Adobe Illustratorによる WordPressテーマ作成ワークフロー
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Transcript of Adobe Illustratorによる WordPressテーマ作成ワークフロー
2016年11月19日
WordBench奈良
Cherry Pie Web 川井昌彦
Adobe Illustratorによる WordPressテーマ作成ワークフロー
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自己紹介●川井 昌彦 (かわい まさひこ)
東京の制作会社に24年間勤めた後、
京都府舞鶴市に帰郷し、フリーランスで、DTP・Web制作をしています。
提案・見積・ディレクション・デザイン・コーディング・
プログラミング・顧客サポート・・・
制作の上流から下流までを一手に引き受けています。
「WordBench京都」などで、たまに登壇させていただいています。
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「WordCamp Kansai 2016」では、
セッションスピーカーをさせていただきました。
「熊本地震の支援サイトを30分で立ち上げ、 独自ドメイン新規取得込みで即日運用開始した話」
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Cherry Pie Webhttp://www.cherrypieweb.com
1997年開設
今年で19年目 !
2015年に
MovableTypeから
WordPressに移行
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私とAdobe Illustratorとのお付き合い初めて触ったのは、今から約20年前
・ Illustrator 5.5(CSではなく無印!)
以降、7~CC2017まで、
全バージョンでの作業経験あり
CS5発売時には、東京・表参道で開かれた
「世界で最も早くAdobe Creative Suite 5 に触れられるリアルスポット
Station5 」 にて説明員を担当しました。
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本日の予定1. WebデザインにIllustratorを使う理由
2. IllustratorとHTML+CSS
3. 重要な初期設定
4. テンプレート=アートボード
5. HTML+CSS=スウォッチとスタイル
6. シンボル
7. 画像アセット
8. まとめ
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Webデザインに Illustratorを使う理由もともとは、Fireworksを使っていた
Ps、Aiも併用していた
写真・画像加工 ロゴ・地図
レイアウト 図形 文字
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CS6をもって、Fireworks開発中止・・・
Fwの代わりに、Aiを使用することに
写真・画像加工 ロゴ・地図
レイアウト 図形 文字
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デザインの目的で、使うツールは異なるビジュアルがメイン → Photoshop・ 画像やパーツを作るのが目的
コンテンツ(テキスト)がメイン → Illustrator・ 画像やパーツを作るだけでなく、
文字や画像ボックスの装飾を考えるのが目的
(必ずしも、パーツを作るわけではない)
※CMSのデザインなら、Illustratorが向いている
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IllustratorとHTML+CSSIllustratorデータの構造と、HTML+CSSは親和性が高い・ 画像が「リンク」で配置できる
(画像がドキュメントの解像度に依存しない)
・ スタイルと外部CSSは考え方が近い
スウォッチ(グローバル)
段落スタイル・文字スタイル
グラフィックスタイル
パーツ作成だけでなく、HTML部分のデザインもできる
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"脱" ピクセルパーフェクトの考え方
ピクセルパーフェクト: デザインとコーディングを、1pxの狂いもなく合わせて制作すること
Illustratorではピクセルパーフェクトのデザインが難しいため、
Webデザインには向かないと言われてきた
特に、線がボケると言われてきたのが大きい
(設定次第なんですけどね)
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"脱" ピクセルパーフェクトの考え方・ レスポンシブデザインでは、
ピクセルパーフェクトの実現が現実的ではない
・ Retinaディスプレイ登場で、従来の倍の解像度のデータが必要になった
Photoshopではデータが重くなりすぎる
→ ベクターグラフィックの必要性
アピアランス、ブラシやストロークの進化で、
Illustratorでも美麗なグラフィック作成が可能に
・ CSSの表現力が増し、画像書き出しの必要性が低下
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ここからは、実際のIllustratorデータを見ながら、説明していきます。
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本日のサンプル
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重要な初期設定・ プロファイル:Web
●詳細設定(~CC2015)
プレビューモード:ピクセル
新規オブジェクトをピクセルグリッドに整合:しない
・ 設定
単位・キー入力など数値に関わるものは、
すべて「1px」の単位に修正
・ ピクセルのスナップ(CC2017~)
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データ制作のポイント・ レイヤーは、HTMLの入れ子構造を意識する
body, article, section, div(container, row, col), p, ul, li ・・・
画像を埋め込まない
Retina対応のため、高解像度の画像をリンクして縮小して配置
画像の加工はPhotoshopで行う
body
header
div.containerdiv.containerarticlesection
section
footer
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テンプレート=アートボードWordPressのテンプレートを、アートボードで作成
・ 一つのドキュメントに、デザインが必要なすべてのテンプレートを作成
(重くならない作り方をすることが重要)
・ bootstrapのグリッドをガイドとして配置しておく
・ 共通部分(ヘッダー、フッターなど)は、シンボルで作成
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HTML+CSS=スウォッチとスタイル・ ブロックレベル要素のCSS → 段落スタイル
・ インライン要素のCSS → 文字スタイル
・ 装飾のCSS → オブジェクトスタイル
・ カラー → スウォッチ(グローバル)
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段落スタイル・文字スタイルCSSを設定する要素に合わせてスタイルを作成する・ 段落スタイル「body」を作成し、基本のプロパティを設定しておく
その他の段落スタイルは、bodyを複製して作成
・ H1~ H6, p, strong など文字関連のタグ
・ 文字に適用されるクラス
設定できるプロパティ・ font-family, font-size, font-style, font-weight, margin (padding), text-align, text-indent, line-height, color, text-decoration など
・ background, border, border-radius, text-shadow, box-shadow などは、
オブジェクトスタイルを併用する
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HTMLで表示される部分の注意・ フォントは、ヒラギノ角ゴW3、メイリオ または Noto sans などの
OS標準のものか、Webフォントを使用する。
・ 文字変形、カーニング、トラッキングは使用しない
・ 日本語組版設定は使わない
禁則処理:なし、ぶらさがり:なし、文字組み:なし
(日本語と英数字の文字間が4分アキになるのを防ぐ)
・ 標準段落スタイル・標準文字スタイルは、変更しない・使わない
(他者とのファイルのやり取りがあるときは事故になりやすい)
※画像として書き出すものは、上記の制限は考えなくてもいいです。
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グラフィックスタイルCSSで表現できるものは、極力画像にしない
CSSを設定する要素に合わせてスタイルを作成する・ divタグとクラス
・ ブロック要素の文字関連以外のプロパティの指定
設定できるプロパティ・ アピアランス、グラデーション
・ background, border, border-radius text-shadow, box-shadow など
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スウォッチ(グローバル)・ スウォッチはグローバルにしないと威力半減
グローバルにすれば、スウォッチパネルで色を変更するだけで
同じスウォッチが指定された部分の色を統一して変えられる
・ スウォッチは、カラーパネルで濃度を変えて指定できる
・ Sassを使うなら、スウォッチを変数として指定する
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スタイルの残念な点・ InDesignでできる"親子関係"のスタイルは、Illustratorではできない
(上流のスタイルを継承して、一部を変更することはできない)
※文字スタイルは、指定外のプロパティは段落スタイルを継承する
・ 一つのオブジェクトに、複数スタイルをかけられない
・ CSSプロパティで取得できるのは、
文字スタイルとグラフィックスタイルのみ
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シンボル複数のテンプレートにまたがって読み込まれるモジュールを
シンボルにして使いまわす
・ header.php、 footer.php、 sidebar.php など
・ メニュー
・ SNSシェアボタン
・ ブロック要素
・ シンボルのネストが可能
(シンボルにシンボルを含めることができる)
header.php
メニュー
footer.php
sidebar.php
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9スライスで拡大縮小に対応・ 9スライスを設定すると、変形時にガイドの外側が変形しない
内容に合わせてサイズが変わるブロック要素を、シンボルにできる
拡大・縮小しても、 ガイドの外側は変形しない
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ダイナミックシンボル・ ダイナミックシンボルとして作成したシンボルは、
アピアランスが変えられる
・ アピアランスを変えたシンボルでも、
元のシンボルを修正すると、修正が反映される
塗りや線の変更・追加
不透明度の変更
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画像アセット・ 画像として書き出したいオブジェクトを、
「アセットの書き出し」パネルにドラッグ&ドロップして
ファイル名を指定するだけ
・ アートボード全体の書き出しもできる
(ページ全体のデザインカンプ)
・ 書き出し設定は、×1、×2・・・以外に、
サイズ指定、解像度指定が可能
・ 書き出し形式は、
PNG,PNG8,JPG100,JPG80,JPG50,JPG20, SVG,PDF
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画像アセットの残念な点・ アセットごとに書き出し形式を指定できない
(一括書き出しのための機能なので、そもそも無理かも)
Photoshopの画像アセットのほうが使いやすいかも
「Layer Exporter」というPhotoshopライクな書き出しエクステンションがあったが、
CC2015以降は使えない
・ 書き出し形式のプリセットが編集できない
・ クリッピングマスクをかけても、マスク外のオブジェクトごと書き出される
→ 従来の「スライス」を使うしかない?
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まとめ・ テンプレート構造、HTML構造、CSSについて、
ある程度の理解がないとWebデザインをするのは難しい時代
・ Illustratorはテキストメインのデザインをするうえで強力なアプリだが、
Webデザインに特化されたアプリではない
他のWebデザイン用のツールもチェックしておいたほうがよい
※Sketch、Adobe XD など
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ご清聴ありがとうございました。