エネルギー消費性能計算プログラム(非住宅版) …...エネルギー消費性能計算プログラム(非住宅版)Ver.2 入力マニュアル(201704版)
構造計算プログラムの特性比較...《1》一貫計算プログラムの特性比較...
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構造計算プログラムの特性比較
愛知県建築技術支援セ ン タ ー
(一社)日本建築構造技術者協会中部支部
資料-2
H26版
愛知県建築技術支援センター
建築技術者スキルアップ講習会 2014年8月 構造計算プログラム特性比較 2
建築構造計算プログラム審査能力向上事業
・最近の構造計算の殆どは一貫構造計算プログラムを用いて行なわれている。・ 構造設計に携わっておらず、プログラムに精通していない構造審査者がいる。・ 一貫構造計算プログラムの普及によって構造計算の中身がブラックボックス化し、確認審査さえ通ればよしとする構造設計者がいる。・ 本来、物件ごとに設計者が選択しなければならない項目を、デフォルト値で問題ないと誤解している事例がある。
《1》一貫計算プログラムの特性比較市販4社のプログラムを取り上げ、各プログラムのモデル化、解析、耐力算定などの主要な特性を把握し、比較表としてまとめた。
Super Build/SS3 ユニオンシステム㈱BUS-5 ㈱構造システムBUILD.一貫Ⅳ+ ㈱構造ソフトSEIN La CREA ㈱NTTファシリティーズ総研
《2》同一モデルの解析結果比較4社のプログラムに同一モデルのデータを入力し、その計算結果を比較検討した。その結果の違いについて要因を分析し、プログラムを使用する上での留意事項をまとめた。
プログラムの理解のために
一貫構造計算プログラムの特性比較
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建築技術者スキルアップ講習会 2014年8月 構造計算プログラム特性比較 4
共通項目編
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建築技術者スキルアップ講習会 2014年8月 構造計算プログラム特性比較 5
【一般 3-5~3-7】 外周部床の荷重拾いSS3 デフォルト
積載荷重は考慮しない。吹抜け周囲は外周部として扱わない。
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建築技術者スキルアップ講習会 2014年8月 構造計算プログラム特性比較 6
【一般 3-5~3-7 】 外周部床の荷重拾い
BUS-5●RC、SRC造は梁の外面、S造は軸心まで拾う○軸心から外周の出長さの入力指定
床荷重は隣接するスラブの荷重を考慮。積載荷重も隣接するスラブによる。
但し、隣接が吹抜けの場合は考慮しない。
内部吹抜け周囲は外周部として扱う。
BUILD.一貫Ⅳ+●考慮する。(梁の外面まで拾う)
階ごとに指定した代表スラブの荷重を考慮する。積載荷重を考慮する。
内部吹抜け周囲の扱いは、外周部と同様に考慮する。
SEIN La CREA●考慮する。 (RC造は梁の外面、S造は梁心まで拾う)
S造はスラブ自重、積載荷重ともに考慮していない。内部吹抜け周囲の扱いは梁のみ。
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建築技術者スキルアップ講習会 2014年8月 構造計算プログラム特性比較 7
【一般 4-1,4-2】 部分地下の支点の考え方SS3最下層以外で支点となる節点には、支点の設定が必要。各地盤へ伝わる水平力の振り分けは、下記の3通りから選択する。
●支点バネを入力
○地震用軸力の比による
○全層せん断力に対する割合を入力
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【一般 4-1,4-2】 部分地下の支点の考え方BUS-5●水平ローラー支点
○支点バネを入力
○地震用軸力の比による
○全層せん断力に対する割合を入力
BUILD.一貫Ⅳ+●柱軸力比
○地盤に流れる地震力の直接入力
○支点に水平バネを入力
SEIN La CREA○累加節点重量の比率から計算
○全層せん断力に対する比率から計算
●水平力は最下層まで伝達
※いずれのプログラムも、最下層以外で支点となる節点には、支点の設定が必要。
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【一般 4-3 】 部分地下の回転剛性の扱い
SS3●拘束しない
○回転ばね定数を入力
○拘束する
○水平ばねの入力
BUS-5●拘束しない
○回転ばね定数を入力
○拘束する
○水平ばねの入力
BUILD.一貫Ⅳ+●拘束しない
○拘束する
○水平ばねの入力
○回転ばね定数を入力
SEIN La CREA●拘束しない
○支点の条件は、X,Y,Z,θX,θY,θZ に自由、固定、半固定を入力
※部分地下の回転剛性とは、地盤の水平抵抗力を回転剛性で評価すること。回転剛性が負担する曲げモーメントは地盤など建物以外の部分が負担できることを確認する必要がある。
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【一般 5 】 複数階にまたがる鉛直部材の取扱い
複数階にまたがるブレース 複数階にまたがる耐震壁
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【一般 5 】 複数階にまたがる鉛直部材の取扱い
SS3・柱:○(剛床仮定の解除必要)
・ブレース:×
・壁:×
BUS-5・柱:○ (剛床仮定の解除必要)
・ブレース:○
・壁:×
BUILD.一貫Ⅳ+・柱:○ (剛床仮定の解除必要)
・ブレース:○
・壁:×
SEIN La CREA・柱:○(入力形状通り)
・ブレース:○(入力形状通り)
・壁:重層の壁エレメントとなる
※ 2次設計での扱いは、全てのプログラムで1次設計に同じ。
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【応力解析 2-4 】 剛床解除 多剛床(1次設計)
SS3「可」
地震力計算方法は選択
●全体をまとめて外力分布を求める
○剛床ごとに外力分布を求める
(SS3マニュアルより)
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【応力解析 2-4 】 剛床解除 多剛床(1次設計)
BUS-5「可」
多剛床部分の作用水平力の計算方法
●節点重量比(節点重量の積載荷重は地震用を採用)
○入力値
BUILD.一貫Ⅳ+「可」
多剛床部分の作用水平力の計算方法
●節点重量比(負担軸力比) (節点重量の積載荷重は地震用を採用)○Ai分布で計算
SEIN La CREA「不可」
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【応力解析 2-5 】 剛床解除 多剛床(2次設計)
SS3「可」
作用水平力は1次設計の指定による。
・各剛床を1つにまとめてQuとQunの判定を行う。
※剛床ごとのQuとQunの判定は、別途検討が必要。
BUS-5「可」
多剛床部分の作用水平力の計算方法
●節点重量比(地震用積載を使用)
○入力値
※保有水平耐力は、層の集計。
・荷重ー変位図は、主剛床部分を表示。
BUILD.一貫Ⅳ+「可」
多剛床部分の作用水平力の計算方法
●節点重量比(負担軸力比)※Ai分布で計算・保有水平耐力は剛床毎に集計。
SEIN La CREA「不可」
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【応力解析 2-6 】 剛床解除 多剛床(剛性率・偏心率)
SS3指定により剛床ごとの算定が可能。
BUS-5●主剛床について計算。
○従剛床、剛床を解除した節点に接続する鉛直部材を考慮することも可能。
BUILD.一貫Ⅳ+各剛床ごとに計算
SEIN La CREA「不可」
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【応力解析 2-9 】 Fesの計算剛心、重心に解除節点の考慮
SS3解除節点ごとに考慮するかしない
かの指定を行う。
※デフォルトはない
BUS-5●考慮しない
○考慮する
※節点ごとの指定「可」
BUILD.一貫Ⅳ+●考慮しない
○考慮する
※節点ごとの指定「可」
SEIN La CREA●考慮しない
○指定により剛床解除節点の重心・剛心への考慮が「可」
※ SS3では、
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【応力解析 4-1】杭頭曲げ、偏心モーメントの考慮の仕方(1次設計時の入力方法)
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【応力解析 4-1】杭頭曲げ、偏心モーメントの考慮の仕方(1次設計時の入力方法)
SS3○節点モーメントとして直接入力(一体モデル)
○付属プログラムF1,BF1とのリンク(分離モデル)
BUS-5○特殊節点荷重等で直接入力(一体モデル、分離モデル可能)
○BUS-基礎構造計算とリンク(一体モデル、分離モデル可能)
BUILD.一貫Ⅳ+○杭頭曲げモーメントの直接入力(一体モデル)
○付属プログラムBUILD.GPⅢとのリンク(分離モデル)
SEIN La CREA○杭頭モーメントは、節点モーメントとして直接入力(一体モデル)
○偏心モーメントは、支点移動で考慮(一体モデル)
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【断面設計 1-3,1-4】部材端部の断面算定位置 水平荷重時
SS3曲げ 鉛直荷重時に同じ。
※応力採用位置は断面
算定位置。
せん断 曲げに同じ
BUS-5曲げ(S造)●軸芯
○フェイス
○軸心、RC、SRCと取り合う部分は、
フェイス。
フェイスからの入り長さ入力可能
曲げ(RC造)
●フェイス/剛域(軸心からの距離が
大きい方)
○軸芯
○フェイス
○柱フェイス、はり軸心
フェイスからの入り長さ入力可能
せん断 曲げに同じ
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【断面設計 1-3,1-4】部材端部の断面算定位置 水平荷重時
BUILD.一貫Ⅳ+曲げ ○節点
●梁・柱フェイス
○剛域端
○max(柱梁フェイス、剛域端)※個別に設定「可」
せん断 曲げに同じ
SEIN La CREA曲げ ○節点
○柱・梁フェイス位置(袖壁等が取り付いても柱・梁フェイス)
○危険断面位置
●剛域端又はパネル位置(剛域、パネルがない場合は節点位置)
○壁フェイス(袖壁等が取り付いていない部材は柱・梁フェイス)
せん断 ●節点
○壁端、ハンチ始端、継手位置
○危険断面位置
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【保有水平耐力 9】 保有耐力計算時の危険断面位置
SS31次設計断面算定位置*個別に指定もできるが、メッセージ
は出力されない。
耐震壁は壁脚
BUS-5●部材フェイス
(梁・柱面または壁端、耐震壁は軸心)○部材フェイスよりはり柱せいのα倍引いた位置
○節点
○部材フェイスより壁を含んだはり柱せいのα倍引いた位置※個別に位置の指定もできる。
BUILD.一貫Ⅳ+●壁端または梁・柱面
耐震壁は壁脚
○1次設計時の剛域
SEIN La CREA●節点(但し、剛域やパネルを考慮
していると柱・梁フェイスになる。)
壁が取りついていると壁フェイス
○柱・梁フェイス
・長期応力の考慮も柱・梁フェイス
位置を選択「可」
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R C 造 編
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【一般12】 RC規準1991、1999(付着)への対応
異形鉄筋の付着割裂破壊
異形鉄筋の付着割裂パターン
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【一般12】 RC規準1991、1999(付着)への対応
SS3
●RC規準1991にて検討・付着応力度、必要延長長さの検討でどちらか1つでもNGの場合は当該箇所にメッセージを出力する。(RC規準1991では、どちらか一方を満足すればよいと記されている。)
○RC規準1999にて検討。
※出力最終ページの終了時メッセージには出力されない。
※曲げ筋のσyの入力は、鉄筋応力度は存在応力度σtか降伏強度σyのいずれか選択。
BUS-5
●RC規準1999にて検討○RC規準1991にて検討※付着以外の計算は、1999年版に従う。
※検討を満足しない場合にはワーニングメッセージを出力。
※保有計算にて、「「技術基準解説書」付1.3-22式」、「靱性保証型指針」、「RC規準2010年版(付着)」より選択して柱・はりの付着割裂破壊の検討が可能。満足しない場合はメッセージを出力して部材種別を自動でFD扱いとする。柱で付着割裂破壊の検討を満足する場合はPtに関する部材の種別判定をFAとする。
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【一般12】 RC規準1991、1999(付着)への対応
BUILD.一貫Ⅳ+●検討を行わない。○RC規準1999にて検討○RC規準1991にて検討
※検討を満足しない場合はメッセージを出力する。※許容応力度の検討では、存在応力σtとして検討する(RC規準1999)。
※上記許容応力度の検討の他に、保有水平耐力計算においてRC規準1999による付着割裂破壊の検討を行うことが出来る。この時、σtを降伏強度σyとして検討する。カットオフ筋がある場合の検討も可能。
SEIN La CREA
許容付着応力度が設計用付着応力度以上となることを検定する。
●RC規準1991にて検討○RC基準1999にて検討
※検討を満足しない場合はメッ
セージを出力する。※RC基準1991年版による付着割裂の検定はこれらの指定にかかわらず出力する。
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【モデル化 5-2】耐震壁のr3(開口の鉛直断面に対する低減率)等の扱い
◆耐震壁のせん断耐力の低減率
r = min( r1 , r2 , r3 )
◆壁の高さhの取扱い
出典:日本建築センター 「建築物の構造関係技術基準解説書 2007年版」
hは開口部を有する耐力壁の上下のはりの中心間距離としているが、基礎ばりの上に設ける耐力壁のように上下のはりせいが著しく異なる場合は開口周比が過小評価となるため、はりの中心間距離の代わりに耐力壁下のはりの上端から耐力壁上のはり上端までの鉛直距離とする。
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【モデル化 5-2】耐震壁のr3(開口の鉛直断面に対する低減率)等の扱い
SS3●r1~r3を自動計算し、せん断耐力を低減する。○r3を考慮せず、r1~r2のみ考慮する。※壁高さhの取扱いは、壁上下の梁せいの差の制限値を入力し、入力値以下の場合は上下梁中心間距離とし、入力値を超える場合は梁天間距離とする。※低減率は終局耐力にも考慮される。また、弾塑性解析時のせん断ひび割れ耐力および終局せん断耐力について、RC連スパン耐震壁の開口低減率rの算定方法を指定できる。
BUS-5●r1~r3を自動計算し、せん断耐力を低減する。○r1~r3は、個別入力。※縦長開口の場合、開口面積にかかわらず床から上階はり下までの開口は、耐力壁とはせず袖壁として扱う。多少の腰壁たれ壁(高さの設定ができる)があっても同様の扱い。※耐力壁モデル化において、耐力壁上下はりせいの比が入力値以上の場合は、開口周比算定に用いる階高をはり上端間距離とすることができる。(デフォルトは、はりせい比2.0)
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【モデル化 5-2】耐震壁のr3(開口の鉛直断面に対する低減率)等の扱い
BUILD.一貫Ⅳ+r1~r3を自動計算し、せん断耐力を低減する。※壁高さhの取扱いは下記による。一般階・・・上下梁心間最下階・・・上下梁上端間
※r1~r3は個別入力できない。
SEIN La CREA●r1~r3を自動計算し、せん断耐力を低減する。○ r2を考慮せず、 r1~r2のみ考慮とする。※縦長開口による判定を考慮しない場合でもメッセージは出力されない。※r1~r3までの低減は、許容応力度設計時・保有水平耐力計算時ともに行う。
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【モデル化 5-7】 耐震壁 エレメント置換の壁柱軸力の扱い(断面算定時の付帯柱の軸力)
SS3応力解析で壁柱に生じた軸力を付帯柱に振り分ける。
※付帯柱への振り分けは両側へ1/2ずつ※この値を柱の断面算定に採用。
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【モデル化 5-7】 耐震壁 エレメント置換の壁柱軸力の扱い(断面算定時の付帯柱の軸力)
BUS-5断面計算時の壁エレメントに接続する柱軸力の扱い方は以下による。
直交壁が負担する応力を軸力として付帯する柱に分配し、その分配軸力を加算して柱の断面計算を行うかどうかを指定可能。●「柱軸力に加算しない」○「壁板軸力の1/2を両側の柱軸力に加算する」○「壁板軸力の1/2と壁板の曲げモーメントを両側の柱軸力に加算する」のいずれか
※柱断面計算に使用する軸力は、応力計算結果の数値を用いている。※壁断面計算の曲げの検討を行う時の付帯柱の軸力は、壁柱軸力・壁柱曲げモーメントを付帯柱で負担すると考えて、付加軸力を加算して付帯柱を検討する。
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建築技術者スキルアップ講習会 2014年8月 構造計算プログラム特性比較 31
【モデル化 5-7】 耐震壁 エレメント置換の壁柱軸力の扱い(断面算定時の付帯柱の軸力)
BUILD.一貫Ⅳ+応力解析で壁柱に生じた軸力を付帯柱に振り分ける。※節点軸力を壁柱と付帯柱の軸剛性に応じて分配する。※この値を柱の断面算定に採用。
SEIN La CREA●付帯柱の設計用軸力に壁柱からの付加軸力の考慮をする。○付帯柱の設計用軸力に壁柱からの付加軸力の考慮しない。※付加軸力を考慮する場合、「壁脚に生じる曲げモーメント/スパン長」+「壁柱の軸力/2」。※壁柱の断面設計用応力は、応力計算結果の軸力のみを考慮する。
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建築技術者スキルアップ講習会 2014年8月 構造計算プログラム特性比較 32
【モデル化 5-8】 連スパン耐震壁の計算方法(Qsu、せん断スパン比等)
SS3※終局せん断耐力は全体を1つの耐震壁とみなして計算し、各スパンの壁のスパン長、壁厚、開口低減率により分配する。※せん断スパン比は、精算値と仮定値から選択可能。※全体の耐力に考慮する開口低減率は、各スパンの開口低減率を平均する方法と1つの開口とみなす(ho/hは各スパンの最大値とする)方法から選択可能
BUS-5※終局せん断耐力は各スパン毎に計算。※せん断スパン比は、応力値から計算。※中間柱Ptは、柱主筋の1/2考慮。
BUILD.一貫Ⅳ+※終局せん断耐力は各スパン毎に計算。※せん断スパン比は下記による。連層壁の最上層・・・M/Q=hwその他の壁・・・M/Q=hw/2
hw:壁の床面から上部に連続する壁の最上部までの高さ※開口による耐力低減は、各スパン毎で考慮。
SEIN La CREA※終局せん断耐力は全体を1つの耐震壁とみなして計算し、各耐震壁のスパン、壁厚、開口に対する低減率により分配する。※せん断スパン比は全体スパンと全体階高で計算する。
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建築技術者スキルアップ講習会 2014年8月 構造計算プログラム特性比較 33
SEIN La CREA (マニュアルより抜粋)
全体を1つの耐震壁と見なしてQsuを計算し、各耐震壁のスパン、壁厚、開口に対する低減率により分配する。
【モデル化 5-8】 連スパン耐震壁の計算方法(Qsu、せん断スパン比等)
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建築技術者スキルアップ講習会 2014年8月 構造計算プログラム特性比較 34
S 造 編
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【断面設計 4-1,4-2】 横補剛位置の指定
SS3<配置小梁の有効指定>
●全て有効
・横補剛を直接入力した場合は小梁を認識せず、直接入力値が優先される。
<任意の横補剛位置の指定>
部材ごとに指定「可」
床・床組で配置された床にある小梁のみ考慮。片持ち床、入隅の床内にある小梁は考慮しない。
一本部材と指定した梁では、直交方向に取付く大梁も横補剛とみなす。
SS3の場合
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建築技術者スキルアップ講習会 2014年8月 構造計算プログラム特性比較 36
【断面設計 4-1,4-2】 横補剛位置の指定
BUS-5<配置小梁の有効指定>
●全て有効
※有効・無効を選択できる
<任意の横補剛位置の指定>
部材ごとに指定「可」
BUILD.一貫Ⅳ+ <配置小梁の有効指定>
●全て無効
※有効・無効を選択「可」
<任意の横補剛位置の指定>
部材ごとに指定「可」
SEIN La CREA<配置小梁の有効指定>
●検討を行わない
○横補剛間隔の検定と必要本数の計算指定
<任意の横補剛位置の指定>部材毎に上下フランジの拘束指定「可」(小梁、小梁本数、完全拘束等)
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【保有水平耐力 15】 ウエブの曲げ耐力の考慮
・考慮する場合その方法・崩壊形の確認時における梁ウエブの扱い(冷間成形角形鋼管)
SS3
●考慮する
○考慮しない
※崩壊形確認時も上記指定どおり。
BUS-5
●端部のみを考慮しない
○端部、継手別に考慮の有無選択可能。
※冷間成形角形鋼管は、崩壊形の確認においては、常に全断面を有効とした曲げ耐力を用いる。
※仕口・継手の保有耐力接合が満足、もしくは、指定により保有耐力接合とする場合でウェブの扱いの指定を考慮するとした場合に上記設定が有効となる。ウェブの扱いの指定を考慮しない場合は全断面を有効とした曲げ耐力となる。
BUILD.一貫Ⅳ+
●考慮する
○考慮しない
※スカラップによる欠損を考慮「可」
※崩壊形の確認においては、常に全断面を有効とした曲げ耐力を用いる。
SEIN La CREA
●考慮する
○考慮しない
※柱梁耐力比崩壊形の確認時も指定どおり。
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建築技術者スキルアップ講習会 2014年8月 構造計算プログラム特性比較 38
【保有水平耐力 16-1】 大梁の横補剛の確認(確認方法)
SS3
初めに等間隔で横補剛を設ける方法で検討し、NGだった場合は端部に横補剛を設ける方法により検討を行う。どちらもNGだった場合にメッセージを表示する。
BUS-5
均等間隔と端部に近い部分の計算を
行い、片方を満足すれば、保有耐力横補剛とする。
BUILD.一貫Ⅳ+
●端部に近い部分に設ける方法
○均等間隔で設ける方法
○全て満足していると見なす。
SEIN La CREA
●均等間隔となる。
○端部に設ける方法(塑性設計指針による)
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建築技術者スキルアップ講習会 2014年8月 構造計算プログラム特性比較 39
【保有水平耐力 16-2,16-3】 大梁の横補剛の確認(NG部材の扱いと曲げ強度)
SS3
<NG部材の扱い>●部材種別判定を考慮しない。
○部材群種別をDとする。<NG部材の曲げ強度>●横座屈を考慮し、塑性設計指針に準拠し算定
○横座屈を考慮しない
BUS-5
<NG部材の扱い>部材種別をDとする。
<NG部材の曲げ強度>横座屈を考慮し、塑性設計指針に準拠し算定
BUILD.一貫Ⅳ+ <NG部材の扱い>●柱梁群としての種別をDとする(直交方向を考慮する)。○柱梁群としての種別をDとする(直交方向を考慮しない)。○その部材の種別をFDとする。
<NG部材の曲げ強度>●横座屈を考慮しない
○横座屈を考慮し、塑性設計指針に準拠し
算定SEIN La CREA<NG部材の扱い>●横補剛を満足するものとして計算○考慮する※断面算定で横補剛の検定を行う必要あり、横補剛NG部材の種別はFDとする。
<NG部材の曲げ強度>●横座屈を考慮しない○横座屈を考慮し、塑性設計指針に準拠し算定
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建築技術者スキルアップ講習会 2014年8月 構造計算プログラム特性比較 40
【保有水平耐力 16-4】 大梁の横補剛の確認(D部材を考慮する保有水平耐力の算出)
SS3
保有時のみ以下の指定が可能。
・横補剛の検討(断面算定)を満足しない梁にヒンジが発生した時点を保有水平耐力とすることが可能。
BUS-5
自動計算としてD部材ヒンジ発生時を保有水平耐力とすることが可能。
・横補剛NG材はFD部材となりヒンジ発生時を保有耐力とすることが可能。
BUILD.一貫Ⅳ+
限界塑性率の指定によりD部材ヒンジ発生時を保有水平耐力とすることもが可能。
塑性設計指針に準拠した横座屈強度を考慮した部材のヒンジ発生時を保有水平耐力とすることも可能。
SEIN La CREA
考慮する場合、横補剛が満足しない梁が曲げ降伏する直前のステップを保有水平耐力時とすることも可能。
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建築技術者スキルアップ講習会 2014年8月 構造計算プログラム特性比較 41
【保有水平耐力 17-1~17-3】冷間成形角形鋼管の耐力低減
ルート3の構造計算フロー(SS3のマニュアルより)
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建築技術者スキルアップ講習会 2014年8月 構造計算プログラム特性比較 42
【保有水平耐力 17-1~17-3】冷間成形角形鋼管の耐力低減
SS3
<低減の考慮>
●考慮する
○考慮しない
<耐力低減の対象となる層の梁の塑性化>
●考慮する
○考慮しない
梁の塑性化を考慮する場合、一度に
両方の条件で計算できないため、二度計算する。
BUS-5<低減の考慮>角形鋼管耐力低減時の計算を自動計算して、計算書を出力する。<耐力低減の対象となる層の梁の塑性化>耐力低減階の梁は降伏しない。
BUILD.一貫Ⅳ+
<低減の考慮>●考慮する(柱崩壊の場合は冷間成形角形鋼管の耐力を低減した保有水平耐力計算を自動で行う)○考慮しない<耐力低減の対象となる層の梁の塑性化>柱崩壊となる場合は、その層の梁耐力を10倍とし、かつ柱耐力を低減して、再度自動で計算を行い、計算書には2回分の保有水平耐力計算の結果を出力。
SEIN La CREA
<低減の考慮>●考慮しない○考慮する<耐力低減の対象となる層の梁の塑性化>考慮しない
梁の塑性化を考慮する場合、一度に両方の条件で計算できないため、二度計算する。