2. プレゼンテーション ·...

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2. プレゼンテーション グループワークのテーマ: 「健康とは」 グループ編成: 1 グループ 67 名 ×14 グループ)×2 クラス グループ名: A01A14B01B14 チューター担当: 1 名のチューターが原則として 2 グループを担当 1) 講義概要 グループワーク開始前 1. プレゼンテーションに求められる能力 2. プレゼンテーションの要素 3. 発想促進の技法(KJ 法、ブレインストーミング、マインドマップ、ロジックツリー) 4. 良いプレゼンテーション、悪いプレゼンテーションとは? 5. 話し方(プレゼンテーション)の構成 6. コミュニケーションの 3 つの要素 7. グループワークのテーマ紹介 中間発表後のフィードバック講義 8. プレゼンテーションを上手に行うには? 9. 評価の視点 なぜその調査テーマを選んだのか? 発表内容は理解できたか? (構成力) グループとして議論を尽くした形跡が見られたか? (内容構築力) 伝えたいという熱意は感じられたか? (伝達力) 新しい情報を得て、得した気がするか? 10. 改善のポイント テーマに対する自己検証を十分に行う 情報収集は分担しても、発表の際は的を絞る 11. 最終プレゼンテーションに向けての発表内容の検証 2) グループワークの流れ 1. グループワーク 2 2. 中間発表会(2 日間) 全てのグループが発表(1 グループ 8 分+質疑応答 4 分、3 分割して実施) 3. フィードバック講義 4. グループワーク 3 5. 最終発表会(2 日間) 全てのグループが発表(1 グループ 5 分) 学生、チューターがそれぞれ決められた項目に従って評価 8

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2. プレゼンテーション

グループワークのテーマ: 「健康とは」 グループ編成: (1 グループ 6~7 名 ×14 グループ)×2 クラス グループ名: A01~A14、B01~B14 チューター担当: 1 名のチューターが原則として 2 グループを担当

1) 講義概要

グループワーク開始前 1. プレゼンテーションに求められる能力 2. プレゼンテーションの要素 3. 発想促進の技法(KJ 法、ブレインストーミング、マインドマップ、ロジックツリー) 4. 良いプレゼンテーション、悪いプレゼンテーションとは? 5. 話し方(プレゼンテーション)の構成 6. コミュニケーションの 3 つの要素 7. グループワークのテーマ紹介

中間発表後のフィードバック講義 8. プレゼンテーションを上手に行うには? 9. 評価の視点

なぜその調査テーマを選んだのか? 発表内容は理解できたか? (構成力) グループとして議論を尽くした形跡が見られたか? (内容構築力) 伝えたいという熱意は感じられたか? (伝達力) 新しい情報を得て、得した気がするか?

10. 改善のポイント テーマに対する自己検証を十分に行う 情報収集は分担しても、発表の際は的を絞る

11. 終プレゼンテーションに向けての発表内容の検証

2) グループワークの流れ

1. グループワーク 2 回 2. 中間発表会(2 日間)

全てのグループが発表(1 グループ 8 分+質疑応答 4 分、3 分割して実施) 3. フィードバック講義 4. グループワーク 3 回 5. 終発表会(2 日間)

全てのグループが発表(1 グループ 5 分) 学生、チューターがそれぞれ決められた項目に従って評価

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3) 各グループが設定したタイトルと発表スライド

A01 快適な睡眠のすゝめ

~現代社会を乗り切るステキな方法~

B01 薬を使うか迷ったときに薬を使うべき

か??

A02 栄養補助食品と大学生の健康

B02 睡眠~睡眠障害と健康~

A03 ストレスと健康

B03 笑いと健康

A04 健康の定義

B04 ファーストフードは危険なのか

~マクドナルドについて~

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A05 ダイエットをしよう!

~健康になるために~ B05 WE LOVE MUSIC

A06 よりよい睡眠のために

B06 健康食品で健康になれるのか!?

~一人暮らしのあなたへ~

A07 健康の定義とは

B07 かしこくサプろう!

A08 食生活を見直そう!!!

B08 心の動きと健康

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A09 大学生池くんの一日

~How to cope with stress~

B09 菜食主義は健康にいいのか?

A10 集団的な感染症対策

-鳥インフルエンザに向けて-

B10 「健康」は誰が決めるのか?

A11 ヒトはなぜ3食なのか

B11 病気の人の健康とは

A12 香りと健康

B12 心の健康

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A13 amour et santé

B13 健康の維持

―サプリメントとの上手な付き合い方―

A14 気軽にできるメタボ対策

B14 WHAT IS たばこ?~健康への架け橋~

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4) アンケートの実施と結果-プレアンケート

Pre 【プレゼンテーション-1】

グループNo. 学籍番号 氏名( )

Ⅰ. これまでプレゼンテーションをした経験は? 該当する番号に○印をつけてください。 1.したことがない 2.したことがある 2-1.数え切れないくらい 2-2.10 回以上 2-3.4〜9 回くらい 2-4.2,3 回 2-5.1 回 3.わからない 3-1.何がプレゼンテーションかわからない 3-2.その他 Ⅱ. Ⅰの質問で 2 と答えた人にお尋ねします。 プレゼンテーションをしたのはいつですか? どんな場で? その内容は? ひとりでしたか?グループでしたか? 覚えている範囲でお答え下さい。

時期 機会 内容 1 人 or グループ

(例)中 3 の春 保健の授業で 地震対策について グループで

Ⅲ. Ⅰの質問で 2 と答えた人にお尋ねします。(自己評価で結構です) 自分はプレゼンテーションが、 □得意 □比較的得意 □何とも言えない □比較的不得意 □不得意 Ⅳ. Ⅰの質問で 2 と答えた人にお尋ねします。 プレゼンテーションの方法や準備について学んだことが □ある □少しある □何とも言えない □ない 「ある」「少しある」と答えた方、具体的にはどんなことですか? ( ) Ⅴ. Ⅰの質問で 2 と答えた人にお尋ねします。 プレゼンテーションのスキルはこれからの人生で、 おおいに役に立つ □役に立つ □少し役に立つ □わからない □役に立たない □まったく役に立たない Ⅵ. 全員にお尋ねします。(自己評価で結構です) 自分は人とコミュニケーションを取るのが、 □とても好き □好き □比較的好き □苦にはならない □何とも言えない □比較的苦手 □苦手

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<アンケート結果>

Ⅰ. これまでプレゼンテーションをした経験は?

プレゼンテーション経験の度合い A 組 B 組 合計(人) %

1 したことがない 33 39 72 39.1% 2-1: 数え切れないくらい 0 1 1 0.5% 2-2: 10 回以上 3 6 9 4.9% 2-3: 4~9 回くらい 7 5 12 6.5% 2-4: 2,3 回 21 12 33 17.9%

2 したことが

ある

2-5: 1 回 15 20 35 19.0% 3-1: 何がプレゼンテーションか分か

らない 14 8 22 12.0% 3 分からな

い 3-2: その他 0 0 0 0%

計 93 91 184 100%

Ⅱ. Ⅰの質問で 2(プレゼンテーションをしたことがある)と答えた人(90 名)にお尋ねします。 いつ?どんな場で?その内容は?1人 or グループ?

時期 機会 内容 1 人 or グループ

小学 6 年生 総合 環境問題 グループ 中学 3 年生 自由研究 錬金術 1 人 高校 1 年生 情報 修学旅行の行き先 グループ 高校 1 年生 地理 スリランカ民族紛争 グループ 高校 2 年生 情報 地元自慢 1 人 高校 2 年生 英語 Food Culture グループ 高校 2 年生 保健 運動 グループ 高校 3 年生 倫理 自己表現 1 人 高校 3 年生 選択科目・ディベート さまざま グループ 高校 3 年生 パソコンの授業 家 1 人 高校 3 年生 総合学習 三国志研究 1 人

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Ⅱ. Ⅰの質問で 2(プレゼンテーションをしたことがある)と答えた人(90 名)にお尋ねします。 自分はプレゼンテーションが得意だと思いますか?

自己評価 A 組 B 組 合計(人) %

得意 0 0 0 0% 比較的得意 1 3 4 4.4% 何ともいえない 24 21 45 50.0% 比較的不得意 17 15 32 35.6% 不得意 3 4 7 7.8% 無回答 1 1 2 2.2%

計 46 44 90 100%

Ⅳ. Ⅰの質問で 2(プレゼンテーションをしたことがある)と答えた人(90 人)にお尋ねします。 プレゼンテーションの方法や準備について学んだことが、ありますか?

A 組 B 組 合計(人) %

ある 5 1 6 7% 少しある 17 6 23 26% 何ともいえない 17 27 44 49% ない 4 9 13 14% 無回答 3 1 4 4%

計 46 44 90 100%

Ⅴ. プレゼンテーションのスキルは、これからの人生で役に立つと思いますか?

A 組 B 組 合計(人) %

大いに役に立つ 35 19 54 29.3% 役に立つ 36 58 94 51.1% 少し役に立つ 8 0 8 4.3% わからない 12 14 26 14.1% 役に立たない 1 0 1 0.5% まったく役に立たない 1 0 1 0.5% 無回答 0 0 0 0%

計 93 91 184 100%

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VI.人とコミュニケーションをとるのが、好きですか?

7 とても好き 19 10.3% 6 好き 38 20.65% 5 比較的好き 48 26.09%

→57.1%

4 苦にはならない 34 18.48% 3 何ともいえない 26 14.13% 2 比較的苦手 16 8.70% 1 苦手 3 1.63%

→10.3%

計 184

5) アンケートの実施と結果-ポストアンケート

Post 【プレゼンテーション-1】

グループNo. 学籍番号 氏名( )

A. プレゼンテーションに対する認識が、

□おおいに変わった □変わった □少し変わった □変わらない □まったく変わらない

B. プレゼンテーションのスキルはこれからの人生で、

□おおいに役に立つ □役に立つ □少し役に立つ □わからない □役に立たない

●プレゼンテーションに対する認識の変化をみる

プレアンケート ポストアンケート 認識の変化度 人数 % 人数 %

大いに変わった % 11 6.0% 変わった % 48 26.1% 少し変わった % 94 51.1% 変わらない % 27 14.7% まったく変わらない 3 1.6% 無回答 % 1 0.5%

合計 184

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●プレゼンテーションのスキルはこれからの人生で役立つか?

プレアンケート ポストアンケート 人数 % 人数 %

6 大いに役立つ 54 29.3% 69 37.5% 5 役に立つ 94 51.1% 98 53.3% 4 少し役に立つ 8 4.3% 11 6.0% 3 分からない 26 14.1% 5 2.7% 2 役に立たない 1 0.5% 0 0.0% 1 まったく役に立たない 1 0.5% 1 0.5%

合計 184 184

●5 段階評価によるアンケート グループワークについて

①グループディスカッションに参加しましたか? 4.31 ②自分の考えを言えましたか。 4.05 ③自分の意見をグループのメンバーに旨く伝えることが出来ましたか。 3.49 ④メンバーの意見を受け容れることができましたか。 4.45 ⑤グループをまとめることができましたか。 3.34

この授業の総合評価 4.00 ●自由記述によるアンケートより抜粋 グループワークやプレゼンテーションの授業からあなたは何を学びましたか? 1) グループワークについて

• グループワークの難しさ、楽しさ、グループで一つのものをつくる難しさとそれが出来たときの達成感。49名(以後、数字は人数)

• グループワークやプレゼンテーションは楽しい。 • 他人の意見を取りいれ、共感的態度やどうしたら自分の意見を入れて貰えるかという構成の力を身につ

けた。 • 協調性の大切さ。15 • グループの誰かがやってくれると考えるのではなく、自分から積極的に議論に加わらないとグループが

纏まらないことが分かった。2 • 積極的参加が大事。12 • 自分の意見をしっかり持って、それを相手に伝えることができないとテーマに対する考えが甘くなってし

まう。 • 人それぞれであること、この人も多分そうだろうと言う考え方は全く通用しない(多様性)。21 • 相手を受け入れることの重要性。23 • 多様性が新鮮だった。物事を多面的に見ることが出来るようになり、自分を見つめ直すことができた。 • 他人に自分の意見を伝えることの難しさ。36 • コミュニケーションの大切さ。11 • メンバーの絆が深まり、人を思いやる気持ちを大切に出来た。5 • 複数の人と議論することによって、自分では見えなかったことが見えてくる。4 • 真剣に議論することの大切さを学んだ。 • グループワークの楽しさ、発表してからフィードバックを貰える充実感。2

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2)プレゼンテーションについて • KJ法やブレスト、マインドマップなどが有効であること。3 • プレゼンテーションの大切さ、自分たちの発表をどのように伝えたらいいのかを学んだ。22 • 以前はプレゼンやグループワークの能力は先天的なものと思っていたが、学習により向上させることがで

きることが分かった。 • アサーションが印象的だった。8 • アサーションに留意した発言をしたのに、相手がキレたときの悲しみ。 • 人前で話すことに抵抗感が無くなった。 • 人前で意見をいうことが苦手であったが、今回で人は自分の意見を受け容れてくれるんだなと感じた。 • 自分の意見を言うタイミングが旨くなった。 • 誰かに何かを伝えるときにひとつのメッセージを確定し、提示することが重要であることを学んだ。メッセ

ージがないと単に調べたことを発表するだけになってしまう。

この授業をもっとあなたにとって有益なものにするための改善点は何ですか? 1)グループワークについて

• 自分の意見をもっと言った方が良かった。意見が言えるようになりたい。17 • グループワークの時間が短すぎる。22 • もっと真剣に取り組む。2 • 意見をまとめるスキルが必要である。 • 全員でまとめ・スライドを作成する時間が必要である。 • もっと他人の意見に耳を傾けるようにしたい。 • 自分の意見をもっと柔らかく人に伝えられるようになれば良いと思う。議論すると熱くなり、攻撃的になっ

てしまう。 • 1人1人が自分の考えを持って、参加すべきだ。4 • 授業時間外の情報伝達方法。2 • グループワークに参加できない人がいたのが残念だった。 • 発言しやすい環境を作る。10 • 司会・進行係は難しい。ファシリテータースキルを学びたい。6 • どんなに薄い壁もない方が良い。 • グループの人数が多すぎる。3 • 少数意見じっくり聞ける機会があっても良いのではないか。

2)発表について • 5分の発表は短すぎる。5 • 発表の時間配分に気を付ける。2 • 1人1人の発表の機会があった方が良い。2 • プレゼンを全学年でやって欲しい。他のグループの意見も聞きたかった。

6) 担当教員のコメント-最終プレゼンテーションに寄せて

例年にない本年度の傾向として感じたのは、手元に資料を持っての発表であっても、聞き取りやすく落

ち着いた声で話している人が多かった点です。発表することに慣れているという印象を受けました。その

一方で、かなり早い段階から、自分たちのゴールを決めてしまって、そこに向かっての作業になってしまっ

ているグループも散見されました。議論して自分にはない考えに触れ、受け入れ、視野が広がるという体

験をどのグループももっと愉しんで欲しかったと感じています。 ともあれ、グループで議論を尽くすことで、一人では考えつかないような展開が図れたグループは、誰

の評価がどうであれ、それだけでもおおいに価値があったと言えるでしょう。 調べたことをただ紹介するのであれば、サイトを紹介すれば良いでしょう。そこに自分たちなりの切り方

が鮮明に見えてこないと、プレゼンテーションする意味がないと思います。自分たちがそのテーマを選び、

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こだわる、その問題意識は何なのか、そこにこそ時間を費やして議論をして欲しかったと思います。時に

迷走しても、活発に議論が行われたグループは、その成果(思考の深化過程)をしっかりと感じ取ることが

出来ました。 プレゼンテーション・コミュニケーション担当 後藤惠子

A-1 快適な睡眠のすすめ

インパクトのあるデータを用いて、それを自分たちの身近な問題へとつなげていく展開はとても良かっ

たです。 「居眠りは睡眠時間の長さではなく、睡眠の質による」という仮説を立てて、「環境」「就寝前の工夫」を

紹介しています。この仮説自体の説得力が、プレゼンテーション全体の説得力にもつながります。「睡眠

時間が長いのに眠くなるという人も多いはず」というのは、感覚的には理解はできますが、仮説の裏付け

に当たる部分はしっかりした根拠を示すとよいでしょう。その後の質の良い睡眠のための対策の紹介が、

より説得力が増したと思います。 「同じ睡眠時間でも熟睡が得られるための工夫」はより良い大学生活を送るもののためという締めくくり

は、なかなか良かったです。 A-2 栄養補助食品と大学生の健康

中間発表から本発表まで切り口を巡って検討がなされ、単なる調べ学習に終わらず自分たちの身近な

テーマへとたどり着いた変遷がよく理解できました。 会場からの質問にもありましたが、非使用者の 42 名が不健康である要因をもっているというのは、極論

すぎると思います。せっかくランダムに選んだ 55 名に質問に答えてもらうのであれば、質問内容をあらか

じめ熟考しておくと良かったですね。本人の食生活の偏り(コンビニ弁当の頻度など)、栄養補助食品を

摂っている理由などにも答えてもらえば、「美容目的よりむしろ健康を意識していた」という結論以外にも、

実態調査として厚みが増したと思います。 とはいえ、テーマ変更から短い時間でここまでまとめたことはおおいに評価に値します。

A-3 ストレスと健康

プレゼンテーションと同じ日にストレスのテストがあるということで、その試験対策的なものも含まれており、

対象者のニーズを意識したという点では評価に値するでしょう。 しかし、その内容は、授業内容に若干のプラスαがあるだけで、グループでの討議が十分行われた形

跡がみられず残念です。討議が迷走して苦肉の策ということも考えられますが、残念でした。次回の機会

には、もっとグループでいろいろと話し合って欲しいと思います。 A-4 健康の定義

発表者は手元の資料を読むこともなく、自分の言葉で会場に向かって説明していた点が印象的でした。

将来、医療者として人々の健康と関わるのに、「健康」という曖昧な状態を明確に定義づけておきたいとい

う思いもよく理解できました。またオタワ憲章までよく調べましたね。しかし、すべての人に健康を実現する

ためのヘルスプロモーションの憲章で取り上げられた「健康のための基本的な条件と資源」を 低限度の

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健康と考えるのは無理があり、医療者が足りない部分を補足するというのも、飛躍しすぎているように感じ

ました。基本的な条件と資源は 低必要条件であって、これらが整ったからといってすべての人が健康と

は言えず、テーマとして挙げた健康の定義には結びつかないのではないでしょうか。また、オタワ憲章は

先進国を中心にはしていますが、世界を視野におさめたヘルスプロモーション憲章であり、これをもとに

各国がヘルスプロモーションの戦略や計画を設定するためのものです。テーマにこだわるか、途中で興

味を持ったオタワ憲章にこだわるか、選択が必要であったように思います。医療者が関わることのできる領

域はどこかという視点で考えていっても、より説得力のある展開になったのではないでしょうか。 後に挙

げられた参考文献を見ると、グループ内では、色々な意見を持った人がいたように思います。より議論す

ることでさらによいプレゼンテーションになったと思います。 A-5 ダイエットをしよう ~健康になるために~

リスク(肥満→病気)軽減の手段としてのダイエットを、日常生活を支える睡眠、運動、食事の 3 要素か

ら見た点はとても分かりやすかったです。ですが、オリジナリティーが弱いという印象は拭えませんでした。

健康の獲得、維持にダイエットが重要とわかっていても、ダイエットがうまく行かない理由などに視点を変

えても面白かったように思います。 A-6 よりよい睡眠のために

発表の流れは、睡眠の必要性→ 適睡眠時間(死亡率との創刊相関)→より良い睡眠のための食物、

寝具と進み、自然に話の内容が耳に届くような無理のない展開でした。 「睡眠を助ける食物」を提示した 9 枚目のスライドでは、口頭での説明はありましたが、それぞれのビタミ

ン等と睡眠の関係が示されておらず、不親切に感じました。 グループではどこに一番面白さを感じたのでしょうか? どこに、オヤッという疑問を感じたのでしょう

か? 会場からも質問があがっていましたが、「なぜ寝すぎても死亡率は高くなるのでしょうか?」 次回、

機会があれば、まとめることより、自分たちなりの興味を追求するような発表に挑戦してみませんか? A-7 健康の定義とは?

「病気でなければ健康か? 何の病気でなくても不調を感じる時がある」という素朴な疑問から、「健康

をテーマにと言われてもその健康自体の概念が曖昧である」とし、健康の定義自体に取り組もうとしたこと

はとても良い着眼だと思います。WHO の定義がわかりにくいので、様々な人にインタビューを実施し、そ

の中から健康をどのように把握しているか、具体的に捉えようとした試みも良かったです。短い発表時間と

言う制約はあるものの、WHO の定義について理解しようとしたが、ここが難解だったという具体的な議論

の過程を少だけでも示すことで、安直にインタビューには走ったのではないという説得力が増したように感

じました。また、インタビュー対象者をどのように選んだのか、指針が示されていると良かったです。 客観と主観の双方があって健康という結論には納得がいきます。そこに至る説明が、インタビューの対

象が 40 代の医者だから客観的というのは少々無理があると感じました。あとひとりでも、「検査データが良

いとき、調子がよいと感じる」というような具体的なコメントがあれば納得がいきました。

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A-8 食生活を見直そう 中間発表からさらに的を絞り、調べ学習にならない方法として、メンバーの1週間の食事を調べ、中でも

もバランスの取れてないメニューを取り上げ、どのようにすればバランスが取れるかを調べていました。

発表はひとりでしたが、過程において全員が関わってきたことがわかるし、非常に具体的で参加者にとっ

ても身近で参考になるプレゼンだったと思います。木村先生の質問にもありましたが、生活習慣病といわ

れるように、習慣となった生活を変えるのはきわめて難しいことです。生活習慣病予備軍ともいえる青木君

の炭水化物中心の食習慣をいかにすれば行動変容まで結び付けられるかを考えれば、現代の疾病構造

に変化を来すためのより意義深い発表になったと思います。 A-9 大学生池君の一日 ~How to cope with stress~

中間発表の不思議な面白さは減少したものの、導入時に概要を示すなど、聞き手に理解を促す工夫

がなされていたところが良かったです。ストレスへの対処能力の高い仮想池君でしたが、同じ出来事でも

人によってはストレスになることもならないこともあります。問題をどう認知するかという認知の癖によっても

ストレスの度合いは異なります。そのあたりも踏まえるともう少し深みが出たように感じました。しかし、オリジ

ナリティーへの追求姿勢はすばらしいものがありました。 A-10 集団的な感染症対策 ~鳥インフルエンザに向けて~

現在の鳥インフルエンザ対策として生かせる過去の感染症の例として SARDS の例をあげ、具体的な

東京都の対策を紹介し、また、個人として何ができるかということまで言及されており、よく考えられた展開

でした。質問についても的確な回答が準備されており、資料を十分読み込んだであろうと推察できました。

私にとっては新しい知識であったので、興味深く聞くことができましたが、なにかひとつでも具体的にイメ

ージ可能な例示をしたり、インパクトのある数字を提示するなどの工夫することで、より魅力が増したように

思います。 A-11 ヒトはなぜ 3 食なのか

ヒトはなぜ 3 食なのかというテーマに、一番抜きやすい朝食を挙げ、朝食を食べるのと食べないのでは

どう違うかという展開へと切り替えています。切り替えることに対して、朝食欠食率のデータを提示して説

得力を増すなど、意外に細かい計算がなされていました。二食派の意見を紹介した上で、欠食の危険性

を説き、 後にこれまで日本人は一日二食だったと思われているが、平安時代から三食だったと、想定反

論にも準備がされています。 とてもよくまとめられていますが、少し面白みにかける印象をもちました。二

食と三食に焦点を絞るのであれば、6 分間グループを 2 つに分けてディベート形式でプレゼンするなど

色々と紹介の仕方に工夫があっても良かったかしれませんね。 A-12 香りと健康

薬と違うのに、本当に香りが心のトラブルや身体の不調を整えるのか?と言う素朴な疑問からテーマを

選んだことはよくわかりました。発表は、成分、効能、特徴、作用機序、代表的な芳香分子リモネンの作用、

医療現場での使われ方、世界との比較、アロマテラピーの本質的な考えなど、アロマの全体像を把握す

ることができました。その分破綻がなく、インパクトも若干少なくなったように思います。こんなこともアロマ

で治療されているとか、日本の医療の場で用いられている事例や欧米の事例などの紹介があっても良か

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ったように思います。 当初の疑問に対して、自分たちなりのきちんとした理解を提示しているところは気持ちの良いまとめでし

た。 A-13 amour et santé

初からのテーマにこだわり続け、「恋愛は人体にどんな影響を与えるのか」という中間発表では曖昧

であった部分に取り組んだ姿勢がよかったです。今後どのようにまとめていくのか、興味と期待、若干の不

安を抱きながら 終発表を聞きました。 埼玉医科大学免疫学松下教授のインタビュー記事を見つけたことで一気にまとめの方向に向かったよ

うですね。その内容をただ引用するだけではなく、薬学生にふさわしく自分たちなりの図表化を試みたり、

起承転結をつけたところがとても良かったです。恋愛と免疫というキーワードでは研究例が見出せなくとも、

免疫力強化に関する他の研究など引用し、もう少し説得力を高める工夫があってもよかったように思いま

した。しかし、落ち着いた良い発表でした。 A-14 気軽にできるメタボ対策

メタボは本当に悪いのかという疑問からテーマの選択が行われたと言うことでした。メタボの考えに否定

派もいるという前提の割には、「メタボ群と非メタボ群の死亡率には明らかな差がある!!」というひとこと

で、気軽にできるメタボ対策に入ってしまったのは、とても残念に感じました。もう少し、否定派の意見に対

しても反証してみるなど、 初の疑問を大切にしてもよかったのではないかという気がしました。 具体的には階段をゆっくり昇降する、立って姿勢を正すなどの工夫は興味深く聞くことができました。

B-1 薬を使うか迷ったときに、薬を使うべきか?

着眼は面白いし、これから薬について専門家になる勉強をする者にとっては、一度考えておくと良いテ

ーマであるという考えには納得がいきます。ただ、「薬を使うかどうか迷うときとはどんなときだろうか?」「ど

うして迷うのだろうか?」といったことに考察が無いまま話が展開していくのが残念です。また、医療は不

確実なものだし、副作用の確率 1%が自分に起こらないとは限りません。そうした患者自身の視点も大切

にして欲しいと感じました。 受ける質問をある程度想定して、論理的な展開を試みていた点はとても良かったです。

B-2 睡眠~睡眠障害と健康

テーマ設定、論理展開などしっかり考えられており、好感が持てました。その分、残されたパワーポイン

トだけを追うと、単に睡眠障害とその対処の話としてしか伝わらないのがとても残念です。抽象度の高い

話をスライドにするのは手間がかかり面倒ですが、やはり準備すると良いでしょう。話の主従を変えて、病

状や薬の名前、効果を知っているだけでは治療できない病気をいくつか例示し、その代表例として、他の

疾患と併発して起こる可能性が高く、患者の QOL(生活の質)にも大きな影響をもたらす睡眠障害を挙げ

るとグループの主張がよりよく伝わったのではないでしょうか。 しかしながら、2 番目の発表者の問題提議と 後の発表者のまとめがきちんと整合性があり、とても良く

理解できました。また、薬剤師としての役割も考えられており、好感がもてました。

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B-3 笑いと健康 「健康」をプレゼンテーションのテーマにしてから、毎年「笑い」が題材として取り上げられています。そ

の中で、パッチアダムスの映画のシーンを流し、 後に笑いを医療に取り入れた実例をもとに作られた映

画を紹介していたところに新鮮さが感じられました。実証例としてだけではなく、なぜパッチアダムスがこの

ように笑いを医療に取り入れることを思いついたのか、日本でも行われているクラウン(道化師)の小児科

病棟のボランティア活動などについて紹介するなど、そこにこだわった展開があっても良かったように思い

ました。 研究結果の紹介の仕方、質問に対する準備も行き届いておりとても良かったです。

B-4 ファーストフードは危険なのか?

スーパーサイズミーと言う映画からマクドナルドのポテトが腐らないということに疑問を持ち、添加物など

を調べようと思ったという問題意識は明快でよく伝わりました。 後に日本のマックのポテトが 4 日後に腐り

はじめた写真を提示し、添加物含有量などの差から推論を展開していました。石川先生から質問があが

っていましたが、日米の差はなんでしょう。具体的に添加物の含有量などは調べられなかったということで

したが、日本と米国の許可添加物の種類や使用基準などに差はあるのでしょうか? 食に対する不安が高まっているいま、日本の食の安全基準がどの程度のものか、知りたいと思わせる

発表でした。 B-5 WE LOVE MUSIC

ミュージックセラピーについて、ネットで同世代の人へのアンケートをとるという方法を導入した点が面

白かったです。聖徳大学の教授がさまざまな場面で勧める曲と、実際聴きたいと感じる曲(アンケート結

果)について比較検討しており、興味が喚起されました。その教授がどのような理由で勧めているかにつ

いても紹介してもらえるとさらに興味がもてたように思います。 後半で唐突にヘッドホン難聴の話が出てきますが、 後の「音楽が健康に影響をもたらす」という解説

だけでは、その関係がわかりづらかったです。グループ内で異なったテーマで調査を実施し、 後に無

理やり合わせたような印象を受けました。プレゼンの授業では発表することのみならず、意見をまとめるた

めにグループ内で議論を尽くすことも大切な学びと考えています。どちらのテーマを選択しても 6 分のプ

レゼン時間は持つように思うし、それぞれを尊重するのなら、 初からその位置づけを明確に提示してか

ら内容説明に入るとさらに良かったと思います。 B-6 健康食品で健康になれるか ~一人暮らしの貴方へ~

健康食品は一人暮らしの人に 適だとしながらも、健康食品に頼るメリット・デメリットをあげ、 後には

一人暮らしでも健康食品に頼り過ぎない暮らしをしようと呼びかけています。やや想定内の展開でしたが、

発表者がそれぞれ責任をもって質問に応えており、その点良かったと思います。 B-7 かしこくサプろう!

サプリメントに潜む闇とはサプリメントだけに頼ることだとし、かしこくサプるための方法を提示しています。

具体的に「疲労」というだれでもが体験し、サプリメントをとりたいと感じる状況に対し、疲労のメカニズム、

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サプリメントの効くメカニズム、そしてかしこくサプるための具体例をすでに学んだ授業の知識を生かして

展開したところがうまかったですね。サプリメントのいいとこ取りをするために、自分たちは日々使える情報

を得ているという言葉にも説得力があり、このような姿勢でこれからの 6 年間を過ごせば、学びが生きた知

識として身につくことであろうとおおいに期待をもつことができました。 B-8 心の動きと健康

「心の動きと健康」というタイトルには「心がどのように動くことが健康とつながるのだろうか」と、とても興

味を持ちました。しかし、内容は「精神病」に焦点が当てられており、タイトルとは若干ずれがありました。 司会者はと会場からの 2 つの質問はきわめて本質的な面をついていました。せっかく面白いデータを

提示できたのですから、そのデータをどう解釈するかを十分議論し、そこからテーマを膨らませても良かっ

たように思いました。精神病として取り上げられているものの内訳はどうなっているのでしょうか? 30 代で

はなぜ精神病は多いのでしょうか? なかなか 初のころグループワークがかみ合わなかった状態が、そ

のままプレゼン結果としても表れてしまったような残念なイメージをもちました。 B-9 菜食主義は健康にいいのか?

「菜食主義」「健康にいい」というタイトルに用いた言葉をそれぞれしっかり定義してから話を展開しようと

する姿勢は研究や調査にとってきわめて重要な姿勢です。まず、そこを一番評価したいと思います。また、

「健康にいい」という曖昧な状態に対して評価の視点を 4 つ定め、それ自体がこれから行うプレゼンテー

ションの概要となっており、わかりやすい導入でした。質問にもありましたが、評価の視点がしっかりしてい

る割には、それぞれを解説するデータが具体的なエビデンスに基づいていない点が惜しかったです。近

年、大規模なコフォート研究もいくつかなされていると思います。その中に、対象者の食習慣などもデータ

として取っている可能性もあるので、調べてみる価値はあると思います。 B-10 「健康」は誰が決めるのか?

「健康」に影響をもたらす情報源としてマスコミ、医療者をあげ、いずれも鵜呑みにすることを具体例を

あげて警告しています。自分から主体的に健康情報を求め吟味する姿勢を進めていますが、その 5 つの

ポイントのうち、2 つめのポイント「医者が患者に治療の説明をするとき、その治療を受けることを前提とし

て話を進めがち」は、なるほどねと感心しました。なにごとにもお任せ気質になりがちな日本人が主体的に

自分の健康問題と取り組むためにはどうすればよいのでしょうか? マスコミでそのことを広報しますか?

こうした解決策にまで触れられていれば、さらに説得力が増したと思います。 しかし、自分たちの主張を模式図を用いて説明したことで、こちらにも意図がすっきりと伝わってきまし

た。 B-11 病気の人の健康とは?

健康基準を決めているのは誰か? 病気になったら、それは不健康なのか、という問題提議が明快で

した。WHO の定義を示した上で、自分たちと立場を同じくする慶応生がどのように健康を捉えているのか、

74%の慶大生が不健康と考えている HIV に焦点を当て、「どんなときに患者であることを感じるのか」「自

分にとっての健康とは」そして家族が感じる健康について「健康観の変化」「どんなときに患者の家族であ

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ることを感じるのか」と言った問いへの具体的な回答の提示は、説得力がありました。 中間発表でも迫力がありましたが、やや客観性に欠けた感のあるストーリーを、なぜ HIV に焦点を当て

たかについてのアンケートをはさむことで、カバーできたように感じました。アンケート結果の紹介に際して

は対象者やその数、実際用いたアンケートなどを提示すると良いでしょう。 B-12 心の健康

中間発表では「健康と不健康の境界線」というテーマから、その境界線は心がもたらすものではないか

という仮説を立て、本発表では、いくらかの資料を参考に、自分たちのグループのオリジナルの心の健康

の定義を導き出すことが目的としていました。発表されたのは、オリジナルの心の健康の定義であり、その

内容が間違いであるとかということはありません。むしろどのような議論を重ねてここに至ったのか、グルー

プ内で意見の対立はなかったのか、などを提示することで、「オリジナル」としての説得力が増したと思い

ます。議論において参考資料が大切であったなら、その資料名の提示も不可欠であったと思います。 オリジナルの定義を導き出そうという姿勢は買いますが、それをどう見せるかの工夫の問題であったと

思います。 B-13 健康の維持~サプリメントとの上手な付き合い方~

そもそもサプリメントの意味とは、というところから入った姿勢はいいですね。その上で、サプリメントがな

ぜ現代社会に必要か、サプリメントの抱える問題など、総花的に提示することで、全体像を把握することが

できました。少しインパクトが弱い印象は脱ぐえませんでした。健康のペンタゴンという中間発表のこだわり

がこのような形で現れているというところになんだかほほえましく感じました。ですが、サプリメントが社会面

の改善にどのように寄与するのかについてはいまひとつわかりませんでした。 B-14 What is タバコ? 健康への架け橋~

なぜ taspo を導入してまでタバコを販売するのかというところから、タバコのメリットを探すことから始めま

したが、あまりメリットを見つけることができなかったと言う結論でした。それでも、なぜ、喫煙者が減らない

のか? なぜ taspo を導入してまでタバコを販売するのか? にまで考察があると良かったと思います。 肺がんのリスクと、パーキンソン病のリスク(低下?)率を比較紹介したり工夫が見られました。taspo 導

入の成果などいずれ調べてみると面白いかもしれませんね。

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