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満留伸一郎『散文へのプロセス』 書誌情報 書名 散文へのプロセス 著者 満留伸一郎 編集 Dの 3 行目 判型 A5/並製 ページ数 94p 発行日 2021 年 1 月 19 日 発行者 合同会社 D の 3 行目 価格 900 円+税(ISBN978-4-909328-42-7 C0095 \900E) 想定読者ターゲット 芸術文化、文学、写真に興味のある社会人/大学生 本書のスタイル・ねらい 1.実際の講義内容を生かした構成とすることで、講義の雰囲気を体感することができる形式であるこ と。 2.話言葉をベースとした語り口調での文章とすることで、読み進めやすい形式であること。 3.文章中に書影や著者撮影の写真を配置することで,文章だけでは生まれない、視覚的な読書体験が可 能となる形式であること 4.前提知識を必要としない初学者向けの講義内容を書籍化したものであり、「散文」という一見とっつ きにくいテーマへの興味・関心の入り口となること。

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  • 満留伸一郎『散文へのプロセス』

    書誌情報

    書名 散文へのプロセス

    著者 満留伸一郎

    編集 Dの 3 行目

    判型 A5/並製

    ページ数 94p

    発行日 2021 年 1 月 19 日

    発行者 合同会社 D の 3 行目

    価格 900 円+税(ISBN978-4-909328-42-7 C0095 \900E)

    想定読者ターゲット

    芸術文化、文学、写真に興味のある社会人/大学生

    本書のスタイル・ねらい

    1.実際の講義内容を生かした構成とすることで、講義の雰囲気を体感することができる形式であるこ

    と。

    2.話言葉をベースとした語り口調での文章とすることで、読み進めやすい形式であること。

    3.文章中に書影や著者撮影の写真を配置することで,文章だけでは生まれない、視覚的な読書体験が可

    能となる形式であること

    4.前提知識を必要としない初学者向けの講義内容を書籍化したものであり、「散文」という一見とっつ

    きにくいテーマへの興味・関心の入り口となること。

  • 本書概要

    本書は、ドイツ文学者である満留伸一郎氏により行われた講座の内容を書籍化したものである(※1)。

    ロベルト・ムージルを中心にしながら東西の作家の言葉を引用しつつ,「散文」というものについての

    考察が展開される。「散文」についての語りでありながら、近代の芸術観や現代アート、写真へと接続

    され、文体・ジャンルとしての「散文」に留まらない、「散文」の思想を垣間見ることのできる一冊で

    ある。

    目次

    Ⅰ 散文とは

    モンテーニュ 1 堀田善衛 2 エッセイではなく散文 4 逐語訳的正確さとスタイルの欠如 5 対象に即する 7 かた

    ち 12 読むと書きたくなる文章 13

    Ⅱ 芸術家が語ることと散文:近代的芸術観

    芸術的思考は非芸術的思考と地続き 21 なぜ芸術家は語りたがらないのか 23 天才 24 現代アートの利点 26 芸術とリアル

    に出会う 27 芸術体験は圧倒的なものだけではない 30

    Ⅲ 考えていることをどう語るか

    ムージル 32 インスピレーションとは 33 数え上げるように並べる 35 俯瞰するのではなく 36 一回限りの決定的思考 36

    Ⅳ 散文の対象

    定型からはずれる 41 広津和郎と散文精神 43 散文は危機的状況における静かな抵抗 45 中間地帯 46 チェスタトン 48

    小人 49 目の前のものを注視する 49 すべての人に 51 シクロフスキー「石を石らしく」 53 モンテーニュと堀田善衛 56

    随筆という言葉 57 「私もまた昔はそんな風であった」 58 美文ではなく 60 モンテーニュの文体 61 「絶望の必要はない」

    63 「中立の地域」と「心の余裕」 63 島尾敏雄 66 「あとから」分かる 66 変拍子的リズムで長く延びる 70 七五調か

    ら逃れる 70 過程 72 頭を低く 72 かたち 74 写真 77 バルトとムージル 78 一回きりのことについて扱う科学 79

    逐語訳的正確さとスタイルの欠如 82 飛躍と橋渡し 82

    ※1 2016 年より毎年開講しているプロセス解明講座(主催:合同会社 D の 3 行目)において、2017・2018・2019 年に

    満留伸一郎氏が担当した講座の内容を書籍化したものである。

    2017 年 プロセス解明講座第 2 期『満留伸一郎のみつどめル

    ― ドイツ文学者が芸術について語るとき:翻訳と音楽・映像・写真 ―』

    日時 9 月 1 日(金) 、8 日(金),16 日(土) /会場 東京国際フォーラム G506

    2018 年 プロセス解明講座第 3 期『満留伸一郎のみつどめル、2

    ― ドイツ文学者の言葉にまつわる徹底的おしゃべり。 ―』

    日時 9 月 8 日(土)、22 日(土)、29 日(土)/会場 東京国際フォーラム G506

    2019 年 プロセス解明講座第 4 期『満留伸一郎がみつどめル、3―写真と文章―』

    日時 9 月 14 日(土),21 日(土),28 日(土)/会場 品川プリンス N タワー17F-N1

  • 著者

    満留 伸一郎(みつどめ・しんいちろう)

    PROFILE[略歴]

    year Birth Place/Education/Carrer.etc

    1973 年 鹿児島県生れ。

    2007 年 東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得満期退学(ドイツ文学専攻)。

    BIOGRAPHY[展示・プロジェクト等歴]

    Year Exhibitions/Projects/Papers/Conference Presentations

    2019 年 「エーミール・マイアー 都市写真の萌芽と挫折」(『FOUR-D issue 5』FOUR-D)。

    2018 年 「世紀末ウィーンとプレモダニズム アドルフ・ロース 1」(『symposium2018 年 12 月号

    / No.19』D の 3 行目)

    2018 年 「輪郭と光――島尾伸三の写真」(『脈 98 号』脈発行所)

    2017 年 「「恋愛」と「人類愛」の融合:ドイツとオーストリアの場合 ―シラー、ベートーヴェンから

    J.シュトラウス、クリムトへ―」(『symposium2017 年 12 月号 / No.17』D

    の 3 行目)

    2013~2015 年 『映像』(旧『映像試論 100』)に「ヴァイマール期ドイツ写真管見」を連載。

    2015 年 カール・コリーノ『ムージル伝記3』

    2012 年 カール・コリーノ『ムージル 伝記2』 (共訳。法政大学出版会)

    2010 年 『検証 島尾敏雄の世界』(共著。勉誠出版)

    2009 年 「《離脱》の前後 ― 島尾敏雄《家の中》について」(『東京藝術大学音楽学部紀要』)

    2008 年 ヴォルフガング・ウルリヒ『芸術とむきあう方法』(翻訳)

    2007 年 「方法の生まれる国 ― カカーニエン、あるいは、ある〈全体性〉の強いられた

    ストラテジー ― 」(『オーストリア文学』誌。2009 年度オーストリア文学研究会賞)

    2006 年 ヴォルフガング・ウルリヒ『不鮮明の歴史』(翻訳)

    2005 年 「顔と形象 ― 全体性についての試論:ムージル『トンカ』を中心に ― 」(『詩・言語』誌)

    発行者

    合同会社 D の 3 行目(ごうどうがいしゃ・でぃーのさんぎょうめ)

    2012 年、名嘉雄樹、山﨑泰行ら東京藝術大学学生により活動開始し、作品制作、企画、運営、出版等を

    行う。2015 年、合同会社 D の 3 行目設立。

  • 主な出版物

    2019 年~ 『写真美術誌 OSTEN PHOTOGRAPHY』(継続刊行中。No.2 まで刊行。)

    2019 年~ 『OSTEN OSTEN PHOTO』(継続刊行中。No.2 まで刊行。)

    2019 年 太田純平著、D の 3 行目編集『僕の心の隙間を埋めてくれる君の声を聞きたい 』

    2012 年~ 『図録・批評誌 symposium』(継続刊行中。No.19 まで刊行。)

    編著

    2018 年 『東京藝術大学の彫刻と深井隆 1951~(2018)~』(深井隆との共著、東京藝術大学出版会、2018)

    その他近年の主な活動

    ・満留伸一郎(ドイツ文学)、末木孝典(近代日本政治史)等による〈プロセス解明講座〉(2016~)

    ・「神田ラ淀屋橋」プロジェクト(2018~)株式会社アトリエヒロとの共催による 2018 年から 2023 年

    までの 6 ヵ年計画プロジェクト。年 2 回、東京(神田)と大阪(淀屋橋)の 2 カ所で計 10 回の展示を実

    施。

    ・「深井 𫝆井 深井 𫝆井 ― 四人の琳派 ‐花鳥風月‐」展(アトリエヒロ、大阪:アトリエヒロとの共催、

    2019)

    ・「深井隆-物語の庭-」展(板橋区立美術館、東京)図録へテキストを寄稿及び同展展覧会映像を制作

    (2020)