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第 71 回税理士試験 解答速報 相続税法 本解答は令和 3 年8月 20 14 時に学校法人大原学園が独自に作成したもので、予告なしに内容を変更する場合があ ります。また、本解答は学校法人大原学園が独自の見解で作成/提供しており、試験機関による本試験の結果等について 保証するものではありません。 本解答の著作権は学校法人大原学園に帰属します。無断転用・転載を禁じます。

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第 71 回税理士試験

解答速報

相続税法

本解答は令和 3 年 8 月 20 日 14 時に学校法人大原学園が独自に作成したもので、予告なしに内容を変更する場合があ

ります。また、本解答は学校法人大原学園が独自の見解で作成/提供しており、試験機関による本試験の結果等について

保証するものではありません。 本解答の著作権は学校法人大原学園に帰属します。無断転用・転載を禁じます。

本試験模範解答 相続税法

〔第一問〕-50点-

問1について(35点)

(1) 住所の意義(2点)

住所とは、各人の生活の本拠をいうのであるが、その生活の本拠であるかどうかは、客観的

事実によって判定するものとする。この場合において、同一人について同時に法施行地に二箇

所以上の住所はないものとする。

(2) 贈与税の課税価格について

〔1〕 概要

(1) 令和 3年 4月の父からの贈与(5点)

甲は贈与により財産を取得した時に米国に住所を有し、日本国籍を有している。甲はそ

の贈与前 10年以内に日本に住所を有しておらず、父が非居住贈与者に該当するため、贈

与税の非居住制限納税義務者に該当する。したがって、米国国債は課税財産に含まれず、

土地 2,000 万円が贈与税の課税価格に算入される。

(2) 令和 3年 7月の父からの贈与(4点)

甲は贈与により財産を取得した時に東京都に住所を有しており、日本国籍を有している

ことから、一時居住者でない個人に該当するため、贈与税の居住無制限納税義務者に該当

する。したがって、株式500万円が贈与税の課税価格に算入される。

(3) 令和 3年 9月の祖父からの贈与(4点)

甲は贈与により財産を取得した時に東京都に住所を有しており、日本国籍を有してい

ることから、一時居住者でない個人に該当するため、贈与税の居住無制限納税義務者に

該当する。したがって、現金1,000万円が贈与税の課税価格に算入される。

(4) 令和 3年分の贈与税の課税価格(2点)

2,000 万円+500 万円+1,000 万円=3,500 万円

〔2〕 関連する条文

(1) 贈与税の納税義務者

次に掲げる者は、贈与税を納める義務がある。

① 居住無制限納税義務者(3点)

贈与により財産を取得した次に掲げる者であって、その財産を取得した時において

法施行地に住所を有するもの

(イ) 一時居住者でない個人

(ロ) 一時居住者である個人(贈与者が外国人贈与者又は非居住贈与者である場合を除

く。)

② 非居住無制限納税義務者(2点)

贈与により財産を取得した次に掲げる者であって、その財産を取得した時において

法施行地に住所を有しないもの

(イ) 日本国籍を有する個人であって次に掲げるもの

その贈与前10年以内のいずれかの時において法施行地に住所を有していたこと

があるもの

その贈与前10年以内のいずれの時においても法施行地に住所を有していたこと

がないもの(贈与者が外国人贈与者又は非居住贈与者である場合を除く。)

資格の大原 本文中無断転載禁-1-

(ロ) 日本国籍を有しない個人(贈与者が外国人贈与者又は非居住贈与者である場合を

除く。)

③ 非居住制限納税義務者(3点)

贈与により法施行地にある財産を取得した個人でその財産を取得した時において法

施行地に住所を有しないもの(②を除く。)

(2) 課税財産の範囲・課税価格

① 無制限納税義務者(2点)

居住無制限納税義務者又は非居住無制限納税義務者に該当する者については、その

者が贈与により取得した財産の全部に対し贈与税を課し、その年中において贈与によ

り取得した財産の価額の合計額をもって、贈与税の課税価格とする。

② 制限納税義務者(2点)

居住制限納税義務者又は非居住制限納税義務者に該当する者については、その者が

贈与により取得した財産で法施行地にあるものに対し贈与税を課し、その年中におい

て贈与により取得した財産で法施行地にあるものの価額の合計額をもって、贈与税の

課税価格とする。

③ 年の中途において課税財産の範囲が異なることとなった場合(3点)

贈与により財産を取得した者がその年中における贈与による財産の取得について①

かつ②に該当する場合には、その者については、①の期間内に贈与により取得した財

産の価額及び②の期間内に贈与により取得した財産で法施行地にあるものの価額の合

計額をもって贈与税の課税価格とする。

(3) 用語の意義

① 一時居住者 (1点)

贈与時において在留資格で一定のものを有する者であってその贈与前15年以内にお

いて法施行地に住所を有していた期間の合計が10年以下であるものをいう。

② 非居住贈与者 (2点)

贈与時において法施行地に住所を有していなかった贈与者であってその贈与前10年

以内のいずれかの時において法施行地に住所を有していたことがあるもののうちその

いずれの時においても日本国籍を有していなかったもの又はその贈与前10年以内のい

ずれの時においても法施行地に住所を有していたことがないものをいう。

資格の大原 本文中無断転載禁-2-

問2について(15点)

〔1〕 考えられる課税関係

(1) 特別の法人から受ける利益に対する課税(5点)

令和 3年 4月における個人AからB法人へ贈与された事業資金を原資としたB法人に

よる個人CからのD土地購入については、B法人は個人Cに対して特別の利益を与えて

いると認められるため、(2)の場合を除くほか、個人Cが 5,000 万円(1億円-5,000 万

円)を個人Aから贈与により取得したものとみなされ、贈与税が課税される。

(2) 持分の定めのない法人に対する課税(3点)

上記(1)において、個人Cが個人Aの親族に該当し、かつ、税負担の不当減少に該当し

ているときは、B法人を個人とみなして、1億 2千万円に対して贈与税が課税される。

〔2〕 趣旨(2点)

持分の定めのない法人に対し、贈与等を行うことによる課税回避行為防止のため、これ

らの規定が設けられている。

〔3〕 関連する条文

(1) 特別の法人から受ける利益に対する課税(3点)

持分の定めのない法人で、設立者、社員、理事、監事若しくは評議員、その法人に対

し贈与、遺贈若しくは設立のための提供をした者又はその親族その他これらの者と特別

の関係がある者に特別の利益を与えるものに対して財産の贈与、遺贈又は設立のための

提供があった場合においては、(2)の規定の適用がある場合を除き、その贈与、遺贈又は

設立のための提供があった時において、その法人から特別の利益を受ける者が、その受

ける利益の価額に相当する金額をその贈与、遺贈又は設立のための提供をした者から贈

与又は遺贈により取得したものとみなす。

(2) 持分の定めのない法人に対する課税(2点)

持分の定めのない法人に対し財産の贈与、遺贈又は設立のための提供があった場合に

おいて、その贈与、遺贈又は提供によりその贈与、遺贈又は提供をした者の親族その他

これらの者と特別の関係がある者の相続税又は贈与税の負担が不当に減少すると認めら

れるときは、その持分の定めのない法人を個人とみなして、贈与税又は相続税を課する。

資格の大原 本文中無断転載禁-3-

〔第二問〕-50点-

1 各相続人等の相続税の課税価格の計算

(1) 相続又は遺贈により取得した個々の財産の価額の計算 (単位:円)

財 産 の 種 類 取 得 者 課税価格に算 入される金額

計 算 過 程

宅地G 510,000×0.98=499,800<500,000×1.00=500,000

(配偶者居住権に {(500,000×1.00)+(510,000×0.98×0.10)}×420㎡=230,991,600①

基づく敷地利用権) 230,991,600×150㎡

300㎡=115,495,800

乙 36,843,160① 115,495,800-115,495,800×0.681=36,843,160(円未満四捨五入)

家屋H 9,000,000×1.0=9,000,000

(配偶者居住権) 9,000,000×150㎡

300㎡=4,500,000

乙 3,648,750① 4,500,000-4,500,000×33年-15年-13年

(注)33年-15年×0.681=3,648,750

(注)22年×1.5=33年

(3点)

資格の大原 本文中無断転載禁-4-

(1) 相続又は遺贈により取得した個々の財産の価額の計算(続き) (単位:円)

財 産 の 種 類 取 得 者 課税価格に算

入される金額 計 算 過 程

宅地G 230,991,600×(1-0.7×0.3×150㎡

300㎡ )=206,737,482

C 169,894,322① 206,737,482-36,843,160=169,894,322

家屋H 9,000,000×(1-0.3×150㎡

300㎡ )=7,650,000

C 4,001,250① 7,650,000-3,648,750=4,001,250

(2点)

資格の大原 本文中無断転載禁-5-

(1) 相続又は遺贈により取得した個々の財産の価額の計算(続き) (単位:円)

財 産 の 種 類 取 得 者 課税価格に算

入される金額 計 算 過 程

宅地I {(130,000×1.00)+(130,000×0.97×0.02)+(120,000×1.00×0.02)}

×(注)0.98=132,223(円未満切捨)

(注) 22.5m

8m=2.81 ∴0.98

132,223×180㎡=23,800,140①

90㎡

180㎡ =11,900,070

90㎡

180㎡×(1-0.7×0.3)=9,401,055(円未満切捨)

家屋J 10,000,000×1.0=10,000,000

10,000,000×(1-0.3)=7,000,000

C 3,500,000① 7,000,000×1

2=3,500,000

宅地K (1) 120,000×0.95×600㎡=68,400,000

(2) 120,000×1.00×144㎡=17,280,000

(3) (1)-(2)

456㎡=112,105(円未満切捨)

(4) (3)×(注1)0.94=105,378(円未満切捨)

(注1)① (注2)0.94×1.00=0.94

(注2) 600㎡-456㎡

600㎡=24% ∴0.94

② (注3)0.96×1.00=0.96①

(注3) 30m

8m=3.75 ∴0.96

③ ①<② ∴0.94

(5) (4)×456㎡=48,052,368①

A 45,523,296① 48,052,368-(注4)2,529,072=45,523,296

(注4)48,052,368×80㎡

456㎡×0.3=2,529,072

(6点)

23,800,140× 21,301,125 21,301,125①C

資格の大原 本文中無断転載禁-6-

(1) 相続又は遺贈により取得した個々の財産の価額の計算(続き) (単位:円)

財 産 の 種 類 取 得 者 課税価格に算

入される金額 計 算 過 程

家屋M A 22,000,000① 22,000,000×1.0=22,000,000

附属設備N A - 家屋の評価額に含まれているため評価しない。①

O社株式 (1) 835 (2) 831 (3) 952

1+0.2=793(円未満切捨) (4)

961

1+0.2=800(円未満切捨)

∴ 793

E 15,860,000① 793×20,000株=15,860,000

( ) E 3,172,000① 793×20,000株×0.2=3,172,000

P社株式 F 38,520,000 1,605×24,000株=38,520,000

C 4,815,000 1,605×3,000株=4,815,000

E 729,000① 243×3,000株=729,000

(6点)

株式無償交

付期待権

資格の大原 本文中無断転載禁-7-

(1) 相続又は遺贈により取得した個々の財産の価額の計算(続き) (単位:円)

財 産 の 種 類 取 得 者 課税価格に算

入される金額 計 算 過 程

( )

家庭用財産 乙 2,490,000① 3,090,000-(注)600,000=2,490,000

(注)仏壇は相続税の非課税

その他の財産 D 10,000,000

F 10,000,000

乙 98,751,875① 118,751,875-20,000,000=98,751,875

(注1)(設立のための提供は)措法70の適用なし。

(注2)(宗教法人への贈与は)措法70の適用なし。

(2) 相続又は遺贈により取得した個々の財産(取引相場のないP社株式)の価額の計算

イ 評価方法の判定

同族株主等の判定

87.5%>50% ∴同族株主

取得者の判定

F(F・A・C) 83.75%≧25% ∴中心的な同族株主…原則的評価方式

C(C・A・F) 83.75%≧25% ∴中心的な同族株主…原則的評価方式

E 3.75%<25% ∴中心的な同族株主以外

3.75%<5%、かつ、役員以外…特例的評価方式

(3点)

資格の大原 本文中無断転載禁-8-

ロ 1株当たりの価額の計算 (単位:円)

計 算 過 程

年配当金額

(1,850,000+2,050,000)×1

2(注1)600,000株

=3.25≧2.5 ∴3.25①

(注1) 30,000,000÷50=600,000株

比準要素等

A…① 電気機械器具製造業(中分類)

(イ) 341 (ロ) 342 (ハ) 340 (ニ) 360 (ホ) 330 ∴330

② 製造業(大分類)

(イ) 340 (ロ) 341 (ハ) 369 (ニ) 328 (ホ) 352 ∴328

○B…3.2(0.1円未満切捨)

○C…① 20,500,000

600,000株=34(円未満切捨)

(20,500,000+23,000,000)×1

2

600,000株=36①(円未満切捨)

③ ①<② ∴34

○D…62,520,000

600,000株=104(円未満切捨)

評価額

① 配当還元価額

3.25

10%×

(注2)375

50=243(円未満切捨)

(注2)30,000,000

80,000株=375

② 原則的評価額

(注3)1,107×(注4)0.6+(注5)2,354×(1-0.6)=1,605(円未満切捨)

(注3)(イ) 類似業種比準価額

○イ 電気機械器具製造業(中分類)

330×

3.2

4.2(0.76)+

34

31(1.09)+

104

231(0.45)

3 (0.76)×0.6=150.4①(0.1円未満切捨)

○ロ 製造業(大分類)

328×

3.2

4.5(0.71)+

34

29(1.17)+

104

264(0.39)

3 (0.75)×0.6=147.6

○ハ ○イ>○ロ ∴147.6

○二 ○ハ×375

50=1,107①

(ロ) 純資産価額

○イ (348,000,000-85,680,000)-(148,200,000-85,680,000)=199,800,000

○ロ ○イ×37%=73,926,000

○ハ 348,000,000-85,680,000-○ロ=188,394,000

○ニ ○ハ

80,000株=2,354①(円未満切捨)

(ハ) (イ)<(ロ) ∴1,107

(注4)0.6=0.6 ∴0.6

(注5)87.5%>50% ∴80

100適用なし。

③ ①<② ∴243

(5点)

資格の大原 本文中無断転載禁-9-

(3) 小規模宅地等の特例の計算 (単位:円)

計 算 過 程

イ 特例対象宅地等

乙 宅地G 36,843,160 (注1)66.98㎡

×80%×330㎡=145,194,720 順位②

(注1)420㎡×150㎡

300㎡×

36,843,160

36,843,160+(注2)78,652,640=66.98㎡ やり方①

(注2)230,991,600×210㎡

420㎡-36,843,160=78,652,640

C 宅地G(居住用) 78,652,640 (注)143.01㎡

×80%×330㎡=145,194,720 順位①

(注)420㎡×150㎡

300㎡×

78,652,640

36,843,160+78,652,640=143.01㎡

C 宅地G(貸付用) (注)91,241,682

210㎡×80%×400㎡=139,034,944 順位③

(注)230,991,600×210㎡

420㎡×(1-0.7×0.3)=91,241,682

対象者・対象財産・減額割合・限度面積が合っていて①

C 宅地I(自用部分) 11,900,070

90㎡×50%×200㎡=13,222,300 順位⑤

C 宅地I(貸家建付地部分) 9,401,055

90㎡×50%×200㎡=10,445,616 順位⑥

対象者・対象財産・適用地積・減額割合・限度面積が合っていて①

A 宅地K 45,523,296

456㎡×80%×400㎡=31,946,172 順位④

対象者・対象財産・適用地積・減額割合・限度面積が合っていて①

ロ 減額計算

C 宅地G(居住用) 78,652,640×143.01㎡

143.01㎡×(1-

20

100)=62,922,112

乙 宅地G 36,843,160×66.98㎡

66.98㎡×(1-

20

100)=29,474,528 135,915,457

(注)143.01㎡+66.98㎡≦330㎡

C 宅地G(貸付用) 91,241,682×210㎡

210㎡×(1-

20

100)=72,993,345

A 宅地K 45,523,296×190㎡

456㎡×(1-

20

100)=15,174,432

(注)210㎡+190㎡≦400㎡

(4点)

資格の大原 本文中無断転載禁-10-

(3) 小規模宅地等の特例の計算(続き)

特 例 適 用 対 象 財 産 取 得 者 課税価格から減額される金額(単位:円)

宅地G 乙 △29,474,528

宅地G C △135,915,457

宅地K A △15,174,432

(4) 課税価格から控除すべき債務及び葬式費用の額の計算 (単位:円)

債務及び葬式費用 負 担 者 金 額 計 算 過 程

債務 乙 △3,060,000 保険会社からの借入金はないものとする。

葬式費用 A △4,250,000 3,850,000+100,000+300,000=4,250,000

香典返戻費用、仏具購入費用は控除できない。

香典は贈与税の非課税

(1点)

資格の大原 本文中無断転載禁-11-

(5) 相続又は遺贈によるみなし取得財産の価額の計算 (単位:円)

財 産 の 種 類 取 得 者 課税価格に算

入される金額 計 算 過 程

生命保険金等 25,000,000-5,000,000=20,000,000

乙 5,000,000 20,000,000-15,000,000=5,000,000

9,500,000

10,000,000×9.574=9,574,000

∴ 9,574,000

9,574,000 9,574,000×(4

5+1

5)=9,574,000

同上の非課税金額 乙 5,000,000×3(法定相続人の数)=15,000,000①<20,000,000 ∴15,000,000

相続人でないため適用なし。

生命保険契約に E ― 掛捨保険は評価しない。

関する権利 乙 2,500,000

(債務 免除益 ) Q 4,080,000 4,000,000+80,000=4,080,000

(1点)

資格の大原 本文中無断転載禁-12-

(6) 課税価格に加算する贈与財産(暦年贈与財産)の価額の計算 (単位:円)

贈 与 年 分 受 贈 者 加算される贈

与 財 産 価 額 計 算 過 程

H30 A

0

500,000

現金 5,000,000-(注)5,000,000=0

(注)5,000,000<7,000,000 ∴5,000,000①

上場株式

R1(H31)

2,784,000

1,000,000

V株式会社の株式 1,892×2,000株=3,784,000

3,784,000-1,000,000=2,784,000

その他の利益の享受

R2 Q

2,000,000 現金

(7) 各相続人等の課税価格の計算 (単位:円)

相続人等

区 分 配偶者乙 養子A 養子C D E 養子F ( Q )

相続又は遺贈に

よる取得財産 112,259,257 52,348,864 67,596,240 10,000,000 19,761,000 48,520,000

みなし財産

生命保険金等 5,000,000① 9,574,000①

生命保険契約に

関する権利 2,500,000 ― ①

( 債務免除益 ) 4,080,000①

債務・葬式費用

債務 3,060,000

葬式費用 4,250,000

生前贈与財産の加算額 3,284,000 1,000,000 2,000,000①

課 税 価 格

(千円未満切捨て) 116,699,000 51,382,000 68,596,000 19,574,000 19,761,000 48,520,000 6,080,000

(8点)

資格の大原 本文中無断転載禁-13-

2 納付すべき相続税額の計算

(1) 相続税の総額の計算

課税価格の合計額 遺産に係る基礎控除額 課税遺産額

330,612 千円 30,000+6,000×3(法定相続人の

数)=48,000① 千円 282,612 千円

法 定 相 続 人 法 定 相 続 分 法定相続分に応ずる取得金額 相続税の総額の基となる税額

乙 1

2 141,306 39,522,400

(A・C・F)のうち

1人・E

2×1

2 70,653 14,195,900

合計 3 人 1

(100円未満切捨て)

67,914,200

(2) 各相続人等の納付すべき相続税額の計算 (単位:円)

相続人等

区分 配偶者乙 養子A 養子C D E 養子F

( Q )

算出税額 23,972,267 10,554,872 14,090,966 4,020,884 4,059,297 9,966,961 1,248,951

相続税額の

2割加算額 804,176 1,993,392 249,790

贈与税額控除額 (暦年課税分) △205,542① ― △127,272①

配偶者の

税額軽減額 23,972,267

未成年者控除額 ― 400,000①

障害者控除額 3,600,000①

納付税額 (100円未満切捨て) 0 10,349,300 10,490,900 4,825,000① 3,659,200 11,960,300 1,371,400

(注)相続税額の2割加算金額及び控除額の計算過程は次の(3)に記載する。

(7点)

資格の大原 本文中無断転載禁-14-

(3) 相続税額の2割加算額及び控除額の計算 (単位:円)

加算及び控除項目 対 象 者 金 額 計 算 過 程

相続税額の2割

加算額 804,176 4,020,884×

20

100=804,176

F 1,993,392 9,966,961×20

100=1,993,392

Q 249,790 1,248,951×20

100=249,790

贈与税額控除額 (1) H30(5,000,000+5,000,000-(注)7,000,000+500,000-1,100,000)×15%

(暦年課税分) -100,000=260,000①

(注) 5,000,000+5,000,000=10,000,000≧7,000,000 ∴7,000,000

260,000×5,000,000-5,000,000+500,000

10,000,000-7,000,000+500,000=37,142

(2) R1(H31)(2,784,000-1,100,000)×10%=168,400

A 205,542 (3) (1)+(2)=205,542

C - R1(H31) 1,000,000-1,100,000<0 ∴0

R2 (1) (2,000,000-1,100,000)×10%=90,000

(2) (3,500,000-1,100,000)×15%-100,000=260,000

(3) (1)+(2)=350,000

Q 127,272 350,000×2,000,000

2,000,000+3,500,000=127,272

配偶者の税額軽

減額 (1) 23,972,267

(2)

67,914,200×(注)116,699,000

330,612,000 =23,972,267

(注)① 330,612,000×1

2=165,306,000≧160,000,000 ∴165,306,000

② 116,699,000

③ ①>② ∴116,699,000

乙 △23,972,267 (3) (1)≦(2) ∴23,972,267

(3点)

やり方①

資格の大原 本文中無断転載禁-15-

(3) 相続税額の2割加算額及び控除額の計算(続き) (単位:円)

加算及び控除項目 対 象 者 金 額 計 算 過 程

未成年者控除額 ― 法定相続人でないため適用なし。①

E 400,000 100,000×(20歳-16歳)=400,000

障害者控除額 C 3,600,000 100,000×(85歳-49歳)=3,600,000

(1点)

資格の大原 本文中無断転載禁-16-

□合格ラインの読み□

理論については2問体制で、問1、問2ともに事例形式での出題でした。読み取りに時間を要

し、非常に難度の高い問題でした。また、一昨年、昨年と同様に税制改正に関する内容も問われ

ておりました。

計算については、例年と同様に総合問題での出題で、非常にボリュームが多い問題でした。難

度も非常に高く、得点しにくい問題でした。解答可能な項目を、適切に選択して解答することが

ポイントとなり、解答スピード及び精度の高さが求められる試験となっておりました。

以下、各問の合格ラインについて簡単に触れることにします。

〔第一問〕

1.問1の理論問題は、贈与税の課税価格を論点とした事例問題でした。事例が複雑で読み取

りに時間を要する問題でしたが、贈与税の課税価格を求めるための基となる贈与時点ごとの

納税義務者の判定については、正確に合わせておきたいところです。関連する条文も問われ

ていましたが、時間の許す限り万遍なく触れ、加点を狙う必要がありました。ただ、答案用

紙の解答スペースに限りがあり、何を優先して解答すべきかの取捨選択は必要であったと思

われます。また、(1)において「相続税法における住所の意義」という基本通達の内容が問

われていましたが、解答できなくても合否に影響はないものと思われます。大原では、全国

統一公開模擬試験において、贈与税の納税義務者に関する類似事例問題を出題していました

ので、(2)については十分に対応ができたのではないかと思います。

2.問2の理論問題では、持分の定めのない法人に対する贈与を起点とする贈与税の課税関係

が事例形式で問われていました。本問は、難度が高く、何を解答すればよいのか見当がつか

ないという方が多かったのではないかと推察されます。「持分の定めのない法人」や「特別

の利益」といったキーワードから、持分の定めのない法人に対する課税や特別の法人から受

ける利益に対する課税についての規定部分を解答できれば、十分なアドバンテージになると

思われます。

〔第二問〕

計算問題は、財産評価を中心とした総合問題でした。個々の財産評価では、宅地に関して

「不整形地(旗竿状の宅地)」「区分地上権が設定されている場合の宅地」などの論点が出

題されておりました。取引相場のない株式に関しては、基本的な内容が出題されておりまし

た。これらの項目及び「生命保険金等」や「生命保険契約に関する権利」などのみなし取得

財産、生前贈与加算における「負担付贈与」、債務控除、税額控除などの論点に関して、正

確に解答しておきたいところです。難度の高い項目として、配偶者居住権等(一部賃貸)、

小規模宅地等の特例などが挙げられますが、これらは正答できなくても、合否には大きな影

響がないものと思われます。過去の本試験で一、二を争うボリュームの多さであり、最終値

まで辿り着くことは困難であったと思われますので、学習済みの項目をいかに正答できたか

がポイントになります。

全体としてのボーダーラインは理論 27 点、計算 28 点、合計 55 点前後になると思われ、合格確

実ラインは合計 65点以上になると思われます。

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資格の大原 本文中無断転載禁-19-