「本気で人を育てる」環境も充実·¦手の「seets bar」やパン、奥の厨房...

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Page 1: 「本気で人を育てる」環境も充実·¦手の「seets bar」やパン、奥の厨房 などが自然に目に入ってくる。店のメイ ンホールともいえるこの空間は、円形
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特企別画

店作り考特徴のある店舗構成で顧客にアピールをする

 神戸市郊外の住宅地に2003年に

誕生、2006年にカフェ増設を含むリ

ニューアルをしたパティスリー リッチ

フィールド西神中央店。顧客の目に見

えるところ、見えないところの双方に、

オーナー・シェフ福原光男氏の提案と

「店作りは人作りから」という姿勢が

表現されている。

バウムクーヘンをテーマにしたメインホール

 緩やかな坂道に沿ったテラスにプランターやハンギングの植物や花々が並ぶ。足音もやわらかくしてくれるウッドデッキ風のテラスから入り口ドアを開けると、広さが約30坪の売り場になっている。左右にバウムクーヘンや焼き菓子、正面に小型生菓子やチーズスフレなどの並ぶ4段の大きなショーケースがあり、ショーケースに足を向けながら、左手の「seets bar」やパン、奥の厨房などが自然に目に入ってくる。店のメインホールともいえるこの空間は、円形の天井モチーフでも感じとれるとおり、店の一押しである「バウムクーヘン」がテーマだ。 「出店時、思い切って費用の3分の1

向く。通路をはさんだ右手には、季節のテーマ提案をしたコンフィチュール&サブレ、生花と菓子をバスケットに詰め合わせた大きな筒型のショーケースがあり、「この先を曲がると何があるんだろう、というワクワク感をもってもらえるようにと考えました」と、福原氏。 ここからは、365日の身近なギフトを提案する「アニバーサリー」というコーナー。さらに最奥に、ギフトサロン「シェフズ・ポケット」がある。オーナー・シェフのポケットから「ほ~ら! おいしいよ」と取り出される宝物のようなギフトアイテムを提案するコーナーだ。バウムクーヘンや焼き菓子、チョコレートなど、スマートな箱入り×組み合わせでスピーディーにギフトをしつらえることもできる。メリハリのあるカテゴリー別レイアウトは、店の考えや提案をわかりやすく、ページをめくるようなわくわく感をもって

をバウムクーヘンにかけました。いちばんやりたいことをはっきりと打ち出すことで、お客様にも店の特徴をわかりやすく伝えられたと思っています」と福原氏。「seets bar」は、昨年秋に導入したコーナーで、マカロンやレーズンサンド、プリンなどを揃えたオープンケース。奥のギフトサロンにあるものよりも手軽に、楽しく、1個ずつでも4~5個のセットでも買いやすく工夫されている。その分、パンのコーナーは縮小されたが、

「イースト使いをスタッフが身につけるためにも、固定ファンのためもパンをなくさない」方針でいるという。

顧客に訴求。さらに、スタッフにとっても、このコーナーなら何をすべきか、という工夫や接客の指針にもなるという。

お客様、スタッフ、店…三者の「夢かなえ率」の高い店作り

「店作りは、人作りに尽きると思います」という福原氏。2006年のリニューアル時に増設した20坪の広さがあるカフェ

「320 CONCEPTION」は、将来カフェをやりたいという希望の多い女性スタッフが学びとれることが多いように厨房設備やメニューを配慮。2階には、スタッフが安心してコンテストの準備勉強に励めるようにと、セキュリティ対策もした宿泊施設をも設けた。 「特に、女性スタッフが多い中、深夜帰宅は心配なので、これを絶対作りたかったんです」と福原氏。 「コンテストの経験は、技術だけではない、テーマ性の打ち出し方、自分に何が足りないのか、審査員の視線は

店の考え方をクリアに見せるカテゴリー別レイアウト

 こうした明確な商品カテゴリー別を活かしたレイアウトが店全体に徹底されている。メインホールの小型生菓子から右に、目線も動線も誘うデコレーションケーキのショーケースは高さ160㎝もある曲がりケース。印象の華やかさと同時に回り込んだ先まで、自然と足が

どう動くのかなど、店作りにも通じるいろいろなものを学べる場。厳しい中でも常に自分を磨き、常識のフィルターもきちんと持った人間に育ってほしい」という福原氏の心意気が設備面からも伝わってくる。広くてきれいなバスルーム、厨房以外にパートタイムスタッフが包装などに使える作業場のスペースも確保されている。さらに、今春からは顧客サービスとしての菓子教室の場でもあるキッチン「320 LABO」でオーナー自らと新入社員が「作りながら語り合う」時間も設けているという。 「スタッフの心からの笑顔は、お客様のためでもあり、それが自ずと店のためになると信じています。目標はみんなの“夢かなえ率”の高い店ですね」と真摯に語る福原氏。夢をかなえるチカラの秘密がそこここに活かされた店作りである。

●パティスリー リッチフィールド西神中央店兵庫県神戸市西区樫野台5-4-6TEL 078-996-7775

パティスリー リッチフィールド西神中央店(兵庫県神戸市)

オーナーの考えを明確に伝える店作りで「本気で人を育てる」環境も充実

福原光男オーナー・シェフ

背の高いショーケースはインパクトともにわくわく感と動線を作り出す

出店時に費用の1/3をバウムクーヘンにかけた

「アニバーサリー」から「シェフズ・ポケット」に続くギフトサロン

生花と菓子をバスケットに詰め合わせた大きな筒型のショーケース

「320 CONCEPTION」は将来カフェをしたいというスタッフが実地に学べるカフェ

特徴のある店舗構成で顧客にアピールをする

店作り考特企別画

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