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ひょうご冒険教育(HAP)の教育的効果と効果的な実施に向けて ~アンケート調査による検証~ 公益財団法人兵庫県生きがい創造協会 嬉野台生涯教育センター 平成29年3月

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ひょうご冒険教育(HAP)の教育的効果と効果的な実施に向けて

~アンケート調査による検証~

公益財団法人兵庫県生きがい創造協会

嬉野台生涯教育センター

平成29年3月

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ひょうご冒険教育(HAP)の教育的効果と

効果的な実施に向けて ~アンケート調査による検証~

(公財)兵庫県生きがい創造協会嬉野台生涯教育センター

生涯学習専門員 中野 純也

平成15年6月、県立嬉野台生涯教育センター「うれしの台チャレンジコース」(冒険の小川)にお

いて「ひょうご冒険教育(HAP)」のプログラムが始まった。平成28年11月までに年間約100団体、

約5,000人~9,000人、のべ約83,000人の方に利用いただいている。HAPプログラムは野外活動体

験を通じて利用者に4つのねらい「自己肯定感」「信頼関係」「コミュニケーション能力」「チャレン

ジ精神」の涵養に努めてきた。

本稿は、HAP利用者や利用団体の代表者、HAP指導者にアンケート調査をおこない、HAP

の教育的効果について検証するとともに今後の効果的な実施に向けた方策について探ろうとしたも

のである。

<キーワード>

ひょうご冒険教育(HAP)、「自己肯定感」、「信頼関係」、「対人関係」、「挑戦心」、「充実感」、「自

律」、ふりかえり、協働

1 はじめに

ひょうご冒険教育(HAP:Hyogo Adventure Project)は平成15年6月、兵庫県立嬉野台生涯

教育センター(以下、当センター)において、アメリカ発祥のプロジェクトアドベンチャー(P

A Inc.)の体験学習の手法を取り入れて始まった。これは、現代社会において、人間関係の希薄

さや自尊感情の乏しさに起因する問題が増加している現状を踏まえ、人とのふれあいの中で他者

を思いやる心を持ち、信頼関係を築くとともに、自分を大切にする心や冒険心、問題解決力を身

につけ、こころ豊かでたくましい人間の育成を目指すものである。

平成27年度にはプログラムを行ううえでの活動拠点となる「うれしの台チャレンジコース(冒

険の小川)」が当センター施設の耐震工事と併せて整備された。同時に活動を支える設備であるエ

レメントの更新も行われた。ローエレメント13種20基、ハイエレメント7種9基が設置された(平

成15年度当初:ローエレメント10種10基、ハイエレメント5種5基、後に追加変更あり)。各グル

ープに割り当てる活動スペースは6箇所から9箇所に増やし、一度に活動できるグループ数も増

えた。平成28年4月からは、リニューアルオープンし、利用者の受入を開始した。

HAPの活動及び指導形態については、1つの活動グループを8~15人単位とし、専門の講習

を修了し、HAP指導者として登録しているファシリテーターがグループの指導にあたっている。

利用団体数と利用者数については、平成28年11月までには、年間約100団体、約5,000人~9,000

人、13年間でのべ約83,000人の方に利用いただいている。利用者の年齢層は小学生から成人まで

と広範囲にわたっている。

本調査は、リニューアルオープンしたこの機会にHAPの効果と意義について最新のデータに

より検証し、その結果を情報発信するとともに、より効果的な利用に向けた方策を探るために実

施するものである。

なお、平成15年度から平成18年度にかけて教育的効果検証のため、オリジナル尺度のアンケー

ト質問紙の作成及びアンケート調査が行われた経緯がある(「7参考文献」参照)。作成されたア

ンケート質問紙の項目は、『自己肯定意識尺度』(平石賢二1990)を兵庫教育大学千駄忠至教授(当

時、2007.3退官)、嶋崎博嗣助教授(当時、現東洋大学生活支援学科教授)の指導のもとに検討を

重ね、HAP調査としてふさわしいオリジナル尺度を使用したものである。今回の調査への使用

について天理大学体育学部講師蓬田高正氏に相談した結果、HAPのねらいは当時と変わらない

ため、今回の調査でもそのまま使用しても差し支えないという結論を得た。また、以前の傾向と

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比較することも可能であるとの意見をいただいた。そのため、今回使用したHAP利用者アンケ

ート質問紙の質問項目は当時使用されたものと同一のものである。

前回の調査では、活動前後の調査では小学生から成人までの全ての年代において有意に伸び、

1ヶ月後についてはゆるやかに減少するという結果が出ている。

今回の調査は、利用者に加え、利用団体代表者、HAP指導者へもアンケート調査を行い、利

用者の活動前後の変化と利用団体や指導者の関わりの関連を調べるとともに、HAPの活動全体

の流れについて改善点を探ることをめざした。

2 調査研究の概要

(1) 調査の目的

HAPプログラム実施前後の変化及び学んだことの定着について調査することで、以下のこ

とについて明らかにすることを目的とした。

ア HAP利用者のHAPプログラム実施前後及び1ヶ月後の変化について

① 年齢区分別、ねらい観点別による違い

② 活動日数による違い(区分別・観点別)

イ 活動日数の違いによる変化について

① 年齢区分別、ねらい観点別による違い

② 活動日数による違い(区分別・観点別)

ウ HAP関係者の効果的な協働のあり方

利用団体代表者、指導者、当センター担当者のHAPへの関わり方

〔HAPプログラムの例〕

【1日の活動の場合】

①アイスブレイカー(ネームトス、ペアタグ、ラインナップ等)

②イニシアティブ(大なわ、前後左右、ジャンケンチャンピオン等、)

③ローエレメント(ジャイアントシーソー、モホークウォーク、ニトロクロッシング等)

④ふりかえり

【2日間の活動の場合】

1日目

①アイスブレイカー

②イニシアティブ

③ローエレメント

④ふりかえり

2日目

⑤アイスブレイカー

⑥イニシアティブ

⑦ローエレメント

⑧トラスト(トラストシークエンス、トラストフォール)

⑨ハイエレメント(キャットウォーク、クライミングタワー等)

⑩ふりかえり

※ プログラム内容は一例である。

※ 利用団体のねらい、活動グループの状態によって内容は変更される。

※ 荒天時は屋内で実施。

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(2) 調査対象

平成28年7月~11月のHAP利用者、利用団体代表者、指導者(ファシリテータ-)

(3) 調査方法

アンケート質問紙により調査する。

ア HAP利用者 活動前、活動後、1ヶ月後に実施(同内容で3回実施)

イ 利用団体代表者 活動前、活動後に実施

ウ HAP指導者 活動後に実施

(4) 調査内容

ア HAP利用者 活動前後の変化、定着度(以下の観点による)。

観点:「自己肯定感」「対人関係」「挑戦心」「信頼関係」等

イ 利用団体代表者 HAPの利用目的。活動前後の指導の有無及び内容。活動前後での利

用者の変化の有無。

ウ HAP指導者 指導のねらい。指導中の留意事項。

(5) HAP利用者アンケートの項目数(観点及び当該質問項目数)

ア 小学生用

12項目(自己肯定感、対人関係、信頼関係、挑戦心 各3項目)

イ 中高生用

15項目(自己肯定感、対人関係、信頼関係、挑戦心、充実感 各3項目)

ウ 大学生用

12項目(自己肯定感、対人関係、信頼関係、挑戦心 各3項目)

エ 成人用

15項目(自己肯定感、対人関係、信頼関係は各3項目、挑戦心4項目、自律2項目)

※ 上記項目及び質問紙の質問文は平成15年度から17年度にかけて当センターの調査研

究において検討されたオリジナルのもの。

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(6) アンケート質問紙

ア 利用者用(活動前後、1ヶ月後実施)

【小学生用】 【中高生用】

【大学生用】 【成人用】

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イ 利用団体代表者用(活動前後に実施)

【活動前用】 【活動後】

ウ ファシリテーター用(指導後に実施)

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(7) 調査時期

平成28年7月~平成29年1月(1ヶ月後調査を含む)

(8) アンケート調査実施人数等について

ア 利用者アンケート

区 分 調査人数

(A)

データ

無効人数

(B)

データ

有効人数

(A)-(B)

利用団体内訳

小学生 691 133 558 小学校6(いずれも自然学校)

小学生スポーツクラブチーム3

中学生・高校生 135 17 118 中学校1、適応教室1、高等学校1、

高等学校クラブ1

大学生・

専門学校生等 97 1 96

大学1

企業訓練校(18~19歳)2

成人 58 3 55 企業2

教員1

合 計 981 154 827

※ データ無効人数とはアンケート項目の一部が無回答または「活動前」、「活動後」、

「1ヶ月後」のアンケートのうちいずれかに回答がなかった人数である。

イ 利用団体代表者アンケート 活動前アンケート 回答:18団体(19団体中)

活動後アンケート 回答:17団体(19団体中)

ウ HAP指導者アンケート 指導後アンケート 回答:78人(のべ数:79人中)

(9) 集計の表現について

本研究で用いる数値は、小数点以下がある場合には、小数点以下第2位を四捨五入した数値

を用いる。

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自己肯定 前後の変化活動前 9.6活動後 10.41ヶ月後 9.9

対人関係 前後の変化活動前 10.1活動後 10.91ヶ月後 10.7

信頼関係 前後の変化活動前 12.0活動後 12.51ヶ月後 12.2

挑戦心 前後の変化活動前 12.3活動後 12.71ヶ月後 12.5

0.8

0.5

0.4

0.8

自己肯定 前後の変化9.110.710.0

対人関係 前後の変化10.812.111.7

充実感 前後の変化12.313.212.9

信頼関係 前後の変化12.913.713.4

挑戦心 前後の変化13.113.913.71ヶ月後

活動前活動後1ヶ月後

1ヶ月後

活動前活動後1ヶ月後

活動前活動後

活動前0.8

活動後

1.6

1.3

0.9

0.8

1ヶ月後活動後活動前

3 結果

(1) HAP利用者アンケート

表中の数字は、「あてはまる:5」~「あてはまらない:1」のいずれかで回答のあったもの

を各観点ごと(複数アンケート項目)に合計し、データ有効人数で平均したもの。

ア 「活動前」「活動後」「1ヶ月後」のアンケート調査における観点ごとのポイント変化

【小学生】

観点によってポイントに差はあるものの、観点別にみるとそれぞれ活動後にポイントが

上がり、1ヶ月後にはポイントが少し下がるという傾向にある。1ヶ月後のポイントは活

動後よりも下がるものの、活動前よりは高いポイントとなっている。

【中高生】

【中高生】では「充実感」の観点を設けている。傾向としては、【小学生】の結果と同様に、

観点によってポイントに差はあるものの、観点別にみると活動後にポイントが上がり、1ヶ

月後にはポイントが少し下がるという傾向にある。1ヶ月後のポイントは活動後よりも下が

るものの活動前よりは、高いポイントとなっている。

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信頼関係 前後の変化10.412.211.3

対人関係 前後の変化10.412.011.3

挑戦心 前後の変化12.313.613.1

自己肯定 前後の変化10.511.611.2

1.8

1.3

活動前

活動前

1.1

1.6

活動前

活動後1ヶ月後

活動後1ヶ月後

活動後1ヶ月後

活動前活動後1ヶ月後

自己肯定 前後の変化9.510.69.5

信頼関係 前後の変化10.311.310.6

対人関係 前後の変化8.99.99.1

自律 前後の変化6.86.96.5

挑戦心 前後の変化14.214.214.4

1.1

0.0

0.1

1.0

1.0

活動前活動後1ヶ月後

活動前活動後1ヶ月後

活動前活動後1ヶ月後

活動後1ヶ月後

活動前活動後1ヶ月後

活動前

【大学生】

【小学生】、【中高生】同様に、観点によって平均ポイントに差はあるものの、観点別にみ

ると活動後にポイントが上がり、1ヶ月後にはポイントが少し下がるという傾向にある。1

ヶ月後のポイントは活動後よりも下がるものの活動前よりは、高いポイントである。【大学生】

は特に活動前後のポイント変化が平均で約1.5ポイント上昇している。

【成人】

【成人】は「自律」の項目を設けている。【小学生】、【中高生】、【大学生】同様に、観点に

よってポイントに差はあるものの。観点別にみると「自律」以外は全体的には活動後にポイ

ントが上がり、1ヶ月後にはポイントが少し下がるという傾向にある。1ヶ月後のポイント

は活動後よりも下がるものの活動前よりは、高いポイントとなっている。「自律」の観点のみ

1ヶ月後には、ポイントは低下している。

【成人用】アンケート質問紙の質問には「自律」に関する項目を2つ、挑戦に関する項目を4つ設定

しているため、「自律」の合計最大ポイントは10、「挑戦心」の合計最大ポイントは20となる。そのため、

2項目のグラフの長短の差が大きくなっている。

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イ 活動日数の違いによる観点別達成状況及び定着度の比較

【小学生】、【中高生】は1日と2日の比較、【大学生】、【成人】は1日と3日の比較である。

活動前を0ポイントとし、活動後、1ヶ月後のポイントとの差の変化をグラフで示している。

【小学生】(活動日数1日:8団体、活動日数2日:1団体)

「自己肯定感」「挑戦心」は2日間の方がポイントが高く、「信頼関係」「対人関係」は、

1日の方が高いポイントで推移している。

【中高生】(活動日数1日:3団体、活動日数2日:1団体)

「充実感」は1日の活動のポイントの方が高くなっている。「自己肯定感」、「対人関係」、

「信頼関係」は直後の調査では2日の方が高くなるが、1ヶ月後には1日の方が高いポイン

トとなっている。

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【大学生】(活動日数1日:1団体、活動日数3日:2団体)

概ね3日の活動の方が1日目より高いポイントとなっている。「対人関係」と「挑戦心」

の1ヶ月後を除いて3日間の方が高ポイントで推移している。

【成人】(活動日数1日:2団体、活動日数3日:1団体)

「対人関係」は3日の方が高いポイントで推移している。「挑戦心」と「自律」は1日の

方が高いポイントで推移している。「自己肯定感」と「信頼関係」は、活動後は3日間の

方が高いポイントとなるが、1ヶ月後には1日目よりもポイントが低くなっている。

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コミュニケーション能力 14チャレンジ精神 11信頼感 8自己肯定感 4その他 3

その他

・学年間のコミュニケーション

・心がオープンになるため、本性が観察

できる

その他

・経験した学校や過年度の様子から是非

させたいと考えた

なし 9あり 9

プログラムに魅力を感じるから 13指導者のレベルが高いから 6ローエレが体験できる 5ハイエレメントが体験できるから 4利用料金が妥当であるから 2その他 1

(2) 利用団体代表者アンケート

ア 活動前アンケート 回答:18団体(実施は19団体)

(ア) HAP利用の目的

【活動のねらいに関すること】

HAP利用の目的は、「活動のねらいに関すること」では、「コミュニケーション能力」の向上、

次いで「チャレンジ精神」の育成を目的としていることが分かる。

【施設、指導、プログラムに関すること】

「施設、指導、プログラムに関すること」については、プログラムに魅力を感じていることがわ

かる。次いで「指導者(ファシリテーター)のレベルの高さ」が続く。

(イ) 事前指導実施の有無の割合

各利用団体の事前指導については、半数の団体が実施している。 事前指導の内容は、主に「チ

ームワークを大切にすること」「指導者に対する礼儀について」「HAP当日だけの活動で終わら

せないこと」、「力を合わせないと解決できない活動であること」「HAPの目的」等である。

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変化した 14わからない 3変化なし 0

もった 11持っていない 6

イ 活動後アンケート 回答17団体(実施は19団体)

(ア) 活動前後の変化

変化がみられた内容(主なもの)

・団結力が上がった。

・会話が増えた。

・自発的に行動するようになった。

・学校生活では見られない子どもらしい正直な反応が見られた。

・メンバーを思いやり、チームとして達成しようとする行動をするようになった。

・男女の壁を乗り越えることができていた。

・心がひらいている感じがした。

・協力し合えるようになった。

・素を出せている子が多くなった。

「変化した」を選択した団体が、8割を超えている。変化の内容は、ほとんどが肯定的な内

容である。

(イ) 活動中の間接的な指導等の有無

間接的な関わりを持った内容(主なもの)

・距離をとって見守った。

・健康観察をした。

・個別の支援が必要な児童を見守った。

約65%の利用団体が、活動中に何らかの関わりをもっていることがわかる。

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予定あり 9なし 4未定 4

(ウ) 活動後の指導の予定有無について

活動後に予定している指導内容(主なもの)

・学んだこと、感じたことの共有。

・ふりかえりシートを書かせる。

・自分の思っていること、感じていることを素直に言えるように指導する。

・今後の業務との結びつきを考える。

半数以上の利用団体が活動後の指導を予定している。内容としては、ふりかえりのことと今

後の業務にどう結びつけるかというものである。

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(3) HAP指導者(ファシリテーター)アンケート

ア 利用団体のねらいに迫る方策(主なもの)

・ 複数日数の活動の場合には、全体のゴールを設定した。

・ 説明を入れる「フルバリューとは」等。

・ Cゾーンをつくる環境作りをした。

・ 考える時間を十分にとった。

・ 普段の仕事のやり方をイメージしてもらう。

・ ハイエレメントに向けて「ゆだねる体験」をいれる。

・ 終わったときにどういう状態になっていたいかをイメージしてもらう。

・ 失敗しても何度でもチャレンジできることを告げる。

・ 「コミュニケーション」がねらいの場合にはコミュニケーションが広がるアクティビ

ティを入れる。

・ 参加者自身のゴール設定を聞く。

・ 参加者が自分たちでチャレンジレベルを考えられるようにした。

・ 体験学習サイクルを意識した。

・ 考えるきっかけの言葉を掛けた。

・ ふりかえりで取り上げるトピックや視点をねらいに沿わせた。

〔用語解説〕 Cゾーン…コンフォートゾーン。安心できる仮想ゾーンのこと。Cゾーンの周りには、同心円上

にSゾーン(ストレッチゾーン)、その外側にPゾーン(パニックゾーン)があると

考える。Sゾーンは、安全なところから一歩踏み出そうとする成長ゾーンであり、P

ゾーンは、そこへ踏み込むとパニックを起こしてしまうゾーンである。

フルバリュー…FVC(フルバリューコントラクト)。グループの体験から最大限の価値を認め合

うという考え方。 (プロジェクトアドベンチャージャパン『アドベンチャープログラミングトレーニングマニュアル』)

イ 効果を維持させるための方策(利用団体代表者に参考としてほしいこと)

【活動前】

・ 明確なゴール(目標、ありたい姿)を設定する。

・ 先入観を持たせないようにしつつ、グループ活動としての目標を伝えておくと活動が

スムーズになる。

【活動中】

・ 活動中の姿を見て新たな課題の発見や課題の確認をする。

・ 外からの声(干渉)が強いことがある。グループとファシリテーターだけの世界をつ

くりそれを尊重してほしい。

【活動後】(活動日も含めてその日以降)

・ 活動中の様子から気づいたことを基にして今後の関わり方や指導を見つめ直す機会と

してほしい。

・ ふりかえりに参加してもらい、ねらいやフォロー体制をバトンタッチできるようにな

るといい。

・ 活動によって得られた学び等を学校生活に持って帰れるように学んだこと、今後して

いくことを書かせるとよい。

・ 活動後に書いた感想や新たに建てた目標を3ヶ月後ぐらいに見返す。

・ 何が変わったか。明日から何をどうしたいか尋ねてみる。

・ 活動の内で不十分だった「ふりかえりのフォロー」をしていただく。

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4 考察

(1) HAPプログラム実施前後の変化及び学んだことの定着について

ア HAP利用者のHAPプログラム実施前後及び1ヶ月後の変化について

(ア) HAPプログラム実施前後の変化

HAP利用者を対象とした活動前後及び1ヶ月後に実施したアンケートの回答結果から

は、「自己肯定感」「対人関係」「信頼感」「挑戦心」「充実感」の各観点ともに、「活動前」

よりも「活動後」にポイントが上がった(成人の「挑戦心」は前後で同ポイント)。「活動

後」にポイントが上がるということは、HAPの活動が、利用者に正の影響を与えること

がわかる。HAPプログラムの一連の活動には「アイスブレイカー」「イニシアティブ」「ト

ラスト」「ふりかえり」等がある。「アイスブレイカー」で参加者自身や仲間どうしの関係

をほぐし、「コミュニケーション」をとりながら、「自分を見つめ直し、仲間を信頼し、協

力して課題解決」に取り組み、最後に自分自身や活動を「ふりかえる」ことが互いに有機

的に関係し、効果をもたらしていることがわかる。

参加者の活動後の所感として「仲間の絆が深まった。」「みんなで協力すれば成功するこ

とがわかった。」「力を合わせて協力すると成長できることがわかった。」「支えてあげるか

らなどといっていたのがすごいと思った。」「できたときは最高でした。」等の記入があった

ことからも参加者自身が何らかの変化を体感していることがわかる。また、利用団体代表

者アンケートでは、「団結力が上がった。」「協力し合えるようになった」等の記入があり、

感覚的なものではあるがプログラム実施後、参加者が変わったと8割超えの団体が実感し

ている。

活動前後のポイントの上がり方について、各観点について区分(【小学生】【中高生】【大

学生】【成人】)ごとに比較すると、「自己肯定感」については、【中高生】の上昇幅が1.6

ポイントで大きい。「対人関係」は、【大学生】が1.6ポイントで上昇幅が大きくなっている。

「信頼関係」でも、【大学生】の上昇幅が1.8ポイント、「挑戦心」でも【大学生】の上昇幅

が大きく1.3ポイントとなっている。アンケートの質問項目が他の区分とすべて同じでない

ため、単純な比較はできないが、【大学生】は活動後のポイントの上昇幅は平均で約1.5ポ

イントとなっており、その他の区分よりも大きくなっている。【大学生】に有効に働いてい

る傾向がみられる。大学生は発達段階では自己が確立していることや、HAPの活動やね

らいを十分に理解して参加していること等が影響していると考えられる。

(イ) HAPプログラム実施直後から約1ヶ月後の変化

全体的な傾向として「活動直後」から「1ヶ月後」にかけてはポイントが少し低下する

傾向がある。これは、時間とともにHAPで学んだことが日常生活において意識が薄れて

いることを表している。ただ、活動後約1ヶ月の時点では、活動直後よりは減少するもの

の活動前よりポイントが高くなっているため、HAPプログラムの効果は持続していると

考えられる。

効果の持続に関して、約1ヶ月後のアンケート回答時に記入した利用者のコメントがあ

る。「HAPを体験してからここまで、1ヶ月間、学んだことを十分に生かすことができな

かった。今後生かしていきたい。」というものである(複数)。約1ヶ月後のアンケートへ

の回答をきっかけとして、HAPで学んだことが再度、意識化されていることが伺える。

再度認識されることでポイントがブーストする可能性も考えられる。HAPプログラム実

施後、ポイントの低下をより緩やかにするためには、定期的にHAPで学んだことや体験

したことを思い出させるなど、日常生活で繰り返し意識をさせることが必要と考えられる。

【成人】のアンケート回答結果から、「自律」が1ヶ月後に活動前よりもポイントが低下

していることについては、当初の予想とは違い、グループ内での人間関係等を考慮に入れ

て低い数字を選択されたのかも知れない。

利用者の1ヶ月後の所感として、その他に、「HAPをしてよかった。なぜなら、今、み

んなで協力できているから。」「友だちと更に仲が深まった。」「今の自分はだめだと思う。」

というものがある。これらも1ヶ月後のアンケート調査を通じて、HAPの活動を思い出

し、自分の現在の行動について再確認しているように感じられる。

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イ 活動日数の違いによる変化の違い

活動日数の違いがHAPプログラムの効果に影響するかどうか確認した。区分【大学生】

の結果では、1日の活動よりも3日間の活動の方が概ね高いポイントで推移している。しか

し、その他の区分では、実施直後は複数日数の活動の方がポイントが高くなるものの、1ヶ

月後は逆転する等、活動日数の違いが活動前後の変化に明らかに影響を及ぼす傾向はみられ

なかった。

実際のプログラムでは、1日の活動よりも複数日活動する場合は、1つのプログラムにじ

っくりと取り組み、多種多様な活動が行われる。また、グループの状況によっては、ハイエ

レメントの活動に移ることができる。そのことで、利用者の表情や様子から仲間意識の醸成

など集団の成長が明らかにみられるのも事実である。

このことから、活動日数の違いによる効果も考えられるが、それよりも1ヶ月後にポイン

トの低下がないように対策を講じる方がより効果的であるとも考えられる。

各区分の中で、更に活動日数等の要因について集計する場合には、データ数が少なくなる

ため利用団体の傾向(性格)が強く出てしまい、結果に偏りが出ている可能性もある。デー

タ数を確保して再度検証したい。

ウ HAP関係者の効果的な協働のあり方

HAP利用に関してより効果的な活動を進める

に当たっては、利用団体、参加者、ファシリテー

ター、当センターが協働してそれぞれの役割を果

たすことが重要である。効果的な協働にあたって、

次の4点が考えられる。

(ア) HAP利用目的の共通理解

利用団体代表者へのアンケートからは、団体のHAPの利用目的がわかる。回答のあっ

た団体では、「コミュニケーション能力(「対人関係」)」が全体の35%、「チャレンジ精神

(「挑戦心」)」が27%と続く。各団体の利用目的は課題でもあるため、効果的な実施のた

めには、確実に把握しなくてはならない。一方、ファシリテーターからの要望としても、

「ねらいをできる限り具体的に知りたい。ねらいの背景、日常の業務内容等も知りたい。」

というのが常に挙げられている。利用団体のねらいに答えるためには、HAP担当者は利

用団体やファシリテーターと協働して、HAP当日までに綿密な準備を進めることが大切

である。

(イ) 活動前、活動中、活動後の指導等

ファシリテーターへのアンケートで「効果的な実施」や「効果の持続」に向けて回答を

得ている(前掲)。これらのことは、利用団体だけでなく、HAP担当者、ファシリテータ

ーがともに意識しておくことが重要である。以下、前掲(P14参照)したものを要約してお

く。

【活動前】

「明確なゴール設定」については、明確にゴールを設定するのはもちろん、関係者が理

解、把握しておく必要もある。参加者は「HAPについての先入観を持ち過ぎず、ファシ

リテーターの指導を受け入れやすい状態」で参加できることが重要である。

【活動中】

「グループの外からの干渉(声)」や「視覚に入る位置での見学」は参加者の集中が切れ

やすい。参加者の集中や自由な発想を妨げない「ファシリテーターと参加者だけの世界」

効果的な協働

HAP利用団体

HAP指導者

ファシリテーター HAP担当者

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が作れるように協働することが重要である。また、参加者の活動中の姿から発見できるこ

とが多くある。事後の指導に生かすためにも参加者の情報収集をすることは大切である。

身体的な介助や特別な支援が必要な場合は打合せのうえ見守る。

【活動後】

HAPプログラムで学んだこと(変化したこと、感じたこと等)は、日が経過すると意

識が薄くなる。「フォロー体制をファシリテーターからHAP利用団体代表者へバトンタッ

チ」できる様にしたい。その時に留意することは、HAPプログラムは、非日常の中で体

験するものである。学んだことを普段の生活や業務の中で意識して行動すること(「日常化」)

が大切である。

(ウ) ファシリテーターの質を確保する

利用団体代表者のアンケート回答ではHAP利用の目的【施設、指導、プログラムの関

すること】に「指導者のレベルが高いから」を選択した団体が2番目に多い。このことは、

利用団体が「指導者(ファシリテーター)」の力量を高く評価していることを示している。

当センターとしては、ファシリテーター対象に「指導者研修会」を実施して、注意事項、

危険事項の共通理解を図ったり、ファシリテートの仕方について意見交換したりしている。

今後も引き続き指導者の質を落とさないよう研修を続けるとともにファシリテーターに

協力を求める。同時に利用団体へファシリテーターのスキルが十分に発揮できる環境づく

りの協力を求める。

(エ) HAPのとらえ方の意識改革(活動全体をHAPとして捉える)

HAPプログラムを当センターで実施するHAPプログラム体験時だけでなく、様々な

活動の場面でその底流にHAPの考えを据えて活動することが大切であると考える。HA

Pの考えを取り入れるとは、「自分自身の枠組から一歩踏み出す体験(冒険)を取り入れる」

ことである。HAPプログラムを含めた長期にわたる野外活動プログラムの場合、HAP

プログラム以外の野外活動プログラムの際にも「自分自身の枠組から一歩踏み出す体験」

を入れるということである。

例【野外活動プログラム】

HAP

→ 飯ごう炊さん → キャンプファイヤー → 木工クラフト

底流にHAPの考え『一歩踏み出す体験を!』

(「自己肯定感」「対人関係」「信頼関係」「挑戦心」等の醸成)

効果的なHAPに向けた協働の1つとして意識的な面でも関係者が参画していくこと

が必要である。

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〔利用の申込から実施後までの効果的な協働の流れについて〕

① 実施前:HAPの教育的可能性のうち、何を目的にするのかを明確にし、理解する。

利用者 … 目的を明確にして参加する。

指導者 … 利用者の目的や情報等から指導の準備をする。

担当者 … HAPの意義を事前に周知しておく。利用者の目的を聞き取り、指導者と

共通理解を図る。

② 実施中:効果的な実施ができるように配慮する。

利用者 … 利用団体代表者等は、プログラム参加者の様子を観察するとともに、指導

者のファシリテートを尊重し、参加者の集中力保持に協力する。

指導者 … 参加者(グループ)の状態に気を配り、効果的なファシリテートに努める。

プログラムの終盤には活動のふりかえりを行い、学びを日常に生かすための

方向付けを行う。

担当者 … プログラムの進行管理をする。施設、活動の安全管理に努める。指導者と

の連携に努める。

③ 活動後:活動をふりかえり、実施後の生活に生かす。

利用者 … 利用団体代表者は活動中の参加者の様子や実施後のふりかえりをもとに

参加者が学んだことを日常の生活、業務に活かせるよう手立てをとる。時期

を見てふりかえりを行う。

6 おわりに

今回の調査により、利用者アンケートは、概ね活動前に比べて活動後、1ヶ月後のポイントが

上昇しており、利用者にとってHAPが意義のあるものになっていることが実証された。この結

果は、利用者に対しては、前回の調査結果の傾向と大きな変化はなかった。このことを広く周知

するためにホームページなどを活用した広報を工夫することはもちろんのこと、今回の調査を生

かした「HAPの申込から実施後にかけた効果的な流れ」を提案していくことが求められる。

今後は、データ数を増やし数値的により正確なものにすることと、今回十分に検証ができなか

った内容(活動日数や活動後の指導、ファシリテート、プログラムによる違い等)を検証する必

要がある。そして、利用者アンケートでの実施後から1ヶ月後にかけてポイントが低下すること

に対しては対策を講じないとならない。

HAPはPA(プロジェクトアドベンチャー)の考えを取り入れた兵庫県独自のプロジェクト

である。エレメントを活用したプログラムは冒険の小川で行われるが、HAPはそこで行われる

プログラムのみで完結するものではない。HAPに関わる全ての人やもの、そしてそこに関わる

もの全ての関わりによって成し遂げられるプロジェクトである。そのことを意識して取組をめざ

したい。

最後に、本調査に協力いただいたHAP利用者、利用団体代表者、ファシリテーターの皆様に

お礼申し上げるとともに、今回の研究の企画・調査分析にあたってご指導、ご鞭撻を賜った兵庫

教育大学大学院准教授森田啓之様、天理大学体育学部講師蓬田高正様に心からの感謝を申し上げ

る。

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7 参考文献

・ 2003研究報告『うれしの台』「ひょうご冒険教育(HAP)の指導と評価―平成15年度ひょう

ご冒険教育の実践を通して―」(主任指導主事兼青少年課長眞崎徹彦、指導主事丹後政俊)

・ 2004研究報告『うれしの台』「ひょうご冒険教育(HAP)の展開―平成16年度ひょうご冒険

教育の実践から―」(主任指導主事兼青少年課長眞崎徹彦、指導主事丹後政俊)

・ 2005研究報告『うれしの台』「ひょうご冒険教育の展開その2―平成17年度ひょうご冒険教育

の実践から―」(指導主事丹後政俊)

・ 2006研究報告『うれしの台』「ひょうご冒険教育(HAP)の成果と課題―平成18年度ひょう

ご冒険教育の実践を中心として―」(主任指導主事丹後政俊)

・ 2008研究報告『うれしの台』「平成20年度ひょうご冒険教育の現状と今後の展望~実践と観察

から~」(指導主事浅井英樹)

・ 2009研究報告『うれしの台』「ひょうご冒険教育(HAP)の深化・発展をめざして~日常に

始まり、日常に返すために~」(主任指導主事畑中啓太)

・ 「体験活動による「生きる力」の変容が見える!事業評価に使える!「生きる力」の測定・

分析ツール~アンケート用紙・分析ソフト付き~」(独立行政法人国立青少年教育振興機構)

・ 「アドベンチャープログラミング トレーニングマニュアル」(Project Adventure,Inc.)

(プロジェクトアドベンチャージャパン訳)