大学COC事業 平成30年度活動報告書...大学COC事業 平成30年度活動報告書...

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平成26年度「地(知)の拠点整備事業」では唯一の共同事業として採択

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大学COC事業

平成30年度活動報告書

平成26年度「地(知)の拠点整備事業」では唯一の共同事業として採択

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はじめに 「文化産業都市倉敷の未来を拓く若衆育成と大学連携モデル創出事業」活動の総括

平成 26 年度に文部科学省「地(知)の拠点整備事業」にくらしき作陽大学と倉敷芸術科学大学が「文

化産業都市倉敷の未来を拓く若衆育成と大学連携モデル創生事業」を共同申請し採択され、COC 事業

を実施してまいりました。平成 30 年度が補助期間最終年度であります。 くらしき作陽大学と倉敷芸術科学大学は、それぞれ二十数年前に倉敷市から誘致された大学であり、

今回の COC 事業には二大学とも倉敷市の未来の為に大学あげて取り組んでまいりました。事業概要は、

倉敷市とまちづくりビジョンを共有し、教育・研究・社会貢献の三位一体の改革です。具体的には系統

化した3段階の地域貢献科目を正規の教育課程に位置付けて地域貢献活動を展開し、3つの研究プロジ

ェクト(倉敷アートスタート研究、五感力育成研究、備災・減災力育成研究)と連動させ、地の拠点機

能の向上をはかる。成果は「倉敷みらい講座」で公表し、「若衆・町衆フォーラム」で評価し、くらし

き若衆(小若、中老、宿老)を認定し、若者の定住化を促進するというものです。 教育では、学生に倉敷市を知り、倉敷で学ぶ「くらしき学講座」を必修として、新入生は倉敷発見オ

リエンテーションを行い、「地域貢献」科目の 2 科目を受講し、優秀な成績を修めた者に小若認定証を

与えました。最後に行う「くらしき学発表会」では、学生たちは、それぞれのグループ毎にプレゼンテ

ーションを行い、充実した活動を如実に示しました。また、くらしき若衆育成プログラムのルーブリッ

クを作成し活用しました。 研究部門では、人形劇を通した乳幼児のアートスタートの研究でベイビードラマの製作、特別支援教

育ラボで、地域の関連機関との連携による五感を生かした教育実践力の育成に関する研究を行いました。

備災・減災力育成研究で、災害時の炊き出しシミュレーションによる調理モデルの作成を行いました。 COC 事業最終成果発表会及び若衆・町衆フォーラムでは、若衆実践演習を通して学習を深め、両大

学の学生代表各3グループが成果の発表を行い、COC 外部評価委員からそれぞれ高い評価をいただき

ました。同時に両大学合わせて 19 名に宿老の認定証が授与されました。 COC 事業を行い、学生の倉敷市に対する知識と理解が格段に深まり、市民との交流も広く深くなり

ました。何よりも学生たちは、地域社会の実際を体験し、教室内では得られない多くの新しいことを学

ぶことができました。主要な事項について両大学は、COC 事業終了後も継続して行い、地域貢献活動

を続け、倉敷市と一体となり市民に喜ばれる大学になろうと考えています。 終りに、COC 事業を支援しご協力いただきました COC 外部評価委員の方々、自治体、各種団体・機

関の皆さま、および市民の方々に感謝申し上げます。

倉敷芸術科学大学 学長 河 野 伊 一 郎

くらしき作陽大学 学長 松 田 英 毅

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1 事業概要

(1)本事業の概略 ………………… 1

2 推進体制

(1)担当組織と委員会構成の概略 ………………… 2

(2)委員会構成メンバー⼀覧 ………………… 2

3 活動報告

(1)活動履歴 ………………… 4

(2)「教育」分野 ……………… 10

(3)「研究」分野 ……………… 34

(4)「社会貢献」分野 ……………… 58

4 評 価 ……………………………………………… 89

5 情 報 発 信 …………………………………………… 93

6 FD ・ SD ……………………………………………… 97

Content⽂化産業都市倉敷の未来を拓く若衆育成と⼤学連携モデル創出事業

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1 事業概要

(1)本事業の概略

大 学 名 くらしき作陽大学、倉敷芸術科学大学

事 業 名 文化産業都市倉敷の未来を拓く若衆育成と大学連携モデル創出事業

申 請 者 松田英毅 学長(くらしき作陽大学)

河野伊一郎 学長(倉敷芸術科学大学)

連携する自治体 倉敷市

連携する各種団

体・機関

倉敷商工会議所、玉島商工会議所、(公財)倉敷市文化振興財団、(公社)倉敷青年

会議所、(株)山陽新聞社倉敷本社、(公財)大原美術館、(公財)有隣会、(株)倉敷

ケーブルテレビ、玉島テレビ放送株式会社、(株)エフエムくらしき、NPO 法人倉

敷ジュニアフィルハーモニーオーケストラ、(一財)とらまる人形劇研究所、KCM

倉敷コミュニティ・メディア、NPO 法人倉敷町家トラスト

事業関連学部等 くらしき作陽大学:音楽学部、食文化学部、子ども教育学部

倉敷芸術科学大学:芸術学部、産業科学技術学部、生命科学部、危機管理学部

事 業 期 間 平成 26 年度~30 年度 (5 年間)

事 業 概 要 本事業は、倉敷市が誘致した 2 大学が、倉敷市と共にまちづくりのビジョンを共

有し、学長のリーダーシップのもと取り組む教育・研究・社会貢献の三位一体改

革である。連携の意義は、目標の共有と相互補完による事業の発展、相互評価に

よる教育の質保証、地方小規模大学におけるガバナンス改革のモデルを示すこと

にある。具体的には、系統化した 3 段階の地域貢献科目を正規の教育課程に位置

付けて地域貢献活動を展開し、これらの活動を、地域ニーズにあわせた「倉敷ア

ートスタート研究」「五感力育成研究」「備災・減災育成研究」の 3 つの研究プロ

ジェクトと連動させて地(知)の拠点機能の向上を図る。社会貢献の成果は、「倉

敷みらい講座」で公表し、「若衆・町衆フォーラム」で評価する「くらしき若衆認

定制度」を発足させ、地域人材「くらしき若衆」育成プログラムを構築し、倉敷

市の QOC(コミュニティの質)を高めると共に若者の定住化を促進する。

【事業概念図】

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2 推進体制 (1)担当組織と委員会構成の概略

本事業全体の企画・推進・点検(PDCA サイクル)を担う学内外の担当組織及び委員会構成は、以下に

示す概略図の通りである。特徴としては、くらしき作陽大学と倉敷芸術科学大学が連携・協働して事業

を展開すること、及び両大学と倉敷市との間に協力体制を構築することである。

【事業推進体制図】

(2)委員会構成メンバー一覧(平成 30年度)

この体制に基づく、各種委員会の目的と構成メンバーは次の通りである。

① COC運営委員会:両大学と自治体(倉敷市)の関係者で構成され、事業展開の最終決議機関。

学外 伊東 香織 倉敷市長

大橋 俊文 倉敷市 企画財政局 企画財政部 企画経営室 主幹

大原 あかね(公財)大原美術館 理事長

くらしき作陽大学 倉敷芸術科学大学

② ②

松田 英毅 学長 竹内 京子 事業推進責任者 宮本 拓 副委員長 林 直人 副委員長 新名 俊樹 教育部門担当 万倉 三正 教育部門担当 川口 洋 教育部門担当 佐藤 大介 教育部門担当 橋本 正巳 研究部門担当 浅野 泰昌 研究部門担当 花井 康明 事務局長 宇佐見 博 事務局顧問 冨田 延宏 事務局 平井 克彦 事務局 片岡 正登 事務局 北川 あえ COC運営コーディネーター 塚本 庸子 COC事務員 橘 佳祐 COC事務員

河野 伊一郎 学長 児島 塊太郎 副学長 妹尾 護 事業推進責任者 小山 悦司 教育部門長 近藤 研二 研究部門長 坂本 尚史 社会貢献部門長 亀井 秀人 事務局長 窪津 慎二 学外連携センター次長 西崎 書彦 学外連携センター課長 畑 佳克 学外連携センター 平山 茂生 COC運営コーディネーター 小野 すみえ COC事務員

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②COC委員会

各大学内に設置され、3つの部門の実務運営に関する協議、調整機関。

くらしき作陽大学 倉敷芸術科学大学

竹内 京子 委員長 児島 塊太郎 委員長

宮本 拓 副委員長 加計 悟 副学長

林 直人 副委員長 奥本 寛 副学長

新名 俊樹 教育部門担当 妹尾 護 副委員長

川口 洋 教育部門担当 小山 悦司 教育部門長

万倉 三正 教育部門担当 近藤 研二 研究部門長

佐藤 大介 教育部門担当 坂本 尚史 社会貢献部門長

橋本 正巳 研究部門担当 佐藤 恒夫 生命科学部長

浅野 泰昌 研究部門担当 亀井 秀人 事務局長

宇佐見 博 事務局 山中 高光 学外連携センター次長

冨田 延宏 事務局 窪津 慎二 学外連携センター次長

平井 克彦 事務局 西崎 書彦 学外連携センター課長

片岡 正登 事務局 畑 佳克 学外連携センター

佐藤 親久 事務局 平山 茂生 COC運営コーディネーター

北川 あえ COC運営コーディネーター 小野 すみえ COC事務員

塚本 庸子 COC事務員

橘 佳祐 COC事務員

③COC外部評価委員会

第 3者有識者によって構成されたメンバーが年 1回、COC事業内容を点検、評価する機関。

井上 計二 倉敷市企画財政局 局長

井上 正義 倉敷市教育委員会 教育長

井上 峰一 倉敷商工会議所 会頭

大原 謙一郎 (公財)大原美術館 名誉館長

岡 荘一郎 (公財)倉敷市文化振興財団 理事長

大橋 宗志 (株)山陽新聞社 常務取締役 倉敷本社代表

岩谷 可奈子 NHK岡山放送局 局長

髙岡 信也 (独)教職員支援機構 理事長

3

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(1) 活動履歴

【5ヶ年間の主な2大学共通活動】

年月日 二大学の主な共通活動内容

(※ 教育 は教育活動、アート は「倉敷アートスタート研究」、五感力 は「五感力育成研究」、

備災 は「備災・減災力育成研究」、貢献 は社会貢献の意。)

平成26年度

7月 25

平成26年度文部科学省「地(知)の拠点整備事業」採択通知

8月 27

倉敷市伊東市長に採択報告、2大学・倉敷市の合同記者会見

11月 6

19

第1回COC運営委員会 (COC運営体制の承認・委嘱 他)

貢献 平成26年度 第1回「倉敷みらい講座」 COCキックオフミーティング

3月 20 貢献 平成26年度 第4回「倉敷みらい講座」 平成26年度成果発表会及び外部評価委員会

平成27年度

5月 1日

~3月4日

山陽新聞にCOC事業内容を「知の散歩道」のテーマで掲載

9月 11~15 備災 東日本大震災被災地視察(1回目)

3月 14 貢献 平成27年度 第12回「倉敷みらい講座」 平成27年度成果発表会及び外部評価委員会

平成28年度

8月 25

2大学合同SD/FD研修会

9月 9~13

28

備災 東日本大震災被災地視察(2回目)

文部科学省平成28年度評価 面接 (評価結果はB)

11月 25

貢献 平成28年度 第8,9回「倉敷みらい講座」 中間成果発表会及び若衆・町衆フォーラム、外部評価委員会

平成29年度

6月 29

倉敷市伊東市長と2大学学長との面談

8月 11

2大学合同SD/FD研修会

11月 21

貢献 平成29年度 第12回「倉敷みらい講座」平成29年度成果発表会及び若衆・町衆フォーラム、外部評価委員会

平成30年度

11月 26

貢献 平成30年度 第15,16回「倉敷みらい講座」COC事業最終成果発表会(2大学合同FD/SD研修会を兼ねる)及び

若衆・町衆フォーラム(宿老認定証授与式を含む)、外部評価委員会

2月 最終COC運営委員会 (次年度以降のCOC事業継続要領 他)

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(1) 活動履歴

【5ヶ年間の主な2大学共通活動】

年月日 二大学の主な共通活動内容

(※ 教育 は教育活動、アート は「倉敷アートスタート研究」、五感力 は「五感力育成研究」、

備災 は「備災・減災力育成研究」、貢献 は社会貢献の意。)

平成26年度

7月 25

平成26年度文部科学省「地(知)の拠点整備事業」採択通知

8月 27

倉敷市伊東市長に採択報告、2大学・倉敷市の合同記者会見

11月 6

19

第1回COC運営委員会 (COC運営体制の承認・委嘱 他)

貢献 平成26年度 第1回「倉敷みらい講座」 COCキックオフミーティング

3月 20 貢献 平成26年度 第4回「倉敷みらい講座」 平成26年度成果発表会及び外部評価委員会

平成27年度

5月 1日

~3月4日

山陽新聞にCOC事業内容を「知の散歩道」のテーマで掲載

9月 11~15 備災 東日本大震災被災地視察(1回目)

3月 14 貢献 平成27年度 第12回「倉敷みらい講座」 平成27年度成果発表会及び外部評価委員会

平成28年度

8月 25

2大学合同SD/FD研修会

9月 9~13

28

備災 東日本大震災被災地視察(2回目)

文部科学省平成28年度評価 面接 (評価結果はB)

11月 25

貢献 平成28年度 第8,9回「倉敷みらい講座」 中間成果発表会及び若衆・町衆フォーラム、外部評価委員会

平成29年度

6月 29

倉敷市伊東市長と2大学学長との面談

8月 11

2大学合同SD/FD研修会

11月 21

貢献 平成29年度 第12回「倉敷みらい講座」平成29年度成果発表会及び若衆・町衆フォーラム、外部評価委員会

平成30年度

11月 26

貢献 平成30年度 第15,16回「倉敷みらい講座」COC事業最終成果発表会(2大学合同FD/SD研修会を兼ねる)及び

若衆・町衆フォーラム(宿老認定証授与式を含む)、外部評価委員会

2月 最終COC運営委員会 (次年度以降のCOC事業継続要領 他)

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【2大学の主な共通活動】

年月日 二大学の主な共同活動内容

平成29年度

3 ⽉ 13

貢献 平成 29 年度 第 20 回「倉敷みらい講座」若衆・町衆フォーラム・同くらしき若衆「中老」認定証授与式

(於:くらしき作陽大、参加者 38 人)

平成30年度

5 ⽉ 19・20

25

26

貢献 第 1回・第 2回「倉敷みらい講座」/乳児向け舞台芸術のフロンティア

(於:玉島文化センター、参加者:第 1回 19 人、第 2回 15 人)

貢献 第 3回「倉敷みらい講座」/「豊かさの本質×かわいい」をデザインせよ!−(於:倉敷芸術科学⼤学、参加者 91 ⼈)

貢献 第 4回「倉敷みらい講座」/倉敷の街に音楽を届ける学生の学びと育ち(於:倉敷市立美術館、参加者 27 ⼈)

6 ⽉ 1

14

19

21

(第 1回おかやまCOC+推進協議会(於:岡山県立大学))

貢献 第 5 回「倉敷みらい講座」/「続・南海トラフ巨⼤地震に備える」(於:倉敷公⺠館、参加者 29 ⼈)

貢献 第 6回「倉敷みらい講座」/「災害食コンシュルジュプログラム」(於:くらしき作陽⼤学、参加者 56 ⼈)

第 1 回COC運営委員会(於:くらしき作陽大学室)/第 1回COO教育部門定例会議(同)6/21

7 ⽉ 11

19

23

25

五感⼒ 橋本正巳研究室、五十嵐英之研究室共同研究会(於:くらしき作陽大)

貢献 第 7回「倉敷みらい講座」/作陽弦楽合奏団演奏会(於:くらしき作陽⼤学、参加者 250 ⼈)

貢献 第 8回「倉敷みらい講座」/ LGBT−セクシャルマイノリティ(於:倉敷芸術科学⼤学、参加者 89 ⼈)

貢献 第 9回「倉敷みらい講座」/「倉敷発!⼤学⽣まちづくりプラン」(於:倉敷芸術科学⼤学、参加者 102 ⼈)

8 ⽉ 29 貢献 第 2回教育部門定例会議(於::倉敷芸術科学⼤学)

9 ⽉ 20

27

第 1 回COC2大学コーディネーター会議(於:くらしき作陽大)

貢献 第 10 回「倉敷みらい講座」/「未来のまちの姿を選択する」(於:倉敷公⺠館 第 2 会議室、参加者 42 ⼈)

10 ⽉ 14

19

27

30

2大学共催「これまでの5年間を振り返る」パネル展示(於:くらしき作陽大 翔陽祭)

第 2回COC運営委員会(於::倉敷芸術科学⼤学)/第 2回COO教育部門定例会議(同)

貢献 第 11 回「倉敷みらい講座」/「まちなか研究室とデジタルものづくり」(於:倉敷芸術科学⼤学、参加者 109 ⼈)

貢献 第 12 回「倉敷みらい講座」/気になる子どもの理解と支援(於:くらしき作陽大、参加者 74 人)

11 ⽉ 4

26

29

貢献 第 13 回・第 14 回「倉敷みらい講座」/倉敷アートスタート研究上演・シンポジウム

(於:くらしき作陽大、参加者:第 13 回 46 人、第 14 回 34 人)

貢献 第 15 回・第 16 回「倉敷みらい講座」/COC最終成果報告会・若衆・町衆フォーラム及び外部評価委員会 2大学

FD/SD研修会 (於:ヘルスピア倉敷、参加者:第 15 回 94 人、第 16 回 92 人)

山陽新聞 COC 事業平成 30 年度最終成果発表会 記事掲載

12 ⽉ 14

18

19

20

貢献 第 17 回「倉敷みらい講座」/「子どもの貧困とアートにできること」(於:倉敷芸術科学⼤学、参加者 95 ⼈)

第 3 回COO教育部門定例会議(於:倉敷芸術科学⼤学)

五感⼒ 橋本正巳研究室、五十嵐英之研究室共同研究会(於:くらしき作陽大)

貢献 第 18 回「倉敷みらい講座」/「大雨災害・地震から命を守るために」(於:倉敷芸術科学⼤学、参加者 43 ⼈)

1 ⽉ 1

13

14

17

23

広報くらしき1月号 宿老認定者関連記事掲載

貢献 第 19 回「倉敷みらい講座」/ヤングホールコンサート(於:玉島市民交流センター湊ホール、参加者 156 ⼈)

貢献 第 20 回「倉敷みらい講座」/作陽弦楽合奏団ニューイヤーコンサート(於:くらしき作陽大、参加者 361 人)

貢献 第 21 回「倉敷みらい講座」/「倉敷市のまちづくり」(於:倉敷市公民館、参加者 24 人)

貢献 第 22 回「倉敷みらい講座」/倉敷の明るい未来に向けて大学生の感性を届けよう!(於:倉敷芸術科学⼤学、参加者128 ⼈)

2 ⽉ 15

18

20

第 3 回COC運営委員会(於:くらしき作陽大)/第 4回COO教育部門定例会議(同)

貢献 第 23 回「倉敷みらい講座」/倉敷アートスタート研究 開講予定

貢献 第 24 回「倉敷みらい講座」/五感力・特別支援実践発表会 開講予定

5

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【2大学の主な共通活動】

年月日 二大学の主な共同活動内容

平成29年度

3 ⽉ 13

貢献 平成 29 年度 第 20 回「倉敷みらい講座」若衆・町衆フォーラム・同くらしき若衆「中老」認定証授与式

(於:くらしき作陽大、参加者 38 人)

平成30年度

5 ⽉ 19・20

25

26

貢献 第 1回・第 2回「倉敷みらい講座」/乳児向け舞台芸術のフロンティア

(於:玉島文化センター、参加者:第 1回 19 人、第 2回 15 人)

貢献 第 3回「倉敷みらい講座」/「豊かさの本質×かわいい」をデザインせよ!−(於:倉敷芸術科学⼤学、参加者 91 ⼈)

貢献 第 4回「倉敷みらい講座」/倉敷の街に音楽を届ける学生の学びと育ち(於:倉敷市立美術館、参加者 27 ⼈)

6 ⽉ 1

14

19

21

(第 1回おかやまCOC+推進協議会(於:岡山県立大学))

貢献 第 5 回「倉敷みらい講座」/「続・南海トラフ巨⼤地震に備える」(於:倉敷公⺠館、参加者 29 ⼈)

貢献 第 6回「倉敷みらい講座」/「災害食コンシュルジュプログラム」(於:くらしき作陽⼤学、参加者 56 ⼈)

第 1 回COC運営委員会(於:くらしき作陽大学室)/第 1回COO教育部門定例会議(同)6/21

7 ⽉ 11

19

23

25

五感⼒ 橋本正巳研究室、五十嵐英之研究室共同研究会(於:くらしき作陽大)

貢献 第 7回「倉敷みらい講座」/作陽弦楽合奏団演奏会(於:くらしき作陽⼤学、参加者 250 ⼈)

貢献 第 8回「倉敷みらい講座」/ LGBT−セクシャルマイノリティ(於:倉敷芸術科学⼤学、参加者 89 ⼈)

貢献 第 9回「倉敷みらい講座」/「倉敷発!⼤学⽣まちづくりプラン」(於:倉敷芸術科学⼤学、参加者 102 ⼈)

8 ⽉ 29 貢献 第 2回教育部門定例会議(於::倉敷芸術科学⼤学)

9 ⽉ 20

27

第 1 回COC2大学コーディネーター会議(於:くらしき作陽大)

貢献 第 10 回「倉敷みらい講座」/「未来のまちの姿を選択する」(於:倉敷公⺠館 第 2 会議室、参加者 42 ⼈)

10 ⽉ 14

19

27

30

2大学共催「これまでの5年間を振り返る」パネル展示(於:くらしき作陽大 翔陽祭)

第 2回COC運営委員会(於::倉敷芸術科学⼤学)/第 2回COO教育部門定例会議(同)

貢献 第 11 回「倉敷みらい講座」/「まちなか研究室とデジタルものづくり」(於:倉敷芸術科学⼤学、参加者 109 ⼈)

貢献 第 12 回「倉敷みらい講座」/気になる子どもの理解と支援(於:くらしき作陽大、参加者 74 人)

11 ⽉ 4

26

29

貢献 第 13 回・第 14 回「倉敷みらい講座」/倉敷アートスタート研究上演・シンポジウム

(於:くらしき作陽大、参加者:第 13 回 46 人、第 14 回 34 人)

貢献 第 15 回・第 16 回「倉敷みらい講座」/COC最終成果報告会・若衆・町衆フォーラム及び外部評価委員会 2大学

FD/SD研修会 (於:ヘルスピア倉敷、参加者:第 15 回 94 人、第 16 回 92 人)

山陽新聞 COC 事業平成 30 年度最終成果発表会 記事掲載

12 ⽉ 14

18

19

20

貢献 第 17 回「倉敷みらい講座」/「子どもの貧困とアートにできること」(於:倉敷芸術科学⼤学、参加者 95 ⼈)

第 3 回COO教育部門定例会議(於:倉敷芸術科学⼤学)

五感⼒ 橋本正巳研究室、五十嵐英之研究室共同研究会(於:くらしき作陽大)

貢献 第 18 回「倉敷みらい講座」/「大雨災害・地震から命を守るために」(於:倉敷芸術科学⼤学、参加者 43 ⼈)

1 ⽉ 1

13

14

17

23

広報くらしき1月号 宿老認定者関連記事掲載

貢献 第 19 回「倉敷みらい講座」/ヤングホールコンサート(於:玉島市民交流センター湊ホール、参加者 156 ⼈)

貢献 第 20 回「倉敷みらい講座」/作陽弦楽合奏団ニューイヤーコンサート(於:くらしき作陽大、参加者 361 人)

貢献 第 21 回「倉敷みらい講座」/「倉敷市のまちづくり」(於:倉敷市公民館、参加者 24 人)

貢献 第 22 回「倉敷みらい講座」/倉敷の明るい未来に向けて大学生の感性を届けよう!(於:倉敷芸術科学⼤学、参加者128 ⼈)

2 ⽉ 15

18

20

第 3 回COC運営委員会(於:くらしき作陽大)/第 4回COO教育部門定例会議(同)

貢献 第 23 回「倉敷みらい講座」/倉敷アートスタート研究 開講予定

貢献 第 24 回「倉敷みらい講座」/五感力・特別支援実践発表会 開講予定

【くらしき作陽大学の主な活動】 年月日 くらしき作陽大学の主な活動内容

平成 30 年度

FD&SD 全教職員会議(各学部長より平成 30 年度 COC 事業取組内容説明)

文部科学省アンケート調査順次実施

教育アセンブリー・アワーⅠ(くらしき学-1)

地域志向教育研究経費公募開始

教育倉敷発見オリエンテーションツアー(くらしき学-2)

アートぱれっとによる公演(玉島児童館)

4 月 1

5

9

10

20~21

22

5 月

7

14

16

19、20

23

28

教育 SA 説明会・研修会(2-313)

教育アセンブリー・アワーⅠ(くらしき学-3)地域貢献活動事前指導及びコモンルーブリックの実施

第 1回くらしき作陽大学COC委員会

アートぱれっとによる公演(玉島文化センター)

五感力行動・学習支援グループ「ぼちぼち」第 1回定例会

教育アセンブリー・アワーⅠ(ホームルーム-2)学科別で地域貢献活動コース発表

6 月 1

4

11

13

24

27

COC+第 1 回おかやま COC+推進協議会(於:岡山県立大学)

教育アセンブリー・アワーⅠ(くらしき学-4)

教育アセンブリー・アワーⅠ(くらしき学-5)

第 2 回くらしき作陽大学COC委員会

アートぱれっとによる公演(玉島文化センター)

五感力行動・学習支援グループ「ぼちぼち」第 2回定例会

7 月 2

11

9

21

30

教育アセンブリー・アワーⅠ(くらしき学-6)地域貢献活動コース別グループワーク

第 3回くらしき作陽大学COC委員会

教育アセンブリー・アワーⅠ(くらしき学-7)地域貢献活動コース別グループワーク

五感力行動・学習支援グループ「ぼちぼち」第 3回定例会

教育アセンブリー・アワーⅠ(くらしき学-8)地域貢献活動コース別グループワーク及びコモンルー

ブリックの実施

8 月 20

22

26

アートぱれっとによる公演(遍照保育園)

アートぱれっとによる公演(倉敷市立玉島小学校)

アートぱれっとによる公演(倉敷市立芸文館アイシアター)

9 月 5

5

13

24

26

26

アートぱれっとによる公演(くらしき作陽大学附属認定こども園)

第 4回くらしき作陽大学COC委員会

FD&SD 全教職員会議

教育くらしき若衆「小若」「宿老」認定授与式

山陽新聞 アセンブリー・アワーⅡ(小若・宿老認定証授与式)記事掲載

五感力行動・学習支援グループ「ぼちぼち」第 4回定例会)

6

Page 17: 大学COC事業 平成30年度活動報告書...大学COC事業 平成30年度活動報告書 平成26年度「地(知)の拠点整備事業」では唯一の共同事業として採択

年月日 くらしき作陽大学の主な活動内容

10 月 9

10

14

15

24

27

COC+本年度デジタルコンテンツ制作についての打合せ(於:5-401)

第 5 回くらしき作陽大学COC委員会

大学祭において 2大学の COC の取組みに関するポスター展示

教育アセンブリー・アワーⅡ(くらしき学-9)地域貢献活動コース別グループワーク

五感力行動・学習支援グループ「ぼちぼち」第 5回定例会

作陽キッズキャンパス 2018 開催

11 月 5

7

12

14

21

教育アセンブリー・アワーⅡ(くらしき学-10)地域貢献活動コース別グループワーク

COC+本年度デジタルコンテンツ収録(学内) 災害ボランティアに関して

教育アセンブリー・アワーⅡ(くらしき学-11)地域貢献活動コース別グループワーク

第 6回くらしき作陽大学COC委員会

五感力行動・学習支援グループ「ぼちぼち」第 6回定例会

12 月 1

3

10

12

12

17

27

アートぱれっとによる公演(倉敷市真備児童館)

教育アセンブリー・アワーⅡ(くらしき学-12「くらしき学発表会」)

教育アセンブリー・アワーⅡ(くらしき学-13「くらしき学発表会」)

第 7回くらしき作陽大学COC委員会

五感力行動・学習支援グループ「ぼちぼち」第 7回定例会

教育アセンブリー・アワーⅡ(くらしき学-14「くらしき学発表会」)

アートぱれっとによる公演(倉敷市立玉島児童館)

1 月 6

12

16

21

FD&SD 全教職員会議(学生によるパネル成果/教員によるこれまでの振返りと今後の展望の発表)

山陽新聞 みらい講座「弦楽合奏団ニューイヤーコンサート」記事掲載

第 8回くらしき作陽大学COC委員会

教育アセンブリー・アワーⅡ、くらしき学-15 にてコモンルーブリックの実施

2 月 6

8

13

18

26

五感力行動・学習支援グループ「ぼちぼち」第 8回定例会

アートぱれっとによる公演予定(よしうら保育園子育て支援センター)

第 9回くらしき作陽大学COC委員会

COC+おかやま COC+シンポジウム開催(岡山県立大学)

アートぱれっとによる公演予定(倉敷市立長尾幼稚園)

【倉敷芸術科学大学の主な活動】

年 月 日 倉敷芸術科学大学の主な活動内容

平成29年度

3月 23

文部科学省アンケート調査 (4年次)

平成30年度

4月 6

22

26

27

教育 前期オリエンテーションCOC事業資料配布 文部科学省アンケート調査 (新2、3、4年次)

アート 東町(プラットフォーム) W/S:「ポシャギで作る小物&藍染」

第1回 学内COC委員会開催 (H29年度COC事業実績報告書、H30年度COC事業取組み内容及び新委員の紹介、H29年度後期

「小若」「中老」認定者及び認定証授与式、第4回倉敷みらい講座の案内)

第3回倉敷みらい講座に関する倉敷市、倉敷商工会議所、有隣会、玉島商工会議所、地元町内会への案内

5月 9

27

30

31

教育「くらしき若衆」認定証授与式(認定者:小若21名、中老3名)

アート 東町(プラットフォーム) W/S:「ポシャギで作る小物&藍染」

第5回倉敷みらい講座に関する倉敷市、倉敷商工会議所、有隣会、倉敷公民館、倉敷商振連、玉島商工会議所、地元町内会への案内

第2回 学内COC委員会開催 (H29年度文科省統一指標アンケート結果、第3回倉敷みらい講座結果、第5回倉敷みらい講座

案内、最終成果発表会および若衆・町衆フォーラム シナリオ(案))

6月 9

24

27

アート 第1回 まちなかW/S 「倉敷のまちなか文書 ~倉敷のまちと喫茶エル・グレコ」 ガイド:長沼 眞智子氏

アート 東町(プラットフォーム) W/S:「ポシャギで作る小物&藍染」

第3回 学内COC委員会開催 (H30年度 第1回運営委員会協議結果、第5回倉敷みらい講座アンケート結果、第8回倉敷み

らい講座案内、第9回倉敷みらい講座案内)

7月 31 第4回 学内COC委員会開催(水害対応による繁忙及びアンケート結果2件の為、メール会議) (第8・9回倉敷みらい講座アンケート結果)

8月 29 第5回 学内COC委員会開催 (COC事業最終成果発表及び若衆・町衆フォーラム、第10回倉敷みらい講座案内、補助金終了後の運営)

9月 4

25

第10回倉敷みらい講座に関する倉敷市、倉敷商工会議所、有隣会、倉敷公民館、倉敷商振連、玉島商工会議所、地元町内会への案内

第6回 学内COC委員会開催(H30年度COC/COC+補助金交付決定通知、H30年度上半期COC事業予算執行状況、「くらしき若

衆」認定式、若衆・町衆フォーラム発表者)

10月 5

10

15

17

第11回倉敷みらい講座に関する倉敷市、倉敷商工会議所、有隣会、成人病センター、玉島商工会議所、地元町内会への案内

教育 「くらしき若衆」認定証授与式(認定者:小若12名、中老4名、宿老5名)

アート 第2回 まちなかW/S 「倉敷のまちなか文書 ~ 倉敷のまちと住吉町の家 文福 ~」 講師:坂ノ上 博史 氏

備災 災害時シミュレーションによる調理モデルの作成:炊飯袋を利用した料理法(於:5317教室)

【倉敷芸術科学大学の主な活動内容】

年 月 日 倉敷芸術科学大学の主な活動内容

平成29年度

3月 23

文部科学省アンケート調査 (4年次)

平成30年度

4月 6

22

26

27

教育 前期オリエンテーションCOC事業資料配布 文部科学省アンケート調査 (新2、3、4年次)

アート 東町(プラットフォーム) W/S:「ポシャギで作る小物&藍染」

第1回 学内COC委員会開催 (H29年度COC事業実績報告書、H30年度COC事業取組み内容及び新委員の紹介、H29年度後期

「小若」「中老」認定者及び認定証授与式、第4回倉敷みらい講座の案内)

第3回倉敷みらい講座に関する倉敷市、倉敷商工会議所、有隣会、玉島商工会議所、地元町内会への案内

5月 9

27

30

31

教育「くらしき若衆」認定証授与式(認定者:小若21名、中老3名)

アート 東町(プラットフォーム) W/S:「ポシャギで作る小物&藍染」

第5回倉敷みらい講座に関する倉敷市、倉敷商工会議所、有隣会、倉敷公民館、倉敷商振連、玉島商工会議所、地元町内会への案内

第2回 学内COC委員会開催 (H29年度文科省統一指標アンケート結果、第3回倉敷みらい講座結果、第5回倉敷みらい講座

案内、最終成果発表会および若衆・町衆フォーラム シナリオ(案))

6月 9

24

27

アート 第1回 まちなかW/S 「倉敷のまちなか文書 ~倉敷のまちと喫茶エル・グレコ」 ガイド:長沼 眞智子氏

アート 東町(プラットフォーム) W/S:「ポシャギで作る小物&藍染」

第3回 学内COC委員会開催 (H30年度 第1回運営委員会協議結果、第5回倉敷みらい講座アンケート結果、第8回倉敷み

らい講座案内、第9回倉敷みらい講座案内)

7月 31 第4回 学内COC委員会開催(水害対応による繁忙及びアンケート結果2件の為、メール会議) (第8・9回倉敷みらい講座アンケート結果)

8月 29 第5回 学内COC委員会開催 (COC事業最終成果発表及び若衆・町衆フォーラム、第10回倉敷みらい講座案内、補助金終了後の運営)

9月 4

25

第10回倉敷みらい講座に関する倉敷市、倉敷商工会議所、有隣会、倉敷公民館、倉敷商振連、玉島商工会議所、地元町内会への案内

第6回 学内COC委員会開催(H30年度COC/COC+補助金交付決定通知、H30年度上半期COC事業予算執行状況、「くらしき若

衆」認定式、若衆・町衆フォーラム発表者)

10月 5

10

15

17

第11回倉敷みらい講座に関する倉敷市、倉敷商工会議所、有隣会、成人病センター、玉島商工会議所、地元町内会への案内

教育 「くらしき若衆」認定証授与式(認定者:小若12名、中老4名、宿老5名)

アート 第2回 まちなかW/S 「倉敷のまちなか文書 ~ 倉敷のまちと住吉町の家 文福 ~」 講師:坂ノ上 博史 氏

備災 災害時シミュレーションによる調理モデルの作成:炊飯袋を利用した料理法(於:5317教室)

7

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【倉敷芸術科学大学の主な活動】

年 月 日 倉敷芸術科学大学の主な活動内容

平成29年度

3月 23

文部科学省アンケート調査 (4年次)

平成30年度

4月 6

22

26

27

教育 前期オリエンテーションCOC事業資料配布 文部科学省アンケート調査 (新2、3、4年次)

アート 東町(プラットフォーム) W/S:「ポシャギで作る小物&藍染」

第1回 学内COC委員会開催 (H29年度COC事業実績報告書、H30年度COC事業取組み内容及び新委員の紹介、H29年度後期

「小若」「中老」認定者及び認定証授与式、第4回倉敷みらい講座の案内)

第3回倉敷みらい講座に関する倉敷市、倉敷商工会議所、有隣会、玉島商工会議所、地元町内会への案内

5月 9

27

30

31

教育「くらしき若衆」認定証授与式(認定者:小若21名、中老3名)

アート 東町(プラットフォーム) W/S:「ポシャギで作る小物&藍染」

第5回倉敷みらい講座に関する倉敷市、倉敷商工会議所、有隣会、倉敷公民館、倉敷商振連、玉島商工会議所、地元町内会への案内

第2回 学内COC委員会開催 (H29年度文科省統一指標アンケート結果、第3回倉敷みらい講座結果、第5回倉敷みらい講座

案内、最終成果発表会および若衆・町衆フォーラム シナリオ(案))

6月 9

24

27

アート 第1回 まちなかW/S 「倉敷のまちなか文書 ~倉敷のまちと喫茶エル・グレコ」 ガイド:長沼 眞智子氏

アート 東町(プラットフォーム) W/S:「ポシャギで作る小物&藍染」

第3回 学内COC委員会開催 (H30年度 第1回運営委員会協議結果、第5回倉敷みらい講座アンケート結果、第8回倉敷み

らい講座案内、第9回倉敷みらい講座案内)

7月 31 第4回 学内COC委員会開催(水害対応による繁忙及びアンケート結果2件の為、メール会議) (第8・9回倉敷みらい講座アンケート結果)

8月 29 第5回 学内COC委員会開催 (COC事業最終成果発表及び若衆・町衆フォーラム、第10回倉敷みらい講座案内、補助金終了後の運営)

9月 4

25

第10回倉敷みらい講座に関する倉敷市、倉敷商工会議所、有隣会、倉敷公民館、倉敷商振連、玉島商工会議所、地元町内会への案内

第6回 学内COC委員会開催(H30年度COC/COC+補助金交付決定通知、H30年度上半期COC事業予算執行状況、「くらしき若

衆」認定式、若衆・町衆フォーラム発表者)

10月 5

10

15

17

第11回倉敷みらい講座に関する倉敷市、倉敷商工会議所、有隣会、成人病センター、玉島商工会議所、地元町内会への案内

教育 「くらしき若衆」認定証授与式(認定者:小若12名、中老4名、宿老5名)

アート 第2回 まちなかW/S 「倉敷のまちなか文書 ~ 倉敷のまちと住吉町の家 文福 ~」 講師:坂ノ上 博史 氏

備災 災害時シミュレーションによる調理モデルの作成:炊飯袋を利用した料理法(於:5317教室)

【倉敷芸術科学大学の主な活動内容】

年 月 日 倉敷芸術科学大学の主な活動内容

平成29年度

3月 23

文部科学省アンケート調査 (4年次)

平成30年度

4月 6

22

26

27

教育 前期オリエンテーションCOC事業資料配布 文部科学省アンケート調査 (新2、3、4年次)

アート 東町(プラットフォーム) W/S:「ポシャギで作る小物&藍染」

第1回 学内COC委員会開催 (H29年度COC事業実績報告書、H30年度COC事業取組み内容及び新委員の紹介、H29年度後期

「小若」「中老」認定者及び認定証授与式、第4回倉敷みらい講座の案内)

第3回倉敷みらい講座に関する倉敷市、倉敷商工会議所、有隣会、玉島商工会議所、地元町内会への案内

5月 9

27

30

31

教育「くらしき若衆」認定証授与式(認定者:小若21名、中老3名)

アート 東町(プラットフォーム) W/S:「ポシャギで作る小物&藍染」

第5回倉敷みらい講座に関する倉敷市、倉敷商工会議所、有隣会、倉敷公民館、倉敷商振連、玉島商工会議所、地元町内会への案内

第2回 学内COC委員会開催 (H29年度文科省統一指標アンケート結果、第3回倉敷みらい講座結果、第5回倉敷みらい講座

案内、最終成果発表会および若衆・町衆フォーラム シナリオ(案))

6月 9

24

27

アート 第1回 まちなかW/S 「倉敷のまちなか文書 ~倉敷のまちと喫茶エル・グレコ」 ガイド:長沼 眞智子氏

アート 東町(プラットフォーム) W/S:「ポシャギで作る小物&藍染」

第3回 学内COC委員会開催 (H30年度 第1回運営委員会協議結果、第5回倉敷みらい講座アンケート結果、第8回倉敷み

らい講座案内、第9回倉敷みらい講座案内)

7月 31 第4回 学内COC委員会開催(水害対応による繁忙及びアンケート結果2件の為、メール会議) (第8・9回倉敷みらい講座アンケート結果)

8月 29 第5回 学内COC委員会開催 (COC事業最終成果発表及び若衆・町衆フォーラム、第10回倉敷みらい講座案内、補助金終了後の運営)

9月 4

25

第10回倉敷みらい講座に関する倉敷市、倉敷商工会議所、有隣会、倉敷公民館、倉敷商振連、玉島商工会議所、地元町内会への案内

第6回 学内COC委員会開催(H30年度COC/COC+補助金交付決定通知、H30年度上半期COC事業予算執行状況、「くらしき若

衆」認定式、若衆・町衆フォーラム発表者)

10月 5

10

15

17

第11回倉敷みらい講座に関する倉敷市、倉敷商工会議所、有隣会、成人病センター、玉島商工会議所、地元町内会への案内

教育 「くらしき若衆」認定証授与式(認定者:小若12名、中老4名、宿老5名)

アート 第2回 まちなかW/S 「倉敷のまちなか文書 ~ 倉敷のまちと住吉町の家 文福 ~」 講師:坂ノ上 博史 氏

備災 災害時シミュレーションによる調理モデルの作成:炊飯袋を利用した料理法(於:5317教室)

8

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10月 25

28

30

第7回 学内COC委員会開催(COC事業最終成果発表会及び若衆・町衆フォーラム最新版、「くらしき若衆」リスト最新版、平

成30年度活動報告書原稿作成、第10回倉敷みらい講座結果、第11回倉敷みらい講座案内)

アート 東町(プラットフォーム) W/S:「木枠を使う手織り&藍染」

第15回・16回倉敷みらい講座に関する外部評価委員、倉敷市、倉敷商工会議所、有隣会、倉敷商振連、玉島商工会議所、地元町

内会への案内

11月 11

22

24

25

29

30

備災 玉島ふるさとふれあい物産展W/Sへの参加協力 たまべえバルーンW/S

備災 災害時シミュレーションによる調理モデルの作成:竹を燃料とした炊飯(於:倉敷美しい森)

アート 第3回 まちなかW/S 「倉敷のまちなか文書 ~ 倉敷のまちと倉敷木材株式会社 ~」 講師:大久保 憲作 氏

アート 東町(プラットフォーム) W/S:「木枠を使う手織り&藍染」

第8回 学内COC委員会開催(COC事業最終成果発表会及び若衆・町衆フォーラム結果、第11回倉敷みらい講座結果、第17回

・18回倉敷みらい講座案内)

備災 災害時シミュレーションによる調理モデルの作成:アルミホイルを利用した炊飯(於:5317教室)

12月 5

21

23

25

第17回・18回倉敷みらい講座に関する倉敷市、倉敷商工会議所、有隣会、玉島商工会議所、地元町内会への案内

第21回倉敷みらい講座に関する倉敷市、倉敷商工会議所、倉敷公民館、倉敷商振連、玉島商工会議所、地元町内会への案内

アート ライフタウン真備、再開へ向けて「まびにあかりを」イルミネーション製作・点灯式

アート 東町(フ ラ゚ットフォー ム) W/S:「木枠を使う手織り&藍染」

第9回 学内COC委員会開催(メール会議)(第8・9回倉敷みらい講座アンケート結果)

1月 11

22

第22回倉敷みらい講座に関する倉敷市、倉敷商工会議所、有隣会、玉島商工会議所、地元町内会への案内

備災 災害時シミュレーションによる調理モデルの作成:備蓄食料モデルの作成 (於:5317教室)

2月 1~10

2

5

12

アート 東町(フ ラ゚ットフォー ム)作品展:染織展

アート ライフタウン真備、オープニングイベントミニキーホルダー・多面体W/S

備災 災害時シミュレーションによる調理モデルの作成:備蓄食料モデルの作成(於:5317教室)

第10回 学内COC委員会開催 (平成30年度活動報告書 作成状況、第21回・22回倉敷みらい講座アンケート結果、COC事

業取組み工程表による総括)

【倉敷芸術科学大学の主な活動内容】

年 月 日 倉敷芸術科学大学の主な活動内容

平成29年度

3月 23

文部科学省アンケート調査 (4年次)

平成30年度

4月 6

22

26

27

教育 前期オリエンテーションCOC事業資料配布 文部科学省アンケート調査 (新2、3、4年次)

アート 東町(プラットフォーム) W/S:「ポシャギで作る小物&藍染」

第1回 学内COC委員会開催 (H29年度COC事業実績報告書、H30年度COC事業取組み内容及び新委員の紹介、H29年度後期

「小若」「中老」認定者及び認定証授与式、第4回倉敷みらい講座の案内)

第3回倉敷みらい講座に関する倉敷市、倉敷商工会議所、有隣会、玉島商工会議所、地元町内会への案内

5月 9

27

30

31

教育「くらしき若衆」認定証授与式(認定者:小若21名、中老3名)

アート 東町(プラットフォーム) W/S:「ポシャギで作る小物&藍染」

第5回倉敷みらい講座に関する倉敷市、倉敷商工会議所、有隣会、倉敷公民館、倉敷商振連、玉島商工会議所、地元町内会への案内

第2回 学内COC委員会開催 (H29年度文科省統一指標アンケート結果、第3回倉敷みらい講座結果、第5回倉敷みらい講座

案内、最終成果発表会および若衆・町衆フォーラム シナリオ(案))

6月 9

24

27

アート 第1回 まちなかW/S 「倉敷のまちなか文書 ~倉敷のまちと喫茶エル・グレコ」 ガイド:長沼 眞智子氏

アート 東町(プラットフォーム) W/S:「ポシャギで作る小物&藍染」

第3回 学内COC委員会開催 (H30年度 第1回運営委員会協議結果、第5回倉敷みらい講座アンケート結果、第8回倉敷み

らい講座案内、第9回倉敷みらい講座案内)

7月 31 第4回 学内COC委員会開催(水害対応による繁忙及びアンケート結果2件の為、メール会議) (第8・9回倉敷みらい講座アンケート結果)

8月 29 第5回 学内COC委員会開催 (COC事業最終成果発表及び若衆・町衆フォーラム、第10回倉敷みらい講座案内、補助金終了後の運営)

9月 4

25

第10回倉敷みらい講座に関する倉敷市、倉敷商工会議所、有隣会、倉敷公民館、倉敷商振連、玉島商工会議所、地元町内会への案内

第6回 学内COC委員会開催(H30年度COC/COC+補助金交付決定通知、H30年度上半期COC事業予算執行状況、「くらしき若

衆」認定式、若衆・町衆フォーラム発表者)

10月 5

10

15

17

第11回倉敷みらい講座に関する倉敷市、倉敷商工会議所、有隣会、成人病センター、玉島商工会議所、地元町内会への案内

教育 「くらしき若衆」認定証授与式(認定者:小若12名、中老4名、宿老5名)

アート 第2回 まちなかW/S 「倉敷のまちなか文書 ~ 倉敷のまちと住吉町の家 文福 ~」 講師:坂ノ上 博史 氏

備災 災害時シミュレーションによる調理モデルの作成:炊飯袋を利用した料理法(於:5317教室)

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(2)「教育」分野

活動報告:くらしき作陽大学

アセンブリー・アワー「くらしき学講座」の開講

代表者:竹内 京子(COC事業推進責任者) 分担者:菅付 章宏、長瀬 敏和、河村 敦、岩崎 由香里、桐野 顕子、吉田 純子、小上 和香、

林 直人、長濱 美根子、新名 俊樹、髙橋 慧、馬場 訓子、渡邉 亮太、鈴木 瞬、田野 洋一郎、

佐藤 大介、永井 祐也、猪原 敬介、浅野 泰昌、大原 あかね、松本 隆行、樋口 智之、松田 光恵、

島野 淳、杉山 里緒、平井 克彦、片岡 正登、岡田 美香、北川 あえ、塚本 庸子、橘 佳祐

1. プロジェクトの概要

1)意義・目標

平成27年度より「くらしき若衆」育成プログラムを正規の教育課程に位置付け、その最初の段階として、1年

生対象の「くらしき学講座」を開講している。本講座の目標は、学生が倉敷を学び、倉敷をフィールドに地域貢

献活動に取り組むことを通して、倉敷への理解を深め、自らの地域貢献活動を振り返ることで有意義な気づきを

生み、コミュニケーション能力の向上・主体的な学修態度・プレゼンテーション能力を身に付けることにある。

2)方 法

新入生対象の 1 年次全学必修科目「アセンブリー・アワー」内に「くらしき学講座」として開講した。教育内

容については昨年度と同様に、学部学科横断型プログラムとして実施する。本講座は、①地域からの講師による

講演ならびに倉敷市内においてバス旅行を行い、倉敷市の歴史文化や現状等を学ぶ、②自らの興味関心に基づい

て地域貢献活動のコースを選択、③地域貢献活動への参画、④地域貢献活動個人報告書の作成、⑤グループワー

ク、⑥プレゼンテーション・ポスター発表の6段階の内容で取り組む。

今年度も本講座の指導には、教職員の他、SA(Student Assistant)51 名や、倉敷市役所職員をはじめとする地

域の学外関係者の協力のもとに指導体制を整えて臨む。

2. シラバス

1)「くらしき学講座」内容

くらしき学1 平成30年 4月9日 「大原とくらしき」大原あかね氏(大原美術館理事長)

「くらしき若衆コモンルーブリック」の実施

くらしき学2 平成30年 4月20日~21日 倉敷発見オリエンテーションツアー

くらしき学3 平成30年 5月14日 地域貢献活動事前指導(地域貢献活動コースの提示と選択)

くらしき学4 平成30年 6月 4日 「倉敷の文化とまちづくり」岡荘一郎氏(倉敷市文化振興財団理事長)

「倉敷市の現状とまちづくり」大橋俊文氏(倉敷市企画経営室主幹)

地域貢献活動の事前個別指導

くらしき学5 平成30年 6月11日 コース別グループワーク(倉敷市の実態把握)

くらしき学6 平成30年 7月 2日 「移住・定住について」秋山剛氏(倉敷市くらしき移住定住推進室長)

くらしき学7 平成30年 7月 9日 コース別グループワーク

くらしき学8 平成30年 7月30日 コース別グループワーク「くらしき若衆コモンルーブリック」実施

くらしき学9 平成30年10月15日 コース別グループワーク(地域貢献活動ポスター作成、口頭発表準備)

くらしき学10 平成30年11月 5日 同上

くらしき学11 平成30年11月12日 同上

くらしき学12 平成30年12月 3日 くらしき学発表会(第1回)、学外指導者等による講評

くらしき学13 平成30年12月10日 くらしき学発表会(第2回)、学外指導者等による講評

くらしき学14 平成30年12月17日 くらしき学発表会(第3回)、学外指導者等による講評

くらしき学15 平成31年 1月21日 「くらしき若衆コモンルーブリック」実施

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(2)「教育」分野

活動報告:くらしき作陽大学

アセンブリー・アワー「くらしき学講座」の開講

代表者:竹内 京子(COC事業推進責任者) 分担者:菅付 章宏、長瀬 敏和、河村 敦、岩崎 由香里、桐野 顕子、吉田 純子、小上 和香、

林 直人、長濱 美根子、新名 俊樹、髙橋 慧、馬場 訓子、渡邉 亮太、鈴木 瞬、田野 洋一郎、

佐藤 大介、永井 祐也、猪原 敬介、浅野 泰昌、大原 あかね、松本 隆行、樋口 智之、松田 光恵、

島野 淳、杉山 里緒、平井 克彦、片岡 正登、岡田 美香、北川 あえ、塚本 庸子、橘 佳祐

1. プロジェクトの概要

1)意義・目標

平成27年度より「くらしき若衆」育成プログラムを正規の教育課程に位置付け、その最初の段階として、1年

生対象の「くらしき学講座」を開講している。本講座の目標は、学生が倉敷を学び、倉敷をフィールドに地域貢

献活動に取り組むことを通して、倉敷への理解を深め、自らの地域貢献活動を振り返ることで有意義な気づきを

生み、コミュニケーション能力の向上・主体的な学修態度・プレゼンテーション能力を身に付けることにある。

2)方 法

新入生対象の 1 年次全学必修科目「アセンブリー・アワー」内に「くらしき学講座」として開講した。教育内

容については昨年度と同様に、学部学科横断型プログラムとして実施する。本講座は、①地域からの講師による

講演ならびに倉敷市内においてバス旅行を行い、倉敷市の歴史文化や現状等を学ぶ、②自らの興味関心に基づい

て地域貢献活動のコースを選択、③地域貢献活動への参画、④地域貢献活動個人報告書の作成、⑤グループワー

ク、⑥プレゼンテーション・ポスター発表の6段階の内容で取り組む。

今年度も本講座の指導には、教職員の他、SA(Student Assistant)51 名や、倉敷市役所職員をはじめとする地

域の学外関係者の協力のもとに指導体制を整えて臨む。

2. シラバス

1)「くらしき学講座」内容

くらしき学1 平成30年 4月9日 「大原とくらしき」大原あかね氏(大原美術館理事長)

「くらしき若衆コモンルーブリック」の実施

くらしき学2 平成30年 4月20日~21日 倉敷発見オリエンテーションツアー

くらしき学3 平成30年 5月14日 地域貢献活動事前指導(地域貢献活動コースの提示と選択)

くらしき学4 平成30年 6月 4日 「倉敷の文化とまちづくり」岡荘一郎氏(倉敷市文化振興財団理事長)

「倉敷市の現状とまちづくり」大橋俊文氏(倉敷市企画経営室主幹)

地域貢献活動の事前個別指導

くらしき学5 平成30年 6月11日 コース別グループワーク(倉敷市の実態把握)

くらしき学6 平成30年 7月 2日 「移住・定住について」秋山剛氏(倉敷市くらしき移住定住推進室長)

くらしき学7 平成30年 7月 9日 コース別グループワーク

くらしき学8 平成30年 7月30日 コース別グループワーク「くらしき若衆コモンルーブリック」実施

くらしき学9 平成30年10月15日 コース別グループワーク(地域貢献活動ポスター作成、口頭発表準備)

くらしき学10 平成30年11月 5日 同上

くらしき学11 平成30年11月12日 同上

くらしき学12 平成30年12月 3日 くらしき学発表会(第1回)、学外指導者等による講評

くらしき学13 平成30年12月10日 くらしき学発表会(第2回)、学外指導者等による講評

くらしき学14 平成30年12月17日 くらしき学発表会(第3回)、学外指導者等による講評

くらしき学15 平成31年 1月21日 「くらしき若衆コモンルーブリック」実施

10

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2)SA指導について

SAの指導については、下記の集団指導ならびに個別指導を行った。

SA説明・研修会 平成30年 5月 7日:SAの役割、指導手順説明、地域貢献活動の指導

3)地域貢献活動のコースについて

地域貢献活動については計19コースとし昨年度とほぼ内容的には変わらないままスタートしたが、7月に起こ

った西日本豪雨災害により多くのイベント中止の影響で、活動内容をやむをえずボランティアやチャリティコン

サート等への方向性に変更せざるをえなくなったコースが多かった。

4)地域貢献活動個人報告書の作成

今年度、受講生は2回にわたり「地域貢献活動個人報告書」を作成し、その後コース別にグループワークを実

施。コース毎の共通認識と気づきの深化を促し、その後成果発表をまとめる作業を行った。

5)講評に参加した学外指導者

大原あかね氏(大原美術館 理事長)、大橋俊文氏(倉敷市企画経営室 主幹)、籠田桂子氏(ながおキッZ児童クラ

ブ 副所長)、荻原養一氏(花あふれる街玉島推進会議)、岡荘一郎氏(倉敷市文化振興財団 理事長)、三上喜弘氏

(玉島学園 家庭支援専門相談員)

3. 成果と5年間のまとめ

今年度は前期の「くらしき学講座」開始時(4月9日)と、前期終了時(7月30日)、後期の終了時(1月21日)の

3 回にわたり、「くらしき若衆コモンルーブリック」を実施した。コモンルーブリックの集計結果については本

報告書のページ(P.15~18)を参照してもらいたい。

12月3日・10日・17日に実施した「くらしき学講座」くらしき学発表会において、学生は「実践力」、「表現

力」、「地域貢献」の3 つの観点を、19 コースすべての発表について相互に評価した。また、自身が取り組んだ

活動については「自己評価」をしてもらった。結果は図1の通りである。他者の実践については 3 つの観点すべ

てにおいて「とても思う」または「思う」が90%を超えており、また、自身の実践については同基準で95%を超

えており、「くらしき学講座」での学びに成果があったと考えられる。

今後も「くらしき学講座」を通して、引き続き、実践力と表現力を向上させ、地域貢献が果たせるよう尽力し

ていく必要がある。特に地域貢献については、成果がある中でも例年に比べて評価が低いことから、こうした点

についても指導を重点的に実施していくことが求められている。

図1 「くらしき学講座」くらしき学発表会評価 集計結果

65%

51%

64%

59%

33%

41%

30%

41%

20%

50%

60%

0%

0%

30%

0%

0%

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

「くらしき学講座」くらしき学発表会評価 集計結果

とても思う 思う 少し思う 思わない

自己評価

実践力

表現力

地域貢献

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活動報告:くらしき作陽大学

西日本豪雨災害ボランティア

代表者:佐藤 大介(子ども教育学部 子ども教育学科 講師)

1. プロジェクトの概要

平成30年7月倉敷市真備地区を中心に甚大な被害を及ぼした西日本豪雨災害。この災害で、学生や教職員も被

災した。一方で、多くの学生・教職員が直接的または間接的な支援に取り組んだ。直接的な支援では、被災地で

の復旧作業(泥のかき出しや畳上げ、廃棄物の撤去等)の支援や栄養を意識した食事の支援、子どもたちへの学

習支援等、間接的な支援では、学内学生・教職員を対象とした募金活動、チャリティーコンサート、NPO等を通じ

ての物資提供等、各学部の特色を生かした支援活動に取り組んだ。

2. 災害発生から1ヶ月(7月6日~8月6日)の活動例

※スペースの都合上、1ヶ月間の活動の一部のみを掲載。

7月11日~ 「ながおキッZ児童クラブ」と連携した真備町学童保育復興支援ボランティア

7月17日 ヴォーカルサマーコンサート2018

作陽パーカッショングループ第1回サマーコンサート

7月18日 モスクワ音楽院特別演奏コース前期学内公開演奏会Ⅳ

トロンボーンアンサンブルサマーコンサート

7月19日 作陽弦楽合奏団演奏会 作陽トランペットアンサンブル サマーコンサート

7月20日 作品発表の夕べ〜作曲専修学生と教員による〜

7月21日~22日 倉敷・総社エリアでの現地災害支援ボランティアの実施

7月24日 避難所(倉敷市立二万小学校)にて炊き出し

室内楽(pf)研究発表会「ピアノデュオ サマーコンサート」

7月24日~25日 学生有志による災害支援学内募金活動の実施

7月25日 作陽サクソフォーンクラス サマーコンサート がんばろう岡山

7月26日 ピアノ伴奏演習Ⅰ 研究発表会

7月27日 平成30年度 第5回 学内演奏会

8月3日、6日、7日、8日 避難所(倉敷市立二万小学校)における食文化学部による災害時の食支援

8月6日 大学院サマーコンサート

8月9日 避難所(倉敷市立船穂小学校)にて災害時の食支援

学内にて「被災した子どもたちのための心理的応急処置」講習会を実施

3. 成果と5年間のまとめ

学生による活動の成果については、11月17日に大学コンソーシアム岡山主催「平成30年7月西日本豪雨災害

学生ボランティア報告会」にて成果報告およびポスター発表を行った。

また、くらしき作陽大学では、災害発生直後にウェブサイト「西日本豪雨災害復興支援サイト」を立ち上げ、

地域住民や本学の学生・教職員に対して、地域からのボランティア依頼や活動報告等についても積極的に情報発

信を行った。特に、ボランティアを志願する学生が多くいたため、学生がボランティア活動中に怪我や熱中症、

感染症や食中毒のないよう対策として、「支援前の準備・心得」ページを作成・掲載し、ボランティアを行う学生・

教職員に徹底した。これにより、災害時の支援内容や方法についてのアーカイブとして今後活用できる体制強化

につなげることができた。半年が経過しても、まだすべてが復興した訳ではない。COC大学として、今後も地域と

協力して災害復興支援に尽力していかなければいけない。

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活動報告:くらしき作陽大学

平成30年度くらしき若衆「宿老」「小若」認定証授与式の開催

代表者:竹内 京子(COC事業推進責任者)

分担者:秋山 博正、佐藤 大介、平井 克彦、片岡 正登、岡田 美香、杉山 里緒、塚本 庸子

1. プロジェクトの概要

1)意義・目標

「くらしき若衆」認定は、学生が優れた地域貢献活動を行ってきた証であり、今年度は初の「宿老」13 名が誕

生したことで「小若」と併せた学内での認定証授与式を挙行した。「宿老」は卒業後に地域社会に貢献できる人材

として、「小若」はさらなる「中老」を目指す自覚を持たせ、ステップアップを促す狙いがある。また、これから

「小若」認定を目指す 1 年生が授与式に出席し、それぞれの認定者の決意表明を聞く事で「小若」をはじめ「中

老」「宿老」までの段階的な取得に対する意欲向上を促す狙いもある。

2)方 法

「くらしき若衆」認定制度における「小若」認定は、1年次必修のアセンブリー・アワーⅠ・Ⅱと、地域貢献実

践科目群の 1 科目の計 3 科目を受講し優秀な成績を修めた者、また「宿老」は「中老」保持者の実践活動を総合

的に評価し「若衆・町衆フォーラム」にて認定された者、が基準となり提出した申請書をもとにCOC委員会で承

認を受ける。今年度の「小若」は123名であり、「宿老」は13名であった。

2. 工程・スケジュール

平成30年 4月~11月 2大学の教育部門がくらしき若衆認定について定期的に協議

平成30年7月24日 小若認定候補者発表(123名)

平成30年8月30日 宿老認定申請書受付終了(13名)

平成30年 9月5日 COC委員会にて「宿老」候補13名「小若」候補認定者123名の決定

平成30年9月24日 平成30年度 くらしき若衆「宿老」「小若」認定証学内授与式の開催

3. 平成30年度くらしき若衆「宿老」「小若」学内認定証授与式の開催

平成30年 9月 24日(月)本学聖徳殿において、平成30年度くらしき若衆「宿老」「小若」認定証授与式を執り

行い、13名にくらしき若衆「宿老」、123名に「小若」認定証が授与された。

※本年度は初の「宿老」誕生であったことで、2大学合同「宿老」認定証授与式(11月)に先立ち、学内におい

て学長による授与式の開催とした。

・開会挨拶 竹内 京子(COC事業推進責任者)

・くらしき若衆「小若」認定証授与 代表:築山 美咲(子ども教育学部 子ども教育学科 2年)

・くらしき若衆「宿老」認定証授与 代表:立石 亜利沙(食文化学部 現代食文化学科 4年)

・お祝いの言葉 松田 英毅(くらしき作陽大学 学長)

・決意表明 宿老代表:立石 亜利沙(食文化学部 現代食文化学科 4年)

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活動報告:くらしき作陽大学

「倉敷発見オリエンテーションツアー」の実施

代表者:竹内 京子(COC事業推進責任者) 分担者:新名 俊樹(音楽学部 音楽学科長)、松本 隆行・樋口 智之(食文化学部 栄養学科 講師)、

河村 敦(食文化学部 現代食文化学科 教授)、桐野 顕子(食文化学部 現代食文化学科 講師)、

林 直人(子ども教育学部長)

1. プロジェクトの概要

1)意義・目標

「倉敷発見オリエンテーションツアー」は大原美術館、美観地区散策、倉敷市内の観光、各学部学科の専門性に

応じた見学や体験を1泊2日の行程で実施することで、①倉敷市内の見学や地域の人々との交流を通して倉敷を

学ぶ②学生同士や学生と教員間の親睦を図り、大学生活や学修の在り方を考える機会とする事を目標としている。

2)方 法

新入生全員が学部学科ごとに1泊2日の宿泊研修に参加する。研修プログラムは教職員と上級生のSAが作成。

新入生が倉敷を学ぶことができ、かつ4年間の学生生活が充実したものとなるよう事前に企画・作成する。

2. 工程・スケジュール

各学部学科で下記のように旅行日程を企画し、平成29年4月21日~4月22日の1泊2日で実施した。

1)音楽学部の旅行日程

オリエンテーション・大学→倉敷市民会館車窓見学→美観地区散策・大原美術館見学→宿(泊) →由加山蓮台寺見

学、法話→鷲羽山→水島工業地帯・倉敷芸術科学大学車窓見学→マービーふれあいセンター見学→まきび公園・ま

きび記念館見学→大学

2)食文化学部 栄養学科の旅行日程

倉敷市保健所職員による講話(大学)→オリエンテーション(宿泊地)→下津井愛育委員による講話→むかし下津井

回船問屋見学・散策→アイビースクエア料理長講話→美観地区散策・大原美術館見学→大学

3)食文化学部 現代食文化学科の旅行日程

大学にて学科オリエンテーション → とら醤油工場見学 → オリエンテーション、COC事業アンケート(宿泊

地)→由加山蓮台寺参拝 → JF岡山漁連ふゅーちゃー(鮮魚や漁獲商品についての説明)→ アイビースクエア料

理長のお話 → 大原美術館見学 → 美観地区散策 → 大学

4)子ども教育学部の旅行日程

大学→円通寺見学、法話→研修、オリエンテーション(宿泊地)→ライフパーク倉敷見学(プラネタリウム・科学館)

→鷲羽レストハウス、瀬戸大橋展望観光→美観地区散策・大原美術館見学→大学

3. 成果と5年間のまとめ

本ツアー終了後に食文化学部が実施した学生アンケート結果は次の通り(回答者137名)。とてもよかった73名

(53%)、よかった57名(42%)、よくなかった1名、未回答1名と、肯定的評価がほとんどであった。またツアー

中印象に残った事や今後の活用に関しては下記のような記述があり、意義・目的の達成に大いに役立っている事

がわかる。

・グループで一緒に行動することで団結できたので良かった。

・もう少し班活動自由時間を増やしてほしい

・しょうゆ工場の方の話が面白かった。

・倉敷はデニムも有名だということを初めて知った。

・農家の話も聞きたい。

・楽しい二日間でした。

14

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活動報告:くらしき作陽大学

くらしき若衆コモン・ルーブリックの開発について

代表者:佐藤 大介・鈴木 瞬(子ども教育学部 子ども教育学科 講師)

1. プロジェクトの概要

1)意義・目標

平成28年度に開発した「くらしき若衆コモン・ルーブリック」の開発により、本事業における学生の学修プ

ロセスの可視が2大学で共通して可能となった。学生は実践を通して、対人関係力を高め、その中で主体性を高

め、その過程をスパイラル上に繰り返し積み上げることによって、くらしき若衆として必要な資質・能力を身に

付けていく。こうした研究結果の妥当性および「くらしき若衆コモン・ルーブリック」の有効性について検証し、

さらに学生の自己評価を促すコモン・ルーブリックとしての成果と課題について検討するものである。これによ

り、学生の達成や成長等について成果を確認するとともに、コモン・ルーブリック自体の改善、さらには教育プ

ログラム自体の効果検証にも寄与できるものと考えている。

2)方 法

「くらしき若衆コモン・ルーブリック」(ver. 1)(各項目については、大学COC事業平成29年度活動報告書

p.17を参照)を活用して、今年度も継続して、学生の学習プロセスの可視化するために、1年次前期に開講する

アセンブリー・アワーⅠ、後期に開講するアセンブリー・アワーⅡの履修学生を対象に、前期開始時(4月)お

よび前期終了時(7月)にルーブリックに回答してもらった(執筆時が12月末のため、後期終了時(1月)に

3回目も実施予定であるが、本稿ではその結果についてふれていない)。コモン・ルーブリックの回答には、

Universal Passportを活用してオンライン上で入力してもらう形を取り、得られた回答を分析した。

また、アセンブリー・アワーⅠ・Ⅱについては、平成28年度(10月)から3年間の学生の自己評価データ

を下に、分析を行った。

2. 工程・スケジュール

2018年4月 9日 第1回(前記開始時)くらしき若衆コモン・ルーブリック実施(アセンブリー・アワーⅠ)

2018年7月31日 第2回(前期終了時)くらしき若衆コモン・ルーブリック実施(アセンブリー・アワーⅠ)

2019年1月21日 第3回(後期終了時)くらしき若衆コモン・ルーブリック実施(アセンブリー・アワーⅡ)

2019年3月16日 研究成果について1点学会発表(日本国際教養学会第8回全国大会)

・地域貢献活動のための自己評価を促すコモン・ルーブリックに関する実践的研究(3)

―教育プログラムの効果検証―

3. 成果と5年間のまとめ

まず、昨年度3月に日本国際教養学会第7回全国大会において、「地域貢献活動のための自己評価を促すコモ

ン・ルーブリックに関する実践的研究(1)―学修プロセス構造の可視化を目指して―」および「地域貢献活動

のための自己評価を促すコモン・ルーブリックに関する実践的研究(2)―学生の自己評価分析から見える成果

と課題―」の発表内容について報告する。(1)では、コモン・ルーブリック開発の経緯や特徴について述べる

とともに、この運用面における課題として、学生に対するルーブリック活用に関する説明の必要性、教員による

成績評価の尺度として活用可能な組織的体制の構築、学生共同開発型ルーブリックの検討、他 COC 事業におけ

るコモン・ルーブリック活用による検証、また、くらしき若衆としての求められる資質・能力=地域に求められ

る人材としての基準の明確化等の課題について指摘した。(2)では、くらしき若衆コモン・ルーブリックの妥

当性と今後の課題について述べた。2017 年度に実施した学生による自己評価において、地域貢献活動を経験す

る前(前期開始時)では、すべての項目が「入門期」であったが、後期終了時は、すべての項目が「修行期」に

達していた。このことから、地域貢献活動による学修プロセスを可視化するための指標として、コモン・ルーブ

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リックの項目(到達目標)及び、3ステップで展開するスパイラル型モデルの特徴に妥当性があったと考えるこ

とができると結論付けている。また、これらの項目のうち、「関係性を築く力/チームワーク」や「多様性を受

容する力/共生」、「振り返る力/省察力」については、「小若」のルーブリックの内容が自己を中心とした内容

であるのに対し、「実行する力/実践力」と「地域活動への主体性/自律性」は、地域活動の目標や計画の理解

や、それとかかわる自らの目標を設定するなど、地域活動を中心とした内容である点で、異なっている。「小若」

で、どのような資質・能力を求めるのか、これについては、現在のルーブリックでは各項目によって求める資

質・能力の次元が異なっているものと考えられる。2年次における継続的な活用を通して、くらしき若衆ルーブ

リック内容の次元の統一を目指した修正を試みることが今後の課題として残った。

また、このコモン・ルーブリックを活用して、初年次を対象とした「くらしき若衆育成プログラム」の効果に

ついて検討した。くらしき作陽大学では、初年次にアセブンリー・アワーⅠ(前期)・Ⅱ(後期)の授業におい

て、地域貢献の意義について講義形式で学習するプログラムと地域貢献活動を実際に体験レベルで実施する「く

らしき学コース別活動」の2種類を必修科目として履修する必要がある。「Level 3 小若」になるには、もう1

つ地域科目を別途履修する必要があるため、その前段となる授業科目となるため、この授業において学生に求め

られるコモン・ルーブリック上の目標値は、「Level 2 修行期」である。つまり、表中の平均値では、「2」を目

指すことになる。2016 年度開発以降にくらしき作陽大学において実施したコモン・ルーブリックの学生による

自己評価の集計結果が表1~3である。2016年度および2017年度では、前期終了時にこの目標値には達してい

る。また、平均の変化量を見ると、すべての項目においてプラスとなっており、つまり、すべてにおいて成長が

あったことが分かる。このことから、現在の初年次を対象としたくらしき若衆育成プログラムについては妥当な

プログラムであると言える。課題としては、前期開始時から前期終了時まで(前期)の変化量と、前期終了時か

ら後期終了時まで(後期)の変化量の差である(表4)。変化量は前期の方が後期の方より0.37も高くなってお

り、この数値に対して課題意識を持つ必要がある。学生は前期の間に、地域への関心を高め、地域への理解を深

め、活動に取り組むことになる。しかし、後期になると、顕著に現れるのが、「[STEP 1](実践力)実践する力

/実践力」および「[STEP 1](地域志向への主体性)地域活動への主体性/自律性」の成長の鈍化である。これ

は、地域貢献活動が終了してから、学生の意欲の低下が現れているものと推測される。そのため、担当教員は継

続して地域との関わりを積極的に学生に働きかけると共に、学生の主体的な取り組みを支援する体制を整えてい

くことが必要である。

補助期間終了後に向けては、コモン・ルーブリックを活用して、3つの調査を実施していく必要があると考え

ている。1つ目は、中老・宿老とステップアップした学生の経年変化を追跡していくことである。現状として、

中老・宿老の認定学生は少数に限られており、十分なデータがあるとは言えない。そのため、今後データを蓄積

し、その成長についても検証していくことが必要である。2つ目は、岡山県外・倉敷市外出身学生と岡山県内・

倉敷市内出身学生におけるデータの比較を行うことも必要であると考えている。特に、COC事業において地域定

住率の向上は重要な視点であり、県外・市外出身学生に対する効果についても配慮していく必要があり、そのた

めにもこうした比較は重要である。3つ目は、全学的に実施するからこそ、学生の意思(意志)と地域貢献活動

のマッチングの有効性に関する調査を行うべきである。くらしき学コース別活動では、第5希望まで学生は選択

し、いずれかのコースに参加する形式を取ったため、必ずしも希望するコースではなかったことも推察される。

学生のコース志望と変化量の関係性についても十分に調査する必要がある。上述の通り、すべての項目において

成長が見られるコース活動であるため、その効果をより高めるための方策として、マッチングを図ることも重要

であると考える。くらしき若衆コモン・ルーブリックを今後とも事業の発展のために活用を進めるとともに、ル

ーブリック自体も地域や時代のニーズに合わせて柔軟に改良していきたい。

16

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表1 2016年度くらしき若衆コモン・ルーブリック集計結果

STEP カテゴリー 求められる能力・態度 前期開始時

-

平均の

変化量

前期終了時

2016/10/24

平均の

変化量

後期終了時

2017/01/23

1

実践力 実行する力/実践力 - - 2.13

(1.04) 0.23

2.36

(1.04)

対人関係力 関係性を築く力/チームワーク - - 2.41

(0.93) 0.26

2.67

(0.90)

地域志向への

主体性 地域活動への主体性/自律性 - -

1.90

(1.07) 0.35

2.25

(1.06)

2

実践力 振り返る力/省察力 - - 2.21

(0.86) 0.37

2.59

(0.90)

対人関係力 多様性を受容する力/共生 - - 2.30

(0.92) 0.25

2.55

(0.91)

地域志向への

主体性 地域への理解と課題発見力 - -

1.88

(0.88) 0.40

2.28

(0.94)

3

実践力 改善策を考える力/計画力 - - 2.02

(0.87) 0.32

2.34

(0.88)

対人関係力 議論する力/論理性 - - 1.76

(1.00) 0.41

2.18

(1.09)

地域志向への

主体性 地域への帰属意識 - -

1.91

(0.92) 0.30

2.21

(0.95)

全 体 - - 2.06

(0.95) 0.32

2.38

(0.96)

表2 2017年度くらしき若衆コモン・ルーブリック集計結果

STEP カテゴリー 求められる能力・態度 前期開始時

2017/04/10

平均の

変化量

前期終了時

2017/07/31

平均の

変化量

後期終了時

2018/01/22

1

実践力 実行する力/実践力 1.28

(0.69) 0.73

2.01

(1.09) 0.19

2.20

(0.99)

対人関係力 関係性を築く力/チームワーク 1.56

(1.00) 0.65

2.22

(1.09) 0.26

2.48

(1.01)

地域志向への

主体性 地域活動への主体性/自律性

1.16

(0.77) 0.87

2.03

(1.06) 0.08

2.11

(1.07)

2

実践力 振り返る力/省察力 1.23

(0.90) 0.80

2.03

(1.05) 0.37

2.40

(0.93)

対人関係力 多様性を受容する力/共生 1.61

(0.97) 0.63

2.24

(1.05) 0.26

2.50

(0.95)

地域志向への

主体性 地域への理解と課題発見力

1.13

(0.82) 0.78

1.90

(0.96) 0.30

2.20

(0.96)

3

実践力 改善策を考える力/計画力 1.29

(0.80) 0.61

1.90

(0.92) 0.25

2.15

(0.89)

対人関係力 議論する力/論理性 1.23

(1.05) 0.59

1.83

(1.06) 0.28

2.10

(1.03)

地域志向への

主体性 地域への帰属意識

1.17

(0.9) 0.68

1.85

(1.00) 0.29

2.13

(0.91)

全 体 1.29

(0.88) 0.71

2.00

(1.03) 0.25

2.25

(0.97)

17

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表3 2018年度くらしき若衆コモン・ルーブリック集計結果

STEP カテゴリー 求められる能力・態度 前期開始時

2018/04/09

平均の

変化量

前期終了時

2018/07/31

平均の

変化量

後期終了時

-

1

実践力 実行する力/実践力 1.24

(0.62) 0.53

1.77

(0.89) - -

対人関係力 関係性を築く力/チームワーク 1.48

(0.83) 0.55

2.03

(0.94) - -

地域志向への

主体性 地域活動への主体性/自律性

1.12

(0.64) 0.62

1.74

(0.95) - -

2

実践力 振り返る力/省察力 1.13

(0.78) 0.69

1.82

(1.00) - -

対人関係力 多様性を受容する力/共生 1.42

(0.78) 0.63

2.05

(0.93) - -

地域志向への

主体性 地域への理解と課題発見力

1.11

(0.67) 0.64

1.75

(0.85) - -

3

実践力 改善策を考える力/計画力 1.11

(0.62) 0.64

1.75

(0.91) - -

対人関係力 議論する力/論理性 1.11

(0.68) 0.58

1.70

(0.90) - -

地域志向への

主体性 地域への帰属意識

1.03

(0.67) 0.68

1.71

(0.99) - -

全 体 1.20

(0.70) 0.62

1.81

(0.93) - -

表4 くらしき若衆コモン・ルーブリック変化量平均

STEP カテゴリー 求められる能力・態度 前期開始時~

前期終了時平均

前期終了時

~後期終了時平均

期間の

平均の差

1

実践力 実行する力/実践力 0.63 0.21 0.42

対人関係力 関係性を築く力/チームワーク 0.60 0.26 0.34

地域志向への

主体性 地域活動への主体性/自律性 0.75 0.21 0.53

2

実践力 振り返る力/省察力 0.74 0.37 0.37

対人関係力 多様性を受容する力/共生 0.63 0.25 0.38

地域志向への

主体性 地域への理解と課題発見力 0.71 0.35 0.36

3

実践力 改善策を考える力/計画力 0.62 0.29 0.34

対人関係力 議論する力/論理性 0.59 0.34 0.25

地域志向への

主体性 地域への帰属意識 0.68 0.30 0.39

全 体 0.66 0.29 0.37

※表1~3における数値の上段は平均値、下段の括弧内は標準偏差を示す。

18

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活動報告:くらしき作陽大学

地域園と大学の連携による保育者志望学生の障害児保育実践力向上に向けた取り組み③

(地域貢献科目:「障害児保育実践」)

代表者:渡邉 亮太(子ども教育学部 子ども教育学科 准教授) 1. プロジェクトの概要

1)意義・目標

本活動は、将来保育者を目指す学生が地域園を訪問し、五感を通して子どもと触れ合うことで、障害がある子どもを含め、特

別な支援を必要とする子どもの対応について実践的に学ぶことを目的とした取り組みであり、今年度は、昨年度より充実した支

援計画の立案とその実践に取り組んだ(方法④⑤)。

2)方 法

①地域の保育園・幼稚園・こども園の特別支援の状況を調査し、そのニーズを把握する。②保幼コースで乳幼児の特別支援に

関心をもつ学生に履修を促す。③支援を必要とする園と学生のマッチングを行う。④学生は地域の園を訪問し、保育者や大学教

員の指導を受け、特別な支援を必要とする子どもを支援する。⑤学生は支援内容と自己課題について報告書をまとめる。

2. 工程・スケジュール

地域貢献科目:「障害児保育実践」(園訪問週を除き、前期毎週月曜4限に実施)

4月:授業目的/行動観察方法の説明等 5月:個別課題の検討と決定/T園、K園への協力依頼

6月:各園における参加観察実施(T園:3名。6/5・6/8 N園:5名。6/5・6/8・6/12・6/15)。

7月:園でのディスカッション・実践・報告書作成 8月:園長等への提案・ディスカッション(8/1)

3. 成果と5年間のまとめ

学生(8名)は、保育現場における障害児含めた子ども行動、環境構成の工夫や

保育者の対応をメモや写真、動画として記録した。それらを基に授業でディスカ

ッションを行い、環境構成等の工夫や保育者の対応のあり方について色画用紙に

まとめ(図 1)、園長や保育者に、自身の学びについて説明し、保育環境の改善に

つながる提案を行った(図 2)。その後、子どもが理解しやすい保育教材について

検討し、誕生日会で、絵本の読み聞かせを行った(図 3)。報告書では、育現場で

取り入れられている視覚的支援の実際(スケジュールや所有物等)、障害の有無に

関わらず子どもが互いに思いやる集団づくりのために連携していること等、観察

に基づき多くの学びを得ていることが示された。また、全ての学生について、将

来に向けて役に立ったと記載していた。

<5年間のまとめと今後の課題>

本活動を通して、学生は直に子どもの姿を見て、その声を聞き、体に触れ、五

感を通して子ども一人一人の支援の必要性について気づくことができたと考えら

れた。さらに、今回ご協力いただいた保育園の園長や保育者の感想から、大学生

の頃から保育現場で保育所や保育士の役割、子どもの姿を理解することは、将来

保育者を目指す学生にとって有益であること、将来を具体的にイメージすること

ができ、現場にとっても新しい視点で改めて保育環境や子どもへの対応について

考えることができるとの回答をいただいた。

図2 園長・保育士との

ディスカッション

図3 誕生会での実践

図1 環境構成図

19

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活動報告:くらしき作陽大学

「音楽貢献実践 Ⅱ」における倉敷市の児童・生徒の音楽活動支援に関する教育開発プロジェクト

代表者:長瀬 敏和(音楽学部 音楽学科 教授)

1. プロジェクトの概要

1)意義・目標

本プロジェクトは、学生が、地域の児童・生徒に対する音楽的な実技指導、集団練習、催しの企画・運営等を行

うと共に、そうした活動を通して、学生が成長と学びを得ることを目指すものである。活動のフィールドは、作陽

JWAこども吹奏楽団である。 (JWA:ジュニア・ウインド・アカデミー)

2)方 法 作陽 JWA こども吹奏楽団の演奏実技指導及び演奏・発表会等の運営(グループレッスン・合奏練習における演奏

補助・生活指導 その他)・演奏会企画立案 ・演奏会における演奏補助 ・演奏曲の編曲 ・運営スタッフ

2. 工程・スケジュール

1)演奏指導および合奏補助

4月(3回)、5月(3回)、6月(5回)、7月(3回)、8月(1回)、9月(3回)、10月(4回) 11月(4回)、12月(3回)、1月(2回)、2月(4回)、3月(3回) 計38回 【2018年度実績】 2)演奏会等出演

7月15日(日)第4回玉島音楽フェスティバル(玉島文化センター、西日本豪雨災害により中止) 10月27日(土)作陽キッズキャンパス(くらしき作陽大学内 藤花楽堂) 11月25日(日)作陽JWAこども吹奏楽団第9回定期演奏会(くらしき作陽大学内 藤花楽堂) 2月17日(日)岡山県ジュニアバンド・フェスティバル(総社市民会館) 2月23日(土)学習発表会&団員さよなら会

3. 成果と5年間のまとめ

1)JWA団員

「出なかった音を出すことができた!」などの成功体験が活力となり、より活発に練習する様子が見え、また日

常と違った緊張感の中で演奏会を経験することが、飛躍的に実力を向上させる起爆剤となっている。また、JWA卒団者が本学学生となり、JWA指導講師を務めるという音楽的な循環も起こり始めている。

2)キッズキャンパス、定期演奏会

マーチ演奏、中学生による独奏、ジャズのアドリブ演奏に挑戦、吹奏楽で世界一周(ナレーション付き、各国イ

メージの衣装を身につけて、国旗と共に入場)など、工夫を凝らした演奏を展開した。また、演奏会開始前に「楽

器体験コーナー」を開催することで、楽器演奏の喜びを味わっていただいた。

3)第10回定期演奏会

2019年11月開催予定の「第10回定期演奏会」は、かつてJWAで活動した卒団生に広く案内し、共に演奏する

場をつくる計画である。日頃は横のつながりを重視して共に活動しているが、縦のつながりを意識することによ

り、こどもたちに自分の将来の大きな夢を持って欲しいと願っている。

今後に向けて

COC を通して実践した音楽活動は、JWA 団員や指導講師学生、指導教員にとって大変大きな経験となり、数々

の気づきを得ることができた。JWAが今後も充実した活動を続け、各方面で活躍した卒団者が帰郷して指導者と

なり次のこどもたちを育んでゆく、そんな理想的な音楽教育の循環を創りたいと思い期待している。

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活動報告:くらしき作陽大学

地域貢献科目「音楽貢献実践A」における教育方法開発プロジェクト

代表者:竹内 京子(大学院音楽研究科長 音楽学部長 教授)

1. プロジェクトの概要

1)意義・目標

音楽学部の学生が地域社会における音楽活動を通じて自らの音楽力を高めるだけでなく、企画・運営・

評価・改善のPDCAサイクルを通じて総合的な社会人力を体得する。

2)方法

①フィールドの選択の特色:玉島市民交流センターのロビーや美術展示室、倉敷市立美術館エントラン

スホールなど、来館の目的が必ずしも音楽を聴くことではない来場者が聴衆の中心になっているフィー

ルドを選択することで、いわゆる音楽愛好家ではない方々にも音楽を聴く楽しみを発見してもらう。

②教育内容・教育方法などの工夫した点:コンサートの1週間から数日前の授業において、出演ユニッ

ト以外の学生が来聴者の立場になってランスルー(通し稽古)を行い、教師役の学生が全員の意見を吸

い上げ調整する機会を設ける。学生だから、無料だから、ホールではないから、という甘えや妥協をゆ

るさず、公のコンサートに相応しい水準の保持に努める。

③学生の学びの評価方法:成果発表ヤングホールコンサートを完全な学生主体企画・運営として実施し、

学生自身がこれまでの学びの整理を行い、反省点に基づき、成果発表を行い、担当者が観点別評価を行

う。

④地域の協力者・参加者からの評価方法について:毎回来場者に対し、プログラムとともにアンケート

用紙を配付し、感想と再演を望む曲目、今後リクエストしたい作品などを回答してもらう。フィールド

の担当者からは活動の中で適宜ご指導をいただく。

2. 工程・スケジュール

4月・年間スケジュールの確認 各イベント企画出演ユニット・プログラム構築 スタッフ教師役・所要時間計測係決定

5月・ヤングコンサート第1弾 ピアノソロ、ピアノ連弾 6月・春の院展開会式ウェルカムコンサート マリンバ

・ヤングコンサート第2弾 クラリネット、ピアノ ・七夕まつりヤングコンサート第3弾 オーボエ、ピアノ

7月・七夕まつりヤングコンサート第4弾 ピアノ(西日本豪雨災害により中止) ・くらしき物語展開会式ウェルカムコンサート ヴィオラ、ピアノ(西日本豪雨災害により中止)

10月・ヤングコンサート第5弾 マリンバ、ピアノ 11月・ヤングコンサート第6弾 ピアノ 12月・クリスマスヤングコンサート第7弾 マリンバ、ピアノ

クリスマスヤングコンサート第8弾 オーボエ、クラリネット、ホルン、ピアノ 1月・第19回倉敷みらい講座・町衆若衆フォーラム ヤングホールコンサート 第1部 どこかで聴いた

ことのある名曲集 第2部 サン・サーンス作曲 動物の謝肉祭 オーボエ、クラリネット、マリン

バ、ピアノ2台 朗読付き 2月・第33回倉敷っ子美術展開会式ウェルカムコンサート ピアノ

・ひなまつりヤングコンサート第9弾 ヴォーカル、クラリネット、ピアノ 3月・ひなまつりヤングコンサート第10弾 オーボエ、ピアノ

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3. 成果と今後の展望

平成 26 年度から連携協力機関と入念な打ち合わせを行い協力体

制を築いて来た結果、平成27年度から玉島市民交流センター交流

棟ロビーや美術展示室でヤングコンサートを平均年間十数回開催

することができた。倉敷市立美術館でも年3~4回特別展開会式

前にウェルカムコンサートを開催。今年は、西日本豪雨災害のた

め、7月7日及び14日開催を予定されていた『七夕ヤングコンサ

ート』『くらしき物語開会式ウェルカムコンサート』が中止となっ

た。6月27日春の院展開会式ウェルカムコンサートに於いて、世

界的なマリンバ奏者で本学特任教授の安倍圭子氏から薫陶を受け

た学生が同氏の名作『竹林』を演奏し、館内の雰囲気を格調高い

凛としたものにし、来賓の高評価を得た。 27年度から30年度まで、各コンサートの数日~10日前に授業

の中で、本番さながらのランスルー(通し稽古)を実施し続けてい

る。演奏・MC、場面転換等に要する時間確認も大変重要であるが、

今年度のランスルー後のディスカッションでは、演奏曲順につい

ての再考を促す来場客役の他の履修生の意見が多く出された。的

を射た有為な意見が多かった。普段クラシック音楽を聴きなれて

いないお客様にとって、オープニングの聴きやすさが 2 曲目以降

のプログラムに対する印象をも左右するので、提供側のコンサー

ト全体のエンターテインメント性の評価に直結する。誰もが知っ

ている楽曲、どこかで聴いたことがある作品、あまり知られてい

ないが紹介し啓発を意図する作品をどうプログラムに組み込むか

を毎回の実践を通して試行錯誤することが、学生を成長させてい

ると受け止めている。 連携協力機関である玉島市民交

流センターのご提案により、ヤン

グコンサートの集大成としての成

果発表会を館内の湊ホールでヤン

グホールコンサートとして毎年開

催させていただいている。また、連

携協力機関である FM くらしき

『ハタナカヨースケのおまかせラ

ジオ』に出演依頼をいただき、告

知・広報させていただいた。前年度

の履修生が倉敷みらい講座として倉敷市立美術館エントランスホールでの成果発表を行うコンサート

も定着しつつある。倉敷に住んでいてよかったと思われる活動のさらなる充実と展開を続けるように努

める。 2 月初旬に毎年開催されている倉敷市内全小中学校の児童生徒が出品する『倉敷っ子美術展』でも学

生が演奏を披露し開会式に参列した小学生の合唱と共演することが恒例となった。今年度は、西日本豪

雨災害後、児童・幼児の預かり保育をしていた真備町の二万

幼稚園にイベントボランティアとして 8 月にコンサートを

提供した際に貴重な学びを得ていたことで、練習無しのコラ

ボレーションにもかかわらず倉敷市立東小学校1年生80名

と心の通い合う共演が実現できた。

22

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活動報告:くらしき作陽大学

「給食計画論実習 炊き出しシミュレーション(災害時対策実習)」

~災害食コンシェルジュプログラムの実践~

代表者:岩崎 由香里(食文化学部 現代食文化学科 講師)

分担者:額田 眞喜子(食文化学部 現代食文化学科 教授)

渡邉 和子(食文化学部 現代食文化学科 准教授)

1. プロジェクトの概要

1)意義・目標

アクティブラーニング(能動的な学習)として「炊き出しシミュレーション」(災害

時対策実習)を実施し、現代食文化学科の学生と地域住民が、災害時に対応できる実

践力を習得することを目指す。大学・地域・行政が協働して「炊き出しシミュレーション」

を行うことで,学生が災害時における栄養士の役割を理解し、地域と一体となって活躍できるよう

にする。そして、地域で活躍できる人材を育成し、災害時の連携体制づくりに繋げる。

2)方法

・現代食文化学科 3 年の学生が、実際の災害時を想定した約 300 食の「炊き出し」

を実施し、災害時に不足しがちな栄養素を補うことができる備蓄材料の検討を行う。栄

養管理・衛生管理の整った炊き出し献立、特別な配慮が必要な人への展開食の考案。被

災地において、実際の炊き出しを行う。

2. 工程・スケジュール

この項については「研究」分野(岩崎)P.41「2.工程・スケジュール」欄 参照 3. 成果と5年間のまとめ

【地域と取り組んだ「炊き出しシミュレーション」を通して】 「炊き出しシミュレーション」を学んだ学生が、現代食文化学科のゼミ活動として、災害食レシピの作成を 行った。この災害食レシピは、衛生的に調理できる炊飯袋を使用し、栄養管理、衛生管理が整うことを目的に

作成した。 さらに、災害時の食に対して、特別な配慮が必要な人に対する展開食も考えた。展開食は、高齢者食、乳幼

児食、アレルギー食、治療食、妊婦食等である。考案したレシピ数は約 30 レシピであり、その中から、「炊き

出しシミュレーション」の献立を選んだ。 平成 30 年度 7 月に「西日本豪雨災害」が、大学の近くで起こった。「炊き出しシミュレーション」を学ん

だ学生から、ボランティアとして炊き出しに行きたいとの申し出があった。また、「炊き出しシミュレーション」

で連携をとっていた真備地区の方からも要請があり、避難所での炊き出しを実践させていただくことになった。 【今後の展望】 新たな学びの形「災害食コンシェルジュプログラム」を創設した。地域、行政、大学が一体となった「炊き

出しシミュレーション」を展開することで、災害時の効果的な教育方法を検討することができた。また、大学

で実際に災害食を学んだ学生とともに、避難所での炊き出しの実践を行うことができた。この避難所での支援

は、教育の目的である災害時に活動できる栄養士の養成に向けての、効果的な実践になった。 「災害食コンシェルジュプログラム」を学んだ学生は、災害時に主体的に活動することができていた。今後も、

このプログラムを継続することで、災害時の食支援の知識をもった栄養士を養成することができると考える。

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活動報告:くらしき作陽大学

知的障害・発達障害児の余暇活動発見を支援する実践研究プロジェクト

(余暇支援同好会ビークル)

代表者:永井 祐也(子ども教育学部 子ども教育学科 講師)

松田 真正(作陽音楽短期大学 音楽学科 講師)

分担者:橋本 正巳(子ども教育学部 子ども教育学科 教授)

1. プロジェクトの概要

1)意義・目標

本活動は、倉敷市障害児学級親の会とくらしき作陽大学との連携のもと、実施している。参加者は、倉敷市内の

小・中学校の特別支援学級や特別支援学校等に在籍する、小学校 4年生~高校 3年生の知的障害、もしくは、発

達障害のある子どもとその家族である。本活動の大きな目的は、① 障害のある子どもの余暇活動の充実、② 障害のある子どものきょうだい児への心理的サポートの 2 点である。とりわけ、今年度は子どもたちがお出かけ先

を自己決定したり、新たな余暇活動を提案したりなど、子どもたちの年齢や興味・関心に応じて一人一人が余暇

の過ごし方を発見できる支援に取り組むことを目的とした。

2)方 法

①、②の目的を達成するために、月1回の定例会と年4回のおでかけという2種類の活動を行う。月1回の定

例会では、障害のある子どもとそのきょうだい児が学生と余暇活動を楽しんだり、おでかけの行き先や行程を計

画したりする活動を行っている。おでかけでは、子どもたちと学生ボランティアが休日に公共の交通機関などを

利用してお出かけする。参加する学生は、同好会である「ビークル」に所属しており、定例会やおでかけの前後

には打ち合わせや反省会を活動外の時間に行い、質の高い余暇支援を目指してきた。今年度の目的を達成するた

めに、おでかけでは、新しい余暇の過ごし方の提案と余暇活動の選択に取り組んだ。

2. 工程・スケジュール

第1回定例会 (学内) 平成30年4月18日 (水) 通常の余暇活動 第2回定例会 (学内) 平成30年5月16日 (水) 通常の余暇活動 第3回定例会 (学内) 平成30年6月20日 (水) 新しい余暇の過ごし方の提案・計画 第1回おでかけ(野外調理) 平成30年7月 8日 (日) 新しい余暇の過ごし方の実践 第4回定例会 (学内) 平成30年7月18日 (水) 通常の余暇活動 第5回定例会 (学内) 平成30年9月19日 (水) 新しい余暇の過ごし方の提案・計画

くらしき学コースの学生が企画したレクリエーション 第2回おでかけ(玉島商店街) 平成30年9月 30日 (日) 新しい余暇の過ごし方の実践 第6回定例会 (学内) 平成30年10月17日 (水) 余暇活動の選択

くらしき学コースの学生が企画したレクリエーション 第7回定例会(学内) 平成30年11月14日 (水) 選択した余暇活動の計画 第3回おでかけ (余暇活動の選択) 平成30年12月2日 (日) 選択した余暇活動の実践 第8回定例会 (学内) 平成30年12月19日 (水) 選択した余暇活動の振返り 第9回定例会 (学内) 平成31年1月16日 (水) お別れ会に向けた準備 第10回定例会 (学内) 平成31年2月13日 (水) お別れ会に向けた準備 第4回おでかけ (玉島商店街) 平成31年3月9日 (土) お別れ会(新しい余暇の過ごし方の提案) 第1回お出かけ (7月8日) は、平成30年度西日本豪雨の影響により中止とした。第2回お出かけ (9月30日)

も、台風接近に伴い、中止とした。このため、今年度のお出かけは当初予定していた 4回の内 2 回の実施に留ま

った。

24

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3. 成果と5年間のまとめ

(1)余暇活動の選択と計画・実践

我々は、余暇を楽しむためには、支援者が提供した活動に受け身で参

加するのではなく、参加する子どもたちの『やってみたい!』という気

持ちが重要であり、それを叶える (自己決定を促す) 活動を実現すると

いう目標の下、これまでの余暇支援活動を展開してきた。しかし、それ

はあくまで同じ目標を達成するという枠組みの中での自己実現であっ

たことから、活動の中心となる 3 年生は、参加する子どもたちそれぞ

れが『やってみたい!』ことを選んで、子どもの選んだ余暇活動を支援

することを目標に取り組んできた。 10月の定例会では、ボーリング、カラオケ、買い物の3つの余暇活

動の中から12月のお出かけで行きたいところを1つ選ばせた。その際

にも、学生が劇や PowerPoint のスライド提示等の視覚提示の工夫を

しながら、それぞれの活動の楽しさを伝えていた。ほとんどの子どもは、ワクワクしながら1つの活動を選ぶこ

とができていたが、ある参加者は定例会の中で選ぶことができなかった。母親によると、「決断を迫られたときに

自分で決めきれない」とのことだった。後日、学生が自宅へ電話し、15分かけてようやく決定することができた。 11月の定例会では行き先別にグループに分かれ、しおりをもとに計画を立てた。バスの時刻表や飲食店一覧を

プリントアウトしたものを準備し、円滑に話し合いを進める工夫がなされていた。 12 月のお出かけ当日は、集合 11:00 と解散 16:00 は倉敷駅とし、その間の時間を行き先別グループで過ごし

た。グループの学生リーダーには写真を撮ってくるようにカメラを預け、概ね予定通りの余暇活動を過ごせた。

ボーリンググループは、ボーリング代の支払いに時間を要してしまい、バスに乗り過ごしてしまったが、その場

の学生の判断で約 20 分の距離を歩いて倉敷駅まで戻ってきた。臨機応変な判断ができており、学生の支援者と

しての主体性も育ってきた。前述した選択に時間のかかった子どもも解散の時に「楽しかった。ボーリングでス

トライクとったよ!」とニコニコ笑いかけながら別のグループの学生に話しかけていた。 保護者からは「今回は子ども達の今後の余暇の過ごし方をみつけていく上で、どこへ行きたいかを決めるとこ

ろからはじめていただき、実際あり得る小グループで活動できたことが、これまで一斉に動いていた活動とは違

った収穫があったと思います」、「当日のお出かけ活動は子どもにとって特別な1日になりますが、それまでの参

加している子どもや学生さんとのやりとりも、この会の醍醐味と思います。子どもたちにとっても学生さんにと

っても良い勉強の場になっていると感じます。」といった感想が得られた。一方で、小学生から高校生までの子ど

もが参加していることを踏まえ、お出かけの内容や参加方法を考えることは次年度以降の課題である。

(2)新しい余暇の過ごし方の提案

知的障害・発達障害のある子どもたちは、余暇の過ごし方がパターン的になっていることが指摘されている。

ビークルの活動に参加する子どもの中にも、予定がない土日はずっとYouTubeを楽しんで過ごしている子どもも

いる。余暇を有意義に過ごすためには本人が楽しいと思え、なおかつ、複数の過ごし方ができることが望ましい

と考えた。そして、本人が楽しいと思えるような余暇支援活動を展開するためには、支援する学生がそもそも楽

しいと思えることを子どもたちといっしょに体験することが重要であると考えた。今年度の中心的な役割を担う

学生と年度初めにミーティングを開き、野外調理(バーベキュー)とカメラ撮影に取り組むことを決めた。

定例会において、お出かけの際に野外調理(7月)やカメラ撮影(9月)をやってみようと子どもたちに提案し

たが、豪雨や台風により2回とも中止となってしまった。今年度十分にできなかった活動は次年度以降に取り組

みたいと考えている。

25

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活動報告:くらしき作陽大学

音楽貢献実践 C

代表者:森 博文(音楽学部 音楽学科 准教授)

1. プロジェクトの概要

1)意義・目標

「地(知)の拠点」という視点から現在の音楽文化の展開を調査、検証しこれからの「文化産業都市倉敷」の

活性化について提言としてまとめ発信する。

2)方 法

① 調査 実践:自らの演奏活動も含め地域における様々な演奏活動について「どこで」「誰に」「誰が」「何を」

「どんな内容で」「どのような反応だったか」など音楽活動をリポート提出を前提に様々な視点から調査する。

②検証:調査の結果を踏まえ、その問題点や改善点について検証する

③ まとめ:これらの調査内容から「文化産業都市倉敷」の活性化に向けて提言としてまとめる。

2. 工程及び成果と5年間のまとめ

工程については、演奏会開催日を調査日としている。(平成30年4月~12月)

本学における管弦楽演奏会(リハーサル) 演奏会の客席(地域住民の皆様が多い)

成果としてまずは「学内」「学外」演奏会場の違いにより様々な点において大きな違いが生まれ、学内の藤花

楽堂、聖徳殿、大講義室、食堂において様々な演奏会が展開されたが、主に学生・教員が出演する研究発表会の

位置づけの演奏会が多い。客層は社会貢献の意味合いから広報活動に努めていることもあり地域の住民の方の割

合も比較的多く、どの演奏会でもリピーターも見受けられる。来場者数はアクセスの事情もあり倉敷市以外から

の来場者(出演する学生の保護者を除く)は極端に少ない結果となった。

学外では美観地区を中心とした会場を基に、研究発表ではなく一定のテーマを持った演奏会が多い。客層は一

般が多く年齢層も幅広く、集客数は学内と比較し格段に多くなる傾向にあった。これは会場までのアクセスが大

きく影響していると推測される。

演奏内容については「クラシック」「なじみのある曲」でのバランスを取ることも重要であり、普段あまりク

ラシックに接していない客層にも芸術としての美しさ、素晴らしさを発信し続けていくことは本学の勉めとして

必要である。また各演奏会で幅広い年齢層へ提供するという意味において、どういったプログラムを取り上げて

もらいたいかをアンケートなどで調査することも重要ではないかという提案をしたい。

提言として地域の方々とのコミュニケーションの場として学内外での様々な演奏会の地域の皆様への広報を

さらに徹底し、素晴らしい芸術の世界へと誘う活動を積極的に展開すべきである。どういったメディアがあり広

報活動の有効性を検証する必要もある。より多くの方々に演奏会の開催を知ってもらい楽しんでいただくことは

もとより、地域の皆様と共により豊かな文化活動を展開できるようにすることが大きな課題である。

26

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活動報告:くらしき作陽大学

倉敷における人形劇を通した乳幼児のアートスタートと保育者・教員養成

代表者:浅野 泰昌(子ども教育学部 子ども教育学科 講師)

1. プロジェクトの概要

1)意義・目標

舞台芸術の制作と上演を通した保育者・教員養成を推進するとともに、その質的向上のための保育現場に

おける実践を視察し、舞台芸術と保育・教育実践の関連について考察する。

2)方 法

①学生劇団による児童文化財の制作と上演とその評価、②研究協力者による現場実践の視察

2. 工程・スケジュール

○4~3月:倉敷市内の保育所、幼稚園、公民館等での人形劇公演の実施

○8~12月:新作人形劇の制作及び初演

○12月:高知県日高村(社福)日高児童福祉協会加茂保育園における芸術家による保育支援事業の視察

3. 成果と5年間のまとめ

1.倉敷市内における学生劇団の人形劇公演

くらしき作陽大学子ども教育学部では、平成20年の設立当初

から、地域貢献と学生養成を一体的に行うための教育機関として

「くらしき作陽大学子ども教育学部附属児童文化部ぱれっと」を

設置している。初年度から10年間の公演実績は490回を数える。

平成30年度は、倉敷市(倉敷市大学連携福祉事業)、倉敷市文化

振興財団(アルスくらしき親子劇場)等と連携した公演のほか、

平成30年7月豪雨で被災した倉敷市まきびの里保育園や倉敷市 倉敷市内の保育所での公演の一場面

社会福祉協議会真備児童館での復興支援公演に参画した。これらに加え、大学近隣の保育所、幼稚園、小学校、

児童館においても公演を行い、乳幼児・児童及び保護者を対象とした子育て支援と同時に、倉敷アートスタート

研究に従事した。以上を通して、所属する学生の保育者・教員としての資質と能力の向上に結び付けた。

2.芸術家による保育支援事業の視察

乳児向け舞台芸術と地域子育て支援の一体的な展開を行う専

門家(芸術家)中市真帆氏による保育所保育の質的向上を目的と

した支援事業に同行し、これまでの「倉敷アートスタート研究」

の成果を社会に還元するための方法に関する情報を収集した。

高知県日高村の保育所の0・1歳児クラスにおいて、乳児9名

を対象として、保育者研修を兼ねた1時間の支援事業が実施され

た。導入の挨拶から始まり、参加型絵本の応答的な読み聞かせ、 舞台芸術的手法による保育実践の一場面

段ボール製のおもちゃを使ったバスごっこ、ゴム紐等を用いたチャレンジ遊びなどが展開された。最初は初対面

で緊張していた乳児も、中市氏の表現豊かな笑顔、対象に応じて使い分ける柔剛自在な誘いかけ、保育室にある

身近なものを使った促し、即応的かつ応答的な働きかけにより、徐々に積極的・主体的な関わりが見られた。

子どもの実態把握、保育者の関わり方の把握、主体的な活動の誘発と充足感・満足感の獲得に結びつく実践で

あった。乳児の物事への関与の仕方は一人ひとり異なり、その個性を把握するために有効である。それに応じて

柔軟に遊び・関わりを繰り出す中市氏の実践は見事であった。ワークショップの手法を用いて乳児と関わり、発

達を把握する方法と共に、舞台芸術と保育・教育の実践の関係性について学ぶことができた。

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活動報告:倉敷芸術科学大学

「くらしき若衆」科目の実践と総括

代表者:小山 悦司(産業科学技術学部長 経営情報学科 教授)

分担者:黒田 明雄 講師(経営情報学科)、唐川 千秋 教授(動物生命科学科)、

赤木 恒雄 教授(経営情報学科)、学務部教務課

1. プロジェクトの概要

1)意義・目標

「くらしき若衆」育成プログラムに配置された「くらしき若衆」科目は、さまざまな地域で活躍できるまち

づくりリーダーに求められる資質能力を育成する科目である。具体的には、地域の抱える課題を自ら発見・分

析し、その課題への解決策を立案・実践し、その成果を評価する能力を培うとともに、若衆(地域で活躍する

若者)の育成に繋げることを目的としている。

本年度は、「くらしき若衆」科目の中で最終段階に位置づけられる「若衆実践演習」をくらしき作陽大学と定

期的に協議を重ねて運用し、初めての「宿老」を認定することになる。

2)方 法

くらしき作陽大学と合同で「若衆実践演習」の達成目標、授業計画を作成し、2大学の教育部門会議に諮り円

滑な運用を図る。また、教員の履修指導に対する協力が必要なことから、「くらしき若衆」科目」の意義や重要性、

そして授業内容を全学会議、Webページ、掲示、チラシ、メール等で教職員に周知する。また、平成30年度前期

オリエンテーション(4月)にて、新入生、2年次生、3年次生に周知するため、履修説明用チラシを配布し説明

を行う。

2大学教育部門定例会議 「若衆・町衆フォーラム」 2大学合同COC事業ポスター展示

2. 工程・スケジュール

1)学生に対して「くらしき若衆」科目を周知し履修を推奨:在学生オリエンテーション平成30年4月7日 2)「くらしき若衆」科目の運用について2大学で最終年度の全体計画と重点課題を確認し、円滑な運営に向けて 協議:平成30年6月21日、8月29日、10月14日、12月18日、平成31年2月15日

3)2大学の教育部門で合同研修会を開催:「COC補助期間終了後の事業継承」(8月29日)、「2大学合同COC 事業ポスター展示」(10月14日)、「若衆・町衆フォーラム」(11月26日)、「他大学COC事業の認定制度に ついて」(12月18日)

4)2大学合同でCOC事業の取組内容を学生や地域の方々に周知しアピールするために、くらしき作陽大学の大 学祭にてポスター展示を実施:平成30年10月14日

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3. 成果と5年間のまとめ

1)「くらしき若衆」科目群の設置と運営 「くらしき若衆」育成プログラムを構成する科目群を、「くらしき若衆」科目として低年次から高年次に体

系的に配置した。その中でも基盤となる必修科目が「倉敷と仕事」である。本科目は、倉敷市のまちづくり

の理念を共有して課題を発見し、その解決に向けて様々な人々と連携することにより、課題解決能力を育成

することを目的としている。 倉敷市や地元産業界の協力を得て、15回の授業のうち9回は、倉敷市まちづくり推進課・くらしき移住定

住推進室・防災危機管理室をはじめ、倉敷市文化振興財団理事長、大原美術館理事長、倉敷青年会議所理事

長など、学外から招聘した講師(実務家)による講話がなされる。平成27年度に新設され、これまで4年間

で履修者数は1,200名となり、本学に在籍するほぼ全学生が、倉敷の歴史・文化・産業や就業力を高めるた

めの基礎を学ぶことができた。

2)「くらしき若衆」科目の履修状況 「くらしき若衆」育成プログラムが開始された平成27年度から現在に至るまでの「くらしき若衆」科目の

履修者数は、下表に示す通り総計2027名となる。必修科目「倉敷と仕事」に続いて履修者の多い科目は、

「倉敷まちづくり基礎論」(教養科目)と「減災・備災のすすめ」(生命科学部専攻科目)である。「くらしき

若衆」の「中老」と「宿老」の認定に必要な「若衆実践演習」の履修者数が15名と少ないことが課題となっ

ている。 表 「くらしき若衆」科目の履修者数一覧(平成27~30年度)

科目名 履修者数 科目名 履修者数 倉敷と仕事(1年次必修) 1,200 倉敷まちづくり基礎論(1年次) 296 倉敷まちづくり実践論(1年次) 46 まちづくりインターンシップ(2年次) 31 地域貢献実践(3年次) 27 総合プロジェクト実習Ⅰ(3年次)※ 57 総合プロジェクト実習Ⅱ(3年次)※ 8 地域体験演習(3年次)※ 51 プロジェクト実習Ⅰ(2年次)※ 7 プロジェクト実習Ⅱ(3年次)※ 11 倉敷産業研究(2年次)※ 73 減災・備災のすすめ(2年次)※ 144 減災・備災体験実習(3年次)※ 52 若衆実践演習(3年次) 24

※印は学部・学科の専攻科目

3)「くらしき若衆」科目の発展的継承 今後に向けては、「中老」「宿老」認定のための必修科目「若衆実践演習」の特色や魅力を学生に対して情

報発信するとともに、地域貢献志向科目「倉敷と仕事」(1年次必修科目)を中心として、他の「くらしき若

衆科目」等の授業でも紹介し、学生の受講意識を高めることが重要である。 また、「くらしき若衆」育成プログラムを構成する科目群のさらなる充実を図るため、各科目で実施する授

業アンケートやシラバスチェックにより、授業内容や指導方法を毎年見直す方針である。フィールドワーク

やアクティブ・ラーニングのあり方、そしてルーブリックの効果的な活用方法等について、これまでの実績

を踏まえてPDCAのサイクルを回すことにより、くらしき作陽大学、倉敷市と密接な連携を図りながら、カ

リキュラムの見直しを含めて、「くらしき若衆」科目を発展的に継承していく。

29

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活動報告:倉敷芸術科学大学

「くらしき若衆」育成プログラムの成果を定量的に測定

代表者:唐川 千秋(生命科学部 動物生命科学科 教授)

1. プロジェクトの概要

1)意義・目標

教養科目として、1 年次に「倉敷と仕事」を全学共通の内容で開講するとともに、選択科目として 1 年次前期

に「倉敷まちづくり基礎論」、1 年次後期に「倉敷まちづくり実践論」、2 年次前期「まちづくりインターンシッ

プ」を設定している。 また2年次から各学部単位で専門教育の一環として地域を指向した科目群を配置して、地域の抱える課題に対

する認識をもち、課題解決に向けての分析・立案・実践力の醸成を図ることを目的としている。3年次後期から4年次前期に開講する「若衆実践演習」は、本事業の連携校であるくらしき作陽大学と共通の到達目標・評価基準

をもつ統一カリキュラムとなる。 これらの個々の科目および全体としての教育プログラムの教育成果を可視化するツールとしてルーブリックを

作成し評価に用いることで、学生にとっては当該科目での教育目標を事前に具体的に認識したうえで学修活動を

進めることができ、授業終了時に目標とする能力がどの程度ついたのかを振り返ることが可能となる。教員にと

っては、ルーブリックのデータは、教育内容の検討・見直しを行う資料となる。

2)方 法

平成27年度から始まった「くらしき若衆」育成プログラムの年次進行に対応して、ルーブリックの試作、実

施、改善を行っていく。

2. 工程・スケジュール

〇科目に関するルーブリック

(1)教養科目:「倉敷と仕事」(1 年次対象必修科目)、「倉敷まちづくり基礎論」(1年次対象選択科目)、「倉敷ま

ちづくり実践論」(1年次対象選択科目)、「若衆実践演習」(3年次対象選択科目)について、授業開始時と終了時の

2回、ルーブリックを用いて学修成果の測定を行った。

(2)専攻科目:産業科学技術学部の「地域体験演習」(3 年次対象選択科目)および生命科学部の「減災・備災

のすすめ」(2年次対象選択科目)、「減災・備災実習」(3年次対象選択科目)について授業終了時にルーブリック

を用いて評定を求めた。 〇教育プログラムのコモンルーブリック くらしき作陽大学と共通で用いて「倉敷と仕事」の授業開始時と終了時の2回、学修成果の測定を行った。

3. 成果と5年間のまとめ

〇科目に関するルーブリック

(1)教養科目:「倉敷と仕事」(1年次対象必修科目、2018年前期168名、後期132名)、「倉敷まちづくり基礎論」

(1年次対象選択科目、65名)、「倉敷まちづくり実践論」(1年次対象選択科目、29名)、「若衆実践演習」(3年次

対象選択科目、9名)について、授業開始時と終了時の2回、ルーブリックを用いて学修成果の測定を行った。

(2)専攻科目:産業科学技術学部の「地域体験演習」(3 年次対象選択科目)および生命科学部の「減災・備災

のすすめ」(2年次対象選択科目)、「減災・備災実習」(3年次対象選択科目)について授業終了時にルーブリック

を用いて評定を求めた。 〇教育プログラムのコモンルーブリック くらしき作陽大学と共通で用いて「倉敷と仕事」の授業開始時と終了時の2回、学修成果の測定を行った。 平成 28(2016)年にくらしき作陽大学と共同で開発したコモンルーブリックについて、1年次必修科目「倉敷

と仕事」での平成28年度前期と平成30年度前期の履修者の講義最終回での評定値の分布を比較する。レベルは

3「小若」、4「中老」、5「宿老」を想定して作成している。

30

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[成果]

・平成28年はレベル0と1の比率が高かったが、平成30年ではレベル2・3の割合が多くなっており「小若」

に求めている資質・能力の形成段階として望ましい学修がなされてきていると考えられる。

・表には示していないが、平成30年度に「中老」、「宿老」の認定を受けた学生(N=11)では各項目の平均評定値

が3.7-4.3となっており、若衆育成プログラムで期待する成果が得られている。

[課題]

・15-25%の受講生は講義終了時にレベル0・1の段階にとどまっており(表2)、主体的学習への意義・動機づけ

を工夫する必要がある。

・「議論する力/論理性」、「多様性を受容する力/共生」の項目が他に比べて評価が高くなりがちであり、レベ

ルの見直しを検討する。

表1 平成28年の評定値の分布の相対度数(N=193)

レベル 地域への

帰属意識

地域への

理解と課

題発見力

地域活動へ

の主体性/

自律性

実行する

力/実践

振り返る

力/省察

改善策を

考える力

/計画力

議論する

力/論理

関係性を築

く力/チー

ムワーク

多様性を

受容する

力/共生

0 0.27 0.15 0.20 0.14 0.19 0.22 0.21 0.15 0.15

1 0.21 0.30 0.23 0.37 0.26 0.32 0.28 0.31 0.30

2 0.17 0.16 0.19 0.13 0.20 0.13 0.17 0.12 0.17

3 0.15 0.17 0.14 0.16 0.11 0.16 0.10 0.18 0.12

4 0.09 0.07 0.10 0.07 0.10 0.06 0.12 0.14 0.07

5 0.11 0.16 0.15 0.14 0.12 0.12 0.12 0.10 0.19

表2 平成30年の評定値の分布の相対度数(N=136)

レベル 地域への

帰属意識

地域への

理解と課

題発見力

地域活動へ

の主体性

/自律性

実行する

力/実践

振り返る力

/省察力

改善策を

考える力

/計画力

議論する

力/論理

関係性を築

く力/チー

ムワーク

多様性を

受容する

力/共生

0 0.08 0.05 0.13 0.05 0.11 0.05 0.03 0.04 0.04

1 0.14 0.10 0.08 0.20 0.14 0.18 0.15 0.12 0.12

2 0.29 0.26 0.38 0.29 0.27 0.33 0.32 0.29 0.21

3 0.29 0.35 0.22 0.26 0.30 0.25 0.21 0.31 0.33

4 0.10 0.11 0.11 0.10 0.12 0.13 0.21 0.15 0.11

5 0.10 0.10 0.07 0.09 0.05 0.06 0.08 0.09 0.17

講義1回目と最終回に「現在の自分に当てはまるレベルに○をつける」という自己評価であったが、最終回

でのチェックパターンを見ると、もう1つの課題が見えてくる。レベルは順序性をもつものであることから、表

3のtype 0のように「ある段階まではできるがそれ以降はできない」という回答が望ましい。しかし、回答者の

約1割にtype 1-5 のような回答が見られることから、レベルを規定する用語・内容について検討することが必

要であろう。

表3 コモンルーブリックでのチェックパターン

能力・態度 level 1 level 2 level 3 level 4 level 5

type 0 ○ ○ × × ×

type 1 ○ × ○ ○ ○

type 2 ○ ○ ○ × ○

type 3 ○ ○ × ○ ×

type 4 × ○ × ○ ×

type 5 ○ × × ○ ○

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活動報告:倉敷芸術科学大学

「くらしき若衆」認定制度の運営と総括

代表者:小山 悦司(産業科学技術学部長 経営情報学科 教授)

分担者:黒田 明雄(経営情報学科 講師)、唐川 千秋(動物生命科学科 教授)、

赤木 恒雄(経営情報学科 教授)、学務部教務課

1. プロジェクトの概要

1)意義・目標

「くらしき若衆認定制度」では、平成28年度に初めての「小若」が誕生し、本年度(平成30年度)は、5 月に「中老」、そして11月に「宿老」が初めて認定される。認定は、「くらしき若衆」育成プログラムに配置さ

れた科目群(「くらしき若衆」科目)を履修し、所定の条件を充足した学生が対象となる。スタートして5年目

を迎えた本年度は、制度設計および運用方法の妥当性を再確認し、補助期間終了後の事業継承に向けて必要に

応じて改善を加え、併せて「くらしき若衆」科目の到達目標、授業計画の見直しも実施する。

2)方 法

「くらしき若衆」認定制度について、本学、くらしき作陽大学およびと倉敷市との間で、制度の運用につい

て協議し確認を行う。そして、「小若」「中老」「宿老」の認定者を増やことが求められていることから、学生

の意識を高めるため方途を検討する。また、次年度以降の「宿老」の認定方法についても、2大学教育部門定例

会議の中心的な議題として、倉敷市との調整を図ることができる。

一方、「くらしき若衆」育成プログラムの

履修を推奨し、「くらしき若衆」認定者の増

加を図るために、「くらしき若衆」認定制度

のパンフレットの内容を更新する。これまで

の活動実績等を盛り込んだリニューアル版を

作成し、学生・教職員および倉敷地域の産業

界等に配布し周知を図る。

2. 工程・スケジュール

1)「くらしき若衆」認定制度を周知し履修を推奨:在学生オリエンテーション平成30年4月7日 2)「くらしき若衆」科目の運用について2大学で最終年度の全体計画と重点課題を確認し、円滑な運営に向けて 協議:6月21日、8月29日、10月14日、12月18日、平成31年2月15日

3)「宿老」認定会議の開催:10月14日

4)2大学の教育部門で合同研修会を開催:「COC補助期間終了後の事業継承」(8月29日)、「2大学合同COC 事業ポスター展示」(10月14日)、「若衆・町衆フォーラム」(11月26日)、「他大学COC事業の認定制度に ついて」(12月18日)

5)2大学合同でCOC事業の取組内容を学生や地域の方々に周知しアピールするために、くらしき作陽大学の大 学祭にてポスター展示を実施:平成30年10月14日

被災した真備中学校の放課後学習支援活動(小若学生)

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3. 成果と5年間のまとめ

1)「くらしき若衆」認定制度の運営 2大学COC教育部門定例会議を定期的に開催して、「くらしき若衆認定制度」の運用や「中老」「宿老」の運

用方法やCOC事業の補助期間終了後の運営について協議した。また、これまでの認定制度の運用等に関する 成果や課題等の分析に基づいて、「くらしき若衆」育成プログラムの到達目標、授業計画の見直しを検討した。 そして、平成30年11月21日に開催されたヘルスピア倉敷で開催された「宿老」認定証授与式において、

初代の「宿老」として本学からは6名が認定された。また、倉敷市に全戸配布される『広報くらしき』平成31年1月号において、「宿老」が誕生したことが大きく掲載され、倉敷市民に強くアピールできた。

初代「宿老」に認定された2大学の学生 「宿老」代表(倉敷芸術科学大学)の決意表明

2)「くらしき若衆」の認定状況 「くらしき若衆」認定制度は、活動実績に応じて「小若」「中老」「宿老」の3段階で認定される。平成28年

10月12日に開催された本学の認定証授与式においてはじめての「小若」14名が認定された。そして、平成30 年度までは、次表に示す通り小若が 81 名認定され、この内中老に認定されたのは 7 名、宿老に認定されたの

は6名となった。今後に向けては、「くらしき若衆」育成プログラムの履修を推奨し、「くらしき若衆」認定者

の増加を図ることが課題となる。 表 「くらしき若衆」の認定状況

年度・学期 小若 中老 宿老 H28 後期 14名 N:1 I:13 H29

前期 19名 K:1 N:2 B:1 M:3 Y:1 I:11 後期 15名 N:2 B:5 M:5 I:3

H30 前期 21名 K:7 N:4 B:3 W:1 R:1 I:6 3名 I:3 後期 12名 K:3 B:1 M:3 R:1 I:4 4名 K:4 6名 K:4 I:2

K:メディア映像学科 N:デザイン芸術学科 B:生命科学科 W:健康科学科

3)「くらしき若衆」の活躍に期待 今後に向けては、「くらしき若衆」育成プログラムの履修を推奨し、「くらしき若衆」認定者の増加を図るこ

とが課題となる。そのために、①地域貢献科目群における到達目標を再確認し、フィールドワークの評価基準 を再確認し、目標到達へのプロセスを検証して、②学生の主体的な学修を支援するアクティブな学修環境やア ウトキャンパスでの指導体制の整備を図る。 以上の取り組みにより、「くらしき若衆」認定制度の制度設計および運用方法の妥当性を再確認し、補助期間

終了後の継承に向けて必要に応じて改善を加える。さまざまな地域で活躍できる地域貢献力の高い人材として、

「くらしき若衆」への期待は今後益々高まるであろう。

33

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活動報告:くらしき作陽大学

倉敷アートスタート研究 ―学びはじめのアートスタート―

代表者:浅野 泰昌(子ども教育学部 子ども教育学科 講師)

1. プロジェクトの概要

1)意義・目標:文化芸術による乳幼児の情操教育及び地域振興・子育て支援に関する総合的な取り組み(アー

トスタート)と、それに参画する学生の保育者・教員としての資質の向上に関する研究を実施する。

2)方法:①乳幼児向け舞台芸術の調査及び作品制作・地域公演、②倉敷市における文化芸術事業の調査

2. 工程・スケジュール

【平成26年度】

○学生による倉敷市内外の人形劇公演(アートスタート)の実施 (平成20年度から継続的に実施中)

○海外の先進的ベイビーシアターの視察(セルビア『Baby space』)

○人形劇によるアートスタート及び学生育成に関する報告会の実施①

【平成27年度】

○乳児向け舞台芸術の全国的組織参加(日本児童・青少年演劇劇団協同組合ベイビーシアタープロジェクト)

○日本のベイビーシアターの視察(『ふわふわ山の音楽会』『かぜのうた』『うたのたね』『はじめてのコンサート』他)

○一般財団法人とらまる人形劇研究所及びとらまる人形劇団との包括協定締結

○人形劇によるアートスタート及び学生育成に関する報告会の実施②

○人形劇『みずべのたまべえ』制作・上演

【平成28年度】

○ベイビーシアター及び文化芸術による学生育成に関するシンポジウム・基調公演の実施①

○国際共同制作(日本・セルビア)のベイビーシアターの視察(『Baby Space in Japan』)

○国際演劇祭「森のちいさな演劇祭」招聘

○文化庁「平成28年度文化芸術による子供の育成事業」派遣(長野県飯田市)

○ベイビーシアター『みずのなかのたまべえ』制作及び倉敷市文化振興財団との共催公演の実施①

○「倉敷アートスタートマップ」の試作①

【平成29年度】

○ベイビーシアター及び文化芸術による学生育成に関するシンポジウム・基調公演の実施②(日本ウニマ共催)

○ベイビーシアターによる地域振興に関する視察(高知県田野町)

○国際共同制作(日本・ポーランド・韓国)のベイビーシアターの視察(『KUUKI』、『ベイビーミニシアター』)

○国際演劇祭「松江・森の演劇祭」招聘

○文化庁「平成29年度文化芸術による子供の育成事業」派遣(長野県)

○ベイビーシアター『みずのなかのたまべえ』改作及び倉敷市文化振興財団との共催公演の実施②

○イタリア共和国ボローニャ市におけるアートスタートとベイビーシアターの現地調査の実施

○「倉敷アートスタートマップ」の試作②

【平成30年度】

○5月:ベイビーシアター『みずのなかのたまべえ』改作及び倉敷市文化振興財団との共催公演の実施③

○11月:人形劇によるアートスタート及び学生育成に関する卒業生シンポジウムの実施

○12月:ベイビーシアターによる地域振興と保育の質的向上に関する視察(高知県日高村)

○11~2月:「倉敷アートスタートマップ」(第一次)の制作

(3) 「研究」分野

34

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3. 成果と5年間のまとめ

本研究プロジェクトでは、アートとの出会いの場を創出する取り組みをアートスタートとして捉え、特に乳幼

児を対象としたものに焦点を絞り、調査・研究及び実践を重ねて来た。2017(平成29)年に改正された「文化芸

術基本法」に示される通り、文化芸術の享受と創造は、人が生まれながらにして有する権利である。これを実現

するために、全ての人が文化芸術に参加できる環境の整備が求められる。特に、育ちと学びの原点である乳幼児

期に、子どもと保護者が共に舞台芸術に親しむことのできる機会・場を提供することは、人の生涯にわたる文化

的体験の基盤を形成し、ひいては、地域や国全体の豊かさの土壌となる。

一方、日本の子ども・子育てに関する現状に目を向けると、社会環境の変化に伴い少子高齢化、核家族化、都

市化と過疎化の二極化等が著しく、地域コミュニティの関係性の希薄化は深刻であり、倉敷市も例外ではない。

子育て家庭の孤立感や子育てに対する不安感と負担感は増大の一途を辿っている。日本の保育・教育の在り方を

示す「保育所保育指針」及び「幼稚園教育要領」(平成29年3月告示)に示される通り、生涯にわたる人格形成

の基礎を培う幼児期の学びと育ちは重要なものであり、さらにその土台を培うのが乳児期である。しかし前述の

社会環境の中で、今までに乳児と関わった経験が乏しい若い親が、子育ての知恵(実践知)を十分に得ることも

できずに子育てをする場合も多く、頼るべき拠り所を得られず孤立する事例が報告されている。将来を担う子ど

もの健やかな育ちは我々の恒久的課題であり、その第一歩を踏み出す乳児期の子育て環境を整えることは重要課

題の一つでありながら現状は厳しく、多面的な解決が求められる。本プロジェクトでは、アートスタートの場を、

文化芸術と福祉を架橋する社会包摂のプラットフォームとして捉え、その有用性についての研究を行った。その

第一が乳児向け舞台芸術「ベイビーシアター」であり、第二が文化芸術プラットフォームを記載した「アートス

タートマップ」である。

Ⅰ.乳児向け舞台芸術「ベイビーシアター」

1980年代にヨーロッパで産声を上げた乳児向け舞台芸術は、めざましい発展を遂げ、世界へと広がった。日本

においても、2000年代初頭から、各地の子ども・親子劇場関係者や創造団体の協働によって取り組みが始まり、

これまでに数多くの優れた作品が上演されてきた。国内外の実践の蓄積に加えて、脳科学の研究成果により、乳

児が生まれついて舞台芸術を味わう能力(他者と自己を同調させるように他の感情を理解する、目の前の登場人

物の意図や関係性を読み取る等)を有することが報告されており、児童演劇の最先端課題として位置づけられる。

1.乳児向け舞台芸術の研究・実践に必要な連携・協働関係の構築

(1)全国組織:本研究プロジェクトの開始の翌年2015年に、乳児向け舞台芸術に関する日本で初めての専門組

織「ベイビーシアタープロジェクト」が設立された。これまでに日本で主導的に乳児向け舞台芸術の創造と上演

に関わってきた芸術家や劇場関係者による全国組織である。報告者は、この設立に加わり、コアメンバーとして

以降の事業に参画し、国外研究者・実践者によるセミナーの実施や、イタリア共和国ボローニャ市での公演と現

地調査に同行するなど、最新の知見を倉敷市での実践に導入することが可能となっ

た。この組織は「TYAJapan(Theater for Young Audience)」所属組織として今後も

活動を行う予定である。また、子どもと舞台芸術をつなぐ団体による「子どもと文

化全国フォーラム」乳児専門委員会及び国際人形劇連盟日本センター(日本ウニマ)

学習・研究部局の設立にも参加し、今後の実践の継続に必要な連携関係を構築した。

(2)地域組織:地域における実践の要として、西日本唯一の専門劇団である「と

らまる人形劇団」を擁する「一般財団法人とらまる人形劇研究所」とくらしき作陽

大学が包括協定を締結した。また、「倉敷市文化振興財団」とは、乳児向け舞台芸術

作品の上演と被験者募集、実態調査に関して連携事業を実施した。大学 COC 事業終

了後も、アルスくらしき親子劇場の実施担当として連携関係を継続する。 倉敷市文化振興財団との共催公演

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2.ベイビーシアターの制作と上演

(1)人形劇『おすわりくまちゃん』の上演

くらしき作陽大学子ども教育学部附属児童文化部ぱれっと

平成25年度作品『おすわりくまちゃん』(原作:シャーリー・

パレントー (著),デイヴィッド・ウォーカー (絵),福本 友美

子 (訳))を乳児向け作品として再演し、倉敷市内外の保育所

等で公演を行った。この作品は、優れた作品として国内の専門

劇団から推挙を受け、国際演劇祭「森のちいさな演劇祭」(平

成28年)、「松江・森の演劇祭」(平成29年)に招聘された。 「松江・森の演劇祭」公式パンフレット

(2)人形劇『みずべのたまべえ』・ベイビーシアター『みずのなかのたまべえ』の製作・上演

ベイビーシアターを創作し、倉敷市内在住の乳児と保護者を

対象として公演を行い、鑑賞後のアンケート調査を実施した。

この作品の主役は、大学の所在する倉敷市玉島地域の商工会議

所からの打診を受け、ご当地キャラクターのおたまじゃくし

「たまべえ」を活用した。乳児と保護者の鑑賞席を舞台の一部

とした参加体験型の人形劇である。倉敷市文化振興財団の全面

的な協力を受け、環境構成や誘導、導入のわらべうた、照明機

器を利用した上演環境の工夫や、各種打楽器を活用した音楽表 ベイビーシアター『みずのなかのたまべえ』の一場面

現など、本事業の基礎研究成果を反映させた。(平成27年12月、平成29年1月、平成30年1月・5月)

3.倉敷市内での人形劇等の公演活動と保育者・教員養成の一体的展開

未来を担う子どもの育ちと学びの保障と共に、それらをもたらす保育者・教員の養成は、私たちの恒久的な課

題である。専門的知識と技術を学び、経験を通してそれらを実践の知恵へと高めることが保育者・教員養成には

必要不可欠であり、そのためには学内での学びに加えて、学外に学びのフィールドを広げ、子どもを含めた地域

の人々との関わりが有効である。くらしき作陽大学子ども教育学部では、設立当初の平成20年8月から、保育者・

教員養成と地域の子ども・子育て支援を一体的に展開するための教育期間として、子ども教育学部附属児童文化

部ぱれっとを設置している。大学COC事業に採択された平成26年度からは、ベイビーシアターにも積極的に取り

組み、倉敷市を中心に、県内外で地域に根ざした公演を重ねている。平成30年12月までの公演実績は490回を

数え、これらの成果から、文化庁「文化芸術による子供の育成事業」の担当団体として、平成28・29年11月に

長野県飯田市の公立小学校に派遣された。平成30年11月には、設立10周年記念公演を実施すると同時に、これ

までに輩出した保育者・教員の代表を招き、文化芸術作品の制作と上演及び組織運営による学びと保育・教育現

場での実践の結びつきについて発表するシンポジウムを実施した。

Ⅱ.「倉敷アートスタートマップ」の作成

大学 COC 事業の進展により、倉敷市内における文化芸術と乳

幼児を繋げる良質な取り組みが多数把握された。地域に豊かな

文化芸術の土壌があることが倉敷市の特色であり、それらをま

とめ、子育て中の保護者と子どもの、アートスタートへの参加

を促す支援が必要である。これは、親子を対象とした社会的包

摂の一助となり、文化芸術と福祉を結び付けるものである。 アートスタート事業を実施する大原美術館

そのための資料として、関連組織と連携し「倉敷アートスタートマップ」(第一次)を作成した。

大学COC事業の終了後も、文化芸術を主題とした地域振興・地域貢献と保育者・教員養成を継続・発展させる。

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活動報告:くらしき作陽大学

地域の特別支援教育推進に向けた大学の在り方に関する研究

― 特別支援教育ラボの教育実践・地域連携・学術研究の三位一体化 ―

代表者:橋本 正巳(子ども教育学部 子ども教育学科 教授)

永井 祐也(子ども教育学部 子ども教育学科 講師) 1. プロジェクトの概要

1)意義・目標

特別支援教育とは、障害のある幼児児童生徒の自立や社会参加に向けた主体的な取組を支援する視点に立ち、

一人一人の教育的ニーズを把握し、適切な指導及び必要な支援を行う教育である。本学子ども教育学部は、特別

支援教育の実践・教育・研究・地域連携拠点として、2015年10月に特別支援教育ラボを開設し、主に特別支援

学校の教員を目指す学生と特別支援教育の担当教員が活動を展開・継続してきた。本活動を通して予想される効

果は、① 教員養成大学としての実践力の高い特別支援学校教員の養成、② 特別支援教育という大学の専門性を

活かした地域との連携、③ 特別支援教育に関する学術研究の進展、④ 地域の特別支援教育推進に向けた大学の

モデル構築の4点であった。 特別支援教育ラボは一括りの活動と見られがちであるが、8 つの活動に分かれており、学生による地域在住の

障害児への指導・支援の活動5件、地域の関係機関との研究会の開催が3件に取り組んできた。本報告では、こ

れまで継続してきた特別支援教育ラボの活動を概観しながら、特別支援教育ラボの教育実践活動・地域貢献活動・

学術研究活動によって得られた成果を整理した。

2)方 法

特別支援教育ラボの 8 つの教育実践・地域貢献活動とそれらに基づく学術研究の概略、さらに、これらの活動

を支える地域貢献科目「行動・学習支援演習」「自立活動実践演習」の概略を以下に述べる。

(1) 学生による地域在住の障害児への指導・支援(教育実践活動)

A ぼちぼち (知的障害・発達障害児の学習支援活動)

倉敷市特別支援学級親の会に所属する児童生徒とその保護者を本学に招き、学生が児童生徒に学習支援を行っ

てきた。今年度は8家族9名に年間8回実施した。 B よりよく (重度・重複障害児を対象とした指導)

重度・重複障害児をもつ保護者が設立した幸せを願う親の会「よりよく」の協力のもと、重度・重複障害児に

対する五感教育のあり方を学生が直接指導しながら、教員と共に研究してきた。 今年度は 5 家族 6 名の参加者

に年間8回実施した。 C ビークル (知的障害・発達障害児の余暇支援活動)

倉敷市特別支援学級親の会に所属する児童生徒とその保護者を本学に招き、学生が児童生徒の余暇活動を支援

してきた。今年度は12家族18名の参加者に年間12回実施した。 D 個別発達支援活動 (発達障害幼児と保護者への支援:永井ゼミの活動)

本活動は、学生が子どもの発達支援、保護者支援を教員と共に実施する中で、保護者と連携した支援のあり方

を学ぶことに重きを置いている。今年度は、2組の家族に各12回 (計24回) の支援活動を行った。 E 倉敷市連携事業(小学校特別支援学級への学生派遣)

この活動では、主に 4 年生有志が教育委員会より紹介を受けた小学校特別支援学級へ訪問し、担任や大学教員

より指導・助言を受けながら、在籍する児童を対象とした個別学習支援を実施する。この活動は、2018年9月~

2019年1月にかけて実施した。報告会を設け、参加した学生が行った支援の成果を発表した。

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(2) 地域の関係機関との研究会の実施(地域貢献活動)

F 玉島修活プロジェクト

玉島保健推進室と連携し、玉島地区の障害のある子どもたちの支援に携わる関係諸機関の担当者が顔の見える

関係を築くことを目的に、玉島修活プロジェクトの定例会・研究会を今年度は年間4回実施した。 G 倉敷市放課後児童クラブとの研究会

倉敷市内の放課後児童クラブの職員と共に事例検討会を行った。その成果を取りまとめ、ハンドブック第 2 弾

を2019年3月頃に発行する予定である。 H 倉敷芸術科学大学との芸術活動を通した療育に関する研究会

倉敷芸術科学大学五十嵐研究室が知的障害児を対象とした芸術活動の事例について、本学橋本研究室とが定期

的に研究会を開催した。

(3) 教員による学術研究(研究活動)

I 自閉スペクトラム症児の二次障害予防に関する発達心理学的研究

特別支援教育ラボの教育実践活動には多くの障害児やその保護者が参加されている。彼らに教育実践活動とは

別日に心理学的研究への参加を呼びかけ、実施した。この成果を日本特殊教育学会第56回大会 (2018年9月)、日本発達心理学会第30回大会 (2019年3月)において発表した。

J 特別支援教育ラボにおける教育実践研究

特別支援教育ラボで活動した多くの卒業生は、教育実践活動を通して得られた成果を卒業研究として取りまと

めてきた。これらの内、学術的価値が高いと判断した卒業論文を本学研究紀要へ投稿することを執筆者に打診し、

了解が得られた場合に、教員による加筆・修正を加えて投稿した。今年度は論文2報 (澤田・永井・渡邉・橋本, 2018; 橋本・永井, 印刷中) をくらしき作陽大学・作陽音楽短期大学研究紀要にて発表した。

(4) 地域貢献科目「行動・学習支援演習」「自立活動実践演習」

学生が主体となって障害児へ指導・支援を行うにあたり、それぞれの活動や学生が担当する事例一人一人に対

して担当教員が指導・助言し、参加する学生全体での打ち合わせと反省会のミーティングを「行動・学習支援演

習」「自立活動実践演習」といった地域貢献科目の授業内に実施した。地域貢献科目の対象学年は 4 年生である

が、ぼちぼち・よりよくの活動には1~4年生が参加するため、可能な限り、1~3年生にも参加を呼びかけた。「行

動・学習支援演習」では、学習や行動を支援する際には、背景となる特性を理解し、学び方に応じた支援を考え

る必要があるため (橋本, 2012; 橋本, 2014)、対象児の発達段階や特性といった背景、それに応じた指導方略の設

定、教材や関わりの工夫の順に考えられるようにPDCAサイクルに基づく指導を徹底してきた。また、特別支援

学校において自立活動の指導を行うとき、自立活動の 6 区分を相互に関連させて子どもに関わるため (橋本, 2016)、「自立活動実践演習」では学生が実践している映像を授業内で鑑賞する事例検討会を催し、自立活動の指

導の相互関連性を重視し、対象児・者にわかりやすい関わりかけを学生と共に考える機会を設けた。活動前の授

業では、主担当の学生が対象児・者へ行おうと考えている指導内容の発表、学生の役割の確認、はじまりの会や

終わりの会の打ち合わせを行った。活動終了後には1~4年生全員が報告レポートを作成し、活動の翌週月曜日ま

でに教員に提出させた。 また、4年生は実践研究として1年間の成果を取りまとめる必要があるため、年度当初に年間指導計画の作成、

6月頃に研究計画発表、11月頃に中間報告発表、翌年1月末を目処に1年間の成果を実践研究として取りまとめ

たものを提出する課題を課した。 さらに、授業時間外においても、教員にアポイントを取って学生の担当する児童生徒への指導内容について、

指導・助言を行ってきた。学生も主担当と副担当の学生の学年が異なる場合には、放課後や空コマの時間等を活

用して学生が自主的に情報共有に努めていた。

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2. 工程・スケジュール

日程 活動 日程 活動 4月11日(水) 地域貢献科目前期① 4月18日(水) Cビークル①、地域貢献科目前期② 4月24日(火) D 個別発達支援(ケース1)① 4月25日(水) 地域貢献科目前期③ 5月8日(火) D 個別発達支援(ケース1)② 5月9日(水) Bよりよく①、地域貢献科目前期④ 5月15日(火) D 個別発達支援(ケース1)③ 5月16日(水) C ビークル②、地域貢献科目前期⑤

5月22日(火) D 個別発達支援(ケース1)④ G 放課後児童クラブとの研究会① 5月23日(水) A ぼちぼち①、地域貢献科目前期⑥

5月29日(火) D 個別発達支援(ケース1)⑤ 5月30日(水) F 玉島修活プロジェクト① 地域貢献科目前期⑦

6月5日(火) D 個別発達支援(ケース1)⑥ 6月6日(水) 地域貢献科目前期⑧ 6月12日(火) D 個別発達支援(ケース1)⑦ 6月13日(水) B よりよく②、地域貢献科目前期⑨

6月19日(火) D 個別発達支援(ケース1)⑧ G 放課後児童クラブとの研究会② 6月20日(水) C ビークル③、地域貢献科目前期⑩

6月26日(火) D 個別発達支援(ケース1)⑨ 6月27日(水) A ぼちぼち②、地域貢献科目前期⑪

7月3日(火) D 個別発達支援(ケース1)⑩ 7月4日(水) F 玉島修活プロジェクト② 地域貢献科目前期⑫

7月11日(水) H 芸科大との研究会① 地域貢献科目前期⑬ 7月17日(火) D 個別発達支援(ケース1)⑪

7月18日(水) C ビークル④、地域貢献科目前期⑭ 7月21日(土) A ぼちぼち③ 7月25日(水) 地域貢献科目前期⑮ 7月31日(火) D 個別発達支援(ケース1)⑫ 8月25日(土) B よりよく③ 9月5日(水) B よりよく④ 9月18日(火) G 放課後児童クラブとの研究会③ 9月19日(水) C ビークル⑤、地域貢献科目後期① 9月23日(日) I 発達心理学研究の発表 9月26日(水) A ぼちぼち④、地域貢献科目後期②

9月30日(日) J 教育実践研究の発表 10月3日(水) F 玉島修活プロジェクト③ 地域貢献科目後期③

10月9日(火) D 個別発達支援(ケース2)① 10月10日(水) B よりよく⑤、地域貢献科目後期④ 10月17日(水) C ビークル⑥、地域貢献科目後期⑤ 10月24日(水) A ぼちぼち⑤、地域貢献科目後期⑥

10月29日(月) D 個別発達支援(ケース2)② 10月30日(火) 平成30年度第12回倉敷みらい講座 G 放課後児童クラブとの研究会④

10月31日(水) 地域貢献科目後期⑦ 11月5日(月) D 個別発達支援(ケース2)③ 11月7日(水) B よりよく⑥、地域貢献科目後期⑧ 11月12日(月) D 個別発達支援(ケース2)④ 11月14日(水) C ビークル⑦、地域貢献科目後期⑨ 11月19日(月) D 個別発達支援(ケース2)⑤ 11月21日(水) A ぼちぼち⑥、地域貢献科目後期⑩ 11月26日(月) D 個別発達支援(ケース2)⑥ 11月27日(火) G 放課後児童クラブとの研究会⑤ 11月28日(水) 地域貢献科目後期⑪ 12月3日(月) D 個別発達支援(ケース2)⑦ 12月5日(水) B よりよく⑦、地域貢献科目後期⑫ 12月10日(月) D 個別発達支援(ケース2)⑧ 12月12日(水) A ぼちぼち⑦、地域貢献科目後期⑬

12月17日(月) D 個別発達支援(ケース2)⑨ 12月19日(水) C ビークル⑧、地域貢献科目後期⑭ H 芸科大との研究会②

1月8日(火) F 放課後児童クラブとの研究会⑥ 1月9日(水) C ビークル⑨、地域貢献科目後期⑮ 1月14日(月) D 個別発達支援(ケース2)⑩ 1月16日(水) B よりよく⑧ 1月21日(月) D 個別発達支援(ケース2)⑪ 1月23日(水) F 玉島修活プロジェクト④ 2月4日(月) D 個別発達支援(ケース2)⑫ 2月6日(水) A ぼちぼち⑧ 2月13日(水) C ビークル⑩ 2月14日(木) E倉敷市特別支援教育連携事業報告会 2月20日(水) 平成30年度第24回倉敷みらい講座 3月18日(月) I 発達心理学研究の発表

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3. 成果と5年間のまとめ

特別支援教育ラボの活動は、8つに分かれており、学生による地域在住の障害児への指導・支援の活動が5件、

地域の関係機関との研究会の開催が3件であることが示された。その活動日数は年間70日であり、個別の指導・

助言を含むと年間100日を超える。今年度はこれらの活動全てを担当教員2名で展開してきた。 小・中学校においては発達障害児への教育をより一層充実していくことが求められており、特別支援学校には

障害の重度化・重複化した児童生徒が在籍するようになり、彼らへの適切な指導を行うことが特別支援学校の教

員に求められている。このような学校現場の課題を鑑みて、「知的障害・発達障害児の個別学習支援活動(ぼちぼ

ち)」と「重度・重複障害児の指導(よりよく)」の2つの活動を特別支援教育ラボの全体で取り組む活動と位置

付け、特別支援教育の今日的課題と言える発達障害児や重度・重複障害児を相手に学生が直接指導し、実践的指

導力を高めてきた。一方で、有志が参加する活動を織り交ぜたことで、学生の学ぶ意欲があれば、特別支援教育

の現状や課題を日常的に学内で学べる体制を構築してきたと言える。また、障害のある子どもの持てる力を引き

出したり新しい知見を提供したりすることは、地域在住の障害のある子どもやその保護者、障害児支援関係者に

おいてもメリットが大きいと考えられる。そういった点では、学生への教育活動でありながら、地域の障害のあ

る子どもやその保護者、障害児支援関係者に対する社会貢献活動も同時に行うことができている。さらに、ここ

数年は、特別支援教育ラボの活動を基にした、実践研究としての卒業論文の指導や教員自身の研究成果発信にも

積極的に取り組んできた。学生が実践研究を通して身に付けた研究としての思考やスキルは、より質の高い指導

を保障し、その成果を発信するできるEvidence Based Approachを実現できる教員になり得る。このように、特

別支援教育ラボは教育実践・地域貢献・学術研究の三位一体化を成し遂げ、地域の特別支援教育の拠点として存

在感を高めてきたと言えるだろう。実際、地域貢献科目「行動・学習支援演習」「自立活動実践演習」では授業の

進行や資料作成等の多くを4年生の中で役割分担し、学生主体の演習活動が行われるようになった。 特別支援教育ラボの活動は、学務を除く 3 つの職務に関係するものであり、それらを能率的に実現可能な大学

の在り方、大学教員のモデルの1つになり得るだろう。 文部科学省は、教員養成の在り方をより高度な専門的職業能力を備えた教員の育成が必要であるために教職大

学院の設置を促しており (文部科学省中央教育審議会, 2006)、近年の大学院教育では、従来の大学院研究科に代

わり、教職大学院の設置が増加している。この答申には、学部における教員養成課程は基礎的・基本的な資質能

力を押さえることと記載されているが、これに加えて教職大学院に匹敵する専門的職業能力を学部の教員養成課

程において身に付けることができれば、即戦力の教員を養成できることを意味するだろう。本学の特別支援学校

教員養成においては、PDCAサイクルの徹底と五感を活かした教育実践を基本とした子どもの実態把握、指導計

画の立案、指導・支援、振り返りを1つの授業として取り組んでいる。教職大学院に匹敵するとは言えないが、

特別支援教育に関する実践的指導力を身に付け、特別支援学校の教員として活躍している卒業生が多数いること

が本学の特別支援学校教員養成の確かな証となるだろう。これらの活動を今後も継続しながら、学生と教員とが

共に学び合い共に成長し合い、特別支援学校等で活躍する未来の教師の卵を育てていくことが「地(知)の拠点整備

事業」を採択された本学が今後も担う使命の1つであると言えるだろう。 最後に、本学特別支援教育ラボの種々の活動にご参加いただいた障害のある子どもたちとその保護者の皆様、

地域の障害児支援に携わる皆様に感謝申し上げます。また、特別支援教育ラボの設立にご尽力いただいた高橋香

代先生 (岡山大学)、銀屋伸之先生 (くらしき作陽大学)、渡邉亮太先生 (くらしき作陽大学)、松田真正先生(作陽音

楽短期大学)、梶正義先生 (関西国際大学)、真鍋健先生 (千葉大学)、中塚志麻先生をはじめ、子ども教育学部の先

生方、芸術活動を通した療育に関する研究会を開催してきた倉敷芸術科学大学の五十嵐英之先生、COC事務局の

皆様に感謝の意を表します。

40

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活動報告:くらしき作陽大学

「災害時に地域貢献できる実践力養成カリキュラムの検討」

~「災害食コンシェルジュプログラム」実践に向けて~

代表者:岩崎 由香里(食文化学部 現代食文化学科 講師)

分担者:額田 眞喜子(食文化学部 現代食文化学科 教授)

渡邉 和子(食文化学部 現代食文化学科 准教授)

1. プロジェクトの概要

1)意義・目標

栄養士養成課程の学生に対して、アンケート調査を実施することで、備災・減災等の意識について検討する。

また、地域住民に対して、イベント等で意識調査を実施することで、地域の備災・減災の意識を調査するとともに、

地域において災害時等に栄養士に求められている能力を検討する。

■災害時に協働することのできる栄養士の養成

■地域と大学との連携によるソーシャルキャピタルの

醸成

2)方法

【対象】現代食文化学科の実習履修学生 約35 名

【期間】平成30年5月~平成30年3月

【実施方法】アンケートの実施

2. 工程・スケジュール

【炊き出しシミュレーションにおける意識調査】 平成30年5月~平成30年2月 レシピ開発・試作

5月28日 災害時対策実習(展開食・備蓄検討) 6月 4日 災害時対策実習(準備・試作) 6月19日 「炊き出しシミュレーション」実施 7月 2日 「炊き出しシミュレーション」実施後の意識の変容を分析

7月~12月 課題の検討と今後の展開方法の検討 【災害食地域貢献活動における意識調査】 7月 6日 FMくらしき:クールチョイス「災害食について」

7月21日 オープンキャンパス 高校生の災害食調理実習 7月24日 避難所における炊き出し実践(二万小学校)・意識調査 8月 9日 避難所における炊き出し実践(船穂小学校)・意識調査

10月27日 キッズキャンパス 災害食の展示及び試食・意識調査 11月 4日 地域住民と共に炊き出しを実施(黒崎地区)・意識調査 11月17日 コンソーシアム岡山 ボランティア報告会「地域における炊き出し実践」発表 平成31年1月~3月 意識調査の分析

課題の検討と今後の展開方法の検討

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【現代食文化学科の給食計画論実習でのアンケート結果】 現代食文化学科 3 年の給食計画論実習の中で、災害時を想定した「炊き出しシミュレーション」を実施した。

このシミュレーションは、学生が主体的に運営し、約300食の栄養管理の整った炊き出しを地域住民の方々に提

供するものである。学生が献立作成、調理、提供のすべてを実施することを通じて、意識がどのように変容した

かを調べた。 「炊き出しシミュレーション」後には「栄養士として行動ができる」「栄養士として行動がややできる」と回答

した学生が、45.5%(15名)から84.8%(28名)に有意に増加していた。また、「炊き出しシミュレーション」後には、

「栄養士になりたい」と回答した学生が、11名から13名に増加傾向を示した。

**P<0.05 事前vs事後 Wilcoxon signed-ranks test

図1 栄養士として行動することができるか 図2 栄養士になりたいか 【考察】 「炊き出しシミュレーション」を通じて、栄養士として行動することの自信がつき、栄養士になりたいという

意識が高まっていたことから、「炊き出しシミュレーション」を行うことは教育効果があったと考えられる。 【西日本豪雨災害の避難所における食支援】

避難所での炊き出し支援を行った。被災した方に意見を伺い、求められる避難所における食支援を検討した。 ・支援物資では、野菜が不足している ・カレーや牛丼などは、乳幼児や高齢者が食べにくい

などの意見をいただいた。避難所では野菜が不足しており、慢性化すると健康被害につながる恐れが あると考えられた。また、避難所には乳幼児から高齢者までがおられ、すべての対象者にあわせた食支援が 必要であると思われる。

【地域での意識調査】 大学とともに防災訓練を行った黒崎地区で意識調査を行ったところ、97.1%(34 名)の住民が大学と協働する

活動が必要であると答えていた。大学が地域とともに活動することを、地域住民が求めていると考える。

図3 大学や地域が一緒に活動することは必要と思うか 図4 災害食の防災訓練

3

129

4 55

23

2 1 20

5

10

15

20

25

できる ややできる ややできない できない 分からない

実習前 実習後

(人)

11

17

5

13

19

10

5

10

15

20

なりたい どちらでもない なりたくない

実習前 実習後

17 17

0 0 0 10

5

10

15

20

強く思う 思う どちらでもない 思わない 全く思わない 分からない

**

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3. 成果と5年間のまとめ

平成27年度から4年間、地域、行政、大学が一体となった「炊き出しシミュレーション」を実施してきた。

その中で、栄養士養成課程の学生の意識の変容、参加される住民の意識の変容を検討してきた。

【平成27年度の成果】

災害時における行動の準備性について、行動変容ステージモデルで分析した結果、熟考期が多かった。 「災害時に栄養士としての役割を認識して行動できるか」という設問をし、炊き出しシミュレーション前後で、

有意な差が見られた。「できる」と「ややできる」と答えた人が増加していた。 また、シミュレーション前に「分からない」と答えた人が、シミュレーション後には、減少していた。熟考期

には、行動変容に対する障害を回避し、行動変容への自信を付けさせることが必要とされる。実際にシミュレー

ションを運営したことで栄養士としての役割を具体的にとらえることができるようになり、自信が高まったと考

えられる。 【平成28年度の成果】 現代食文化学科のゼミ活動として、倉敷エリアと水島エリアで、食育実践活動を行った。その中で、「災害食コ

ンシェルジュコーナー」を展開していった。栄養管理の整った備蓄とそれらを活用した献立例の展示、特別な配

慮が必要な人々に対する相談を受け付けるとともに意識調査を実施した。今後は、開発した災害食レシピを普及

啓発する中で意識調査を行っていくことで、さらに地域に役立つ活動としていくことができると考える。この「災

害食コンシェルジュ」の活動は、「水島臨海鉄道沿線手帖」や「倉敷市の広報誌」に紹介された。 【平成29年度の成果】

日本安全教育学会において、災害食の展示及びアルファ―化米の試食と講演を行った。 参加者から、栄養管理が可能な備蓄の大切さがわかったという多くの声をいただいた。また、大学関係者の方 々

から、くらしき作陽大学で行っている「炊き出しシミュレーション」は、大学と地域、行政が一体となって 実施しているため、とても参考になるという意見をいただいた。今後は、他大学とも連携しながら、ソーシャル・

キャピタルの醸成に向け研究を進めていくことが必要であると考える。 【平成30年度の成果】

「炊き出しシミュレーション」に参加してくださっていた真備地区まちづくり協議会の方が、西日本豪雨災害で

被災され、大学に避難所における災害食支援の要請があった。そこで、災害食を研究している学生とともに避難

所での炊き出し支援を行った。

避難所では、「野菜が不足している」「高齢者向けの食事が少ない」などの課題が見つかった。そこで、高齢者

に食べやすい「野菜雑炊」を提供したところ、とても喜ばれた。

避難所での食支援の後、玉島黒崎地区の防災組織から依頼があり、地域住民と学生が災害食の防災訓練を行っ

た。学生は、地域住民とともに災害食づくりに取り組み、災害食の作り方と衛生管理の指導を行った。

実際の避難所での食支援や地域での活動を実践することで、学生の災害時の食支援に対する意識と実践力が高

まったと考えられる。

【今後の展開】

「炊き出しシミュレーション」の実践を通じて、学生の災害時の食支援に対する意識は

高まっていた。また、「炊き出しシミュレーション」実践後に、実際の避難所で活動する

ことで、食支援の実践力を高めることにつながっていた。そして、地域住民は、災害食の

技術や知識を得る機会として、大学とともに協働することを望んでいた。

これらのことから、大学と地域がともに活動することは、学生、地域住民にとって、災

害時の意識を高める貴重な機会になると考えられた。

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活動報告:倉敷芸術科学大学

備災・減災育成まとめとしての視覚教材製作およびオープンデータ化

代表者:萬代 忠勝(生命科学部 生命科学科 教授)

1. プロジェクトの概要

1)意義・目標

2011年3月11日(金)14:46分に発生した東日本大震災では多くの死者・行方不明者が出た。歴

史的にみて地震発生が多く、防災・減災の意識が高いと考えられる地域であるにも関わらず、犠牲者が多かった

のは何故かという疑問が強く残る。それを調査・解明することによって、今後の他地域に発生する可能性がある

地震災害等の軽減に有効な対策を立てることに生かす。

2)方 法

東日本大震災の被災地に出向いて直接聞き取り調査を実施して収集した生の意見、体験談、地域の情報、あ

るいは映像などを時系列で整理・分析し、犠牲者多発の原因を探る。これらの情報を基に備災・減災に有効なオ

ープンデータを作成し、将来発生が危惧される南海トラフ巨大地震などに効率的に備える方法を啓発・伝授する

際に活用する。

2. 工程・スケジュール

様々な観点から東日本大震災による被害情報を収集し、その中からより正確かつ有効と思われる情報を抽出し

て整理する。

[1] 何故宮城県の犠牲者が多かったのかを様々な観点から検証する。

(1) この地域の地震発生の歴史、地形的な特徴、津波の高さ、震度など

(2) 地域住民の生活習慣

(3) 歴史的に繰り返して起こる地震災害はどのように伝承されてきたのか

[2] 宮城県石巻市の大川小学校の悲劇とその顛末

[3] 仙台市の荒浜小学校の被災状況について

[4] 気仙沼湾の火災の原因となったものは何か

[5] 復旧・復興の進捗状況と住民の動向

[6] 公的支援について

[7] 前震・本震・余震の報道についての是非について

[8] 正常性バイアスについて、その影響はあったのか

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3. 成果と5年間のまとめ

[1]2014年に文部科学省の「地(知)の拠点整備事業」(大学COC事業)に採択されたことが契機となり、新

聞のコラムに記事を書く機会を得たので地域社会に向けて自然災害、特に大震災による被害軽減に取り組む姿勢

が大切である事を訴えた。

2015年3月23日(産経新聞、東京発行版)、2015年5月24日(山陽新聞、知の散歩道<4>、倉敷・

総社版)、2015年9月4日(山陽新聞、知の散歩道<19>、倉敷・総社版)、2015年12月18日(山

陽新聞、知の散歩道<34>、倉敷・総社版)

[2]「倉敷みらい講座」で南海トラフ巨大地震に備えることの重要性を訴えた。

●2014年12月15日(月)15:00〜16:30、倉敷芸術科学大学1号館、第2回「倉敷みらい講

座」で講演、演題「何故、備災・減災なのか」、来場者数87人(含:事務局)

●2015年9月26日(土)11:00〜12:30、くらしき作陽大学1号館125室、第5回「倉敷み

らい講座」で講演、演題「南海トラフ巨大地震に備える」、来場者数92人(含:事務局)

●2016年5月20日(金)15:00〜16:30、倉敷街づくりセンター2F、第3回「倉敷みらい講座」

で講演、演題「続・南海トラフ巨大地震に備える」、来場者数44人(含:事務局)

[3] 東日本大震災の被災地視察調査の実施

(1) 2015年9月11日(金)〜15日(火)

倉敷芸術科学大学とくらしき作陽大学の合同メンバー28名、12日(土)8:00過ぎ石巻市到着、社団法

人「ピースボート」の方の案内で市街地の被災状況の確認、避難場所としての日和山登頂、門脇南浜地区の被

災状況の説明を伺った。続いて、大川小学校視察、戸倉中学校、五十鈴神社を訪れ、津波の脅威と被害の爪痕

を確認した。夕方、南三陸町の宿舎「平成の森」に到着、19:00から仮設住宅自治会長及川さんの体験談

を伺った。翌13日(日)午前中には地元の女子中学・高校生の町の復興に関するアイデアを伺った。午後か

ら、南三陸消防署・消防士長の佐々木茂人氏の救助活動などの経験談を講演して頂いた。14日(月)朝から

気仙沼市に向かい、商店経営者の小野寺女史の案内で、気仙沼湾と市街地を見下ろす安波山に登頂し、湾の大

火災とについて説明を受けた後、帰途に着いた。

(2) 2016年9月9日(金)〜13日(火)

倉敷芸術科学大学とくらしき作陽大学の合同メンバー24名、10日(土)午前中に岩手県陸前高田市に到着、

海岸に近い「奇跡の一本松」、遺構の道の駅、祈念施設を視察した後、市内の「高田大隅つどいの丘商店街」

へ移動した。そこでまちづくり共同センターの三浦女史代表から災害時の詳しい話を伺うことが出来た。

夕方、南三陸町平成の森へ到着、翌11日(日)8:00頃から平成の森の仮設住宅の方々のお話を伺っ

た。午前中、南三陸町の消防士長の佐々木茂人の案内で、南三陸町の復興の状況を視察した。防災対策庁

舎の周りの防潮堤を訪れ、復興事業の進捗状況などを視察した。14:00から南三陸町ポータルセンタ

ーで、南三陸町町長佐藤仁氏に講演して頂き、復旧・復興の話を伺った。最終日、石巻市の大川小学校を

訪れ、運動場に程近い山裾まで近づき、学童が登れるか否かを検証した。午後から石巻中央公民館で主婦

の春日さんから、避難生活の中での子育てに関する様々な悩み事などについてお話頂いた。主婦の目線か

ら見た今後の備災に役立ちそうな課題をお話頂き、大変参考になった。夕方、石巻を発ち13日(火)7:

30分頃、大学に帰着した。 ※今年度は、纏めとして上記の被災地での調査内容を整理(特に、被災地の住民の日常生活の過ごし方、地

震災害の伝承の方法、正常性バイアスの影響等を中心として)したものを教材として「減災・備災のすす

め」の授業に取り入れ、学生の大地震に対する意識高揚を図ることが出来た。

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活動報告:倉敷芸術科学大学

災害時の炊飯シミュレーションによる調理モデルの作成

代表者:大杉 忠則(生命科学部 生命科学科 准教授) 1. プロジェクトの概要

1)意義・目標

災害時の炊飯シミュレーションによる調理モデルの作成 備災・減災力育成のための教材として使える調理モデルの作成を行う 2)方 法

① 備災教育教材としての調理モデルを減災・備災体験実習にて実施 ② 校内における個人食料備蓄の検討

2. 工程・スケジュール

5月上旬 決められた保存容器を用いて個人備蓄を実施

5月19,20日 減災・備災体験実習にてグループ調理を実施 (3食作成 21名参加 )

8月 25日 第一回グループ調理 オープンキャンパス来校者に炊飯袋調理および個人備蓄を紹介

(野菜ジュースを用いたパンケーキ作成・試食 参加者多数)

10月17日 第二回グループ調理 (炊飯袋調理 11名参加)

11月22日 第三回グループ調理 (竹を燃料とした炊飯 11名参加)

11月30日 第四回グループ調理 (アルミホイルを利用した炊飯 11名参加)

1月22日 備蓄食料モデルの作成(個人備蓄品“学内1日分”の評価・検討 9名参加)

体験実習

第二回 第三回

第四回

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3. 成果と5年間のまとめ ●グループ調理を通して学んだ事 減災・備災体験実習におけるグループ調理:これまでの研究成果を基に、1グループ5名とした、3学科から男女が参加しており学科構成、男女比がほぼ同じになるように編成した。一泊二日の実習内の食事構成を下記条件で設定した。今年度は強風のため、薪を使った屋外調理から屋内でのコンロ調理に急遽変更したが円滑に対応でき、いろいろな状況に応用しやすいメニューであると考えられた。 前年度との変更点 1日目夕食 飯盒と巻燃料を使っての炊飯 → 飯盒とガスコンロを使っての炊飯 大鍋と巻燃料を使っての芋煮 → グループごとに小鍋でガスコンロ調理 第一回グループ調理:今年度の体験実習で作成した炊飯袋で作るパンケーキのバリエーションを増やし、卵を使わなくてもできるパンケーキを作成。学生が手書きでレシピを作り配布した。 第二回グループ調理:炊飯袋を用いておかずとなるメニューを作成、炊き込み御飯、パスタ、に加え鶏肉の唐揚げ風味、お好み焼きを検討した。調理時間、食感、味について検討した。 第三回グループ調理:学内で剪定対象となっている竹を乾燥させ、それを燃料に炊飯を実施。φ7cm 程度の太さであれば、5節ぶんくらいで2合の炊飯は可能であった。 第四回グループ調理:オーブントースターを利用した調理モデルを検討。調理時間、作業量について検討した。 備蓄食料モデルの作成:これまでの結果をもとに、応用の聴きやすいモデル備蓄を作成する。 食材は購入・選定も実習に含め各グループごとに用意した。事前のオリエンテーションで趣旨を説明し、上記の例を参考に初日の芋煮以外は調理条件に当てはまるメニューを各グループで検討し、一人一食300円以内を目安に購入した。基本的な調味料は購入済みのものを共用で使用した。 昨年同様、食材準備に関して「決められた予算、調理器具の種類に よってグループごとに献立を決め、 食材等を準備することができるか」、 調理方法に関して「飯盒炊飯、炊飯袋など、災害 時に使える調理方法を理解し 実践できるか」、という設問を作成し達成度を調査した。達成度は4段階(0・1・2・3)で自己評価してもらった。結果は、食材準備に関しての達成度は2.6、調理方法に関しての達成度は2.4と昨年に引き続き高値であった。また、災害意識についても2.4となり達成度として十分な効果が得られたと考えられる。 炊飯袋で作るパンケーキに関しては、通常の白米を使用した炊飯体験の場合、加熱と蒸らしに40分、事前の吸水に 40 分かかってしまうが、パンケーキは加熱時間が 20 分、材料調合に5分程度と短時間で調理できるため、災害時を想定した講座等で炊飯袋調理を実施する際に有効であると考えられた。バリエショーンとして、野菜ジュース2種、豆乳を用意したが、いずれも好評であり、失敗することなく調理できるモデルである。続いて、食事のメインとなるメニューについて11名で自由に検討した。お好み焼き、唐揚げ風鶏肉、炊き込みご飯等色々な調理が行われたが、全く異なるメニューを同時進行で作成するとこれまでと異なりそれぞれの作業に集中するためコミュニケーションが生まれにくかった、ある程度方向性を揃え調理作業を分担するべきであると感じられた。 学内で、剪定対象になっている竹をストックし炊飯に使用できるか検討したところ、広葉樹の枝を剪定しストックできるサイズに切断するのに比べ、少ない労力で実施できると感じられた。竹を切り出した後、ある程度の長さに切り分ける・手ごろな大きさに割るという行為は小学校低学年でも可能であり、幅広い年齢層が体験できるであろう。 オーブントースターは、国内所有率 60〜70%といわれており多くの家庭で用いられている家電製品である。加熱時間は短時間のタイマー設定のため安全性も高く、子供でも1人で使用することができる。調理に用いたところ、炊飯に関してはアルミ椀で 0.8 合であれば調理時間としては炊飯袋と同程度で完成できた。参加者からは、同じお米を炊飯器で炊いたものに比べ、「色が白い」、「甘い」、「冷めてもおいしい」と試食した11名からコメントが得られた。アルミホイルで折り紙のように鍋を作成してのスープも作成可能であり、工夫できる要素は多いが加熱時間(待ち時間)が長いのが短所であった。 個人備蓄に関しては、ローリングストックを基本とした自身の備蓄を紹介し合うことで、各種状況での調理方法の検討を深めることができ、備蓄意識向上に有用であると考えられた。

●5年間をまとめて、グループ単位で災害時を想定した調理を行うことで、味付け・切り方・材料などをきっか

けにコミュニケーションが生まれ、そのコミュニケーションを通して、自身の災害意識が高まっていると思わ

れた。講座内で実施するにあたり、調理時間は20〜30分に抑えるべきであると感じられた。何かしらの作業中

はコミュニケーションを取りやすいが、加熱しているのを待っているだけの時間は手持ちぶさたになっている

者が多く見受けられた。今後も、減災・備災体験実習ないで引き続きタイムマネジメントが行いやすい調理モ

デルの検討は続けていく。

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活動報告:倉敷芸術科学大学

緊急避難時の行動分析(学内)の解析

代表者:水野 恭志(生命科学部 健康科学科 准教授)

分担者:松村 敬則(生命科学部 健康科学科 講師)

1. プロジェクトの概要

1)意義・目標

本学に在籍する学生の安全管理を考えること、今後の発生が懸念される南海トラフ大地震等に対する防災意識

の向上を意義とし、事業開始から継続してきた避難行動時の行動分析を精査し、本学における避難行動を再考す

ること、防災知識の向上に関する検討を本プロジェクトの目標とする。

2)方 法

昨年度まで実施した在学生対象の避難訓練を精査し検討する。また、特定非営利活動法人プラス・アーツ/公

益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンが企画・制作している防災カードゲーム「みんなで遊んでたすカ

ルテット」を用いたことが、防災意識を高めることにつながったかを学生参加学生と検討する。

2. 工程・スケジュール

平成30年6月:①過去に実施した緊急避難時の行動分析を比較・検討し取りまとめる。

②防災カードゲーム「みんなで遊んでたすカルテット」を実施するための計画と準備

内容:①昨年度実施分を継時的に精査し、比較検討する。

②防災意識を高めることができるかを検証するための方法を計画・立案し準備を行う。

平成30年6月:第18回倉敷みらい講座の開講を検討する。

内容:倉敷市総務局危機管理室の所属する防災士の方に来校いただき、防災士からみた倉敷市の現状を講演

いただくための調整を行う。

平成30年10月:倉敷芸術科学大学の学園祭において煙体験を実施。

内容:倉敷芸術科学大学の学園祭において、救急救命士を目指す学生で構成されるパラメディックサークル

と協力し、煙体験を行う。対象としては、本学に在籍する学生はもちろんのこと、学園祭に訪れた一

般市民の方も対象とし、仮設テントとスモークマシンを用いた煙体験を実践し、煙の恐ろしさを再認

識する。

平成30年12月:第18回倉敷みらい講座の開講

内容:倉敷市総務局防災危機管理室の防災士の資格を持たれたご担当者に来校いただき「大雨災害・地震か

ら命を守るために」をテーマとした講座を開講する。

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3. 成果と5年間のまとめ

【本事業で行った緊急避難時における行動分析の総括】成30年6月実施

今年度は、今まで検討してきた緊急避難時の行動分析を取りまとめることである。対象の学生を小規模なもの

から徐々に増員し、特に教員が不在の場合に学生自身がどのような避難行動をとるのかをビデオカメラ・デジタ

ルカメラで記録してきた。まず、オリエンテーションで配布されている「防災のしおり」が全く役立っていない

ことが判明した。本来であれば倒壊の危険性がある建物と距離をとったところに避難すべきであるにも関わら

ず、建物の直下で会話を始める学生も多くいることがわかった。また、エレベーターが使えない、防火シャッタ

ーが閉鎖している場合、どこから避難すれば良いのか迷い彷徨っている学生も多かった。このことから、今後の

発生が懸念されている南海トラフ大地震に備えてではないが、今一度、学内で配布されている「防災のしおり」

の内容や配布時期等を再考する必要があるということがわかった。さらに、学校敷地内に避難行動が取れる案内

表示等もないことが避難訓練に参加した学生から聞き取ることができた。

【倉敷芸術科学大学の学園祭における煙体験実施の試み】平成30年10月27日(土)・28日(日)実施

倉敷芸術科学大学の学園祭において、救急救命士を目指す学生で構成されるパラメディックサークルと協力し、

煙体験を行った。対象としては、本学に在籍する学生および学園祭に訪れた一般市民の方とし、本事業で購入し

た仮設テントとスモークマシンを用いて煙体験を実践した。なかなかできる体験ではないため、参加者からは好

評を得た。特に煙が充満することにより視界が失われ、さらには方向性も失われるため、テント内で若干の危機

感を感じたと聞いた。スモークマシンで使われる煙は無害なものを使用しているが、実際の火災の煙には有毒物

質も含まれていることから、なお注意が必要であることを伝えた。事業終了後も継続して、このような広報活動

を続け、災害に対しての意識づけを向上させる必要性を感じた。

【第18回倉敷みらい講座の開講】

平成30年12月20日(木)倉敷市総務局防災危機管理室 副主任 萩原 卓氏を

招き、「大雨災害・地震から命を守るために」をテーマに講演を頂戴した。

萩原氏は復興についても担当しており、平成30年7月豪雨についての解説が

行われ、さらには近い将来に発生するとされている南海トラフ大地震のメカ

ニズムや地震に備えるための防災知識を、動画を取り入れた解説をして頂い

た。その上で現在倉敷市が進める防災対策についてのお話、さらには花崗岩

が存在するところは土砂災害が発生しやすいこと。また、液状化現象が発生し

やすい地盤が倉敷市内には多く存在することが把握できた。

講演後には、質疑を受け付けたが、一般市民の聴講者からいくつかの質問が

なされ、それに対してもわかりやすく回答を導き出していた。

【5年間の総括】

本学で配布している防災のしおりにもとづき、学生を中心にした行動分析を行なった結果、しおりの効果が低

いことが分かったので、その記述内容を再検討すると共に、外部来校者にも非難誘導が行える標識等の掲示も今

後検討して行く。また、煙体験ハウスを経験することにより、煙の恐ろしさを再認識してこらえたことは、有意

義な経験であった。更に、NPO 法人が制作した防災カードゲームを用いて防災意識の向上を図ることができたこ

とは収穫であった。

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活動報告:倉敷芸術科学大学

プラットフォーム(東町)の運営・活用による倉敷に根差した地域文化プラットフォーム形成プロセスのまとめ

代表者:柳田 宏治(芸術学部 デザイン芸術学科 教授)

分担者:後藤 秀典、濱坂 渉、磯谷 晴弘、森山 知己(芸術学部 デザイン芸術学科 教授)

1. プロジェクトの概要

1)意義・目標

大学と地域が強く連携し、地域課題の解決や地域人材の育成を促進するため、地域内に活動拠点を設け、企業・

団体・個人等の地域コミュニティと継続的に交流と連携、教育研究活動を行う。この拠点の活用により、地域コミ

ュニティときわめて密度の濃い交流と連携を行い効果的な教育活動と大学と地域との協創関係の構築を目指す。

2) 方 法

地域連携拠点(プラットフォーム:まちなか研究室東町)について以下の運営方法を取る。

① 学生・卒業生の芸術作品制作および発表の場としての活用強化

在学生・卒業生の研究・制作や発表(展示会等)として積極的に活用する。

② 地域連携や交流の機会の増加

連続ワークショップ(染織ワークショップ、まちなかワークショップ)や、イベントなどを開催する。

③ 東町拠点の特徴を活かした独自プロジェクトの実施

美観地区内であることや、近隣にある本学施設「加計美術館」との連携を活かしたプロジェクトを行う。

④ 上記①~③の活動を通した地域住民との交流

各イベントには地域住民の参加を集い、また企画運営にも地域住民が参加。(毎月の定例会への参加等)

2. 工程・スケジュール

平成30年 4月 8日(日) まちなか研究室主催花見会(地域交流会)

平成30年 4月22日(日) 第1回染織ワークショップ「ポジャギのコースター作り&藍染1」

平成30年 5月27日(日) 第2回染織ワークショップ「ポジャギのコースター作り&藍染2」

平成30年 6月 9日(土) 第1回まちなかワークショップ「倉敷まちなか文書1~長沼眞智子氏~」

平成30年 7月22日(日) 第3回染織ワークショップ「ポジャギのコースター作り&藍染3」

平成30年10月15日(月) 第2回まちなかワークショップ「倉敷まちなか文書2~坂ノ上 博史氏~」

平成30年10月17日(水) 倉敷屏風プロジェクト 阿智神社奉納式

平成30年10月20日(土) デザイン思考ワークショップ 講師:櫛勝彦氏(京都工芸繊維大学)

平成30年10月20日(土)~ 21日(日) 屏風プロジェクト 倉敷屏風祭への参加

平成30年10月28日(日) 第4回染織ワークショップ「ポジャギのコースター作り&藍染4」

平成30年11月11日(日) 地域イベント<町家deクラス2018>参加「藍で生まれ変わる~古着の藍染め」

平成30年11月24日(土) 第3回まちなかワークショップ「倉敷まちなか文書3~大久保憲作氏~」

平成30年11月25日(日) 第5回染織ワークショップ「ポジャギのコースター作り&藍染5」

平成30年12月23日(日) 第6回染織ワークショップ「ポジャギのコースター作り&藍染6」

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3. 成果と5年間のまとめ

1) 成果

① 学生・卒業生の芸術作品制作および発表の場としての活用強化

地域連携拠点をアトリエとして活用している2名の卒業生(染織作家)が、倉敷地域の伝統から刺激を受けた作

品を制作し、さらに地域の倉敷屏風祭りで展示を行うなど作品発表の場としても活用された。

② 地域連携や交流の機会の増加

<染織ワークショップ>:地域住民や観光客との交流の機会として有効に機能した。参加者数は、合計延べ96名

であった。(第1回12名、第2回15名、第3回20名、第4回12名、第5回17名、第6回20名) <まちなかワークショップ>:地域のキーパーソンを講師としたもので、学生にとっては地域の歴史文化を深く学

ぶ機会となった。参加者数は、合計延べ29名であった。(第1回11名、第2回11名、第3回7名)

③ 東町拠点の特徴を活かした独自プロジェクトの実施 倉敷美観地区内の阿智神社の祭礼に合わせて行われる倉敷屏風祭への参加を目

標にした「屏風プロジェクト」を設け、学部生および大学院生が計7点の屏風を

制作、展示した。うち3点は阿智神社に奉納した。屏風プロジェクトをはじめ、

「藤の花プロジェクト」等、倉敷市政50周年記念事業の一環である「倉敷未来プ

ロジェクト」と連動を図ったことで、地域への貢献がより実質的なものになった。

④ 上記①~③の活動を通した地域住民との交流

自主企画ワークショップや展示会、さらに地域イベントへの参加は、学生と地域住民相互の学びの機会となった。

主なイベントと参加者は、次の通りである。屏風プロジェクト(屏風制作と倉敷屏風祭参加)<学生25名、教員

4名>、町家deクラス2018<一般参加者12名>、デザイン思考ワークショップ<学生5名>

⑤ メディアへの掲載

今年度のメディアへの掲載は、次のとおりである。テレビ/ケーブルテレビ:2件(10/12山陽放送、10/20,10/21

倉敷ケーブルテレビ)、ラジオ:1件(10/20FMくらしき)、新聞:3件(10/4,10/19,10/21山陽新聞)

2) 5年間のまとめ

地域連携拠点「倉敷芸術科学大学芸術学部 まちなか研究室東町」の活動の成果は、以下のようにまとめられる。

① 学生・卒業生の芸術作品制作および発表の場として有効に活用した 拠点をアトリエとして使用する卒業生の1人は、第11回岡山県新進美術家育成「I氏賞」大賞を受賞するなど、

地域との連携により着実に実力を高めている。また拠点は、加計美術館や隣接するギャラリーと連携し、学生の

作品発表の場として活用された。

② 地域連携や交流の機会を創出した 定例として行われたワークショップは、地域住民と学生や教員とが共に学ぶ交流の機会として有効であった。

③ 拠点の特徴を活かした独自プロジェクトが行われた 倉敷市の事業の一環としても位置付けられたプロジェクトを含め、「倉敷素隠居プロジェクト(2016,2017)」、「屏

風プロジェクト(2018)」、「藤の花プロジェクト(2018)」、「アンブレラスカイプロジェクト(2017)」や講演会「倉敷

みらい講座(2016, 2017)」、展示会「ガラス工芸展(2016,2017)」、「まちなか研究室東町活動紹介展(2017)」などが

観光地拠点の倉敷美観地区内に位置することを活かして行われた。 ④ 上記①~③の活動を通じ地域住民との交流が深まった

定例会や多様な活動に地域のキーパーソンが参加することで大学と地域との相互理解が深まり、その交流の中か

ら地域課題が浮かび上がり課題解決を目指したプロジェクトを多数創出した。このような成果から、具体的な地

域課題の発見・解決の仕組み(=地域文化プラットフォーム)として機能したといえると同時に、プロジェクト

前後に行った学生のNPS(Net Promoter Score)評価でも倉敷に対する愛着の高まりが有意な数値で示され、卒

業後に倉敷地域で職を得て地域定住することに繋がるしくみとしての有効性が期待できることを確認した。

倉敷屏風祭での展示

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活動報告:倉敷芸術科学大学

プラットフォームの運営・活用による倉敷に根差した地域文化プラットフォーム形成プロセスのまとめ

代表者:大屋 努(芸術学部 メディア映像学科 特担准教授)

1. プロジェクトの概要

1)意義・目標

大学と地域が強く連携し、地域課題の解決や地域人材の育成を促進するため、地域内に活動拠点を設け、地域

コミュニティと継続的に交流と連携、教育研究活動を行う。この拠点の活用と実践により、地域ときわめて密度

の濃い交流と連携を行い、効果的な教育活動と、大学と地域との協創関係の構築を目指す。 真備の拠点では、「まちなか研究室まび デジタル工房」としてデジタル工作機器を備え「ものづくり」を通じ

たコミュニティの形成や、老健施設内にあることを活かした密な連携で課題解決型の研究開発、ワークショップ、

地域イベント等を行い、7月の西日本豪雨災害で被災した真備地域の復興への参画・貢献を目指している。

2)方 法

平成26年度に玉島に開設した拠点(プラットフォーム)を、平成30年度より真備へ移し、以下の方法を行う。

① 地域に開かれた「ものづくり」の場としての活用

毎週1回オープン日として拠点を一般公開し、地域との交流の中で様々な取組を行う。

②「デジタルものづくり」の制作研究での活用

デジタル工作機器等を活用した様々なプロジェクトを展開し、地域との連携へと発展させる。

③ 地域イベントへの参加

地域イベント等へ積極的に参加し、地域活性化と地域発信に貢献し、地域での交流と連携を深める。

2. 工程・スケジュール

倉敷市真備の介護老人保健施設「ライフタウンまび」内に「まちなか研究室まび デジタル工房」を開設し、地

域・施設での交流・連携の中で様々な取組を継続して行う。オープン以降は原則毎週1回(土曜日13:00~16:30)

を一般公開する。また、くらしき作陽大学との連携として、余暇支援サークル「ビークル」3月のお出かけにて

コラボレーションを行う予定で準備を進めている。

・主なイベントの日程:

平成30 年 7 月22 日 「まちなか研究室まび デジタル工房」オープニング(被災により延期) ライフタウンまび

平成30 年 9 月9 日 「備中玉島みなと朝市」ワークショップ 備中玉島みなと朝市

平成30 年10 月27 日 「ポケたま・たまべえ風船」ワークショップ 第11 回 倉敷みらい講座

平成30 年11 月11 日 「たまべえ風船」ワークショップ 玉島ふるさとふれあい物産展

平成30 年12 月21 日 「たけのこバルーン・イルミネーション」点灯式 ライフタウンまび

平成31 年2 月2 日 「まちなか研究室まび デジタル工房」オープニング(再開) ライフタウンまび

平成31 年3 月9 日 「ビークル・お出かけ」スタンプラリー・工作体験 くらしき作陽大学・玉島

※それぞれの実施にあたっては、多数回にわたり、打ち合わせや試作、検証、改良を重ねる等、事前準備を入念

に行い、質の高い制作物や体験の提供を期している。

・「デジタルものづくり」を活用した主な取り組みと参加者数:

地域貢献実践・総合プロジェクト実習1の実践活動(学生16、教員1、参加者61)、第11回倉敷みらい講座(学

生76、卒業生1、教員9、一般75)、玉島ふるさとふれあい物産展ワークショップ(教員1、一般1、参加者110)、

たけのこバルーン・イルミネーション(学生 2、教員 1、卒業生 1、一般 1)、総合プロジェクト実習 2 の実践活

動・まちなか研究室まび デジタル工房 オープニング(学生9、卒業生1、教員6、参加者65)

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3. 成果と5年間のまとめ

1)成果

玉島で約3年間運営してきた地域連携拠点を今年度より真備に移転し、介護老人保健施設「ライフタウンまび」

内に「まちなか研究室まび デジタル工房」として設置し、7月22日オープニングイベントに向け準備を進めて

いたが、7月上旬の豪雨に伴う小田川とその支流の堤防決壊により真備は広範囲に浸水、施設は2階まで浸水し、

デジタル工房も完全に水没した。機材・作品・資材等は汚泥が入り込み修復は難しく使用できない状況であった。

連携先の施設では、地域の新しい三世代交流のコミュニティゾーンとして先駆的な老健施設を目指しており、

被災後の復興・再建計画を積極的に進めている。その中にあって、重要な役割を担うデジタル工房は施設内での

再開が実現し、2月2日にオープニングイベントで地域内外へ発信し、継続的な地域連携を再スタートした。

12月には「まびにあかりを」をテーマに、たけのこ型のイルミネーション(2.5m)を制作し施設に設置した。

① 地域に開かれた「ものづくり」の場としての活用

豪雨災害の被災により中断したが、2月2日の再開以降、原則毎週1回

拠点を一般公開し交流・連携を行うべく、情報発信や募集を開始している。

② 「デジタルものづくり」の制作研究での活用

拠点の特徴であるデジタル工作機器を活用し、学生が企画・制作したワ

ークショップは好評で、デジタルものづくりの探求と発信・共有が進んだ。

③ 地域イベントへの参加

地域貢献実践・総合プロジェクト実習1では、玉島の風景・ゆるキャラ・

名物がモチーフのミニキーホルダーのキット「ポケたま」を学生が企画・

デザイン・制作し、9月の備中玉島みなと朝市でワークショップを開催し

好評を博した。また、総合プロジェクト実習2では、真備・矢掛・総社版

のキットを制作し、2月2日のオープニングにて施設利用者や地域の一般

参加者へのワークショップを実施する等、地域にちなんだオリジナルの制

作物やワークショップで地域の活性化や知名度の向上へつながった。

・メディア報道等: 山陽新聞・西日本放送・岡山放送・倉敷ケーブル

テレビ(12月21日)、広報くらしき(1月号)、テレビせとうち・岡山放送・

倉敷ケーブルテレビ(2月2日)

2)5年間のまとめ

「まちなか研究室玉島 デジタル工房」は約3年間、倉敷市玉島にて「ものづくり」を中心に据え、地域との

交流の中で様々なプロジェクトを展開してきた。特に市や商工会議所等と連携し地域イベントや制作物で好評

を博し、地域活性化に貢献し一定以上の成果を得てきた。例えば、平成29年度では学生による2回のイベント

開催、地元ゆるキャラの着ぐるみ制作と公開等、地域を大いに盛り上げ、玉島でのプレゼンスを高めてきた。

また、平成30年度からは、玉島で得られた成果や知見を活かし、デジタルものづくりのニーズがある真備の

老健施設内に移転し、COC事業の補助期間終了後における拠点の継続と連携による更なる発展が可能となった。

これはCOC事業の目的である地域のニーズと大学のシーズのマッチングによる地域課題の解決、特に、今後の

最重要課題のひとつである高齢化と過疎化による地域課題の解決へコミットし研究教育を実践する大変有意義

な取り組みとなる。7月の豪雨災害で被災し中断したが、2月には再開が実現し、今後は地域・施設と深く連携

し様々な取り組みを継続して展開し、地域の復興と活性化に参画・貢献するとともに、「まちなか研究室まび

デジタル工房」だからこそできる先駆的な研究教育を目指し、拠点の運営と発展を進めていく。

オープニングでのワークショップ

たけのこバルーン・イルミネーション

「ポケたま」 ワークショップ

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活動報告:倉敷芸術科学大学

先端アートとのコラボレーション及び関連する公開講座を通しての現代アート研究のまとめ

代表者:川上 幸之介(芸術学部 デザイン芸術学科 講師)

1. プロジェクトの概要

1)意義・目標

本プロジェクトでは先端アートとのコラボレーション及び関連する公開講座を通して、市民、学生が芸術と社

会、倫理、政治の関係を理解し、地(知)の拠点としての大学が地域に社会学的想像力の契機を組み入れることを

目標としている。

2)方 法

学生はコラボレーション作品の制作を通して、芸術家の作品制作のプロセスを学び、展示を行う。また学生の

作品発表とともに、関連した公開講座を行い、地域へ向けて社会、政治、倫理的な問題を芸術を通して発信する。

この循環と相互における影響をアンケート、インタビューを通じて検討する。

2. 工程・スケジュール

1.「LGBT セクシャルマイノリティと現代アート」【講師】社会学者 広島修道大学 河口和也

【日時】:2018年7月23日(月)13時10分~14時50分 【場所】:倉敷芸術科学大学 1号館

社会学者 河口和也氏による公開講座。「LGBT セクシャルマイノリティと現代アート」セクシャルマイノリテ

ィの人々を取り巻く状況や基礎知識、歴史を学び、現代アートと今後の課題について検討した。 大学院生との

ディスカッションでは、ナン・ゴールディン、フェリックス・ゴンザレス=トレス、ポーリン・ボードリ / レナ

ーテ・ロレンツ、サイモン・フジワラを参照。美術史とは異なる視点からの作品読解を行った。

2.「子どもと貧困 アートにできること」 【講師】法政大学 社会活動家 湯浅誠【日時】12月14日(金)

13時10分~14時50分【場所】:倉敷芸術科学大学 1号館

常に前線において社会活動を行なってきた湯浅誠氏の講演と共に、芸術を通した他者への想像力を喚起し、現

在の貧困問題について、構造、歴史、その要因について地域と共に考察した。大学院生とのディスカッションで

はミカエル・カリキスの作品を通して、社会的生産の変化、テクノロジーの歴史へ影響を貧困問題と合わせて検

討した。

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3. 成果と5年間のまとめ

本プロジェクトでは現代社会に生きる人々の困難とその根源に対して、①芸術や②講座を通した問題提起、新

たな視点の獲得と解決方法の模索、それによる地域への影響と学生の作品制作への影響をアンケートを通して検

討した。また、そのために必要な③現在のアートシーンや芸術家の作品制作のプロセスを研究するため、実地調

査を行なった。

5年間の成果として①では、以下のプロジェクトが挙げられる。❶ヨシュア・オコン(Yoshua Okón メキシコ)

ポストモダン以降のアートシーン、新自由主義によって引き起こされる格差、搾取の問題

❷ミカエル・カリキス(Mikhail Karikis ギリシャ)産業、エネルギー問題 ❸ リクリット・ティラワーニャ

(Rirkrit Tiravanija タイ王国)芸術による社会的関与の方法、ニコラ・ブリオー(Nicolas Bourriaud)『関係性

の美学』(2002) ❹トーマス・ヒルシュホルン(Thomas Hirschhorn スイス) クレア・ビショップ(Clair Bishop)

氏『敵対と関係性の美学』(2004)アントニオ・グラムシ(Antonio Gramsci 1891 – 1937)紛争問題、ヘゲモニ

ー、サバルタン、陣地戦 ❺ギー・ドゥボール(Guy Debord 1931 – 1994 フランス)戦後のイデオロギー対立と

民主主義国家内における革命と芸術の関係。アートの社会変革に対しての影響。レジスタンスとアクティビズム。

❻ミヌーク・イム(Minouk Imu 韓国)倫理と政治と芸術の関係、急速な民主化と工業化、その過程で生じた軋轢や

疎外。❼サイモン・フジワラ(Simon Fujiwara イギリス 日本)ポーリン・ボードリ / レナーテ・ロレンツ

(Pauline Boudry / Renate Lorenz スイス) フェリックス ゴンザレス=トレス(Felix Gonzalez-Torres 1957 -

1996 キューバ) ナン・ゴールディン(Nan Goldin アメリカ) クィア理論と芸術の関係、性的マイノリティの

現在の状況、民主主義の矛盾 ❽ミカエル・カリキス(Mikhail Karikis ギリシャ)子供と貧困

上記作家たちと学生はコラボーレションをすることで芸術家の創造的な発想がどのように着想され、思想・社

会・科学を表象しているのかを体感した。記録の質的分析、作品を鑑賞した批評家、キュレーター、研究者から

のインタビュー、制作作業の観察記録をもとに本プロジェクトの意義とその成果を検証すると、受動的に芸術作

品を鑑賞したり、座学で理論や歴史を学ぶのとは異なり、作品の文化的・歴史的背景の特性や作品制作のプロセ

スを実体験を通じて感得し、それゆえに芸術家の言葉をより深く理解したと思われた。そのことが、より創造性

豊かな作品の制作につながったと思われる。

②では、毛利義孝氏(東京芸術大学)、譚俊偉氏(総社市多文化共生課)、難波達興氏(平和活動家)、中谷文美(岡

山大学)河口和也氏(広島修道大学)、木下誠氏(兵庫県立大学)、松村圭一郎氏(岡山大学)、湯浅誠氏(法政大

学)の協力のもと上記のテーマに関しての公開講座を行ない、地域における諸問題の根源と問題解決を共に検討

した。結果として地域へのアンケート(5択)では全てにおいて50パーセント以上の有益度を達成した。 ③では、国際展や美術館といったパブリックな場におけるアートシーンとコマーシャルギャラリーやアートフェ

アといったコマーシャルな場におけるアートシーンを調査し比較検討した。その際には全ての作品画像、映像、

展示資料を収集した。この結果、世界的に高い評価を得ているキュレーターの元で開催されるパブリックな展示

では政治的、社会的な問題を扱う作品の割合が多く、国際展では、特にそれが顕著であった。コマーシャルでは

作品の売買が根底にあるため物質的な作品が多く、モダニズムの延長としての作品が多数見られた。また購買層

は富裕層が多いため、資本主義に対する政治的な作品は扱われていることがほとんど見られなかった。この調査

をもとに、本プロジェクトの趣旨に沿った急進的であり、政治、社会、倫理といった問題を探求した作品を制作

する芸術家とのコラボレーションを行なった。

5年間のプロジェクトの研究成果を2018年12月21日に東京大学のAMSEAにおいて、発表した。また、引

き続き行うプロジェクトにおいては、2019年2月に東京大学、東京芸術大学と連携して行うこととなってい

る。また、今後、このプロジェクトに結果を論文として発表する予定である。

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活動報告:倉敷芸術科学大学

倉敷市の発達障害児支援のまとめ

代表者:五十嵐 英之(芸術学部 デザイン芸術学科 教授)

分担者:橋本 正巳(くらしき作陽大学 子ども教育学部 子ども教育学科 教授)

1. プロジェクトの概要

1)意義・目標 ◯倉敷地域に住む発達障害のある幼児の五感力育成につながる療育活動の中で、造形活動に役立つ教材・教具を研究・開発する。その教材・教具の有効性を保育士の実践に役立てられるよう提案する。 ◯デザインプロセスの中で必要な情報収集、実用化するための実験を重ねる。その一連の活動を学生が体験する。水島地域の児童発達支援センタークムレで園児のニーズに応える教具と治具を制作し、芸術に関連する社会貢献のあり方を検証する。 2)方 法 ◯児童発達支援センタークムレ(水島地域)の対象園児の療育の現場で役立つ教具及び治具のデザイン及び実践的活動を展開し、くらしき作陽大学・橋本正巳研究室との共同研究として、五感にかかわる発達理論及び支援の手立てを研究する。共同研究会全体会年間2回実施・両研究者の事前研究年間2回実施。 ◯倉敷地域の発達支援センターに役立つ教具の提供をし、「五感をはたらかせて」という活動を実践的に展開する。それらを含む五感力育成研究を学生も参加して行う。 ◯児童発達支援センタークムレの園児と保護者とを対象とした「五感をはたらかせて」療育支援活動を実施する。療育活動の現場における子ども発達に適した教材・教具を保育士へ提案。地域の公共施設を利用して、親と子が参加する活動を分析・考察する。

2. 工程・スケジュール 「倉敷地域に住む発達障害のある幼児のための五感力育成研究」 前期 ◯くらしき作陽大学・倉敷芸術科学大学 共同研究会 ・ビデオ、画像をもとに倉敷地域勤務の保育士と意見を交わし合い、活動分析等の発達支援研究を実施。 7月10日火曜日 共同研究会事前打ち合わせ 7月11日水曜日19:00〜20:30/児童発達支援センタークムレ くらしき作陽大学 倉敷芸術科学大学 合同研究会 ◯児童発達支援センタークムレを活動拠点(水島地域公共施設)とする取組。 ・療育体験をとおして発達支援に必要なアセスメント(知識と技術、対象児の個々の課題)について事前に打ち合わせ実態把握を行う。 ・療育に必要な教材・教具・治具研究 前期「五感をはたらかせて」。 第1回目 5月17日木曜日18:30〜実態把握(アセスメントに関する情報共有) 5月23日水曜日18:30〜20:00教材準備 5月24日木曜日10:30〜11:30保護者説明会(日時変更の可能性あり) 5月25日金曜日18:30〜20:00教材準備 5月26日土曜日9:00〜12:00 実施当日 第2回目 6月21日木曜日18:30〜20:00教材準備 6月22日金曜日18:30〜20:00教材準備 6月30日土曜日12:50〜16:00実施当日 第3回目7月14日土曜日12:50〜16:00(豪雨災害のため中止) 後期 くらしき作陽大学・倉敷芸術科学大学 共同研究会 ・ビデオ、画像をもとに倉敷地域勤務の保育士と意見を交わし合い、活動分析等の発達支援研究を実施。5年間の振り返り。 12月12日水曜日8:00〜10:00事前打ち合わせ くらしき作陽大学 12月19日水曜日19:00〜20:30/児童発達支援センタークムレ くらしき作陽大学 倉敷芸術科学大学 合同研究会 ◯児童発達支援センタークムレを活動拠点(水島地域公共施設/複数箇所)とする取組。 ・療育体験をとおして発達支援に必要なアセスメント(知識と技術、対象児の個々の課題)を行い、実態把握に努める。 ・療育に必要な教材・教具・治具研究 後期「五感をはたらかせて」。

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第4回目 9月25日火曜日18:00〜20:00 事前打ち合わせ 9月27日木曜日18:30〜20:00 教材準備 9月28日金曜日18:30〜20:00 教材準備 9月29日土曜日9:00〜12:00 実施当日 第5回目 12月3日月曜日14:00〜16:00 事前打ち合わせ 12月5日水曜日 教材準備 18:30〜20:00 12月6日木曜日 教材準備 18:30〜20:00 12月7日金曜日 教材準備 18:30〜20:00 12月8日土曜日12:50〜16:00 実施当日 3. 成果と5年間のまとめ

・2014年度より始まったCOC関連事業五感力育成研究であるが、準備期間を経て2015年度玉島児童発達支援センターをフィールドに活動を展開し始めた。1 年目はデザイン思考及び発想法を取り入れた療育の手立てについて、計画的に取り組んだ。以前五十嵐が取り組んできた五感・授受研究の成果である交叉対面型相互描画法及び機能性粘土を用いて療育活動の中で、園児のニーズに応じた活用法を提案した。倉敷芸術科学大学の学生たちはカリキュラムに位置付けられた授業の中で活動を展開し始めた。児童発達支援センター内に、個室を準備していただき、その中で選出された園児たちへの療育を事前に計画した五感力育成研究の内容に基づいて実施した。共同研究会ではくらしき作陽大学の学生たちとの意見交換などで、次の活動への発想を広げたりすることができた。またくらしき作陽大学橋本正巳教授による活動の分析では、障害のある幼児との関わり方などについてアドバイスを受けることができた。学生たちは展開する活動の中で新しい教具をデザインする際、その内容を教具デザインに織り込んできた。発達支援のための関わり方についても、学生たちは橋本正巳教授から多くのことを学び、自ら製作した教具を用い質的に高い療育活動ができた。 ・2016年度はさらに教具の研究に深みが出てきた。玉島児童発達支援センターでの活動場面で、使用する教具について学生自らが発想し、製作した教具を用いて療育活動が展開した。年度に2回のくらしき作陽大学での共同研究会で得られるアドバイスを有効に活動の中へ取り込んでいた。二つの大学が共同で研究することにより幅広い情報が共有でき、特別支援教育分野と芸術デザイン分野との両校の特徴が五感力育成研究の中で様々な成果として現われていた。 ・2017年度からは、研究フィールドを玉島から水島に移した。児童発達支援センタークムレでの活動が始まった。 活動内容については、2015年度、2016年度に培った教材教具のデザインのノウハウを引き継ぎながら、さらに園児たちのニーズに的確に応える教材教具の提案を行った。特に、児童発達支援センタークムレは、親子の関係(愛着形成)や地域で暮らすための場との関係づくりとして、五感力育成研究の取り組みを位置付けようと試みられた。そのため活動場所は公共施設が選ばれたり、親と子が参加することが条件としてあげられるようになった。五感力育成研究2017年度は「五感力:造型活動をとおして 」2018年度は「五感をはたらかせて楽しむ」が実施された。2017年度は「五感力:造型活動をとおして」という表現を用いて活動を展開していた。その年の保護者の中には作品の完成度の高さを強く意識される方が見られた。これは大切なことの一つではあるが、療育の視点からすると、それよりもさらに大切な要素として、個々の発達課題に目を向けて活動することが望まれた。2018年度は「五感をはたらかせて楽しむ」と名称が変更され、完成品のみではなく活動のプロセスを楽しまれる子どもと保護者が多くおられた。良き造形作品づくりから、活動の中で起きる出来事に目を向けられる保護者が増えていることを読み取ることができた。くらしき作陽大学での共同研究会では、提供した教具のあり方や親と子の行動を分析する中で、そのような変化は教具デザインでの機能性を考える際に想定していたことであると報告された。橋本正巳教授からはその成果が現れたと評価された。目標であった倉敷地域に住む発達障害のある幼児の療育活動の中で大変役立ったと言える。またその教材・教具は実際の療育場面で日常の療育活動でも役立てられている。 大学での芸術研究の中にある絵画表現研究のことや素材研究が、発達障害のある幼児の発達支援のために有効な要素を含んでいることは、この取り組みの前よりわかってはいた。しかし、倉敷地域の児童発達支援センターで実際に幼児と関わりながら教具をデザインすることで確信が得られた。特に障がいがあると診断された幼児の一人ひとりのニーズに対応できるデザインについてはさらに研究を進めることにより、より進展することも確認できた。本学においては教育職員になることを目指す学生がいる。その学生にとっては特別支援教育などで役立つ体験となったことも大きな成果である。 ・5年間取り組んできた活動であるが、今後引き続き倉敷地域で継続して五感力育成研究を進める予定である。特に児童発達支援センタークムレは、法人として様々な事業所を運営されている。さらに多様なニーズに応えられる研究も考え始めている。本研究としては別の文脈にある芸術研究が、療育や特別支援教育、医療の文脈にある研究へと関連し社会貢献に成果をあげた、その一つの事例として残すことができる。

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(4)「社会貢献」分野

社会貢献

活動報告:くらしき作陽大学

第20回「倉敷みらい講座」&若衆・町衆フォーラム

「くらしき若衆」が倉敷のまちを元気にする!―倉敷で学び、倉敷で活かす、私たちの成果―

代表者:竹内 京子(COC事業推進責任者)

分担者:佐藤 大介(子ども教育学部 子ども教育学科 講師) 1. プロジェクトの概要

1)意義・目標

くらしき若衆育成プログラムにおいて「小若」に認定された学生たちが「中老」認定に向け、地域貢献活動の更なる理解、課題等についての研究発表を行う。「中老」認定者には認定証を授与。

2)方 法

くらしき若衆「中老」認定証の授与式を執り行い、後半で「中老」認定者による研究発表を4チームに分かれ行う。最後に講評者より講評を頂戴する。

2. 工程・スケジュール ・日 時:平成30年3月13日(火) 10:00~12:00 ・会 場:くらしき作陽大学 6号館102室 ・発表者:池上里美・尾﨑留奈・多田羅美咲・挾間美智・常保千菜都・河内美春・

立石亜利沙(食文化学部 現代食文化学科3 年)、田川篤志(食文化学部 栄養学科 3 年)、岡本実子・岡本真実(子ども教育学部 子ども教育学科3年)

・講 師:大橋俊文(倉敷市 企画経営室)、藤田哲彦(倉敷市 教育委員会指導課)、浅原真弓(玉島おかあさん会)

3. 成果と5年間のまとめ

参加者は36名、うち15名が一般市民であった。下記のアンケート集計結果に提示したとおり、本講座の学生発表に対し、学生の成長が読み取れたという意見が82%、また、発表内容より学生の活動が地域貢献活動に繋がっているとする回答が86%と、非常に前向きな意見が見受けられた。このことから、学生発表により地域貢献活動の認知や理解に繋がることが読み取れる。

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社会貢献

活動報告:くらしき作陽大学

第1回「倉敷みらい講座」赤ちゃんのための“体験する人形劇”『 みずのなかのたまべえ 』

代表者:浅野 泰昌(子ども教育学部 子ども教育学科 講師)

1. プロジェクトの概要

1)意義・目標

本講座は、COC事業における「倉敷アートスタート研究プロジェクト」の中の本学の担当である「学びはじめのアートスタート」に関するものであり、体験型乳児向け舞台芸術の有用性についてさらなる検証を行うものである。

2)方 法

くらしき作陽大学子ども教育学部附属児童文学部ぱれっとが、これまでの成果と実績をもとに、体験型乳児向け舞台芸術の制作と上演を行い、乳児を持つ保護者を対象としたアンケート調査を実施している。

2. 工程・スケジュール ・日 時:平成30年5月19日(土)10:30~11:00、13:30~14:00 平成30年5月20日(日)10:00~11:00 ・会 場:倉敷市玉島文化センター 展示室 ・出演者:くらしき作陽大学子ども教育学部附属児童文学部ぱれっと

・演 出:浅野 泰昌(子ども教育学部 子ども教育学科 講師)

3. 成果と5年間のまとめ

参加者は2日間合計が34人で、うち一般市民は19名であった。

下記に示すアンケート集計結果より、舞台芸術の体験は子どもにとって有効という意見が84%と高く、また、

自由記述では、「子どもの反応がいつもより豊かだったので、成長において演劇なども必要だと思いました」とい

う意見も多く、本講座の意義・目標が参加者に伝わったことが読み取れた。

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社会貢献

活動報告:くらしき作陽大学

第2回「倉敷みらい講座」倉敷アートスタート研究・講演&シンポジウム

~乳児向け舞台芸術の今日的価値と展望~

講師・司会:浅野 泰昌(子ども教育学部 子ども教育学科 講師) 1. プロジェクトの概要

1)意義・目標

第1回の上演に付随した乳児向け舞台芸術の最前線をお伝えし、地域づくりや社会包摂に果たす役割について考察していく。またシンポジウムではこの人形劇に取り組んできた学生の気づきや学びの報告、保育者・教員養成に果たす乳児向け舞台芸術の有用性について考えていく。

2)方 法

くらしき作陽大学子ども教育学部附属児童文学部ぱれっとが、これまでの成果と実績をもとに、体験型乳児向け舞台芸術の制作と上演を行い、乳児を持つ保護者を対象としたアンケート調査を実施している。

2. 工程・スケジュール ・日 時:平成30年5月20日(日)11:30~13:00 ・会 場:倉敷市玉島文化センター 展示室 ・発表者:浅野 泰昌(子ども教育学部 子ども教育学科 講師)

3. 成果と5年間のまとめ

参加者は15名で、アンケート回収率は100%となった。

下記に示すアンケート集計結果より、地域貢献活動に対する理解、関心が93%と高い評価となり、本講座の魅

力が地域貢献活動への興味や理解に繋がったことが読み取れた。

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社会貢献

活動報告:倉敷芸術科学大学

第3回「倉敷みらい講座」地域社会人の仕事 ―「豊かさの本質×かわいい」をデザインせよ!-

代表者: 辻 信行 氏(有限会社 くま 代表取締役)

分担者: 近藤 研二(芸術学部長 メディア映像学科 教授)

1. プロジェクトの概要

1)意義・目標

アートを通じ、倉敷に根差した地域文化の発展に寄与することを目的とし

て、まちなかに開設したプラットフォームを活用しており、その関連で倉敷

を支える人材について考える機会を作る。

2)方 法 まちづくり、ものづくり、ひとづくりを実践し、地域資産を大切にする豊

かな心を育てることに尽力されてある著名人を講師として招聘し、広く一

般市民及び観光客が集まりやすい倉敷公民館で開催する。

2. 工程・スケジュール ・日 時:平成30年5月25日(金) 14:00~15:30 ・会 場:倉敷公民館大ホール ・講 師:辻 信行 氏 (有限会社 くま 代表取締役)

3. 成果と5年間のまとめ 91 名の参加者があり、72%が倉敷の豊かなまちづくりに貢献したいとの回答を得た。これまで 3 人の外部講師によるプラットフォームとまちづくりに関する講演を開催してきた。その中でプラットフォームを拠点としたアート活動が、地域活性化について様々な面でプラスに働いていることが確認でき、その存在価値を認識できたことは収穫であった。

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社会貢献

活動報告:くらしき作陽大学

第 4 回「倉敷みらい講座」 倉敷の街に音楽を届け続ける学生の学びと育ち

代表者:竹内 京子(大学院音楽研究科長 音楽学部長 教授)

分担者:新名 俊樹(音楽学部 音楽学科長 准教授)

1. プロジェクトの概要

1)意義・目標 くらしき作陽大学音楽学部生、大学院生は2016年度よりCOC事業「倉敷みらい講座」において学生主体の音楽演奏会を行ってきた。音楽を通した地域貢献活動の成果を、演奏および口頭発表で学びを体現することで今後の発展に繋げていく。

2)方 法 プレゼン資料を用いた学生による口頭発表及び、ピアノや管楽器などの様々

な形態による発表を行い、またアンケートの実施により地域住民の意見を聴取し、改善点や今後の目標を探る。

2. 工程・スケジュール ・日 時:平成30年5月26日(土)14:00~15:30 ・会 場:倉敷市立美術館エントランスホール ・発表者:ピアノ/大学院 1年 堺恵菜、同2年 坂本穂波

音楽学部音楽学科2年 中本千裕 クラリネット/大学院2年 吉﨑仁香 ユーフォニアム/音楽学部2年 安東健 フルート/音楽学部3年 安東花奈

3. 成果と5年間のまとめ 参加者27名のうち一般市民の参加は15名であった。下記アンケート結果の示す通り、内容的には満足度の高

さを表し、分かりやすさにおいても高評価を得られたものとなった。 毎回を通じて「生の演奏を間近で聴けること」に一般市民の関心度が集中し、また選曲においても分かりやす

く親しみのあるものとなっていることに好感を寄せられたものとなった。 今後の活動に引き続き期待を寄せられていることを実感でき、学生にとっても励まされる内容であったと言え

る。

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社会貢献

活動報告:倉敷芸術科学大学

第5回「倉敷みらい講座」続・南海トラフ巨大地震に備える

代表者: 萬代 忠勝(生命科学部 生命科学科 教授)

1. プロジェクトの概要

1)意義・目標

いつ発生するか分からない地震や風水害に対し、日頃の心構えの大切さに

ついて新しい切り口で考察し、プラス思考で未来を創り上げることを促す。

2)方 法

担当教員が専門的知見を踏まえ、これまでのオープンデータを整理し、特

に正常性バイアスに焦点を当てた講演を行う。広く一般市民が集まり易い倉

敷市の中心である倉敷公民館を会場とする。

2. 工程・スケジュール

・日 時:平成30年6月14日(木) 14:00~15:30

・会 場:倉敷公民館 第2会議室

・講 師:萬代 忠勝 (生命科学部 生命科学科 教授)

3. 成果と5年間のまとめ 参加者は29名と少なかったが、このうち一般市民が19名であった。95%が有益であったとの回答で好評であった。これまで当該教員による講演は 3 回開催してきたが、いずれも 90%以上有益であった旨の評価が得られ、講座を受けた後の備災・減災による意識の変化が 80%以上確認でき、学内のみならず地域住民への意識高揚につながった。

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活動報告:くらしき作陽大学

第6回「倉敷みらい講座」災害食コンシェルジュプログラム

代表者:岩崎 由香里(食文化学部 現代食文化学科 講師)

分担者:額田 眞規子(食文化学部 現代食文化学科 教授)

渡邉 和子 (食文化学部 現代食文化学科 准教授) 1. プロジェクトの概要

1)意義・目標

発災時の混乱時での食事提供において、長期にわたる避難所生活を見通した準備が必要であり、高齢者・病人・障害者・乳児などの災害弱者に向けての食支援が必要となることで、そのシミュレーションを展開していく。

2)方 法

実際の災害時を想定したシミュレーションを大学と他団体及び地域住民とで連携して行い、炊き出しの試食も提供したのち、消防関係者・防災関係者の講話、アンケートを実施。

2. 工程・スケジュール ・日 時:平成30年6月19日(火) ・会 場:くらしき作陽大学 図書館前 5号館1階107・114教室 ・参加学生:食文化学部 現代食文化学科学生

3. 成果と5年間のまとめ

58名の参加者のうち、14名が一般市民であった。

下記に示すアンケート集計結果より、災害時の意識について、今後対策に取り組もうと思う意見が64%となっ

ており(既に取り組んでいる意見を除く)、本講座が災害への意識を高めたことが読み取れる。また、自由記述で

は「災害体験をしたことがなかったためよく知らなかったが、今回のシミュレーションで災害時の流れ等が少し

理解でき、どうするべきか考えさせられました」という意見があり、災害時シミュレーションの必要性、効果性

が改めて確認できた。

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活動報告:くらしき作陽大学

第7回「倉敷みらい講座」SAKUYO STRING ENSEMBLE 作陽弦楽合奏団演奏会

代表者:竹内 京子(大学院音楽研究科長 音楽学部長 教授)

分担者:江島 幹雄(音楽学部 特任教授) 1. プロジェクトの概要

1)意義・目標

倉敷を拠点に活躍する卒業生を中心とした若手演奏家をアソシエイツとして、学生たちが弦楽合奏による音楽活動を実践的に学び、音楽を通した地域貢献活動を継続できる力を養う。そして、地域の音楽お行こうかに寄り添った演奏会を開催するための方策を運営面からも学ぶ。

2)方 法

バロックから古典派音楽までの楽曲を用いアンサンブルの基礎編として主にボーイングおよびフィンガリングの諸課題と楽曲の分析について学んだ成果をJ.S.バッハ作曲ブランデンブルク協奏曲を通して発表する。さらに高度なアンサンブルの学修成果をバルトーク、レスピーギの作品を通して発表する。

2. 工程・スケジュール ・日 時:平成30年7月19日(木) 18:45~20:30 ・会 場:くらしき作陽大学 3号館聖徳殿 ・出演者:江島 幹雄(指揮)・森 圭吾(フルート)・長坂 拓巳(ヴァイオリン)

竹内 京子(チェンバロ)・作陽弦楽合奏団

3. 成果と5年間のまとめ

250名が参加し、うち72名が一般市民であった。

アンケートの回収率は31%と低めではあったが、一般市民の聴衆全員から回収することができた。

下記のアンケート結果からも分かるように、今回のプログラムや演奏会内容はマイナスな回答はなく、かなり好

評であり、自由記述でも「是非またこのような演奏会を開催して欲しい」など、継続開催を希望する声が多かっ

た。このことより、音楽による地域貢献の取組みの需要が高いことが読み取れる結果となった。

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社会貢献

活動報告:倉敷芸術科学大学

第8回「倉敷みらい講座」LGBT-セクシャルマイノリティ

代表者: 河口 和也 氏 (広島修道大学 人文学部 教授)

分担者: 川上 幸之介 (芸術学部 デザイン芸術学科 講師)

1. プロジェクトの概要

1)意義・目標 現代アートがどういう社会的役割を果たせるか研究を進めているが、その一環として、セクシャルマイノリティの人々を取り巻く状況や歴史について専門家から話を聞き、人権問題と現代アートの関わりについて考察する。

2)方 法

多様な性と社会問題を研究している著名な学者を招聘し、学生との対談も

行うことで、多様性について身近に感じる講演を学内で開催する。

2. 工程・スケジュール

・日 時:平成30年7月23日(月) 13:10~14:40

・会 場:倉敷芸術科学大学 1号館

・講 師:河口 和也 氏 (広島修道大学 人文学部 教授)

3. 成果と5年間のまとめ

参加者は86名であり、81%が有益であったとの回答で好評であった。これまで現代アートと社会問題の関係を扱った講演は 5 回開催し、外国からも講師を招聘することもありやや難解な内容もあったが、毎回 70%以上の参加者から芸術には、より良い社会を創造する役割があると評価を頂き、文化の拡大につながった。

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活動報告:倉敷芸術科学大学

第9回「倉敷みらい講座」倉敷発!大学生まちづくりプラン

代表者: 小山 悦司 (産業科学技術学部長 経営情報学科 教授)

分担者: 黒田 明雄 (産業科学技術学部 経営情報学科 講師)

1. プロジェクトの概要

1)意義・目標 平成 27 年よりスタートした「くらしき若衆」育成プログラムに関する必修科目である「倉敷と仕事」の中で実施するフィールドワークを通し、まちづくりに 関する提案を学生目線で整理し、発表を行う。更に聴講者との意見交換を実施することで、目指すべき人材の育成を図る。

2)方 法 対象の学生約90名を15班に分け事前に発表会を行い、5班選抜しそれぞ

れの班がプレゼンを行う。更に、倉敷市企画経営室との意見交換により学生に多角的考えを体得させる。

2. 工程・スケジュール ・日 時:平成30年7月25日(水) 13:10~14:40 ・会 場:倉敷芸術科学大学 1号館 ・講 師:生命科学部1年次生30名、大橋 俊文 氏 (倉敷市 企画経営室 主幹)

3. 成果と5年間のまとめ 参加者は102名であり、78%が有益であったとの回答で好評であった。これまで学生目線による倉敷市のまちづくりに関する提案を4回発表してきた。毎回高い評価を得ており、プレゼンの質も年々向上し、倉敷市の活性化に資する提案について倉敷市と議論してきたことは、学生のモチベーション向上につながり人材育成の一環を担う事ができた。

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活動報告:倉敷芸術科学大学

第10回「倉敷みらい講座」未来のまちの姿を選択する

代表者: 中村 泰典 氏 (NPO法人 倉敷町家トラスト 代表理事)

分担者: 坂本 尚史 (危機管理学部長 危機管理学科 教授)

1. プロジェクトの概要

1)意義・目標

倉敷市の景観についての条例、歴史、その維持のためにどういう活動が行

われているかその実情を知ることで、これからの倉敷市中心街のまちの姿を

どうすべきか考え、具体的行動を起こすきっかけ作りを目指す。

2)方 法

COC事業と関わりが深い町家トラストから町づくりの専門家を講師として

招聘し、倉敷市の中心街にある倉敷公民館にて、広く一般市民の方を集め講

演を頂く。

2. 工程・スケジュール

・日 時:平成30年9月27日(木) 14:00~15:30

・会 場:倉敷公民館 第2会議室

・講 師:中村 泰典 (NPO法人 倉敷町家トラスト 代表理事)

3. 成果と5年間のまとめ

参加者は一般市民36名を含む42名の参加者があり、93%が有益であったとの回答で大好評であった。これまで当該講師での講演は2回開催してきた。大変分かり易く身近に感じる内容であり、倉敷みらい講座の目的であるQOCを高めることにつながったと確信する。

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活動報告:倉敷芸術科学大学

第11回「倉敷みらい講座」まちなか研究室とデジタルものづくり

代表者: 大屋 努 (芸術学部 メディア映像学科 特担准教授)

分担者: 藤澤 稔 (芸術学部 デザイン芸術学科 非常勤講師)

1. プロジェクトの概要

1)意義・目標

平成26年12月より玉島地区において開設した「まちなか研究室玉島 デ

ジタル工房」での取り組み内容や制作品を知ってもらうことで、プラットフ

ォームが如何に地域との交流を深め、町づくりに貢献しているか発信する。

2)方 法

一般市民が多数集まる大学祭の中で、玉島のゆるキャラをモチーフにし

た、たまべえ風船やミニキーホルダーを制作するワークショップを行うこと

で、デジタルものづくりの楽しさを体感してもらう。

2. 工程・スケジュール

・日 時:平成30年10月27日(土) 10:00~17:00・会 場:倉敷芸術科学大学 厚生会館・講 師:大屋 努 (芸術学部 メディア映像学科 特担准教授)

3. 成果と5年間のまとめ参加者は一般市民76名を含む109名の参加者があり、91%が展示物や作品へ興味を感じてもらい大変好評であ

った。これまで当該講演は3回連続で開催してきた。地域での拠点活動に対する期待は大きく、地域活性化へつながることが確認できた。

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活動報告:くらしき作陽大学

第 12 回「倉敷みらい講座」五感力育成研究 気になる子どもの理解と支援

~インクルーシヴな社会を目指して~

代表者:橋本 正巳(子ども教育学部 教授)

分担者:永井 祐也(子ども教育学部 講師)

若井 暁 所長・籠田 桂子 副所長(ながおキッZ児童クラブ)

1. プロジェクトの概要

1)意義・目標 本講座では放課後児童クラブの実践報告を通じて、学生から見た被災地での子

ども達との関わり方、気づき等の報告を行うことで、学生のみならず地域住民や子ども達と関わる仕事に携わる関係者とが一体となってよりよい支援の在り方を深めていくことを目標とする。

2)方 法 実践報告を踏まえた内容をもとにグループワークを実施し、それに対して指導

助言をいただく事でより理解を深めていく。

2. 工程・スケジュール

・日 時:平成30年10月30日(火) 9:30~11:00 ・会 場:くらしき作陽大学 6号館5階509教室 ・実践報告:久保田 将平(子ども教育学部3年)

小谷 くみこ(ながおキッZ児童クラブ)

3. 成果と5年間のまとめ

参加者は74名で、うち48名が一般参加者と多くの参加となった。

下記のアンケート集計結果より、本講座を受講した98%の参加者が満足しているという高評価が見て取れる。

これは、自由記述で「学生さんの発表が大変素晴らしく子どもを受け止めるという事が心に響きました」という

意見や「学生さんの視点が素晴らしい」という意見があり、本学学生に好感が寄せられたとともに、本講座から

五感力育成に対する興味、関心が高まった。

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活動報告:くらしき作陽大学

第13回「倉敷みらい講座」倉敷アートスタート研究 関連公演

ぱれっと10周年記念公演

代表者:浅野 泰昌(子ども教育学部 子ども教育学科 講師) 1. プロジェクトの概要

1)意義・目標

くらしき作陽大学子ども教育学部附属児童文化部ぱれっとは、学部の教育機関として、保育者・教育養成と地域子育て支援活動を一体的に行うことを目的に活動を行っている。今年度で結成10周年を迎え、これまでに480回の公演を行っており、今回は10周年を祝し、ぱれっとの代表的な演目をまとめて公演する。

2)方 法

くらしき作陽大学子ども教育学部附属児童文学部ぱれっと劇団員による人形劇の公演

2. 工程・スケジュール

・日 時:平成30年11月4日(日)10:30~12:00 ・会 場:くらしき作陽大学 1号館122室 ・出演者:くらしき作陽大学子ども教育学部附属児童文学部ぱれっと ・演 出:浅野 泰昌(子ども教育学部 子ども教育学科 講師)

3. 成果と5年間のまとめ

本公演参加者は46名とほぼ定員となり大盛況であった。

下記に示すアンケート集計結果より、子ども達なりに理解したと思う参加者が81%と高く、子ども達が公演に

興味を持っていたことが読み取れる。自由記述では、「演者が生き生きとしていて、乳幼児も引き込まれると思う。

話が分からなくても、演者の表情や息遣い、人形の細かな動きから伝わるものがあると思いまして」という意見

があり、話しの内容だけでなく、演者の技量も伝達性に繋がるという事が新たに発見できた。

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活動報告:くらしき作陽大学

第14回「倉敷みらい講座」アートスタート研究 関連シンポジウム

保育者・教育養成における創造的集団活動の意義と展望

~卒業生による保育・教育現場からの報告を通して~

代表者: 浅野 泰昌(子ども教育学部 子ども教育学科 講師) 1. プロジェクトの概要

1)意義・目標

くらしき作陽大学子ども教育学部附属児童文化部ぱれっとは、学部の教育機関として、保育者・教育養成と地域子育て支援活動を一体的に行うことを目的に活動を行っている。児童文家財の制作と上演を切り口としたアクティブラーニング、サービスラーニングに学年を越えて取り組み、数多くの上演をこなす中で、保育者・教員等を輩出。今回のシンポジウムでは、実際に保育・教育の現場で勤務する卒業生による報告より、学生劇団という学びの共同体の意義について考察する。

2)方 法

担当講師によるこれまでの活動についての報告後、4人のパネリストによる口頭発表や助言者による指導・助言等を行う。

2. 工程・スケジュール

・日 時:平成30年 11月 4日(日)13:30~15:00 ・会 場:くらしき作陽大学1号館122室 ・パネリスト:靏谷 二葉(ぱれっと1期生・特別支援学校教諭)

中野 広大(ぱれっと3期生・小学校教諭) 芝勢 恭子(ぱれっと5期生・幼稚園教諭) 遊佐 香保里(ぱれっと6期生・保育士)

指導・助言者:渡邊 祐三(社会福祉法人橘会 御南第二保育園 園長) 林 直人(くらしき作陽大学 子ども教育学部長)

3. 成果と5年間のまとめ

参加者は34名で、うち12名が一般参加者であった。

アンケートの集計結果より、本講座の参加者は 10~30 代の比較的若年層の参加が多かったことが見受けられ

る。そのため自由記述では、「自分の学生時代を思い出しながら、照らし合わせながら参加させていただきました。

これからも現場で一人ひとりの子供たちに向き合っていきたいです。」といった意見等が多く、現在勤務している

保育者・教育者、これから保育者・教育者になる学生等に今後の課題等を考えさせる結果となった。

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社会貢献

活動報告:倉敷芸術科学大学

第15回「倉敷みらい講座」COC事業最終成果発表会

代表者: 妹尾 護 (倉敷芸術科学大学 COC事業推進責任者)

竹内 京子 (くらしき作陽大学 COC事業推進責任者)

1. プロジェクトの概要

1)意義・目標

平成26年にスタートしたCOC事業は今年度が最終年度となり、これまでの事業内容とその成果、並びに次年度以降の取り組みについて、外部評価委員、学内関係者、及び一般市民に報告し、総まとめを行う。

2)方法

代表教員による発表を踏まえ、産学官それぞれの機関の代表者と教員による 「COC事業が生み出したものと今後」のテーマで、ディスカッションを行う。 また、これは2大学の合同FD/SD研修会とする。

2. 工程・スケジュール ・日 時:平成30年11月26日(月) 13:35~14:40 ・会 場:ヘルスピア倉敷 ・講 師:妹尾 護 (倉敷芸術科学大学 COC事業推進責任者) 竹内 京子 (くらしき作陽大学 COC事業推進責任者)

3. 成果と5年間のまとめ

参加者は一般市民 21 名を含む 94 名の参加者があり、90%が内容は分かり易く、有益であった旨の高い評価を得た。特にパネルディスカッションの質の高さに関する声が多かった。毎年度、状況に応じた成果発表会を開催し、その都度外部評価委員からの的確なご意見を頂き、COC事業の方向性の軌道修正を図り、その積み重ねの結果が最終成果発表会に結び付き、地域コミュニティの質向上に資することができた。

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【パネルディスカッション】 テーマ:COC事業が生み出したものと今後 司会:坂本 尚史 (倉敷芸術科学大学 危機管理学部長 COC事業社会貢献部門長) パネリスト:秋山 剛 氏 (倉敷市 くらしき移住定住推進室長) 沖 陽子 氏 (岡山県立大学 副学長 COC+事業責任者) 大久保 憲作 氏 (クラモク代表取締役会長) 妹尾 護 (倉敷芸術科学大学 COC事業推進責任者)

竹内 京子 (くらしき作陽大学 COC事業推進責任者)

パネリストのコメント要旨について下記に示す。 秋山 剛 氏 倉敷市役所でのインターンシップを通し見えてきたものは、チャレンジし自分の能力を伸ばした学生は多かっ

たが、学生には地元企業のPRが届いていないと言うことであった。倉敷市としても工夫していく。 沖 陽子 氏 これ迄の実績に敬意を表したい。「くらしき若衆」プログラムはすばらしい。ネーミングも良く学生にとってモ

チベーションが上がるプログラムである。本学としては「地域創生推進士」と称し、3 年次生への授与制度とし

ている。定量目標に対し実績が寂しいとのことだが、要は質の問題だと思う。卒業後「くらしき若衆」が実社会

でどういう役割をこなすかが重要。学内の温度差がある旨の説明があったが、本学も同じ状況である。ただ、そ

の改善施策としてCOC+ニュスレターを2ヶ月に1回、学内に向かって配布し、学部教授会で説明もしている。

また、文科省から担当者を招聘し、その内容を説明することで効果がでてきいている。補助期間終了後、自走す

る必要があるが、教育部門は授業カリキュラムで維持できるが、研究、社会貢献は違った形で取り組む必要がい

るのでは。例えば大学コンソーシアムと連携するのも一つではないか。また、長期インターンシップ参加に取り

組んでいるが、その前後で学生の人間力は明らかに向上していることが見える。 大久保 憲作 氏

5 年間の活動に対し敬意を示す。いろんなことを行ってきたことが分かった。臨鉄ガイドブックは両大学と地

元の小中高、地域との共同制作で大変好評であった。地域課題(ビジネス振興)解決に対する、具体的成果である。

倉芸大卒業生が開設しているLAID-BACK DESIGN事務所は、一つの知恵の集団。 また、くらしき若衆が地元就職することを希望する。そのために長期に亘るインターンシップは重要。その前後

による学生の変化率が大学の固有の価値となる。 竹内 京子(COC事業推進責任者) 貴重なご意見に対し感謝を申し上げる。インターンシップがこれまで以上に発展するよう努力する。

妹尾 護(COC事業推進責任者) 「くらしき若衆」プログラムの中でも、インターンシップは重要視している。卒業後の「くらしき若衆」の評

価をフィードバックし、地域に根付かせ地元就職向上につなげたい。

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【成 果 発 表】倉敷芸術科学大学 COC事業推進責任者 妹尾 護

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【成 果 発 表】くらしき作陽大学 COC事業推進責任者 竹内 京子

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社会貢献

活動報告:倉敷芸術科学大学

第16回「倉敷みらい講座」若衆・町衆フォーラム

代表者: 小山 悦司 (倉敷芸術科学大学 産業科学技術学部長)

倉敷芸術科学大学 学生7名、くらしき作陽大学 学生6名

1.プロジェクトの概要

1)意義・目標 平成 28 年に初めて「くらしき若衆」の最初のステップである小若が誕生して以来、その活動内容を学内関係者のみならず一般住民の前で発表してきた。今回も対象の学生たちが、様々なテーマでプレゼンを行い町衆との意見交換を図る。

2)方法

両大学各学部の代表「くらしき若衆」がポスターを使用しての発表を、外部評価委員他聴衆者の前で発表を行うと共に、今年度初めて誕生した「くらしき若衆」の最高位である宿老に倉敷市代表者から認定書を授与して頂く。

2.工程・スケジュール

・日 時:平成30年11月26日(月) 14:45~16:00 ・会 場:ヘルスピア倉敷 ・講 師:小山 悦司 (倉敷芸術科学大学 産業科学技術学部長)

倉敷芸術科学大学 学生7名、くらしき作陽大学 学生6名

3.成果と5年間のまとめ

参加者は一般市民21名を含む92名。100%が学生の情熱、活力が伝わったと非常に高い評価であった。また、宿老認定式は広報くらしきにも取り上げられ、倉敷市内への認知度が広まることで学生たちのモチベーション向上にもつながった。年々プレゼンの質が向上すると共に、趣向を凝らしたプログラムを展開することで、学生たちの成長が見られる大変良いイベントであった。

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【倉敷芸術科学大学 ポスターセッション】

経営情報学科3年 花田 昌樹

生命科学科3年 米津 良志久、経営情報学科3年 山村 秀斗

メディア映像学科4年 本谷 咲稀、中村 涼風、芳野 俊介、山中 優果

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【くらしき作陽大学 ポスターセッション】

音楽学科2年 光田 有沙

現代食文化学科4年 土居 七海、中山 由梨

子ども教育学科4年 水原 麻衣、仙波 万季、1年 魚谷 祥太

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【宿老認定式】

倉敷芸術科学大学 6名、くらしき作陽大学 13名、

合計 19 名が宿老として誕生し、このうち 15 名が宿

老認定式に出席。倉敷市河田副市長様より認定証を受

け取り、両大学の代表学生がそれぞれ決意表明を行っ

た。

平成30年度 くらしき若衆「宿老」認定証授与式

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社会貢献

活動報告:倉敷芸術科学大学

第17回「倉敷みらい講座」子どもの貧困とアートに出来ること

代表者: 湯浅 誠 氏 (法政大学 現代福祉学部 教授・社会活動家)

分担者: 川上 幸之介 (芸術学部 デザイン芸術学部 講師)

1. プロジェクトの概要

1)意義・目標

現代アートがどういう社会的役割を果たせるか研究を進めているが、その

一環として、現在の貧困問題について、構造、歴史等の要因につき専門家か

ら話を聞き、社会問題と現代アートの関わりについて考察する。

2)方 法

生活困窮者支援等の社会活動を実践している著名な学者を招聘し、学生と

の対談も行うことで、社会問題とアートの接点について講演を頂く。

2. 工程・スケジュール

・日 時:平成30年12月14日(金) 13:10~14:40

・会 場:倉敷芸術科学大学 1号館

・講 師:湯浅 誠 氏 (法政大学 現代福祉学部 教授・社会活動家)

3. 成果と5年間のまとめ

参加者は95名であり、73%が有益であったとの回答であった。これまで現代アートと社会問題の関係を扱った講演は 6 回開催し、やや難解な内容もあったが、毎回 70%以上の参加者から芸術には、より良い社会を創造する役割があると評価を頂き、現代アートの持つポテンシャルについて、地域住民にも理解が広まった。

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社会貢献

活動報告:倉敷芸術科学大学

第18回「倉敷みらい講座」大雨災害・地震から命を守るために

代表者: 萩原 卓 氏 (倉敷市 防災危機管理室 副主任・気象予報士)

分担者: 水野 恭志 (生命科学部 健康科学科 准教授)

1. プロジェクトの概要

1)意義・目標

地元住民、及び本学学生を中心に防災に関する専門的知識を植え付け、備

災・減災に対する意識の高揚を働きかける。

2)方 法

行政の立場で防災管理を行っている専門家を招聘し、地震に限らず、身近

に発生しうる風水害について講演を頂き、自助/共助として何が大切か考え

させ、防災のための具体的行動を起こさせる。

2. 工程・スケジュール

・日 時:平成30年12月20日(木) 13:10~14:40

・会 場:倉敷芸術科学大学 1号館

・講 師:萩原 卓 氏 (倉敷市 防災危機管理室 副主任・気象予報士)

3. 成果と5年間のまとめ

一般市民14名を含む43名の参加であり、91%が有益であったとの回答で大変評判が良かった。これまで備災・減災に関する講演は 8 回開催し、毎回 80%以上の参加者に受講後には防災に関する意識が変化したことが見え、自分のこととして備災・減災を捉えることにつながり、大変意義有る講座であった。

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社会貢献

活動報告:くらしき作陽大学

第19回「倉敷みらい講座」ヤングホールコンサート(ヤングコンサートの集大成)

代表者:竹内 京子(大学院音楽研究科長 音楽学部長 教授)

1. プロジェクトの概要

1)意義・目標

このコンサートは、くらしき作陽大学音楽部で開講されている「音楽貢献実践A」の履修生が学年の枠を越え、2名~数名のユニットを組み、玉島市民交流センター交流等ロビーにおいて、2018年5月より月1~3回開催したヤングコンサートの集大成として開かれる成果発表会である。コンサートの都度行ったアンケートをもとに選曲等を行い、聴衆である地域住民に寄り添ったコンサートとする。

2)方 法

学生によるコンサートの企画・運営及び様々な楽器を用いた発表。

2. 工程・スケジュール ・日 時:平成31年1月13日(日)14:00~16:00 ・会 場:玉島市民交流センター 湊ホール ・フィールド:角南 平治 氏(玉島市民交流センター 特命部長) ・授業担当者:竹内 京子(大学院音楽研究科長 音楽学部長 教授)

3. 成果と5年間のまとめ

156 名の参加があり、その内 148 名が一般市民であった。以下のアンケート集計結果より、今回の講座のよう

な音楽による活動が地域活性化に繋がると思う回答は 100%であり、音楽活動による地域活性化に大変高い期待

があることが読み取れた。今後もこのような音楽活動による地域活性化を目指したい。

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社会貢献

活動報告:くらしき作陽大学

第20回「倉敷みらい講座」作陽弦楽合奏団 ニューイヤーコンサート2019

代表者:竹内 京子 (大学院音楽研究科長 音楽学部 教授)

分担者:江島 幹雄 (音楽学部 特任教授) 1. プロジェクトの概要

1)意義・目標 倉敷を拠点に活躍する卒業生を中心とした若手演奏家をアソシエイツとして、学生たちが弦楽合奏による音楽活動を実践的に学び、音楽を通した地域貢献活動を継続できる力を養う。そして、地域の音楽お行こうかに寄り添った演奏会を開催するための方策を運営面からも学ぶ。

2)方法 方法を通して学んだバロックから古典の基礎的奏法及び高度なアンサンブルの集大成としてモーツァルトが作曲したディヴェルティメント、ピアノ協奏曲、オーボエ、クラリネット、ホルン、ファゴットと管弦楽による協奏曲、交響曲をプログラムとするステージを展開する。

2. 工程・スケジュール

・日 時:平成31年1月14日(月・祝) 14:00~16:00 ・会 場:くらしき作陽大学 藤花楽堂 ・出演者:江島幹雄(指揮)・片岡佳乃(ピアノ)・佐藤択音(オーボエ)

佐々木七菜(クラリネット)・村田和彦(ホルン)・西牧 岳(ファゴット)作陽弦楽合奏団

3. 成果と5年間のまとめ

参加者は361名となり、うち347名が一般市民となった。この参加人数は倉敷みらい講座のうちで最多であり、

イベント性、宣伝方法等非常にバランスが良く、大変好評であった。以下のアンケート集計結果より、COC事業を

知らずに参加した参加者は全体の40%であり、約70%が今後も参加したいと回答した。以下から、COC事業の認

知、また継続参加者の獲得等が出来たといえる。

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活動報告:倉敷芸術科学大学

第21回「倉敷みらい講座」倉敷市のまちづくり~まちづくり推進を考える~

代表者:髙木 浩 氏(倉敷市まちづくり推進課 課長)

分担者:妹尾 護(COC事業推進責任者)坂本 尚史 (危機管理学部長 危機管理学科教授)

1. プロジェクトの概要

1)意義・目標 COC事業を倉敷市と協業で進める中、一般市民、大学、倉敷市が一体となって、

倉敷市のまちづくりについて考える場を持ち、COC事業の普及と倉敷市の活性化につなげる。

2)方 法 倉敷市の中心部に位置する「倉敷公民館」にて、行政の立場から「倉敷市の

まちづくり」について講演を頂き、町づくりについて理解すると共に、地域の活性化について考えてもらう。

2. 工程・スケジュール

・日 時:平成31年1月17日(木)14:00~15:30 ・会 場:倉敷公民館 第2会議室 ・講 師:髙木 浩 氏 (倉敷市 まちづくり推進課 課長)

3. 成果と5年間のまとめ

行政の立場での講演であり、大変身近で現実的な内容であった。参加者24名のアンケート結果からも、83%の

方から話が分かりやすく有益であった旨、評価を得た。同時に、まちづくりへの貢献意識も高まったとの意見も

見受けられた。当該テーマによる講演を4年連続で行なった結果、倉敷市のまちづくりに関する知識が一般市民

へ広く浸透し、QOCの向上にも繋がなったと判断している。

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活動報告:倉敷芸術科学大学

第22回「倉敷みらい講座」倉敷の明るい未来に向けて、大学生の感性をとどけよう!

代表者: 小山 悦司 (産業科学技術学部長 経営情報学科 教授)

分担者: 黒田 明雄 (産業科学技術学部 経営情報学科 講師)

1. プロジェクトの概要

1)意義・目標 平成 27 年よりスタートした「くらしき若衆」育成プログラムに関する必修科目である「倉敷と仕事」の中で実施するフィールドワークを通し、まちづくりに関する提案を学生目線で整理し、発表を行う。更に聴講者との意見交換を実施することで、目指すべき人材育成を図る。

2)方 法 対象の学生約130 名を19班に分け、事前に発表会を行い6班選抜し、そ

れぞれの班がプレゼンを行う。更に、倉敷市企画経営室との意見交換により学生に多角的考えを体得させる。

2. 工程・スケジュール

・日 時:平成31年1月23日(水) 13:10~14:40 ・会 場:倉敷芸術科学大学 1号館 ・講 師:芸術学部、危機管理学部1年次生40名、

大橋 俊文 氏 (倉敷市企画経営室主幹)

3. 成果と5年間のまとめ

参加者は128名であり、78%が有益であったとの回答で好評であった。これまで学生目線による倉敷市のまちづくりに関する提案を5回発表してきた。毎回新しい提案がありプレゼンの質も向上している。また倉敷市の活性化に資する提案について倉敷市と議論してきたことは、学生のモチベーションが向上し人材育成の一環につながったと考える。

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活動報告:くらしき作陽大学

第23回「倉敷みらい講座」倉敷アートスタート研究 最終報告会

「子どもの育ちを支える文化芸術プラットフォームの構築

~ベイビーシアター&アートスタートマップの普及と展望~」

代表者:浅野 泰昌(子ども教育学部 子ども教育学科 講師) 1. プロジェクトの概要

1)意義・目標

文化芸術とアートとの出会いの場を創出する試み「アートスタート」について、乳幼児とその保護者を対象としたものに焦点をあてて調査・実践を行い、その社会的意義や今日的価値について考察する。

2)方 法

①乳児向け舞台芸術「ベイビーシアター」の制作・上演・アンケート調査

②倉敷市内の文化芸術資源を記した「アートスタートマップ」の作成と普及

2. 工程・スケジュール

・日 時:2019(平成31)年2月18日(月)15:00~16:30 ・会 場:くらしき作陽大学6号館305室 ・発表者:浅野 泰昌(子ども教育学部 子ども教育学科 講師)

3. 成果と5年間のまとめ

1.乳児の育ちと文化芸術体験

2017(平成29)年に改正された「文化芸術基本法」に示される通り、文化芸術の享受と創造は、人が生まれながらに

して有する権利である。これを実現するために、全ての人が文化芸術に参加できる環境の整備が求められる。特に、育

ちと学びの原点である乳幼児期に、子どもと保護者が共に文化芸術に親しむことのできる機会・場を提供することは、

人の生涯にわたる文化的体験の基盤を形成することにつながる。さらに乳幼児は、周囲の養育者の振る舞いを参照して、

自らの物の見方・考え方・行動様式を獲得していく。従って、文化芸術に対する価値観も、養育者の在り方による所が

大きいと考えられる。つまり、乳児のアートスタートについて考え取り組むことは、乳児を取り巻く物的環境だけでな

く、人的環境の質的向上が必要である。ここに、文化芸術に関わる関係者や、文化芸術を乳幼児と共に味わい両者を繋

ぐ養育者が、乳幼児と文化芸術に対する理解を深めることが求められる。

2.乳児向け舞台芸術「ベイビーシアター」の歩みと展望

1980年代にヨーロッパで産声を上げた乳児向け舞台芸術は、めざましい発展を遂げ、世界へと広がった。日本におい

ても 2000 年代初頭から、各地の子ども・親子劇場関係者や創造団体の協働によって取り組みが始まり、これまでに数

多くの優れた作品が制作された。国内外の実践の蓄積に加えて、神経心理学者等の研究により、乳児が生まれついて舞

台芸術を味わう力があることが明らかにされている。例えば、私たちは他者と自己を同調させるように他者の感情を理

解する脳の機能を有しているほか、生後6か月程度の乳児も、目の前の登場人物の意図や、それぞれの関係性を読み取

ることができるという報告もある。正しい乳児理解に基づいた作品が、適切な物的・人的環境構成のもとで上演されれ

ば、乳児は舞台芸術の観客となりうる。そこで、くらしき作陽大学子ども教育学部附属児童文化部ぱれっとの学生と協

働し、倉敷市文化振興財団との連携のもとに、倉敷市玉島地域のご当地キャラクターたまべえをモチーフとした作品を

制作・上演し、乳児と保護者を対象とした公演を行い、その有用性についてアンケート調査を実施した。

3.文化芸術を活かした子育て支援の在り方とアートスタートマップの活用

乳幼児期は、生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要なものであり、この時期の体験は、子どもの将来に深い影響を

与える。乳児期の特性により、信頼のおける他者と共に安定した情緒のもとで享受することが重要である。ここに乳幼

児だけでなく親子共に味わう文化芸術体験の重要性が示される。また、乳児と関わる大人が、文化芸術に対する理解と

感性を備えることも欠かせないだろう。物的・人的両面での環境構成が重要である。

倉敷は、美観地区の中心にあって文化芸術の拠点たる大原美術館をはじめとした多数の美術館、倉敷市文化振興財団

による多様な舞台芸術公演、専門人形劇団とらまる人形劇団、芸術学部を擁する倉敷芸術科学大学、音楽学部を擁する

くらしき作陽大学、その他公共施設での音楽や物語文化財の享受の場など、専門家による良質かつ多様な文化芸術と出

逢う場が豊富にある街である。これらの資源が一覧にまとまった「倉敷アートスタートマップ」の作成は、乳幼児を養

育する保護者の文化芸術を活かした子育て支援に役立つと共に、それを担う関係者に対して文化芸術による子育ての意

義や必要性について周知を図るものである。今後、子育て支援の取り組みの一翼を担い、社会包摂のプラットフォーム

のコアとして文化芸術が位置づけられる街づくりに資することができるよう、改善を加え、版を重ねる。

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社会貢献

活動報告:くらしき作陽大学

第24回「倉敷みらい講座」特別支援教育ラボの指導実践と研究成果報告会

代表者:橋本 正巳(子ども教育学部 子ども教育学科 教授)

永井 祐也(子ども教育学部 子ども教育学科 講師)

1. プロジェクトの概要 1 1)意義・目標

本講座は五感力育成研究の一環として実施するものである。今回は特別支援教育ラボ内で行っている種々の教育実践活動から事例発表を行い、障害のある子どもたちの背景をふまえた指導実践の在り方を地域の関係者に提案する。また、活動に参加する学生は、専門家からの指導助言をいただくことで、今年度の活動の振返りと今後の継続発展につなげていくことを目標とする。さらに、今年度が大学COC事業最終年度であることから、特別支援教育ラボの運営や学生指導を牽引してきた橋本正巳教授の特別講演を行い、特別支援教育ラボにおける地域貢献活動の展望と課題を共有する。

2)方 法

特別支援教育ラボ内で活動する学生16名 (4年生13名、3年生3名)、教員1名が研究成果を発表し、地域の専門家から指導・助言をいただく。

2. 工程・スケジュール

・日 時:平成31年2月20日(水) 9:30~12:40 ・会 場:くらしき作陽大学 1号館1階125教室 ・指導助言:神原 尚洋 氏(倉敷市教育委員会 特別支援教育推進室 室長) 清水 久仁子氏(倉敷市特別支援教育専門家スタッフ

なのはなクリニック内 あかり塾)

3. 成果と5年間のまとめ

今年度は、昨年度までから発展し、口頭発表、ポスター発表、特別講演の三本立てとした。とりわけ、ポスター発

表形式を取り入れたことで、今年度、事例を担当した学生全員が今回の倉敷みらい講座で発表することができた。

地域の専門家としての神原尚洋先生、清水久仁子先生からの指導・助言では、成果発表した学生に対して教育実践

の質の高さや発表の分かりやすさを高く評価していただいた。また、一貫して五感を活かした教育実践を学生に身に

付けさせようとしてきた学生指導体制についても高く評価していただいた。アンケート結果からは、特別支援教育ラ

ボの諸活動に対する今後の継続・発展や、学生たちの教育現場等での今後の活躍への期待が多く寄せられた。

1)口頭発表

発表者:岩本 紗奈 「重度・重複障害児に対する音楽活動を用いた認知・コミュニケーション指導」

発表者:和家 琴美 「重度・重複障害児に対する視線を活用した要求のコミュニケーション指導」

発表者:原田 智代 「重度・重複障害児に対する要求と叙述のサインに関する研究」

発表者:勝井 千智 「学習支援アプリ(ロイロノート)を使って書くから話すへ」

発表者:才田 妃織 「自閉症のある生徒の心情理解について」

2)ポスター発表

発表者:入江 明日香「重度・重複障害児における要求行動の拡がり」

発表者:土田 栞 「重度・重複障害のある幼児の感覚・運動指導を通した要求のサインの変容」

発表者:松本 七海 「肢体不自由者との身体を通したやりとりに関する研究」

発表者:岩田 望 「お金の計算を通した知的障害児の数概念の形成」

発表者:俵 はるか 「知的発達に中程度の遅れがある生徒に対する漢字指導の一考察」

発表者:橋本 遥 「知的障害の生徒に対する視覚支援教材を活用した助詞と接続詞の指導」

発表者:三島 蒼 「ダウン症者への視覚教材を使用した漢字指導」

発表者:下原 真希 「自立課題による自閉スペクトラム症児の概念理解の促進」

発表者:松山 叶 「自閉スペクトラム症のある生徒への文章問題の指導」

発表者:鴨頭 日向子「自閉スペクトラム症のある生徒への相手の立場を考えた説明とメモ活用の指導」

発表者:橋本 凪咲 「相手の立場になりきる活動を通した自閉スペクトラム症児の心情理解促進」

発表教員:永井 祐也 「自閉スペクトラム症児の共有体験と母子相互交渉の特徴」

3)特別講演

演 者:橋本 正巳 「特別支援教育ラボとCOC事業」

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5 ヶ年間の活動に対する外部評価委員会からの評価結果 平成 30 年度の外部評価委員会は、平成 30 年 11 月 26 日(月)にヘルスピア倉敷において、COC 事業 最終成果発表会&若衆・町衆フォーラムを実施した後、両大学の学長をはじめとした関係教職員並びに倉

敷市関係職員合わせて約30名の出席のもと開催され、本事業の進捗に対する最終評価に関するコメント、

及び補助金終了後の対応に向けてのアドバイスを頂いた。これまでの活動に対する労い、並びに成果に対

する評価、及び次のステップに向けてのコメントが大半であった。その内容を下段に示す。 【外部評価委員会での主要コメント内容】 (井上 正義 倉敷市教育委員会 教育長 、高岡 信也 教職員支援機構 理事長は欠席) 山路 浩正 氏 (倉敷市企画経営室長 倉敷市企画財政局 井上 計二局長の代理) 倉敷市のことを学んだ両大学の卒業生は倉敷市内で就職することを希望する。水害時の対応には感謝。 井上 峰一 氏 (倉敷商工会議所 会頭) 両大学ともしっかりしている。倉敷商工会議所としては、子供の頃から倉敷に対する愛着を醸成すべく 倉敷みらいプロジェクトをとり進めている。日頃の地域の人とのコミュニケーションが大切で、地元就職

にもつながる。今回の学生の発表で、倉敷市内の就職希望者率が昨年度よりも少し上がっているが、 倉敷商工会議所としても SNS などで発信して行きたい。また、倉敷商工会議所では航空宇宙産業委員会

を発足した。両大学も関与して欲しい。 大原 謙一郎 氏 (大原美術館 名誉館長) 手作り感のある幅の広い良い成果が出ている。発表した学生も質問に的確に答えている。 学生と行政の距離が近くなった。また、経済界が大学への共感を抱き、手作り感のあることを共同で作り

あげることが重要。その為に COC の組織がなくなるにしても、目に見える形で継承して欲しい。 例えば、COEC(Center of Excellent Community)という名称で、市民との交流、宿老の OB・OG 会、イ

ンターンシップの OB・OG 会などのイベントを定例的に何からの形で実施し、全国にとって良い例とな

るよう期待する。ここまで来たことをお祝いしたい。 岡 荘一郎 氏 (倉敷市文化振興財団 理事長) 地(知)の拠点として道のないところに道を作ったことに敬意を表したい。両大学はこれまで交流がなかっ

たが、双方の交流が生まれたことは成果として評価できる。その中で、両大学がそれぞれの特徴を出し、

学生が自ら考え行動を起こしたことも良かった。これまでのコラボを土台とし、次に進めて欲しい。

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大橋 宗志 氏 (山陽新聞社 常務取締役 倉敷本社代表) 事業名として「文化産業都市倉敷の未来を拓く若衆育成と大学連携モデル創出事業」とあるが、くらしき

若衆認定制度はその柱であり、ユニークな制度。段階的なステップアップは秀逸。宿老の学生は倉敷市に

定住して欲しい。気がかりなのは「くらしき若衆」の定量目標に対する現状が心もとない。内部の温度差

が問題とあるが…。地域に関する関心は高まったが、地域と結びつくのは大切。その意味からも「くらし

き若衆」制度を実効あるものにすべく、知恵を絞ってカリキュラムの見直しに取り組んでほしい。 また、作陽大の災害食支援と倉芸大の炊飯シミュレーションは連携できないか、幅を広げて欲しい。 一方、経済界との連携では臨鉄ガイドブックは成功事例であり、屏風祭りへの学生参加は地域が元気にな

り、大変良い例である。 岩谷 可奈子 氏 (NHK 岡山放送局 局長) これまでの取り組みに敬意を表す。宿老認定者の卒業後が楽しみ。2 校の連携でのメリット、デメリット

は何か?玉島スタンプラリーで実行委員から次も要請がくるのは学生にとってやる気がでる。認められ

ることが次の一歩につながる。町に出るのは大事だが、倉敷の特性をつきつめると興味もわく。「くらし

き若衆」の定量目標値に届かなかったのはメリットが伝わらないからだと思う。倉敷の産業界と学生の結

びつきが具体的に聞けたことは、驚きであった。

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意識調査

活動報告:倉敷芸術科学大学・くらしき作陽大学

COC事業意識調査アンケート結果

代表者:妹尾 護(倉敷芸術科学大学COC事業推進責任者)、竹内 京子(くらしき作陽大学COC事業推進責任者)

分担者:平山 茂生、小野 すみえ(倉敷芸術科学大学)、北川 あえ、塚本 庸子(くらしき作陽大学)

1. プロジェクトの概要

1)意義・目標

2大学の学生及び教職員のCOC事業への参加状況を把握すると共に、最終年度として参加意識を高めるため

の施策として、そのバックデータとして活用する。

2)方 法

学内の全学生及び全教職員を対象に、文部科学省より提供されたフォームに基づきアンケートを行う。

2. 工程・スケジュール

倉敷芸術科学大:平成30年3月23日~4月7日アンケート実施及び分析

くらしき作陽大:平成30年4月16日~5月7日アンケート実施及び分析

3. 成果と今後の展望

【倉敷芸術科学大学】COC事業意識調査アンケート集計結果 ※重要項目について記載した。

アンケート対象者(基礎データ)

全学生数 1306名 全教員数 87名 全職員数 69名 全連携自治体 1件

有効回答数 1215名 有効回答数 87名 有効回答数 69名 有効回答数 1件

割合 93% 割合 100% 割合 100% 割合 100%

(1)学内 全員対象

当該大学が、「地域のための大学」として地域に関する教育・研究・社会貢献活動を推進していることを

知っていますか。

学生 割合 教員 割合 職員 割合

知っている 545名 45% 87名 100% 66名 96%

知らない 364名 30% 0名 0% 2名 3%

わからない 234名 19% 0名 0% 1名 1%

(2)全学生対象

当該大学が「地域のための大学」として実施する授業科目等を受講したことがありますか。

また、その知識・理解・能力を今後どのように活かしていきたいと思いますか。(自由記述)

人数 割合 自由記述(一部掲載)

・倉敷の現状が分かり、課題が何か、それはどう取り組めば良いか

考える力がついた。

・倉敷の風土や取組みを聞いてみて、自分の住む場の発展を理解で

き、ずっと住んでいきたいと思いました。

はい 705名 58%

はい(複数科目) 201名 17%

いいえ 249名 21%

(3)全教員対象

「地域のための大学」として、地域を志向した教育・研究に参加していますか。

人数 割合

教育・研究とも実施 24名 28%

教育のみ実施 28名 32%

研究のみ実施 7名 8%

いいえ 28名 32%

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【くらしき作陽大学】COC事業意識調査アンケート集計結果 ※重要項目について記載した。

アンケート対象者(基礎データ)

全学生数 1345名 全教員数 70名 全職員数 39名 全連携自治体 1名

有効回答数 1153名 有効回答数 62名 有効回答数 21名 有効回答数 1名

割合 86% 割合 89% 割合 54% 割合 100%

(1)学内 全員対象

当該大学が、「地域のための大学」として地域に関する教育・研究・社会貢献活動を推進していることを

知っていますか。

学生 割合 教員 割合 職員 割合

知っている 909名 79% 61名 98% 21名 100%

知らない 176名 15% 0名 0% 0名 0%

わからない 63名 5% 0名 0% 0名 0%

(2)全学生対象

当該大学が「地域のための大学」として実施する授業科目等を受講したことがありますか。

また、その知識・理解・能力を今後どのように活かしていきたいと思いますか。(自由記述)

人数 割合 自由記述(一部掲載)

・地域の原動力になれるよう頑張ろうと思った。

・地域の事を理解し、地域の方々との協力やコミュニケーションを

とっていくことが大切だと思った。

はい 545名 47%

はい(複数科目) 58名 5%

いいえ 539名 47%

(3)全教員対象

「地域のための大学」として、地域を志向した教育・研究に参加していますか。

人数 割合

教育・研究とも実施 19名 33%

教育のみ実施 23名 37%

研究のみ実施 4名 6%

いいえ 14名 23%

(4)連携している自治体の代表を対象

①当該大学の取組は、副申した事業計画どおりに進捗していると思いますか。

自治体数 割合 理由

はい 1件 100% 今年度は「くらしき若衆」の2段階の「中老」の認定者を

輩出し、補助事業満了後の取組の継続についても具体的な

ビジョンが示されたこと

いいえ

わからない

②当該大学の取組は「地域のための大学」として満足するものですか。

自治体 割合 理由

大いに満足 大学外に地域交流拠点を整備し、学生による地域課題解決の

研究・活動に取り組んでおり、地域住民参加型の「倉敷みら

い講座」を定期的に開催したこと

満足 1件 100%

不満

大いに不満

2 大学とも「地域のための大学」として活動推進していることを知っている学生の割合は昨年度に比べ向上し

ており、またその授業科目等を受講した学生の意見は、ポジティブな意見が目立った。一方、教職員の参加度合

いに偏りが見られるため、これを改善するための施策(FD研修会での繰り返し喚起等)を検討、実施する。

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【くらしき作陽大学】 2018年 1月10日 山陽新聞 朝刊 P.25 掲載

【くらしき作陽大学】

2018年 9月26日 山陽新聞 朝刊 P.24 掲載

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【2大学共通】

2018年11月29日 山陽新聞 朝刊 P.26 掲載

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【2大学共通】

2019年1月1日 広報くらしき P.3~4 掲載

2019年1月12日 朝刊30P

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【くらしき作陽大学】

2019 年1月12日 山陽新聞 朝刊 P.30 掲載

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FD・SD

活動報告:くらしき作陽大学

「5年間の活動を振り返る」~2大学共催イベント~

代表者:竹内 京子(COC事業推進責任者)

分担者:小山 悦司(倉敷芸術科学大学)、佐藤 大介、塚本 庸子(くらしき作陽大学)

1. 概要

日時:平成30年10月14日(日)11:00~14:00

会場:くらしき作陽大学 5号館1階玄関内ホール

これまでの5年間にわたるCOC事業活動を振り返ると共に、2大学の学生の親睦を

図ることを狙いとして、作陽大の大学祭である「翔陽祭」参加という形でこれ

までの活動のパネル展示・資料配付・動画配信などを両大学の学生が中心とな

って催された。

2. 事業報告

最終年度のまとめとして、両大学よりこれまでの代表的な活動についてのパネル4点計8点を展示し、来場者

に対して各大学より2名ずつの学生が対応した。 《 展示したパネル紹介 》 倉敷芸術科学大:めざせくらしき若衆 / 倉敷に若者が定住する条件とは? / 私たちはこんな活動をしています / 水島臨海鉄道沿線ガイドブック作成プロジェクト くらしき作陽大:玉島市民交流センター・ヤングコンサート / 水島エリア食育活動(くらしき農業まつり) くらしきアートスタートマップ / 倉敷天領まつり 《 配布した資料 》 過去のCOC活動報告書・くらしき若衆についてリーフレット (各大学共通) 気になる子どものハンドブック第一弾(くらしき作陽大)等

当日は大学祭ということもあって、お客様は地元の方々や学生の保護者・家族が多かったこともあり、そのた

め、COCの名称認知度や事業目的についてはほぼ知られていたが、2大学での連携についてや今後の活動につい

ての質問があったことが印象的であった。 またこれまで顔を合わせる機会が少なかった2大学の学生同士であったが、準備段階から相互に協力し合った

り、短時間であったにも関わらず自分たちの活動等での話題で盛り上がったりする光景が見受けられた。

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FD・SD

活動報告:くらしき作陽大学

COC事業に関するFD&SD研修について

代表者:竹内 京子(COC事業推進責任者)

分担者:佐藤 大介(子ども教育学部 子ども教育学科 講師)

1. FD・SD研修会の概要

平成30年度はCOC事業に関するFD&SD全教職員会議において、下記の研修会を実施した。

【1】平成30年度FD&SD全教職員会議「2018年度 重点目標発表」 平成30年 4月 1日

【2】平成30年度FD&SD全教職員会議「2018年度 重点目標中間報告」 平成30年 9月13日

【3】平成30年度FD&SD全教職員会議「COC事業からの報告」 平成31年 1月 6日

① 学生によるプレゼンテーション(音楽学部・食文化学部・子ども教育学部)

高橋 泰(音楽学部 音楽学科3年)

「音教リコーラスアンサンブルの活動による地域貢献実践」

田川 篤志(食文化学部 栄養学科4年)

「地産地消の食育活動」

仙波 万季・水原 麻衣(子ども教育学部 子ども教育学科4年)・魚谷 祥太(同1年)

「放課後学習支援教室・作陽ぷらっつ!」

② 教員によるプレゼンテーション

竹内 京子(COC事業推進責任者・音楽学部長)

「5年間の成果と課題/今後の継続と発展」

佐藤 大介(子ども教育学部講師)

「COC事業補助期間終了後の方向性について」

2. COC事業報告

平成31年1月6日に開催した、平成30年度FD&SD全教職員会議において、今年度の学生から見たCOC事業

における地域貢献活動を振り返り、その成果についてのプレゼンテーションを学部ごとの学生により行なわれた。

音楽学部・高橋泰は音教リコーラスを通して演奏を通して音楽が好きになり音楽があふれる地域になってほしい

こと、食文化学部・田川篤志は、「農業まつり」を通して地産地消の認知度や関心を調査し、地場産物を使った調

理動画の配信などを展開した。子ども教育学部・仙波万季・水原麻衣・魚谷祥太は、放課後学習支援の場「作陽

ぷらっつ」において小学生との学習支援をしながら、試行錯誤や刺激を受けた内容について発表があった。

また、5 年間の成果と課題・今後の継続と発展について竹内京子音楽部長(事業推進責任者)より報告がなさ

れ、教育部門・研究部門・倉敷みらい講座・情報発信・自治体、各種団体、機関との連携などから報告があった。

COC 事業補助期間終了後の方向性について、佐藤大介子ども教育学部講師より様々な観点からみた今後の変更

内容の提供と方向性について説明があった。

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大学COC事業 平成30年度活動報告書

―文化産業都市倉敷の未来を拓く若衆育成と大学連携モデル創出事業―

(平成30年3月~平成31年2月末までの活動報告)

平成31年3月6日発行

発 行 くらしき作陽大学・倉敷芸術科学大学 COC事務局

【くらしき作陽大学】 〒710‐0292

岡山県倉敷市玉島長尾3515 TEL:086‐436‐0172 FAX:086‐436‐0172 E-mail:[email protected] http://www.ksu.ac.jp/coc/

【倉敷芸術科学大学】 〒712‐8505

岡山県倉敷市連島町西之浦2640番地 TEL:086‐440‐1165 FAX:086‐440‐1011 E-mail:[email protected] http://www.kusa.ac.jp/coc/

印 刷 友野印刷株式会社

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