CIAのフリーエージェント、ニーナ・ウイリアムズの元にひとつ … ·...

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9 M I S S I O N S W E E T 特集 「巷を騒がせている『ビッグスウィートランド』 の噂はキミも知っているだろう。より多くの人 にその面白さを知らせたいが、そのためには情 報が不足している。そこで『スウィートランド』 シリーズについて極秘裏に調査して欲しい。な お、プレイ料金は個人負担だが、入手した景品 はキミのものだ。よろしく頼む。」 CIA のフリーエージェント、ニーナ・ウイリアムズの元にひとつの指令が届いた。 CIA のフリーエージェント、ニーナ・ウイリアムズの元にひとつの指令が届いた。 私への依頼にしてはちょっと安い気もするけど・・・・ アンナをからかうより面白そうね。 わかった、引き受けたわ!

Transcript of CIAのフリーエージェント、ニーナ・ウイリアムズの元にひとつ … ·...

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M I S S I O N S W E E T

特 集

「巷を騒がせている『ビッグスウィートランド』

の噂はキミも知っているだろう。より多くの人

にその面白さを知らせたいが、そのためには情

報が不足している。そこで『スウィートランド』

シリーズについて極秘裏に調査して欲しい。な

お、プレイ料金は個人負担だが、入手した景品

はキミのものだ。よろしく頼む。」

CIAのフリーエージェント、ニーナ・ウイリアムズの元にひとつの指令が届いた。CIAのフリーエージェント、ニーナ・ウイリアムズの元にひとつの指令が届いた。

私への依頼にしてはちょっと安い気もするけど・・・・アンナをからかうより面白そうね。

わかった、引き受けたわ!

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1. 2.

3. 4.

コインを投入 1ボタンを押して景品をすくう

用語説明

アーム

ショベル

スライドテーブル

ターンテーブル

払い出し口

2ボタンを押して景品をスライドテーブルへ

「狩り」のラインは45° 落下ポイントがカギ

スライドテーブルの景品が払い出し口に落ちればゲット!

1986年――"アミューズメントスペース"より"ゲームセンター"とい

う呼び方が一般的で、ビデオゲームが人気の中心だった頃、『スウィー

トランド』は登場した。景品を手に入れるゲームは古くからあったが、

『スウィートランド』は一度スライドテーブルに載せてから落とすとい

う仕組みが奥の深い“遊び”を生み出した。そのハラハラ・ドキドキ

感が人気を博し、アミューズメントスペースでは超ロングヒットのゲ

ームとして現在でも幅広い層に楽しまれているのだ。

プレイ料金やすくえる回数はマシンによって異なるので最初に確かめておこう。またコイン投入と同時にゲーム開始となる。

1ボタンを押すとショベルが動き出しターンテーブル内の景品をすくい始める。ここですくった物が手に入るわけではないので注意!

2ボタンを押すと2ですくった景品をスライドテーブルの上に落とす。2で何もすくえてないともっとも空しい瞬間。

3で落とした景品によってスライドテーブル上の景品が押し出され、払い出し口に落ちれば遂にキミのものに!

このゲームはまず景品をすくわなければ始まらない。そのためには、1ボタンを押すタイミングが重要。ポイントは狙った景品が自分のスライドテーブルを通過して45°のライン辺りに来た時よ。

せっかくすくった景品もうまくスライドテーブルに載せられないと意味がないわ。上段のスライドテーブルの引きが始まる直前に、2ボタンを押して空いているスペースに落とすのよ。そうすれば載っている物を大きく押し出すので入手率が高まるわ。

45°

『スウィートランド』の歴史はここから始まった。

鮮やかなカラーリングで装いもあらたにリニューアル。

いろいろな所に設置できるコンパクトサイズ。

爽やかでクールなブルーが目印。

景品を落ちないようサポートするウイング機能が登場。

『スウィートランド』新世紀!ミラクルジャックポットは大迫力!

ドームが大きくなって大量ゲットが狙えるように!

新機能の取り放題モードを搭載!

オレンジとイエローの温かみのあるカラーで登場。

愉快なロボットが景品をすくってくれるのだ。

シャベルですくう感覚が好奇心を呼び覚ます!

Tシャツや傘まで取れちゃうプライズマシン。

観覧車のように回るゴンドラから景品をゲットしよう。

ニーナのハンティングポイントOK、OK

基本操作は覚えたわ思ったより簡単じゃない

まずはシリーズの系譜を調査ね意外と古い歴史があるみたいね

S W E E T H I S T O R Y

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スウィートランド用オプションキット 『ワイワイクリッパー』

小野雄次郎さん

スウィート誕生秘話&未来展望

おもりを落とすと階段が滑り台に変身!大好評の「じゃっくぽっと丼」が、ディスプレイを装備してパワーアップ!

ナムコのプライズマシンの原点ともいえる『スウィートランド』誕生から16年。

ここでは、初代マシンの生みの親である小野さんと、次代のマシン開発に挑む小

林さんに、それぞれの胸に秘めた『スウィートランド』の魅力について語ってい

ただきました。

「ざっくり取れる醍醐味をベースに考案しました」

「プライズマシンの原点が凝縮した貴重なゲームです」

インキュベーションセンター福祉事業グループ

小林弘幸さん

AMカンパニーAMクリエイターグループ

1981年入社。初代『スウィートランド』のコンセプトを考案し、開発。現在は福祉事業の分野で活躍中。

1982年入社。『ビッグスウィートランド』のプロデューサーを担当。あの『ワニワニパニック』も小林さんの開発製品。

――様々な苦労の甲斐あって、発売前のロケテス

トでも大きな反響を呼んだそうですね。

小野

そうですね。僕が立ち会ったショッピング

センター内のロケテストでは、老夫婦が手をつな

いで来店されて、夢中になって遊んでくれていた

のがすごく印象的でした。それと、当時は1プレ

イ30円だったんですが、小学校2〜3年生くらい

の男の子がポケットから10円玉を出しながら熱心

にプレイしてて、最後に手元に残ったのが20円に

なっちゃったんですよ。そうしたら20円を投入し

たあと、お母さんのところへ一目散にかけて行き、

「あと10円ちょうだい」と駄々をこねているんで

す。その一部終始を見ながら、少年の貴重なおこ

づかいを全部使わせてしまって、なんだか申し訳

ないなぁと思いました(笑)。

小林

それだけ、プレイヤーの心をガッチリつか

んだということですよ。頑張って投資すればそこ

そこ取れるんじゃないかっていう期待感というの

かな。これはプライズマシンの基本なんですよね。

そのコンセプトというのは歴代の『スウィートラ

ンド』シリーズにも脈々と受け継がれていて、そ

れゆえ時代を超えて多くの人に支持され続けてい

るんだと思います。改良型を開発するにあたって

も、ロケ側から「基本的な仕様は変えないでくれ」

と言われるくらいですから。つまり、初代の完成

度が非常に高かったというわけです。ドーム型の

筐体もやさしいイメージで、お子さんにも非常に

親しみをもってもらえるんです。だから、僕らは

なかなか怖くて変えられないんです(笑)。

小野

ただ、生みの親としては、『スウィートラ

ンド3』までは、仕様もスタイルもほとんと変わ

っていなかったので、ちょっとさみしいなと思っ

ていたんです。で、『スウィートランド4』で変

化が出てきて、『ビッグスウィートランド』を見

たときに「そうそう、僕もこういうことがやりた

かったんだよ」って。

小林

小野さんにそう言ってもらうと、うれしい

なぁ〜(笑)。

小野

自分でも、こういうプライズマシンがあっ

たら楽しいだろうなという思いはあったんだけ

ど、具体的にどうしたらいいのかわからなかった

んですね。それをみごとに実現してくれたのが

『ビッグスウィートランド』でした。

小林

おかげさまで大好評でした。景品を取るこ

とよりも、ジャックポットに到達するのが最終目

的みたいになって、最後にワーッと出たときには、

みなさん飛び上がって喜んでますから(笑)。僕

としても、そういう快感をお客様に味わっていた

だきたかったんですよね。

――初代から今日までの『スウィートランド』シ

リーズを振り返って、特に印象に残っていること

はありますか?

小林

たしか『スウィートランド2』が発売され

た頃から、いろいろなお店がスライドテーブルに

景品を2〜3段積み上げ始めたんですよ。さらに

『スウィートファクトリー』が出た時にナムコの

ロケで景品を機械内の天井に届くほど高く積み上

げる手法が生まれ、『スウィートランド』にも応

用された。これが全国に広まり、結果的にお客様

の期待感をかりたてて、さらなるヒットにつなが

ったんです。

小野

これは聞いた話ですが、お店によっては景

品をいかに上手に高く積めるかというのが、スタ

ッフの間で一種のステータスになってるみたいで

すよ。

――現在、小野さんは福祉事業部で福祉機器の開

発にたずさわっていますが、お年寄りが集まる福

祉施設でも、『スウィートランド』が注目されて

いるそうですね。

小野

当初はね、お菓子を取る『スウィートラン

ド』は、お年寄りにはウケないだろうと思ってい

たんです。そうしたら、北海道のとある病院の院

長から『スウィートランド』をぜひ導入したいと

言われまして、ボタンを大きくしたり、手が使え

ない人のために足でも操作できるように改良した

んです。で、納品後に様子を見に行ったら、お年

寄りたちが病院に到着するや否や、『スウィート

ランド』の自分の指定席に座って、夢中で遊んで

いる姿を目の当たりにしたんですよ。それで、取

ったお菓子を持って、喜んで帰るんです。

小林

すごい人気ですね。

小野

実はね、『スウィートランド』が導入され

る前は、お菓子はお盆の中に入っていて自由に持

ち帰ることができたんです。だけど、お年寄りは

それには見向きもしなかった。ではなぜ『スウィ

ートランド』がこれほどまでに人気を博したのか

といえば、お年寄りって、自分はまだまだ世の中

に貢献できるんだという気持ちが強くて、自らの

手で勝ち取ったお菓子を持って帰って、お孫さん

や家族に喜んでもらうことで、自分の存在意義を

再認識しているようなんですよ。つまり、『スウ

ィートランド』を通じて、社会に参加していると

いう満足感を感じてもらえたんじゃないかって思

います。

小林

それは非常に興味深いお話ですね。ますま

す、『スウィートランド』の持つパワーを実感さ

せられました。

小野

僕としては、今後『スウィートランド』が

どのように進化していくのかが、大きな楽しみで

もあるんですが。

小林

今までは、完成度の高い初代『スウィート

ランド』に依存する部分が大きかったんですが、

ここへきてようやく、お客様により楽しんでいた

だくためのアイデアが具現化されようとしていま

す。もちろん、ざっくり取れる快感が味わえると

いう従来の基本コンセプトは守りつつ、様々な仕

掛けを施していく予定です。今後の『スウィート

ランド』シリーズに、ぜひともご期待ください!

小林

プライズマシンというのは、機械

ができあがってそれで完成というわけじ

ゃないんですよね。ロケのスタッフがど

んな景品を入れて、どのように並べるか

によって、マシンの持つ魅力が2倍にも3倍に増

してくるものなんです。つまり、ロケのスタッフ

が介在して初めて、ゲームとして完成するんです

よ。実際、同じマシンでもロケによって売り上げ

が違うんですから。

小野

僕も、『スウィートランド』を開発している

ときには、まさかあんな風に高く積み上げる運営

アイデアが出てくるとは思っていなかったんです

が、これは本当にうれしい誤算でした。ゲーム機っ

て、置いておくだけで儲かるという意識があるん

だけど、ロケを運営している人たちの努力の成果

が出せるマシンってやっぱり大切なんですよね。

小林

そういう意味でも、『スウィートランド』

はプライズマシンの原点というか、あるべき姿が

凝縮された貴重なゲームだなと改めて思います。

――そもそも、『スウィートランド』はどのよう

な経緯で誕生したのでしょうか?

小野

初代の『スウィートランド』が誕生したの

は今から約16年前になりますが、それまでナムコ

では、しばらくの間プライズマシンは作っていな

かったんです。当時、世間ではポーカーなどのギ

ャンブルマシンが問題になっていたんだけど、ナ

ムコは健全なゲームを提供しようということで、

いわゆる射幸心を煽るようなゲームはあえて敬遠

していたんですよね。ただ、ナムコのロケ(お店)

はショッピングセンターに数多く出店していたの

で、ロケ側から「小さいお子さんが喜ぶような、

景品を使ったゲームを作ってほしい」という要望

が強かったんです。それで、景品をお菓子にすれ

ば、それほどハードなイメージにはならないだろ

うということで、ナムコでもプライズマシンを復

活させようという動きになったわけです。

小林

僕はずっとエレメカの開発を担当してい

て、プライズマシンと本格的にかかわり始めたの

はつい最近なんですけど、小野さんたちが初代

『スウィートランド』を開発している光景は、横

でチラチラと見ていました。やはり、まったく新

しいものを生みだすからには、それ相応のご苦労

があったわけですよね?

小野

そうですね。プライズマシンに関するノウ

ハウは社内ではゼロに等しかったので、いろいろ

と試行錯誤しました。一番悩んだのが、お菓子の

取り方。他社ではお菓子をすくいあげる製品を出

していたんですけど、取れても1個か2個程度だ

ったんです。しかし、こういうゲームはざっくり

と取れるところに醍醐味があるじゃないですか。

ネーミングに秘められた

開発者のメッセージとは!?

ロケから生まれた運営アイデアが

さらなるヒットに火をつけた!

『スウィートランド』は

福祉の現場でも大活躍!

初代のコンセプトは歴代マシンに

確実に受け継がれている

リハビリテインメントマシン版『スウィートランド4』

とはいえ、たくさん取られてしまうと採算が合わ

なくなってしまう。それで、すくいあげる動作に

スライドテーブルを組み合わせるという仕様を編

み出したわけです。

小林

開発現場をのぞいたら、机の上がお菓子だ

らけでビックリしましたよ(笑)。

小野

そうそう。でも、実験しながらついついお

菓子を食べちゃって、いつの間にか量が減ってる

んだよね(笑)。

小林

ところで、『スウィートランド』という製

品名は、やはり景品のお菓子に由来しているんで

すよね?

小野

もちろんそういう意味もあるんですけど、

実は”甘い誘惑“というメッセージも含んでいる

んですよ(笑)。

小林

それは初耳ですね。でも、それだけ深みの

あるネーミングだからこそ、ロングヒットにつな

がったんですよ、きっと。

このマシンも見逃せない!このオプションも見逃せない!

JP階段落ちキットじゃっくぽっと丼 Ver.2

従来の『スウィートランド』にも

お得なオプションキットがある。

おもりをうまく落とせば、くす玉

の要領で景品がドサッとテーブル

に!オプションキットが取り付け

られている台を見つけたら大量ゲ

ットを狙ってみよう!

こんなものまで作っているとは…

根こそぎ取りたい衝動にかられるわね

ワイワイクリッパーブルーバージョン

友達や恋人同士でアームの位置を確認しながらプレイすると盛り上がるわ

『スウィートランド』シリーズと並んでアミューズメ

ントスペースで人気なのがこの『ワイワイクリッパ

ー』。ぬいぐるみを始めとした大型景品がゲットでき

ちゃう嬉しいマシンだ。操作は ボタンでアーム

を奥に動かし、 ボタンで左のアーム、 ボタン

で右のアームを景品によせるだけ。うまく挟めたら

アームが自動的に景品を持ちあげてくれるぞ。『スウ

ィートランド』とは一味違う、“よせて・よせて・持

ちあげる”感覚を楽しもう!