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0000 試験日 平成28年7月4日(月) 平成28年 1 東北大学大学院環境科学研究科 平成 29 年度 博士課程前期2年の課程学生募集要項 (平成 29 4 月入学) 〔高等専門学校専攻科学生を対象とする特別選抜〕

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0000

試験日 平成28年7月4日(月)

平成28年 1月

東北大学大学院環境科学研究科

平成 29年度

博士課程前期2年の課程学生募集要項

(平成 29年 4月入学)

〔高等専門学校専攻科学生を対象とする特別選抜〕

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本研究科が設立されてから10年余りが過ぎましたが,その後の激動する地球環境の

状況と社会ニーズを踏まえ,本研究科ではこれまでの専攻を改組し,平成27年4月よ

り新たに先進社会環境学専攻と先端環境創成学専攻の2専攻を設置しました。

先進社会環境学専攻では,人間社会の存続を危うくする環境問題に対して揺るぎな

い環境思想を基盤としたソリューション創出を行える人材を育成することをめざし,

環境に関わる文明や思想に強い関心を有し,社会諸科学と政策の実際をよく理解し,

多様な科学技術に関する厚みのある基礎知識を習得しようとする人,これらを総合し

てイノベーティブなソリューション創出に挑戦する人,社会の進むべき方向を提示す

るディレクション力を涵養したい人を求めています。

先端環境創成学専攻では,人類社会の存続を危うくする環境問題に対して鳥瞰的か

つ国際的な視座を有し,先端的環境技術による対策を行える人材を育成することをめ

ざし,環境に密接に関わる専門分野の知識を習得し,これを深く探求したい人,専門

を切り開きつつその外に環境科学の視野を広げることに意欲のある人,アジアの国々

からの留学生と共に学び,国際性を身につけたい人,深い専門性,幅広い知識,国際

性を総合し,先端的環境研究を世界で先導したい人を求めています。

環境科学研究科アドミッション・ポリシー

東北大学は,国際的な水準の教育と研究を行うことを使命としています。輝かし

い伝統を生かし,多くの学部,大学院,研究所等が一体になり,総合的な知の創造

の一大拠点として,大学院中心の研究大学として発展することを目指しています。

環境科学研究科では,総合大学である東北大学の「知」を結集し,持続可能な循

環社会の基盤となる社会構造を確立するため,文系,理系という伝統的区分を越え

る総合科学として,新たな枠組みの環境科学を構築することを目指しています。多

様な領域の効果的融合と新たな学問領域を創出することにより,環境全般に幅広い

知識と理解力を有しつつ,深い専門性を持ち,国際社会においても活躍できる人材

を養成することを教育の目標とします。

このような目標に共感し,本研究科での勉学に強い意欲を持つ人からの多くの応

募を期待しています。

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1 募集する専攻及び募集人員

専 攻 入試群 募集人員

先進社会環境学専攻 エネルギー環境群 若干名

○ 入試は,各研究分野が所属する入試群で行います。

○ 入試群等の概要と,所属する研究分野については,別表1「専攻及び入試群等と研究分野の概要」

をご参照ください。

2 出 願 資 格

高等専門学校の修業年限2年の専攻科を平成29年3月までに修了見込みの者であって,学

校教育法第104条第4項の規定により平成29年3月に学士の学位を授与される見込みの者

[注]志願者は,平成28年4月28日(木)までに,入学後の研究計画等について志望研究

分野の教員に相談してください。

3 願 書 受 付

受付期間は,平成28年5月20日(金)から5月26日(木)までとします。

なお,土・日曜日及び祝日は受付を行いません。

また,受付時間は,午前9時から午後4時30分までとします。(ただし,午後12時30分

から午後1時30分までを除きます。)

郵送により5月27日(金)以降に到着した出願書類は,5月26日(木)までの発信局消

印のある場合に限り受付けます。

受付場所(郵送先) : 東北大学大学院環境科学研究科教務係

〒 980-0845 仙台市青葉区荒巻字青葉 468-1

電話 (022)795-4504

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4 出 願 手 続

出願者は,次の書類等を整えて受付期間内に提出してください。

また,提出する証明書が日本語又は英語以外の言語の場合は,和訳又は英訳を添付してください。

※ 一度提出した出願書類の差替え等は一切認めません。

※ 証明書は原本を提出してください。

(原本のコピー,電子ファイル,電子ファイルからの印刷物等は原本とはみなしません。)

提 出 書 類 等 摘 要

入 学 願 書 及 び 履 歴 書 本研究科所定の用紙

成 績 証 明 書 在籍している高等専門学校長が発行するもの。

※高等専門学校の学科在籍期間の成績証明書も提出してください。

修 了 見 込 証 明 書 在籍している高等専門学校長が発行するもの。

学位授与申請(予定)証明書 在籍している高等専門学校長が発行するもの。

志 望 理 由 書

・ 本件研究科所定の様式により,志願者本人が自筆により作成したも

の,または,本研究科ウェブサイト上からダウンロードした様式に

文字入力をして作成したものを提出してください。

(http://www.kankyo.tohoku.ac.jp/newstudent/yoko.html)

・ 本研究科を志願する理由について,勉強したい学問分野,希望する

進路,これまで熱中したことなどと関連させて,800字程度で記

述してください。

受 験 票 ・ 写 真 票 上半身無帽像で3か月以内に撮影した写真を写真票に貼ってくださ

い。

検 定 料

30,000円

(郵送の場合は,郵便局にて普通為替証書を購入し,出願書類に同封

して送付してください。普通為替証書受取人指定欄等には,なにも記

入しないでください。)

※国費外国人留学生は納付不要です。

※29年度入学者における入学検定料の免除申請の実施については,現

在未定です。実施の有無及び実施する場合の検定料の取り扱いについて

は,環境科学研究科ウェブサイトに掲載しますので,出願前に再度確認し

てください。(http://www.kankyo.tohoku.ac.jp/)

検 定 料 領 収 書 本研究科所定の用紙(2枚とも出願者氏名を記入してください。)

出 願 用 封 筒 本研究科所定の封筒差出人欄を記入してください。

受 験 票 送 付 用 封 筒 本研究科所定の封筒に住所,氏名,郵便番号を明記し,郵便切手

372円分を貼ってください。

合 否 通 知 用 封 筒 本研究科所定の封筒に住所,氏名,郵便番号を明記し,郵便切手

372円分を貼ってください。

〔注〕志願者は,前記書類のほか,学力を表す論文・報告書又は教員の推薦書等を願書に添えて

提出しても構いません。

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5 選 抜 方 法 等

試 験 日 時: 平成28年7月4日(月)に別表2によって行います。

試 験 場 所: 東北大学青葉山キャンパス

(詳細については,受験票を送付する際にお知らせします。)

6 合 格 者 発 表

平成28年7月6日(水)17時頃に東北大学大学院環境科学研究科ウェブサイト

(http://www.kankyo.tohoku.ac.jp)に発表する予定です。

なお,出願者に対しては,選考結果通知書を,郵便で発送します。

また,電話等による問い合わせにはお答えできませんので,御了承ください。

7 入 学 手 続 等

(1) 入学手続の詳細は,平成29年2月中旬に送付する入学手続に関する書類でお知らせしま

す。

(2) 入学時の必要経費は次のとおりです。

① 入 学 料 282,000円 (予定額)

② 授業料前期分 267,900円(年額535,800円)(予定額)

[注1]上記の納付額は予定額であり,学生納付金の改定が行われた場合には,改定時から新た

な納付金額が適用されます。

[注2]入学料及び授業料の免除,徴収猶予等に関しては,平成29年2月中旬に送付する入学

手続に関する書類でお知らせします。

8 長期履修学生制度の適用

本研究科では,職業を有している等の事情[注1]により,標準修業年限である2年を超えて

一定の期間にわたり計画的に教育課程を履修し修了する[注2]ことを願い出た者については,

審査の上それを許可することがあります。この制度の適用者を「長期履修学生」といい,当該学

生の授業料支払総額は,標準修業年限による修了者と同額になります。

長期履修学生制度の適用を希望する方には,別途申請方法等をお知らせしますので,願書の所

定欄に必ず希望の有無を記載してください。なお,適用は入学時からとし,在学途中からの長期

履修学生への変更はできません。

[注1]該当者: ①企業等の常勤の職員及び自ら事業を行っている者

②出産,育児,介護等を行う必要のある者

③その他,本研究科が適当と認める者

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[注2]在学年限は4年を超えることはできませんが,許可された在学年限の短縮を願い出るこ

とはできます。なお,長期履修学生のためのカリキュラムは,原則として特別に用意しま

せん。

[注3]長期履修学生制度利用の申込み期限は,入学手続日です。詳細は入学手続に関する書類

でお知らせします。

9 個人情報の取扱いについて

(1) 本学が保有する個人情報は,「独立行政法人等の保有する個人情報の保護に関する法律」

等の法令を遵守するとともに,「国立大学法人東北大学個人情報保護規程」に基づき厳密に

取り扱い,個人情報保護に万全を期しています。

(2) 入学者選抜に用いた試験成績等の個人情報は,入学者の選抜,入学手続,追跡調査,入学

後の学生支援関係(奨学,授業料免除及び健康管理等)及び修学指導等の教育目的並びに授

業料徴収等の関係に利用します。

(3) 入学後,教務関係の業務については,本学より業務委託を受けた業者(以下「委託業者」

という。)が行うことがあります。業務委託に当たっては,その必要性に応じて「国立大学

法人東北大学個人情報保護規程」に基づき,個人情報の全部又は一部を受託業者に提供しま

す。

(4) 本学環境科学研究科に出願した方は,上記の記載内容に同意したものとみなします。

10 注 意 事 項 E

(1) 出願を郵送で行う場合は,所定の出願用封筒を用い必ず書留で郵送してください。

(2) 願書受理の通知は送付しませんが,受理確認を希望する場合は,あて名記載の郵便はがき

を同封してください。

(3) 受験票が試験日10日前になっても到着しない場合は,環境科学研究科教務係に問い合わ

せてください。

(4) 出願書類及び検定料は返付しません。

(5) 募集事務に関することは,環境科学研究科教務係に問い合わせてください。

(6) 郵便で募集要項を請求する場合は,住所,氏名,郵便番号を明記し,郵便切手250円分

を貼った返信用封筒(角形2号,約 34cm×約 24cm)を同封してください。

(7) 環境科学研究科では,受験生に対する合否電報等の取扱いは行っておりません。試験場周

辺で合否電報等の受付をする者は,東北大学とは一切関係ありませんので,十分注意願いま

す。

(8) 受験及び修学上の配慮を必要とする入学志願者のための相談を行っておりますので,相談

を希望する者は,次の事項を記載した申出書(様式任意)を提出してください。

なお,申出書の提出を理由として,合格判定の際に不利に扱われることはありません。

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*申出書提出期限:平成28年5月13日(金)

*提出先:環境科学研究科教務係

*申出書に記載する内容

① 志願者の氏名・住所・連絡先電話番号

② 出身大学等

③ 受験上の配慮を希望する事項

④ 修学上の配慮を希望する事項

⑤ これまで認められたことのある配慮の内容

⑥ 日常生活の状況

⑦ その他参考となる資料(現に治療中の者は,医師の診断書を添付)

平成28年1月

東北大学大学院環境科学研究科

〒 980-8579 仙台市青葉区荒巻字青葉 6-6-20 電話 (022) 795-4504

環境科学研究科ウェブサイト

http://www.kankyo.tohoku.ac.jp

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【高専】 別表1

専攻及び入試群等と研究分野の概要 1. 専攻の概要

先進社会環境学専攻 本専攻は、人間社会の存続を危うくする環境問題に対して揺るぎない環境思想を基盤としたソリューション創出を行える人材

(凸型人材)を育成することを教育目標としている。本専攻では、環境に関わる文明や思想に強い関心を有し,社会諸科学と政

策の実際をよく理解し,多様な科学技術に関する厚みのある基礎知識を習得しようとする人,これらを総合してイノベーティブ

なソリューション創出に挑戦する人,社会の進むべき方向を提示するディレクション力を涵養したい人を求めている。 先端環境創成学専攻

本専攻は,人類社会の存続を危うくする環境問題に対して鳥瞰的かつ国際的な視座を有し,先端的環境技術による対策を行え

る人材(国際的T型人材)を育成することを教育目標としている。本専攻では、環境に密接に関わる専門分野の知識を習得し,

これを深く探求したい人,専門を切り開きつつその外に環境科学の視野を広げることに意欲のある人,アジアの国々からの留学

生と共に学び,国際性を身につけたい人,深い専門性,幅広い知識,国際性を総合し,先端的環境研究を世界で先導したい人を

求めている。

2. 入試群等の概要 エネルギー環境群

本入試群は,機械系,地球系,物質系,化学系,生物系など,理工学の幅広い研究領域に対応しており,選択可能な研究分野

は主に先進社会環境学専攻に属している。配属を希望する研究分野の研究内容や方向性については,十分に理解しておく必要が

あり,特に,他大学や他学部の卒業・修了者,博士課程後期への進学希望者は,入学後の研究計画などについて指導を希望する

教員と事前に十分な打合せをすることが必要である。

3. 研究分野の概要 [先進社会環境学専攻]

研究分野 (入試群)

教員名 研 究 内 容

環境複合材料創成科学

(エネルギー環境群) 准教授 佐藤 義倫 個々のナノ物質は小さいながらも,優れた特性を持っている。しかし,ナノ物質の特性を生かし

た複合材料の設計・合成は,ランダムに配置された個々のナノ物質の特性が打ち消されるため,極

めて難しくなる。そこで,ナノ物質の特性を最大限に活かしたナノ複合界面設計に基づいた高次機

能性複合材料が必要である。本研究室では,材料科学分野における課題である「ナノ物質の特性を

バルクまで引き伸ばすための複合材料設計と材料開発およびその複合界面に関する研究」を目指し

ている。研究を遂行するにあたり,新素材である炭素ナノ材料・ナノ粒子材料の単体特性や複合特

性,あるいは自然の高次循環システムやメカニズムから学ぶ複合特性を利用し,高機能性界面を持

つ複合材料の開発を行っている。

資 源 素 材 設 計 学 (エネルギー環境群)

教 授 松原 秀彰 准教授 上高原理暢 助 教 横井 太史

持続可能な社会を構築するためには,環境科学の観点からの素材(材料)のデザインが必要であ

る。本分野では,地球環境や生命現象と材料の相互作用についての基礎学術に立脚し,環境科学や

省エネルギーの観点から環境と調和し,さらには積極的に生命や自然に働きかけて新しい調和を生

み出す材料のデザインの探求とそれに基づく材料の創成を行っている。具体的には,省エネルギー

の観点から断熱・蓄熱・耐熱材料の研究開発、生命科学の観点から生体組織を修復する材料や病気

を治療するための材料などの開発、地球科学の観点から資源回収のための材料や有害物を除去する

ための材料などの開発、それら環境素材等のコンピューターシミュレーション設計などの研究を行

っている。 環 境 修 復 生 態 学 (エネルギー環境群)

教 授 井上 千弘 助 教 簡 梅芳

さまざまな有害物質により汚染された環境を修復することは今日の重要な課題であるが,そのた

めに使用できるエネルギーやコストは有限である。本分野では,主として有機塩素化合物,油類,

重金属などで汚染された土壌・地下水を,微生物や植物を利用する生物学的方法,天然鉱物や廃棄

物を利用する化学的方法で修復する基礎研究並びに技術開発を実施している。特に,地下における

重金属類の化学形態とその変化,有害物質の分解過程とその分解に関与する微生物群集の動態,あ

るいは植物体内での有害重金属の動態などについて実験的および理論的検討を加えている。関連し

て,各種微生物による鉱物の構成成分溶出促進あるいは抑制,廃棄物の分解とエネルギー資源への

転換についても研究している。

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地球物質・エネルギー学

(エネルギー環境群)

教 授 土屋 範芳 准教授 岡本 敦 助 教 宇野 正起

国際的,地域的な環境や資源問題,エネルギー問題を主として物質科学的な側面から追求する。

地球物質は固体(岩石),流体,気体から成っており,これらは地球を構成する個々のサブシステム

(地圏,水圏,気圏)内で相互作用を生じ,さらに 各サブシステム間を循環している。地球規模の

環境問題および資源の偏在は,地球物質循環の連鎖の過程の不均質性に起因して生じる場合が多い。

本分野 は,地質学,岩石学,地球化学貯留層工学を基礎にして,地球物質の成り立ちと循環プロセ

スを解明し,地球環境の評価,地圏環境の将来予測,環境地質リスク,人工鉱床および地熱エネル

ギー開発に関する教育と研究を行う。

地球物質・エネルギー学※

(エネルギー環境群)

准教授 森谷 祐一 (工学研究科)

本分野は,再生可能エネルギーシステム,能動的地熱エネルギーの開発・利用,地球環境技術,

防災,地下利用技術,資源開発技術,等のための新しい環境科学の創造を目指し研究を行っている。

特に,能動型地熱エネルギー開発,防災等のために微小地震の超解像マッピング技術を開発し,地

下岩体の動的挙動の高精度モニタリング技術の構築を目指している。

地 球 開 発 環 境 学 (エネルギー環境群)

教 授 高橋 弘 准教授 坂口 清敏 助 教 里見 知昭

本分野の研究キーワードは「機械と環境」であり,建設機械・開発機械などを用いた環境調和型

施工システムの開発,災害復旧に貢献し得る新しい建設機械施工システムの開発および建設廃棄物

リサイクル処理機械の高度化など環境対応研究・環境知能工学に関する研究を行っている。具体的

には,災害調査用機械の開発,土壌調査用の地下自在掘進機械(モグラロボット)の開発,汚染土壌と

薬剤の混合処理機械機(土質改良機)の開発,災害復旧用の車輪・履帯(クローラ)併用車両の開発など

の研究を行っている。さらに,国策でもある循環型社会の構築を目指した建設汚泥・掘削土砂等の

建設廃棄物の高効率リサイクル処理技術の開発など新しい環境地盤工学の展開に関する研究も行っ

ている。最近では,これまでの成果を基に津波堆積物の再資源化による人工地盤材料および汚染土

壌の覆土材の開発研究を進めており,東日本大震災の被災地の早期復旧に貢献する技術開発を行っ

ている。 また地熱エネルギーやメタンハイドレートなどのエネルギー利用技術の開発,二酸化炭素や高レ

ベル放射性廃棄物の地層処分などの地殻利用技術の開発のため,地殻・岩石・き裂の力学的・水理

学的研究に基づく地殻システム設計法に関する研究などを行っている。 エネルギー分散システ

ム学 (エネルギー環境群)

教 授 川田 達也 准教授 八代 圭司 助 教 村松 眞由

将来にわたってエネルギーを安定に,かつ,環境負荷の小さな形で供給していく方法を見いだす

ことは,今世紀に生きる人類に課せられた最大の課題である。このためには再生可能エネルギーの

利活用が不可欠であり,水素などの新しいエネルギーキャリアの利用や,マイクログリッドによる

分散エネルギーシステムの構築によって,これを実現しようとする試みがなされている。本分野で

は,これらの重要な構成要素として期待される,高効率燃料電池(固体酸化物燃料電池,SOFC)や,再生可能エネルギーからの水素製造,さらには,環境モニタリングなどの技術を取り上げ,こ

れらに使われる機能性材料の物性や反応を,化学熱力学・固体電気化学の立場から明らかにしてい

くことで,技術の実用化と,新しいエネルギーシステムの普及に貢献することを目指している。

エネルギー資源リスク

評価学 (エネルギー環境群)

教 授 駒井 武

准教授 渡邉 則昭 助 教 桑谷 立

本分野では資源・エネルギー開発に伴う環境問題や環境媒体を経由した化学物質等の曝露を対象

にして,環境リスク評価に基づく健康リスクと経済リスクの低減に関する研究を行っている。具体

的には,土壌や水質,廃棄物等からの化学物質等の曝露・リスク評価手法の開発,物質循環メカニ

ズムの理解に基づく環境動態の調査および解析,自然由来の有害元素等の存在量の把握と医療地質

学的な対策,鉱物資源開発やガスハイドレート生産に伴う環境影響評価に関する研究を進めている。

また,津波堆積物や放射性廃棄物等の東日本震災からの復興支援に関する社会的な貢献も同時に行

っている。これらのリスク評価手法や技術体系を確立し,社会や産業に広く普及させることを目指

している。 環境生体機能学 (エネルギー環境群)

教 授 田路 和幸 准教授 高橋 英志 助 教 横山 俊

天然に豊富に存在する元素を用い,かつ自然界に存在する優れた反応プロセスやメカニズムに倣

った高機能性素材の創製と,最先端の分析技術を駆使した評価,および環境・エネルギー・資源分

野への応用を目指した研究を実施している。 現在,(1)ナノを基本構造単位とするストラティファイド光触媒素材等の半導体材料の開発と自然

エネルギー有効利用法開発及び有害物質の無害化,(2)常温の水溶液中における金属錯体構造制御に

よる機能性ナノ材料(化合物系太陽電池、熱電変換材料、電子工業・触媒材料など)の合成手法開発,

(3) 新しい概念の表面制御技術確立を通した環境対応技術開発,(4) 金属錯体構造制御技術を用いた

レアメタル等有用資源抽出技術の開発、を中心に研究開発を進展している。

環 境 情 報 学 (エネルギー環境群)

協力講座 (東北アジア研究センター) 教 授 佐藤 源之 助 教 高橋 一徳

本研究分野では資源・環境研究を通じて,レーダならびにリモートセンシングなど電磁波応用計

測の新たな展開をめざしている。研究対象は東北アジア地域の地下水,凍土,エネルギー・鉱物資

源から植生分布,また人道的地雷除去,自然災害に対する防災や減災技術など多様であり,自然科

学・人文科学分野の研究者との協力により,人間の営みと資源環境との関わり合いを探求している。

現在,衛星マイクロ波リモートセンシング(SAR),地中レーダ(GPR)・電磁法による地下計測,

ポラリメトリックボアホールレーダについての開発・研究を進めている。モンゴルの地下水調査や

カンボジアなど地雷被災国における地雷検知など国際共同研究による現地計測に多くの大学院学生

が参加している。

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環境物理機能設計学

(エネルギー環境群) 協力講座

(多元物質科学研究所)

教 授 加納 純也 准教授 張 其武

粉体を原料,中間製品あるいは最終製品とする高機能性材料の開発・製造がいつの時代も盛んで

ある。その材料の特性はその組成だけではなく,材料中の粒子充填構造にも大きく依存し,粒子充

填構造は粉体粒子の粒子径やその分布など物性・特性値に大きく左右される。したがって,原料と

なる粉体の生成などの粉体プロセスを精緻に制御し,所望する粒子を取得し,かつ所望する機能を

発現させるために,混合や成形,充填,複合化などの粉体プロセスを自在に制御する必要がある。

本研究室では,粉体プロセスを自在に精緻に制御するためのツールとしてのシミュレーション法の

創成を行っている。本シミュレーションによって,粉体プロセスを最適化することにより,省エネ

ルギー化,省資源化を図っている。また,粉体プロセスの一つである粉砕操作によって発現するメ

カノケミカル効果を積極的に活用し,都市鉱山からの金属リサイクルやバイオマスからの創エネル

ギーに関する研究を展開している。 地殻エネルギー抽出学

(エネルギー環境群) 協力講座 (流体科学研究所) 教 授 伊藤 高敏 助 教 清水 浩之

当研究分野では,地球環境とエネルギーの問題に対して,地殻内エネルギー資源など,特に地殻

の持つポテンシャルを高度利用することで問題の解決を計ることを目指し,それに関わる大規模流

動現象の解明と予測および制御に関する研究と教育を推進している。特に地表下深度数キロあるい

は水深数キロの海底面下にある地層の力学挙動を解明し,その応用としてキロオーダーの広い範囲

の流れの様子を評価する方法,さらには,その流れを制御する方法を検討している。これらの研究

は,在来型の石油・天然ガス開発はもちろんのこと,次世代エネルギー資源として注目されるメタ

ンハイドレート,再生可能エネルギーで日本に豊富な地熱の開発や,地球温暖化対策の切り札と目

される二酸化炭素地中貯留の実用化につながるものである。

物理再生プロセス学 (エネルギー環境群)

協力講座

(多元物質科学研究所) 教 授 柴田 悦郎 助 教 飯塚 淳

非鉄製錬業は製品産業への金属素材供給や廃棄物処理等、資源循環型社会を実現する上では必要

不可欠の産業であり、また金属資源循環の中心を担うことで今後、成長産業へ転換する可能性があ

る。本研究分野は,非鉄製錬を活用した金属資源循環システムの構築に向けた研究活動を行ってい

る。主に化学熱力学を学問ベースとした廃棄物処理ならびに資源化プロセッシングの技術開発を行

っているが,その他にも新規的な物理選別技術など化学熱力学のみでは対応できない技術課題へも

積極的に取り組んでいる。最近の主な研究トピックスとしては,廃電気・電子機器からの金属回収

技術、環境負荷元素であるヒ素の安定固定化、新鉱物資源の製錬技術,希土類等活性金属の製錬技

術,銅スラグの鉄資源化プロセス、焼却炉排ガス処理におけるオキシハロゲン化合物生成などの研

究を行っている。その他,コンクリート廃棄物のトータルリサイクル技術や超音波照射下のマイク

ロバブル挙動を利用した廃水処理や洗浄技術の開発も行っている。

材料分離プロセス学※ (エネルギー環境群)

協力講座 (多元物質科学研究所)

教 授 柴田 浩幸

助 教 助永 壮平

すべての工業製品はその製品を構成する材料からできており,その材料は鉄のような素材から造

られる。素材を得るための素材の精錬プロセス,製造プロセス,リサイクルプロセス等の原理を理

解するには,異相間の化学的,物理的分離過程を詳細に理解することが必要である。このようなプ

ロセスは高温において実行されるため,高温における各相の各種物性値も重要である。例えば溶融

珪酸塩の熱伝導率,粘性は高温の精錬プロセスでは極めて重要な物性値である。当研究室ではこの

ような物性の発現機構を物質の構造との関連から解明し,斬新な素材製造プロセスのシーズを見出

すことを課題としている。最近の課題は,鉄鋼の連続鋳造プロセスあるいは凝固過程における変態

機構の解明,珪酸塩融体の粘性および熱伝導率と構造の関係、低レベル放射性廃棄物のガラス固化

体による処理プロセスの基礎研究、マグネシウム合金燃料の開発である。これらの基礎研究を基に

実際の素材製造プロセスの高効率化や新規プロセスの開発に取り組んでいる。

高 温 材 料 物 性 学 (エネルギー環境群)

協力講座

(多元物質科学研究所)

教 授 福山 博之

准教授 大塚 誠 助 教 安達 正芳

エネルギー,航空宇宙,ロボット,エレクトロニクスなど先端工学の多くの分野では,材料の特

性がその性能を大きく左右するといっても過言ではない。例えば,高品質な窒化物結晶が発光デバ

イスやパワーデバイスの性能を飛躍的に向上させたり,超耐熱合金がジェットエンジンや火力発電

のタービンブレードとして利用され,エネルギー効率の向上に大きく貢献する。このように,当研

究室では,新しい機能性材料を開発していくことによって,省エネルギーやCO2排出量の削減など環

境保全に貢献することを目的としている。現在は,窒化アルミニウム半導体単結晶の作製に関する

研究ならびに次世代超耐熱合金の熱物性計測に関する研究を行っている。これらの研究を通じて,

材料物理化学をしっかり身につけ,材料プロセスと高温融体科学のフロンティアを学生といっしょ

に開拓する教育・研究を行っている。

環 境 物 質 政 策 学 (エネルギー環境群)

寄附講座 (DOWAホールディングス㈱) 准教授 下位 法弘

世界人口は70億人を超え,人間活動のグローバル化により,経済は環境に包括されることを多

くの人々が理解するようになった。近年の経済活動と原子力発電の見直しにより,エネルギーの慢

性的な不足と石油など資源の枯渇は,現実味を帯びてきている。このような情勢のもと,私達の住

環境とそれを取り巻く社会システムにおける省エネルギー化を推進するために,自然エネルギーの

有効利用は重要かつ緊急な課題である。エネルギー・水資源枯渇問題の解決と環境負荷低減は,今

を生きる私達の重要な責務である。本講座は,省エネルギー化を達成する電子デバイスを創製すべ

く,デバイスを構成する材料の機能制御から,実際に使用するデバイスのシステム構築まで手掛け

ていくことを研究命題にしている。具体的には,次世代高機能蓄電池の材料創製・基礎構造の確立

によりスマートハウスへの応用展開を図り,かつ LED を凌駕する超省エネルギー駆動が可能な世

界初の平面発光デバイスを創製すべく,材料の物性を制御するための結晶性制御から始まり材料の

実装制御技術の確立に至る研究を実施している。

Page 11: 00000000 試験日 平成28年7月4日(月) 平成28年1月 東北大学大学院環境科学研究科 平成29年度 博士課程前期2年の課程学生募集要 項 (平成29年4月入学)

地 圏 環 境 政 策 学 (エネルギー環境群)

寄附講座 (DOWAホールディングス㈱) 客員教授 白鳥 寿一 准教授 須藤 孝一

新規な製品・物質が世に現れライフスタイルも日々変化する中、リサイクルや廃棄物処理など産

業活動を進展させるための静脈的役割を担う分野では、その処理の原理や副生成物の動きの解明と

いった科学的な検討は必ずしも充分でなく,基礎研究面での進展が必要である。また、このような

中で有害物や資源物を管理していくためには、社会制度にうまく反映させていくことが重要である。

具体的には,産業界などからの情報の流動化と,客観的な視点からの基礎研究の推進,それを社会

に伝えていくことである。本講座では,土壌汚染など環境汚染物質の地圏環境での動態や物質循環、

および、環境汚染物質となり得る経済原則により拡散する資源物(E-Scrap など)に関する新規な

分離・分解手法,管理技術ならびに評価技術に関する研究を実施している。これらを目的とした教

育・研究活動を推進するほか,それらの社会実装を目指した活動を行っている。

環 境 材 料 政 策 学 (エネルギー環境群)

寄附講座 (DOWAホールディングス㈱) 客員教授 鳥羽 隆一 助 教 大橋 隆広

最先端の各種領域に用いられる機能材料は,単に高機能性だけを追求するのではなく,省資源,

省エネルギー,リサイクル性,環境負荷低減など,人類の幸福を幅広く,かつ将来にわたって達成

しなければならない。本研究室では,半導体や電子材料向けの高機能材料・デバイス分野の研究に

おいて,既存材料だけではなく新規材料の探索と,微細化,複合化,構造最適化等により,高機能

化とエコロジーの両立を目指す。

乾式法(ドライ)や湿式法(ウエット)プロセスによる成膜や合成,リソグラフィー,マイクロマシ

ンニングなどの加工技術により,ナノ,サブミクロンの機能材料を作製する。合わせてナノ構造,

物性,機能,用途特性などを複合的に解析し,環境機能材料の創生およびプロセス開発を行う。短

中期的には紫外線デバイスに関し,発光素子の短波長化や高出力化に必要な実戦面の研究開発を行

う。それとともに,紫外線の産業・バイオ・環境処理などの応用面における評価と,システムや実

装材料の開発を行う。

併せて中長期的には,エネルギー蓄電・供給システムでの新材料の探索と合成・評価・デバイス

実証を行う。

(注意)研究分野欄に※印のある分野を志望する志願者は,事前に環境科学研究科教務係へお問い合わせくださ

い。

東北大学大学院環境科学研究科 教務係 TEL 022-795-4504 E-mail [email protected]

Page 12: 00000000 試験日 平成28年7月4日(月) 平成28年1月 東北大学大学院環境科学研究科 平成29年度 博士課程前期2年の課程学生募集要 項 (平成29年4月入学)

別表2 (前期2年の課程:平成29年4月入学〔高等専門学校専攻科学生を対象とする特別選抜〕)

入試の群 試験科目 試験日時 試験内容 備 考

エネルギー 環境群

口頭試問

7月4日(月)

集合時間及び試験時間

は後日指示する

高等専門学校での研究内容につい

て,パワーポイントを用いて発表

(15 分程度)し,それについて質

疑応答(15 分程度)を行う。 質疑応答には,基礎科目,専門科

目の内容を含む。

希望する研究分野に関連する基礎

的学力について試問を行うことが

ある。 *必ず出願前に希望する研究分野

の指導教員に連絡すること。 *詳細については,環境科学研究科

教務係 (022-795-4504)に問い合

わせること。

小 論 文

7月4日(月)

時間は後日通知する

環境に関する英文を読み,設問に

日本語で解答する。

専門用語等については日本語訳を

明示する。

面 接

7月4日(月)

時間は後日通知する