 調査結果の記録 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 14 第3章 一次調査 3-1. 一次調査の項目 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 15 3-2. 一次調査シートの記入例 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 17 3-3. 二次調査実施箇所の抽出 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 21 第4章 二次調査 4-1. 二次調査の項目 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 22 4-2. 二次調査シートの記入例 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 23 第5章 健全度評価 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 29 第6章 二次調査(追加) 6-1. 二次調査(追加)の概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 36 6-2. 二次調査(追加)の実施方法・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 43 【老朽化対策計画編】 第7章 老朽化対策計画 7-1. 老朽化対策計画二次調査の項目 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 46 7-2. 対策工法の基本的検討 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 49 7-3. ライフサイクルコストの試算例 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 53

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【付録】 付録-1 堤防、護岸の構造形式 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 72 付録-2 一次調査シート ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 84 付録-3 二次調査シート ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 88 付録-4 健全度判定表 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 94 付録-5 変状事例集 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 99 付録-6 健全度評価事例 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 110 付録-7 変状連鎖 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 116 付録-8 老朽化進行予測事例 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 120 付録-9 老朽化対策の概要整理(案) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 130

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第1章 総 論 1-1.本マニュアルの目的

【解説】

(1) 「海岸堤防等老朽化対策」とは、同一管理者が所管する海岸保全区域内の海岸保全施設毎(ま

たは、その一部毎)を対象として、管理者が有する情報の整理及び老朽化調査を行い、老朽

化調査の結果に基づいて老朽化対策計画を策定し、老朽化対策計画に基づいて老朽化対策工

事を行うことを原則とする。

(2) 「実務版マニュアル」で対象とする海岸保全施設は、海岸堤防、護岸及びその関連施設を標

準とする。

(3) 漁港区域内に位置する海岸保全施設は、漁港・漁場・漁村と一体的に整備されているもので

ある。そのため、施設の老朽化を放置することは、補修対策の建設コストが増大することに

加えて、漁港区域内で維持すべき様々な機能(水産利用、生命・財産の保全、海洋レクリエ

ーション機能等)の低下にも繋がることとなる。防護機能及び水産業・漁村の多面的機能を

長期間にわたり維持するためには、LCM の考え方に基づいて効率的・効果的に維持管理を実

施することが重要となる。

(4) LCM を導入した維持管理には多くの課題が山積していることもあり、できることから段階的

に導入を図っていく必要がある。本マニュアルでは、必要な機能を維持しつつライフサイク

ルコスト(以下、LCC という。)を 小化することを LCM の目標とし、これを目指した維持管

理を行うことを提唱している。しかし、LCC の定量的評価が困難な場合には、ライフサイク

ルを通じて要求性能を一定以上に保証することを維持管理の目標とするものとする。

そして、長期的には、構造物の老朽化進行予測等の技術開発を行い、ライフサイクルを通

じて維持すべき要求性能を 小のコストで対応できる仕組みを構築する。そのためには、施

設の諸元、建設年、点検・補修履歴等のデータの蓄積が必要である。

(5) 従前の海岸保全施設に対する維持管理は、問題が発生した後の対応になりがちであったが、

LCM を導入した維持管理では、問題が発生する前に予測して対応を図る「予防保全」が重要

である。以下に、維持管理のシナリオの考え方を示す。

漁港海岸保全施設の老朽化調査及び老朽化対策計画策定のための実務版マニュアル(以下、「実

務版マニュアル」という。)は、「海岸堤防等老朽化対策」において、事業主体(海岸管理者)が

①老朽化調査、②老朽化対策計画の策定、③老朽化対策工事を行う際の参考となり、ライフサイ

クルマネジメント(以下、LCM という。)を目指した老朽化対策計画の策定や対策工法を紹介し、

海岸保全施設の効率的・効果的な維持管理及び点検データ等の収集に資することを目的とする。

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表-1.1 維持管理のシナリオの考え方

維持管理のシナリオ シナリオ

の種別

損傷劣化に対する考え方

方針 維持補修

事前対策

事前対策として高い水準の損傷劣化対策を

行うことにより、供用期間中に要求性能が満

たされなくなる状態に至らない範囲に変状の

程度を留める。

劣化・損傷を生じ

させない。

供用期間中に行

わないことを前

提とする。

予防保全

損傷程度が軽微な段階で、小規模な対策を

頻繁に行うことにより、供用期間中に要求性

能が満たされなくなる状態に至らないよう

に、損傷劣化に対して予防保全的に対処する。

一定の劣化・損傷

は許容する。

軽微なものを予

防保全的に数回

行う。

事後保全

要求性能が満たされなくなる範囲内で、損傷

劣化に起因する性能低下をある程度許容し、

供用期間中に 1~2回程度の大規模な対策を行

うことにより、損傷劣化に対して事後保全的

に対処する。

大きな劣化・損傷

までを許容する。

大規模なものを

事後保全的に1~

2 回行う。

図-1.1 シナリオ毎の部材の経年変化に対する対策時期の考え方

(6) 海岸保全施設の維持管理における特徴として、以下の点に留意する必要がある。

① 老朽化による強度の低下が、防護機能の低下に直接つながりやすい。

② 長い延長の一箇所でも破堤すると他が健全でも大きな被害をもたらす可能性がある。

③ 構造物の破堤に至る変状連鎖の第一段階が洗掘による堤体材料の吸出しにある場合が多

いが、海面下に没していることが多く変状を発見しにくい。

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1-2.適用の範囲

【解説】

(1) 実務版マニュアルは、主として海岸管理者が実施する海岸保全施設の調査や健全度評価の他、

老朽化対策計画の立案や対策工法等について記述することを原則とする。

(2) 本実務版マニュアルは、海岸保全施設においての堤防と護岸及びその関連施設を対象とし、

堤防、護岸(コンクリート被覆式)の構成部材名称を図-1.2 対象施設概念図に例示する。ま

た、堤防と護岸の構造形式は、施設の表法勾配や使用材料等により多種類にわたることから、

代表的な構造形式を付録-1に示す。

砂浜については、堤防と護岸の洗掘を防止する機能に着目しており、砂浜に変状が起こった

時に堤防と護岸の安全性が損なわれると判断されるものを対象とすることを原則とする。

図-1.2 対象施設概念図

本実務版マニュアルは、漁港区域における海岸保全施設のうち、コンクリート構造の堤防、護

岸及びその関連施設等に適用する。

護岸(コンクリート被覆式)の概念図

堤防(コンクリート被覆式)の概念図

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なお、離岸堤、水門及びコンクリート構造以外の堤防と護岸等の老朽化調査は、以下に示す

指針等を参考に適切な維持管理を実施することが望ましい。

①コンクリート構造の場合(離岸堤、水門)

・社団法人土木学会(2007 年);2007 年制定 コンクリート標準示方書【維持管理編】

・社団法人土木学会(2003 年 11 月);コンクリート標準示方書【維持管理編】に準拠し

た維持管理マニュアル(その1)および関連資料

②鋼構造の場合

・ 社団法人日本鋼構造協会(2007 年 8 月);土木鋼構造物の調査・診断・対策技術(2007

年度改訂版)

・ 財団法人沿岸技術研究センター;港湾鋼構造物防食・補修マニュアル(2009 年版)

③共通

・海岸保全施設技術研究会編(平成 16 年 6 月);海岸保全施設の技術上の基準・同解説

・財団法人沿岸開発技術研究センター(平成 11 年 6月);港湾構造物の維持・補修マニュアル

・国土交通省 国土技術政策総合研究所(平成 19年 3 月);港湾施設の維持管理計画策定

に関する基本的考え方、国土技術政策総合研究所資料 第 376 号

・財団法人沿岸技術研究センター(平成 19 年 10 月);港湾の施設の維持管理技術マニュアル

(3)主な海岸保全施設を表-1.1 に示す。

表-1.2 海岸保全施設等の主な機能と主な構造物の例

主な機能 主な構造物の例 波浪・高潮対策施設 台風や低気圧の来襲時の水位

上昇と高波の越波による浸水

から背後地を守ること。

堤防、突堤、護岸および胸壁、消波施設(離岸

堤、人工リーフ、消波堤、養浜工など)との複

合施設、高潮防波堤、防潮水門 津波対策施設 津波の遡上を未然に防ぎ背後

地を浸水から守ること。 堤防、護岸および胸壁、津波防波堤、防潮水門

漂砂制御施設 漂砂量を制御し、海岸線の侵

食や、土砂の過度の堆積を防

ぐこと。

離岸堤、潜堤・人工リーフ、消波堤、突堤、ヘ

ッドランド、養浜工、護岸(緩傾斜護岸、崖侵

食防止のための法面被覆工を含む)、地下水位低

下工法、これらの複合防護工法 飛砂・飛沫対策施設 飛砂・飛沫の発生や背後陸域

への進入を防ぐこと。 堆砂垣、防風棚、ウインド・スクリーン、静砂

垣、被覆工、植栽、植林 海岸環境創造施設 海岸利用、生態系の保全、水

質浄化、エネルギー利用など

の観点での海岸環境を保つこ

と。

人工海浜、親水護岸、擬岩を用いた崖侵食防止

工、人工干潟、藻場の造成、生態系に配慮した

構造物、曝気機能付き護岸、波力発電施設など

河口処理施設 洪水や高潮に対して、河川の

流下能力と治水安全性が確保

されること。

導流堤、暗渠、河口水門、人工開削、堤防の嵩

上げ工、離岸堤、人工リーフ

附帯設備 周辺の土地や水面の利用に供

すること。

水門および樋門、排水機場、陸こう、潮遊び、

昇降路および階段工、えい船道および船揚場、

管理用通路および避難路 注)「土木学会(2000 年版);海岸施設設計便覧、p7」を参考に作成

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(4)本実務版マニュアルの構成、記述内容及び文末の表現は、表-1.2 を原則とする。

表-1.3 マニュアルの構成及び記述内容

構成 記述内容 文末の表現

[枠囲み]

・本実務版マニュアルの作成に当たっての前提条件

・海岸保全施設の老朽化調査及び老朽化対策計画策定に

おいて遵守すべき事項

・他の基準書(海岸保全施設の技術上の基準・同解説等)

など、広く技術的に認知されている事項

~とする。

~が必要である。

[解説] ・海岸保全施設の老朽化調査及び老朽化対策計画策定に

おいて遵守すべきことを勧告する事項

~を原則とする。

一般に~とする。

~を標準とする。

~が望ましい。

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1-3.用語の定義 表-1.4(1) 用語の定義(1/3)

漁港・港湾の事業で用いている同義の用語 本実務版マニュア

ルにおける用語 定 義 水産物供給基盤

機能保全事業

港湾の施設の

維持管理計画策定

老朽化 部材の経年変化や波力等の影響

による損傷や機能低下

老朽化

劣化

変状進行

老朽化

劣化

変状進行

老朽化対策 老朽化により機能が確保されて

いない施設に対して、管理者が有

する情報の整理及び老朽化調査

を行い、老朽化調査の結果に基づ

いて老朽化対策計画を策定し、老

朽化対策計画に基づいて老朽化

対策工事を行うまでの一連の行

為である。

機能保全対策 維持補修対策

一次調査 構造全体の変状の有無を把握し、

二次調査を実施すべき箇所の選

別を行う目的で実施する日常の

維持管理的な調査。

簡易調査(簡易項

目)

二次調査 構造物の部位・部材毎に変状の状

況を把握し、「健全度評価」を行

う目的で実施する簡易な調査。

簡易調査(重点項

目)

一般定期点検診断

二次調査(追加) 施設の健全度により、必要な「対

策の検討」を行う目的で実施する

詳細な調査。

詳細調査 詳細定期点検診断

老朽化対策計画 老朽化調査の結果をもとにした

老朽化対策工事の方法、実施スケ

ジュール等を盛り込んだ計画で、

対策工事の方針・目標及び工法と

今後の調査計画等から構成され

る。

機能保全計画 維持管理計画

老朽化対策工事 機能が確保されていない施設に

対して、機能の回復のみならず、

機能強化を行うものであり、設計

条件の見直しによる改良、天端の

嵩上げや消波機能の追加、耐震性

強化等がある。

機能保全対策工事 維持補修対策工事

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表-1.4(2) 用語の定義(2/3) 漁港・港湾の事業で用いている同義の用語

本実務版マニュア

ルにおける用語 定 義 水産物供給基盤

機能保全事業

港湾の施設の

維持管理計画策定

変状 施設に生じる不具合の総称。劣化

や損傷が顕在化したもの、変位・

変形なども含まれる。

変状 変状

変状連鎖 施設に変状が発生し、機能の低下

へと変状が進行する過程。変状の

進行には、地震等により短期間に

変状が生じる突発型と地盤沈下

や材料の劣化等により時間の経

過とともに徐々に変状が進行す

る進行型及びその複合型がある。

変状連鎖 変状連鎖

機能 目的または要求に応じて構造物

が果すべき役割。

機能 機能

機能強化 施設に新たな機能を付加するま

たは機能を拡大する行為。

機能強化 機能強化

改良工事 施設の機能強化を図る工事。 改良工事 改良工事

更新工事 改良工事のうち、施設を全面的に

造り替える工事。

更新工事 更新工事

補修工事 施設の機能の維持あるいは回復

のために行う工事で、供用期間の

中で反復的に行う軽易な工事。

補修工事 補修工事

変状ランク 二次調査において、調査位置毎に

確認された変状の程度。部材の機

能が著しく低下している状態か

ら変状が認められない状態まで

を a(または a+),b,c,d の 4 段階

で表記したもの。

老朽化度

(a,b,c,d)

劣化度

(a,b,c,d)

健全度の判定ラン

施設の各調査位置の変状ランク

から評価した施設全体の機能低

下の程度。要対策から問題なしま

でを A,B,C,D の 4段階で表記した

もの。

施設機能の診断

(A,B,C,D)

施設の機能低下度

(A,B,C,D)

異常時調査 自然災害(台風や地震等)により

大きな外力を受けた直後に行う

調査。

臨時点検 一般臨時点検診断

詳細臨時点検診断

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表-1.4(3) 用語の定義(3/3) 漁港・港湾の事業で用いている同義の用語

本実務版マニュア

ルにおける用語 定 義 水産物供給基盤

機能保全事業

港湾の施設の

維持管理計画策定

維持管理 施設の機能の維持あるいは回復

のために行う、調査、健全度評価、

予測及び補修工事からなる一連

の作業の総称。

維持管理 維持管理

ライフサイクルコ

スト(LCC)

構造物の①企画設計段階、②建設

段階、③運用管理段階、および④

廃棄処分段階における施設の供

用期間に生ずる総費用。

ライフサイクルコ

スト(LCC)

ライフサイクルコ

スト(LCC)

事前対策 構造物の竣工時点で、供用期間中

に維持管理上の限界に達しない

ことを前提に、変状を生じさせな

い措置を施すこと。

事前対策 事前対策

予防保全 供用期間中に部材の性能に影響

を及ぼす変状の発生(維持管理上

の限界)が予想されるが、維持管

理段階において、維持管理上の限

界に至る前に老朽化対策を行う

ことを、設計時の計画や部材の劣

化予測に基づいて実施すること。

予防保全 予防保全

事後保全 供用期間中に変状の発生により

部材の性能低下が予測されるが、

予防保全的な対策が困難あるい

は不経済である場合に、定期的な

点検の実施により部材の変状の

発生・進展を把握しながら、部材

の要求性能が満足されなくなる

前に対策を実施すること。

事後保全 事後保全

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1-4.老朽化対策

【解説】

(1)老朽化対策のフロー図を次頁の図-1.3 に示す。老朽化対策は、管理者が有する情報の整理、

老朽化調査、老朽化対策の検討を行う老朽化対策計画及び老朽化対策工事等の実施を行う行為

を原則とする。

(2)施設概要の整理は、老朽化調査のための事前整理として使用されるとともに、老朽化対策計画

策定(P46 参照)及び老朽化調査の際に必要となるため重要である。

老朽化により機能が確保されていない施設に対して、老朽化調査の結果に基づいて老朽化対策

計画を策定し、老朽化対策計画に基づいて老朽化対策工事を行うまでの一連の行為である。

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(1)対象施設の概要 ① 海岸保全施設(名称、構造形式、建設年次、位置、平面図、標準断面図等) ② 保全対象地区(保全対象地区の居住地区、人口及び後背地利用等)

(2)文献等の整理 ① 制度・法律 ② 設計基準 ③ 施設利用の配慮 ④ 自然・社会・環境条件 ⑤ 多面的機能(レクリエーション、漁場、背後地の財産等) ⑥ その他(景観等)

〇 調査結果による施設の健全度の判定 〇 老朽化対策工事等の必要性の検討

二次調査(追加)

老朽化対策工事等の実施

老 朽 化 対 策 工 事

(1) 対策方針の決定(設計条件の見直しの必要性の検討) (2) 対策目標の設定 (3) 老朽化の原因とメカニズムの特定 (4) 対策工法の基本的検討 (5) 対策後の調査計画 (6) その他の事項

老 朽 化 対 策 計 画

図-1.3 老朽化対策フロー図

二次調査

一次調査

施設概要等の整理

健全度評価

老朽化対策の検討

老朽化対策工事等の実施

老朽化調査の実施

変状無 変状有

・ 施設の主要部に大きな変状が発生し、機能低下が生じている場合

・ 施設の主要部に変状が発生し、機能低下や変状連鎖の進行が懸念される場合

計画的な老朽化対策の推進

・ 施設の主要部以外に変状が発生し、機能低下には至っていない場合

・ 軽微な変状が発生しているが、機能低下には当面至らない場合

施設概要等の整理を老朽化対策の検討に活用する

管理者が有する情報の整理

老 朽 化 調 査

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【老朽化調査編】

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第2章 海岸保全施設の調査 2-1.調査の種類と目的 【解説】

(1)一次調査は、二次調査を実施すべき箇所の選別を行う目的で実施することを原則とする。水産

庁所管の海岸保全区域の延長は約 3,200kmにも及ぶため、一次調査は効率的に行うことが必

要であることから、陸上からの目視調査を標準とする。

一次調査の実施単位は、構造目地により区切られたスパン毎に行うことが望ましい。ただ

し、天端被覆工と表法被覆工で構造目地が異なる場合には、表法被覆工の構造目地により区

切られた区間を1スパンとすることができる。

(2)二次調査及び二次調査(追加)は、構造物の部位・部材の状況を把握し、健全度評価と必要な

対策の検討を行う目的で実施するものであり、目視及び簡易な計測を基本とし、必要に応じて

詳細な計測を行うことが望ましい。二次調査により構造物の部位・部材に発生している変状の

状況把握を行うことで、変状原因の明確化、構造物や部位・部材毎の性能に関する評価、補修・

補強等の対策検討が可能となる他、蓄積された実測値に基づいて劣化予測等も可能となる。

(3)健全度評価や対策の検討は、管理する海岸保全施設の変状、変状ランクの判定結果を踏まえ、

変状が対象施設の設置目的と性能の低下に及ぼす影響及び致命的な変状に至る変状の進展(変

状連鎖)等を十分考慮して行うことが望ましい。

図-2.1 に一次調査から二次調査、健全度の判定、二次調査(追加)に至る老朽化調査フロ

ーを示す。

一次調査、二次調査、健全度評価及び二次調査(追加)の項目については、それぞれ第3

章、第4章、第5章、第6章にて詳述する。

(4)水面下や天端被覆工下の空洞等の目視で直接確認できない変状は把握することが困難である。

しかし、それらの変状が大規模に進展する前には、変状連鎖の観点から目視で把握できる範囲

において軽微な変状が生じることから、軽微な変状も見落とさないように調査を実施すること

が望ましい。

(5)自然災害時等に実施する異常時調査で一次調査と同様の項目の調査を実施した場合は、その結

果を一次調査結果としてよいものとする。

海岸保全施設の性能を維持するためには、施設の健全度を評価し適切な対策を講じることが必

要であり、そのためには、変状の有無やその程度を把握する調査が重要である。 本実務版マニュアルでは、原則として一次調査、二次調査、健全度評価及び二次調査(追加)

からなるものとする。 一次調査は、①構造全体の変状の有無を把握し、②二次調査を実施すべき箇所の選別を行う目

的で実施するものとする。 二次調査は、①構造物の部位・部材毎に変状の状況を把握し、②健全度評価を行う目的で実施

するものとする。 健全度評価は、二次調査の結果をもとに施設の各調査位置の変状ランクを整理し、施設全体の

機能低下の程度を A,B,C,D の 4 段階で判定を行うものとする。 二次調査(追加)は、必要な対策の検討を行う目的で実施するものとする。 調査の実施にあたっては、過去の調査結果の履歴調査を行い、変状の進展状況を把握するもの

とする。

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図-2.1 老朽化調査フロー図

表-2.1 調査の概要

一次調査 二次調査 二次調査

(追加)

目 的 二次調査の実施の必要性

判断 施設健全度の把握

対策工法の検討 老朽化対策計画策定

内 容

陸上からの目視

近接目視 簡易な計測

近接目視 詳細な計測 特殊な計測機器を用いた調

査や潜水調査など 間 隔 1回/1~3年注1) 実施時期 地域特性を考慮して設定

(冬期波浪後、台風期前

後等)

一次調査の結果より、必要と

判断された場合 健全度評価で A ランクまた

は B ランクとなった場合

実施範囲 対象施設の全延長

一次調査で必要と判断され

た箇所(代表断面での実施も

可)

二次調査の変状位置及び現

象により判断された箇所(代

表断面での実施も可)

注 1)大きな外力を受けた場合に異常時調査を確実に行うことを前提として

おり、異常時調査で同様の項目を実施した場合には一次調査を省略する

ことを標準とする。 但し、過去に異状や補修履歴がある場合は1回/年とすることが望ま

しい。

※二次調査(追加)によって変状が認められた場合、老朽化対策計画(第 7 章参

照)を策定することが望ましい。 ※健全度評価で毎回 B ランクとなる施設については、二次調査で確認される

変状の進行状況を考慮した上で、二次調査(追加)の実施の有無を判断し

てもよい。

Aランク

スタート

変状の有無

健全度評価

一次調査の実施

二次調査の実施

Bランク Cランク Dランク

二次調査(追加)の実施

1 回/1~3 年

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2-2.調査位置

【解説】

(1)対象施設である護岸・堤防における一次調査、二次調査及び二次調査(追加)の調査位置を表

-2.2、図-2.2 に示す。

(2)堤体の変状は、天端被覆工、表法被覆工、裏法被覆工、波返工における沈下・陥没、ひび割れ

等により確認することを原則とする。

表-2.2 一次調査、二次調査の調査位置

調査位置 一次調査 (対象:○、対象外:-)

二次調査 (対象:○、対象外:-)

二次調査(追加) (対象:○、対象外:-)

波返工 ○ ○ ○ 天端被覆工 ○ ○ ○ 表法被覆工 ○ ○ ○ 裏法被覆工 ○ ○ ○ 前面海底地盤 - - ○ 根固工 ○ ○ ○ 基礎工 - - ○ 消波工 ○ ○ - 排水工 ○ ○ - 砂浜 ○ ○ -

図-2.2 一次調査、二次調査及び二次調査(追加)の調査位置

一次調査及び二次調査の調査位置は、陸上から目視可能である波返工(および胸壁の堤体工)、

天端被覆工、排水工、消波工、表法被覆工、裏法被覆工、砂浜、根固工を基本とするものとする。

二次調査(追加)の調査位置は、一次調査及び二次調査で実施した調査位置に加え、必要に応

じて前面海底地盤、根固工、基礎工等、一次調査で把握できない箇所についても実施するものと

する。

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2-3.調査結果の記録 【解説】

(1) 調査の結果は、変状の有無にかかわらず必ず調査シートを作成するが、2回目以降の調査結果

のうち、前回の調査の結果から、変状の進展が確認されない場合には、前回の調査結果を 新

の調査結果の記録として残すことを原則とする。 (2) 一次調査と二次調査の調査項目は、調査位置と記録の内容が統一されているため、付録-2~

3に示す調査シートを参考に、統一された調査シートに記録することを原則とする。二次調査

(追加)の調査項目は、変状の状況に対応して測量、試験等を伴うため、統一された調査シー

トとすることは困難であるが、同一箇所においては、可能な限り統一された調査シートを活用

することが望ましい。 (3) 蓄積された調査結果は、今後の老朽化対策計画の策定にあたり有用な基礎資料となる。例えば、

前回の調査結果との比較により変状の進展を把握することや、過去の変状発生箇所の分析によ

り変状の発生しやすい箇所を予測すること等が可能となる。また、補修や更新等の対策を行う

場合は、対策後の変状の発生や進行を予測するためにも、対策前の調査データを蓄積しておく

ことが望ましい。 (4) 特に、予防保全的な維持管理においては、老朽化進行予測を行うことが必要である。その際、

一次調査及び二次調査、二次調査(追加)の各結果を時系列的に整理することが、予測作業の

基礎となる。

図-2.3 予防保全的な維持管理における調査データの時系列的整理

(5) 調査結果の保管方法は、省スペース化、データの利用性向上等の観点から電子化することが望

ましい。

調査の結果は、調査シートに記録するものとする。 記録した調査シートについては、長期にわたって保存するものとする。

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第 3 章 一次調査 3-1.一次調査の項目

【解説】

(1)一次調査は、陸上からの目視による変状の把握を原則とする。

(2)護岸・堤防における一次調査項目は、表-3.1 に示す項目を標準とする。

(3)一次調査は、目視により変状の有無を把握するため、天端被覆工下の空洞等、目視で直接

確認できない変状は把握することが困難である。しかし、それらの変状が大規模に進展す

る前には、目視で把握できる範囲において軽微な変状が生じることが大半と考えられるた

め、一次調査では軽微な変状も見落とさないよう、注意深く実施することが望ましい。

(4)過去に変状が生じた箇所や対策を実施した箇所については、変状が進行することや再度変

状が発生する可能性が高いと考えられるため、注意深く確認することが望ましい。

一次調査では、護岸・堤防の移動、沈下・陥没、ひび割れ、剥離・剥落・欠損等を確認する

ものとする。

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表-3.1 一次調査項目の一覧

調査位置 調査項目 確認する項目 ひび割れ ひび割れの有無 剥離・剥落・欠損 剥離・剥落・欠損の有無 鉄筋の腐食 錆汁、鉄筋露出の有無 目地の開き、相対移動量 隣接スパンとの高低差、ずれ、目地の開きの有無

波返工

補修箇所の状況 補修箇所における変状の発生の有無

沈下・陥没 沈下・陥没の有無 漏水の痕跡 漏水の痕跡の有無 植生の異常(繁茂等) 植生の異常(繁茂等)の有無 ひび割れ ひび割れの有無 目地部、打継ぎ部の状況 4隅の隣接スパンとの高低差、ずれ、開きの有無 剥離・損傷 剥離・剥落の有無

天端被覆工

補修箇所の状況 補修箇所における変状の発生の有無 ひび割れ ひび割れの有無 沈下・陥没 沈下・陥没の有無 目地部、打継ぎ部の状況 目地材の有無、隙間・ずれの有無 漏水の痕跡 漏水の痕跡の有無 植生の異常(繁茂等) 植生の異常(繁茂等)の有無 剥離・損傷 剥離・剥落の有無

鉄筋の腐食 錆汁、鉄筋露出の有無

表法被覆工

補修箇所の状況 補修箇所における変状の発生の有無 ひび割れ ひび割れの有無 沈下・陥没 沈下・陥没の有無 目地部、打継ぎ部の状況 目地材の有無、隙間・ずれの有無 漏水の痕跡 漏水の痕跡の有無 植生の異常(繁茂等) 植生の異常(繁茂等)の有無 剥離・損傷 剥離・剥落の有無

裏法被覆工

補修箇所の状況 補修箇所における変状の発生の有無 移動・散乱 移動・散乱の有無 沈下 沈下の有無 根固工注1) ブロック破損 ひび割れ・損傷の有無 移動・散乱 ブロックの移動・散乱の有無 沈下 消波工の天端と波返工等の高低差の有無 消波工 ブロック破損 ひび割れ・損傷の有無 目地の開き、相対移動量 高低差・ずれ・開きの有無

排水工 補修箇所の状況 補修箇所における変状の発生の有無

砂浜 侵食・堆積 砂浜の侵食、浜崖形成の有無 注1)陸上からの目視が可能な場合においてのみ実施ことを標準とする。

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3-2.一次調査シートの記入例 【解説】

(1)一次調査結果は、変状状況把握のための、 も基本的な資料となる。そのため、調査実施

者以外の管理者が、過去の一次調査結果を確認することで対象施設の状況が十分に把握で

きるように配慮して作成することが望ましい。

(2)定期的な一次調査の実施により、新しい変状の確認を行うことで、二次調査の実施判断と

なるため、調査により確認された変状についてはその位置を調査シートに記録ことを原則

とする。

(3) 調査シートは、構造目地によるスパン毎に作成することを原則とする。ただし、構造目

地間隔が非常に長い場合には 10~20m程度毎に作成するが、現場の状況によって適宜判断

することが望ましい。 (4)対象施設の一次調査シートは、図-3.1~3.2 および表-3.2に示す記入例を標準とする。ま

た、記入内容は以下に示す内容を原則とする。

図-3.1 の全体図記入シートには、施設全体の平面図とその断面図を記入することを原則

とする。

表-3.2 の調査結果記入シートには、スパン毎に該当する変状と変状番号を記入すること

を原則とする。

図-3.2 の変状位置図には、変状位置図として変状位置に変状番号を記入することを原則

とする。

(5)調査現場において、変状の有無を判断する際に、判定事例を参考にしながら作業を行える

よう、参考写真付きの変状事例集を付録-5に掲載する。

調査シートは、調査時の状況を後々把握できるように配慮して作成するものとする。

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【全体図記入シート】

海岸名 ○○漁港海岸 地区名 ○○地区 施設名 護岸 建設年度 平成22年度

調査者氏名 ○○ ○○ 調査者所属 No.1~23

(d区間)

計画天端高(余裕高を含む施工天端高):F.H.=+4.00m

機能上必要な天端高(余裕高を見込まない天端高):F.H.=+4.00m

断面図(a区間) (b区間)

(c区間)

○○県○○課○○係 調査を実施する全範囲

調査箇所

全 体平面図

△△工場○○宅 ■■

パーキング

現場において位置確認が容易となるように、近隣の施設や建物の位置・形状等を記入する

図-3.1 全体図記入シート記入例

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表-3.2 調査結果記入シート(標準様式)記入例

【調査概要記入欄】

調査年月日:平成○○年○○月○○日  天候:晴 曇 雨

海岸名 ○○地区 施設名 護岸 調査者氏名 ○○ ○○

調査者所属 スパンNo. No.2

【調査結果記入欄】

各項目に対して、該当する変状の有無をチェックする。(例:■)

調査位置 有 無 変状番号

■ □ ①

■ □ ②

□ ■

□ ■

□ ■

■ □ ③

□ ■

□ ■

□ ■

□ ■

□ ■

□ ■

□ ■

□ ■

□ ■

□ ■

■ □ ④

□ ■

□ ■

□ ■

□ ■

□ ■

□ ■

□ ■

□ ■

□ ■

□ ■

□ ■

■ □ ⑤

■ □ ⑥

□ ■

砂浜 □ ■

□ ■

□ ■

□ ■

【調査結果記入欄】

二次調査実施予定年月:平成△△年 △△月実施予定

変状の有無 変状の項目

漏水の痕跡がみられる

鉄筋の腐食

ひび割れがみられる

剥離・剥落・欠損がみられる

錆汁、鉄筋露出がみられる

植生の異常(繁茂等)がみられる植生の異常(繁茂等)

No.1  ~No.23

天端被覆工

沈下・陥没 沈下・陥没がみられる

漏水の痕跡

波返工

補修箇所の状況

目地の開き、相対移動量

ひび割れ

剥離・剥落・欠損

○○漁港海岸

○○県○○課○○係

地区名

調査を実施した全範囲

ひび割れ ひび割れがみられる

隣接スパンとの高低差、ずれ、目地の開きがみられる

補修箇所における変状の発生の有無

目地部、打継ぎ部の状況隣接スパンとの高低差、ずれ、目地の開きがみられる

剥離・損傷

補修箇所の状況 補修箇所における変状の発生の有無

排水工目地のずれ 高低差、ずれ、目地のひらきがみられる

剥離・剥落・欠損がみられる

補修箇所の状況 補修箇所における変状の発生の有無

消波工ブロック破損 ブロックに破損がみられる

表法被覆工

ひび割れ

漏水の痕跡

植生の異常(繁茂等)

ひび割れがみられる

漏水の痕跡がみられる

植生の異常(繁茂等)がみられる

移動・散乱 ブロックの移動・散乱がみられる

補修箇所における変状の発生の有無

鉄筋の腐食

補修箇所の状況

剥離・損傷 剥離・剥落・欠損がみられる

錆汁、鉄筋露出がみられる

目地部、打継ぎ部の状況目地材がなくなっている。目地の隙間・ずれがみられる

沈下・陥没 沈下・陥没がみられる

裏法被覆工

ひび割れ ひび割れがみられる

目地部、打継ぎ部の状況目地材がなくなっている。目地の隙間・ずれがみられる

漏水の痕跡 漏水の痕跡がみられる

沈下・陥没 沈下・陥没がみられる

ブロックに破損がみられる

沈下がみられる

植生の異常(繁茂等)

剥離・損傷 剥離・剥落・欠損がみられる

植生の異常(繁茂等)がみられる

移動・散乱がみられる

侵食・堆積

補修箇所の状況 補修箇所における変状の発生の有無

汀線の移動(後退、前進)、浜崖がみられる

根固工

移動・散乱

ブロック破損

沈下

調査年月日、調査場所等の基本的な事項を記入する

変状番号を記入する

変状の有無について、概要箇所にチェックを入れる

次回の二次点検予定年月を記入する

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【変状位置図】変状番号を記入

■波返工

( 10.0 )m

海側

②陸側

■天端被覆工

( 10.0 )m

海側

③陸側

■表法被覆工

( 10.0 )m

海側○m ④

陸側■電柱

■裏法被覆工

( 10.0 )m

海側⑥

⑤陸側

■消波工、根固工

( 10.0 )m

海側

陸側

■砂浜

(   )m

海側

陸側

■排水工

(   )m海側

陸側

(   )m

No.(  )← →No.(  )

(   )m

(   )m

No.(  )← →No.(  )

No.( 1 )← →No.( 3 )

( 7.0 )m

No.(  )← →No.(  )

( 3.0 )m

No.( 1 )← →No.( 3 )

( 5.0 )m

No.( 1 )← →No.( 3 )

( 0.5 )m

No.( 1 )← →No.( 3 )

( 2.0 )m

( 0.5 )m

現場において変状発生箇所位置確認が容易となるように、近隣の施設や建物の位置・形状等を記入する

変状位置に番号を記入する

必要に応じて、変状発生の範囲を記入する

図-3.2 変状位置図記入例

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3-3.二次調査実施箇所の抽出 【解説】

(1) 一次調査の結果、変状が確認された場合には、その規模を把握するための二次調査を実施

することを原則とする。ただし、明らかに利用者の安全性等に影響を与えるような変状が

確認された場合には、二次調査を実施する前に、速やかに応急措置を施すことが必要であ

る。ここで、応急措置とは、陥没の復旧等により対応するものの他、対象施設への周辺住

民の進入を防ぐための警告標識や立入禁止柵を設置する等の安全対策も含むものを標準と

する。 (2) 一次調査の結果から変状が確認された場合には、全ての箇所に対して二次調査を実施する

ことを原則とする。しかし、二次調査の対象箇所が非常に多く、全ての箇所に対して実施

が困難と考えられる場合は、同一の断面形状である区間において、 も変状がひどい箇所

を抽出して実施することで、区間での健全度評価とすることができる。 (3) そのまま放置しても性能低下につながらないような変状に関しても、一次調査で発見され

たときは、必ず二次調査を実施することを原則とする。 (4) 一次調査シートは、二次調査実施時において、変状位置を速やかに確認できるように作成

することが望ましい。また、同一構造で施工延長が長い場合の調査間隔の設定は、建設年

次等を目安に適宜設定してもよい。

一次調査の結果において変状が確認された場合には、二次調査を実施するものとする。 一次調査の結果において明らかに応急措置が必要と判断される変状が確認された場合に

は、速やかに応急措置を施すことが必要である。

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第4章 二次調査 4-1.二次調査の項目 【解説】

(1) 二次調査の調査項目は表-4.1 を基本とし、一次調査で実施した調査項目について、変状の確認を行

うとともに簡易な計測機器等を用いた調査を行い、変状の進行有無、影響範囲等について把握するこ

とを原則とする。ここで、簡易な計測機器等を用いた調査とは、巻尺によるひび割れ長さの計測や、

ハンマーによるうき・剥離の有無と範囲の計測等を指す。

表-4.1 二次調査項目の一覧

調査位置 調査項目 調査方法 変状

ひび割れ ひび割れの長さ、ひび割れ幅 剥離・剥落・欠損 剥離の範囲、剥落・欠損の深さと範囲 鉄筋の腐食

目視及び 計測

錆汁の有無と範囲、鉄筋露出の長さ 波返工

目地の開き、相対

移動量 計測 隣接スパンとの高低差、ずれ、目地の開き

沈下・陥没 沈下・陥没の深さと範囲 ひび割れ ひび割れの長さ、ひび割れ幅 目地部、打継ぎ部

の状況 4隅の隣接スパンとの高低差、ずれ、開き 天端被覆工

剥離・損傷

目視及び 計測

剥離・剥落の深さと範囲 ひび割れ ひび割れの長さ、ひび割れ幅 沈下・陥没 沈下・陥没と深さの範囲 目地部、打継ぎ部

の状況 目地材の有無、隙間・ずれの幅

剥離・損傷 剥離・剥落の深さと範囲

表法被覆工

鉄筋の腐食

目視及び 計測

錆汁の有無と範囲、鉄筋露出の長さ ひび割れ ひび割れの長さ、ひび割れ幅 沈下・陥没 沈下・陥没と深さの範囲 目地部、打継ぎ部

の状況 目地材の有無、隙間・ずれの幅

裏法被覆工

剥離・損傷

目視及び 計測

剥離・剥落の深さと範囲 移動・散乱 目視 ブロックの移動・散乱の範囲 沈下 計測 消波工の天端と波返工等の高低差 消波工 ブロック破損 目視 ひび割れ・損傷の程度、範囲

排水工 目地の開き、相対

移動量 目視及び 計測

隣接スパンとの高低差、ずれ、目地の開き

砂浜注1) 侵食・堆積 目視 砂浜の侵食、浜崖形成の有無

注1)砂浜の侵食等が目視により判断しがたい場合は、通年的な観測により判断することが望ましい。

二次調査は、一次調査で変状が確認された箇所について、その変状の規模を把握するものとする。

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4-2.二次調査シートの記入例 【解説】

(1) 簡易な計測機器等による二次調査の結果は、健全度評価のための、基本的な資料となる。そのため、

確認された変状についてはその位置や規模等の状況写真を調査シートに記録することを原則とする。

(2) 変状の位置図には、変状の位置に加え、変状の規模(ひび割れ幅や剥離・剥落面積等)を記載するこ

とを原則とする。なお、変状の記載は、図-4.1.の凡例に従い行うことを標準とする。

(3) 調査シートは、構造目地によるブロック毎に作成することを原則とする。ただし、構造目地間隔が非

常に長い場合には10~20m程度毎に作成するが、現場の状況によって適宜判断することが望ましい。

(4) 二次調査シートは、図-4.2~4.3 および表-4.2~4.3 に示す記入例を標準とする。また、記入内容は

以下に示す内容を原則とする。

図-4.2の全体図記入シートには、施設全体の平面図とその断面図を記入することを原則とする。

ただし、全体図記入シートは一次調査シートと同一であるため併用してもよい。

表-4.2の調査結果記入シートには、スパン毎に該当する調査位置の変状現象の項目に変状の規模

と変状ランクを記入することを原則とする。

図-4.3の変状位置図には、写真番号と変状の規模が把握できる寸法を記入することを原則とする。

図-4.1.の凡例に示す変状の記号と変状の位置が把握できる寸法を記入することを原則とする。

表-4.3の変状写真シートには、調査位置にチェックを入れ、変状と写真番号を記入し、写真を貼

付することを原則とする。

(5) 過去に変状が生じた箇所は、変状が進行する可能性が高いと考えられるため、経年的な変状の進行状

況等が、次回の調査で確認できるように丁寧に記載することが望ましい。

砂浜の侵食等が目視により判断しがたい場合は、通年的な観測により判断することが望ましい。

目地部、打継ぎ部からの水の浸透は、降雨後に調査を行うと確認しやすい。

また、同一構造で施工延長が長い場合の調査間隔の設定は、建設年次等を目安に適宜設定してもよ

い。

(6) 調査現場において、変状の有無を判断する際に、判定事例を参考にしながら作業を行えるよう、参考

写真付きの変状事例集を付録-5に掲載する。

調査シートは、調査時の状況を後々把握できるように配慮して作成するものとする。

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図-4.1 変状の凡例

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【全体図記入シート】

海岸名 ○○漁港海岸 地区名 ○○地区 施設名 護岸 建設年度 平成22年度

調査者氏名 ○○ ○○ 調査者所属 No.1~23○○県○○課○○係 調査を実施する全範囲

調査箇所

全 体平面図

(d区間)

計画天端高(余裕高を含む施工天端高):EL=+4.00m

機能上必要な天端高(余裕高を見込まない天端高):EL=+4.00m

断面図(a区間) (b区間)

(c区間)

△△工場○○宅 ■■

パーキング

現場において位置確認が容易となるように、近隣の施設や建物の位置・形状等を記入する

図-4.2 全体図記入シート記入例

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表-4.2 調査結果記入シート(標準様式)記入例

【調査概要記入欄】調査年月日:平成○○年○○月○○日  天候:晴 曇 雨

海岸名 ○○漁港海岸 地区名 ○○地区 施設名 護岸 調査者氏名 ○○ ○○調査者所属 ○○県○○課○○係 No.1  ~No.23 スパンNo.

【調査結果記入欄】・各項目に対して、該当する変状の有無をチェックする。(例:V)・変状、損傷等のランクで、網掛けに該当する場合はa+とする。

a+またはa b c d

ひび割れ

部材背面まで達するひび割れ・亀裂が生じている。(5mm相当)

複数方向に幅数mm程度のひび割れがあるが、背面までは達していない。

1方向に幅数mm程度のひび割れがあるが、背面までは達していない。

1mm以下のひび割れが生じている。もしくは変状なし。 c

L=1.1mB=0.5mm

剥離・損傷

広範囲(10%以上)に部材の深部まで剥離・損傷が生じている。

表面だけでなく部材の深部まで剥離・損傷が及んでいる。

広範囲(10%以上)であるが、剥離・損傷の発生が表面で留まっている。

ごく小規模の剥離・損傷が生じている。もしくは変状なし。 -

L=S=

鉄筋の腐食

浮錆が著しく、鉄筋断面積の有意な減少が全体に亘っている。

浮錆が多く、鉄筋表面の大部分あるいは全周に亘る腐食が広範囲に認められる。

錆汁が多く、鉄筋腐食が広範囲に認められる。

一部に、錆汁、点錆がみられる。もしくは変状なし。

- L=

目地の開き、相対移動量

転倒、あるいは欠損がある。

移動に伴う目地の開きが大きく、目地部より水の浸透がある。

目地ずれがあるが、水の浸透はない。

目地部にわずかなずれ、段差、開きがみられる。もしくは変状なし。 -

B=H=D=

沈下・陥没

陥没(落ち込んで穴があくこと)がある。または沈下による3cm以上の沈下(段差)がある。

沈下による凹部が目立つ。

- 部分的な沈下がみられる。もしくは変状なし。

-L=S=

ひび割れ

部材背面まで達するひび割れ・亀裂が生じている。(5mm相当)

複数方向に幅数mm程度のひび割れがあるが、背面までは達していない。

1方向に幅数mm程度のひび割れがあるが、背面までは達していない。

1mm以下のひび割れが生じている。もしくは変状なし。 d

L=4.0mB=1.0mm

目地部、打継ぎ部の状況

目地部、打継ぎ部のずれが大きく、堤体土砂の流出がみられる。

目地部、打継ぎ部より水の浸透がある。

目地部、打継ぎ部にずれがあるが、水の浸透はない。

目地部、打継ぎ部にわずかなずれ、段差、開きがみられる。もしくは変状なし。

bB=H=30mmD=

剥離・損傷

広範囲(10%以上)に部材の深部まで剥離・損傷が生じている。

表面だけでなく部材の深部まで剥離・損傷が及んでいる。

広範囲(10%以上)であるが、剥離・損傷の発生が表面で留まっている。

ごく小規模の剥離・損傷が生じている。もしくは変状なし。 -

L=S=

排水工 目地のずれ

転倒、あるいは欠損がある。

移動に伴う目地の開きが大きい。天端工との目地部より水の浸透の怖れがある。

目地ずれがあるが、水の浸透はない。

変状なし。

-B=H=D=

移動・散乱及び沈下

消波工断面がブロック1層分以上減少している。

消波工断面が減少している。(ブロック1層未満)

- 変状なし。

-L=S=

ブロック破損

破損ブロックが1/4以上ある。

破損ブロックは1/4未満である。

少数の破損ブロックがある。

小さなひび割れが発生している。もしくは変状なし。

- n=

ひび割れ

部材背面まで達するひび割れ・亀裂が生じている。(5mm相当)

複数方向に幅数mm程度のひび割れがあるが、背面までは達していない。

1方向に幅数mm程度のひび割れがあるが、背面までは達していない。

1mm以下のひび割れが生じている。もしくは変状なし。 d

L=2.6mB=1.0mm

沈下・陥没

陥没(落ち込んで穴があくこと)がある。または沈下による3cm以上の沈下(段差)がある。

沈下による凹部が目立つ。

- 部分的な沈下がみられる。もしくは変状なし。

-L=S=

目地部、打継ぎ部の状況

目地部、打継ぎ部より背面土砂が吸出されている。

変位に伴う目地部、打継ぎ部のずれはあるが、吸出はない。

- 目地部、打継ぎ部にわずかなずれ、段差、開きがみられる。もしくは変状なし。

-B=H=D=

剥離・損傷

広範囲(10%以上)に部材の深部まで剥離・損傷が生じている。

表面だけでなく部材の深部まで剥離・損傷が及んでいる。

広範囲(10%以上)であっても表面の剥離・損傷が生じている。

ごく小規模の剥離・損傷が生じている。もしくは変状なし。 -

L=S=

鉄筋の腐食

浮錆が著しく、鉄筋断面積の有意な減少が全体に亘っている。

浮錆が多く、鉄筋表面の大部分あるいは全周に亘る腐食が広範囲に認められる。

錆汁が多く、鉄筋腐食が広範囲に認められる。

一部に、錆汁、点錆がみられる。もしくは変状なし。

- L=

ひび割れ

部材背面まで達するひび割れ・亀裂が生じている。(5mm相当)

複数方向に幅数mm程度のひび割れがあるが、背面までは達していない。

1方向に幅数mm程度のひび割れがあるが、背面までは達していない。

1mm以下のひび割れが生じている。もしくは変状なし。 -

L=B=

沈下・陥没

陥没(落ち込んで穴があくこと)がある。または沈下による3cm以上の沈下(段差)がある。

沈下による凹部が目立つ。

- 部分的な沈下がみられる。もしくは変状なし。

-L=S=

目地部、打継ぎ部の状況

目地部、打継ぎ部のずれが大きく、堤体土砂の流出がみられる。

目地部、打継ぎ部より水の浸透がある。

目地部、打継ぎ部にずれがあるが、水の浸透はない。

目地部、打継ぎ部にわずかなずれ、段差、開きがみられる。もしくは変状なし。

bB=H=20mmD=

剥離・損傷

広範囲(10%以上)に破損または流出している。

表面だけでなく部材の深部まで剥離・損傷が及んでいる。

広範囲(10%以上)であっても表面の剥離・損傷が生じている。

ごく小規模の剥離・損傷が生じている。もしくは変状なし。 -

L=S=

砂浜 侵食・堆積

広範囲に亘る砂浜の決壊や浜崖の形成がある。

浜崖の形成の兆候がある。

汀線の後退が認められる。

変状なし。

-L=S=

計測寸法

波返工

調査を実施した全範囲 No.2

調査位置 変状変状・損傷等のランク

(判断の目安としての参考写真) 調査結果

消波工

裏法被覆工

表法被覆工

天端被覆工

調査年月日、調査場所等の基本的な事項を記入する

変状の判定ランクを記入する

変状の規模を記入する

26

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【変状位置図】変状番号を記入

■波返工

( 10.0 )m

海側

1.5m陸側

■天端被覆工 4.8m

( 10.0 )m

海側5.2m

陸側■電柱

■表法被覆工

( 10.0 )m

海側

陸側2.4m

■裏法被覆工

( 10.0 )m

海側1.0m

1.0m陸側

■消波工、根固工

(   )m

海側

陸側

■砂浜

(   )m

海側

陸側

■排水工

(   )m海側

陸側

(   )m

No.(  )← →No.(  )

(   )m

(   )m

No.(  )← →No.(  )

No.( 1 )← →No.( 3 )

( 7.0 )m

No.(  )← →No.(  )

⑤L=1.3m  S=0.8m

( 3.0 )m

No.( 1 )← →No.( 3 )

( 5.0 )m

③L=1.7m  S=0.5mm

④L=3.0m  B=1.0mm

No.( 1 )← →No.( 3 )

( 0.5 )m

No.( 1 )← →No.( 3 )

①L=1.1m  S=0.5mm

②L=0.3m  S=0.2m

( 2.0 )m

( 0.5 )m

現場において変状発生箇所位置確認が容易となるように、近隣の施設や建物の位置・形状等を記入する

・写真番号・変状の規模・変状の記号(凡例に従う)・変状の位置が把握できる寸法を記入する

変状の記号の凡例

図-4.3 変状位置図記入例

27

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表-4.3 変状写真シート記入例

【変状写真シート】

海岸名 ○○漁港海岸 地区名 施設名   護岸 調査者氏名 ○○ ○○

■波返工 □天端被覆工 ■波返工 □天端被覆工 □波返工 ■天端被覆工□排水工 □消波工 □排水工 □消波工 □排水工 □消波工□表法被覆工 □裏法被覆工 □表法被覆工 □裏法被覆工 □表法被覆工 □裏法被覆工□砂浜 □砂浜 □砂浜変状(ひび割れ ) 変状(剥離・欠損 ) 変状(沈下・陥没 )写真No.(①  ) 写真No.(②  ) 写真No.(③  )

□波返工 □天端被覆工 □波返工 □天端被覆工 □波返工 □天端被覆工□排水工 □消波工 □排水工 □消波工 □排水工 □消波工■表法被覆工 □裏法被覆工 □表法被覆工 ■裏法被覆工 □表法被覆工 □裏法被覆工□砂浜 □砂浜 □砂浜変状(ひび割れ ) 変状(剥離・損傷 ) 変状(                   )写真No.(④  ) 写真No.(⑤  ) 写真No.(           )

□波返工 □天端被覆工 □波返工 □天端被覆工 □波返工 □天端被覆工□排水工 □消波工 □排水工 □消波工 □排水工 □消波工□表法被覆工 □裏法被覆工 □表法被覆工 □裏法被覆工 □表法被覆工 □裏法被覆工□砂浜 □砂浜 □砂浜変状(                   ) 変状(                   ) 変状(                   )写真No.(            ) 写真No.(             ) 写真No.(           )

□波返工 □天端被覆工 □波返工 □天端被覆工 □波返工 □天端被覆工□排水工 □消波工 □排水工 □消波工 □排水工 □消波工□表法被覆工 □裏法被覆工 □表法被覆工 □裏法被覆工 □表法被覆工 □裏法被覆工□砂浜 □砂浜 □砂浜変状(                   ) 変状(                   ) 変状(                   )写真No.(            ) 写真No.(             ) 写真No.(           )

スパンNo.

損傷状況写真 〔調査位置にチェックを入れる。 例 ■。変状、写真NO.、判定結果を(  )に記入する〕 

No.2

○○地区

○○県○○課○○係 No.1  ~No.23調査者所属調査を実施し

た全範囲

変状の状況が確認できる写真を貼付する(写真は、変状の規模(ひび割れ幅、剥離範囲等)の記録が写るように撮影する)

・調査位置・変状の種類・写真番号を記入する

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29

第5章 健全度評価 【解説】

(1)健全度評価は、調査位置毎の変状ランク及び変状の程度により、施設の健全度判定を行うこと

を原則とする。図-5.1 に健全度評価フロー図を示す。また、変状ランクとは、二次調査にお

いて調査位置毎に確認された変状の程度を表すものであり、堤体の部材(一部)の機能が著し

く低下し堤体全体の機能低下が生じる可能性がある状態から変状が認められない状態までを

a(または a+),b,c,d の 4段階で表記したものである。調査位置毎の変状ランク及び各変状ラン

クにおける部材の状態は、表-5.1(1)~5.1(5)及び表-5.2 に示すものを標準とする。また、同

一構造で施設延長が長い場合の施設の単位は、建設年次等を目安に設定してもよい。

(2)健全度の判定ランクとそれに対応する健全度評価の目安、変状の程度及び評価後の検討事項は、

表-5.3 に示す内容を標準とする。健全度評価の判定は、表-5.1(1)~5.1(5)の各調査位置の変

状ランクの判定結果をもとに、表-5.3 により行うことを原則とする。

(3)表-5.1(1)~5.1(5)において、各調査位置の変状が a ランクの場合に変状連鎖の進行段階が

StepⅢ(進行した変状)程度と判断される変状をa+ランクとした。StepⅢは進行した変状で

あり、堤体全体の機能低下が生じる段階である。これらについては、今後の知見や調査データ

の蓄積を踏まえ適宜見直しを図ることが望ましい。

ここに、変状連鎖とは、変状の発生原因、変状の発生と顕在化、変状の結果生じる影響、

そして機能の低下へと変状が進行してゆく過程を整理したものであり、変状の進行には、地

震等により短期間に変状が生じる突発型と地盤沈下や材料の劣化等により時間の経過ととも

に徐々に変状が進行する進行型及びその複合型がある。変状連鎖については、付録-7にて

詳述する。

(4)一次調査の結果、変状が確認されず二次調査を行わなかった場合の健全度は、Dランクと評価

することを原則とする。一次調査で変状が確認されたものの、新たに確認された変状がない等

の理由で二次調査を行う必要がない場合は、前回評価時の健全度とすることができる。

(5)健全度評価後の実施事項は、判定ランク毎に以下に示す事項を実施することを標準とする。

A ランク;老朽化対策計画を策定し、緊急に対策を実施する。

B ランク;老朽化対策計画を策定し、計画的な対策を実施する。

C ランク;現状では対策の必要はないが、継続して観察を実施する。

D ランク;次回調査まで、特になし。

変状ランクの決定 二次調査結果による調査位置毎の変状規模より、表-5.1(1)~表-5.1(5)

をもとに調査位置毎の変状ランク(a(または a+),b,c,d)を決定する。

変状ランクの整理 対象施設における調査位置毎の変状ランクを取りまとめる。(付録-4

施設の健全度判定表を参照のこと。)

健全度の判定 対象施設における変状ランク毎の個数より、表-5.3 をもとに施設の健全

度(A,B,C,D ランク)を決定する。

図-5.1 健全度評価フロー図

健全度評価は、二次調査結果に加え、対象施設の設置目的と変状が機能の低下に及ぼす影響等

を考慮し、総合的に行うものとする。 健全度はA、B、C、Dランクにより評価するものとする。

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表-5.1(1) 調査位置毎の変状ランク

a+ 部材背面まで達するひび割れ・亀裂が生じている。(5mm相当)

b 複数方向に幅数mm程度のひび割れがあるが、背面までは達していない。

c 1方向に幅数mm程度のひび割れがあるが、背面までは達していない。

d 1mm以下のひび割れが生じている。もしくは変状なし。

a+ 広範囲(10%以上)注4)に部材の深部まで剥離・損傷が生じている。

b 表面だけでなく部材の深部まで剥離・損傷が及んでいる。

c 広範囲(10%以上)注4)であるが、剥離・損傷の発生が表面で留まっている。

d ごく小規模の剥離・損傷が生じている。もしくは変状なし。

a 浮錆が著しく、鉄筋断面積の有意な減少が全体に亘っている。

b 浮錆が多く、鉄筋表面の大部分あるいは全周に亘る腐食が広範囲に認められる。

c 錆汁が多く、鉄筋腐食が広範囲に認められる。

d 一部に、錆汁、点錆がみられる。もしくは変状なし。

a 転倒、あるいは欠損がある。

b 移動に伴う目地の開きが大きく、目地部より水の浸透がある。

c 目地ずれがあるが、水の浸透はない。

d 目地部にわずかなずれ、段差、開きがみられる。もしくは変状なし。

注1) ひび割れの変状ランクb,cランクは、追跡調査により変状の進行を把握できるように、ひび割れ幅の数値をbランクの場合3~5mm、cランクの場合1~3mmとすることができる。

注2) 剥離・剥落・欠損の深部とは、鉄筋コンクリートの鉄筋の腐食に影響があるかぶりまでとすることができる。

注3) 目地部、打継ぎ部からの水の浸透を適切に把握するために、降雨後に調査を行うことが望ましい。

注4) 出典:国有港湾施設の調査診断に係る実施要領(暫定版)、平成16年12月、港湾局

変状変状のラ ン ク

確認される変状の程度

ひび割れの長さ、ひび割れの幅注1)

剥離の範囲、剥落・欠損の深さと範囲注2)

錆汁の有無と範囲、鉄筋露出の長さ

隣接スパンとの高低差、ずれ、目地の開き注3)

目視及び計測

計測

調査方法

波返工

調査項目

ひび割れ

剥離・損傷

鉄筋の腐食

目地の開き、相対移動量

調査位置

30

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表-5.1(2) 調査位置毎の変状ランク

a+陥没(落ち込んで穴があくこと)がある。または、沈下による3cm

以上注4)の沈下(段差)がある。

b 沈下による凹部が目立つ。

c -

d 部分的な沈下がみられる。もしくは変状なし。

a+ 部材背面まで達するひび割れ・亀裂が生じている。(5mm相当)

b 複数方向に幅数mm程度のひび割れがあるが、背面までは達していない。

c 1方向に幅数mm程度のひび割れがあるが、背面までは達していない。

d 1mm以下のひび割れが生じている。もしくは変状なし。

a+ 目地部、打継ぎ部のずれが大きく、堤体土砂の流出がみられる。

b 目地部、打継ぎ部より水の浸透がある。

c 目地部、打継ぎ部にずれがあるが、水の浸透はない。

d 目地部、打継ぎ部にわずかなずれ、段差、開きがみられる。もしくは変状なし。

a+ 広範囲(10%以上)注4)に部材の深部まで剥離・損傷が生じている。

b 表面だけでなく部材の深部まで剥離・損傷が及んでいる。

c 広範囲(10%以上)注4)であるが、剥離・損傷の発生が表面で留まっている。

d ごく小規模の剥離・損傷が生じている。もしくは変状なし。

注1) ひび割れの変状ランクb,cランクは、追跡調査により変状の進行を把握できるように、ひび割れ幅の数値をbランクの場合3~5mm、cランクの場合1~3mmとすることができる。

注2) 剥離・剥落・欠損の深部とは、鉄筋コンクリートの鉄筋の腐食に影響があるかぶりまでとすることができる。

注3) 目地部、打継ぎ部からの水の浸透を適切に把握するために、降雨後に調査を行うことが望ましい。

注4) 出典:国有港湾施設の調査診断に係る実施要領(暫定版)、平成16年12月、港湾局

沈下・陥没の深さと範囲

目地部、打継ぎ部の状況

4隅の隣接スパンとの高低差、ずれ、開き注3)

剥離・損傷

剥離・剥落の深さと範囲注2)

ひび割れ

ひび割れの長さ、ひび割れの幅注1)目視及び計

調査項目調査位置

天端被覆工

沈下・陥没

調査方法 変状変状のラ ン ク

確認される変状の程度

護岸

堤防

31

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表-5.1(3) 調査位置毎の変状ランク

a+ 部材背面まで達するひび割れ・亀裂が生じている。(5mm相当)

b 複数方向に幅数mm程度のひび割れがあるが、背面までは達していない。

c 1方向に幅数mm程度のひび割れがあるが、背面までは達していない。

d 1mm以下のひび割れが生じている。もしくは変状なし。

a+陥没(落ち込んで穴があくこと)がある。または、沈下による3cm

以上注3)の沈下(段差)がある。

b 沈下による凹部が目立つ。

c -

d 部分的な沈下がみられる。もしくは変状なし。

a+ 目地部、打継ぎ部より背面土砂が吸出されている。

b 変位に伴う目地部、打継ぎ部のずれはあるが、吸出はない。

c -

d 目地部、打継ぎ部にわずかなずれ、段差、開きがみられる。もしくは変状なし。

a+ 広範囲(10%以上)注3)に部材の深部まで剥離・損傷が生じている。

b 表面だけでなく部材の深部まで剥離・損傷が及んでいる。

c 広範囲(10%以上)注3)であっても表面の剥離・損傷が生じている。

d ごく小規模の剥離・損傷が生じている。もしくは変状なし。

a 浮錆が著しく、鉄筋断面積の有意な減少が全体に亘っている。

b 浮錆が多く、鉄筋表面の大部分あるいは全周に亘る腐食が広範囲に認められる。

c 錆汁が多く、鉄筋腐食が広範囲に認められる。

d 一部に、錆汁、点錆がみられる。もしくは変状なし。

注1) ひび割れの変状ランクb,cランクは、追跡調査により変状の進行を把握できるように、ひび割れ幅の数値をbランクの場合3~5mm、cランクの場合1~3mmとすることができる。

注2) 剥離・剥落・欠損の深部とは、鉄筋コンクリートの鉄筋の腐食に影響があるかぶりまでとすることができる。

注3) 出典:国有港湾施設の調査診断に係る実施要領(暫定版)、平成16年12月、港湾局

調査位置 調査方法 変状

表法被覆工

沈下・陥没沈下・陥没の深さと範囲

目地部、打継ぎ部の状況

目地材の有無、隙間・ずれの幅

ひび割れ

剥離・損傷

変状のラ ン ク

確認される変状の程度調査項目

錆汁の有無と範囲、鉄筋露出の長さ

鉄筋の腐食

ひび割れの長さ、ひび割れの幅注1)

剥離・剥落の深さと範囲注2)

目視及び計測

護岸

堤防

32

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表-5.1(4) 調査位置毎の変状ランク

a+ 部材背面まで達するひび割れ・亀裂が生じている。(5mm相当)

b 複数方向に幅数mm程度のひび割れがあるが、背面までは達していない。

c 1方向に幅数mm程度のひび割れがあるが、背面までは達していない。

d 1mm以下のひび割れが生じている。もしくは変状なし。

a+陥没(落ち込んで穴があくこと)がある。または、沈下による3cm

以上注4)の沈下(段差)がある。

b 沈下による凹部が目立つ。

c -

d 部分的な沈下がみられる。もしくは変状なし。

a+ 目地部、打継ぎ部のずれが大きく、堤体土砂の流出がみられる。

b 目地部、打継ぎ部より水の浸透がある。

c 目地部、打継ぎ部にずれがあるが、水の浸透はない。

d 目地部、打継ぎ部にわずかなずれ、段差、開きがみられる。もしくは変状なし。

a+ 広範囲(10%以上)注4)に破損または流出している。

b 表面だけでなく部材の深部まで剥離・損傷が及んでいる。

c 広範囲(10%以上)注4)であっても表面の剥離・損傷が生じている。

d ごく小規模の剥離・損傷が生じている。もしくは変状なし。

注1) ひび割れの変状ランクb,cランクは、追跡調査により変状の進行を把握できるように、ひび割れ幅の数値をbランクの場合3~5mm、cランクの場合1~3mmとすることができる。

注2) 剥離・剥落・欠損の深部とは、鉄筋コンクリートの鉄筋の腐食に影響があるかぶりまでとすることができる。

注3) 目地部、打継ぎ部からの水の浸透を適切に把握するために、降雨後に調査を行うことが望ましい。

注4) 出典:国有港湾施設の調査診断に係る実施要領(暫定版)、平成16年12月、港湾局

確認される変状の程度調査項目

沈下・陥没沈下・陥没の深さと範囲

目視及び計測

剥離・損傷

剥離・剥落の深さと範囲注2)

調査位置 調査方法 変状変状のラ ン ク

裏法被覆工

目地部、打継ぎ部の状況

目地材の有無、隙間・ずれの幅注3)

ひび割れ

ひび割れの長さ、ひび割れの幅注1)

護岸

堤防

33

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表-5.1(5) 調査位置毎の変状ランク

a+ 消波工断面がブロック1層分以上減少している。

b 消波工断面が減少している。(ブロック1層未満)

c -

d 変状なし。

a 破損ブロックが1/4以上ある。

b 破損ブロックは1/4未満である。

c 少数の破損ブロックがある。

d 小さなひび割れが発生している。もしくは変状なし。

a 転倒、あるいは欠損がある。

b 移動に伴う目地の開きが大きい。天端工との目地部より水の浸透の怖れがある。

c 目地ずれがあるが、水の浸透はない。

d 変状なし。

a+ 広範囲に亘る砂浜の決壊や浜崖の形成がある。

b 浜崖の形成の兆候がある。

c 汀線の後退が認められる。

d 変状なし。

注1) 目地部、打継ぎ部からの水の浸透を適切に把握するために、降雨後に調査を行うことが望ましい。

変状のラ ン ク

確認される変状の程度調査項目調査位置 調査方法 変状

ブロックの移動・散乱の範囲

ひび割れ・損傷の程度、範囲

目視消波工

移動・散乱及び沈下

ブロック破損

隣接スパンとの高低差、ずれ、目地の開き注1)

侵食・堆積

砂浜の侵食、浜崖形成の有無

排水工

砂浜

目視及び計測

目視

目地の開き、相対移動量

護岸

堤防

34

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35

表-5.2 各変状ランクにおける部材の状態 変状ランク 部材の状態

a+ 部材の機能が著しく低下し、堤体全体としても機能低

下が生じる段階に達している状態 a 部材の機能が著しく低下している状態 b 部材の機能が低下している状態 c 部材の機能低下はないが、変状が発生している状態 d ほぼ変状が認められない状態

表-5.3 健全度の判定ランク

健全度の 判定ラン

ク 健全度評価の目安 変状の程度 評価後の検討事項注 1)

Aランク

表-5.1(1)~5.1(5)でa+ランクと評価された変

状現象が一つでもある

場合。

施設の主要部に大きな

変状が発生しており、

施設の機能低下が生じ

ている。

緊急に老朽化対策工事

の実施を検討すること

を原則とする。

緊急に老朽化対策工事

の実施を検討すること

を原則とする。 Bランク

表 -5.1(1)~ 5.1(5)でa

ランクの変状が一つで

も生じている場合。も

しくは、8割以上のb

ランクの変状が生じて

いる場合。

施設の主要部に変状が

発生しており、施設の

機能低下や変状連鎖の

進行が懸念される。 計画的な老朽化対策工

事の実施を検討するこ

とを原則とする。

Cランク

A、B、Dランク以外

と評価される場合。 施設の主要部以外の部

分や附帯施設に変状が

発生しているが、施設

の機能低下には至って

いない。

現状では老朽化対策工

事の必要はないが、継

続して観察の実施を検

討することを原則とす

る。

Dランク 全ての調査位置の変状

現象がdランクと評価

された場合。

軽微な変状が発生して

いるが、施設の機能低

下には当面至らない。

次回調査まで、特にな

し。

注1)健全度の判定ランクがBランクであっても、施設機能の低下が著しい場合や変状連鎖の進行

が進んでいると判断される場合には、老朽化対策工事の緊急性をAランクと同様に考える必要

がある。特に漁港海岸保全施設においては、防護機能に加えて、以下に示すような利用性や環

境性を維持することにも配慮する必要がある。

・ 漁業者や一般者の前浜へのアクセス

・ 水産水域環境の保全

・ その他、海洋レクリエーション等の海浜利用者の安全確保 等

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36

第6章 二次調査(追加) 6-1.二次調査(追加)の概要 【解説】

(1)二次調査(追加)は、施設の健全度の判定ランクが A ランクまたは B ランクの施設について実

施する調査である。その調査位置と調査項目は、健全度の判定ランク及び二次調査で確認され

た変状位置と変状現象により設定することを原則とする。

表-6.1(1)~表-6.1(6)は、二次調査において確認された変状位置及び変状現象に対応する二次

調査(追加)で実施する調査項目を示すものであり、表-6.1(1)~6.1(6)は二次調査の変状位

置毎に調査項目を整理したものである。

(2)二次調査(追加)で実施する調査項目は、二次調査で把握された変状から想定されるその他の

調査位置における変状の把握を標準とする。例えば、波返工における隣接スパンとの相対移動

は、前面海底地盤の洗掘、侵食や基礎工、根固工の変状等を原因として発生していると想定さ

れるため、潜水調査によりその変状の有無の確認を実施することが望ましい。また、波返工に

おける隣接スパンとの相対移動は、堤体土砂の吸出しも進行していることが想定されるため、

レーダー探査等による吸出し・空洞化の有無の確認を実施することが望ましい。

(3)健全度の判定ランクが Bランクであっても、二次調査(追加)の結果により大規模な空洞やコ

ンクリート強度が設計基準強度未満であることが確認された場合は、施設の健全度判定ランク

を A ランクとし、周辺利用状況、背後の財産、管理者の財政状況等を考慮して、老朽化対策工

事の実施時期を検討することが望ましい。

(4)二次調査で実施する調査項目では、変状の規模は把握できるものの、対策工法を検討するため

に必要となる変状原因の特定は行えない。そのため、変状原因の特定に必要となるコンクリー

ト強度試験、中性化試験、塩分含有量試験等の二次調査(追加)を行い、対策工法の検討に活

用することが望ましい。

(5)アルカリ骨材反応や凍害については、劣化の程度によって調査手法等が異なる。そのため、対

象施設における変状が、アルカリ骨材反応や凍害であると判断される場合には、別途「土木学

会;2007 年制定 コンクリート標準示方書【維持管理編】」に準拠して調査や評価を実施する

ことが望ましい。

(6)二次調査(追加)のうち、中性化と塩害は鉄筋腐食を引き起こした場合に有害となるため、無

筋構造物の場合には、中性化試験、塩分含有量試験を実施しないことを標準とする。

二次調査(追加)は、二次調査項目の変状の規模を把握することに加え、その変状から想定さ

れるその他の位置における変状を確認するために、より詳細な変状状況を調査するものである。

なお、二次調査(追加)は、施設の健全度の判定ランクが A ランクまたは B ランクの施設につ

いて、老朽化対策の検討を行うために実施する必要がある。

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表-6.1(1) 二次調査(追加)で実施する調査項目(1)

確認した位置

健全度ランク

現象 調査位置 着眼点 調査項目 調査方法

ひび割れ

剥離・剥落・欠損

鉄筋の腐食

天端被覆工

表法被覆工

空洞の有無、範囲、深さの把握

吸出し・空洞化

レーダー探査もしくは削孔による計測

⇒表-7.1(2) 4)①モルタル充てん②堤体土の補充③被覆工の撤去張り替え

④被覆工の増厚⑤根固め工の設置⑥消波工の設置⑦地盤改良など

波返工 防護高さ、余裕高さの確保

防護高さ 測量 ⇒表-7.1(1) 1)①断面修復②旧波返工撤去③造り替え

④消波工の設置⑤消波工の追加⑥離岸堤の設置⑦嵩上げなど

ひび割れ 圧縮強度試験

剥離・剥落・欠損 中性化試験

鉄筋の腐食塩分含有量試験

海底地盤の洗掘、侵食状況の把握

洗掘

⇒表-7.1(3) 7)①前面埋め戻し②根固め工の設置

③地盤改良④根固め工重量の増加⑤根固め工の追加など

吸出しによる根固部の沈下状況の把握

吸出し

⇒表-7.1(3) 8)①吸出し部の補修②根固め工の設置

③地盤改良④根固め工の追加など

移動・散乱・沈下の範囲の把握

移動・散乱・沈下

⇒表-7.1(3) 9)①根固め工の追加②根固め工の補修

③根固め工の追加④消波工の設置⑤離岸堤の設置など

ブロックの破損による配列状況の把握

ブロック破損

⇒表-7.1(3) 10)①ブロックの補修

②根固め工の追加③消波工の設置④離岸堤の設置など

ひび割れ幅、範囲の把握

ひび割れ

⇒表-7.1(3) 11)①根固め工の追加②根固め工の補修

③根固め工の追加④消波工の設置⑤離岸堤の設置など

剥離・損傷深さ、範囲の把握

剥離・破損

⇒表-7.1(3) 12)①根固め工の追加②根固め工の補修

③根固め工の追加④消波工の設置⑤離岸堤の設置など

目地のずれ幅の把握

目地ずれ

⇒表-7.1(3) 13)①目地部の補修

②根固め工の追加③消波工の設置④離岸堤の設置など

注1)

注2)

注3)

注4)

注5)

対策工法の例

健全度Aランクは、主要な変状連鎖の進展段階StepⅢ:進行した変状程度以上の状態である。

二次調査(追加)の調査項目

波返工鉄筋の腐食程度、腐食範囲の確認

鉄筋の腐食

注4)

はつり試験

⇒表-7.1(1) 2)①断面修復②旧波返工撤去③造り替え

基礎工の調査は、根固工がない場合、もしくは基礎工が露出している場合について実施することを原則とする。

鉄筋の腐食の調査は、鉄筋コンクリートの場合のみ実施することを原則とする。

コンクリートの中性化、塩分含有量試験は、鉄筋コンクリートの場合のみ実施することを原則とする。

④コンクリート被覆による増厚⑤鉄筋保護機能の強化など

波返工

目地の開き、相対移動量

A

注1)

健全度Bランクは、施設の主要部に変状が発生しており、施設の機能低下や変状連鎖の進行が懸念される状態である。

二次調査で確認された変状

⇒表-7.1(1) 3)①断面修復②コンクリート強度の強化など

目視調査(水中部は潜水目視調査を原則とする。)

波返工

コンクリートの劣化

注5)

前面海底地盤

根固工(基礎工)

注3)

コンクリート強度の把握コンクリートの中性化深さコンクリートの塩分含有量

B

注2)

目地の開き、相対移動量

護岸

堤防

37

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表-6.1(2) 二次調査(追加)で実施する調査項目(2)

確認した位置

健全度ランク

現象 調査位置 着眼点 調査項目 調査方法

沈下・陥没

ひび割れ

目地部、打継ぎ部の状況

剥離・損傷

海底地盤の洗掘、侵食状況の把握

洗掘

⇒表-7.1(3) 7)①前面埋め戻し②根固め工の設置

③地盤改良④根固め工重量の増加⑤根固め工の追加など

吸出しによる根固部の沈下状況の把握

吸出し

⇒表-7.1(3) 8)①吸出し部の補修②根固め工の設置

③地盤改良④根固め工の追加など

ひび割れ移動・散乱・沈下の範囲の把握

移動・散乱・沈下

⇒表-7.1(3) 9)①根固め工の追加②根固め工の補修

③根固め工の追加④消波工の設置⑤離岸堤の設置など

ブロックの破損による配列状況の把握

ブロック破損

⇒表-7.1(3) 10)①ブロックの補修

②根固め工の追加③消波工の設置④離岸堤の設置など

ひび割れ幅、範囲の把握

ひび割れ

⇒表-7.1(3) 11)①根固め工の追加②根固め工の補修

③根固め工の追加④消波工の設置⑤離岸堤の設置など

剥離・損傷深さ、範囲の把握

剥離・破損

⇒表-7.1(3) 12)①根固め工の追加②根固め工の補修

③根固め工の追加④消波工の設置⑤離岸堤の設置など

目地のずれ幅の把握

目地ずれ

⇒表-7.1(3) 13)①目地部の補修

②根固め工の追加③消波工の設置④離岸堤の設置など

注1)

注2)

注3)

二次調査(追加)の調査項目対策工法の例

二次調査で確認された変状

天端被覆工

A

注1)

天端被覆工表法被覆工裏法被覆工

空洞の有無、範囲、深さの把握

根固工(基礎工)

注3)

B

注2) 目地部、打継ぎ部の状況

剥離・損傷

沈下・陥没前面海底

地盤

④被覆工の増厚⑤根固め工の設置⑥消波工の設置⑦地盤改良など

健全度Aランクは、主要な変状連鎖の進段階StepⅢ:進行した変状程度以上の状態である。

健全度Bランクは、施設の主要部に変状が発生しており、施設の機能低下や変状連鎖の進行が懸念される状態である。

基礎工の調査は、根固工がない場合、もしくは基礎工が露出している場合について実施することを原則とする。

⇒表-7.1(2) 4)①モルタル充てん②堤体土の補充③被覆工の撤去張り替え

目視調査(水中部は潜水目視調査を原則とする。)

吸出し・空洞化

レーダー探査もしくは削孔による計測

護岸

堤防

38

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表-6.1(3) 二次調査(追加)で実施する調査項目(3)

確認した位置

健全度ランク

現象 調査位置 着眼点 調査項目 調査方法

沈下・陥没

目地部、打継ぎ部の状況

ひび割れ

剥離・損傷

鉄筋の腐食

ひび割れ 圧縮強度試験

剥離・剥落・欠損 中性化試験

鉄筋の腐食塩分含有量試験

海底地盤の洗掘、侵食状況の把握

洗掘

⇒表-7.1(3) 7)①前面埋め戻し②根固め工の設置

③地盤改良④根固め工重量の増加⑤根固め工の追加など

吸出しによる根固部の沈下状況の把握

吸出し

⇒表-7.1(3) 8)①吸出し部の補修②根固め工の設置

③地盤改良④根固め工の追加など

移動・散乱・沈下の範囲の把握

移動・散乱・沈下

⇒表-7.1(3) 9)①根固め工の追加②根固め工の補修

③根固め工の追加④消波工の設置⑤離岸堤の設置など

ブロックの破損による配列状況の把握

ブロック破損

⇒表-7.1(3) 10)①ブロックの補修

②根固め工の追加③消波工の設置④離岸堤の設置など

ひび割れ幅、範囲の把握

ひび割れ

⇒表-7.1(3) 11)①根固め工の追加②根固め工の補修

③根固め工の追加④消波工の設置⑤離岸堤の設置など

剥離・損傷深さ、範囲の把握

剥離・破損

⇒表-7.1(3) 12)①根固め工の追加②根固め工の補修

③根固め工の追加④消波工の設置⑤離岸堤の設置など

目地のずれ幅の把握

目地ずれ

⇒表-7.1(3) 13)①目地部の補修

②根固め工の追加③消波工の設置④離岸堤の設置など

注1)

注2)

注3)

注4)

注5)

沈下・陥没

健全度Aランクは、主要な変状連鎖の進展段階StepⅢ:進行した変状程度以上の状態である。

前面海底地盤

根固工(基礎工)

注3)

鉄筋の腐食程度、腐食範囲の確認

鉄筋の腐食

注4)

目地部、打継ぎ部の状況

表法被覆工

A

注1)

二次調査(追加)の調査項目

表法被覆工

コンクリートの劣化

注5)

二次調査で確認された変状

目視調査(水中部は潜水目視調査を原則とする。)

天端被覆工表法被覆工裏法被覆工

B

注2)

コンクリート強度の把握コンクリートの中性化深さコンクリートの塩分含有量

空洞の有無、範囲、深さの把握

吸出し・空洞化

レーダー探査もしくは削孔による計測

はつり試験

健全度Bランクは、施設の主要部に変状が発生しており、施設の機能低下や変状連鎖の進行が懸念される状態である。

基礎工の調査は、根固工がない場合、もしくは基礎工が露出している場合について実施することを原則とする。

鉄筋の腐食の調査は、鉄筋コンクリートの場合のみ実施することを原則とする。

コンクリートの中性化、塩分含有量試験は、鉄筋コンクリートの場合のみ実施することを原則とする。

対策工法の例

④被覆工の増厚⑤根固め工の設置⑥消波工の設置⑦地盤改良など

④コンクリート被覆による増厚⑤鉄筋保護機能の強化など

②コンクリート強度の強化など

⇒表-7.1(2) 5)①断面修復②旧波返工撤去③造り替え

⇒表-7.1(2) 6)①断面修復

⇒表-7.1(2) 4)①モルタル充てん②堤体土の補充③被覆工の撤去張り替え

護岸

堤防

39

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表-6.1(4) 二次調査(追加)で実施する調査項目(4)

確認した位置

健全度ランク

現象 調査位置 着眼点 調査項目 調査方法

沈下・陥没

目地部、打継ぎ部の状況

海底地盤の洗掘、侵食状況の把握

洗掘

⇒表-7.1(3) 7)①前面埋め戻し②根固め工の設置

③地盤改良④根固め工重量の増加⑤根固め工の追加など

吸出しによる根固部の沈下状況の把握

吸出し

⇒表-7.1(3) 8)①吸出し部の補修②根固め工の設置

③地盤改良④根固め工の追加など

移動・散乱・沈下の範囲の把握

移動・散乱・沈下

⇒表-7.1(3) 9)①根固め工の追加②根固め工の補修

③根固め工の追加④消波工の設置⑤離岸堤の設置など

ブロックの破損による配列状況の把握

ブロック破損

⇒表-7.1(3) 10)①ブロックの補修

②根固め工の追加③消波工の設置④離岸堤の設置など

ひび割れ幅、範囲の把握

ひび割れ

⇒表-7.1(3) 11)①根固め工の追加②根固め工の補修

③根固め工の追加④消波工の設置⑤離岸堤の設置など

剥離・損傷深さ、範囲の把握

剥離・破損

⇒表-7.1(3) 12)①根固め工の追加②根固め工の補修

③根固め工の追加④消波工の設置⑤離岸堤の設置など

目地のずれ幅の把握

目地ずれ

⇒表-7.1(3) 13)①目地部の補修

②根固め工の追加③消波工の設置④離岸堤の設置など

注1)

注2)

注3)

二次調査で確認された変状

裏法被覆工

A

注1)

B

注2)

沈下・陥没

目地部、打継ぎ部の状況

前面海底地盤

根固工(基礎工)

注3)

目視調査(水中部は潜水目視調査を原則とする。)

基礎工の調査は、根固工がない場合、もしくは基礎工が露出している場合について実施することを原則とする。

④被覆工の増厚⑤根固め工の設置⑥消波工の設置⑦地盤改良など

対策工法の例

健全度Aランクは、主要な変状連鎖の進段階StepⅢ:進行した変状程度以上の状態である。

健全度Bランクは、施設の主要部に変状が発生しており、施設の機能低下や変状連鎖の進行が懸念される状態である。

二次調査(追加)の調査項目

⇒表-7.1(2) 4)①モルタル充てん②堤体土の補充③被覆工の撤去張り替え

吸出し・空洞化

レーダー探査もしくは削孔による計測

天端被覆工表法被覆工

空洞の有無、範囲、深さの把握

護岸

堤防

40

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表-6.1(5) 二次調査(追加)で実施する調査項目(5)

確認した位置

健全度ランク

現象 調査位置 着眼点 調査項目 調査方法

A

注1)

目地の開き、相対移動量

天端被覆工表法被覆工

空洞の有無、範囲、深さの把握

吸出し・空洞化

レーダー探査もしくは削孔による計測

⇒表-7.1(2) 4)①モルタル充てん②堤体土の補充③被覆工の撤去張り替え

④被覆工の増厚⑤根固め工の設置⑥消波工の設置⑦地盤改良など

海底地盤の洗掘、侵食状況の把握

洗掘

⇒表-7.1(3) 7)①前面埋め戻し②根固め工の設置

③地盤改良④根固め工重量の増加⑤根固め工の追加など

吸出しによる根固部の沈下状況の把握

吸出し

⇒表-7.1(3) 8)①吸出し部の補修②根固め工の設置

③地盤改良④根固め工の追加など

移動・散乱・沈下の範囲の把握

移動・散乱・沈下

⇒表-7.1(3) 9)①根固め工の追加②根固め工の補修

③根固め工の追加④消波工の設置⑤離岸堤の設置など

ブロックの破損による配列状況の把握

ブロック破損

⇒表-7.1(3) 10)①ブロックの補修

②根固め工の追加③消波工の設置④離岸堤の設置など

ひび割れ幅、範囲の把握

ひび割れ

⇒表-7.1(3) 11)①根固め工の追加②根固め工の補修

③根固め工の追加④消波工の設置⑤離岸堤の設置など

剥離・損傷深さ、範囲の把握

剥離・破損

⇒表-7.1(3) 12)①根固め工の追加②根固め工の補修

③根固め工の追加④消波工の設置⑤離岸堤の設置など

目地のずれ幅の把握

目地ずれ

⇒表-7.1(3) 13)①目地部の補修

②根固め工の追加③消波工の設置④離岸堤の設置など

注1)

注2)

注3)

健全度Bランクは、施設の主要部に変状が発生しており、施設の機能低下や変状連鎖の進行が懸念される状態である。

基礎工の調査は、根固工がない場合、もしくは基礎工が露出している場合について実施することを原則とする。

B

注2)

前面海底地盤

根固工(基礎工)

注3)

目視調査(水中部は潜水目視調査を原則とする。)

目地の開き、相対移動量

対策工法の例

二次調査で確認された変状

健全度Aランクは、主要な変状連鎖の進段階StepⅢ:進行した変状程度以上の状態である。

排水工

二次調査(追加)の調査項目

護岸

堤防

41

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表-6.1(6) 二次調査(追加)で実施する調査項目(6)

確認した位置

健全度ランク

現象 調査位置 着眼点 調査項目 調査方法

A

注1)移動・散乱、沈下

天端被覆工表法被覆工

空洞の有無、範囲、深さの把握

吸出し・空洞化

レーダー探査もしくは削孔による計測

⇒表-7.1(2) 4)①モルタル充てん②堤体土の補充③被覆工の撤去張り替え

④被覆工の増厚⑤根固め工の設置⑥消波工の設置⑦地盤改良など

海底地盤の洗掘、侵食状況の把握

洗掘

⇒表-7.1(3) 7)①前面埋め戻し②根固め工の設置

③地盤改良④根固め工重量の増加⑤根固め工の追加など

吸出しによる根固部の沈下状況の把握

吸出し

⇒表-7.1(3) 8)①吸出し部の補修②根固め工の設置

③地盤改良④根固め工の追加など

移動・散乱・沈下の範囲の把握

移動・散乱・沈下

⇒表-7.1(3) 9)①根固め工の追加②根固め工の補修

③根固め工の追加④消波工の設置⑤離岸堤の設置など

ブロックの破損による配列状況の把握

ブロック破損

⇒表-7.1(3) 10)①ブロックの補修

②根固め工の追加③消波工の設置④離岸堤の設置など

ひび割れ幅、範囲の把握

ひび割れ

⇒表-7.1(3) 11)①根固め工の追加②根固め工の補修

③根固め工の追加④消波工の設置⑤離岸堤の設置など

剥離・損傷深さ、範囲の把握

剥離・破損

⇒表-7.1(3) 12)①根固め工の追加②根固め工の補修

③根固め工の追加④消波工の設置⑤離岸堤の設置など

目地のずれ幅の把握

目地ずれ

⇒表-7.1(3) 13)①目地部の補修

②根固め工の追加③消波工の設置④離岸堤の設置など

注1)

注2)

注3)

健全度Aランクは、主要な変状連鎖の進段階StepⅢ:進行した変状程度以上の状態である。

健全度Bランクは、施設の主要部に変状が発生しており、施設の機能低下や変状連鎖の進行が懸念される状態である。

基礎工の調査は、根固工がない場合、もしくは基礎工が露出している場合について実施することを原則とする。

対策工法の例

二次調査で確認された変状

B

注2)

前面海底

根固工(基礎工)

注3)

消波工

二次調査(追加)の調査項目

移動・散乱、沈下

目視調査(水中部は潜水目視調査を原則とする。)

護岸

堤防

42

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43

6-2.二次調査(追加)の実施方法 【解説】

(1) 二次調査(追加)で実施する各調査の実施方法は、以下に示すものを標準とする。

①測量 防護高さを確認するための測量は、水準測量による波返工の高さの確認とする。 ②はつり試験

内部鉄筋の腐食状況は、コンクリートをはつり、鉄筋を露出させて調査する方法とする。 コンクリートをはつり取り、鉄筋を露出させた後、露出した鉄筋の位置、本数、長さ、

かぶり厚さをコンベックス、巻尺などを用いて測定する。鉄筋の腐食状態を目視で確認し、

腐食の状態を記録するとともにテストハンマーなどで鉄筋表面の錆を落として鉄筋径をノ

ギスなどで測定する。 ③圧縮強度試験

圧縮強度試験は、構造物からコア採取した試料を用いて圧縮強度試験を行うものと、非

破壊試験方法としてシュミットハンマーなどを用いて直接コンクリートの圧縮強度を測

定する方法がある。ただし、非破壊試験方法は、表面処理が行われていないと適正な強度

が出ないため、事前に処理が必要である。 ④中性化深さ

中性化は、コンクリート面にフェノールフタレインの1%エチルアルコール溶液を噴霧

して赤紫色に変色しない部分を中性化の領域としてその深さをコンクリート表面から測

定するものである。測定は、コンクリートをはつり出した部分あるいは採取した試料を割

裂し、その割裂面に試液を噴霧して測定するものである。

図-6.1 コンクリート中のpHの概念図

フェノールフタレイン液による

無着色領域 着色領域

コンクリート表面

アルカリ性が低下し始める位置 pH

約 10mm

CaCO3 Ca(OH)2+CaCO3 Ca(OH)2

二次調査(追加)では、老朽化対策工法および実施時期を検討するうえで適正な調査手法を選

定する必要がある。

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⑤塩分含有量試験

採取した試料を深さ方向に切断したものやはつりを行った箇所のコンクリート片など

を試料として化学分析を行い、含有塩化物イオン量を測定するものである。測定方法は、

「硬化コンクリート中に含まれる塩分の分析方法」(JIS-SC4)などにより行う。また、精度

は低くなるが、簡易な方法としてフレッシュコンクリートの塩化物イオン量を測定する試

薬を用いて測定する方法がある。

図-6.2 塩分含有量試験概念図

⑥レーダー探査 レーダーの原理を地中に適応した手法であり、地中に電磁波を放射し、地下からの反射

波を検出し地下の状態を調査するものである。電磁波は数百 MHz~数 GHz の高い周波数を

用いる地下レーダーは地下の探査に多様な適用性はあるが、電磁波の地中での減衰が大き

い。

図-6.3 レーダー探査概念図

2cm 間 隔 で 5 分 割

2c

平滑な面が表面

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⑦削孔による計測 地表部からの削孔時におけるのみ下がり(削孔速度)、あるいは削孔抵抗(回転負荷)等

によって地山性状(硬軟)を直接的に評価する。また、削孔機に各種センサ等計測システム

を接続することによって、自動計測・定量評価が可能である。コアサンプリング、ボアホ

ールカメラによる目視観察も有効である。

図-6.4 削孔による計測概念図

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【老朽化対策計画編】

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第7章 老朽化対策計画 7-1.老朽化対策計画 【解説】

(1) 健全度評価の結果が A ランクと判定されたものは、老朽化対策及び対策後の調査計画の検討を行い、

老朽化対策計画を立案し、老朽化対策工事を実施することを原則とする。

(2) 健全度評価の結果がBランクと判定されたものは、老朽化対策及び対策後の調査計画の検討を行い、

老朽化対策計画を立案することが望ましい。

(3) 健全度の判定ランクがBランクであっても、追加調査の結果により大規模な空洞やコンクリート強度

が設計基準強度未満であることが確認された場合は、施設の健全度判定ランクをAランクとし、周辺

利用状況、背後の財産、管理者の財政状況等を考慮して、老朽化対策工事の実施時期を検討すること

を原則とする。

(4) 老朽化対策計画は必要な防護機能を維持しつつ LCC を 小化することを目標として立案することが

望ましいが、LCCの定量的評価が困難な場合には以下の事項を勘案のうえ、ライフサイクルを通じて

防護水準を一定以上に保証することを目標とすることが望ましい。

・ 背後地の利用状況

・ 変状が施設全体の機能低下に与える影響

・ 対策工事の費用や延命化の効果

・ 将来の更新計画

・ 財政状況

・ 気象

・ 海象状況

・ 景観、その他

なお、防護水準を一定以上に保証するための維持管理には、老朽化が軽微な段階で小規模な対策を

頻繁に実施する予防保全的維持管理(図-7.1(1)参照)と、要求機能が満たされる範囲内で老朽化に起

因する機能低下をある程度許容し、供用期間中に1~2回程度の大規模な対策を実施する事後保全的維

持管理(図-7.1(2)参照)及び事後保全的維持管理で要求機能上の限界値で実施する施設の更新がある。

海岸保全施設の老朽化対策計画は、管理者が有している施設に関する情報と老朽化調査の結果をもとに

した老朽化対策工事の実施スケジュールを盛り込んだ計画で、老朽化対策工事の方針・目標及び工法と対

策後の調査計画等から構成されるものとする。

図-7.1(1) 予防保全的維持管理 図-7.1(2) 事後保全的維持管理

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(5) 健全度評価結果がAランクと判定された施設でも、背後地の利用状況、財政的状況、施設の重要度等

を考慮し、老朽化対策工事の実施時期を適宜判断することが望ましい。

例えば、対象施設の背後地に保全すべき生命や財産等が、建設当時は存在したが現在ではなくなっ

てしまった場合、第三者への安全性が確保されれば老朽化対策工事の緊急性は無いものと判断し、5

年後を目途に再調査を行うこととしてもよい。

(6) 老朽化対策計画が備えるべき内容は、以下に示す海岸保全施設老朽化対策計画に計上する項目(案)

を標準とする。

(7) 老朽化調査の調査計画や老朽化対策工法の検討を適正に行うため、建設年次、平面図、標準断面図や

後背地利用等の情報をできるだけ多く収集し、整理する。

(8) 対策方針の決定、対策目標の設定や老朽化対策工法の検討における制約条件等を設定するため、自

然・社会・環境条件や、海岸保全施設が備える多面的機能(レクリエーション、漁場等)に関する文

献や情報も収集し、整理する。 【海岸保全施設老朽化対策計画に計上する項目(案)】

1.施設概要等の整理

施設概要等の整理は、対象施設の概要及び文献等の整理を行うものとする。

(1)対象施設の概要

①海岸保全施設

名称、構造形式、建設年次、位置、平面図、標準断面図、設計供用期間、構造特性、

構成部材材料特性及び周辺の自然状況・利用状況等

②保全対象地区

保全対象地区の居住地区、人口及び後背地利用等

(2)文献等の整理

①制度・法律

対象施設に関する既定計画等を都道府県、自治体の刊行物、政府刊行物等により確認を行う。

・全国総合開発計画から計画対象地域を含む自治体の基本計画

・「多極分散型国土形成促進法」による進行拠点地域基本構想

・「地域産業の高度化に寄与する特定事業の集積の促進に関する法律」による集積促進計画

・「総合保養地整備法」による基本構想

・港湾・漁港整備計画

・都市計画

・道路計画

・河川計画

・その他地域振興にかかわる地域計画等

②設計基準

対象施設の対策工法の検討を行う上で準拠すべき設計基準等の確認を行う。

・海岸保全施設技術研究会編;海岸保全施設の技術上の基準・同解説、平成16年6月

・土木学会;海岸施設設計便覧[2000年版]、平成12年11月

・(社)全国漁港漁場協会;漁港・漁場の施設の設計の手引2003年版、2003年10月

③自然・社会・環境条件

気象・海象等の自然条件、人口や産業構造等の社会条件、植生相等の環境条件ついて整理を行うも

のとする。

④多面的機能

対象施設における海岸保全施設以外の多面的機能(レクリエーション、漁場等)の整理を行う。

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48

⑤その他

対象施設に人が立ち入るのか否か、人の集まる拠点と施設等を把握し、景観配慮の方向性を検討

する。

2.老朽化調査

施設の老朽化調査結果を調査結果記入シート等に整理する。

(1)一次調査

(2)二次調査

(3)健全度評価

(4)二次調査(追加)

3.老朽化対策計画

(1)対策方針の決定

健全度の判定結果より、老朽化対策方針の決定を行う。

①早急に老朽化対策工事を実施する

②計画的に5年以内に老朽化対策工事を実施する

③将来的に老朽化対策工事を実施する

④経過観察する施設

(2)対策目標の設定

施設の重要度等を考慮し、老朽化対策目標の設定を行うものとする。防護水準を決定した上で、予防

保全、事後保全、更新の目標設定を決定し、老朽化対策後の供用期間の設定を行い、老朽化対策工法の

設定をするための基本的な考え方を整理するものである。

①防護水準・供用期間の設定

②予防保全型・事後保全型の設定

(3)対策工法の基本的検討

対策工法の基本的検討は、対象施設の変状の種類や程度を踏まえて行うものとし、複数の老朽化対策

工法がある場合には、 適な工法を採用するものとする。

(4)対策後の調査計画

老朽化対策工事後の調査実施時期と方法の検討を行う。

①今後の調査実施時期と方法

②調査結果の記録様式と保存方法

(5)その他の事項

周辺住民や利用者の意見等の確認を行う。

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49

7-2.対策工法の基本的検討 【解説】

(1) 二次調査(追加)で確認された変状位置及び変状現象に対する対策工法例を表-7.1(1)~7.1(3)に示

す。

(2) 老朽化対策工法は、変状原因究明のための調査・分析を行い選定することを原則とする。

(3) 変状の発生部位や原因によっては、予防保全として行う対策工法と事後保全として行う対策工法が異

なる場合があり、供用期間の延命化に与える影響及びライフサイクルコスト(LCC)、B/Cの観点より

適な工法を採用することを標準とする。

(4) 対策工法の選定にあたっては新技術・新工法の適用性も検討するとともに、新たなニーズに対する技

術開発を促進することが望ましい。

(5) 砂浜の侵食による堤体の空洞化等変状連鎖を考慮した上で、堤防、養浜、離岸堤など複数の施設を岸

沖方向に配置した面的防護方式による老朽化対策工法も検討することが望ましい。

(6) 施設及び前面海域等の利用状況や老朽化対策工法に関する要望を把握するために、周辺住民や利用者

の意見等を確認することが望ましい。

(7) 対策後における施設の延命化やライフサイクルコストの 小化を図るために、調査計画を老朽化対策

工事の実施段階で策定することが望ましい。

図-7.2 面的防護方式の概念図

老朽化対策工法の基本的検討は、対象施設の変状の程度や、発生原因、メカニズムを踏まえて行うもの

とする。複数の老朽化対策工法がある場合には、 適な工法を採用するものとする。

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表-7.1(1) 確認された変状に対する対策工法

変 状 位 置二 次 調 査 の項 目

写真番号

劣 化 機 構 劣 化 要 因 調 査 方 法調 査 結 果の 活 用 方

設計条件の見直 しを 伴わ ない 工 法

設計条件の見直しを 伴 う 工 法

波浪による洗掘

根固工の沈下や堤体下部の洗掘

基礎地盤の沈下

圧密沈下に伴う基礎工・堤体工の沈下・損傷

コンクリート内部への海水や塩化物の侵入による鉄筋の発錆

コンクリートの機械的・力学的ひび割れ・剥離・損傷

はつり試験

イ)鉄筋腐食状況の把握ロ)対策工、対策範囲の検討

①断面修復②旧波返工撤去③造り替えなど

④コンクリート被覆による増厚⑤鉄筋保護機能の強化など

中性化

二酸化炭素とセメント水和物の炭酸化反応により発生する細孔溶液中のpH低下に伴う、鋼材腐食の促進、コンクリートのひび割れ・剥離、鋼材の断面減少

中性化試験

①表面塗装②断面修復③造り替えなど

④コンクリート被覆による増厚⑤鉄筋保護機能の強化など

塩害

塩化物イオンの浸透・拡散によるコンクリート中の鋼材の腐食進行、コンクリートのひび割れ・剥離、鋼材の断面減少

塩分含有量試験

①表面塗装②断面修復③造り替えなど

④コンクリート被覆による増厚⑤鉄筋保護機能の強化など

凍害

コンクリート中の水分の凍結融解作用による、コンクリート表面からのスケーリング、微細ひび割れ、およびポップアウトなど

化学的浸食

酸性物質や硫酸イオンとの接触による、コンクリート硬化体の分解、化合物生成時の膨張圧による劣化

アルカリシリカ反応

骨材に含まれる反応性シリカ鉱物や炭酸塩岩とアルカリ性水溶液の反応による、コンクリートの異常膨張やひび割れの発生

※上記写真番号は、付録-5の二次調査事例集のものを指す。

コンクリートの劣化

3)

①断面修復など

②コンクリート強度の強化など

調 査 ・ 点 検 の 方 法

圧縮強度試験

イ)劣化状況ロ)劣化原因の把握ハ)劣化の進展予測ニ)対策工の検討

構成部材の耐力低下

測量

構成部材の損傷

安定性の低下

変 状 の 結 果生 じ る 影 響

変 状 発 生 の 原 因

①断面修復②旧波返工撤去③造り替えなど

④消波工の設置⑤消波工の追加⑥離岸堤の設置⑦嵩上げなど

変 状 が あ る 場 合 の 対 策 工 法

越波量の増大

イ)防護高さ、余裕高さの確認ロ)対策工、対策範囲の検討

背後地の被災

天端高の低下

進行

老朽化調査で確認された変状

変状現象

防護高さ1)

鉄筋の腐食2)

目地の開き、相対移

動量

ひび割れ

剥離・損傷

鉄筋の腐食

波返工

1-4

1-11-2

1-11-3

STEP

50

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表-7.1(2) 確認された変状に対する対策工法

変 状 位 置二 次 調 査 の項 目

写真番号

劣 化 機 構 劣 化 要 因 調 査 方 法調 査 結 果の 活 用 方

設計条件の見直 しを 伴わ ない 工 法

設計条件の見直しを 伴 う 工 法

波浪による洗掘

堤体の移動・沈下、基礎工の沈下・損傷

波力の作用表法・堤体工の亀裂・損傷

コンクリート内部への海水や塩化物の侵入による鉄筋の発錆

コンクリートの機械的・力学的ひび割れ・剥離・損傷

はつり試験

イ)鉄筋腐食状況の把握ロ)対策工、対策範囲の検討

①断面修復②旧波返工撤去③造り替えなど

④コンクリート被覆による増厚⑤鉄筋保護機能の強化など

中性化

二酸化炭素とセメント水和物の炭酸化反応により発生する細孔溶液中のpH低下に伴う、鋼材腐食の促進、コンクリートのひび割れ・剥離、鋼材の断面減少

塩害

塩化物イオンの浸透・拡散によるコンクリート中の鋼材の腐食進行、コンクリートのひび割れ・剥離、鋼材の断面減少

凍害

コンクリート中の水分の凍結融解作用による、コンクリート表面からのスケーリング、微細ひび割れ、およびポップアウトなど

化学的浸食

酸性物質や硫酸イオンとの接触による、コンクリート硬化体の分解、化合物生成時の膨張圧による劣化

アルカリシリカ反応

骨材に含まれる反応性シリカ鉱物や炭酸塩岩とアルカリ性水溶液の反応による、コンクリートの異常膨張やひび割れの発生

※上記写真番号は、付録-5の二次調査事例集のものを指す。

2-22-4

老朽化調査で確認された変状

変状現象

吸出し・空洞化

4)

沈下・陥没

ひび割れ

目地部、打継ぎ部の状

鉄筋の腐食5)

コンクリートの劣化

6)

ひび割れ

剥離・損傷

鉄筋の腐食

2-2

圧縮強度試験

構成部材の耐力低下

表法被覆工

変 状 の 結 果生 じ る 影 響

変 状 発 生 の 原 因

天端被覆工

表法被覆工

裏法被覆工

2-12-22-33-13-23-34-14-24-3

構成部材の損傷

堤体の破壊

・陥落

安定性の低下

①断面修復など

②コンクリート強度の強化など

④被覆工の増厚⑤根固め工の設置⑥消波工の設置⑦地盤改良など

イ)劣化状況ロ)劣化原因の把握ハ)劣化の進展予測ニ)対策工の検討

イ)空洞状況の把握

①モルタル充てん②堤体土の補充③被覆工の撤去張り替えなど

破堤

天端工・裏法工の

破壊・陥落

変 状 が あ る 場 合 の 対 策 工 法調 査 ・ 点 検 の 方 法

レーダー探査もしくは削孔による計測

STEP

51

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表-7.1(3) 確認された変状に対する対策工法

変 状 位 置二 次調 査 の項 目

変 状 現 象写真番号

劣 化 機 構 劣 化 要 因 調 査 方 法調 査 結 果の 活 用 方

設計条件の見直しを伴わない 工 法

設計条件の見直しを 伴 う 工 法

洗掘7)

波浪による洗掘

前面海底の洗掘

基礎工・堤体工の

移動・沈下

イ)前面海底地盤洗掘状況の把握ロ)対策工の検討

①前面埋め戻し②根固め工の設置など

③地盤改良④根固め工重量の増加⑤根固め工の追加など

吸出し8)

堤体土砂の吸出し

基礎工の沈下・損傷、表法・堤体工の亀裂・損傷

堤内空洞化

イ)前面海底地盤吸出し状況の把握ロ)対策工の検討

①吸出し部の補修②根固め工の設置など

③地盤改良④根固め工の追加

など

波浪による洗掘

前面海底の洗掘による根固の沈下・散乱

波力による根固の移動

ブロック破損10)

イ)ブロックの破損状況の把握ロ)対策工の検討

①ブロックの補修など

②根固め工の追加③消波工の設置④離岸堤の設置など

ひび割れ11)

イ)ひび割れ状況の把握ロ)対策工の検討

①根固め工の追加②根固め工の補修など

③根固め工の追加④消波工の設置⑤離岸堤の設置など

剥離・破損12)

イ)剥離・損傷状況の把握ロ)対策工の検討

①根固め工の追加②根固め工の補修など

③根固め工の追加④消波工の設置⑤離岸堤の設置など

目地ずれ13)

波力による根固の移動

イ)目地のずれ状況の把握ロ)対策工の検討

①目地部の補修など

②根固め工の追加③消波工の設置④離岸堤の設置など

※上記写真番号は、付録-5の二次調査事例集のものを指す。

老朽化調査で確認された変状

破堤

変 状 が あ る 場 合 の 対 策 工 法調 査 ・ 点 検 の 方 法

目視調査(水中部は潜水目視調査を原則とする。)

変 状 の 結 果生 じ る 影 響

変 状 発 生 の 原 因

堤体の破壊

・陥落

1-42-13-24-25-16-1

波返工(目地の開き、相対移動量)

天端被覆工(沈下・陥没)

表法被覆工・裏法被覆工(沈下・陥没)

排水工(目地の開き、相対移動量)

消波工(移動・散乱、沈下)

堤体土砂の吸出し→堤内空洞化→堤体の破壊・陥落

破堤

①根固め工の追加②根固め工の補修など

③根固め工の追加④消波工の設置⑤離岸堤の設置など

イ)根固工移動・散乱・沈下状況の把握ロ)対策工の検討

目視調査(水中部は潜水目視調査を原則とする。)

波力の作用

波力による根固の破損

堤体下部の洗掘

前面海底地盤

根固工(基礎工)

波返工(目地の開き、相対移動

量)

天端被覆工(ひび割れ、目地部・打継ぎ部の状況、剥離・損

傷)

表法被覆工・裏法被覆工(沈下・陥没、目地部・打継ぎ部の状

況)

排水工(目地の開き、相対移動

量)

消波工(移動・散乱、

沈下)

1-42-22-32-43-23-34-24-35-16-1

移動・散乱・沈下

9)

STEP

52

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53

・部材自体の老朽化 ・部材自体は健全であるが 変状連鎖が生じている

・部材自体の老朽化と変状 連鎖の両方が生じている

・施設背後に道路や民家が

存在し、堤体の陸側への

拡幅を伴う機能強化が行

えない ・施設前面海域が漁場とし

て利用されているため、

海中に施設を設置する機

能強化が行えない な ど

・線的な機能強化 ・面的な機能強化

・老朽化対策工法 表-7.1(1)~(3)から数案選定

・選定した工法ごと

に LCC を比較

し、老朽化対策工

法を決定する ・予算・施設の重要

度等も加味する

7-3.ライフサイクルコストの試算例 【解説】

(1) 海岸保全施設は、部材の老朽化が生じていなくても、変状連鎖の進行によって 終的には破堤に至る

と考えられる。堤体土砂の吸出しによる変状を例にとれば、目地部・打継ぎ部の変状等に伴う堤体土

砂の吸出し・空洞化により、変状連鎖が進行して堤体の破堤へと進んでいく。一方、部材の老朽化が

主たる原因となって破堤に至る場合も考えられる。コンクリートの老朽化による強度低下を例にとれ

ば、繰り返し作用する波浪の影響により波返工が破損し、それが進行して堤体の破堤へと進んでいく。

(2) LCC算出にあたっては、老朽化の原因が、①部材自体の老朽化による場合、②部材自体は健全である

が変状連鎖が生じている場合、③部材自体の老朽化と変状連鎖の両方が生じている場合のどれに該当

するかを究明する。併せて、施設背後に道路や民家が近接し堤体の拡幅を伴う機能強化が行えない場

合や、施設前面海域が漁場として利用されているため海中に施設を設置する機能強化が行えない場合

等の制約条件の整理を行う。次に、老朽化の原因究明と制約条件の整理を踏まえて、老朽化対策の方

針を線的な機能強化・面的な機能強化のいずれかから決定する。老朽化対策の方針に沿った老朽化対

策工法を表-7.1(1)~(3)から数案選定し、LCCの算定を行いその結果を比較した上で、老朽化対策工

法を選定する。なお、 終的な老朽化対策工法の決定は、予算・施設の重要度等も加味して行うこと

が望ましい。

図-7.3 LCC算出の手順

ライフサイクルコスト(LCC)を算出する場合は、変状の程度及び施設の将来の老朽化予測に応じた老

朽化対策工法及び実施時期等を数案選定し、それらの LCC 算定結果を比較した上で老朽化対策工法を決

定するものとする。

老朽化の原因究明

制約条件の整理

老朽化対策の 方針決定

老朽化対策工法

の決定

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54

(3) ライフサイクルコストの算出概念を図-7.4に示す。

この図では、①機能低下が生じない程度の軽微な変状(健全度の判定ランクがBランク)で1回あ

たりの対策費用が安価な予防保全を行った場合(ケース1)と、②健全度の判定ランがAランクと評

価されるまで対策を行わず、大規模な対策を行う事後保全を行った場合(ケース2)を例示している。

一般的に、事後保全的に大規模な対策を実施するよりも予防保全的に小規模な補修工事を繰り返す

対策(延命化対策)の方が、ライフサイクルコストが小さくなることが多いといわれている。しかし、

変状の発生部位や原因によっては比較的大規模な改良工事を事後保全として行う方が、予防保全を繰

り返し行うよりもライフサイクルコストが安価となることもある。また、事後保全的な対策の方が一

見ライフサイクルコストが安価であっても、機能低下が生じてから回復するまでの間における水産

業・漁村の多面的な便益の損失を考慮すると、結果的に予防保全的な対策に比べてコスト高となる場

合があることも十分に踏まえなければならない。従って、複数のシナリオの想定のもと、施設の供用

期間内でのライフサイクルコストを算出するとともに、様々な制約条件や突発的な変状による影響な

どを総合的に勘案し、適切な対策を講じることが望ましい。

図-7.4 ライフサイクルコストの算出イメージ

(4) ライフサイクルコストの試算例を表-7.2 に示す。ここで、劣化の進展速度や対策工の寿命等はライ

フサイクルコストの試算例を示すための仮定値であり、設計条件等の見直しによる改良工事(機能、

性能の増加)を含むものとする。また、この試算例では社会的割引率は考慮していない。なお、試算

例に示すシナリオ1~シナリオ3は図-7.5(1)~(3)維持管理レベルにより想定したものである。

表-7.2 ライフサイクルコストの試算例

変 状 機能の向上 対策工法のシナリオ

試算例1 波返工の

塩害 波返工の嵩

上げ

①シナリオ1 表面塗装よる対策+波返し工の嵩上げ及び増厚 ②シナリオ2 断面修復と表面塗装による対策+波返し工の嵩上げ及び増厚 ③シナリオ3 更新(波返し工の嵩上げ、増厚含む)

試算例2 のり先の

洗掘 根固めブロ

ックの設置

①シナリオ1 根固めブロックの設置 ②シナリオ2 根固めブロックの設置+コンクリートブロック、裏込工の一部復旧 ③シナリオ3 更新(根固めブロックの設置含む)

試算例3 表法被覆

工のひび

割れ

消波工の設

①シナリオ1 ひび割れ注入による対策+消波工の設置 ②シナリオ2 空洞部の充填と表法被覆工の一部造り替え+消波工の設置 ③シナリオ3 更新(消波工の設置含む)

構造機能

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55

図-7.5(1) 予防保全的維持管理レベル;小規模対策

図-7.5(2) 事後保全的維持管理レベル(1);大規模対策

図-7.5(3) 事後保全的維持管理レベル(2);施設の更新

部材の機能

経過年数

初期値

維持管理の限界値=要求機能上の限界値

供用期間

部材の機能

経過年数

初期値

要求機能上の限界値

維持管理の限界値

供用期間

部材の機能

経過年数

初期値

要求機能上の限界値

維持管理の限界値

供用期間

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56

(5) 撤去・更新による建設コストが予防保全的な対策に比べ安価となる場合や、老朽化対策の優先度が低

い場合には、事後保全的な対策が優位となる。しかしこの場合、対策を実施するまでの期間に、定期

的な点検・診断を実施しながら、施設の要求性能が確保されていることを継続的に確認する必要があ

る。万一、突発的あるいは想定外の原因により変状が発生し、施設の機能が著しく低下する状況に陥

った場合には、防護機能はもとより、その他の多面的機能にも影響が及ぶリスクがあることに注意す

る必要がある。

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波返工の塩害を対象としたライフサイクルコスト

 ライフサイクルコストの算出は、以下に示す①~③のシナリオで行うものとする。

No.

① シナリオ1予防保全(小規模対策)

② シナリオ2事後保全(大規模対策)

③ シナリオ3事後保全(施設の更新)

※ 参考老朽化対策を行わない場合

現在 現在

5年後 5年後

10年後 10年後

定期的な点検・診断を継続的に実施し、施設の機能が著しく低下する前に施設の撤去・更新を行うとともに、その際に波返工の天端高と堤体幅を現況よりも増やすことで防護機能および耐波機能を強化する。

シナリオ名 シナリオ

予防保全として鉄筋位置の塩化物イオン濃度が発生限界値を超えない軽微な段階(鉄筋位置の塩化物イオン濃度が発生限界値を超えない)で表面塗装による対策を行い、波返工の嵩上げ及びひび割れ補修としての増厚を行う。

事後保全として波返工の断面修復と表面塗装による対策を行い、波返し工の嵩上げ及びひび割れ補修としての増厚を行う。

構造形式;直立型堤防(重力式表法被覆工)

施設延長:1.0km

調査内容

試算例1:

施設管理者

施設構造

構造図

漁港海岸名

施設名称

10年後に波返工の損傷が顕著となり、背後集落の家屋、農漁家、事業所が浸水被害を受ける。

対策工法の制約条件

老朽化進行予測及び対策工

表-7.3 老朽化対策シナリオ(試算例1)

表-7.4 施設概要(試算例1)

◎◎県

▽▽漁港海岸

○○堤防

昭和42年(経過年数40年)建設年月日

波返工の塩化物イオン量調査

天端被覆工は道路として使用しているため、道路幅員を狭めない対策とする必要がある。

老朽化進行予測 対 策 工

表面からの塩分の供給を絶つと、鉄筋位置の塩化物イオン濃度が発生限界値を超えない。

波返工に表面塗装工法による対策を行い、鉄筋位置の塩化物イオン濃度を低くするとともに嵩上げ及び増厚を行う。

波返工の塩害損傷が顕著となり、鉄筋の腐食が著しくなる。

波返工の更新とともに嵩上げ及び増厚を実施する。

表面からの塩分の供給を絶っても、鉄筋位置の塩化物イオン濃度が発生限界値を超える。

波返工を断面修復工法+表面塗装工法により対策し、鉄筋の腐食を抑止させると共に嵩上げ及び増厚を行う。

背後地:

家屋(22棟)、農漁家(5棟)、事業所(2棟)が立地

57

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シナ

リオ

1:予

防保

数量

金額

数量

金額

数量

金額

数量

金額

数量

金額

嵩上

げ工

-嵩

上げ

40,0

0015

0m3

6,00

0,00

0

-

-

-

-

表面

塗装

工-

表面

塗装

14,0

00500

0m3

70,

000,

000

-

-

-

-

表面

塗装

工(メ

ンテ

ナン

ス)-

表面

塗装

除去

4,0

00-

50

00m

220

,000

,000

500

0m2

20,

000,

000

5000

m2

20,0

00,0

00

-

表面

塗装

工(メ

ンテ

ナン

ス)-

表面

塗装

14,0

00-

50

00m

270

,000

,000

500

0m2

70,

000,

000

5000

m2

70,0

00,0

00

-

維持

調査

費用

500

,000

-

-

-

-

50年

25,

000,

000

小計

76,

000,

000

90,0

00,0

00

90,

000,

000

90,0

00,0

00

25,

000,

000

合計

371,

000,

000

シナ

リオ

2:事

後保

数量

金額

数量

金額

数量

金額

数量

金額

数量

金額

断面

修復

工-

断面

修復

140

,000

220

0m2

308,

000,

000

-

-

-

-

表面

塗装

工-

表面

塗装

14,0

00500

0m2

70,

000,

000

-

-

-

-

嵩上

げ工

-嵩

上げ

40,0

0015

0m3

6,00

0,00

0

-

-

-

-

表面

塗装

工(メ

ンテ

ナン

ス)-

表面

塗装

除去

4,0

00-

50

00m

220

,000

,000

500

0m2

20,

000,

000

-

-

表面

塗装

工(メ

ンテ

ナン

ス)-

表面

塗装

14,0

00-

50

00m

270

,000

,000

500

0m2

70,

000,

000

-

-

維持

調査

費用

500

,000

-

-

-

-

50年

25,

000,

000

小計

384,

000,

000

90

,000

,000

90,

000,

000

-

25,

000,

000

合計

589,

000,

000

シナ

リオ

3:事

後保

全(更

新)

数量

金額

数量

金額

数量

金額

数量

金額

数量

金額

更新

-堤

体工

5,0

0010

000m

350,

000,

000

-

-

-

-

更新

-表

面被

覆工

50,0

00620

0m3

310,

000,

000

-

-

-

-

更新

-天

端被

覆工

40,0

0060

0m3

24,

000,

000

-

-

-

-

更新

-裏

法被

覆工

40,0

0040

0m3

16,

000,

000

-

-

-

-

更新

-撤

去工

10,0

00720

0m3

72,

000,

000

-

-

-

-

更新

-撤

去材

処分

工20

,000

720

0m3

144,

000,

000

-

-

-

-

維持

調査

費用

500

,000

-

-

-

-

50年

25,

000,

000

小計

616,

000,

000

-

-

-

25,

000,

000

合計

641,

000,

000

表-7.5

 ラ

イフ

サイ

クル

コス

ト算

定の

シナ

リオ

及び

コス

トの

集計

3回

工種

単価

初回

2回

5年後

20年

工種

初回

維持

調査

費用

維持

調査

費用

毎年

維持

調査

費用

毎年

30年

10年

後に

波返

工の

更新

(嵩

上げ

、増

厚を

含む

)を

行う

0年後

毎年

工種

単価

初回

10年

15年

2回

35年

早急

に表

面塗

装+

嵩上

げ(増

厚含

む)を

行い

、15年

毎に

再塗

装を

行う

5年

後に

断面

修復

+表

面塗

装+

嵩上

げ(増

厚含

む)を

行い

、15年

毎に

再塗

装を

行う

4回

45年

後単

3回

58

Page 64: 漁港海岸保全施設の老朽化調査及び老朽化対策計画策定 の ......LCMを導入した維持管理では、問題が発生する前に予測して対応を図る「予防保全」が重要

割引

前割

引後

割引

前累

積割

引後

累積

割引

前割

引後

割引

前累

積割

引後

累積

割引

前割

引後

割引

前累

積割

引後

累積

01.0

00

76,0

00,0

00

76,0

00,0

00

76,0

00,0

00

76,0

00,0

00

-

-

-

-

-

-

-

-

10.9

62

500,0

00

481,0

00

76,5

00,0

00

76,4

81,0

00

500,0

00

481,0

00

500,0

00

481,0

00

500,0

00

481,0

00

500,0

00

481,0

00

20.9

25

500,0

00

462,5

00

77,0

00,0

00

76,9

43,5

00

500,0

00

462,5

00

1,0

00,0

00

943,5

00

500,0

00

462,5

00

1,0

00,0

00

943,5

00

30.8

89

500,0

00

444,5

00

77,5

00,0

00

77,3

88,0

00

500,0

00

444,5

00

1,5

00,0

00

1,3

88,0

00

500,0

00

444,5

00

1,5

00,0

00

1,3

88,0

00

40.8

55

500,0

00

427,5

00

78,0

00,0

00

77,8

15,5

00

500,0

00

427,5

00

2,0

00,0

00

1,8

15,5

00

500,0

00

427,5

00

2,0

00,0

00

1,8

15,5

00

50.8

22

500,0

00

411,0

00

78,5

00,0

00

78,2

26,5

00

38

4,500

,000

31

6,05

9,00

0

386,

500,

000

31

7,87

4,50

0

500,0

00

411,0

00

2,5

00,0

00

2,2

26,5

00

60.7

90

500,0

00

395,0

00

79,0

00,0

00

78,6

21,5

00

500,0

00

395,0

00

38

7,00

0,00

0

318,

269,

500

500,0

00

395,0

00

3,0

00,0

00

2,6

21,5

00

70.7

60

500,0

00

380,0

00

79,5

00,0

00

79,0

01,5

00

500,0

00

380,0

00

38

7,50

0,00

0

318,

649,

500

500,0

00

380,0

00

3,5

00,0

00

3,0

01,5

00

80.7

31

500,0

00

365,5

00

80,0

00,0

00

79,3

67,0

00

500,0

00

365,5

00

38

8,00

0,00

0

319,

015,

000

500,0

00

365,5

00

4,0

00,0

00

3,3

67,0

00

90.7

03

500,0

00

351,5

00

80,5

00,0

00

79,7

18,5

00

500,0

00

351,5

00

38

8,50

0,00

0

319,

366,

500

500,0

00

351,5

00

4,5

00,0

00

3,7

18,5

00

10

0.6

76

500,0

00

338,0

00

81,0

00,0

00

80,0

56,5

00

500,0

00

338,0

00

38

9,00

0,00

0

319,

704,

500

616

,500,

000

416

,754

,000

621

,000

,000

420

,472

,500

11

0.6

50

500,0

00

325,0

00

81,5

00,0

00

80,3

81,5

00

500,0

00

325,0

00

38

9,50

0,00

0

320,

029,

500

500,0

00

325,0

00

621

,500

,000

420

,797

,500

12

0.6

25

500,0

00

312,5

00

82,0

00,0

00

80,6

94,0

00

500,0

00

312,5

00

39

0,00

0,00

0

320,

342,

000

500,0

00

312,5

00

622

,000

,000

421

,110

,000

13

0.6

01

500,0

00

300,5

00

82,5

00,0

00

80,9

94,5

00

500,0

00

300,5

00

39

0,50

0,00

0

320,

642,

500

500,0

00

300,5

00

622

,500

,000

421

,410

,500

14

0.5

77

500,0

00

288,5

00

83,0

00,0

00

81,2

83,0

00

500,0

00

288,5

00

39

1,00

0,00

0

320,

931,

000

500,0

00

288,5

00

623

,000

,000

421

,699

,000

15

0.5

55

90,5

00,0

00

50,2

27,5

00

173

,500

,000

131

,510

,500

500,0

00

277,5

00

39

1,50

0,00

0

321,

208,

500

500,0

00

277,5

00

623

,500

,000

421

,976

,500

16

0.5

34

500,0

00

267,0

00

174

,000

,000

131

,777

,500

500,0

00

267,0

00

39

2,00

0,00

0

321,

475,

500

500,0

00

267,0

00

624

,000

,000

422

,243

,500

17

0.5

13

500,0

00

256,5

00

174

,500

,000

132

,034

,000

500,0

00

256,5

00

39

2,50

0,00

0

321,

732,

000

500,0

00

256,5

00

624

,500

,000

422

,500

,000

18

0.4

94

500,0

00

247,0

00

175

,000

,000

132

,281

,000

500,0

00

247,0

00

39

3,00

0,00

0

321,

979,

000

500,0

00

247,0

00

625

,000

,000

422

,747

,000

19

0.4

75

500,0

00

237,5

00

175

,500

,000

132

,518

,500

500,0

00

237,5

00

39

3,50

0,00

0

322,

216,

500

500,0

00

237,5

00

625

,500

,000

422

,984

,500

20

0.4

56

500,0

00

228,0

00

176

,000

,000

132

,746

,500

90,5

00,0

00

41,2

68,0

00

48

4,00

0,00

0

363,

484,

500

500,0

00

228,0

00

626

,000

,000

423

,212

,500

21

0.4

39

500,0

00

219,5

00

176

,500

,000

132

,966

,000

500,0

00

219,5

00

48

4,50

0,00

0

363,

704,

000

500,0

00

219,5

00

626

,500

,000

423

,432

,000

22

0.4

22

500,0

00

211,0

00

177

,000

,000

133

,177

,000

500,0

00

211,0

00

48

5,00

0,00

0

363,

915,

000

500,0

00

211,0

00

627

,000

,000

423

,643

,000

23

0.4

06

500,0

00

203,0

00

177

,500

,000

133

,380

,000

500,0

00

203,0

00

48

5,50

0,00

0

364,

118,

000

500,0

00

203,0

00

627

,500

,000

423

,846

,000

24

0.3

90

500,0

00

195,0

00

178

,000

,000

133

,575

,000

500,0

00

195,0

00

48

6,00

0,00

0

364,

313,

000

500,0

00

195,0

00

628

,000

,000

424

,041

,000

25

0.3

75

500,0

00

187,5

00

178

,500

,000

133

,762

,500

500,0

00

187,5

00

48

6,50

0,00

0

364,

500,

500

500,0

00

187,5

00

628

,500

,000

424

,228

,500

26

0.3

61

500,0

00

180,5

00

179

,000

,000

133

,943

,000

500,0

00

180,5

00

48

7,00

0,00

0

364,

681,

000

500,0

00

180,5

00

629

,000

,000

424

,409

,000

27

0.3

47

500,0

00

173,5

00

179

,500

,000

134

,116

,500

500,0

00

173,5

00

48

7,50

0,00

0

364,

854,

500

500,0

00

173,5

00

629

,500

,000

424

,582

,500

28

0.3

33

500,0

00

166,5

00

180

,000

,000

134

,283

,000

500,0

00

166,5

00

48

8,00

0,00

0

365,

021,

000

500,0

00

166,5

00

630

,000

,000

424

,749

,000

29

0.3

21

500,0

00

160,5

00

180

,500

,000

134

,443

,500

500,0

00

160,5

00

48

8,50

0,00

0

365,

181,

500

500,0

00

160,5

00

630

,500

,000

424

,909

,500

30

0.3

08

90,5

00,0

00

27,8

74,0

00

271

,000

,000

162

,317

,500

500,0

00

154,0

00

48

9,00

0,00

0

365,

335,

500

500,0

00

154,0

00

631

,000

,000

425

,063

,500

31

0.2

96

500,0

00

148,0

00

271

,500

,000

162

,465

,500

500,0

00

148,0

00

48

9,50

0,00

0

365,

483,

500

500,0

00

148,0

00

631

,500

,000

425

,211

,500

32

0.2

85

500,0

00

142,5

00

272

,000

,000

162

,608

,000

500,0

00

142,5

00

49

0,00

0,00

0

365,

626,

000

500,0

00

142,5

00

632

,000

,000

425

,354

,000

33

0.2

74

500,0

00

137,0

00

272

,500

,000

162

,745

,000

500,0

00

137,0

00

49

0,50

0,00

0

365,

763,

000

500,0

00

137,0

00

632

,500

,000

425

,491

,000

34

0.2

64

500,0

00

132,0

00

273

,000

,000

162

,877

,000

500,0

00

132,0

00

49

1,00

0,00

0

365,

895,

000

500,0

00

132,0

00

633

,000

,000

425

,623

,000

35

0.2

53

500,0

00

126,5

00

273

,500

,000

163

,003

,500

90,5

00,0

00

22,8

96,5

00

58

1,50

0,00

0

388,

791,

500

500,0

00

126,5

00

633

,500

,000

425

,749

,500

36

0.2

44

500,0

00

122,0

00

274

,000

,000

163

,125

,500

500,0

00

122,0

00

58

2,00

0,00

0

388,

913,

500

500,0

00

122,0

00

634

,000

,000

425

,871

,500

37

0.2

34

500,0

00

117,0

00

274

,500

,000

163

,242

,500

500,0

00

117,0

00

58

2,50

0,00

0

389,

030,

500

500,0

00

117,0

00

634

,500

,000

425

,988

,500

38

0.2

25

500,0

00

112,5

00

275

,000

,000

163

,355

,000

500,0

00

112,5

00

58

3,00

0,00

0

389,

143,

000

500,0

00

112,5

00

635

,000

,000

426

,101

,000

39

0.2

17

500,0

00

108,5

00

275

,500

,000

163

,463

,500

500,0

00

108,5

00

58

3,50

0,00

0

389,

251,

500

500,0

00

108,5

00

635

,500

,000

426

,209

,500

40

0.2

08

500,0

00

104,0

00

276

,000

,000

163

,567

,500

500,0

00

104,0

00

58

4,00

0,00

0

389,

355,

500

500,0

00

104,0

00

636

,000

,000

426

,313

,500

41

0.2

00

500,0

00

100,0

00

276

,500

,000

163

,667

,500

500,0

00

100,0

00

58

4,50

0,00

0

389,

455,

500

500,0

00

100,0

00

636

,500

,000

426

,413

,500

42

0.1

93

500,0

00

96,5

00

277

,000

,000

163

,764

,000

500,0

00

96,5

00

58

5,00

0,00

0

389,

552,

000

500,0

00

96,5

00

637

,000

,000

426

,510

,000

43

0.1

85

500,0

00

92,5

00

277

,500

,000

163

,856

,500

500,0

00

92,5

00

58

5,50

0,00

0

389,

644,

500

500,0

00

92,5

00

637

,500

,000

426

,602

,500

44

0.1

78

500,0

00

89,0

00

278

,000

,000

163

,945

,500

500,0

00

89,0

00

58

6,00

0,00

0

389,

733,

500

500,0

00

89,0

00

638

,000

,000

426

,691

,500

45

0.1

71

90,5

00,0

00

15,4

75,5

00

368

,500

,000

179

,421

,000

500,0

00

85,5

00

58

6,50

0,00

0

389,

819,

000

500,0

00

85,5

00

638

,500

,000

426

,777

,000

46

0.1

65

500,0

00

82,5

00

369

,000

,000

179

,503

,500

500,0

00

82,5

00

58

7,00

0,00

0

389,

901,

500

500,0

00

82,5

00

639

,000

,000

426

,859

,500

47

0.1

58

500,0

00

79,0

00

369

,500

,000

179

,582

,500

500,0

00

79,0

00

58

7,50

0,00

0

389,

980,

500

500,0

00

79,0

00

639

,500

,000

426

,938

,500

48

0.1

52

500,0

00

76,0

00

370

,000

,000

179

,658

,500

500,0

00

76,0

00

58

8,00

0,00

0

390,

056,

500

500,0

00

76,0

00

640

,000

,000

427

,014

,500

49

0.1

46

500,0

00

73,0

00

370

,500

,000

179

,731

,500

500,0

00

73,0

00

58

8,50

0,00

0

390,

129,

500

500,0

00

73,0

00

640

,500

,000

427

,087

,500

50

0.1

41

500,0

00

70,5

00

371

,000

,000

179

,802

,000

500,0

00

70,5

00

58

9,00

0,00

0

390,

200,

000

500,0

00

70,5

00

641

,000

,000

427

,158

,000

 以

上に

よる

コス

ト比

較の

結果

、50年

間を

老朽

化対

策の

対象

期間

とし

た場

合、

シナ

リオ

1が

小コ

スト

とな

る。

図-7.6

(1) 

ライ

フサ

イク

ルコ

スト

の比

較(4%割

引前

図-7.6

(2) 

ライ

フサ

イク

ルコ

スト

の比

較(4%割

引後

表-7.6

 シ

ナリ

オ毎

のラ

イフ

サイ

クル

コス

トの

積算

シナ

リオ

2シ

ナリ

オ3

シナ

リオ

1年

次割

引率

LC

C算

定(4%

割引

後)

0

100,

000,

000

200,

000,

000

300,

000,

000

400,

000,

000

500,

000,

000

600,

000,

000

700,

000,

000

800,

000,

000

900,

000,

000

1,00

0,00

0,00

0

05

1015

20

25

30

35

4045

50

年次

LCC(円)

シナ

リオ

1

シナ

リオ

2

シナ

リオ

3

LC

C算

定(4%

割引

前)

0

100

,000

,000

200

,000

,000

300

,000

,000

400

,000

,000

500

,000

,000

600

,000

,000

700

,000

,000

800

,000

,000

900

,000

,000

1,0

00,0

00,0

00

05

10

1520

2530

3540

45

50

年次

LCC(円)

シナ

リオ

1

シナ

リオ

2

シナ

リオ

3

59

Page 65: 漁港海岸保全施設の老朽化調査及び老朽化対策計画策定 の ......LCMを導入した維持管理では、問題が発生する前に予測して対応を図る「予防保全」が重要

(参

考)

 参

考ま

でに

、老

朽化

対策

を行

わな

い場

合に

損失

する

便益

の算

定結

果を

以下

に示

す。

施設

の老

朽化

を放

置し

た場

合に

生じ

る影

数量

金額

数量

金額

数量

金額

数量

金額

数量

金額

浸水

被害

によ

る便

益損

失-

家屋

(土地

代)

17,

395,

000,

000

5%86

9,75

0,00

0

-

-

-

-

浸水

被害

によ

る便

益損

失-

家屋

(家庭

用品

)18,

915,

000,

000

2%37

8,30

0,00

0

-

-

-

-

浸水

被害

によ

る便

益損

失-

農漁

家(償

却資

産)

662

,000

,000

3%19,

860,

000

-

-

-

-

浸水

被害

によ

る便

益損

失-

農漁

家(在

庫資

産)

158

,000

,000

1%1,

580,

000

-

-

-

-

浸水

被害

によ

る便

益損

失-

事業

所(償

却資

産)

5,9

81,0

00,0

0010%

598,

100,

000

-

-

-

-

浸水

被害

によ

る便

益損

失-

事業

所(在

庫資

産)

2,0

16,0

00,0

006%

120,

960,

000

-

-

-

-

小計

1,98

8,55

0,00

0

-

-

-

-

合計

1,98

8,55

0,00

0

表-7.7

 損

失便

益の

集計

便益

項目

10年

10年

後に

波返

工の

損傷

が顕

著と

なり

、背

後集

落の

家屋

、農

漁家

、事

業所

が浸

水被

害を

受け

る。

単価

60

Page 66: 漁港海岸保全施設の老朽化調査及び老朽化対策計画策定 の ......LCMを導入した維持管理では、問題が発生する前に予測して対応を図る「予防保全」が重要

割引

前割

引後

割引

前累

積割

引後

累積

01.0

00

-

-

-

-

10.9

62

-

-

-

-

20.9

25

-

-

-

-

30.8

89

-

-

-

-

40.8

55

-

-

-

-

50.8

22

-

-

-

-

60.7

90

-

-

-

-

70.7

60

-

-

-

-

80.7

31

-

-

-

-

90.7

03

-

-

-

-

10

0.6

76

1,9

88,5

50,0

00

1,3

44,2

59,8

00

1,9

88,5

50,0

00

1,3

44,2

59,8

00

11

0.6

50

-

-

1,9

88,5

50,0

00

1,3

44,2

59,8

00

12

0.6

25

-

-

1,9

88,5

50,0

00

1,3

44,2

59,8

00

13

0.6

01

-

-

1,9

88,5

50,0

00

1,3

44,2

59,8

00

14

0.5

77

-

-

1,9

88,5

50,0

00

1,3

44,2

59,8

00

15

0.5

55

-

-

1,9

88,5

50,0

00

1,3

44,2

59,8

00

16

0.5

34

-

-

1,9

88,5

50,0

00

1,3

44,2

59,8

00

17

0.5

13

-

-

1,9

88,5

50,0

00

1,3

44,2

59,8

00

18

0.4

94

-

-

1,9

88,5

50,0

00

1,3

44,2

59,8

00

19

0.4

75

-

-

1,9

88,5

50,0

00

1,3

44,2

59,8

00

20

0.4

56

-

-

1,9

88,5

50,0

00

1,3

44,2

59,8

00

21

0.4

39

-

-

1,9

88,5

50,0

00

1,3

44,2

59,8

00

22

0.4

22

-

-

1,9

88,5

50,0

00

1,3

44,2

59,8

00

23

0.4

06

-

-

1,9

88,5

50,0

00

1,3

44,2

59,8

00

24

0.3

90

-

-

1,9

88,5

50,0

00

1,3

44,2

59,8

00

25

0.3

75

-

-

1,9

88,5

50,0

00

1,3

44,2

59,8

00

26

0.3

61

-

-

1,9

88,5

50,0

00

1,3

44,2

59,8

00

27

0.3

47

-

-

1,9

88,5

50,0

00

1,3

44,2

59,8

00

28

0.3

33

-

-

1,9

88,5

50,0

00

1,3

44,2

59,8

00

29

0.3

21

-

-

1,9

88,5

50,0

00

1,3

44,2

59,8

00

30

0.3

08

-

-

1,9

88,5

50,0

00

1,3

44,2

59,8

00

31

0.2

96

-

-

1,9

88,5

50,0

00

1,3

44,2

59,8

00

32

0.2

85

-

-

1,9

88,5

50,0

00

1,3

44,2

59,8

00

33

0.2

74

-

-

1,9

88,5

50,0

00

1,3

44,2

59,8

00

34

0.2

64

-

-

1,9

88,5

50,0

00

1,3

44,2

59,8

00

35

0.2

53

-

-

1,9

88,5

50,0

00

1,3

44,2

59,8

00

36

0.2

44

-

-

1,9

88,5

50,0

00

1,3

44,2

59,8

00

37

0.2

34

-

-

1,9

88,5

50,0

00

1,3

44,2

59,8

00

38

0.2

25

-

-

1,9

88,5

50,0

00

1,3

44,2

59,8

00

39

0.2

17

-

-

1,9

88,5

50,0

00

1,3

44,2

59,8

00

40

0.2

08

-

-

1,9

88,5

50,0

00

1,3

44,2

59,8

00

41

0.2

00

-

-

1,9

88,5

50,0

00

1,3

44,2

59,8

00

42

0.1

93

-

-

1,9

88,5

50,0

00

1,3

44,2

59,8

00

43

0.1

85

-

-

1,9

88,5

50,0

00

1,3

44,2

59,8

00

44

0.1

78

-

-

1,9

88,5

50,0

00

1,3

44,2

59,8

00

45

0.1

71

-

-

1,9

88,5

50,0

00

1,3

44,2

59,8

00

46

0.1

65

-

-

1,9

88,5

50,0

00

1,3

44,2

59,8

00

47

0.1

58

-

-

1,9

88,5

50,0

00

1,3

44,2

59,8

00

48

0.1

52

-

-

1,9

88,5

50,0

00

1,3

44,2

59,8

00

49

0.1

46

-

-

1,9

88,5

50,0

00

1,3

44,2

59,8

00

50

0.1

41

-

-

1,9

88,5

50,0

00

1,3

44,2

59,8

00

表-7.8

 損

失便

益の

積算

図-7.7

(1) 

損失

便益

の積

算(4%割

引前

図-7.7

(2) 

損失

便益

の積

算(4%割

引後

損失

便益

年次

割引

損失

便益

の積

算(4

%割引

後)

0

500,

000,

000

1,00

0,00

0,00

0

1,50

0,00

0,00

0

2,00

0,00

0,00

0

2,50

0,00

0,00

0

3,00

0,00

0,00

0

05

1015

20

25

30

35

4045

50

年次

損失便益(円)

損失

便益

損失

便益

の積

算(4

%割引

前)

0

500

,000

,000

1,0

00,0

00,0

00

1,5

00,0

00,0

00

2,0

00,0

00,0

00

2,5

00,0

00,0

00

3,0

00,0

00,0

00

05

10

1520

2530

3540

45

50

年次

損失便益(円)

損失

便益

61

Page 67: 漁港海岸保全施設の老朽化調査及び老朽化対策計画策定 の ......LCMを導入した維持管理では、問題が発生する前に予測して対応を図る「予防保全」が重要

のり先の洗掘を対象としたライフサイクルコスト

 ライフサイクルコストの算出は、以下に示す①~③のシナリオで行うものとする。

No.

① シナリオ1予防保全(小規模対策)

② シナリオ2事後保全(大規模対策)

③ シナリオ3事後保全(施設の更新)

※ 参考老朽化対策を行わない場合

現在 現在

5年後 5年後

10年後 10年後

のり先が洗掘されている。 全延長に根固め工を設置する。

のり先の洗掘により、コンクリートブロックの移動、散乱及び沈下が大規模となる。

護岸の更新及び根固め工の設置を実施する。

のり先の洗掘により、コンクリートブロックの一部に移動及び沈下がある。

散乱した既設コンクリートブロック及び裏込め工を復旧し、全延長に根固め工を設置する。

のり先が洗掘されている。

護岸の前面海域は漁場となっているため、海中に施設を設置する対策は避ける必要がある。

老朽化進行予測 対 策 工

調査内容

対策工法の制約条件

老朽化進行予測及び対策工

表-7.9 老朽化対策シナリオ(試算例2)

表-7.10 施設概要(試算例2)

◎◎県

△△漁港海岸

□□護岸

昭和42年(経過年数40年)建設年月日

施設構造

構造図

予防保全として軽微な洗掘の段階(護岸は健全な状態)で根固め工の設置を行う。

事後保全として散乱した既設コンクリートブロック及び裏込め工を復旧し、全延長に根固め工の設置を行う。

定期的な点検・診断を継続的に実施し、施設の機能が著しく低下する前に施設の撤去・更新を行い、さらに根固め工を新たに設置する。

漁港海岸名

施設名称

構造形式;緩傾斜型護岸(コンクリートブロック張式表法被覆工)

施設延長:1.0km

10年後にコンクリートブロックの移動・散乱・沈下が大規模となり、前浜における海水浴場としての利用が不可となる。

シナリオ名 シナリオ

試算例2:

施設管理者

前浜利用:

海水浴場としての利用(平均年間入り込み客数:27500人)

62

Page 68: 漁港海岸保全施設の老朽化調査及び老朽化対策計画策定 の ......LCMを導入した維持管理では、問題が発生する前に予測して対応を図る「予防保全」が重要

シナ

リオ

1:予

防保

数量

金額

数量

金額

数量

金額

数量

金額

数量

金額

根固

め工

-根

固め

ブロ

ック

製作

70,0

00

1200個

84,0

00,0

00

-

-

-

-

根固

め工

-根

固め

ブロ

ック

運搬

・据

付100,0

00

1200個

120,0

00,0

00

-

-

-

-

維持

調査

費用

500,0

00

-

-

-

-

50年

25,0

00,0

00

小計

204,0

00,0

00

-

-

-

25,0

00,0

00

合計

229,0

00,0

00

シナ

リオ

2:事

後保

数量

金額

数量

金額

数量

金額

数量

金額

数量

金額

根固

め工

-根

固め

ブロ

ック

製作

70,0

00

1200個

84,0

00,0

00

-

-

-

-

根固

め工

-根

固め

ブロ

ック

運搬

・据

付100,0

00

1200個

120,0

00,0

00

-

-

-

-

裏込

め工

復旧

工-

砕石

投入

工5,0

00

3000m

215,0

00,0

00

-

-

-

-

裏込

め工

復旧

工-

砕石

均し

工2,0

00

5000m

210,0

00,0

00

-

-

-

-

コン

クリ

ート

ブロ

ック

復旧

工30,0

00

5000個

150,0

00,0

00

-

-

-

-

維持

調査

費用

500,0

00

-

-

-

-

50年

25,0

00,0

00

小計

379,0

00,0

00

-

-

-

25,0

00,0

00

合計

404,0

00,0

00

シナ

リオ

3:事

後保

全(更

新)

数量

金額

数量

金額

数量

金額

数量

金額

数量

金額

更新

-基

礎工

10,0

00

1500m

315,0

00,0

00

-

-

-

-

更新

-裏

込め

工12,0

00

7200m

386,4

00,0

00

-

-

-

-

更新

-被

覆石

工15,0

00

2000m

330,0

00,0

00

-

-

-

-

更新

-コ

ンク

リー

トブ

ロッ

ク設

置工

30,0

00

13000m

3390,0

00,0

00

-

-

-

-

更新

-根

固め

ブロ

ック

製作

70,0

00

1200個

84,0

00,0

00

-

-

-

-

更新

-根

固め

ブロ

ック

運搬

・据

付100,0

00

1200個

120,0

00,0

00

-

-

-

-

維持

調査

費用

500,0

00

-

-

-

-

50年

25,0

00,0

00

小計

725,4

00,0

00

-

-

-

25,0

00,0

00

合計

750,4

00,0

00

早急

に根

固め

工を

設置

する

5年

後、

被災

箇所

のコ

ンク

リー

トブ

ロッ

ク及

び裏

込め

工を

復旧

し、

全延

長に

根固

め工

を設

置す

る。

10年

後に

全延

長を

更新

する

単価

0年

後工

初回

毎年

工種

単価

初回

10年

表-7.1

1 

ライ

フサ

イク

ルコ

スト

算定

のシ

ナリ

オ及

びコ

スト

の集

工種

単価

初回

維持

調査

費用

5年

毎年

維持

調査

費用

毎年

維持

調査

費用

63

Page 69: 漁港海岸保全施設の老朽化調査及び老朽化対策計画策定 の ......LCMを導入した維持管理では、問題が発生する前に予測して対応を図る「予防保全」が重要

割引

前割

引後

割引

前累

積割

引後

累積

割引

前割

引後

割引

前累

積割

引後

累積

割引

前割

引後

割引

前累

積割

引後

累積

01.0

00

204,

000,

000

20

4,00

0,00

0

204

,000

,000

204

,000

,000

-

-

-

-

-

-

-

-

10.9

62

500,0

00

481,0

00

204

,500

,000

204

,481

,000

500,0

00

481,0

00

500,0

00

481,0

00

500,0

00

481,0

00

500,0

00

481,0

00

20.9

25

500,0

00

462,5

00

205

,000

,000

204

,943

,500

500,0

00

462,5

00

1,0

00,0

00

943,5

00

500,0

00

462,5

00

1,0

00,0

00

943,5

00

30.8

89

500,0

00

444,5

00

205

,500

,000

205

,388

,000

500,0

00

444,5

00

1,5

00,0

00

1,3

88,0

00

500,0

00

444,5

00

1,5

00,0

00

1,3

88,0

00

40.8

55

500,0

00

427,5

00

206

,000

,000

205

,815

,500

500,0

00

427,5

00

2,0

00,0

00

1,8

15,5

00

500,0

00

427,5

00

2,0

00,0

00

1,8

15,5

00

50.8

22

500,0

00

411,0

00

206

,500

,000

206

,226

,500

37

9,500

,000

31

1,94

9,00

0

381,

500,

000

31

3,76

4,50

0

500,0

00

411,0

00

2,5

00,0

00

2,2

26,5

00

60.7

90

500,0

00

395,0

00

207

,000

,000

206

,621

,500

500,0

00

395,0

00

38

2,00

0,00

0

314,

159,

500

500,0

00

395,0

00

3,0

00,0

00

2,6

21,5

00

70.7

60

500,0

00

380,0

00

207

,500

,000

207

,001

,500

500,0

00

380,0

00

38

2,50

0,00

0

314,

539,

500

500,0

00

380,0

00

3,5

00,0

00

3,0

01,5

00

80.7

31

500,0

00

365,5

00

208

,000

,000

207

,367

,000

500,0

00

365,5

00

38

3,00

0,00

0

314,

905,

000

500,0

00

365,5

00

4,0

00,0

00

3,3

67,0

00

90.7

03

500,0

00

351,5

00

208

,500

,000

207

,718

,500

500,0

00

351,5

00

38

3,50

0,00

0

315,

256,

500

500,0

00

351,5

00

4,5

00,0

00

3,7

18,5

00

10

0.6

76

500,0

00

338,0

00

209

,000

,000

208

,056

,500

500,0

00

338,0

00

38

4,00

0,00

0

315,

594,

500

725

,900,

000

490

,708

,400

730

,400

,000

494

,426

,900

11

0.6

50

500,0

00

325,0

00

209

,500

,000

208

,381

,500

500,0

00

325,0

00

38

4,50

0,00

0

315,

919,

500

500,0

00

325,0

00

730

,900

,000

494

,751

,900

12

0.6

25

500,0

00

312,5

00

210

,000

,000

208

,694

,000

500,0

00

312,5

00

38

5,00

0,00

0

316,

232,

000

500,0

00

312,5

00

731

,400

,000

495

,064

,400

13

0.6

01

500,0

00

300,5

00

210

,500

,000

208

,994

,500

500,0

00

300,5

00

38

5,50

0,00

0

316,

532,

500

500,0

00

300,5

00

731

,900

,000

495

,364

,900

14

0.5

77

500,0

00

288,5

00

211

,000

,000

209

,283

,000

500,0

00

288,5

00

38

6,00

0,00

0

316,

821,

000

500,0

00

288,5

00

732

,400

,000

495

,653

,400

15

0.5

55

500,0

00

277,5

00

211

,500

,000

209

,560

,500

500,0

00

277,5

00

38

6,50

0,00

0

317,

098,

500

500,0

00

277,5

00

732

,900

,000

495

,930

,900

16

0.5

34

500,0

00

267,0

00

212

,000

,000

209

,827

,500

500,0

00

267,0

00

38

7,00

0,00

0

317,

365,

500

500,0

00

267,0

00

733

,400

,000

496

,197

,900

17

0.5

13

500,0

00

256,5

00

212

,500

,000

210

,084

,000

500,0

00

256,5

00

38

7,50

0,00

0

317,

622,

000

500,0

00

256,5

00

733

,900

,000

496

,454

,400

18

0.4

94

500,0

00

247,0

00

213

,000

,000

210

,331

,000

500,0

00

247,0

00

38

8,00

0,00

0

317,

869,

000

500,0

00

247,0

00

734

,400

,000

496

,701

,400

19

0.4

75

500,0

00

237,5

00

213

,500

,000

210

,568

,500

500,0

00

237,5

00

38

8,50

0,00

0

318,

106,

500

500,0

00

237,5

00

734

,900

,000

496

,938

,900

20

0.4

56

500,0

00

228,0

00

214

,000

,000

210

,796

,500

500,0

00

228,0

00

38

9,00

0,00

0

318,

334,

500

500,0

00

228,0

00

735

,400

,000

497

,166

,900

21

0.4

39

500,0

00

219,5

00

214

,500

,000

211

,016

,000

500,0

00

219,5

00

38

9,50

0,00

0

318,

554,

000

500,0

00

219,5

00

735

,900

,000

497

,386

,400

22

0.4

22

500,0

00

211,0

00

215

,000

,000

211

,227

,000

500,0

00

211,0

00

39

0,00

0,00

0

318,

765,

000

500,0

00

211,0

00

736

,400

,000

497

,597

,400

23

0.4

06

500,0

00

203,0

00

215

,500

,000

211

,430

,000

500,0

00

203,0

00

39

0,50

0,00

0

318,

968,

000

500,0

00

203,0

00

736

,900

,000

497

,800

,400

24

0.3

90

500,0

00

195,0

00

216

,000

,000

211

,625

,000

500,0

00

195,0

00

39

1,00

0,00

0

319,

163,

000

500,0

00

195,0

00

737

,400

,000

497

,995

,400

25

0.3

75

500,0

00

187,5

00

216

,500

,000

211

,812

,500

500,0

00

187,5

00

39

1,50

0,00

0

319,

350,

500

500,0

00

187,5

00

737

,900

,000

498

,182

,900

26

0.3

61

500,0

00

180,5

00

217

,000

,000

211

,993

,000

500,0

00

180,5

00

39

2,00

0,00

0

319,

531,

000

500,0

00

180,5

00

738

,400

,000

498

,363

,400

27

0.3

47

500,0

00

173,5

00

217

,500

,000

212

,166

,500

500,0

00

173,5

00

39

2,50

0,00

0

319,

704,

500

500,0

00

173,5

00

738

,900

,000

498

,536

,900

28

0.3

33

500,0

00

166,5

00

218

,000

,000

212

,333

,000

500,0

00

166,5

00

39

3,00

0,00

0

319,

871,

000

500,0

00

166,5

00

739

,400

,000

498

,703

,400

29

0.3

21

500,0

00

160,5

00

218

,500

,000

212

,493

,500

500,0

00

160,5

00

39

3,50

0,00

0

320,

031,

500

500,0

00

160,5

00

739

,900

,000

498

,863

,900

30

0.3

08

500,0

00

154,0

00

219

,000

,000

212

,647

,500

500,0

00

154,0

00

39

4,00

0,00

0

320,

185,

500

500,0

00

154,0

00

740

,400

,000

499

,017

,900

31

0.2

96

500,0

00

148,0

00

219

,500

,000

212

,795

,500

500,0

00

148,0

00

39

4,50

0,00

0

320,

333,

500

500,0

00

148,0

00

740

,900

,000

499

,165

,900

32

0.2

85

500,0

00

142,5

00

220

,000

,000

212

,938

,000

500,0

00

142,5

00

39

5,00

0,00

0

320,

476,

000

500,0

00

142,5

00

741

,400

,000

499

,308

,400

33

0.2

74

500,0

00

137,0

00

220

,500

,000

213

,075

,000

500,0

00

137,0

00

39

5,50

0,00

0

320,

613,

000

500,0

00

137,0

00

741

,900

,000

499

,445

,400

34

0.2

64

500,0

00

132,0

00

221

,000

,000

213

,207

,000

500,0

00

132,0

00

39

6,00

0,00

0

320,

745,

000

500,0

00

132,0

00

742

,400

,000

499

,577

,400

35

0.2

53

500,0

00

126,5

00

221

,500

,000

213

,333

,500

500,0

00

126,5

00

39

6,50

0,00

0

320,

871,

500

500,0

00

126,5

00

742

,900

,000

499

,703

,900

36

0.2

44

500,0

00

122,0

00

222

,000

,000

213

,455

,500

500,0

00

122,0

00

39

7,00

0,00

0

320,

993,

500

500,0

00

122,0

00

743

,400

,000

499

,825

,900

37

0.2

34

500,0

00

117,0

00

222

,500

,000

213

,572

,500

500,0

00

117,0

00

39

7,50

0,00

0

321,

110,

500

500,0

00

117,0

00

743

,900

,000

499

,942

,900

38

0.2

25

500,0

00

112,5

00

223

,000

,000

213

,685

,000

500,0

00

112,5

00

39

8,00

0,00

0

321,

223,

000

500,0

00

112,5

00

744

,400

,000

500

,055

,400

39

0.2

17

500,0

00

108,5

00

223

,500

,000

213

,793

,500

500,0

00

108,5

00

39

8,50

0,00

0

321,

331,

500

500,0

00

108,5

00

744

,900

,000

500

,163

,900

40

0.2

08

500,0

00

104,0

00

224

,000

,000

213

,897

,500

500,0

00

104,0

00

39

9,00

0,00

0

321,

435,

500

500,0

00

104,0

00

745

,400

,000

500

,267

,900

41

0.2

00

500,0

00

100,0

00

224

,500

,000

213

,997

,500

500,0

00

100,0

00

39

9,50

0,00

0

321,

535,

500

500,0

00

100,0

00

745

,900

,000

500

,367

,900

42

0.1

93

500,0

00

96,5

00

225

,000

,000

214

,094

,000

500,0

00

96,5

00

40

0,00

0,00

0

321,

632,

000

500,0

00

96,5

00

746

,400

,000

500

,464

,400

43

0.1

85

500,0

00

92,5

00

225

,500

,000

214

,186

,500

500,0

00

92,5

00

40

0,50

0,00

0

321,

724,

500

500,0

00

92,5

00

746

,900

,000

500

,556

,900

44

0.1

78

500,0

00

89,0

00

226

,000

,000

214

,275

,500

500,0

00

89,0

00

40

1,00

0,00

0

321,

813,

500

500,0

00

89,0

00

747

,400

,000

500

,645

,900

45

0.1

71

500,0

00

85,5

00

226

,500

,000

214

,361

,000

500,0

00

85,5

00

40

1,50

0,00

0

321,

899,

000

500,0

00

85,5

00

747

,900

,000

500

,731

,400

46

0.1

65

500,0

00

82,5

00

227

,000

,000

214

,443

,500

500,0

00

82,5

00

40

2,00

0,00

0

321,

981,

500

500,0

00

82,5

00

748

,400

,000

500

,813

,900

47

0.1

58

500,0

00

79,0

00

227

,500

,000

214

,522

,500

500,0

00

79,0

00

40

2,50

0,00

0

322,

060,

500

500,0

00

79,0

00

748

,900

,000

500

,892

,900

48

0.1

52

500,0

00

76,0

00

228

,000

,000

214

,598

,500

500,0

00

76,0

00

40

3,00

0,00

0

322,

136,

500

500,0

00

76,0

00

749

,400

,000

500

,968

,900

49

0.1

46

500,0

00

73,0

00

228

,500

,000

214

,671

,500

500,0

00

73,0

00

40

3,50

0,00

0

322,

209,

500

500,0

00

73,0

00

749

,900

,000

501

,041

,900

50

0.1

41

500,0

00

70,5

00

229

,000

,000

214

,742

,000

500,0

00

70,5

00

40

4,00

0,00

0

322,

280,

000

500,0

00

70,5

00

750

,400

,000

501

,112

,400

表-7.1

2 

シナ

リオ

毎の

ライ

フサ

イク

ルコ

スト

の積

シナ

リオ

2シ

ナリ

オ3

シナ

リオ

1

 以

上に

よる

コス

ト比

較の

結果

、50年

間を

老朽

化対

策の

対象

期間

とし

た場

合、

シナ

リオ

1が

小コ

スト

とな

る。

図-7.8

(1) 

ライ

フサ

イク

ルコ

スト

の比

較(4%割

引前

図-7.8

(2) 

ライ

フサ

イク

ルコ

スト

の比

較(4%割

引後

年次

割引

LC

C算

定(4%

割引

後)

0

100,

000,

000

200,

000,

000

300,

000,

000

400,

000,

000

500,

000,

000

600,

000,

000

700,

000,

000

800,

000,

000

05

1015

2025

3035

4045

50

年次

LCC(円)

シナ

リオ

1

シナ

リオ

2

シナ

リオ

3

LC

C算

定(4%

割引

前)

0

100

,000

,000

200

,000

,000

300

,000

,000

400

,000

,000

500

,000

,000

600

,000

,000

700

,000

,000

800

,000

,000

05

1015

20

2530

35

4045

50

年次

LCC(円)

シナ

リオ

1

シナ

リオ

2

シナ

リオ

3

64

Page 70: 漁港海岸保全施設の老朽化調査及び老朽化対策計画策定 の ......LCMを導入した維持管理では、問題が発生する前に予測して対応を図る「予防保全」が重要

(参

考)

 参

考ま

でに

、老

朽化

対策

を行

わな

い場

合に

損失

する

便益

の算

定結

果を

以下

に示

す。

施設

の老

朽化

を放

置し

た場

合に

生じ

る影

数量

金額

数量

金額

数量

金額

数量

金額

数量

金額

前浜

利用

不可

によ

る便

益損

失-

海水

浴客

の支

払い

意欲

855

27500人

23,5

12,5

00

-

-

-

-

小計

23,5

12,5

00

-

-

-

-

合計

964,0

12,5

00

表-7.1

3 

損失

便益

の集

便益

項目

単価

10年

後以

降毎

10年

後に

コン

クリ

ート

ブロ

ック

の移

動・散

乱・沈

下が

大規

模と

なり

、前

浜に

おけ

る海

水浴

場と

して

の利

用が

不可

とな

る。

65

Page 71: 漁港海岸保全施設の老朽化調査及び老朽化対策計画策定 の ......LCMを導入した維持管理では、問題が発生する前に予測して対応を図る「予防保全」が重要

割引

前割

引後

割引

前累

積割

引後

累積

01.0

00

-

-

-

-

10.9

62

-

-

-

-

20.9

25

-

-

-

-

30.8

89

-

-

-

-

40.8

55

-

-

-

-

50.8

22

-

-

-

-

60.7

90

-

-

-

-

70.7

60

-

-

-

-

80.7

31

-

-

-

-

90.7

03

-

-

-

-

10

0.6

76

23,5

12,5

00

15,8

94,4

50

23,5

12,5

00

15,8

94,4

50

11

0.6

50

23,5

12,5

00

15,2

83,1

25

47,0

25,0

00

31,1

77,5

75

12

0.6

25

23,5

12,5

00

14,6

95,3

13

70,5

37,5

00

45,8

72,8

88

13

0.6

01

23,5

12,5

00

14,1

31,0

13

94,0

50,0

00

60,0

03,9

01

14

0.5

77

23,5

12,5

00

13,5

66,7

13

117

,562

,500

73,5

70,6

14

15

0.5

55

23,5

12,5

00

13,0

49,4

38

141

,075

,000

86,6

20,0

52

16

0.5

34

23,5

12,5

00

12,5

55,6

75

164

,587

,500

99,1

75,7

27

17

0.5

13

23,5

12,5

00

12,0

61,9

13

188

,100

,000

111

,237

,640

18

0.4

94

23,5

12,5

00

11,6

15,1

75

211

,612

,500

122

,852

,815

19

0.4

75

23,5

12,5

00

11,1

68,4

38

235

,125

,000

134

,021

,253

20

0.4

56

23,5

12,5

00

10,7

21,7

00

258

,637

,500

144

,742

,953

21

0.4

39

23,5

12,5

00

10,3

21,9

88

282

,150

,000

155

,064

,941

22

0.4

22

23,5

12,5

00

9,9

22,2

75

305

,662

,500

164

,987

,216

23

0.4

06

23,5

12,5

00

9,5

46,0

75

329

,175

,000

174

,533

,291

24

0.3

90

23,5

12,5

00

9,1

69,8

75

352

,687

,500

183

,703

,166

25

0.3

75

23,5

12,5

00

8,8

17,1

88

376

,200

,000

192

,520

,354

26

0.3

61

23,5

12,5

00

8,4

88,0

13

399

,712

,500

201

,008

,367

27

0.3

47

23,5

12,5

00

8,1

58,8

38

423

,225

,000

209

,167

,205

28

0.3

33

23,5

12,5

00

7,8

29,6

63

446

,737

,500

216

,996

,868

29

0.3

21

23,5

12,5

00

7,5

47,5

13

470

,250

,000

224

,544

,381

30

0.3

08

23,5

12,5

00

7,2

41,8

50

493

,762

,500

231

,786

,231

31

0.2

96

23,5

12,5

00

6,9

59,7

00

517

,275

,000

238

,745

,931

32

0.2

85

23,5

12,5

00

6,7

01,0

63

540

,787

,500

245

,446

,994

33

0.2

74

23,5

12,5

00

6,4

42,4

25

564

,300

,000

251

,889

,419

34

0.2

64

23,5

12,5

00

6,2

07,3

00

587

,812

,500

258

,096

,719

35

0.2

53

23,5

12,5

00

5,9

48,6

63

611

,325

,000

264

,045

,382

36

0.2

44

23,5

12,5

00

5,7

37,0

50

634

,837

,500

269

,782

,432

37

0.2

34

23,5

12,5

00

5,5

01,9

25

658

,350

,000

275

,284

,357

38

0.2

25

23,5

12,5

00

5,2

90,3

13

681

,862

,500

280

,574

,670

39

0.2

17

23,5

12,5

00

5,1

02,2

13

705

,375

,000

285

,676

,883

40

0.2

08

23,5

12,5

00

4,8

90,6

00

728

,887

,500

290

,567

,483

41

0.2

00

23,5

12,5

00

4,7

02,5

00

752

,400

,000

295

,269

,983

42

0.1

93

23,5

12,5

00

4,5

37,9

13

775

,912

,500

299

,807

,896

43

0.1

85

23,5

12,5

00

4,3

49,8

13

799

,425

,000

304

,157

,709

44

0.1

78

23,5

12,5

00

4,1

85,2

25

822

,937

,500

308

,342

,934

45

0.1

71

23,5

12,5

00

4,0

20,6

38

846

,450

,000

312

,363

,572

46

0.1

65

23,5

12,5

00

3,8

79,5

63

869

,962

,500

316

,243

,135

47

0.1

58

23,5

12,5

00

3,7

14,9

75

893

,475

,000

319

,958

,110

48

0.1

52

23,5

12,5

00

3,5

73,9

00

916

,987

,500

323

,532

,010

49

0.1

46

23,5

12,5

00

3,4

32,8

25

940

,500

,000

326

,964

,835

50

0.1

41

23,5

12,5

00

3,3

15,2

63

964

,012

,500

330

,280

,098

表-7.1

4 

損失

便益

の積

損失

便益

図-7.9

(1) 

損失

便益

の積

算(4%割

引前

図-7.9

(2) 

損失

便益

の積

算(4%割

引後

年次

割引

損失

便益

の積

算(4

%割引

後)

0

100,

000,

000

200,

000,

000

300,

000,

000

400,

000,

000

500,

000,

000

600,

000,

000

700,

000,

000

800,

000,

000

05

1015

2025

3035

4045

50

年次

損失便益(円)

損失

便益

損失

便益

の積

算(4

%割引

前)

0

100

,000

,000

200

,000

,000

300

,000

,000

400

,000

,000

500

,000

,000

600

,000

,000

700

,000

,000

800

,000

,000

900

,000

,000

1,0

00,0

00,0

00

05

10

1520

2530

3540

45

50

年次

損失便益(円)

損失

便益

66

Page 72: 漁港海岸保全施設の老朽化調査及び老朽化対策計画策定 の ......LCMを導入した維持管理では、問題が発生する前に予測して対応を図る「予防保全」が重要

表法被覆工のコンクリートのひび割れを対象としたライフサイクルコスト

 ライフサイクルコストの算出は、以下に示す①~③のシナリオで行うものとする。

No.

① シナリオ1予防保全(小規模対策)

② シナリオ2事後保全(大規模対策)

③ シナリオ3事後保全(施設の更新)

※ 参考老朽化対策を行わない場合

現在 現在

5年後 5年後

10年後 10年後

定期的な点検・診断を継続的に実施し、施設の機能が著しく低下する前に施設の撤去・更新を行い、さらに消波工を新たに設置する。

シナリオ名 シナリオ

予防保全として軽微なひび割れの段階(背面まで達していない)でひび割れ注入による対策を行い、消波工を設置する。

事後保全として空洞部の充填と表法被覆工の一部を作り替え、消波工を設置する。

構造形式;傾斜型護岸(コンクリート被覆式表法被覆工)

施設延長:837m

調査内容

試算例3:

施設管理者

施設構造

構造図

漁港海岸名

施設名称

10年後に護岸の表法被覆工の剥離・損傷が顕著となり破堤し、流出した陸上の土砂の影響を受けて、前面の増殖場が機能低下する。

対策工法の制約条件

老朽化進行予測及び対策工

表-7.15 老朽化対策シナリオ(試算例3)

表-7.16 施設概要(試算例3)

○○県

□□漁港海岸

護岸(1-5)

昭和35年(経過年数47年)建設年月日

表法被覆工のコンクリート(無筋)のひび割れ

特になし。

老朽化進行予測 対 策 工

複数方向に数mm程度のひび割れがあるが、背面まで達していない。

広範囲に部材の深部まで剥離損傷が生じ、破堤する。

施設の更新を行い、消波工を設置する。

部材背面まで達するひび割れ・亀裂が生じ、部分的に空洞がある。

消波工

増殖場(1.0ha)

67

Page 73: 漁港海岸保全施設の老朽化調査及び老朽化対策計画策定 の ......LCMを導入した維持管理では、問題が発生する前に予測して対応を図る「予防保全」が重要

シナ

リオ

1:予

防保

数量

金額

数量

金額

数量

金額

数量

金額

数量

金額

モル

タル

注入

工-

モル

タル

注入

20,0

00

837.0

m3

16,7

40,0

00

837.0

m3

16,7

40,0

00

-

-

-

消波

工-

消波

ブロ

ック

製作

150,0

00

502個

75,3

00,0

00

-

-

-

-

消波

工-

消波

ブロ

ック

設置

100,0

00

502個

50,2

00,0

00

-

-

-

-

維持

調査

費用

500,0

00

-

-

-

-

50年

25,0

00,0

00

小計

142,2

40,0

00

16,7

40,0

00

-

-

25,0

00,0

00

合計

317,9

00,0

00

数量

金額

数量

金額

数量

金額

数量

金額

数量

金額

空洞

部モ

ルタ

ル充

填工

-モ

ルタ

ル充

填工

16,0

00

2511.0

m3

40,1

76,0

00

2511.0

m3

40,1

76,0

00

-

-

-

消波

工-

消波

ブロ

ック

製作

150,0

00

502個

75,3

00,0

00

-

-

-

-

消波

工-

消波

ブロ

ック

設置

100,0

00

502個

50,2

00,0

00

-

-

-

-

表法

被覆

工復

旧工

-表

法被

覆工

撤去

工10,0

00

334.8

m3

3,3

48,0

00

334.8

m3

3,3

48,0

00

-

-

-

表法

被覆

工復

旧工

-表

法被

覆工

復旧

工50,0

00

334.8

m3

16,7

40,0

00

334.8

m3

16,7

40,0

00

-

-

-

維持

調査

費用

500,0

00

-

-

-

-

50年

25,0

00,0

00

小計

185,7

64,0

00

60,2

64,0

00

-

-

25,0

00,0

00

合計

451,8

20,0

00

数量

金額

数量

金額

数量

金額

数量

金額

数量

金額

更新

-基

礎工

20,0

00

2092.5

m3

41,8

50,0

00

-

-

-

-

更新

-堤

体工

5,0

00

16740.0

m3

83,7

00,0

00

-

-

-

-

更新

-表

法被

覆工

30,0

00

4185.0

m3

125,5

50,0

00

-

-

-

-

更新

-天

端被

覆工

20,0

00

2092.5

m3

41,8

50,0

00

-

-

-

-

更新

-裏

法被

覆被

覆工

20,0

00

4185.0

m3

83,7

00,0

00

-

-

-

-

更新

-撤

去工

10,0

00

12555.0

m3

125,5

50,0

00

-

-

-

-

更新

-撤

去材

処分

工20,0

00

12555.0

m3

251,1

00,0

00

-

-

-

-

更新

-消

波ブ

ロッ

ク製

作150,0

00

502個

75,3

00,0

00

-

-

-

-

更新

-消

波ブ

ロッ

ク設

置100,0

00

502個

50,2

00,0

00

-

-

-

-

維持

調査

費用

500,0

00

-

-

-

-

50年

25,0

00,0

00

小計

878,8

00,0

00

-

-

-

25,0

00,0

00

合計

903,8

00,0

00

シナ

リオ

2:事

後保

表-7

.17 

ライ

フサ

イク

ルコ

スト

算定

のシ

ナリ

オ及

びコ

スト

の集

工種

単価

初回

以降

10年

工種

初回

5年

維持

調査

費用

維持

調査

費用

毎年

維持

調査

費用

毎年

5年

後に

、空

洞部

にモ

ルタ

ルを

充填

し、

表法

被覆

コン

クリ

ート

の張

り替

え及

び消

波工

の設

置を

行う

。モ

ルタ

ルを

充填

し、

表法

被覆

コン

クリ

ート

の張

り替

えは

10年

毎に

実施

する

以降

5年

早急

に、

ひび

割れ

箇所

のモ

ルタ

ル注

入及

び消

波工

の設

置を

行う

。モ

ルタ

ル注

入は

、5年

毎に

実施

する

単価

0年

シナ

リオ

3:事

後保

全(更

新)

10年

後に

全延

長を

更新

(消

波工

設置

を含

む)す

る。

毎年

工種

単価

初回

10年

68

Page 74: 漁港海岸保全施設の老朽化調査及び老朽化対策計画策定 の ......LCMを導入した維持管理では、問題が発生する前に予測して対応を図る「予防保全」が重要

割引

前割

引後

割引

前累

積割

引後

累積

割引

前割

引後

割引

前累

積割

引後

累積

割引

前割

引後

割引

前累

積割

引後

累積

01.0

00

142,

240,

000

14

2,24

0,00

0

142

,240

,000

142

,240

,000

-

-

-

-

-

-

-

-

10.9

62

500,0

00

481,0

00

142

,740

,000

142

,721

,000

500,0

00

481,0

00

500,0

00

481,0

00

500,0

00

481,0

00

500,0

00

481,0

00

20.9

25

500,0

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500,0

00

104,0

00

898

,800

,000

603

,966

,300

41

0.2

00

500,0

00

100,0

00

296

,660

,000

213

,388

,720

500,0

00

100,0

00

38

7,05

6,00

0

233,

987,

820

500,0

00

100,0

00

899

,300

,000

604

,066

,300

42

0.1

93

500,0

00

96,5

00

297

,160

,000

213

,485

,220

500,0

00

96,5

00

38

7,55

6,00

0

234,

084,

320

500,0

00

96,5

00

899

,800

,000

604

,162

,800

43

0.1

85

500,0

00

92,5

00

297

,660

,000

213

,577

,720

500,0

00

92,5

00

38

8,05

6,00

0

234,

176,

820

500,0

00

92,5

00

900

,300

,000

604

,255

,300

44

0.1

78

500,0

00

89,0

00

298

,160

,000

213

,666

,720

500,0

00

89,0

00

38

8,55

6,00

0

234,

265,

820

500,0

00

89,0

00

900

,800

,000

604

,344

,300

45

0.1

71

17,2

40,0

00

2,9

48,0

40

315

,400

,000

216

,614

,760

60,7

64,0

00

10,3

90,6

44

44

9,32

0,00

0

244,

656,

464

500,0

00

85,5

00

901

,300

,000

604

,429

,800

46

0.1

65

500,0

00

82,5

00

315

,900

,000

216

,697

,260

500,0

00

82,5

00

44

9,82

0,00

0

244,

738,

964

500,0

00

82,5

00

901

,800

,000

604

,512

,300

47

0.1

58

500,0

00

79,0

00

316

,400

,000

216

,776

,260

500,0

00

79,0

00

45

0,32

0,00

0

244,

817,

964

500,0

00

79,0

00

902

,300

,000

604

,591

,300

48

0.1

52

500,0

00

76,0

00

316

,900

,000

216

,852

,260

500,0

00

76,0

00

45

0,82

0,00

0

244,

893,

964

500,0

00

76,0

00

902

,800

,000

604

,667

,300

49

0.1

46

500,0

00

73,0

00

317

,400

,000

216

,925

,260

500,0

00

73,0

00

45

1,32

0,00

0

244,

966,

964

500,0

00

73,0

00

903

,300

,000

604

,740

,300

50

0.1

41

500,0

00

70,5

00

317

,900

,000

216

,995

,760

500,0

00

70,5

00

45

1,82

0,00

0

245,

037,

464

500,0

00

70,5

00

903

,800

,000

604

,810

,800

 以

上に

よる

コス

ト比

較の

結果

、50年

間を

老朽

化対

策の

対象

期間

とし

た場

合、

シナ

リオ

1が

小コ

スト

とな

る。

図-7.1

0(1

) ラ

イフ

サイ

クル

コス

トの

比較

(4%割

引前

図-7.1

0(2

) ラ

イフ

サイ

クル

コス

トの

比較

(4%割

引後

表-7.1

8 

シナ

リオ

毎の

ライ

フサ

イク

ルコ

スト

の積

シナ

リオ

2シ

ナリ

オ3

シナ

リオ

1年

次割

引率

LC

C算

定(4%

割引

後)

0

100,

000,

000

200,

000,

000

300,

000,

000

400,

000,

000

500,

000,

000

600,

000,

000

700,

000,

000

800,

000,

000

900,

000,

000

1,00

0,00

0,00

0

05

1015

20

25

30

35

4045

50

年次

LCC(円)

シナ

リオ

1

シナ

リオ

2

シナ

リオ

3

LC

C算

定(4%

割引

前)

0

100

,000

,000

200

,000

,000

300

,000

,000

400

,000

,000

500

,000

,000

600

,000

,000

700

,000

,000

800

,000

,000

900

,000

,000

1,0

00,0

00,0

00

05

10

1520

2530

3540

45

50

年次

LCC(円)

シナ

リオ

1

シナ

リオ

2

シナ

リオ

3

69

Page 75: 漁港海岸保全施設の老朽化調査及び老朽化対策計画策定 の ......LCMを導入した維持管理では、問題が発生する前に予測して対応を図る「予防保全」が重要

(参

考)

 参

考ま

でに

、老

朽化

対策

を行

わな

い場

合に

損失

する

便益

の算

定結

果を

以下

に示

す。

施設

の老

朽化

を放

置し

た場

合に

生じ

る影

数量

金額

数量

金額

数量

金額

数量

金額

数量

金額

増殖

場の

機能

低下

によ

る便

益損

失-

期待

漁獲

高450

100000kg

45,0

00,0

00

-

-

-

-

小計

45,0

00,0

00

-

-

-

-

合計

1,8

45,0

00,0

00

表-7

.19 

損失

便益

の集

便益

項目

10年

後以

降毎

護岸

の表

法被

覆工

の剥

離・損

傷が

顕著

とな

り破

堤し

、流

出し

た陸

上の

土砂

の影

響を

受け

て、

前面

の増

殖場

が機

能低

下す

る。

単価

70

Page 76: 漁港海岸保全施設の老朽化調査及び老朽化対策計画策定 の ......LCMを導入した維持管理では、問題が発生する前に予測して対応を図る「予防保全」が重要

割引

前割

引後

割引

前累

積割

引後

累積

01.0

00

-

-

-

-

10.9

62

-

-

-

-

20.9

25

-

-

-

-

30.8

89

-

-

-

-

40.8

55

-

-

-

-

50.8

22

-

-

-

-

60.7

90

-

-

-

-

70.7

60

-

-

-

-

80.7

31

-

-

-

-

90.7

03

-

-

-

-

10

0.6

76

45,0

00,0

00

30,4

20,0

00

45,0

00,0

00

30,4

20,0

00

11

0.6

50

45,0

00,0

00

29,2

50,0

00

90,0

00,0

00

59,6

70,0

00

12

0.6

25

45,0

00,0

00

28,1

25,0

00

135

,000

,000

87,7

95,0

00

13

0.6

01

45,0

00,0

00

27,0

45,0

00

180

,000

,000

114

,840

,000

14

0.5

77

45,0

00,0

00

25,9

65,0

00

225

,000

,000

140

,805

,000

15

0.5

55

45,0

00,0

00

24,9

75,0

00

270

,000

,000

165

,780

,000

16

0.5

34

45,0

00,0

00

24,0

30,0

00

315

,000

,000

189

,810

,000

17

0.5

13

45,0

00,0

00

23,0

85,0

00

360

,000

,000

212

,895

,000

18

0.4

94

45,0

00,0

00

22,2

30,0

00

405

,000

,000

235

,125

,000

19

0.4

75

45,0

00,0

00

21,3

75,0

00

450

,000

,000

256

,500

,000

20

0.4

56

45,0

00,0

00

20,5

20,0

00

495

,000

,000

277

,020

,000

21

0.4

39

45,0

00,0

00

19,7

55,0

00

540

,000

,000

296

,775

,000

22

0.4

22

45,0

00,0

00

18,9

90,0

00

585

,000

,000

315

,765

,000

23

0.4

06

45,0

00,0

00

18,2

70,0

00

630

,000

,000

334

,035

,000

24

0.3

90

45,0

00,0

00

17,5

50,0

00

675

,000

,000

351

,585

,000

25

0.3

75

45,0

00,0

00

16,8

75,0

00

720

,000

,000

368

,460

,000

26

0.3

61

45,0

00,0

00

16,2

45,0

00

765

,000

,000

384

,705

,000

27

0.3

47

45,0

00,0

00

15,6

15,0

00

810

,000

,000

400

,320

,000

28

0.3

33

45,0

00,0

00

14,9

85,0

00

855

,000

,000

415

,305

,000

29

0.3

21

45,0

00,0

00

14,4

45,0

00

900

,000

,000

429

,750

,000

30

0.3

08

45,0

00,0

00

13,8

60,0

00

945

,000

,000

443

,610

,000

31

0.2

96

45,0

00,0

00

13,3

20,0

00

990

,000

,000

456

,930

,000

32

0.2

85

45,0

00,0

00

12,8

25,0

00

1,0

35,0

00,0

00

469

,755

,000

33

0.2

74

45,0

00,0

00

12,3

30,0

00

1,0

80,0

00,0

00

482

,085

,000

34

0.2

64

45,0

00,0

00

11,8

80,0

00

1,1

25,0

00,0

00

493

,965

,000

35

0.2

53

45,0

00,0

00

11,3

85,0

00

1,1

70,0

00,0

00

505

,350

,000

36

0.2

44

45,0

00,0

00

10,9

80,0

00

1,2

15,0

00,0

00

516

,330

,000

37

0.2

34

45,0

00,0

00

10,5

30,0

00

1,2

60,0

00,0

00

526

,860

,000

38

0.2

25

45,0

00,0

00

10,1

25,0

00

1,3

05,0

00,0

00

536

,985

,000

39

0.2

17

45,0

00,0

00

9,7

65,0

00

1,3

50,0

00,0

00

546

,750

,000

40

0.2

08

45,0

00,0

00

9,3

60,0

00

1,3

95,0

00,0

00

556

,110

,000

41

0.2

00

45,0

00,0

00

9,0

00,0

00

1,4

40,0

00,0

00

565

,110

,000

42

0.1

93

45,0

00,0

00

8,6

85,0

00

1,4

85,0

00,0

00

573

,795

,000

43

0.1

85

45,0

00,0

00

8,3

25,0

00

1,5

30,0

00,0

00

582

,120

,000

44

0.1

78

45,0

00,0

00

8,0

10,0

00

1,5

75,0

00,0

00

590

,130

,000

45

0.1

71

45,0

00,0

00

7,6

95,0

00

1,6

20,0

00,0

00

597

,825

,000

46

0.1

65

45,0

00,0

00

7,4

25,0

00

1,6

65,0

00,0

00

605

,250

,000

47

0.1

58

45,0

00,0

00

7,1

10,0

00

1,7

10,0

00,0

00

612

,360

,000

48

0.1

52

45,0

00,0

00

6,8

40,0

00

1,7

55,0

00,0

00

619

,200

,000

49

0.1

46

45,0

00,0

00

6,5

70,0

00

1,8

00,0

00,0

00

625

,770

,000

50

0.1

41

45,0

00,0

00

6,3

45,0

00

1,8

45,0

00,0

00

632

,115

,000

図-7.1

1(1

) 損

失便

益の

積算

(4%割

引前

図-7.1

1(2

) 損

失便

益の

積算

(4%割

引後

表-7.2

0 

損失

便益

の積

損失

便益

年次

割引

損失

便益

の積

算(4

%割引

後)

0

500,

000,

000

1,00

0,00

0,00

0

1,50

0,00

0,00

0

2,00

0,00

0,00

0

2,50

0,00

0,00

0

3,00

0,00

0,00

0

05

1015

20

25

30

35

4045

50

年次

損失便益(円)

損失

便益

損失

便益

の積

算(4

%割引

前)

0

500

,000

,000

1,0

00,0

00,0

00

1,5

00,0

00,0

00

2,0

00,0

00,0

00

2,5

00,0

00,0

00

3,0

00,0

00,0

00

05

10

1520

2530

3540

45

50

年次

損失便益(円)

損失

便益

71

Page 77: 漁港海岸保全施設の老朽化調査及び老朽化対策計画策定 の ......LCMを導入した維持管理では、問題が発生する前に予測して対応を図る「予防保全」が重要

72

付録-1 堤防、護岸の構造形式 1.堤防、護岸の構造形式 堤防、護岸の構造形式は、施設の表法勾配や使用材料等により多種類にわたることから、代表的な構造形

式を図-1.1及び図-1.2に示す。また、消波工を有する構造形式も別途ある。

Page 78: 漁港海岸保全施設の老朽化調査及び老朽化対策計画策定 の ......LCMを導入した維持管理では、問題が発生する前に予測して対応を図る「予防保全」が重要

16,030

(11列 1,4

30+10

30) 2t

型コンクリートブロック1,4

30

30

1:2

200

3008601,360

T.P -0.956

T.P +6.2

H.H.W.L +1.66

4,000885 200

3501.5%

平ブロック500 500 200

1:2

密粒度アスコン 厚 50

粗粒度アスコン 厚 50

砕 石 路 盤 工 厚200

フトン篭 1.0 2.0 0.3

クラッシャーラン C 30-0

固定ピン D16 L=1000

詰石

H.W.L NP+0.70

65

456520130

130

154034202802030180

5 54 52 5

116

20

590115

5

1040 55

NP+1.50

NP+2.15H.H.W.L NP+2.00

50

65

35

115

150

65

1:0.3 SL=120

吸出防止材

捨コン

中詰栗石

6535

100~200kg内外

1:1.5 SL=297

被覆石1t内外

NP+2.30

NP+2.80

120

(粘 土 質)

50

01.石張り(傾斜型)

02.コンクリートブロック張型(傾斜型)

図-1.1(1) 堤防の構造形式

番号

01 傾斜型

02

03

04

05

06

07

08

09

10 混成型 上記の組合せ

石張式

・傾斜型は、勾配が1:1より緩いもの、緩傾斜型は勾配が1:3緩いものとする。 ・混成型は01~09の組合せであるため、型式番号を併記するものとする。

緩傾斜型

石張式

コンクリートブロック張式

コンクリート被覆式

直立型

コンクリートブロック張式

コンクリート被覆式

石積式

重力式

扶壁式

構造形式 1(堤防)

構  造  形  式

73

Page 79: 漁港海岸保全施設の老朽化調査及び老朽化対策計画策定 の ......LCMを導入した維持管理では、問題が発生する前に予測して対応を図る「予防保全」が重要

0.50 3.00

1,460 13個+0.02+.14=19.14

+4.07i=2%

+3.086

-0.61

2.00

-1.71

1:1.5

被覆石(500kg内外) 基礎捨石(10~200kg)

吸出防止材

切込砕石 t=0.20m

基礎栗石 t=0.30m

+4.00

間詰コンクリート

1:4.0

1:0.3

T.P+4.366

砕 石t=500

空石張t=700

12,000

15,000

5,00018,000

35,000

T.P -3.134

T.P -1.134

T.P +1.966

T.P +3.966

T.P +2.866

1:21:1.51:3

砂 岩

コンクリートマット

500

1:10

練石張t=800

安山岩

5015

30

65

35

65

100

コンクリート砕     石

3.004050

98

4.95

20

30

60

60

46

14 30

3.50

1.00

3.5

41.4

620

T.P.6.20

R=1.2

=2.50砕 石

表 土

計画測立T.P+1.5m

H.W.L.T.P+0.67

L.W.L.T.P-0.43コンクリート

表    土

図-1.1(2) 堤防の構造形式

03.コンクリート被覆式(傾斜型)

04.石張式(緩傾斜型)

05.コンクリートブロック張式(緩傾斜型)

74

Page 80: 漁港海岸保全施設の老朽化調査及び老朽化対策計画策定 の ......LCMを導入した維持管理では、問題が発生する前に予測して対応を図る「予防保全」が重要

1.0

0

3.000.400.50

0.2

01.

303.

35

5.0

0

-1.76

2.20

0.20

0.30

0.30

0.20 0.20

0.30

0.2

0

0.2

0

0.85m

52°R=1.5

0m

L.W.L.-0.024D.L.±0.000

H.W.L.+0.792

500 1,500 210 300 1,580

1:3

山 土

+3.22

1:1

シート

基礎割引10~100kg/個(砂 礫)

石積み200~500kg/個

+3.12

コンクリート

境界ブロック

砂利洗出し舗装

150

150

50

1:1

1:1

石積み500kg/個内外

+3.10

コンクリート

切込砕石

1:5

18.00

0.10

0.20

0.20

2.00~

2.50

+4.20

3%

0.25

0.25 1

:0.3

0.50

0.15 0.2

0.5

植栽縁石

天端被覆コンクリート(厚)0.25

+3.30

5.00 0.35 3.15

0.20

T.P±0.00

基礎工(厚)0.2(切込砕石40mm以下)

-0.30

異形ブロック2ton

0.10 2.50 0.10

0.3

01.5

0

基礎コンクリート止水工鋼矢板

-5.00

2.00根固工

H.H.W.L +1.02H.W.L +0.46

L.W.L +0.18

図-1.1(3) 堤防の構造形式

06.コンクリート被覆式(緩傾斜型)

07.石積式

08.重力式

75

Page 81: 漁港海岸保全施設の老朽化調査及び老朽化対策計画策定 の ......LCMを導入した維持管理では、問題が発生する前に予測して対応を図る「予防保全」が重要

0.45

0.3

2.200.40.4

3.00

0.7

00.

702.

400.6

0

1.00

0.80

1.30

0.50

0.1

5

R=1.00

0.15

0.18 3.50

0.40

1.0

0

3%0.15

0.2

5

0.50

0.2

0.150.500.15

コンクリートブロック

面 面 控33 33 35cm

表層密粒度アスファルトコンクリート

プライムコートPK-315 /

上層切込砕石25mm以下厚10cm

下層    40mm

0.37

アスファルト紙1kg/

止水工・コルゲート型幅200mm厚5mm

+5.40

+4.40

-0.40

D.L.0.00

-2.50

軽量鋼矢板長2.4 厚6mm 幅333mm

0.80 0.201.200.600.60

0.50

0.5

0

L.W.L.+0.00

H.W.L.+0.46

H.H.W.L.+1.21

0.30.30.3

Φ19mm

0.16

09.扶壁式

図-1.1(4) 堤防の構造形式

76

Page 82: 漁港海岸保全施設の老朽化調査及び老朽化対策計画策定 の ......LCMを導入した維持管理では、問題が発生する前に予測して対応を図る「予防保全」が重要

16,030

(11列 1,4

30+10

30) 2t

型コンクリートブロック1,4

30

30

1:2

200

3008601,360

T.P -0.956

T.P +6.2

H.H.W.L +1.66

4,000885 200

3501.5%

平ブロック500 500 200

1:2

密粒度アスコン 厚 50

粗粒度アスコン 厚 50

砕 石 路 盤 工 厚200

フトン篭 1.0 2.0 0.3

クラッシャーラン C 30-0

固定ピン D16 L=1000

詰石

H.W.L NP+0.70

65

456520130

130

154034202802030180

5 54 52 5

116

205

90115

5

1040 55

NP+1.50

NP+2.15H.H.W.L NP+2.00

5065

35115

150

65

1:0.3 SL=120

吸出防止材

捨コン

中詰栗石

6535

100~200kg内外

1:1.5 SL=297

被覆石1t内外

NP+2.30

NP+2.80

120

(粘 土 質)

50

図-1.2(1) 護岸の構造形式

番号

1112131415

161718192021222324252627282930 混成型

石枠式

コンクリートブロック積式セル式矢板式

構造形式 2(護岸)

ケーソン式

石積式重力式

構  造  形  式

捨石式

扶壁式突型式

石張式

石張式コンクリートブロック張式

捨ブロック式

傾斜型

緩傾斜型

コンクリート被覆式

コンクリートブロック張式コンクリート被覆式

捨ブロック式

・傾斜型は、勾配が1:1より緩いもの、緩傾斜型は勾配が1:3緩いものとする。 ・混成型は11~29の組合せであるため、型式番号を併記するものとする。

上記の組合せ

捨石式

直立型

12.コンクリートブロック張型(傾斜型)

11.石張式(傾斜型)

77

Page 83: 漁港海岸保全施設の老朽化調査及び老朽化対策計画策定 の ......LCMを導入した維持管理では、問題が発生する前に予測して対応を図る「予防保全」が重要

5.55 4.15 5.20

14.90

4.15

異形ブロック5t 乱積

6.00

TP + 2.50

1:1.2

捨 石

200kg

内 外

267

300

20

1:2.0

70

被覆石 1.0t

1:2.0

70

捨 石 50kg

5015

30

65

35

65

100

コンクリート砕     石

3.004050

98

4.95

20

30

60

60

46

14 30

3.50

1.00

3.5

41.4

620

T.P.6.20

R=1.2

=2.50

砕 石

表 土

計画測立T.P+1.5m

H.W.L.T.P+0.67

L.W.L.T.P-0.43コンクリート

表    土

図-1.2(2) 護岸の構造形式

13.コンクリート被覆式(傾斜型)

14.捨石式(傾斜型)

15.捨ブロック式(傾斜型)

78

Page 84: 漁港海岸保全施設の老朽化調査及び老朽化対策計画策定 の ......LCMを導入した維持管理では、問題が発生する前に予測して対応を図る「予防保全」が重要

1:5

18.00

0.10

0.20

0.20

2.00~

2.50

+4.20

3%

0.25

0.25 1

:0.3

0.50

0.15 0.2

0.5

植栽縁石

天端被覆コンクリート(厚)0.25

+3.30

5.00 0.35 3.15

0.20

T.P±0.00

基礎工(厚)0.2(切込砕石40mm以下)

-0.30

異形ブロック2ton

0.10 2.50 0.10

0.30

1.50

基礎コンクリート止水工鋼矢板

-5.00

2.00根固工

H.H.W.L +1.02H.W.L +0.46

L.W.L +0.18

0.50 3.00

1,460 13個+0.02+.14=19.14

+4.07i=2%

+3.086

-0.61

2.00

-1.71

1:1.5

被覆石(500kg内外) 基礎捨石(10~200kg)

吸出防止材

切込砕石 t=0.20m

基礎栗石 t=0.30m

+4.00

間詰コンクリート

1:4.0

1:0.3

T.P+4.366

砕 石t=500

空石張t=700

12,000

15,000

5,00018,000

35,000

T.P -3.134

T.P -1.134

T.P +1.966

T.P +3.966

T.P +2.866

1:21:1.51:3

砂 岩

コンクリートマット

500

1:10

練石張t=800

安山岩

図-1.2(3) 護岸の構造形式

16.石張式(緩傾斜型)

17.コンクリートブロック張式(緩傾斜型)

18.コンクリート被覆式(緩傾斜型)

79

Page 85: 漁港海岸保全施設の老朽化調査及び老朽化対策計画策定 の ......LCMを導入した維持管理では、問題が発生する前に予測して対応を図る「予防保全」が重要

500 1,500 210 300 1,580

1:3

山 土

+3.22

1:1

シート

基礎割引10~100kg/個(砂 礫)

石積み200~500kg/個

+3.12

コンクリート

境界ブロック

砂利洗出し舗装

150

150

50

1:1

1:1

石積み500kg/個内外

+3.10

コンクリート

切込砕石

5.55 4.15 5.20

14.90

4.15

異形ブロック5t 乱積

6.00

TP + 2.50

1:1.2

捨 石

200kg

内 外

267

300

20

1:2.0

70

被覆石 1.0t

1:2.0

70

捨 石 50kg

図-1.2(4) 護岸の構造形式

19.捨石式(緩傾斜型)

20.捨ブロック式(緩傾斜型)

21.石積式

80

Page 86: 漁港海岸保全施設の老朽化調査及び老朽化対策計画策定 の ......LCMを導入した維持管理では、問題が発生する前に予測して対応を図る「予防保全」が重要

162

6030

1508850

60

30

500

+1.40

H.W.L.+2.10m

450

A.P.±0

鋼矢板Ⅲ型

H杭(300)H杭(300)

盛 砂

4.00

A.P.+6.40m

H.H.W.L.A.P.5.10m

0.45

0.3

2.200.40.4

3.00

0.7

00.7

02.4

00.

60

1.00

0.80

1.30

0.50

0.15

R=1.00

0.15

0.18 3.50

0.40

1.0

0

3%0.15

0.2

5

0.50

0.2

0.150.500.15

コンクリートブロック

面 面 控33 33 35cm

表層密粒度アスファルトコンクリート

プライムコートPK-315 /

上層切込砕石25mm以下厚10cm

下層    40mm

0.37

アスファルト紙1kg/

止水工・コルゲート型幅200mm厚5mm

+5.40

+4.40

-0.40

D.L.0.00

-2.50

軽量鋼矢板長2.4 厚6mm 幅333mm

0.8

0

0.201.200.600.60

0.50

0.5

0

L.W.L.+0.00

H.W.L.+0.46

H.H.W.L.+1.21

0.30.30.3

Φ19mm

0.161.

00

3.000.400.50

0.2

01.3

03.

35

5.0

0

-1.76

2.20

0.2

00.

30

0.30

0.20 0.20

0.30

0.2

0

0.2

0

0.85m

52°R=1.5

0m

L.W.L.-0.024D.L.±0.000

H.W.L.+0.792

図-1.2(5) 堤防の構造形式

22.重力式

23.扶壁式

24.突型式

81

Page 87: 漁港海岸保全施設の老朽化調査及び老朽化対策計画策定 の ......LCMを導入した維持管理では、問題が発生する前に予測して対応を図る「予防保全」が重要

-20.00

+2.00

+4.00+5.80

3.65721.313

24.970

+4.00

土丹岩

砂岩(100kg内外)

中 詰 砂

置  砂

+2.50

-8.001:2

12.004.009.30

-10.00

-13.00

1:31:3

3.00

平均敷砂天端高 -23.00

敷  砂

土丹岩(50kg内外)

砂岩(50~100kg)

3.00

砂岩(50~100kg)

1:2

1:21:2

(Y.S.P-FA型)鋼矢板

被覆割石(100~200kg)厚0.80m

線法立埋

0.50 2.50 0.20.3

0.53

敷砂

捨石20kg内外

2.5

0.3

0.2

1.1 0.3

0.3

栗 石

+3.0

+4.0

+1.0

-0.52.0

200kg内外

H.W.L.+2.6

L.W.L.+0.3

-3.5

-5.5

5.00

方塊

方塊-1.0

-1.5

6.501.50

4.90

+8.50

+6.50

5.0

0

+3.00

0.2

00.

20

+7.50

+4.00

+2.50

3.50

1.50

裏込

栗石50~200kg

中詰石

1:3

-9.00

-15.00

敷砂

L.W.L±0.00(C.D.L)1:4/3H.W.L+1.63m

H.H.W.L+3.70m

異形消波ブロック

12.5t

800kg

1,000kg

-5.00

-6.50

50~200kg

敷砂

1:3

1:3

1:3

25.ケーソン式

図-1.2(6) 護岸の構造形式

26.コンクリートブロック積式

27.セル式

82

Page 88: 漁港海岸保全施設の老朽化調査及び老朽化対策計画策定 の ......LCMを導入した維持管理では、問題が発生する前に予測して対応を図る「予防保全」が重要

2.501.20

空石張(径30cm玉石)

0.1

0

3.10

T.P. -0.8

防砂布

T.P.+3.8

片 法 枠 工 (A)コンクリート方格材

転石填充

異形ブロック計画高潮位+0.8m

11,0003,500

1,000500300

7001,000

1,000

500

3,000

4,50

0

タイロッドΦ38 500 500OP+3,200

1,000

OP-8,000

H杭 H-300 300 10 15

L=11m

OP-13,300

H杭 H-300 300 10 15

L=16m

鋼矢板ⅢA型L=18m

OP-14,500

O.P±0,000(D.L-0,400)

2,600

3,000

L.W.L. OP+0,450

M.S.L. OP+1,350

H.W.L. OP+2,100

OP+6,500

28.矢板式

図-1.2(7) 護岸の構造形式

29.石枠式

83

Page 89: 漁港海岸保全施設の老朽化調査及び老朽化対策計画策定 の ......LCMを導入した維持管理では、問題が発生する前に予測して対応を図る「予防保全」が重要

付録-2 一次調査シート

一次調査シートは、以下に示すシートを基本としてもよい。

①全体図記入シート

調査を実施した箇所の概要を把握するため、全体平面図と断面図を記入

②調査結果記入シート

調査結果と写真位置図を記入

84

Page 90: 漁港海岸保全施設の老朽化調査及び老朽化対策計画策定 の ......LCMを導入した維持管理では、問題が発生する前に予測して対応を図る「予防保全」が重要

【全体図記入シート】

海岸名 地区名 施設名 建設年度 年度

調査者氏名 調査者所属 No.

断 面図

調査を実施する全範囲

調査箇所

全 体平 面図

計画天端高(余裕高を含む施工天端高):F.H.=   m

機能上必要な天端高(余裕高を見込まない天端高):F.H=   m

85

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【調査概要記入欄】

調査年月日:平成  年  月  日  天候:晴 曇 雨

海岸名 施設名 調査者氏名

調査者所属 スパンNo. No.

【調査結果記入欄】

各項目に対して、該当する変状の有無をチェックする。(例:■)

調査位置 有 無 変状番号

□ □

□ □

□ □

□ □

□ □

□ □

□ □

□ □

□ □

□ □

□ □

□ □

□ □

□ □

□ □

□ □

□ □

□ □

□ □

□ □

□ □

□ □

□ □

□ □

□ □

□ □

□ □

□ □

□ □

□ □

□ □

砂浜 □ □

□ □

□ □

□ □

【調査結果記入欄】

二次調査実施予定年月:平成  年  月実施予定

変状の有無 変状の項目

漏水の痕跡がみられる

鉄筋の腐食

ひび割れがみられる

剥離・剥落・欠損がみられる

錆汁、鉄筋露出がみられる

植生の異常(繁茂等)がみられる植生の異常(繁茂等)

No.   ~No.

天端被覆工

沈下・陥没 沈下・陥没がみられる

漏水の痕跡

波返工

補修箇所の状況

目地の開き、相対移動量

ひび割れ

剥離・剥落・欠損

地区名

調査を実施した全範囲

ひび割れ ひび割れがみられる

隣接スパンとの高低差、ずれ、目地の開きがみられる

補修箇所における変状の発生の有無

目地部、打継ぎ部の状況隣接スパンとの高低差、ずれ、目地の開きがみられる

剥離・損傷

補修箇所の状況 補修箇所における変状の発生の有無

排水工目地のずれ 高低差、ずれ、目地のひらきがみられる

剥離・剥落・欠損がみられる

補修箇所の状況 補修箇所における変状の発生の有無

消波工ブロック破損 ブロックに破損がみられる

表法被覆工

ひび割れ

漏水の痕跡

植生の異常(繁茂等)

ひび割れがみられる

漏水の痕跡がみられる

植生の異常(繁茂等)がみられる

移動・散乱 ブロックの移動・散乱がみられる

補修箇所における変状の発生の有無

鉄筋の腐食

補修箇所の状況

剥離・損傷 剥離・剥落・欠損がみられる

錆汁、鉄筋露出がみられる

目地部、打継ぎ部の状況目地材がなくなっている。目地の隙間・ずれがみられる

沈下・陥没 沈下・陥没がみられる

裏法被覆工

ひび割れ ひび割れがみられる

目地部、打継ぎ部の状況目地材がなくなっている。目地の隙間・ずれがみられる

漏水の痕跡 漏水の痕跡がみられる

沈下・陥没 沈下・陥没がみられる

ブロックに破損がみられる

沈下がみられる

植生の異常(繁茂等)

剥離・損傷 剥離・剥落・欠損がみられる

植生の異常(繁茂等)がみられる

移動・散乱がみられる

侵食・堆積

補修箇所の状況 補修箇所における変状の発生の有無

汀線の移動(後退、前進)、浜崖がみられる

根固工

移動・散乱

ブロック破損

沈下

86

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【変状位置図】変状番号を記入

■波返工

(   )m

海側

陸側

■天端被覆工

(   )m

海側

陸側

■表法被覆工

(   )m

海側

陸側

■裏法被覆工

(   )m

海側

陸側

■消波工、根固工

(   )m

海側

陸側

■砂浜

(   )m

海側

陸側

■排水工

(   )m海側

陸側

(   )m

No.(  )← →No.(  )

(   )m

(   )m

No.(  )← →No.(  )

No.(  )← →No.(  )

(   )m

No.(  )← →No.(  )

(   )m

No.(  )← →No.(  )

(   )m

No.(  )← →No.(  )

(   )m

No.(  )← →No.(  )

87

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付録-3 二次調査シート

二次調査シートは、以下に示すシートを基本としてもよい。

①全体図記入シート

調査を実施した箇所の概要を把握するため、全体平面図と断面図を記入

②調査結果記入シート

調査結果と写真位置図を記入

なお、参考として、鋼矢板等の結果記入シートも示す。

③変状写真シート

変状写真の一覧

88

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【全体図記入シート】

海岸名 地区名 施設名 建設年度 年度

調査者氏名 調査者所属 No.

断 面図

調査を実施する全範囲

調査箇所

全 体平 面図

計画天端高(余裕高を含む施工天端高):F.H.=   m

機能上必要な天端高(余裕高を見込まない天端高):F.H.=   m

89

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【二次】調査結果記入シート

【調査概要記入欄】調査年月日:平成  年  月  日  天候:晴 曇 雨

海岸名 地区名 施設名 調査者氏名調査者所属 No.  ~No. スパンNo.

【調査結果記入欄】・各項目に対して、該当する変状の有無をチェックする。(例:V)・変状、損傷等のランクで、網掛けに該当する場合はa+とする。

a+またはa b c d

ひび割れ

部材背面まで達するひび割れ・亀裂が生じている。(5mm相当)

複数方向に幅数mm程度のひび割れがあるが、背面までは達していない。

1方向に幅数mm程度のひび割れがあるが、背面までは達していない。

1mm以下のひび割れが生じている。もしくは変状なし。

L=B=

剥離・損傷

広範囲(10%以上)に部材の深部まで剥離・損傷が生じている。

表面だけでなく部材の深部まで剥離・損傷が及んでいる。

広範囲(10%以上)であるが、剥離・損傷の発生が表面で留まっている。

ごく小規模の剥離・損傷が生じている。もしくは変状なし。

L=S=

鉄筋の腐食

浮錆が著しく、鉄筋断面積の有意な減少が全体に亘っている。

浮錆が多く、鉄筋表面の大部分あるいは全周に亘る腐食が広範囲に認められる。

錆汁が多く、鉄筋腐食が広範囲に認められる。

一部に、錆汁、点錆がみられる。もしくは変状なし。

L=

目地の開き、相対移動量

転倒、あるいは欠損がある。

移動に伴う目地の開きが大きく、目地部より水の浸透がある。

目地ずれがあるが、水の浸透はない。

目地部にわずかなずれ、段差、開きがみられる。もしくは変状なし。

B=H=D=

沈下・陥没

陥没(落ち込んで穴があくこと)がある。または沈下による3cm以上の沈下(段差)がある。

沈下による凹部が目立つ。

- 部分的な沈下がみられる。もしくは変状なし。 L=

S=

ひび割れ

部材背面まで達するひび割れ・亀裂が生じている。(5mm相当)

複数方向に幅数mm程度のひび割れがあるが、背面までは達していない。

1方向に幅数mm程度のひび割れがあるが、背面までは達していない。

1mm以下のひび割れが生じている。もしくは変状なし。

L=B=

目地部、打継ぎ部の状況

目地部、打継ぎ部のずれが大きく、堤体土砂の流出がみられる。

目地部、打継ぎ部より水の浸透がある。

目地部、打継ぎ部にずれがあるが、水の浸透はない。

目地部、打継ぎ部にわずかなずれ、段差、開きがみられる。もしくは変状なし。

B=H=D=

剥離・損傷

広範囲(10%以上)に部材の深部まで剥離・損傷が生じている。

表面だけでなく部材の深部まで剥離・損傷が及んでいる。

広範囲(10%以上)であるが、剥離・損傷の発生が表面で留まっている。

ごく小規模の剥離・損傷が生じている。もしくは変状なし。

L=S=

排水工 目地のずれ

転倒、あるいは欠損がある。

移動に伴う目地の開きが大きい。天端工との目地部より水の浸透の怖れがある。

目地ずれがあるが、水の浸透はない。

変状なし。 B=H=D=

移動・散乱及び沈下

消波工断面がブロック1層分以上減少している。

消波工断面が減少している。(ブロック1層未満)

- 変状なし。

L=S=

ブロック破損

破損ブロックが1/4以上ある。

破損ブロックは1/4未満である。

少数の破損ブロックがある。

小さなひび割れが発生している。もしくは変状なし。

n=

ひび割れ

部材背面まで達するひび割れ・亀裂が生じている。(5mm相当)

複数方向に幅数mm程度のひび割れがあるが、背面までは達していない。

1方向に幅数mm程度のひび割れがあるが、背面までは達していない。

1mm以下のひび割れが生じている。もしくは変状なし。

L=B=

沈下・陥没

陥没(落ち込んで穴があくこと)がある。または沈下による3cm以上の沈下(段差)がある。

沈下による凹部が目立つ。

- 部分的な沈下がみられる。もしくは変状なし。 L=

S=

目地部、打継ぎ部の状況

目地部、打継ぎ部より背面土砂が吸出されている。

変位に伴う目地部、打継ぎ部のずれはあるが、吸出はない。

- 目地部、打継ぎ部にわずかなずれ、段差、開きがみられる。もしくは変状なし。

B=H=D=

剥離・損傷

広範囲(10%以上)に部材の深部まで剥離・損傷が生じている。

表面だけでなく部材の深部まで剥離・損傷が及んでいる。

広範囲(10%以上)であっても表面の剥離・損傷が生じている。

ごく小規模の剥離・損傷が生じている。もしくは変状なし。

L=S=

鉄筋の腐食

浮錆が著しく、鉄筋断面積の有意な減少が全体に亘っている。

浮錆が多く、鉄筋表面の大部分あるいは全周に亘る腐食が広範囲に認められる。

錆汁が多く、鉄筋腐食が広範囲に認められる。

一部に、錆汁、点錆がみられる。もしくは変状なし。

L=

ひび割れ

部材背面まで達するひび割れ・亀裂が生じている。(5mm相当)

複数方向に幅数mm程度のひび割れがあるが、背面までは達していない。

1方向に幅数mm程度のひび割れがあるが、背面までは達していない。

1mm以下のひび割れが生じている。もしくは変状なし。

L=B=

沈下・陥没

陥没(落ち込んで穴があくこと)がある。または沈下による3cm以上の沈下(段差)がある。

沈下による凹部が目立つ。

- 部分的な沈下がみられる。もしくは変状なし。 L=

S=

目地部、打継ぎ部の状況

目地部、打継ぎ部のずれが大きく、堤体土砂の流出がみられる。

目地部、打継ぎ部より水の浸透がある。

目地部、打継ぎ部にずれがあるが、水の浸透はない。

目地部、打継ぎ部にわずかなずれ、段差、開きがみられる。もしくは変状なし。

B=H=D=

剥離・損傷

広範囲(10%以上)に破損または流出している。

表面だけでなく部材の深部まで剥離・損傷が及んでいる。

広範囲(10%以上)であっても表面の剥離・損傷が生じている。

ごく小規模の剥離・損傷が生じている。もしくは変状なし。

L=S=

砂浜 侵食・堆積

広範囲に亘る砂浜の決壊や浜崖の形成がある。

浜崖の形成の兆候がある。

汀線の後退が認められる。

変状なし。

L=S=

計測寸法

波返工

調査を実施した全範囲 No.

調査位置 変状変状・損傷等のランク

調査結果

消波工

裏法被覆工

表法被覆工

天端被覆工

90

Page 96: 漁港海岸保全施設の老朽化調査及び老朽化対策計画策定 の ......LCMを導入した維持管理では、問題が発生する前に予測して対応を図る「予防保全」が重要

【二次(参考)】調査結果記入シート(鋼矢板等)

【調査結果記入欄】各項目に対して、該当する変状の有無をチェックする。(例:V)

a+またはa b c d腐食による開孔や変形、その他著しい損傷がある。

L.W.L.付近に孔食がある。

開孔箇所から裏埋材が流出している兆候がある。

全体的に発錆がある。

被覆防食工(塗装の場合)

欠損面積率10%以上 欠損面積率0.3%以上10%未満

欠損面積率0.03%以上0.3%未満

欠損面積率0.03%未満

S=

被覆材に鋼材まで達するすり傷、あて傷、はがれ等の損傷が生じている。

被覆材に鋼材まで達していないすり傷、あて傷、はがれ等の損傷が生じている。

保護カバー等に欠損がある。

保護カバー等に損傷がある。

電気防食工

防食管理電位が維持されていない。

- - 防食管理電位が維持されている。

※上表は、港湾の施設の維持管理技術マニュアル(財団法人沿岸技術研究センター(平成19年10月))を参考にして作成。

計測寸法

鋼矢板等

調査位置 変状変状・損傷等のランク

調査結果

鋼材の腐食、亀裂、損傷(防食工を施している場合)

被覆防食工(有機被覆、ペトロラタム被覆、モルタル被覆、金属被覆の場合)

鋼材が露出し、錆が発生している。

変状なし。

N=S=

部分的に発錆がある。

付着物は見られるが、発錆、開孔、損傷は見られない。

N=S=

91

Page 97: 漁港海岸保全施設の老朽化調査及び老朽化対策計画策定 の ......LCMを導入した維持管理では、問題が発生する前に予測して対応を図る「予防保全」が重要

【変状位置図】変状番号を記入

■波返工

(   )m

海側

陸側

■天端被覆工

(   )m

海側

陸側

■表法被覆工

(   )m

海側

陸側

■裏法被覆工

(   )m

海側

陸側

■消波工、根固工

(   )m

海側

陸側

■砂浜

(   )m

海側

陸側

■排水工

(   )m海側

陸側

No.(  )← →No.(  )

(   )m

No.(  )← →No.(  )

(   )m

No.(  )← →No.(  )

(   )m

No.(  )← →No.(  )

(   )m

No.(  )← →No.(  )

(   )m

No.(  )← →No.(  )

(   )m

(   )m

No.(  )← →No.(  )

92

Page 98: 漁港海岸保全施設の老朽化調査及び老朽化対策計画策定 の ......LCMを導入した維持管理では、問題が発生する前に予測して対応を図る「予防保全」が重要

【変状写真シート】

海岸名 地区名 施設名   調査者氏名

□波返工 □天端被覆工 □波返工 □天端被覆工 □波返工 □天端被覆工□排水工 □消波工 □排水工 □消波工 □排水工 □消波工□表法被覆工 □裏法被覆工 □表法被覆工 □裏法被覆工 □表法被覆工 □裏法被覆工□砂浜 □砂浜 □砂浜変状(                   ) 変状(                   ) 変状(                   )写真No.(            ) 写真No.(             ) 写真No.(           )

□波返工 □天端被覆工 □波返工 □天端被覆工 □波返工 □天端被覆工□排水工 □消波工 □排水工 □消波工 □排水工 □消波工□表法被覆工 □裏法被覆工 □表法被覆工 □裏法被覆工 □表法被覆工 □裏法被覆工□砂浜 □砂浜 □砂浜変状(                   ) 変状(                   ) 変状(                   )写真No.(            ) 写真No.(             ) 写真No.(           )

□波返工 □天端被覆工 □波返工 □天端被覆工 □波返工 □天端被覆工□排水工 □消波工 □排水工 □消波工 □排水工 □消波工□表法被覆工 □裏法被覆工 □表法被覆工 □裏法被覆工 □表法被覆工 □裏法被覆工□砂浜 □砂浜 □砂浜変状(                   ) 変状(                   ) 変状(                   )写真No.(            ) 写真No.(             ) 写真No.(           )

□波返工 □天端被覆工 □波返工 □天端被覆工 □波返工 □天端被覆工□排水工 □消波工 □排水工 □消波工 □排水工 □消波工□表法被覆工 □裏法被覆工 □表法被覆工 □裏法被覆工 □表法被覆工 □裏法被覆工□砂浜 □砂浜 □砂浜変状(                   ) 変状(                   ) 変状(                   )写真No.(            ) 写真No.(             ) 写真No.(           )

調査者所属調査を実施し

た全範囲 スパンNo.

損傷状況写真 〔調査位置にチェックを入れる。 例 ■。変状、写真NO.、判定結果を(  )に記入する〕 

No. ~No. No.

93

Page 99: 漁港海岸保全施設の老朽化調査及び老朽化対策計画策定 の ......LCMを導入した維持管理では、問題が発生する前に予測して対応を図る「予防保全」が重要

付録-4 健全度判定表

健全度判定表は、以下に示す表を基本としてもよい。

①健全度判定表 施設の健全度を評価するため、調査位置毎の変状ランクを記入し、施設の健全度ランクを決定する。 なお、参考として、鋼矢板等の健全度判定表も示す。

94

Page 100: 漁港海岸保全施設の老朽化調査及び老朽化対策計画策定 の ......LCMを導入した維持管理では、問題が発生する前に予測して対応を図る「予防保全」が重要

施設

の健

全度

判定

表(1

No.1

No.2

No.3

No.4

No.5

No.6

No.7

No.8

No.9

・・・

a+

部材

背面

まで

達す

るひ

び割

れ・

亀裂

が生

じて

いる

。(

5mm相

当)

b複

数方

向に

幅数

mm程

度の

ひび

割れ

があ

るが

、背

面ま

では

達し

てい

ない

c1方

向に

幅数

mm程

度の

ひび

割れ

があ

るが

、背

面ま

では

達し

てい

ない

d1mm以

下の

ひび

割れ

が生

じて

いる

。も

しく

は変

状な

し。

a+

広範

囲(

10%以

上)

に部

材の

深部

まで

剥離

・損

傷が

生じ

てい

る。

b表

面だ

けで

なく

部材

の深

部ま

で剥

離・

損傷

が及

んで

いる

c広

範囲

(10%

以上

)で

ある

が、

剥離

・損

傷の

発生

が表

面で

留ま

って

いる

dご

く小

規模

の剥

離・

損傷

が生

じて

いる

。も

しく

は変

状な

し。

a浮

錆が

著し

く、

鉄筋

断面

積の

有意

な減

少が

全体

に亘

って

いる

b浮

錆が

多く

、鉄

筋表

面の

大部

分あ

るい

は全

周に

亘る

腐食

が広

範囲

に認

めら

れる

c錆

汁が

多く

、鉄

筋腐

食が

広範

囲に

認め

られ

る。

d一

部に

、錆

汁、

点錆

がみ

られ

る。

もし

くは

変状

なし

a転

倒、

ある

いは

欠損

があ

る。

b移

動に

伴う

目地

の開

きが

大き

く、

目地

部よ

り水

の浸

透が

ある

c目

地ず

れが

ある

が、

水の

浸透

はな

い。

d目

地部

にわ

ずか

なず

れ、

段差

、開

きが

みら

れる

。も

しく

は変

状な

し。

a+

陥没

(落

ち込

んで

穴が

あく

こと

)が

ある

。ま

たは

、沈

下に

よる

3cm以

上の

沈下

(段

差)

があ

る。

b沈

下に

よる

凹部

が目

立つ

c-

d部

分的

な沈

下が

みら

れる

。も

しく

は変

状な

し。

a+

部材

背面

まで

達す

るひ

び割

れ・

亀裂

が生

じて

いる

。(

5mm相

当)

b複

数方

向に

幅数

mm程

度の

ひび

割れ

があ

るが

、背

面ま

では

達し

てい

ない

c1方

向に

幅数

mm程

度の

ひび

割れ

があ

るが

、背

面ま

では

達し

てい

ない

d1mm以

下の

ひび

割れ

が生

じて

いる

。も

しく

は変

状な

し。

a+

目地

部、

打継

ぎ部

のず

れが

大き

く、

堤体

土砂

の流

出が

みら

れる

b目

地部

、打

継ぎ

部よ

り水

の浸

透が

ある

c目

地部

、打

継ぎ

部に

ずれ

があ

るが

、水

の浸

透は

ない

d目

地部

、打

継ぎ

部に

わず

かな

ずれ

、段

差、

開き

がみ

られ

る。

もし

くは

変状

なし

a+

広範

囲(

10%以

上)

に部

材の

深部

まで

剥離

・損

傷が

生じ

てい

る。

b表

面だ

けで

なく

部材

の深

部ま

で剥

離・

損傷

が及

んで

いる

c広

範囲

(10%

以上

)で

ある

が、

剥離

・損

傷の

発生

が表

面で

留ま

って

いる

dご

く小

規模

の剥

離・

損傷

が生

じて

いる

。も

しく

は変

状な

し。

スパ

ン毎

の変

状ラ

ンク

対象

施設

調査

位置

調査

方法

変状

変状

のラ

ンク

確認

され

る変

状の

程度

健全

度判

ひび割

れの長

さ、

ひび割

れの幅

剥離の

範囲、

剥落・

欠損

の深

さと

範囲

錆汁の

有無と

範囲、

鉄筋

露出の

長さ 隣

接ス

パンと

の高

低差、

ずれ、

目地

の開

目視

及び

計測

計測

波返

調査

項目

ひび

割れ

剥離

・損

傷 鉄筋

の腐

食 目地

の開

き、

相対

移動

天端

被覆

沈下

・陥

沈下・

陥没の

深さ

と範

目地

部、

打継

ぎ部

の状

4隅

の隣

接ス

パン

との高

低差、

ずれ、

開き

剥離

・損

剥離・

剥落の

深さ

と範

ひび

割れ

ひび割

れの長

さ、

ひび割

れの幅

目視

及び

計測

堤防

・護

95

Page 101: 漁港海岸保全施設の老朽化調査及び老朽化対策計画策定 の ......LCMを導入した維持管理では、問題が発生する前に予測して対応を図る「予防保全」が重要

施設

の健

全度

判定

表(2

No.1

No.2

No.3

No.4

No.5

No.6

No.7

No.8

No.9

・・・

a+

部材

背面

まで

達す

るひ

び割

れ・

亀裂

が生

じて

いる

。(

5mm相

当)

b複

数方

向に

幅数

mm程

度の

ひび

割れ

があ

るが

、背

面ま

では

達し

てい

ない

c1方

向に

幅数

mm程

度の

ひび

割れ

があ

るが

、背

面ま

では

達し

てい

ない

d1mm以

下の

ひび

割れ

が生

じて

いる

。も

しく

は変

状な

し。

a+

陥没

(落

ち込

んで

穴が

あく

こと

)が

ある

。ま

たは

、沈

下に

よる

3cm以

上の

沈下

(段

差)

があ

る。

b沈

下に

よる

凹部

が目

立つ

c-

d部

分的

な沈

下が

みら

れる

。も

しく

は変

状な

し。

a+

目地

部、

打継

ぎ部

より

背面

土砂

が吸

出さ

れて

いる

b変

位に

伴う

目地

部、

打継

ぎ部

のず

れは

ある

が、

吸出

はな

い。

c-

d目

地部

、打

継ぎ

部に

わず

かな

ずれ

、段

差、

開き

がみ

られ

る。

もし

くは

変状

なし

a+

広範

囲(

10%以

上)

に部

材の

深部

まで

剥離

・損

傷が

生じ

てい

る。

b表

面だ

けで

なく

部材

の深

部ま

で剥

離・

損傷

が及

んで

いる

c広

範囲

(10%以

上)

であ

って

も表

面の

剥離

・損

傷が

生じ

てい

る。

dご

く小

規模

の剥

離・

損傷

が生

じて

いる

。も

しく

は変

状な

し。

a浮

錆が

著し

く、

鉄筋

断面

積の

有意

な減

少が

全体

に亘

って

いる

b浮

錆が

多く

、鉄

筋表

面の

大部

分あ

るい

は全

周に

亘る

腐食

が広

範囲

に認

めら

れる

c錆

汁が

多く

、鉄

筋腐

食が

広範

囲に

認め

られ

る。

d一

部に

、錆

汁、

点錆

がみ

られ

る。

もし

くは

変状

なし

a+

部材

背面

まで

達す

るひ

び割

れ・

亀裂

が生

じて

いる

。(

5mm相

当)

b複

数方

向に

幅数

mm程

度の

ひび

割れ

があ

るが

、背

面ま

では

達し

てい

ない

c1方

向に

幅数

mm程

度の

ひび

割れ

があ

るが

、背

面ま

では

達し

てい

ない

d1mm以

下の

ひび

割れ

が生

じて

いる

。も

しく

は変

状な

し。

a+

陥没

(落

ち込

んで

穴が

あく

こと

)が

ある

。ま

たは

、沈

下に

よる

3cm以

上の

沈下

(段

差)

があ

る。

b沈

下に

よる

凹部

が目

立つ

c-

d部

分的

な沈

下が

みら

れる

。も

しく

は変

状な

し。

a+

目地

部、

打継

ぎ部

のず

れが

大き

く、

堤体

土砂

の流

出が

みら

れる

b目

地部

、打

継ぎ

部よ

り水

の浸

透が

ある

c目

地部

、打

継ぎ

部に

ずれ

があ

るが

、水

の浸

透は

ない

d目

地部

、打

継ぎ

部に

わず

かな

ずれ

、段

差、

開き

がみ

られ

る。

もし

くは

変状

なし

a+

広範

囲(

10%以

上)

に破

損ま

たは

流出

して

いる

b表

面だ

けで

なく

部材

の深

部ま

で剥

離・

損傷

が及

んで

いる

c広

範囲

(10%以

上)

であ

って

も表

面の

剥離

・損

傷が

生じ

てい

る。

dご

く小

規模

の剥

離・

損傷

が生

じて

いる

。も

しく

は変

状な

し。

目視

及び

計測

堤防

・護

剥離

・損

剥離・

剥落の

深さ

と範

裏法

被覆

目地

部、

打継

ぎ部

の状

目地

材の

有無、

隙間・

ずれ

の幅

ひび

割れ

ひび割

れの長

さ、

ひび割

れの幅

目視

及び

計測

表法

被覆

沈下

・陥

沈下・

陥没の

深さ

と範

目地

部、

打継

ぎ部

の状

目地

材の

有無、

隙間・

ずれ

の幅

ひび

割れ

剥離

・損

傷 鉄筋

の腐

健全

度判

ひび割

れの長

さ、

ひび割

れの幅

剥離・

剥落の

深さ

と範

錆汁の

有無と

範囲、

鉄筋

露出の

長さ

スパ

ン毎

の変

状ラ

ンク

対象

施設

調査

位置

調査

方法

変状

変状

のラ

ンク

確認

され

る変

状の

程度

調査

項目

沈下

・陥

沈下・

陥没の

深さ

と範

96

Page 102: 漁港海岸保全施設の老朽化調査及び老朽化対策計画策定 の ......LCMを導入した維持管理では、問題が発生する前に予測して対応を図る「予防保全」が重要

施設

の健

全度

判定

表(3

No.1

No.2

No.3

No.4

No.5

No.6

No.7

No.8

No.9

・・・

a+

消波

工断

面が

ブロ

ック

1層

分以

上減

少し

てい

る。

b消

波工

断面

が減

少し

てい

る。

(ブ

ロッ

ク1層

未満

c-

d変

状な

し。

a破

損ブ

ロッ

クが

1/

4以

上あ

る。

b破

損ブ

ロッ

クは

1/

4未

満で

ある

c少

数の

破損

ブロ

ック

があ

る。

d小

さな

ひび

割れ

が発

生し

てい

る。

もし

くは

変状

なし

a転

倒、

ある

いは

欠損

があ

る。

b移

動に

伴う

目地

の開

きが

大き

い。

天端

工と

の目

地部

より

水の

浸透

の怖

れが

ある

c目

地ず

れが

ある

が、

水の

浸透

はな

い。

d変

状な

し。

a+

広範

囲に

亘る

砂浜

の決

壊や

浜崖

の形

成が

ある

b浜

崖の

形成

の兆

候が

ある

c汀

線の

後退

が認

めら

れる

d変

状な

し。

変状

のラ

ンク

確認

され

る変

状の

程度

調査

項目

対象

施設

調査

位置

調査

方法

変状

健全

度判

ブロ

ック

の移

動・

散乱の

範囲 ひ

び割

れ・

損傷

の程

度、

範囲

スパ

ン毎

の変

状ラ

ンク

目視

消波

移動

・散

乱及

び沈

下 ブロ

ック

破損

目地

の開

き、

相対

移動

隣接

スパ

ンと

の高

低差

、ず

れ、

目地

の開

目視

侵食

・堆

堤防

・護

砂浜の

侵食、

浜崖

形成の

有無

排水

砂浜

目視

及び

計測

97

Page 103: 漁港海岸保全施設の老朽化調査及び老朽化対策計画策定 の ......LCMを導入した維持管理では、問題が発生する前に予測して対応を図る「予防保全」が重要

施設

の健

全度

判定

表(参

考)

No.1

No.2

No.3

No.4

No.5

No.6

No.7

No.8

No.9

・・・

a+

腐食

によ

る開

孔や

変形

、そ

の他

著し

い損

傷が

ある

。開

孔箇

所か

ら裏

埋材

が流

出し

てい

る兆

候が

ある

bL.W.L.付

近に

孔食

があ

る。

全体

的に

発錆

があ

る。

c部

分的

に発

錆が

ある

d付

着物

は見

られ

るが

、発

錆、

開孔

、損

傷は

見ら

れな

い。

a欠

損面

積率

10%以

b欠

損面

積率

0.3%以

上10%未

c欠

損面

積率

0.03%以

上0.3%未

d欠

損面

積率

0.03%未

a鋼

材が

露出

し、

錆が

発生

して

いる

b被

覆材

に鋼

材ま

で達

する

すり

傷、

あて

傷、

はが

れ等

の損

傷が

生じ

てい

る。

保護

カバ

ー等

に欠

損が

ある

c被

覆材

に鋼

材ま

で達

して

いな

いす

り傷

、あ

て傷

、は

がれ

等の

損傷

が生

じて

いる

。保

護カ

バー

等に

損傷

があ

る。

d変

状な

し。

a防

食管

理電

位が

維持

され

てい

ない

b-

c-

d防

食管

理電

位が

維持

され

てい

る。

鋼矢

板等

電気

防食

工電

位測

電極

ごと

の防

食管

理電

位(

飽和

甘こ

う-8

00mV

、海

水塩

化銀

-800mV、

飽和

硫酸

銅-8

50mV

被覆

防食

工(

有機

被覆

、ペ

トロ

ラタ

ム被

覆、

モル

タル

被覆

、金

属被

覆の

場合

目視

鋼材

の腐

食、

露出

、被

覆材

の損

傷、

保護

カバ

ー等

の状

面積

欠損

健全

度判

スパ

ン毎

の変

状ラ

ンク

鋼材

の腐

食、

亀裂

、損

傷(

防食

工を

施し

てい

る場

合)

目視

穴あ

きの

有無

、水

面上

の鋼

材の

腐食

、表

面の

傷の

状況

、継

手の

腐食

状況

堤防

・護

変状

のラ

ンク

確認

され

る変

状の

程度

調査

項目

対象

施設

調査

位置

調査

方法

変状

被覆

防食

工(

塗装

の場

合)

目視

98

Page 104: 漁港海岸保全施設の老朽化調査及び老朽化対策計画策定 の ......LCMを導入した維持管理では、問題が発生する前に予測して対応を図る「予防保全」が重要

付録-5 変状事例集

①一次調査事例集

一次調査において、変状の有無を判断する際の参考事例

②二次調査事例集

二次調査において、変状ランクを判定する際の参考事例

 本事例集に掲載した参考写真は、「平成20年度 堤防等の耐震性能設計及び老朽化対策技術に関する調査委託事業 報告書」(平成21年3月 水産庁防災漁村課) 資料編及び「ライフサイクルマネジメントのための海岸保全施設維持管理マニュアル(案)(平成20年2月 農林水産省農村振興局防災課/農林水産省水産庁防災漁村課/国土交通省河川局海岸室/国土交通省港湾局海岸・防災課) 付録-3 変状事例集」より引用した。

 調査現場において、変状の有無を判断する際に、標本を参考にしながら作業を行う場合には、以下の事例集を用いてもよい。

99

Page 105: 漁港海岸保全施設の老朽化調査及び老朽化対策計画策定 の ......LCMを導入した維持管理では、問題が発生する前に予測して対応を図る「予防保全」が重要

①一

次調

査事

例集

一次

調査

事例

集 (

1)

調査

位置

補修

箇所

の状

況補

修箇

所に

おけ

る変

状の

発生

の有

変状

の有

無変

状の

項目

(判断

の目

安と

して

の参

考写

真)

鉄筋

の腐

錆汁

、鉄

筋露

出が

みら

れる

目地

の開

き、

相対

移動

隣接

スパ

ンと

の高

低差

、ず

れ、

目地

の開

きが

みら

れる

波返

補修

箇所

の状

目地

のず

れ排

水工

ひび

割れ

剥離

・剥

落・欠

補修

箇所

にお

ける

変状

の発

生の

有無

ひび

割れ

がみ

られ

変状

の有

無変

状の

項目

(判断

の目

安と

して

の参

考写

真)

剥離

・剥落

・欠

損が

みら

れる

高低

差、

ずれ

、目

地の

ひら

きが

みら

れる

100

Page 106: 漁港海岸保全施設の老朽化調査及び老朽化対策計画策定 の ......LCMを導入した維持管理では、問題が発生する前に予測して対応を図る「予防保全」が重要

一次

調査

事例

集 (

2)

調査

位置

漏水

の痕

跡が

みら

れる

天端

被覆

沈下

・陥没

沈下

・陥没

がみ

られ

ひび

割れ

ひび

割れ

がみ

られ

剥離

・損傷

漏水

の痕

剥離

・剥落

・欠

損が

みら

れる

補修

箇所

の状

況補

修箇

所に

おけ

る変

状の

発生

の有

目地

部、

打継

ぎ部

の状

隣接

スパ

ンと

の高

低差

、ず

れ、

目地

の開

きが

みら

れる

変状

の項

目(判

断の

目安

とし

ての

参考

写真

)植

生の

異常

(繁

茂等

)がみ

られ

変状

の有

植生

の異

常(繁

茂等

変状

の有

無変

状の

項目

(判断

の目

安と

して

の参

考写

真)

101

Page 107: 漁港海岸保全施設の老朽化調査及び老朽化対策計画策定 の ......LCMを導入した維持管理では、問題が発生する前に予測して対応を図る「予防保全」が重要

一次

調査

事例

集 (

3)

調査

位置

変状

の有

無変

状の

項目

(判断

の目

安と

して

の参

考写

真)

漏水

の痕

跡が

みら

れる

変状

の有

沈下

・陥

植生

の異

常(繁

茂等

変状

の項

目(判

断の

目安

とし

ての

参考

写真

)沈

下・陥

没が

みら

れる

目地

部、

打継

ぎ部

の状

目地

材が

なくな

って

いる

。目

地の

隙間

・ず

れが

みら

れる

漏水

の痕

植生

の異

常(繁

茂等

)がみ

られ

鉄筋

の腐

錆汁

、鉄

筋露

出が

みら

れる

補修

箇所

の状

況補

修箇

所に

おけ

る変

状の

発生

の有

表法

被覆

ひび

割れ

ひび

割れ

がみ

られ

剥離

・損傷

剥離

・剥落

・欠

損が

みら

れる

102

Page 108: 漁港海岸保全施設の老朽化調査及び老朽化対策計画策定 の ......LCMを導入した維持管理では、問題が発生する前に予測して対応を図る「予防保全」が重要

一次

調査

事例

集 (

4)

調査

位置

補修

箇所

にお

ける

変状

の発

生の

有無

植生

の異

常(繁

茂等

)がみ

られ

沈下

・陥

没が

みら

れる

変状

の有

無変

状の

項目

(判断

の目

安と

して

の参

考写

真)

裏法

被覆

ひび

割れ

ひび

割れ

がみ

られ

目地

部、

打継

ぎ部

の状

剥離

・損傷

剥離

・剥落

・欠

損が

みら

れる

漏水

の痕

沈下

・陥

植生

の異

常(繁

茂等

漏水

の痕

跡が

みら

れる

目地

材が

なくな

って

いる

。目

地の

隙間

・ず

れが

みら

れる

変状

の有

無変

状の

項目

(判断

の目

安と

して

の参

考写

真)

補修

箇所

の状

103

Page 109: 漁港海岸保全施設の老朽化調査及び老朽化対策計画策定 の ......LCMを導入した維持管理では、問題が発生する前に予測して対応を図る「予防保全」が重要

一次

調査

事例

集 (

5)

調査

位置

ブロ

ック

破損

ブロ

ック

に破

損が

みら

れる

沈下

がみ

られ

る根

固工

移動

・散乱

ブロ

ック

破損

沈下

ブロ

ック

に破

損が

みら

れる

砂浜

侵食

・堆積

汀線

の移

動(後

退、

前進

)、浜

崖が

みら

れる

消波

移動

・散乱

変状

の有

無変

状の

項目

(判断

の目

安と

して

の参

考写

真)

変状

の項

目(判

断の

目安

とし

ての

参考

写真

)ブ

ロッ

クの

移動

・散

乱が

みら

れる

移動

・散乱

がみ

られ

変状

の有

104

Page 110: 漁港海岸保全施設の老朽化調査及び老朽化対策計画策定 の ......LCMを導入した維持管理では、問題が発生する前に予測して対応を図る「予防保全」が重要

②二

次調

査事

例集

二次

調査

事例

集 (

1)

a+ま

たは

ab

cd

部材

背面

まで

達す

るひ

び割

れ・亀

裂が

生じ

てい

る。

(5m

m相

当)

複数

方向

に幅

数m

m程

度の

ひび

割れ

があ

るが

、背

面ま

では

達し

てい

ない

。1方

向に

幅数

mm

程度

のひ

び割

れが

ある

が、

背面

まで

は達

して

いな

い。

1m

m以

下の

ひび

割れ

が生

じて

いる

。も

しく

は変

状な

し。

広範

囲(10%以

上)に

部材

の深

部ま

で剥

離・損

傷が

生じ

てい

る。

表面

だけ

でな

く部

材の

深部

まで

剥離

・損

傷が

及ん

でい

る。

広範

囲(10%以

上)で

ある

が、

剥離

・損

傷の

発生

が表

面で

留ま

って

いる

。ご

く小

規模

の剥

離・損

傷が

生じ

てい

る。

もし

くは

変状

なし

浮錆

が著

しく

、鉄

筋断

面積

の有

意な

減少

が全

体に

亘っ

てい

る。

浮錆

が多

く、

鉄筋

表面

の大

部分

ある

いは

全周

に亘

る腐

食が

広範

囲に

認め

られ

る。

錆汁

が多

く、

鉄筋

腐食

が広

範囲

に認

めら

れる

。一

部に

、錆

汁、

点錆

がみ

られ

る。

もし

くは

変状

なし

55-1

151

転倒

、あ

るい

は欠

損が

ある

。移

動に

伴う

目地

の開

きが

大き

く、

目地

部よ

り水

の浸

透が

ある

。目

地ず

れが

ある

が、

水の

浸透

はな

い。

目地

部に

わず

かな

ずれ

、段

差、

開き

がみ

られ

る。

もし

くは

変状

なし

105

波返

調査

位置

変状

変状

・損傷

等の

ラン

ク(判

断の

目安

とし

ての

参考

写真

)写

真番

ひび

割れ

剥離

・損

鉄筋

の腐

目地

の開

き、

相対

移動

1-1

1-2

1-3

1-4

105

Page 111: 漁港海岸保全施設の老朽化調査及び老朽化対策計画策定 の ......LCMを導入した維持管理では、問題が発生する前に予測して対応を図る「予防保全」が重要

二次

調査

事例

集 (

2)

a+ま

たは

ab

cd

陥没

(落

ち込

んで

穴が

あくこ

と)が

ある

。ま

たは

沈下

によ

る3cm

以上

の沈

下(段

差)が

ある

沈下

によ

る凹

部が

目立

つ。

-部

分的

な沈

下が

みら

れる

。も

しく

は変

状な

し。

5-14

部材

背面

まで

達す

るひ

び割

れ・亀

裂が

生じ

てい

る。

(5m

m相

当)

複数

方向

に幅

数m

m程

度の

ひび

割れ

があ

るが

、背

面ま

では

達し

てい

ない

。1方

向に

幅数

mm

程度

のひ

び割

れが

ある

が、

背面

まで

は達

して

いな

い。

1m

m以

下の

ひび

割れ

が生

じて

いる

。も

しく

は変

状な

し。

目地

部、

打継

ぎ部

のず

れが

大き

く、

堤体

土砂

の流

出が

みら

れる

。目

地部

、打

継ぎ

部よ

り水

の浸

透が

ある

。目

地部

、打

継ぎ

部に

ずれ

があ

るが

、水

の浸

透は

ない

。目

地部

、打

継ぎ

部に

わず

かな

ずれ

、段

差、

開き

がみ

られ

る。

もし

くは

変状

なし

51-3

14

広範

囲(10%以

上)に

部材

の深

部ま

で剥

離・損

傷が

生じ

てい

る。

表面

だけ

でな

く部

材の

深部

まで

剥離

・損

傷が

及ん

でい

る。

広範

囲(10%以

上)で

ある

が、

剥離

・損

傷の

発生

が表

面で

留ま

って

いる

。ご

く小

規模

の剥

離・損

傷が

生じ

てい

る。

もし

くは

変状

なし

7-2

18

沈下

・陥

没2-1

2-2

2-3

天端

被覆

ひび

割れ

目地

部、

打継

ぎ部

の状

剥離

・損

傷2-4

調査

位置

変状

変状

・損傷

等の

ラン

ク(判

断の

目安

とし

ての

参考

写真

)写

真番

106

Page 112: 漁港海岸保全施設の老朽化調査及び老朽化対策計画策定 の ......LCMを導入した維持管理では、問題が発生する前に予測して対応を図る「予防保全」が重要

二次

調査

事例

集 (

3)

a+ま

たは

ab

cd

部材

背面

まで

達す

るひ

び割

れ・亀

裂が

生じ

てい

る。

(5m

m相

当)

複数

方向

に幅

数m

m程

度の

ひび

割れ

があ

るが

、背

面ま

では

達し

てい

ない

。1方

向に

幅数

mm

程度

のひ

び割

れが

ある

が、

背面

まで

は達

して

いな

い。

1mm

以下

のひ

び割

れが

生じ

てい

る。

もし

くは

変状

なし

31-

1

陥没

(落

ち込

んで

穴が

あく

こと

)が

ある

。ま

たは

沈下

によ

る3c

m以

上の

沈下

(段差

)があ

る。

沈下

によ

る凹

部が

目立

つ。

-部

分的

な沈

下が

みら

れる

。も

しくは

変状

なし

目地

部、

打継

ぎ部

より

背面

土砂

が吸

出さ

れて

いる

。変

位に

伴う

目地

部、

打継

ぎ部

のず

れは

ある

が、

吸出

はな

い。

-目

地部

、打

継ぎ

部に

わず

かな

ずれ

、段

差、

開き

がみ

られ

る。

もし

くは

変状

なし

21-1

10

広範

囲(1

0%以

上)に

部材

の深

部ま

で剥

離・損

傷が

生じ

てい

る。

表面

だけ

でな

く部

材の

深部

まで

剥離

・損

傷が

及ん

でい

る。

広範

囲(1

0%以

上)で

あっ

ても

表面

の剥

離・損

傷が

生じ

てい

る。

ごく

小規

模の

剥離

・損傷

が生

じて

いる

。も

しくは

変状

なし

19

表法

被覆

3-4

3-3

目地

部、

打継

ぎ部

の状

鉄筋

の腐

3-1

剥離

・損傷

3-2

沈下

・陥没

ひび

割れ

浮錆

が著

しく、

鉄筋

断面

積の

有意

な減

少が

全体

に亘

って

いる

浮錆

が多

く、

鉄筋

表面

の大

部分

ある

いは

全周

に亘

る腐

食が

広範

囲に

認め

られ

る。

錆汁

が多

く、

鉄筋

腐食

が広

範囲

に認

めら

れる

。一

部に

、錆

汁、

点錆

がみ

られ

る。

もし

くは

変状

なし

調査

位置

変状

変状

・損

傷等

のラ

ンク

(判

断の

目安

とし

ての

参考

写真

)写

真番

107

Page 113: 漁港海岸保全施設の老朽化調査及び老朽化対策計画策定 の ......LCMを導入した維持管理では、問題が発生する前に予測して対応を図る「予防保全」が重要

二次

調査

事例

集 (

4)

a+ま

たは

ab

cd

部材

背面

まで

達す

るひ

び割

れ・亀

裂が

生じ

てい

る。

(5m

m相

当)

複数

方向

に幅

数m

m程

度の

ひび

割れ

があ

るが

、背

面ま

では

達し

てい

ない

。1方

向に

幅数

mm

程度

のひ

び割

れが

ある

が、

背面

まで

は達

して

いな

い。

1m

m以

下の

ひび

割れ

が生

じて

いる

。も

しく

は変

状な

し。

53-2

陥没

(落

ち込

んで

穴が

あくこ

と)が

ある

。ま

たは

沈下

によ

る3cm

以上

の沈

下(段

差)が

ある

沈下

によ

る凹

部が

目立

つ。

-部

分的

な沈

下が

みら

れる

。も

しく

は変

状な

し。

8-1

目地

部、

打継

ぎ部

のず

れが

大き

く、

堤体

土砂

の流

出が

みら

れる

。目

地部

、打

継ぎ

部よ

り水

の浸

透が

ある

。目

地部

、打

継ぎ

部に

ずれ

があ

るが

、水

の浸

透は

ない

。目

地部

、打

継ぎ

部に

わず

かな

ずれ

、段

差、

開き

がみ

られ

る。

もし

くは

変状

なし

96

広範

囲(10%以

上)に

破損

また

は流

出し

てい

る。

表面

だけ

でな

く部

材の

深部

まで

剥離

・損

傷が

及ん

でい

る。

広範

囲(10%以

上)で

あっ

ても

表面

の剥

離・損

傷が

生じ

てい

る。

ごく小

規模

の剥

離・損

傷が

生じ

てい

る。

もし

くは

変状

なし

7-2

4-1

4-4

裏法

被覆

4-2

ひび

割れ

沈下

・陥

4-3

目地

部、

打継

ぎ部

の状

剥離

・損

調査

位置

変状

変状

・損傷

等の

ラン

ク(判

断の

目安

とし

ての

参考

写真

)写

真番

108

Page 114: 漁港海岸保全施設の老朽化調査及び老朽化対策計画策定 の ......LCMを導入した維持管理では、問題が発生する前に予測して対応を図る「予防保全」が重要

二次

調査

事例

集 (

5)

a+ま

たは

ab

cd

転倒

、あ

るい

は欠

損が

ある

。移

動に

伴う

目地

の開

きが

大き

い。

天端

工と

の目

地部

より

水の

浸透

の怖

れが

ある

。目

地ず

れが

ある

が、

水の

浸透

はな

い。

変状

なし

--

消波

工断

面が

ブロ

ック

1層

分以

上減

少し

てい

る。

消波

工断

面が

減少

して

いる

。(ブ

ロッ

ク1層

未満

)-

変状

なし

17-1

17-2

破損

ブロ

ック

が1

/4

以上

ある

。破

損ブ

ロッ

クは

1/

4未

満で

ある

。少

数の

破損

ブロ

ック

があ

る。

小さ

なひ

び割

れが

発生

して

いる

。も

しく

は変

状な

し。

広範

囲に

亘る

砂浜

の決

壊や

浜崖

の形

成が

ある

。浜

崖の

形成

の兆

候が

ある

。汀

線の

後退

が認

めら

れる

。変

状な

し。

排水

工目

地の

ずれ

5-1

消波

移動

・散

乱及

び沈

下6-1

ブロ

ック

破損

6-2

調査

位置

変状

変状

・損傷

等の

ラン

ク(判

断の

目安

とし

ての

参考

写真

)写

真番

砂浜

7-1

侵食

・堆

109

Page 115: 漁港海岸保全施設の老朽化調査及び老朽化対策計画策定 の ......LCMを導入した維持管理では、問題が発生する前に予測して対応を図る「予防保全」が重要

付録-6 健全度評価事例

海岸護岸 L=216.5m

a区間 L= 26.8m

b区間 L=124.5m

c区間 L= 35.3

d区間 L= 29.9m

健全度評価結果を表-1に、施設の健全度判定表を表-2(1)~(4)に示す。

区間健全度の判定ランク

備考

a区間 B

b区間 A

c区間 C

d区間 C

 海岸保全施設の健全度評価事例を以下に示す。 事例は、海岸保全施設延長216.5mの海岸護岸で、構造が異なるa~d区間毎に健全度評価を行ったものである。

A、B、Dランク以外である。

cランクのみである。

表-1 健全度評価結果

判定理由

8割程度の変状現象がbランクである。

a+ランクの変状現象が1つ以上ある。

110

Page 116: 漁港海岸保全施設の老朽化調査及び老朽化対策計画策定 の ......LCMを導入した維持管理では、問題が発生する前に予測して対応を図る「予防保全」が重要

【全体図記入シート】

海岸名 ○○漁港海岸 地区名 ○○地区 施設名 護岸 建設年度 平成22年度

調査者氏名 ○○ ○○ 調査者所属 No.1~23○○県○○課○○係 調査を実施する全範囲

調査箇所

全 体平面図

(d区間)

計画天端高(余裕高を含む施工天端高):EL=+4.00m

機能上必要な天端高(余裕高を見込まない天端高):EL=+4.00m

断面図(a区間) (b区間)

(c区間)

111

Page 117: 漁港海岸保全施設の老朽化調査及び老朽化対策計画策定 の ......LCMを導入した維持管理では、問題が発生する前に予測して対応を図る「予防保全」が重要

健全

度評

価事

例(海

岸護

岸a区

間)

No.1

No.2

--

--

--

--

a+

部材

背面

まで

達す

るひ

び割

れ・

亀裂

が生

じて

いる

。(

5mm相

当)

b複

数方

向に

幅数

mm程

度の

ひび

割れ

があ

るが

、背

面ま

では

達し

てい

ない

c1方

向に

幅数

mm程

度の

ひび

割れ

があ

るが

、背

面ま

では

達し

てい

ない

d1mm以

下の

ひび

割れ

が生

じて

いる

。も

しく

は変

状な

し。

a+

広範

囲(

10%以

上)

に部

材の

深部

まで

剥離

・損

傷が

生じ

てい

る。

b表

面だ

けで

なく

部材

の深

部ま

で剥

離・

損傷

が及

んで

いる

c広

範囲

(10

%以上

)で

ある

が、

剥離

・損

傷の

発生

が表

面で

留ま

って

いる

dご

く小

規模

の剥

離・

損傷

が生

じて

いる

。も

しく

は変

状な

し。

a浮

錆が

著し

く、

鉄筋

断面

積の

有意

な減

少が

全体

に亘

って

いる

b浮

錆が

多く

、鉄

筋表

面の

大部

分あ

るい

は全

周に

亘る

腐食

が広

範囲

に認

めら

れる

c錆

汁が

多く

、鉄

筋腐

食が

広範

囲に

認め

られ

る。

d一

部に

、錆

汁、

点錆

がみ

られ

る。

もし

くは

変状

なし

a転

倒、

ある

いは

欠損

があ

る。

b移

動に

伴う

目地

の開

きが

大き

く、

目地

部よ

り水

の浸

透が

ある

c目

地ず

れが

ある

が、

水の

浸透

はな

い。

d目

地部

にわ

ずか

なず

れ、

段差

、開

きが

みら

れる

。も

しく

は変

状な

し。

a+

陥没

(落

ち込

んで

穴が

あく

こと

)が

ある

。ま

たは

、沈

下に

よる

3cm

以上

の沈

下(

段差

)が

ある

b沈

下に

よる

凹部

が目

立つ

c-

d部

分的

な沈

下が

みら

れる

。も

しく

は変

状な

し。

a+

部材

背面

まで

達す

るひ

び割

れ・

亀裂

が生

じて

いる

。(

5mm相

当)

b複

数方

向に

幅数

mm程

度の

ひび

割れ

があ

るが

、背

面ま

では

達し

てい

ない

c1方

向に

幅数

mm程

度の

ひび

割れ

があ

るが

、背

面ま

では

達し

てい

ない

d1mm以

下の

ひび

割れ

が生

じて

いる

。も

しく

は変

状な

し。

a+

目地

部、

打継

ぎ部

のず

れが

大き

く、

堤体

土砂

の流

出が

みら

れる

b目

地部

、打

継ぎ

部よ

り水

の浸

透が

ある

c目

地部

、打

継ぎ

部に

ずれ

があ

るが

、水

の浸

透は

ない

d目

地部

、打

継ぎ

部に

わず

かな

ずれ

、段

差、

開き

がみ

られ

る。

もし

くは

変状

なし

a+

広範

囲(

10%以

上)

に部

材の

深部

まで

剥離

・損

傷が

生じ

てい

る。

b表

面だ

けで

なく

部材

の深

部ま

で剥

離・

損傷

が及

んで

いる

c広

範囲

(10

%以上

)で

ある

が、

剥離

・損

傷の

発生

が表

面で

留ま

って

いる

dご

く小

規模

の剥

離・

損傷

が生

じて

いる

。も

しく

は変

状な

し。

スパ

ン毎

の変

状ラ

ンク

対象

施設

調査

位置

調査

方法

変状

変状

のラ

ンク

確認

され

る変

状の

程度

健全

度判

ひび

割れ

の長

さ、

ひび

割れ

の幅

剥離

の範

囲、

剥落

・欠

損の

深さ

と範

錆汁

の有

無と

範囲

、鉄

筋露

出の

長さ

bb

--

--

隣接

スパ

ンと

の高

低差

、ず

れ、

目地

の開

目視

及び

計測 計

波返

--

--

bc

--

ab

--

--

--

--

--

--

--

--

--

調査

項目

ひび

割れ

剥離

・損

鉄筋

の腐

目地

の開

き、

相対

移動

--

bb

天端

被覆

沈下

・陥

没沈

下・

陥没

の深

さと

範囲

目地

部、

打継

ぎ部

の状

4隅

の隣

接ス

パン

との

高低

差、

ずれ

、開

剥離

・損

傷剥

離・

剥落

の深

さと

範囲

ひび

割れ

ひび

割れ

の長

さ、

ひび

割れ

の幅

bb

--

--

--

bb

--

--

--

c-

--

--

目視

及び

計測

--

---

--

b

B堤

防・ 護岸

--

---

bb

健全

度の

判定

ラン

ク健

全度

評価

の目

安変

状の

程度

評価

後の

検討

事項

Aラ

ンク

a+ラ

ンク

と評

価さ

れた

変状

事象

が一

つで

もあ

る場

合。

施設

の主

要部

に大

きな

変状

が発

生し

てお

り、

施設

の機

能低

下が

生じ

てい

る。

緊急

に老

朽化

対策

工事

の実

施を

検討

する

こと

を原

則と

する

緊急

に老

朽化

対策

工事

の実

施を

検討

する

こと

を原

則と

する

計画

的な

老朽

化対

策工

事の

実施

を検

討す

るこ

とを

原則

とす

る。

Cラ

ンク

A,

B,

Dラ

ンク

以外

と評

価さ

れる

場合

。施

設の

主要

部以

外の

部分

や附

帯施

設に

変状

が発

生し

てい

るが

、施

設の

機能

低下

には

至っ

てい

ない

現状

では

老朽

化対

策工

事の

必要

はな

いが

、継

続し

て観

察の

実施

を検

討す

るこ

とを

原則

とす

る。

Dラ

ンク

全て

の調

査位

置の

変状

現象

がdラ

ンク

と評

価さ

れた

場合

。軽

微な

変状

が発

生し

てい

るが

、施

設の

機能

低下

は当

面至

らな

い。

次回

調査

まで

、特

にな

し。

Bラ

ンク

aラン

クの

変状

が一

つで

も生

じて

いる

場合

。も

しく

は、

8割

以上

のbラ

ンク

の変

状が

生じ

てい

る場

合。

施設

の主

要部

に変

状が

発生

して

おり

、施

設の

機能

低下

や変

状連

鎖の

進行

が懸

念さ

れる

 a+

ラン

ク:な

し 

aラン

ク :

1箇所

 bラ

ンク

:13

箇所

(81%

) 

cラン

ク :

2箇所

 dラ

ンク

:な

112

Page 118: 漁港海岸保全施設の老朽化調査及び老朽化対策計画策定 の ......LCMを導入した維持管理では、問題が発生する前に予測して対応を図る「予防保全」が重要

健全

度評

価事

例(海

岸護

岸b区

間)

No.3

No.

4N

o.5

No.

6N

o.7

No.

8N

o.9

No.1

0N

o.1

1N

o.1

2N

o.1

3N

o.1

4

a+

部材

背面

まで

達す

るひ

び割

れ・

亀裂

が生

じて

いる

。(

5mm相

当)

b複

数方

向に

幅数

mm程

度の

ひび

割れ

があ

るが

、背

面ま

では

達し

てい

ない

c1方

向に

幅数

mm程

度の

ひび

割れ

があ

るが

、背

面ま

では

達し

てい

ない

d1mm以

下の

ひび

割れ

が生

じて

いる

。も

しく

は変

状な

し。

a+

広範

囲(

10%以

上)

に部

材の

深部

まで

剥離

・損

傷が

生じ

てい

る。

b表

面だ

けで

なく

部材

の深

部ま

で剥

離・

損傷

が及

んで

いる

c広

範囲

(10

%以上

)で

ある

が、

剥離

・損

傷の

発生

が表

面で

留ま

って

いる

dご

く小

規模

の剥

離・

損傷

が生

じて

いる

。も

しく

は変

状な

し。

a浮

錆が

著し

く、

鉄筋

断面

積の

有意

な減

少が

全体

に亘

って

いる

b浮

錆が

多く

、鉄

筋表

面の

大部

分あ

るい

は全

周に

亘る

腐食

が広

範囲

に認

めら

れる

c錆

汁が

多く

、鉄

筋腐

食が

広範

囲に

認め

られ

る。

d一

部に

、錆

汁、

点錆

がみ

られ

る。

もし

くは

変状

なし

a転

倒、

ある

いは

欠損

があ

る。

b移

動に

伴う

目地

の開

きが

大き

く、

目地

部よ

り水

の浸

透が

ある

c目

地ず

れが

ある

が、

水の

浸透

はな

い。

d目

地部

にわ

ずか

なず

れ、

段差

、開

きが

みら

れる

。も

しく

は変

状な

し。

a+

陥没

(落

ち込

んで

穴が

あく

こと

)が

ある

。ま

たは

、沈

下に

よる

3cm

以上

の沈

下(

段差

)が

ある

b沈

下に

よる

凹部

が目

立つ

c-

d部

分的

な沈

下が

みら

れる

。も

しく

は変

状な

し。

a+

部材

背面

まで

達す

るひ

び割

れ・

亀裂

が生

じて

いる

。(

5mm相

当)

b複

数方

向に

幅数

mm程

度の

ひび

割れ

があ

るが

、背

面ま

では

達し

てい

ない

c1方

向に

幅数

mm程

度の

ひび

割れ

があ

るが

、背

面ま

では

達し

てい

ない

d1mm以

下の

ひび

割れ

が生

じて

いる

。も

しく

は変

状な

し。

a+

目地

部、

打継

ぎ部

のず

れが

大き

く、

堤体

土砂

の流

出が

みら

れる

b目

地部

、打

継ぎ

部よ

り水

の浸

透が

ある

c目

地部

、打

継ぎ

部に

ずれ

があ

るが

、水

の浸

透は

ない

d目

地部

、打

継ぎ

部に

わず

かな

ずれ

、段

差、

開き

がみ

られ

る。

もし

くは

変状

なし

a+

広範

囲(

10%以

上)

に部

材の

深部

まで

剥離

・損

傷が

生じ

てい

る。

b表

面だ

けで

なく

部材

の深

部ま

で剥

離・

損傷

が及

んで

いる

c広

範囲

(10

%以上

)で

ある

が、

剥離

・損

傷の

発生

が表

面で

留ま

って

いる

dご

く小

規模

の剥

離・

損傷

が生

じて

いる

。も

しく

は変

状な

し。

A堤

防・ 護岸

ba+

a+bc

c

a+b

b

目視

及び

計測

bb

ddc

cc

c

b

bb

cc

c

a+a+

bd

a+b

a+b

b

db

a+b

a+b

bb

天端

被覆

沈下

・陥

没沈

下・

陥没

の深

さと

範囲

目地

部、

打継

ぎ部

の状

4隅

の隣

接ス

パン

との

高低

差、

ずれ

、開

剥離

・損

傷剥

離・

剥落

の深

さと

範囲

ひび

割れ

ひび

割れ

の長

さ、

ひび

割れ

の幅

c

調査

項目

ひび

割れ

剥離

・損

鉄筋

の腐

目地

の開

き、

相対

移動

bd

bc

bc

cb

bc

bb

a+a+

c

db

d

d

ba

bb

db

bb

db

a+b

b

a+b

cc

db

隣接

スパ

ンと

の高

低差

、ず

れ、

目地

の開

目視

及び

計測 計

波返

健全

度判

ひび

割れ

の長

さ、

ひび

割れ

の幅

剥離

の範

囲、

剥落

・欠

損の

深さ

と範

錆汁

の有

無と

範囲

、鉄

筋露

出の

長さ

a+b

a+c

db

スパ

ン毎

の変

状ラ

ンク

対象

施設

調査

位置

調査

方法

変状

変状

のラ

ンク

確認

され

る変

状の

程度

b

cc

db

db

db

dc

健全

度の

判定

ラン

ク健

全度

評価

の目

安変

状の

程度

評価

後の

検討

事項

Aラ

ンク

a+

ラン

クと

評価

され

た変

状事

象が

一つ

でも

ある

場合

。施

設の

主要

部に

大き

な変

状が

発生

して

おり

、施

設の

機能

低下

が生

じて

いる

緊急

に老

朽化

対策

工事

の実

施を

検討

する

こと

を原

則と

する

緊急

に老

朽化

対策

工事

の実

施を

検討

する

こと

を原

則と

する

計画

的な

老朽

化対

策工

事の

実施

を検

討す

るこ

とを

原則

とす

る。

Cラ

ンク

A,

B,

Dラ

ンク

以外

と評

価さ

れる

場合

。施

設の

主要

部以

外の

部分

や附

帯施

設に

変状

が発

生し

てい

るが

、施

設の

機能

低下

には

至っ

てい

ない

現状

では

老朽

化対

策工

事の

必要

はな

いが

、継

続し

て観

察の

実施

を検

討す

るこ

とを

原則

とす

る。

Dラ

ンク

全て

の調

査位

置の

変状

現象

がd

ラン

クと

評価

され

た場

合。

軽微

な変

状が

発生

して

いる

が、

施設

の機

能低

下は

当面

至ら

ない

次回

調査

まで

、特

にな

し。

Bラ

ンク

aラ

ンク

の変

状が

一つ

でも

生じ

てい

る場

合。

もし

くは

、8

割以

上の

bラ

ンク

の変

状が

生じ

てい

る場

合。

施設

の主

要部

に変

状が

発生

して

おり

、施

設の

機能

低下

や変

状連

鎖の

進行

が懸

念さ

れる

 a+

ラン

ク:15

箇所

 aラ

ンク

:1箇

所 

bラン

ク :

43箇

所 

cラン

ク :

21箇

所 

dラン

ク :

16箇

113

Page 119: 漁港海岸保全施設の老朽化調査及び老朽化対策計画策定 の ......LCMを導入した維持管理では、問題が発生する前に予測して対応を図る「予防保全」が重要

健全

度評

価事

例(海

岸護

岸c区

間)

No.1

5N

o.1

6N

o.1

7N

o.1

8-

--

--

a+

部材

背面

まで

達す

るひ

び割

れ・

亀裂

が生

じて

いる

。(

5mm相

当)

b複

数方

向に

幅数

mm程

度の

ひび

割れ

があ

るが

、背

面ま

では

達し

てい

ない

c1方

向に

幅数

mm程

度の

ひび

割れ

があ

るが

、背

面ま

では

達し

てい

ない

d1mm以

下の

ひび

割れ

が生

じて

いる

。も

しく

は変

状な

し。

a+

広範

囲(

10%以

上)

に部

材の

深部

まで

剥離

・損

傷が

生じ

てい

る。

b表

面だ

けで

なく

部材

の深

部ま

で剥

離・

損傷

が及

んで

いる

c広

範囲

(10

%以上

)で

ある

が、

剥離

・損

傷の

発生

が表

面で

留ま

って

いる

dご

く小

規模

の剥

離・

損傷

が生

じて

いる

。も

しく

は変

状な

し。

a浮

錆が

著し

く、

鉄筋

断面

積の

有意

な減

少が

全体

に亘

って

いる

b浮

錆が

多く

、鉄

筋表

面の

大部

分あ

るい

は全

周に

亘る

腐食

が広

範囲

に認

めら

れる

c錆

汁が

多く

、鉄

筋腐

食が

広範

囲に

認め

られ

る。

d一

部に

、錆

汁、

点錆

がみ

られ

る。

もし

くは

変状

なし

a転

倒、

ある

いは

欠損

があ

る。

b移

動に

伴う

目地

の開

きが

大き

く、

目地

部よ

り水

の浸

透が

ある

c目

地ず

れが

ある

が、

水の

浸透

はな

い。

d目

地部

にわ

ずか

なず

れ、

段差

、開

きが

みら

れる

。も

しく

は変

状な

し。

a+

陥没

(落

ち込

んで

穴が

あく

こと

)が

ある

。ま

たは

、沈

下に

よる

3cm

以上

の沈

下(

段差

)が

ある

b沈

下に

よる

凹部

が目

立つ

c-

d部

分的

な沈

下が

みら

れる

。も

しく

は変

状な

し。

a+

部材

背面

まで

達す

るひ

び割

れ・

亀裂

が生

じて

いる

。(

5mm相

当)

b複

数方

向に

幅数

mm程

度の

ひび

割れ

があ

るが

、背

面ま

では

達し

てい

ない

c1方

向に

幅数

mm程

度の

ひび

割れ

があ

るが

、背

面ま

では

達し

てい

ない

d1mm以

下の

ひび

割れ

が生

じて

いる

。も

しく

は変

状な

し。

a+

目地

部、

打継

ぎ部

のず

れが

大き

く、

堤体

土砂

の流

出が

みら

れる

b目

地部

、打

継ぎ

部よ

り水

の浸

透が

ある

c目

地部

、打

継ぎ

部に

ずれ

があ

るが

、水

の浸

透は

ない

d目

地部

、打

継ぎ

部に

わず

かな

ずれ

、段

差、

開き

がみ

られ

る。

もし

くは

変状

なし

a+

広範

囲(

10%以

上)

に部

材の

深部

まで

剥離

・損

傷が

生じ

てい

る。

b表

面だ

けで

なく

部材

の深

部ま

で剥

離・

損傷

が及

んで

いる

c広

範囲

(10

%以上

)で

ある

が、

剥離

・損

傷の

発生

が表

面で

留ま

って

いる

dご

く小

規模

の剥

離・

損傷

が生

じて

いる

。も

しく

は変

状な

し。

C堤

防・ 護岸

--

---

dd

目視

及び

計測

dd

---

--

d

--

dd

d

-c

c-

cc

--

--

--

bb

cc

天端

被覆

沈下

・陥

没沈

下・

陥没

の深

さと

範囲

目地

部、

打継

ぎ部

の状

4隅

の隣

接ス

パン

との

高低

差、

ずれ

、開

剥離

・損

傷剥

離・

剥落

の深

さと

範囲

ひび

割れ

ひび

割れ

の長

さ、

ひび

割れ

の幅

調査

項目

ひび

割れ

剥離

・損

鉄筋

の腐

目地

の開

き、

相対

移動

--

cc

cc

--

--

--

--

cc

cc

--

--

-c

cc

c

--

--

隣接

スパ

ンと

の高

低差

、ず

れ、

目地

の開

目視

及び

計測 計

波返

健全

度判

ひび

割れ

の長

さ、

ひび

割れ

の幅

剥離

の範

囲、

剥落

・欠

損の

深さ

と範

錆汁

の有

無と

範囲

、鉄

筋露

出の

長さ

cc

dd

--

スパ

ン毎

の変

状ラ

ンク

対象

施設

調査

位置

調査

方法

変状

変状

のラ

ンク

確認

され

る変

状の

程度

健全

度の

判定

ラン

ク健

全度

評価

の目

安変

状の

程度

評価

後の

検討

事項

Aラ

ンク

a+ラ

ンク

と評

価さ

れた

変状

事象

が一

つで

もあ

る場

合。

施設

の主

要部

に大

きな

変状

が発

生し

てお

り、

施設

の機

能低

下が

生じ

てい

る。

緊急

に老

朽化

対策

工事

の実

施を

検討

する

こと

を原

則と

する

緊急

に老

朽化

対策

工事

の実

施を

検討

する

こと

を原

則と

する

計画

的な

老朽

化対

策工

事の

実施

を検

討す

るこ

とを

原則

とす

る。

Cラ

ンク

A,

B,

Dラ

ンク

以外

と評

価さ

れる

場合

。施

設の

主要

部以

外の

部分

や附

帯施

設に

変状

が発

生し

てい

るが

、施

設の

機能

低下

には

至っ

てい

ない

現状

では

老朽

化対

策工

事の

必要

はな

いが

、継

続し

て観

察の

実施

を検

討す

るこ

とを

原則

とす

る。

Dラ

ンク

全て

の調

査位

置の

変状

現象

がdラ

ンク

と評

価さ

れた

場合

。軽

微な

変状

が発

生し

てい

るが

、施

設の

機能

低下

は当

面至

らな

い。

次回

調査

まで

、特

にな

し。

Bラ

ンク

aラン

クの

変状

が一

つで

も生

じて

いる

場合

。も

しく

は、

8割

以上

のbラ

ンク

の変

状が

生じ

てい

る場

合。

施設

の主

要部

に変

状が

発生

して

おり

、施

設の

機能

低下

や変

状連

鎖の

進行

が懸

念さ

れる

 a+

ラン

ク:な

し 

aラン

ク :

なし

 bラ

ンク

:2箇

所(6%

) 

cラン

ク :

20箇

所 

dラン

ク :

10箇

114

Page 120: 漁港海岸保全施設の老朽化調査及び老朽化対策計画策定 の ......LCMを導入した維持管理では、問題が発生する前に予測して対応を図る「予防保全」が重要

健全

度評

価事

例(海

岸護

岸d区

間)

No.1

9N

o.2

0N

o.2

1N

o.2

2N

o.2

3-

--

--

a+

部材

背面

まで

達す

るひ

び割

れ・

亀裂

が生

じて

いる

。(

5mm相

当)

b複

数方

向に

幅数

mm程

度の

ひび

割れ

があ

るが

、背

面ま

では

達し

てい

ない

c1方

向に

幅数

mm程

度の

ひび

割れ

があ

るが

、背

面ま

では

達し

てい

ない

d1mm以

下の

ひび

割れ

が生

じて

いる

。も

しく

は変

状な

し。

a+

広範

囲(

10%以

上)

に部

材の

深部

まで

剥離

・損

傷が

生じ

てい

る。

b表

面だ

けで

なく

部材

の深

部ま

で剥

離・

損傷

が及

んで

いる

c広

範囲

(10

%以上

)で

ある

が、

剥離

・損

傷の

発生

が表

面で

留ま

って

いる

dご

く小

規模

の剥

離・

損傷

が生

じて

いる

。も

しく

は変

状な

し。

a浮

錆が

著し

く、

鉄筋

断面

積の

有意

な減

少が

全体

に亘

って

いる

b浮

錆が

多く

、鉄

筋表

面の

大部

分あ

るい

は全

周に

亘る

腐食

が広

範囲

に認

めら

れる

c錆

汁が

多く

、鉄

筋腐

食が

広範

囲に

認め

られ

る。

d一

部に

、錆

汁、

点錆

がみ

られ

る。

もし

くは

変状

なし

a転

倒、

ある

いは

欠損

があ

る。

b移

動に

伴う

目地

の開

きが

大き

く、

目地

部よ

り水

の浸

透が

ある

c目

地ず

れが

ある

が、

水の

浸透

はな

い。

d目

地部

にわ

ずか

なず

れ、

段差

、開

きが

みら

れる

。も

しく

は変

状な

し。

a+

陥没

(落

ち込

んで

穴が

あく

こと

)が

ある

。ま

たは

、沈

下に

よる

3cm

以上

の沈

下(

段差

)が

ある

b沈

下に

よる

凹部

が目

立つ

c-

d部

分的

な沈

下が

みら

れる

。も

しく

は変

状な

し。

a+

部材

背面

まで

達す

るひ

び割

れ・

亀裂

が生

じて

いる

。(

5mm相

当)

b複

数方

向に

幅数

mm程

度の

ひび

割れ

があ

るが

、背

面ま

では

達し

てい

ない

c1方

向に

幅数

mm程

度の

ひび

割れ

があ

るが

、背

面ま

では

達し

てい

ない

d1mm以

下の

ひび

割れ

が生

じて

いる

。も

しく

は変

状な

し。

a+

目地

部、

打継

ぎ部

のず

れが

大き

く、

堤体

土砂

の流

出が

みら

れる

b目

地部

、打

継ぎ

部よ

り水

の浸

透が

ある

c目

地部

、打

継ぎ

部に

ずれ

があ

るが

、水

の浸

透は

ない

d目

地部

、打

継ぎ

部に

わず

かな

ずれ

、段

差、

開き

がみ

られ

る。

もし

くは

変状

なし

a+

広範

囲(

10%以

上)

に部

材の

深部

まで

剥離

・損

傷が

生じ

てい

る。

b表

面だ

けで

なく

部材

の深

部ま

で剥

離・

損傷

が及

んで

いる

c広

範囲

(10

%以上

)で

ある

が、

剥離

・損

傷の

発生

が表

面で

留ま

って

いる

dご

く小

規模

の剥

離・

損傷

が生

じて

いる

。も

しく

は変

状な

し。

スパ

ン毎

の変

状ラ

ンク

対象

施設

調査

位置

調査

方法

変状

変状

のラ

ンク

確認

され

る変

状の

程度

健全

度判

ひび

割れ

の長

さ、

ひび

割れ

の幅

剥離

の範

囲、

剥落

・欠

損の

深さ

と範

錆汁

の有

無と

範囲

、鉄

筋露

出の

長さ

cc

cc

c-

隣接

スパ

ンと

の高

低差

、ず

れ、

目地

の開

目視

及び

計測 計

波返

--

--

cc

cc

cc

cc

c-

--

c

--

--

--

-c

cc

--

調査

項目

ひび

割れ

剥離

・損

鉄筋

の腐

目地

の開

き、

相対

移動

--

cc

天端

被覆

沈下

・陥

没沈

下・

陥没

の深

さと

範囲

目地

部、

打継

ぎ部

の状

4隅

の隣

接ス

パン

との

高低

差、

ずれ

、開

剥離

・損

傷剥

離・

剥落

の深

さと

範囲

ひび

割れ

ひび

割れ

の長

さ、

ひび

割れ

の幅

cc

cc

c-

--

cc

--

--

--

cc

c

-c

cc

目視

及び

計測

cc

cc-

--

c

C堤

防・ 護岸

--

---

cc

健全

度の

判定

ラン

ク健

全度

評価

の目

安変

状の

程度

評価

後の

検討

事項

Aラ

ンク

a+ラ

ンク

と評

価さ

れた

変状

事象

が一

つで

もあ

る場

合。

施設

の主

要部

に大

きな

変状

が発

生し

てお

り、

施設

の機

能低

下が

生じ

てい

る。

緊急

に老

朽化

対策

工事

の実

施を

検討

する

こと

を原

則と

する

緊急

に老

朽化

対策

工事

の実

施を

検討

する

こと

を原

則と

する

計画

的な

老朽

化対

策工

事の

実施

を検

討す

るこ

とを

原則

とす

る。

Cラ

ンク

A,

B,

Dラ

ンク

以外

と評

価さ

れる

場合

。施

設の

主要

部以

外の

部分

や附

帯施

設に

変状

が発

生し

てい

るが

、施

設の

機能

低下

には

至っ

てい

ない

現状

では

老朽

化対

策工

事の

必要

はな

いが

、継

続し

て観

察の

実施

を検

討す

るこ

とを

原則

とす

る。

Dラ

ンク

全て

の調

査位

置の

変状

現象

がdラ

ンク

と評

価さ

れた

場合

。軽

微な

変状

が発

生し

てい

るが

、施

設の

機能

低下

は当

面至

らな

い。

次回

調査

まで

、特

にな

し。

Bラ

ンク

aラン

クの

変状

が一

つで

も生

じて

いる

場合

。も

しくは

、8割

以上

のbラ

ンク

の変

状が

生じ

てい

る場

合。

施設

の主

要部

に変

状が

発生

して

おり

、施

設の

機能

低下

や変

状連

鎖の

進行

が懸

念さ

れる

 a+

ラン

ク:な

し 

aラン

ク :

なし

 bラ

ンク

:な

し 

cラン

ク :

40箇

所 

dラン

ク :

なし

115

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付録-7 変状連鎖

海岸保全施設の主要な変状連鎖を以下に示す。

変状連鎖とは、変状の発生原因、変状の発生と顕在化、変状の結果生じる影響、そして機能の低下へと

変状が進行してゆく過程を整理したものであり、変状の進行には、地震等により短期間に変状が生じる突

発型と地盤沈下や材料の劣化等により時間の経過とともに徐々に変状が進行する進行型及びその複合型が

ある。

以下に護岸・堤防の変状連鎖を示す。

1)消波工なしの護岸・堤防の突発型変状連鎖

護岸・堤防の代表的な変状現象の進行過程としては、

①波浪によって、堤体前面から堤体下部が洗掘され、堤体や基礎工が損傷を受け、堤体土砂が吸い出

され、さらに堤体が破壊されてゆくもの、

②波浪によって、表法工、堤体工、天端工、裏法工などが損傷を受け、堤体土砂が吸い出され、堤体

が破壊されていくもの、

③波浪によって波返工が損傷を受け、天端高が低下していくもの等がある。

代表的な堤防の変状現象と変状連鎖図を図-7.1 に示す。

図-7.1 堤防(消波工なし)の主要変状連鎖

注)「土木学会;海岸施設設計便覧、2000年版、p518」より抜粋

波浪洗掘

パターン

前面海底

洗掘

堤 体 下

部洗掘

堤 体 下

部洗掘

基礎工の

沈下・損傷

洗掘による堤

体の移動沈下

堤体土砂

の吸出し

堤内

空洞化

堤体の

破損・陥没破堤

波浪波力

パターン

表法・堤体工の

亀裂・損傷

堤内

空洞化

波返し工の

亀裂・損傷

波返工の破

損・欠落

天端高

の低下

越波量

の増大

波浪越波

パターン

波浪越波

パターン

天端被覆工・裏

法被覆工の亀

裂・損傷

堤体の

破損・陥没

堤内

空洞化

StepⅡ StepⅢStep StepⅣ StepⅤ

注: 内は変状の調査対象。 内は変状調査対象以外の変状。

*印は変状の進行発見に重要な指標。**印は特に重要な指標。

破堤

堤体の

破損・陥没破堤

堤体土砂

の吸出し

堤体土砂

の吸出し

* *

**

**

**

**

天端被覆

工・裏法被

覆工の破

壊・陥没

天端被覆

工・裏法被

覆工の破

壊・陥没

天端被覆

工・裏法被

覆工の破

壊・陥没

116

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2)消波工被覆の護岸・堤防の突発型変状連鎖

護岸・堤防が消波工で被覆されている場合、そのほとんどの変状がまず消波工に発生している。そ

の代表的な変状現象の進行過程としては、

①波浪によって、前面海底が洗掘され、消波工・根固め工が散乱・沈下を生じ、消波工断面が減少し、

越波量波力が増大し、堤体の破損が生じるもの、

②波浪によって、消波ブロックの移動が生じた後、さらに散乱・崩壊が起こり、消波工断面を減少さ

せ、越波量波力が増大し、堤体の破損が生じるもの、

③砂礫海岸では、波浪による砂礫の移動で、消波ブロックの重量減少により、移動が生じ散乱・崩壊

が起こることもある。

代表的な変状連鎖図を図-7.2に示す。

 Ⅱ. 波 浪 洗掘パターン

消波工根固の沈下・散乱

消波工の沈下崩壊

Step Ⅰ

* *

Step Ⅱ Step Ⅲ

消波工断面の減少

 Ⅱ. 波 浪 波力パターン

消波ブロックの移動

消波ブロックの散乱

消 波 工 の 変 状

波力の増大

波力量の増大

 Ⅱ. 波 浪 波力パターン

 Ⅱ. 波 浪 越波パターン

* *

堤本体の変状

堤防の主要変状連鎖(消波工なし)へ

(注) 内は変状の点検指標            

内は変状点検指標以外の変状* 印は変状の進行発見に重要な指標。            

堤防の主要変状連鎖(消波工なし)へ

前面海底洗掘

図-7.2 護岸・堤防(消波工被覆)の主要変状連鎖

注)「土木学会;海岸施設設計便覧、2000年版、p519」より抜粋

越波量の増大

117

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3)緩傾斜護岸の突発型変状連鎖

緩傾斜護岸は、堤体盛り土法面に裏込め工を設置し、その表面をコンクリートブロックで被覆した

法勾配1:3より緩い護岸であり、変状現象の進行過程は、

①波浪により、前面の海底が洗掘され、護岸法先部が侵食を受け、堤体が法先部より流出し、被覆ブ

ロックの移動散乱、堤体の崩壊へとつづくもの、

②波浪により、被覆ブロックのめくれまたは移動が生じ、下層の裏込め層が侵食を受け、堤体砂を流

出し、被覆ブロックの散乱、崩壊に至るもの、

③遡上した波浪が、被覆ブロック下の裏込め層内を流下して堤体砂を侵食、裏込め礫が落下し、堤体

内に空洞を生じ、その後被覆ブロックの移動沈下、崩壊が生じるものがある。

緩傾斜護岸の変状現象図と変状連鎖図を図-7.3、図-7.4に示す。

図-7.3 護岸・堤防の進行型変状連鎖

注)「土木学会;海岸施設設計便覧、2000年版、p520」より抜粋

波  浪 前面海底洗掘 堤体法先洗掘 堤体土砂の流出 被覆工の破損陥没 破 堤

被覆工の破損陥没

破 堤

破 堤堤内の空洞化

被覆工の散乱被覆工の移動

裏込め工の流出

図-7.4 緩傾斜護岸の変状連鎖

注)「土木学会;海岸施設設計便覧、2000年版、p520」より抜粋

118

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4)護岸・堤防の進行型変状連鎖

護岸・堤防の進行型の変状としては、コンクリートの劣化や、地盤の圧密沈下によるものがある。

コンクリートの劣化により構成材(護岸・堤防の表法被覆工、堤体工、波返工など)に細かなひび

割れや剥離が生じ、コンクリートの中性化(炭酸化)、塩分の部材内侵入、これらに伴う鉄筋の腐食、

腐食による鋼材膨張のためコンクリートの亀裂、剥離の増大、といった順序で変状が進行して、コ

ンクリート部材の外力に対する抵抗力を徐々に失っていく場合、あるいはコンクリート強度そのも

のの低下による亀裂損傷の発生に連鎖する場合などがある。

基礎地盤に粘性土層を持つ施設では、築堤後、堤体の重みで圧密沈下が進行していき、堤体の目地

部にずれ・開きが生じ、その部分から水の浸入、吸い出しを生じて堤体内空洞化、堤体被覆工等の

破損・陥没、さらに破堤へと連鎖していく場合がある。

このような変状連鎖を図示したものが、図-7.5である。

図-7.5 護岸・堤防の進行型変状連鎖

注)「土木学会;海岸施設設計便覧、2000年版、p521」より抜粋

なお、波浪の影響を直接受けない場所に位置する施設においても、例えば隣接する道路の圧密沈下に伴っ

て隣接する堤体基礎が移動するといった変状進行の例もあるため、「海岸施設設計便覧 2000年版」に記載さ

れている、波浪や波力を原因とする 海岸構造物の変状連鎖 だけでは捉えられない変状連鎖も考慮に入れ

る必要がある。

温度変化・乾燥収縮

化学作用

圧密沈下

上載荷重

コンクリー

トの劣化

ひび割れ・剥

鉄筋腐食 構成材の耐

力低下

波浪波力

パターン

基礎地盤

の沈下

堤体目地の

ずれ・開き

堤体土砂の

吸出し

堤内

空洞化

堤体の

破損・陥没破堤

コンクリートの劣化変状

天端被覆

工・裏法

被覆工の

破壊・陥

注: 内は変状の調査対象。 内は変状調査対象以外の変状。

119

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付録-8 老朽化進行予測事例

老朽化進行予測の事例として、以下の2事例を示す。

①塩化物イオンの拡散予測

②マルコフ連鎖モデルによる変状の進行予測

③無筋コンクリートの変状進行の把握と予測

 鉄筋コンクリートの塩害の進行予測として、「2007年制定 コンクリート標準示方書(維持管理編)」に示される、「拡散方程式を適用して見かけの拡散係数を求める方法」による塩化物イオンの拡散予測の方法に基づいた検討事例を示す。

 劣化機構が不明な場合や、劣化機構は分かっていてもモデル化が難しい場合において、構造物の劣化状況の推移に関する将来予測を確率論的に行う検討事例を示す。

 海岸保全施設において も多く使われている無筋コンクリート部材の変状進行について、現地観測の方法と、データの蓄積による変状進行予測への活用方策について示す。

120

Page 126: 漁港海岸保全施設の老朽化調査及び老朽化対策計画策定 の ......LCMを導入した維持管理では、問題が発生する前に予測して対応を図る「予防保全」が重要

①塩化物イオンの拡散予測

(以下、2007年制定 コンクリート標準示方書(維持管理編 p.111~113)より抜粋)

 以下に、「2007年制定 コンクリート標準示方書(維持管理編 p.111~114)」に定められる、塩化物イオンの拡散予測の方法について示す。

121

Page 127: 漁港海岸保全施設の老朽化調査及び老朽化対策計画策定 の ......LCMを導入した維持管理では、問題が発生する前に予測して対応を図る「予防保全」が重要

122

Page 128: 漁港海岸保全施設の老朽化調査及び老朽化対策計画策定 の ......LCMを導入した維持管理では、問題が発生する前に予測して対応を図る「予防保全」が重要

 なお、鉄筋の腐食発生限界塩化物イオン濃度の下限値として、港湾の技術上の基準・同解説では

2.0kg/m3、コンクリート標準示方書[構造性能照査編]では1.2kg/m3が示されている。

123

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(1)フィックの第二法則

ここに、C(x,t):コンクリート表面からの深さがx(mm)、    時刻t(年)における塩化物イオン濃度(kg/m3)Co :コンクリート表面での塩化物イオン濃度(kg/m3)Dap :塩化物イオンの見かけの拡散係数(cm2/年)erf :誤差関数

(2)フィックの第二法則を用いた近似パラメータの算出

表面からの距離x(cm)

CI濃度実測値(kg/m3)

CI濃度計算値(kg/m3)

差の2乗 総和

1.0 6.89 6.81 0.0062 0.06033.0 4.87 4.93 0.0031 目的セル

5.0 3.14 3.31 0.02767.0 2.11 2.05 0.00369.0 1.31 1.17 0.0198

供用開始から点検調査時までの年数 t(年) 28表面塩化物イオン濃度 Co(kg/m3) 7.80見かけの塩化物イオン拡散係数 Dap(cm2/年) 0.70

変化させるセル

近似パラメータ

 以下に、「拡散方程式を適用して見かけの拡散係数を求める方法」による塩化物イオンの拡散予測の方法に基づいた検討事例を示す。

塩化物イオン拡散予測に用いるパラメタの推計結果

0.00

1.00

2.00

3.00

4.00

5.00

6.00

7.00

8.00

0.0 2.0 4.0 6.0 8.0 10.0

表面からの距離(cm)

塩化

物イ

オン

濃度

(kg

/m

3)

CI濃度実測値(kg/m3)

CI濃度計算値(kg/m3)

手順①: 塩化物イオン含有量の測定結果を入力する

手順③: Excelの”ツール-ソルバー”機能を用いて、総和(目的セル)の数値が小となる、CoおよびDap(変化させるセル)を求める。

手順②: 塩化物イオン浸透予測式(フィックの第二法則)のパラメータ(Co、Dap)を 小二乗法により近似曲線を求める

124

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(3)塩化物イオン拡散予測

塩化物イオン(CI)濃度計算式のパラメータ 発錆限界時 15年後 10年後 5年後 現在

供用開始からの経過年数t(年) 45.0 43.0 38.0 33.0 28.0表面塩化物イオン濃度 Co(kg/m3)

見かけの塩化物イオン拡散係数 Dap(cm2/年)

かぶり(cm)

表面からの距離x(cm)

1.0 7.02 7.00 6.95 6.89 6.813.0 5.50 5.45 5.31 5.14 4.935.0 4.12 4.05 3.84 3.60 3.317.0 2.94 2.86 2.62 2.36 2.059.0 2.00 1.91 1.69 1.44 1.17

CI濃度計算値(kg/m3)

7.800.70

9

鉄筋位置の塩化物イオン濃度予測結果

0.00

1.00

2.00

3.00

4.00

5.00

6.00

7.00

8.00

0.0 2.0 4.0 6.0 8.0 10.0

表面からの距離(cm)

塩化

物イ

オン

濃度

(kg

/m3)

発錆限界時のCI濃度

15年後のCI濃度

10年後のCI濃度

5年後のCI濃度

現在のCI濃度

鉄筋位置

コン

クリ

ート

の表

鉄筋

の位

鉄筋のかぶり

 17年後に、塩化物イオン濃度が鉄筋の腐食発生限界(2.0kg/m3)に達する

17年後の塩化物イオン濃度分布(予測曲線)

現状の塩化物イオン濃度分布(調査結果に基づく近似曲線)

鉄筋の腐食発生限界

手順④: 先に求めた近似パラメータを固定値として、経過年数ごとの塩化物イオン濃度の分布を塩化物イオン拡散予測式を用いて推計する

固定値

125

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②マルコフ連鎖モデルによる変状の進行予測

ここに、

 マルコフ連鎖とは、「状態」と「推移」の2つの概念を用い、物事がある「状態」から、ある「推移確率」(遷移率px)で次の「状態」へ移行する様子を確率論的に捉える手法である。 ここで、対象構造物内での変状ランクとして、二次調査での判定結果(a(またはa+),b,c,d)を用い、変状ランクの推移率を遷移率pxとして、この変状ランクの推移を下図のように表すことで、老朽化の進行予測が可能となる。

px :遷移率(kg/m3)

t :経過年数 

 マルコフ連鎖モデルは、劣化機構が不明な場合や、劣化機構は分かっていてもモデル化が難しい場合において、構造物の劣化状況の推移に関する将来予測を確率論的に行うことができる。また、劣化機構が既知である場合でも、マルコフ連鎖によるモデル化は可能であり、同一構造物内で劣化状況がばらつき、評価が困難な場合に有効である。

126

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 以

下に

、マ

ルコ

フ連

鎖モ

デルに

よる

変状

の進

行予

測事

例を

示す

変化

させ

るセ

遷移

率P

x0.0

20

1-P

x0.9

80

経過

年数

t(年

)10

3.

変状

ラン

クの

割合

の推

移(単

位:無

次元

)時

間t(

年)

判定

部位

・部

材数

実測

値計

算値

差の

2乗

01

23

45

67

89

10

11

12

13

14

15

20

30

40

50

d155

0.7

21

0.8

14

0.0

09

dd1

10.9

80.9

60.9

40.9

20.9

00.8

80.8

70.8

50.8

30.8

10.8

00.7

80.7

60.7

50.7

30.6

60.5

40.4

40.3

6

c0

0.0

00

0.1

70

0.0

29

cc1

00.0

20.0

40.0

60.0

80.0

90.1

10.1

30.1

40.1

60.1

70.1

80.2

00.2

10.2

20.2

30.2

80.3

40.3

70.3

7

b60

0.2

79

0.0

16

0.0

69

bb1

00.0

00.0

00.0

00.0

00.0

00.0

10.0

10.0

10.0

10.0

20.0

20.0

20.0

30.0

30.0

30.0

50.1

00.1

50.1

9

a0

0.0

00

0.0

01

0.0

00

aa1

00.0

00.0

00.0

00.0

00.0

00.0

00.0

00.0

00.0

00.0

00.0

00.0

00.0

00.0

00.0

00.0

10.0

20.0

50.0

8

合計

215

1.0

00

1.0

00

0.1

07

1.0

01.0

01.0

01.0

01.0

01.0

01.0

01.0

01.0

01.0

01.0

01.0

01.0

01.0

01.0

01.0

01.0

01.0

01.0

01.0

0

目的

セル

1.

計算

に必

要な

パラ

メー

2.

マル

コフ

連鎖

モデ

ルに

よる

変状

ラン

ク割

合の

近似

Σ

劣化

度経

過10年

時点

の現

況調

査に

よる

変状

ラン

クの

割合

0%

20%

40%

60%

80%

100%

dc

ba

変状

ラン

変状ランクの割合

現況

(経過

10年

)の

実測

現況

(経過

10年

)の

計算

将来

(経過

50年

)の

予測

手順

③:

 各

変状

ラン

クの

割合

の推

移を

予測

する

 (本

事例

では

、"a判

定"の

割合

は、

現況

(10

年経

過時

点)で

はゼ

ロで

ある

が、

50年

経過

時に

約1割

に達

する

予測

結果

とな

った

手順

①:

 現

況の

実測

値を

もと

に、

変状

ラン

ク割

合の

計算

値を

小二

乗法

によ

り近

似化

し、

マル

コフ

連鎖

モデ

ルの

遷移

率を

設定

する

 (E

xcelの

”ツ

ール

-ソ

ルバ

ー”機

能を

用い

て、

差の

二乗

の総

和(目

的セ

ル)

の数

値が

小と

なる

、遷

移率

Px(

変化

させ

るセ

ル)を

求め

る。

手順

②:

 手

順①

で求

めた

遷移

率を

固定

値と

して

、マ

ルコ

フ連

鎖に

より

、将

来の

経過

年数

毎に

変状

ラン

クの

割合

を計

算す

る。

 (本

事例

では

、50

年経

過時

まで

の変

状ラ

ンク

の割

合を

算出

して

いる

127

Page 133: 漁港海岸保全施設の老朽化調査及び老朽化対策計画策定 の ......LCMを導入した維持管理では、問題が発生する前に予測して対応を図る「予防保全」が重要

128

③無筋コンクリートの変状進行の把握と予測

無筋コンクリートの部材が多い海岸保全施設では、ひび割れや剥離・損傷の変状進行予測を的確に

行うことが課題であるが、変状進行の機構が解明されていないため、現時点では正確に変状進行予測

を行うことは困難である。このような変状進行予測を行う際に適用する手法としては、前述のマルコ

フ連鎖モデルを適用することが考えられる。しかし、ひび割れ幅のように mm 単位で進行する変状

の場合、4 つの変状ランクに分ける評価だけでは、現在進行中の変状の状態を的確に表すことは難し

いといえる。そこで、簡易な計測による調査データを蓄積し、計測値の時系列的な整理・分析を行う

ことで、部材が要求性能を満たすことができなくなる時期を推定するなどの方法が考えられる。 なお、調査現場においては、調査員の知識や経験によってバラツキが出やすいため、目視観察によ

る評価を補うための方法として、ひび割れ測定箇所への設鋲やマーキングを行い、これを基準とした

計測を行うことが望ましい。これは、長期間にわたって同一箇所の計測が行えることで、変状進行の

正確な把握と、老朽化進行予測の基礎データの収集において、効果がある。

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129

図-8.1 変状進行箇所の調査事例

設鋲によるひび割れ

幅の長期観測

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付録-9 老朽化対策の概要整理(案)

①老朽化現況調査表

②老朽化対策計画検討表

 対象施設の自然条件、構造諸元を整理したうえで、一次調査、二次調査、二次調査(追加)の結果と、施設健全度の評価結果を示す。

 老朽化調査及び老朽化対策計画検討の結果は、以下の表形式により取り纏め、老朽化対策事業の関係協議等を円滑に進めるために活用する。以下に記入事例を含めた基本フォーマットを示す。

 対象施設にかかる既定の計画や関係法令、社会・環境条件、施設構造、利用状況を整理したうえで、老朽化調査に基づく変状の原因・機構の特定結果、老朽化の進行予測及び対策の検討結果を示し、さらにライフサイクルコストを踏まえた対策効果を示す。

130

Page 136: 漁港海岸保全施設の老朽化調査及び老朽化対策計画策定 の ......LCMを導入した維持管理では、問題が発生する前に予測して対応を図る「予防保全」が重要

①老

朽化

現況

調査

海岸

名○

○漁

港海

岸地

区名

施設

名護

岸調

査範

囲N

o.1

~23

昭和

42年

度管

理者

名帳

票作

成日

平成

□□

年□

□月

□□

緯度

緯度

経度

経度

H.H

.W.L

.+1.

235m

995.

0m

H.W

.L.

+0.

635m

L.W

.L.

+0.

035m

波向

SW

波高

2.5m

周期

10.4

s重

力式

-1.

0m~

+1.5

m波

返工

鉄筋

コン

クリ

ート

地盤

種別

砂質

土天

端被

覆工

無筋

コン

クリ

ート

内部

摩擦

角φ

=30°

表法

被覆

工無

筋コ

ンク

リー

粘着

力-

裏法

被覆

工-

根固

工:被

覆石

(300

kg/

個)

変状

位置

変状

ラン

ク変

状位

置変

状の

内容

波返

工波

返工

ひび

割れ

、剥

離・損

天端

被覆

工天

端被

覆工

沈下

・陥没

、ひ

び割

れ、

剥離

・損

波返

工ひ

び割

れ、

剥離

・損

傷、

鉄筋

腐食

天端

被覆

工沈

下・陥

没、

ひび

割れ

、剥

離・損

変状

位置

調査

方法

判定

結果

変状

ラン

ク判

定項

目数

全体

に占

める

割合

(%)

波返

工塩

化物

含有

量試

験10年

後に

鉄筋

発錆

限界

に達

する

a+15

15.6

%

天端

被覆

工レ

ーダ

ー探

査c,d

区間

で空

洞化

を確

認a

11.0

%

b43

44.8

%

c21

21.9

%

d16

16.7

%

A

140

.557

966

42.1

6028

542.

1616

53調

査地

点の

座標

基点

A14

0.55

9554

基点

B

施設

の健

全度

ラン

+4.

0m

+4.

0m

△△

地区

施設

延長

計画

天端

高(余

裕高

を含

む施

工天

端高

機能

上必

要な

天端

高(余

裕高

を見

込ま

ない

天端

高)

建設

年度

○○

県○

○課

○○

調査

箇所

構造

諸元

自然

条件

潮位

構造

形式

使用

材料

その

特記

事項

一次

調査

実施

日:平

成○

○年

○○

月○

○日

二次

調査

実施

日:平

成△

△年

△△

月△

△日

地盤

設計

震度

k=0.

05

施設

の健

全度

判定

結果

二次

調査

(追

加)結

変状

の内

ひび

割れ

、剥

離・剥

落・欠

沈下

・陥

断面

全体

平面

a+ま

たは

aと判

定さ

れた

部材

bと判

定さ

れた

部材

設計

波高

土質

条件

その

他外

一次

調査

結果

二次

調査

結果

基点

B基

点A

131

Page 137: 漁港海岸保全施設の老朽化調査及び老朽化対策計画策定 の ......LCMを導入した維持管理では、問題が発生する前に予測して対応を図る「予防保全」が重要

②老

朽化

対策

計画

検討

海岸

名○

○漁

港海

岸地

区名

施設

名護

岸調

査範

囲N

o.1

~23

昭和

42年

度管

理者

名帳

票作

成日

平成

□□

年□

□月

□□

緯度

緯度

経度

経度

背後

人口

85人

根拠

:平

成○

年町

勢デ

ータ

(家

屋)

22軒

(事

業所

)2軒

995.0

m(そ

の他

)工

事用

ヤー

S43.3

.31

漁業

形態

:小型

定置

経過

年数

47年

水揚

高:25

百万

重力

式漁

船数

・ク

ラス

:15隻

(5T

未満

-そ

の他

製造

業(食

品加

工、

造船

劣化

機構

施設

前面

劣化

要因

施設

背後

部材

鉄筋

腐食

によ

る耐

力の

低下

隣接

施設

施設

全体

安定

性の

低下

→破

利用

・環

境浸

水被

害、

増殖

場へ

の土

砂等

流出

時期

建設

コス

ト便

その

他コ

スト

費用

対効

果B

/C

=6.5

8

基点

B140.5

57966

42.1

61653

調査

地点

の座

標基

点A

140.5

59554

42.1

60285

対策

効果

279

百万

円(4%

割引

考慮

- ○○

漁港

に隣

接す

る当

該施

設は

、背

後集

落の

防護

機能

はも

とよ

り、

c,d

区間

前面

に位

置す

る○

○増

殖場

での

水産

利用

や、

b区

間前

面で

の海

水浴

場と

して

の前

浜利

用に

適し

た環

境と

の調

和が

求め

られ

てい

る。

当該

施設

の残

存寿

命は

約10年

程度

であ

るが

、現

時点

で予

防保

全的

な対

策を

行う

こと

によ

り、

建設

コス

トを

低減

でき

ると

とも

に、

破堤

に伴

う前

面利

用の

停止

を防

げる

波返

工の

塩害

によ

るひ

び割

れ発

塩化

物イ

オン

の浸

透・拡

対策

を行

わな

い場

合に

生じ

る影

対策

工法

及び

対策

シナ

リオ

5軒

水産

利用

状況

(農

漁家

高潮

対策

事業

施設

構造

対策

コス

トと

対策

効果

施設

延長

建設

年月

その

○○

増殖

場(1.0

ha)

家屋

、ほ

か漁

村施

○○

漁港

表面

から

の塩

分の

供給

を絶

つと

、鉄

筋位

置の

塩化

物イ

オン

濃度

が発

錆限

界値

を超

えな

い。

表面

から

の塩

分の

供給

を絶

って

も、

鉄筋

位置

の塩

化物

イオ

ン濃

度が

発錆

限界

値を

超え

る。

施設

の変

5年

老朽

化の

進行

予測

及び

対策

老朽

化の

進行

状況

波返

工の

塩害

損傷

が顕

著と

なり

、鉄

筋の

腐食

が著

しくな

り、

破堤

した

直後

に背

後集

落が

浸水

被害

を受

ける

波返

工に

表面

塗装

工法

によ

る対

策を

行い

、鉄

筋位

置の

塩化

物イ

オン

濃度

を低

くす

ると

とも

に嵩

上げ

及び

増厚

を行

う。

波返

工を

断面

修復

工法

+表

面塗

装工

法に

より

対策

し、

鉄筋

の腐

食を

抑止

させ

ると

共に

嵩上

げ及

び増

厚を

行う

波返

工の

更新

とと

もに

嵩上

げ及

び増

厚を

実施

する

調査

箇所

その

他多

面的

な利

用前

浜の

海水

浴場

とし

ての

利用

(平

均年

間入

り込

み客

数:27

500人

社会

・環

境条

件既

定の

計画

、関

係法

断面

図(

利用

形態

、社

会・

環境

条件

、対

策工

を含

む)

全体

平面

建物

産業

現在

特記

事項

NO

.○~

△区

間:災

害復

旧(H

15)

建設

年度

構造

形式

○○

県○

○課

○○

係△

△地

1,9

88百

万円

(4%

割引

考慮

、浸

水被

害防

止効

果・海

水浴

場及

び増

殖場

の機

能維

持効

果)

10年

背後

地:

家屋

(22棟

)、

農漁

家(5棟

)、

事業

所(2

棟)が

立地

c,d

区間

:増

殖場

(1.0

ha)

b区

間:

海水

浴場

とし

ての

利用

(平

均年

間入

り込

み客

数:27500人

基点

B基

点A

132