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環境・技術情報高度化検討業務 · 全データ...
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環境・技術情報高度化検討業務
調査課
1.概 要
本業務は,中部地方整備局名古屋港湾空港技術調査事務所所有の『伊勢湾環境データベース』
(http://www.isewan-db.go.jp)の高度化を図るため,別途設置された「伊勢湾環境モニタリングシステ
ム」で観測されたリアルタイムデータを配信するシステムを構築するとともに,新たな環境データの登録
や配信されているデータの利便性の向上等を実施したものである.
2.業務内容
表-1 作業内容と数量
作業項目 主な作業内容 数 量
1.データの登録・修正
1-1 新たな登録デ
ータの作成
「クリアリングハウス」,「伊勢湾
WEB-GIS」に登録するメタデータ,
実データを収集,データ作成・登録
①H20 年度名古屋技調データ
②H19 年度周辺自治体データ
1-2 既存データの
修正
既存データの利便性を向上するた
め,データ修正を実施
①レーダーデータ CVT 作成:H21 年度以降
②既存ブイデータの新規のフォーマットへ
変換:H21 年度以降
③「環境情報ポータルサイト」修正:22
④「用語集」追加:6 項目
⑤「三河湾環境フォーラム」:削除
1-3 レイアウトの
変更
『伊勢湾環境 DB』の利便性向上の
ため,ページ及びコンテンツレイア
ウトを変更
①メニュー配置,コメント追加
②トップページ動画削除
③ニュースの統合
④おすすめメニュー変更
2.データ配信システムの構築
2-1 配信システム
の構築(5 項目)
伊勢湾内のブイで観測しているデ
ータの配信システムを検討
①観測データ取得機能,②サイト表示データ
の作成,③ダウンロードファイル作成・配信,
④グラフ作成・閲覧機能,⑤管理機能
2-2 全体構成の改
良(3 基)
新規ブイデータ(3 箇所)に追加に
伴い既存システム全体構成を改良
追加 3箇所:①湾奥,②湾央,③湾口
2-3 マニュアル更
新
開発したシステムの操作等に関す
るマニュアルを更新
①システム設定マニュアル:7種類
②システム利用マニュアル:5種類
2-4 システムテス
ト及びインス
トール
改良システム及び WEB サイトの動
作テスト,インストールを実施
①システムテスト:一式
②インストール:一式
3.利便性向上に関する検討
3-1 課題の整理(2
項目)
『伊勢湾環境 DB』利用時,管理・
運営時の課題を整理
①利用時の課題,②管理運営時の課題
3-2 利便性向上方
策の検討(2 項
目)
『伊勢湾環境 DB』の利用者,管理
者側の利便性向上方策を検討
①利用者側の向上方策,②管理者側の向上方
策
4.保守管理
4-1 サーバ保守管
理
ネットワーク,サーバ,ファイヤー
ウォールの保守管理
訪問3回,常時運用状況確認
4-2 システム保守
管理
システムの保守管理 訪問3回,常時運用状況確認
5.業務完成図書作成 1 式
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3.データの登録・修正
新規登録データの概要を表-2 に,既存データの修正内容を表-3 に示す.
表-2 新規登録データの概要
NO データ管理者 データ名 調査目的 調査項目
1 名古屋港湾空
港技術調査事
務所
H20 伊勢湾・三
河湾水質・底質
等調査
貧酸素水塊抑制対策としての覆砂や浚渫
窪地修復に伴う効果,藻場の自律発達を阻
害する要因を把握するための基礎資料収
集,及び環境修復材として利用が見込まれ
る浚渫土砂の特性や陸域からの堆積物へ
の負荷を把握し,浚渫土砂を有効利用する
際の基礎資料を収集すること.
【水質】水温,DO,T-N,
T-P 等 29 項目
【底質】COD,硫化物,
間隙水 NH4-N等 35項目
【気象】風向,風速
【生物】動物プランク
トン,海藻草類
2 静岡県 H19度大気汚染
及び水質汚濁
等の状況
静岡県公共用水域の水質を調査し,水質の
環境への影響を調査する際の基礎資料と
する.
【水質】カドミウム,
全シアン,COD 等 30 項
目
3 愛知県 H19愛知県公共
用水域水質測
定結果
愛知県公共用水域の水質を調査し,水質の
環境への影響を調査する際の基礎資料と
する.
【水質】カドミウム,
全シアン,COD 等 30 項
目
4 三重県 H19三重県公共
用水域水質測
定結果
三重県の公共用水域の水質を調査し,水質
の環境への影響を調査する際の基礎資料
とする.
【水質】カドミウム,
全シアン,COD 等 30 項
目
表-3 既存データの修正
NO コンテンツ 対象データ 修正内容
1 伊勢湾海洋短
波レーダー
XML実データ 連続かつ面的観測による大量データの利便性向上のため,CVT 形式(テ
キスト)へのデータ修正
2 水質定点観測 観測データ 本年度追加ブイデータと項目を合わせた.
3 環境情報ポー
タルサイト
WEBサイトの
情報
他機関の WEB サイトに関する情報が変更されていた事による修正.
4 用語集 用語説明 問合せがあった用語,専門的な用語説明の追加
5 三河湾環境フ
ォーラム
全データ 別途,運用していたが『伊勢湾環境データベース』の配信情報と重複
する事からデータ削除.
4.データ配信システムの構築
既存システムに3ヶ所の新規ブイデータを追加しシステムを改良した事で,
システム全体構成は図-1,表-4 のとおりとな
った.
図-1 システム全体構成
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表-4 構築したデータ配信システムの概要
NO 構築機能 機能概要
1 観測データ取得機能 サーバに蓄積された観測データファイルを取得
2 サイト表示用データファイ
ル作成
CSV 形式(観測データ)を DB に蓄積し,サイト表示用データを作成
3 ダウンロード用ファイル作
成・配信
CSV 形式(観測データ)からダウンロード用データ(①標準実データ
(CML に準拠した XML 形式),②CSV データ,③観測データ(観測機器生
データ(CSV 形式)))を作成
4 グラフ作成および閲覧機能 上記②CSV データからグラフを作成しサイト上で閲覧可能とする
5 管理機能 上記システムの運用に必要な設定,メンテナンス機能
5.利便性向上方策の検討
①システム管理者・データ利用者の主な作業,②ヒアリング・メンテナンスから抽出した利用上の課題,
③関連技術の動向,④システム運用基本方針を踏まえ,利便性向上方策について検討した.検討結果を表-5
に,うち代表的な対策案を以下に整理する.
表-5 利便性向上方策案
NO 求める利便性 必要な取組み 具体策
1 サーバ・システムの
安定的な運用
①定期的なメンテナンス,セキュリティ対策
②ハード,ソフトウェアの適切なバージョンアッ
プ
メンテナンス実施,(1)シス
テム負荷分散,(2)データ肥
大化回避策の実施
2 利用者からの問合
せへの対応
①問合せに対する管理者作業労力の軽減
②運用マニュアルの定期更新
(3)問合せ方法の見直し
3 登録情報を簡易に
作成する
①データ更新方法(ルール,登録内容,登録フォ
ーマット等)の見直し
(4)データ更新方法の改善
①更新機能を充実化する.(更新頻度が高いコン
テンツは,管理者による作業を前提とする)
更新機能の充実化
4 「伊勢湾環境デー
タベース」の存在を
周知する
①アクセスログで上位を占める“検索語句”をサ
イト画面で使用する.
②他機関の WEB サイトにリンクをはってもらう.
SEO 対策
①サイト内にわかりやすい言葉を使用する.
・わかりやすいコンテンツ名称
・わかりづらい用語,専門用語は用語集で説明
用語集の利便性向上 5 わかりやすい情報
提供を実現する
②操作クリック数の減少 クリック数削減方法の検討
③単なる数値データの提供ではなく,その数値が
あらわす意味,環境の現状がわかりやすい様な
情報を提供する.
(5)可視化による環境情報の
提供
①携帯電話への情報提供機能 携帯電話への情報配信 6 迅速な情報提供
②リアルタイム情報を増やす.(※情報の品質は
必要 低限のチェックとし,提供スピードを売
りとする.)
(6)リアルタイム情報提供サ
ービスの充実化
(1)システム負荷分散:『環境整備船システム』用サーバを 1 台追加し『伊勢湾環境データベース』と分ける
図-2 サーバ追加後のネットワーク構成
★サーバの役割を分担する事で
負荷軽減と問題発生時の原因
究明の迅速化を実現
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(2)データ肥大化回避策の実施:「海洋短波レーダー」で画像作成に使用するデータを数値データとして DB
化するのではなく予めベクトル画像を作成し画像ファイルとして保存する
図-3 ベクトル画像作成機能改良によるデータ肥大化回避
(3)問合せ方法の見直し:問合せフォームの作成とよくある質問コーナー(FAQ)の設置
図-4 利用者・管理者双方の利便性向上を考慮した問合せ方法
【既存機能】数値データによる保存
【改良案】画像データによる保存
ベクトル画像配信イメージ
【既存機能】メールによる問合せ
★重複する質問は,“よくある質
問コーナー”に掲載する
★リクエスト毎に数値データ
から作図するのではなく,作
成済み画像を表示する
【改良案】問合せフォームと FAQ
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(4)データ更新方法の改善:メタデータ作成ツールを改良し,必須項目のみの入力,入力フローの配置を実施
図-5 メタデータ作成ツールの改良
(5)可視化による環境情報の提供:環境データをわかりやすい形式(画像など)で提供する
図-6 数値データをわかりやすい可視化データとして提供
【改良ツール】
【既存ツール】
★必須項目のみとする
★入力フローのボタン押下により入力
シートへ遷移し,作業を効率化
★詳細な数値データは別途,表示
★可視化(シンボル化)方法はできるだ
け客観性が高いものとする.
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(6)リアルタイム情報提供サービスの充実化:各機関が提供する情報のポータルサイト作成
【GIS を利用したリアルタイム情報ポータルサイトの作成】
図-7 地図・データ項目からリアルタイムデータ入手を支援するサイト構築
6.保守管理
日常運用時に対応した主な保守管理内容を表-6 に整理する.このほか,事務所に 3回訪問し,保守管理作
業を実施した.具体的な作業内容は以下のとおりである.なお.保守管理で確認された問題点・課題はシス
テム管理者に報告・解決する事で,システムの安定的な運用を確保した.
・サーバ本体の障害有無の確認,・WindowsUpdate の確認,・イベントビューアの確認
・ウィルス定義ファイルの確認,バックアップ取得情報の確認
表-6 日常運用時における主な保守管理結果
NO 問題点 対策(全て対応済み)
1 サイト内画像の表示エ
ラー
修正した画像ファイルに差し替え.
2 ダウンロードデータ作
成エラー
ダウンロードデータ作成プログラムの改良,未作成データの再作成
3 ドライブ容量の減少 ①“ゴミ箱”ファイルがドライブ容量を圧迫したためファイルを削除.
②C・Dドライブ間でファイルの移動を実施.
4 台風障害による取得エ
ラーデータの再取得
データ取得プログラムの一括取得機能,ダウンロード作成プログラムの
再起動により配信データを作成.
5 レーダーデータの更新
遅延
DB 内のレコード数量が増加した事が原因であるため, 新約 1 年分のデ
ータを残し,データレコードを削除.
7.業務完成図書の作成
本業務で検討した内容,マニュアル等を報告書としてまとめた.マニュアルを以下に示す既存マニュアル
を本業務のシステム改良に合わせて更新した.
表-7 更新対象マニュアル
マニュアル種類 概 要
システム設定マニュアル 管理者が使用する各機能の設定マニュアル
【海洋短波レーダー】①ダウンロードデータ作成 PG 設定マニアュル
【ニュース機能】設定マニュアル
【観測データ配信システム】①システム全体,②データ取得プログラム,
③ダウンロードデータ作成プログラム,④エラーメール送信ツール
システム利用マニュアル システムの利用方法を記載したマニュアル
①利用者用,②管理者用
★観測機関,データ項目から検索可能とする.
★伊勢湾内に存在するリアルタイム情報のメタ
データを表示.各サイトへリンク可能とする.