3-3 既存調査結果 - Gender191 3-3 既存調査結果...

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Page 1: 3-3 既存調査結果 - Gender191 3-3 既存調査結果 1.男性の性別役割分担意識について (1)男性の性別役割分担意識 性別役割分担意識とは、男女を問わず個人の能力等によって役割の分担を決めることが適当であるに

191

3-3 既存調査結果

1.男性の性別役割分担意識について

(1)男性の性別役割分担意識

性別役割分担意識とは、男女を問わず個人の能力等によって役割の分担を決めることが適当であるに

も関わらず、「男は仕事・女は家庭」「男性は主要な業務・女性は補助的業務」等のように、男性、女性

という性別を理由として役割を分ける考え方のことである。このような性別役割分担を固定的に考えて

いることが、男性の日常生活の意識・行動と関連しているのではないかと考えられる。したがって、こ

こでは、男性の性別役割分担意識と日常生活の意識・行動に関連する既存調査について紹介し、それら

の因果関係について検討する。

従来、男性は性別役割分担意識を持ちやすいことが指摘されているが、Meekは Psychology of Men(2011)

において、男性が性別役割分担意識を持ちやすいことの理由として、「男性の性別役割分担意識は、男

性の社会的成功と結びついており、性別役割分担意識に基づいた行動ができている男性は、社会的に成

功している男性として認識されやすいことから、男性が性別役割分担意識に即して行動することにより、

社会的に有利な立場となりやすい」ということを指摘している。

しかし、近年、そのような意識にも変化がみられているようである。図表 3-3-1-1 は、「夫は外で働

き、妻は家庭を守るべきである」という考え方について、賛成か反対かについて質問した結果である(内

閣府「平成 23 年版男女共同参画白書」, 2011)。昭和 54 年の調査結果では、『賛成』(「賛成」「どちら

かといえば賛成」の合計)とする回答が 70%を超えている。しかし、平成 21 年の調査結果では、その

ような考え方は 41.3%となっており、『反対』(「反対」「どちらかといえば反対」の合計)とする回答

(55.1%)が上回っている。また、男女別に検討したところ、男性の回答はこれまで『賛成』が『反対』

を上回っていたが、平成 21 年の調査において、調査開始以来、初めて『反対』が『賛成』を上回る結

果となっている(賛成 45.9%、反対 51.1%)。

図表 3-3-1-1 「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきである」といった考え方について

出典)内閣府「平成 23 年版男女共同参画白書」(2011)より作成

31.8

14.8

12.7

13.8

10.6

11.9

9.5

40.8

32.1

32.5

31.0

30.7

34.0

27.8

7.1

6.1

5.9

3.2

3.6

3.1

4.0

16.1

27.0

27.4

28.7

31.3

30.4

32.0

4.3

20.0

21.5

23.4

23.8

20.7

26.6

0% 20% 40% 60% 80% 100%

昭和54年 5月調査(n=8,239)

平成14年 7月調査(n=3,561)

平成16年11月調査(n=3,502)

平成19年 8月調査(n=3,118)

平成21年10月調査(n=3,240)

平成21年10月調査 男性(n=1,730)

平成21年10月調査 女性(n=1,510)

賛成 どちらかといえば賛成 わからない どちらかといえば反対 反対

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(2)男性の性別役割分担意識と男性の満足度

これまで、性別役割分担意識に関する調査研究は、主として女性を対象とするものが中心であり、男

性を対象とした調査研究は少ない傾向にある。また、男性の性別役割分担意識と男性を取り巻く日常生

活の意識や行動との関連性について焦点を当てた調査研究は、国内では非常に少ない状況である。

国内で行われているいくつかの調査研究を概観すると、男性は性別役割分担意識を持ちやすい傾向に

あることが示されている。例えば、「男性の男女共同参画に関する意識調査」(青森県, 2007)では、「男

は妻子を養う責任がある」という考え方について、20 歳代以降は全ての年代において『そう思う』(「そ

う思う」「どちらかといえばそう思う」の合計)とする回答が 8割を超えており、男性は性別役割分担

意識を持ちやすい傾向にあることがわかる(図表 3-3-1-2)。

図表 3-3-1-2 男は妻子を養う責任がある(青森県男性・年代別)

出典)青森県「男性の男女共同参画に関する意識調査」(2007)より作成

50.0 

45.7 

49.1 

52.6 

62.3 

64.4 

54.9 

25.0 

37.0 

40.7 

34.6 

26.9 

26.6 

36.3 

19.4 

13.0 

6.8 

9.0 

2.2 

2.2 

3.8 

5.6 

4.3 

3.4 

3.8 

8.6 

6.5 

5.0 

0% 20% 40% 60% 80% 100%

10代(n=36)

20代(n=46)

30代(n=59)

40代(n=78)

50代(n=93)

60代(n=93)

70代(n=80)

そう思う どちらかといえばそう思う

どちらかといえばそう思わない そうは思わない

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前述の調査結果からわかるように、男性は、性別役割分担意識(特に、「妻子を養うべきである」と

いった仕事や経済に関する役割意識)を持ちやすい傾向にあるが、「男性の男女共同参画に関する意識

調査」(青森県, 2007)において男性であることの満足度について「満足している」と答えた割合は、

50 歳代以上が 90%超であるのに対し、10 歳代が 70.3%、20 歳代が 78.2%と、若い世代に「満足して

いる」とする回答が比較的低いことがわかる(図表 3-3-1-3)。「満足している」と答えた割合が若年層

で比較的低いことについては、年代の上昇とともに、男性としての満足感が高くなるとも考えられるが、

近年の社会経済的変化の中で、「男性役割を期待されても役割を果たせないのではないか」とする不安

が、若い世代にある可能性が考えられる。

図表 3-3-1-3 「男性であることについて満足しているか」(青森県男性・年代別)

出典)青森県「男性の男女共同参画に関する意識調査」(2007)より作成

70.3 

78.2 

84.7 

87.2 

90.5 

87.4 

92.8 

0.0 

2.2 

1.7 

0.0 

2.1 

2.1 

2.4 

29.7 

19.6 

13.6 

12.8 

7.4 

10.5 

4.8 

0% 20% 40% 60% 80% 100%

10代(n=37)

20代(n=46)

30代(n=59)

40代(n=78)

50代(n=94)

60代(n=95)

70代(n=83)

満足している 満足していない どちらともいえない

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(3)男性の性別役割分担意識に関わる調査

男らしさや男性性に関する調査・研究はこれまで国内外において研究が行われているが、その中でも

男性・女性といった性別を理由として役割を分ける考え方である「男性の性別役割分担意識」に関わる

調査としては、以下のような調査が行われている。

例えば、主導権役割に関するものは、「女性には最終的に自分の考えに従ってほしい」「人前では、妻

は夫をたてるべきだ」(目黒,2005)、「結婚生活の重要事項は夫が決めるべきである」(鈴木,1994b)等、

男女の関係における主導権役割は男性にあるといったことを表す項目による調査が行われている。

経済的役割に関するものは「夫は外で働き、妻は家を守るべきである」(目黒,2005)、「家族を養い守

るのは男の責任」(田中・尾形,2004)、「経済的に不自由でなければ、女性は働かなくてもよい」(鈴

木,1994b)等、結婚生活における経済的役割は男性にあるといったことを表す項目による調査が行われ

ている。

日常生活の依存に関するものは、「外で洗濯物を干すなど、男の沽券にかかわる」(田中・尾形,2004)、

「主婦が仕事を持つと、家族の負担が重くなるのでよくない」(鈴木,1994b)、「喜んで家事をするよう

な男性は軟弱である」(鈴木,1994a)等、日常生活における男性の身の回りの世話をする役割は女性に

あるといったことを表す項目による調査が行われている。

社会的役割に関するものでは、「出世することは私にとって重要である」(林,2005)、「男にとっては、

個人的な人間関係よりも社会的成功の方が重要である」「グループの中で先頭に立って動くことは、男

の役目である」(林,2002)等、出世や社会的成功、仕事での中心的役割は男性にあるといったことを表

す項目による調査が行われている。

私的感情の抑制に関するものは、「人に自分の感情を見せることは、男らしくないと感じる」(林,2005)、

「特に男は、自分の感情を外に出してはならない」(田中・尾形, 2004)、「男は心配ごとを人に言わな

い方がよい」(林,2002)等、自分の感情を外に出さないことが男性の役割であるといったことを表す項

目による調査が行われている。

このように、男性の性別役割分担意識に関わる調査を概観すると、「主導権役割」「経済的役割」「日

常生活依存」「社会的役割」「私的感情の抑制」といった領域について調査されており、男性の性別役割

分担意識については、このような領域があることが明らかにされている。

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2.男性の日常生活の意識・行動との関連

男性の性別役割分担意識に関する研究については女性の研究に比べて少なく、どのような影響を受け

て形成されるのかについてや、日常生活の意識や行動との関連についても明確にされていない。しかし、

男性が日常生活を送る中での意識や行動には、男性の性別役割分担意識が関連していることが推測され

る。本章では、男性の日常生活における意識や行動のうち、男性の性別役割分担意識と関連があると考

えられる「家事」「子育て」「仕事や経済問題」「悩みや困りごと」「気分障害や自殺等について」「配偶

者や恋人との関係」「定年後や老後の希望」「飲酒の習慣」を取り上げ、性別役割分担意識との関連性に

ついて検討する。

(1)家事について

ここでは、男性の性別役割分担意識と家事との関連について検討する。

① 結婚相手に求める家事能力の男女差

まず、家事についての性別役割分担意識について、結婚前にはどのように考えているのだろうか。「結

婚・家族形成に関する調査報告書」(内閣府, 2011)によると、「結婚相手に求める条件」について、「家

事能力を求める」とする回答は、20~30 歳代の未婚男性では 45.8%となっているが、他方、同年代の

未婚女性では 27.5%にとどまっている(図表 3-3-2-1)。つまり、男性は女性に家事能力を期待する傾

向にあるが、女性は男性に家事能力をあまり期待しておらず、この点について、家事に関する性別役割

分担意識が関連している可能性がある。

図表 3-3-2-1 結婚相手に求める条件について「家事能力」と回答した比率

出典)内閣府「結婚・家族形成に関する調査報告書」(2011)より作成

② 配偶者に求める家事分担

夫婦の家事分担について、「平成 18 年社会生活基本調査」(総務省統計局, 2006)では、家事関連活

動時間に占める妻の分担割合が公表されているが、昭和 61 年以降、徐々に妻の割合が低下傾向にはあ

るものの、共働き世帯、妻が無業(専業主婦)の世帯のいずれにおいても、妻が 9割程度を担っている

ことがわかる(図表 3-3-2-2)。

45.8

27.5

0% 20% 40% 60% 80% 100%

未婚男性(n=3,806)

未婚女性(n=3,167)

※対象は20~30代の未婚で、「将来結婚するつもりはない」と

回答した者を除いている

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図表 3-3-2-2 夫と妻の家事関連活動時間に占める妻の分担割合の推移

出典)総務省統計局「平成 18 年社会生活基本調査」(2006)より作成

また、「日常の家事」についての性別役割分担意識について、「男女共同参画に関する府民意識調査」

(大阪府, 2009)の結果からは、家庭の仕事の役割分担についての意識は、婚姻状況により異なる傾向

がみられており、特に既婚者においては、「妻の役割」とする意識が 8割を超えている(図表 3-3-2-3)。

図表 3-3-2-3 日常の家事についての性別役割分担意識

出典)大阪府「男女共同参画に関する府民意識調査」(2009)より作成

(単位%)

昭和61年 平成3年 平成8年 平成13年 平成18年

共働き世帯 94.7 93.6 93.2 91.4 89.6

夫が有業で妻が無業の世帯

96.4 94.9 94.3 92.8 91.5

※分担割合=100×(妻の時間)/(夫と妻の合計時間)

0.0

0.0

43.2

18.0

48.6

80.3

5.4

0.4

2.7

1.2

0% 20% 40% 60% 80% 100%

未婚(n= 37)

既婚(n=244)

夫の役割 両方同じ程度の役割 妻の役割 いずれにも該当しない 無回答

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(2)子育てについて

ここでは、男性の性別役割分担意識と子育てとの関係について検討する。

① 子育てにおける性別役割分担意識

子育てにおける性別役割分担意識について、まず、子育てを女性の役割と考えているかどうかについ

て検討する。「男女共同参画意識に関する調査報告書」(愛知県, 2009)において、「女性が職業を持つ

こと」について、「子どもができるまでは職業をもつほうがよい」「子どもができたら仕事をやめ、大

きくなったら再び職業をもつほうがよい」など、『出産後に女性は仕事を持たないほうがよい』と考え

る男性が、20 歳代~50 歳代までは 50%弱となっており、60 歳代~70 歳代では、過半数となっている

(図表 3-3-2-4)。出産後には、妻が専業主婦になることを希望する男性は、各年代とも 50%程度いる

ことがわかる。

図表 3-3-2-4 「女性が職業を持つことについての考え」(愛知県男性・年代別)

出典)愛知県「男女共同参画意識に関する調査報告書」(2009)より作成

1.1 

1.2 

0.5 

0.9 

2.0 

1.1 

5.4 

5.2 

7.6 

5.3 

9.0 

12.8 

15.1 

5.8 

8.7 

10.1 

8.0 

14.9 

31.2 

42.8 

38.6 

35.5 

44.2 

43.6 

30.1 

34.7 

32.1 

41.2 

31.2 

23.4 

10.8 

5.8 

8.2 

4.4 

3.0 

6.5 

4.6 

4.3 

1.8 

1.5 

4.3 

0.9 

1.0 

0% 20% 40% 60% 80% 100%

20歳代 (n= 93)

30歳代 (n=173)

40歳代 (n=184)

50歳代 (n=228)

60歳代 (n=199)

70歳代 (n= 94)

女性は職業をもたないほうがよい結婚するまでは職業をもつほうがよい子どもができるまでは職業をもつほうがよい子どもができたら仕事をやめ、大きくなったら再び職業をもつほうがよい子どもができてもずっと職業を続けるほうがよいその他わからない

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② 育児休業の取得

次に、育児休業の取得について検討する。「雇用均等基本調査」(厚生労働省)によると、男性の育児

休業取得率は、平成 20 年度で 1.23%、平成 21 年度で 1.72%、平成 22 年度で 1.38%と、男性の育児休

業取得率は低い状況が続いている。「第 2回乳幼児の父親についての調査」(Benesse 次世代育成研究所,

2009)において、首都圏および地方の 0歳から 6歳(就学前)の乳幼児を持つ父親に対し、育児休業制

度を利用しなかった(できなかった、または利用しようと思わなかった)理由を 3つ以内で回答を求め

たところ、「職場に迷惑をかけるから」が 36.1%と最も多く、次いで「忙しくてとれそうもないから」

(31.2%)となっており、職場の雰囲気や仕事の状況により、父親が育児休業を取得しづらい様子がう

かがえる(図表 3-3-2-5)。

図表 3-3-2-5 育児休業制度を利用しない理由(0~6歳までの子どもを持つ男性)

出典)Benesse 次世代研究所「第 2回乳幼児の父親についての調査」(2009)より作成

36.1

31.2

23.9

19.5

18.8

15.3

11.4

8.1

5.1

3.8

1.0

8.8

7.3

0% 10% 20% 30% 40% 50%

職場に迷惑をかけるから

忙しくてとれそうもないから

前例がないから

取得しにくい雰囲気が職場にあるから

取得すると収入が減るから

取得したいと思わなかったから

配偶者が出産で仕事を辞めたから

配偶者が取得したため、取得する必要がなかったから

昇進にさしつかえるから

会社で居場所がなくなるから

妻が反対するから

その他

特にない

(複数回答, n=4,395)

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③ 子どもを持つ男性の仕事優先と家庭優先の葛藤

最後に、子どもを持つ男性の仕事と生活における希望と現実について検討する。「少子化施策利用者

意向調査の構築に向けた調査報告書」(内閣府, 2009)によると、12 歳未満の子どもがいる男性におけ

る、生活の中での「仕事」「家庭生活(家事・育児や家族との生活)」「個人の生活(個人的な趣味や学

習、知人との交流など)」の優先度に関する「希望」と「現実」について、希望において「仕事を優先」

とする回答はほとんどないが、現実では 6割超が「仕事」を優先している様子が示されている(図表

3-3-2-6)。特に「家庭優先」の希望は 19.3%となっているが、現実では 4.8%と 14.5 ポイントの乖離

となっており、「家庭と個人の生活を優先」の希望は 15.6%となっているが、現実では 0.8%と 14.8 ポ

イントの乖離となっている。

図表 3-3-2-6 12 歳未満の子どもがいる男性の「仕事」「家庭生活」「個人の生活」の優先度

出典)内閣府「少子化施策利用者意向調査の構築に向けた調査報告書」(2009)より作成

この調査結果から、子どもを持つ男性は、希望としては家庭を優先したいと思っていても、実際には

仕事を優先せざるをえない様子がうかがえる。前述のように、育児休業が取得できない理由としては、

「職場に迷惑をかける」「忙しくてとれそうもない」等、仕事に関する要因が多く、子どもを持つ男性

は、家庭や子育てを優先したいと考えていても仕事を優先せざるをえない可能性があり、「家庭や子育

てにもっとかかわりたいが、仕事を優先せざるをえない」といった葛藤を抱えやすい可能性が示唆され

る。

0.8

60.1

19.3

4.8

2.3

0.5

32.4

24.8

1.3

2.1

15.6

0.8

26.0

3.5

0.7

2.1

1.6

1.2

0% 20% 40% 60% 80% 100%

希望

現実

「仕事」を優先 「家庭生活」を優先

「個人の生活」を優先 「仕事」と「家庭生活」を共に優先

「仕事」と「個人の生活」を共に優先 「家庭生活」と「個人の生活」を共に優先

「仕事」と「家庭生活」と「個人の生活」を共に優先 わからない

(n=971)

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200

(3)仕事や経済的問題について

ここでは、男性の性別役割分担意識と仕事・雇用との関係について検討する。

① 男性の経済的問題に関する性別役割分担意識

まず、男性は、経済的問題に関する性別役割分担意識について、どのような意識を持っているのか検

討する。「男女共同参画に関する府民意識調査」(大阪府, 2009)において、「生活費を稼ぐのは夫婦ど

ちらの役割だと思うか」という質問に対し、「夫」と答えた割合は男女とも高く、男性の 40 歳代~60 歳

代では 8割を超えている(図表 3-3-2-7)。

図表 3-3-2-7 「生活費を稼ぐのは夫の役割」と回答した割合(男女比)

出典)大阪府「男女共同参画に関する府民意識調査」(2009)より作成

また、「男女共同参画社会をめざした市民意識調査報告書」(尼崎市, 2008)においても、「日常的な

家庭の仕事の分担」について「生活費の確保は主に夫が行うのが理想」と回答した割合は、30 歳代~70

歳代の男性で 6割を超えており、女性の 20歳代~40歳代においても 6割を超えている(図表 3-3-2-8)。

図表 3-3-2-8 「生活費の確保は主に夫が行うのが理想」と回答した割合(男女比)

出典)尼崎市「男女共同参画社会をめざした市民意識調査報告書」(2008)より作成

男性 女性 男性 女性 男性 女性 男性 女性 男性 女性

n=19 n=29 n=48 n=80 n=46 n=77 n=76 n=80 n=109 n=11

68.475.0 

84.889.5  91.7 

75.981.3 79.2

71.3

87.1

0%

20%

40%

60%

80%

100%

20代 30代 40代 50代 60代

男性 女性

男性 女性 男性 女性 男性 女性 男性 女性 男性 女性 男性 女性

n=28 n=63 n=69 n=120 n=65 n=100 n=71 n=136 n=87 n=125 n=88 n=116

57.1

72.5 

63.1 60.6  63.2  63.6 65.1 67.5 65.0 

53.757.6

44.8

0%

20%

40%

60%

80%

100%

20代 30代 40代 50代 60代 70代

男性 女性

大阪府

尼崎市

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201

② 就業形態の男女による差異

前述のように、意識としては、夫(男性)が稼ぎ手役割として認識されやすい傾向にあるが、次に、

実際の就業形態について、「平成 22 年国勢調査」(総務省統計局, 2011)から 15 歳以上の就業者の構成

比を検討したところ、男性は「正規の職員・従業員」による就業が中心であるが、女性は「パート・ア

ルバイト・その他」による就業が正社員による就業を上回っており、女性就業者全体の約 5割を占めて

いる(図表 3-3-2-9)。このことは、男性は正規職員、女性は、パート・アルバイトで就業するケースが

多く、結果として、男性が稼ぎ手役割となりやすいことを示唆していると考えられる。

図表 3-3-2-9 就業者における従業上の地位の男女別割合

出典)総務省統計局「平成 22 年国勢調査」(2011)より作成

③ 雇用情勢の変化

前述のように、「男性が稼ぎ手役割」という意識は男女とも高く、男女の就業形態の差異から男性が

稼ぎ手役割を担いやすい傾向にあるが、近年は、男性の雇用が安定していない傾向にあることから、仕

事に対する意識が変化している可能性がある。「労働力調査 長期時系列データ」(総務省統計局)によ

ると、男性の失業率が全ての年代において年々上昇している(図表 3-3-2-10)。このように男性の雇用

状態は厳しい傾向にあるが、男女ともに「生活費の主な稼ぎ手は男性である」という性別役割分担意識

を持ちやすいことから、稼ぎ手役割とされている男性が、葛藤を抱えやすい可能性が考えられる。

図表 3-3-2-10 完全失業率の推移(男性 ・年代別)

5.4%

5.0%

4.4%

4.1%

4.0%

出典)総務省統計局「労働力調査 長期時系列データ」より作成

0%

2%

4%

6%

平成元年 4 7 10 13 16 19 22

30~34 35~39

40~44 45~49

50~54 55~59

82.2 

45.7

2.5 

4.4

15.3 

49.9

0% 20% 40% 60% 80% 100%

男性

女性

正規職員・従業員 派遣社員 パート・アルバイト・その他

※数字は15歳以上の就業者についてである。

※「その他」とは、役員、雇人のある業主、雇人のない業主(家庭内職者含む)、

4.1%

平成 22 年

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202

(4)悩みや困りごとについて

ここでは、男性の悩みや困りごとなどの実態と相談について検討する。

① 男性の悩みの内容

まず、男性はどのような悩みを持っているかについて検討する。「地域における相談ニーズに関する

調査報告書」(内閣府, 2010)によると、この1年間にあった悩みの内容については、「仕事・雇用・

転職など」の悩みが最も多く、悩みがあると回答した男性の 73.4%にのぼっている(図表 3-3-2-11)。

このことから、男性の悩みの主要部分は、仕事に関することであることがわかる。また、「健康・病気・

障害など」や「家計・借金・相続など」「メンタルヘルス・ストレスなど」といった回答も多くなって

いる。

図表 3-3-2-11 この1年間にあった悩みの内容(男性)

出典)内閣府「地域における相談ニーズに関する調査報告書」(2010)より作成

、雇

、転

、再

、起

、病

、障

、借

、相

、ス

、暮

、知

、結

、離

、夫

、親

、子

、教

、容

姿

、高

、勉

、進

、出

ュア

ワー

、い

トー

カー

、D

V

20代(n=166) 77.1 34.3 33.1 36.1 41.0 31.9 42.8 16.9 10.2 29.5 6.0 28.3 19.3 6.6 6.0 3.0 3.0 0.6

30代(n=181) 80.7 37.0 42.0 35.4 31.5 31.5 35.4 19.3 21.5 13.8 8.8 9.4 5.0 13.3 6.6 5.0 2.2 3.9

40代(n=147) 80.3 42.9 45.6 44.9 30.6 25.2 24.5 19.7 17.7 14.3 10.9 6.1 7.5 2.0 8.8 3.4 0.7 0.7

50代(n=181) 75.7 48.6 42.0 36.5 23.8 27.6 12.7 18.2 19.9 13.3 17.7 8.3 9.9 4.4 6.6 6.1 3.9 3.3

60代(n=129) 47.3 59.7 33.3 17.1 30.2 14.0 11.6 28.7 5.4 3.9 24.0 3.1 3.1 2.3 3.1 4.7 2.3 8.5

男性

73.4 

43.8 39.4 

34.6 31.3 

26.7  26.0 

20.1 

15.5  15.4  13.1  11.4 9.2 

6.1  6.3  4.5 2.5  3.2 

0%

20%

40%

60%

80%

100%(複数回答, n=804)

Page 13: 3-3 既存調査結果 - Gender191 3-3 既存調査結果 1.男性の性別役割分担意識について (1)男性の性別役割分担意識 性別役割分担意識とは、男女を問わず個人の能力等によって役割の分担を決めることが適当であるに

203

② 気軽に話せる人の有無

次に、周囲に気軽に話せる人がいるかどうかについて検討する。「地域における相談ニーズに関する

調査報告書」(内閣府, 2010)によると、周囲に気軽に話せる人がいるかどうかについては、男性より

女性のほうが「いる」とする回答率が高い傾向にある(図表 3-3-2-12)。男性の結果をみると、「知人・

友人」「職場」において男性の 30 歳代、40 歳代に「いる」とする回答が減少する傾向がみられており、

働き盛りの世代において、知人・友人や職場において、気軽に話せる人が少なくなる傾向にあると考え

られる。

図表 3-3-2-12 「気軽に話せる人がいる」とする回答率(年代別)

出典)内閣府「地域における相談ニーズに関する調査報告書」(2010)より作成

82.2 

86.1 

85.4 

88.8 

90.6 

78.5 

70.0 

63.5 

67.6 

72.1 

61.8 

56.5 

52.3 

61.8 

57.0 

12.9 

13.8 

18.0 

24.0 

41.5 

22.1 

14.7 

15.3 

18.9 

23.7 

0% 20% 40% 60% 80% 100%

20代(n=174)

30代(n=209)

40代(n=178)

50代(n=215)

60代(n=180)

20代(n=186)

30代(n=217)

40代(n=189)

50代(n=225)

60代(n=183)

20代(n=152)

30代(n=209)

40代(n=174)

50代(n=207)

60代(n=93)

20代(n=186)

30代(n=217)

40代(n=189)

50代(n=225)

60代(n=183)

20代(n=172)

30代(n=204)

40代(n=170)

50代(n=190)

60代(n=152)

となり近所

家族

知人・友人

職場

ネット上に

86.3 

88.2 

84.3 

90.3 

91.0 

81.2 

77.2 

75.0 

81.3 

81.0 

61.9 

56.5 

64.9 

61.2 

72.8 

11.2 

31.1 

31.5 

39.6 

50.4 

28.2 

24.5 

24.4 

23.7 

19.6 

0% 20% 40% 60% 80% 100%

20代(n=343)

30代(n=417)

40代(n=351)

50代(n=444)

60代(n=391)

20代(n=356)

30代(n=425)

40代(n=368)

50代(n=454)

60代(n=399)

20代(n=236)

30代(n=269)

40代(n=242)

50代(n=250)

60代(n=114)

20代(n=356)

30代(n=425)

40代(n=368)

50代(n=454)

60代(n=399)

20代(n=323)

30代(n=372)

40代(n=307)

50代(n=333)

60代(n=276)

となり近所

家族

知人・友人

職場

ネット上に

Page 14: 3-3 既存調査結果 - Gender191 3-3 既存調査結果 1.男性の性別役割分担意識について (1)男性の性別役割分担意識 性別役割分担意識とは、男女を問わず個人の能力等によって役割の分担を決めることが適当であるに

204

③ 悩みや困りごとをひとりで抱え込んだ経験

最後に、悩みや困りごとを誰にも相談せずに、ひとりで抱え込んでしまう傾向について検討する。「地

域における相談ニーズに関する調査報告書」(内閣府, 2010)によると、悩みや困りごとがあっても誰

にも相談せず、ひとりで抱え込んだ経験が「ある」と回答した男性は 66.3%となっており、男性は、悩

みをひとりで抱え込みやすい可能性が示されている(図表 3-3-2-13)。なお、「ある」と回答した人を年

代別で検討したところ、30 歳代が 71.0%、次いで 20 歳代が 70.4%と、若い年代で相対的に高い傾向に

あるが、50 歳代までは「ある」と回答する割合が高い。

図表 3-3-2-13 悩みや困りごとをひとりで抱え込んだ経験の有無(男性・年代別)

出典)内閣府「地域における相談ニーズに関する調査報告書」(2010)より作成

70.4  71.0 67.7  68.0 

53.0 

0%

20%

40%

60%

80%

100%

20代(n=186) 30代(n=217) 40代(n=189) 50代(n=225) 60代(n=183)

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205

(5)気分障害や自殺等について

ここでは、男性の性別役割分担意識と男性の気分障害や自殺等との関係について検討する。

① 気分障害患者数の推移

「患者調査」(厚生労働省)によると、「うつ病等の気分障害」の総患者数は、平成 8年には 43.3 万

人であったが、平成 20 年には 104.1 万人と 12 年間で 2.4 倍に増加している(図表 3-3-2-14)。なお、

うつ病患者の医療機関への受診率は低いことが指摘されており、実際にはこれより多くの患者がいるこ

とが推測される。

気分障害患者数を男女比で検討すると、女性の患者数は 65 万 5 千人、男性は 38 万 6 千人であり、女

性が男性よりも上回っている状況である。

図表 3-3-2-14 気分障害患者数の推移(男女比)

(注)気分障害患者数は、「気分「感情」障害(躁うつ病を含む)」の総患者数であり、うつ病および躁うつ病(双極性障

害)の患者が中心である。総患者数とは、調査日に医療施設に行っていないが、継続的に医療を受けている者を

含めた患者数(総患者数=入院患者数+初診外来患者数×平均診療間隔×調整係数(6/7))である。

出典)厚生労働省「患者調査」より作成

また、「平成 20 年患者調査」(厚生労働省, 2008)における気分障害患者数を男女別、年代別に検討

したところ、どの年代においても女性の患者数が男性の患者数を上回っていることがわかる(図表

3-3-2-15)。しかし、女性の患者数は 60 歳代から 70 歳代にかけて増加するが、男性の患者数は 30 歳代

~50 歳代のいわゆる「働き盛りの世代」において増加している。患者の総数で検討すると、男性は女性

よりも少ないが、世代別の患者数を検討したところ、男女において異なる傾向がみられており、男性の

場合は 30 歳代~50 歳代に患者数が増加するという特徴がある。

274 279

468586 655159 162

243

338

386

0

200

400

600

800

1,000

1,200

平成8年 平成11年 平成14年 平成17年 平成20年

(千人)

男性

女性

433 441

711

924

1,041

Page 16: 3-3 既存調査結果 - Gender191 3-3 既存調査結果 1.男性の性別役割分担意識について (1)男性の性別役割分担意識 性別役割分担意識とは、男女を問わず個人の能力等によって役割の分担を決めることが適当であるに

206

図表 3-3-2-15 気分障害患者数(男女別・年代別)

出典)厚生労働省「平成 20 年患者調査」(2008)より作成

② 男性のつらさとその理由

次に、「男性のつらさ」について検討する。「男女共同参画に関する市民意識調査報告書」(東大阪市,

2010)によると、「男もつらいと感じることがある」と回答した割合は、50 歳代までは年代を問わず 6

割程度となっており、特に 30 歳代~50 歳代において多くなっている(図表 3-3-2-16)。この年代は気

分障害患者数が増加する年代と同じであり、つらさを感じやすい年代と推測される。

図表 3-3-2-16「男もつらい」と感じることの有無(東大阪市男性・年代別)

出典)東大阪市「男女共同参画に関する市民意識調査報告書」(2010)より作成

6

25

7984

71

59

46

159

60

102 10597

120 118

46

0

20

40

60

80

100

120

140

20歳未満 20歳代 30歳代 40歳代 50歳代 60歳代 70歳代 80歳以上

男性 女性

(千人)

63.2

66.1

72.5

68.3

55.5

32.0 

35.1

32.3

19.6

24.8

34.2

40.0 

1.8

1.6

7.8

6.9

10.3

28.0

0% 20% 40% 60% 80% 100%

30歳未満(n= 57)

30代(n= 62)

40代(n= 51)

50代(n=101)

60代(n=146)

70歳以上(n=100)

ある ない 無回答

Page 17: 3-3 既存調査結果 - Gender191 3-3 既存調査結果 1.男性の性別役割分担意識について (1)男性の性別役割分担意識 性別役割分担意識とは、男女を問わず個人の能力等によって役割の分担を決めることが適当であるに

207

さらに、「男もつらいと感じることがある」と回答した者を対象に、その理由について質問したとこ

ろ、最も回答数が多かったものは、「仕事の責任が大きい、仕事ができて当たり前だと言われること」

(36.1%)であった(図表 3-3-2-17)。さらに「なにかにつけ『男だから』『男のくせに』と言われるこ

と」(30.1%)、「自分のやりたい仕事を自由に選べないことがある」(29.4%)、「妻子を養うのは男の責

任だと言われること」(27.7%)の順となっており、男性は「仕事ができて当然」「仕事の選択の自由が

少ない」といった仕事に関係する要因と、「男だから、男のくせに」「妻子を養うのは男の責任」といっ

た性別役割を強いられることにより、「つらい」と感じやすい傾向がうかがえる。

図表 3-3-2-17 男もつらいと感じる内容(東大阪市男性)

出典)東大阪市「男女共同参画に関する市民意識調査報告書」(2010)より作成

36.1

30.1

29.4

27.7

18.9

13.2

7.4

3.0 

6.1

0% 10% 20% 30% 40% 50%

仕事の責任が大きい、仕事ができて当たり前だと言われる

なにかにつけ「男だから」「男のくせに」と言われる

自分のやりたい仕事を自由に選べないことがある

妻子を養うのは男の責任だと言われる

衣食住のことが十分にできなくて生活が不便である

家族とのコミュニケーションがうまくいかない

男なのに酒が飲めないのかとからかわれる

力が弱い、運動が苦手だとバカにされる

その他

(複数回答, n=296)

Page 18: 3-3 既存調査結果 - Gender191 3-3 既存調査結果 1.男性の性別役割分担意識について (1)男性の性別役割分担意識 性別役割分担意識とは、男女を問わず個人の能力等によって役割の分担を決めることが適当であるに

208

③ 自殺者数の男女比

ここからは、自殺と性別役割分担意識について検討する。「平成 23 年版自殺対策白書」(内閣府, 2011)

によると、自殺者は近年増加傾向にあり、平成 10 年以降は、3万人前後で推移している。なお、平成

22 年の男性の自殺者は 22,283 人であり、女性の自殺者の 9,407 人の 2倍以上となっている(図表

3-3-2-18)。

図表 3-3-2-18 平成 22 年の自殺者数(男女比)

出典)内閣府「平成 23 年版自殺対策白書」(2011)より作成

自殺者数を男女別・年代別に検討したところ、男性は 30 歳代~60 歳代で多くなっている(図表

3-3-2-19)。この年代は、前述の男性のうつ病等気分障害の患者数の結果においても、特に患者数が多

くなる年代であり、自殺と気分障害との関連を示唆するものと考えられる。女性については、年代別の

顕著な差異はみられていない。このことからも、自殺については、特に中高年の男性に頻出しやすいと

考えられる。

図表 3-3-2-19 平成 22 年の自殺者数 (男女別・年代別)

出典)内閣府「平成 23 年版自殺対策白書」(2011)より作成

総数(人) %

男性 22,283 70.3%

女性 9,407 29.7%

合計 31,690 100.0%

365

2,356

3,260

3,854

4,593

4,179

2,269

1,235

172187

884

1,336 1,311 1,3661,729

1,404

1,166

240

1,000

2,000

3,000

4,000

5,000

19歳以下 20代 30代 40代 50代 60代 70代 80代以上 不詳

(人)

男性

女性

Page 19: 3-3 既存調査結果 - Gender191 3-3 既存調査結果 1.男性の性別役割分担意識について (1)男性の性別役割分担意識 性別役割分担意識とは、男女を問わず個人の能力等によって役割の分担を決めることが適当であるに

209

④ 男女別の自殺の原因・動機の差異

次に、自殺の原因・動機について検討する。自殺の原因・動機別の件数について、性別・年代別に検

討したところ、男性は「健康問題」「経済・生活問題」が原因となることが多い(図表 3-3-2-20)。特に

40 歳代~50 歳代では、「経済・生活問題」が「健康問題」の数を上回っており、経済問題や生活に関す

る問題で悩みが生じやすいと考えられる。なお、女性の自殺の原因・動機については、「健康問題」が

中心であり、「家庭問題」もやや多い傾向にある(図表 3-3-2-21)。

男性と女性を比較してみると、「経済・生活問題」の件数の差が極めて大きく、「経済・生活問題」を

原因とする自殺は、ほとんどが「男性」に起こることであることがわかる。

図表 3-3-2-20 平成 22 年における自殺者の年齢別自殺の原因・動機別の件数(男性)

図表 3-3-2-21 平成 22 年における自殺者の年齢別自殺の原因・動機別の件数(女性)

※原因・動機別件数は、原因・動機特定者一人につき3つまで計上可能としたため、自殺者数とは一致しない。「健康問

題」「経済・生活問題」「家庭問題」「勤務問題」「男女問題」を、それぞれ「健康」「経済・生活」「家庭」「勤務」「男

女」と表記している。

出典)内閣府「平成 23 年版自殺対策白書」(2011)より作成

1,174

1,332

1,629

1,937

863

1,521

2,043

1,501

415

522

544

520

525

620

546

182

239

116

65

24

157

168

197

213

0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000

30代

40代

50代

60代

健康 経済・生活 家庭 勤務 男女 その他

(件)

927

870

966

1,331

95

142

213

140

269

258

267

290

85

51

35

14

144

74

19

9

43

39

49

66

0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000

30代

40代

50代

60代

健康 経済・生活 家庭 勤務 男女 その他

(件)

Page 20: 3-3 既存調査結果 - Gender191 3-3 既存調査結果 1.男性の性別役割分担意識について (1)男性の性別役割分担意識 性別役割分担意識とは、男女を問わず個人の能力等によって役割の分担を決めることが適当であるに

210

(6)配偶者や恋人との関係について

ここでは、男性の性別役割分担意識と結婚や配偶者・恋人との関係について検討する。

① 未婚者の割合と結婚の希望

まず、未婚者の割合と結婚の希望について検討する。「平成 22 年国勢調査」(総務省統計局, 2011)

によると、男性の未婚者の割合は、20 歳代で 79.6%であり、30 歳代では 39.9%という状況である(図

表 3-3-2-22)。

図表 3-3-2-22 20 歳代及び 30 歳代男女における未婚者の割合

出典)総務省統計局「平成 22 年国勢調査」(2011)より作成

未婚者がどのくらい結婚を希望しているかについて検討した調査(内閣府「結婚・家族形成に関する

調査報告書」, 2011)によると、未婚者のうち結婚を希望している者は男性で 83.2%、女性で 89.6%

となっており、結婚を希望している者は多いことがわかる。

② 結婚相手に求める経済的役割の男女差

次に、結婚の条件としてあげられる経済的役割について検討する。結婚しないことの要因の 1つに「経

済的な性別役割分担意識」が関連している可能性がある。「結婚・家族形成に関する調査報告書」(内閣

府, 2011)によると、「結婚相手に求める条件」について、「経済力」と答えた 20 歳代~30 歳代の未婚

男性は14.0%にとどまっているが、同年代の未婚女性は78.1%と顕著に高くなっている(図表3-3-2-23)。

この背景には女性は結婚相手の男性に経済力を求める傾向にあるが、男性は女性に経済力を期待してい

ない傾向にあるという、性別役割分担意識が関連していることが推察される。

図表 3-3-2-23 結婚相手に求める条件について「経済力」と回答した比率(未婚男女比)

※「将来結婚するつもりはない」と回答した者を除いて集計している

出典)内閣府「結婚・家族形成に関する調査報告書」(2011)より作成

また、「少子化社会に関する国際意識調査報告書」(内閣府, 2011)によると、「結婚生活に必要な月

収」について、20 歳代~40 歳代の未婚男性は平均 33.6 万円と回答しているが、同年代の未婚女性は平

均 36.7 万円と回答しており、結婚生活に必要な月収は、男性よりも女性のほうが高く見積もっている

20代 30代男性 79.6% 39.9%女性 72.4% 30.5%

14.0

78.1

0% 20% 40% 60% 80% 100%

未婚男性(n=3,806)

未婚女性(n=3,167)

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211

ことがわかる(図表 3-3-2-24)。さらに、未婚者は既婚者に比べて、必要な月収を高く見積もっており、

特に未婚女性において高い収入を求める傾向が示されている。

図表 3-3-2-24 結婚生活に必要と考える平均月収(未婚・既婚男女比)

出典)内閣府「少子化社会に関する国際意識調査報告書」(2011)より作成

③ ドメスティックバイオレンス(DV)の 被害体験

ドメスティックバイオレンス(DV)とは、「親密な関係にあるパートナーからの暴力」を意味し、暴

力は主に「身体的暴力」「精神的暴力」「性的暴力」「経済的暴力」の形で現れる。ここでは、DV につい

て検討する。「男女間における暴力に関する調査報告書」(内閣府, 2009)によると、配偶者からの暴力

被害経験の割合は、女性のほうが男性よりも高く、40 歳代であれば、『あった』(「何度もあった」「1、2

度あった」の合計)と回答している女性は 29.3%であり、4人に 1人を超えている(図表 3-3-2-25)。

図表 3-3-2-25 配偶者からの暴力被害体験(男女・年代別)

出典)内閣府「男女間における暴力に関する調査報告書」(2009)より作成

8.6

3.5

2.1

0.8

1.1

5.7

13.3

12.8

14.4

9.8

85.7

82.7

84.0

82.3

84.5

1.1

2.5

4.6

0% 25% 50% 75% 100%

20代(n=  35)

30代(n=173)

40代(n=187)

50代(n=243)

60歳以上(n=439)

何度もあった 1、2度あった まったくない 無回答

9.6

5.4

6.6

4.6

6.1

15.4

17.6

22.7

17.3

19.2

75.0

77.0

70.3

76.5

70.1

0.4

1.6

4.6

0% 25% 50% 75% 100%

20代(n=  52)

30代(n=222)

40代(n=256)

50代(n=306)

60歳以上(n=522)

何度もあった 1、2度あった まったくない 無回答

33.6

36.7

30.2

32.3

25 30 35 40

未婚男性(n=206)

未婚女性(n=165)

既婚男性(n=308)

既婚女性(n=490)

(万円)

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212

④ DV と男性の性別役割分担意識

DV と男性の性別役割分担意識について、統計的に検討した文献は少ないが、臨床の知見からは、以下

の点が指摘されている。中村は「ドメスティック・バイオレンスと家族の病理」(2001)において、男

性役割と暴力的行動との親和性を指摘しており、DV の社会的・文化的な要因として、「男性は家族を統

制するものだという考えが広がっていること」や「男性の役割分担意識」があるとし、特に男性役割の

うちの「パワー(権力)とコントロール(支配)」という権力にかかわる意識が、暴力となって現れや

すいことを指摘している。

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213

(7)定年後や老後の希望について

ここでは、男性の性別役割分担意識と定年前後の男性の問題との関係について検討する。

① 定年後の仕事役割の意識

まず、60 歳を過ぎてからも仕事をしたいかどうかについて検討する。「団塊世代のセカンドライフに

関するアンケート調査」(野村総合研究所, 2005)は、55 歳~59 歳の会社員・公務員の男性 500 人を対

象に、「60 歳を過ぎてからも仕事を持ち続けたいかどうか」について質問している。その結果、約 8割

の男性が定年後も仕事を継続する意欲を見せていることがわかる(図表 3-3-2-26)。

図表 3-3-2-26 60 歳を過ぎてからも仕事を持ち続けたいか

出典)野村総合研究所「団塊世代のセカンドライフに関するアンケート調査」(2005)より作成

次に、仕事を持ち続けたいと回答した者にその理由を質問したところ、「頭や体をなまらせないため

(62.7%)」「経済的な理由、老後の生活資金のため(60.9%)」「自分の生きがいややりがいのため

(48.1%)」といった理由があげられている(図表 3-3-2-27)。

図表 3-3-2-27 60 歳を過ぎてからも仕事を続ける理由

出典)野村総合研究所「団塊世代のセカンドライフに関するアンケート調査」(2005)より作成

22.8 55.4 15.6 6.2

0% 20% 40% 60% 80% 100%

仕事を持ち続けたいし、その目途も立っている 仕事を持ち続けたいが、未定である

もう仕事はしない予定である わからない

(n=500)

62.7

60.9

48.1

36.1

30.2

19.9

10.5

5.4

2.3

0% 20% 40% 60% 80%

頭や体をなまらせないため

経済的な理由、老後の生活資金のため

自分の生きがいややりがいのため

家にずっといるのは嫌だから

もっと社会に役立ちたいと思うから

生活には困らないが、小遣い稼ぎのため

今の会社の人たちとつながっていたいから

これといって他にやることがないから

その他

(複数回答, n=391)

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214

このように、多くの男性は、「60 歳を過ぎてからも働き続けたい」と希望しているが、定年は避けら

れないことも多い。では、定年を迎えた男性の意識は、どのように変化するのだろうか。「平成 15 年版

厚生労働白書」(厚生労働省, 2003)は、35 歳から 74 歳の男性が「家庭」「仕事・会社」「地域・近隣」

「友人」についてどの程度生きがいを感じているかについて調査を行っている。その結果、「55~64 歳」

と「65~74 歳」の年齢層の間で、「仕事・会社が生きがい」と回答した比率に顕著な差異がみられてい

る(図表 3-3-2-28)。多くの男性が、定年をきっかけに「仕事」という大きな生きがいを見失いやすい

ことがわかる。

図表 3-3-2-28 生きがいを得る場(男性・年代別)

出典)厚生労働省「平成 15 年版厚生労働白書」(2003)より作成

また、高齢者の価値意識についての調査(木村, 1995)では、定年男性において、次のような特徴が

指摘されている。①「地位」など今まで積み上げて獲得してきたものを維持しようとする傾向が強いこ

と、②「自分には良い点がある」などの自己評価が低くなること。このように、定年後の男性は、仕事

役割の喪失にともない、仕事役割と一家の経済的役割失い、辛さや葛藤を抱えやすいと推察される。

② 定年後の生活の楽しみ

仕事中心の生活を長年続けてきた男性が、定年を機に居場所や生きがいそのものを失うという指摘が

なされているが、定年前後における男性の意識は、どのように変化するのだろうか。「団塊世代の退職

研究総合報告書」(財団法人ハイライフ研究所, 2007)において、男性を定年前後のグループ(「定年退

職予定者」「退職後 1~2年」「退職後 3~4年」「退職後 5~6年」経過した者の 4グループ)に分け、そ

れぞれに対し、定年後の生活の楽しみについて質問している。その結果、「定年後の生活を大変楽しみ

にしている(大変楽しんでいる)」と回答した男性は、「定年退職予定者」「退職後 1~2年」「退職後 3

~4年」で 16%台となっているが、「退職後 5~6年」になると 27.7%に増加している(図表 3-3-2-29)。

56.6 54.751.3

49.9

58.1 57.5

49.1

23.4

3.2 4.78.0

14.012.6 14.3 16.1 19.3

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

70%

35~44 45~54 55~64 65~74

家庭

仕事・会社

地域・近隣

友人

(歳)

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215

この調査結果から、男性は、定年後しばらくは新しい生活に慣れないが、定年後 5~6年経つと、徐々

にその生活を楽しめるようになってくる可能性が考えられる。

図表 3-3-2-29 定年後の生活の楽しみについて

出典)財団法人ハイライフ研究所「団塊世代の退職研究総合報告書」(2007)より作成

16.6

16.2

16.4

27.7

42.9

42.3

52.6

48.2

24.7

20.6

18.1

18.1

10.9

8.4

11.2

6.0

4.9

12.5

1.7

0.0

0% 20% 40% 60% 80% 100%

定年退職予定者(n=247)

退職後1~2年(n=71)

退職後3~4年(n=116)

退職後5~6年(n=83)

大変楽しみにしている/大変楽しんでいるやや楽しみにしている/やや楽しんでいるどちらともいえないあまり楽しみにしていない/あまり楽しんでいないまったく楽しみにしていない/まったく楽しんでいない

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(8)飲酒の習慣について

ここでは、男性の性別役割分担意識と飲酒の習慣との関係について検討する。

① アルコール依存症の患者数

「患者調査」(厚生労働省)によると、「アルコール使用による精神及び行動の障害」の患者数は、男

性が顕著であり、アルコール依存症については、女性よりも男性のほうが顕著に多いことがわかる(図

表 3-3-2-30)。

図表 3-3-2-30 アルコール使用による精神及び行動の障害の患者数

出典)厚生労働省「患者調査」より作成

② アルコール依存症と男性の性別役割分担意識との関連

鈴木は「男性性とメンタルヘルス」(2008)において、日本では「酒を飲んで酔うことは男らしい」

と見なされ、酒を飲むことには男らしさを証明するという側面があることを指摘している。そのため、

大量の飲酒をする男性も少なくないが、そのように、大量の飲酒が習慣化することにより、アルコール

依存症に繋がりやすいと考えられる。

このような男らしさのステレオタイプからくる飲酒もあるが、性別役割分担意識についての葛藤から

アルコールを大量に摂取するケースもあることが考えられる。例えば「男は一家の大黒柱」と考えてい

るにもかかわらず、失業等でそのような役割が果たせないというような場合である。そのように男性役

割を担うべきと思いながらできないという葛藤から、アルコールに依存してしまうこともある。

このようなことから、男性の性別役割分担意識とアルコール依存症には関連性がある可能性があり、

その関係性については、性別役割分担意識が強い場合に、それを肯定するために飲酒するケースと、性

別役割分担意識の葛藤から飲酒するケースがあると考えられる。

5 5 6 7 9

5039

43 44 41

0

20

40

60

80

100

平成8年 平成11年 平成14年 平成17年 平成20年

(千人)

55

4449 51 50

男性

女性

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