数値計算法 第14章微分方程式その3 - Chiba...

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数値計算法 14微分方程式その3 15偏微分方程式 千葉大学工学部機械工学科 担当者 武居昌宏 教科書 数値計算入門 (Computer Science Library) 河村 哲也 () 出版社: サイエンス社 (2006/04) ISBN-10: 9784781911267

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数値計算法第14章 微分方程式その3第15章 偏微分方程式

千葉大学工学部機械工学科担当者 武居昌宏

教科書数値計算入門 (Computer Science Library)河村哲也 (著) 出版社:サイエンス社 (2006/04) ISBN-10: 9784781911267

第14章 微分方程式その3 14.1 数値微分●二階微分方程式の差分式

n階微分方程式の近似n + 1点の関数値が必要

P点の2階微分をPQR点のy座標と係数a,b,cで表す

k

𝑢𝑗−1

𝑢𝑗

𝑢𝑗+1

P

Q

R

この2階微分を求めたい

係数a,b,cはいくらか?

kとhはNOT=としている

関数uの点xjの周りのテイラー展開

k

𝑢′𝑗−1

𝑢′𝑗

𝑢′𝑗+1

P

𝑑2𝑢

𝑑𝑥2

𝑥=𝑥𝑗

Q

R

112

2

)(

22

)(

2

jjj

xjx

uhkh

ukh

uhkkdx

ud

このテイラー展開した式を式(14.1)に代入すると、

このa,b,cを式(14.1)に代入

‥‥(14.2)この式(14.2)がx=xjにおける2階微分の近似であるためには、

等間隔格子 k=hのとき

2階微分方程式の差分式

‥(14.3)

‥(14.4)2

11

2

2 2

h

uuu

dx

ud jjj

xjx

‥‥(14.2)

●1階微分を3点で表す

式(14.2)で0階微分係数を0、1階微分係数を1、2階微分係数を0なので

式(14.2)は、

a,b,cを求めると

等間隔格子 k=hのとき

●中心差分 ‥‥(14.6)

)(

)(

)(

11

hkh

ku

kh

ukh

hkk

hu

dx

du jjj

‥‥(14.5)

●前進差分 1階微分は2点で表せられるので

‥(14.7)

k

𝑢𝑗−1

𝑢𝑗

𝑢𝑗+1

P

Q

R

‥(A) テイラー展開した式を式(A)に代入して係数を決定

●後退差分

‥(B)テイラー展開した式を式(B)に代入して係数を決定

‥(14.7)

𝑑𝑢

𝑑𝑥

h

uu

x

u jj

1

d

d

k

uu

x

u jj 1

d

d

jj buaux

u 1

d

d

14.2 境界値問題(1) ディレクレ境界条件⇒2つの境界値が必要

‥(14.8) ‥(14.9)

j=1,2,… J-1のJ-1

個の連立一次方程式未知数y1 ,y2 , ….. yJ-1のJ-1個

y0と yJは境界条件で既知

↑y=yj ,↑x=jhとする

h

𝑑2𝑦

𝑑𝑥2

𝑥=𝑥𝑗𝑦𝑗−1

𝑦𝑗

𝑦𝑗+1

P

Q

R

𝑦𝐽

Jh=1𝑦0

0 h 2h (j-1)h jh (j+1)h (J-1)h

𝑦′𝑗

𝑦′𝑗+1

𝑦𝑗−1

Q’

P’

R’

‥(14.11)

式(14.4) の2階微分方程式の差分式より、

‥(14.12)P点Q点 R点

3項方程式 トーマス法j=1,2,….. J-1のJ-1個の連立一次方程式未知数 y1,y2, ….. , yJ-1のJ-1個

‥‥(14.13)

‥(14.12)

●(14.12)式の解き方

j=3

j=2

j=J-2

j=J-1

j=1

‥‥

境界条件よりy0=0なので省略

境界条件よりyJ=0なので省略

P点Q点 R点

●例1 実際に式(14.8)を4格子(h=1/4)で解いてみる

‥(14.8) ‥(14.9)

𝑑2𝑦

𝑑𝑥2

𝑥=𝑥𝑗

𝑦1

𝑦2

𝑦3

P

Q

R

𝑦44h=1

𝑦00 1h 2h 3h

j=1,2,3,4を代入3個の連立一次方程式未知数 y1,y2, y3の3個

‥(14.12)

境界条件よりy0=y4=0なので省略

y1=0.04427, y2=0.07016y3 =0.06040

境界条件も差分近似する1階微分の近似に前進差分

境界条件 y’(1) = 0の前進差分近似 (14.7)式より、

J+1は領域外の仮想の点

h

𝑑2𝑦

𝑑𝑥2

𝑥=𝑥𝑗

𝑦𝑗−1

𝑦𝑗

𝑦𝑗+1

P

Q

R

𝑦𝐽

Jh=1𝑦0

0 h 2h (j-1)h jh (j+1)h (J-1)h (J+1)h

14.3 境界値問題(2) ノイマン条件 境界条件が微分で与えられる

‥‥(B)

…(14.8)

‥(14.7)h

uu

x

u jj

1

d

d

(B)式の境界条件より●yJ+1=●yJなのでyJ+1を消去

右端の境界x=1●では、式(14.12)に j=Jを代入すると、

で置き換える。

ミスプリ”-”が必要

j=Jの式

j=J-1の式

ミスプリ”-”が必要

式(14.4)も含めたj=1,2,…JのJ個の連立一次方程式未知数y1,y2,..yJのJ個

…(14.14)

…(14.8)

…(14.12)

解くべき連立1次方程式は式(14.13)とほぼ同じでj=J-1の方程式を

式(14.8)を差分で表した式(14.12)をもう一度書くと、

2

●yJは境界条件から求まらない

11

‥(14.8)

●例1 ノイマン境界値問題 式(14.8)より領域を10等分(J=10, h=0.1)

表 14.1 厳密解教科書「’」がない ミスプリ

●リンゴは誰がかじったか?

ジョンフォン・ノイマン(~1957年)ハンガリー帝国

バイト(Byte)とかじる(Bite)を掛けたデザイン

コンピュータの父

※ちなみに微分方程式のノイマン条件のノイマンは「カール・ノイマン」で「ジョンフォン・ノイマン」とは別人

スティーブ・ジョブズアラン・チューリング(~1954年)英国マンチェスター大学教授

同性愛は当時法律的に犯罪で、チューリングは逮捕されその後自殺。彼の部屋のベッドのそばに一口かじったリンゴが残っていた。検死によると青酸中毒による自殺と断定。

https://ja.wikipedia.org/wiki/

http://www.fbs.osaka-u.ac.jp/labs/skondo/saibokogaku/Turing.html

12

●2階微分方程式の境界値問題(ディレクレ型)アルゴリズム

14.4 線の方法 ●1次元拡散方程式の初期値・境界値問題

境界条件(tのときに両端の値) 初期条件(時間t=0のときのuの分布)

𝜕𝑇

𝜕𝑡= 𝛼𝛻2𝑇

𝜕𝐶

𝜕𝑡= 𝐷𝛻2𝐶

C:濃度[kg/m3]D:拡散係数[m2/s]α:温度拡散率[m2/s]

http://honmokucoffee.blog.fc2.com/

…(14.15)

熱伝導方程式

拡散方程式

f(x)

初期条件

x

u

u=0

x=0 x=1

u = ?

境界条件

x

u

u=0

x=0 x=1

2

2

x

u

t

u

)0,10( tx

常微分なので左辺を例えばオイラー法で表して代入

xに関してJ-1個の未知数ujに対する連立J-1元常微分方程式

左辺uはxとtの関数⇒uのxのみ差分近似:点xjでのuの値は時間のみの関数⇒偏微分が常微分

…(14.15)2

2

x

u

t

u

)0,10( tx

‥(14.4)2

11

2

2 2

d

d

h

uuu

x

u jjj

xjx

境界条件 初期条件

…(14.16)

…(12.3)t

tuttu

t

u jjj

)()(

d

d

↓ ( )と下付きjの違いに注意

時間を固定すれば2階常微分

方程式の差分式で表現できる

線の方法:一部の変数(この場合x)に対してのみ差分近似xのJ-1元連立常微分方程式を解く方法注意:Δtを小さくしても方程式は増えない!!

Δt

j=1

Δx

2 x

t

初期条件

𝑢 𝑗0

= 𝑓(𝑥𝑗)0 j-1 j j+1 J-1

境界条件 𝑢 𝐽−1𝑡= 0境界条件 𝑢 𝑗

𝑡= 0

nΔt𝑢𝑗−1

𝑛𝑢 𝑗

𝑛 𝑢𝑗+1𝑛

𝑢 𝑗𝑛+1

(n+1)Δt

…(14.17)

𝑢𝑗 𝑛Δ𝑡 = 𝑢 𝑗𝑛と表す時間

離散化した位置

点xjでのuの値は時間のみの関数

16

●例題 Δt=0.002

j=J-1j=1

…(14.17)

f(x)

初期条件

x

u

u=0

x=0 x=1

←時間をひとつ進めたxの分布

∆𝑓 = 𝛻2𝑓 = 0 𝛻2𝑓 = 𝐺(x,y)

𝜕2𝑓

𝜕𝑡2 = 𝑐2𝛻2𝑓

𝜕𝑇

𝜕𝑡= 𝛼𝛻2𝑇

𝜕𝐶

𝜕𝑡= 𝐷𝛻2𝐶 C: 濃度[kg/m3], D: 拡散係数[m2/s]

𝜕𝑓

𝜕𝑡= −(𝒗・𝛻)𝑓

第15章 偏微分方程式

𝒗・𝛻 = 𝑣𝑥

𝜕

𝜕𝑥+ 𝑣𝑦

𝜕

𝜕𝑦関数f(x,y,t), 𝒗 = 𝑣𝑥 , 𝑣𝑦 速度ベクトル

)/( pck α

α:温度拡散率[m2/s], T :温度[K],𝜌:流体密度[kg/m3], 𝑐𝑝:比熱[J/kg・K],

𝑘:熱伝導率[W/(m・K)]

●2 階線形偏微分方程式の標準形

(1)ラプラス方程式(楕円型)

(2)ポアソン方程式(楕円型非同次)

(3)熱伝導方程式(放物型)

(4)拡散方程式(放物型)

(6)移流方程式

G=0 : 同次方程式G != 0 : 非同次方程式A~G: x, y の任意関数

<0:楕円型, =0:放物型, >0: 双曲型

●非線形ft + α(t, x, f)fx = G(t, x, f) ●線形 ft + α(t, x)fx = G(t, x)

(5)波動方程式(双曲型) f(x,y,t):振幅, t: 時間変数, c:波の速度

02

22

2

2

GFf

y

fE

x

fD

y

fC

yx

fB

x

fA

042 ACB

y x

O

y

O 𝑣𝑥

O

移流と拡散

移流

拡散

𝑣𝑥

y

●焼き鳥屋さんのうちわのもう一つの役割

拡散方程式

C :焼き鳥の成分濃度 [ k g / m 3]D:拡散係数[m2/s]

𝒗 = 𝑣𝑥 , 𝑣𝑦 :うちわによる流体速度 [ m /s ]

𝜕𝐶

𝜕𝑡= 𝐷

𝜕2𝐶

𝜕𝑥2+

𝜕2𝐶

𝜕𝑦2

𝜕𝐶

𝜕𝑡+ 𝑣𝑥

𝜕𝐶

𝜕𝑥+ 𝑣𝑦

𝜕𝐶

𝜕𝑦= 𝐷

𝜕2𝐶

𝜕𝑥2+

𝜕2𝐶

𝜕𝑦2

移流項拡散を無視D=0 一般的な場合を考えて、C=u、v x=c、 v y=0とおく

𝜕𝑢

𝜕𝑡+ 𝑐

𝜕𝑢

𝜕𝑥= 0

移流拡散方程式移流方程式

𝜕𝐶

𝜕𝑡+ 𝒗 ∙ 𝛻 𝐶 = 𝐷𝛻2 𝐶

𝑦𝑥

O

15.1 移流方程式の差分解法(1)

式(15.1)を差分で表す。

クーラン数

空間は後退差分時間は前進差分

…(15.3)

t+Δtの値をx,tの値とx-Δxの値で表せる!!

Q点 P点

0

x

uc

t

u …(15.1) …(15.2)

R点

空間の離散点

時間の離散点

…(15.4)

Q 𝑢𝑗𝑛+1

𝑢𝑗𝑛

P(𝑢𝑗 , 𝑡𝑛)

R 𝑢𝑗−1𝑛

u(x,0)=f(x)

初期条件

境界条件は設定していないが0とする

Q点はP点とR点から求まる!!

𝑢𝑗𝑛+1

𝑢𝑗𝑛

𝑢𝑗−1𝑛

P(𝑢𝑗 , 𝑡𝑛)

式(15.5)を用いれば、式(15.3)は点Pにおいて、

…(15.7)rクーラン数

Q点 P点 R点

このu0は初期値より既知

図15.3 解の求め方

点Qのu …(15.5)

点Rのu

u1

u0

t

黄色の点●は境界条件が必要

15.2 移流方程式の差分解法(2)

時間を前進差分、空間を中心差分で近似すると

rはクーラン数

空間は中心差分時間は前進差分

…(15.7)

比較のため、空間を後退差分にした前述の(15.7)式は

…(15.8)

空間は後退差分

中心差分だとuj+1nが出てくる

0

x

uc

t

u…(15.1)

…(15.2)

Q 𝑢𝑗𝑛+1

𝑢𝑗𝑛𝑢𝑗−1

𝑛

RS

𝑢𝑗+1𝑛

u(x,0)=f(x)

…(15.8)

…(15.7)

rクーラン数

0

x

uc

t

u

…(15.1)…(15.2)

●中心差分だと発散してしまう!!

図15.4初期条件

後退差分だとうまく解が求まる!!

中心差分だと発散してしまう!!

x

x

x

式(15.8)を𝑢𝑗𝑛 をベースとしてgと𝑒

𝑖𝜉∆𝑥で表す。

…(15.10)

𝑢𝑗𝑛+1 : 𝑢𝑗

𝑛にgをかける →gをかけると時間tがひとつ進む

𝑢𝑗+1𝑛 : 𝑢𝑗

𝑛に𝑒𝑖𝜉∆𝑥をかける → 𝑒

𝑖𝜉∆𝑥をかけると空間xがひとつ進む

𝑢𝑗−1𝑛 : 𝑢𝑗

𝑛に𝑒−𝑖𝜉∆𝑥

をかける → 𝑒−𝑖𝜉∆𝑥

をかけると空間xがひとつ戻る

tだけの関数

xだけの関数

定数

式(15.10)を式(15.8)(空間を中心差分にした式)に代入すると

ミスプリ!!マイナス

→1- ‥(A)

の特解を波数ξのフ-リエ級数で表現

iは虚数 n -> (t), jΔx -> x として、離散点を連続関数とすると、

xだけの関数tだけの関数g

xjinn

j egu

…(15.8)…(15.9)

●なぜ発散してしまうのか?

特解はこのgを式(15.9)に代入したもの

フォン・ノイマンの安定性条件:解が有限であるためには

𝑔 は1より大きいのでgは発散してしまう

gはΔt進めた時の増幅率。

ミスプリ!!ここはマイナス

Reθ

Im

1

(1, −𝑟sin𝜉∆𝑥)

𝑔…(15.12)

𝑔 = 𝑔 𝑒𝑖𝜃式(15.11)を極形式で表すと、

tan𝜃 = −𝑟 sin𝜉∆𝑥

- ‥(A)

…(15.11)

●なぜ発散してしまうのか? #2

オイラーの公式

小川洋子原作

https://www.amazon.co.jpオイラーの等式01ie

r:クーラン数

初期条件

境界条件

15.3 拡散方程式

↓初期条件

境界条件↑

↑境界条件

14.4 の「線の方法」 時間微分⇒オイラー法時間微分⇒前進or後退差分⇒陽的or陰的

‥(15.13)‥(15.14)

‥(15.15)

2

2

x

u

t

u

Ju

空間は中心差分時間は前進差分

t+Δtの値をx-Δx ,x,tおよびx+Δxの値で表せる!!

𝑟 =∆𝑡

∆𝑥 2⇒rはクーラン数

とは違う 参照式(15.3)

‥(15.16)

R

Q

S

●オイラー陽解法

Q点 P点R点 S点

‥(15.17)

初期条件

‥(15.16)

境界条件

𝑢𝑗𝑛𝑢𝑗−1

𝑛 𝑢𝑗+1𝑛

R

Q

P S

図15.9式(15.16)による解の求め方

このQ点を求める!!𝑢𝑗𝑛+1

図15.8式(15.16)の構造

FTCS(Forward Time Center Space)法 解が得られる条件r<= 1/2の場合

𝑔 = 𝑟 cos 𝜉Δ𝑥 + 𝑖 sin 𝜉Δ𝑥 + cos −𝜉Δ𝑥 + 𝑖 sin −𝜉Δ𝑥 + 1 − 2𝑟

𝑢𝑗𝑛+1 = 𝑟𝑢𝑗−1

𝑛 + 1 − 2𝑟 𝑢𝑗𝑛 + 𝑟𝑢𝑗+1

𝑛

(𝑗 = 1,2,⋯ , 𝐽 − 1)

●拡散・熱伝導方程式のフォン・ノイマンの安定性条件

1 − 2𝑟 + 2𝑟 cos 𝜉Δ𝑥 ≦ 1⇒cos 𝜉Δ𝑥 ≦ 1

最も厳しい条件を考えて⇒𝑟 ≤1

1− −1

𝑢𝑗𝑛𝑢𝑗−1

𝑛 𝑢𝑗+1𝑛

R

Q

P S

𝑢𝑗𝑛+1

𝑟 =∆𝑡

∆𝑥 2

⋯(15.16)

𝑔𝑢𝑗𝑛 = 𝑟 ∙ 𝑒−𝑖𝜉Δ𝑥𝑢𝑗

𝑛 + 1 − 2𝑟 ∙ 𝑢𝑗𝑛 + 𝑟 ∙ 𝑒𝑖𝜉Δ𝑥𝑢𝑗

𝑛

𝑔 = 𝑟(𝑒𝑖𝜉Δ𝑥+𝑒−𝑖𝜉Δ𝑥) + 1 − 2𝑟

…(15.10)

オイラーの公式 𝑒𝑖𝜃 = cos 𝜃 + 𝑖 sin 𝜃

フォン・ノイマンの安定性条件

−1 ≦ 1 − 2𝑟 + 2𝑟 cos 𝜉Δ𝑥 ⇒𝑟 ≤1

1−cos 𝜉Δ𝑥

よって𝑟 ≤1

2

−1 ≦ 𝑔 = 1 − 2𝑟 + 2𝑟 cos 𝜉Δ𝑥 ≦ 1

−1 ≦ cos 𝜉Δ𝑥 ≦ 1より

●1次元熱伝導方程式の変数分離法

変数分離の解を仮定

Sturm-Liouville問題⇒常微分方程式と境界条件を考慮して定数を求める。

両辺を負の定数-λ2とおく。負でないとうまくいかない。

特性方程式が負の2階常微分方程式⇒cosとsinの和正の場合はeλとe-λの和

sinが0を考慮

λ自身は実数n正のみ考える

tの1階常微分方程式⇒解をeptとするとうまくいく。

任意定数Bをつける

既に定まったλを代入

任意定数A×B=C初期条件からCを求める時間増加により指数関数的に0に近づく。

境界条件を考慮

境界条件1次元の熱伝導方程式

2

2

x

u

t

u

0)()(0 t,Lut,u )()()( tTxXt,xu

)()(" 2 xXxX

0sincos)(

0)0(

21

1

LALALX

AX

xx eAeAxX

xAxAxX

21

21

)(

sincos)(

ptetT )(

0sin2 LA

0,1,2...)( nL

n

L

xnAxX

sin)( 2

)()()()( tTx"Xt'TxX

2

tT

t'T

xX

x"X

)(

)(

)(

)(

L

xnCetxu

tL

n

sin),(

2

tL

n

BetT

2

)(

tBetT2

)(

2p

ptpt epe 2

)()( 2 tTt'T

●なぜ (15.9)式で解を波数ξのフ-リエ級数で表現するのか?

xjie

L

xnCetxu

tL

n

sin),(

2

(t)->n, x->jΔxとして離散化

L:波長, ξ:波数(=1/L), ω:角振動数, v:波の位相速度, f:振動数(周波数)

f

vvL

22

f(x)

初期条件

x

u

u=0

x=0 x=L/2ここをL/2とすれば波長と合う

𝑐𝑛 =1

𝐿 0

𝐿

𝑓(𝑥)𝑒−𝑖2𝜋𝐿 𝑛𝑥𝑑𝑥𝑓 𝑥 =

𝑛=−∞

𝑐𝑛𝑒𝑖2𝜋𝐿 𝑛𝑥

オイラーの公式

𝑒𝑖𝑥 = cos𝑥 + 𝑖sin𝑥𝑎𝑛 =2

𝐿 0

𝐿

𝑓 𝑥 cos2𝜋

𝐿𝑛𝑥 𝑑𝑥

𝑏𝑛 =2

𝐿 0

𝐿

𝑓 𝑥 sin2𝜋

𝐿𝑛𝑥 𝑑𝑥

cos𝑥 =1

2(𝑒𝑖𝑥 + 𝑒−𝑖𝑥)

sin𝑥 =1

2𝑖(𝑒𝑖𝑥 − 𝑒−𝑖𝑥)

フーリエ級数

𝑓 𝑥 =𝑎0

2+

𝑛=1

𝑎𝑛 cos2𝜋

𝐿𝑛𝑥 + 𝑏𝑛 sin

2𝜋

𝐿𝑛𝑥

ng

境界条件1次元の熱伝導方程式

2

2

x

u

t

u

0)()(0 t,Lut,u

i :虚数単位

●陰解法

𝑢𝑛に対する連立一次方程式

図15.10 式(15.18)の構造

𝑢𝑗𝑛𝑢𝑗−1

𝑛

𝑢𝑗𝑛−1

𝑢𝑗+1𝑛

これらの点↑を求める!!

R

Q

P S

初期条件

境界条件

‥(15.13)

‥(15.14)

‥(15.15)

2

2

x

u

t

u

時間微分を後退差分で表した式(15.13)の近似

Q点P点R点 S点

‥(15.18)

空間は中心差分時間は後退差分

211

1 2

x

uuu

t

uu n

j

n

j

n

j

n

j

n

j

𝑟 =∆𝑡

∆𝑥 2

𝑢𝑗−1,𝑘(𝜈+1)

𝑢𝑗+1,𝑘(𝜈)

𝑢𝑗,𝑘+1(𝜈)

(0,1)

(0,0)(1,0)

(1,1)

Δx

Δy𝑢𝑗,𝑘−1

(𝜈+1)

j

k

(J,K)番目

(0,0)番目

この式を差分で表すと、

●赤のP点は周りの4点で表される●右上の格子点を(J,K)番目とすると(J-1)×(K-1)元の連立一次方程式●境界a~dの点はすべて既知

図15.11 ポアソン方程式に対する差分格子

15.4 ポアソン方程式の差分解法

),(2

2

2

2

yxfy

u

x

u

‥(15.19)

…(15.20)

NS方程式⇒圧力のポアソン方程式

ラプラシアンフィルタ

𝑢𝑗−1,𝑘(𝜈+1)

𝑢𝑗+1,𝑘(𝜈)

𝑢𝑗,𝑘+1(𝜈)

(0,1)

(0,0)(1,0)

(1,1)

Δx

Δy𝑢𝑗,𝑘−1

(𝜈+1)

j

k

(J,K)番目

(0,0)番目

式(15.20)に対してガウス・ザイデル法の反復式を用いて求める。

(J-1)×(K-1)元の連立一次方程式

𝑢𝑗,𝑘(𝜈+1)

を計算するとき

周りの4点: 𝑢𝑗−1,𝑘(𝜈+1)

𝑢𝑗,𝑘−1(𝜈+1)

𝑢𝑗+1,𝑘(𝜈)

および 𝑢𝑗,𝑘+1(𝜈)

は未知

ガウス・ザイデル法の反復式

…(15.20)

…(15.21)

●ヤコビ法とガウス・ザイデル法の復習 (P54参照)6.1 ヤコビ法 連立1次方程式

第1式をx1について解き, 第n式をxnについて解く

右辺のx1, x2∙∙∙ xnを反復前の値 左辺を反復後の値

…(6.1)

…(6.2)

…(6.3)

v回の反復値→ v+1回目の反復値

●ガウス・ザイデル法の復習 すでに既知の場合は、ν+1の値を使う

…(6.4)

●例 3×3格子を仮定して、式(15.20)を解く

𝑓 𝑥, 𝑦 = 0, 𝑎 = −4, 𝑏 = 4, 𝑐 = 𝑑 = 0, ∆𝑥 = ∆𝑦 = 1/3と仮定

図15.12 3×3格子

uを速度ポテンシャルφと思う非圧縮性流体の連続の式 div v = 0v:速度ベクトル v = grad φ連続の式をφで表すと 𝛻2𝜑 = 0

タンク内の速度ポテンシャルはいくら?

…(15.20)

P点:

Q点:

R点:

S点:

対称性を利用して、𝑢1,1 = 𝑢1,2 = 𝑝,

𝑢2,1 = 𝑢2,2 = 𝑞 とおく

解答 𝑝 = 𝑢1,1 = 𝑢1,2 = −1, 𝑞 = 𝑢2,1 = 𝑢2,2 = 1

…(15.20)