2013.12.21 第五回ニコニコ学会β研究100連発伊福部スライド
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伊福部達 東京大学・高齢社会総合研究機構
「感覚脳」の福祉工学ニコニコ学会 2013 年 12 月21 日
モノ作り
ナゾ解き
「聞く、話す、見る」を助ける
循環 循環
警報音+声
「アイヌ」の歌と「ゴジラ」の音楽 -「福祉工学」研究の原風景-
川北紘一氏提供
故郷のアイヌ集落(二風谷)と熊祭り
映画「ゴジラ」の場面と音楽
医療工学
福祉工
学
障害を克服
快適な生活
生命を維持
社会に参加
支援の対象
福祉工学とは
4 つの課題に挑戦
1.「聴く」を助ける 触知ボコーダ
2.「聴く」を助ける 音声タイプライタ
3.「話す」を助ける 人工喉頭
4.「見る」を助ける 超音波メガネ
「聴く」を助ける ー指で聴く「触知ボコーダ」ー
( NHK 総合 TV 「指で聴いたアイウエオ」 1975 年)
音声を表示する触覚ディスプレイ( 48 チャンネル)
触覚で言葉が分かるのか?
麻雀の盲パイの分析→ パターンの動きが重要
一音一音発声した声をかな文字する(伊福部研から生まれたベンチャー企業との共同開発、1977販売)
「聴く」を助ける「音声タイプライタ」-中途失聴者からの依頼-
( 1983 年出版)
HBC ニュース( 1982頃)
TBS 「おはようクジラ」( 1998 年頃)
32kByte, 3Mhz, Z80(CPU)
しかし、高価で売れなかった
「話す」を助ける ー代用発声の音色ー
食道発声(ゲップ音で話す) 人工喉頭(のどに
振動、フラットな音)
北海道文化放送ニュース( 2002 年頃)
ヒトの声の抑揚を旨く真似ている
NHK 教育「 VR は福祉だ」(( 1994 )
なぜ!どうやって?
「見る」を助けるコウモリをモデルとした超音波メガネ
キクガシラコウモリ( CF-FM )をモデルに
NHK 教育「ジュニア文化、人工の目、耳」 1980 年頃
なぜ!どうやって?
Final appraisal何かにぶつかりそうになる
First perception 何かがあるような感じ
障害物は気配で分かる? 「ナゾ」
どうも「音」で分かるらしい!
障害物知覚の2つのステップ
NHK 総合「解体新ショー」( 2009 )
「聴く、話す、見る」を助ける機器から多くの「ナゾ」が生まれた
その「ナゾ」はとても深く、「モノ」は売れない!
聞く 見る話す
支援機器作り
多くのナゾが生ま
れ
戻っては来たが、研究室の居場所がない!君のは学問でない!「人工の耳」を学ぶためスタンフォード大学行きの準備(1984)
その前に、 100 年前のカラフトアイヌの歌の再生依頼
蝋管から聞こえる 100 年前の声 ~樺太アイヌの歌~
アイヌ音楽の例(ムックリと歌)
ポーランドで発見されたロウ管レコード( 73本)
NHK特集「ユーカラ沈黙の 80 年」(1985)
ロウ管の歌の再生装置
サファイア針による再生
レーザによる再生
NHK特集「ユーカラ沈黙の 80 年」(1985)
ヤエカテカラ(恋の歌)
樺太アイヌの全盲の 83歳のお婆さんの記憶がよみがえる
アイヌの人たちは文字を持っていなかったので、の歌で歴史や心情を伝えていた
再生された歌の例
シャーマン(神と人の通訳者)
アイヌのシャーマンの声を聴いた孫の記憶がよみがえる
記憶がよみがえる?
「聴く」を助ける人工内耳米国スタンフォード大学における共同研究 ( 1984年)
聴神経 (16,000本 )
電極 (8個 )
内耳の蝸牛管
ボランティア(67歳)
金属性の雑音にすぎない、でも21世紀のために・・・・2,3週間後に「声」になった!
脳内の情報の流れが見えてきた
機能の代償(失われた感覚を補う )
脳の可塑性(脳の特性が変わる )
声は脳で聞き、記憶がよみがえる
脳内の流れを変えても、聞きたい欲
望
(端的に盲ろう者で現れる)
言葉の構築
言葉の理解
言葉の表出
触覚
触覚パターン
視覚
大脳左半球と旧皮質
聴覚
電気刺激
再び挑戦してみようか
スタンフォード大学のプロジェクトは解散
福島智助教授(現教授)福島智助教授(現教授)■ 9歳のとき視力喪失9歳のとき視力喪失■ 1818歳のとき聴力喪失歳のとき聴力喪失(夢も指点字で・・)(夢も指点字で・・)
盲ろう者(福島先生)の指点字ー東大・バリアフリー PJ での共同研究ー
東大・先端研( 2001~)
言葉の構築 言葉の
理解
言葉の表出
触覚
触覚パターン
視覚
大脳左半球と旧皮質
文字
脳内の情報の流れTBS テレビ「情熱大陸」( 2005 )
脳が変わる「可塑性」の力!
盲ろう者が歌を取り戻す( 2006 )
40歳のときに聴力と視力を失う((謡いの先生、当時 67歳)
東大・先端研( 2001~)
言葉の構築 言葉の
理解
歌の表出
触覚
触覚・歌パターン
視覚
大脳左半球と旧皮質
触覚 - 脳 - 発声がループを描く
「聴く」を助ける音声字幕システム-世界障害者会議( DPI) より依頼( 2002.10 )-
2004 年当時
ヒトと機器の共同作業
ネットワークを使うと
皆が使うものにすると売れる?
「読む」を助けるスクリーンリーダ ~ 3倍近く速い音声を聞き取る? 「ナ
ゾ」~
言語脳の可塑性と潜在能力文字を高速音声に非文字を触覚情報
触覚ジョグダイアル
NHK 総合 TV ニュース( 2005 )
NHK 教育「ホワイトボックス」( 2009 )
2つの感覚を併用するともっと良い
呼吸で声の高さを制御
「話す」を助ける抑揚制御型人工喉頭の製品化
トップシェアで販売、ヒトの適応能力のすごさ
NHK 教育「にんげんゆうゆう」( 2000 )
歌も歌える
「話す」を助ける「構音障害」「失語症」の支援
腹話術師が舌の動きだけで全ての声を出す仕組み舌の動き 指の動き
笑い声なども
笑い声も
ヒトの学習能力のすごさ
「感情表現の増強」
ヒッチコック監督の映画「サイコ」 (1960)
恐怖感、不安感の増強「ゴジラ」 (1956) の音楽のイントロ破壊場面の予測
映画音楽を参考
「場面の連続と予測」
緊急地震速報チャイムの制作( 2007 )
交響曲「シンフォニア・タプカーラ」
3 楽章冒頭部Vivace
アイヌ集落の熊祭りと踊り「タプカーラ」
和音(ドン!)
トリル!オリジナルの圧縮
機械的な音に変換( タプ 3和音編曲2 )
和音(ドン、地震)
トリル的繰り返し(津波)
電子音にしてトリルを加える
機械的な音を速く+トリル
( タプ 3和音編曲 6)
( タプ 3和音編曲 7)
緊張感・不安感・難聴者
東日本の巨大地震の直後、激しく鳴り響く
○管弦楽曲にする人も!
再び、日常の研究生活へ
○著書も生まれた( 2012 )
脳内の潜在感覚に訴える力の凄さ!!
「話す」を助けるウェアラブル装置・スマホの実用化
首バンド型ウェアラブル人工喉頭
アイ・アプリ「ゆびで話そう」発売( 2013.5 )
テレビ朝日「ビフォーアフター」( 2013 . 8 )
腹話術師
指の動き
舌の動き
カメラ画像
マイク音響
「聞く、見る、話す」を助けるバリアフリー携帯触覚センサと触覚ディスプレイを兼ねる双方向インタフェース
触覚双方向通信
全盲者が文字を読む例
例:気配を感じる「驚異の聴覚」
ナゾはますます増え、 循環は果てしなく続く
聞く 見る話す
モノ作り
ナゾ解き
脳の可塑性、未知の潜在能力が見えてくる
NHK 教育「サイエンスゼロ」( 2010 )
そこから新しい「モノ作り」が生まれる
ヒトの肉体はますます長持ちするが、感覚や脳はそうもいかない → 将来、誰もが必要となる「モノ作り」になる
この分野の面白さを知ってもらい、挑戦してくれる人が増えてくれれば幸い!
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