1.東海道新幹線の基本コンセプト -...

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2016.10.28 東海旅客鉄道株式会社 執行役員 安全対策部長 古橋 智久 安全・安定輸送を支える 東海道新幹線の進化の追求 1.東海道新幹線の基本コンセプト 2.東海道新幹線開業までの歩み 3.東海道新幹線の特徴 4.東海道新幹線「第2の開業」 5.東海道新幹線の更なる進化 6.安全への投資と管理体制 7.「人」が支える安全8.開業50周年⇒「新幹線Spirit」 目次 名称 東海旅客鉄道株式会社 Central Japan Railway Company 設立 S62(1987)年4月1日 資本金 1,120億円 従業員数 18,164名 営業キロ 1970.8km 東海道新幹線 552.6km 在来線(12線区) 1418.2km 駅数 405駅 (2016年3月期) はじめに: 会社概要 1.東海道新幹線の基本コンセプト 2.東海道新幹線開業までの歩み 3.東海道新幹線の特徴 4.東海道新幹線「第2の開業」 5.東海道新幹線の更なる進化 6.安全への投資と管理体制 7.「人」が支える安全8.開業50周年⇒「新幹線Spirit」 目次 ○Crash Avoidance(衝突回避)の原則 ・高速旅客鉄道専用線 ATC(自動列車制御装置)による列車制御 ○新幹線総合指令所による運行管理 CTC(列車集中制御装置)による列車管理 COMTRAC(コムトラック:S47~)による高度で 良質な輸送管理 ○その他 標準軌(軌間1435mm)の採用 在来線1067mm 動力分散方式の電車による効率的輸送 1.東海道新幹線の基本コンセプト 安全性を支えた「高速旅客鉄道専用線」 ○貨物および低速旅客列車の排除 ○道路車両との干渉の排除 ・平面交差のない軌道 ○第三者による軌道内立ち入り等の禁止 ・新幹線特例法(1964) ・線路防護柵の設置 静岡駅上空からの航空写真 1.コンセプト:衝突回避(高速旅客専用線)

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2016.10.28東海旅客鉄道株式会社

執行役員 安全対策部長 古橋 智久

安全・安定輸送を支える東海道新幹線の進化の追求

1.東海道新幹線の基本コンセプト

2.東海道新幹線開業までの歩み

3.東海道新幹線の特徴

4.東海道新幹線「第2の開業」

5.東海道新幹線の更なる進化

6.安全への投資と管理体制

7.「人」が支える「安全」

8.開業50周年⇒「新幹線Spirit」

目次

名称 東海旅客鉄道株式会社Central Japan Railway Company

設立 S62(1987)年4月1日資本金 1,120億円従業員数 18,164名営業キロ 1970.8km東海道新幹線 552.6km在来線(12線区) 1418.2km

駅数 405駅

(2016年3月期)

はじめに:会社概要

1.東海道新幹線の基本コンセプト

2.東海道新幹線開業までの歩み

3.東海道新幹線の特徴

4.東海道新幹線「第2の開業」

5.東海道新幹線の更なる進化

6.安全への投資と管理体制

7.「人」が支える「安全」

8.開業50周年⇒「新幹線Spirit」

目次

○Crash Avoidance(衝突回避)の原則

・高速旅客鉄道専用線

・ATC(自動列車制御装置)による列車制御

○新幹線総合指令所による運行管理

・CTC(列車集中制御装置)による列車管理

・COMTRAC(コムトラック:S47~)による高度で良質な輸送管理

○その他

・標準軌(軌間1435mm)の採用 在来線1067mm

・動力分散方式の電車による効率的輸送

1.東海道新幹線の基本コンセプト

安全性を支えた「高速旅客鉄道専用線」

○貨物および低速旅客列車の排除

○道路車両との干渉の排除

・平面交差のない軌道

○第三者による軌道内立ち入り等の禁止

・新幹線特例法(1964)

・線路防護柵の設置

静岡駅上空からの航空写真

1.コンセプト:衝突回避(高速旅客専用線)

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○ATC(自動列車制御装置)・列車の速度が、信号速度より高い時には自動的にブレーキ・列車の速度が信号速度まで下がると、ブレーキは自動的に緩む

速度(km/h)

270

230

170

30 先行列車自列車

閉そく区間(1200 m以下)

①先行列車の位置情報

②自列車の位置情報(車輪の回転と地上子情報)

③信号作成(前方列車と自列車の位置情報)④自列車の速度

(車輪の回転数)

⑤信号と速度の比較⑥ブレーキ動作

トランスポンダ

1.コンセプト (衝突回避:ATC) 1.コンセプト :東海道・山陽新幹線総合指令所

○CTC(列車集中制御装置)により全ての列車を集中管理

○COMTRAC(コムトラック:新幹線運転管理システム)が指令員の作業や判断をサポート

○6指令がそれぞれ現場と連携・指令間で連携

新幹線総合指令所(東京)1999年2月~新幹線第2総合指令所(大阪)

指 令 業 務 内 容

輸送列車指令・列車の進路・位置など運転状況の常時把握・確認・各駅や各列車に対して指令や情報伝達

輸送旅客指令・駅や車掌へお客様に関する指令・情報伝達・指定座席券のシステム(マルス)の管理

運用指令・乗務員への行路変更などの指示、車両運用等の手配・車両故障時には乗務員へ適切な応急処置の指示

施設指令 ・線路状況の把握、線路保守の統制、異常時対応

電力指令 ・電力設備の稼働状況を監視、異常時対応

信号通信指令 ・信号通信設備の稼働状況を監視、異常時対応

○6指令

○現場で発生した事故・情報は全て指令へ○「指令間協議」で情報共有、指令長が方針決定○幹部報告、必要により「対策本部」設置

1.コンセプト :総合指令所(情報共有、方針決定)

1.東海道新幹線の基本コンセプト

2.東海道新幹線開業までの歩み

3.東海道新幹線の特徴

4.東海道新幹線「第2の開業」

5.東海道新幹線の更なる進化

6.安全への投資と管理体制

7.「人」が支える「安全」

8.開業50周年⇒「新幹線Spirit」

目次

○「弾丸列車」 戦前の構想・東京~下関間、最高速度:200km/h・1941年に着工、1943年に中止約100kmの用地買収、長大トンネルの建設着工

2.開業までの歩み:「弾丸列車」構想

○東海道新幹線開業・1964年10月1日 (東京オリンピック開催年)東京~新大阪 所要時間4時間 1965年11月~ 3時間10分

東京オリンピックひかり1号出発式

2.開業までの歩み:「東海道新幹線」構想~開業

○東海道新幹線構想・1957年5月、鉄道技術研究所、創立50周年記念講演会東京~大阪間を3時間で結ぶことが技術的に可能

○鴨宮モデル線での走行試験開始・1962年6月 試験走行開始 (1963年3月 256km/h達成)

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1.東海道新幹線の基本コンセプト

2.東海道新幹線開業までの歩み

3.東海道新幹線の特徴

4.東海道新幹線「第2の開業」

5.東海道新幹線の更なる進化

6.安全への投資と管理体制

7.「人」が支える「安全」

8.開業50周年⇒「新幹線Spirit」

目次

◇使命 東京・名古屋・大阪間の都市間輸送を提供

◇特徴

安全 ・乗車中のお客様が死傷される列車事故ゼロ

正確 ・平均遅延時分 0.2分/列車(H27年度)

高速 ・最高速度 285km/h ※H27.3~・東京~新大阪間 2時間22分(最短)

快適 ・広い車内空間、静かな車内

高頻度 大量 ・列車本数 358本/日(H27年度平均) 最高432本/日・輸送人員 44.5万人/日(1.63億人/年)(H27年度)

・高いエネルギー効率、少ないCO2排出量・消費エネルギー 約1/8、CO2排出量 約1/12

※「のぞみ(N700系)」と航空機(B777-200)の比較

環境適合性

3.東海道新幹線の特徴

1.1 

2.0 2.2 

1.0 

1.4 1.4 

0.8 0.8 

3.9 

3.1 

6.4 

5.0 

7.1 

4.4 

2.3 2.6 2.7 

1.7 

2.3 2.4 

0.8 1.2 

1.0 0.7 

0.4 0.6 

1.4 

0.6 0.8 0.9 0.7 0.8 0.6 

0.3 0.4 0.4 0.6 

0.3 0.4 0.1 

0.7 0.6 0.3 

0.5 0.6 0.5 0.6 0.6 0.5 0.9 

0.6 0.2 

0.0

1.0

2.0

3.0

4.0

5.0

6.0

7.0

8.0

S39

S40

S41

S42

S43

S44

S45

S46

S47

S48

S49

S50

S51

S52

S53

S54

S55

S56

S57

S58

S59

S60

S61

S62

S63 H1 H2 H3 H4 H5 H6 H7 H8 H9 H10

H11

H12

H13

H14

H15

H16

H17

H18

H19

H20

H21

H22

H23

H24

H25

H26

H27

(分)

(年度)

平成27年度の運行1列車あたりの平均遅れ時分は約0.2分(雨・風・地震などの自然災害による遅れも含む)

平均0.6分

平均2.5分

JR東海

○平均遅延時分の推移(運行1列車あたり)

平均遅延時分

3.特徴:正確性(平均遅延時分)

平成27年度は平均0.2分

1985 1999

300系

1964

0系

220km/h 220km/h 270km/h

1992 2007

270km/h(山陽区間:285km/h)

100系 700系 N700系

第2世代車両第1世代車両

・アルミ合金車体

・ボルスタレス台車

・交流誘導電動機(VVVF制御、回生ブレーキ)

・鋼製車体

・従来型台車

・直流電動機

285km/h※2015.3までは270km/h(山陽区間:300km/h)

N700A

285km/h※2015.3までは270km/h(山陽区間:300km/h)

・車体傾斜 ・台車振動検知・定速走行装置

2013

970t

営業速度

編成重量 925t 711t 708t 715t 713t

3.特徴:高速性(車両の進化)

○東海道新幹線車両の進化

※開業当時は210km/h

2:30’92.3

2時間

3時間

4時間 3:10 3:082:52’85.3 ’86.11’65.11

6:30

’64.104:00

’58.11

’56.11

電車特急「こだま」

東海道線電化完成

東海道新幹線開業

5時間

6時間

7時間

7:30

「のぞみ」デビュー

8時間

1時間

’07.7N700系デビュー

○東京~新大阪間到達時分の変遷

2:222:25’15.3285km/h運転開始

3.特徴:高速性(到達時分の変遷)

2:49’89.3

3.特徴:高頻度・大量(列車運転本数の推移)

89 81 80 83 83 83

143 158

65 65 65 65

34145

194 201 20927.9 

36.2  37.5 

42.5  43.0  44.5 

0.0

5.0

10.0

15.0

20.0

25.0

30.0

35.0

40.0

45.0

50.0

0

50

100

150

200

250

300

350

400

450

1987 1993 2004 2013 2014 2015こだま ひかり のぞみ 一日当たりの輸送人員

※臨時列車を含む運転本数の実数 端数処理により、合計が総合計と一致しない場合あり

231273

290

342 350 358

1時間あたり最大で「のぞみ」10本

▼当社発足

1時間あたり「のぞみ」1本▼ 品

川駅開業

2003年10月

(年度)

○東海道新幹線の1日平均実運転本数の推移

▼1時間あたり最大で「のぞみ」7本

(万人)(本)

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1.東海道新幹線の基本コンセプト

2.東海道新幹線開業までの歩み

3.東海道新幹線の特徴

4.東海道新幹線「第2の開業」

5.東海道新幹線の更なる進化

6.安全への投資と管理体制

7.「人」が支える「安全」

8.開業50周年⇒「新幹線Spirit」

目次

1988年 東海道新幹線速度向上プロジェクト委員会1989年 東海道新幹線輸送力増強委員会

◇目標

○速度向上 ⇒ 質的改善・東京駅~新大阪駅間を2時間30分で運行・最高速度を時速220kmから時速270kmへ向上

○輸送力向上 ⇒ 量的改善・1時間あたりの列車本数を11本から15本へ増強・ターミナルの能力向上(品川駅)

○品川駅開業 ⇒ 質的・量的改善の相乗的効果・全列車の最高速度を時速270km・「のぞみ」主体のダイヤ(1時間あたり最大7本)

4.輸送力増強、速度向上、品川駅開業

◆課題○軌道・電気設備への負荷軽減○騒音・振動など沿線環境○曲線部の通過速度向上 ○乗り心地 など

◆車両の対応○軽量化 車体(アルミ合金)、台車、モータ(誘導電動機)

○空力特性の向上 パンタグラフ数の削減、車体の平滑化

○回生ブレーキの採用

◆地上設備の対応○線路 曲線部カント修正、線形整備、レール、バラスト管理○電車架線 張力増、継ぎ目延長 ← 架線揺れ、パンタ離線

○信号 ATCの2周波化、ATC信号・区間長の見直し

4.速度向上:「速度向上」における課題 4.速度向上:軽量化

◆課題と対応

○車両の増備⇒ 700系の開発、置換え 1999年営業運転開始⇒ 車両滞泊能力、検査修繕設備増

○電源供給設備の増強・設備の容量不足、架線電圧の低下や変動など⇒ 1時間あたり15本走行を前提とし、段階的に増強

○信号設備等の改良・ターミナル駅での折返し時間短縮・本線上での列車運転時間間隔の短縮⇒ 信号・閉そく見直し、清掃、加減速度、分岐器など⇒ コムトラックの改修(本数増、支援機能強化)

4.輸送力増強:「輸送力増強」における課題

◆車両の増備

○700系車両の開発、置換え

1999年営業運転開始

・1995年開発着手、300系を更にブラッシュアップ

・300系との共通運用 ⇒ 号車ごとの定員数統一

・1999年に0系、2003年に100系がそれぞれ淘汰

4.輸送力増強:「輸送力増強」における課題

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トロリ線

変電所

②電車線電圧が低下

③電車線電圧が約20kV未満まで低下すると、車両が低電圧を検知

④車両が安定して走行できなくなる

列車本数が増えると...

トロリ線

①車両の負荷電流が増加

=ホテルでシャワー(列車)をみんなが一斉に使うと水圧(電圧)が下がるのと同じ

1変電所の担当範囲 約40 km

変電所

4.輸送力増強:電源増強の必要性

電源設備の容量増 + 安定供給(電力補償装置)

○ターミナル駅での折返し能力向上

A列車到着からB列車出発までの時間短縮

○本線上での列車運転時間間隔の短縮

4.輸送力増強:信号設備等の改良

東京駅

A列車

B列車

A分 A分 A分

A‐α分A‐α分 A‐α分 A‐α分

・信号、閉そく区間の見直し

・加減速度の向上

・分岐器通過速度の向上

・折返し清掃能力の向上

など

○約10分で折返し車内清掃○1列車55名体制、1日平均100本以上の清掃

東海道新幹線の安全・安定・大量・高頻度輸送を支える

○東京駅列車到着から発車まで到着 発車停車

お客様降車グリーティング

折返し清掃お客様乗車発車準備

車内清掃風景グリーティング

約16分

約10分 約4分

4.輸送力増強:折返し清掃能力向上

※現在

○コムトラック(COMTRAC)概要

情報処理系

EDP

列車集中制御装置(CTC)

進路制御

走行実績

進路制御系

PRC

運行表示系

MAP

ダイヤ変更運行表示手動進路設定

指令員端末

列車ダイヤ

変更情報走行実績

指令情報運行情報 通信情報

監視制御装置(CIC)

変電所集中監視制御装置(CSC)

・・・・・

ネットワークネットワーク

新幹線情報管理システム(SMIS)

旅客案内情報処理装置(PIC)

指令員端末運転計画支援システム

ダイヤ入力統計データ

各駅・運輸所・車両所

各列車

4.輸送力増強:システム技術

○コムトラックシステムの変遷

・1972年3月(Ph-1) コムトラック運用開始

・1975年3月(Ph-2) 山陽新幹線博多開業

~~~~~~~~~

・1987年11月(Ph-5) 新駅(5駅)開業

・1992年1月(Ph-6) のぞみ号運転

新ダイヤパターン対応、支援機能の強化

・1999年12月(Ph-7) 第2総合指令所新設

・2003年7月(Ph-8) 品川駅開業、輸送力増強対応

処理能力を大幅に向上

・2014年1月(Ph-9) のぞみ10本対応処理能力の更なる向上、機器の大幅な小型化

4.輸送力増強:コムトラックシステムの変遷

ダイヤ改正日 ダイヤパターン 記 事

1987年 4月 6-4 ダイヤ JR発足

1988年 3月 7-4 ダイヤ 「ひかり」輸送力増強

1992年 3月 8-3 ダイヤ300系車両 営業運転開始「のぞみ」デビュー 早朝深夜2往復 2:30

1993年 3月 1-7-3 ダイヤ 「のぞみ」 東京~博多間 毎時1本運転

1996年 3月 新1-7-3 ダイヤ※一部続行「のぞみ」設定可

臨時続行「のぞみ」設定

1999年 3月 700系車両 営業運転開始

2001年10月 2-7-3 ダイヤ※定期「のぞみ」毎時2本

「のぞみ」30分ヘッド化定期「のぞみ」毎時2本運転

2003年10月 7-2-3 ダイヤ 品川駅開業、全列車270km/h化

4.輸送力増強、速度向上、品川駅開業

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• 輸送改善の成果は、全ての準備が整った段階で一気に顕在化• 短期的な成果にとらわれることなく、高い目標を掲げ、長期的かつ綿密な計画を策定して取り組むことが必要

0

20

40

60

80

100

1989 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003

(指数)

(年度)

地上設備投資累計

車両投資累計

270km/h化率(※)

「のぞみ」毎時1本

「のぞみ」30分間隔

品川駅開業「のぞみ」7本

※ のぞみ・ひかりのうち270km/h化された列車の比率

4.輸送力増強、速度向上、品川駅開業

1.東海道新幹線の基本コンセプト

2.東海道新幹線開業までの歩み

3.東海道新幹線の特徴

4.東海道新幹線「第2の開業」

5.東海道新幹線の更なる進化

6.安全への投資と管理体制

7.「人」が支える「安全」

8.開業50周年⇒「新幹線Spirit」

目次

ダイヤ改正日 ダイヤパターン 記 事

2003年10月 7-2-3 ダイヤ 品川駅開業、全列車270km/h化

2005年 3月 のぞみ8本 1時間あたり最大で「のぞみ」8本

2007年 7月 のぞみ8本N700系車両 営業運転開始東京~新大阪 最速2時間25分運転

2008年 3月 〃N700系「のぞみ」 東京~博多間 毎時1本

全列車 品川・新横浜停車

2009年 3月 のぞみ9本1時間あたり最大で「のぞみ」9本N700系「のぞみ」 東京~広島間投入

2010年 3月 〃 全直通定期「のぞみ」 N700系化

2014年 3月 のぞみ10本新大阪大規模改良工事完了

ほぼすべての時間帯で1時間あたり最大で「のぞみ」10本

2015年 3月 〃東海道新幹線285km/h運転開始東京~新大阪 最速2時間22分運転

○品川駅開業後も、更なる進化を続ける

5.東海道新幹線の更なる進化 5.更なる進化:のぞみ運転本数拡大

○「のぞみ」運転本数拡大に向けた取組み

・車両の増備 (700系⇒N700系⇒N700A)

・電源設備の増強 (周波数変換所増設など)

・東京駅・新大阪駅折り返し時間短縮

⇒新ATCシステムへの更新

⇒新大阪駅の増設(ホーム6→7、引上線2→4)

○1時間当たりの「のぞみ」 最大運転本数の変遷

ダイヤ改正日 本数

2003年10月 7本

2007年 3月 8本

2011年 3月 9本

2015年 3月 10本

5.東海道新幹線の更なる進化:山陽直通の強化

○東海道・山陽直通「のぞみ」の利便性向上

7892 96 98 102

107 107 107 109 111 111 111 111

60708090100110120

2003.10

2005.3

2006.3

2007.7

2008.3

2009.3

2010.3

2011.3

2012.3

2013.3

2014.3

2015.3

2016.3

ダイヤ改正日 主な施策2003年10月 東海道新幹線「品川駅」開業2005年3月 新大阪止り「のぞみ」のうち一部を山陽区間に延長運転

2006年3月東京~博多間の「のぞみ」をほぼ終日毎時2本運転東京~広島間の「のぞみ」を朝夕1時間あたり3本運転

2008年3月東京~広島間で「のぞみ」をほぼ終日毎時3本運転東京駅20分間隔での発着

2009年3月 直通「のぞみ」を臨時列車を含め1時間あたり5本の運転可能に

○東海道・山陽直通「のぞみ」定期列車の本数推移

○東海道新幹線の旅客流動は日ごとに大きく変動

○1時間当たりの運転可能な列車本数増(H15.10~)

5.更なる進化:弾力的な列車設定

定期列車+需要に応じた臨時列車設定

・いつでも乗りたいときに指定席が取れる状態

・年末年始などの繁忙期に最大限の輸送を提供

○一日当たりの列車本数H16 290本 ⇒ H27 358本平成28年8月10日に過去最高の432本運転

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年度 H24 H25 H26 H27 H28 H29 H30 H31

施工実績・計画

N700A 1次車

6編成 7編成

N700A 2次車

6編成 6編成 6編成

1編成

N700A 追加投入車両X化車両改造

32編成 37編成 11編成

○平成16年度以降の(品川駅開業後)車両の導入

7編成 7編成 5編成

速度向上(時速285km) N700S 確認試験車

設計・製作完成

5.東海道新幹線の更なる進化:車両の投入

年度 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23

施工実績・計画

6編成 7編成

700系 16編成

N700系車両営業運転開始

16編成 16編成 16編成16編成

N700系

※H32夏東京五輪

○車体傾斜システム

曲線通過速度向上

⇒ 到達時間短縮

空気バネを上昇

車体傾斜制御装置(各号車)

5.更なる進化:N700系~車体傾斜・台車振動検知

○台車振動検知装置【目的】 台車部の異常を早期に検知することで大規模な輸送障害を未然に防止

加速度センサ 台車振動検知装置

加速度センサ

故障時台車表示灯点灯モニタ表示

台車直上の振動を計測 振動データを用いて故障検知

ATC装置(停電検知)

架線停電

変電所(地震検知)

停電ブレーキ指令 地震(停電)ブレーキ出力

■地震ブレーキ機能追加

⇒ 最高速度からの停止距離を短縮

○地震(停電)ブレーキ機能追加

5.更なる進化:N700A~地震ブレーキ

中央締結ブレーキディスク

内周締結

■中央締結ブレーキディスク採用

地震ブレーキの停止距離がN700系に比べて約10%、700系に比べて約20%短縮

○新たなブレーキライニングの開発

現行 新型 ※特許出願中

地震ブレーキの停止距離が従来のN700Aに比べて約5%短縮

ブレーキディスク

ライニング

ブレーキ押付力 ブレーキ押付力

※ブレーキライニング: 車輪とともに回転するブレーキディスクを挟み込むことで、車両を減速、停止させる部品

車輪

皿ばね

※最高速度285km/hから約3kmで停止

5.更なる進化:N700A追加投入車両~ブレーキ

②台車振動検知システムの強化①パンタグラフに状態監視機能を追加

カメラによる画像記録

電流測定

画像と電流により、パンタグラフの状態を把握

台車振動検知システムを改良し検知項目を追加

加速度センサ台車振動検知装置 加速度センサ

③ATC状態監視機能の強化

改良

状態監視機能を強化し質の高い検査を実現

※特許出願中

5.更なる進化:N700A追加投入車両~未然防止等 5.更なる進化:次世代新幹線車両(N700S)

○次期新幹線車両N700S(Supreme)確認試験車の製作(N700Sの主な特徴)・技術開発成果による新技術の採用・徹底した小型・軽量化による「標準車両」の実現・更なる環境性能の向上

2018年3月 完成予定 イメージ(標識灯については今後検討)

デュアルスプリームウィング形

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1.東海道新幹線の基本コンセプト

2.東海道新幹線開業までの歩み

3.東海道新幹線の特徴

4.東海道新幹線「第2の開業」

5.東海道新幹線の更なる進化

6.安全への投資と管理体制

7.「人」が支える「安全」

8.開業50周年⇒「新幹線Spirit」

目次

Ⅰ. 構造物及び軌道の耐震強化

従来から進める土木構造物の耐震補強

構造物の大きな変位を抑制する対策

Ⅱ. 列車を早期に止める対策

早期地震警報システム(テラス)

非常ブレーキ性能の向上(N700系⇒N700A)

Ⅲ. 脱線そのものを防止する対策

脱線防止ガードの開発

Ⅳ. 脱線後の逸脱を防ぐ対策

逸脱防止ストッパの開発

二重系の対策

脱線・逸脱防止対策

6.安全対策の推進:地震対策の基本的考え方

○構造物を崩壊させない⇒高架橋、盛土の耐震補強など

高架橋柱の鋼板巻補強 橋脚のコンクリート巻き補強 盛土の耐震補強

6.安全対策:地震対策(土木構造物の耐震補強)

○構造物の大きな変位を抑制する対策

高架橋変位対策 盛土沈下対策

アンカー

のり面のり面

張りコンクリート 地山補強工

高架橋目違い対策

PC鋼棒

6.安全対策:東海道新幹線地震防災システム

バラスト流出対策

6.安全対策:東海道新幹線の脱線・逸脱防止対策

○脱線防止ガード(軌道) ⇒ 脱線そのものを防止

○逸脱防止ストッパ(車両)⇒ 万が一、脱線した場合、脱線後の逸脱を防ぐ

②鉄道安全推進委員会(毎月)

①運転事故防止重点実施事項の策定(4月)

③幹部の定期的現場訪問

④オールJR東海安全推進会議(年1回)

・鉄事幹部(随時)

・本社幹部(多客期前の7月、12月)

⑤安全監査

6.安全管理体制

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○鉄道運転事故等の防止に関する事項等を重点的に審議○効果的な対策を立案・推進○本社に鉄道安全推進委員会を設置し、毎月1回開催

《事故防止について重点的に審議》

東海鉄道事業本部

安全推進委員会

静岡支社安全推進委員会

新幹線鉄道事業本部安全推進委員会

関西支社安全推進委員会

建設工事部安全推進委員会

中央新幹線建設部

安全推進委員会

地区安全推進検討会

地区安全推進検討会

地区安全推進検討会

地区安全推進検討会

現業機関 現業機関 現業機関 現業機関

社 長

専門委員会鉄道安全推進委員会

6.安全管理体制:鉄道安全推進委員会

「法令等の遵守(コンプライアンス)」「過去事象の活用や重大事故防止対策の実施状況」「運転事故・労災防止体制、活動の状況」

視点

6.安全管理体制:安全監査

1.東海道新幹線の基本コンセプト

2.東海道新幹線開業までの歩み

3.東海道新幹線の特徴

4.東海道新幹線「第2の開業」

5.東海道新幹線の更なる進化

6.安全への投資と管理体制

7.「人」が支える「安全」

8.開業50周年⇒「新幹線Spirit」

目次 7.「人」が支える「安全」:安全綱領

行動様式 理念

○(昭和26年:1951年)桜木町事故●日本鉄道史上最大の列車火災事故

死亡106名 負傷92名桜木町駅構内で、電気工事中に発生した架線切断箇所に、下り線からの到着列車が進入、列車火災発生。

7.「安全」:安全綱領(制定の契機となった事故)

○日常的に行う「仕業検査」をはじめ、定期的に行う「交番検査」や「台車検査」、大掛かりな「全般検査」など、周期や走行距離に応じて計画的に検査を実施

仕業検査仕業検査 …消耗品の補充・取替や車両の状態・動作の確認を外部から行う検査

概ね2日に1回

30日以内または3万km以内※

18ヶ月以内または60万km以内

36ヶ月以内または120万km以内

交番検査交番検査 …運転台や床下機器等の取付状態や動作状況等の確認を在姿状態で詳細に行う検査

台車検査台車検査 …ブレーキ装置等の重要装置の特定主要部品を解体して行う検査

全般検査全般検査 …車両のオーバーホールを行う検査

※2016年3月26日より、N700A、N700系車両の「交番検査」の周期を「45日以内または6万km以内」へ。あわせて車両データによる検査を導入。

○新幹線検修(検査・修繕)業務の体系

7.「安全」:安全運行を支える車両検査

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○線路、電力設備、信号通信設備の健全性を維持するため、列車運行終了後、作業時間帯を設け、毎晩、設備をメンテナンス

○作業時間帯終了後、営業列車を安全に運行できることを確かめるため、毎朝、確認車を全線で走行させ、安全を担保

7.「安全」:地上設備のメンテナンス

確認車

トロリ線の張替など⇒ 架線延線車

線路のバラスト⇒ 新方式道床更換保守用車

保守用車等ダイヤ

・線路、電力設備、信号通信設備の状態を270km/hで走行しながら測定できる新幹線電気・軌道総合試験車

・約10日に一度、全線を走行し修繕、取換、異常が発見された場合は、その内容に応じて速やかに等を実施するほか、寿命を考慮し計画的に設備更新を実施

軌道測定

電界強度測定

観測ドーム

7.「安全」:地上設備の総合的診断

○線路の状態をきめ細かに計測する「ドクターイエロー」

○2011年9月 開設

○1,000名を超える寮の収容人員

○N700系実物大モデルを使用した訓練装置、訓練線、電力・信号設備などを整備 ⇒ 机上教育に加え、実践的な教育・訓練

訓練線

総合研修センター(全景)

電力訓練装置

総合訓練装置

7.「人」が支える「安全」:総合研修センター

○約2ヶ月間、総合研修センターにてインストラクターが寝食を共にして教育○会社概要、専門知識に加え、社会人としての心構えや規律・規範意識を醸成

7.「人」が支える「安全」:新入社員研修

(事故防止コーナーでの指導)(定例訓練) (取扱いの本質を問う)

仕事の本質(歴史・経緯、背景・目的など)を理解→ルール遵守、基本動作の徹底、実践力の向上

○「どうして」 ・・・ ルールや基本動作の根源に気づく

○「どうなる」 ・・・ ルールや基本動作から逸脱した際に起こりえる事象を想像する

○「どうする」 ・・・ 「どうして」「どうなる」を認識した上で、正しく実行する工夫をする

7.「人」:教育・訓練(NT活動・本質探究)

安本探

平成25年5月安 全 対 策 部

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・実施方法や機会は、業務形態に応じてさまざま

・実施する上では、以下の2点に留意して進める

テーマとするルールや基本動作を、過去の事故や事象、もしくは、起こりうる事故や事象と、必ず結びつけて結論づけることが重要

「どうして」… 問いかけによって、ルールや基本動作の根源(歴史・経緯、当時の背景や目的等)に気づくことで、ルールや基本動作の重要性・意義を理解する。

「どうなる」… ルールや基本動作を実施しなかったときに発生する事故や事象、結果を想像することによって、ルールや基本動作の重要性・意義を理解する。

「どうする」…「どうして」「どうなる」を認識した上で、ルールや基本動作を正しく実行することを意識したり、実行できるような工夫をする。

(1)3つの「ど」がキーワード

(2)過去事例や想定事例等との関連

7.「人」:教育・訓練(安全のための本質を探究する運動)

○異常時の対応能力向上、基本の習熟、連携など

7.「人」:教育・訓練(シミュレータの活用)

N700系実物大の運転シミュレータ

車掌シミュレータ 駅輸送・車掌訓練装置

・総合研修センター(三島)

・3運輸所(東京・名古屋・大阪)

に整備

○「プラレール」の活用

・全体の動きを俯瞰

・手順を段階的に確認

(プラレールを用いた訓練風景)

7.「人」:教育・訓練(プラレール・体感)

○「体感」教育・訓練

・事故や労働災害を体感

・感性に訴えかける

「右脳型教育」

安全帯の有効性を体感する教育

・ 小集団活動(「チャレンジ東海」活動)=QC「10人の1歩は1人の10歩に勝る」

←業研グランプリの様子・各系統の最優秀が集まる発表会

・ 業務研究活動

・ 提案制度

QC活動の様子

「知恵の“わ”改善」

7.「人」:教育・訓練(各種改善活動)

○日常の姿を拾い上げて評価

(Good Job メール)

○舞台を設定して評価・技量・技術発表会

部長表彰(ブランドクオリティ表彰)

・Good Job メール・現場長表彰・部長、本部長表彰 など

7.「人」:教育・訓練(褒める取組み)

16日午後0時50分ごろ、愛知県豊田市の東名高速道路上り線豊田インターチェンジ付近を走行中の名古屋発東京行きJR東海バスの高速バスから「刃物を持った少年が運転席の後ろにいる」と、同社を通じて110番があった。

少年は運転手(39)の首に果物ナイフ(刃渡り約10センチ)を突き付けバスを乗っ取り、午後1時10分には自ら携帯電話で「おれはバスジャックした」と110番した。

県警のパトカーがバスを見つけ、愛知県岡崎市の美合パーキングエリアに車両を誘導。乗客を降ろし、午後2時ごろ、銃刀法違反と監禁の現行犯で少年を逮捕した。乗客、運転手計11人にけがはなかった。

教訓

①まず一呼吸して落ち着く

②訓練は本当に、本当に大事、当事者意識を持つ

7.「人」:教育・訓練(バスジャック事件に遭遇)

○バス会社へ出向中、バスジャック車両に乗り合わせ(2008年7月16日)

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【概 要】

・発生日時:2015年(平成27年)6月30日(火) 11時30分頃・発生場所:のぞみ225号 新横浜~小田原間 69k020m付近【死傷者】

・死者: 2名(被疑者男性1名、一般の乗客女性1名)、負傷者28名【列車影響】

・運休:44本、遅延:96本に最大336分の遅れ

7.「人」:教育・訓練(車内放火事件)

【目的】 ・迅速な旅客救済、復旧体制の確立・社員の技術力向上、技術継承・系統間の連携の確立・系統を超えた一体感の醸成

ヘリコプターによる復旧機材の運搬

【概要】 ・各系統が、訓練項目を選定・他系統と連携した訓練・他系統の訓練を体験

○全系統が一堂に会し、車両基地内にて年1回、大規模災害時を想定した復旧訓練を実施(関係会社含め)

7.「人」:教育・訓練(総合事故復旧訓練)

脱線復旧

保守用車を使用した旅客救済訓練 高所作業車の体感訓練

【目的】

【概要】

・大規模災害などの輸送障害を想定・より実践に近い形で、様々な運転取扱いやお客様救済方法の手順を確認

・トンネル内からお客様を徒歩で避難誘導・ATCが使えないことを想定した運転方法の確認

⇒ 毎年テーマを定めて実施

【トンネルからお客様を避難誘導】

【駅に3本の列車を収容】

【駅係員による手信号の現示】

【バスによる救済】

7.「人」:教育・訓練(営業線路上での異常時訓練) 7.「安全」 :鉄道の仕事

○「車両」 系統・鉄道車両、機械設備など

○「施設」 系統・土木構造物、トンネル、橋梁、軌道など

○「電気」 系統・電力設備、信号通信設備、運行システムなど

○「運輸営業」 系統・安全・サービス、車両、設備などを統括し、ダイヤを策定・輸送サービスを提供(駅係員・車掌・運転士)

運行を担う「運輸営業」系統+設計・メンテナンスを担う「技術」3系統

7.「安全」 :鉄道の仕事

○各系統の力の結集で「安全」確保

■所管業務を責任を持って計画・管理

■各系統間の連携を強固に

■各系統の社員個人個人が、輸送という

1つの目的のために、パーツをしっかりと

組み立て

○求める社員像

「使命感」、「チームワーク」、「自律」

どれだけ機械化・システム化が進もうとも

安全の礎、砦は「人」

意欲を感じ、誇りと責任感を持って仕事に取り組むことにより、質の高い仕事が可能

○安全確保の前提は、

会社の求心力(≒社員の満足度)

「この会社で働いて良かった」と思えるか?

○「人」を大切に、終身雇用

7.「安全」 :安全の礎、砦は「人」

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一人ひとりの「人」が能力を最大限に発揮する

知識・技能 規律・規範

安全投資

一人ひとりの「人」をしっかりバックアップ・支援・指導

7.「人」が支える「安全」:まとめ

知識・技能

徹底

職場

他系統、関連会社との連携

支援・指導 バックアップ

天災・人災への備え

充実

1.東海道新幹線の基本コンセプト

2.東海道新幹線開業までの歩み

3.東海道新幹線の特徴

4.東海道新幹線「第2の開業」

5.東海道新幹線の更なる進化

6.安全への投資と管理体制

7.「人」が支える「安全」

8.開業50周年⇒「新幹線Spirit」

目次

8.開業50周年:2014年10月1日

○2014年10月1日 東海道新幹線開業50周年先人の「叡智の結集」と「不断の努力」の賜物

東京駅での出発式の様子

組織のSpirit 個人のSpirit

世の中への貢献

我々は日本の経済・社会の発展に貢献する。世のため、人のため、お客様のために働き、役に立てることを最高の誇りとする。

安全最優先

我々は常に安全を最優先に判断し、行動する。お客様、仲間、自身の命を、何が何でも絶対に守り抜く。

勇気 迷ったときほど誠実に公明正大な道を採る。愚直 ルール・手順の本質を心底理解し、やるべきことを徹底してやりぬく。自律 命を預かる仕事であることを自覚し、自分に厳しさを持つ。

進化の追求

我々は東海道新幹線の輸送サービスを高速鉄道のフロントランナーとして進化させ続ける。現実を直視し、未来を見据えて、不断の向上を成し遂げる。

前進 現状をより良くする方法を常に考える。挑戦 できないと諦めず、一歩を踏み出す。継続 日々自己を振り返り、着実に成長を重ねる。

総力の結集

我々は、一人ではできないことを、仲間と共に成し遂げる。いかなる困難も互いに力を合わせ乗り越える。

参画 目的を理解し、自分がやらねばならないとの当事者意識を持つ。連帯 仲間のために行動することに労を惜しまない。感謝 多くの人に支えられていることを理解する。

8:新幹線Spirit

8:新幹線Spirit:更なる「進化を追求」

○先人の「叡智の結集」と「不断の努力」に「感謝」

○「新幹線Spirit」を引継ぎ「世の中へ貢献」すべく・「安全を最優先」に・「総力を結集」して・更なる「進化を追求」していく。