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本所(東京) 〒151-0066 東京都渋谷区西原2-49-10      TEL 03(3481)1921 FAX 03(3481)1920      http://www.nite.go.jp

井の頭通り

甲州街道

京王新線

ファミリーマート

ローソン

JICA

代々幡斎場

西原小学校

西原いこい公園

新聞店

代々木大山公園

幡ヶ谷

小田急線/

千代田線

代々木上原

消防学校

消防学校寮

NITE

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独立行政法人 製品評価技術基盤機構「NITE」

理事長 辰巳 敬

理事長挨拶

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 独立行政法人 製品評価技術基盤機構(NITE(ナイト))は、1928年2月に輸出絹織物検査

所として生まれました。戦後も、わが国からの輸出用繊維製品や機械製品、化学製品の検査

などを通じて輸出品の世界的な信頼性の確保のために、技術面で経済産業行政を支えた長

い歴史をもっております。

 2001年からは独立行政法人として、製品安全分野、化学物質管理分野、バイオテクノロ

ジー分野、適合性認定分野などにおいて、社会に存在するリスクの低減に貢献し、国民生活

の安全と持続的な経済発展の基盤を支えてまいりました。2015年にノーベル生理学・医学

賞を受賞された大村智北里大学特別栄誉教授とは、受賞理由となった新種放線菌のゲノム

解析を共同研究させていただいた実績があり、これはNITEとして誇りとするところです。

2015年には、国と密接に関連した事業を確実に執行する経済産業省所管の行政執行法人と

なり、法律執行や政策の支援の一層の充実を図るとともに、それらの業務を通じて得た知

見も活用して、わが国におけるイノベーションの創出に貢献すべく努めております。

 近年、社会情勢はめまぐるしく変化しており、これに伴い、国民や産業界から行政に求め

られるニーズも日々刻々と変化しております。NITEも国家戦略や行政ニーズに迅速か

つ的確に応えるために、常に進化し続ける組織である必要があります。こうした観点から

2015年度には新たに国際評価技術本部を設置しました。国際評価技術本部では、大型蓄電

池システムやファインバブルといった新たな分野やビジネスに関連する評価技術の確立

や国際標準化などを推進し、産業の発展に貢献してまいります。2016年春からは、大阪で

世界最大級の大型蓄電池システム試験評価施設の運用を開始しております。

 NITEは、2014年に策定した長期ビジョン2030において、将来進むべき方向として「製品

の安全、信頼、並びに環境・エネルギーについて、技術上の価値に関する情報を創出し、伝統

産業・文化の観点を含めた評価基準を開発するとともに、国際展開を進め、豊かで誇りの

持てる社会の形成に貢献すること」と定めております。このビジョンに沿って、これまで

NITEに蓄積されてきた技術評価の知見を活かしつつ、新たなニーズにも果敢に挑戦し、わ

が国の産業の発展と、より安全な社会の実現を目指してまいります。皆様のご理解とご支

援を心よりお願い申し上げます。

豊かで誇りの持てる社会の形成に資するために

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NITEの長期ビジョン2030

「製品の安全、信頼、並びに環境・エネルギーについて、技術上の価値に関する情報を創出し、伝統産業・文化の観点を含めた評価基準を開発するとともに、国際展開を進め、豊かで誇りの持てる社会の形成に貢献する」

 わたしたちNITEは今ある社会ニーズや行政ニーズに対して応えるのみでなく、将来にわたるわが国の発展に貢献するために常に進化し続ける組織でなくてはなりません。 NITEでは、2030年の将来に求められるであろうニーズやNITEが担うべき役割について、社会動向、国際動向、技術動向を踏まえた客観的予測に基づき全職員が考え、議論し、2014年にNITE長期ビジョン2030を定めました。 わたしたちは、長期ビジョンを心に留め、全職員が長期的な視野でNITEが進むべき方向や担うべき役割を認識しつつ、何をすれば国民や産業界に貢献できるかを常に考え、チャレンジし続けます。そして、国民が経済的にも精神的にも豊かさを持ち、一人ひとりが誇りの持てる社会の実現を目指します。

独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)の基本理念

「確かな技術と信頼できる情報をもとに、くらしの安全と未来への挑戦を支え続けます」

安全とあなたの未来を支えますSafety and your Future with NITE

理事長挨拶……………………………… 02

NITEの基本理念/事業内容 ………… 04

製品安全分野…………………………… 06

化学物質管理分野……………………… 08

バイオテクノロジー分野……………… 10

適合性認定分野………………………… 12

国際評価技術分野……………………… 14

イノベーションの創出………………… 16

データベース紹介……………………… 18

役立つ情報の発信……………………… 20

組織概要………………………………… 22

CONTENTS

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事業内容

 NITEは、「独立行政法人製品評価技術基盤機構法」に基づき、経済産業省のもとに設置されている行政執行法人です。 現在、製品安全分野、化学物質管理分野、バイオテクノロジー分野、適合性認定分野、国際評価技術分野の5つの分野において、経済産業省など関係省庁と密接な連携のもと、各種法令や政策における技術的な評価や審査などを実施し、わが国の産業を支えています。 また、それらの業務を通じてNITEに蓄積された知見やデータなどを広く産業界や国民の皆様に提供するとともに、諸外国との連携強化や国際的なルールづくりなどに取り組み、イノベーションの促進や世界レベルでの安全な社会の実現に貢献しています。

 化学物質管理分野

製品安全分野

バイオテクノロジー分野

  

適合性認定分野

                      

国民行政

産業界 国際

安全確保のための解りやすい情報提供

経済産業省などと連携し各種法令や政策における技術的な評価や審査を実施

知見やデータなどの提供によるイノベーションの促進

諸外国との連携強化・ルール形成

国際評価技術分野

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製品安全分野

より安全な消費生活用製品の普及によって安心な社会づくりに貢献

 私たちの身の周りには様々な製品があり、便利で快適な生活には欠かせないものとなっています。 一方で、これらの製品の設計や製造の不具合、誤った使用方法、経年劣化などにより、火災や消費者の負傷、場合によっては死に至る事故が起きています。 NITE製品安全センターは、法律などに基づき、こうした消費生活用製品の事故情報を収集し、調査・分析によって事故の原因究明やリスク評価を行っています。さらに、製品の事故情報やリコール情報を広く消費者・事業者などに提供しているほか、事業者がより安全な製品を提供するための基準づくりなども行っています。 NITE製品安全センターは、2016年4月から本部を大阪市住之江区の大阪事業所に移転し、製品事故の再発・未然防止をさらに推進するとともに、より安全な製品の普及による健全な産業発展に貢献していきます。

●高水準の原因究明技術を活かして 事故の再発・未然防止に貢献

 NITEは、電気製品やガス・石油機器などの一般の消費者が購入する消費生活用製品を対象に、「消費生活用製品安全法」などに基づいて事故情報を収集しています。 事故情報の収集は、製造事業者などからの報告のほか消費生活センターなどの地方公共団体、消防・警察などの協力を得て行っており、毎年約3,000件の事故情報について、関係機関とも協力して調査を実施し原因究明を行っています。 NITEの原因究明技術は、長年蓄積したデータ、技術的知見と経験、原因究明手法の開発などを通じて高い水準を誇っており、その範囲は製品の機械的な構造や強度、電子回路などの分析や化学物質による生体障害原因分析など多岐にわたっています。 事故原因究明の結果は、製造事業者による安全な製品づくりに役立てられるとともに、製品のリコール判

断など、製品事故の再発・未然防止に役立っています。 また、近年増加している輸入製品については、海外のリコール情報を収集し、国内での同様な製品の流通状況を確認した上で、関係機関に情報提供するほか、海外の機関と連携して製品のリスク情報を共有し、輸入品の安全性向上に取り組んでいます。

 消費生活用製品による事故の未然防止の取り組みをさらに強化するため、家電量販店や総合スーパーなどの流通事業者の協力を得て修理、クレーム、事故などの情報を収集しています。

 収集した膨大なデータについては、これまでにNITEが収集、蓄積した事故調査データに照らして分析を行い、その分析結果を流通事業者に提供し、製品事故の未然防止に活用しています。

●流通事業者との連携による事故の未然防止への取り組み

製品事故原因調査の様子

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Consumer Product Safety

消費生活用製品による事故防止のための記者説明会の様子

●収集し整備した情報を広く一般に提供

 NITEが収集した事故情報は、事故情報データベースとして体系的に整備するとともに、製品のリコール情報についてもリコール情報データベースとして整備し、簡単に検索できるようにNITEホームページで公開して、広く一般に提供しています。 また、製造事業者の製品安全レベルの向上を支援するため、より安全な製品づくりのための技術情報などをセミナーや講演会などを通じて広く提供しています。一方、消費者に対しては、消費者の誤使用や不注意によって起こる事故を防止するため、記者説明会、注意喚起リーフレット、学校向けセミナーなどを通じて注意喚起や安全啓発情報を発信しています。

 「電気用品安全法」において電気用品が満たすべき技術基準の体系が見直されることになり、JISなどの公的規格を整合規格として取り入れ、事業者の扱う電気用品がこの整合規格に適合する場合には技術基準に適合するものとみなすことになりました。 NITEはこの整合規格の策定に際し、経済産業省からの依頼を受け業界団体などが提案する整合規格案が技術基準を

満たしているかについて技術的な評価を行っています。 また、製品安全4法(電気用品安全法、消費生活用製品安全法、液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律、ガス事業法)に基づく製造・輸入事業者への立入検査を経済産業大臣からの指示のもとに実施し、法令の着実な執行に貢献するなど、経済産業行政の一翼を担っています。

●技術評価や立入検査などによる法執行支援

 NITEはこれまでに蓄積した技術的知見を活用し、事故の未然防止につながる技術基準・規格、製品の試験方法の開発を行い、関係業界に積極的に提案を行っています。 民間団体による規格の作成への技術支援のほか、日本工業規格(JIS)をはじめとする多くの規格にNITEの知見が反映されています。最近では、乳幼児用製品などによる事故防止のための測定方法の開発と規格案の作成を行っています。 また、国際電気標準会議(IEC)技術委員会(TC)に、NITEが開発した試験方法を国際規格案として提案するなど、国際標準化活動にも取り組んでいます。 靴底の滑りやすさについての試験の様子

●蓄積した知見は安全な製品の基準・規格作成に活きる

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化学物質管理分野

化学物質のリスク評価と安全管理を推進

 私たちの身の回りにあるあらゆる製品はすべて化学物質でできており、世の中に流通している化学物質は約10万種類とも言われています。生活から産業に至るまで化学物質は欠かせない存在となっています。 一方で、化学物質は、製造、流通、使用、廃棄などの様々な過程において、環境中へ排出され、私たちの体内に取り込まれることがあります。そして、体内や環境中の化学物質が一定量を超えると、人の健康や生態系に悪影響を及ぼす場合があります。 NITE化学物質管理センターは、法律に基づいて化学物質の安全性などの審査を技術面から支援するとともに、化学物質のリスクを評価し、それらの安全性に係る情報を提供することにより、化学物質の適切な管理に貢献しています。 また、諸外国との連携を通じ、化学物質管理の国際的な協調を推進しています。

●化学物質の安全性審査とリスク評価を支援

 「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律」(化審法(かしんほう))は、人の健康と生態などに影響を及ぼすおそれがある化学物質による環境汚染を防止することを目的としています。この法律に基づき、新しく製造・輸入される化学物質の安全性の審査、化学物質の有害性の情報や事業者から報告された製造・輸入量などに基づくリスク評価が行われています。 新しく化学物質を製造・輸入する事業者は、事前に国に届出を行う必要があります。NITEは、化審法に関する事業者からの相談・連絡、安全性試験データの精査と審査資料の作成、化学物質の構造と有害性との相関関係を予測する手法である構造活性相関(QSAR)の活用、審査の合理化の提案などを通じて、審査の技術的支援及び事業者の負担軽減に貢献しています。その他、安全性試験を実施する試験施設の優良試験所基準(GLP)への適合確認査察や、事業者の申請内容を確認するため、事業所への立入検査も行っています。 化学物質などが人や環境中の生物に対して悪影響を及ぼす可能性を予測評価することを「リスク評価」といいます。NITEは、化審法に基づく事業者からの届出や調査、審査により得られた情報と、技術的知見を生かして化学物質のリスク評価を実施するとともに、リスク評価手法の提案や改良を行っています。 リスク評価の結果は、化審法の規制対象となる化学

物質の選定やその規制レベルの判断に利用されています。また、事業者自身が化学物質のリスク評価を行うことができるよう、リスク評価に必要な情報をNITEホームページで公開しています。 また、化審法や労働安全衛生法に基づき届出された新しい化学物質は、一定の期間を経て、その名称が官報で公示されます。この公示名称は、IUPAC命名法に基づき命名されますが、NITEは、同一の化学構造の物質に異なった名称が付けられることがないように、化審法と労働安全衛生法の公示名称案を作成することで両法の命名法の共通化に貢献しています。

経済産業省、厚生労働省、環境省の3省合同審議会の様子

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Chemicals Management

●化学物質の自主管理の促進と リスクコミュニケーション

 「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律」(化管法(かかんほう))は、事業者が取り扱う化学物質の自主的な管理を促し、環境汚染を未然に防止することを目的としています。 NITEは、化管法に基づき、事業者が環境中に排出する化学物質の量を把握し、国に届出を行うPRTR制度の記録・集計を担っています。また、届出を行う事業者に対する技術的サポートやオンライン届出システムの開発・運用を行い、事業者の利便性の向上を図っています。 PRTR制度に基づき集計されたデータは、地域別の排出量や大気中予測濃度を5kmまたは1kmメッシュで地図上に表示できる「PRTRマップ」としてNITEホームページで公開しています。PRTRマップにより、化学物質が、どこから、どのくらい排出されているのかを一目

で確認することができます。 これらの情報提供により、事業者による自主管理や、化学物質に関わるすべての関係者が、化学物質のリスクとその管理方法について、情報共有や意見交換を行うリスクコミュニケーションを促進し、国民の化学物質管理に関する理解の向上を図っています。

5kmメッシュで表示したPRTRマップ

●化学物質情報の整備・提供を通じた 国際連携

 企業活動のグローバル化が進み、事業者による国内外の化学物質関連の法規制情報の把握と適切な対応が必要となるとともに、わが国としても化学物質管理制度の国際的な協調を進めることが重要になっています。 NITEは、急速に整備が進む東南アジア地域の化学物質管理法規制の情報を収載した日ASEAN化学物質管理データベース(AJCSD)の運用をはじめ、国内外の法規制情報や化審法の有害性情報を提供するため、化学物質総合情報提供システム(NITE-CHRIP)や化審法データベース(J-CHECK)を整備し、事業者に対し法令遵守や化学物質の安全性情報を提供しています。 また、経済産業省と連携して、経済協力開発機構(OECD)の環境保健安全プログラムなどへ参加するほか、化学物質管理の手法に関してアジアや欧米諸国との二国間協力などを通じて国際的なネットワークづくりを行っています。 さらに、「化学兵器の禁止及び特定物質の規制等に関する法律」の執行業務として、化学兵器禁止機関(OPCW)による国際検査への立会いを行っています。 韓国化学物質管理協会と覚書(MOU)に基づく定期会合を開催

NITE化学物質管理分野の国際ネットワーク

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バイオテクノロジー分野

生物遺伝資源を産業に活かす

 バクテリア、酵母、カビなどの微生物や動植物の細胞などの生物遺伝資源は、抗生物質や抗体医薬品、酒・味噌・醤油などの発酵食品、触媒などの化学分野での物質生産などに幅広く利用され、産業活動に欠かすことのできない大切な資源です。 一方で、新しい機能を持つ生物遺伝資源を発見し商業利用するまでには多くの開発コストがかかり、その生物遺伝資源を適切に保存し管理するには多くの課題があります。また、海外での生物遺伝資源の収集・利用や遺伝子組換え生物の利用には、生物多様性条約や安全性などコンプライアンス上の配慮も必要です。 NITEバイオテクノロジーセンター(NBRC(エヌビーアールシー:Biological Resource Center, NITE))は、生物遺伝資源の収集や提供、安全で確実な保存、機能情報や関連技術の提供、国際的ネットワーク構築、遺伝子組換え生物の適切な産業利用を支援することにより、生物遺伝資源の産業利用を促進し、バイオ産業の発展に貢献しています。

●有用な生物遺伝資源の収集、保存、提供

 NITEは、国内外の様々な環境で生物遺伝資源を探索しており、収集した生物遺伝資源(微生物約8万株など)を、分類・整理して特別に設計された施設で長期間保存しています。 収集・保存している生物遺伝資源は事業者や研究開発機関などに提供され、製品開発や物質生産などに利用されています。また、日本工業規格(JIS)や日本薬局方などの公的試験方法にも指定され、品質管理のための試験に利用されています。NITEから提供している生物遺伝資源については、NITEホームページで公開しています。 さらにNITEの有する生物遺伝資源の保存・管理の技術を活用し、事業者が保有する貴重な生物遺伝資源の

●生物遺伝資源に関する海外との ネットワークを構築

 日本には存在しない海外の多様な環境から収集した微生物は、医薬品・食品・酵素生産などに産業利用されています。しかしながら、海外の生物遺伝資源の利用については、1993年の生物多様性条約発効以降、相手国との交渉や手続きに多大な時間や費用がかかるようになりました。 このためNITEでは、アジア諸国へ働きかけて、わが国の事業者や研究者が継続的に海外の生物遺伝資源

西表島での微生物探索

電子顕微鏡を使った観察(アオカビ)

微生物資源の保全と持続可能な利用のためのアジア・コンソーシアム(ACM)年次総会の模様

災害などによる消失リスクや設備増設などによる保管コスト増大に備えて、バックアップ保管するサービスを実施しています。

を利用できる環境を整備しています。 また、アジア地域の13ヶ国とアジア・コンソーシアムを組織し、微生物資源を相互利用するための国際的な資源移転のルールづくり、微生物研究者の人材育成などに取り組んでいます。

生物遺伝資源の提供用サンプル

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Biotechnology

●生体分子解析技術を生活の安全に活用

 NITEは、長年の経験で培ったタンパク質や代謝物などの生体分子の解析技術を活かし、家庭用品、鉱工業品、化粧品原料などの分析や、技術標準・評価方法の開発を行っています。 これまでに、家庭用品によって発生するアレルギーの原因物質の分析に加え、他機関と共同でコムギ加水

●特許申請された微生物の指定寄託機関

 NITEは、「特許法」に基づき特許庁長官より指定された寄託機関として、NITE特許微生物寄託センター(NPMD)及びNITE特許生物寄託センター(NITE-IPOD)の2つの機関を運営しています。微生物や動植物の細胞などに関する特許を出願する際には、これら機関にその微生物などを寄託する必要があり、NITEは寄託の受付、生存確認試験、保管及び分譲からなる特許寄託事業を実施して、発明者の知的財産保護を円滑に進めています。また、ブダペスト条約(微生物に関する発明を特許出願する際の国際的寄託手続などに関する条約)に基づく国際寄託当局(IDA)としても、指定を受けています。

●遺伝子組換え技術の 安全な産業利用を支援

 遺伝子組換え生物の利用は、「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律」(カルタヘナ法)によって規制されています。 NITEは、事業者が安全かつ適切に遺伝子組換え生物を利用できるように経済産業省を支援して、カルタヘナ法に基づく申請の事前審査や事業者からの相談対応、法令遵守状況を確認するための立入検査を実施しています。また、カルタヘナ法の円滑な運用のために、その改善案を経済産業省に提言し、審査の効率化を図るなど、遺伝子組換え生物の産業利用の促進に貢献しています。

●生物遺伝資源の利用促進  生物遺伝資源の産業利用を促進するために、健康・医療、物質生産、環境浄化などの分野での産業界のニーズを調査し、NITEの保有する生物遺伝資源や技術を活用して、事業者や公的機関と共同で研究開発や事業化の支援を行っています。 さらに、微生物を効率的に活用するため、微生物の遺伝子情報を活かして産業化につなげるためのデータベースとして、 ・微生物のもつ産業に有用な機能から微生物を手軽に検索できるデータベース(MiFuP)

 ・放線菌の二次代謝産物合成遺伝子に関する情報を集約したデータベース(DoBISCUIT)

 ・NITEがこれまでに全ゲノム解析を行った微生物についてのゲノム情報や、細胞内で発現している可能性のあるタンパク質の解析についてのデータベース(DOGAN)

をNITEホームページで公開しています。

分解物を含む石けんによる健康被害の原因究明を行っています。 また、偽装品の流通が問題となったカシミヤ繊維については、タンパク質解析技術を活用した鑑別法を開発し、検査機関へ技術を提供しています。 このように、社会問題化した事例や各種法令における技術的な課題について、生体分子解析技術を活用することで解決し、安全な製品の流通に貢献しています。

DNA情報による環境サンプル中の微生物構成解析

タンパク質量分析計による高速な微生物の同定

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適合性認定分野

事業者に対する認定を通して、製品などの信頼性確保を図り、産業活動の促進、安全な社会の構築に貢献

 わが国の試験事業者や認証事業者などは、製造事業者などからの依頼に基づいて、様々な技術的な試験や認証を実施しています。これらの試験や認証結果の信頼性を確保することは、製品などの性能や安全性に大きくかかわるため、製造事業者などのビジネスのみならず国民・社会へ影響を及ぼすものとなっています。 こうした第三者の試験事業者や認証事業者が、適切な試験や認証を行う能力・体制を持っていることを客観的に評価することを

「認定(Accreditation)」といいます。 NITE認定センター(IAJapan(アイエイジャパン:International Accreditation Japan))は、試験や認証などを行う試験事業者や認証事業者に対して、中立的な立場で公平・公正に審査し認定を行い、そこで行われる試験や認証の結果を信頼あるものとしています。また、認定機関の国際的組織(国際試験所認定協力機構、国際認定フォーラムなど)に参加して国際相互承認を得ることで、認定した事業者の試験結果などが海外でも利用できるようにしています。 このような認定の提供を通じて、製品などの性能や安全性などの信頼性確保を図り、ビジネス拡大、産業の国際競争力確保とともに安全な社会生活の構築に貢献しています。

 JCSSは、幅広い産業分野で基盤となっている計測機器の信頼性を確保するため、計測機器を校正する事業者に対して、「計量法」や国際規格に基づき、校正の技術能力を審査し登録する制度です。 校正方法や設備・施設などの確認による、審査を経て登録された校正事業者は、校正した計測機器に対して計量法に基づくJCSS校正証明書を計量・計測結果の信

頼の証として発行することができるようになります。現在、260以上の校正事業者が登録され、年間50万件以上のJCSS校正証明書を発行しています。 JCSSは、校正事業者の登録を通じて計量機器の信頼性を確保し、研究開発や製造現場から日常生活までの計量・計測を確かなものとしています。

●国民生活や社会経済活動を支える計量・計測の信頼性の確保 ~計量法校正事業者登録制度(JCSS)~

現地審査イメージ

 JNLAは、建築・繊維・電気・鉄鋼などの日本工業規格(JIS)に規定されている試験方法を対象に、JIS試験を実施する事業者について、「工業標準化法」や国際規格に基づき、実施する試験の適正性を審査し登録する制度です。 JNLA登録された試験事業者は、試験結果に工業標準化法に基づくJNLA試験証明書を信頼の証として発行することができます。例えば、JNLA登録された試験事業者は、サニタリー製品の抗菌性やLED電球の明るさなどについて試験を行い、その結果を信頼あるものとしています。 JNLAは、試験事業者の登録を通じて製品などの性能や安全性に対する信頼性を確保し、製品のビジネス拡大や流通の円滑化、安全な社会の構築に貢献しています。

●製品などの品質・安全性などの確保~工業標準化法試験事業者登録制度(JNLA)~

JNLA登録試験事業者により抗菌性試験が行われるサニタリー製品例

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Accreditation

 ASNITE は、上記のJCSS、JNLA及びMLAPでは対応できない分野を対象に、NITEが、政策的・社会的認定ニーズに応えて、国際基準に基づき試験事業者や認証事業者を審査して認定する制度です。 ASNITEの認定を受けた事業者は、様々な製品に対して試験や認証を実施した結果を信頼あるものとして、証明書や認証書を発行することができます。例えば、鉄道の信号システムなどにおいては、ASNITE認定された認証事業者が、安全性に係る認証を行った結果は、国際基準に適合した信頼あるものとされ、国際取引の円滑化、海外での競争力向上や新市場開拓につながっています。

ASNITE の認定証例

ASNITE認定された認証事業者が認証した信号システム(写真提供:日本信号株式会社)

ASNITE の認定証例 IAF 相互承認を示す認定シンボル

 MLAPは、ダイオキシンなどの極微量物質を正確に計測する事業者について、「計量法」に基づき審査して認定する制度です。 ダイオキシンといった極微量ではあっても毒性の強い物質を正確に計測するために高度な技術が必要であり、ダイオキシン類の計量証明事業を行うためには、法

●大気中などのダイオキシン測定の信頼性確保~計量法特定計量証明事業者認定制度(MLAP)~

律によりMLAPの認定を取得することが必要とされています。 MLAPは、ダイオキシン類の計量証明事業者の認定を通じて、私たちの回りの環境におけるダイオキシンに対する安全性を信頼あるものとし、安全な社会の構築に貢献しています。

●鉄道信号システムなどの信頼性を確保し、海外市場での競争力向上を支援 ~製品評価技術基盤機構認定制度(ASNITE)~

 NITE認定センターは、認定した事業者の発行する証明書・認証書が、海外においても適用できるようにするため、ILAC(国際試験所認定協力機構)、APLAC(アジア太平洋試験所認定協力機構)、IAF(国際認定フォーラム)、PAC(太平洋認定協力機構)といった国際機関に

●国際相互承認により製品などの認定結果の国際展開を推進

参加し、国際相互承認取決に署名しています。これにより、認定された事業者の発行する証明書・認証書は、国際間取引においても適用できるものとなり、製品などの海外での二重検査の排除はもとより、円滑な流通、国際展開の推進に貢献しています。

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国際評価技術分野

新技術の評価方法の確立により、新たなビジネス、産業の発展に貢献

 新しい技術や製品・システムが、世界に先駆けてわが国で普及していくためには、その技術、製品・システムの性能や安全性、信頼性などを客観的に評価できる技術が早期に確立されることが重要となっています。 NITE国際評価技術本部では、大型蓄電池システム、ファインバブル、電力安全といった、今後、大きなビジネスの発展が期待される新技術の評価技術を世界に先駆けて確立するとともに、国際標準化の推進などを通じて、世界市場における競争力の強化に貢献しています。

●国内初の大型蓄電池システム試験評価施設を運用

 リチウムイオン蓄電池などの大型蓄電池システムは、太陽光発電などの再生可能エネルギーの導入、電力消費のピークカット、停電時のバックアップなどに欠かせないものとして、今後大きな市場の発展が期待されています。 こうした新しい製品やシステムの普及のためには、その性能や安全性を確保することが重要ですが、そのための試験に必要となる設備は大規模なため、民間で整備することは困難です。NITEは、国内初となる大型蓄電池システム試験評価施設として蓄電池評価センター(NLAB: National LABoratory for advanced energy storage technologies)を大阪の咲洲コスモスクエア地区に整備し、2016年4月より運用を行っています。 NLABには、世界最大規模の恒温型チャンバーである多目的大型実験棟(NLAB Large Chamber)があり、大型蓄電池の耐類焼試験、大型蓄電池システムの消火設備といった各種安全装置の動作試験を行うことができます。また、機能別実験棟(NLAB Testing Facilities)で

は、地震波や輸送時の振動を再現した振動試験、温度可変環境下での充放電試験や外部短絡試験などが実施可能です。 NLABは、事業者や大学、研究機関からの大型蓄電池システムの開発や製品化に関する幅広いニーズに対応した試験サービスを提供するとともに、性能や安全性に関する新たな試験・評価手法の開発を行っています。 さらに、NLABで取得したデータが認証に活用されるよう体制を整備するとともに、事業者や研究機関と連携して国際標準化を進め、大型蓄電池システムの普及や市場拡大に貢献していきます。

蓄電池評価センター(NLAB) 多目的大型実験棟

振動試験の様子

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Emerging Technology Evaluation

●注目を集めるファインバブルの 試験・評価方法の構築を目指す

 ファインバブルは、水などの液体中に存在する直径100μm以下の微細気泡のことで、日本発の革新的な技術です。 ファインバブルは、橋脚やトイレの洗浄、水耕栽培における植物の成長促進や魚の養殖場での酸欠防止などに既に利用されているだけでなく、その応用範囲の広さから大変注目されています。 しかしながら、ファインバブルを測定するための技術はまだ十分に確立されていないため、製品や技術の普及における障壁となっています。 NITEは、ファインバブルを測定するための様々な計測機器を整備し、産業界と協力しながら試験・評価方法を構築するとともに、関連製品の市場導入を促進するための認証基盤の確立に取り組んでいます。 また、NITEが確立した技術や試験データは、ファインバブル製品の試験・評価方法の開発や国際標準の開発に活用され、ファインバブル関連産業の発展に貢献しています。

●電力安全水準の維持・向上を支援し 電力システム改革を支える

 電力会社が保有する発電設備や変電設備、工場や大型商業施設が保有する自家発電設備や太陽光発電設備といった電気工作物については、法律に基づいてその設計・製造、設置、維持・運用などに関して保安規制の対象となっています。 電力システム改革による、発電や小売の自由化、発送電の分離によって、今後は様々な事業者が電力供給市場に参入することが想定されます。 NITEは、経済産業省や関係団体などと密接に協力して、電力システム改革後を見据えた電気工作物に関する保安や規制制度の整備に貢献しています。

測定されたファインバブル(直径1~ 100μm)

電気工作物(イメージ)

ファインバブル(直径1μm以下)測定の様子

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NITEは5つの分野で活動する強みを生かし、分野や組織を超えた連携により技術や知見を集約し、その相乗効果によってイノベーションを生み出し続けています。

 日用品や繊維製品の中には、消費者と製品との接触が原因で皮膚炎を発症するものがあります。その多くは、製品に含まれるある種の原因物質に過敏な人がその製品に繰り返し接触するうちにアレルギー反応が起き炎症を引き起こす、アレルギー性接触皮膚炎と呼ばれるものです。実際に確認された原因物質としては、抗菌剤や染色剤、合成繊維のモノマーなどがあります。 こうした製品による皮膚障害を防止するためには、原因となる物質を特定することが必要です。 NITE製品安全センター、バイオテクノロジーセンター、化学物質管理センターは連携して、製品事故として収集した皮膚障害の情報に基づき、皮膚炎を発症した製品や類似品に含まれる物質を質量分析計で分析し、原因物質となり得る構造式をもつ化学物質を明らかにした上で、その物質のリスクを評価し、最終的な原

因究明を行っています。 その結果は、製造事業者などにフィードバックするとともに、NITEホームページで公表し消費者に注意喚起などを行うことで、こうした製品による皮膚障害防止に貢献しています。

❶日用品などによる皮膚障害防止 (製品安全分野、バイオテクノロジー分野、化学物質管理分野)

 衣類などの繊維製品の染色に使用されている「アゾ染料」のなかには、皮膚に長時間触れることで皮膚常在菌の作用により分解され、発ガン性のおそれがある「特定芳香族アミン」を生成するものがあります。 これまでアゾ染料を含む製品に関しては、業界の自主基準が策定され運用されていましたが、2016年4月に「有害物質を含有する家庭用品の規制に関する法律」の政省令が改正され、事業者はアゾ染料を一定量以上含有する繊維製品などを販売できなくなりました。 この政省令の改正に際して、NITE製品安全センター、バイオテクノロジーセンター、化学物質管理センター、認定センターは連携して、アゾ染料から特定芳香族アミンが生成されるメカニズムや、どのような繊維製品で特定芳香族アミンが生成されるか分析を行うとともに、省令で指定する特定芳香族アミンの名称を他の法令との整合に配慮して命名するなど技術面で貢献

❷発ガン性リスクのある染料の規制への貢献 (製品安全分野、バイオテクノロジー分野、化学物質管理分野、適合性認定分野)

をしました。また、製造事業者が特定芳香族アミンの含有について民間の試験所に依頼して高い信頼性で分析できるようにするため、迅速に「工業標準化法」に基づく試験所の認定を行っています。

NITEの総合力を活かしたイノベーションの創出

皮膚障害原因物質の分析

アゾ染料から生成される特定芳香族アミンの分析

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 日用品や家具などの身近な製品から空気中に放散される化学物質を吸入することで、めまいや頭痛、吐き気などの症状が生じることがあります。 NITE北陸支所と化学物質管理センターは連携して、家庭内で使用する様々な製品について、大形チャンバーなどを用いて揮発性有機化合物(VOC)の放散速度を測定し、それらの物質のリスクを評価することで、化学物質の吸入による健康被害の原因究明に向けて取り組んでいます。 測定データや評価結果は、外部有識者による委員会などにおいて業界団体や関係省庁に報告を行うととも

に、産業界などで広く活用できるように、NITEホームページで公開しています。

❸化学物質の吸入による健康被害の原因究明に向けた取り組み (北陸支所、化学物質管理分野)

 NITEバイオテクノロジーセンターは、これまで蓄積してきた微生物に関する技術や知見を活かし、地方自治体、公設試験研究機関や大学などと連携して、地域資源から微生物を分離することによる地域ブランド商品の創出を支援しています。 岩手県釜石市、北里大学感染制御研究機構釜石研究所、釜石・大槌地域産業育成センターとの共同プロジェクトでは、市の花「はまゆり」から食品に利用可能な「釜石はまゆり酵母TM」の分離に成功しました。現在、はまゆり酵母を使用したビール・パンをはじめとする食品などの地域ブランド商品が岩手県内の事業者によって開発され、販売されています。 また、岩手県二戸市の「にのへブランド海外発信事業」実行委員会、岩手県工業技術センターとの共同プロ

ジェクトでは、漆生産量日本一の「浄法寺漆」の花などから微生物を分離しました。今後、この微生物は、海外への発信も視野に入れた二戸市の地域ブランド商品への活用が期待されています。 さらに、千葉県君津市が実施している地方創生事業「きみつ食の彩りプロジェクト『カラー工房(酵母)』」においては、君津市特産の花であるカラーから微生物を分離しました。このうち酵母については食品開発に利用できることが明らかになっており、今後、君津市の事業者による地域ブランド商品の開発に利用される予定です。 NITEバイオテクノロジーセンターは、2016年4月から大阪に拠点を設けるなど、産学官連携による地域ブランド商品の創出をさらに推進していきます。

❹地域資源から微生物を分離することによる地域ブランド商品の創出支援 (バイオテクノロジー分野、地方自治体、公設試験研究機関、大学など)

大形チャンバーを用いた揮発性有機化合物の放散速度測定

微生物探索、分離・同定、バックアップ保管

乳酸菌

酵母

商品開発

地域ブランド商品

地域資源

公設試験研究機関、事業者など

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NITEでは収集、調査した情報などをデータベースとして広く一般に公開しています。必要な情報が容易に検索できますので是非ご活用ください。

適合性認定分野

製品安全分野

■ IAJapanの登録・認定事業者一覧の参照・検索

 NITEが実施しているJCSS、JNLA、MLAP、ASNITEの各認定プログラムに登録・認定されているのべ750以上の事業者について、認定プログラムや、区分、分野ごとに一覧での参照や検索を行うことができます。 NITEの認定プログラムに基づく校正や試験などを依頼する際の、登録・認定を受けている事業者の検索などに活用いただけます。

■ JCSS活用事例の紹介

 JCSS(計量法校正事業者登録制度)について、濃度標準物質やJCSS校正サービスの活用、海外規制対応のための活用といった事例などベストプラクティス例を提供しています。 JCSSに基づく校正サービスを用いてビジネスモデルを構築する際などに参考資料として活用いただけます。

■ 事故情報データベース

 NITEが1996年度以降に原因調査を行った製品事故の調査結果をデータベース化したものです。国内最大規模の48,000件を超える事故情報が保存されています。 製品名、事故発生日、事故通知内容、事故原因、再発防止措置など14項目について、3つのキーワードの組み合わせにより様々な検索が可能です。また、検索結果は表形式(CSV形式)でダウンロードし、保存することができます。 製品事故の再発・未然防止などのための過去の製品事故事例の確認や、身近にある製品に関する事故情報の収集などに活用いただけます。

■ 社告・リコール情報データベース

 NITEが1989年度以降に収集した1,900件を超える事業者の社告やリコールの情報をデータベース化したものです。 品名、事業者名、社告内容など5項目について、3つのキーワードの組み合わせにより様々な検索が可能です。また、検索結果は表形式(CSV形式)でダウンロードし、保存することができます。 リコール製品の使用による事故を防止するための、身近にある製品のリコール情報の確認などに活用いただけます。

NITE 事故検索

JCSS 活用事例IAJapan 認定事業者

役立つ情報が的確に得られるNITEのデータベース

NITE リコール検索

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化学物質管理分野

バイオテクノロジー分野

■ NBRCオンラインカタログ

 NITEが収集・保管している微生物のうち、性状などの情報が付与されている微生物(NBRC株)約2万株について、学名、原産国、培養条件、分離源、用途、遺伝子情報及び参考文献などの詳細情報を検索することができます。 NBRC株の活用を検討する際の、性質や培養方法の確認などに活用いただけます。

■ 微生物遺伝子機能検索データベース  (MiFuP(ミファップ))

 NITEが収集した90を超える遺伝子機能と約300株の微生物データから、環境浄化や合成樹脂の生産、耐性など、産業上有用な機能をキーワードとして、専門家でない方でも有用な微生物を短期間で効率的に検索することができます。 また、微生物のゲノム配列からの機能検索や、複数の遺伝子により発揮される機能についても手軽に検索することができますので、微生物の産業利用の検討に活用いただけます。

■ 化学物質総合情報提供システム  (NITE-CHRIP(クリップ))

 化学物質の管理に必要な法規制や有害性に関する情報について、NITEが独自に収集し整備している国内最大規模のデータベースです。 25万を超える化学物質について、CAS番号や名称、法規制対象物質のリストなどから、国内や海外における化学物質の法規制情報や有害性評価情報などを検索することができます。 化学物質に関する法制度への対応や、化学物質の自主管理の推進などに活用いただけます。

■ 日ASEAN化学物質管理データベース  (AJCSD)

 日本と東南アジア諸国連合(ASEAN)各国で協力して構築され、各国の政府から直接提供された化学物質関連の規制情報を収載する画期的なデータベースです。2016年4月よりNITEが運用機関となり公開しています。日本とASEAN各国における化学物質の規制情報や有害性情報などを容易に検索、比較することができます。 化学物質をASEAN各国へ輸出する際の情報収集や法令遵守の対応などに活用いただけます。

MIFUPNBRC カタログ

CHRIP AJCSD

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事業者・消費者の皆様に役立つ情報を積極的に発信

●NITEホームページ

 NITEホームページでは、報道発表や展示会出展のお知らせ、製品事故の注意喚起などに加え、NITEの業務内容や各種制度の情報などをタイムリーに、わかりやすく発信しています。

●専門家派遣、NITE主催講座などの実施

 NITEの業務についてより深く知っていただくことを目的に、地方公共団体や事業者団体が主催する各種講習会、研修、セミナーなどへの専門家派遣や展示会への出展を随時行っています。 また、NITE主催の講座やワークショップなども実施しています。

●メールマガジン

 NITEは、分野ごとの最新情報を提供するため、以下のメールマガジンを配信しています。NITEホームページから登録いただけます。また、バックナンバーもNITEホームページに掲載していますのでご覧ください。

「NBRCニュース」

(偶数月の1日配信)

 微生物の保存・培養方法、ゲノム解析に関する情報や、微生物の取扱いに関する技術情報などを提供しています。微生物をお使いの方、微生物にご興味のある方は是非ご登録ください。

「NITEケミマガ」

(原則毎週水曜日配信)

 化学物質管理に関する法律・制度に関するセミナー、審議会の情報、公的機関などの化学物質管理に関する新着情報、報道発表情報などを提供しています。事業者の方など化学物質管理に関する情報収集に是非ご活用ください。

「製品安全情報(PS)マガジン」

(毎月第2、4火曜日配信)

 製品事故の事例紹介やリコール情報、製品安全に関するセミナー開催情報など、最新の製品安全に関する情報をタイムリーに提供しています。事業者から消費者まで幅広い方を対象にしていますので、製品安全に関する情報収集に是非ご活用ください。

NITE

バイオテクノロジー分野 化学物質管理分野 製品安全分野

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●ニュースリリース、取材対応

 消費生活用製品の事故に対する注意喚起や成果の報告など、社会全体に迅速に知らせる必要がある情報については、適時にニュースリリースや記者説明会を行うとともに、個別の取材などにも対応しています。 また、NITEの業務をより広く知っていただくために、各種メディアなどへの情報や映像などの提供、論文などの執筆、技術支援などを行っています。

消費生活用製品の事故防止に関する記者説明会

テレビの情報番組に出演しインタビューを受ける NITE職員

●施設の見学、一般公開

 NITEへの理解を深めていただくため、NITE本所(東京都渋谷区)の「NITEスクエア」で、NITEの各分野の業務概要の紹介や解説を行っています。NITEスクエアは、どなたでも無料で見学いただけます。団体での来所につきましては、あらかじめご連絡をお願いいたします。 また、NITE本所及び大阪事業所では、年1回夏季に、施設の一般公開(NITEフレンドシップデイ)を行っています。ここでは、数々の実験教室や展示を通じて、NITEの業務について身近に感じ、理解いただいています。

天ぷら油火災の再現実験 イチゴから DNAを取り出す実験教室

[NITEフレンドシップデイの模様]

石油ストーブやコンセントの事故再現実験画像

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■ 沿革

 NITEは、戦前の1928年、当時わが国の主な輸出品であった絹織物の品質検査を行う輸出絹織物検査所としてスタートしました。戦後には、当時拡大していた輸出品の品質検査を実施する機械器具検査所などの各種工業製品の検査所も設置されました。1970年代には、それまでに培った検査・評価技術を活かして製品の安全性に関する業務や、工業標準化法に基づく業務を開始し、1980年代には化学物質の安全審査に関する業務を開始しました。組織としても、1984年10月に、それまでの繊維製品検査所と工業品検査所が統合され通商産業検査所が設立されました。 1990年代に入ると、バイオテクノロジー関連業務や、

輸出絹織物検査所1928(昭和3)年1月設立

機械器具検査所1948(昭和23)年10月設立

日用品検査所1948(昭和23)年11月設立

通商産業検査所1984(昭和59)年10月設立

製品評価技術センター1995(平成7)年10月改組

独立行政法人製品評価技術基盤機構2001(平成13)年4月設立

試薬検査所1948(昭和23)年9月設立

輸出毛織物検査所1940(昭和15)年12月設立

工業品検査所1952(昭和27)年8月設立

繊維製品検査所1948(昭和23)年11月設立

独立行政法人 製品評価技術基盤機構(NITE(ナイト))

組織概要

事業者などの技術的能力を認定する適合性認定の業務を開始し、1995年10月に製品評価技術センターへ改組されました。  2001年4月には、経済産業省所管の独立行政法人製品評価技術基盤機構となり、2015年4月には国と密接に関連した事業を確実に行う「行政執行法人」として位置付けられるとともに、新たに大型蓄電池システムの評価に関する業務などにも着手しています。 このようにNITEは、設立当初から蓄積してきた工業製品に関する検査・評価などの技術やノウハウを活かし、行政ニーズや社会ニーズの変化に的確に対応して、日本の産業の発展と、安全な社会の実現に貢献しています。

●四国支所 〒760-0023 香川県高松市寿町1-3-2 高松第一生命ビルディング5F TEL 087(851)3961 FAX 087(851)3963

●中国支所 〒730-0012 広島県広島市中区上八丁堀6-30 広島合同庁舎第3号館 TEL 082(211)0411 FAX 082(221)5223

●九州支所 〒815-0032 福岡県福岡市南区塩原2-1-28 TEL 092(551)1315 FAX 092(551)1329

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■ 所在地

●製品安全センター 燃焼技術センター 〒376-0042 群馬県桐生市堤町3-7-4 TEL 0277(22)5471 FAX 0277(43)5063

●東北支所 〒983-0833 宮城県仙台市宮城野区 東仙台4-5-18 TEL 022(256)6423 FAX 022(256)6434

●本所(東京) 〒151-0066 東京都渋谷区西原2-49-10 TEL 03(3481)1921 FAX 03(3481)1920

●バイオテクノロジーセンター(木更津) 特許微生物寄託センター(NPMD) 特許生物寄託センター(NITE-IPOD) 〒292-0818 千葉県木更津市かずさ鎌足2-5-8 TEL 0438(20)5760  FAX 0438(20)5766

●中部支所●認定センター 中部認定事務所 〒460-0001 愛知県名古屋市中区三の丸2-5-1 名古屋合同庁舎第2号館 TEL 052(951)1931  FAX 052(951)3902

●北陸支所 〒920-0024 石川県金沢市西念3-4-1 金沢駅西合同庁舎 TEL 076(231)0435 FAX 076(231)0449

●製品安全センター 本部●国際評価技術本部 蓄電池評価センター●認定センター 近畿認定事務所●化学物質管理センター 安全技術課●バイオテクノロジーセンタ̶ 関西バイオ室 〒559-0034 大阪市住之江区南港北1-22-16 TEL 06(6612)2065 FAX 06(6612)1617

●北海道支所 〒060-0808 北海道札幌市北区 北八条西2-1-1 札幌第一合同庁舎 TEL 011(709)2324 FAX 011(709)2326

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本所(東京) 〒151-0066 東京都渋谷区西原2-49-10      TEL 03(3481)1921 FAX 03(3481)1920      http://www.nite.go.jp

井の頭通り

甲州街道

京王新線

ファミリーマート

ローソン

JICA

代々幡斎場

西原小学校

西原いこい公園

新聞店

代々木大山公園

幡ヶ谷

小田急線/

千代田線

代々木上原

消防学校

消防学校寮

NITE

2017/11/1

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