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当院では、患者さんの受療権を守るとりくみとして、無料・低額診療事業(無低診)を 実施しています。無低診を適用されますと、当院の医療費が無料または低額になります。 認知症専門の関連病院 『岡山ひだまりの里病院』 も、無低診を実施しています。 経済的な理由で医療費の支払いが難しい方、お気軽に相談室または受付まで、御相談 ください。適用にならない場合でも、解決策を一緒に考えていきましょう。 初春のごあいさつ みなさん、明けましておめでとうございます。 日頃より当院を利用して頂いている皆様や、さまざまな連携をして協力 頂いている医療機関、福祉施設、行政の皆様に心より感謝申し上げます。 昨年7月の豪雨は、利用者の方、地域の方、職員に経験したことのない大 きな被害をもたらしました。まだ復旧途上の方々もいらっしゃいます。重 ねてお見舞い申し上げます。災害の少ない岡山という安全神話は崩れまし た。当院も防災対策が、これからの重要な課題です。今回の災害を教訓とし、院所内や周辺のイン フラの状況を把握して整備してゆきたいと思います。そしていざという時の安全拠点となるよう に努めます。 また、昨夏の猛暑では、特に単身の方が幾人も熱中症で入院されました。意識不明の重症となっ た方もありましたが、皆さん無事回復して退院できました。気候温暖化が進み、岡山の夏はエアコ ンが必需品です。災害の指定避難所やつけられてない世帯への設置に向けた対策を願います。 本年も多くの方々と連携、協力しながら、精神疾患の患者さまやそのご家族を支えていく医療 を進めてまいります。どうぞ宜しくお願い申し上げます。 院長 林 英樹 2019年新年号発行 広報誌 第28号  発行責任者 星 昌子 公益財団法人 林精神医学研究所 附属林道倫精神科神経科病院 〒703-8520 岡山市中区浜472番地 T E L. 086-272-8811 FAX. 086-273-9944 ホームページ http://www.hayashi-dorin.or.jp/ E-mail [email protected] 基本方針 1、 「心の病」の予防、治療、リハビリに取り組みます。 2、人権を尊重し、安全・安楽・信頼の医療に努めます。 3、地域と連携し、誰でも安心して暮らせる地域づくりに努めます。 病院理念 その人らしく生きられるように 共に支えあいます <1> はやしだより 第28 号

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 当院では、患者さんの受療権を守るとりくみとして、無料・低額診療事業(無低診)を実施しています。無低診を適用されますと、当院の医療費が無料または低額になります。 認知症専門の関連病院『岡山ひだまりの里病院』も、無低診を実施しています。 経済的な理由で医療費の支払いが難しい方、お気軽に相談室または受付まで、御相談ください。適用にならない場合でも、解決策を一緒に考えていきましょう。

初春のごあいさつ みなさん、明けましておめでとうございます。 日頃より当院を利用して頂いている皆様や、さまざまな連携をして協力頂いている医療機関、福祉施設、行政の皆様に心より感謝申し上げます。

 昨年7月の豪雨は、利用者の方、地域の方、職員に経験したことのない大きな被害をもたらしました。まだ復旧途上の方々もいらっしゃいます。重ねてお見舞い申し上げます。災害の少ない岡山という安全神話は崩れました。当院も防災対策が、これからの重要な課題です。今回の災害を教訓とし、院所内や周辺のインフラの状況を把握して整備してゆきたいと思います。そしていざという時の安全拠点となるように努めます。 また、昨夏の猛暑では、特に単身の方が幾人も熱中症で入院されました。意識不明の重症となった方もありましたが、皆さん無事回復して退院できました。気候温暖化が進み、岡山の夏はエアコンが必需品です。災害の指定避難所やつけられてない世帯への設置に向けた対策を願います。 本年も多くの方々と連携、協力しながら、精神疾患の患者さまやそのご家族を支えていく医療を進めてまいります。どうぞ宜しくお願い申し上げます。

院長 林 英樹

2019年新年号発行 広報誌 第28号  発行責任者 星 昌子

公益財団法人 林精神医学研究所附属林道倫精神科神経科病院〒703-8520岡山市中区浜472番地TEL. 086-272-8811FAX. 086-273-9944ホームページhttp://www.hayashi-dorin.or.jp/E-mail:[email protected]

♥基本方針 1、 「心の病」の予防、治療、リハビリに取り組みます。 2、 人権を尊重し、安全・安楽・信頼の医療に努めます。 3、 地域と連携し、誰でも安心して暮らせる地域づくりに努めます。

♥病院理念 その人らしく生きられるように       共に支えあいます

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Page 2: 初春のごあいさつhospital.hayashi-dorin.or.jp/news/img/hayashi_d28.pdf「交流し学んだ財団活動交流集会」 11月17日(土)、第4回林財団活動交流集会

「交流し学んだ財団活動交流集会」 11月17日(土)、第4回林財団活動交流集会が林病院ひまわりホールで開催されました。参加者数は全日56名、午前25名、午後33名、計114名でした。演題数は20で部署は13と多岐にわたり、財団の医療活動を多面的に交流できる場となりました。発表時間を10分とし質疑応答の時間を多くとりましたが、フロアから活発な質問が相次ぎ、発表内容を深める事

2018 デイケアもちつき大会 去年12月19日(水)デイケアにて恒例のもちつき大会が開催されました。参加者はデイケアメンバー、スタッフ、ゲスト合わせ総勢80名ほど集まり熱気ムンムンの中、平成最後のもちつきがスタート。林ハッピを身にまとった選ばれしメンバーたちが栄養科協力のもと蒸しあげられた熱々のもち米を石臼へ。そこから周りの『よいしょー!よいしょー!』と言う元気な掛け声に合わせて杵で一突き一突き。粘りのある純白のお餅をたくさんつきあげました。つき手の中には初めて杵を握った方、何ならあなた餅つきのプロ?!と思えるほどの杵使いの方などがおられそれぞれ大いに盛り上がりました。そしてつきあがったお餅はベテランスタッフの熟練の手捌きで一口大にちぎり丸められ、きな粉餅、大根おろし餅の2種類の手作りも

医師ももちつきに参加

ができました。また他部署の取り組みを知る事で、チーム医療の大切さを再確認するとともに、これからの展望も持てました。この活動交流集会は隔年の秋に開催しており、ご参加頂けます。ご興味のある方はご案内をしますのでお気軽にお問い合わせ下さい。

みんなで食べました

ちが参加者全員に振る舞われおいしく頂きました。チラシ看板作りなどの準備からデイケアメンバー主体で本番も大成功。今年は新元号最初の餅つきが開催出来ればと思います。

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「認知症」「認知症」 最近は高齢化社会ということもあり、認知症の話題を見かけるようになりました。つい先日も私の親戚が「年配の妹と一緒に海外旅行へ行ったら団体行動がとれないので大変だった」という話で盛り上がっていました。 認知症といえば物忘れ、記憶障害の病気?と思うかもしれませんが、私の親戚の話の様に物忘れ以外の症状で困っていることがとても多いです。という訳で今回は「認知症の症状」がテーマです。 認知症の症状には中核症状とBPSD(Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia:行動・心理症状)があります。 認知症は脳の神経細胞が障害されて起こるとされていますが、その障害によって直接出現する症状を中核症状と言います。中核症状には記憶障害、判断力障害、見当識障害、問題解決能力障害、実行機能障害、失行・失語・失認などがあります。 これらの機能低下により環境に上手く適応できなくなって現れる症状がBPSDです。BPSDは大きく感情の障害と行動の障害が起こります。 例えばスーパーのレジで支払いの場面で、列が出来ていたとします。後ろの客を待たせてはいけないと焦ってしまいます。そこでどのお金を選んで出せばいいのか決められずもたつくのが判断力障害で、中核症状です。ここで「早くお金出して」とせかしたりするとパニックになり、出せない恥ずかしさから怒ったりするかもしれません。場合によっては助けてあげようとする人の手を払いのけるなど、拒否の行動をとるかもしれません。これがBPSDです。 中核症状は直接脳の機能低下が原因で能力を回復することは難しいから周囲の人が代わりにしてあげることが必要になってきます。しかし、BPSDは環境と本人の関係が原因ですので環境が変われば、言い換えれば周りの人が本人を理解する行動をすればBPSDを改善できる可能性があります。 少し意外かもしれませんが中核症状より感情や行動の問題であるBPSDの方が介護や生活の場面で障害になることが多く、それだけ本人の理解が生活の改善に大切になるのです。

中核症状 BPSD・記憶障害・判断力障害・見当識障害・問題解決能力障害・実行機能障害・失行・失語・失認

感情の障害

・抑うつ・不安・妄想・興奮など

行動の障害

・睡眠障害・暴言・不潔行為・徘徊・異食など

その他の障害

・せん妄・昼夜逆転

こころの病気コーナー

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眞柄 弘美 看護師眞柄 弘美 看護師

 林病院北2病棟(アルコール依存症治療病棟)で師長をしています。当病棟では、アルコール依存症の患者さんに医師、看護師、精神保健福祉士、作業療法士はじめ、多職種が関わりARP(アルコール依存症回復プログラム)を行っています。 私は、過去にアルコール離脱せん妄の患者さんと関わったことはありましたが、ARPを行って退院していく患者さんと関わるのは初めてでした。そのため、患者さんが行っているARPや依存症関連の研修会等に参加して依存症に関して理解しようと努力しました。その中で、何より私にとっての学びは、院内例会での患者さんやそのご家族の体験発表を聞くことでした。 アルコール依存症は“回復はするが治癒しない病気”と言われています。ひとりで乗り越えていくには大変な病気だと思います。だからこそ、同じ目的をもつ仲間づくりが大切なんだと思います。患者さんとそのご家族が健康を取り戻すために、微力ながらできる限りの支援をしていきたいと思っています。

 患者さんが回復されていく姿をみた時です。退院されても外来やデイケアで会った時に、患者さんの方から笑顔で声をかけてきてくれると嬉しいですし、林病院で働いていてよかったなあと思います。

 映画鑑賞。誰にも邪魔されず映画の世界に入り込みたいので、基本的にひとりで観るのが好きです。

 患者さんだけでなくそのご家族の立場にもたって、職員が一緒に悩んだり、喜んだり、たたかったりしてくれる、ひとつの大家族のような病院だと思います。

 林病院は、誰でも温かく迎え入れてくれる病院です。もし、受診や相談を悩まれている方がおられましたらお気軽にご相談ください。

どんな仕事をされていますか?

仕事のやりがいを教えてください。

趣味はなんですか?

眞柄さんから見て林病院はどんな病院ですか?

患者さんへのメッセージをどうぞ!

岡山駅よりタクシー約10分山陽本線(赤穂線)西川原駅より南へ徒歩13分岡山駅東口バスターミナルより岡電バス「藤原団地行」、宇野団地入口で下車。西へ徒歩約2分岡山駅東口バスターミナルより宇野バス「東岡山線」、林病院入口で下車。西へ徒歩約2分

林病院へのご案内入院対応入院のご相談は、地域連携室へご連絡ください。夜間・休日も対応しています。TEL:086-272-8811

デイケア・ナイトケア9:00~20:00 月曜日~土曜日

重度認知症患者デイケア(わたぼうし)9:30~15:30 月曜日~土曜日

林病院歯科診療時間:午前9:00~12:00午後13:00~17:00月曜日~金曜日(土曜日は休診)

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