中東依存型石油サプライチェーンの改善方法の検討について
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65
70
75
80
85
90
95
65 67 69 71 73 75 77 79 81 83 85 87 89 91 93 95 97年度
%
第一次石油危機
第二次石油危機
77.5%
75.9%
71.5%
湾岸危機
(出典:エネルギー生産・需給統計 通産省)
1997
中東
依存
度我が国の中東依存度の推移
中東依存の問題点
2. 日本・アジア向け中東原油価格の割高である
1 つの地域に頼ると安定的供給の面で好ましく
強く影響を受けてしまう
1.原油輸入が止まってしまう危険がある
<問題>
国民経済と国民生活活動が麻痺する
石油サプライチェーンの考慮日本の石油供給安全性を確保原油価格の公平化
製品販売チェーンも変化する
世界全体で原油調達から精製、販売という サプライチェーンとしての考え を取り入れなければならない。
石油市場は世界規模で連動している
調達価格により調達地・調達量が変わる
研究の目的
現状の石油サプライチェーンを表現できるモデルを作成
石油サプライチェーンがどのように変化するかについて検討を行う。
1. 原油価格が変化した場合
2. 政治的に中東から原油調達調整を行った場合
3. 中東産油国が原油の減産を行った場合
4. 石油市場が整備された場合
石油サプライチェーンの特徴
2. 製油地の取り扱う油種に制約がある
3. 原油・製品の種類が多い
4. 石油製品得率が異なる
5. 原油・製品価格が多様である
6. 消費地の需要構造が異なる
1. 石油市場は世界規模で連動している1. 石油市場は世界規模で連動している
2. 製油地の取り扱う油種に制約がある
3. 原油・製品の種類が多い
4. 石油製品得率が異なる
5. 原油・製品価格が多様である
原油価格と製品価格の変動
0
20
40
60
80
100
120
61 64 67 70 73 76 79 82 85 88 91 94 97
年
(円/リット
ル)
原油価格
レキ ュ゙ラーカ ゾリン
軽油
灯油
1997
石油サプライチェーンの特徴
2. 製油地の取り扱う油種に制約がある
3. 原油・製品の種類が多い
4. 石油製品得率が異なる
5. 原油・製品価格が多様である
1. 石油市場は世界規模で連動している
6. 消費地の需要構造が異なる
本モデルの特徴
4. サプライチェーンをネットワークで表現
3. 原油・製品の量と価格の連動性
2. 油種など石油サプライチェーンの特徴を考慮
1. 世界の石油市場を対象としている1. 世界の石油市場を対象としている
2. 油種など石油サプライチェーンの特徴を考慮
3. 原油・製品の量と価格の連動性
4. サプライチェーンをネットワークで表現
石油サプライチェーンネットワーク表現
原油生産地( 16 ) 製油地( 9 ) 消費地( 10 )
….
東海岸
・・・
・・・
・・・AXL
DUR
中国
台湾
LQENC3NC4NA1NA2REFPG1RG1RG2RG3RG4RG5
HS1HS2BODHFOASPCO1
石油製品の種類
( 30 )
LQENC3NC4NA1NA2REFPG1RG1RG2RG3RG4RG5
HS1HS2BODHFOASPCO1
MUR
ARL
DUR
OMA
TPS
WTI
ANS
SLC
西海岸
欧州
日本
中東
台湾
中国
制約条件
2. 製油地の原油処理能力の制約
3. 製品販売量の制約
4. 需要量の制約
1. 原油生産地の油種供給可能量の制約1. 原油生産地の油種供給可能量の制約
2. 製油地の原油処理能力の制約
3. 製品販売量の制約
4. 需要量の制約
製品価格の推定
0
20
40
60
80
100
120
61 64 67 70 73 76 79 82 85 88 91 94 97
年
(円/リット
ル)
原油価格
レキ ュ゙ラーカ ゾリン
軽油
灯油
1997
製品価格の推定
軽油( Y2 )
灯油( Y3 )
レギュラーガソリン( Y1 )
Y1 = 1. 665X + 23. 2
Y2 = 1. 396X + 16. 4
Y3 = 1. 345X + 16. 6
MUR
ARL
100$/B
200$/B
X= 150$/B
<例>
日本
各種設定
•年間原油供給可能量の設定
•年間原油処理能力、年間需要量の設定
•原油価格の設定
•初期値の製品価格の設定
•製品輸送費用の設定
•製油費用の設定
•年間原油供給可能量の設定
•年間原油処理能力、年間需要量の設定
•原油価格の設定
•初期値の製品価格の設定
•製品輸送費用の設定
•製油費用の設定
モデルの検証
実績輸送量実績輸送量)-(計算結果輸送量
より算出
米国 欧州 中東 アジア 日本米国 - 0.2% -0.5% 0.0% 0.8% -0.1%欧州 - 1.7% 1.9% 0.0% -0.2% 0.0%アフリカ - 2.9% 1.3% -0.1% 1.7% 0.0%中東 3.0% 4.0% -3.1% -4.0% 0.2%アジア - 0.2% 0.0% 0.0% 0.3% 0.0%
原油生産地
実績輸送量との比較
製油地
<原油輸送の検証>
モデルの検証
実績輸送量実績輸送量)-(計算結果輸送量
より算出
現状の石油サプライチェーンの表現できるモデルと言える
<製品輸送の検証>
米国 欧州 アフリカ 中東 アジア 日本米国 - 1.6% 0.1% 1.4% 0.0% 1.4% 0.2%欧州 1.3% 0.2% -1.9% 0.3% -0.4% 0.0%中東 - 0.3% -0.3% 0.5% -0.3% -0.4% -0.4%アジア 0.4% 0.0% 0.0% 0.0% -1.6% 0.1%日本 0.2% 0.0% 0.0% 0.0% 1.0% 0.2%
製油地
実績輸送量との比
消費地
検討項目
•我が国と最も取引量が多く•石油関連企業が日常的に注目し•過去に日本の国民生活に大きな影響を与えた
中東原油価格が上昇した場合について
石油サプライチェーンがどのように変化するかについて検討を行なった
計算結果の一例
米国
アジア
欧州
アフリカ
中東
<原油生産地>
日本
欧州
中東
アジア
米国
<製油地>
良質ガソリン
低質ガソリン
灯油
良質軽油
低質軽油
原油
欧州
アフリカ
中東
アジア
米国
日本
<消費地>
アジア向け中東原油価格が上昇した場合のチェーン
米国
アジア
欧州
中東
<原油生産地>
日本
欧州
中東
アジア
米国
<製油地>欧州
中東
アジア
米国
日本
<消費地>
良質ガソリン
低質ガソリン
灯油
良質軽油
低質軽油
原油アフリカアフリカ
アジア向け中東原油価格が上昇した場合のチェーン
米国
アジア
欧州
中東
<原油生産地>
日本
欧州
中東
アジア
米国
<製油地>欧州
中東
アジア
米国
日本
<消費地>
良質ガソリン
低質ガソリン
灯油
良質軽油
低質軽油
原油アフリカ
アフリカ
まとめ
全世界の石油ロジスティクスをサプライチェーンとして捕らえ、量と価格の連動性と油種などの制約を考慮したモデルを作成し、モデルの有効性を示した。
日本を中心とするサプライチェーンは、中東原油価格が上昇した場合、他の候補地よりもアフリカ原油へシフトする方が経済的に望ましいことがわかった。