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2016/1/27 1 Jan. 27 th 2016 静岡産業大学 平成27年度全学ラーニングメソッド研究会 創造性を育成するためのアクティブラーニングの実際 ~VEを用いた革新的な解の創出法の教授~ 幸男 [email protected] サレジオ工業高等専門学校 機械電子工学科 教授 博士(工学)・VEスペシャリスト Jan. 27 th 2016 静岡産業大学 平成27年度全学ラーニングメソッド研究会 自己紹介 幸男(もり ゆきお) サレジオ工業高等専門学校 機械電子工学科 教授 副校長(教育担当) 教務主事 博士(工学) 上級教育士(工学・技術) VEスペシャリスト (日本バリュー・エンジニアリング協会認定の専門家資格) 専門分野 ディジタル信号処理 生体信号処理、統計的信号処理、音響信号処理 ディジタルフィルタの設計 教育工学 創造性教育 「生体情報と感性研究会」世話人として活動中 Bioinstrumentation, Affective Computing and Humanware Engineering (BACH) 1 Jan. 27 th 2016 静岡産業大学 平成27年度全学ラーニングメソッド研究会 アクティブラーニング Bonwell&Eison,1991 アクティブラーニング-教室に躍動を生み出す- より アクティブラーニングの一般的特徴 a. 学生は、授業を聴く以上のかかわりをしていること b. 情報の伝達より学生のスキルの育成に重きが置かれていること c. 学生は高次の思考(分析、総合、評価)に関わっていること d. 学生は活動(例:読む、議論する、書く)に関与していること e. 学生が自分自身の態度や価値観を探求することに重きが置かれていること 2 アクティブラーニングの定義 「学生にある物事を行わせ、行っている物事について考えさせること」 テレビでマラソンを見ているだけではマラソンランナーになれないのと同じように、 科学でも、教師がやっているのを見ているだけではなくて、科学する思考プロセスを 経験しなければならない(E.Mazur, 2009) Jan. 27 th 2016 静岡産業大学 平成27年度全学ラーニングメソッド研究会 アクティブラーニング 中央審議会答申, 2012 新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けて ~生涯学び続け、主体的に考える力を育成する大学へ~ 用語集より 教員による一方向的な講義形式の教育とは異なり、学修者の能動的な 学修への参加を取り入れた教授・学習法の総称。学修者が能動的に学 修することによって、認知的、倫理的、社会的能力、教養、知識、経 験を含めた汎用的能力の育成を図る。発見学習、問題解決学習、体験 学習、調査学習等が含まれるが、教室内でのグループ・ディスカッ ション、ディベート、グループ・ワーク等も有効なアクティブ・ラー ニングの方法である。 3 「大学教育再生加速プログラム」のスタート Acceleration Program for University Education Rebuiding : AP) アクティブラーニングの普及へ 創造性教育の手段と して活用されている

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Jan. 27th 2016 静岡産業大学 平成27年度全学ラーニングメソッド研究会

創造性を育成するためのアクティブラーニングの実際~VEを用いた革新的な解の創出法の教授~

森 幸男 [email protected]

サレジオ工業高等専門学校 機械電子工学科 教授

博士(工学)・VEスペシャリスト

Jan. 27th 2016 静岡産業大学 平成27年度全学ラーニングメソッド研究会

自己紹介

森 幸男(もり ゆきお)

● サレジオ工業高等専門学校 機械電子工学科 教授

● 副校長(教育担当) 教務主事

● 博士(工学)

● 上級教育士(工学・技術)

● VEスペシャリスト(日本バリュー・エンジニアリング協会認定の専門家資格)

● 専門分野

ディジタル信号処理 生体信号処理、統計的信号処理、音響信号処理ディジタルフィルタの設計

教育工学 創造性教育

● 「生体情報と感性研究会」世話人として活動中Bioinstrumentation, Affective Computing and Humanware Engineering (BACH)

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Jan. 27th 2016 静岡産業大学 平成27年度全学ラーニングメソッド研究会

アクティブラーニング

Bonwell&Eison,1991アクティブラーニング-教室に躍動を生み出す- より

● アクティブラーニングの一般的特徴

a. 学生は、授業を聴く以上のかかわりをしていること

b. 情報の伝達より学生のスキルの育成に重きが置かれていること

c. 学生は高次の思考(分析、総合、評価)に関わっていること

d. 学生は活動(例:読む、議論する、書く)に関与していること

e. 学生が自分自身の態度や価値観を探求することに重きが置かれていること

2

アクティブラーニングの定義「学生にある物事を行わせ、行っている物事について考えさせること」

テレビでマラソンを見ているだけではマラソンランナーになれないのと同じように、科学でも、教師がやっているのを見ているだけではなくて、科学する思考プロセスを経験しなければならない(E.Mazur, 2009)

Jan. 27th 2016 静岡産業大学 平成27年度全学ラーニングメソッド研究会

アクティブラーニング

中央審議会答申, 2012新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けて~生涯学び続け、主体的に考える力を育成する大学へ~用語集より

● 教員による一方向的な講義形式の教育とは異なり、学修者の能動的な学修への参加を取り入れた教授・学習法の総称。学修者が能動的に学修することによって、認知的、倫理的、社会的能力、教養、知識、経験を含めた汎用的能力の育成を図る。発見学習、問題解決学習、体験学習、調査学習等が含まれるが、教室内でのグループ・ディスカッション、ディベート、グループ・ワーク等も有効なアクティブ・ラーニングの方法である。

3

「大学教育再生加速プログラム」のスタート(Acceleration Program for University Education Rebuilding : AP)

アクティブラーニングの普及へ

創造性教育の手段として活用されている

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Jan. 27th 2016 静岡産業大学 平成27年度全学ラーニングメソッド研究会

アクティブラーニングの実情

実際にアクティブラーニングを行うと…

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学生の考えを止めてしまう 少なからず存在する 大多数の学生の傾向

適切なファシリテーションが必要である

出典:中尾政之, 濱口哲也, 草加浩平, 創造設計の技法, 日科技連, 2008

Jan. 27th 2016 静岡産業大学 平成27年度全学ラーニングメソッド研究会

アクティブラーニング失敗の分析(結果編)

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出典:文科省「産業界ニーズに対応した教育改善・充実体制整備事業」アクティブラーニング失敗事例 ハンドブック, 2014

Jan. 27th 2016 静岡産業大学 平成27年度全学ラーニングメソッド研究会

アクティブラーニング失敗の分析(原因編)

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出典:文科省「産業界ニーズに対応した教育改善・充実体制整備事業」アクティブラーニング失敗事例 ハンドブック, 2014

Jan. 27th 2016 静岡産業大学 平成27年度全学ラーニングメソッド研究会

アクティブラーニングを成功に導くためには

失敗原因の解決

● (学生)目的喪失

● (学生)知識技能不足

● (教員)価値観の固執

● (教員)授業準備不足

● (大学と教員)組織能力不足

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学生側の問題を、双方から解決していく必要がある

教員側の問題

keyword:ファシリテーション

本気で解決するには手間のかかる問題である→ 創造性教育に着目

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Jan. 27th 2016 静岡産業大学 平成27年度全学ラーニングメソッド研究会

創造性の育成とアクティブラーニング

どんな創造力を育成したいのか?

● そもそも創造力とは…

知識・経験を解体結合し、新しい知識を生み出す力(Von Fange, Professional Creativity(創造性の開発),1959)

● 創造力を育成するには…

発見学習、問題解決学習、体験学習、調査学習(アクティブラーニングの手法が用いられている)

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場を提供するだけで満足していないだろうか?

場を提供するだけ= 学生の気付きに期待する教育

= 育成ではない!

ではどう育成するのか?Jan. 27th 2016 静岡産業大学 平成27年度全学ラーニングメソッド研究会

サレジオ高専で育成する創造力

創造力の再定義

● 知識・経験を解体結合し、新しい知識を生み出す力↓

グループとして知識・経験を解体結合し、新しい知識を生み出す力↓

チームを作り上げる

創造力を育成するための機能(機能系統図)

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創造力を育成する

知識を詰め込む

経験を与える

知識・経験を解体する

(見える化する)

知識・経験を組み合わせる

アイデアを創り出す

適切なアイデアを選択する

従来の座学で十分 訓練でできるようになる 明確な手段が無い

機能が相互に作用するためコツが要る → そこでVE !

グループになることで多様化でき客観性を持った活動ができる

Jan. 27th 2016 静岡産業大学 平成27年度全学ラーニングメソッド研究会

VE(Value Engineering)の導入

製品やサービスの「価値 V」を、それが果たすべき「機能 F」とそのためにかける「コスト C」との関係で把握し、システム化された

手順によって「価値」の向上をはかる手法

VEの実施手順

● 機能定義 それは何か?/その働きは何か?

● 機能評価 そのコストはいくらか?/その価値はどうか?

● 代替案作成 他に同じ働きをするものはないか?/そのコストはいくらか?/それは必要な機能を確実に果たすか?

「それは何か?」という問いかけから得られた基本機能の代替案を考えるので、既存の形にとらわれない発想や具体化が期待できる

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参考: 日本バリューエンジニアリング協会(VEとは)http://www.sjve.org/ve/summary/

改革的解の創出の可能性Jan. 27th 2016 静岡産業大学 平成27年度全学ラーニングメソッド研究会

改革的解の創出の可能性

「それは何か?」という問いかけから得られた基本機能の代替案を考えるので、既存の形にとらわれない発想や具体化が期待できる

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Jan. 27th 2016 静岡産業大学 平成27年度全学ラーニングメソッド研究会

知識・経験の組み合わせ/適切なアイデアの選択とVEの関係

VEでは、対象を機能(使用者が求める内容・働き )に分解することで、主たる効果に落とし込める。

(例) 自動洗濯機の機能

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衣類を清潔に保つ

衣類の汚れを落とす

衣類の水分を除く

操作を容易にする(自動化のための機能)

上位機能(目的)

下位機能(手段)

それぞれが独立した機能→ 主たる効果に分解された

→ 相互作用が薄まる→ 検討しやすくなるため、

代案を創出しやすくなる組み合わせが容易になる

機能どうしの相互作用は、VEの特徴である「価値」を評価することで加味できる

適切なアイデアの選択ができる

才能によらず、訓練でスキル向上可能 → 創造性の育成となる

Jan. 27th 2016 静岡産業大学 平成27年度全学ラーニングメソッド研究会

サレジオ高専の設置学科

各学科(除デザイン学科)におけるエンジニアリング・デザイン教育

サレジオ高専における創造性教育(エンジニアリング・デザイン教育)

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1年 2年 3年 4年 5年 専1年 専2年

専攻演習

工学基礎(全学科))

工学実験(全学科))

工学実験(全学科)

工学実験(全学科)

工学実験(EE,CS)

創造演習(ME)

創造演習(ME)

創造演習(ME)

創造設計学(ME)

卒業研究(全学科)

特別研究 特別研究

VE手法の教授

Jan. 27th 2016 静岡産業大学 平成27年度全学ラーニングメソッド研究会

教授手段

製品開発のValue Engineering (VE)を利用する

● 対象テーマ:アウトドア用トースター

使用上の問題や販売、製造上の問題等を検討し、方向性を確認する

● VEの基本ステップに沿った改善実習

機能定義

機能評価

代替案作成

● グループ活動による多様化と客観性・合意形成

VE手順ごとに見える化を行いその都度論議する

授業ごとに得られた知識について相互に共有(振り返り)

代替案(提案)の模型作成、実演

スケジュール管理の報告(反省による学習効果がある)

90分×15回で実施

14 Jan. 27th 2016 静岡産業大学 平成27年度全学ラーニングメソッド研究会

実践例「それは何か?」テーマの確認①

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対象テーマ名 アウトドア用トースター

テーマ選定の背景(学生へ提示)

● 昨今の健康志向から、アウトドア生活に対しての需要が増加しており、コストや機能に優位なグッズが要求されている。

● 今回、VE手法を駆使して、商品の全面的な見直しを行い、売り上げ増大につなげたい。

使用上の情報(使用者の要求事項)(制約条件として学生へ提示)

● 食パン2枚を同時に焼きたい。

● なるべく焼きむらがないようにしてほしい。

● 両面を早く(短い時間で)焼けるようにしてほしい。

● 強風の中でも安定して焼きたい。

● 持ち運びを容易にしたい。ドラマチックな演出による興味付け

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実践例「それは何か?」テーマの確認②

販売上の情報(制約条件として学生へ提示)

● 他メーカー品は当社と同等の価格で使用部品の品質を向上し、耐久性に優れた製品を販売している。

● グッズとしての魅力を向上することで「山ガール」に受ける商品としたい(販路拡大を狙いたい)。

製造上の情報(制約条件として学生へ提示)

● 部品の加工、組立は外注であり、今回の検討からは外す。

● 複雑な板金加工は多数の金型が必要でありコスト高の一因となっている。(金属用金型は、一式あたり¥400,000である)

● 現在の生産量は、月産1万個の実績がある。

コスト目標(制約条件として学生へ提示)

● 現行コストは¥1,000であり、販売価格は¥2,000である。改善におけるコスト目標は、現行の半分の¥500とする。

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実践例「それは何か?」部品構成の確認

(注)価格は教員側で勝手に設定しています

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Jan. 27th 2016 静岡産業大学 平成27年度全学ラーニングメソッド研究会

実践例「その働きは何か?」機能の定義の例

VEにおける機能

● 使用者が求める内容・働き = 基本機能

グループメンバーの多様性が発揮され、解体(機能への展開)が効果的に行われる

単なるグループがチームへと発展

目的意識が形成される(A.L.特徴の c, d)

c. 学生は高次の思考(分析、総合、評価)に関わっていることd. 学生は活動(例:読む、議論する、書く)に関与していること

18 Jan. 27th 2016 静岡産業大学 平成27年度全学ラーニングメソッド研究会

実践例「その働きは何か?」機能系統図の例

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アウトドア用トースター

赤外線を出す

熱を受ける

熱を赤外線に変換する

熱を分散する

熱風を対流させる 直火との距離を保つ

形状を維持する

保持棒を保持する

剛性を高める

可搬性を保つ

パンを保持する

パンの位置を固定をする

焼く位置を一定にする

見栄えを良くする 経年変化を防ぐ

構成要素の個々の機能を、目的-手段で体系化

本質(本当に必要な機能/ムダや問題点)を視覚化し、メンバー間のコミュニケーションを向上する

機能分野F1

主たる効果に分解された

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実践例「そのコストはいくらか?」コスト分析「その価値はどうか?」対象分野の選定

機能別コスト分析の目的

● 必要な機能を果たすために、現行でいくら費やされているか?

機能評価値の決定

● その機能を達成するために、本来いくらであればよいのかを決める(機能評価値を定める)

対象分野の選定

● 価値の低い機能分野を選定する(努力すべき優先順位を決める)

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価値の程度 F = 機能評価値 / 現行コストコスト低減余地 C= 現行コスト - 機能評価値

優先的に改善すべき機能分野価値の程度Fが低いコスト低減余地Cが高い 集中と選択の実行

(重点指向)

Jan. 27th 2016 静岡産業大学 平成27年度全学ラーニングメソッド研究会

実践例「その価値はどうか?」対象分野の選定例

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機能分野機能評価値

F [円]現行コスト

C [円]価値の程度

F/Cコスト低減余地

F-C [円]優先順位

赤外線を出す 150 400 0.38 250

熱風を対流させる 140 220 0.64 80

形状を維持する 30 40 0.75 10

可搬性を保つ 40 60 0.67 20

パンを保持する 100 220 0.45 120

見栄えを良くする 40 60 0.67 20

合計 500 1,000

機能分野機能評価値

F [円]現行コスト

C [円]価値の程度

F/Cコスト低減余地

F-C [円]優先順位

赤外線を出す 150 400 0.38 250 1

熱風を対流させる 140 220 0.64 80 3

形状を維持する 30 40 0.75 10

可搬性を保つ 40 60 0.67 20

パンを保持する 100 220 0.45 120 2

見栄えを良くする 40 60 0.67 20

合計 500 1,000

「価値」という尺度で、相互作用についても加味できている

Jan. 27th 2016 静岡産業大学 平成27年度全学ラーニングメソッド研究会

実践例「ほかに同じ働きをするものはないか?」アイデア発想

優先順位1:赤外線を出す● 熱効率を上げる

● 火を集める

● 面積を増やす

● 材質を変える

優先順位3:熱風を対流させる● 穴をあける

● 風車

● 通り道を作る

● 温度差を作る

優先順位2:パンを保持する● はさむ

● 刺す

● ぶら下げる

● 覆う

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ひらめく力を育てたい

発想のコツの教授が必要

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実践例「ほかに同じ働きをするものはないか?」アイデア発想のコツ

ある程度時間がたつとアイデアの出方が飽和する

↓アイデアの数を増やす工夫を!

・アイデア発想の注目点を下位機能にする・アイデア発想のチェックリストを使う

発想技法の活用● 自由連想法

ブレーンストーミング法 批判厳禁・自由奔放・質より量・改善結合

欠点(利点)列挙法 欠点に注目し、その改善を思考する

● 強制連関法

チェックリスト法 定型的な問いかけ(大きくしたら?)

特性列挙法 名詞的特性、形容詞的特性、動詞的特性

● 類比発想法

シネクティクス法

ゴードン法

NM(中山正和)法

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アイデア量

時間

何もしないと飽和する

アイデア発想の工夫

ファシリテーターの問いかけが効果的

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実践例「そのコストはいくらか?」「それは必要な機能を確実に果たすか?」 概略評価と具体案作成

個々のアイデアについて価値向上の可能性のあるアイデアを選ぶ(概略評価:技術面、経済面からの評価 → 捨てずに育てる!)

選択したアイデアを組み合わせて価値向上が期待できる具体案を作成する

利点欠点分析+欠点克服アイデア発想を繰り返し、洗練する

代替案の価値が向上することを、技術的、経済的な面から詳細に評価して、具体案完成とする

アイデア利点欠点

分析+ 洗練化

欠点克服アイデア

定められた手順で、誰でもアイデアを組み合わせることができる

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実践例「そのコストはいくらか?」「それは必要な機能を確実に果たすか?」 具体案の作成例

具体案の例1

火を集める → 刺す → 穴をあける⇒V字状のとげを円錐表面につける

具体案の例2

材質を変える → はさむ → 温度差を作る

⇒軽石の団子状のとぐろ

Ⅰ案

Ⅱ案

代替案1a

代替案1b

機能分野F1

代替案2a

代替案2b

機能分野F2

代替案3a

代替案3b

機能分野F3 総合案

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実践例 提案VE手順により得られた成果を提案する

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実践例 試作・プレゼンと検証

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まとめ

アクティブラーニングは、学生の問題と教員の問題を双方から解決しなければ成功しにくい(keyword:ファシリテーション)→ 創造性教育に着目した

活動の場を提供するだけでは、創造力を育成するとは言えない

VE(Value Engineering)手法を導入した創造性教育(エンジニアリング・デザイン教育)を実践し、実例を示した

VE導入によって以下の成果を得た

● 才能によらず、訓練でスキル向上が可能ろなる

● グループとしての創造力育成が実現できる

本取組が、アクティブラーニングを続ける人材(アクティブラーナー)の育成につながると期待している

28 Jan. 27th 2016 静岡産業大学 平成27年度全学ラーニングメソッド研究会

(付録)管理工学における手法の比較

女屋登, “VE実践のためのノウハウ・テクニック”, バリュー・コンピテンシー, No.24, pp.16-19, Dec.2010

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