核酸鎖等種々の バイオマーカー簡便検出法 - JST1 核酸鎖等種々の...

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1 核酸鎖等種々の バイオマーカー簡便検出法 群馬大学大学院理工学府 准教授 桒原正靖

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核酸鎖等種々のバイオマーカー簡便検出法

群馬大学大学院理工学府

准教授 桒原正靖

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SATIC法とは❓

Light-up!

標的物質

試薬

標的物質を試薬と混ぜおくだけで特異的に検出できる方法です。

等温下で種々のバイオマーカーを簡便検査できる1チューブ1ステップ・リアルタイム定量検出技術:SATIC法 2

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何が検出できる❓

標的物質

試薬

さまざまなバイオマー

カーを特異的に検出でき

ます。例えば…

ゲノムDNA (二重鎖DNA)

遺伝子 (mRNA)

短鎖RNA (miRNA等)

及び それらの変異

タンパク質

低分子 (メタボライト等)

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その仕組みは❓

Anal. Chem. 2016, 88, 7137.

標的物質 試薬 3者開始複合体の形成

1st RCA

2nd RCA

グアニン四重鎖の生成とThT-HEによる特異的蛍光染色

(mRNAの特異検出の場合)

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ThT-HE

λex 410 nm

CidR: 標的RNA

ArfR: 非標的RNA

mRNA (うつ病マーカー)の特異検出

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mRNA のリアルタイム検出

A B C D

ThT-HEThT-HE+signal-amplifying reagentsThT-HE+signal-amplifying reagents+ ArfR (非標的RNA) ThT-HE+ signal-amplifying reagents + CidR (標的RNA)

A) B) C) D)

ThT-HE

http://pubs.acs.org/doi/suppl/10.1021/acs.analchem.6b01192 6

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R2 = 0.9998

mRNAの定量測定

CidR: 標的RNA

1–5000 pMの濃度範囲で定量測定が可能 7

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miRNAの特異検出

ThT-HE

Ours, Anal. Chem. 2014, 86, 12078.

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従来技術とその問題点

従来の検出法において、標的の核酸鎖の存在を認識し、それを何らかの方法でシグナル化(或いは、さらにシグナルを増幅)する過程を、等温下、1チューブ1ステップで行える方法はなかった。また、このような1チューブ1ステップ簡便検出系でmiRNAなどの短いRNA鎖やその

変異、さらに、タンパク質やメタボライトなどをリアルタイムに定量検出できる方法論はなかった。それらを可能にするのがSATIC法である。

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新技術の特徴・従来技術との比較• 等温かつポリメラーゼ反応としては低温(37℃)で、検出反応が進行する。サーマルサイクラーが不要キット化、装置化が容易

• 増幅産物は可視光領域で検出できる(目視検出可)。キット化、装置化が容易アナライトと試薬を混ぜるだけの1段階反応である。洗浄操作やチューブの移し替えが不要アニーリングも不要

• 長鎖の二重鎖DNA中の変異や、miRNAなど短鎖のRNA中の変異も検出できる。

• タンパク質やメタボライト(低分子)など、非核酸分子の特異検出も同様に可能である。

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想定される用途

• 細菌やウイルス、寄生虫等、種々の感染に対する安価な簡易検出

• 感染症や生活習慣病、がん、ストレスなどの簡易診断

• オンサイトでの食品衛生および環境モニタリング

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実用化に向けた課題

• 計測対象標的物質の拡充

• 装置化によるさらなる簡便性および高感度化の追求

• 臨床サンプルによる実証実験の実施 など

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企業への期待

• 検査ターゲットとなりうる疾患の提案

• 上記に関連する生体サンプルの提供

• 検出感度など診断に要する情報の提供

など

次項、知的財産権のライセンス

共同研究

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本技術に関する知的財産権

• 発明の名称 :RNA配列の簡便検出法

• 出願番号 :PCT/JP2016/059262

• 出願人 :国立大学法人群馬大学

• 発明者 :桒原正靖

• 発明の名称 :遺伝子変異を有するポリヌク

レオチド配列の簡便検出法

• 出願番号 :PCT/JP2017/020485

• 出願人 :国立大学法人群馬大学

• 発明者 :桒原正靖

• 発明の名称 :ローリングサークル増幅法を利用した標的分子の検出法

• 出願番号 :特願2017-050620

• 出願人 :国立大学法人群馬大学

• 発明者 :桒原正靖

• 発明の名称 :新規チオフラビンT誘導体及びその利用

• 出願番号 :特願2014-212645

• 出願人 :国立大学法人群馬大学

• 発明者 :桒原正靖

• 発明の名称 :新規チオフラビンT誘導体及び

その利用

• 出願番号 :特願2017-050523

• 出願人 :国立大学法人群馬大学

• 発明者 :桒原正靖

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群馬大学 産学連携・知的財産活用センター

〒376-8515 群馬県桐生市天神町1-5-1

TEL 0277-30-1171~1175

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