15th Anniversary - osakaben

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15th Anniversary 目次

目 次

 䌚長あいさ぀                             

 「ひたわり」の掻動の珟状ず課題                    

 お祝いのあいさ぀                           

① 倧阪垂倧阪垂犏祉局 生掻犏祉郚 盞談支揎担圓課長 山本博章   

② 倧阪府瀟䌚犏祉法人倧阪府瀟䌚犏祉協議䌚

倧阪埌芋支揎センタヌ 山䞊時接子   11

③ 堺垂堺垂健康犏祉局 長寿瀟䌚郚 高霢斜策掚進課長 神原富雄   13

 各郚䌚報告                              14

① 法埋盞談郚䌚                            14

② 埌芋支揎郚䌚                            19

③ 介護犏祉郚䌚                            22

④ 粟神保健郚䌚                            28

â‘€ 障がい者刑事匁護郚䌚                        32

⑥ 調査研究郚䌚                            35

 質の高い匁護士埌芋人の確保をめざしお

倧阪匁護士䌚における成幎埌芋人掚薊の方策            44

15th Anniversary 䌚長あいさ぀

倧阪匁護士䌚 高霢者・障害者総合支揎センタヌ創立15呚幎蚘念誌 ●1

ご あ い さ ぀

倧阪匁護士䌚 䌚長 犏 原 哲 晃

倧阪匁護士䌚高霢者・障害者総合支揎セ

ンタヌ愛称「ひたわり」は、平成10幎

月に蚭立され、15呚幎を迎えたした。

高霢化が急速に進むわが囜の瀟䌚的倉化

の䞭で、匁護士が果たすべき圹割の重芁性

を芋据え、高霢者のみならず障害のある人

も含めお総合的に支揎するためのセンタヌ

を党囜に先駆けお蚭眮し、倧阪匁護士䌚ず

しお実践的な取り組みを粟力的に展開しお

たいりたした。

高霢者や障害のある人の匁護士ぞのアク

セス障碍を陀去するための垞蚭の電話盞談

窓口を開蚭し、出匵盞談を実斜するずずも

に、成幎埌芋制床が創蚭されおからは、家

庭裁刀所ずの緊密な連携の䞋に匁護士埌芋

人の掚薊業務を担っおたいりたした。たた

行政等ずの連携による垂民埌芋人の育成、

あるいは、虐埅防止アドバむザヌの掟遣な

ど、先駆的な掻動にも取り組んでたいりた

した。

このような掻動を展開しおこられたの

は、自治䜓や関係機関をはじめ皆様方のご

理解ずご協力の賜物ず心から感謝申し䞊げ

たす。

「ひたわり」の掻動に取り組む匁護士も、

圓初は玄270名皋床であったのが今では玄

1,400名ずなっおいたす。

しかし、65歳以䞊の高霢者が既に3000侇

人を超え、障害のある人も740䞇人を超え

るずいうわが囜においお、ただただ高霢者

や障害のある人に察し、匁護士の支揎は十

分に行き届いおいるずはいえない珟状があ

りたす。法的支揎を必芁ずする人に察し匁

護士による支揎を拡充しおいくためには、

自治䜓や関係機関等ずの連携匷化が必芁で

あり、蚭立15呚幎を節目ずしたしお、今埌

の取組みをさらに充実させおいきたいず考

えおおりたす。

そしお、日本は囜連障害者暩利条玄を批

准し、その実践が求められおおり、「ひた

わり」や匁護士が果たすべき圹割は䞀局増

倧しおいくず思われたす。

たくさんのひたわりをさらに倧きく育お

おいくため、倧阪匁護士䌚そしお「ひたわ

り」はさらに積極的な掻動を展開しお参り

たいず思いたすので、今埌ずも皆様のご協

力ずご支揎を賜りたすようお願い申し䞊げ

たす。

平成26幎月

「ひたわり」の掻動の珟状ず課題 15th Anniversary

●2 倧阪匁護士䌚 高霢者・障害者総合支揎センタヌ創立15呚幎蚘念誌

「ひたわり」の掻動の

珟状ず課題高霢者・障害者総合支揎センタヌ

運営委員䌚 委員長 高 江 俊 名

倧阪匁護士䌚の高霢者・障害者総合支揎

センタヌ「ひたわり」は、1998幎月に蚭

立された。「ひたわり」の蚭立経緯は、

1996幎11月に開催された近畿匁護士䌚連合

䌚の人暩倧䌚での決議に遡る。同倧䌚にお

いお、「高霢者・障害者の暩利擁護制床の

確立を目指しお成幎埌芋制床ず匁護士の

圹割」のテヌマでシンポゞりムが開催され、

各匁護士䌚に高霢者・障害者支揎センタヌ

を蚭眮するこずが決議された。

以来、蚭立から15呚幎を経た「ひたわり」

は、その掻動の幅が倧きく広がっおきおい

る。15呚幎を機に、これからのさらなる飛

躍に向け、「ひたわり」の掻動の珟状ず課

題に぀いお敎理しおおきたい。

 法埋盞談掻動

「ひたわり」は、高霢や障害のために

法埋盞談を受けるこず自䜓に困難を抱え

る方に察し、「匁護士ぞのバリアフリヌ」

を実珟するべく、電話盞談ず出匵盞談ず

いう、埓来になかった盞談方法を導入し、

実斜しおきた。

この15幎間における各皮盞談電話・

出匵・来通の盞談件数ず事件受任件数

は、ひたわり取扱件数䞀芧18頁のず

おりである。各皮盞談を合わせた盞談件

数は、幎目は453件であったずころ、

幎々増加し、15幎目の2012幎床は3215件

に達した。党䜓の件数のうち、割合ずし

お最も倚いのは電話盞談であるが、電話

盞談件数の増加に䌎っお、出匵盞談や事

件受任の件数も増加しおきおいる。事件

受任件数も、幎目は49件であったずこ

ろ、2012幎床は330件たで䌞びおきおいる。

電話盞談は、圓初は週回金曜日

人䜓制で実斜しおいたが、盞談件数の

増加に䌎っお、2002幎に人䜓制に増や

し、2003幎には盞談日を週回に、2009

幎には盞談日を週回火、氎、金曜日

に増蚭しお珟圚に至っおいる。この間の

盞談件数の掚移を芋るず、盞談䜓制や盞

談日の増蚭ずずもに盞談件数も増加しお

きおおり、珟圚、日時間の盞談時間

午埌時に玄20件前埌の盞談が

入っおいる。盞談者にずっお、電話がな

かなか぀ながりにくい状態になっおいる

ようで、電話に出るず、やっず぀ながり

たしたず蚀われるこずも倚い。

このような状況から、電話盞談日のさ

らなる増蚭が怜蚎課題になっおいるずず

もに、特に、地域包括支揎センタヌや障

害者盞談支揎センタヌの職員の方など、

圓事者を支揎する行政職や犏祉職の方が

15th Anniversary 「ひたわり」の掻動の珟状ず課題

倧阪匁護士䌚 高霢者・障害者総合支揎センタヌ創立15呚幎蚘念誌 ●3

盞談しやすい䜓制を構築するこずが課題

である。高霢者や障害のある人は、匁護

士による支揎を必芁ずしおいおも、刀断

胜力が䞍十分であるなどの事情から、電

話盞談で盞談をしおくるこずすら困難な

こずも倚い。圓事者を支揎する方たちは、

そのような、電話盞談すら困難な圓事者

を匁護士に぀なげる圹割を担っおいただ

けるものであり、そうした支揎者の方た

ちが気軜に安心しお匁護士に盞談できる

仕組みや䜓制を䜜り䞊げるこずで、圓事

者の暩利擁護が図られるこずになる。

「ひたわり」の各皮専門法埋盞談を担

圓する「支揎匁護士」の登録者は、蚭立

圓時は玄300名であったずころ、蚭立か

ら幎圓時で玄600名、同10幎圓時で玄

800名ずなり、珟圚は1421名2013幎11

月末時点たで増えおいる。最近の幎

間で増加のペヌスが䞊がっおいるのは、

匁護士䌚の新芏登録䌚員数が増えおいる

こずに加え、成幎埌芋事件の掚薊名簿ぞ

の登録が増えおいるこずも芁因になっお

いるず思われる成幎埌芋事件の掚薊名

簿に登録するには「ひたわり」の支揎匁

護士ずしお登録するこずが芁件ずなっお

いる。。

そのような䞭、「ひたわり」の盞談担

圓者の専門性を維持するこずも課題ずな

っおいる。

 埌芋支揎掻動

「ひたわり」蚭立幎目の2000幎月、

珟圚の成幎埌芋制床が斜行された。

最高裁刀所が毎幎発衚しおいる「成幎

埌芋関係事件の抂況」によれば、成幎埌

芋関係事件の申立件数は毎幎増加しおお

り、幎間の申立件数は、制床が斜行さ

れた圓初は9007件であったのが、2012幎

は䞇4689件に達しおいる。たた、埌芋

人に芪族以倖の第䞉者が遞任される割合

も毎幎増えおきおおり、2012幎は、぀い

に第䞉者埌芋人の割合が芪族埌芋人の割

合を䞊回るに至った。

このような状況のもず、家庭裁刀所か

らの倧阪匁護士䌚に察する埌芋人等の掚

薊䟝頌件数も幎々増加の䞀途をたどっお

きおおり、幎目の2000幎床は幎間30件

であったのが、2012幎床には479件に達

した。2013幎床は、件数の増加がさらに

勢いを増しおおり、月から12月たでの

か月で既に昚幎床幎間の件数を䞊回

っお500件を突砎するに至っおいる。

「ひたわり」は、この間、家庭裁刀所

に察する埌芋人等の候補者を掚薊するず

ずもに、研修、経隓亀流䌚、個別事案に

぀いおのスクリヌニング䌚議の実斜、成

幎埌芋の実務に関するマニュアルの䜜成

など、様々な圢で、埌芋人等に遞任され

た䌚員に察する支揎掻動を行っおきた。

たた、行政ず連携した掻動ずしお、垂

町村長申立を行う行政職員向けの研修

や、行政による垂民埌芋人育成の支揎等

も行っおきおいる。

さらに、2010幎床には、成幎埌芋制床

斜行10呚幎䌁画ずしお成幎埌芋制床に぀

いおの無料出匵講座を実斜し、府䞋の

186の団䜓に講垫を掟遣しお出匵講座を

行った。

「ひたわり」の掻動の珟状ず課題 15th Anniversary

●4 倧阪匁護士䌚 高霢者・障害者総合支揎センタヌ創立15呚幎蚘念誌

そうした掻動を通じお盎面し、あるい

は芋えおきた課題には様々なものがあ

る。

埌芋人等に遞任された䌚員の職務に関

しおは、2011幎から2012幎にかけお匁護

士埌芋人による䞍祥事が党囜で盞次いだ

䞭で、倧阪匁護士䌚でも2012幎床に件

の䞍祥事被埌芋人の財産の䜿い蟌み

が立お続けに発生し、匁護士や成幎埌芋

制床そのものに察する信頌が根底から揺

らぎかねない事態が生じおいる。「ひた

わり」はこの事態を深刻に受け止め、家

庭裁刀所ず協議し぀぀、定期報告の厳栌

な運甚に匁護士䌚ずしおも可胜な協力を

行うなど、匁護士埌芋人による䞍祥事の

防止に取り組んでいる。匁護士埌芋人の

䞍祥事には、財産の䜿い蟌み等の䞍正行

為のほかにも、職務懈怠や攟眮等の䞍適

切な職務も生じおいる。そのような䞍適

切な職務も含め、匁護士埌芋人の䞍祥事

の防止のために匁護士䌚ずしお積極的に

察応するこずが求められおいる。

家庭裁刀所に察する成幎埌芋人等の候

補者の掚薊に関しおは、家庭裁刀所から

の掚薊䟝頌の件数が著しく増加しおいる

䞭で、事案の内容に応じた適任の候補者

を迅速に掚薊するための䜓制をどのよう

に構築しおいくかずいうこずも課題であ

る。

成幎埌芋制床そのものに぀いおの課題

ずしおは、倧きく分けお敎理すれば、埌

芋人等の暩限のあり方の問題ず、埌芋制

床を支える瀟䌚基盀のあり方の問題があ

るように思われる。

埌芋人等の暩限に぀いおは、珟行制床

においおは特に埌芋類型における埌芋人

の暩限が包括的で広範に付䞎されるた

め、それが埌芋人等による䞍正行為の芁

因になっおいるずずもに、本人の自由に

察しお過床の制玄になっおいるずいう問

題がある。ずりわけ、我が囜が障害者暩

利条玄に批准した珟圚、珟行制床におけ

る埌芋人等の暩限ず本人の胜力制限に関

する芏定のあり方は、障害者暩利条玄ず

の敎合性ずいう芳点から早急に芋盎され

なければならない。そのような芳点も螏

たえ、「ひたわり」は、蚭立15呚幎の䌁

画ずしお、次の時代の成幎埌芋制床のあ

り方を考えるシンポゞりムを開催する。

成幎埌芋制床の抜本的改正に向けおの議

論のきっかけずなるこずを期埅しおい

る。

埌芋制床を支える瀟䌚基盀のあり方に

぀いおは、埌芋人等の暩限のあり方ずも

関連しお考えなければならないであろう

が、具䜓的には、埌芋人等の担い手のあ

り方や、埌芋人等の逊成・支揎に぀いお

の行政庁の圹割、埌芋制床に関わる裁刀

所や行政庁の人的䜓制のあり方など、い

ずれも制床の土台をどのように構築する

かずいう根本的な問題である。日本瀟䌚

は、今や「認知症800䞇人時代」ず蚀わ

れるような状況をむかえおいるこずから

すれば、刀断胜力が䞍十分な人を支揎す

る制床の蚭蚈は、瀟䌚のあり方そのもの

に関わる課題であるず蚀っおも過蚀では

ない。そのような広い芖野を持っお瀟䌚

的な議論を呌び起こしおいくこずが求め

15th Anniversary 「ひたわり」の掻動の珟状ず課題

倧阪匁護士䌚 高霢者・障害者総合支揎センタヌ創立15呚幎蚘念誌 ●5

られおいる。

 高霢者・障害者虐埅察応に関する取り

組み

2006幎月、高霢者虐埅防止法が斜行

され、垂町村が虐埅通報を受けた堎合に

責任を持っお察応すべきこずが定められ

た。垂町村が虐埅察応を進めるにあたっ

おは、法的な芳点や瀟䌚犏祉的な芳点か

らの助蚀が必芁ずなるこずもある。

そのため、「ひたわり」では、介護犏

祉郚䌚を䞭心ずしお、瀟䌚犏祉士䌚ずの

連携のもず、垂町村が虐埅察応のために

開催するケヌス䌚議に、匁護士ず瀟䌚犏

祉士による「専門職チヌム」をアドバむ

ザヌずしお掟遣しお助蚀を行う掻動を広

げおきた。

珟圚、府䞋の15垂ず委蚗契玄を締結し

おおり、2012幎床の掟遣件数は97件ずな

っおいる。

たた、2012幎10月には障害者虐埅防止

法が斜行されたこずから、障害者虐埅に

぀いおも、同様の掻動を行っおおり、珟

圚、倧阪府及び垂ず委蚗契玄を締結し

おいる。

ケヌス䌚議ぞの「専門職チヌム」の掟

遣に぀いおは、垂町村が事案の状況に応

じお適時にケヌス䌚議を開催できるよう

にするため、垂町村が蚭定した日時にい

぀でも掟遣するずいうこずを基本ずしお

いる。い぀でも掟遣できる態勢をずるに

は、本来的には、アドバむザヌ匁護士の

間で圓番制を敷くこずができれば、それ

に越したこずはない。もっずも、圓番制

を導入するには、アドバむザヌ匁護士の

登録数がある皋床必芁であるが、珟状で

は十分ずは蚀えない。

珟圚、アドバむザヌ匁護士の逊成のた

め、アドバむザヌずしおの経隓に応じお

「䞻担圓」ず「副担圓」の二人䞀組でア

ドバむザヌを掟遣し、「䞻担圓」を担う

匁護士を次第に増やしおいく取り組みを

行っおいる。

アドバむザヌ匁護士の専門性を維持す

るこずも重芁であり、虐埅察応のための

アドバむザヌ匁護士をいかにしお逊成

し、増やしおいくかずいうこずが課題で

ある。

虐埅察応に関する取り組みに぀いお

は、障害者虐埅防止法が斜行されたこず

での新たな課題も出おきおいる。これた

でアドバむザヌずしお掟遣されおきた高

霢者虐埅の事案は、倧半が家庭内におけ

る虐埅の問題であり、それに぀いおは䞀

定の経隓も蓄積されおきおいるが、障害

者虐埅では、斜蚭内虐埅の事案が倚く出

おくるであろうず想定される。そこでは、

斜蚭の改善に向けお行政ずしおどのよう

に察応すべきかに぀いおのアドバむスが

求められよう。「ひたわり」ずしおも、

新たに研鑜を積んでいかなければならな

い。

 粟神保健支揎掻動

「ひたわり」は、1998幎月の蚭立以

来、粟神保健支揎掻動ずしお、粟神科病

院に入院しおいる方の退院請求や凊遇改

善請求掻動を行っおきおいる。

「ひたわり」の掻動の珟状ず課題 15th Anniversary

●6 倧阪匁護士䌚 高霢者・障害者総合支揎センタヌ創立15呚幎蚘念誌

粟神科病院に措眮入院や医療保護入院

ずしお入院させられおいる患者は、匷制

的にその身䜓の自由を拘束されおいるず

いう点で、刑事事件で逮捕・募留されお

いる被疑者・被告人ず同様の立堎にあ

る。入院患者は、自らが受けおいる凊遇

に぀いお盞談したいず思っおも、倖出が

できないため、倖郚の盞談機関に盞談す

るこずができない。そのため、「ひたわ

り」は、刑事事件の匁護人が被疑者・被

告人に接芋に行くように、匁護士のほう

が病院に出向いお患者に面䌚し、患者か

ら䟝頌があれば、その代理人ずなっお粟

神医療審査䌚ぞの退院請求手続や凊遇改

善手続を行っおいるものであり、「ひた

わり」の粟神保健支揎掻動は、粟神科病

院における入院患者の自由制限、身䜓拘

束に察し、適正手続を保障するための圹

割を果たそうずするものである。

粟神保健支揎の出匵盞談件数や事件受

任件数は、䞀般の出匵盞談件数や事件受

任件数ず比べるず、必ずしも件数の増加

傟向は芋られないが、2012幎床は、事件

受任件数が、それたでの幎間最倚件数で

あった20件から割増の30件に䌞びた。

たた、粟神保健支揎掻動では、匁護士が

出匵盞談に行くだけで病院のほうが患者

の凊遇を改善するなど、数字に衚れない

ずころで掻動の成果が出おいるこずもあ

る。

粟神保健支揎掻動に関しおは、いわゆ

る瀟䌚的入院医孊的には入院の必芁が

ないにもかかわらず、退院埌の生掻環境

が敎っおいないために入院を䜙儀なくさ

れおいる状態の解消に向けおの匁護士

の関わり方が以前からの課題である。

さらに、2005幎から斜行されおいる医

療芳察法による事件に぀いお、付添人掻

動の経隓を集積するこず等により、付添

人ずなった䌚員に察する支揎の充実を図

るこずも課題である。

 調査研究掻動

「ひたわり」は、高霢者・障害者をめ

ぐる課題や制床に぀いおの調査研究掻動

も行っおきおいる。

これたで採り䞊げたテヌマは、「高霢

者・障害者の遞挙暩」、「介護事故」、「成

幎埌芋人の担い手ずその支揎」「障がい

のある人の成幎埌芋」などである。

「高霢者・障害者の遞挙暩」に関しお

は、2013幎月、成幎被埌芋人の遞挙暩

を剥奪する芏定を違憲ずする刀決が出さ

れ、刀決を受けお法埋改正がなされた。

「介護事故」に぀いおは、2006幎月

に「介護事故マニュアル」倧阪匁護士

協同組合を出版しおいるが、その埌、

介護事故に関する倚くの裁刀䟋が出おお

り、同マニュアルの改蚂が課題ずなっお

いる。

「成幎埌芋の担い手ずその支揎」に぀

いおは、2008幎の「ひたわり」10呚幎蚘

念シンポにおいおテヌマずしお取り䞊

げ、調査結果を報告曞ずしお取りたずめ

た。倧阪では、2007幎より倧阪垂が垂民

埌芋人の育成事業を開始し、2013幎月

たでに72名の垂民埌芋人が裁刀所に遞任

されお掻躍しおおられ、「ひたわり」も

15th Anniversary 「ひたわり」の掻動の珟状ず課題

倧阪匁護士䌚 高霢者・障害者総合支揎センタヌ創立15呚幎蚘念誌 ●7

その育成や遞任埌の支揎にたずさわっお

いる。たた、2011幎床より、倧阪府ず府

䞋の垂町が共同しお、垂民埌芋人を逊成

する取り組みも進められおおり、そこで

も「ひたわり」はその逊成ず遞任埌の支

揎にたずさわっおいる。

「障がいのある人の成幎埌芋」に぀い

おは、曞籍ずしお「障がいのある人の成

幎埌芋人になったら読む本」倧阪匁護

士協同組合、2013幎を出版し、近匁連

高霢者・障害者の暩利に関する連絡協議

䌚の2013幎月の倏期研修䌚においお同

テヌマで研修を開催した。

そしお珟圚は、「障害者暩利条玄」を

テヌマずしお採り䞊げ、調査研究を進め

おいる。2014幎月20日、我が囜は障害

者暩利条玄に批准した。障害者暩利条玄

は、党おの人暩を党おの障害者に平等に

保障するこずを目的ずするものであり

条玄条、障害を個人の機胜障害そ

のものず芋るのではなく、瀟䌚的芁因に

よっお生ずる䞍利益ず捉え、条玄の締玄

囜に察し、条玄においお認められる暩利

の実珟のためにあらゆる措眮をずるこず

を求めおいる。したがっお、障害者暩利

条玄の圱響は、叞法手続条玄13条を

含め、我が囜瀟䌚の制床やむンフラその

他、瀟䌚のあり方党般に広範囲に及びう

るものであり、その内容を研究するこず

は、「ひたわり」にずっおも最重芁課題

の䞀぀ず蚀っおもよいであろう。

 障害者刑事匁護支揎掻動

「ひたわり」蚭立埌に新しく広がっお

きた掻動ずしお、障害のある被疑者・被

告人のための刑事匁護支揎の取り組みが

ある。

「ひたわり」がこの掻動に取り組むこ

ずになったのは、2004幎に刑事匁護委員

䌚ず共同で「知的障害者刑事匁護マニュ

アル䜜成プロゞェクトチヌム」を立ち䞊

げたこずに端を発する。

同発足圓初、障害のある被疑者・

被告人のために匁護人ずしお特別の知識

や技術を芁するこずは、匁護士の間でも

十分な認識がなされおいなかったず思わ

れるが、2005幎のいわゆる宇郜宮事件

知的障害のある被告人が件の匷盗事

件に぀いお捜査段階で「自癜」したずさ

れ、公刀においおも公蚎事実を認めおい

たずころ、公刀䞭に真犯人が珟れた事件

を契機ずしお、障害のある被疑者・被告

人に察する刑事叞法のあり方が瀟䌚的に

も急速に泚目されるようになっおきた。

宇郜宮事件に぀いお人暩救枈申立を受

けた日匁連は、2006幎月、怜事総長や

譊察庁長官ら宛に譊告曞を発するずずも

に、同譊告曞においお、日匁連ずしおも、

同事件を契機ずしお、知的障害のある人

の匁護掻動のあり方の十分な呚知、研修

等が必芁なこずを自芚する旚を付蚀し

た。

そしお、その日匁連譊告曞が発せられ

た翌月の2006幎月、刑事匁護委員䌚ず

「ひたわり」ずの共同による「知的障害

者刑事匁護マニュアル」プランニン

グが刊行された。

その埌、障害のある人の匁護を支揎す

「ひたわり」の掻動の珟状ず課題 15th Anniversary

●8 倧阪匁護士䌚 高霢者・障害者総合支揎センタヌ創立15呚幎蚘念誌

る掻動は「ひたわり」が匕き取るこずに

なり、2010幎床からは、「ひたわり」に

「障害者刑事匁護郚䌚」を蚭眮しお支揎

掻動を発展させおきおいる。この間、障

害者刑事匁護郚䌚においお、障害特性の

理解を深めるための研修等を実斜し、研

修を履修した䌚員の名簿を敎備するずず

もに、裁刀所や怜察庁、譊察眲に申し入

れをしお、被疑者に障害があるこずが分

かっおいる堎合には「ひたわり」の研修

を履修した䌚員を掟遣できる䜓制を構築

しおきた。たた、障害者刑事匁護サポヌ

トメヌリングリストを開蚭し、粟神科医

を玹介したり、瀟䌚犏祉士による犏祉的

支揎を受けられるようにするなどの掻動

も行っおいる。

障害のある人の刑事叞法に関しおは、

服圹埌の支揎を行う地域定着支揎セン

タヌが各郜道府県に蚭眮され、さらに、

捜査段階や刑事公刀䞭における被疑者・

被告人に察する犏祉的支揎のあり方を暡

玢する動きも広がり぀぀ある。

そうした叞法犏祉にたずさわる関係機

関ずの連携も深めながら、障害のある人

の刑事匁護掻動の支揎のさらなる充実を

図るこずが求められおいる。

 最埌に

以䞊、「ひたわり」の各郚䌚の掻動分

野ごずに「ひたわり」の掻動の珟状ず課

題を敎理しおみたが、これらのほかにも、

「ひたわり」の掻動ずしおは、消費者保

護委員䌚ず共同で取り組んでいる高霢

者・障害者の消費者被害防止に関する取

り組みなどもある。

蚭立から15幎を経お、「ひたわり」の

掻動の幅は倧きく広がっおきたが、それ

ぞれの掻動における課題も倚く、匁護士

や匁護士䌚ずしお圹割を果たしきれおい

ない領域もただただある。

瀟䌚の高霢化や、障害のある人の暩利

保障の進展に䌎い、「ひたわり」の掻動

は今埌たすたす重芁性を増すであろう。

高霢者や障害のある人の暩利擁護のた

めに、これからも力を尜くしおいきたい。

以 侊

15th Anniversary お祝いのあいさ぀

倧阪匁護士䌚 高霢者・障害者総合支揎センタヌ創立15呚幎蚘念誌 ●9

地域犏祉における暩利擁護の掚進ず

「ひたわり」に期埅するこず倧阪垂犏祉局 生掻犏祉郚 盞談支揎担圓課長 å±± 本 博 ç« 

倧阪匁護士䌚高霢者・障害者総合支揎セ

ンタヌ「ひたわり」が蚭立15呚幎を迎えら

れたしたこずを心よりお喜び申しあげた

す。

「ひたわり」におかれたしおは、平成10

幎の発足以来、高霢者・障がい者の法埋盞

談はもずより、財産管理や身䞊監護、介護

保険、粟神保健の分野においお、きめ现か

な取り組みを進められ、高霢者ず障がい者

の暩利擁護に倧きく貢献しおこられたし

た。運営にあたられた関係者の皆様方の熱

意ずたゆたぬ努力に深く敬意を衚したす。

さお、本垂におきたしおは、誰もが地域

で安心しお暮らしおいくため、地域のすべ

おの人が盞互に協力し、それぞれの圹割を

積極的に果たすこずによっお、共に生き共

に支え合い、だれもが自分らしく安心しお

暮らせる地域、みんなが生掻をずもに楜し

む地域にしおいくずいう「地域犏祉」を掚

進するうえでの理念ず仕組みづくりの方向

性を瀺すものずしお「倧阪垂地域犏祉蚈画」

を策定し、地域䜏民をはじめ、地域組織・

保健・医療・犏祉関係者など、地域の関係

者の協働による取り組みを進めおきたし

た。

たた、より垂民に身近な地域で、実情に

あった地域犏祉を掚進するために、「倧阪

垂地域犏祉掚進指針」の策定等により、区

レベルの公民協働による行動蚈画である

「地域犏祉アクションプラン」を策定し、

区ごずに地域の状況に応じた取り組みを進

め、垂民の安心安党な暮らしの確保に向け

お、地域犏祉の向䞊に取り組んでおりたす。

地域には、倖に出お掻動するこずがなく

なり家庭内に「閉じこもり」ずなっおいる

高霢者をはじめ、地域での぀ながりがなく

介護や逊育の負担を人で抱え蟌んでいる

介護者や逊護者など、支揎を必芁ずする生

掻状態にありながらも瀟䌚的に孀立し、適

切な支揎に぀ながっおいない方々が倚数お

られたす。

特に高霢者に関しおは、本垂はひずり暮

らしの高霢者の割合が他の政什指定郜垂ず

比べおも倧きく、認知症高霢者の数も急速

に増加しおいるこずから、孀立した状態に

ある高霢者が倚数おられるず掚枬された

す。

支揎を必芁ずする生掻状態にありなが

ら、適切な支揎を受けられない状態が長期

化するこずは、問題をより倧きく深刻なも

のずし、堎合によっおは孀立死や虐埅死な

どの痛たしい結果に぀ながるこずも危惧さ

お祝いのあいさ぀ 15th Anniversary

●10 倧阪匁護士䌚 高霢者・障害者総合支揎センタヌ創立15呚幎蚘念誌

れたす。

本垂では、平成19幎床から「倧阪垂成幎

埌芋支揎センタヌ」を開蚭し、認知症や知

的障がい、粟神障がいなどにより刀断胜力

が十分でない方など成幎埌芋制床の利甚を

必芁ずする方やその家族からの盞談、たた

高霢者や障がい者の盞談・支揎機関からの

専門盞談に応じるずずもに、刀断胜力が十

分でない方の生掻を垂民ずいう目線で身近

な立堎で支揎する「垂民埌芋人」を暩利擁

護掻動の新たな担い手ずしお逊成しおたい

りたした。

「ひたわり」の皆様方には、同センタヌ

の開蚭圓初から、専門盞談はもちろんのこ

ず、垂民埌芋人の逊成及び掻動支揎、セン

タヌの䌁画運営に至るたで、業務の党般に

わたっおご協力、ご支揎を賜っおたいりた

した。

たた、高霢者虐埅、障がい者虐埅の防止

の取り組みにおいおは、虐埅通報件数の増

加ずずもに、耇雑な背景を抱える困難事䟋

が増えおおり、適切な支揎を行うための出

匵専門盞談や、倧阪垂虐埅防止連絡䌚議ぞ

の参加など、「ひたわり」をはじめ、倧阪

匁護士䌚の皆様方には栌別のお力添えをい

ただいおいるずころです。

地域犏祉は、垂民や行政をはじめ、さた

ざたな組織や人同士が、共通の目的のもず

察等な立堎に立ち、それぞれの埗意分野を

掻かしながら連携し協力しあう「協働」

パヌトナヌシップにより぀くりあげお

いく犏祉であり、本垂のめざす地域犏祉の

実珟のため、「ひたわり」におかれたしお

は、法埋の専門家ずしお、協働に向けた取

り組みぞのなお䞀局のお力添えを賜りたす

ようお願い申しあげたす。

最埌に、倧阪匁護士䌚高霢者・障害者総

合支揎センタヌ「ひたわり」の益々のご発

展ずご掻躍を祈念したしお、蚭立15呚幎の

お祝いの詞ずさせおいただきたす。

15th Anniversary お祝いのあいさ぀

倧阪匁護士䌚 高霢者・障害者総合支揎センタヌ創立15呚幎蚘念誌 ●11

「ひたわり」蚭立15呚幎に寄せお

瀟䌚犏祉法人倧阪府瀟䌚犏祉協議䌚

倧阪埌芋支揎センタヌ 所長 å±± 侊 時接 子

「ひたわり」の蚭立15呚幎、たこずにおめ

でずうございたす。

倧阪府瀟䌚犏祉協議䌚倧阪埌芋支揎セン

タヌは、刀断胜力が䞍十分な人の生掻ず財

産、暩利を守るための機関ずしお、平成

幎10月に蚭立いたしたした。その圓初から

珟圚に至るたで、「ひたわり」の匁護士の

皆様には、䞊々ならぬご尜力をいただいお

おりたす。

倧阪埌芋支揎センタヌでは、䞻に぀の

事業に取り組んでいたす。

぀めは、刀断胜力の䜎䞋に䌎うあらゆ

る生掻課題に察応する「盞談事業」です。

電話盞談ず、週に床の専門盞談を行っお

いたす。専門盞談では、「ひたわり」の匁

護士ず倧阪瀟䌚犏祉士䌚の瀟䌚犏祉士がペ

アずなり、面談による盞談に察応しおいた

だいおおりたす。匁護士からの法埋面での

ご助蚀ず、瀟䌚犏祉士からの生掻支揎面で

のご助蚀が盞乗効果ずなり、盞談者の方に

もご満足いただき、有意矩な盞談を実斜す

るこずができおいたす。

぀めは、刀断胜力が䞍十分な人ず利甚

契玄を亀わし、「犏祉サヌビスの利甚揎助」

「日垞的金銭管理」「曞類等の預かり」を

行う日垞生掻自立支揎事業です。平成25幎

月末珟圚で、府内倧阪垂・堺垂は独自

に実斜しおいるためのぞくの利甚者は2,

011人ずなり、認知症高霢者の増加、知的

障がい者や粟神障がい者の地域移行の掚進

により、利甚垌望者は幎々増加しおいたす。

この事業の契玄締結胜力があるかどうか、

たた困難事䟋ぞの察応等に぀いお審議する

「契玄締結審査䌚」には、「ひたわり」か

ら名の匁護士にご参画いただき、事務局

だけでは察応が困難な様々な堎面におい

お、貎重なご助蚀をいただいおおりたす。

぀めは、平成23幎床から取り組み始め

た「垂民埌芋掚進事業」です。身近な地域

䜏民同士の支え合い掻動の䞀環ずしお垂民

埌芋人の逊成ず掻動支揎を倧阪府ずずもに

掚進しおいたす。平成25幎床は府内倧阪

垂・堺垂は独自に実斜の11垂町が取り

組んでおり、できるだけ早く党域に普及で

きるよう目指しおいたす。垂民埌芋人ずは、

䞀般垂民が長期間の垂民埌芋人逊成講座を

受講埌、垂民埌芋人バンクに登録し、受任

調敎䌚議を経お家庭裁刀所から成幎埌芋人

ずしお遞任され、垂民埌芋掻動を行うもの

ですが、孊識や専門職からのサポヌトを含

めた、受任埌の䞁寧な掻動支揎䜓制の敎備

は必須です。ここにおいおも「ひたわり」

の匁護士の皆様には、カリキュラム怜蚎、

逊成講座、遞考委員䌚、受任調敎䌚議、䌁

お祝いのあいさ぀ 15th Anniversary

●12 倧阪匁護士䌚 高霢者・障害者総合支揎センタヌ創立15呚幎蚘念誌

画䌚議、専門盞談による掻動支揎ず、垂民

埌芋掚進事業の党工皋にわたり、倚倧なご

尜力をいただいおおりたす。それによっお

家庭裁刀所からも信頌をいただき、垂町村

においお垂民ず行政ず専門職が地域の暩利

擁護システムを構築しおいく、倧阪ならで

はの取り組みを党囜に発信するこずずなっ

おおりたす。

「平成25幎版高霢瀟䌚癜曞」によるず、

2060幎には、2.5人に人が65歳以䞊の高

霢者になるず掚蚈されおいたす。たた、障

害者差別解消法の斜行に向けた取り組みが

始たっおおり、障害者暩利条玄の批准もな

されお月19日から発効ずなっおおりた

す。今埌の日本にずっお、刀断胜力が䞍十

分な人の意思決定を支え、生掻を守る取り

組みは、より䞀局充実しおいくこずが呜題

ずなりたす。倧阪埌芋支揎センタヌは、刀

断胜力が䞍十分な人の暩利擁護を掚進する

広域・専門機関ずしおの圹割を果たせるよ

う努力しおいく所存です。

暩利擁護の取り組みを進めるには、法埋

の専門家ずしお、倧阪匁護士䌚 高霢者・

障害者総合支揎センタヌ「ひたわり」に参

画し、様々な掻動・支揎に取り組たれおい

る匁護士の皆様のご助力は欠かすこずがで

きたせん。刀断胜力が䞍十分な人も、その

人の尊厳ある人生を党うできる瀟䌚づくり

を目指し、今埌ずも、匕き続きご協力を賜

りたすよう、䜕卒よろしくお願い申しあげ

たす。

最埌になりたしたが、質の高い先駆的な

掻動を地道に実践しおおられる倧阪匁護士

䌚高霢者・障害者総合支揎センタヌ「ひた

わり」の益々のご発展ずご掻躍を祈念し心

からお祝い申し䞊げたす。

15th Anniversary お祝いのあいさ぀

倧阪匁護士䌚 高霢者・障害者総合支揎センタヌ創立15呚幎蚘念誌 ●13

「誰もが䜏み慣れた地域で安党・

安心しお暮らすために」堺垂健康犏祉局 長寿瀟䌚郚 高霢斜策掚進課長 神 原 富 雄

ひたわり蚭立15呚幎、誠におめでずうご

ざいたす。心よりお祝い申し䞊げたす。

たた、ひたわりの匁護士の皆様には、平

玠から本垂健康犏祉行政に栌別のご理解ず

ご協力を賜り、厚くお瀌申しあげたす。

ひたわりには、高霢者虐埅察応専門職

チヌムずしお高霢者虐埅事案のケヌスカン

ファレンス等ぞ䌚員匁護士を掟遣しおいた

だくこずを始めずしお、本垂の様々な事業

に関わっおいただいおおりたす。

特にこの月に開蚭したした「堺垂暩利

擁護サポヌトセンタヌ」に぀きたしおは、

開蚭前から、準備委員䌚の委員ずしお参画

しおいただきたした。たた、開蚭埌も、月

回の専門盞談ず垂民埌芋人逊成事業に関

わっおいただきたしお、誠にありがずうご

ざいたす。

高霢者や障害者の虐埅を始めずする暩利

擁護に関する事案は、ケヌス党䜓をずらえ

お法的な刀断を必芁ずしたすので、知識も

経隓も豊かなひたわりの匁護士の方に関わ

っおいただけるこずは、非垞に心匷い限り

でありたす。たた、専門盞談は人のチヌ

ムで、垂民埌芋人逊成事業は専任でご担圓

しおいただいおいるこずで、回を重ねるご

ずに前回の経隓が掻かされるこずや、䞀貫

したやり取りず議論が積み重ねられる等日

々ありがたみを実感しおおりたす。

垂民埌芋人逊成事業に぀きたしおは、地

域犏祉の担い手の育成ずいう偎面もあり、

垂民、倧阪匁護士䌚、倧阪叞法曞士䌚、倧

阪瀟䌚犏祉士䌚、倧阪家庭裁刀所堺支郚、

堺垂瀟䌚犏祉協議䌚、その他関係機関ずの

協働事業ずしお泚目されおいたす。開蚭た

もない本垂ずしたしおは、倧阪垂、倧阪府

の先進事䟋を参考にしおおりたすが、関係

者䞀同、詊行錯誀をしながら䞀歩䞀歩進め

おおりたす。さらに、来幎床は垂民埌芋人

候補者バンク登録、受任調敎、垂民埌芋人

掻動支揎も始たりたす。たたもや、詊行錯

誀が始たるこずになりたすが、新たなもの

を䜜り出す喜びもありたす。

珟圚、本垂では、高霢化率24.5を超え、

認知症高霢者も掚蚈䞇千人を超えおい

たす。たた、療育手垳や粟神保健犏祉手垳

をお持ちの方も増加しおおりたす。今埌、

たすたす成幎埌芋制床の利甚を含む暩利擁

護に関する盞談が増えおいくものず思われ

たす。誰もが䜏み慣れた地域で安党・安心

しお暮らすために、倚様な䞻䜓が自分たち

のできるこずに取り組む地域犏祉の掚進に

皆様方のご協力が䞍可欠です。これたで以

䞊に、䞀局のご協力をよろしくお願いいた

したす。

最埌になりたしたが、これからもひたわ

りの倚様な掻動が、益々充実し、発展され

るこずをお祈り申し䞊げたす。

各郚䌚報告 15th Anniversary

●14 倧阪匁護士䌚 高霢者・障害者総合支揎センタヌ創立15呚幎蚘念誌

各各各各各各各各各各各各各各各各各各各各各各各各各 郚郚郚郚郚郚郚郚郚郚郚郚郚郚郚郚郚郚郚郚郚郚郚郚郚 䌚䌚䌚䌚䌚䌚䌚䌚䌚䌚䌚䌚䌚䌚䌚䌚䌚䌚䌚䌚䌚䌚䌚䌚䌚 報報報報報報報報報報報報報報報報報報報報報報報報報 告告告告告告告告告告告告告告告告告告告告告告告告告

1  法埋盞談郚䌚

 法埋盞談の抂芁

ひたわりでは、高霢者・障害者のため

の専門法埋盞談を行っおいたすが、法埋

盞談郚䌚では、その運営を行っおいたす。

ひたわり専門法埋盞談には、電話盞談、

来通盞談、出匵盞談䞀般の法埋盞談・

粟神保健出匵盞談、来所盞談がありた

す。

1998平成10幎月のひたわり発足

以前は、匁護士に盞談をするには、匁護

士䌚通や自治䜓など匁護士が法埋盞談を

実斜する堎所に出向くしか方法がなく、

出向くこずができない高霢者・障害者の

匁護士ぞのアクセスは、非垞に困難なも

のでした。

しかし、ひたわりでは、電話盞談や出

匵盞談を行うこずで、法埋盞談業務のバ

リアフリヌを図り、匁護士ぞのアクセス

の障害を少ないものにしおいたす。

 専門法埋盞談

ひたわり専門法埋盞談は、䞀般の法埋

盞談ずは区別された専門性を有しおいた

す。

盞談内容が、成幎埌芋制床や財産管理、

介護事故や介護トラブル、犏祉サヌビス

の内容、高霢者・障害者の虐埅、粟神保

健支揎、幎金、生掻保護など高霢者・障

害者に特有な問題に察応したす。

具䜓的には、認知症の䞡芪の金銭管理

をどのようにしたらよいか、斜蚭に入所

䞭の芪が骚折をしたが斜蚭に䜕か請求が

できるのか、介護サヌビスを珟状より倚

く受けるこずができないか、粟神病院か

ら退院したい、粟神病院で受けおいる凊

遇に玍埗ができない、障害があるのに障

害幎金が支払われないなどの様々な盞談

が寄せられおいたす。

たた、内容に専門性のある特有な問題

ではなく、高霢者・障害者からの盞談で

あれば、たずえば債務敎理、盞続など䞀

般的な法埋盞談にも応じおいたす。盞談

の応じ方に優しさや粘り匷さが必芁であ

り、いわば人的な専門性を有しおいたす。

そしお、広く人材を集め、倚くの匁護

士に高霢者・障害者の掻動に関わっおも

らうために、ひたわり運営委員だけでな

く「ひたわり支揎匁護士」ずしお登録し

た匁護士に、電話盞談、来通盞談、出匵

盞談、来所盞談を担圓しおもらっおいた

す。

専門性を確保するために、各盞談に぀

いお、法埋盞談郚䌚で事埌にチェックを

行い、盞談内容の法的芳点からの適切性

15th Anniversary 各郚䌚報告

倧阪匁護士䌚 高霢者・障害者総合支揎センタヌ創立15呚幎蚘念誌 ●15

はもちろん、䟋えば高霢者虐埅であれば

地域包括支揎センタヌぞの通報のアドバ

むスができおいるかなど、犏祉的芳点か

らの適切性に぀いおも、チェックをしお

いたす。

たた、珟圚は、支揎匁護士に登録する

には、登録芁件は蚭けおいたせん。

しかしながら、平成27幎床からは、䞀

定の研修を矩務づけるこずずしたした。

今埌も研修を実斜しおいくずずもに、専

門化のニヌズにさらに応えおいく必芁が

ありたす。

 電話盞談

電話盞談は、「ひたわり支揎匁護士」

に登録した匁護士が、法埋盞談を担圓し

おいたす。

高霢者・障害者に関する専門性を有す

る盞談はもちろん、高霢者・障害者から

の盞談であれば、䞀般的な盞談であっお

も、応じおいたす。

そしお、盞談担圓者には、盞談者の盞

談内容を「たず聞く」ずいうこず、機械

的に盞談者の属性を問うたりしないこ

ず、など高霢者・障害者の特性に応じた

察応をお願いしおいたす。

電話盞談を受けお、電話だけでは盞談

が完結しないずきには、継続盞談、盎接

受任もできたすし、来通盞談、出匵盞談

を勧めお、来通盞談の予玄、出匵盞談の

受付もしおもらいたす。

さらに、法埋盞談の専門性を担保する

ため、電話盞談には、盞談担圓者ずは別

に「週担圓」ず呌ばれる担圓者を配眮し、

盞談担圓者がその堎で障害者や高霢者に

関する専門的な知識を週担圓に確認でき

るシステムをずっおいたす。「週担圓」

は、盞談担圓者の盞談祚をチェックし、

そのチェックに基づいお、法埋盞談郚䌚

で䞍適切な回答に぀いおのフォロヌなど

を行っおいたす。

電話盞談は、埓来、毎週火曜日金曜日

の午埌時から時たで名の盞談担圓

者が匁護士䌚通に埅機しお行っおいたし

たが、平成24幎床から氎曜日にも電話盞

談日を増蚭したした。

平成24幎床の電話盞談数は、2,542件

で、ほが毎幎増加しおいる傟向にあり、

高霢化瀟䌚を背景に、今埌も増加が芋蟌

たれたす。

たた、ろうあ者ぞのアクセスを改善す

るため、平成22幎月からは、ファック

スによる盞談の受付も始めたした。たた、

埓来から手話通蚳を介しおの法埋盞談も

行っおいたしたが、ホヌムペヌゞに掲茉

するなどの呚知に぀ずめおいたす。

なお、電話盞談担圓者や週担圓には、

日圓が支払われおいたす。

 来通盞談

来通盞談は、毎週火曜日金曜日の午埌

時から時たで、「ひたわり支揎匁護

士」に登録した匁護士の䞭から、名の

盞談担圓者が匁護士䌚通で行っおいたし

たが、平成21幎12月から氎曜日の同時間

垯にも増蚭をしたした。

盞談時間は、䞀般の法埋盞談ず同様で

枠30分45分たで延長可胜枠確保

各郚䌚報告 15th Anniversary

●16 倧阪匁護士䌚 高霢者・障害者総合支揎センタヌ創立15呚幎蚘念誌

しおいたす。

来通盞談においおも、高霢者・障害者

に関する専門性を有する盞談はもちろ

ん、高霢者・障害者からの盞談であれば、

䞀般的な盞談であっおも、応じおいたす。

来通盞談の受付は、電話盞談やその他

匁護士䌚ぞの電話で受付をしおいたす。

来通盞談においおも、法埋盞談の専門

性を担保するため、䞊蚘の「週担圓」が

盞談祚をチェックし、そのチェックに基

づいお、法埋盞談郚䌚で䞍適切な回答に

぀いおのフォロヌなどを行っおいたす。

平成24幎床の来通盞談数は、288件で、

毎幎増加しおいたす。

盞談料は、総合法埋盞談センタヌの法

埋盞談ず同様ですが、法テラス資力芁件

該圓者は、30分に限り無料ずなっおいた

す。

来通盞談担圓者にも、盞談料が支払わ

れおいたすし、盎接受任も可胜です。

 出匵盞談䞀般事件

出匵盞談は、盎接、匁護士が、盞談者

の自宅や斜蚭など、盞談者のもずぞ盎接

出向いお盞談者の法埋盞談を行っおいた

す。

出匵盞談においおは、電話盞談等によ

っお受付を行い、盞談担圓者が、出匵の

芁吊を、盞談者自身が障害や高霢のため

に匁護士䌚通に来通するこずが困難か吊

かずいう点から審査したす。

そしお、週間に10名の「ひたわり支

揎匁護士」に出匵盞談埅機の割り圓おを

行い、その10名の䞭から出匵する匁護士

を遞任し、受付から10日以内に、匁護士

が出匵したす。出匵する匁護士には、予

め電話盞談での聎取内容等を知らせおお

り、出匵盞談がスムヌズにいくように配

慮しおいたす。

出匵盞談においおも、高霢者・障害者

に関する専門性を有する盞談はもちろ

ん、高霢者・障害者からの盞談であれば、

䞀般的な盞談であっおも、出匵に応じお

いたす。

出匵する範囲は、倧阪府内ですが、奈

良匁護士䌚ずは提携しおいたすので、奈

良県内の出匵盞談を受け付けた堎合に

は、盎接奈良匁護士䌚に連絡をしおその

所属する匁護士が出匵にいきたす。

平成24幎床の出匵盞談受付数は、385

件で、そのうち䞀般の出匵盞談が実斜さ

れたもの236件、次に述べる粟神保健出

匵盞談が実斜されたものが、66件で、ほ

が毎幎増加しおいたす。

出匵盞談に察しおは、日圓䞇円ず亀

通費が支払われたすし、法テラス資力芁

件該圓者には、法テラスから出匵盞談費

甚が支払われたす。出匵盞談からの盎受

も可胜です。

 粟神保健出匵盞談

粟神保健出匵盞談は、粟神病院に入院

䞭の患者が、退院・凊遇改善に関する請

求を支揎するために出匵盞談を行いた

す。詳现は、粟神保健郚䌚の掻動玹介に

譲りたすが、電話盞談等で受付を行い、

粟神保健郚䌚が出匵芁吊を刀断しお、出

匵盞談に行くこずになっおいたす。

15th Anniversary 各郚䌚報告

倧阪匁護士䌚 高霢者・障害者総合支揎センタヌ創立15呚幎蚘念誌 ●17

 自治䜓での法埋盞談

倧阪埌芋支揎センタヌあいあいねっ

ず、倧阪垂瀟䌚犏祉研修・情報セン

タヌ、高槻障害者生掻盞談、倧阪瀟䌚犏

祉士䌚盞談センタヌぱあずなあ、堺

垂暩利擁護サポヌトセンタヌにおいお

も、法埋盞談を実斜しおいたす。

 研修

法埋盞談郚䌚では、䞊蚘のような専門

性を有した法埋盞談に察応できる「支揎

匁護士」を逊成するために、法埋盞談に

関する研修、幎金、生掻保護などの研修

も随時行っおいたす。

 ひたわり法埋盞談掻動の今埌

高霢瀟䌚の䞭で、高霢者・障害者の法

埋盞談のニヌズは、さらに高たっおいた

すし、匁護士ぞのアクセスの障害は、た

だただ解消されおいたせん。

法埋盞談郚䌚ずしおも、ひたわりで行

っおいる掻動の広報、関係各機関ぞの呚

知など、匁護士ぞのアクセスを改善しお、

法埋盞談のさらなるバリアフリヌ化を目

指し、匁護士に察しおより気軜に盞談で

きるようにする必芁がありたす。

ずくに、成幎埌芋申立件数の増加を鑑

み、成幎埌芋に特化した専門盞談ができ

ないかなど、さらなる専門盞談化に぀い

おも、怜蚎を重ねおいたす。

たた、研修を通じおも、さらなる専門

性の拡充を図る必芁を感じ、研修の実斜

を行うずずもに、平成25幎床に決定した、

平成27幎床からの「ひたわり支揎匁護士」

登録の研修矩務化に向けおの研修も行っ

おいく予定です。

各郚䌚報告 15th Anniversary

●18 倧阪匁護士䌚 高霢者・障害者総合支揎センタヌ創立15呚幎蚘念誌

資 料

15th Anniversary 各郚䌚報告

倧阪匁護士䌚 高霢者・障害者総合支揎センタヌ創立15呚幎蚘念誌 ●19

2  埌芋支揎郚䌚

 埌芋支揎郚䌚の目的

埌芋支揎郚䌚では、䞻に、成幎埌芋業

務や財産管理業務を行う匁護士を察象ず

した研修ずサポヌトを行っおいたす。

 匁護士等を察象ずする研修

匁護士等を察象ずする研修ずしお、①

埌芋基瀎研修、②埌芋アドバンス研修な

どの研修を開催しおいたす。

① 埌芋基瀎研修は、文字どおり成幎埌

芋初心者たたは初玚者の匁護士向けの

基瀎的な研修であり、匁護士による

「成幎埌芋総論」研修・「財産管理の

実務」研修ず、瀟䌚犏祉士の方による

「身䞊監護の実務」研修のコマがあ

りたす。幎回のラむブ研修毎幎

月に開催のほか、幎間に耇数

回研修を開催しおいたす。

これらの基瀎研修コマ党郚を受講

しおいただき、か぀、ひたわり支揎匁

護士ずしお登録しおいただければ、ひ

たわりの成幎埌芋人等の掚薊名簿に登

茉されるこずになっおおり、ひたわり

では、家庭裁刀所から成幎埌芋人等の

掚薊䟝頌を受けたずきは、この掚薊名

簿に登茉された匁護士の䞭から掚薊を

しおいたす。

② アドバンス研修は、特定のテヌマに

絞っお成幎埌芋䞭玚者以䞊向けに行う

研修であり、珟圚、匁護士による「成

幎埌芋監督人の職務ず実務䞊の留意

点」研修・「垂町村長申立、高霢者虐

埅線」研修介護犏祉郚䌚ず共催、

公蚌人ず匁護士による「任意埌芋契玄

制床の抂芁ず実務」研修のコマの研

修を行っおいたす。これらの研修に぀

いおも、幎回のラむブ研修ず幎に耇

数回の研修を行っおいたす。

ひたわりでは、家庭裁刀所から成幎

埌芋監督事案、垂町村長申立・虐埅事

案、任意埌芋監督事案の埌芋人等の掚

薊䟝頌を受けたずきは、䞊蚘の掚薊名

簿の䞭から、これらの研修の受講歎を

参考に掚薊をしおいたす。

以䞊の成幎埌芋に関する研修に加

え、匁護士を察象ずしたひたわり財産

管理委任契玄による財産管理に関

する研修を開催し、たた、叞法修習生

の遞択実務修習においお成幎埌芋の基

瀎知識に関する講矩を担圓しおいた

す。

 匁護士ぞのサポヌト

匁護士ぞのサポヌトずしおは、①成幎

埌芋事案ずひたわり財産管理事案に関す

るスクリヌニング䌚議、②垂町村長申

立・虐埅事案に関するスクリヌニング䌚

議介護犏祉郚䌚ず共催、③埌芋人等

経隓亀流䌚、④成幎埌芋や財産管理に関

する匁護士向けのマニュアルの䜜成等を

行っおいたす。

①のスクリヌニング䌚議は毎月第朚

曜日の午埌時から時たで開催しおい

たす䜆し、平成26幎床は開催日を倉曎

各郚䌚報告 15th Anniversary

●20 倧阪匁護士䌚 高霢者・障害者総合支揎センタヌ創立15呚幎蚘念誌

する可胜性がありたす。䞻に埌芋支揎

郚䌚所属の匁護士が出垭し、たた、瀟䌚

犏祉士の方にも出垭しおいただいおいた

す。

ひたわり支揎匁護士からひたわり財産

管理のあっせん申蟌みを受けた事案や、

匁護士から成幎埌芋等の事案に぀いお盞

談の申蟌みを受けた事案に぀いおひた

わり事務局にお申し蟌みいただくこずが

できたす、䞀぀の事案に぀き30分ず぀

時間をずり、財産管理業務や成幎埌芋業

務を進めるにあたっお泚意すべき点や、

盞談のあった点に関する解決方法などを

怜蚎しおおり、経隓豊富な埌芋支揎郚䌚

の匁護士や瀟䌚犏祉士の方から助蚀を受

けられる堎ずしお掻甚されおいたす。

申蟌みをされた匁護士以倖の匁護士で

あっおも、䌚議に出垭し、議論に参加し

おいただくこずができたす若手の匁護

士には、成幎埌芋の分野に関する理解を

深めおいただく栌奜の機䌚ずなるず思い

たす。

②は、垂町村長申立・虐埅事案に぀い

お、担圓の成幎埌芋人等ず、介護犏祉郚

䌚・埌芋支揎郚䌚の匁護士が怜蚎を行う

ものですが、これに぀いおは介護犏祉郚

䌚の項に譲るこずずしたす。

③の埌芋人等経隓亀流䌚はか月に

回、月・月・12月・月に開催しお

いたす。毎回テヌマを決めお、参加した

匁護士の間で、具䜓的事䟋や法的な論点

に関する怜蚎を行っおおり、埌芋に関す

る実務的な知識ず経隓を共有し合うこず

ができたす。なお、平成25幎床は、「初

めおの成幎埌芋成幎埌芋実務経隓の浅

い方向け事䟋玹介、議論・怜蚎」、「財

産の取戻し調査方法やどこたで回収行

為をおこなうか」、「介護斜蚭に関する

悩み(探し方・入所のタむミング・入所

埌の斜蚭ぞの察応)」をテヌマにしたし

た。若手の匁護士にも成幎埌芋の分野に

぀いお理解を深めおいただく絶奜の機䌚

ず思いたす。

瀟䌚犏祉士の方にも出垭しおいただい

おおり、身䞊監護面に぀いおは瀟䌚犏祉

士の方の助蚀を䌺うこずもできたす。瀟

䌚犏祉士の方には身䞊監護に関するミニ

講矩も行っおいただいおおり、平成25幎

床は、「介護保険の䜿い方」ケアプラン

衚・利甚祚等の芋方ずチェックポむン

ト、「知的障害・粟神障害・発達障害・

高次機胜障害の内容」、「介護斜蚭の皮類、

収入等に応じた斜蚭の遞択方法、斜蚭の

サヌビスに぀いおのチェックポむント」

に぀いおミニ講矩を行っおいただきたし

た。

参加者数が埐々に増加しおいたすの

で、平成25幎12月からは、参加者の発蚀

の機䌚が増え、議論が掻性化するよう、

参加者を぀のグルヌプに分けお、各グ

ルヌプで怜蚎を行うようにしおいたす。

④のマニュアルの䜜成等に぀いおは、

これたで『成幎埌芋人の実務』などを発

刊しおおり、珟圚は、郚䌚内でプロゞェ

クトチヌムを立ち䞊げお、『任意埌芋マ

ニュアル』の原皿を䜜成し、たた、ひた

わり財産管理の制床の䞀郚倉曎を怜蚎す

るなどしおいたす。

15th Anniversary 各郚䌚報告

倧阪匁護士䌚 高霢者・障害者総合支揎センタヌ創立15呚幎蚘念誌 ●21

 その他

以䞊のほかには、匁護士ぞの成幎埌芋

に関する情報提䟛、成幎埌芋に関する講

垫の掟遣、ひたわり財産管理に関するア

ンケヌトの実斜や報告滞留案件ぞの察策

の怜蚎などを行っおいたす。

 郚䌚の仕事

郚䌚は毎月回、第朚曜日の午埌

時から開催しおおり、研修・スクリヌニ

ング䌚議・亀流䌚等の開催の準備などを

進めおいたす。

これらの機䌚が匁護士のためより充実

した内容ずなるように怜蚎しおおり、䟋

えば、埌芋人等経隓亀流䌚の蚎論テヌマ

や瀟䌚犏祉士の方のミニ講矩のテヌマを

決めたり、亀流䌚などを掻性化するため

の方法に぀いお議論したりしおいたす。

和気藹々ずした雰囲気で運営しおいた

すので、若手の匁護士にも参加しおいた

だいお、新しいアむデアを出しおいただ

ければず思いたす。

 郚䌚の圹割

平成13幎に導入された新しい成幎埌芋

制床は、超高霢瀟䌚においお非垞に重芁

な圹割を担っおおり、利甚件数も幎々増

加しおいたす。倧阪家庭裁刀所からひた

わりぞの成幎埌芋人等の掚薊䟝頌も爆発

的な増加を続けおいたす平成24幎床の

掚薊件数は478件でしたが、平成25幎床

の掚薊件数は、平成25幎12月の時点で

560件を超えおいたす。他方で、芪族埌

芋人の䞍祥事や高霢者・障害者ぞの虐埅

も埌を絶ちたせん。

このため、今埌、成幎埌芋の分野にお

いお匁護士に期埅される圹割は益々倧き

なものになるず思われたす。

しかし、珟圚、ひたわりの成幎埌芋人

等の掚薊名簿に登茉された匁護士の人数

は必ずしも十分ずはいえたせん。成幎埌

芋分野ぞの取り組みに必ずしも積極的で

ない匁護士もおられたす。たた、匁護士

の成幎埌芋の分野に関する知識・経隓に

぀いおはただただ䞍十分な点も芋られる

ず思いたす。さらに、残念なこずに、平

成24幎には倧阪匁護士䌚でも匁護士の成

幎埌芋人の䞍祥事が発生しおしたいたし

た。

このような状況䞋においお、成幎埌芋

に携わる匁護士の増加ず個々の匁護士の

スキルアップはこれからのひたわりの課

題であるず考えたす。

これらの課題の解決の䞀助ずなるよ

う、埌芋支揎郚䌚においおは、今埌も、

匁護士の研修ずサポヌトに力を入れおい

きたいず考えおいたす。

各郚䌚報告 15th Anniversary

●22 倧阪匁護士䌚 高霢者・障害者総合支揎センタヌ創立15呚幎蚘念誌

3  介護犏祉郚䌚(高霢者・障害者の虐埅察応の最前線)

 介護犏祉郚䌚の蚭眮目的ず沿革

介護犏祉郚䌚は、高霢者、障害者が圚

宅や斜蚭においお介護サヌビスを受けた

り、老霢・障害幎金を受絊したり、生掻

保護など各皮瀟䌚保障サヌビスを受けた

りするこずにより、健康で文化的な最䜎

限床の生掻を送る暩利を享受できるよ

う、実践的な支揎を怜蚎し、実斜しおい

る郚䌚です。

圓郚䌚では、2000平成12幎月に

斜行された介護保険法、2006平成18

幎に斜行された障害者自立支揎法など、

高霢者・障害者の暩利擁護に関連する新

たな法制床が導入されるたびに、勉匷䌚

を開催するなどしお法制床の理解を深

め、適切な運甚がなされるよう、各皮マ

ニュアルを䜜成するなどの掻動を行っお

きたした。

 虐埅防止アドバむザヌの掻動

 虐埅問題ぞの取り組み

珟圚、圓郚䌚における最も掻発な掻

動は、高霢者・障害者の虐埅問題ぞの

取り組みです。

近幎、圚宅や斜蚭で生掻する高霢

者・障害者に察する虐埅が瀟䌚問題化

しおおり、2006平成18幎には高霢

者虐埅防止法が、2012平成24幎に

は障害者虐埅防止法が斜行されおいた

す。これらの法埋は、虐埅の防止や虐

埅を受けた本人の保護など、虐埅に関

する察応の責任が行政垂町村にあ

るこずを定めおいたす。垂町村は、法

の定めに埓い、日々虐埅問題に取り組

んでいたすが、具䜓的なケヌスの解決

ぞの道のりの䞭では、法的な問題たた

は゜ヌシャルワヌク的な問題にぶ぀か

るこずが少なくありたせん。

圓郚䌚では、垂町村の虐埅察応を支

揎するため、高霢者虐埅防止法制定の

幎前から垂町村における虐埅察応䌚

議に出垭し、法的助蚀を提䟛しおきた

した。翌幎には、倧阪瀟䌚犏祉士䌚ず

ずもに高霢者虐埅察応専門職チヌムを

立ち䞊げ、倧阪府内の耇数の垂町村ず

契玄を締結し、匁護士ず瀟䌚犏祉士を

ペアで垂町村䞻催の䌚議に掟遣し、個

別ケヌスに぀いお助蚀を行う事業を展

開しおいたす。障害者虐埅防止法の斜

行を受け、障害者虐埅に぀いおも専門

職チヌムの掟遣が始たりたした。

珟圚、高霢者虐埅に぀いおは、倧阪

府及び府䞋の垂町村の党16自治䜓、障

害者虐埅に぀いおは、倧阪府及び府䞋

の垂町村の党自治䜓ず間で専門職

チヌム掟遣に関する契玄を締結しおい

たす。

 専門職チヌムの実務

行政による虐埅察応は、法埋だけで

なく、厚劎省や自治䜓のマニュアルな

どにより、①通報・届出による虐埅の

認知、②事実確認を行っお虐埅の有無

や被虐埅者の生呜身䜓の安党に関わる

ような緊急性の有無を刀断する、③必

15th Anniversary 各郚䌚報告

倧阪匁護士䌚 高霢者・障害者総合支揎センタヌ創立15呚幎蚘念誌 ●23

芁に応じお、被虐埅者の保護や虐埅解

消のための方策を実斜する、④虐埅が

解消されたかどうかをモニタリングし

お虐埅察応の終結を宣蚀する、ずいう

基本的なスキヌムが構築されおいた

す。

しかし、実際のケヌスはベルトコン

ベアヌのように進むわけではありたせ

ん。

行政は、情報収集がうたくいかず、

虐埅かどうかが刀断できないこずもあ

れば、本人の保護に螏み切るだけの法

埋䞊の芁件を満たしおいるのかどうか

を迷うこずもありたす。たた、本人の

保護のために行った察応が本人の意向

に合臎しおいないのではないかず悩む

堎面、虐埅者や関係者からの非難や攻

撃にさらされる堎面も珍しくありたせ

ん。

行政には、そのような悩みを解消す

るために専門職チヌムを利甚しおいた

だいおいたす。

私たち匁護士は、行政の䞻催する䌚

議に出垭し、専門家アドバむザヌずし

お、法的知識だけでなく、事実認定や

あおはめずいう法埋的思考を提䟛し、

行政が適切に察応方針を定めるこずが

できるように助蚀を行っおいたす。

玛争圓事者の代理人ずしお自ら問題

解決にあたる日垞的な匁護士業務ずは

性栌が異なりたすが、専門職チヌムの

盞方である瀟䌚犏祉士ずの協働はもち

ろん、䌚議に出垭しおいる様々な職皮

の関係者ず意芋を亀わし、事案の解決

を目指すのは、代理人掻動ずはたた違

ったやりがいがありたす。

アドバむザヌ業務を通じ、瀟䌚で実

際に起こっおいる様々な虐埅問題を知

るこずは、高霢化が進展するわが囜で

の匁護士業務にも有甚な経隓ずなるで

しょう。

 圓郚䌚の圹割

増加する掟遣芁請に察応するため、

専門職チヌムでは、圓郚䌚の郚䌚員に

限定せず、所定の研修を受講した方に

ご登録いただき、刑事事件の私遞玹介

のような圓番制床を実斜しおいたす。

圓郚䌚の郚䌚員には、もちろん専門

職チヌムのメンバヌずなっおいただき

たすが、それにずどたらず、専門職チヌ

ムぞ登録する際の研修の講垫を務め

る、あるいは掟遣事案の振り返り・フ

ィヌドバックを目的ずした月䞀回の事

䟋怜蚎䌚においお専門職チヌム登録者

に察する助蚀を行うなど、虐埅に察す

る匁護士䌚内でのスヌパヌバむザヌず

しお掻躍しおいただくこずをお願いし

おいたす。

 虐埅に関する広報掻動

虐埅防止法が斜行され、行政の䜓制が

敎備されるずずもに、虐埅問題に察する

囜民の関心も埐々に高たっおいたすが、

未だ虐埅に察する認識は十分ずはいえた

せん。

高霢者虐埅防止法及び障害者虐埅防止

法では、虐埅を受けたず思われる高霢

者・障害者を発芋した党おの囜民に通報

各郚䌚報告 15th Anniversary

●24 倧阪匁護士䌚 高霢者・障害者総合支揎センタヌ創立15呚幎蚘念誌

努力矩務を課しおいたす。虐埅が家

庭内・斜蚭内ずいうある皮の閉鎖空間で

発生し、被虐埅者の発信胜力が乏

しいこずが倚いずいうのがその理由で

す。

被虐埅者の暩利擁護を図る芳点から、

虐埅察応では察応のスピヌドが重芁です

が、そのためには虐埅を早期に認知する

こずが必芁であり、適切に通報がなされ

るこずの重芁性はいうたでもありたせ

ん。

通報を阻む理由には耇数のものが考え

られたすが、䞻なものずしおは、虐埅の

ずらえ方に関する誀解家族の問題であ

り、行政や他人が口出しをすべきもので

はない、ずいう誀解や、通報者の保護

に関する理解䞍足通報したら情報源を

明かされお逆恚みされるのではないか、

ずいう心配がありたす。

圓郚䌚では、行政や犏祉斜蚭等が䞻催

する勉匷䌚や研修䌚に講垫を掟遣し、高

霢者虐埅に関する正しい知識を行政職

員、犏祉関係者たたは䞀般垂民の方に䌝

える掻動を行っおいたす。

 虐埅に関する研究等

高霢者虐埅に぀いおみおも、珟行制床

では解決の難しい課題も耇数存圚した

す。

高霢者虐埅防止法は、圚宅での虐埅を

念頭に眮いた、高霢者の生掻の䞖話をし

おいる「逊護者」による虐埅ず、逊介護

斜蚭内における虐埅の二぀の類型に぀い

お芏定しおいたすが、近幎、行き堎のな

い高霢者を賃貞䜏宅に囲い蟌み、連携し

おいるサヌビス事業者や医療機関が介

護・医療サヌビスの提䟛をうたいなが

ら、実際には十分なサヌビスが提䟛され

おいないケヌスが問題になっおいたす。

同じこずが有料老人ホヌムで起こっおい

れば、斜蚭内虐埅ずしお、虐埅防止法に

基づく察応が取られるこずに疑いはあり

たせんが、単なる賃貞䜏宅連携しおい

る事業者ずいう圢匏を取っおいるため

に、「逊介護斜蚭」ずしお察応するこず

に行政が躊躇するずいうこずが起こっお

いたす。

しかし、圢匏の劂䜕を問わず、被虐埅

者の暩利が䟵害されおいる以䞊は、介入

の必芁があるこずは明らかです。

圓郚䌚では、倧阪府ずの間で共同の

ワヌキングチヌムを䜜り、こうした法の

朜脱的な行為ぞの察応に぀いお怜蚎し、

行政ずの意芋亀換を行っおいたす。

 圓郚䌚ぞのご参加のお誘い

今埌ずも、虐埅問題に関する取り組み

が掻動の倧郚分を占めるこずずなりたす

が、虐埅は決しお通垞の匁護士業務から

瞁遠いものではありたせん。䟋えば虐埅

ず成幎埌芋制床ずの関わりは非垞に深い

ものがありたす。高霢者が財産を搟取さ

れおいる堎合経枈的虐埅、これを抜

本的に解決するには、埌芋人を遞任しお

高霢者の財産を適切に管理させるこずが

必芁です。匁護士䌚から掚薊を受けお匕

き受けた埌芋事件が虐埅ケヌスだったず

いうずきに虐埅に関する知識があるずな

15th Anniversary 各郚䌚報告

倧阪匁護士䌚 高霢者・障害者総合支揎センタヌ創立15呚幎蚘念誌 ●25

いでは業務の進め方も心構えも違っおき

たす。たた、䟝頌者から、ストレヌトに

虐埅に぀いお盞談されるこずもあるでし

ょう。

虐埅問題ぞの取り組みが匁護士業務ず

しおも重芁な䞀分野になり぀぀ある昚

今、圓郚䌚で最前線の掻動に関わるこず

は有益であるず思いたす。

ぜひ圓郚䌚の掻動にご参加ください。

■ 匁護団事件の末垭で

介護犏祉郚䌚 65期 äž­ å°Ÿ 倪 郎

 はじめに

今回、「介護犏祉郚䌚の掻動玹介 高

霢者・障害者の虐埅察応の最前線」以

䞋「本線」ずいいたす。のおたけずし

お介護犏祉郚䌚の新人の掻動を曞いおみ

ようずいう䌁画が持ち䞊がり、新人の私

が原皿を曞かせおいただくこずになりた

した。本線を読たれお、介護犏祉郚䌚に

入ろうず考えおおられる方に、介護犏祉

郚䌚の新人の掻動をお䌝えできれば、ず

思いたす。

ただ、新人の掻動ず蚀っおもピンキリ

ですので、読んでおもしろいず思っおい

ただけそうな話を新人の私の掻動の䞭か

ら遞ばせおいただきたした。

今回遞ばせおいただいたのは、ある匁

護団事件での䜜業のお話です。

 事件の抂芁

 本件蚎え

倧阪府内には、「蚺療所及び居宅介

護事業所ず䞀䜓ずなったマンションで

す。」ずいう売り蟌みで高霢者を囲い

蟌んでいる賃貞䜏宅が耇数ありたす。

詳しくは、本線の「 虐埅に関する

研究等」をご芧ください。

事件はそういった賃貞䜏宅の䞀぀で

起きたした。蚺療所、居宅介護事業所

及びマンション以䞋この文章におい

お「マンション」ずいいたす。の

実質的オヌナヌである被告医垫が、原

告入居者に察しお䞍圓な請求をしおい

ただけでなく、理由もないのにその身

䜓を拘束しおいたのです。しかも、

マンションの生掻環境は悲惚なもの

で、マンションでは氎道蚭備は䜿甚

䞍胜、耇数人の盞郚屋、それももずも

ず居䜏スペヌスではない䞀宀を匕き戞

で分けただけの郚屋でプラむバシヌは

なく、さらに必芁のない身䜓拘束が繰

り返されおいたした。

そのため、入居者の家族がマンシ

ョンの生掻環境を倧阪垂に通報し、通

報を受けた倧阪垂は、専門職チヌムも

亀えお虐埅察応䌚議を開催したす。倧

阪垂は、圓初、マンションが医垫の

いる斜蚭だったので介入に躊躇しおい

たしたが、䌚議に参加しおいた専門職

チヌムから、これは明らかな虐埅であ

り介入すべきであるずいう助蚀を受

け、倧阪垂も察応を開始したした。

入居者の家族は、たた、匁護士にも

マンションに察する蚎蚟提起を䟝頌

し、䟝頌を受けお、介護犏祉郚䌚の䌚

員である、奥岡眞人匁護士、小山操子

各郚䌚報告 15th Anniversary

●26 倧阪匁護士䌚 高霢者・障害者総合支揎センタヌ創立15呚幎蚘念誌

匁護士、前田剛志匁護士、束宮良兞匁

護士の人が代理人ずしお、マンシ

ョンに察する蚎蚟を提起したした。

そこで、原告入居者が、介護犏祉郚

䌚で構成された匁護団を代理人ずし

お、被告医垫に察しお、䞍圓な請求に

応じお支払っおしたった金銭の返還ず

身䜓拘束に基づく慰謝料の支払いを求

めお蚎え以䞋「本件蚎え」ずいいた

す。を提起した、ずいうのがこの事

件の始たりです。

 利甚料の䞍圓請求を明らかにするこ

ず

ずころが、本件蚎えを提起しおも被

告医垫はマンションの経営ず広告を

止めず、このたたではマンションの

被害者がさらに出おしたうこずが予想

されたした。

そこで、匁護団の䞭で、本件蚎え提

起前に行った蚌拠保党で怜蚌した介護

保険の垳祚から被告医垫が介護報酬の

䞍圓請求を行っおいるこずを明らかに

し、裁刀所だけでなく倧阪府知事に察

しおも情報を提䟛しお、事業所指定の

取消しを促すこずが怜蚎され始めたし

た。

私も匁護団に加えおいただいたの

は、ちょうどこの頃です。

私が加わった盎埌から、前田剛志匁

護士ず介護支揎専門員の資栌を持぀束

宮良兞匁護士の指導の䞋、ずいうより

手取り足取り教えおもらう圢で、介護

保険の垳祚から介護報酬の䞍圓請求を

明らかにする䜜業に着手したした。

 どうやっお䞍圓請求を明らかにするの

か

 先ほどず蚀っおいるこずがやや倉わ

りたすが 

垳祚から䞍圓請求を明らかにするず

蚀いたしたが、蚌拠保党で怜蚌した垳

祚は平成21幎月から平成24幎月た

であり、しかもこの間、被告医垫は䞍

圓請求の手口を数回倉えおいたした。

そのため、被告医垫が行った䞍圓請

求のすべおの手口をお䌝えするのは難

しいので、私が担圓した平成23幎月

から平成24幎月たでの間の介護保険

の垳祚ず介護報酬の䞍圓請求の手口を

䞭心にご説明したす。

 介護報酬の蚈算方法

マンションでは、介護報酬の察象

ずなるサヌビスには蚪問介護サヌビス

ず蚪問看護サヌビスがありたす。そし

お、それぞれのサヌビスにサヌビス提

䟛蚘録簿ずサヌビス提䟛祚がありた

す。このサヌビス提䟛蚘録簿ずサヌビ

ス提䟛祚をもずに介護報酬が蚈算され

たす。

すなわち、倧ざっぱに説明するず、

サヌビス提䟛蚘録簿には提䟛したサヌ

ビスの内容、時間及び人数が蚘茉され、

サヌビス提䟛祚にはサヌビス提䟛蚘録

簿蚘茉の時間から蚈算される「単䜍数」

及びサヌビスを提䟛した回数及びその

人数の積である「回数」が蚘茉されお

いたす。介護報酬はこの「単䜍数」ず

「回数」の積に䞀定の加算又は枛算

たずえば、准看護士がサヌビスを提

15th Anniversary 各郚䌚報告

倧阪匁護士䌚 高霢者・障害者総合支揎センタヌ創立15呚幎蚘念誌 ●27

䟛した堎合には10を枛じる、など。

をしお求められたす。

蚈算匏

介護報酬

単䜍数×「回数」人数×回数

×加算率たたは枛算率

 被告医垫の手口

さお、本題の被告医垫の手口ですが、

基本はサヌビスの時間・人数の氎増し

又は准看護垫の枛算を行わないずいう

狡いものです。

たずえば、それたで時間未満で終

了しおいた入济介護のサヌビスに぀い

お時間30分ず蚘茉したり、ひどい堎

合にはサヌビスは枅拭だけなのに人

で時間30分かかったず蚘茉したり、

などです。

私たちは、これらの明らかな時間・

人数の氎増しや准看護垫の枛算の䞍備

を䞀぀ず぀蚘録したす。そしお、最終

的な介護報酬の䞍圓請求額を蚈算した

す。䞍圓請求額は55侇4081円でした。

 圹に立ったのか、これから圹に立぀の

か

結局、匁護士人が数か月をかけお出

おきた金額が55侇4081円なので、倧山鳎

動しお錠䞀匹ずいう印象を䞎えおしたう

かもしれたせんが、そういう぀もりでは

ありたせん。

介護報酬の䞍圓請求は事業所の指定取

消事由ですし、たた、本件蚎蚟においお

も、裁刀所にマンションのずさんな経

営実態を理解しおもらうのに倧いに圹立

぀ず思われたす。そのために、䞍圓請求

の蚈算はずおも重芁なのです。

たた、介護報酬の蚈算方法を知るこず

は、被告医垫のような悪質業者を排陀す

る手段ずしおの他にも圹立おる途がある

ず思いたす。たずえば、分野は党く違い

たすが、遺産分割審刀においお認められ

にくいず蚀われる療逊看護型の寄䞎分を

蚈算する際にも圹立おられるかも知れた

せん。介護報酬の蚈算ずいうず少し普段

の仕事からは瞁遠いようにも芋えたす

が、意倖に近くお圹立぀ものなのかもし

れたせん。

このように、意倖ず普段の仕事に圹立

぀ものの、反面、専門的で特殊な胜力を

備えた方が、介護犏祉郚䌚にはたくさん

いらっしゃいたす。そのような方に教え

おもらいながら事件に参加できるずいう

のは、私にずっおありがたいこずでした。

以䞊、おたけずしおお楜しみいただけ

たでしょうか。お楜しみいただいた䞊で

介護犏祉郚䌚ぞご参加を怜蚎しおいただ

ければ、幞いです。

各郚䌚報告 15th Anniversary

●28 倧阪匁護士䌚 高霢者・障害者総合支揎センタヌ創立15呚幎蚘念誌

4  粟神保健郚䌚あなたも、ご䞀緒に「粟神保健支揎掻動」

に参加しおみたせんか

 粟神保健支揎掻動の抂芁

粟神保健郚䌚では、「粟神保健支揎掻

動」の運営党般を扱っおいたす。

粟神保健支揎掻動ずいうのは、匁護士

にずっお銎染みの薄い掻動ですが、粟神

保健犏祉法「粟神保健及び粟神障害者

犏祉に関する法埋」第38条のに芏定

されおいる、粟神科病院に入院䞭の者

以䞋、「入院者」ずいいたす又は保

護者から「退院請求」たたは「凊遇改善

請求」の䟝頌を受けお、入院者等の代理

人ずしお掻動するもので、2006平成18

幎の法テラス発足に際しお、日匁連から

の委蚗揎助業務ずしお党囜的に取り組た

れるようになった掻動です倧阪では、

1998平成10幎月のひたわり発足圓

初から、法埋扶助協䌚倧阪支郚の独自事

業ずしお取り組たれおいたした。代理

人ずしお掻動する堎合には、法テラスを

利甚すれば、11䞇円費甚盞圓分5,000

円、報酬10侇5,000円、いずれも消費皎

蟌みの法埋揎助がなされたす。昚幎床

の、出匵盞談件数66件党䜓385件、受

任件数31件党䜓299件の実瞟ずなっ

おいたす。

 出匵盞談の手続抂芁

粟神科病院に入院しおいる方から、

「もう症状が改善しお退院できるはずな

のに退院させおもらえない」ずか、「倖

出させおもらえない」「院倖の友人に電

話させおもらえない」ずいった盞談が、

ひたわりの電話盞談毎週火、氎、金の

午埌時時に架かっおきたす。

通垞の電話盞談は、人の盞談担圓の

匁護士が独自に出匵の芁吊を刀定したす

が、粟神保健事案粟神科病院からの退

院・凊遇改善請求の盞談事案の堎合に

は、専門的な刀断が必芁になるために、

出匵盞談の受付だけをその堎で行い、出

匵の「芁吊刀定」は毎月亀代で芁吊刀定

をする「月担圓匁護士」が行っおいたす。

この月担圓匁護士は、粟神保健郚䌚の郚

䌚員が亀代で担圓しおいたす。

毎月の郚䌚では、圓該月の盞談案件を

チェックし、適切に芁吊刀定がなされお

いるか、䟝頌を安易に断るこずなく適切

な受任の刀断がなされおいるのかを怜蚎

しおいたす。

 粟神保健支揎掻動の抂芁

芁吊刀定の審査を受けお、ひたわり担

圓事務局から支揎匁護士に出匵盞談の䟝

頌がありたす。

䟝頌を受けた匁護士は、入院䞭の盞談

者ず連絡を取り、粟神科病院たで出匵し

おもらうこずになりたす。

その際、この掻動の経隓がなくおも䞀

通りの掻動ができるように、圓郚䌚が䜜

成した『粟神保健支揎掻動マニュアル』

2008幎月発行を利甚しおもらえば、

誰でも支揎掻動を行えるようにしおいた

す。

2013幎に粟神保健犏祉法が䞀郚改正さ

15th Anniversary 各郚䌚報告

倧阪匁護士䌚 高霢者・障害者総合支揎センタヌ創立15呚幎蚘念誌 ●29

れたこずもあり、珟圚、郚䌚では、この

マニュアルの改蚂䜜業に取りかかっおい

たす。法埋改正の反映はもちろんのこず、

この間の掻動の実瞟を反映しおより充実

した内容にできるようにしたいず思っお

いたす党囜の単䜍䌚で、マニュアルを

䜜成しおいるのは、犏岡県匁護士䌚ず

「ひたわり」だけです。

実際に䞻匵盞談を担圓したずきは、盞

談者の蚎えおいる盞談内容は劄想ではな

いか、ろれ぀が回らず、盞談内容の趣旚

がわかりにくい、玠人目に芋おも退院は

䞍可胜ではないかずいう理由で受任に躊

躇するケヌスが倚いかもしれたせん。

しかし、粟神科病院ぞの匷制入院は、

個人の人身の自由に察する重倧な制限で

あり、法埋粟神保健犏祉法の定める

芁件、手続を充たす堎合にのみ䟋倖的に

蚱されるものです。粟神保健支揎掻動は、

違法な人暩䟵害に察する救枈掻動を目的

ずしたものであり、いわば「刑事圓番匁

護士の粟神医療版」ずも蚀えたす。郚䌚

では、手続の説明をした䞊で、盞談者が

退院請求等を垌望する堎合には、匁護士

の刀断で自制するこずなく積極的に請求

を出しおもらうようお願いしおいたす。

「月担圓」は、芁吊刀定を担圓した案

件に぀いお、実際に代理人掻動を担圓す

る匁護士の悩みや質問に答えおいたす。

たた、困難な案件では、メヌリングリス

トや月回の定䟋郚䌚においお事䟋怜蚎

を行っおサポヌトをしおいたす。

 粟神保健支揎掻動の歎史

「ひたわり」が粟神保健支揎掻動に取

り組むに至ったきっかけは、20幎前

1993平成幎に起きた倧和川病

院事件廃院に遡りたす。入院患者が

他の患者から暎行を受けお重傷を負い、

そのたた適切な蚺療を受けないで攟眮さ

れ、搬送先の病院で死亡したずいう事件

です。連日、マスコミにも倧きく報道さ

れた事件です。

しかし、このような病院が垌有で䟋倖

的ずはいえず、歎史的にも、我が囜の粟

神医療を取り巻く珟実は、瀟䌚からの隔

離を最優先し、閉鎖病棟に閉じこめお劣

悪な環境に起き、適切な医療が行われず、

安易な身䜓拘束時には暎行・虐埅が

暪行しおいたした。このように粟神科病

院には、人暩䟵害の枩床ずなる内圚的危

険が垞に存圚しおいるずもいえ、匁護士

が患者からの芁請に応えお入院先の病院

に赎き、盎接病棟の様子を芳察し、入院

者の生の声に耳を傟け、医垫や看護垫等

の医療関係者ずの間で意芋亀換するこず

で、粟神科病院の閉鎖性・密宀性に、倖

郚からの「颚」を送り蟌む必芁がありた

す。最近、「このミステリヌがすごい

倧賞」を受賞した「匁護士探偵物語 倩

䜿の分け前」ずいう犏岡県匁護士䌚に所

属する匁護士が執筆したミステリヌも、

犏岡匁護士䌚の粟神保健支揎掻動犏岡

の「粟神保健圓番匁護士制床」が舞台

になっおいたす。そこで描かれおいる粟

神科病院の実態は、決しお架空の䞖界ず

は蚀えないのです。

各郚䌚報告 15th Anniversary

●30 倧阪匁護士䌚 高霢者・障害者総合支揎センタヌ創立15呚幎蚘念誌

この事件の取り組みが、「ひたわり」

に匕き継がれ、法埋扶助協䌚倧阪支郚の

独自事業ずしお取り組たれおきたした。

たた、犏岡県匁護士䌚でも、「粟神保健

圓番匁護士」ずいう独自の制床ずしお発

展しおきたした。2006平成18幎10月

の法テラスの業務開始に際し、日匁連か

ら委蚗揎助業務ずしお党囜の単䜍䌚で取

り組たれるようになったもので、ただ党

囜的には歎史の浅い掻動ずいえたす。珟

圚、日匁連では、この掻動を党囜的に広

げおいくために、「粟神障害者に察する

法的支揎プロゞェクト」を策定し、党囜

匁護士䌚長野、山梚、暪浜、兵庫、

広島、䜐賀、北海道、宮厎、千葉でモ

デル事業ずしお展開されお、党囜ぞの拡

倧が暡玢されおいたす。

 粟神保健支揎掻動を豊かなものに

倚くの匁護士は、この分野の経隓が浅

いため、医垫や看護垫などの医療関係者

からの説明を鵜呑みにしたり、本人の症

状を芋お、玠人刀断で入院が必芁な症状

で退院請求など認められるはずがないず

独断しお支揎䞍盞圓ずしお䟝頌を断った

り、家族が反察しおいるからずいう理由

で䟝頌を断ったりするこずが、しばしば

芋られたす。

しかし、退院請求を行うこずにより、

入院圢態が倉わったり医療保護入院が

任意入院になるなど、第䞉者が間に入

るこずで家族ずの関係が奜転したりする

こずもよくありたす。

したがっお、匁護士限りの刀断ではな

く、本人が退院請求を求めおいるのであ

れば、原則ずしお受任しお代理人ずしお

掻動すべきずいうのが郚䌚の基本的立堎

です。匁護士ずしおは、あくたでも人身

の自由を制限するための手続的芁件を充

たしおいるのか法的な芖点から代理人掻

動を行っおいく必芁がありたす。

たた、実際の粟神科病棟では、長期に

わたる入院生掻を送っおいる「瀟䌚的入

院」のケヌスでも悩むこずがありたす。

長期入院は患者から瀟䌚生掻胜力を奪

い、たすたす瀟䌚に戻るこずを困難にし

おいくずいう匊害がありたす。このよう

な瀟䌚的入院は、医療的に芋れば入院治

療の必芁はないが、家族の受け入れ拒吊

のために入院継続を䜙儀なくされおいる

堎合も倚く、退院のための受け皿䜜りに

悩むこずもありたす。

そこで、粟神保健支揎業務の遂行の経

隓を亀流し、より豊かなものずするため

に、定期的に「粟神保健支揎掻動の経隓

亀流䌚」を開催しおいたす。そこには、

粟神科医や粟神保健犏祉士、

粟神医療審査䌚委員の匁護士などにも参

加しおもらい、異なった立堎からアドバ

むスを受けおいたす。瀟䌚的入院解消の

ためには、倧阪府の「退院促進事業」に

぀いおの研修を行ったりもしたした。

たた、「粟神医療審査䌚委員ずの懇談

䌚」も実斜し、医垫や匁護士委員から審

査の実情に぀いおの情報提䟛やそれに基

づく怜蚎や意芋亀換も行っおいたす。

この他、支揎掻動の内容を豊かにしお

いくために、粟神疟患や粟神科医療に察

15th Anniversary 各郚䌚報告

倧阪匁護士䌚 高霢者・障害者総合支揎センタヌ創立15呚幎蚘念誌 ●31

する基本的知識も必芁なために、粟神科

や研究者などの専門家から「連続研修」

なども継続的に開催しおきおいたす。こ

れたで、粟神科医療の歎史、障害者総合

支揎法、統合倱調症、躁う぀病、発達障

害などをテヌマに研修を行っおきたし

た。

 広がる粟神保健郚䌚の掻動

これたで、粟神科病院に入院しおいる

方からの退院請求・凊遇改善請求の代理

人掻動を䞭心に掻動しおきた郚䌚も、さ

らに広く粟神障害者の支揎掻動ができな

いか暡玢をしおきたした。

そのような䞭で、「ひたわり」の障害

者刑事匁護郚䌚の発足に䌎い、同郚䌚ず

合同で定䟋䌚を開催し、連携を取るよう

になっおいたす。これは、圓初、知的障

害者を䞭心にしお取り組みを始めた障害

者刑事匁護郚䌚の掻動が障害者党般に広

がる䞭で、粟神障害者の支揎掻動をおこ

なっお来た圓郚䌚員の経隓が生かせるの

ではないかずいうこずで始たったもので

す。

同様に、医療芳察法の付添人掻動に぀

いおも、刑事法制委員䌚に蚭けられおい

る付添人制床運営協議䌚、障害者刑事匁

護郚䌚ずも連携しお研修等ぞの取り組み

も怜蚎されおいたす。被疑者・被告人の

刑事手続の段階から匁護人ずしお掻動

し、医療芳察法の手続では匕き続いお、

付添人ずしお掻動する、さらに、入院決

定で医療芳察病棟ぞ入院埌も、退院請求

や凊遇改善請求ずしお掻動するこずで䞀

貫した支揎が可胜ずなるず考えられた

す。

このように、今埌も、圓郚䌚は、退院

請求・凊遇改善請求の粟神保健支揎掻動

を䞭心業務ずし぀぀、さらに幅広く、粟

神障害者の支揎掻動に取り組んでいきた

いず考えおいたす。

各郚䌚報告 15th Anniversary

●32 倧阪匁護士䌚 高霢者・障害者総合支揎センタヌ創立15呚幎蚘念誌

5  障がい者刑事匁護郚䌚

 障がい者刑事匁護郚䌚ずは

圓郚䌚は、「障がいがあるこず理由に、

重い眪を科せられないように。」ずいう

考えのもず障がい者の刑事手続きを通じ

おその暩利擁護をはかり、そのために必

芁な各皮の掻動を行う郚䌚です。圓委員

䌚の䞭では、最も歎史の浅い郚䌚です。

取り扱う分野は、障がい者の䞭でもさ

らに刑事事件に限定されおいたすが、あ

くたで、障がい者の暩利擁護が目的であ

り、その掻動範囲は、必ずしも埓来から

の刑事匁護掻動に限定されるものではあ

りたせん。觊法障がい者が瀟䌚に埩垰す

るために必芁な曎生支揎など、様々な掻

動を行いたす。

 蚭立たで

 きっかけ

ア 宇郜宮事件

平成16幎月、療育手垳の被

疑者が匷盗容疑で逮捕・起蚎された

事件がありたした。この事件は、圓

初、被告人の障害は党く問題になら

ず、自癜事件ずしお結審しそうにな

りたした。しかし、刀決前に突然、

真犯人が別に珟れたした。結局、怜

察官は、無眪の論告をし、平成17幎

月10日、被告人に察し匷盗に぀い

お無眪が蚀い枡されたのです。

この事件では、取調段階における

自癜調曞の䜜成など様々な問題があ

り、日本匁護士連合䌚が譊告曞を出

したした。

ã‚€ 矯正統蚈幎報

政府が発行しおいる矯正統蚈幎報

2012幎によれば、平成24幎の新

受刑者の総数は、24,780名、うち

70未満の人は、5,214名、割合ず

しおは、玄21になりたす。䞀般瀟

䌚においおは、70未満の人の割

合が玄ずされおいるこずからす

れば、玄倍の数字です。

これらの人たちは、誘導にのりや

すかったり、自身の思っおいるこず

を䞊手に䌝えられないなど、えん眪

や重眰化の危険が懞念される人たち

です。

 障がい者刑事匁護マニュアルの制䜜

これらの事態を受け、平成19幎に、

倧阪匁護士䌚では、䞻に知的障がい者

の刑事事件を念頭に眮き、刑事手続き

における暩利擁護を目的ずしお「知的

障害者刑事匁護マニュアル」を䜜成し

たした。

 障がい者刑事匁護人育成の立ち

䞊げ

さらに、その䜜成したマニュアルを

掻かせるよう、障がい者の特性を知り、

適切な匁護掻動のできる匁護士を育成

するこずを目的ずしお、障がい者刑事

匁護人育成プロゞェクトチヌムを立ち

䞊げ、調査、研究、研修などの実斜を

行い、障がい者刑事匁護人名簿を䜜成

したした。

15th Anniversary 各郚䌚報告

倧阪匁護士䌚 高霢者・障害者総合支揎センタヌ創立15呚幎蚘念誌 ●33

このプロゞェクトチヌムが圓郚䌚の

前身ずなり、圓委員䌚の䞭に、障がい

者刑事匁護郚䌚が蚭眮されたした。

 蚭立から今日たで

障がい者刑事匁護郚䌚が蚭眮されおか

ら今日たでの間、圓郚䌚は以䞋のような

掻動を行っおきたした。

 連続研修、新人研修の実斜

障がい者の特性を理解し、刑事手続

きにおいお障がい者の暩利擁護を諮る

こずのできる匁護人を逊成するため、

毎幎、研修を行っおいたす。

具䜓的には、月頃に䞻に新人向け

の研修を行い、月から11月にかけお

月に回ペヌスで各障がいの特性や障

がい者刑事匁護においお特に泚意すべ

き点、実際に障がい者ずコミュニケヌ

ションをずる際に泚意すべき点、面接

技法、他職皮ずの連携の仕方などに぀

いお研修を行っおいたす。

 障がい者刑事匁護人名簿の䜜成

実際に発生した事件に぀いお、障が

い者の特性などに十分配慮した匁護掻

動ができる匁護士を掟遣するよう、研

修を受けた匁護士の䞭から垌望者を募

り、障がい者刑事匁護人名簿を䜜成し

たした。

この名簿は、刑事圓番の出動䟝頌や

被疑者囜遞匁護人の掚薊䟝頌があった

際に、被疑者、被告人に障がいのある

こずが刀明しおいる事件に぀いお、名

簿登録者を掟遣するために䜿われるよ

うになりたした。

 障がい者刑事サポヌトセンタヌ蚭立

障がい者刑事匁護人が掟遣されるよ

うになったこずから、具䜓的な事件の

進行に応じお、適切なアドバむスを必

芁ずするケヌスが予想されたした。そ

こで、具䜓的な事件に぀いお担圓した

匁護人がアドバむスを求められるよ

う、障がい者刑事匁護サポヌトセン

タヌを蚭立したした。

具䜓的には、サポヌトセンタヌの

メヌリングリストを立ち䞊げ、障がい

者刑事匁護事件を担圓する匁護士に登

録しおいただき、具䜓的な事件の凊理

方針ぞのアドバむス、医垫、瀟䌚犏祉

士の玹介などを行い、各匁護人が適切

な匁護掻動を行えるようにしたした。

 裁刀所、怜察庁、府譊本郚ずの連携

匁護士䌚から、関係各所に察し、被

疑者、被告人が䜕らかの障がいを有し

おいるこずが明らかな堎合には、被疑

者囜遞匁護人の掚薊䟝頌や圓番匁護士

の掟遣䟝頌などに際し、被疑者、被告

人が䜕らかの障がいを有しおいるこず

を付蚘しおいただくよう芁望し、その

ために、最䜎限、各手垳所持の有無に

぀いお確認しおいただくよう、芁望を

行いたした。

この芁望に基づき、被疑者囜遞匁護

人掚薊䟝頌や圓番匁護士の掟遣䟝頌の

際、手垳所持の有無だけではなく、本

人による通院、投薬歎などを付蚘しお

の䟝頌もなされるようになり、障がい

者刑事匁護人名簿からの掟遣ができる

ようになりたした。

各郚䌚報告 15th Anniversary

●34 倧阪匁護士䌚 高霢者・障害者総合支揎センタヌ創立15呚幎蚘念誌

 倧阪瀟䌚犏祉士䌚ずの連携

障がい者刑事匁護掻動においおは、

その暩利擁護のためには匁護士だけで

は必ずしも十分な掻動ができるずは限

らないため、倧阪瀟䌚犏祉士䌚ずの連

携を行うようになりたした。

具䜓的には、接芋ぞの同行、被疑者

の障害の皋床などに察する芋極め、曎

生支揎蚈画曞の䜜成などを通じお、匁

護人の掻動をフォロヌしおもらい、十

分な障がい者刑事匁護ができるように

したした。

 今埌

圓郚䌚では、今埌も障がい者刑事事件

を通じお、障がい者の暩利擁護が実珟さ

れるよう、掻動を行っお行きたす。

そのために、倧阪瀟䌚犏祉士䌚だけで

なく、地域生掻定着支揎センタヌや怜察

庁、裁刀所などずの協議、連携なども図

っおいきたす。同時に、匁護人偎におい

おも、充実した掻動ができるよう、研修

などを通じ、その量的、質的向䞊を図っ

おいきたす。

15th Anniversary 各郚䌚報告

倧阪匁護士䌚 高霢者・障害者総合支揎センタヌ創立15呚幎蚘念誌 ●35

6  調査研究郚䌚

 調査研究郚䌚の抂芁

調査研究郚䌚は、高霢者・障害者に関

わるこずがらに぀いお調査研究し、その

成果を公衚しお、テヌマによっおは提蚀

を行っおいくこずを掻動内容ずしおいた

す。

調査研究郚䌚は、ひたわり発足の翌幎

である平成111999幎床に蚭立された

郚䌚です。平成182006幎床に䌁画・

運営郚䌚ず統合し、「調査研究、䌁画・

運営郚䌚」ずなっおひたわり䞻催の各皮

シンポゞりムやパネルディスカッショ

ン、研修等の䌁画・運営等もしおおりた

したが、各郚䌚で掻発にシンポゞりム等

が䌁画・運営されるようになりたしたの

で、平成212009幎床以降は、もっぱ

ら調査研究掻動を行っおおりたす。

調査研究の察象は、ひたわりの具䜓的

支揎業務に関連しお生ずる問題や高霢

者・障害者に関わる制床等の問題点等か

ら、その時々のニヌズに応じお蚭定しお

おりたす。高霢者・障害者に関わるこず

で調査研究しおほしいずいうテヌマがあ

りたしたら、是非お問い合わせ䞋さい。

たた、調査研究郚䌚で取り組んでいる

テヌマに興味を持たれたしたら、い぀で

も飛び入り参加しおいただければず思い

たす。倧歓迎です。

調査研究の方法も、関連図曞を読み蟌

んでの勉匷䌚や裁刀䟋研究、専門家にお

越しいただいおレクチャヌを受けたり、

関係者にアンケヌト調査やヒアリング調

査を実斜したりずさたざたです。

 調査研究郚䌚15幎のあゆみ

 初幎床である平成111999幎床は、

郚䌚員各自が関心を持぀テヌマに぀い

お調査研究を行い、各自郚䌚で発衚を

したした。刀断胜力に障がいを有する

人の保護ず被保護者本人の意思の尊

重、リバヌス・モゲヌゞ、銀行の機械

化ず高霢者・障害者、粟神障害者の家

族に察する経枈的支揎に぀いお、聎芚

障害者問題、粟神保健犏祉法の改正等

を取り䞊げたした。

 平成122000から平成132001

幎床は、「高霢者、障害者の遞挙暩に

関する問題」に取り組みたした。各皮

斜蚭・病院及び介護者の䌚を蚪問しお

実態調査を行いたした。実態調査の結

果は、人暩擁護委員䌚ず共同で、「投

祚の機䌚均等は保障されおいるか-高

霢者や障害者の珟状ず提蚀-」ず題し

お報告曞にたずめ、第44回日本匁護士

連合䌚人暩擁護倧䌚プレシンポゞりム

においお報告を行いたした。

 平成142002から平成182006

幎床前半にかけおは、介護犏祉郚䌚ず

の合同で、「介護事故をめぐる法的問

題ず珟堎におけるリスクマネゞメン

ト」に぀いお調査研究を行いたした。

介護事故に関する基瀎的な文献や介護

事故の類型・事故実䟋・刀䟋等に぀い

お調査研究をするずずもに、介護事故

各郚䌚報告 15th Anniversary

●36 倧阪匁護士䌚 高霢者・障害者総合支揎センタヌ創立15呚幎蚘念誌

防止に向けおの取り組みを実践しおい

る高霢者斜蚭長のヒアリング等を行い

たした。

これらの調査研究をもずに、平成18

2006幎月に「介護事故マニュア

ル」を発行し、平成192007幎月

には、「介護事故マニュアル」をテキ

ストずしお倧阪匁護士䌚䌚員を察象ず

した介護事故研修を実斜したした。

 平成182006幎床埌半から、「第

䞉者埌芋人のあり方」をテヌマずした

調査研究掻動を行いたした。

第䞉者埌芋人の実情や問題点を把握

するため、埌芋人ずしお掻動を行っお

いる匁護士、瀟䌚犏祉士及び叞法曞士

を察象にアンケヌト調査を実斜し、総

数玄580名から回答を埗たした。その

埌、調査の範囲を、いわゆる専門職埌

芋人ずいわれる匁護士、瀟䌚犏祉士及

び叞法曞士だけでなく、法人埌芋を行

っおいるNPO法人や芪族埌芋など埌芋

人の担い手党般に拡倧し、成幎埌芋人

の担い手の珟状、芪族埌芋・第䞉者埌

芋の珟状ず課題、埌芋人の担い手の今

埌の方向性、今埌の第䞉者埌芋の担い

手の課題、成幎埌芋人の報酬の財源等

に぀いお議論を深めたした。

この調査研究の成果に぀いおは、

「成幎埌芋人の担い手に関する怜蚎報

告曞」ずいう冊子にしお、平成20

2008幎月のひたわり10呚幎蚘念

シンポゞりム「倧阪における今埌の埌

芋人の担い手ずその支揎」においお配

垃したした。

 平成212009幎床からは、成幎埌

芋ずいう芖点から「障がいのある人の

暩利擁護」に぀いお調査研究したした。

半幎にわたり、粟神保健犏祉士や瀟䌚

犏祉士、発達障害者支揎センタヌ長等

をお招きしお、粟神障害、高次脳機胜

障害、発達障害に察する支揎に぀いお

のレクチャヌを受けたした。障害のあ

る人の成幎埌芋は、制床面からも障が

いのある人自身の特性の面からも高霢

者の成幎埌芋ずは異なった取り組み・

配慮が必芁ずなりたす。今埌、芪亡き

埌を想定しお、匁護士が障がいのある

人の成幎埌芋人等になるケヌスも増え

るず思われるこずから、障がいのある

人の成幎埌芋人等になった匁護士を察

象ずしたマニュアルを䜜成するこずに

したした。

その埌、平成222010幎床から平

成242012幎床にかけお、匁護士が

障がいのある人の成幎埌芋人等ずなっ

た際に䜿甚できる方匏のマニュ

アルの䜜成に取り組み、平成25幎月

「障がいのある人の成幎埌芋人になっ

たら読む本『自分らしく生きる』を

めざしお〈実務マニュアル〉」を発

行したした。このマニュアルでは、知

的障害、粟神障害、発達障害、高次脳

機胜障害の各障害ごずの特城ず支揎に

぀いお蚘茉するずずもに、障害のある

人の成幎埌芋人等になった匁護士が、

被埌芋人等の生掻蚭蚈をする際に盎面

する問題を取り䞊げおいたす。

 平成252013幎、「成幎埌芋人ず

15th Anniversary 各郚䌚報告

倧阪匁護士䌚 高霢者・障害者総合支揎センタヌ創立15呚幎蚘念誌 ●37

しお障がいのある人の日䞭掻動を支え

る」ずのテヌマで、被埌芋人の日䞭掻

動に぀いお調査研究を行いたした。

「障がいのある人の成幎埌芋人になっ

たら読む本『自分らしく生きる』を

めざしお〈実務マニュアル〉」を䜜

成しおいる間に、障がいのある被埌芋

人等は、日垞どのように過ごしおいる

のだろうか、成幎埌芋人等ずしお被埌

芋人のよりよい生掻のために䜕かでき

るこずはあるのだろうかずいう点に興

味が湧いたためです。

倧阪府䞋の障害者入所斜蚭・通所斜

蚭を察象に、利甚者の構成、利甚時間

垯、支揎費制床から自立支揎法ぞの移

行に䌎い行うようになった取組み・行

わなくなった取組み、職員の構成等、

障がいのある人の日䞭掻動に぀いおア

ンケヌト調査を実斜し、47の入所斜蚭

ず144の通所斜蚭から回答を埗たした。

たた、障害者就業・生掻支揎センタヌ

にお、障がいのある人の就劎に぀いお

聞き取り調査を行いたした。

平成25幎床近畿匁護士䌚連合䌚 高

霢者・障害者の暩利に関する連絡協議

䌚倏期研修䌚にお、「成幎埌芋人ずし

お障がいのある人の日䞭掻動を支え

る」のテヌマのもず、䞊蚘障がいのあ

る人の日䞭掻動に぀いおのアンケヌト

調査及び障がいのある人の就劎に぀い

おの聞き取り調査に関する報告を行い

たした。

この倏期研修䌚では、䞊蚘報告に加

え、事䟋報告ずしお「豊胜障害者劎働

センタヌにおける、最䜎賃金を保障す

る働き方」ず題しお、豊胜障害者劎働

センタヌのスタッフ及び利甚者、「さ

぀き犏祉䌚における、障がいに応じた

日䞭掻動」ず題しお、さ぀き犏祉䌚の

理事長及びスタッフにご臚垭いただ

き、むンタビュヌ圢匏で各斜蚭の取組

みに぀いおうかがいたした。

 調査研究郚䌚では、ずきに匁護士䌚

通の䌚議宀を飛び出し、珟地芋孊やヒ

アリングを行っおいたす。最近では、

平成25幎床近畿匁護士䌚連合䌚 高霢

者・障害者の暩利に関する連絡協議䌚

倏期研修䌚での事䟋報告に先立ち、さ

぀き犏祉䌚が吹田垂の委蚗を受けお運

営しおいる「あいほうぷ吹田吹田垂

立障害者支揎亀流センタヌ」を蚪問

し、芋孊及びヒアリングを行いたした

蚪問時の様子は、埌掲の「近匁倏期

研修関連 吹田垂立障害者支揎亀流セ

ンタヌ『あいほうぷ吹田』斜蚭蚪問録」

をご芧䞋さい。

このような郚䌚の掻動は、普段の匁

護士業務ずはたた別に、芖野や知識を

広げる良い機䌚ずなっおおりたす。

 これからの調査研究郚䌚

今埌の調査研究郚䌚の掻動ずしお、䞋

蚘のテヌマを取り䞊げるこずを怜蚎しお

おりたす。

 平成252013幎12月日に批准さ

れた障害者暩利条玄に぀いお調査研究

をする予定です。

 たた、平成182006幎月に発行

各郚䌚報告 15th Anniversary

●38 倧阪匁護士䌚 高霢者・障害者総合支揎センタヌ創立15呚幎蚘念誌

した「介護事故マニュアル」に぀きた

しおも、発行埌、倚数の介護事故刀䟋

が蓄積されおきたこず、裁刀所の蚎蚟

指揮や被害者偎代理人ずしおの䞻匵・

立蚌の工倫等、介護事故に぀いお匁護

士間で情報を共有したいずいう声も䞊

がっおいるこずから、こちらも改蚂を

怜蚎しおおりたす。

 さらに、障害者自立支揎法が改正さ

れ、障害者の日垞生掻及び瀟䌚生掻を

総合的に支揎するための法埋障害者

総合支揎法ずしお、平成25幎月

日から斜行されたした。これにより障

がい者に察する支揎制床等が順次倉曎

されおいきたすので、「障がいのある

人の成幎埌芋人になったら読む本

『自分らしく生きる』をめざしお〈実

務マニュアル〉」の改蚂を怜蚎しお

おりたす。

15th Anniversary 各郚䌚報告

倧阪匁護士䌚 高霢者・障害者総合支揎センタヌ創立15呚幎蚘念誌 ●39

近匁倏期研修関連

吹田垂立障害者支揎亀流センタヌ「あいほうぷ吹田」斜蚭蚪問録

蚪問日日時 2013幎月日氎

午埌時時

蚪 問 目 的 倏期研修「成幎埌芋人ずしお

障がいのある人の日䞭掻動を

支える」のための芋孊ずヒア

リング

蚪 問 内 容 2010

あいほうぷ吹田斜蚭芋孊

1000

さ぀き犏祉䌚ずあいほうぷ吹

田の説明

 「あいほうぷ吹田」ずさ぀き犏祉䌚

「あいほうぷ吹田」は吹田垂立の斜蚭

で、さ぀き犏祉䌚が委蚗を受けお運営し

おいる。さ぀き犏祉䌚は、か所の䜜業

所ず「あいほうぷ吹田」を含めお330人

の日䞭掻動を受け入れおおり、さらに、

13か所のケアホヌム・グルヌプホヌムで

50人の利甚者の暮らしを支えおいる。

 さ぀き犏祉䌚の掻動内容

 あいほうぷ吹田の事業

〔階〕宇宙班䞭途障害者 毎日

の通所ではなく、入济だけ、麻雀

だけなど思いを持っお来おいる人

が倚いデむサヌビス的取り組

み。幎霢は様々。

〔階〕重床の知的障害のある利甚者

で、芖芚・聎芚・粟神・難治性お

んかんなどずの重耇障害のある方

々が倚く、幎霢的には壮幎期・高

霢期の方が倚くおられる。

日䞭掻動は、基本的には半日は䜜

業を行い、他は出かけたり、音楜・

創䜜・プヌル・ゲヌム等䜙暇支揎

や散歩等倖出掻動を行っおいる。

〔階〕重床重耇障害の方が䞭心で、

健康面を重芁芖しおいる。午前䞭

はバむタルチェックやミヌティン

グをしお、午埌から色々な䜜業や

プヌル音楜等の掻動を取り組んで

いる。

※あいほうぷ吹田では、玄70名のボラ

ンティアが様々な分野で掻動されお

いる。

 䜜業所か所

䜜業所は、就劎支揎ず生掻介護に

わかれおいるずころが倚い倚機胜型

『就劎支揎』では働くこずを䞭心

にし、工賃を前幎以䞊にするこずによ

っお斜蚭サヌビス費の報酬が加算され

る制床になっおいるので、毎幎仕事の

工賃を䞊げるようにしなければならな

い。働くこずが䞭心ずなるため、䜙暇

掻動ずしおの旅行や倖出も劎働のため

のものずしお重芁芖しお䜍眮づけおい

各郚䌚報告 15th Anniversary

●40 倧阪匁護士䌚 高霢者・障害者総合支揎センタヌ創立15呚幎蚘念誌

る。

『生掻介護』は、その内容に特段の

決たりはなく、䜜業もあれば入济をす

るずころもあるが、さ぀き犏祉䌚では

働くこずが人間生きおいく䞊で倧切だ

ず力を入れおいる。

囜の方針は、就劎支揎は働くずころ、

生掻介護は老人のデむサヌビスのよう

に䜕をしおも、しなくおもいいずころ

ずなっおいる。

実際には、就劎支揎や生掻介護など

制床の皮類で区切るのではなく、䞀人

ひずりの利甚者の必芁性に合わせお支

揎蚈画を組んでいる

 盞談事業

吹田垂の玄35䞇人のうち玄2000人の

障害者の盞談支揎をしお、どのような

生掻を送るかなど「個人蚈画」を䜜成

するこずになっおいるが、人的な䜓制

が䞍十分で、䜜業所に通えないような

堎合や斜蚭を倉曎する時など、家族や

保健垫、圹所からの䟝頌による盞談に

応じおいるのが珟状である。斜蚭から

の地域移行に関する盞談もあるが、件

数ずしおはそれほど倚くはない。

 グルヌプホヌム・ケアホヌム13か

所

13か所のホヌムのうち、さ぀き犏祉

䌚が独自で建おたホヌムはか所あ

おぞらホヌムのみ。他の12か所は、

垂営䜏宅や府営䜏宅を郚屋借りお

぀のホヌムにしたり、民間の家を借り

たりしおホヌムにしおいる。

高霢者のホヌムずの違いは、障害者

はか所人のホヌムが倚いずい

うこず。今の吹田では぀の䜏宅で

぀や぀も郚屋のある家はほずんどな

く、これからは自分たちで建おなけれ

ばならないず思っおいる。

利甚者の方々も高霢になっおきお、

珟圚74歳でホヌムを利甚しおいる人も

いる。利甚者の平均幎霢は44歳くらい。

吹田垂は65歳以䞊になれば介護保険制

床を䜿えずいうが、ホヌムは介護保険

ではないし、働く堎も介護保険ではな

いずいうこずで、65才以䞊の人も障害

者犏祉サヌビスを利甚しおホヌムから

からさ぀き犏祉䌚の䜜業所ぞ働きに行

っおいる。

 課題

障害者斜蚭の課題ずしおは、「利甚

者の高霢化の問題」がある。これは早

い時期に共同䜜業所を始めた斜蚭がど

こも抱えおいる問題である。さ぀き犏

祉䌚ずしおも、高霢化した利甚者がど

のような生掻を送ればいいのかの研究

䌚を立ち䞊げお怜蚎しおいる。日䞭掻

動のなかでは「どんな働き方ができる

のか。仕事をしない時はどんな取り組

みが必芁かくらしの堎ではどのよう

な生掻空間であり、生掻様匏がいいの

か」ずいう点から考えおいる。

もう䞀぀は、「障害者ず医療の問題」

がある。高霢化するず同時に病気等で

医療にかかる機䌚が増えるが、医療の

15th Anniversary 各郚䌚報告

倧阪匁護士䌚 高霢者・障害者総合支揎センタヌ創立15呚幎蚘念誌 ●41

発展により生呜を取りずめるこずがで

きるようになっお来おいる。「取りず

めた生呜をどう人間らしく楜しい生き

がいをもった人生を送れるか」これ

は犏祉の制床だず思うが、日本の制床

はたったくお粗末だず思う。さ぀き犏

祉䌚は、利甚者の立堎に立っお察応し

おきたこずず、最も困難な人を倧切に

するこずをモットヌずしおきたので、

障害皋床の重節な人の生き方を考えお

斜蚭づくりをしおきた。そのため、医

療的にも他の斜蚭では考えられないよ

うな人たちが集たっおきた。

そうした䞭で、障害者斜蚭ずしお、

あらゆる制床のなかで障害者が人間ら

しく生きおいくための努力をしなけれ

ばず考えるが、今の政治があたりにも

人間を人間扱いしない䞭で障害者斜蚭

のあり方ず支揎の圚り方に぀いお、制

床のなかで工倫が求められおいる。

 質疑応答

障害者の所埗、障害皋床ず斜蚭利甚

の関係はどうなっおいるか。

○障害皋床の識別は

① 障害者手垳での等玚身障・知

的・粟神それぞれにならびに

等玚

② 障害者幎金に察する区分け玚、

玚

③ 障害皋床区分

この皮類は党く別々の刀定で、障

害皋床区分によっお、䜿える犏祉サヌ

ビス、斜蚭が限定されおいる。

○生掻費はほずんど芪の支揎であるが、

生掻保護を受けおいる人たちもいる。

○成幎埌芋制床を䜿っおいる人はただ少

なく、さ぀き犏祉䌚党䜓で10人前埌し

かいない。

アンケヌトをみるず 生掻介護ず就

劎支揎を兌ね備えおいるずころが倚

い。障害皋床による「劎働」ず「䜙暇

的掻甚」を掻甚しおいるのか。

○囜の制床では、働く人ははたらく䞭で

毎幎工賃を䞊げおいくようにするこず

が䞭心で、䜙暇掻動などは個人の問題

ず考えおいる。生掻介護は働かなくお

も毎日を過ごしたらずいう圢で䜕をし

おもいいこず、工賃を払わなくおもい

いこずになっおいる。

○私たちは、支揎費になる前から、人間

の発達には「劎働働き、瀟䌚参加す

るこず」が倧切だず取り組んでいる。

斜蚭の圢態にかかわらず「はたらく」

こずを重芖しおいるのず、「人間らし

く生きる」ための䜙暇掻動を重芖しお、

プログラムのなかに、「旅行」「倖出」

「散歩」等を取り入れおいる。

埌芋人になった時、利甚者本人

の日䞭掻動等に぀いおどのような芖点

が必芁か。

○囜の制床通りにするず、障害者の人間

らしさが倱われはしないかず心配し、

各郚䌚報告 15th Anniversary

●42 倧阪匁護士䌚 高霢者・障害者総合支揎センタヌ創立15呚幎蚘念誌

それぞれの経営者の障害者芳、人間芳

によっお斜蚭運営の方法が倉わっおき

おいる。

○単に財産を守るずいうだけでなく、そ

の障害者の生き方をどう人間らしく考

えるか。を含めお生掻環境をどうする

かを考えおほしい。

○䜜業所に通っおいるずいうだけで、斜

蚭経営のあり方が非垞に異なっおいる

点を芋抜いおほしい。

障害者が斜蚭を遞ぶのはどのように

しおいるのか。

○支揎孊校の先生が、以前は生埒個人の

進路に぀いお、その人に合わせお真剣

に盞談に乗っおいたが、今では個人の

自由ず蚀うのか、アドバむスはするが

指導はしないずの方針で、斜蚭の遞別

を芪に任されおいる。

○芪が斜蚭を遞定するずきに䞀番の優先

されるのは、朝早くから倜遅くたで子

どもを預かっおくれるずころずなっ

お、䜜業所のなかでどのような取り組

みがなされるかは二の次になりがちに

なっおいる。これは、今の時䞖障害児

をもっおいおも母芪が働かなければな

らない状況の反映でもあるが、芪は情

報を倚く持぀䞖の䞭になっおいるが、

その情報を集団で話しあうのではな

く、個人の刀断に任されおいるので、

あやふやな刀断をしがちになる。

埌芋人になったずきに意思疎通のし

にくい人たちずコミュ二ケヌションを

取る方法は

○蚀葉かけをしおいるうちにその人なり

の反応があるので、気長く、職員や芪

に聞きながら根気よく話しかけおほし

い。

○もう䞀぀は、利甚者の人たちの日䞭掻

動やくらしの堎ぞ出かけお、様子を芋

お、職員に様子を聞くこずだ。床重な

る䞭で、蚀葉を発しない利甚者でも䜕

を意図しおいるのか分かっおくるこず

が倚い。アむコンタクトや手の力の入

れ具合などによっお、意思が䌝わっお

くる。

さ぀き犏祉䌚における埌芋人ずのか

かわりは

○さ぀き犏祉䌚で埌芋人さんになっおい

ただいおいる人たちは、圓人ずの話だ

けでなく、職員ず面談しお話し合いを

しおいる。少しゆっくりするための小

遣いはこれくらいにしたしょうかず

か、先日は亡くなったお母さんの埡墓

をどうするかも埌芋人ず職員ず本人を

亀えお話しをし、吹田のお寺で預かっ

おいただくこずもした。

15th Anniversary 各郚䌚報告

倧阪匁護士䌚 高霢者・障害者総合支揎センタヌ創立15呚幎蚘念誌 ●43

あいほうぷ吹田は、看護垫だけでな

くなど専門職を倚く

入れおいるが。

○囜の制床で肢䜓障害者が䜕以䞊いる

生掻介護は看護垫の配眮が矩務づけら

れおいる。あいほうぷは斜蚭を぀くる

時から、肢䜓障害者の䜓のケア等を考

えお、専門職の力が必芁ず考えおきた。

結果、圓初考えおいる以䞊にが誀

嚥などでも専門的な力をもっおいるず

か、が気管切開の人たちもプヌル

に入れるず詊行しながらプヌルを楜し

んでもらっおいるなど実践に広がりが

出おきおいる。

○医療に぀いおも独特の考え方で、ドク

タヌは蚺療宀で蚺察するのではなく、

働いおいる珟堎、掻動しおいる様子を

芋お蚺断しおいただく方匏を取っおい

る。蚺察宀のベットの䞊でみる患者さ

んず動いおいる「人」をみる蚺察では

芋方が異なるずいっおいる。

○斜蚭の圢態にこだわるのではなく、専

門職の知識を障害者が生きるためにな

にが必芁かずいう芳点で「人」を芋お

もらうようにしおいる。

障害者の病気ず入院に぀いお。

○ホヌムで暮らしおいる人たちが病気を

しお寝蟌んだ時に、今のホヌムでは昌

間は職員がいないので苊劎しおいる。

職員が残っお看病せざるを埗ない。

○入院した時は特に付き添いを芁求され

るので職員が昌倜にわたり付き添う

か、知的犏祉協䌚がしおいる入院介護

保障の保険制床に入っおもらい、介護

人をお願いしおその保険から介護人の

料金を賄う堎合もありたす。

質の高い匁護士埌芋人の確保をめざしお 15th Anniversary

●44 倧阪匁護士䌚 高霢者・障害者総合支揎センタヌ創立15呚幎蚘念誌

質質質質質質質質質質質質質質質質のののののののののののののののの高高高高高高高高高高高高高高高高いいいいいいいいいいいいいいいい匁匁匁匁匁匁匁匁匁匁匁匁匁匁匁匁護護護護護護護護護護護護護護護護士士士士士士士士士士士士士士士士埌埌埌埌埌埌埌埌埌埌埌埌埌埌埌埌芋芋芋芋芋芋芋芋芋芋芋芋芋芋芋芋人人人人人人人人人人人人人人人人のののののののののののののののの確確確確確確確確確確確確確確確確保保保保保保保保保保保保保保保保ををををををををををををををををめめめめめめめめめめめめめめめめざざざざざざざざざざざざざざざざししししししししししししししししおおおおおおおおおおおおおおおお倧阪匁護士䌚における成幎埌芋人掚薊の方策

 はじめに高たる匁護士埌芋人ぞの

ニヌズ

ひたわり10呚幎以降に委員䌚ずしお倧

きなボリュヌムずなっおきた取組の぀

に、匁護士埌芋人の掚薊業務がある。

2000幎の成幎埌芋制床の改正以降、家庭

裁刀所から匁護士䌚に察する埌芋人等候

補者の掚薊䟝頌が幎々増加しおきた䞋

蚘の衚ずグラフを参照のこず。

ずりわけこの数幎の増加数は飛躍的で

あり、平成23幎床には幎間400件を超え、

今幎床は750件を超える勢いである。倧

阪家庭裁刀所における成幎埌芋人等の新

芏遞任件数が玄3000件であるこずに比べ

おも、その件数の倚さが䌺える。

【平成12幎床から平成25幎床たでの掚薊件

数実瞟】

幎 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25

件 30 51 56 72 91 126 172 179 182 267 261 427 478 775

※25幎床は12月末たでの実瞟581件に基づき掚蚈したもの

これだけの掚薊数は党囜的にも矀を抜

いおいるが、近時の急増の芁因は、倧阪

府䞋における芪族埌芋人に割合の䜎䞋ず

第䞉者埌芋人遞任数の絶察的増加に加

え、垂町村申立や虐埅察応による成幎埌

芋制床利甚の増加、芪族埌芋人の䞍祥事

防止や䞍祥事救枈の察応ずしおの埌芋監

督人の遞任の急増ずいったこずがある。

倧阪匁護士䌚ひたわりでは、平成

12幎の圓初から、質の高い匁護士候補者

を研修を通じお逊成の䞊、事案の特性に

応じお適切にマッチングをした䞊で、裁

刀所ぞ候補者を掚薊するシステムを構築

するこずを目暙に、様々な詊行錯誀を繰

り返しおきた。特に掚薊数の急増した近

幎は、それに迅速に察応するずずもに、

倚数の案件にもかかわらず事案の特性に

配慮した掚薊ずいう目暙を実珟するため

に、重局的な掚薊システムを構築しおき

た。

その掚薊システムの抂芁を玹介するず

ずもに、今埌の課題を提瀺しおおきたい。

 掚薊システムの抂芁

倧阪匁護士䌚の掚薊システムの流れ

は、次のずおりである。

① 裁刀所から事案の抂芁ず事件メモを

付しお掚薊䟝頌があるず、掚薊委員䌚

を経由しお盎ちにひたわりの運営委員

䌚に掚薊候補者の怜蚎が諮問される。

② ひたわりの運営委員䌚では、埌芋人

15th Anniversary 質の高い匁護士埌芋人の確保をめざしお

倧阪匁護士䌚 高霢者・障害者総合支揎センタヌ創立15呚幎蚘念誌 ●45

候補者の掚薊チヌムを組織しおおり、

週毎の担圓班が、事案を分析の䞊、䌚

員の䞭から、予め指定の研修芁件を満

たした埌芋人等掚薊名簿登茉者平成

25幎12月31日珟圚の登録䌚員1052名

䌚員総数4121名の䞭から、埌述する

掚薊目安に埓っお適切な候補者を遞定

する。

③ 掚薊チヌムの担圓班から各候補者に

打蚺をし、内諟が埗られた堎合、その

他の掚薊障碍事由がないかを確認の

䞊、担圓副䌚長等の決裁の䞊、掚薊決

定をする。

④ 匁護士䌚から家庭裁刀所に掚薊回答

がなされた、これに基づき家庭裁刀所

により埌芋人等の遞任の審刀がなさ

れ、埌芋掻動が開始される。

 埌芋人候補者掚薊名簿の敎備

埌芋人候補者名簿に぀いおは、成幎埌

芋業務に぀いお䞀定の研修を条件ずしお

おり、珟圚は、講座時間の必須研修

を受講し、名簿登録を垌望した䌚員に぀

いお名簿登茉をしおいる。たた、埌芋人

等の職務は、高霢者・障害者の様々な事

案や制床に぀いおの理解ず経隓が重芁で

あるずの認識から、この名簿に登茉され

るず同時に、ひたわりの支揎匁護士名簿

にも登茉され、電話、来通、出匵盞談を

担うこずを矩務づけるこずで、高霢者・

障害者の盞談業務の経隓を積んでいただ

くこずにしおいる。

さらに、これら名簿登茉者に぀いおは、

より埌芋業務を詳しく理解しお実務に察

応しおいただくために、アドバンス研修

を幎数回以䞊実斜しおおり、具䜓的には、

「垂町村長申立ず虐埅察応」「埌芋監督

人ず埌芋人䞍祥事察応」「任意埌芋制床」

に぀いお行っおおり、これらを受講する

こずは名簿登茉の芁件にはなっおいない

が、埌芋監督人の掚薊や虐埅事案の掚薊

に぀いおは、これらの研修を受けるこず

を前提ずするこずにしおいる。

そしお、名簿登茉の各䌚員毎に、これ

らの研修の受講歎、これたでに掚薊した

事案の件数や終了事案の件数、無報酬案

件や虐埅察応案件の履歎等を蚘録し、そ

れらを掚薊の際の刀断材料ずしお、的確

に公平に遞任を進めるこずができるよう

に、たえず名簿の曎新をはかっおいる。

 埌芋人等候補者遞任の䜓制

発足圓初からしばらくは、幎間の掚薊

数はそれほど倚くはなかったため、掚薊

候補者を遞任する担圓は、正副委員長に

おいお察応しおきたが、幎々掚薊数の増

加により、䞀週間に、件を掚薊する

ようになった平成20幎ころから、組織的

な䜓制䜜りをするこずになった。事案を

しっかり分析しお、それに盞応しい候補

者を遞定するずいう芁請ず掚薊をなるべ

く早く行うできるだけ裁刀所に10日か

ら週間皋床で回答するずいう芁請を

䞡立させるための工倫である。

そのため、䞀定の件数を人䞀班で構

成される掚薊チヌムを䜜り、合議制でマ

ッチングをはかるずずもに、分担しお各

䌚員の内諟をずるこずで、負担の公平ず

質の高い匁護士埌芋人の確保をめざしお 15th Anniversary

●46 倧阪匁護士䌚 高霢者・障害者総合支揎センタヌ創立15呚幎蚘念誌

迅速な掚薊を目指すこずになったのであ

る。

事案の分析も老若男女、経隓の幅も広

い䌚員の情報も、䞉人の合議で怜蚎する

こずで的確な遞定が可胜にできるように

なった。

珟圚は、䞀週間に10件から15件ずいう

膚倧な掚薊件数に察応するため、班

人の掚薊班を10チヌム぀くり、週間ご

ずにロヌテヌションを組んで、10週間に

䞀床の割合で担圓を行っおいる。班の

構成は様々な修習期に分かれたものずし

お、様々な期の䌚員の情報をできるだけ

反映するようにしおいる。

各班は、担圓週に来た事案を、翌週の

週初めに䌚議を開催しお、掚薊名簿に基

づき、候補者を遞任する。しかし、その

䞉人の合意内容をさらにチェックするた

め、その結果を、掚薊チヌム30人ず副䌚

長で構成するにアップし、他の班の

メンバヌにも怜蚎を受け、担圓班の人

が分担しお、各䌚員に内諟の䟝頌を行い、

内諟が埗られた堎合には、すみやかに掚

薊委員䌚ず担圓副䌚長の決裁を経お、家

庭裁刀所に掚薊回答を行う。その期間は、

事案の難易床などによりすぐには遞定で

きない堎合もあるが、原則ずしお、家庭

裁刀所から䟝頌のあった週の翌々週には

家庭裁刀所に掚薊する10日から二週間

皋床ようにしおいる。

このような敎備されたシステムで30人

の運営委員が、盞圓の時間を費やしお、

事案の分析、䌚議の開催、䌚員の内諟の

打蚺、ぞのアップなどの䜜業を、委

員䌚掻動ずしお奉仕しお行うこずで、迅

速で的確な掚薊が担われおいるのであ

る。

 掚薊候補者遞定の基準目安

このような掚薊に぀いおは、埌芋人候

補者掚薊名簿登茉の䌚員に぀いお、なる

べく党おの䌚員を掚薊できるようにずい

う公平の芳点ず事案の特性に応じお、そ

れを担うこずのできる適性に十分配慮す

る適正さの芳点の䞡立こそが最倧の課題

であり、䜿呜である。

匁護士䌚によっおは、埌芋人候補者掚

薊名簿を家庭裁刀所に提出し、具䜓的遞

定は党お家庭裁刀所が独自に行っおいる

ずころもあり、たた、匁護士䌚が掚薊す

る圢匏はずっおいるものの埌芋人候補者

掚薊名簿から基本的には順番に機械的に

掚薊しおいるずころもあるが、それでは

䞊蚘の぀の芳点を充足するこずはでき

ず、特に、埌芋人業務の適切なマッチン

グにより被埌芋人等のニヌズに応じた暩

利擁護をはかるずいう芁請や、埌芋人匁

護士の経隓に応じた適切な業務の確保ず

いうこずにもならない。

そのため、ひたわり運営委員䌚では、

䞊蚘の組織的な掚薊チヌムの䜓制ずずも

に、内郚の掚薊基準をなるべく具䜓的に

定めるこずで、その芁請に応えるように

しおきた。

事案の状況や䌚員の状況によっお、内

郚掚薊基準は曎新されおいくが、珟時点

における掚薊目安は次のずおりである。

15th Anniversary 質の高い匁護士埌芋人の確保をめざしお

倧阪匁護士䌚 高霢者・障害者総合支揎センタヌ創立15呚幎蚘念誌 ●47

① 具䜓的事案に぀いおの考慮芁玠

・芪族察立の激しさ

・芪族ないし関係者に泚意が必芁な

人がいる人栌障害、犯眪者、虐

埅者など。

・身䞊監護等に、経隓ず適切な芖点

や知識を芁する。

・障がい者の長期入院や入所斜蚭事

案で今埌の地域移行が必芁な事案

・保䜐や補助類型で、特に本人の自

己決定に配慮が必芁な事案

・䌚瀟関係の凊理等の経隓が必芁

・埌芋監督の堎合埌芋人が職業、幎

霢等から十分な配慮が必芁

・高霢者、障害者虐埅の事案

・無報酬事案

② 事案の内容による類型化

䞊蚘①の考慮芁玠を考慮し、ある

皋床の類型化を行い、䟋えば、件

目ずしお掚薊できる事案、盞圓の埌

芋経隓が必芁な事案等にわけ、それ

に基づいお、候補者を遞定する。

③ 掚薊察象䌚員の遞定基準

䌚員の属性等に぀いおは、䞋蚘の

件を考慮しお人遞する。

・匁護士登録から幎が経過しなけ

れば掚薊しない。

・盎近の掚薊から盞圓期間たでは次

の掚薊を行わない䌚員間の公平

ず䞀郚ぞの過重な負担を避けるた

め。

・虐埅事案は、研修「垂長申立事案・

虐埅事案」を受講枈みであるこず。

・任意埌芋人受任事案は、研修「任

意埌芋」を受講枈みであるこず。

・法定埌芋監督人事案・芪族䞍祥事

事案は、研修「埌芋監督」を受講

枈みであり、か぀、原則ずしお、

埌芋事案を件以䞊掚薊しおいる

こず。

・任意埌芋監督人事案は、研修「任

意埌芋」ず「埌芋監督」の䞡方を

受講枈みであり、か぀、原則ずし

お、埌芋事案を件以䞊掚薊しお

いるこず。

・無報酬事案を掚薊した堎合、次に

は十分な報酬の芋蟌める事案を配

点するよう配慮する

・虐埅事案等に芋られる困難事案に

぀いおは連続しお掚薊しないよう

に配慮する

・これたでの掚薊履歎をもずに経隓

倀を考慮する

 埌芋人業務に察する盞談・支揎態勢

こうしお掚薊をした各䌚員が、具䜓的

な埌芋業務を行うに぀いお、適切な助蚀

や情報提䟛や経隓亀流などを図るこずも

極めお重芁である。そのため、埌芋支揎

郚䌚を䞭心ずしお、次のような様々な盞

談・支揎態勢をひいおいる。

① スクリヌニング䌚議の垞蚭

困難事案や虐埅事案や垂町村申立事

案に぀いおは、毎月回皋床のスク

リヌニング䌚議を垞蚭し、埌芋業務の

方針や泚意点に぀いお、初期の段階で

助蚀や盞談にのる機䌚を蚭け、それに

質の高い匁護士埌芋人の確保をめざしお 15th Anniversary

●48 倧阪匁護士䌚 高霢者・障害者総合支揎センタヌ創立15呚幎蚘念誌

参加するこずを掚奚しおいる。

② 埌芋支揎郚䌚における盞談察応

たた埌芋支揎郚䌚に䜵蚭した瀟䌚犏

祉士に参加いただいた怜蚎䌚議におい

お、察応に苊慮する事案等に぀いお盞

談にのる機䌚を蚭けおいる。

③ 幎回の埌芋人等経隓亀流䌚の開催

たた、幎回、埌芋人の事䟋を䞭心

ずした経隓亀流䌚を瀟䌚犏祉士の参加

をえお定期開催し、様々な芳点やテヌ

マを蚭定しお経隓の亀流や疑問点や悩

みを亀流しおいる。

④ あおぞらによる盞談

近畿の垌望䌚員が参加するにお

いお、埌芋業務に関する様々な質問に

察しお、助蚀や情報亀換をしおいる。

â‘€ 実務マニュアル「成幎埌芋人の実

務」、障害者の埌芋人掻動の手匕きの

発行

党囜的に定評のある成幎埌芋人の掻

動党般に぀いおの実務マニュアルを出

版し、暙準的な職務に぀いおの目安を

提䟛するずずもに、障害者の成幎埌芋

に必芁な知識や芳点を瀺した手匕きも

発行しお参考に䟛しおいる。

 今埌の課題

以䞊のような態勢敎備をはかっお囜民

や裁刀所の期埅に応えるこずのできる質

の高い匁護士埌芋人の掚薊を行うこずを

工倫しお来おいるが、今埌はさらに倚数

の掚薊件数の増加が芋蟌たれ、たた、埌

芋人業務が倚くの若手䌚員にずっお重芁

な職務の぀ずなる䞭、䞀方で、䞀郚の

匁護士埌芋人䞍祥事が信頌党般を揺るが

しおいるこずもあり、さらに工倫した察

応が課題ずなっおいる。その䞭で、今埌、

次のような改善を実斜するこずを予定た

たは怜蚎しおいる。

① 䌚芏などの敎備

これたでの掚薊態勢に぀いお、匁護

士䌚の䌚則䞊の敎備をはかるずずも

に、匁護士埌芋人党般に぀いお、䌚員

に察する助蚀などができるこずや、必

芁に応じた家庭裁刀所ずの情報亀換が

できるための䌚則䞊の根拠を敎備し

た。

② 埌芋人候補者掚薊名簿の敎備

たた、掚薊名簿の登茉芁件ずしお、

匁護士賠償責任保険ぞの加入を矩務づ

けるずずもに、幎に䞀床の名簿曎新

の機䌚を蚭けお、最新の埌芋業務の知

識ず課題ずなる職務に぀いお研修を受

講しおいただくこずにし、たた䞀定以

䞊の幎霢では掚薊をしないなどの基準

を蚭けるこずずする。

③ 報酬困難案件の察応

瀟䌚的ニヌズずしお、どうしおも垂

町村の報酬助成も出ない事案でも、匁

護士埌芋人を掚薊しなければならない

事案があるため、これに察する匁護士

䌚ずしおの手圓を怜蚎する。

④ 若手䌚員ぞの察応

若い期の名簿登録者に぀いおは、比

范的課題の少ない事案から経隓を積ん

でもらいたいが、叞法曞士などの競合

する専門職があるため、匁護士埌芋人

には玛争事案など課題の倚い事案ばか

15th Anniversary 質の高い匁護士埌芋人の確保をめざしお

倧阪匁護士䌚 高霢者・障害者総合支揎センタヌ創立15呚幎蚘念誌 ●49

りである。そのため、家庭裁刀所に若

手にも盞応しい事案の掚薊を増やすよ

うに芁望するずずもに、経隓者ず耇数

で事案を担圓するなどの機䌚を怜蚎す

る。

たた、埓来に比べお、若手䌚員の数

の増倧により、個々の䌚員を把握しに

くい状況になっおいる䞭、どのような

情報を埗お、掚薊時の遞任基準ずする

か、さらなる工倫が求められおいる。

â‘€ 増倧する件数ぞの察応態勢

今埌、さらに匁護士䌚ぞの掚薊䟝頌

件数は増倧するこずが芋蟌たれ、幎間

1000件䞀週間20件皋床の件数にも、

実質的なマッチングが行えるようにす

るための組織的な察応が必芁であり、

そのため掚薊事務の担う事務局の増員

や掚薊担圓の匁護士チヌムに぀いお委

員䌚掻甚による奉仕だけに䟝存しない

持続可胜な態勢の怜蚎が喫緊の課題ず

なっおくる。

以 侊