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数学Iadvance 3章「2次関数」
1
(教科書 p.94)
式を整理して(2 次式) 0 の形に変形できる方程式を(1 2 次方程式 )という。𝑥 の 2 次方
程式は
𝑎𝑥 𝑏𝑥 𝑐 0
と表される。ただし 𝑎 0 とする。
(教科書 p.94)
2 次方程式 3𝑥 2𝑥 8 0 を解いてみよう。
左辺を因数分解すると 𝑥 2 3𝑥 4 0
よって 𝑥 2 0 または 3𝑥 4 0
ゆえに,この 2 次方程式の解は 𝑥 2,
次の 2 次方程式を解け。
(1) 𝑥 13𝑥 36 0
𝑥 13𝑥 36 0 より
𝑥 4 𝑥 9 0
よって 𝑥 4, 9
(2) 𝑥 2𝑥 48 0
𝑥 2𝑥 48 0 より
𝑥 6 𝑥 8 0
よって 𝑥 6,8
(3) 2𝑥 5𝑥 2 0
2𝑥 5𝑥 2 0 より
𝑥 2 2𝑥 1 0
よって 𝑥 2,
(4) 6𝑥 𝑥 15 0
6𝑥 𝑥 15 0 より
2𝑥 3 3𝑥 5 0
よって 𝑥 ,
(教科書 p.94)
2 次方程式 𝑎𝑥 𝑏𝑥 𝑐 0 は,次のように変形できる。
𝑥 ・・・・・・①
𝑏 4𝑎𝑐 ≧ 0 のとき,平方根を求めて
𝑥 √
したがって,次の 2 次方程式の(2 解の公式 )が成り立つ。
2 次方程式の解の公式
2 次方程式 𝑎𝑥 𝑏𝑥 𝑐 0 の解は
𝑏 4𝑎𝑐 ≧ 0 のとき 𝒙 𝒃 𝒃𝟐 𝟒𝒂𝒄
𝟐𝒂
2 次方程式 5𝑥 7𝑥 1 0 を解いてみよう。
𝑥 √ ∙ ∙∙
√
次の 2 次方程式を解け。
(1) 2𝑥 9𝑥 5 0
𝑥 √ ∙ ∙∙
√
(2) 3𝑥 7𝑥 1 0
𝑥 ∙ ∙∙
√
(3) 𝑥 6𝑥 4 0
𝑥 ∙ ∙∙
√ 3 √13
(4) 4𝑥 8𝑥 3 0
𝑥 ∙ ∙∙
√ √
2 節 2次方程式・2次不等式
1 2次方程式の解法
因数分解による解法
例 1
問1
解の公式による解法
例 2
問2
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数学Iadvance 3章「2次関数」
2
2 次方程式 𝑎𝑥 𝑏𝑥 𝑐 0 において,𝑏 2𝑏′ のとき,すなわち 𝑎𝑥 2𝑏′𝑥 𝑐 0 に解の公
式を適用してみよう。
𝑥 √
√ √
よって,2 次方程式 𝑎𝑥 2𝑏′𝑥 𝑐 0 の解は,次のようになる。
𝑥 √ ・・・・・・②
2 次方程式 7𝑥 6𝑥 3 0 を解いてみよう。
𝑥 ∙ √
解の公式②を利用して,次の 2 次方程式を解け。
(1) 3𝑥 4𝑥 1 0
𝑥 ∙ √
(2) 6𝑥 14𝑥 5 0
𝑥 ∙ √
例 3
問3
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数学Iadvance 3章「2次関数」
3
(教科書 p.96)
次の 3 つの 2 次方程式が,実数の解,すなわち(1 実数解 )をそれぞれいくつもつか調べ
てみよう。
𝑥 6𝑥 8 0 ・・・・・・①
𝑥 6𝑥 9 0 ・・・・・・②
𝑥 6𝑥 10 0 ・・・・・・③
①は,左辺を因数分解すると(2 𝑥 2 𝑥 4 0 )となり,(3 𝑥 2,4 )とい
う異なる 2 つの実数解をもつ。
②は,左辺を因数分解すると(4 𝑥 3 0 )となり,(5 𝑥 3 )という 1 つの
実数解をもつ。この解は,2 次方程式の 2 つの実数解が重なったものと考えることができ,これを
(6 重解 )という。
③は,左辺を変形すると(7 𝑥 3 1 0 )となり,左辺はつねに 1 以上であるから,
等式は成り立たない。よって,③は実数解をもたない。
また,①,②,③に解の公式を適用すると,次のようになる。
①は(8 𝑥 ∙ ∙∙
√ 4,2 )
②は(9 𝑥 ∙ ∙∙
√ 3 )
③は(10 𝑥 ∙ ∙∙
√ )
②では,根号の中の式 𝑏 4𝑎𝑐 の値が 0 となり,重解が得られる。また,③では 𝑏 4𝑎𝑐 の値は
負になり,実数解は存在しない。
一般に,2 次方程式の実数解の個数は,解の公式 𝑥 √ の根号の中の式 𝑏 4𝑎𝑐 の符号
によって決まる。
𝑏 4𝑎𝑐 を 2 次方程式 𝑎𝑥 𝑏𝑥 𝑐 0 の(11 判別式 )といい,記号 𝐷 で表す。
すなわち (12 𝐷 𝑏 4𝑎𝑐 )
2 次方程式の実数解の個数
2 次方程式 𝑎𝑥 𝑏𝑥 𝑐 0 の判別式を 𝐷 とすると
1 𝐷 0 異なる 𝟐 つの実数解をもつ
2 𝐷 0 𝟏 つの実数解(重解)をもつ
3 𝐷 0 実数解をもたない
1と2を合わせると,次のことが成り立つ。
𝑫 ≧ 𝟎 ⇔ 実数解をもつ
2 次方程式 5𝑥 9𝑥 3 0 の実数解の個数を調べてみよう。
この 2 次方程式の判別式を 𝐷 とすると 𝐷 9 4 ∙ 5 ∙ 3 21 0
よって,この 2 次方程式の異なる実数解の個数は( 2 個 )である。
次の 2 次方程式の実数解の個数を求めよ。
(1) 7𝑥 4𝑥 1 0
2 次方程式 7𝑥 4𝑥 1 0 の判別式を 𝐷 とすると
𝐷 4 4 ∙ 7 ∙ 1 44 0
よって,実数解の個数は 2 個である。
(2) 4𝑥 12𝑥 9 0
2 次方程式 4𝑥 12𝑥 9 0 の判別式を 𝐷 とすると
𝐷 12 4 ∙ 4 ∙ 9 0
よって,実数解の個数は 1 個である。
(3) 𝑥 𝑥 1 0
2 次方程式 𝑥 𝑥 1 0 の判別式を 𝐷 とすると
𝐷 1 4 ∙ 1 ∙ 1 3 0
よって,実数解の個数は 0 個である。
2 次方程式 4𝑥 7𝑥 𝑘 0 が異なる 2 つの実数解をもつような定数 𝑘 の値の範囲を求めよ。
この 2 次方程式の判別式を 𝐷 とすると
𝐷 7 4 ∙ 4 ∙ 𝑘 49 16𝑘k
異なる 2 つの実数解をもつ条件は 𝐷 0 より 49 16𝑘 0
ゆえに 𝑘
2 次方程式 3𝑥 8𝑥 𝑘 0 が実数解をもつような定数 𝑘 の値の範囲を求めよ。
3𝑥 8𝑥 𝑘 0 の判別式を 𝐷 とすると
𝐷 8 4 ∙ 3 ∙ 𝑘 64 12𝑘
実数解をもつ条件は 𝐷 ≧ 0 より
64 12𝑘 ≧ 0
ゆえに 𝑘 ≦
2 2次方程式の実数解の個数 例 4
問4
1例題
解
問5
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数学Iadvance 3章「2次関数」
4
(教科書 p.98)
2 次関数 𝑦 𝑥 4𝑥 3 ・・・・・・①
のグラフと 𝑥 軸の共有点の 𝑥 座標は,①において 𝑦 0 とし
て得られる
2 次方程式
𝑥 4𝑥 3 0
の解である。
左辺を因数分解して
𝑥 1 𝑥 3 0
よって
𝑥 1,3
したがって,①のグラフと 𝑥 軸の共有点の 𝑥 座標は
1, 3
である。
2 次関数のグラフと 𝑥 軸の共有点
2 次関数 𝑦 𝑎𝑥 𝑏𝑥 𝑐 のグラフと
𝑥 軸の共有点の 𝑥 座標は,
2 次方程式
𝑎𝑥 𝑏𝑥 𝑐 0
の実数解である。
次の 2 次関数のグラフと 𝑥 軸の共有点の 𝑥 座標を求めよ。
(1) 𝑦 𝑥 3𝑥 10
𝑥 3𝑥 10 0
𝑥 2 𝑥 5 0
よって 𝑥 2,5
(2) 𝑦 2𝑥 3𝑥 2
2𝑥 3𝑥 2 0
𝑥 2 2𝑥 1 0
よって 𝑥 2,
(3) 𝑦 9𝑥 6𝑥 1
9𝑥 6𝑥 1 0
9𝑥 6𝑥 1 0
3𝑥 1 0
よって 𝑥
(4) 𝑦 𝑥 𝑥 1
𝑥 𝑥 1 0
𝑥 ∙ ∙
√
3 2次関数のグラフと x 軸の共有点 グラフと x 軸の共有点の座標 例 5
問6
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数学Iadvance 3章「2次関数」
5
(教科書 p.99)
2 次関数 𝑦 𝑎𝑥 𝑏𝑥 𝑐 のグラフと 𝑥 軸の共有点の個数は,2 次方程式 𝑎𝑥 𝑏𝑥 𝑐 0 の異な
る実数解の個数に等しい。この 2 次方程式の判別式を 𝐷 とすると,共有点の個数は 𝐷 の符号によっ
て,次のように判定できる。
𝐷 の符号 𝐷 0 𝐷 0 𝐷 0
グラフと 𝑥 軸の
共有点の個数 (1 2 個 ) (2 1 個 ) (3 0 個 )
2 次関数 𝑦 𝑥 2𝑥 3 について
2 次方程式 𝑥 2𝑥 3 0 の判別式を 𝐷 とすると
𝐷 2 4 ∙ 1 ∙ 3
16 0
したがって,この 2 次関数のグラフと 𝑥 軸の共有点は
( 2 個ある。 )
2 次関数 𝑦 𝑥 2𝑥 2 について
2 次方程式 𝑥 2𝑥 2 0 の判別式を 𝐷 とすると
𝐷 2 4 ∙ 1 ∙ 2
4 0
したがって,この 2 次関数のグラフと 𝑥 軸の共有点は
( ない。 )
次の 2 次関数のグラフと 𝑥 軸の共有点の個数を求めよ。
(1) 𝑦 𝑥 4𝑥 3
𝑥 4𝑥 3 0 の判別式を 𝐷 とすると
𝐷 4 4 ∙ 1 ∙ 3 4 0
したがって,この 2 次関数のグラフと 𝑥 軸の共有点は 2 個ある。
(2) 𝑦 𝑥 4𝑥 4
𝑥 4𝑥 4 0 の判別式をDとすると
𝐷 4 4 ∙ 1 ∙ 4 0
したがって,この 2 次関数のグラフと 𝑥 軸の共有点は 1 個ある。
(3) 𝑦 2𝑥 2𝑥 1
2𝑥 2𝑥 1 0 の判別式をDとすると
𝐷 2 4 ∙ 2 ∙ 1
4 0
したがって,この 2 次関数のグラフとx軸の共有点はない( 0 個)。
(4) 𝑦 𝑥 𝑥
𝑥 𝑥 0 の判別式をDとすると
𝐷 1 4 ∙ 1 ∙
3 0
したがって,この 2 次関数のグラフと 𝑥 軸の共有点は 2 個ある。
問7グラフと x 軸の共有点の個数
例 6
例 7
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数学Iadvance 3章「2次関数」
6
(教科書 p.100)
2 次関数 𝑦 𝑎𝑥 𝑏𝑥 𝑐 のグラフと 𝑥 軸の位置関係は,2 次方程式 𝑎𝑥 𝑏𝑥 𝑐 0 の判別式を
𝐷 とすると,次の表のようになる。
2 次関数のグラフが 𝑥 軸とただ 1 点を共有するとき,そのグラフは 𝑥 軸に(7 接する )と
いい,その共有点を(8 接点 )という。
2 次関数 𝑦 𝑥 4𝑥 𝑘 のグラフと 𝑥 軸の共有点の個数は,定数 𝑘 の値によってどのように
変わるか。
2 次方程式 𝑥 4𝑥 𝑘 0 の判別式を 𝐷 とすると
𝐷 4 4 ∙ 1 ∙ 𝑘 4 4 𝑘
𝐷 0 となるのは 𝑘 4 のとき
𝐷 0 となるのは 𝑘 4 のとき
𝐷 0 となるのは 𝑘 4 のとき
である。ゆえに,共有点の個数は
𝑘 4 のとき 2 個
𝑘 4 のとき 1 個
𝑘 4 のとき 0 個
2 次関数 𝑦 𝑥 6𝑥 𝑘 のグラフと 𝑥 軸の共有点の個数は,定数 𝑘 の値によってどのように
変わるか。
𝑥 6𝑥 𝑘 0 の判別式を 𝐷 とすると
𝐷 6 4 ∙ 1 ∙ 𝑘 36 4𝑘 4 𝑘 9
𝐷 0 となるのは 𝑘 9 のとき
𝐷 0 となるのは 𝑘 9 のとき
𝐷 0 となるのは 𝑘 9 のとき
である。
ゆえに,共有点の個数は
𝑘 9 のとき 2 個
𝑘 9 のとき 1 個
𝑘 9 のとき 0 個
グラフと x 軸の位置関係
2 例題 応 用
解
問8
(4 2 個 )(5 1 個 )(6 0 個 )
-
数学Iadvance 3章「2次関数」
7
(教科書 p.101)
放物線と直線の共有点の座標は,放物線と直線の方程式を連立させて解くことにより求めること
ができる。
放物線 𝑦 2𝑥 ・・・・・・①
直線 𝑦 𝑥 6 ・・・・・・②
について,これらの共有点の座標を求めてみよう。
①,②より,𝑦 を消去して
2𝑥 𝑥 6
すなわち
2𝑥 𝑥 6 0
左辺を因数分解して
𝑥 2 2𝑥 3 0
これを解くと
𝑥 2,
②に代入して
𝑥 2 のとき 𝑦 8
𝑥 のとき 𝑦
ゆえに,共有点の座標は
2, 8 , ,
放物線 𝑦 3𝑥 4 と直線 𝑦 12𝑥 16 の共有点の座標を求めよ。 𝑦 3𝑥 4 と 𝑦 12𝑥 16 より,𝑦 を消去して
3𝑥 4 12𝑥 16
すなわち 3𝑥 12𝑥 12 0
𝑥 4𝑥 4 0
𝑥 2 0
よって 𝑥 2
𝑦 12𝑥 16 に代入して 𝑦 8
ゆえに,共有点の座標は 2, 8
放物線 𝑦 𝑥 3 と直線 𝑦 2𝑥 𝑘 が共有点をもつような定数 𝑘 の値の範囲を求めよ。 𝑦 𝑥 3 と 𝑦 2𝑥 𝑘 より,𝑦 を消去して
𝑥 3 2𝑥 𝑘
すなわち 𝑥 2𝑥 3 𝑘 0
共有点をもつのは,この 2 次方程式の判別式 𝐷 の値が正または 0 のときである。
𝐷 2 4 ∙ 1 ∙ 3 𝑘 4𝑘 8 4 𝑘 2
よって 𝑘 2 ≧ 0
ゆえに 𝑘 ≧ 2
発 展 放物線と直線の共有点
例 5
問1
問2
-
数学Iadvance 3章「2次関数」
8
(教科書 p.102)
不等式
𝑥 6𝑥 5 0,𝑥 2𝑥 3 ≦ 0
などのように,左辺が 𝑥 の 2 次式,右辺が 0 となるように整理できる不等式を 𝑥 の
(1 2 次不等式 )という。
(教科書 p.102)
1 次不等式 2𝑥 4 0
を 1 次関数 𝑦 2𝑥 4 のグラフを利用して解いてみよう。
この関数のグラフは右の図のような直線である。
𝑦 0 となる 𝑥 の値は( 2 である。 )
このグラフにおいて 𝑦 0 となる 𝑥 の値の範囲は x>2である。
( 𝑥 2 である。 )
したがって,1 次不等式 2𝑥 4 0 の解は( 𝑥 2 )
次に,1 次不等式 2𝑥 4 0 の解を求めてみよう。
このグラフにおいて,𝑦 0 となる 𝑥 の値の範囲は
( 𝑥 2 である。 )
したがって,1 次不等式 2𝑥 4 0 の解は( 𝑥 2 )
グラフを利用して,次の不等式を解け。
(1) 3𝑥 6 0
グラフより,1 次不等式 3𝑥 6 0 の解は 𝑥 2
(2) 𝑥 4 ≦ 0
グラフより,1 次不等式 𝑥 4 ≦ 0 の解は 𝑥 ≧ 4
(教科書 p.103)
2 次関数 𝑦 𝑥 2𝑥 3
のグラフと 𝑥 軸の共有点の 𝑥 座標は,2 次方程式
𝑥 2𝑥 3 0
の解
( 𝑥 1,3 )
である。
2 次不等式 𝑥 2𝑥 3 0 の解は,
グラフで 𝑦 0 となる 𝑥 の値の範囲を求めて
𝑥 1,3 𝑥
同様に,2 次不等式 𝑥 2𝑥 3 0 の解は
1 𝑥 3
2 次関数 𝑦 𝑎𝑥 𝑏𝑥 𝑐 のグラフは,2 次方程式 𝑎𝑥 𝑏𝑥 𝑐 0
の判別式を 𝐷 とすると,𝑫 𝟎 のとき,𝑥 軸と異なる 2 点で交わる。2
つの交点の 𝑥 座標 𝛼,𝛽 は 2 次方程式 𝑎𝑥 𝑏𝑥 𝑐 0 の実数解である。
2 次不等式の解(𝐷 0 のとき)
2 次方程式 𝑎𝑥 𝑏𝑥 𝑐 0 が 2 つの解 𝛼,𝛽 をもつとき,
𝑎 0,𝛼 𝛽 ならば
𝒂𝒙𝟐 𝒃𝒙 𝒄 𝟎 の解は 𝒙 𝜶,𝜷 𝒙
𝒂𝒙𝟐 𝒃𝒙 𝒄 𝟎 の解は 𝜶 𝒙 𝜷
4 2次不等式
グラフと不等式
例 8
問9
グラフが x 軸と異なる2点で交わる場合例 9
-
数学Iadvance 3章「2次関数」
9
次の 2 次不等式を解け。
(1) 𝑥 9𝑥 20 0 (2) 2𝑥 7𝑥 6 ≦ 0
(1) 2 次方程式
𝑥 9𝑥 20 0
を解くと
𝑥 4 𝑥 5 0
より
𝑥 4,5
したがって,求める解は
𝑥 4,5 𝑥
(2) 2 次方程式
2𝑥 7𝑥 6 0
を解くと
2𝑥 3 𝑥 2 0
より
𝑥 ,2
したがって,求める解は ≦ 𝑥 ≦ 2
次の 2 次不等式を解け。
(1) 𝑥 4𝑥 12 0
2 次方程式 𝑥 4𝑥 12 0 を解くと
𝑥 6 𝑥 2 0 より
𝑥 2,6
したがって,求める解は
2 𝑥 6
(2) 2𝑥 6𝑥 0
2 次方程式 2𝑥 6𝑥 0 を解くと
2𝑥 𝑥 3 0 より
𝑥 0,3
したがって,求める解は
𝑥 0, 3 𝑥
(3) 𝑥 4𝑥 21 ≦ 0
2 次方程式 𝑥 4𝑥 21 0 を解くと
𝑥 3 𝑥 7 0 より
𝑥 3, 7
したがって,求める解は
7 ≦ 𝑥 ≦ 3
(4) 3𝑥 𝑥 4 ≧ 0
2 次方程式 3𝑥 𝑥 4 0 を解くと
𝑥 1 3𝑥 4 0 より
𝑥 1,
したがって,求める解は
𝑥 ≦ ,1 ≦ 𝑥
3 例題
解
問 10
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数学Iadvance 3章「2次関数」
10
𝛼 𝛽 ならば 𝒙 𝜶 𝒙 𝜷 𝟎 の解は 𝒙 𝜶,𝜷 𝒙
𝒙 𝜶 𝒙 𝜷 𝟎 の解は 𝜶 𝒙 𝜷
次の 2 次不等式を解け。
(1) 𝑥 1 𝑥 2 0
𝑥 1 𝑥 2 0 の解が 𝑥 1,2
より, 𝑥 1 𝑥 2 0 の解は
1 𝑥 2
(2) 2𝑥 1 𝑥 3 0
2𝑥 1 𝑥 3 0 の解が 𝑥 3,
より, 2𝑥 1 𝑥 3 0 の解は
𝑥 3, 𝑥
2 次不等式 𝑥 2𝑥 1 0 を解け。
2 次方程式
𝑥 2𝑥 1 0
を解くと
𝑥 1 √2
したがって,求める解は
1 √2 𝑥 1 √2
次の 2 次不等式を解け。
(1) 𝑥 2𝑥 4 0
2 次方程式 𝑥 2𝑥 4 0 を解くと
𝑥 1 √5
したがって,求める解は
𝑥 1 √5, 1 √5 𝑥
(2) 𝑥 4𝑥 1 ≦ 0
2 次方程式 𝑥 4𝑥 1 0 を解くと
𝑥 2 √3
したがって,求める解は
2 √3 ≦ 𝑥 ≦ 2 √3
(3) 𝑥 4𝑥 6 0
2 次方程式 𝑥 4𝑥 6 0 を解くと
𝑥 2 √10
したがって,求める解は
2 √10 𝑥 2 √10
(4) 2𝑥 7𝑥 4 ≧ 0
2 次方程式 2𝑥 7𝑥 4 0 を解くと
𝑥 √
したがって,求める解は
𝑥 ≦ √ , √ ≦ 𝑥
問 11
4 例題
解
問 12
-
数学Iadvance 3章「2次関数」
11
𝒙𝟐 の係数が負の 2 次不等式は両辺に 𝟏 を掛けて 𝑥 の係数が正となるように変形して考えれば
よい。
2 次不等式 𝑥 4𝑥 2 0 を解け。
𝑥 4𝑥 2 0 の両辺に 1 を掛けると
𝑥 4𝑥 2 0
2 次方程式
𝑥 4𝑥 2 0
を解くと
𝑥 2 √2
したがって,求める解は
2 √2 𝑥 2 √2
次の 2 次不等式を解け。
(1) 𝑥 2𝑥 2 0
2 次不等式 𝑥 2𝑥 2 0 の両辺に 1 を掛けると
𝑥 2𝑥 2 0
2 次方程式 𝑥 2𝑥 2 0 を解くと
𝑥 1 √3
したがって,求める解は
𝑥 1 √3,1 √3 𝑥
(2) 𝑥 𝑥 6 ≧ 0
2 次不等式 𝑥 𝑥 6 ≧ 0 の両辺に 1 を掛けると
𝑥 𝑥 6 ≦ 0
2 次方程式 𝑥 𝑥 6 0 を解くと
𝑥 2 𝑥 3 0 より
𝑥 2,3
したがって,求める解は
2 ≦ 𝑥 ≦ 3
5 例題
解
問 13
-
数学Iadvance 3章「2次関数」
12
(教科書 p.106)
2 次関数 𝑦 𝑎𝑥 𝑏𝑥 𝑐 のグラフは,2 次方程式 𝑎𝑥 𝑏𝑥 𝑐 0 の判
別式を 𝐷 とすると,𝑫 𝟎 のとき,𝑥 軸に接する。
この接点の 𝑥 座標 𝛼 は,2 次方程式 𝑎𝑥 𝑏𝑥 𝑐 0 の重解である。
グラフを利用して,2 次不等式 𝑥 2𝑥 1 0 を解いてみよう。
2 次方程式 𝑥 2𝑥 1 0 の判別式を 𝐷 とすると
𝐷 2 4 ∙ 1 ∙ 1 0
よって,2 次関数 𝑦 𝑥 2𝑥 1 のグラフは,下に凸の放物
線で,𝑥 軸に接する。
接点の 𝑥 座標は,2 次方程式
𝑥 2𝑥 1 0
の重解( 𝑥 1 )である。右の図から
𝑥 1 のとき 𝑦 0
𝑥 1 のとき 𝑦 0
したがって
2 次不等式 𝑥 2𝑥 1 0 の解は
1 以外のすべての実数
同様に考えると
2 次不等式 𝑥 2𝑥 1 0 の解は( なし )
また
2 次不等式 𝑥 2𝑥 1 ≧ 0 の解は( すべての実数 )
2 次不等式 𝑥 2𝑥 1 ≦ 0 の解は( 𝑥 1 )
次の 2 次不等式を解け。
(1) 𝑥 4𝑥 4 0
𝑥 4𝑥 4 0 の判別式を 𝐷 とすると
𝐷 4 4 ∙ 1 ∙ 4 0
であるから,2 次関数 𝑦 𝑥 4𝑥 4 のグラフは,下に凸の放物線で 𝑥 軸に接する。
接点の 𝑥 座標は,2 次方程式 𝑥 4𝑥 4 0 の重解
𝑥 2 である。
したがって,求める解は
2 以外のすべての実数
(2) 4𝑥 4𝑥 1 0
4𝑥 4𝑥 1 0 の判別式を 𝐷 とすると
𝐷 4 4 ∙ 4 ∙ 1 0
よって,2 次関数 𝑦 4𝑥 4𝑥 1 のグラフは,下に凸の放物線で 𝑥 軸に接する。した
がって,求める解は
なし
(3) 𝑥 10𝑥 25 ≧ 0
2 次不等式 𝑥 10𝑥 25 ≧ 0 の両辺に 1 を掛けると
𝑥 10𝑥 25 ≦ 0
𝑥 10𝑥 25 0 の判別式を 𝐷 とすると
𝐷 10 4 ∙ 1 ∙ 25 0
よって,2 次関数 𝑦 𝑥 10𝑥 25 のグラフは,下に凸の放物線で 𝑥 軸に接する。接
点の 𝑥 座標は,2 次方程式 𝑥 10𝑥 25 0 の重解
𝑥 5 である。
したがって,求める解は
𝑥 5
(4) 9𝑥 6𝑥 1 ≧ 0
9𝑥 6𝑥 1 0 の判別式を 𝐷 とすると
𝐷 6 4 ∙ 9 ∙ 1 0
よって,2 次関数 𝑦 9𝑥 6𝑥 1 のグラフは,下に凸の放物線で 𝑥 軸に接する。
したがって,求める解は
すべての実数
グラフが x 軸に接する場合
例 10
問 14
-
数学Iadvance 3章「2次関数」
13
(教科書 p.107)
2 次関数 𝑦 𝑎𝑥 𝑏𝑥 𝑐 のグラフは,2 次方程式 𝑎𝑥 𝑏𝑥 𝑐 0 の判別式を 𝐷 とすると,𝑫 𝟎
のとき,𝑥 軸と共有点をもたない。
2 次方程式 𝑥 2𝑥 3 0 の判別式を 𝐷 とすると
𝐷 2 4 ∙ 1 ∙ 3 8 0
よって,2 次関数 𝑦 𝑥 2𝑥 3 のグラフは,下に凸の
放物線で,𝑥 軸と共有点をもたない。
ゆえに,右の図からつねに 𝑦 0 が成り立つ。
したがって
2 次不等式 𝑥 2𝑥 3 0 の解は
( すべての実数 )
また,2 次不等式 𝑥 2𝑥 3 0 の解は( なし )
次の 2 次不等式を解け。
(1) 𝑥 3𝑥 5 0
𝑥 3𝑥 5 0 の判別式を 𝐷 とすると
𝐷 3 4 ∙ 1 ∙ 5 11 0
よって,2 次関数 𝑦 𝑥 3𝑥 5 のグラフは,下に凸の放物線で 𝑥 軸と共有点をもた
ない。
したがって,求める解は
すべての実数
(2) 2𝑥 𝑥 1 0
2𝑥 𝑥 1 0 の判別式を 𝐷 とすると
𝐷 1 4 ∙ 2 ∙ 1 7 0
よって,2 次関数 𝑦 2𝑥 𝑥 1 のグラフは,下に凸の放物線で 𝑥 軸と共有点をもた
ない。
したがって,求める解は
なし
(3) 2𝑥 3𝑥 4 ≧ 0
2𝑥 3𝑥 4 0 の判別式を 𝐷 とすると
𝐷 3 4 ∙ 2 ∙ 4 23 0
よって,2 次関数 𝑦 2𝑥 3𝑥 4 のグラフは,下に凸の放物線で 𝑥 軸と共有点をもた
ない。
したがって,求める解は
すべての実数
(4) 5𝑥 6𝑥 2 ≦ 0
5𝑥 6𝑥 2 0 の判別式を 𝐷 とすると
𝐷 6 4 ∙ 5 ∙ 2 4 0
よって,2 次関数 𝑦 5𝑥 6𝑥 2 のグラフは,下に凸の放物線で 𝑥 軸と共有点をもた
ない。
したがって,求める解は
なし
グラフが x 軸と共有点をもたない場合
例 11
問 15
-
数学Iadvance 3章「2次関数」
14
2 次不等式 𝑥 2𝑥 𝑘 0 の解がすべての実数であるような定数 𝑘 の値の範囲を求めよ。
2 次方程式 𝑥 2𝑥 𝑘 0 の判別式を 𝐷 とすると
𝐷 4 4𝑘
2 次関数 𝑦 𝑥 2𝑥 𝑘 の 𝑥 の係数が正であるから,求める条件は
𝐷 0 である。
よって
4 4𝑘 0
ゆえに,求める 𝑘 の値の範囲は
𝑘 1
2 次不等式 𝑥 3𝑥 𝑘 0 の解がすべての実数であるような定数 𝑘 の値の範囲を求めよ。
2 次方程式 𝑥 3𝑥 𝑘 0 の判別式を 𝐷 とすると
𝐷 3 4 ∙ 1 ∙ 𝑘 9 4𝑘
2 次関数 𝑦 𝑥 3𝑥 𝑘 の 𝑥 の係数が正であるから,求める条件は 𝐷 0 である。
よって 9 4𝑘 0
ゆえに,求める 𝑘 の値の範囲は
𝑘
(教科書 p.108)
これまでに学んだことを整理すると,𝑥 の係数が正のときの 2 次不等式の解は次のようにまとめ
られる。
𝟐 次不等式の解( 𝒂 𝟎 のとき)
6 例題
解
問 16
2次不等式のまとめ
異なる 2 つの
実数解 𝛼,𝛽
𝛼 𝛽
1 つの実数解
𝛼
(重解)
実数解なし
𝑥 𝛼,𝛽 𝑥 𝛼 以外のすべ
ての実数 すべての実数
𝛼 𝑥 𝛽
𝑥 ≦ 𝛼,𝛽 ≦ 𝑥 すべての実数 すべての実数
なし なし
なし 𝛼 ≦ 𝑥 ≦ 𝛽 𝑥 𝛼
-
数学Iadvance 3章「2次関数」
15
(教科書 p.109)
連立不等式 𝑥 2𝑥 8 0 ⋯ ⋯ ①5𝑥 5 0 ⋯ ⋯ ②
を解いてみよう。
不等式①を解くと, 𝑥 2 𝑥 4 0 より
2 𝑥 4 ・・・・・・③
不等式②を解くと
𝑥 1 ・・・・・・④
求める解は③,④の共通の範囲であるから
1 𝑥 4
連立不等式 𝑥 𝑥 2 ≧ 0 ⋯ ⋯ ①𝑥 3𝑥 10 0 ⋯ ⋯ ②
を解いてみよう。
不等式①を解くと, 𝑥 1 𝑥 2 ≧ 0 より
𝑥 ≦ 1,2 ≦ 𝑥 ・・・・・・③
不等式②を解くと, 𝑥 2 𝑥 5 0 より
2 𝑥 5 ・・・・・・④
求める解は③,④の共通の範囲であるから
2 𝑥 ≦ 1,2 ≦ 𝑥 5
次の連立不等式を解け。
(1) 𝑥 𝑥 12 ≧ 0 𝑥 7𝑥 10 ≦ 0
𝑥 𝑥 12 ≧ 0 ⋯ ⋯①𝑥 7𝑥 10 ≦ 0 ⋯ ⋯②
不等式①を解くと, 𝑥 3 𝑥 4 ≧ 0 より
𝑥 ≦ 4,3 ≦ 𝑥 ……③
不等式②を解くと, 𝑥 2 𝑥 5 ≦ 0 より
2 ≦ 𝑥 ≦ 5 ……④
求める解は③,④の共通の範囲であるから
3 ≦ 𝑥 ≦ 5
(2) 𝑥 5𝑥 0 𝑥 4𝑥 12 0
𝑥 5𝑥 0 ⋯ ⋯①𝑥 4𝑥 12 0 ⋯ ⋯②
不等式①を解くと,𝑥 𝑥 5 0 より
5 𝑥 0 ……③
不等式②を解くと, 𝑥 2 𝑥 6 0 より
6 𝑥 2 ……④
求める解は③,④の共通の範囲であるから
5 𝑥 0
5 2次不等式の応用 連立不等式
例 12
例 13
問 17
-
数学Iadvance 3章「2次関数」
16
周の長さが 50cm,面積が 100cm 以上 150cm 以下である長方形
において,縦の長さはどのような範囲にあるか。
縦の長さを 𝑥cm とすると,横の長さは 25 𝑥 cm であり,
𝑥 0,25 𝑥 0 であるから
0 𝑥 25 ・・・・・・①
また,長方形の面積は 𝑥 25 𝑥 cm と表され,この値が 100cm 以上 150cm 以下であるか
ら
100 ≦ 𝑥 25 𝑥 ≦ 150 ・・・・・・②
②の 100 ≦ 𝑥 25 𝑥 より
𝑥 25𝑥 100 ≦ 0
これを解くと 5 ≦ 𝑥 ≦ 20 ・・・・・・③
②の 𝑥 25 𝑥 ≦ 150 より
𝑥 25𝑥 150 ≧ 0
これを解くと 𝑥 ≦ 10,15 ≦ 𝑥 ・・・・・・④
①,③,④を同時に満たす 𝑥 の値の範囲を求めると
5 ≦ 𝑥 ≦ 10,15 ≦ 𝑥 ≦ 20
したがって,縦の長さは
5cm 以上 10cm 以下 または 15cm 以上 20cm 以下
長さ 34cm の針金を折り曲げて長方形の枠をつくり,その対角線の長さを 13cm 以下にしたい。
長方形の横の長さを縦の長さ以上とするとき,縦の長さをどのような範囲にすればよいか。
長方形の縦の長さを 𝑥cm とすると,横の長さは 17 𝑥 cm である。
また,辺の長さは正であり,横の長さは縦の長さ以上であるから
0 𝑥 ≦ 17 𝑥 より
0 𝑥 ≦ …… ①
一方,対角線の長さの条件より
𝑥 17 𝑥 ≦ 13
𝑥 17 𝑥 ≦ 13
𝑥 17𝑥 60 ≦ 0
𝑥 5 𝑥 12 ≦ 0
これを解くと
5 ≦ 𝑥 ≦ 12…… ②
①,②より
5 ≦ 𝑥 ≦
7 例題
解
問 18
-
数学Iadvance 3章「2次関数」
17
(教科書 p.111)
2 次方程式 𝑥 2𝑘𝑥 𝑘 6 0 が異なる 2 つの正の解をもつような定数 𝑘 の値の範囲を求
めよ。
この方程式が異なる 2 つの正の解をもつための条件は,
2 次関数 𝑦 𝑥 2𝑘𝑥 𝑘 6 のグラフが 𝑥 軸の正の部分と異
なる 2 点で交わることである。このグラフは下に凸の放物線で
あるから,これは次の 3 つの条件が成り立つことと同値である。
[1] 𝑥 軸と異なる 2 点で交わる
[2] 軸が 𝑥 0 の部分にある
[3] 𝑦 軸との交点の 𝑦 座標が正
すなわち
[1] 2 次方程式 𝑥 2𝑘𝑥 𝑘 6 0 の判別式を 𝐷 とすると
𝐷 0 となるから( 4𝑘 4 𝑘 6 0 )
よって
( 𝑘 2,3 𝑘 )・・・・・・①
[2] 軸は直線 𝑥 𝑘 で,正となるから( 𝑘 0 )
よって
( 𝑘 0 ) ・・・・・・②
[3] 𝑦 軸との交点の 𝑦 座標 𝑘 6 が正であるから( 𝑘 6 0 )
よって
( 𝑘 6 ) ・・・・・・③
①,②,③を同時に満たす 𝑘 の値の範囲を求めると
6 𝑘 2
2 次方程式 𝑥 𝑘𝑥 𝑘 3 0 が異なる 2 つの負の解をもつような定数 𝑘 の値の範囲を求め
よ。
この方程式が異なる 2 つの負の解をもつための条件は,2 次関数 𝑦 𝑥 𝑘𝑥 𝑘 3 のグラ
フが 𝑥 軸の負の部分と異なる 2 点で交わることである。
このグラフは下に凸の放物線であるから,これは次の 3 つの条件が成り立つことと同値であ
る。
[1] 𝑥 軸と異なる 2 点で交わる
[2] 軸が 𝑥 0 の部分にある
[3] 𝑦 軸との交点の 𝑦 座標が正
すなわち
[1] 2 次方程式 𝑥 𝑘𝑥 𝑘 3 0 の判別式を 𝐷 とすると,𝐷 0 となるから
𝑘 4 𝑘 3 0
よって 𝑘 2,6 𝑘 ……①
[2] 軸は直線 𝑥 で,負となるから
0
よって 𝑘 0 ……②
[3] 𝑦 軸との交点の 𝑦 座標 𝑘 3 が正であるから
𝑘 3 0
よって 𝑘 3 …… ③
①,②,③を同時に満たす 𝑘 の値の範囲を求めると
3 𝑘 2
2次方程式の解の符号
8 例題 応 用
解
問 19
①①②
③
-
数学Iadvance 3章「2次関数」
18
(教科書 p.112)
8 次の2 次方程式を解け。
(1) 𝑥 9𝑥 6 0 𝑥 9𝑥 6 0
𝑥 12𝑥 8 0
よって
𝑥 6 √28 6 2√7
(2) 3𝑥 7√2𝑥 4 0 3𝑥 7√2𝑥 4 0
よって
𝑥 √ √ √ √
すなわち
𝑥 2√2,√
9 2 次方程式 𝑥 8𝑥 𝑘 0 の 1 つの解が 4 √3 であるとき,定数 𝑘 の値を求めよ。また,他
の解を求めよ。
𝑥 4 √3 を与えられた方程式に代入して
` 4 √3 8 4 √3 𝑘 0
よって,𝑘 13 0 より 𝑘 13
このとき,与えられた方程式は
𝑥 8𝑥 13 0
よって 𝑥 4 √3
ゆえに 𝑘 13
他の解は 𝑥 4 √3
10 2 次関数 𝑦 𝑥 6𝑥 4 のグラフが 𝑥 軸から切り取る線分の長さを求めよ。
与えられた 2 次関数のグラフと 𝑥 軸の共有点の 𝑥 座標は,2 次方程式 𝑥 6𝑥 4 0 を解いて
𝑥 3 √5
したがって,求める長さは
3 √5 3 √5 2√5
11 2 次関数 𝑦 𝑥 6𝑥 2𝑘 1 のグラフと 𝑥 軸が異なる 2 点で交わるような定数 𝑘 の値の範囲
を求めよ。
𝑥 6𝑥 2𝑘 1 0 の判別式を 𝐷 とすると
𝐷 6 4 ∙ 1 ∙ 2𝑘 1
32 8𝑘
8 4 𝑘
異なる 2 点で交わる条件は 𝐷 0 より
4 𝑘 0
ゆえに 𝑘 4
問 題
-
数学Iadvance 3章「2次関数」
19
12 次の 2 次不等式を解け。
(1) 𝑥 4𝑥 7 ≧ 0 2 次方程式 𝑥 4𝑥 7 0 を解くと
𝑥 2 √11
したがって,求める解は
𝑥 ≦ 2 √11, 2 √11 ≦ 𝑥
(2) 3𝑥 2𝑥 6 3𝑥 2𝑥 6 より
2𝑥 3𝑥 6 0
2𝑥 3𝑥 6 0 の判別式を 𝐷 とすると
𝐷 3 4 ∙ 2 ∙ 6 39 0
よって,2 次関数 𝑦 2𝑥 3𝑥 6 のグラフは,下に凸の放物線で 𝑥 軸と共有点をもたな
い。
したがって,求める解はすべての実数
(3) 𝑥 12𝑥 36 ≦ 0 𝑥 12𝑥 36 0 の判別式を 𝐷 とすると
𝐷 12 4 ∙ 1 ∙ 36 0
よって,2 次関数 𝑦 𝑥 12𝑥 36 のグラフは,下に凸の放物線で 𝑥 軸に接する。接点の
𝑥 座標は,2 次方程式 𝑥 12𝑥 36 0 の重解 𝑥 6 である。
したがって,求める解は 𝑥 6 (4) 3𝑥 6𝑥 1 2𝑥 17
3𝑥 6𝑥 1 2𝑥 17 より
𝑥 6𝑥 18 0
𝑥 6𝑥 18 0 の判別式を 𝐷 とすると
𝐷 6 4 ∙ 1 ∙ 18 36 0
よって,2 次関数 𝑦 𝑥 6𝑥 18 のグラフは,下に凸の放物線で 𝑥 軸と共有点をもたな
い。
したがって,求める解はなし
13 2 次方程式 𝑥 𝑘 1 𝑥 𝑘 2 0 について,次の問に答えよ。
(1) 重解をもつような定数 𝑘 の値を求めよ。 (2) 実数解をもたないような定数 𝑘 の値の範囲を求めよ。 この 2 次方程式の判別式を 𝐷 とすると
𝐷 𝑘 1 4 ∙ 1 ∙ 𝑘 2 𝑘 2𝑘 7
(1) 重解をもつ条件は 𝐷 0 より 𝑘 2𝑘 7 0
よって 𝑘 1 2√2
(2) 実数解をもたない条件は 𝐷 0 より 𝑘 2𝑘 7 0
よって 1 2√2 𝑘 1 2√2
-
数学Iadvance 3章「2次関数」
20
14 次の 2 次不等式の解がすべての実数であるような定数 𝑘 の値の範囲を求めよ。
(1) 2𝑥 𝑘𝑥 𝑘 1 0 2 次方程式 2𝑥 𝑘𝑥 𝑘 1 0 の判別式を 𝐷 とすると
𝐷 𝑘 4 ∙ 2 ∙ 𝑘 1
𝑘 8𝑘 8
2 次関数 𝑦 2𝑥 𝑘𝑥 𝑘 1 の 𝑥 の係数が正であるから,求める条件は 𝐷 0 である。
よって 𝑘 8𝑘 8 0
2 次方程式 𝑘 8𝑘 8 0 を解くと
𝑘 4 2√6
ゆえに,求める 𝑘 の値の範囲は
4 2√6 𝑘 4 2√6
(2) 𝑥 𝑘 3 𝑥 4𝑘 ≧ 0
2 次関数 𝑦 𝑥 𝑘 3 𝑥 4𝑘 のグラフが 𝑥 軸と共有点をもたないか,または接するよう
にすればよい。
2 次方程式 𝑥 𝑘 3 𝑥 4𝑘 0 の判別式を 𝐷 とすると
𝐷 𝑘 3 4 ∙ 1 ∙ 4𝑘
𝑘 10𝑘 9
2 次関数 𝑦 𝑥 𝑘 3 𝑥 4𝑘 の 𝑥 の係数が正であるから,グラフが 𝑥 軸と共有点をも
たないか,または接する条件は 𝐷 ≦ 0 である。
よって 𝑘 10𝑘 9 ≦ 0
2 次方程式 𝑘 10𝑘 9 0 を解くと
𝑘 1,9
ゆえに,求める 𝑘 の値の範囲は
1 ≦ 𝑘 ≦ 9
15 次の不等式を解け。
(1) 𝑥 9𝑥 18 0 𝑥 8𝑥 7 0
𝑥 9𝑥 18 0 ⋯ ⋯①𝑥 8𝑥 7 0 ⋯ ⋯②
不等式①を解くと, 𝑥 3 𝑥 6 0 より
𝑥 3,6 𝑥 ……③
不等式②を解くと, 𝑥 1 𝑥 7 0 より
1 𝑥 7 ……④
求める解は③,④の共通の範囲であるから
1 𝑥 3,6 𝑥 7
(2) 𝑥 𝑥 2 0 3𝑥 10𝑥 3 ≦ 0
𝑥 𝑥 2 0 ⋯ ⋯①3𝑥 10𝑥 3 ≦ 0 ⋯ ⋯②
不等式①を解くと, 𝑥 2 𝑥 1 0 より
2 𝑥 1 ……③
不等式②を解くと, 3𝑥 1 𝑥 3 ≦ 0 より
≦ 𝑥 ≦ 3 ……④
求める解は③,④の共通の範囲であるから
≦ 𝑥 1
-
数学Iadvance 3章「2次関数」
21
(3) 20 ≦ 2𝑥 13𝑥 15 20 ≦ 2𝑥 13𝑥 15 より
20 ≦ 2𝑥 13𝑥 ⋯ ⋯①2𝑥 13𝑥 15 ⋯ ⋯②
①より 2𝑥 13𝑥 20 ≧ 0
これを解くと, 𝑥 4 2𝑥 5 ≧ 0 より
𝑥 ≦ ,4 ≦ 𝑥 ……③
②より 2𝑥 13𝑥 15 0
これを解くと, 𝑥 1 2𝑥 15 0 より
1 𝑥 …… ④
求める解は③,④の共通の範囲であるから
1 𝑥 ≦ ,4 ≦ 𝑥
16 2 次方程式 3𝑥 12𝑥 12 𝑘 0 が正の解と負の解を 1 つずつもつような定数 𝑘 の値の範
囲を求めよ。
この方程式が正の解と負の解を 1 つずつもつための条件は,2 次関数 𝑦 3𝑥 12𝑥 12 𝑘
のグラフが 𝑥 軸の正の部分および負の部分とそれぞれ交わることである。
このグラフは下に凸の放物線であるから,これは次の条件が成り立つことと同値である。
𝑦 軸との交点の 𝑦 座標 12 𝑘 が負となる。
よって 12 𝑘 0
すなわち 𝑘 12 0
2 次方程式 𝑘 12 0 を解くと
𝑘 2√3
ゆえに
𝑘 2√3,2√3 𝑘
-
数学Iadvance 3章「2次関数」
22
(教科書 p.113)
関数 𝑦 |𝑥| のグラフについて考えてみよう。
𝑥 ≧ 0 のとき 𝑦 𝑥
𝑥 0 のとき 𝑦 𝑥
よって,関数 𝑦 |𝑥| のグラフは右の図のようになる。
さらに,絶対値を含むいろいろな関数のグラフをかいてみよう。
関数 𝑦 |𝑥 1| について考えてみよう。
𝑥 1 ≧ 0 すなわち 𝑥 ≦ 1,1 ≦ 𝑥 のとき
y=x2-1𝑦 𝑥 1
𝑥 1 0 すなわち 1 𝑥 1 のとき
y=-x2+1 𝑦 𝑥 1
したがって,𝑦 |𝑥 1| のグラフは
右の図の実線部分のようになる。
このグラフは,放物線
𝑦 𝑥 1
の 𝑥 軸より下側の部分を 𝑥 軸に関して対称に折り返した曲線である。
次の関数のグラフをかけ。
𝑦 |𝑥 𝑥 2|
𝑥 𝑥 2 𝑥 1 𝑥 2
𝑥 1 𝑥 2 ≧ 0 すなわち 𝑥 ≦ 2,1 ≦ 𝑥 のとき
𝑦 𝑥 𝑥 2
𝑥 1 𝑥 2 0 すなわち 2 𝑥 1 のとき
𝑦 𝑥 𝑥 2
したがって,𝑦 |𝑥 𝑥 2| のグラフは,図の実線のようになる。
関数 𝑦 |𝑥 1| |𝑥 2| のグラフを
(i) 𝑥 1 (ii) 1 ≦ 𝑥 2 (iii) 2 ≦ 𝑥 の 3 つの場合に分けて考えることによってかけ。
(ⅰ) 𝑥 1 のとき
𝑦 𝑥 1 𝑥 2 2𝑥 3
(ⅱ) 1 ≦ 𝑥 2 のとき
𝑦 𝑥 1 𝑥 2 1
(ⅲ) 2 ≦ 𝑥 のとき
𝑦 𝑥 1 𝑥 2 2𝑥 3
したがって,𝑦 |𝑥 1| |𝑥 2| のグラフは,図の実線のようになる。
参 考 絶対値を含む関数のグラフ
例 1
問1
問2