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101
2.7.2 臨床薬理試験 67 平均値+標準偏差 RT G は算出した区間の中央にプロットした.プラセボ群の RT G 024 時間で測定し, 12 時間にプロットし た. BID1 2 回. 2.7.2.231 海外の 2 型糖尿病患者におけるカナグリフロジン反復投与時の 腎糖排泄閾値(RT G )の推移:NAP1002 試験 5.3.4.26 Figure 1 (addendum)より引用 (5) インスリンとの併用試験 [資料番号:5.3.4.22(参考資料),試験番号:DIA1007固定用量のインスリン治療を受けている 2 型糖尿病患者に,カナグリフロジンを反復経口 投与したときの尿中グルコース排泄,RT G 及び血糖値について,プラセボ対照,二重盲検, 並行群間比較試験により検討した.カナグリフロジン 100 mg 1 1 回又は 300 mg 1 2 27 日間反復投与した. 2 型糖尿病患者にカナグリフロジンを反復投与したときの薬力学的パラメータを2.7.2.2 29 に示した.また,アセトアミノフェンの薬物動態に及ぼすカナグリフロジンの影響を2.7.2.230 に示した. Day 27 UGE 0-24h は,いずれのカナグリフロジン群においても,プラセボ群に比べて投与 前値(Day -1)から増加した.Day 27 UGE 0-24h の変化量は投与量に依存して増加し,プラ セボ群に比べて有意に高かった. 投与前値(Day -1)の RT G0-24h の平均値は 216222 mg/dL であり,各投与群で同程度であ った.Day 1 RT G 100 mg 1 1 回投与群及び 300 mg 1 2 回投与群のいずれも低 下したが, 300 mg 1 2 回投与群ではより大きな低下を示した. Day 27 RT G は, 100 mg 1 1 回投与群では Day 1 と同程度であったが, 300 mg 1 2 回投与群では Day 1 より も大きな低下が見られた.プラセボ群では, Day -1 から Day 27 まで RT G の変化はなかった. MPG 0-24h Day 1 から最大効果に近い低下を示し,その低下は Day 27 においても維持され

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2.7.2 臨床薬理試験

67

平均値+標準偏差

RTG は算出した区間の中央にプロットした.プラセボ群の RTG は 0~24 時間で測定し,12 時間にプロットし た. BID:1 日 2 回.

図 2.7.2.2-31 海外の 2 型糖尿病患者におけるカナグリフロジン反復投与時の

腎糖排泄閾値(RTG)の推移:NAP1002 試験 5.3.4.2―6 Figure 1 (addendum)より引用

(5) インスリンとの併用試験

[資料番号:5.3.4.2―2(参考資料),試験番号:DIA1007]

固定用量のインスリン治療を受けている 2 型糖尿病患者に,カナグリフロジンを反復経口

投与したときの尿中グルコース排泄,RTG 及び血糖値について,プラセボ対照,二重盲検,

並行群間比較試験により検討した.カナグリフロジン 100 mg を 1 日 1 回又は 300 mg を 1 日

2 回 27 日間反復投与した.

2 型糖尿病患者にカナグリフロジンを反復投与したときの薬力学的パラメータを表 2.7.2.2

-29 に示した.また,アセトアミノフェンの薬物動態に及ぼすカナグリフロジンの影響を表

2.7.2.2-30 に示した.

Day 27 の UGE0-24hは,いずれのカナグリフロジン群においても,プラセボ群に比べて投与

前値(Day -1)から増加した.Day 27 の UGE0-24h の変化量は投与量に依存して増加し,プラ

セボ群に比べて有意に高かった.

投与前値(Day -1)の RTG0-24hの平均値は 216~222 mg/dL であり,各投与群で同程度であ

った.Day 1 の RTGは 100 mg の 1 日 1 回投与群及び 300 mg の 1 日 2 回投与群のいずれも低

下したが,300 mg の 1 日 2 回投与群ではより大きな低下を示した.Day 27 の RTGは,100 mg

の 1 日 1 回投与群では Day 1 と同程度であったが,300 mg の 1 日 2 回投与群では Day 1 より

も大きな低下が見られた.プラセボ群では,Day -1 から Day 27 まで RTGの変化はなかった.

MPG0-24hは Day 1 から最大効果に近い低下を示し,その低下は Day 27 においても維持され

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2.7.2 臨床薬理試験

68

ていた.Day 27 における投与前値からの変化量の LSMean のプラセボ群との差は,100 mg の

1 日 1 回投与群及び 300 mg の 1 日 2 回投与群でそれぞれ -35.30 mg/dL 及び -32.63 mg/dL で

あった.

カナグリフロジン 100 mg を 1 日 1 回又は 300 mg を 1 日 2 回,25 日間反復投与したときの

血漿中アセトアミノフェンのCmax及びAUC0-12hの単独投与時に対するカナグリフロジン併用

投与時の幾何平均値の比(90%信頼区間)は,100 mg の 1 日 1 回ではそれぞれ 108.01%(93.68

~124.52%)及び 102.26%(96.12~108.79%),300 mg の 1 日 2 回ではそれぞれ 100.32%(92.35

~108.98%)及び 105.67%(97.66~114.33%)であった.いずれの投与量においてもアセトア

ミノフェンの Cmax及び AUC0-12hは,カナグリフロジン併用及び非併用下で同程度であり,カ

ナグリフロジン投与による胃排出速度の低下は見られなかった.

炭水化物吸収不良に対するカナグリフロジンの影響を評価するために,Day -2 及び Day 26

に水素呼気試験を実施した.炭水化物吸収不良は 75 g の経口グルコース負荷試験の 2 時間後

における呼気中の水素とメタン排泄が 10 ppm 以上上昇することと定義した.カナグリフロ

ジン群において,Day 26 では炭水化物吸収不良は認められず,最大値は試験 2 時間中に,10

ppm のカットオフ値を超えることはなかった.

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2.7.2 臨床薬理試験

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表 2.7.2.2-29 固定用量のインスリン治療を受けている海外の 2 型糖尿病患者における

カナグリフロジン反復投与時の薬力学的パラメータ:DIA1007 試験

薬力学的 パラメータ

プラセボ (N=9)

100 mg q.d. (N=10)

300 mg b.i.d. (N=10)

UGE0-24h

(g)

Day -1 10.33 (14.207) 5.21 (9.893) 27.50 (38.480)

Day 1 (変化量)

2.14 (19.063) 79.07 (29.361) 142.39 (71.721)

Day 27 (変化量)

-3.23 (15.639) *1) 71.89 (33.845) 129.24 (65.895)

RTG0-24h (mg/dL)

Day -1 222 (29.9) *2) 220 (30.4) 216 (18.1)

Day 1 220 (31.4) *2) 100 (25.5) 85 (33.9)

Day 27 235 (24.5) *3) 98.5 (24.8) *4) 64.6 (33.1)

MPG0-24h (mg/dL)

Day -1 181.82 (41.185) 167.52 (30.047) 203.33 (29.103)

Day 1 (変化量)

3.78 (34.879) -23.31 (16.535) -30.85 (28.778)

Day 27 (変化量)

1.25 (37.609) *1) -29.50 (26.496) -44.37 (27.205)

平均値(標準偏差),UGE:尿中グルコース排泄量,RTG:腎糖排泄閾値,MPG:平均血糖値,q.d.:1 日 1 回,b.i.d.:1 日 2 回. *1) N=7,*2) N=8,*3) N=6,*4) N=9. 5.3.4.2―2 Attachment 2.4.1,Attachment 2.4.2,Attachment 2.4.3,Table TPD23a,Table TPD23b,Table RTG1 (addendum)より引用(一部改変)

表 2.7.2.2-30 固定用量のインスリン治療を受けている海外の 2 型糖尿病患者における

アセトアミノフェンの薬物動態に及ぼすカナグリフロジンの影響:DIA1007 試験

薬物動態パラメータ 被験

者数

Geometric LSMean 幾何平均値の比(%)

(90%信頼区間) 併用/単独 併用投与 単独投与

100 mg q.d.

Cmax (ng/mL) 10 11.50 10.64 108.01

( 93.68, 124.52)

AUC0-12h (ng・h/mL) 10 37.16 36.34 102.26

( 96.12, 108.79)

AUC0-∞ (ng・h/mL) 10 39.11 38.50 101.59

( 95.46, 108.12)

300 mg b.i.d.

Cmax (ng/mL) 10 12.16 12.12 100.32

( 92.35, 108.98)

AUC0-12h (ng・h/mL) 10 40.66 38.48 105.67

( 97.66, 114.33)

AUC0-∞ (ng・h/mL) 10 44.78 40.39 110.87

( 96.22, 127.74)

q.d.:1 日 1 回,b.i.d.:1 日 2 回. 5.3.4.2―2 Table 16 より引用(一部改変)

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2.7.2 臨床薬理試験

70

(6) 腎糖排泄閾値測定法を検討した試験

[資料番号:5.3.4.2―3(参考資料),試験番号:DIA1025]

2 型糖尿病患者を対象に,MMTT から算出する新しい方法による RTGと高血糖クランプ法

により算出された RTGとの比較を非盲検試験により検討した.28 名の被験者が登録され,す

べての被験者が試験を完了した.

パート 1 では 14 名の被験者を対象に,カナグリフロジン非投与で,MMTT による新しい

方法で RTGを算出した後,次の日に高血糖クランプ試験を実施した.パート 2 では 14 名の

被験者を対象に,Day 1~8の朝食 10分前にカナグリフロジン 100 mgを 1日 1回経口投与し,

Day 7 で MMTT,Day 8 で高血糖クランプ法を実施した.Day 8 の高血糖クランプ法では,最

初の目標の血糖値(4 mM)に到達したときにカナグリフロジン 100 mg を投与した.MMTT

による RTG は,後述する血糖値と UGE rate との関係性(図 2.7.2.2-32)に基づき,血糖値,

糸球体ろ過量及び UGE を用いて算出した.糸球体ろ過量には Modification of Diet in Renal

Disease(以下,MDRD)式に基づく eGFR 又はクレアチニンクリアランス(以下,Ccr)を用

いた.

2 型糖尿病患者を対象にカナグリフロジン非投与又は投与時の高血糖クランプ法における

血糖値と UGE rate との関係を図 2.7.2.2-32,MMTT 法及び高血糖クランプ法から算出され

た RTGの比較を表 2.7.2.2-31 及び図 2.7.2.2-33 に示した.

高血糖クランプにより,カナグリフロジン非投与時では,RTG を上回る血糖値において,

UGE rate は血糖値の増加に伴い直線的に上昇した.また,血糖値と UGE rate の直線関係は,

カナグリフロジン 100 mg 投与により,直線の傾きに変化はなく左にシフトしたことから,

カナグリフロジンは血糖値がRTGを上回るときの血糖値とUGE rateとの直線関係とその傾き

を変化させることなく RTG を低下させることが示された.このように,カナグリフロジン非

投与時及び投与時の血糖値と UGE rate の関係性は RTG により説明できると考えられた.

パート 1 及びパート 2 において,MMTT 法(糸球体ろ過量として eGFR を使用)及び高血

糖クランプ法で算出された RTG には高い一致性が認められ,高血糖クランプ法に対する

MMTT 法の幾何平均値の比はパート 1 では 0.925,パート 2 では 1.033 であった.幾何平均値

の 90%信頼区間はパート 1 では 0.893~0.958 であり,事前に規定した範囲(0.8~1.25)内で

あった.パート 2 では幾何平均値の 90%信頼区間は 0.777~1.373 で,事前に規定した範囲よ

りも広かった.

パート 1 のカナグリフロジンが投与されなかった被験者とパート 2 のカナグリフロジンが

投与された被験者の RTGデータを統合した場合,MMTT 法と高血糖クランプ法の RTG には高

い相関性が見られた.更に,カナグリフロジンが投与された被験者の RTGはカナグリフロジ

ンが投与されなかった被験者に比べて小さかった.MMTT 法と高血糖クランプ法の RTG のコ

ンコーダンス相関係数は,MMTT 法で糸球体ろ過量に eGFR 値を用いた場合で 0.94 であり,

いずれも事前に規定した基準の 0.7 を上回った.

MMTT 法に用いる糸球体ろ過量について,12 時間蓄尿から測定した Ccr より eGFR を用い

た方が高血糖クランプ法との一致性は高いと考えられた.

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2.7.2 臨床薬理試験

71

各ポイントは平均値±標準偏差を表す.平均値と標準偏差はパート1では14名すべての被験者について,

パート 2 ではクランプ法から RTG が測定できた 12 名について算出した.パート 2 の 2 名については,高

血糖クランプ法実施中に尿中グルコース排泄量がかなり低く,生理学的に説明できない負の RTG が推定

されたため,これら 2 名のデータは含まれていない. UGE rate:尿中グルコース排泄速度,BG:血糖値,RTG:腎糖排泄閾値.

図 2.7.2.2-32 高血糖クランプ法における血糖値と尿中グルコース排泄速度との関連性:

DIA1025 試験 5.3.4.2―3 Figure 3 より引用

表 2.7.2.2-31 高血糖クランプ法及び混合食負荷試験から算出した腎糖排泄閾値(RTG)

の幾何平均値の比と 90%信頼区間:DIA1025 試験

被験 者数

RTG (mg/dL) Geometric LSMean

Geometric LSMean の比 (90%信頼区間)

MMTT 法/クランプ法

パート 1 高血糖クランプ法 14 215.3

0.925 (0.893, 0.958) MMTT 法 *1) 11 199.2

パート 2 高血糖クランプ法 12 43.1

1.033(0.777, 1.373) MMTT 法 *1) 13 44.6

パート 1:カナグリフロジン非投与,パート 2:カナグリフロジン 100 mg 投与,MMTT:混合食負荷試験. *1) MMTT 法に用いた糸球体ろ過量は eGFR を使用. 5.3.4.2―3 Table 7 より引用(一部改変)

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2.7.2 臨床薬理試験

72

MMTT 法に用いた糸球体ろ過量は eGFR を使用. MMTT:混合食事負荷試験.

図 2.7.2.2-33 高血糖クランプ法及び混合食負荷試験から算出した腎糖排泄閾値(RTG)

の関係性:DIA1025 試験

5.3.4.2―3 Figure 4 より引用(一部改変)

(7) 食後血糖への影響を検討した試験

[資料番号:5.3.4.2―4(参考資料),試験番号:DIA1045]

2 型糖尿病患者を対象に,カナグリフロジン 300 mg が食後血糖値に与える影響及び腎臓を

介さない食後血糖低下作用の寄与について,プラセボ対照,二重盲検,4 期クロスオーバー

試験により検討した.37 名が本試験に登録され,36 名が試験を終了した.各被験者は以下の

いずれかの投与がランダムに割付けられた.Day 2 では MMTT の朝食 20 分前にカナグリフ

ロジン又はプラセボを経口投与し,尿中グルコース濃度及び血糖値を測定した.

Treatment A:Day 1 にプラセボ,Day 2 にプラセボを投与

Treatment B:Day 1 にカナグリフロジン 300 mg,Day 2 にプラセボを投与

Treatment C:Day 1 にカナグリフロジン 300 mg,Day 2 にカナグリフロジン 300 mg を投与

Treatment D:Day 1 にカナグリフロジン 300 mg,Day 2 にカナグリフロジン 150 mg を投与

2 型糖尿病患者を対象にカナグリフロジン又はプラセボを投与したときの食後血糖のAUC

を表 2.7.2.2-32,血糖値推移を図 2.7.2.2-34 に示した.

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2.7.2 臨床薬理試験

73

Treatment C はプラセボ(Treatment A)に比べて血糖値の AUC0-2h を約 16%低下させた.

AUC0-2hの LSMean の低下は 75 mg·h/dL であり,0~2 時間までで MPG0-2hとして約 37.5 mg/dL

の減少となった.Treatment A に対する Treatment B 及び Treatment D の AUC0-2hの低下は同程

度であり,投与群間の差の 95%信頼区間は 0 を含まなかった.

Treatment B に対する Treatment C の血糖値の IAUC0-2hは約 12%小さかった.一方,プラセ

ボ(Treatment A)に対する Treatment C の IAUC0-2h は約 18.5%低下し,95%信頼区間は 0 を含

まなかった.プラセボ(Treatment A)に対する Treatment B の IAUC0-2hについても約 7.5%の

わずかな低下が見られたが,その95%信頼区間は0を含んでおり,その低下の程度はTreatment

B よりも Treatment C の方が大きかった.Treatment B と Treatment C の UGE は同程度であっ

たことから,この差は非腎性メカニズムの関与を反映していると考えられる.Treatment D の

IAUC0-2h(136.67 mg·h/dL)は Treatment B(138.97 mg·h/dL)と同程度であり,臨床的にも,

統計学的にも重要な差ではなかった.

表 2.7.2.2-32 2 型糖尿病患者にカナグリフロジン又はプラセボを投与したときの

食後血糖の AUC0-2h及び上昇血糖値の AUC0-2h(IAUC0-24h):DIA1045 試験

薬力学的 パラメータ

Treatment被験 者数

LSMean 比 (%)

(95%信頼区間)

変化率 (%) (95%信頼区間)

p 値

AUC0-2h

(mg·h/dL)

A 35 479.27 - - - -

B 36 419.00 B vs A 87.42

(83.94, 91.06) -12.58

(-16.06, -8.94) -

C 34 404.15 C vs A 84.33

(80.89, 87.91) -15.67

(-19.11, -12.09) < 0.001

D 36 419.04 D vs A 87.43

(83.94, 91.07) -12.57

(-16.06, -8.93) -

IAUC0-2h (mg•h/dL)

A 35 150.17 - - - -

B 36 138.97 B vs A -11.21

(-23.96, 1.54) -7.46

(-15.95, 1.03) -

C 34 122.33 C vs A

-27.84 (-40.88, -14.80)

-18.54 (-27.22, -9.86) -

C vs B -16.63

(-29.60, -3.66)-11.97

(-21.30, -2.64) 0.012

D 36 136.67 D vs B -2.30

(-14.91, 10.31) -1.65

(-10.73, 7.42) 0.718

Treatment A:プラセボ/プラセボ,Treatment B:カナグリフロジン 300 mg/プラセボ,Treatment C:カナグリ フロジン 300 mg/カナグリフロジン 300 mg,Treatment D:カナグリフロジン 300 mg/カナグリフロジン 150 mg. -:該当せず. 5.3.4.2―4 Table 10,Table 12 より引用(一部改変)

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2.7.2 臨床薬理試験

74

平均値+標準偏差

Treatment A:プラセボ/プラセボ,Treatment B:カナグリフロジン 300 mg/プラセボ,Treatment C:カナグリ フロジン 300 mg/カナグリフロジン 300 mg,Treatment D:カナグリフロジン 300 mg/カナグリフロジン 150 mg.

図 2.7.2.2-34 2 型糖尿病患者にカナグリフロジン又はプラセボを投与したときの

食後血糖値の推移:DIA1045 試験

5.3.4.2―4 Figure 2 より引用

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2.7.2 臨床薬理試験

75

2.7.2.2.4 内因性要因の検討

(1) 腎機能障害者を対象とした臨床薬理試験

[資料番号:5.3.3.3―1(参考資料),試験番号:DIA1003]

海外の腎機能障害者(非 2 型糖尿病患者)を対象に,カナグリフロジン 200 mg を単回経

口投与したときの薬物動態及び薬力学的作用に及ぼす腎機能低下の影響について,非盲検,

並行群間比較試験により検討した.2010 年に米国食品医薬品局(以下,FDA)から提示され

た新ガイダンス案に従い,薬物動態及び薬力学的作用の評価において,eGFR が≥ 90

mL/min/1.73 m2 を正常腎機能者,60~89 mL/min/1.73 m2 を軽度腎機能障害者,30~59

mL/min/1.73 m2 を中等度腎機能障害者,15~29 mL/min/1.73 m2 を高度腎機能障害者及び< 15

mL/min/1.73 m2 で透析が必要でない被験者又は透析が必要な被験者を末期腎不全とした.こ

の分類に従い,正常腎機能者は 3 名,軽度腎障害者は 10 名,中等度腎障害者は 9 名,高度腎

障害者は 10 名,末期腎不全者は 8 名の計 40 名の男女が本試験に登録され,すべての被験者

が試験を終了した.

カナグリフロジンの薬物動態パラメータの幾何平均値の比とその 90%信頼区間を表

2.7.2.2-33 に示した.

Cmax の平均値は正常腎機能者に比べて,軽度腎障害者,中等度腎障害者,高度腎障害者,

末期腎不全者の透析後及び透析前で,それぞれ約 27%,9%,10%,31%及び 25%低かった.

AUC0-∞の平均値は正常腎機能者に比べて,軽度,中等度及び高度腎障害者で,それぞれ約 15%,

29%及び 53%高かった.末期腎不全者における AUC0-∞の平均値は透析前及び透析後共に正常

腎機能者と同程度であった.カナグリフロジンの透析抽出比は 0.047 未満であり,カナグリ

フロジンは 4 時間の透析によりほとんど除去されなかった.

代謝物 M5 及び M7 の Cmax及び AUC も,腎機能低下により上昇した.M7 の Cmaxの平均値

は正常腎機能者に比べて,軽度腎障害者で約 18%低く,中等度腎障害以上では 14~91%高く,

AUC0-∞の平均値では,軽度腎障害以上で約 3~127%高かった.M5 の Cmaxの平均値は正常腎

機能者に比べて,軽度腎障害で約 3%低く,中等度腎障害以上では約 61~117%高く,AUC0-∞

の平均値では,軽度腎障害以上で約 31~195%高かった.

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2.7.2 臨床薬理試験

76

表 2.7.2.2-33 カナグリフロジン単回投与時のカナグリフロジンの薬物動態パラメータに

及ぼす腎機能障害の影響:DIA1003 試験

薬物動態 パラメータ

腎機能 被験

者数Geometric LSMean

幾何平均値の比 (%)

(障害/正常) 90%信頼区間

Cmax (ng/mL)

正常腎機能者 3 1836.86 - -

軽度腎障害者 10 1344.24 73.18 (49.74, 107.67)

中等度腎障害者 9 1665.59 90.68 (61.33, 134.07)

高度腎障害者 10 1660.96 90.42 (61.46, 133.04)

末期腎不全(透析後) 8 1263.11 68.76 (52.41, 90.23)

末期腎不全(透析前) 8 1373.40 74.77 (52.44, 106.60)

AUC0-∞

(ng・h/mL)

正常腎機能者 3 14150.57 - -

軽度腎障害者 10 16340.41 115.48 (83.84, 159.05)

中等度腎障害者 9 18252.11 128.98 (93.27, 178.38)

高度腎障害者 10 21664.18 153.10 (111.15, 210.87)

末期腎不全(透析後) 8 13281.42 93.86 (67.04, 131.40)

末期腎不全(透析前) 8 13784.90 97.42 (67.24, 141.14)

AUC0-last

(ng・h/mL)

正常腎機能者 3 13945.59 - -

軽度腎障害者 10 15989.85 114.66 (83.20, 158.02)

中等度腎障害者 9 17994.39 129.03 (93.24, 178.56)

高度腎障害者 10 21160.57 151.74 (110.10, 209.12)

末期腎不全(透析後) 8 12989.77 93.15 (66.69, 130.09)

末期腎不全(透析前) 8 13393.26 96.04 (66.95, 137.77)

-:該当せず. 5.3.3.3―1 Table 3 (addendum)より引用

カナグリフロジン投与後の UGE0-24h の変化量の LSMean の差とその 90%信頼区間を表

2.7.2.2-34 に示した.

すべての腎機能障害者において,カナグリフロジン投与により,Day 1 での UGE0-24hは投

与前値(Day -1)に対して増加した.投与前値からの UGE0-24h変化量の平均値は正常腎機能

者に比べて,腎機能障害者では有意に低かった.

カナグリフロジン投与後の RTG0-24hの平均値は,正常腎機能者では 75.8 mg/dL,軽度腎障

害者では 71.6 mg/dL であったが,中等度腎障害者では 86.1 mg/dL,高度腎障害者では約 96.3

mg/dL であった.MPG0-24hの平均値は,いずれの投与者においても Day -1 からの変化は見ら

れなかった.

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2.7.2 臨床薬理試験

77

表 2.7.2.2-34 カナグリフロジン単回投与時のカナグリフロジンの 24 時間累積尿中グル

コース排泄量(UGE0-24h)に及ぼす腎機能障害の影響:DIA1003 試験

薬力学的 パラメータ

腎機能 被験

者数LSMean

平均値の差 (障害-正常)

90%信頼区間

UGE0-24h (g)

正常腎機能者 3 53.04 - -

軽度腎障害者 10 38.32 -14.72 (-28.12, -1.32)

中等度腎障害者 9 17.11 -35.93 (-49.50, -22.36)

高度腎障害者 10 4.27 -48.77 (-62.17, -35.37)

-:該当せず. 5.3.3.3―1 Table 9 (addendum)より引用(一部改変)

(2) 肝機能障害者を対象とした薬物動態試験

[資料番号:5.3.3.3―2(参考資料),試験番号:DIA1013]

肝機能障害者(海外)を対象に,カナグリフロジン 300 mg を単回経口投与したときの薬

物動態に及ぼす肝機能低下の影響について,非盲検試験により検討した.本試験に正常肝機

能者,軽度肝機能障害者(Child-Pugh の合計スコアが 5~6)及び中等度肝機能障害者

(Child-Pugh の合計スコアが 7~9)の各 8 名,計 24 名が登録され,すべての被験者が試験

を終了した.

カナグリフロジンの薬物動態パラメータの幾何平均値の比とその 90 %信頼区間を表

2.7.2.2-35 に示した.

カナグリフロジンの AUC0-∞,AUC0-last 及び Cmaxの幾何平均値の比は,正常肝機能者に対す

る軽度肝障害者では,それぞれ 109.57%,106.34%及び 107.49%であった.同様に,正常肝機

能者に対する中等度肝障害者では,AUC0-∞,AUC0-last 及び Cmaxの幾何平均値の比はそれぞれ

110.83%,107.98%及び 95.79%であった.

代謝物 M7 の AUC0-∞,AUC0-last の幾何平均値は正常肝機能者に比べて,軽度肝障害者では

それぞれ 58%及び 44%,中等度肝障害者では 113%及び 96%上昇した.Cmax についても上昇

は小さいもの,同様な傾向が見られ,正常肝機能者に比べて,軽度肝機能障害者では 35%,

中等度肝機能障害者では 58%上昇した.代謝物 M5 の AUC0-∞,AUC0-last 及び Cmaxの幾何平均

値は,軽度肝機能障害者では正常肝機能者と同程度であった.中等度肝機能障害者では Cmax

は正常肝機能者に比べて 15%,AUC0-∞は 39%,AUC0-last は 33%のわずかな上昇が見られた.

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2.7.2 臨床薬理試験

78

表 2.7.2.2-35 カナグリフロジン単回投与時のカナグリフロジンの薬物動態パラメータに

及ぼす肝機能障害の影響:DIA1013 試験

薬物動態 パラメータ

腎機能 被験

者数Geometric LSMean

幾何平均値の比 (%)

(障害/正常) 90%信頼区間

Cmax (ng/mL)

正常肝機能者 8 2765.43 - -

軽度肝機能障害者 8 2972.69 107.49 (84.17, 137.28)

中等度肝機能障害者 8 2649.06 95.79 (75.01, 122.33)

AUC0-∞

(ng・h/mL)

正常肝機能者 7 23760.81 - -

軽度肝機能障害者 8 26033.81 109.57 (85.84, 139.84)

中等度肝機能障害者 8 26334.03 110.83 (86.83, 141.46)

AUC0-last

(ng・h/mL)

正常肝機能者 8 24230.93 - -

軽度肝機能障害者 8 25767.67 106.34 (84.05, 134.55)

中等度肝機能障害者 8 26164.28 107.98 (85.34, 136.62)

-:該当せず. 5.3.3.3―2 Table 5 より引用

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2.7.2 臨床薬理試験

79

2.7.2.2.5 外因性要因の検討

2.7.2.2.5.1 薬物相互作用試験

(1) テネリグリプチンとの薬物相互作用試験

[資料番号:5.3.3.4―1(評価資料),試験番号:TA-7284-10]

国内の健康成人男性を対象に,テネリグリプチンを反復投与したときのカナグリフロジン

の薬物動態に及ぼす影響(Group 1),カナグリフロジンを反復経口投与したときのテネリグ

リプチンの薬物動態に及ぼす影響(Group 2)について,Fixed-sequence,非盲検試験により

検討した.Group 1 では試験期間 I にカナグリフロジンを 200 mg 単回経口投与し,試験期間

II の Day 1~6 にテネリグリプチン 40 mg を 1 日 1 回反復投与した後,Day 7 でテネリグリプ

チンとカナグリフロジンを併用投与し,Day 8~9 でテネリグリプチン 40 mg を 1 日 1 回反復

投与した.Group 2 では試験期間 I にテネリグリプチンを 40 mg 単回経口投与し,試験期間 II

の Day 1~6 にカナグリフロジン 200 mg を 1 日 1 回反復投与した後,Day 7 でテネリグリプ

チンとカナグリフロジンを併用投与し,Day 8~9 でカナグリフロジン 200 mg を 1 日 1 回反

復投与した.Group 1 では 25 名が本治験に組み入れられ,すべての被験者が試験を完了した.

また,Group 2 では 19 名が本治験に組み入れられ,18 名が試験を完了した.

カナグリフロジンの薬物動態に及ぼすテネリグリプチンの影響を表 2.7.2.2-36,テネリグ

リプチンの薬物動態に及ぼすカナグリフロジンの影響を表 2.7.2.2-37 に示した.また,テネ

リグリプチンの薬力学的作用に及ぼすカナグリフロジンの影響を表 2.7.2.2-38 に示した.

カナグリフロジン及びテネリグリプチンの薬物動態パラメータ(AUC0-72h 及び Cmax)はカ

ナグリフロジン又はテネリグリプチンの単独投与とテネリグリプチンとカナグリフロジンの

併用投与で差は見られず,AUC0-72h及び Cmaxの幾何平均値の比の 90%信頼区間はいずれも 0.8

~1.25 の範囲内であった.

テネリグリプチンの薬力学的指標である活性型GLP-1及び総GLP-1の薬力学的パラメータ

に対するカナグリフロジン併用投与の影響を検討した.活性型 GLP-1 の各パラメータのテネ

リグリプチン単独投与時に対するカナグリフロジン併用投与時の平均値の差(95%信頼区間)

は,Cmaxは 0.96 pmol/L( -1.03~2.95 pmol/L),tmaxは -0.4 時間( -0.9~0.2 時間),AUC0-4h

は 2.9 pmol⋅h/L(1.1~4.7 pmol⋅h/L)及び AUC0.5-4hは 2.9 pmol⋅h/L(1.1~4.7 pmol⋅h/L)であり,

AUC0-4h及び AUC0.5-4hでは,カナグリフロジンの併用投与による増加が認められた.

総GLP-1の各パラメータのテネリグリプチン単独投与時に対するカナグリフロジン併用投

与時の平均値の差(95%信頼区間)は,Cmaxでは 2.98 pmol/L( -0.24~6.19 pmol/L),tmaxは -0.7

時間( -1.4~0.0 時間),AUC0-4hは 11.5 pmol⋅h/L(7.8~15.2 pmol⋅h/L)及び AUC0.5-4hは 10.8

pmol⋅h/L(7.7~14.0 pmol⋅h/L)であり,AUC0-4h及び AUC0.5-4hでは,カナグリフロジンの併用

投与による増加が認められた.

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2.7.2 臨床薬理試験

80

表 2.7.2.2-36 国内の健康成人におけるカナグリフロジンの薬物動態に及ぼす

テネリグリプチンの影響:TA-7284-10 試験

薬物動態 パラメータ

被験

者数

幾何平均値 幾何平均値の比 (90%信頼区間)

併用/単独 併用投与 単独投与

Cmax (ng/mL) 25 1995.5326 2032.8840 0.982

(0.880, 1.095)

AUC0-72h (ng•h/mL) 25 15207 15483 0.982

(0.955, 1.011)

5.3.3.4―1 表 11.4.1.1.1―1,表 11.4.1.1.2―1 より引用(一部改変)

表 2.7.2.2-37 国内の健康成人におけるテネリグリプチンの薬物動態に及ぼす

カナグリフロジンの影響:TA-7284-10 試験

薬物動態 パラメータ

被験

者数

幾何平均値 幾何平均値の比 (90%信頼区間)

併用/単独 併用投与 単独投与

Cmax (ng/mL) 18 440.1 450.8 0.976

(0.903, 1.056)

AUC0-72h (ng•h/mL) 18 3396.3 3455.2 0.983

(0.940, 1.028)

5.3.3.4―1 表 11.4.1.1.1―2,表 11.4.1.1.2―2 より引用(一部改変)

表 2.7.2.2-38 国内の健康成人におけるテネリグリプチンの薬力学的作用に及ぼす

カナグリフロジンの影響:TA-7284-10 試験

薬力学的パラメータ 被験

者数

平均値 平均値の差 (95%信頼区間)

併用 - 単独 併用投与 単独投与

活性型 GLP-1

Cmax (pmol/L) 18 5.89 4.93 0.96 (-1.03, 2.95)

tmax (h) 18 1.6 2.0 -0.4 (-0.9, 0.2)

AUC0-4h (pmol・h/L) 18 12.9 10.0 2.9 (1.1, 4.7)

AUC0.5-4h (pmol・h/L) 18 12.5 9.6 2.9 (1.1, 4.7)

総 GLP-1

Cmax (pmol/L) 18 13.42 10.45 2.98 (-0.24, 6.19)

tmax (h) 18 1.3 2.0 -0.7 (-1.4, 0.0)

AUC0-4h (pmol・h/L) 18 34.3 22.8 11.5 (7.8, 15.2)

AUC0.5-4h (pmol・h/L) 18 32.3 21.5 10.8 (7.7, 14.0)

GLP-1:グルカゴン様ペプチド-1. 5.3.3.4―1 表 11.4.1.2.2―1 より引用(一部改変)

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2.7.2 臨床薬理試験

81

(2) エチニルエストラジオール及びレボノルゲストレルとの薬物相互作用試験

[資料番号:5.3.3.4―5(参考資料),試験番号:DIA1002]

健康成人女性を対象に,カナグリフロジンを反復経口投与したときの経口避妊薬の成分で

あるエチニルエストラジオール及びレボノルゲストレルの薬物動態に及ぼす影響について,

Fixed-sequence,非盲検試験により検討した.また,副次的に経口避妊薬がカナグリフロジン

の薬物動態及び薬力学的作用に与える影響について検討した.Day 1 に経口避妊薬(エチニ

ルエストラジオ―ル及びレボノルゲストレル)を単回投与後,Day 4~8 にカナグリフロジン

200 mg を 1 日 1 回反復投与し,Day 9 に経口避妊薬とカナグリフロジンを併用投与した.30

名が本試験に組み入れられ,24 名が試験を完了した.

エチニルエストラジオール及びレボノルゲストレルの薬物動態に及ぼすカナグリフロジン

の影響を表 2.7.2.2-39,カナグリフロジンの薬物動態に及ぼすエチニルエストラジオール及

びレボノルゲストレルの影響を表 2.7.2.2-40 に示した.

経口避妊薬を単独投与した場合に比べて,経口避妊薬とカナグリフロジンを併用したとき

のエチニルエストラジオール及びレボノルゲストレルのCmaxの幾何平均値はいずれも約22%

上昇し,幾何平均値の比の 90%信頼区間は 80~125%の上限値を超えた.一方,エチニルエ

ストラジオール及びレボノルゲストレルの AUC は経口避妊薬の単独投与と経口避妊薬とカ

ナグリフロジンの併用投与で同程度であり,幾何平均値の比の 90%信頼区間は 80~125%の

範囲内となった.

カナグリフロジンの薬物動態パラメータ(AUC0-24h及び Cmax)はカナグリフロジンの単独

投与と経口避妊薬とカナグリフロジンの併用投与で差は見られず,AUC0-24h及び Cmaxの幾何

平均値の比の 90%信頼区間はいずれも 80~125%の範囲内であった.また,カナグリフロジ

ンの薬力学的パラメータである UGE0-24h 及び血糖値の AUC についても,エチニルエストラ

ジオール及びレボノルゲストレルの併用投与による変化は見られなかった.

カナグリフロジンの薬力学的指標である血糖値及び UGE の薬力学的パラメータに対する

エチニルエストラジオール及びレボノルゲストレル併用の影響を検討した(表 2.7.2.2-41).

カナグリフロジン単独投与の血糖値 AUC0-4h及び AUC0-24hの平均値は,エチニルエストラ

ジオール及びレボノルゲストレルを併用投与した場合の血糖値 AUC0-4h及び AUC0-24hの平均

値と比較してほぼ同程度であり,エチニルエストラジオール及びレボノルゲストレル併用投

与による健康女性の血糖値 AUC への影響は認められなかった.

また,カナグリフロジン単独投与の UGE0-24h及び投与 24 時間後までの UGE rate の平均値

は,エチニルエストラジオール及びレボノルゲストレルを併用投与した場合の UGE0-24h及び

投与 24 時間後までの UGE rate の平均値と比較してほぼ同程度であったことから,エチニル

エストラジオール及びレボノルゲストレル併用投与による健康女性の UGE への影響も認め

られなかった.

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2.7.2 臨床薬理試験

82

表 2.7.2.2-39 海外の健康成人におけるエチニルエストラジオール及びレボノルゲストレ

ルの薬物動態に及ぼすカナグリフロジンの影響:DIA1002 試験

薬物動態

パラメータ 被験

者数

Geometric LSMean 幾何平均値の比(%)

(90%信頼区間) 併用/単独 併用投与 単独投与

エチニルエス

トラジオール

Cmax (pg/mL)

24 75.99 62.18 122.21

(110.34, 135.36)

AUC0-24h (pg・h/mL)

24 522.92 482.41 108.40

(101.41, 115.87)

AUC0-last (pg・h/mL)

24 548.97 514.22 106.76

(98.76, 115.41)

AUC0-∞ (pg・h/mL)

24 683.74 641.35 106.61

(98.56, 115.32)

レボノルゲス

トレル

Cmax (ng/mL)

24 3.29 2.69 122.32

(110.70, 135.16)

AUC0-24h (ng・h/mL)

24 21.21 19.18 110.56

(104.61, 116.85)

AUC0-last (ng・h/mL)

24 32.10 29.73 107.98

(101.45, 114.94)

AUC0-∞ (ng・h/mL)

24 39.55 37.20 106.33

(100.02, 113.03)

5.3.3.4―5 Table 9 より引用(一部改変)

表 2.7.2.2-40 海外の健康成人におけるカナグリフロジンの薬物動態に及ぼすエチニルエ

ストラジオール及びレボノルゲストレルの影響:DIA1002 試験

薬物動態 パラメータ

被験

者数

Geometric LSMean 幾何平均値の比(%) (90%信頼区間)

併用/単独 併用投与 単独投与

Cmax (ng/mL) 24 2145.79 2343.39 91.57 (84.63, 99.08)

AUC0-24h (ng・h/mL) 24 14644.42 16024.87 91.39 (88.42, 94.45)

5.3.3.4―5 Table 11 より引用(一部改変)

表 2.7.2.2-41 海外の健康成人におけるカナグリフロジンの薬力学的作用に及ぼすエチニ

ルエストラジオール及びレボノルゲストレルの影響:DIA-1002 試験

薬力学的パラメータ 被験

者数

平均値

併用投与 単独投与

血糖値 AUC0-4h (mg・h/dL) 24 365 348

AUC0-24h (mg・h/dL) 24 2336 2279

UGE UGE0-24h (g) 24 45.5 45.9

UGE rate (g/h) 24 1.896 1.912

5.3.3.4―5 Table 12,Table13 より引用(一部改変)

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2.7.2 臨床薬理試験

83

(3) シンバスタチンとの薬物相互作用試験

[資料番号:5.3.3.4―7(参考資料),試験番号:DIA1009]

健康成人を対象に,カナグリフロジンを反復経口投与したときのシンバスタチンの薬物動

態及び薬力学的作用に及ぼす影響について,Fixed-sequence,非盲検試験により検討した.Day

1 にシンバスタチン 40 mg を単回投与後,Day 2~6 にカナグリフロジン 300 mg を 1 日 1 回反

復投与し,Day 7 にシンバスタチン 40 mg とカナグリフロジン 300 mg を併用投与した.22

名が本試験に組み入れられ,すべての被験者が試験を完了した.

シンバスタチンの薬物動態及び薬力学的作用に及ぼすカナグリフロジンの影響を表

2.7.2.2-42 に示した.

HMG-CoA 還元酵素阻害活性は,[14C]標識 HMG-CoA を放射性基質とした酵素阻害活性評

価法を用い,放射能濃度は液体シンチレ-ションカウンター法で測定した.本試験での測定

対象物は,シンバスタチン及びその活性代謝物であるシンバスタチンアシド体,並びにその

他の阻害活性を有する代謝物であり,酵素阻害物質濃度はシンバスタチン換算濃度として算

出した.本方法を用いて評価した結果,シンバスタチン単独投与時に対するカナグリフロジ

ン併用投与時のシンバスタチンの Cmax及び AUC の幾何平均値の比は,それぞれ 109.09%及

び 110.32~112.11%となり,いずれのパラメータも幾何平均値の比の 90%信頼区間は 80~

125%の上限値を超えた.また,シンバスタチンアシド体の Cmax及び AUC の幾何平均値の比

は,それぞれ 126.10%及び 118.01~118.26%となり,いずれのパラメータも幾何平均値の比の

90%信頼区間は 80~125%の上限値を超えた.

シンバスタチン単独投与時に対する併用投与時のHMG-CoA還元酵素阻害物質のCmax及び

AUC の幾何平均値の比は,それぞれ 94.45%及び 99.93~102.11%となり,いずれのパラメー

タも幾何平均値の比の 90%信頼区間は 80~125%の範囲内であった.

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2.7.2 臨床薬理試験

84

表 2.7.2.2-42 海外の健康成人におけるシンバスタチンの薬物動態及び薬力学的作用に

及ぼすカナグリフロジンの影響:DIA1009 試験

薬物動態

パラメータ 被験

者数

Geometric LSMean 幾何平均値の比(%)

(90%信頼区間) 併用/単独 併用投与 単独投与

シンバスタチン

Cmax (ng/mL)

22 9.86 9.04 109.09

(90.68, 131.25)

AUC0-24h (ng・h/mL)

22 41.39 37.52 110.32

(93.65, 129.96)

AUC0-last (ng・h/mL)

22 41.36 37.44 110.47

(93.71, 130.21)

AUC0-∞ (ng・h/mL)

22 44.38 39.59 112.11

(94.32, 133.25)

シンバスタチン

アシド体

Cmax (ng/mL)

22 2.23 1.76 126.10

(109.90, 144.67)

AUC0-24h (ng・h/mL)

22 19.10 16.17 118.10

(105.07, 132.74)

AUC0-last (ng・h/mL)

22 19.04 16.13 118.01

(105.00, 132.62)

AUC0-∞ (ng・h/mL)

20 21.51 18.19 118.26

(103.25, 135.45)

活性型

HMG-CoA 還元

酵素阻害物質

Cmax (μEq/L)

22 55.67 58.94 94.45

(83.34, 107.05)

AUC0-24h (μEq.h/L)

22 236.36 236.52 99.93

(91.60, 109.03)

AUC0-last (μEq.h/L)

22 235.2 234.85 100.15

(91.40, 109.74)

AUC0-∞ (μEq.h/L)

20 270.75 265.15 102.11

(91.93, 113.42)

5.3.3.4―7 Table 4,Table 6 より引用(一部改変)

(4) グリブリドとの薬物相互作用試験

[資料番号:5.3.3.4―6(参考資料),試験番号:DIA1004]

健康成人を対象に,カナグリフロジンを反復経口投与したときのグリブリドの薬物動態に

及ぼす影響について,Fixed-sequence,非盲検試験により検討した.また,副次的にカナグリ

フロジンがグリブリドの薬力学的作用に与える影響について検討した.Day 1 にグリブリド

1.25 mg を単回投与後,Day 4~8 にカナグリフロジン 200 mg を 1 日 1 回反復投与し,Day 9

にグリブリドとカナグリフロジンを併用投与した.29 名が本試験に組み入れられ,すべての

被験者が試験を完了した.

グリブリドの薬物動態に及ぼすカナグリフロジンの影響を表 2.7.2.2-43 に示した.

グリブリド,3-cis-体及び 4-trans-体の Cmax及び AUC のグリブリド単独投与時に対する併用

投与時の幾何平均値の比の 90%信頼区間は 80~125%の範囲内であった.

グリブリドの薬力学的作用に及ぼすカナグリフロジンの影響を表 2.7.2.2-44,表 2.7.2.2

-45 及び表 2.7.2.2-46 に示した.

グリブリドとカナグリフロジンの併用投与及び各治験薬単独投与のいずれにおいても血糖

値の AUC0-4h及び AUC0-10hの平均値は投与前値から低下し,平均の低下量は各単独投与に比

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2.7.2 臨床薬理試験

85

べて,併用投与で大きかった.グリブリドとカナグリフロジンを併用投与したときの血糖値

の AUC0-4h,AUC0-10h及び AUC0-24hの投与前値からの低下は各治験薬単独投与の効果の和より

も少なく,グリブリドとカナグリフロジンを併用投与した場合,血糖値の AUC に対する相

乗作用又は相加作用は見られなかった.

血漿中インスリン及び C-ペプチド濃度について,グリブリド単独投与後では,AUC0-4h 及

びAUC0-10hはベースラインから上昇,カナグリフロジン反復投与後では投与前値から低下し,

グリブリドとカナグリフロジン併用投与後ではわずかに上昇した.併用投与時の AUC の増

加量は,各治験薬単独投与の効果の和よりも小さいと推定された.

表 2.7.2.2-43 海外の健康成人におけるグリブリドの薬物動態に及ぼすカナグリフロジン

の影響:DIA1004 試験

薬物動態

パラメータ 被験

者数

Geometric LSMean 幾何平均値の比(%)

(90%信頼区間) 併用/単独 併用投与 単独投与

グリブリド

Cmax (ng/mL)

29 29.37 31.61 92.89

(85.03, 101.48)

AUC0-last (ng・h/mL)

29 179.83 173.27 103.79

(99.74, 108.00)

AUC0-∞ (ng・h/mL)

26 187.99 183.86 102.25

(97.87; 106.81)

3-cis-ヒドロキ

シグリブリド

Cmax (ng/mL)

29 1.39 1.40 98.97

(90.76, 107.92)

AUC0-last (ng・h/mL)

29 8.96 8.90 100.73

(94.22, 107.69)

AUC0-∞ (ng・h/mL)

25 9.95 9.85 101.04

(95.77, 106.59)

4-trans-ヒドロ

キシグリブリ

Cmax (ng/mL)

29 4.04 4.22 95.74

(87.91, 104.26)

AUC0-last (ng・h/mL)

29 31.19 30.33 102.81

(97.21, 108.73)

AUC0-∞ (ng・h/mL)

28 32.84 32.04 102.52

(96.85, 108.52)

5.3.3.4―6 Table 5 より引用

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2.7.2 臨床薬理試験

86

表 2.7.2.2-44 海外の健康成人におけるグリブリド及びカナグリフロジンの血糖値のパラ

メータに及ぼす薬力学的相互作用:DIA1004 試験

薬力学的

パラメータ

投与群

ベースライン

からの変化量

の LSMean

95%信頼区間

併用投与効果

各単独投与効果

の和

90%信頼区間

AUC0-4h

(mg・h /dL)

グリブリド単独投与

カナグリフロジン単独投与

グリブリド+カナグリフロジン併用投与

-38.94

-20.87

-42.97

(-55.44; -22.45)

(-37.36; -4.37)

(-59.47; -26.48) 16.84 (-2.68; 36.35)

AUC0-10h

(mg・h /dL)

グリブリド単独投与

カナグリフロジン単独投与

グリブリド+カナグリフロジン併用投与

-60.81

-27.40

-81.26

(-87.36; -34.26)

(-53.95; -0.85)

(-107.8; -54.72) 6.95 (-24.46; 38.35)

AUC0-24h

(mg・h /dL)

グリブリド単独投与

カナグリフロジン単独投与

グリブリド+カナグリフロジン併用投与

47.24

-83.02

-9.22

(-8.14; 102.63)

(-138.4; -27.63)

(-64.61; 46.16) 26.55 (-38.96; 92.06)

注:投与(ベースライン,グリブリド単独投与,カナグリフロジン単独投与,グリブリド+カナグリフロジン併用投与)

を固定効果,被験者をランダム効果とした混合効果分散分析により算出した.

5.3.3.4―6 Table 7 より引用

表 2.7.2.2-45 海外の健康成人におけるグリブリド及びカナグリフロジンの血漿中インス

リンのパラメータに及ぼす薬力学的相互作用:DIA1004 試験

薬力学的

パラメータ 投与群

ベースライン

からの変化量

の LSMean

95%信頼区間

併用投与効果

各単独投与効果

の和

90%信頼区間

AUC0-4h

(µU・h /mL)

グリブリド単独投与

カナグリフロジン単独投与

グリブリド+カナグリフロジン併用投与

94.49

-34.18

20.23

(58.38; 130.59)

(-69.88; 1.52)

(-15.88; 56.33) -40.08 (-82.78; 2.63)

AUC0-10h

(µU・h /mL)

グリブリド単独投与

カナグリフロジン単独投与

グリブリド+カナグリフロジン併用投与

127.13

-41.18

39.36

(77.46; 176.81)

(-90.29; 7.93)

(-10.32; 89.03) -46.59 (-105.4; 12.17)

注:投与(ベースライン,グリブリド単独投与,カナグリフロジン単独投与,グリブリド+カナグリフロジン併用投与)

を固定効果,被験者をランダム効果とした混合効果分散分析により算出した.

5.3.3.4―6 Table 9 より引用

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2.7.2 臨床薬理試験

87

表 2.7.2.2-46 海外の健康成人におけるグリブリド及びカナグリフロジンの血漿中C-ペプ

チドのパラメータに及ぼす薬力学的相互作用:DIA1004 試験

薬力学的

パラメータ 投与群

ベースライ

ンからの

変化量の

LSMean

95%信頼区間

併用投与効果

各単独投与効

果の和

90%信頼区間

AUC0-4h

(ng・h /mL)

グリブリド単独投与

カナグリフロジン単独投与

グリブリド+カナグリフロジン併用投与

6.43

-1.30

3.95

(4.36; 8.49)

(-3.36; 0.77)

(1.89; 6.02) -1.17 (-3.62; 1.27)

AUC0-10h

(ng・h /mL)

グリブリド単独投与

カナグリフロジン単独投与

グリブリド+カナグリフロジン併用投与

9.26

-1.47

8.12

(5.77; 12.75)

(-4.96; 2.02)

(4.63; 11.61) 0.33 (-3.80; 4.45)

注:投与(ベースライン,グリブリド単独投与,カナグリフロジン単独投与,グリブリド+カナグリフロジン併用投与)

を固定効果,被験者をランダム効果とした混合効果分散分析により算出した.

5.3.3.4―6 Table 11 より引用

(5) ワーファリンとの薬物相互作用試験

[資料番号:5.3.3.4―9(参考資料),試験番号:DIA1016]

健康成人を対象に,カナグリフロジンを反復経口投与したときのワーファリンの薬物動態

及び薬力学的作用に及ぼす影響について,2 期クロスオーバー,非盲検試験により検討した.

Treatment A は Day 1~12 にカナグリフロジン 300 mg を 1 日 1 回反復投与し Day 6 にワーフ

ァリン 30 mg を単回投与,Treatment B は Day 1 にワーファリン 30 mg を単回投与とし,被験

者は Treatment A 又は B について,2 つの投与順序のいずれかに割付けられ,治験薬が投与さ

れた.14 名が本試験に組み入れられ,13 名が試験を完了した.

S-及び R-ワーファリンの薬物動態及びプロトロンビン時間の国際標準化比(以下,INR)

に及ぼすカナグリフロジンの影響を表 2.7.2.2-47 に示した.

S-ワーファリンの AUC0-∞,AUC0-last 及び Cmaxについて,ワーファリン単独投与時に対する

ワーファリンとカナグリフロジン併用投与時での幾何平均値の比はそれぞれ約 106%,107%

及び 101%であった.90%信頼区間は,Cmaxでは 100%を含み,AUC0-∞及び AUC0-last ではいず

れも 100%を含まなかったが,いずれのパラメータも 80~125%の範囲内であった.また,R-

ワーファリンの AUC0-∞,AUC0-last 及び Cmaxの幾何平均値の比はそれぞれ約 101%,100%及び

103%であり,いずれも 80~125%の範囲内であった.

INR AUC0-last 及び INRmax の幾何平均値の比はそれぞれ約 100%及び 105%であり,80~125%

の範囲内であった.

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2.7.2 臨床薬理試験

88

表 2.7.2.2-47 海外の健康成人におけるS-及びR-ワーファリンの薬物動態及び薬力学的作

用に及ぼすカナグリフロジンの影響:DIA1016 試験

薬物動態 パラメータ

被験

者数

幾何平均値 幾何平均値の比(%)

(90%信頼区間) 併用/単独 併用投与 単独投与

S-ワーファリン

Cmax (ng/mL)

13 1769.02 1751.90 100.98

(90.32, 112.89)

AUC0-last (ng・h/mL)

13 54598.41 51182.31 106.67

(100.91, 112.76)

AUC0-∞ (ng・h/mL)

13 57441.90 54116.70 106.14

(100.43, 112.18)

R-ワーファリン

Cmax (ng/mL)

13 1785.97 1734.62 102.96

(93.74, 113.09)

AUC0-last (ng・h/mL)

13 77299.39 77226.93 100.09

(95.85, 104.52)

AUC0-∞ (ng・h/mL)

13 82955.31 82440.15 100.62

(95.98, 105.50)

INR INRmax 13 2.10 2.00

105.25 (99.23, 111.64)

INR AUC0-last 13 234.52 233.73 100.33

(98.21, 102.50)

5.3.3.4―9 Table 6 ,Table 8 より引用(一部改変)

(6) ジゴキシンとの薬物相互作用試験

[資料番号:5.3.3.4―8(参考資料),試験番号:DIA1014]

健康成人を対象に,カナグリフロジンを反復経口投与したときのジゴキシンの薬物動態に及

ぼす影響について,2 期クロスオーバー,非盲検試験により検討した.Treatment A は Day 1

にジゴキシン 0.5 mg を投与し,Day 2~7 にジゴキシン 0.25 mg を 1 日 1 回反復投与,Treatment

B は Day 1 にジゴキシン 0.5 mg 及びカナグリフロジン 300 mg を投与し,Day 2~7 にジゴキ

シン 0.25 mg 及びカナグリフロジン 300 mg を 1 日 1 回反復投与とし,被験者は Treatment A

又は B について,2 つの投与順序のいずれかに割付けられ,治験薬が投与された.18 名が本

試験に組み入れられ,16 名が試験を完了した.

ジゴキシンの薬物動態に及ぼすカナグリフロジンの影響を表 2.7.2.2-48 に示した.

ジゴキシンの AUC0-24h及び Cmaxは,ジゴキシン単独投与に比べて,ジゴキシンとカナグリ

フロジン併用投与では,それぞれ約 20%及び約 36%大きかった.90%信頼区間は AUC0-24hで

は約 112~128%,Cmax では約 121~153%となり,いずれのパラメータも 80~125%の上限値

を上回っていた.

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2.7.2 臨床薬理試験

89

表 2.7.2.2-48 海外の健康成人におけるジゴキシンの薬物動態に及ぼすカナグリフロジン

の影響:DIA1014 試験

薬物動態 パラメータ

幾何平均値 幾何平均値の比(%) (90%信頼区間)

併用/単独 併用投与 単独投与

Cmax (ng/mL) 2.00 1.47 135.82

(120.85, 152.64)

AUC0-24h (ng・h/mL) 20.50 17.16 119.51

(112.02, 127.51)

5.3.3.4―8 Table 8 より引用(一部改変)

(7) ヒドロクロロチアジドとの薬物相互作用試験

[資料番号:5.3.3.4―11(参考資料),試験番号:DIA1034]

健康成人を対象に,ヒドロクロロチアジドを反復経口投与したときのカナグリフロジンの

薬力学的作用に及ぼす影響について,Fixed-sequence,非盲検試験により検討した.また,カ

ナグリフロジンの薬物動態に及ぼすヒドロクロロチアジドの影響,ヒドロクロロチアジドの

薬物動態に及ぼすカナグリフロジンの影響についても検討した.Period 1 では,Day 1~7 に

カナグリフロジン 300 mg を 1 日 1 回反復投与し,Period 2 では,Day 1~28 にヒドロクロロ

チアジド 25 mg を 1 日 1 回,Day 29~35 にヒドロクロロチアジド 25 mg とカナグリフロジン

300 mg を 1 日 1 回反復投与した.30 名が本試験に組み入れられ,28 名が試験を完了した.

ヒドロクロロチアジドがカナグリフロジンの薬力学的作用及び薬物動態に及ぼす影響を表

2.7.2.2-49 及び表 2.7.2.2-50 に示した.ヒドロクロロチアジドの薬物動態に及ぼすカナグ

リフロジンの影響を表 2.7.2.2-51 に示した.

カナグリフロジン単独投与に対するヒドロクロロチアジドとカナグリフロジン併用投与の

UGE0-24hの LSMean の差は -1.00 g であり,平均値の差の 90%信頼区間は 0 を含んだ.RTG0-24h

及び MPG0-24hの幾何平均値の比はそれぞれ 108.02%及び 105.64%であり,いずれのパラメー

タも,幾何平均値の比の 90%信頼区間は 100%を含まなかったが,80~125%の範囲内であっ

た.

カナグリフロジン単独投与に対するヒドロクロロチアジドとカナグリフロジン併用投与の

カナグリフロジンの AUC0-24h及び Cmaxの幾何平均値の比はそれぞれ 112.24%及び 114.86%で

あった.幾何平均値の比の 90%信頼区間は,いずれも 100%を含まなかったが,80~125%の

範囲内であった.

ヒドロクロロチアジド単独投与に対するヒドロクロロチアジドとカナグリフロジン併用投

与のヒドロクロロチアジドの AUC0-24h 及び Cmax の幾何平均値の比はそれぞれ 99.46%及び

93.93%であった.幾何平均値の比の 90%信頼区間は,いずれも 100%を含み,80~125%の範

囲内であった.

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2.7.2 臨床薬理試験

90

表 2.7.2.2-49 海外の健康成人におけるカナグリフロジンの薬力学的作用に及ぼす

ヒドロクロロチアジドの影響:DIA1034 試験

薬力学的パラメータ 被験

者数

Geometric LSMean/LSMean *1) 比 (%)又は差 *2) (90%信頼区間)

併用/単独又は併用-単独併用投与 単独投与

UGE0-24h (g) 28 41.34 42.34 -1.00

(-3.09, 1.09)

RTG0-24h (mg/dL) 28 62.62 57.97 108.02

(104.86, 111.27)

MPG0-24h (mg/dL) 28 98.21 92.97 105.64

(104.08, 107.22)

UGE:尿中グルコース排泄量,RTG:腎糖排泄閾値,MPG:平均血糖値. *1) UGE0-24hは LSMean,RTG0-24h及び MPG0-24hは Geometric LSMean. *2) UGE0-24hは LSMean の差,RTG0-24h及び MPG0-24hは Geometric LSMean の比. 5.3.3.4―11 Table 4,Table 5,Table 6 より引用(一部改変)

表 2.7.2.2-50 海外の健康成人におけるカナグリフロジンの薬物動態に及ぼす

ヒドロクロロチアジドの影響:DIA1034 試験

薬物動態パラメータ 被験

者数

Geometric LSMean 幾何平均値の比(%) (90%信頼区間)

併用/単独 併用投与 単独投与

Cmax (ng/mL) 28 4350.07 3787.41 114.86

(105.95, 124.51)

AUC0-24h (ng•h/mL) 28 27942.30 24895.86 112.24

(107.55, 117.13)

5.3.3.4―11 Table 9 より引用(一部改変)

表 2.7.2.2-51 海外の健康成人におけるヒドロクロロチアジドの薬物動態に及ぼす

カナグリフロジンの影響:DIA1034 試験

薬物動態パラメータ 被験

者数

Geometric LSMean 幾何平均値の比(%) (90%信頼区間)

併用/単独 併用投与 単独投与

Cmax (ng/mL) 28 141.44 150.57 93.93

(86.97, 101.46)

AUC0-24h (ng•h/mL) 28 1049.46 1055.14 99.46

(94.85, 104.30)

5.3.3.4―11 Table 12 より引用(一部改変)

(8) メトホルミンとの薬物相互作用試験(1)

[資料番号:5.3.3.4―12(参考資料),試験番号:NAP1004]

健康成人を対象に,カナグリフロジンを反復経口投与したときのメトホルミンの薬物動態に

及ぼす影響について,Fixed-sequence,非盲検試験により検討した.また,メトホルミンがカ

ナグリフロジンの薬力学的作用に与える影響について検討した.Day 1 にメトホルミン 1000

mg を単回投与後,Day 4~7 にカナグリフロジン 100 mg を 1 日 1 回反復投与し,Day 8 にメ

トホルミンとカナグリフロジンを併用投与した.18 名が本試験に組み入れられ,15 名が試験

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2.7.2 臨床薬理試験

91

を完了した.

メトホルミンの薬物動態に及ぼすカナグリフロジンの影響を表 2.7.2.2-52 に示した.

メトホルミンの AUC0-∞について,メトホルミン単独投与時に対するカナグリフロジンとメ

トホルミンとの併用時の幾何平均値の比の 90%信頼区間は 0.8~1.25 の範囲内であった.Cmax

はカナグリフロジンとの併用で低下し,幾何平均値の比の 90%信頼区間の下限値は 0.8~1.25

を下回った.

UGE0-24hについて,カナグリフロジン単独投与時に対するカナグリフロジンとメトホルミン

との併用投与時での LSMean の差及び 90%信頼区間は -1.88 g 及び -4.5~8.31 g であり,有意

な差は見られなかった.血糖値の AUC0-16hについて,カナグリフロジン又はメトホルミン単

独投与とカナグリフロジンとメトホルミンとの併用投与時で有意な差は見られなかった.血

漿中インスリン濃度の AUC0-16hでは,カナグリフロジン又はメトホルミン単独投与に対する

カナグリフロジンとメトホルミンとの併用投与時での幾何平均値の比はそれぞれ 0.876,

0.822 となり,90%信頼区間の下限値は 0.8~1.25 を下回った.

表 2.7.2.2-52 海外の健康成人におけるメトホルミンの薬物動態に及ぼす

カナグリフロジンの影響:NAP1004 試験

薬物動態パラメータ Geometric LSMean 幾何平均値の比

(90%信頼区間) 併用/単独 併用投与 単独投与

Cmax (ng/mL) 945.5 1104 0.856

(0.729, 1.007)

AUC0-∞ (ng•h/mL) 8071 8362 0.965

(0.819, 1.137)

5.3.3.4―12 Table 6 より引用(一部改変)

(9) メトホルミンとの薬物相互作用試験(2)

[資料番号:5.3.3.4―10(参考資料),試験番号:DIA1028]

健康成人を対象に,カナグリフロジンを反復経口投与したときのメトホルミンの薬物動態

及び薬力学的作用に及ぼす影響,メトホルミンを単回投与したときのカナグリフロジン反復

投与時の薬物動態に及ぼす影響について,Fixed-sequence,非盲検試験により検討した.Day 1

にメトホルミン 2000 mg を単回投与後,Day 4~7 にカナグリフロジン 300 mg を 1 日 1 回反

復投与し,Day 8 にメトホルミンとカナグリフロジンを併用投与した.18 名が本試験に組み

入れられ,16 名が試験を完了した.

メトホルミンの薬物動態に及ぼすカナグリフロジンの影響を表 2.7.2.2-53,カナグリフロ

ジンの薬物動態及びに薬力学的作用に及ぼすメトホルミンの影響を表 2.7.2.2-54 及び表

2.7.2.2-55 に示した.

メトホルミン単独投与に比べて,メトホルミンとカナグリフロジンを併用投与したときの

メトホルミンの AUC0-last 及び AUC0-∞はわずかに上昇(約 20%)した.カナグリフロジン併用

及び非併用下におけるメトホルミンの AUC0-last 及び AUC0-∞の幾何平均値の比の 90%信頼区

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2.7.2 臨床薬理試験

92

間の上限値は 80~125%の範囲を超えた.また,メトホルミン単独投与でのメトホルミンの

腎クリアランス(以下 CLR)は 32.3 L/h となり,メトホルミンとカナグリフロジンを併用投

与したとき(30.0 L/h)と同程度であった.

カナグリフロジン単独投与に対するメトホルミンとカナグリフロジン併用投与でのカナグ

リフロジンの AUC0-24h及び Cmax,の幾何平均値の比はそれぞれ約 110%及び 105%であり,それ

らの 90%信頼区間は Cmax では 100%を含み,AUC0-24hでは含まなかったが,いずれのパラメ

ータも 80~125%の範囲内であった.

カナグリフロジン単独投与に対するメトホルミンとカナグリフロジン併用投与の UGE0-24h

の LSMean の差は -7.41g であり,わずかに減少した.RTG0-24hの LSMean の差は 3.35 mg/dL

であり,わずかに上昇した.MPG0-24hの LSMean の差は -0.88 mg/dL であった.90%信頼区間

は 0 を含んでおり,大きな差は見られなかった.

表 2.7.2.2-53 海外の健康成人におけるメトホルミンの薬物動態に及ぼす

カナグリフロジンの影響:DIA1028 試験

薬物動態パラメータ 被験

者数

幾何平均値 幾何平均値の比 (%) (90%信頼区間)

併用/単独 併用投与 単独投与

Cmax (ng/mL) 16 1647.30 1556.96 105.80

(93.17, 120.15)

AUC0-last (ng•h/mL) 16 13121.44 10823.60 121.23

(109.41, 134.32)

AUC0-∞ (ng•h/mL) 15 13384.81 11158.87 119.95

(107.68, 133.62)

5.3.3.4―10 Table 8 より引用(一部改変)

表 2.7.2.2-54 海外の健康成人におけるカナグリフロジンの薬物動態に及ぼす

メトホルミンの影響:DIA1028 試験

薬物動態パラメータ 被験

者数

幾何平均値 幾何平均値の比 (%) (90%信頼区間)

併用/単独 併用投与 単独投与

Cmax (ng/mL) 16 2698.58 2565.93 105.17

(95.78, 115.78)

AUC0-24h (ng•h/mL) 16 24087.48 21946.04 109.76

(104.96, 114.78)

5.3.3.4―10 Table 6 より引用(一部改変)

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2.7.2 臨床薬理試験

93

表 2.7.2.2-55 海外の健康成人におけるカナグリフロジンの薬力学的作用に及ぼす

メトホルミンの影響:DIA1028 試験

薬力学的パラメータ 被験

者数

LSMean 平均値の差 (90%信頼区間)

併用-単独 併用投与 単独投与

UGE0-24h (g) 16 47.01 54.43 -7.41

(-11.97, -2.91)

RTG0-24h (mg/dL) 16 55.77 52.42 3.35

(1.00, 5.81)

MPG0-24h (mg/dL) 16 85.51 86.39 -0.88

(-2.25, 0.51)

UGE:尿中グルコース排泄量,RTG:腎糖排泄閾値,MPG:平均血糖値. 5.3.3.4―10 Table 9,Table 10,Table 12 より引用(一部改変)

(10) リファンピシンとの薬物相互作用試験

[資料番号:5.3.3.4―2(参考資料),試験番号:DIA1029]

健康成人を対象に,リファンピシンを反復投与したときのカナグリフロジンの薬物動態に

及ぼす影響について,Fixed-sequence,非盲検試験により検討した.Day 1 にカナグリフロジ

ン 300 mg を単回経口投与後,Day 4~9 にリファンピシン 600 mg を 1 日 1 回反復投与し,Day

10 にリファンピシンとカナグリフロジンを併用投与,更に Day 11~12 にリファンピシン 600

mg を 1 日 1 回反復投与した.14 名が本試験に組み入れられ,すべての被験者が試験を完了

した.

カナグリフロジンの薬物動態に及ぼすリファンピシンの影響を表 2.7.2.2-56 に示した.

カナグリフロジン単独投与に対するカナグリフロジンとリファンピシンを併用投与したと

きのカナグリフロジンのCmax及びAUC0-∞の幾何平均値の比はそれぞれ 71.75%及び 48.76%と

なった.90%信頼区間はいずれも 100%を含まず,80~125%の範囲を外れた.

カナグリフロジン単独投与に対するカナグリフロジンとリファンピシンを併用投与したと

きの M5 の Cmax及び AUC0-∞の幾何平均値の比は,それぞれ 160.69%及び 104.12%であり,Cmax

の 90%信頼区間は 80~125%の範囲を外れた.AUC0-∞ではリファンピシンの影響は見られな

かった.M7 の Cmax 及び AUC0-∞の幾何平均値の比はそれぞれ 131.13%及び 67.57%であり,

90%信頼区間はいずれも 100%を含まず,80~125%の範囲を外れた.

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2.7.2 臨床薬理試験

94

表 2.7.2.2-56 海外の健康成人におけるカナグリフロジンの薬物動態に及ぼす

リファンピシンの影響:DIA1029 試験

薬物動態

パラメータ 被験

者数

幾何平均値 幾何平均値の比(%)

(90%信頼区間) 併用/単独 併用投与 単独投与

カナグリフロジン

Cmax (ng/mL)

14 1692.05 2358.29 71.75

(61.13, 84.21)

AUC0-∞ (ng・h/mL)

14 10210.73 20938.95 48.76

(43.69, 54.43)

M5

Cmax (ng/mL)

14 3473.25 2161.41 160.69

(134.22, 192.38)

AUC0-∞ (ng・h/mL)

13 21522.27 20671.19 104.12

(92.83, 116.78)

M7

Cmax (ng/mL)

14 2258.19 1722.15 131.13

(115.45, 148.93)

AUC0-∞ (ng・h/mL)

13 12716.53 18820.25 67.57

(60.52, 75.44)

5.3.3.4―2 Table 6,Table 8,Table 10 より引用(一部改変)

(11) シクロスポリンとの薬物相互作用試験

[資料番号:5.3.3.4―3(参考資料),試験番号:DIA1031]

健康成人を対象に,シクロスポリンを単回投与したときのカナグリフロジンの薬物動態に及

ぼす影響について,Single-sequence,非盲検試験により検討した.Day 1~7 にカナグリフロ

ジン 300 mg を 1 日 1 回反復経口投与後,Day 8 にシクロスポリン 400 mg とカナグリフロジ

ンを併用投与した.18 名が本試験に組み入れられ,すべての被験者が試験を完了した.

カナグリフロジンの薬物動態に及ぼすシクロスポリンの影響を表 2.7.2.2-57 に示した.

カナグリフロジンとシクロスポリン併用投与時におけるカナグリフロジンのAUC0-24h及び

Cmax の幾何平均値の比は,カナグリフロジン単独投与時に対して,それぞれ 122.98%及び

100.81%であった.幾何平均値の比の 90%信頼区間は Cmaxでは 80~125%の範囲内であったが,

AUC0-24hでは 100%を含まず,その範囲を超えた.

表 2.7.2.2-57 海外の健康成人におけるカナグリフロジンの薬物動態に及ぼす

シクロスポリンの影響:DIA1031 試験

薬物動態パラメータ 被験

者数

幾何平均値 幾何平均値の比(%) (90%信頼区間)

併用/単独 併用投与 単独投与

Cmax (ng/mL) 17 2887.13 2864.03 100.81

(91.31, 111.30)

AUC0-24h (ng•h/mL) 17 27355.78 22243.50 122.98

(118.66, 127.46)

5.3.3.4―3 Table 6 より引用(一部改変)

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2.7.2 臨床薬理試験

95

(12) プロベネシドとの薬物相互作用試験

[資料番号:5.3.3.4―4(参考資料),試験番号:DIA1048]

健康成人を対象に,プロベネシドを反復投与したときのカナグリフロジンの薬物動態に及

ぼす影響について,Fixed-sequence,非盲検試験により検討した.Day 1~14 にカナグリフロ

ジン 300 mg を 1 日 1 回反復経口投与後,Day 15~17 にプロベネシド 500 mg を 1 日 2 回とカ

ナグリフロジン 300 mg を 1 日 1 回反復併用投与した.14 名が本試験に組み入れられ,11 名

が試験を完了した.

カナグリフロジンの薬物動態に及ぼすプロベネシドの影響を表 2.7.2.2-58 に示した.

カナグリフロジン単独投与に対するカナグリフロジンとプロベネシドを併用投与したとき

の血漿中カナグリフロジンの AUC0-24h及び Cmaxの幾何平均値の比は,それぞれ 120.74%及び

113.37%であった.いずれのパラメータも幾何平均値の比の 90%信頼区間は 80~125%の範囲

をわずかに上回り,100%を含まなかった.

カナグリフロジン単独投与に対するカナグリフロジンとプロベネシドを併用投与したとき

の血漿中 M5 の AUC0-24h 及び Cmaxの幾何平均値の比は,それぞれ 146.33%及び 129.45%であ

り,幾何平均値の比の 90%信頼区間はいずれも 100%を含まず,80~125%の範囲を上回った.

M7 の AUC0-24h及び Cmax の幾何平均値の比は,それぞれ 130.12%及び 128.58%であり,いず

れのパラメータも幾何平均値の比の 90%信頼区間は 80~125%の範囲を上回り,100%を含ま

なかった.

表 2.7.2.2-58 海外の健康成人におけるカナグリフロジンの薬物動態に及ぼす

プロベネシドの影響:DIA1048 試験

薬物動態 パラメータ

被験

者数

幾何平均値 幾何平均値の比(%)

(90%信頼区間) 併用/単独 併用投与 単独投与

カナグリフロジン

Cmax (ng/mL)

11 3008.66 2653.85 113.37

(100.37, 128.06)

AUC0-24h

(ng・h/mL) 11 26011.71 21543.95

120.74 (116.37, 125.27)

M5

Cmax (ng/mL)

11 3059.42 2363.34 129.45

(116.45, 143.91)

AUC0-24h

(ng・h/mL) 11 28890.54 19743.25

146.33 (135.09, 158.50)

M7

Cmax (ng/mL)

11 2114.68 1644.65 128.58

(120.37, 137.35)

AUC0-24h

(ng・h/mL) 11 21004.83 16143.27

130.12 (126.11, 134.25)

5.3.3.4―4 Table 5,Table 7,Table 9 より引用(一部改変)

(13) CYP 阻害作用を介した薬物相互作用シミュレーション

[資料番号:5.3.5.3―7(参考資料),試験番号:FK10243]

カナグリフロジンが CYP3A4,2C9 及び 2B6 の基質薬剤の薬物動態に与える影響を検討す

るため,Simcyp(ver 11.1,Simcyp Ltd, UK)を用いた薬物相互作用予測を実施した.

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2.7.2 臨床薬理試験

96

カナグリフロジンの生理学的薬物動態(以下,PBPK)モデルはカナグリフロジンの物理化

学的パラメータ,非臨床及び臨床試験結果に基づき構築した.DIA1021 試験におけるカナグ

リフロジンを静脈内及び経口投与したときの血漿中カナグリフロジン濃度推移は,PBPK モ

デルによるシミュレーション(静脈内投与では 100 例,経口投与では 90 例のシミュレーショ

ン)より得られた血漿中カナグリフロジン濃度推移の 5~95 パーセンタイル内に含まれ,PK

パラメータ(AUC,Cmax,tmax,CL)は,実測値とシミュレーションで得られた予測値がほ

ぼ一致した.また,シミュレーションによる 1 日 1 回 100~300 mg 投与時のカナグリフロジ

ンの血漿中濃度は線形性が認められた.構築した PBPK モデルにおけるカナグリフロジンの

CYP3A4,2C9 及び 2B6 に対する阻害能を検証するため,DIA1009 試験(シンバスタチン併

用試験),DIA1002 試験(エチニルエストラジオール併用試験)及び DIA1016 試験(ワーフ

ァリン併用試験)における AUC 及び Cmaxの併用/単独比と,これらの試験と同様な試験デザ

インのシミュレーションより得られた AUC 及び Cmax の併用/単独比を比較した(表 2.7.2.2

-59).いずれの試験においても,臨床試験結果とシミュレーションで得られた予測値はほぼ

一致した.被相互作用薬であるシンバスタチン(CYP3A4 基質薬剤),ブプロピオン(CYP2B6

基質薬剤),S-ワーファリン(CYP2C9 基質薬剤)の PBPK モデルは Simcyp の化合物ライブ

ラリーを用い,エチニルエストラジオールの PBPK モデルは Zhang らの報告[76]に基づき

構築した.エチニルエストラジオールの PBPK モデルの検証のため,シミュレーションの予

測値と DIA1002 試験におけるエチニルエストラジオール単独投与時の結果が一致する事を

確認し,更に,構築した PBPK モデルによるエチニルエストラジオールとフルコナゾール

(Simcyp 化合物ライブラリーの PBPK モデル)との相互作用時のシミュレーションの予測値

と Hilbert らの報告した臨床試験結果[77]との一致を確認した.以上の結果から,構築した

カナグリフロジン及びエチニルエストラジオールの PBPK モデルは,CYP3A4,2C9 及び 2B6

を介した薬物相互作用の予測に用いる事が可能であると考えられた.

構築したモデルを用いて,カナグリフロジン 100 mg の 1 日 1 回反復投与したときのシン

バスタチン 40 mg 単回投与あるいはワーファリン 30 mg 単回投与時の薬物動態に与える影響

について検討した結果,いずれにおいても臨床上意義のある相互作用となる曝露の上昇は認

められなかった.

エチニルエストラジオールとの薬物相互作用試験(DIA1002 試験)ではエチニルエストラ

ジオールの Cmaxの上昇(約 22%)が認められたが,PBPK モデルによる予測ではエチニルエ

ストラジオールの Cmaxの上昇は 2%であった.前述のようにカナグリフロジンは臨床上意味

のある CYP3A4 及び 2C9 阻害作用を有さないと考えられることから,エチニルエストラジオ

ールとの相互作用試験で見られた Cmax の上昇にカナグリフロジンの CYP2C9 及び CYP3A4

阻害作用が及ぼす影響は小さいことが示唆された.また,カナグリフロジン 100 mg 又は 300

mg を 1 日 1 回反復投与したときのエチニルエストラジオール 30 μg を単回投与したときの薬

物動態に与える影響についても検討した結果,Cmax及び AUC の上昇率は 4%以下となり,臨

床上問題となる相互作用はないと予測した.

カナグリフロジン 100 mg 又は 300 mg を 1 日 1 回反復投与したとき,CYP2B6 の基質薬剤

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2.7.2 臨床薬理試験

97

であるブプロピオン 150 mg 単回投与の薬物動態に与える影響を予測した結果,上昇率は Cmax

でそれぞれ 4%及び 12%,AUC ではそれぞれ 4%及び 13%と推定され,臨床上問題となるよ

うな相互作用は認められなかった.

表 2.7.2.2-59 併用薬の単独投与に対するカナグリフロジン併用投与時の

Cmax及び AUC の比の予測結果

被併用薬 カナグリフロジン

予測された比 (併用/単独)

臨床試験で観察された比

(併用/単独)

薬剤名 投与量 AUC Cmax AUC Cmax

S-ワーファリン 30 mg 単回

100 mg q.d. 12 日間 1.00 1.00 - -

300 mg q.d. 12 日間 1.01 1.00 1.06 1.00

エチニルエストラ

ジオール 30 μg 単回

100 mg q.d. 6 日間 1.01 1.01 - -

200 mg q.d. 6 日間 1.02 1.02 1.07 1.22

300 mg q.d. 6 日間 1.03 1.03 - -

シンバスタチン 40 mg 単回

100 mg q.d. 6 日間 1.04 1.04 - -

300 mg q.d. 6 日間 1.13 1.12 1.12 1.09

ブプロピオン 150 mg 単回

100 mg q.d. 6 日間 1.04 1.04 - -

300 mg q.d. 6 日間 1.13 1.12 - -

q.d.:1 日 1 回,-:該当せず. 薬物動態パラメータは仮想被験者 100 名に対して予測した.ただし,カナグリフロジン 300 mg の 1 日 1 回 反復投与と S-ワーファリン及びカナグリフロジン 200 mg の 1 日 1 回反復投与時とエチニルエストラジオー ルとの予測における仮想被験者数はそれぞれ 20 名及び 96 名とした. 5.3.5.3―7 Table 5,Table 7,Table 8,Table 9,Table 10,Table 11,Table 12,Table 13,Table 14 より引用(一 部改変)

2.7.2.2.5.2 製剤の影響

(1) 懸濁剤と固形製剤の相対的バイオアベイラビリティ試験

[資料番号:5.3.1.2―3(参考資料),試験番号:NAP1003]

海外の健康成人を対象に,カナグリフロジン懸濁剤又は錠剤を単回投与したときの薬力学

的作用の比較について,非盲検,ランダム化,3 期クロスオーバー試験により検討した.ま

た,食事が薬力学的作用に与える影響についても検討した.パート 1(25 mg)及びパート 2

(200 mg)では,カナグリフロジン錠剤を食後又は空腹時,懸濁剤を食後に投与し,パート

3(400 mg)ではカナグリフロジン錠剤を食事 30 分前又は食後,懸濁剤を食後に投与した.

本試験には 36 名が登録され,33 名が試験を完了した.

海外の健康成人にカナグリフロジンの懸濁剤又は錠剤を単回投与したときの UGE0-24hを表

2.7.2.2-60 に示した.

UGE0-24hは投与量の増加に伴い増加した.Day 1 の UGE0-24hは食後と空腹時,又は錠剤と懸

濁剤で同程度であった.

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2.7.2 臨床薬理試験

98

表 2.7.2.2-60 海外の健康成人にカナグリフロジンの懸濁剤又は錠剤を単回投与したとき

の 24 時間累積尿中グルコース排泄量(g):NAP1003

投与量 懸濁剤 食後

錠剤

食後 空腹時 食事 30 分前

25 mg 22.4 (7.00) 22.0 (6.40) 20.6 (8.28) -

200 mg 61.9 (17.5) 59.2 (12.5) 56.0 (11.1) -

400 mg 86.4 (45.7) 78.2 (27.7) - 73.1 (34.9)

平均値(標準偏差),-:該当せず. 5.3.1.2―3 Table 8 より引用(一部改変)

2.7.2.2.6 Thorough QT/QTc 試験

[資料番号:5.3.4.1―1(評価資料),試験番号:DIA1010]

健康成人を対象に,カナグリフロジンを単回投与したときの QT/QTc 間隔を評価するため,

ランダム化,二重盲検,プラセボ及び陽性対照,4 期クロスオーバー試験を実施した.Treatment

A としてカナグリフロジン 300 mg を単回投与,Treatment B としてカナグリフロジン 1200 mg

を単回投与,Treatment C としてプラセボを単回投与,Treatment D として陽性対照のモキシ

フロキサシン 400 mg を単回投与とした,4 期クロスオーバーにより実施した.60 名が本試

験に登録され,55 名が試験を完了した.

カナグリフロジン単回投与時の薬物動態パラメータを表 2.7.2.2-61,カナグリフロジン

(300 mg,1200 mg)とプラセボの対比較及びモキシフロキサシンを単回投与したときの QTc

間隔の投与前値からの変化量のプラセボとの差(ΔΔQTcP)の LSMean の推移を図 2.7.2.2-

35 に示した.

カナグリフロジン 300 mg 又は 1200 mg の経口投与後,血漿中カナグリフロジン濃度は速

やかに上昇し,tmaxの中央値は約 2~3 時間であった.Cmax及び AUC0-24hの平均値は用量比を

下回る上昇を示し,用量が 4 倍増加したとき(カナグリフロジン 300 mg から 1200 mg)の

Cmax及び AUC0-24hの平均値はそれぞれ約 2.7 倍及び 3.3 倍上昇した.

投与前の QT 間隔と RR 間隔の両変数を対数変換し,心拍数で補正した QT(以下,QTc)

間隔と RR 間隔との間に線形混合効果モデルを当てはめたとき,本試験集団データの直線回

帰に基づく補正法(以下,QTcP)間隔では回帰直線の傾きが最も 0 に近かったことから,QT

間隔の補正法として QTcP 間隔を使用した.QTcP 間隔の投与前値からの変化量のカナグリフ

ロジン 300 mg,1200 mg とプラセボとの間の LSMean の差の推移は,カナグリフロジン 300 mg

とプラセボでは違いは見られなかったが,カナグリフロジン 1200 mg ではプラセボよりもわ

ずかな低下が見られた.カナグリフロジンとプラセボとの間に観察された ΔQTcP の LSMean

の差は,300 mg では -2.4 msec(90%信頼区間は -4.48~ -0.38,投与 30 分後)から 0.5 msec

(90%信頼区間は -1.55~2.56,投与 3 時間後),1200 mg では -3.9 msec(90%信頼区間は -5.95

~ -1.81,投与 2 時間後)から -0.7 msec(90%信頼区間は -2.80~1.34,投与 24 時間後)で

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2.7.2 臨床薬理試験

99

あった.

心拍数,QRS 間隔,PR 及び RR 間隔について,カナグリフロジン 300 mg 又は 1200 mg 投

与により臨床的に意義のある変化は認められなかった.

表 2.7.2.2-61 海外の健康成人におけるカナグリフロジン単回投与時の薬物動態

パラメータ:DIA1010 試験

薬物動態 パラメータ

300 mg (N=56)

1200 mg (N=55)

Cmax (ng/mL) 2408 (565)

6408 (2034)

tmax (h) *1) 2.05

(1.05-5.07) 3.05

(1.55-6.05)

AUC0-24h (ng・h/mL) 18857 (4094)

61196 (17789)

平均値(標準偏差). *1) tmaxは中央値(最小値-最大値). 5.3.4.1―1 Table 6 より引用

JNJ-28431754:カナグリフロジン,CI:90%信頼区間.

図 2.7.2.2-35 カナグリフロジン(300 mg,1200 mg)とプラセボの対比較及びモキシフ

ロキサシンを単回投与したときの QTc 間隔の投与前値からの変化量のプラセボとの差

(ΔΔQTcP)の LSMean の推移:DIA1010 試験

5.3.4.1―1 Figure 4 より引用

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2.7.2 臨床薬理試験

100

2.7.2.2.7 光過敏性試験

(1) 単回投与における光過敏性試験

[資料番号:5.3.4.1―2(参考資料),試験番号:NAP1005]

健康成人を対象に,カナグリフロジンを単回投与したときの光過敏性発現を評価するため,

ランダム化,二重盲検,プラセボ及び陽性対照,並行群間比較試験を実施した.被験者はカ

ナグリフロジン 200 mg,400 mg,プラセボ又は陽性対照であるシプロフロキサシン 1000 mg

(500 mg を 12 時間間隔で 2 回)のいずれかにランダムに割付けられた.24 名が本試験に登

録され,すべての被験者が試験を完了した.

評価指標はカナグリフロジン投与前後の最小紅斑照射量の比である光毒性インデックス

(以下,PI)とし,紫外線照射後 24 時間(遅延型紅斑)を各波長について測定した.また,

紫外線照射後 10 分(即時型紅斑)に 400 nm 及び 430 nm の波長を除く各波長についても測

定した.

カナグリフロジン 200 mg 及び 400 mg 投与において,長波長紫外線(以下,UVA)の遅延

型 PI の平均値はプラセボと同程度であり,陽性対照であるシプロフロキサシンよりも低かっ

た.

(2) 反復投与における光過敏性試験(1)

[資料番号:5.3.4.1―3(参考資料),試験番号:DIA1011]

健康成人を対象に,カナグリフロジンを 6 日間反復投与したときの光過敏性発現の可能性を

評価するため,ランダム化,二重盲検,プラセボ及び陽性対照,並行群間比較試験を実施し

た.被験者はカナグリフロジン 300 mg を 1 日 1 回,カナグリフロジン 300 mg を 1 日 2 回,

プラセボ又はシプロフロキサシン 500mg を 1 日 2 回のいずれかにランダムに割付けられた.

53 名が本試験に登録され,48 名が試験を完了した.

各波長における遅延型光過敏性反応(遅延型紅斑)での PI の中央値及びノンパラメトリック

な 95%信頼区間を図 2.7.2.2-36 に示した.

遅延型光過敏性反応について,カナグリフロジン 300 mg の 1 日 1 回投与では,PI の中央値

はプラセボ群と同程度であった.カナグリフロジン 300 mg の 1 日 2 回投与では,335±30 nm

の波長で最も高い PI の中央値の 1.5 を示し,プラセボ群に比べて有意に高かったが,中央値

の比較ではシプロフロキサシン群の 1.8 よりも小さく有意な差は見られなかった.他のすべ

ての波長ではプラセボと同程度であった.遅延型紅斑検査では,浮腫や水疱は観察されなか

った.更に,色素異常も見られなかった.

即時型光過敏性反応は,335±30 nm の光照射後 30 分以内に,カナグリフロジン 300 mg 1 日

1 回投与で 12 名中 3 名(25%),1 日 2 回投与では 12 名中 7 名(58%)に見られた.即時型

光過敏性反応は光テスト後 24 時間以内に回復した.

血漿中カナグリフロジン濃度及び血漿中シプロフロキサシン濃度は Day 4 までに定常状態

に達し,Day 4 から Day 6 の各投与群で投与前の濃度は同程度であった.Day 4,Day 5 及び

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2.7.2 臨床薬理試験

101

Day 6 では,カナグリフロジン 300 mg の 1 日 2 回投与の投与後 1.5 時間の血漿中カナグリフ

ロジン濃度の平均値は,カナグリフロジン 300 mg の 1 日 2 回投与のときよりも約 29~47%

高かった.

JNJ-28431754:カナグリフロジン,CI:信頼区間,q.d.:1 日 1 回,b.i.d.:1 日 2 回.

図 2.7.2.2-36 遅延型光過敏性反応(遅延型紅斑)での光毒性インデックスの中央値及び

ノンパラメトリックな 95%信頼区間:DIA1011

5.3.4.1―3 Figure 1 より引用

(3) 反復投与における光過敏性試験(2)

[資料番号:5.3.4.1―4(参考資料),試験番号:DIA1019]

健康成人を対象に,カナグリフロジンを 6 日間反復投与したときの光過敏性発現の可能性を

評価するため,ランダム化,二重盲検,プラセボ及び陽性対照,並行群間比較試験を実施し

た.被験者はカナグリフロジン 100 mg 又は 300 mg を 1 日 1 回,プラセボを 1 日 1 回又はシ

プロフロキサシン 500 mg を 1 日 2 回のいずれかにランダムに割付けられた.48 名が本試験

に登録され,すべての被験者が試験を完了した.

各波長におけるPIの中央値及びノンパラメトリックな95%信頼区間を図 2.7.2.2-37に示し

た.

遅延型光過敏性反応について,カナグリフロジン 100 mg 群又は 300 mg 群のいずれにおい

ても,遅延型光過敏性反応の基準値(PI<1.67)以下であった.また,カナグリフロジン 300 mg

群では,プラセボ群に対してすべての波長で PI の中央値に有意な差は見られなかった.

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2.7.2 臨床薬理試験

102

即時型光過敏性反応は,治験薬投与後の Day 5 に 5 名の被験者で見られた.この即時型光過

敏性反応は,カナグリフロジン 100 mg 群の 12 名の被験者では観察されなかったが, カナ

グリフロジン 300 mg 群の 12 名中 3 名,シプロフロキサシン群の 12 名中 1 名及びプラセボ

群の 12 名中 1 名の被験者で観察された.これら即時型光過敏性反応はすべて光照射 30 分以

内に 335±30 nm の UVA で観察された.

標準的な放射照度(自然光の 30 倍の強度)により即時型光過敏性反応が陽性であった 5 名

のうち 3 名の被験者(カナグリフロジン 300 mg 群,プラセボ群及びシプロフロキサシン群

の各 1 名)は,標準的な放射照度の 1/2(同じ最小浮腫照射量にするために照射時間を 2 倍

にした)では陰性であった.5 名のうち 2 名の被験者(いずれもカナグリフロジン 300 mg 群)

は標準的な放射照度の 1/2 でも即時型反応が見られたが,これら 2 名のうち 1 名は標準的な

放射照度の 1/10(同じ最小浮腫照射量にするために照射時間を 10 倍にした)で即時型反応

は見られなかった.また,残る 1 名の被験者では,標準的な放射照度の 1/10 においても即時

型光過敏性反応が観察されたが,反応の持続時間は標準的な放射照度では 170 分,標準的な

放射照度の 1/2 では 50 分,標準的な放射照度の 1/10 では 15 分と放射照度を減らすことによ

り短くなった.認められた即時型光過敏性反応はすべて 3 時間以内に消失した.

Day 4 におけるカナグリフロジンの Cmaxの平均値はカナグリフロジン 100 mg 及び 300 mg

群でそれぞれ 1084 ng/mL 及び 2806 ng/mL,AUC0-24hの平均値はそれぞれ 6205 ng・h/mL 及び

20131 ng・h/mL であり,投与量に比例して上昇した.tmaxの中央値はいずれの投与においても

1.00 時間であり,投与量による変化はなかった.

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2.7.2 臨床薬理試験

103

JNJ-28431754:カナグリフロジン,CI:信頼区間,q.d.:1 日 1 回,b.i.d.:1 日 2 回.

図 2.7.2.2-37 光毒性インデックスの中央値及びノンパラメトリックな 95%信頼区間:

DIA1019 試験

5.3.4.1―4 Figure 3 より引用

(4) 反復投与における即時型光過敏性試験

[資料番号:5.3.4.1―5(参考資料),試験番号:DIA1020]

健康成人を対象に,DIA1011 試験でカナグリフロジン投与後に観察された即時型光過敏性反

応が使用した光照射強度によるものかどうかを検討するため,評価者盲検試験を実施した.

本試験には 6 名(DIA1011 試験での 300 mg 1 日 1 回投与群の 1 名,300 mg 1 日 2 回投与群の

5 名)が登録された.DIA1011 と同用量の治験薬(カナグリフロジン 300 mg 1 日 1 回投与は

1 名,カナグリフロジン 300 mg 1 日 2 回投与は 5 名)がそれぞれの被験者に投与され,335±30

nm の波長(即時型光過敏性反応が見られた波長)下で,標準放射照度及び放射照度を減量

して光テストの再検査を実施した.すべての被験者が試験を完了した.

6 名中 5 名は DIA1011 試験と同じ投与量のカナグリフロジンが投与された後,標準的な放

射照度(自然光の 30 倍の強度)において即時型光過敏性反応が観察された.残り 1 名は,即

時型光過敏性反応が再現されなかった.標準的な放射照度で即時型光過敏性反応が見られた

5 名のうち,2 名は標準的な放射照度の 1/2(同じ最小浮腫照射量にするために照射時間を 2

倍にした)の照射でも即時型光過敏性反応が見られた.そのうち 1 名は,即時型光過敏性反

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2.7.2 臨床薬理試験

104

応が見られ,浮腫のこん跡,フレア及びそう痒を伴う紅斑を引き起こし,25 分持続した.も

う 1 名では,即時型光過敏性反応が見られ,浮腫のこん跡を伴う紅斑を引き起こし,1 時間

55 分持続した.標準的な放射照度で即時型光過敏性反応が見られた他の 3 名では,標準的な

放射照度の 1/2 では即時型光過敏性反応は観察されなかった.上記の標準的な放射照度の 1/2

の照射で即時型光過敏性反応が観察された 2 名は,1/10 の放射照度(同じ最小浮腫照射量に

するために照射時間を 10 倍にした)では即時型光過敏性反応は見られなかった.

Day 4 におけるカナグリフロジンの Cmaxの平均値はカナグリフロジン 300 mg 1 日 1 回投与

(N=1)及び 300 mg 1 日 2 回投与(N=5)でそれぞれ 1950 ng/mL 及び 4304 ng/mL,AUC0-24h

の平均値はそれぞれ 21214 ng・h/mL 及び 52454 ng・h/mL であり,投与量に応じて上昇した.

tmaxの中央値はそれぞれ 1.5 時間及び 1.07 時間であり,投与量による変化はなかった.

2.7.2.2.8 血漿量及び腎機能への影響を検討した試験

[資料番号:5.3.4.2―5(参考資料),試験番号:DIA1047]

アンジオテンシン変換酵素阻害薬又はアンジオテンシン受容体拮抗薬を併用し,メトホル

ミン単独療法で血糖コントロール不良の 2 型糖尿病患者に,カナグリフロジン 300 mg を 1

日 1 回 12 週間投与したときの循環血漿量及び腎機能への影響について,ランダム化,二重盲

検,プラセボ対照,並行群間比較試験により検討した.本試験には 59 名が登録され,36 名

がカナグリフロジン 300 mg(18 名)及びプラセボの 2 群にランダムに割付けられた.36 名

のうち,試験を完了した被験者は 35 名であった.

カナグリフロジンを反復投与したときの投与 1 週及び 12 週後における血漿量を図 2.7.2.2

-38,血漿量の変化量のプラセボとの比較を表 2.7.2.2-62 に示した.

投与前値の循環血漿量の平均値は,カナグリフロジン群 3.22 L,プラセボ群 3.28 L であり,

投与群間でほぼ同じであった.薬力学的作用の主評価項目である循環血漿量の変化率の

LSMean は投与 1 週後でカナグリフロジン群 -5.4%,プラセボ群 4.3%であり,群間の差は

-9.7%で,95%信頼区間は 0 を含まなかった.12 週での群間差は -1.2%で,95%信頼区間は 0

を含んでいた.

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2.7.2 臨床薬理試験

105

図 2.7.2.2-38 カナグリフロジンを反復投与したときの投与 1 週及び 12 週後における

血漿量(平均値+標準誤差):DIA1047 試験

5.3.4.2―5 Figure 2 より引用

表 2.7.2.2-62 カナグリフロジンを反復投与したときの投与 1 週及び 12 週後における

血漿量の変化量のプラセボとの比較:DIA1047 試験

統計量 1 週 12 週

プラセボ (N=18)

300 mg (N=17)

プラセボ (N=18)

300 mg (N=17)

投与前値 の血漿量(L)

平均 (標準偏差) 3.28 (0.692) 3.22 (0.846) 3.28 (0.692) 3.22 (0.846)

投与後の血漿

量(L) 平均 (標準偏差) 3.37 (0.570) 3.02 (0.678) 3.43 (0.781) 3.37 (0.899)

投与前値から

の変化率(%)

平均 (標準偏差)

LSMean (標準偏差) LSMean の群間差 (標準

偏差) 95%信頼区間

p 値

4.2 (12.51)

4.3 (2.82)

-5.2 (8.50)

-5.4 (2.91) -9.7 (4.05)

(-17.78, -1.57)

0.020

5.6 (16.94)

5.8 (2.82)

4.7 (10.49)

4.6 (2.91) -1.2 (4.05)

(-9.33, 6.88)

0.763

5.3.4.2―5 Table 6 より引用

UGE0-24hの投与前値からの変化量は 1 週では 92 g,12 週では 83 g であり,12 週間にわた

り UGE0-24hは増加した.24 時間尿量の平均増加量は 1 週及び 12 週において,カナグリフロ

ジン群ではそれぞれ約 270 mL 及び約 150 mL,プラセボ群ではいずれも約 100 mL の増加で

あり,12 週ではプラセボとの差は小さかった.なお,投与前値の平均尿量は,300 mg 群で

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2.7.2 臨床薬理試験

106

は 3100.18 mL,プラセボ群では 3272.22 mL であった.体重の投与前値からの変化量の群間

差(LSMean)は,1 週及び 12 週において,それぞれ -1.35 kg 及び -3.47 kg であり,カナグ

リフロジン投与により体重は有意に低下した.

腎機能に与える影響について,eGFR,血中尿素窒素(BUN),尿中 Na,K 及び尿酸の排泄

量並びに排泄率,尿 pH の変動を評価した.その結果,いずれにおいても臨床上意味のある

変動は見られなかった.

血漿中カナグリフロジンの投与間隔の最終時点の濃度(以下,Ctrough)の平均値は,Day 7

及び Day 85 でそれぞれ 313 ng/mL 及び 303 ng/mL であった.また,Day 85 における Cmax及

び AUC0-24hの平均値はそれぞれ 3863 ng/mL 及び 20824 ng・h/mL であり,tmax の中央値は 1.00

時間であった.

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2.7.2 臨床薬理試験

107

2.7.2.3 全試験を通しての結果の比較と解析

2.7.2.3.1 吸収

Caco-2 細胞を用いて膜透過性を検討した結果,カナグリフロジンは中程度の膜透過性を有

していた.海外の健康成人において,絶対的バイオアベイラビリティは 64.92%(90%信頼区

間は 55.41~76.07%)であり,比較的良好であった[2.7.6.2].

健康成人にカナグリフロジン 200 mg を単回経口投与したとき,食後投与では Cmaxの低下と

tmaxの遅延が認められ,食事による吸収速度の低下が示唆された.しかしながら,AUC には

影響は見られず,Cmax の低下もわずかであったことから,食事がカナグリフロジンの薬物動

態に及ぼす影響の臨床上の意義は小さく,空腹時,食後のいずれでも投与可能と考えられた

[2.7.1.3.3].

2.7.2.3.2 分布

カナグリフロジンのヒト血漿中における主な結合たん白質は血清アルブミンであった.カ

ナグリフロジンの in vitro 血漿たん白結合率は 98.30~98.46%であり,カナグリフロジン濃度

による変動はなかった.また,腎機能障害者及び肝機能障害者の血漿たん白結合率は正常機

能者と比較して類似していた.

海外の健康成人に静脈内投与したときの定常状態における分布容積は 119 L であった

[2.7.6.2].また,国内の 2 型糖尿病患者における単回及び反復投与後の末端消失相における

分布容積は 229~338 L であり,カナグリフロジンは組織に広く分布することが示唆された.

2.7.2.3.3 代謝

(1) In vitro

[14C]標識カナグリフロジンを用いたヒト凍結肝細胞代謝試験において,M5,M6,M7 及び

M9 が認められた.NADPH 存在下,ヒト肝ミクロソームでは M8 及び M9 が,また,NADPH

及び UDPGA 存在下では M5,M7,M8 及び M9 が認められ,ヒト特異的な代謝物は見られな

かった.

ヒトの CYP 分子種の発現系ミクロソームを用いてカナグリフロジンの代謝に関与する分

子種を検討した結果,ヒトにおけるカナグリフロジンの酸化代謝には主に CYP3A4,次いで

CYP2D6 が関与することが示唆された.また,UDPGA 存在下,ヒト肝,腎,小腸ミクロソ

ームにおける検討の結果,ヒト肝ミクロソームでは代謝物 M5 及び M7 が,ヒト腎ミクロソ

ームでは M7 のみが認められた.ヒト小腸ミクロソームではいずれのグルクロン酸抱合体も

認められなかった.また,発現系ミクロソームを用いた結果,代謝物 M7 の生成には主に

UGT1A9 の関与が,代謝物 M5 の生成には UGT2B4 の関与が示唆された.

ヒト肝ミクロソームを用いて CYP 分子種(CYP1A2,2A6,2B6,2C8,2C9,2C19,2D6,

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2.7.2 臨床薬理試験

108

2E1 及び 3A4)の代謝活性に及ぼすカナグリフロジン,代謝物 M5 及び M7 の阻害作用を検

討した.カナグリフロジンは CYP2B6,2C8,2C9 及び 3A4 に対し阻害作用を示し,IC50 値

はそれぞれ 16 µmol/L,75 µmol/L,80 µmol/L 及び 27 µmol/L であった.代謝物 M5 はいずれ

の分子種に対しても阻害作用を示さなかった.また,代謝物 M7 は CYP2B6 及び 2C8 に対し

阻害作用を示し,IC50 値はそれぞれ 55 µmol/L 及び 64 µmol/L であった.NADPH 存在下のプ

レインキュベーションにより TDI 作用を検討した結果,いずれの分子種においても TDI 作用

はないことが示唆された.ヒト凍結肝細胞を用いて CYP 分子種の誘導能を検討した結果,カ

ナグリフロジン,代謝物 M5 及び M7 は CYP1A2,2B6 及び 3A4 を,更にカナグリフロジン

は CYP2C9 及び 2C19 を誘導しないことが示唆された.

UDPGA 存在下,ヒト肝ミクロソームを用いて UGT 分子種(UGT1A1,1A4,1A6,1A9

及び 2B7)の代謝活性に及ぼすカナグリフロジンの阻害作用を検討した.カナグリフロジン

は UGT1A1 及び 1A6 に対して阻害作用を示し,IC50 値はそれぞれ 91 µmol/L 及び 50 µmol/L

であった.その他の分子種への阻害作用は弱く,IC50 値は 100 µmol/L 以上であった.

(2) In vivo

海外の健康成人を対象に[14C]標識カナグリフロジンを単回経口投与したマスバランス試験

において,投与 24 時間後までの血漿サンプルにはカナグリフロジンが主に検出され,総放射

能の 45.4~98.7%であった.他にはカナグリフロジンのグルクロン酸抱合体である M7 及び

M5 がそれぞれ 16.0~28.8%及び 1.9~29.6%,わずかであるが酸化体である M9 が 2.47~3.70%

検出された.いずれの代謝物も投与 24 時間後の血漿サンプルには検出されなかった.また,

尿中にはカナグリフロジンは検出されず,M5 及び M7 がそれぞれ 13.3%及び 17.2%,糞中で

はカナグリフロジン,M9 及び M7 がそれぞれ 41.5%,7.0%及び 3.2%検出された.ヒト特異

的な代謝物は見られなかった(図 2.7.2.3-1).

国内の健康成人にカナグリフロジン懸濁剤を単回経口投与したときの血漿及び尿サンプル

を用いて,LC-MS/MS による代謝物検索を実施した結果,M5 及び M7 のイオン強度はカナ

グリフロジンと比べて血漿中では数分の 1 から同程度,尿中では約 10 倍から数十倍で検出さ

れ,日本人においても M5 及び M7 が主代謝物であると考えられた.国内の 2 型糖尿病患者

にカナグリフロジン 100 mg を単回経口投与したとき(TA-7284-07 試験),M5 及び M7 の

AUC0-∞の平均値はカナグリフロジンと比較してそれぞれ 0.93 倍及び 1.46 倍であった.M5 及

び M7 の t1/2 はそれぞれ 12.28 時間及び 12.13 時間であり,カナグリフロジンと同程度であっ

た.また,単回投与時の M5 及び M7 の Cmax及び AUC0-24hは国内と海外の 2 型糖尿病患者で

明らかな差は認められておらず,代謝プロファイルに大きな人種差はないと考えられた.海

外の 2 型糖尿病患者の反復経口投与による M5 及び M7 の AR は 1.22 及び 1.25 であったこと

から,反復投与により問題となるような蓄積性の懸念はないと考えられた.M7 及び M5 の

ヒト SGLT2 に対する阻害作用の IC50 値は,それぞれカナグリフロジンの 1810 倍及び 238 倍

であり[2.6.2.2.1.3],これら代謝物が本剤の有効性及び安全性に及ぼす影響はほとんどない

と考えられた.

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2.7.2 臨床薬理試験

109

カナグリフロジンは不斉炭素を有しているが,海外の 2 型糖尿病患者において,カナグリ

フロジン(β-アノマー)から α-アノマーへのキラル変換はごくわずかであった.

図 2.7.2.3-1 カナグリフロジンの推定代謝経路:FK6913,FK7526

4.2.2.4-5(FK7526),5.3.2.2-16 Figure SD4 より引用(一部改変)

2.7.2.3.4 トランスポーター

P-gp又はMRP2発現MDCKII細胞単層膜におけるカナグリフロジンの輸送方向性を典型的

阻害剤の存在下及び非存在下で検討した結果,カナグリフロジンは P-gp 及び MRP2 の基質

であることが示された.更に,カナグリフロジンは P-gp 及び MRP2 の典型的基質輸送に対

して阻害作用を示し,IC50 値はそれぞれ 19.3 μmol/L 及び 21.5μmol/L であった.

P-gp 発現 LLC-PK1 細胞単層膜における代謝物 M5及び M7 の輸送方向性を典型的阻害剤の

存在下又は非存在下で検討した結果,代謝物 M5 及び M7(5 μmol/L)はいずれも輸送されな

かった.また,P-gp の典型的基質の輸送も阻害しなかった.

BCRP 発現 MDCKII 細胞単層膜におけるカナグリフロジンの輸送方向性を典型的阻害剤の

存在下又は非存在下で検討した結果,カナグリフロジンは BCRP の基質であることが示され

た.また,BCRP の典型的基質の輸送は阻害しなかった.

取り込みトランスポーター(OATP1B1,NTCP,OAT1,OAT3,OCT1 又は OCT2)を発現

させたアフリカツメガエル卵母細胞及び同コントロール細胞を用いて,カナグリフロジンの

マウス(M1, M2)ラット(M2以外全て)

酸化,グルクロン酸抱合

マウスラットイヌ

水酸化

グルクロン酸抱合

マウスラット

アルコール酸化

酸化ラット

グルクロン酸抱合

マウスラットイヌヒト

マウスラットイヌヒト

水酸化

酸化 マウスラットイヌ

マウスラットイヌヒト

グルクロン酸抱合

ラット

カナグリフロジン

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2.7.2 臨床薬理試験

110

細胞内取り込みについて検討した.その結果,カナグリフロジンはいずれのトランスポータ

ーにおいても輸送されなかった.一方,各トランスポーターの典型基質の取り込みに対する

カナグリフロジンの阻害作用を評価した結果,明確な阻害は認められなかった.代謝物 M5

及び M7 についても同様に検討した結果,いずれのトランスポーターにおいても取り込み活

性は低かった.また,M5 ではすべてのトランスポーターに対して阻害は認められなかった.

一方,M7(100 μmol/L)では OATP1B1 を 65%,NTCP を 86%,OAT3 を 54%阻害したが,

その他のトランスポーターへの阻害は認められなかった.

取り込みトランスポーター(OATP1B3)を発現させた HEK293 細胞及び同コントロール細

胞を用いて,カナグリフロジンの細胞内取り込みについて検討した.その結果,カナグリフ

ロジンは OATP1B3 で輸送されないことが示された.一方,OATP1B3 の典型基質の取り込み

に対するカナグリフロジンの阻害作用を評価した結果,明確な阻害は認められなかった.

2.7.2.3.5 排泄

海外の健康成人を対象としたマスバランス試験において,単回経口投与された[14C]標識カ

ナグリフロジンのうち,尿中及び糞中にはそれぞれ 32.5%及び 60.4%(糞抽出物中には 55.2%)

の放射能が排泄された.投与 48 時間後までの尿中では,カナグリフロジンは検出されず,ほ

とんどが M7 及び M5 であった.糞中にはそのほとんどがカナグリフロジンであり,M7 及び

M9 がわずかに検出された.

国内の健康成人にカナグリフロジン懸濁剤を 30~800 mg 単回経口投与したとき,投与 96

時間後までのカナグリフロジンの Ae%は 1%未満であった.同様に,国内の 2 型糖尿病患者

にカナグリフロジン 25~400 mg を 1 日 1 回反復投与したときの Day 16 の投与 24 時間後まで

の Ae%は 1%未満であった.

2.7.2.3.6 薬物動態プロファイル

(1) 健康成人における薬物動態

国内の健康成人にカナグリフロジン懸濁剤を 30 mg,100 mg,200 mg,400 mg 及び 800 mg

単回経口投与したとき(TA-7284-01 試験),カナグリフロジンは投与後速やかに吸収され,

各投与群での tmaxの中央値は 1.25~3.75 時間であった.t1/2 は 9.26~14.74 時間であった.パ

ワーモデル解析の結果,Cmaxは用量比例的に上昇し,AUC0-∞は用量比をわずかに上回る上昇

を示した.また,国内の健康成人にカナグリフロジンを 25 mg 又は 200 mg 単回経口投与し

たとき(TA-7284-03 試験,製剤 1),tmaxはいずれの投与量においても 1.00 時間であり,Cmax

及び AUC0-∞は投与量に応じて上昇した[2.7.6.4].

海外の健康成人において,カナグリフロジンを 50 mg,100 mg 及び 300 mg を単回及び反

復経口投与したとき(DIA1030 試験,製剤 2),国内の健康成人と同様に吸収は速やかで,tmax

の中央値は 1.00 時間であった.Cmax及び AUC は投与量に応じて上昇し,反復投与による薬

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2.7.2 臨床薬理試験

111

物動態の変化は見られなかった.また,カナグリフロジン 50 mg,100 mg 及び 300 mg を空

腹時に単回投与したとき,Cmax及びAUC0-∞は用量比例的に上昇することが示された(DIA1015

試験,製剤 2).更に,800 mg 以上の高用量のカナグリフロジンを投与したとき,AUC は投

与量に応じて上昇したが,Cmaxは 1200 mg 以上で用量比よりも小さい上昇であった(DIA1001

試験,製剤 1).

(2) 2 型糖尿病患者における薬物動態

国内の 2 型糖尿病患者にカナグリフロジン 25 mg,100 mg,200 mg 及び 400 mg の単回及

び 1 日 1 回 14 日間反復経口投与試験において(TA-7284-02 試験,製剤 1),単回投与したと

きのカナグリフロジンは投与後速やかに吸収され,tmax の中央値はいずれの投与量において

も 1.0 時間であり,t1/2 は 10.22~13.26 時間であった.パワーモデル解析の結果,Cmax 及び

AUC0-∞はいずれも用量比例的に上昇することが示された.また,最終投与後(投与 16 日目)

の AUC0-24hと初回投与後の AUC0-∞の比は 1.00~1.16 となり,反復投与において線形性は維持

されていると考えられた.最終投与後の tmaxの中央値は 1.0~1.3 時間,t1/2 は 11.81~16.16 時

間であり,いずれも反復投与による変化はなかった.反復投与期間中のトラフ濃度の推移よ

り,すべての投与量において,反復投与開始後 4 日目までに定常状態に到達していると考え

られ,投与 16 日目における AR は 1.19~1.42 であった.カナグリフロジンの Ae%は 1%未満

であった.

海外の 2 型糖尿病患者にカナグリフロジン 50 mg,100 mg 及び 300 mg の 1 日 1 回 7 日間

反復経口投与したとき(DIA1023 試験,製剤 1 及び 2),最終投与後(Day 7)の tmaxの中央

値は 1.5~2.0 時間,t1/2 は 13.7~16.3 時間であり,国内の 2 型糖尿病患者と類似していた.Cmax

及び AUC は投与量に応じて上昇し,反復投与による薬物動態の変化は見られなかった.

国内の 2 型糖尿病患者と健康成人との薬物動態の比較について,2 型糖尿病患者を対象と

した TA-7284-02 試験結果と同じ製剤 1 が投与された健康成人を対象とした TA-7284-03 試験

結果を用いて検討した.その結果,25 mg 及び 200 mg の単回投与時において,tmaxの中央値

はいずれの投与量においても 2 型糖尿病患者,健康成人で共に 1.0 時間となり,吸収速度に

差は見られなかった.また,Cmax及び AUC0-∞の平均値についても 2 型糖尿病患者及び健康成

人で類似していた(表 2.7.2.3-1).以上より,健康成人と 2 型糖尿病患者に薬物動態プロフ

ァイルに大きな差はないと考えられた.

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2.7.2 臨床薬理試験

112

表 2.7.2.3-1 国内の 2 型糖尿病患者と健康成人の曝露量の比較

薬物動態 パラメータ

投与量 2 型糖尿病患者 *1)

(TA-7284-02 試験) 健康成人 *2)

(TA-7284-03 試験)

Cmax (ng/mL) 25 mg 247.7830 (54.5475) 223.0764 (47.8987)

200 mg 2303.9739 (538.6072) 2064.5232 (360.3344)

AUC0-∞ (ng・h/mL) 25 mg 1545 (313) 1548 (360)

200 mg 14834 (3755) 14561 (2435)

平均値(標準偏差). *1) 単回投与時データ,*2) TA-7284 錠(製剤 1)データ. 5.3.3.2―1 表 11.4.1.1-1,5.3.1.2―1 表 11.4.1.1-1 より引用(一部改変)

(3) 薬物動態の民族差

日本人と外国人におけるカナグリフロジンの薬物動態比較を目的とした臨床試験は実施し

ていない.そこで,国内臨床用量 100 mg を含む用量範囲で実施された国内外の薬物動態試

験結果を用いて,日本人と外国人の薬物動態を比較した.

健康成人における薬物動態の比較について,日本人は TA-7284-03 試験(25 mg 及び 200 mg

単回経口投与),外国人では DIA1030 試験(50 mg,100 mg 及び 300 mg の単回経口投与)及

び TA-7284-03 試験と同用量の 200 mg で実施された DIA1003 試験の正常腎機能者データを用

いて比較した.なお,これら試験で用いた製剤は製剤 1 又は製剤 2 であった.各試験の Cmax

及び AUC0-∞について,投与量との関係を図 2.7.2.3-2 に示した.

日本人及び外国人の健康成人にカナグリフロジン 200 mg を単回投与したとき,Cmax の平

均値±標準偏差はそれぞれ 2064.5232±360.3344 ng/mL 及び 1880±475 ng/mL,AUC0-∞はそれぞ

れ 14561±2435 ng・h/mL 及び 14862±5380 ng・h/mL となった.日本人の Cmaxの平均値は外国人

と比べて約 10%高かったが,標準偏差の大きさを考慮すると,明らかな差はないと考えられ

た.Cmax及び AUC0-∞は,日本人及び外国人のいずれにおいても投与量に応じて上昇し,民族

間で投与量と Cmax 及び AUC0-∞との関係に明らかな違いは認められなかった.以上より,健

康成人において,日本人と外国人の間で薬物動態に明らかな差はないと考えられた.

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2.7.2 臨床薬理試験

113

平均値±標準偏差

図 2.7.2.3-2 国内及び海外の健康成人にカナグリフロジンを単回投与したときの

投与量とカナグリフロジンの Cmax及び AUC0-∞との関係

2 型糖尿病患者における薬物動態の比較について,日本人は TA-7284-02 試験(25 mg,100

mg,200 mg 及び 400 mg,1 日 1 回反復経口投与),外国人では DIA1023 試験(50 mg,100 mg

及び 300 mg の 1 日 1 回反復経口投与)で得られた薬物動態データについて比較した.なお,

これら試験で用いた製剤は製剤 1 又は製剤 2 であった.各試験の Cmax及び AUC0-∞について,

投与量との関係を図 2.7.2.3-3 に示した.

日本人及び外国人の 2 型糖尿病患者にカナグリフロジン 100 mg を単回投与したとき,Cmax

の平均値±標準偏差はそれぞれ 1126.0114±227.6470 ng/mL 及び 1096±444 ng/mL,AUC0-24hでは

それぞれ 5468±899 ng・h/mL 及び 6357±1431 ng・h/mL であった.また,反復投与における Cmax

の平均値±標準偏差はそれぞれ 1136.2797±329.5880 ng/mL 及び 1227±481 ng/mL,AUC0-24hは

それぞれ 6635±1367 ng・h/mL 及び 8225±1947 ng・h/mL であった.反復投与後の日本人の Cmax

の平均値は外国人と比べて約 7%低く,AUC0-24hでは約 20%低かったが,標準偏差の大きさを

考慮すると,明らかな差はないと考えられた.また,Cmax及び AUC0-∞は,日本人及び外国人

のいずれにおいても投与量に応じて上昇し,民族間で投与量と Cmax 及び AUC0-∞との関係に

明らかな違いは認められなかった.以上より,2 型糖尿病患者において,日本人と外国人の

間で薬物動態に明らかな差はないと考えられた.

0

500

1000

1500

2000

2500

3000

3500

4000

0 100 200 300

Cm

ax(n

g/m

L)

投与量 (mg)

Cmax

試験番号:TA-7284-03(日本人)

試験番号:DIA1030(外国人)

試験番号:DIA1003(外国人)

0

5000

10000

15000

20000

25000

30000

0 100 200 300

AU

C0-∞

(ng・

h/m

L)

投与量 (mg)

AUC0-∞

試験番号:TA-7284-03(日本人)

試験番号:DIA1030(外国人)

試験番号:DIA1003(外国人)

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2.7.2 臨床薬理試験

114

平均値±標準偏差

図 2.7.2.3-3 国内及び海外の 2 型糖尿病患者にカナグリフロジンを反復投与したときの

定常状態における投与量とカナグリフロジンの Cmax及び AUC0-24hとの関係

2.7.2.3.7 母集団薬物動態解析

[資料番号:5.3.3.5―1(評価資料)]

本解析では国内の健康成人男性を対象に実施した臨床薬理試験(TA-7284-03 試験),国内

の 2 型糖尿病患者を対象に実施した臨床薬理試験(TA-7284-02 試験)及び用量設定試験

(TA-7284-04 試験)の 3 試験から得られた血漿中カナグリフロジン濃度データを用いて,非

線形混合効果モデルにより母集団薬物動態解析を実施し,カナグリフロジンの薬物動態に対

する変動要因を検討した.解析には NONMEM ver.7.1.2 を用いた.

国内の用量設定試験(TA-7284-04 試験)では治療期 4,8,12 週のトラフ時点と治療期 12

週のカナグリフロジン投与 130 分後までの採血を実施したが,吸収相及び消失相の濃度推移

データが十分でないため,国内の健康成人男性を対象に実施した臨床薬理試験(TA-7284-03

試験)及び国内の 2 型糖尿病患者を対象に実施した臨床薬理試験(TA-7284-02 試験)と統合

し,373 名から得られた 3837 ポイントのデータを解析に用いた.

基本モデルは、一次吸収過程を有し,吸収ラグタイムを考慮した線形 2-コンパートメント

モデルとし,コンパートメント間のクリアランス及び吸収ラグタイムの個体間変動は 0 に固

定,パラメータ推定アルゴリズムは FOCE-INTER を使用した指数偏差モデル,見かけの総ク

リアランス(以下,CL/F)及びセントラルコンパートメントの分布容積(V2/F)の個体間変

動の共分散を仮定した共分散モデルで記述することができた.

基本モデルに影響を及ぼす共変量として,性別,体重,年齢,body mass index(以下,BMI),

肝機能(AST,ALT,ALP,γ-GTP,総たん白,アルブミン,総ビリルビン),腎機能(Ccr

及び eGFR,eGFR は日本人の推算式により算出)について,その影響の有無を変数増加法,

0

1000

2000

3000

4000

5000

6000

7000

0 100 200 300 400

Cm

ax(n

g/m

L)

投与量 (mg)

Cmax

試験番号:TA-7284-02(日本人)

試験番号:DIA1023(外国人)

0

5000

10000

15000

20000

25000

30000

35000

40000

45000

0 100 200 300 400

AU

C0-

24h

(ng・

h/m

L)

投与量 (mg)

AUC0-24h

試験番号:TA-7284-02(日本人)

試験番号:DIA1023(外国人)

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2.7.2 臨床薬理試験

115

変数減少法により検討した.その結果、最終モデルとして CL/F に対して eGFR,総たん白及

び γ-GTP(式 1),セントラルコンパートメントの分布容積(V2/F)に対して体重及び性別(式

2)が有意な共変量として組み込まれ,それ以外の共変量では有意な影響は認められなかった.

また,末梢コンパートメントの分布容積及び吸収速度定数に影響を与える有意な共変量はな

かった.最終モデルの母集団薬物動態パラメータを表 2.7.2.3-2 に示した.

CL/F = θ1 × ( EGFR / 85 )θ7 × ( TP / 7.5 )θ9 × ( γ-GTP / 32 )θ10・・・・式 1

V2/F = θ2 × ( WGT / 67 )θ8 × [ 1 + (GEN – 1 ) × θ11 ] ・・・・式 2

EGFR:eGFR,TP:総たん白,WGT:体重,GEN:性別(男性=1,女性=2)

V2/F:セントラルコンパートメントの分布容積

θ:固定効果モデルパラメータ

最終モデルの頑健性を Bootstrap Validation を行い検討したところ,解析成功確率は 90%以

上であり,Bootstrap Validation から得られた薬物動態パラメータ値及び 95%信頼区間は母集

団薬物動態パラメータ推定値とほぼ等しく,モデルの頑健性が確認された.また,Visual

Predictive Check によりモデル予測値と実測値の分布を比較したところ,当てはまりに問題は

なく,モデルの予測性能及び妥当性が確認された.

カナグリフロジンの CL/F に対して影響する要因について,影響の大きさを検討した.各

検査値について,解析対象データの中央値に対する最小値~最大値の範囲の CL/F の変動範

囲は,eGFR,総たん白質及びγ-GTP でそれぞれ 0.869~1.195 倍(eGFR:53~155 mL/min/1.73

m2),1.095~0.920 倍(総たん白質:6.3~8.8 g/dL)及び 0.888~1.242 倍(γ-GTP:8~403 IU/L)

であり,いずれもその変動範囲は大きくなかった.γ-GTP の影響について,一般的に肝機能

障害によりγ-GTP 高値を示すような場合には薬物クリアランスが低下すると考えられるが,

本解析ではγ-GTP 上昇に伴い CL/F が増加する方向の影響を示唆しており,その関係性を説明

することが困難であった.

カナグリフロジンのセントラルコンパートメントの分布容積(V2/F)に対して影響する要

因について,影響の大きさを検討した.体重では解析対象データの中央値に対する最小値~

最大値の範囲のセントラルコンパートメントの分布容積(V2/F)の変動範囲は 0.796~1.279

倍(体重:37.6~125 kg)であった.また,性別については女性で分布容積が 10.9%小さくな

ることが示唆されたが,いずれの共変量においてもその変動範囲は大きくなかった.

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2.7.2 臨床薬理試験

116

表 2.7.2.3-2 母集団薬物動態解析の最終モデルによるパラメータ推定値

パラメータ 推定値±標準偏差 95%信頼区間 変動係数 (%)

Fixed Effect

CL/F V2/F Q/F V3/F Ka Tlag CL/FEGFR CL/FTP CL/FGGTP V2/FWGT V2/FGEN

θ1 θ2 θ3 θ4 θ5 θ6 θ7 θ9 θ10 θ8 θ11

L/h L L/h L 1/h h

14.0±0.265 86.4±2.17 11.9±0.558 116±4.75

2.43±0.194 0.456±0.00421 0.297±0.0725 -0.521±0.149

0.0857±0.0220 0.395±0.124

-0.109±0.0318

13.5, 14.5 82.1, 90.7 10.8, 13.0 107, 125

2.05, 2.81 0.448, 0.464 0.155, 0.439

-0.813, -0.229 0.0426, 0.129 0.152, 0.638

-0.171, -0.0467

- - - - - - - - - -

Inter-individual variability

ωCL2

ωV22

ωQ2

ωV32

ωKa2

ωTlag2

ηCL-ηV2

0.119±0.0170 0.0572±0.0128

0 Fixed 0.115±0.0207 1.90±0.214

0 Fixed 0.0598±0.0161

0.0857, 0.152 0.0321, 0.0823

- 0.0744, 0.156

1.48, 2.32 -

0.0282, 0.0914

34.5 23.9 -

33.9 138 -

24.5

Intra-individual variability

σ2 0.0481±0.00291 0.0424, 0.0538 21.9

EGFR:eGFR,TP:総たん白,GGTP:γ-GTP,WGT:体重,GEN:性別(男性=1,女性=2),CL/F:クリ アランス,V2/F:セントラルコンパートメント分布容積,Q/F:コンパートメント間クリアランス,V3/F: 末梢コンパートメント分布容積,Ka:吸収速度定数,Tlag:吸収ラグタイム,θ:固定効果モデルパラメータ, ω2:個体間変動分散,η:個体間変動,σ2:個体内残差変動分散,-:該当せず. 5.3.3.5―1 Table 13.7 より引用(一部改変)

2.7.2.3.8 薬力学プロファイル

(1) 尿中グルコース排泄

国内の健康成人にカナグリフロジン懸濁剤 30~800 mg を単回経口投与したとき

(TA-7284-01 試験),UGE0-24hは投与量に応じて増加したが,400 mg 以上ではその増加の程

度は小さかった.UGE rate は投与後速やかに上昇し,いずれの投与量においても排泄速度の

上昇は 24 時間持続した.

海外の健康成人にカナグリフロジン懸濁剤 10~800 mg(NAP1001 試験)又はカナグリフ

ロジン 50~300 mg(DIA1030 試験)を単回経口投与したとき,国内と同様,UGE0-24hは投与

量に応じて増加し,400 mg 以上ではその増加の程度は小さかった.各投与量での UGE0-24h

は,30 mg 投与では海外と比べ国内で約 2 倍となった.一方,100 mg 以上の投与量では国内

で約 20%の高値となったが,個体間のばらつきが大きく,明らかな人種差はないと考えられ

た(図 2.7.2.3-4).

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2.7.2 臨床薬理試験

117

平均値±標準偏差

図 2.7.2.3-4 国内及び海外の健康成人にカナグリフロジンを単回投与したときの投与量

と 24 時間累積尿中グルコース排泄量(UGE0-24h)の関係

国内の 2 型糖尿病患者にカナグリフロジン 25~400 mg を 1 日 1 回 14 日間反復経口投与し

たとき(TA-7284-02 試験),投与 1 日目の UGE0-24hはいずれの投与量においても投与前と比

べて増加し,UGE0-24h の投与前値からの増加量は健康成人よりも高値を示した.カナグリフ

ロジン群の UGE0-24hの変化量の平均値は 25 mg で最も小さく,100~400 mg 投与では投与量

に応じた増加は見られなかった.UGE rate は投与後速やかに上昇し,いずれの投与量におい

ても投与前値からの上昇は投与後 13~24 時間の蓄尿区間においても確認された.カナグリフ

ロジン投与による UGE0-24hの増加は 14 日間の反復投与期間中維持された.

海外 2 型糖尿病患者のカナグリフロジン投与後の UGE0-24h の増加量は(DIA1023 及び

NAP1002 試験),国内と同様,用量反応性は不明瞭であった.また,100~400 mg 投与での

UGE0-24hの増加量は国内と海外で明らかな差はなかった(図 2.7.2.3-5).

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

0 200 400 600 800 1000

UG

E0-

24h

(g)

投与量 (mg)

試験番号:TA-7284-01(日本人)

試験番号:DIA1030(外国人)

試験番号:NAP1001(外国人)

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2.7.2 臨床薬理試験

118

平均値±標準偏差

図 2.7.2.3-5 国内及び海外の2型糖尿病患者にカナグリフロジンを単回又は反復投与した

ときの投与量と 24 時間累積尿中グルコース排泄量(UGE0-24h)の変化量との関係

(2) 腎尿糖再吸収阻害率

国内の健康成人及び 2 型糖尿病患者において,各蓄尿区間での腎尿糖再吸収阻害率は血糖

値,UGE 及び eGFR 値を用いて,下記の式 3 又は式 4 に従って算出した.健康成人の腎尿糖

再吸収量のベースライン値はグルコースの糸球体ろ過量とした.24 時間平均腎尿糖再吸収阻

害率は投与 24 時間後までの各区間で算出された尿糖再吸収阻害率の加重平均値として算出

した.

健康成人の場合

各蓄尿時間の腎尿糖再吸収阻害率(%)=

投与日の尿中グルコース排泄量(g)/投与日のグルコースの糸球体ろ過量(g)*×100・・式 3

*投与日のグルコースの糸球体ろ過量(g)は血糖値 AUC に eGFR を乗じて算出した.

2 型糖尿病患者の場合

各蓄尿時間の腎尿糖再吸収阻害率(%)=

(プラセボ投与日の腎尿糖再吸収量(g)*-投与日の腎尿糖再吸収量(g)*)/プラセボ投与日の

腎尿糖再吸収量(g) *×100 ・・・・式 4

*腎尿糖再吸収量は血糖値 AUC に eGFR を乗じて得られたグルコースの糸球体ろ過量から

UGE を差し引いて算出した.

国内の健康成人男性にカナグリフロジン 30 mg,100 mg,200 mg,400 mg 及び 800 mg を

単回経口投与したとき(TA-7284-01 試験),腎尿糖再吸収はカナグリフロジン投与後に速や

かに阻害され,各蓄尿区間の腎尿糖再吸収阻害率の平均値の最大値はそれぞれ 39.9%,52.9%,

0

20

40

60

80

100

120

140

160

180

0 100 200 300 400

UG

E0-

24hの

変化

量(g

)

投与量 (mg)

単回投与時

試験番号:TA-7284-02(日本人)

試験番号:DIA1023(外国人)

試験番号:NAP1002(外国人)

0

20

40

60

80

100

120

140

160

180

0 100 200 300 400

UG

E0-

24hの

変化

量(g

)

投与量 (mg)

反復投与時(定常状態)

試験番号:TA-7284-02(日本人)

試験番号:DIA1023(外国人)

試験番号:NAP1002(外国人)

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2.7.2 臨床薬理試験

119

48.9%,68.2%及び 66.7%であった.投与 13~24 時間での阻害率の平均値はそれぞれ 8.1%,

21.4%,29.9%,47.7%及び 48.5%であり,100 mg 以上において再吸収の阻害はおおむね 24 時

間持続した.

国内の 2 型糖尿病患者にカナグリフロジン 25 mg,100 mg,200 mg 及び 400 mg を単回及

び 1 日 1 回 14 日間反復経口投与したとき(TA-7284-02 試験),腎尿糖再吸収は投与 1 日目及

び 16 日目のいずれにおいても投与後速やかに阻害され,24 時間平均腎尿糖再吸収阻害率は

投与量に応じて上昇した.各蓄尿区間の腎尿糖再吸収阻害率は投与 1 日目より 16 日目でわず

かに高値となり,反復投与による再吸収阻害作用の減弱は見られなかった.投与 16 日目の各

蓄尿区間の腎尿糖再吸収阻害率の平均値の最大値は,25 mg,100 mg,200 mg 及び 400 mg 投

与でそれぞれ 61.9%,75.1%,74.0%及び 79.6%であり,100~400 mg 投与では投与量に応じ

た上昇は見られず,また,健康成人よりも高い値となった.投与 13~24 時間後の蓄尿区間に

おける腎尿再吸収阻害率の平均値はそれぞれ 35.1%,42.2%,57.9%及び 64.5%であり,いず

れの投与量においても 24 時間持続した再吸収阻害作用が認められた.

(3) RTG

RTG とは腎でのグルコース再吸収能を上回って尿中にグルコースが検出され始める血糖値

であり,UGE は血糖値が RTG を下回る場合は検出されないが,RTG を上回る場合は血糖値の

上昇に伴い直線的に増加する[1][2].カナグリフロジンは SGLT2 を阻害することにより

RTG を低下させ,UGE を増加させると考えられる.そこで,国内の健康成人及び 2 型糖尿病

患者において血糖値,UGE 及び eGFR 値を用いて RTG を算出した.RTG は,eGFR と各蓄尿

区間での血糖値及び UGE の測定値の関係が下記の式 5 を満たす RTG 値となるよう,繰り返

し計算により算出した.RTG0-24hは投与 24 時間後までの各区間で算出された RTG 値の加重平

均値として算出した.

UGE rate (mg/min)

= GFR (dL/min)×(PG (mg/dL)-RTG (mg/dL)) PG > RTG の場合

= PG≦RTG の場合・・・・式 5

PG:血糖値,GFR:日本人の推算式に基づいた eGFR を使用した

国内の健康成人にカナグリフロジン 30 mg,100 mg,200 mg,400 mg 及び 800 mg を単回

経口投与したとき(TA-7284-01 試験),RTG は速やかに低下し,各蓄尿区間の RTG の平均値

の最低値はそれぞれ 56.0 mg/dL,48.9 mg/dL,46.5 mg/dL,34.5 mg/dL 及び 33.7 mg/dL であっ

た.投与 10~24 時間後の蓄尿区間における RTGは 100 mg 以上の投与量では正常空腹時血糖

値(約 100 mg/dL)よりも低い値を維持していた.RTG0-24hは投与量に応じて低下したが,400

mg 及び 800 mg では同程度の値を示した.また,海外の健康成人にカナグリフロジン 10~800

mg(NAP1001 試験)又はカナグリフロジン 50~300 mg(DIA1030 試験)を単回投与したと

きの RTG0-24hは国内の健康成人と明らかな差は見られなかった(図 2.7.2.3-6).

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2.7.2 臨床薬理試験

120

平均値±標準偏差

図 2.7.2.3-6 国内及び海外の健康成人にカナグリフロジンを単回投与したときの

投与量と 24 時間平均腎糖排泄閾値(RTG0-24h)との関係

国内の 2 型糖尿病患者にカナグリフロジン 25 mg,100 mg,200 mg 及び 400 mg を単回及

び 1 日 1 回 14 日間反復経口投与したとき(TA-7284-02 試験),RTG は投与 1 日目及び 16 日

目のいずれにおいても投与後速やかに低下した.各蓄尿区間の RTGは投与 1 日目より 16 日

目でわずかに低くなり,反復投与による RTG 低下作用の減弱は見られなかった.投与 16 日

目のRTG0-24hの平均値は,25 mg,100 mg,200 mg及び 400 mgでそれぞれ 109 mg/dL,86.5 mg/dL,

77.1 mg/dL 及び 67.5 mg/dL となり,投与量に応じて低下した.投与 16 日目の各蓄尿区間の

RTG の平均値の最低値はそれぞれ 81.8 mg/dL,57.1 mg/dL,61.9 mg/dL 及び 50.7 mg/dL であ

り,100~400 mg 投与では投与量に応じた変化は見られなかった.また,投与 10.5~24 時間

後の蓄尿区間における RTG の平均値はそれぞれ 128 mg/dL,107 mg/dL,88.4 mg/dL 及び 79.5

mg/dL であり,いずれの投与群においても 24 時間持続した RTG の低下が認められた.一方,

海外の 2 型糖尿病患者にカナグリフロジン 50~300 mg を 1 日 1 回 7 日間反復経口投与した

とき(DIA1023 試験)又はカナグリフロジン 30~400 mg を 1 日 1 回 14 日間反復経口投与し

たとき(NAP1002 試験)の RTG0-24hは,国内の 2 型糖尿病患者と明らかな差は見られなかっ

た(図 2.7.2.3-7).

0

20

40

60

80

100

120

140

0 100 200 300 400 500 600 700 800

RT

G0-

24h

(mg/

dL)

投与量 (mg)

試験番号:TA-7284-01(日本人)

試験番号:DIA1030(外国人)

試験番号:NAP1001(外国人)

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2.7.2 臨床薬理試験

121

平均値±標準偏差

図 2.7.2.3-7 国内及び海外の2型糖尿病患者にカナグリフロジンを単回又は反復投与した

ときの投与量と 24 時間平均腎糖排泄閾値(RTG0-24h)との関係

カナグリフロジン投与による血糖低下量は,カナグリフロジンの直接作用による RTG の低

下量に加え,投与前の血糖値及び UGE 増加による血糖低下に対する代償反応の大きさに依

存すると考えられる.そこで,国内の 2 型糖尿病患者を対象とした試験(TA-7284-02 試験)

及び海外の 2 型糖尿病患者を対象とした 3 試験(DIA1023,DIA1007 及び NAP1002 試験)を

対象に,下記の式 6 の直線モデルを用いて RTG低下量と血糖値低下作用との関係性を検討し

た[5.3.5.3―8].

ΔMPG0-24h (mg/dL) = (k1 × ΔRTG0-24h + Δ0) × (MPGbaseline – 100) / 100・・・・式 6

ΔMPG0-24h は MPG0-24h の変化量(mg/dL),ΔRTG0-24h は RTG0-24h の変化量(mg/dL)を示す.

健康成人ではカナグリフロジン投与による血糖低下作用はほとんど見られないことから,投

与前値の MPG0-24h(MPGbaseline)から健康成人での一般的な平均血糖値として 100 mg/dL を減

じた.k1 は直線の傾きであり,UGE 増加による血糖低下に対する代償反応の大きさを表し,

Δ0 はプラセボ効果を示す.式 6 に当てはめた結果,Δ0 の 95%信頼区間はおおむね 0 を含ん

だことから,Δ0 を除いた下記の式 7 についても検討した.

ΔMPG0-24h (mg/dL) = k1 × ΔRTG0-24h × (MPGbaseline – 100) / 100・・・・式 7

いずれの試験においても上記の直線モデルへの当てはまりは良好であった(図 2.7.2.3-8).

TA-7284-02 試験において k1 値がわずかに大きかったが,各試験でおおむね同様の関係性が認

められ,RTG低下量と血糖値低下作用との関係性は人種間で明らかな違いはないと考えられ

た(表 2.7.2.3-3).4 試験の統合結果より k1は約 0.3 であったことから,投与前値の MPG0-24h

が 200 mg/dL の場合は 0.3×(RTG0-24hの変化量)が MPG0-24hの変化量になると推定された.

0

50

100

150

200

250

300

0 100 200 300 400

RT

G0-

24h

(mg/

dL)

投与量 (mg)

単回投与後

試験番号:TA-7284-02(日本人)

試験番号:DIA1023(外国人)

試験番号:NAP1002(外国人)

0

50

100

150

200

250

300

0 100 200 300 400

RT

G0-

24h

(mg/

dL)

投与量 (mg)

反復投与後

試験番号:TA-7284-02(日本人)

試験番号:DIA1023(外国人)

試験番号:NAP1002(外国人)

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2.7.2 臨床薬理試験

122

各プロットは被験者ごとの値,直線は回帰直線を示した.また,ΔMPG は 24 時間平均血糖値の変化量,ΔMRTG

は RTG0-24 の低下量,MPGbは投与前値の 24 時間平均血糖値を示した.

図 2.7.2.3-8 国内及び海外の2型糖尿病患者における24時間平均腎糖排泄閾値(RTG0-24h)

の低下量と 24 時間平均血糖値の低下量との関係

5.3.5.3―8 Figure 9 より引用

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2.7.2 臨床薬理試験

123

表 2.7.2.3-3 国内及び海外の 2 型糖尿病患者における 24 時間平均 RTGの低下量と

24 時間平均血糖値の低下量の関係性より得られたパラメータ推定値

試験 プラセボ効果含む場合 プラセボ効果を除いた場合

k1 Δ0 (mg/dL) r2 k1 r2

TA-7284-02試験 0.37

(0.30, 0.43) -1.2

(-9.1, 6.7) 0.75

0.38 (0.35, 0.41)

0.75

DIA1023 試験 0.35

(0.26, 0.45) 11.3

(-0.5, 23.0) 0.65

0.28 (0.22, 0.33)

0.61

NAP1002 試験 0.21

(0.17, 0.26) -10.9

(-17.3, -4.5) 0.69

0.28 (0.26, 0.30)

0.65

DIA1007 試験 0.19

(0.04, 0.35) -15.4

(-35.0, 4.1) 0.37

0.29 (0.20, 0.39)

0.30

4 試験統合 0.26

(0.22, 0.30) -6.4

(-11.2, -1.6) 0.63

0.30 (0.28, 0.32)

0.62

推定値(95%信頼区間),k1:直線の傾き,Δ0:プラセボ効果,r2:決定係数. 5.3.5.3―8 Table 3 より引用

(4) 血漿中カナグリフロジン濃度と薬力学的作用との関係

国内の健康成人(TA-7284-01 試験)及び 2 型糖尿病患者(TA-7284-02 試験)において,各

蓄尿区間で算出した RTG と同区間でのカナグリフロジンの平均血漿中濃度(AUC/時間)の

関係性について検討した[5.3.5.3―8].

健康成人ではカナグリフロジン非投与時には UGE がほとんど検出されず,投与前値の RTG

が算出できない.健康成人の RTG の投与前値は 180~200 mg/dL とされていることから[1]

[2],RTG の投与前値を 180 mg/dL とし,下記の式 8 の最大効果(以下,Emax)モデルに当

てはめた.

RTG (mg/dL) = 180 – (180 – RTGmin) × [CANA] / ([CANA] + EC50)・・・・式 8

RTGmin は RTG の最大低下値(mg/dL),[CANA]はカナグリフロジンの平均血漿中濃度

(ng/mL),50%効果濃度(以下,EC50)は 50%最大効果の血漿中カナグリフロジン濃度(ng/mL)

を示す.

2 型糖尿病患者においては下記の式 9 の Emaxモデルに当てはめた.ΔRTGmax は RTGの投与

前値からの最大低下率(%),EC50 は 50%最大効果の血漿中カナグリフロジン濃度(ng/mL)

を示す.

ΔRTG (%) = - ΔRTGmax × [CANA] / ([CANA] + EC50)・・・・式 9

国内の健康成人にカナグリフロジン 30~800 mg を単回経口投与したときの RTGと血漿中

カナグリフロジン濃度は Emax モデルで記述でき,血漿中カナグリフロジン濃度に依存した

RTG の低下が認められた(図 2.7.2.3-9).薬力学的パラメータの平均値(95%信頼区間)は

EC50で 20.7 ng/mL(14.9~26.6 ng/mL),RTGminでは 43.0 mg/dL(39.1~46.8 mg/dL)となった

(表 2.7.2.3-4).また,海外の健康成人においても RTG と血漿中カナグリフロジン濃度は

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2.7.2 臨床薬理試験

124

Emaxモデルにより良好に記述できた.薬力学的パラメータの推定値(95%信頼区間)は,EC50

で 21.0 ng/mL(18.3~23.8 ng/mL),RTGminでは 37.5 mg/dL(34.3~40.8 mg/dL)であり,国内

の健康成人と類似していた(表 2.7.2.3-4).

各プロットは被験者ごとの値,曲線は Emaxモデルの回帰曲線(破線は 95%信頼区間)を示した.日本人は TA-7284-01 試験,外国人は DIA1030 試験のデータを示した.

図 2.7.2.3-9 国内及び海外の健康成人における血漿中カナグリフロジン濃度と

腎糖排泄閾値(RTG)との関係

5.3.5.3―5 Figure 2,5.3.3.1―4 Figure 9 より引用(一部改変)

表 2.7.2.3-4 国内及び海外の健康成人における RTGに関する薬力学的パラメータ

EC50 (ng/mL) RTGmin (mg/dL) r2

日本人 (TA-7284-01 試験)

20.7 (14.9, 26.6) 43.0 (39.1, 46.8) 0.66

外国人 (DIA1030 試験)

21.0 (18.3, 23.8) 37.5 (34.3, 40.8) 0.66

推定値(95%信頼区間),EC50:50%効果濃度,RTG:腎糖排泄閾値,r2:決定係数. 5.3.5.3―5 Table 2,5.3.3.1―4 Table 13 より引用(一部改変)

国内の 2 型糖尿病患者に 25~400 mg を 1 日 1 回 14 日間反復経口投与したとき,血漿中カ

ナグリフロジン濃度と ΔRTG は Emaxモデルで記述でき,血漿中カナグリフロジン濃度に依存

した RTG の低下が示された(図 2.7.2.3-10).また,血漿中カナグリフロジン濃度と ΔRTG

との関係性に反復投与による変化は見られず,投与 16 日目における薬力学的パラメータの平

均値(95%信頼区間)は,EC50 で 26.9 ng/mL(20.3~33.4 ng/mL),ΔRTGmax では 73.8%(71.5

~76.0%)となった(表 2.7.2.3-5).また,海外の 2 型糖尿病患者では,EC50 は 35.2 ng/mL

(17.3~53.2 ng/mL),ΔRTGmaxでは 68.9%(64.9~72.9%)であり,国内の 2 型糖尿病患者と

類似していた(表 2.7.2.3-5).

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2.7.2 臨床薬理試験

125

各プロットは被験者ごとの値,曲線は Emaxモデルの回帰曲線(破線は 95%信頼区間)を示した.日本人は TA-7284-02 試験,外国人は DIA1023 試験のデータを示した.

図 2.7.2.3-10 国内及び海外の 2 型糖尿病患者における血漿中カナグリフロジン濃度と

腎糖排泄閾値(RTG)との関係

5.3.5.3―5 Figure 5,5.3.3.2―2 Figure 7 より引用(一部改変)

表 2.7.2.3-5 国内及び海外の 2 型糖尿病患者における RTGに関する薬力学的パラメータ

初回投与時と最終投与時データを 用いた場合

最終投与時データのみを 用いた場合

ΔRTGmax (%)

EC50 (ng/mL)

r2 ΔRTGmax

(%) EC50

(ng/mL) r2

日本人 (TA-7284-02 試験)

71.6 (69.6, 73.6)

27.8 (22.1, 33.6)

0.70 73.8

(71.5, 76.0) 26.9

(20.3, 33.4) 0.77

外国人 (DIA1023 試験)

64.0 (61.0, 67.0)

32.1 (19.4, 44.8)

0.71 68.9

(64.9, 72.9) 35.2

(17.3, 53.2) 0.76

推定値(95%信頼区間),EC50:50%効果濃度,RTG:腎糖排泄閾値,r2:決定係数. 5.3.5.3―5 Table 4,5.3.3.2―2 Table 14 より引用(一部改変)

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2.7.2 臨床薬理試験

126

2.7.2.3.9 特別な集団における薬物動態及び薬力学的作用の評価

(1) 腎機能障害者

国内の中等度腎機能障害を伴う 2 型糖尿病患者を対象に,カナグリフロジン 100 mg 又は

200 mg を単回経口投与したときの腎機能低下が薬物動態に及ぼす影響について検討した.そ

の結果,正常腎機能患者と比べ,中等度腎機能障害患者では,いずれの投与量においてもカ

ナグリフロジンの Cmaxに変化は見られなかったが,AUC0-∞は 100 mg 及び 200 mg でそれぞれ

約 26%及び約 22%上昇し,t1/2 はわずかに延長し,CL/F の低下が見られた.また,国内の 2

型糖尿病患者及び健康成人を対象に実施した母集団薬物動態解析においても eGFR 低下に伴

うクリアランスの低下が示唆された.血漿中代謝物 M5 及び M7 について,中等度腎機能障

害患者の M5 の Cmaxは正常腎機能障害患者と比べて,100 mg 及び 200 mg でそれぞれ約 15%

及び約 22%上昇し,AUC0-∞は 100 mg 及び 200 mg でそれぞれ約 66%及び約 64%上昇した.

また,中等度腎機能障害患者の M7 の Cmaxは正常腎機能障害患者と比べて,100 mg 及び 200

mg でそれぞれ約 31%及び約 34%上昇し,AUC0-∞は 100 mg 及び 200 mg でそれぞれ約 71%及

び約 67%上昇した.

海外の腎機能障害者を対象に,カナグリフロジン 200 mg を単回投与したときの薬物動態

及び薬力学的作用に及ぼす影響について検討した結果,正常腎機能者に比べて,軽度,中等

度及び高度腎機能障害者におけるカナグリフロジンの Cmaxはそれぞれ約 27%,9%及び 10%

低下した.AUC0-∞ではそれぞれ約 15%,29%及び 53%高く,中等度腎機能障害者での AUC0-∞

の上昇の程度は国内の中等度腎機能障害患者と類似していた.末期腎不全者における AUC0-∞

の平均値は透析前及び透析後共に正常腎機能者と同程度であった.なお,カナグリフロジン

の透析抽出比は 0.047 未満であり,カナグリフロジンは 4 時間の透析によりほとんど除去さ

れなかった.血漿中代謝物 M5 及び M7 の Cmax及び AUC は,いずれの投与量においても上

昇した.正常腎機能障害者と比較して,M5 の Cmaxは中等度腎障害以上では,約 61~117%高

く,AUC0-∞は軽度腎障害以上で約 31~195%高かった.また,M7 の Cmaxは正常腎機能障害

者と比較して,中等度腎障害以上では,約 14~91%高く,AUC0-∞は軽度腎障害以上で約 3~

127%高かった.M5 及び M7 の曝露量が腎機能障害により上昇した要因の一つは,これら代

謝物の腎排泄クリアランスが低下したことによるものと考えられた.

以上より,軽度,中等度及び高度腎機能障害者のカナグリフロジンの AUC の上昇は正常

腎機能者と比較して最大でも 50%程度であること,カナグリフロジン 200 mg を 52 週間投与

したときの安全性及び忍容性が確認されていることから,臨床用量である 100 mg 投与にお

いて,腎機能障害者では用量調節が必要となるような血漿中カナグリフロジン濃度の上昇は

ないと考えられた.

中等度腎機能障害を伴う国内の 2 型糖尿病患者を対象に,カナグリフロジン 100 mg 又は

200 mg を単回経口投与したときの薬力学的作用に及ぼす影響について検討した.UGE0-24hの

投与前値からの変化量の平均値は,中等度腎機能障害患者で 100 mg 及び 200 mg でそれぞれ

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2.7.2 臨床薬理試験

127

61.017 g 及び 70.904 g,正常腎機能患者ではそれぞれ 86.592 g 及び 103.052 g であり,いずれ

の投与量においても中等度腎機能障害患者のUGE0-24hの変化量は正常腎機能患者の約 70%で

あった.24 時間平均腎尿糖再吸収阻害率の平均値は,中等度腎機能障害患者で 100 mg 及び

200 mg でそれぞれ 60.8%及び 66.5%,正常腎機能患者ではそれぞれ 47.8%及び 52.7%であり,

中等度腎機能障害患者においては正常腎機能患者と同等以上の腎尿糖再吸収の阻害作用が確

認された.

海外の腎機能障害者(非 2 型糖尿病患者)を対象に,カナグリフロジン 200 mg を単回経

口投与したとき,軽度,中等度及び高度のいずれの腎機能障害群においても UGE0-24hは投与

前値(Day -1)に対して増加したが,増加量は腎機能低下に伴い減少した.

このように,カナグリフロジン投与による UGE 増加作用は腎機能低下に伴い低下すると

考えられた.中等度腎機能障害を伴う 2 型糖尿病患者では,100 mg 以上の投与量では腎尿糖

再吸収が十分に阻害されているもの,UGE0-24h は正常腎機能患者と比べて約 30%低下するこ

とが示された.

(2) 肝機能障害者

海外の軽度及び中等度肝機能障害者を対象に,カナグリフロジン 300 mg を単回経口投与

したときの肝機能低下が薬物動態に及ぼす影響について検討した.その結果,正常肝機能者

に比べて,軽度及び中等度肝機能障害者におけるカナグリフロジンの Cmax はそれぞれ

107.49%及び 95.79%,AUC0-∞ではそれぞれ 109.57%及び 110.83%であり,いずれのパラメー

タについても軽度及び中等度肝機能障害者での変動は小さかった.血漿中代謝物 M5 の Cmax

及び AUC0-∞は,正常肝機能者に比べて,軽度肝機能障害者では同程度であり,中等度肝機能

障害者では Cmaxが 15%上昇,AUC0-∞が 39%上昇した.代謝物 M7 の Cmax及び AUC0-∞の幾何

平均値は,正常肝機能者に比べて,軽度肝障害者ではそれぞれ 35%及び 58%,中等度肝障害

者では 58%及び 113%上昇した.M5 及び M7 の曝露量が肝機能障害により上昇した要因は明

確ではないが,マウス及びラット胆管カニュレーション試験及びマスバランス試験(NAP1006

試験)において M5 及び M7 は尿及び胆汁を介して排泄されること,また,いずれの代謝物

も肝機能障害者では血漿中曝露の増加に伴い尿中排泄量も増加していたことから,肝障害に

よる胆汁中への M5 及び M7 の排泄クリアランス低下が肝機能障害における M5 及び M7 の

曝露量上昇の要因の一つと考えられた.

以上より,軽度及び中等度肝機能障害時における血漿中カナグリフロジン濃度の変動は小

さく,軽度及び中等度肝機能障害者において用量調節の必要はないと考えられた.なお,高

度の肝機能障害者にカナグリフロジンを経口投与した際の薬物動態は検討していない.

(3) 高齢者

国内の 2 型糖尿病患者及び健康成人を対象に実施した母集団薬物動態解析では,年齢は薬

物動態パラメータに対し有意な共変量ではなかった.また,国内の 2 型糖尿病患者を対象に,

カナグリフロジン 50 mg,100 mg,200 mg 又は 300 mg を 1 日 1 回 12 週間反復経口投与した

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2.7.2 臨床薬理試験

128

用量設定試験において,用量補正した血漿中カナグリフロジン濃度の治療期 4,8 及び 12 週

後の投与前値(トラフ濃度)と投与 12 週後の AUC0-2.17hについて,高齢者(65 歳以上,N=71

~73)と非高齢者(65 歳未満,N=217~225)で比較した.その結果,高齢者のトラフ濃度

の平均値は非高齢者よりも約 10~30%高い値を示したが,AUC0-2.17hの平均値は同程度であっ

た.

以上より,加齢はカナグリフロジンの薬物動態に臨床上意義のある影響を及ぼさず,高齢

者において用量調節が必要となるほどの血漿中カナグリフロジン濃度の変動はないと考えら

れた.

(4) 性差

国内の 2 型糖尿病患者及び健康成人を対象に実施した母集団薬物動態解析では,男性と比

べ女性でセントラルコンパートメントの分布容積(V2/F)が 10.9%低下することが示唆され

た.また,国内の 2 型糖尿病患者を対象に,カナグリフロジン 50 mg,100 mg,200 mg 又は

300 mg を 1 日 1 回 12 週間反復経口投与した用量設定試験において,用量補正した血漿中カ

ナグリフロジン濃度の治療期 4, 8 及び 12 週後の投与前値(トラフ濃度)と投与 12 週後の

AUC0-2.17hについて,女性(N=97~99)と男性(N=191~199)を比較した結果,AUC0-2.17hは

男性に比べて女性で約 20%高い値を示したが,トラフ濃度の平均値はいずれの時点において

も同程度であった.

以上より,性別による血漿中カナグリフロジン濃度の変動は小さく,性別による用量調節

の必要はないと考えられた.

(5) 遺伝子多型

[資料番号:5.3.5.3―6(参考資料)]

非臨床試験において,代謝物 M7 及び M5 の生成にはそれぞれ主に UGT1A9 及び UGT2B4

の関与が示唆された.そこで,海外の臨床第 I,II 及び III 相試験(10 試験)を統合し,UGT

の遺伝子多型がカナグリフロジンの薬物動態に与える影響を検討した.各試験のカナグリフ

ロジンの血漿中トラフ濃度及び薬物動態パラメータ(Cmax及び AUC)は 100 mg の投与量に

補正した.

海外第 II 相用量設定試験(DIA2001 試験)において UGT1A9*3 を保有する被験者でカナグ

リフロジンの定常状態における血漿中トラフ濃度が高くなる傾向が見られたことから,

UGT1A9*3 アレルが薬物動態に及ぼす影響を検討した.その結果,UGT1A9*3 を有する被験

者(N=21)の定常状態におけるトラフ濃度は,UGT1A9*3 を有しない被験者(N=711)と比

べ平均値で 81%上昇した(表 2.7.2.3-6).しかしながら,UGT1A9*3 を有する被験者のトラ

フ濃度の 5~95 パーセンタイルの範囲は UGT1A9*3 を有しない被験者の 5~95 パーセンタイ

ルの範囲内であった(図 2.7.2.3-11).また,薬物動態パラメータが算出できた臨床第 I 相

試験について遺伝子多型と定常状態におけるカナグリフロジンのCmax及びAUC0-24hとの関連

性を検討した結果,UGT1A9*3 を有する被験者(N=4)の Cmax及び AUC0-24h は,UGT1A9*3

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2.7.2 臨床薬理試験

129

を有しない被験者(N=130)と比べ平均値でそれぞれ 11%及び 45%高かった.

このように UGT1A9*3 アレルを有する被験者ではカナグリフロジンの血漿中トラフ濃度

の平均値は 81%上昇したものの,そのばらつきの範囲は UGT1A9*3 を有しない被験者の範囲

内であった.また,カナグリフロジン 200 mg を 52 週間投与したときの安全性及び忍容性が

確認されていることから,臨床用量である 100 mg 投与において,用量調節の必要はないと

考えられた.

また,海外の臨床第 I 相試験(3 試験)を統合し,UGT1A9*3 を有する被験者(N=3)と

UGT1A9*3 を有しない被験者(N=63)における 100 mg の投与量に補正した代謝物 M5 及び

M7 の定常状態における薬物動態パラメータ(Cmax 及び AUC)を比較した(表 2.7.2.3-7).

その結果,UGT1A9*3 を有する被験者の定常状態における代謝物 M7 の Cmax及び AUC0-24h

は,UGT1A9*3 を有しない被験者と比べ平均値でそれぞれ 40%及び 18%低かった.Cmax及び

AUC0-24h の M/P 比(代謝物/カナグリフロジン)も UGT1A9*3 を有する被験者の方が

UGT1A9*3 を有しない被験者と比べ低かったことから,代謝物 M7 の代謝に UGT1A9 が寄与

している可能性が示唆された.

UGT1A9*3 を有する被験者の定常状態における代謝物 M5 の Cmax 及び AUC0-24h は,

UGT1A9*3 を有しない被験者と比べ平均値でそれぞれ 40%及び 72%高かった.Cmax 及び

AUC0-24h の M/P 比(代謝物/カナグリフロジン)も UGT1A9*3 を有する被験者の方が

UGT1A9*3 を有しない被験者と比べ高かった.

表 2.7.2.3-6 UGT1A9*3 がカナグリフロジンのトラフ濃度に与える影響

UGT1A9 遺伝子多型

被験者数 (%)

幾何平均値 (%) (95%信頼区間)

幾何平均値

の比 5パーセン

タイル 中央値

95 パーセ

ンタイル

*1/*1 711

(97.13) 104.47

(98, 111.37) - 30.87 100.67 493.33

*1/*3 21

(2.87) 188.76

(146.46, 243.28) 1.81 107.00 183.00 456.67

-:該当せず.トラフ濃度は 100 mg 投与に換算した. 5.3.5.3―6 Table 3 より引用(一部改変)

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2.7.2 臨床薬理試験

130

各プロットは被験者ごとの値を示す.また,横線は下から 5 パーセンタイル,中央値,95 パーセンタ

イルを示す.トラフ濃度は 100 mg 投与に換算してプロットした.

図 2.7.2.3-11 UGT1A9 遺伝子多型とカナグリフロジンのトラフ濃度との関係 5.3.5.3―6 Figure 1 より引用(一部改変)

表 2.7.2.3-7 UGT1A9*3 が代謝物 M5 及び M7 の薬物動態に与える影響

代謝物 薬物動態パラ

メータ

幾何平均値 (95%信頼区間)

幾何平均値の比 UGT1A9*1/*1 (N=63)

UGT1A9*1/*3 (N=3)

M5

Cmax (ng/mL)

520.36 (467.94, 578.66)

729.58 (327.65, 1624.53)

1.40

M/P Cmax比 0.25

(0.2, 0.32) 0.41

(0.16, 1.07) 1.63

AUC0-24h

(ng・h/mL) 4837.31

(4268.29, 5482.19) 8311.16

(4028.45, 17146.89) 1.72

M/P AUC0-24h比 0.37

(0.3, 0.46) 0.5

(0.13, 2) 1.35

M7

Cmax (ng/mL)

807.96 (727.02, 897.9)

488.36 (124.07, 1922.27)

0.6

M/P Cmax比 0.4

(0.31, 0.51) 0.28

(0.01, 5.58) 0.69

AUC0-24h

(ng・h/mL) 6410.38

(5645.49, 7278.9) 5256.99

(1839.11, 15026.79) 0.82

M/P AUC0-24h比 0.5

(0.39, 0.63) 0.32

(0.02, 6.35) 0.64

100 mg 投与に換算. 5.3.5.3-6 Table 5 より引用(一部改変)

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2.7.2 臨床薬理試験

131

(6) 小児

小児にカナグリフロジンを経口投与した経験はない.

2.7.2.3.10 薬物相互作用の評価

(1) カナグリフロジンが併用薬の薬物動態に与える影響

In vitro 試験成績より,カナグリフロジンは CYP3A4,2C9,2C8 及び 2B6 に対して弱い阻

害作用(IC50 値はそれぞれ 27 μmol/L,80 μmol/L,75 μmol/L 及び 16 μmol/L)を示した.い

ずれの分子種においても時間依存的阻害は認められなかった.また,カナグリフロジンは

CYP1A2,2B6,3A4,2C9 及び 2C19 を誘導しないことが示された.カナグリフロジンは

UGT1A1 及び 1A6 に対して弱い阻害作用(IC50 値はそれぞれ 91 µmol/L 及び 50 µmol/L)を示

した.UGT1A4,1A9 及び 2B7 に対する IC50 値は 100 µmol/L 以上であった.

海外で実施された薬物相互作用試験において,カナグリフロジンは CYP3A4 の基質薬剤で

あるエチニルエストラジオール及びレボノルゲストレル(経口避妊薬)の Cmaxを約 22%上昇

させたが,AUC には影響を与えなかった.同様に CYP3A4 の基質薬剤であるシンバスタチ

ンに対しては,Cmax を約 9%,AUC0-∞を約 12%上昇させた.このようにカナグリフロジンは

CYP3A4 の代謝をわずかに阻害する可能性はあるものの,CYP3A4 の基質薬剤の薬物動態に

対して顕著な影響を与えないと考えられた.CYP2C9 の基質薬剤であるグリブリド及びワー

ファリンとの相互作用においては,カナグリフロジンはこれら薬剤の薬物動態に影響を与え

なかったことから,カナグリフロジンは CYP2C9 の基質薬剤に対して相互作用の懸念はない

と考えられた.

CYP2C8 及び 2B6 に関連した薬物相互作用試験は実施しなかった.CYP2C8 に対する IC50

値は 75 μmol/Lであり,臨床用量(1回 100 mg,1日 1回)を投与したときのCmax(約 2.5 μmol/L)

を考慮すると十分に高いことから,顕著な薬物相互作用を起こす可能性は低いと考えられた.

CYP2B6 に対する IC50 値は約 16 μmol/L と低値を示したが,PBPK モデルを用いた Simcyp に

よるシミュレーションにおいて,カナグリフロジン 100 mg との併用によるブプロピオン 150

mg 投与の Cmax及び AUCの上昇率は 4%と推定されたことから,カナグリフロジンは CYP2B6

の基質薬剤の薬物動態に対し影響を与える可能性は低いと考えられた.

In vitro 試験成績より,カナグリフロジンは P-gp 及び MRP2 に対して弱い阻害作用(IC50

値はそれぞれ 19.3 μmol/L,21.5 μmol/L)を示した.これらの IC50 値は臨床用量を投与したと

きの Cmaxを考慮すると,臨床上顕著な薬物相互作用を起こす可能性は低いと考えられた.ま

た,カナグリフロジンを経口投与したときのカナグリフロジンの小腸内濃度は血漿中濃度よ

りも高くなると推察されるため,カナグリフロジンは小腸に発現する P-gp を阻害する可能性

が示唆されたが,海外で実施された薬物相互作用試験(DIA1014 試験)において,カナグリ

フロジン併用投与によるジゴキシンのCmax及びAUC0-24hの上昇の程度はそれぞれ約36%及び

約 20%であり,小腸の P-gp を介した顕著な相互作用はないと考えられた.

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2.7.2 臨床薬理試験

132

メトホルミンとの相互作用について,カナグリフロジン 100 mg とメトホルミン 1000 mg

で実施された海外試験(NAP1004 試験)では,メトホルミンの Cmaxは約 14%低下し,AUC0-∞

に影響はなかった.カナグリフロジン 300mg で実施された海外試験(DIA1028 試験)ではメ

トホルミンの Cmaxに影響はなく,AUC0-∞は約 20%上昇した.このように,カナグリフロジン

はメトホルミンの薬物動態に対して顕著な影響を与えなかった.

その他,テネリグリプチン(TA-7284-10 試験),アセトアミノフェン(DIA1007 試験)の

薬物動態に対して,カナグリフロジンは影響を与えなかった.

(2) 併用薬がカナグリフロジンの薬物動態に与える影響

In vitro 試験成績より,カナグリフロジンは主に UGT1A9 及び UGT2B4 により代謝され,

P-gp,BCRP 及び MRP2 の基質であることが示唆されている.そこで,カナグリフロジンの

薬物動態に及ぼす影響を検討するため,これら代謝酵素並びにトランスポーターにかかわる

薬物相互作用試験を実施した.

海外試験(DIA1029 試験)において,UGT,P-gp 及び MRP2 を含む薬物代謝酵素及びトラ

ンスポーターの非特異的誘導剤であるリファンピシンとの併用により,カナグリフロジンの

Cmax及び AUC0-∞はそれぞれ約 28%及び約 51%低下した.M5 及び M7 の Cmax はリファンピシ

ンとの併用により上昇したことから,UGT の誘導によりカナグリフロジンの代謝クリアラン

スが上昇したものと考えられる.更に,カナグリフロジンは P-gp 及び MRP2 の基質である

ことから,これらトランスポーターを介した胆汁からの排泄クリアランスの上昇も寄与して

いる可能性が考えられた.

海外試験(DIA1048 試験)において,UGT 及び MRP2 の阻害剤であるプロベネシドとの併

用により,カナグリフロジンの Cmax及び AUC0-24h はそれぞれ約 13%及び約 21%上昇した.ま

た,海外試験(DIA1031 試験)において,P-gp 及び BCRP の阻害剤であるシクロスポリンと

の併用により,カナグリフロジンの Cmaxに変化はなく,AUC0-24hは約 23%上昇した.

以上より,UGT,P-gp 及び MRP2 を含む薬物代謝酵素及びトランスポーターの非特異的誘

導剤との併用時にはカナグリフロジンの血漿中濃度は低下する可能性が示唆された.一方,

UGT 及び MRP2 の阻害剤との併用投与並びに P-gp 及び BCRP の阻害剤との併用投与におい

て,カナグリフロジンの薬物動態は顕著な影響を受けないと考えられた

その他,テネリグリプチン(TA-7284-10 試験),エチニルエストラジオール及びレボノル

ゲストレル(経口避妊薬,DIA1002 試験),メトホルミン(DIA1028 試験)との併用投与に

おいても,カナグリフロジンの薬物動態は影響を受けなかった.

(3) その他の薬物相互作用

ヒドロクロロチアジドは近位尿細管が標的と考えられ,カナグリフロジンと作用部位が近

接する.ヒドロクロロチアジドとの臨床薬物相互作用試験(DIA1034 試験)において,ヒド

ロクロロチアジドはカナグリフロジンの薬力学的作用及び薬物動態に臨床上問題となるよう

な影響は認められておらず,また,カナグリフロジンはヒドロクロロチアジドの薬物動態に

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2.7.2 臨床薬理試験

133

影響を与えなかった.

カナグリフロジンの SGLT1 に対する IC50 値は 663 nmol/L であるが[2.6.2.2.1.1.1],臨床用

量(100 mg の 1 日 1 回)を投与したときの小腸内カナグリフロジン濃度は当該 IC50 値よりも

一過性に高くなり,小腸に発現する SGLT1 を阻害する可能性が示唆されたため,SGLT1 を

介して吸収されるミグリトールとの相互作用の可能性が考えられた.しかしながら,DIA1022

試験において,健康成人ではカナグリフロジン 300 mg 投与により糖質の吸収が一過性に抑

制され吸収遅延が認められたが,総糖質吸収量には影響を与えなかった.また,DIA1007 試

験では,2 型糖尿病患者を対象に 75 g 経口グルコース負荷による水素呼気試験を実施したと

ころ,炭水化物吸収不良は認められなかった.ミグリトールは受動拡散による膜透過も吸収

に寄与することが示唆されていることからも[72],カナグリフロジンがミグリトールの吸収

に与える影響は小さいと考えられた.

2.7.2.3.11 Thorough QT/QTc 試験

海外の健康成人を対象とした Thorough QT/QTc 試験(DIA1010 試験)において,カナグリ

フロジン 300 mg 及び 1200 mg を単回投与したとき,QTcP 間隔の投与前値からの変化量のプ

ラセボとの差の 90%信頼区間の上限はいずれの時点においても 10 msec 未満であり,QT/QTc

間隔の延長は認められなかった.

TA-7284-02 試験において,臨床用量(1 回 100 mg,1 日 1 回)における定常状態での Cmax

及び AUC0-24hはそれぞれ 1136.2797 ng/mL 及び 6635 ng・h/mL であった.海外の健康成人を対

象とした Thorough QT/QTc 試験(DIA1010 試験)において最高用量 1200 mg 投与時の Cmax

及び AUC0-24hはそれぞれ 6408 ng/mL 及び 61196 ng・h/mL であり,国内試験結果の平均値と比

較して,Cmaxは約 5.6 倍,AUC0-24hでは約 9.2 倍となり,海外で実施された Thorough QT/QTc

試験は,臨床用量投与時の血漿中カナグリフロジン濃度を十分に上回る曝露域で実施された.

また,[2.7.2.3.6]及び[2.7.2.3.8]に示したとおり,カナグリフロジンの薬物動態及び薬力

学的作用に明らかな人種差は認められなかった.したがって,日本人におけるカナグリフロ

ジンの QT/QTc 間隔に及ぼす影響は,海外で実施した Thorough QT/QTc 試験結果に基づき評

価できると考えた.

2.7.2.3.12 光過敏性

3T3 繊維芽細胞での in vitro 試験及びラット単回毒性試験において,光毒性の可能性が示唆

されたため,カナグリフロジン投与後の遅延型及び即時型の光過敏性反応の可能性を検討す

るための 4 つの臨床薬理試験(NAP1005 試験,DIA1011 試験,DIA1019 試験及び DIA1020

試験)を実施した.

健康成人を対象にカナグリフロジン 200 mg 又は 400 mg を単回投与したとき,臨床上問題

となるような遅延型及び即時型の光過敏性反応は見られなかった(NAP1005 試験).カナグ

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2.7.2 臨床薬理試験

134

リフロジン 300 mg を 1 日 1 回又は 1 日 2 回 6 日間反復投与したとき,カナグリフロジン 300

mg の 1 日 1 回投与では遅延型光過敏性反応は観察されなかった(DIA1011 試験).カナグリ

フロジン 300 mg の 1 日 2 回投与では UVA に依存した遅延型光過敏性反応が観察されたが,

陽性対照であるシプロフロキサシン 500 mg よりも弱かった.即時型光過敏性反応(蕁麻疹

又は一過性の浮腫反応)は 335±30 nm の光照射後 30 分以内に,カナグリフロジン 300 mg の

1 日 1 回投与では 12 名中 3 名,カナグリフロジン 300 mg の 1 日 2 回投与では 12 名中 7 名に

見られた.照射した光の強度は自然光の 30 倍であり,観察された即時型光過敏性反応の臨床

的意義が不明であったことから,更に 2 つの光過敏性試験を実施した.

DIA1019 試験において,カナグリフロジン 100 mg 又は 300 mg を 1 日 1 回 6 日間反復投与

したとき,カナグリフロジンは遅延型光過敏性反応を引き起こさなかった.即時型光過敏性

反応は 100 mg 投与では見られなかったが,300 mg 投与では 12 名中 3 名で見られた.陽性対

照であるシプロフロキサシンでは 12名中 1名,プラセボでは 12名中 1名で反応が見られた.

即時型光過敏性反応が見られた 5 名の被験者の放射照度は 36.7~72.0 mW/cm2 であった.こ

の 5 名のうち 3 名(300 mg 投与,シプロフロキサシン投与,プラセボ投与の各 1 名)では標

準的な放射照度の 1/2(18.1~29.9 mW/cm2)で照射時間を 2 倍として再検査した場合では陰

性であった.他の 2 名(300 mg 投与)では標準的な放射照度の 1/2(30.4~36.2 mW/cm2)で

照射時間を 2 倍とした場合に即時型反応が見られたが,これら 2 名のうち 1 名は標準的な放

射照度の 1/10(7.4 mW/cm2)で照射時間を 10 倍とした場合では即時型反応は見られなかっ

た.また,残る 1 名の被験者では,標準的な放射照度の 1/10(6.3 mW/cm2)で照射時間を 10

倍とした場合においても即時型光過敏性反応が観察されたが,反応の持続時間は放射照度を

減らすことにより短くなった.このようにカナグリフロジン 300 mg の 1 日 1 回投与では放

射照度に依存した即時型光過敏性反応が認められたが,標準的な放射照度の 1/10(6.3 mW/cm2)

は自然光の 3 倍の強度であることから,臨床的な意義は小さいと考えられた.

DIA1020 試験は,DIA1011 試験でカナグリフロジン投与後に観察された即時型光過敏性反応

が使用した光照射強度によるものかどうかを検討するため,DIA1011 試験で即時型光過敏性

反応が観察された被験者に,カナグリフロジン投与(300 mg,1 日 1 回及び 300 mg,1 日 2

回)と即時型光過敏性反応が見られた 335±30 nm の波長で,標準放射照度及び放射照度を減

量して光テストの再検査{標準的な放射照度,及び標準的な放射照度の 1/2 及び 1/10 で照射

時間をそれぞれ 2 倍及び 10 倍とした条件(照射量は一定)}を実施した.その結果,6 名中 5

名は DIA1011 試験と同用量のカナグリフロジンが投与された後,標準的な放射照度(36.3~

61.2 mW/cm2)において即時型光過敏性反応が観察された.この 5 名のうち 3 名では標準的

な放射照度の 1/2(18.3~31.9 mW/cm2)で即時型光過敏性反応は認められなかった.残りの

2 名は標準的な放射照度の 1/10(5.18~5.29 mW/cm2)で即時型光過敏性反応が見られなくな

った.

DIA1019 試験及び DIA1020 試験では,合計 10 名の被験者で即時型光過敏性反応が見られた

が,そのうち 9 名は放射照度を減らすことにより反応は見られなくなった.残りの 1 名は放

射照度の減少に伴い反応の持続時間も短くなった.このように観察された即時型光過敏性反

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2.7.2 臨床薬理試験

135

応は放射照度依存的であったが,試験で使用された放射照度は,自然光と比べ,標準的な照

度で 30 倍,放射照度の 1/10 においても 3 倍であることから,これら試験で見られた即時型

光過敏性反応の臨床的な意義は小さいと考えられた.

以上のことより,カナグリフロジン 100 mg 投与は即時型及び遅延型の光過敏性反応を惹起

せず,300 mg 投与も通常の生活環境下でこれらの光過敏性反応を惹起しないことが示唆され

た.

2.7.2.4 特別な試験

該当せず.

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2.7.2 臨床薬理試験

136

2.7.2.5 付録

表 2.7.2.5-1 薬物動態試験の要約(1/32)

試験番号 試験名試験

デザイン

対象 被験者数(男/女) 年齢(平均,範囲)

投与方法

カナグリフロジンの薬物動態パラメータ 平均値(標準偏差)

幾何平均値の比 (90%信頼区間) 添付資料

番号 Cmax

(ng/mL) tmax

*1) (h)

AUC0-∞

(ng·h/mL)t1/2 (h)

Ae%0-96h Cmax AUC0-∞

TA-7284-01[評価資料]

健康成

人男性

を対象

とした

単回投

与試験

単回投与,

ランダム

化,二重盲

検,プラセ

ボ対照,用

量漸増投

健康成人男性 6 名(6/0)

22.0,20-23

カナグリフロジ

ン 30 mg(食事

30 分前,懸濁剤)

204.5092 (80.5507)

1.50 (1.00-6.00)

2019 (365)

9.26 (1.09)

0.765 (0.293) ― ―

5.3.3.1―1

健康成人男性 6 名(6/0)

24.0,20-29

カナグリフロジ

ン 100 mg(食事

30 分前,懸濁剤)

528.1912 (188.5143)

3.75 (1.00-10.00)

5257 (595)

11.65 (4.94)

0.416 (0.070) ― ―

健康成人男性 6 名(6/0)

23.2,20-29

カナグリフロジ

ン 200 mg(食事

30 分前,懸濁剤)

1586.0065(856.1761)

1.25 (1.00-6.00)

16799 (2085)

14.74 (6.97)

0.515 (0.092) ― ―

健康成人男性 6 名(6/0)

24.2,21-28

カナグリフロジ

ン 400 mg(食事

30 分前,懸濁剤)

3625.9917(703.4477)

1.50 (1.00-1.50)

35090 (4799)

13.11 (4.49)

0.489 (0.133) ― ―

健康成人男性 6 名(6/0)

23.0,20-26

カナグリフロジ

ン 800 mg(食事

30 分前,懸濁剤)

6269.3146(721.5528)

1.50 (1.00-2.50)

74796 (11338)

11.67 (1.92)

0.453 (0.065) ― ―

単回投与,

ランダム

化,非盲

検,2 期ク

ロスオー

バー

健康成人男性 8 名(8/0)

22.9,21-26

カナグリフロジ

ン 200 mg(空腹

時,懸濁剤)

1989.3374(530.7381)

1.75 (1.00-2.50)

15274 (2573)

11.61 (3.61)

0.660 (0.285)

食後/空腹時

0.675 (0.567,0.803)

0.987 (0.942, 1.034)

カナグリフロジ

ン 200 mg(食事

開始後 30 分,懸

濁剤)

1325.1848(268.0496)

3.25 (2.00-6.00)

15044 (2339)

12.04 (2.95)

0.471 (0.115)

*1) tmaxは中央値(最小値-最大値).-:該当せず.

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2.7.2 臨床薬理試験

137

表 2.7.2.5-1 薬物動態試験の要約(2/32)

試験番号 試験名試験

デザイン

対象 被験者数(男/女) 年齢(平均,範囲)

投与方法 測定 物質

試験日

薬物動態パラメータ 平均値(標準偏差) 添付資料

番号 Cmax

(ng/mL) tmax

*1) (h)

AUC0-24h

(ng·h/mL)t1/2 (h)

Ae% *2)

DIA1030 [参考資料]

健康成

人を対

象とし

た単回

及び反

復投与

試験

単施設,並

行群間,ラ

ンダム化,

非盲検,単

回及び反

復投与

健康成人 9 名(6/3)

44.0,32-55

カナグリフロジン

50 mg(食事 10 分

前,1 日 1 回, Day 1+Day 4~9)

カナグ

リフロ

ジン

Day 1 521

(132) 1.00

(0.98-1.50) 2678

(1238) 9.26

(2.42) 0.407

(0.215)

5.3.3.1―4

Day 9 494

(164) 1.00

(0.50-2.02) 2801

(1527) 14.0

(4.62) 0.544

(0.310)

健康成人 9 名(5/4)

43.2,26-51

カナグリフロジン

100 mg(食事 10 分

前,1 日 1 回, Day 1+Day 4~9)

Day 1 1031 (282)

1.02 (1.00-5.00)

5519 (565)

11.7 (2.49) *3)

0.355 (0.129)

Day 9 1118 (143)

1.00 (1.00-1.50)

6056 (959)

13.3 (4.79) *3)

0.662 (0.214)

健康成人 9 名(7/2)

41.2,27-51

カナグリフロジン

300 mg(食事 10 分

前,1 日 1 回, Day 1+Day 4~9)

Day 1 2897 (652)

1.00 (1.00-1.50)

17149 (3325)

11.5 (1.16)

0.408 (0.118)

Day 9 3379 (728)

1.00 (1.00-1.50)

19252 (5348)

13.5 (3.22)

0.699 (0.235)

健康成人 9 名(6/3)

44.0,32-55

カナグリフロジン

50 mg(食事 10 分

前,1 日 1 回, Day 1+Day 4~9)

M5

Day 1 217

(94.5) 2.00

(1.45-5.02) 1772 (972)

10.0 (2.28) *3)

7.99 (3.91)

Day 9 227

(110) 2.00

(1.50-4.00) 1860

(1028) 13.0

(4.50) *4) 9.14

(4.05)

健康成人 9 名(5/4)

43.2,26-51

カナグリフロジン

100 mg(食事 10 分

前,1 日 1 回, Day 1+Day 4~9)

Day 1 405

(95.3) 2.02

(1.50-5.00) 3412 (944)

12.3 (2.92)

8.22 (1.84)

Day 9 385

(77.7) 2.00

(1.48-4.00) 3512

(1089) 14.2

(5.45) 8.88

(1.57)

健康成人 9 名(7/2)

41.2,27-51

カナグリフロジン

300 mg(食事 10 分

前,1 日 1 回, Day 1+Day 4~9)

Day 1 1177 (488)

2.00 (1.50-4.00)

10948 (4608)

12.0 (1.66)

8.69 (2.86)

Day 9 1342 (443)

2.00 (1.50-4.00)

11792 (4332)

14.3 (4.18)

10.0 (2.24)

*1) tmaxは中央値(最小値-最大値),*2) Day 1 は 0~48 時間,Day 9 は 0~24 時間,*3) 被験者数は 8 名,*4) 被験者数は 6 名.

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2.7.2 臨床薬理試験

138

表 2.7.2.5-1 薬物動態試験の要約(3/32)

試験番号 試験名試験

デザイン

対象 被験者数(男/女) 年齢(平均,範囲)

投与方法 測定 物質

試験日

薬物動態パラメータ 平均値(標準偏差) 添付資料

番号 Cmax

(ng/mL) tmax

*1) (h)

AUC0-24h

(ng·h/mL)t1/2 (h)

Ae% *2)

DIA1030 [参考資料]

健康成

人を対

象とし

た単回

及び反

復投与

試験

単施設,並

行群間,ラ

ンダム化,

非盲検,単

回及び反

復投与

健康成人 9 名(6/3)

44.0,32-55

カナグリフロジン

50 mg(食事 10 分

前,1 日 1 回, Day 1+Day 4~9)

M7

Day 1 345

(84.7) 2.00

(1.45-3.03) 2214 (641)

8.93 (2.82)

15.9 (3.50)

5.3.3.1―4

Day 9 364

(101) 1.53

(1.50-3.00) 2335 (682)

13.7 (5.11) *3)

17.7 (3.97)

健康成人 9 名(5/4)

43.2,26-51

カナグリフロジン

100 mg(食事 10 分

前,1 日 1 回, Day 1+Day 4~9)

Day 1 655

(300) 2.00

(1.50-6.00) 4327

(1465) 11.7

(2.08) *3) 17.6

(2.72)

Day 9 641

(211) 1.50

(1.48-2.00) 4507

(1354) 13.6

(4.93) *3) 19.1

(4.26)

健康成人 9 名(7/2)

41.2,27-51

カナグリフロジン

300 mg(食事 10 分

前,1 日 1 回, Day 1+Day 4~9)

Day 1 1830 (586)

2.00 (1.50-3.00)

14216 (5595)

11.9 (1.29)

16.3 (3.14)

Day 9 2277 (762)

2.00 (1.50-2.00)

16066 (6832)

14.4 (4.22)

19.4 (3.64)

*1) tmaxは中央値(最小値-最大値),*2) Day 1 は 0~48 時間,Day 9 は 0~24 時間,*3) 被験者数は 8 名,*4) 被験者数は 6 名.

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2.7.2 臨床薬理試験

139

表 2.7.2.5-1 薬物動態試験の要約(4/32)

試験番号 試験名試験

デザイン

対象 被験者数(男/女) 年齢(平均,範囲)

投与方法

カナグリフロジンの薬物動態パラメータ 平均値(標準偏差) 添付資料

番号 Cmax

(ng/mL) tmax

*1) (h)

AUC0-∞

(ng·h/mL) t1/2 (h)

DIA1015 [参考資料]

薬物動

態の用

量比例

性を検

討した

試験

非盲検,単

施設,単回

投与,ラン

ダム化,3期クロス

オーバー

健康成人 24 名(12/12) 39.8,26-55

カナグリフロジン 50 mg (空腹時)

551 (137)*2)

1.50 (1.00-5.00) *2)

3236 (837) *3)

9.42 (1.28) *3)

5.3.3.1―3 カナグリフロジン 100 mg (空腹時)

1069 (277)

1.50 (1.00-5.00)

6871 (1751) *4)

10.1 (1.85) *4)

カナグリフロジン 300 mg (空腹時)

2939 (524)

1.52 (1.00-4.98)

20972 (4481) *2)

11.1 (1.60) *2)

*1) tmaxは中央値(最小値-最大値),*2) 被験者数は 23 名,*3) 被験者数は 22 名,*4) 被験者数は 20 名.

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2.7.2 臨床薬理試験

140

表 2.7.2.5-1 薬物動態試験の要約(5/32)

試験番号 試験名試験

デザイン

対象 被験者数(男/女) 年齢(平均,範囲)

投与方法

カナグリフロジンの薬物動態パラメータ 平均値(標準偏差) 添付資料

番号 Cmax

(ng/mL) tmax

*1) (h)

AUC0-∞

(ng·h/mL) t1/2 (h) Ae%0-96h

DIA1001 [参考資料]

健康成

人男性

を対象

とした

高用量

単回投

与試験

単盲検,単

施設,単回

投与,ラン

ダム化,プ

ラセボ対

象,

Sequential,用量漸増

試験

健康成人男性 6 名(6/0)

31.5,20-41

カナグリフロジン 800 mg (食事 10 分前)

6808 (2020)

1.25 (1.00-2.00)

63169 (20811)

16.4 (6.8)

0.624 (0.189)

5.3.3.1―2 健康成人男性

6 名(6/0) 34.5,21-46

カナグリフロジン 1200 mg (食事 10 分前)

9522 (1238)

1.25 (1.00-2.50)

98719 (10441)

23.2 (9.3)

0.646 (0.212)

健康成人男性 5 名(5/0)

30.8,19-41

カナグリフロジン 1600 mg (食事 10 分前)

9618 (1974) *2)

1.50 (1.00-2.00) *2)

125125 (22261) *2)

17.2 (6.4) *2)

0.388 (0.096) *2)

*1) tmaxは中央値(最小値-最大値),*2) 被験者数は 4 名.

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2.7.2 臨床薬理試験

141

表 2.7.2.5-1 薬物動態試験の要約(6/32)

試験番号 試験名試験

デザイン

対象 被験者数(男/女) 年齢(平均,範囲)

投与方法

総放射能の薬物動態パラメータ 平均値(標準偏差) 添付資料

番号 Cmax

(ng-base eq./mL)tmax

*1) (h)

AUC0-24h

(ng-base eq.·h/mL)Ae%0-96h

糞中排泄率 (%)

NAP1006 [参考資料]

マスバ

ランス

試験

非盲検,単

施設,単回

投与試験

健康成人 6 名(6/0)

34.2,19-45

[14C]標識カナグリフロ

ジン 192 mg(空腹時)

3738 (951) 血漿中

2331 (630) 全血中

2.00 (1.50-4.00) 血漿中

1.50

(1.50-4.00) 全血中

28195 (8150) *2) 血漿中

16662

(6069) *3) 全血中

32.5 (5.11)

60.4 (5.73) 5.3.3.1―5

*1) tmaxは中央値(最小値-最大値),*2) 1 名は AUC0-12hを用いて計算した,*3) 4 名は AUC0-12hを用いて計算した.

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2.7.2 臨床薬理試験

142

表 2.7.2.5-1 薬物動態試験の要約(7/32)

試験番号 試験名試験

デザイン

対象 被験者数(男/女) 年齢(平均,範囲)

投与方法 試験日

カナグリフロジンの薬物動態パラメータ 平均値(標準偏差) 添付資料

番号 Cmax

(ng/mL) tmax

*1) (h)

AUC0-24h

(ng·h/mL) t1/2 (h)

Ae%0-24h

TA-7284-02[評価資料]

2 型糖

尿病患

者を対

象とし

た反復

投与試

ランダム

化,二重盲

検,単回及

び 14 日間

連続投与,

プラセボ

対照,用量

漸増投与

2 型糖尿病患者 12 名(8/4)

49.0,33-64

カナグリフロジン 25 mg (食事 10 分前,1 日 1 回,

1 日目+3~16 日目)

1 日目 247.7830 (54.5475)

1.0 (1.0-2.0)

1295 (240)

10.70 (1.76)

0.387 *2) (0.070)

5.3.3.2―1

16 日目262.5870 (90.6319)

1.0 (1.0-3.0)

1556 (387)

14.21 (7.46)

0.599 (0.183)

2 型糖尿病患者 12 名(12/0) 52.1,39-61

カナグリフロジン 100 mg (食事 10 分前,1 日 1 回,

1 日目+3~16 日目)

1 日目 1126.0114 (227.6470)

1.0 (1.0-1.5

5468 (899)

10.22 (1.89)

0.384 (0.084)

16 日目1136.2797 (329.5880)

1.0 (1.0-1.5)

6635 (1367)

11.81 (3.22)

0.641 (0.204)

2 型糖尿病患者 14 名(13/1) 56.2,31-64

カナグリフロジン 200 mg (食事 10 分前,1 日 1 回,

1 日目+3~16 日目)

1 日目 2303.9739 (538.6072)

1.0 (1.0-1.5)

11991 (3042)

13.26 (4.96)

0.424 (0.107)

16 日目2688.0783 (805.0442)

1.3 (1.0-1.5)

16716 (5464)

16.16 (5.87) *3)

0.614 (0.195)

2 型糖尿病患者 13 名(9/4)

56.5,39-65

カナグリフロジン 400 mg (食事 10 分前,1 日 1 回,

1 日目+3~16 日目)

1 日目 5028.3465

(1732.8542) 1.0

(1.0-3.0) 21836 (4983)

12.15 (2.34) *4)

0.385 (0.097)

16 日目5235.7889

(1122.6555) 1.0

(1.0-1.5) 30766 (7916)

15.76 (5.56)

0.495 (0.153)

*1) tmaxは中央値(最小値-最大値),*2) 被験者数は 11 名,*3) 被験者数は 13 名,*4) 被験者数は 12 名.

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2.7.2 臨床薬理試験

143

表 2.7.2.5-1 薬物動態試験の要約(8/32)

試験番号 試験名試験

デザイン

対象 被験者数(男/女) 年齢(平均,範囲)

投与方法 測定

物質

薬物動態パラメータ 平均値(標準偏差)

幾何平均値の比(%) (90%信頼区間) 機能障害/機能正常 添付資料

番号 Cmax

(ng/mL) tmax

*1) (h)

AUC0-∞

(ng·h/mL)t1/2 (h)

Cmax AUC0-∞

TA-7284-07[評価資

料]

中等度

腎機能

障害を

伴う 2型糖尿

病患者

を対象

とした

臨床薬

理試験

単回投与,

ランダム

化,非盲

検,2 期ク

ロスオー

バー

正常腎機能 2 型糖尿病患者

12 名(12/0) 57.8,48-76

カナグリフロジン

100 mg(食事 10 分

前)

カナ

グリ

フロ

ジン

1213.6571(337.8705)

1.0 (1.0-3.0)

6929 (1734)

12.58(3.14) ― ―

5.3.4.2―1

カナグリフロジン

200 mg(食事 10 分

前)

2415.6109(739.8783)

1.0 (1.0-6.0)

14815 (4162)

12.10(2.66) ― ―

中等度腎機能障害

2 型糖尿病患者 12 名(12/0) 63.7,40-78

カナグリフロジン

100 mg(食事 10 分

前)

1197.1264(310.5625)

1.0 (1.0-3.0)

8766 (2551)

15.50(4.35)

0.982 (0.821, 1.173)

1.258 (1.061, 1.490)

カナグリフロジン

200 mg(食事 10 分

前)

2333.3617(414.8957)

1.0 (1.0-2.0)

17835 (4434)

15.15(6.68)

0.989 (0.827, 1.182)

1.216 (1.026, 1.441)

正常腎機能 2 型糖尿病患者

12 名(12/0) 57.8,48-76

カナグリフロジン

100 mg(食事 10 分

前)

M5

546.50 (153.46)

2.0 (1.5-4.0)

6454 (2047)

12.28(2.42) ― ―

カナグリフロジン

200 mg(食事 10 分

前)

1032.92 (247.63)

2.0 (1.5-6.0)

13487 (4124)

12.33(2.32) ― ―

中等度腎機能障害

2 型糖尿病患者 12 名(12/0) 63.7,40-78

カナグリフロジン

100 mg(食事 10 分

前)

630.42 (180.80)

2.0 (1.5-4.0)

11132 (4798)

14.79(4.44)

1.148 (0.945, 1.395)

1.655 (1.312, 2.087)

カナグリフロジン

200 mg(食事 10 分

前)

1267.33 (365.18)

2.0 (1.5-4.0)

22729 (8912)

14.63(5.45)

1.218 (1.002, 1.479)

1.639 (1.299, 2.067)

*1) tmaxは中央値(最小値-最大値).-:該当せず.

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2.7.2 臨床薬理試験

144

表 2.7.2.5-1 薬物動態試験の要約(9/32)

試験番号 試験名試験

デザイン

対象 被験者数(男/女) 年齢(平均,範囲)

投与方法 測定

物質

薬物動態パラメータ 平均値(標準偏差)

幾何平均値の比(%) (90%信頼区間) 機能障害/機能正常 添付資料

番号 Cmax

(ng/mL) tmax

*1) (h)

AUC0-∞

(ng·h/mL)t1/2 (h)

Cmax AUC0-∞

TA-7284-07[評価資料]

中等度

腎機能

障害を

伴う 2型糖尿

病患者

を対象

とした

臨床薬

理試験

単回投与,

ランダム

化,非盲

検,2 期ク

ロスオー

バー

正常腎機能 2 型糖尿病患者

12 名(12/0) 57.8,48-76

カナグリフロジン

100 mg(食事 10 分

前)

M7

1092.08 (333.58)

2.0 (2.0-4.0)

10152 (3659)

12.13(2.74) ― ―

5.3.4.2―1

カナグリフロジン

200 mg(食事 10 分

前)

2040.00 (780.85)

2.0 (1.5-6.0)

20307 (8333)

12.07(2.21) ― ―

中等度腎機能障害

2 型糖尿病患者 12 名(12/0) 63.7,40-78

カナグリフロジン

100 mg(食事 10 分

前)

1461.67 (565.50)

2.0 (2.0-4.0)

18205 (9025)

15.62(4.35)

1.306 (1.064, 1.603)

1.709 (1.375, 2.124)

カナグリフロジン

200 mg(食事 10 分

前)

2715.83 (898.30)

2.0 (2.0-4.0)

33927 (13214)

15.26(6.57)

1.342 (1.093, 1.646)

1.669 (1.343, 2.074)

*1) tmaxは中央値(最小値-最大値).-:該当せず.

Page 79: 2.7.2 +« Ë.#.0è9 - 医薬品医療機器総合機構 · 2015-05-29 · 2.7.2 +« Ë.#.0è9 68 Z8S>, Day 27 _>E Z S Í?}b ì5 b LSMean bÉÛÎ*L\b jc>* 100 mg b 1 ¥ 1 G Z*L lg

2.7.2 臨床薬理試験

145

表 2.7.2.5-1 薬物動態試験の要約(10/32)

試験番号 試験名試験

デザイン

対象 被験者数(男/女) 年齢(平均,範囲)

投与方法 測定 物質

試験日

薬物動態パラメータ 平均値(標準偏差) 添付資料

番号 Cmax

(ng/mL) tmax

*1) (h)

AUC0-24h

(ng·h/mL)t1/2 (h)

Ae%0-24h

DIA1023 [参考資料]

2 型糖

尿病患

者を対

象とし

た反復

投与試

多施設共

同,ランダ

ム化,二重

盲検,プラ

セボ対照,

反復投与

2 型糖尿病患者 9 名(5/4)

55.0,37-64

カナグリフロジン

50 mg(食事 10 分

前,1 日 1 回,Day 1~7)

カナグ

リフロ

ジン

Day 1 426

(106) 2.00

(1.00-4.00) 3139 (935) ―

0.462 (0.137)

5.3.3.2―2

Day 7 536

(174) 2.00

(1.00-5.00) 4059

(1105) 16.3 (4.8)

0.833 (0.287)

2 型糖尿病患者 8 名(5/3)

51.5,46-58

カナグリフロジン

100 mg(食事 10 分

前,1 日 1 回,Day 1~7)

Day 1 1096 (444)

1.50 (1.00-5.00)

6357 (1431) ―

0.545 (0.101)

Day 7 1227 (481)

1.50 (1.00-5.00)

8225 (1947)

13.7 (2.1)

0.746 (0.230)

2 型糖尿病患者 10 名(4/6)

52.7,40-61

カナグリフロジン

300 mg(食事 10 分

前,1 日 1 回,Day 1~7)

Day 1 3480 (844)

1.5 (1.00-6.00)

22583 (7343) ―

0.404 (0.127)

Day 7 4678

(1685) 1.5

(1.00-2.00) 30995

(11146) 14.9 (4.8)

0.752 (0.323)

2 型糖尿病患者 9 名(5/4)

55.0,37-64

カナグリフロジン

50 mg(食事 10 分

前,1 日 1 回,Day 1~7)

M5

Day 1 290

(144) 4.00

(2.00-5.00) 2933

(1796) ― 6.99

(2.20)

Day 7 324

(132) 4.00

(1.50-6.00) 3607

(2109) 14.8 (3.9)

10.1 (2.62)

2 型糖尿病患者 8 名(5/3)

51.5,46-58

カナグリフロジン

100 mg(食事 10 分

前,1 日 1 回,Day 1~7)

Day 1 503

(177) 4.50

(2.00-5.00) 4871

(1303) ― 8.11

(1.61)

Day 7 559

(191) 3.00

(1.50-6.00) 6003

(1943) 14.2 (2.6)

9.57 (2.38)

2 型糖尿病患者 10 名(4/6)

52.7,40-61

カナグリフロジン

300 mg(食事 10 分

前,1 日 1 回,Day 1~7)

Day 1 1472 (474)

4.50 (1.50-8.00)

15307 (4296) ―

7.67 (1.56)

Day 7 1900 (534)

1.75 (1.00-4.00)

21911 (7865)

13.8 (4.6)

10.5 (2.03)

*1) tmaxは中央値(最小値-最大値).-:該当せず.

Page 80: 2.7.2 +« Ë.#.0è9 - 医薬品医療機器総合機構 · 2015-05-29 · 2.7.2 +« Ë.#.0è9 68 Z8S>, Day 27 _>E Z S Í?}b ì5 b LSMean bÉÛÎ*L\b jc>* 100 mg b 1 ¥ 1 G Z*L lg

2.7.2 臨床薬理試験

146

表 2.7.2.5-1 薬物動態試験の要約(11/32)

試験番号 試験名試験

デザイン

対象 被験者数(男/女) 年齢(平均,範囲)

投与方法 測定 物質

試験日

薬物動態パラメータ 平均値(標準偏差) 添付資料

番号 Cmax (ng/mL)

tmax*1)

(h) AUC0-24h

(ng·h/mL)t1/2 (h)

Ae%0-24h

DIA1023 [参考資料]

2 型糖

尿病患

者を対

象とし

た反復

投与試

多施設共

同,ランダ

ム化,二重

盲検,プラ

セボ対照,

反復投与

2 型糖尿病患者 9 名(5/4)

55.0,37-64

カナグリフロジン

50 mg(食事 10 分

前,1 日 1 回,Day 1~7)

M7

Day 1 547

(255) 3.00

(3.00-4.05) 4637

(3048) ― 21.2

(4.39)

5.3.3.2―2

Day 7 608

(305) 3.00

(2.00-5.05) 5765

(3989) 17.2 (5.0)

30.7 (6.97)

2 型糖尿病患者 8 名(5/3)

51.5,46-58

カナグリフロジン

100 mg(食事 10 分

前,1 日 1 回,Day 1~7)

Day 1 1126 (547)

3.00 (2.00-6.00)

8721 (4445) ―

25.1 (6.40)

Day 7 1276 (588)

2.50 (2.00-5.00)

10819 (5216)

13.9 (2.4)

31.9 (11.0)

2 型糖尿病患者 10 名(4/6)

52.7,40-61

カナグリフロジン

300 mg(食事 10 分

前,1 日 1 回,Day 1~7)

Day 1 2591 (631)

3.00 (1.5-6.00)

22036 (5941) ―

20.9 (2.87)

Day 7 3122 (542)

2.00 (1.5-3.00)

28110 (7655)

15.0 (4.7)

27.0 (4.09)

*1) tmaxは中央値(最小値-最大値).-:該当せず.

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2.7.2 臨床薬理試験

147

表 2.7.2.5-1 薬物動態試験の要約(12/32)

試験番号 試験名 試験

デザイン

対象 被験者数(男/女) 年齢(平均,範囲)

投与方法

カナグリフロジンの薬物動態パラメータ 平均値(標準偏差) 添付資料

番号 Cmax (ng/mL)

tmax*1)

(h) AUC0-24h

(ng·h/mL) t1/2

(h)

DIA1007 [参考資料]

インス

リンと

の併用

試験

ランダム

化,二重盲

検,プラセ

ボ対照,反

復投与,並

行群間比

較試験

2 型糖尿病患者 10 名(7/3)

50.5,35-63

カナグリフロジン 100 mg (食事 10 分前, 1 日 1 回,Day 1~27)

773 (213)

Day 27

4.00 (1.50-6.00)

Day 27

5957 (1580) Day 27

14.7 (4.1)

Day 27

5.3.4.2―2

2 型糖尿病患者 10 名(3/7) 42.7,34-54

カナグリフロジン 300 mg (食事 10 分前, 1 日 2 回,Day 1~27)

3556 (945)

朝投与後 Day 27

2.75 (1.50–3.00) 朝投与後

Day 27

42308 (6461) Day 27

11.8 (2.9)

Day 27

*1) tmaxは中央値(最小値-最大値).

Page 82: 2.7.2 +« Ë.#.0è9 - 医薬品医療機器総合機構 · 2015-05-29 · 2.7.2 +« Ë.#.0è9 68 Z8S>, Day 27 _>E Z S Í?}b ì5 b LSMean bÉÛÎ*L\b jc>* 100 mg b 1 ¥ 1 G Z*L lg

2.7.2 臨床薬理試験

148

表 2.7.2.5-1 薬物動態試験の要約(13/32)

試験番号 試験名試験

デザイン

対象 被験者数(男/女) 年齢(平均,範囲)

投与方法 測定

物質

薬物動態パラメータ 平均値(標準偏差)

幾何平均値の比(%) (90%信頼区間) 機能障害/機能正常 添付資料

番号 Cmax

(ng/mL)tmax

*1) (h)

AUC0-∞

(ng·h/mL)t1/2 (h)

Cmax AUC0-∞

DIA1003 [参考資料]

腎機能

障害者

を対象

とした

臨床薬

理試験

非盲検,単

回投与,多

施設共同,

並行群間

比較試験

正常腎機能者 3 名(1/2)

52,45-61

カナグリフロジン

200 mg(食事 10 分

前)

カナ

グリ

フロ

ジン

1880 (475)

1.00 (0.50-2.00)

14862 (5380)

14.2 (5.21) ― ―

5.3.3.3―1

軽度腎機能障害者 10 名(5/5) 61,42-75

カナグリフロジン

200 mg(食事 10 分

前)

1469 (669)

3.50 (1.00-5.00)

17172 (6075)

22.8 (9.34)

73.18 (49.74, 107.67)

115.48 (83.84, 159.05)

中等度腎機能障害者

9 名(3/6) 61,31-77

カナグリフロジン

200 mg(食事 10 分

前)

1717 (427)

1.50 (1.00-5.00)

18715 (4504)

17.5 (6.11)

90.68 (61.33, 134.07)

128.98 (93.27, 178.38)

高度腎機能障害者 10 名(6/4) 58,29-77

カナグリフロジン

200 mg(食事 10 分

前)

1746 (665)

1.50 (1.00-5.00)

22304 (5566)

23.9 (10.6)

90.42 (61.46, 133.04)

153.10 (111.15, 210.87)

末期腎不全者 8 名(7/1)

43.8,31-56

カナグリフロジン

200 mg(食事 10 分

前,透析 2 時間前)

1433 (509)

2.25 (1.00-6.00)

14205 (3648)

21.4 (12.0)

74.77 (52.44, 106.60)

97.42 (67.24, 141.14)

カナグリフロジン

200 mg(透析終了 1時間後)

1287 (277)

2.00 (1.50-5.00)

13587 (3216)

17.2 (4.9)

68.76 (52.41, 90.23)

93.86 (67.04, 131.40)

*1) tmaxは中央値(最小値-最大値).-:該当せず.

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2.7.2 臨床薬理試験

149

表 2.7.2.5-1 薬物動態試験の要約(14/32)

試験番号 試験名試験

デザイン

対象 被験者数(男/女) 年齢(平均,範囲)

投与方法 測定

物質

薬物動態パラメータ 平均値(標準偏差)

幾何平均値の比(%) (90%信頼区間) 機能障害/機能正常 添付資料

番号 Cmax

(ng/mL)tmax

*1) (h)

AUC0-∞

(ng·h/mL)t1/2 (h)

Cmax AUC0-∞

DIA1003 [参考資料]

腎機能

障害者

を対象

とした

臨床薬

理試験

非盲検,単

回投与,多

施設共同,

並行群間

比較試験

正常腎機能者 3 名(1/2)

52,45-61

カナグリフロジン

200 mg(食事 10 分

前)

M5

749 (85.0)

4.00 (4.00-4.00)

10826 (4896)

9.72 (1.10) ― ―

5.3.3.3―1

軽度腎機能障害者 10 名(5/5) 61,42-75

カナグリフロジン

200 mg(食事 10 分

前)

746 (172)

4.50 (2.00-8.00)

14176 (4871)

20.8 (10.2)

97.38 (60.87, 155.80)

130.91 (64.33, 266.40)

中等度腎機能障害者

9 名(3/6) 61,31-77

カナグリフロジン

200 mg(食事 10 分

前)

1688 (939)

4.02 (2.00-6.00)

33932 (28767)

17.2 (4.59)

202.45 (125.78, 325.83)

271.55 (132.57, 556.25)

高度腎機能障害者 10 名(6/4) 58,29-77

カナグリフロジン

200 mg(食事 10 分

前)

1357 (714)

4.00 (4.00-24.12)

36437 (23912)

22.1 (8.52)

161.17 (100.74, 257.85)

295.31 (145.11, 600.97)

末期腎不全者 8 名(7/1)

43.8,31-56

カナグリフロジン

200 mg(食事 10 分

前,透析 2 時間前)

1628 (689)

6.00 (6.00-6.00)

32238 (22600)

19.4 (9.7)

199.93 (119.68, 334.01)

260.13 (103.06, 656.57)

カナグリフロジン

200 mg(透析終了 1時間後)

1725 (687)

6.00 (5.00-6.00)

33625 (19683)

16.9 (6.2)

216.85 (142.05, 331.03)

290.48 (138.44, 609.49)

*1) tmaxは中央値(最小値-最大値).-:該当せず.

Page 84: 2.7.2 +« Ë.#.0è9 - 医薬品医療機器総合機構 · 2015-05-29 · 2.7.2 +« Ë.#.0è9 68 Z8S>, Day 27 _>E Z S Í?}b ì5 b LSMean bÉÛÎ*L\b jc>* 100 mg b 1 ¥ 1 G Z*L lg

2.7.2 臨床薬理試験

150

表 2.7.2.5-1 薬物動態試験の要約(15/32)

試験番号 試験名試験

デザイン

対象 被験者数(男/女) 年齢(平均,範囲)

投与方法 測定

物質

薬物動態パラメータ 平均値(標準偏差)

幾何平均値の比(%) (90%信頼区間) 機能障害/機能正常 添付資料

番号 Cmax

(ng/mL)tmax

*1) (h)

AUC0-∞

(ng·h/mL)t1/2 (h)

Cmax AUC0-∞

DIA1003 [参考資料]

腎機能

障害者

を対象

とした

臨床薬

理試験

非盲検,単

回投与,多

施設共同,

並行群間

比較試験

正常腎機能者 3 名(1/2)

52,45-61

カナグリフロジン

200 mg(食事 10 分

前)

M7

1420 (60.0)

2.00 (2.00-3.00)

16887 (4988)

22.0 (17.6) ― ―

5.3.3.3―1

軽度腎機能障害者 10 名(5/5) 61,42-75

カナグリフロジン

200 mg(食事 10 分

前)

1255 (482)

4.00 (2.00-6.00)

17669 (5901)

21.6 (8.92)

82.30 (51.78, 130.80)

103.17 (58.53, 181.88)

中等度腎機能障害者

9 名(3/6) 61,31-77

カナグリフロジン

200 mg(食事 10 分

前)

3038 (146)

4.00 (2.00-6.00)

46522 (36263)

16.9 (4.19)

191.16 (119.57, 305.63)

226.60 (127.61, 402.36)

高度腎機能障害者 10 名(6/4) 58,29-77

カナグリフロジン

200 mg(食事 10 分

前)

1699 (530)

3.00 (2.00-6.00)

30780 (14454)

24.8 (14.53)

113.81 (71.61, 180.89)

171.31 (97.18, 302.00)

末期腎不全者 8 名(7/1)

43.8,31-56

カナグリフロジン

200 mg(食事 10 分

前,透析 2 時間前)

2313 (1372)

3.52 (2.00-6.00)

35120 (29380)

22.5 (12.8)

138.50 (70.07, 273.76)

168.82 (75.90, 375.52)

カナグリフロジン

200 mg(透析終了 1時間後)

2038 (1197)

3.00 (2.00-6.00)

32229 (25524)

17.9 (7.1)

127.15 (73.41, 220.22)

164.37 (83.82, 322.32)

*1) tmaxは中央値(最小値-最大値).-:該当せず.

Page 85: 2.7.2 +« Ë.#.0è9 - 医薬品医療機器総合機構 · 2015-05-29 · 2.7.2 +« Ë.#.0è9 68 Z8S>, Day 27 _>E Z S Í?}b ì5 b LSMean bÉÛÎ*L\b jc>* 100 mg b 1 ¥ 1 G Z*L lg

2.7.2 臨床薬理試験

151

表 2.7.2.5-1 薬物動態試験の要約(16/32)

試験番号 試験名試験

デザイン

対象 被験者数(男/女) 年齢(平均,範囲)

投与方法 測定

物質

薬物動態パラメータ 平均値(標準偏差)

幾何平均値の比(%) (90%信頼区間) 機能障害/機能正常 添付資料

番号 Cmax

(ng/mL)tmax

*1) (h)

AUC0-∞

(ng·h/mL) t1/2 (h)

Cmax AUC0-∞

DIA1013 [参考資料]

肝機能

障害者

を対象

とした

薬物動

態理試

非盲検,単

回投与,多

施設共同

正常肝機能者 8 名(5/3)

46.5,40-56

カナグリフロジン

300 mg(食事 10 分

前) カナ

グリ

フロ

ジン

2844 (794)

1.75 (1.00-5.00)

24632 (7132) *2)

14.8 (2.72) *2) ― ―

5.3.3.3―2

軽度肝機能障害者 8 名(5/3)

50.1,36-56

カナグリフロジン

300 mg(食事 10 分

前)

3038 (670)

2.00 (1.00-5.00)

27162 (8609)

17.6 (4.17)

107.49 (84.17, 137.28)

109.57 (85.84, 139.84)

中等度肝機能障害者

8 名(5/3) 55.4,50-62

カナグリフロジン

300 mg(食事 10 分

前)

2810 (1037)

2.00 (1.00-5.00)

26866 (5788)

13.1 (3.05)

95.79 (75.01, 122.33)

110.83 (86.83, 141.46)

正常肝機能者 8 名(5/3)

46.5,40-56

カナグリフロジン

300 mg(食事 10 分

前)

M5

1565 (884)

4.00 (2.00-5.00)

18939 (7318) *2)

14.4 (3.21) *2) ― ―

軽度肝機能障害者 8 名(5/3)

50.1,36-56

カナグリフロジン

300 mg(食事 10 分

前)

1397 (517)

4.00 (1.50-6.00)

21028 (11282)

17.1 (2.44)

93.77 (65.01, 135.26)

105.29 (72.11, 153.73)

中等度肝機能障害者

8 名(5/3) 55.4,50-62

カナグリフロジン

300 mg(食事 10 分

前)

1648 (465)

4.50 (2.00-5.00)

26117 (8778) *2)

12.5 (3.34) *2)

115.18 (79.85, 166.13)

138.86 (93.93, 205.28)

正常肝機能者 8 名(5/3)

46.5,40-56

カナグリフロジン

300 mg(食事 10 分

前)

M7

1913 (986)

2.50 (2.00-6.00)

19513 (8979) *2)

15.6 (2.93) *2) ― ―

軽度肝機能障害者 8 名(5/3)

50.1,36-56

カナグリフロジン

300 mg(食事 10 分

前)

2488 (906)

3.00 (2.00-6.00)

31599 (15477)

18.4 (4.18)

135.01 (91.16 , 199.96)

158.25 (110.80 , 226.03)

中等度肝機能障害者

8 名(5/3) 55.4,50-62

カナグリフロジン

300 mg(食事 10 分

前)

2903 (1125)

4.50 (2.00-6.00)

38953 (7820)

14.0 (3.21)

158.17 (106.79 ,

234.26)

213.19 (149.26, 304.51)

*1) tmaxは中央値(最小値-最大値),*2) 被験者数は 7 名.-:該当せず.

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2.7.2 臨床薬理試験

152

表 2.7.2.5-1 薬物動態試験の要約(17/32)

試験番号 試験名試験

デザイン

対象 被験者数(男/女) 年齢(平均,範囲)

投与方法 測定

物質

薬物動態パラメータ *2) 幾何平均値の比*2) (90%信頼区間)

併用/単独 添付資料

番号 Cmax

(ng/mL) tmax

*1) (h)

AUC0-72h

(ng·h/mL)t1/2 (h)

Cmax AUC0-72h

TA-7284-10[評価資料]

テネリ

グリプ

チンと

の薬物

相互作

用試験

2 施設,非

盲検,Fixed-Sequence,上乗

せ(被相互

作用薬単

回投与,相

互作用薬

反復投与)

試験

健康成人男性 25 名(25/0) 27.4,20-39

カナグリフロジン

200 mg(食事30分前,

単回) カナ

グリ

フロ

ジン

2125.4794(646.5618)

1.5 (1.0-3.0)

15681 (2538)

14.10 (4.77) ― ―

5.3.3.4―1

カナグリフロジン

200 mg(食事30分前,

単回,Day 7)+テネ

リグリプチン 40 mg(1 日 1 回 9 日間)

2053.9118(506.7000)

1.5 (1.0-3.0)

15389 (2436)

13.26 (3.81)*3)

0.982 (0.880, 1.095)

0.982 (0.955, 1.011)

健康成人男性 19 名(19/0) 25.8,22-34

テネリグリプチン 40 mg(食事 30 分前,

単回) テネ

グリ

プチ

458.3 (78.75)

1.0 (0.5-3.0)

3494.3 (534.4)

24.0 (6.5) ― ―

テネリグリプチン 40 mg (食事30分前,

単回,Day 7)+ カナ

グリフロジン 200 mg(1 日 1 回 9 日間)

444.9 (66.58)

1.0 (0.5-2.0)

3457.0 (683.1)

22.1 (4.8)

0.976 (0.903, 1.056)

0.983 (0.940, 1.028)

*1) tmaxは中央値(最小値-最大値),*2) テネリグリプチンの被験者数は 18 名,*3) 被験者数は 24 名.-:該当せず.

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2.7.2 臨床薬理試験

153

表 2.7.2.5-1 薬物動態試験の要約(18/32)

試験番号 試験名試験

デザイン

対象 被験者数(男/女) 年齢(平均,範囲)

投与方法 測定

物質

薬物動態パラメータ 平均値(標準偏差)

幾何平均値の比(%) *5) (90%信頼区間)

併用/単独 添付資料

番号 Cmax

(ng/mL)tmax

*1) (h)

AUC *2)

(ng·h/mL)t1/2 (h)

Cmax AUC0-∞

DIA1002 [参考資料]

エチニ

ルエス

トラジ

オール

及びレ

ボノル

ゲスト

レルと

の薬物

相互作

用試験

単施設,非

盲検,Fixed-Sequence,単回/反復投与

試験

健康成人女性 30 名(0/30) 26.9,18-43

経口避妊薬*3) (空腹時,単回) エチ

ニル

エス

トラ

ジオ

ール

66.8 *4) (24.1)

1.01 *4) (0.5-2.00)

700 *4) (308)

13.6 *4) (5.00) ― ―

5.3.3.4―5

経口避妊薬(空腹

時,単回,Day 9)+カナグリフロジ

ン 200 mg(1 日 1回,Day 4~9,空腹

時)

83.0 (40.1) *5)

1.50 (0.5-2.00) *5)

721 (246) *5)

13.4 (3.91) *5)

122.21 (110.34, 135.36)

106.61 (98.56, 115.32)

経口避妊薬 (空腹時,単回)

レボ

ノル

ゲス

トレ

2.81 (0.96) *4)

1.00 (0.5-2.00) *4)

40.9 (17.3) *4)

31.7 (12.7) *4) ― ―

経口避妊薬(空腹

時,単回,Day 9)+カナグリフロジ

ン 200 mg(1 日 1回,Day 4~9,空腹

時)

3.58 (1.51) *5)

1.00 (0.5-2.00) *5)

43.4 (18.5) *5)

29.2 (10.4) *5)

122.32 (110.70, 135.16)

106.33 (100.02, 113.03)

カナグリフロジン200 mg (空腹時,1日1回,

Day 4~8) カナ

グリ

フロ

ジン

2400 (555) *5)

Day 8

2.00 (1.00-4.00)

*5)Day 8

16490 (4467) *5)

Day 8 ― ― ―

経口避妊薬(空腹

時,単回,Day 9)+カナグリフロジ

ン 200 mg(1 日 1回,Day 4~9,空腹

時)

2213 (563) *5)

Day 9

2.00 (1.00-4.00) *5)

Day 9

15083 (3963) *5)

Day 9 ―

91.57 (84.63, 99.08)

91.39 (88.42, 94.45)

*1) tmaxは中央値(最小値-最大値)*2) エチニルエストラジオール及びレボノルゲストレルは AUC0-∞,カナグリフロジンは AUC0-24h,*3) エチニルエストラジオール 0.030 mg 及びレボノルゲストレル 0.150 mg *4) 被験者数は 28 名,*5) 被験者数は 24 名.-:該当せず.

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2.7.2 臨床薬理試験

154

表 2.7.2.5-1 薬物動態試験の要約(19/32)

試験番号 試験名試験

デザイン

対象 被験者数(男/女) 年齢(平均,範囲)

投与方法 測定

物質

薬物動態パラメータ 平均値(標準偏差)

幾何平均値の比(%) (90%信頼区間)

併用/単独 添付資料

番号 Cmax

(ng/mL)tmax

*1) (h)

AUC0-∞

(ng·h/mL)t1/2 (h)

Cmax AUC0-∞

DIA1009 [参考資料]

シンバ

スタチ

ンとの

薬物相

互作用

試験

単施設,非

盲検,Fixed-Sequence,単回

/反復投与

試験

健康成人 22 名(17/5) 32.1,18-54

シンバスタチン 40 mg(空腹時,単回)

シン

バス

タチ

10.6 (5.95)

1.50 (0.50-5.00)

45.9 (27.6)

5.9 (1.7) ― ―

5.3.3.4―7

シンバスタチン 40 mg(空腹時,単回,

Day 7)+カナグリ

フロジン 300 mg(1日 1 回,Day 2~7,空腹時)

10.7 (4.30)

1.50 (0.50-4.00)

47.2 (16.4)

7.6 (2.7)

109.09 (90.68, 131.25)

112.11 (94.32,133.25)

シンバスタチン 40 mg(空腹時,単回) シン

バス

タチ

ンア

シド

2.13 (1.35)

5.00 (2.00-16.00)

20.6 (11.5)

5.8 (1.6) ― ―

シンバスタチン 40 mg(空腹時,単回,

Day 7)+カナグリ

フロジン 300 mg(1日 1 回,Day 2~7,空腹時)

2.57 (1.41)

5.00 (2.00-10.00)

23.0 (11.6) *2)

5.6 (1.7) *2)

126.10 (109.90, 144.67)

118.26 (103.25,

135.45) *3)

*1) tmaxは中央値(最小値-最大値),*2) 被験者数は 21 名,*3) 被験者数は 20 名.-:該当せず.

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2.7.2 臨床薬理試験

155

表 2.7.2.5-1 薬物動態試験の要約(20/32)

試験番号 試験名試験

デザイン

対象 被験者数(男/女) 年齢(平均,範囲)

投与方法 測定

物質

薬物動態パラメータ 平均値(標準偏差)

幾何平均値の比(%) (90%信頼区間)

併用/単独 添付資料

番号 Cmax

(ng/mL)tmax

*1) (h)

AUC0-∞

(ng·h/mL)t1/2 (h)

Cmax AUC0-∞

DIA1004 [参考資料]

グリブ

リドと

の薬物

相互作

用試験

単施設,非

盲検,Fixed-Sequence,単回

/反復投与

試験

健康成人 29 名(15/14) 30.4,22-44

グリブリド 1.25 mg (食事 10 分前,単

回) グリ

ブリ

33.5 (10.7)

3.00 (1.50-6.55)

192 (58.4)*2)

8.3 (4.6) *2) ― ―

5.3.3.4―6

グリブリド 1.25 mg(食事 10 分前,単

回,Day 9)+カナ

グリフロジン 200 mg(1 日 1 回,Day 4~9,食事 10 分前)

30.4 (8.00)

4.00 (1.00-6.57)

194 (57.5) *3)

6.6 (2.8) *3)

92.89 (85.03, 101.48)

102.25 (97.87, 106.81) *4)

グリブリド 1.25 mg (食事 10 分前,単

回) 3-cis- ヒ

ドロ

キシ

グリ

ブリ

1.46 (0.395)

4.00 (2.00-6.55)

10.3 (3.21) *4)

3.3 (1.5)*4) ― ―

グリブリド 1.25 mg(食事 10 分前,単

回,Day 9)+カナ

グリフロジン 200 mg(1 日 1 回,Day 4~9,食事 10 分前)

1.41 (0.265)

6.50 (2.00-6.57)

10.3 (2.78)*3)

3.0 (0.7) *3)

98.97 (90.76, 107.92)

101.04 (95.77, 106.59) *5)

グリブリド 1.25 mg (食事 10 分前,単

回) 4-trans-ヒド

ロキ

シグ

リブ

リド

4.37 (1.15)

4.00 (3.00-6.55)

33.1 (8.70) *3)

6.2 (4.2) *3) ― ―

グリブリド 1.25 mg(食事 10 分前,単

回,Day 9)+カナ

グリフロジン 200 mg(1 日 1 回,Day 4~9,食事 10 分前)

4.12 (0.849)

6.50 (2.00-6.57)

33.8 (9.46)

5.4 (2.1)

95.74 (87.91, 104.26)

102.52 (96.85, 108.52) *3)

*1) tmax中央値(最小値-最大値)*2) 被験者数は 27 名,*3) 被験者数は 28 名,*4) 被験者数は 26 名,*5) 被験者数は 25 名.-:該当せず.

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2.7.2 臨床薬理試験

156

表 2.7.2.5-1 薬物動態試験の要約(21/32)

試験番号 試験名試験

デザイン

対象 被験者数(男/女) 年齢(平均,範囲)

投与方法 測定

物質

薬物動態パラメータ 平均値(標準偏差)

幾何平均値の比(%)*2) (90%信頼区間)

併用/単独 添付資料

番号 Cmax

(ng/mL)tmax

*1) (h)

AUC0-∞

(ng·h/mL)t1/2 (h)

Cmax AUC0-∞

DIA1016 [参考資料]

ワーフ

ァリン

との薬

物相互

作用試

単施設,非

盲検,ラン

ダム化,2期クロス

オーバー,

反復投与

試験

健康成人 14 名(7/7)

46.9,23-54

ワーファリン 30 mg (空腹時,単回)

S-ワーフ

ァリ

1836 (385)

1.50 (1.00-4.02)

59776 (21012)

30.7 (7.7) ― ―

5.3.3.4―9

ワーファリン 30 mg (空腹時,単回,Day 6)

+カナグリフロジン

300 mg(空腹時,1日 1 回,Day 1~12)

1801 (382) *2)

2.00) (1.00-6.00) *2

58930 (15633) *2)

30.0 (8.1) *2)

100.98 (90.32, 112.89)

106.14 (100.43, 112.18)

ワーファリン 30 mg (空腹時,単回)

R-ワーフ

ァリ

1804 (362)

1.50 (1.00-4.02)

85439 (21928)

39.6 (8.6) ― ―

ワーファリン 30 mg (空腹時,単回,Day 6)

+カナグリフロジン

300 mg(空腹時,1日 1 回,Day 1~12)

1811 (347) *2)

2.00 (1.00-9.00) *2)

86081 (26393) *2)

40.5 (9.6) *2)

102.96 (93.74, 113.09)

100.62 (95.98, 105.50)

*1) tmax中央値(最小値-最大値),*2) 被験者数は 13 名.-:該当せず.

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2.7.2 臨床薬理試験

157

表 2.7.2.5-1 薬物動態試験の要約(22/32)

試験番号 試験名試験

デザイン

対象 被験者数(男/女) 年齢(平均,範囲)

投与方法

ジゴキシンの薬物動態パラメータ 平均値(標準偏差)

幾何平均値の比(%) (90%信頼区間)

併用/単独 添付資料

番号 Cmax

(ng/mL) tmax

*1) (h)

AUC0-24h

(ng·h/mL) Cmax AUC0-24h

DIA1014 [参考資料]

ジゴキ

シンと

の薬物

相互作

用試験

非盲検,ラ

ンダム化,

2 期クロス

オーバー

反復投与

試験

健康成人 18 名(14/4) 31.4,20-45

ジゴキシン(Day 1に 0.5 mg,Day 2~7 に 0.25 mg を 1 日

1 回,空腹時)

1.51 (0.30) *2) Day 7

1.50 (0.50-2.00) *2)

Day 7

17.5 (3.18) *2) Day 7

― ―

5.3.3.4―8 ジゴキシン(Day 1に 0.5 mg,Day 2~7 に 0.25 mg を 1 日

1 回,空腹時)+ カナグリフロジン

300 mg(空腹時,1日 1 回,Day 1~7)

2.05 (0.43) *3) Day 7

1.50 (0.98-2.00) *3)

Day 7

20.8 (3.71) *3) Day 7

135.82 (120.85, 152.64)

119.51 (112.02, 127.51)

*1) tmax中央値(最小値-最大値),*2) 被験者数は 17 名,*3) 被験者数は 16 名.-:該当せず.

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2.7.2 臨床薬理試験

158

表 2.7.2.5-1 薬物動態試験の要約(23/32)

試験番号 試験名試験

デザイン

対象 被験者数(男/女) 年齢(平均,範囲)

投与方法 測定

物質

薬物動態パラメータ 平均値(標準偏差)

幾何平均値の比(%) *2) (90%信頼区間)

併用/単独 添付資料

番号 Cmax

(ng/mL) tmax

*1) (h)

AUC0-24h

(ng·h/mL) Cmax AUC0-24h

DIA1034 [参考資料]

ヒドロ

クロロ

チアジ

ドとの

薬物相

互作用

試験

単施設,非

盲検,Fixed-sequence,2 期

試験

健康成人 30 名(16/14) 43.7,26-55

カナグリフロジン

300 mg(食事 10 分

前,1 日 1 回,Day 1~7)

カナ

グリ

フロ

ジン

3820 (767) Day 7

1.00 (1.00-1.50)

Day 7

25112 (6071) Day 7

― ―

5.3.3.4―11

カナグリフロジン

300 mg(食事 10 分

前,1 日 1 回 Day 29~35)+ヒドロクロ

ロチアジド 25 mg(空腹時,1日1回,

Day 1~35)

4490 (1143) *2) Day 35

1.00 (0.62-2.00) *2)

Day 35

28552 (6016) *2) Day 35

114.86 (105.95, 124.51)

112.24 (107.55, 117.13)

ヒドロクロロチア

ジド 25 mg(食事

10 分前,1 日 1 回,

Day 1~28) ヒド

ロク

ロロ

チア

ジド

154 (33.6) *3) Day 28

1.50 (0.50-3.00) *3)

Day 28

1056 (184) *3) Day 28

― ―

カナグリフロジン

300 mg(食事 10 分

前,1 日 1 回 Day 29~35)+ヒドロクロ

ロチアジド 25 mg(空腹時,1日1回,

Day 1~35)

144 (32.1) *2) Day 35

1.50 (0.62-5.00) *2)

Day 35

1068 (208) *2) Day 35

93.93 (86.97, 101.46)

99.46 (94.85, 104.30)

*1) tmaxは中央値(最小値-最大値),*2) 被験者数は 28 名,*3) 被験者数は 29 名.-:該当せず.

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2.7.2 臨床薬理試験

159

表 2.7.2.5-1 薬物動態試験の要約(24/32)

試験番号 試験名試験

デザイン

対象 被験者数(男/女) 年齢(平均,範囲)

投与方法

メトホルミンの薬物動態パラメータ 平均値(標準偏差)

幾何平均値の比 (90%信頼区間)

併用/単独 添付資料

番号 Cmax

(ng/mL) tmax

*1) (h)

AUC0-∞

(ng·h/mL) Cmax AUC0-∞

NAP1004 [参考資料]

メトホ

ルミン

との薬

物相互

作用試

験(1)

非盲検,Fixed-sequence,単回

(メトホ

ルミン)/反復(カナ

グリフロ

ジン)投与

試験

健康成人 18 名(17/1) 40.3,25-54

メトホルミン 1000 mg(食事 10 分前,

単回)

1120 (202)

1.50 (0.98-4.95)

8550 (1815) *2) ― ―

5.3.3.4―12 メトホルミン 1000 mg(食事 10 分前,

単回,Day 8)+カナグリフロジン

100 mg(食事 10 分

前,1 日 1 回,Day 4~8)

999 (325) *3)

2.50 (0.47-5.00) *3)

8346 (2062) *4)

0.856 (0.729, 1.007)

0.965 (0.819, 1.137)

*1) tmaxは中央値(最小値-最大値),*2) 被験者数は 17 名,*3)被験者数は 16 名,*4) 被験者数は 11 名.-:該当せず.

Page 94: 2.7.2 +« Ë.#.0è9 - 医薬品医療機器総合機構 · 2015-05-29 · 2.7.2 +« Ë.#.0è9 68 Z8S>, Day 27 _>E Z S Í?}b ì5 b LSMean bÉÛÎ*L\b jc>* 100 mg b 1 ¥ 1 G Z*L lg

2.7.2 臨床薬理試験

160

表 2.7.2.5-1 薬物動態試験の要約(25/32)

試験番号 試験名試験

デザイン

対象 被験者数(男/女) 年齢(平均,範囲)

投与方法 測定

物質

薬物動態パラメータ 平均値(標準偏差)

幾何平均値の比(%) (90%信頼区間)

併用/単独 添付資料

番号 Cmax

(ng/mL)tmax

*1) (h)

AUC*2)

(ng·h/mL)Cmax AUC *2)

DIA1028 [参考資料]

メトホ

ルミン

との薬

物相互

作用試

験(2)

非盲検,Fixed-sequ

ence

健康成人 18 名(11/7) 29.2,20-44

メトホルミン IR 2000 mg(食事 10分前,単回)

メト

ホル

ミン

1700 (495)

1.75 (0.50-4.00)

11723 (3493) ― ―

5.3.3.4―10

メ トホ ルミ ン IR 2000 mg(食事 10分前,単回,Day 8)+カナグリフロジ

ン 300 mg(食事 10分前,1 日 1 回,

Day 4~8)

1719 (473) *3)

3.00 (0.50-4.07) *3)

13835 (4068) *4)

105.80 (93.17, 120.15) *4)

119.95 (107.68, 133.62) *5)

カナグリフロジン

300 mg(食事 10 分

前,1 日 1 回,Day 4~7)

カナ

グリ

フロ

ジン

2614 (532) *3)

1.50 (1.00-6.00) *3)

22560 (4175) *3) ― ―

メトホルミン IR 2000 mg(食事 10分前,単回,Day 8)+カナグリフロジ

ン 300 mg(食事 10分前,1 日 1 回,

Day 4~8)

2747 (507) *3)

2.00 (1.00-5.00) *3)

24999 (5418) *3)

105.17 (95.78, 115.78) *4)

109.76 (104.96, 114.78) *4)

*1) tmaxは中央値(最小値-最大値),*2) メトホルミンは AUC0-∞,カナグリフロジンは AUC0-24h, *3) 被験者数は 17 名,*4) 被験者数は 16 名,*5) 被験者数は 15 名. -:該当せず.

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2.7.2 臨床薬理試験

161

表 2.7.2.5-1 薬物動態試験の要約(26/32)

試験番号 試験名試験

デザイン

対象 被験者数(男/女) 年齢(平均,範囲)

投与方法 測定

物質

薬物動態パラメータ 平均値(標準偏差)

幾何平均値の比(%) (90%信頼区間)

併用/単独 添付資料

番号 Cmax

(ng/mL)tmax

*1) (h)

AUC0-∞

(ng·h/mL)t1/2 (h)

Cmax AUC0-∞

DIA1029 [参考資料]

リファ

ンピシ

ンとの

薬物相

互作用

試験

単施設,非

盲検,Fixed-Sequ

ence

健康成人男性 14 名(14/0) 30.3,18-47

カナグリフロジン

300 mg(空腹時,

単回) カナ

グリ

フロ

ジン

2474 (805)

2.00 (1.00-4.00)

21695 (6151)

12.9 (2.42) ― ―

5.3.3.4―2

カナグリフロジン

300 mg(空腹時,

単回,Day 10)+リ

ファンピシン 600 mg(空腹時,1 日 1回,Day 4~12)

1732 (385)

1.79 (1.00-4.00)

10489 (2535)

11.2 (3.22)

71.75 (61.13, 84.21)

48.76 (43.69, 54.43)

カナグリフロジン

300 mg(空腹時,

単回)

M5

2420 (1196)

4.00 (3.00-10.00)

21903 (9556)

12.4 (2.43) ― ―

カナグリフロジン

300 mg(空腹時,

単回,Day 10)+リ

ファンピシン 600 mg(空腹時,1 日 1回,Day 4~12)

3616 (1095)

4.00 (2.00-4.00)

23122 (8944) *2)

13.1 (3.12) *2)

160.69 (134.22, 192.38)

104.12 (92.83, 116.78) *2)

カナグリフロジン

300 mg(空腹時,

単回)

M7

1905 (943)

3.50 (2.00-6.00)

20771 (10728)

13.3 (2.65) ― ―

カナグリフロジン

300 mg(空腹時,

単回,Day 10)+リ

ファンピシン 600 mg(空腹時,1 日 1回,Day 4~12)

2340 (631)

3.00 (2.00-4.00)

13390 (4560) *2)

10.7 (5.23) *2)

131.13 (115.45, 148.93)

67.57 (60.52, 75.44) *2)

*1) tmaxは中央値(最小値-最大値),*2) 被験者数は 13 名.-:該当せず.

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2.7.2 臨床薬理試験

162

表 2.7.2.5-1 薬物動態試験の要約(27/32)

試験番号 試験名試験

デザイン

対象 被験者数(男/女) 年齢(平均,範囲)

投与方法

カナグリフロジンの薬物動態パラメータ 平均値(標準偏差)

幾何平均値の比(%) *2) (90%信頼区間)

併用/単独 添付資料

番号 Cmax

(ng/mL) tmax

*1) (h)

AUC0-24h

(ng·h/mL) Cmax AUC0-24h

DIA1031 [参考資料]

シクロ

スポリ

ンとの

薬物相

互作用

試験

単施設,非

盲検,Single-Seq

uence

健康成人男性 18 名(15/3) 42.1,25-53

カナグリフロジン

300 mg(食事10分前,

1 日 1 回,Day 1~7)

2887 (735)

2.00 (1.00-3.00)

22158 (4203) ― ―

5.3.3.4―3 カナグリフロジン

300 mg(食事10分前,

1 日 1 回,Day 1~8)+シクロスポリン

400 mg(食事10分前,

単回,Day 8)

2923 (467) *2)

4.00 (1.50-6.00) *2)

27819 (5267) *2)

100.81 (91.31, 111.30)

122.98 (118.66, 127.46)

*1) tmaxは中央値(最小値-最大値),*2) 被験者数は 17 名.-:該当せず.

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2.7.2 臨床薬理試験

163

表 2.7.2.5-1 薬物動態試験の要約(28/32)

試験番号 試験名試験

デザイン

対象 被験者数(男/女) 年齢(平均,範囲)

投与方法 測定

物質

薬物動態パラメータ *2) 平均値(標準偏差)

幾何平均値の比(%) *3) (90%信頼区間)

併用/単独 添付資料

番号 Cmax

(ng/mL)tmax

*1) (h)

AUC0-24h

(ng·h/mL) Cmax AUC0-24h

DIA1048 [参考資料]

プロベ

ネシド

との薬

物相互

作用試

単施設,非

盲検,Fixed-Sequ

ence

健康成人 14 名(13/1) 29.1,18-53

カナグリフロジン

300 mg(空腹時,1日 1 回,Day 1~14)

カナ

グリ

フロ

ジン

2699 (814)

Day 14

1.92 (1.42-3.92)

Day 14

21861 (4290) Day 14

― ―

5.3.3.4―4

カナグリフロジン

300 mg(空腹時,1日 1 回,Day 1~17)+プロベネシド 500 mg(空腹時,1 日 2回,Day 15~17)

3105 (680)

Day 17

1.67 (1.42-5.92)

Day 17

26225 (5261) Day 17

113.37 (100.37, 128.06)

120.74 (116.37, 125.27)

カナグリフロジン

300 mg(空腹時,1日 1 回,Day 1~14)

M5

2448 (805)

Day 14

2.92 (2.92-3.92)

Day 14

20789 (7928) Day 14

― ―

カナグリフロジン

300 mg(空腹時,1日 1 回,Day 1~17)+プロベネシド 500 mg(空腹時,1 日 2回,Day 15~17)

3164 (934)

Day 17

3.92 (1.92-5.92)

Day 17

30607 (11801) Day 17

129.45 (116.45, 143.91)

146.33 (135.09, 158.50)

カナグリフロジン

300 mg(空腹時,1日 1 回,Day 1~14)

M7

1676 (611)

Day 14

2.92 (1.92-3.92)

Day 14

16480 (5661) Day 14

― ―

カナグリフロジン

300 mg(空腹時,1日 1 回,Day 1~17)+プロベネシド 500 mg(空腹時,1 日 2回,Day 15~17)

2299 (811)

Day 17

2.92 (1.92-5.92)

Day 17

22405 (7746) Day 17

128.58 (120.37, 137.35)

130.12 (126.11, 134.25)

*1) tmaxは中央値(最小値-最大値),*2) 被験者数は 12 名,*3) 被験者数は 11 名.-:該当せず.

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2.7.2 臨床薬理試験

164

表 2.7.2.5-1 薬物動態試験の要約(29/32)

試験番号 試験名 試験

デザイン

対象 被験者数(男/女) 年齢(平均,範囲)

投与方法

カナグリフロジンの薬物動態パラメータ 平均値(標準偏差) 添付資料

番号 Cmax

(ng/mL) tmax

*1) (h)

AUC0-24h

(ng·h/mL)

DIA1010 [評価資料]

Thorough QT/QTc試験

単施設,ラ

ンダム化,

二重盲検,

ダブルダ

ミー,プラ

セボ対照,Moxifloxacin 対照,4期クロス

オーバー

健康成人 60 名(31/29) 32.0,20-53

カナグリフロジン

300 mg(空腹時,単

回)

2408 (565) *2)

2.05 (1.05-5.07) *2)

18857 (4094) *2)

5.3.4.1―1

カナグリフロジン

1200 mg(空腹時,単

回)

6408 (2034) *3)

3.05 (1.55-6.05) *3)

61196 (17789) *3)

*1) tmaxは中央値(最小値-最大値)*2) 被験者数は 56 名,*3) 被験者数は 55 名.

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2.7.2 臨床薬理試験

165

表 2.7.2.5-1 薬物動態試験の要約(30/32)

試験番号 試験名試験

デザイン

対象 被験者数(男/女) 年齢(平均,範囲)

投与方法 測定

物質

薬物動態パラメータ 平均値(標準偏差) 添付資料

番号 Cmax

(ng/mL) tmax

*1) (h)

AUC0-24h

(ng·h/mL)

DIA1019 [参考資料]

反復投

与にお

ける光

過敏性

試験(2)

単施設,ラ

ンダム化,

盲検下(評

価者及び

被験者),

プラセボ

対照,シプ

ロフロキ

サシン対

照,並行群

間比較試

健康成人 12 名(11/1) 31.5,19-47

カナグリフロジン

100 mg(食事 10 分

前,1 日 1 回,Day 1~6) カナ

グリ

フロ

ジン

1084 (211) Day 4

1.00 (1.00-1.50)

Day 4

6205 (1297) Day 4

5.3.4.1―4 健康成人

12 名(10/2) 37.0,20-56

カナグリフロジン

300 mg(食事 10 分

前,1 日 1 回,Day 1~6)

2806 (840) Day 4

1.00 (1.00-3.00)

Day 4

20131 (3096) Day 4

健康成人 12 名(10/2) 33.8,19-54

シプロフロキサシ

ン 500 mg(食事 10分前,1 日 2 回,

Day 1~6)

シプ

ロフ

ロキ

サシ

1648 (472) 朝投与後

Day 4

1.00 (1.00-1.00) 朝投与後

Day 4

12868 (3168) Day 4

*1) tmaxは中央値(最小値-最大値).

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2.7.2 臨床薬理試験

166

表 2.7.2.5-1 薬物動態試験の要約(31/32)

試験番号 試験名試験

デザイン

対象 被験者数(男/女) 年齢(平均,範囲)

投与方法

カナグリフロジンの薬物動態パラメータ 平均値(標準偏差) 添付資料

番号 Cmax

(ng/mL) tmax

*1) (h)

AUC0-24h

(ng·h/mL)

DIA1020 [参考資料]

反復投

与にお

ける即

時型光

過敏性

試験

評価者盲

検,2 パー

ト試験

健康成人*2) 6 名(6/0)

39.2,21-61

カナグリフロジン

300 mg(食事 10 分

前,1 日 1 回,Day 1~5)

1950 Day 4 *3)

1.5 Day 4 *3)

21214 Day 4 *3)

5.3.4.1―5 カナグリフロジン

300 mg(食事 10 分

前,1 日 2 回,Day 1~5)

4304 (1223) *4) 朝投与後

Day 4

1.07 (1.00-2.00) *4) 朝投与後

Day 4

52454 (8208) *4)

Day 4

*1) tmaxは中央値(最小値-最大値),*2) DIA1011 で即時性の光過敏性反応が陽性であった白人被験者,*3) 被験者数は 1 名,*4) 被験者数は 5 名.

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2.7.2 臨床薬理試験

167

表 2.7.2.5-1 薬物動態試験の要約(32/32)

試験番号 試験名試験

デザイン

対象 被験者数(男/女) 年齢(平均,範囲)

投与方法

カナグリフロジンの薬物動態パラメータ *2)

平均値(標準偏差) 添付資料

番号 Cmax

(ng/mL) tmax

*1) (h)

AUC0-24h

(ng·h/mL)

DIA1047 [参考資料]

血漿量

及び腎

機能へ

の影響

を検討

した試

ランダム

化,二重盲

検,プラセ

ボ対照,並

行群間比

較試験

健康成人 18 名(16/2) 63.3,59-71

カナグリフロジン

300 mg(朝食前,1日 1 回,12 週間)

3863 (1082) Day 85

1.00 (1.00–2.00) Day 85

20824 (5057) Day 85 5.3.4.2―5

*1) tmaxは中央値(最小値-最大値) *2) 被験者数は 17 名.