VIII. 偏微分方程式 - Hiroshima University...88 1 VIII. 偏微分方程式 2 3...

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88 VIII. 偏微分方程式 1 2 18.偏微分方程式と解析解 3 4 偏微分を含む微分方程式を偏微分方程式とよぶ。多くの物理量は場の関数,すなわち時 5 間および空間の関数として表される。このため,その関係を表す方程式も時間および空 6 間の偏微分の関係として表されるので,多くの物理現象を偏微分方程式として表すこと 7 ができる。 8 偏微分方程式の解は境界条件によって拘束される。境界条件によって解が特殊な形で 9 書ける場合のみに解析的に解くことができる。 10 11 18.1 変数分離法 12 解の多変数関数が1変数関数の積で表せるときには,偏微分方程式を複数の常微分方程 13 式に分けることができる。この方法を変数分離法とよぶ。例えば1次元熱伝導方程式 14 (18.1) 15 の解を 16 (18.2) 17 と表せるとする。これを(18.1)に代入すると 18 (18.3) 19 (18.4) 20 となる。このとき,左辺と右辺の変数を動かしてもこの式が常に成立するのは,左辺と 21 右辺がそれぞれ定数のときだけである。よって, 22 (18.5) 23 (18.6) 24 でなくてはならない。 25 26 27 Tx, t ( ) t = κ 2 Tx, t ( ) x 2 Tx, t ( ) = Xx () Θ t () Xx () d Θ t () dt = κΘ t () d 2 Tx () dx 2 1 Θ t () d Θ t () dt = κ 1 Xx () d 2 Tx () dx 2 1 Θ t () d Θ t () dt = c κ 1 Xx () d 2 Tx () dx 2 = c

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    VIII. 偏微分方程式 1 2 18.偏微分方程式と解析解 3 4 偏微分を含む微分方程式を偏微分方程式とよぶ。多くの物理量は場の関数,すなわち時5 間および空間の関数として表される。このため,その関係を表す方程式も時間および空6 間の偏微分の関係として表されるので,多くの物理現象を偏微分方程式として表すこと7 ができる。 8 偏微分方程式の解は境界条件によって拘束される。境界条件によって解が特殊な形で9 書ける場合のみに解析的に解くことができる。 10 11 18.1 変数分離法 12 解の多変数関数が1変数関数の積で表せるときには,偏微分方程式を複数の常微分方程13 式に分けることができる。この方法を変数分離法とよぶ。例えば1次元熱伝導方程式 14

    (18.1) 15 の解を 16

    (18.2) 17

    と表せるとする。これを(18.1)に代入すると 18

    (18.3) 19

    (18.4) 20 となる。このとき,左辺と右辺の変数を動かしてもこの式が常に成立するのは,左辺と21 右辺がそれぞれ定数のときだけである。よって, 22

    (18.5) 23

    (18.6) 24 でなくてはならない。 25 26 27

    ∂T x,t( )∂t

    =κ ∂2T x,t( )∂x2

    T x,t( ) = X x( )Θ t( )

    X x( ) dΘ t( )dt

    =κΘ t( ) d2T x( )dx2

    1Θ t( )

    dΘ t( )dt

    =κ 1X x( )

    d 2T x( )dx2

    1Θ t( )

    dΘ t( )dt

    = c

    κ 1X x( )

    d 2T x( )dx2

    = c

  • 89

    18.2 変数変換 28 変数を別の変数に置き換えることを変数変換とよぶ。変数変換によって偏微分方程式が29 常微分方程式に変形できることがある。熱伝導方程式において 30

    (18.11) 31 とする。このとき, 32

    (18.12) 33

    (18.13) 34

    (18.14) 35 となるので,(18.1)に代入すると 36

    (18.15) 37

    (18.16) 38 となる。元の偏微分方程式に代入すると,変数 x, tは消えてしまい,常微分方程式 39

    (18.17) 40 が得られる。 41 42 43 19.熱伝導方程式の2つの解 44 前章の2つの方法により熱意伝導方程式の解を求める。 45 46 19.1 プレート冷却モデル:変数分離法による解 47 プレートモデルは熱伝導により一定の厚さのプレートの冷却を考えるモデルである。こ48 のモデルでは両端に温度を与える,すなわち変数の値を境界条件として持つ解を求める49 ことになる。すなわち, 50

    (19.1) 51

    ξ = x2 κ t

    ∂T∂t

    = ∂ξ∂tdTdξ

    = x2 κ

    d t −1 2( )dt

    dTdξ

    = − xt−3 2

    4 κdTdξ

    ∂T∂x

    = ∂ξ∂x

    dTdξ

    = 12 κ t

    dTdξ

    ∂2T∂x2

    = ∂∂x

    ∂T∂x

    ⎛⎝⎜

    ⎞⎠⎟= 12 κ t

    ∂∂x

    dTdξ

    ⎛⎝⎜

    ⎞⎠⎟= 12 κ t

    ∂ξ∂x

    ddξ

    dTdξ

    ⎛⎝⎜

    ⎞⎠⎟= 14κ t

    d 2Tdξ 2

    − xt−3 2

    4 κdTdξ

    =κ 14κ t

    d 2Tdξ 2

    − xκ t

    dTdξ

    = d2Tdξ 2

    −ξ dTdξ

    = 12d 2Tdξ 2

    T 0,t( ) = T0

  • 90

    (19.2) 52

    の2つの境界値を与える。初期条件は深さ 0以外で一定 53

    (19.3) 54

    である。プレートモデルの解は,時間が十分長く経ったときは定常解に収束することか55 ら,(定常解+時間依存解)という形になっているはずである。つまり, 56

    (19.4) 57

    である。定常解は両端の温度を固定した1次元の熱伝導であることから,深さ zに比例58 する解 59

    (19.5) 60 である。時間依存解を T1として,これを 61

    (19.6) 62

    と書くことにする。ここで, も熱伝導方程式の解でなければならない。 に対する63 境界条件は 64

    (19.7) 65

    (19.8) 66

    の2つである。一方初期条件は, 67

    (19.9) 68 である。これは,初期の温度が深さ 0以外で一定値 TMとなることから来ている。また,69

    時間が無限に経った時には は 0に収束する。今, が 70

    (19.10) 71

    というように深さ zのみの関数と時間 tのみの関数の積で表せるとする。この式を熱伝72 導方程式(1)へ代入した式, 73

    T L,t( ) = TM

    T z,0( ) = TM

    T z,t( ) = T z,∞( )+T1 z,t( )

    T∞ = T z,t = ∞( ) = T0 + TM − T0( ) zL

    T1 = TM − T0( )T1′ z,t( )′T1 ′T1

    T1′ z = 0,t( ) = 0

    T1′ z = 0,t( ) = 0

    T1′ z,0( ) =L − zL

    ′T1 ′T1

    T1′ z,t( ) = Tz z( )Tt t( )

  • 91

    (19.11) 74 の解は境界において 0となることと,すべての点において 0でない解を持つことから振75 動的な関数でなければならないことが分かる。このため,左辺と右辺は負の一定値を持76 つ。これを–p2で表すと, 77

    (19.12) 78

    (19.13) 79 という2つの常微分方程式となる。 (19.12)の解はフーリエ級数、 80

    (19.14) 81 で表される。境界条件(19.7) (19.8)から,(19.14)は正弦級数でなければならない。つまり, 82

    (19.15) 83 である。初期条件(19.9)から、鋸歯型の波のフーリエ級数(周期 2L)となっていなくては84 ならないことが分かる。よって, 85

    (19.16) 86 となる。ただし, 87

    (19.17) 88 である。一方,(19.13)の解は 89

    90

    である。この式は時間が十分に経つと 0に収束する。また,初期条件から, 91

    (19.18) 92 でなければならない。よって求める温度は,フーリエ級数を用いて 93

    (19.19) 94

    と求められる。有限の時間では Lを十分大きく取れば,半無限体冷却モデルの解も表す95 ことができる。下図は,(19.19)によるプレート冷却モデルの解である。0 Maのときの解96 には,不連続関数をフーリエ級数で表したことによるギプスの現象が見られる。 97

    1κ1Tt

    ∂Tt∂t

    =1Tz

    ∂2Tz∂z2

    d 2Tzdz2

    = − p2Tz

    1κdTtdt

    = − p2Tt

    Tz = An cos pnz + Bn sin pnz( )n=0

    An = 0

    Tz =

    2nπsin nπ z

    L⎡⎣⎢

    ⎤⎦⎥n=1

    pn =nπL

    Tt = Cn exp − pn2κ t⎡⎣ ⎤⎦

    Cn = 1

    T = T0 + TM − T0( ) zL +

    2nπsin nπ z

    L⎡⎣⎢

    ⎤⎦⎥exp − n

    2π 2κ tL2

    ⎣⎢

    ⎦⎥

    n=1

    ∑⎡⎣⎢

    ⎦⎥

  • 92

    98

    99 図19.1 フーリエ級数によるプレート冷却モデルの解 100 101 19.2 半無限体冷却モデル:変数変換法による解 102 半無限体冷却モデル (Half-Space Cooling model: HSCM)は,プレートを無限に下方103 へ続くマントルが上面から冷却された部分であると考えるモデルである。境界条件は 104

    (19.21) 105

    (19.22) 106

    であり,この条件はフーリエ級数では表すことができない。ここでは,変数変換を利用107 する。 108

    (19.23) 109 と置くと,(18.17)の解は 110

    (19.24) 111

    T z = 0,t( ) = T0

    T z = ∞,t( ) = TM

    φ = dTdξ

    φ = C1e−ξ 2

  • 93

    と表される。(19.23)より,この式を xで積分すると 112

    (19.25) 113

    変数変換した境界条件 114

    (19.26) 115

    (19.27) 116

    より, 117

    (19.28) 118

    (19.29) 119 となる。よって, 120

    (19.30) 121

    (19.31) 122 となる。すなわち,温度は 123

    (19.32) 124 と表される。右辺の積分の部分 125

    (19.33) 126 は誤差関数とよばれる。誤差関数はガウス関数を積分した関数で,0から 1までの値を127 とる。誤差関数はxが無限大のときを除いて解析的に解けないので,数値積分により求128 める必要がある。 129 130

    T ξ( ) = C0 +C1 e− ′ξ2

    d ′ξ0

    ξ

    T ξ = 0( ) = T 0,t( ) = T0

    T ξ = ∞( ) = T ∞,t( ) = TM

    T0 = C0 +C1 ⋅0

    TM = C0 +C1 e− ′ξ 2 d ′ξ

    0

    ∫ = T0 +C1π2

    C0 = T0

    C1 = TM −T0( ) 2π

    T ξ( ) = T0 + TM −T0( ) 2π e− ′ξ 2 d ′ξ

    0

    ξ

    erf ξ[ ]= 2π

    e− ′ξ2

    d ′ξ0

    ξ

  • 94

    131 図 19.2 HSCM による地殻熱流量とプレートの温度の時間変化:地殻熱流量の観測値は132 Davies (2013)によるグリッドデータから作成 133 134 135 20.酔歩運動と拡散 136 拡散とは,酔歩運動(ランダムウォーク)によって不均質が物質中に広がっていく過程137 である。熱伝導も原子の不規則な衝突により原子振動が拡散していく現象であり,拡散138 方程式と熱伝導方程式は同じ形で表すことができる。 139 140 20.1 酔歩運動とフォッカー・プランク方程式 141 粒子がdt の間にdx だけ進むとする。ここでdx はランダムに決まるとする。このよう142 な場合,t における粒子の位置を決めるには t – dt における粒子の位置情報だけが必要143 であり,それより前の情報は必要がない。このような過程をマルコフ過程とよぶ。粒子144 の密度 f(x, t)を求めることを考える。ここで,粒子の密度は単に長さ辺りの粒子数とす145 る。時刻 t–dtにおける粒子の密度が f(x, t – dt)で与えられているとき,x – dxから xへ粒146 子が動く確率を P(x – dx, x)とする。そのとき,f(x, t)は 147

  • 95

    (20.1) 148

    と表すことができる。ここで fを x, tのまわりでテイラー展開したもの 149

    150

    (20.2) 151 を右辺に代入すると, 152

    153

    (20.3) 154

    155

    156

    157

    (20.4) 158

    159

    160

    161

    (20.5) 162 となる。ここで,P(x – dx, x)は確率なので 163

    (20.6) 164

    f x,t( ) = f x −δ x,t −δ t( )P x −δ x, x( )d δ x( )−∞

    f x −δ x,t −δ t( ) = f x,t( )− ∂ f∂x

    δ x + 12∂2 f∂x2

    δ x2 −!

    − ∂ f∂t

    δ t + 12∂2 f∂t 2

    δ t 2 −!+ ∂2 f

    ∂t ∂xδ tδ x −!

    f x,t( ) = f x,t( )− ∂ f∂x

    δ x + 12∂2 f∂x2

    δ x2 −!⎡⎣⎢−∞

    ∫ −∂ f∂t

    δ t + 12∂2 f∂t 2

    δ t 2 −!

    + ∂2 f

    ∂t ∂xδ tδ x −!⎤

    ⎦⎥ ⋅P x −δ x, x( )d δ x( )

    = f x,t( )P x −δ x, x( )d δ x( )−∞

    − ∂ f∂x

    δ xP x −δ x, x( )d δ x( )−∞

    ∫ +12∂2 f∂x2

    δ x2P x −δ x, x( )d δ x( )−∞

    − ∂ f∂t

    δ tP x −δ x, x( )d δ x( )−∞

    ∫ +12∂2 f∂t 2

    δ t 2P x −δ x, x( )d δ x( )−∞

    + ∂2 f

    ∂t ∂xδ tδ xP x −δ x, x( )d δ x( )

    −∞

    ∫ −!

    = f x,t( ) P x −δ x, x( )d δ x( )−∞

    − ∂ f∂x

    δ xP x −δ x, x( )d δ x( )−∞

    ∫ +12∂2 f∂x2

    δ x2P x −δ x, x( )d δ x( )−∞

    − ∂ f∂t

    δ t P x −δ x, x( )d δ x( )−∞

    ∫ +12∂2 f∂t 2

    δ t 2 P x −δ x, x( )d δ x( )−∞

    + ∂2 f

    ∂t ∂xδ t δ xP x −δ x, x( )d δ x( )

    −∞

    ∫ −!

    P x −δ x, x( )d δ x( )−∞

    ∫ = 1

  • 96

    (20.7) 165

    (20.8) 166

    である。それぞれ,確率の合計,平均値,分散を表す。このことに注意すると,(20.5)167 は, 168

    169

    (20.9) 170 となる。ここで高次の項を無視して,さらに移項すると 171

    (20.10) 172 となり, 173

    (20.11) 174 が得られる。ここでもdt→0とすると,も 0となるので, 175

    (20.12) 176 が得られる。この式はフォッカー・プランク方程式(Fokker-Plank equation)とよばれ177 る。ここで, 178

    (20.13) 179 は流速, 180

    (20.14) 181 は拡散係数を表す。つまり,この式は移流拡散方程式 182

    (20.15) 183 を表す。左右へ動く確率が等しい,つまり, 184

    (20.16) 185

    ときには 186

    δ xP x −δ x, x( )d δ x( )−∞

    ∫ = δ x

    δ x2P x −δ x, x( )d δ x( )−∞

    ∫ = δ x2

    f x,t( ) = f x,t( )− δ x ∂ f∂x

    +δ x2

    2∂2 f∂x2

    − ∂ f∂t

    δ t + 12∂2 f∂t 2

    δ t 2

    + δ x ∂2 f

    ∂t ∂xδ t +O δ x3,δ t 3( )

    ∂ f∂t

    δ t = − δ x ∂ f∂x

    +δ x2

    2∂2 f∂x2

    + 12∂2 f∂t 2

    δ t 2 + δ x ∂2 f

    ∂t ∂xδ t

    ∂ f∂t

    = −δ xδ t

    ∂ f∂x

    +δ x2

    2δ t∂2 f∂x2

    + 12∂2 f∂t 2

    δ t + δ x ∂2 f

    ∂t ∂x

    ∂ f∂t

    = −δ xδ t

    ∂ f∂x

    +δ x2

    2δ t∂2 f∂x2

    v =δ xδ t

    D =δ x2

    2δ t

    ∂ f∂t

    = −v ∂ f∂x

    + D ∂2 f∂x2

    δ x = 0

  • 97

    (20.17) 187 となり,拡散方程式を表す。 188 189 20.2 酔歩運動と拡散方程式の解 190 ここでは,初期条件が原点に拡散する不均質が集中している場合を考える。この場合,191 初期濃度はディラックのデルタ関数により, 192

    (20.18) 193

    と表される。拡散方程式の解は,(19.12) (19.13)より,フーリエ級数をフーリエ変換に置194 き換えた, 195

    (20.19) 196 である。ここで,t = 0で fがデルタ関数となるための条件は, 197

    198

    である。よって, 199

    (20.20) 200 となる。ここで,17章の(17.31)より, 201

    (20.21) 202

    を用いると, 203 (20.22) 204 (20.23) 205 と置き換えれば良いので,求める解は, 206

    (20.24) 207

    となる。 208 数値シミュレーションを行って,酔歩運動により拡散現象が再現できるか試した結果209 が図 20.1 である。粒子は最初に原点 x = 0に N0個密集しているとする。粒子の番号を210

    ∂ f∂t

    = D ∂2 f∂x2

    f x,0( ) = δ x( )

    f x,t( ) = 1π A p( )cos pxexp − p2Dt⎡⎣ ⎤⎦dp0

    A p( ) = 1

    f x,t( ) = 1π cos pxexp −Dtp2⎡⎣ ⎤⎦dp0

    exp −ax2⎡⎣ ⎤⎦cosbx dx0∞

    ∫ =12

    πaexp − b

    2

    4a⎡

    ⎣⎢

    ⎦⎥

    a = Dt

    b = x

    f x,t( ) = 12

    1

    πDtexp − x

    2

    4Dt⎡

    ⎣⎢

    ⎦⎥

  • 98

    iとすると,初期条件で 211

    (20.25) 212 である。ここで = 1となるような正規乱数を発生させ, 213

    (20.26) 214

    を計算する。ただしdt = 1とする。このとき,粒子の座標を区間Dxに区切って区間ごと215 の粒子数をカウントする。ところで,粒子数と拡散係数はそれぞれ, 216

    (20.27) 217

    (20.28) 218 であるので,その解は 219

    (20.29) 220

    となる。ただし,nはタイムステップを表す。この式は平均0分散 nの正規分布を表す。 221 222

    223 図20.1 ランダムウォーク粒子計算と拡散方程式の解の比較 224 225

    xi = 0

    xin+1 = xi

    n +δ xi

    f x,t( )−∞

    ∫ dx = N0

    D = 12

    f x, tn( ) = No2πn exp−x2

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