基本情報技術 概論 II ( 第5回 )
-
Upload
isabelle-burton -
Category
Documents
-
view
31 -
download
4
description
Transcript of 基本情報技術 概論 II ( 第5回 )
1
マネジメント・ストラテジ
経営工学 (1) / 財務会計
基本情報技術概論 II ( 第5回 )
埼玉大学 理工学研究科 堀山 貴史
中間試験 12/7 ( 月 ) 1,2限 工 -11 ( 要確認 )
2
経営工学 (1)
企業の経営資源 … 人、もの、金 + 情報 マネジメント … 経営資源の活かし方
生産現場の作業や動作、工程を分析( ボトルネックを見つける )
ムダ、ムリ、ムラ を無くし、生産の効率を上げる( ただ頑張ればいい、という訳ではない )
日程計画 ( アロー ダイアグラム ) 線形計画法・最適化問題 在庫管理 グラフ / 図解による分析 …
例)
第6回に続く
3
日程計画 ( 作業手順や工数割当ての計画 )
プロジェクトの進捗管理 (→ 第4回資料 p.8) 人員、資材、時間を効率的に使う
アロー ダイアグラム
プロジェクト開始点は1つ
プロジェクト完了点も1つ
B : プログラム 作成
D : システム テスト E : 運用テ
ストA : システム設計
C : データベース移行3
035
30
20
10
先行作業がすべて終了してから後続作業が始められる
________________
4
アローダイアグラム: 最早開始日
その点を最も早く出発できる日 プロジェクト開始点から
前向きに計算
B D
EA C30 35 30
20 10
0
先行作業が複数ある場合、最大のもの
________________
5
アローダイアグラム: 最遅完了日 / 最遅開始日
プロジェクトを予定通り完了させるため、遅くともいつまでに作業を完了 / 開始しないといけないか
プロジェクト完了点から逆向きに計算
B D
EA C30 35 30
20 10
0 30 65 95
50
後続作業が複数ある場合、最小のもの
95
6
アローダイアグラム: クリティカル パス どこか1つでも作業が遅れれば
プロジェクト完了が遅れてしまう経路 経路上のすべての点で
余裕が無い
B D
EA C30 35 30
20 10
0 30 65 95
50
0 30 65 95
55
余裕が 無い
5日の 余裕
________________
7
アローダイアグラム: ( おまけ ) ダミー作業
作業の順序関係のみを表す、作業日数 0 の作業
点線の矢印で表す
B D
FA30 30
20 10
C10
E20
作業 B, C が完了してから作業 E を開始
8
財務会計
売上高、損益分岐点 減価償却
国税庁 > 税について調べる > タックスアンサー http://www.nta.go.jp/taxanswer/ 財務サポート .com > 財務サポート http://www.kk-support.com/zaimu/
参考
売上原価 財務諸表
9
売上高 と 利益 / 損益分岐点
利益 = 売上高 - 費用 変動費 : 売上に ( ほぼ ) 比例して必要な費用
売上原価 (→ p.15) 、販売手数料、… 固定費 : 売上と無関係に、固定的に必要な費用
減価償却 (→ p.12) 、地代家賃、…
費用
売上高 1000
固定費 100
売上高
変動費 800
利益 100金額 売上高
費用費用が売上高を超えると、損失がでる
10
売上高 と 利益 / 損益分岐点
損益分岐点 : 利益が 0 になる点 この点より売上高が 大 → 利益
小 → 損失
固定費 100
売上高
変動費 800
利益 100金額 売上高
費用
損益分岐点
売上高を x とすると、 y = x
y = 100 +
0.8 x____________
11
限界利益 = 売上高 - 変動費
限界利益率 =
変動費率 =
現在の売上高、変動費、固定費から、損益分岐点 売上高が分かる
売上高 と 利益 / 損益分岐点( おまけ )
限界利益 売上高
変動費 売上高
損益分岐点 売上高 = 固定費
1 -
変動費 売上高
前ページの連立方程式との関連を考えてみるとよい
12
減価償却
減価償却資産 建物、設備、装置、器具、備品、車両などの資
産で、時間の経過と共に価値が下がっていくもの (土地、電話加入権、骨董品等は減価償却資産でない )
価値の減少分を、減価償却費として計上する( 費用の中では、固定費 (→ p.9) に分類される )
長期にわたり利用されるので、取得した一時期に取得金額 全 額を経費とするのでなく、法定耐用年数の各年度に分けて経費とする
国税庁 > 税について調べる > タックスアンサー > 法人税 > 減価償却 http://www.nta.go.jp/taxanswer/hojin/houji312.htm
参考
13
減価償却費の計算法
定額法 年度ごとに、一定額 を価値の減少分とみなす
減価償却費 =
耐用年数
取得原価 – 残存価額耐用年数
取得原価
残存価額耐用年数経過後に処分した時の見込み価値
1年後の帳簿価額
1年目の減価償却費 (1年後の価値の減少分 )
平成 19年度税制改革により、残存価額 = 0 で減価償却費を計算する
14
減価償却費の計算法
定率法 年度ごとに、一定比率を価値の減少分とみなす
減価償却費 = 帳簿価額 x 償却率(2年目の減価償却費は、 1年後の帳簿価額から 決める )
耐用年数
取得原価
1年目の減価償却費 (1年後の価値の減少分 )1年後の帳簿価額
償却保証 額 以下になった場合は、償却保証 額までの減価償却費が認められる
15
売上原価 売れた商品の原価 ( 売れた商品に直接必要だった経
費 ) 販売業なら、販売した商品の仕入れ高 製造業なら、販売した製品の材料費や労務費等
9 月 1日
前月繰越 100個
単価 3万円
6 日 仕入 50個 単価 3万円
10 日 売上 50個
17 日 仕入 50個 単価 3万円
25 日 売上 100個
30 日 翌月繰越 50個
この場合、単価 3万で仕入れた商品が 150個売れたので、売上原価は 3万円 x 150 = 450万仕入れ値が違う場合は ?
簡単な例 )
________________
16
売上原価
以下のいずれかの方法で、仕入れ価格を計算 先入先出法 : 先に仕入れたものから順に売れたとして評
価 後入先出法 : 後から仕入れたものから順に売れたとして評価
総平均法 : 1 か月や 1 会計期間内の仕入れの合計金額を 仕入れの合計数量で割って単価を決める
移動平均法 : 仕入れのたびに、在庫の平均単価を求める
…
9 月 1日
前月繰越 100個
単価 3万円
6 日 仕入 50個 単価 5万円
10 日 売上 50個
17 日 仕入 50個 単価 4万円
25 日 売上 100個
30 日 翌月繰越 50個
計算法を変えると売上原価が変わるので、法人は税務署に計算法を届け出る
・ あくまでも計算法・ 実際の商品の 出入順と同じで なくてもよい
17
売上原価 / 在庫の評価額
先入先出法 : 先に仕入れたものから順に売れたとして評価
9 月 1日
前月繰越 100個
単価 3万円
6 日 仕入 50個 単価 5万円
10 日 売上 50個
17 日 仕入 50個 単価 4万円
25 日 売上 100個
30 日 翌月繰越 50個
← 在庫の評価額 3万円 x 100 = 300万円
@ 5万円
@ 4万円
@ 3万円
100個 50個 50個
50個 100個
仕入
売上
売上原価 = 3万円 x 100 + 5万円 x 50 = 550万円
翌月繰越 200万円
18
売上原価 / 棚卸評価額 売上原価の計算は、実際の経理では、以下を行う
1. 棚卸 (実地棚卸 ) をして、棚卸評価額を 求める (商品だけでなく、半製品・仕掛品・原材料等の額も含む )
2. 以下の式で、売上原価を求める
最初に持っていたもの
たなおろし
今期に入ってきたもの
売上原価期首棚卸評価額
当期仕入れ高
期末棚卸評価額 = + -
今期に出ていったもの
最終的に持っていたもの
期首棚卸評価額
当期仕入れ高
期末棚卸評価額= + -売上原価
( おまけ )
20
財務諸表
経営状況を決算書としてまとめたもので、企業は会計期間ごとに B/S と P/L を作成・開示
貸借対照表 (B/S : Balance Sheet) 会計期末の財政の状況をまとめたもの
損益計算書 (P/L : Profit and Loss Statement) 会計期間の損益 ( 経営の成績 ) をまとめたもの
キャッシュフロー計算書 お金の流れをまとめたもの 営業活動 : 販売や仕入れなど、本業に関わる流れ 投資活動 : 設備など、固定資産の購入・売却に関わる流れ
財務活動 : 株式発行など、資金調達・返済に関わる流れ
________________
________________
________________
21
損益計算書 P/L
会計期間の損益 ( 経営の成績 ) をまとめたもの
(単位: 千円 )
売上高 20,000売上原価 16,000売上総利益 (粗利益とも呼ばれ
る ) ( 売上高 –売上原価 )販売費・一般管理費
4,000
2,000
営業利益 ( 売上総利益 –販売費・一般管理費 ) 2,000
営業外収益 200
営業外費用 100
経常利益 営業利益 + ( 営業外収益 – 営業外費用 )
2,100
→ p.15大雑把に把握した利益
本業の営業成績
配当や利息など、本業以外の収支
資金の運用成績も含む、
通常の状態での利益
広告宣伝費 , 営業人件費 , 役員等人件費など
22
損益計算書 P/Lつづき
当期利益 ( 税引き前当期利益 –税金 )
法人税などの税金
1,050
1,000
税引き前当期利益 経常利益 + (特別利益 – 特別損失 ) 2,050
特別利益 50
特別損失 100
経常利益 営業利益 + ( 営業外収益 – 営業外費用 )
2,100
(単位: 千円 )
固定資産の売却益など特別な理由での収支
純利益とも呼ぶ
23
収益から費用を引いたら、利益が求まる
営業利益率や売上原価率でも収益性を比較する
損益計算書 P/L
総費用
純利益総収益
営業利益率 =
営業利益売上高
売上原価率 =
売上原価売上高
入った分
出た分
自己資本比率、負債比率、流動比率、固定比率、総資本利益率の指標もある
24
貸借対照表 B/S
会計期末の財政の状況をまとめたもの 複式簿記で、資産、負債、純資産 を示す
流動負債(買掛金など )
期末資産
固定負債(社債など )
期末負債
期首純資産
純利益
期末純資産
どのような状態でお金を持っているか
借金
投資家から集めた資金 + 利益
総資本
流動資産( 現金・預金な
ど )
固定資産(土地・設備な
ど )
資産
平成 19年度税制改革により、資本の部は、純資産の部に変わった
27
この教材のご利用について この教材は、以下に示す利用条件の下で、著作権者にわざわざ許諾を求めることなく、無償で自由にご利用いただけます。講義、自主学習はもちろん、翻訳、改変、再配布等を含めて自由にご利用ください。
非商業利用に限定 この教材は、翻訳や改変等を加えたものも含めて、著作権者
の許諾を受けずに商業目的で利用することは、許可されていません。
著作権の帰属 この教材および教材中の図の著作権は、次ページ以降に示す著作者に帰属します。この教材、または翻訳や改変等を加えたものを公開される場合には、「本教材 (or 本資料 ) は http://www.al.ics. saitama-u.ac.jp/horiyama/OCW/ の教材です (or 教材を改変したものです」 との旨の著作権表示を明確に実施してください。なお、この教材に改変等を加えたものの著作権は、次ページ以降に示す著作者および改変等を加えた方に帰属します。
同一条件での頒布・再頒布 この教材、または翻訳や改変等を加えたものを頒布・再頒布
する場合には、頒布・再頒布の形態を問わず、このページの利用条件に準拠して無償で自由に利用できるようにしてください。
この文面は、 TOKYO TECH OCW の利用条件を参考にしました
28
配布場所 http://www.al.ics.saitama-u.ac.jp/horiyama/OCW/
この powerpoint ファイルの著作者 堀山 貴史 2007-2009 [email protected]
u.ac.jp 改変等を加えられた場合は、お名前等を追加してください
図の著作者 p. 24
クリップアート : Microsoft Office Online / クリップアート
その他 : 堀山 貴史
この教材のご利用について