Tutorial のチュートリアル...

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MIRU2010での若手プログラムで話した内容です.

Transcript of Tutorial のチュートリアル...

(1)

MIRU2010 若手プログラム

Tutorialのチュートリアル~ 検索しても見つからないチュートリアルの仕方 ~

堀田政二 (東京農工大学)

MIRU2010 若手プログラム

2010年 7月 26日

(2)

MIRU2010 若手プログラム

目的と内容

目的と内容

皆さんのチュートリアルがちょっとでも良くなれば・・・

という願いを込めて以下について話します

チュートリアルとはなにか

Tutorialのチュートリアル(方法,事例,難しい点と注意点)

個人的な経験談

先に断っておくと・・・

このスライドは字が多いし,内容もカタイです

理由は追々わかると思います

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MIRU2010 若手プログラム

目的と内容

目的と内容

皆さんのチュートリアルがちょっとでも良くなれば・・・

という願いを込めて以下について話します

チュートリアルとはなにか

Tutorialのチュートリアル(方法,事例,難しい点と注意点)

個人的な経験談

先に断っておくと・・・

このスライドは字が多いし,内容もカタイです

理由は追々わかると思います

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MIRU2010 若手プログラム

チュートリアルとは何か

チュートリアルとは何か

個別指導の,家庭教師の [1]

コンピューターのハードウエアやソフトウエアの技術的な使用説

明書や補助教材 [1]

少数の生徒に教師が集中的に教えること,あるいは家庭教師によ

る一対一の教育 [2]

A tutorial is one method of transferring knowledge and may be usedas a part of learning [3].

More interactive and specific than a book or a lecture; a tutorialseeks to teach by example and supply the information to complete acertain task [3].

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MIRU2010 若手プログラム

チュートリアルとは何か

チュートリアルの事例

チュートリアルといってもいろいろなやり方がある [3]

少数人数での授業 (Oxford & Cambridge)

1対 1の個人授業 (Heythrop College, Univ. of London)

recitation: (少数の) 学生による知識の導入,理解のための実演(デモ),討論 (Univ. of Waterloo, Torontoなど)

internet computer tutorials;ただし以下の性質を持ち合わせるものだけをそのようによぶ

内容に関するプレゼンがある(例題含む)

関連する知識を増強・チェックするための reviewがある与えられた知識に基づいて次の内容に進むことができる

(linear or branching)

今回は recitationの形式.資料やプレゼンの作成方針は internetcomputer tutorialsな感じ (しかも linearで)

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MIRU2010 若手プログラム

チュートリアルとは何か

基本方針を決定しよう

1 どのような人を対象とするのか(どのような人が対象となるのか)

最も重要な事項であるにも関わらず最も把握しにくい

2 チュートリアルの内容を決めよう

新しい知識の紹介,既にある知識の深化

使える技術の紹介と使うためのノウハウ

3 どのようにチュートリアルを行うか

口頭のプレゼンテーション

デモ

サンプルプログラムの頒布(はんぷ)と実演

上記の組み合わせ

それ以外(目の前でプログラミングを実演)

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MIRU2010 若手プログラム

チュートリアルとは何か

主観的な受講者の習熟度モデル 1/2

対象となる受講者の習熟度を主観的にモデル化.例えば正規分布

���

100500

同じ大学 (企業) の学生 (新人) に対する lectureや seminarはこれでも OK1

1あくまで主観なので信じないように・・・

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MIRU2010 若手プログラム

チュートリアルとは何か

主観的な受講者の習熟度モデル 2/2

モデルは多峰性で未熟にいくぶん偏っている,と仮定した方が良い

���

100500

専門分野が異なる人や新規参入者が混在

かなりできる人 (とその逆) も混じっている

黒い領域に存在する人達にウケる tutorialを目指さないように

(9)

MIRU2010 若手プログラム

チュートリアルとは何か

Tutorialをする人 (tutor) はどんな人?

Tutorialをする人 (tutor) は右側の黒い領域にいる (と思われている) 人

���

100500

自分のレベルに合わせようとすると失敗する

習熟度の低い人の頭の中 (気持ち) を想像しよう

この想像力が豊か(経験が豊富)な人ほど良い tutorになれる可能性が大きい

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MIRU2010 若手プログラム

チュートリアルとは何か

Tutorialの目指すところ

100500

受講者の習熟度の底上げと専門性の強化

Tutorの知識の更なる深化 (共同作業が良いかも)

受講者と Tutorが共に賢くなることが大事

受講者から次の tutorが出てくると良い (知識の伝承)

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MIRU2010 若手プログラム

Tutorial のチュートリアル

プレゼンテーション資料の作成

基本的には口頭発表のスライド作成方針で良い

ただし,more interactive and specific than a book or a lectureを忘れないこと

この点を実現するためには,式が多くなったり,文字が多くなった

りしても構わない

わかりやすさも大事だが,正確であることも大事

全てを達成するのは至難の業

はじめての tutorialならば多少の失敗は気にしない!後輩に教えるつもりで.心構えは目加田先生から伝授

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MIRU2010 若手プログラム

Tutorial のチュートリアル

プレゼンテーション資料の作成

基本的には口頭発表のスライド作成方針で良い

ただし,more interactive and specific than a book or a lectureを忘れないこと

この点を実現するためには,式が多くなったり,文字が多くなった

りしても構わない

わかりやすさも大事だが,正確であることも大事

全てを達成するのは至難の業

はじめての tutorialならば多少の失敗は気にしない!後輩に教えるつもりで.心構えは目加田先生から伝授

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MIRU2010 若手プログラム

Tutorial のチュートリアル

デモ

デモは伝えたいことを相手にわかり易く伝える有効な手段

ただし,tutorialならば見せるだけではなく,なぜそうなるのかを受講者が理解できるように工夫しよう

ここでも「わかりやすさも大事,正確であることも大事」を意識し

よう

何はともあれ・・・

デモについては達人,藤吉先生に聞いてみよう

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MIRU2010 若手プログラム

Tutorial のチュートリアル

デモ

デモは伝えたいことを相手にわかり易く伝える有効な手段

ただし,tutorialならば見せるだけではなく,なぜそうなるのかを受講者が理解できるように工夫しよう

ここでも「わかりやすさも大事,正確であることも大事」を意識し

よう

何はともあれ・・・

デモについては達人,藤吉先生に聞いてみよう

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MIRU2010 若手プログラム

Tutorial のチュートリアル

サンプルプログラムの頒布

サンプルプログラムの頒布は受講者が望むものの代表格

例題として用いることで口頭発表よりも interactiveにしやすい

ただし,受講者の実験環境はまちまち

同じ環境を実現するためにはどうするか?

プログラミング言語は何を選ぶ?

バージョンや用いる toolboxによって挙動が変わる可能性あり

プログラムを実行することで予期せぬ事態が起きる可能性もある

責任回避のための免責事項が必要

実験用のデータをどのように準備するかも問題

ウェブから取ってきたものを勝手に使えない.公開データ

ベースも二次頒布は禁止の場合が多い

著作権の問題もある

プログラムは著作物

企業の人が作成してしまうと (たぶん) 頒布不可

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MIRU2010 若手プログラム

Tutorial のチュートリアル

同じ環境を実現するためには

なるべくフリーなソフトウェアを使う

OSに異存しないソフトウェアを使う

なるべくシンプルなプログラミング言語を選ぶ

受講者が容易に理解できるものを優先的に使う

このような理由から OpenCVや Octaveが良く用いられる

ソフトウェアのバージョンや用いる toolboxによって挙動が変わる

異なるバージョン,OSで挙動をチェック32bit,64bitの違いもある.文字コードにも気を配るブラックボックスを信じない (ファイルの読込みであっても)

プログラムにはコメントをつける

プログラムの変数と資料中の変数の対応づけができると良い

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MIRU2010 若手プログラム

Tutorial のチュートリアル

免責事項の例

著作者は誰かをはっきりとさせる.免責事項は広く広く・・・

公開しているプログラムやデータに関する情報には充分に注意を

払っていますが,その内容について全てを保証するものではあり

ません.プログラム,資料,ウェブサイトの著作者である堀田政二

は,これらの使用ならびに閲覧によって生じたいかなる損害にも

責任を負いかねます

プログラムの改良・再頒布によって生じた損害に関しても責任を負

いかねます

ウェブサイトの URLやリンク先は予告なく変更される場合があります

公開しているプログラムは,上記の免責事項に同意の上,使用者

の責任のもとで自由に使用して構いません

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MIRU2010 若手プログラム

Tutorial のチュートリアル

実験用データの準備

自前で用意・公開すると引用してくれる.ただし,個人情報保護

法 [4]や生命倫理,安全保障貿易管理 [5]に抵触するもであれば要注意

データも受講者の理解に有効なものを優先的に使う

使おうとしているデータが著作権を侵害していないかもチェック [6]

公開データベースに関しては再頒布よりも,そのウェブページま

でのリンクで対処するのが簡単

データの作成方法について説明が必要な場合はその資料も用意

あまり良い例ではないかもしれませんが

http://www.tuat.ac.jp/~s-hotta/ss2010/

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MIRU2010 若手プログラム

Tutorial のチュートリアル

実験用データの準備

自前で用意・公開すると引用してくれる.ただし,個人情報保護

法 [4]や生命倫理,安全保障貿易管理 [5]に抵触するもであれば要注意

データも受講者の理解に有効なものを優先的に使う

使おうとしているデータが著作権を侵害していないかもチェック [6]

公開データベースに関しては再頒布よりも,そのウェブページま

でのリンクで対処するのが簡単

データの作成方法について説明が必要な場合はその資料も用意

あまり良い例ではないかもしれませんが

http://www.tuat.ac.jp/~s-hotta/ss2010/

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MIRU2010 若手プログラム

まとめ

まとめ

チュートリアルは口頭発表と比較していろいろと気を配る点

が多く,面倒であり難しくもある

ただし努力するとそれなりに見返りはある (新たな論文ネタの発見とか共同研究の話が来たりとか)

人に教えるとはどういうことかを考えるようになる (大学の教育研究職に就きたい人には良い訓練かも)

とにかく楽しんでやるのが大事だと思います

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MIRU2010 若手プログラム

まとめ

参考文献 I

[1] 大辞林,第二版,三省堂, 1995.

[2] http://ja.wikipedia.org/wiki/

[3] http://en.wikipedia.org/wiki/Tutorial

[4] http://www.meti.go.jp/policy/it_policy/privacy/

[5] http://www.meti.go.jp/policy/anpo/

[6] http://www.bunka.go.jp/chosakuken/