オープンソースの統合オフィスソフトLibreOfficeの最新動向
in オープンソースカンファレンス2013 Nagoya2013/6/22
LibreOffice日本語チーム榎真治
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自己紹介
● コミュニティ
– LibreOffice 日本語チーム / LibreOfficeコミュニティ● イベントなどで主に活動、品質保証もやりたい
– LibreOffice勉強会(関西、浜名湖)– 日本UNIXユーザ会、LILOなど
● ビジネス
– LibreOfficeのサポート、導入支援、トレーニング、書籍、品質保証
– 2011年9月から:フリー● メールアドレス:[email protected]
● Twitter: eno_eno
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アジェンダ
1. LibreOfficeの概要
2. プロジェクト/開発について
3. 利用事例
4. 最近の動向
5. 更なる情報を得るには
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統合オフィスソフトの現在
● Microsoft Officeが広く普及しており、その中でも比率の高いOffice2003が2014年にサポート切れ
● オープンソースでは、LibreOfficeなどが利用されている● 世界的に展開しているオフィスソフトであれば、機能的には
違いはそれほどない● Google DocsなどWebサービスも出てきている。コラボ
レーションに便利
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LibreOfficeの5つの特徴
● 統合オフィスソフト– ワープロ、表計算、プレゼンテーション、図形描画、データベース
● オープンソース– 誰でも自由に利用したり、開発に参加できる
– OpenOffice.orgの事実上の後継● マルチプラットフォームに対応
– Windows、Mac OS X、Linux
● 多言語対応に対応– 110のUIを選択可能(4.0.1)
● 国際標準ファイル形式のODF– 多くの統合オフィスソフトで対応
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LibreOfficeで何ができるの?
LibreOfficeのアプリケーション
相当するMicrosoft
Officeのアプリケーション
利用例
ワープロ Writer(ライター) Word 印刷文書、マニュアル
表計算 Calc(カルク) Excel 表、グラフ、データ分析
プレゼンテーション Impress(インプレス) PowerPoint プレゼン資料
図形描画 Draw(ドロー) Publisher チラシ、イラスト、レイアウト図
データベース Base(ベース) Access データベース
数式 Math(マス) (数式エディタ) 文書中の数式作成
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Microsoft Officeとの互換性について
● Microsoft Office 97-2003形式:読み書き可能● Microsoft Office 2007-2010形式:読み書き可能● 通常のファイルのやり取りでは大きな問題はない
● LibreOfficeはオリジナルのソフト(Microsoft Officeの完全な代替品ではない)
● Microsoft Officeの方がよいところ、LibreOfficeの方がよいところそれぞれある
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LibreOfficeのプロジェクト/開発について
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LibreOfficeの歴史
● 1980年-90年代:商用ソフトウェアのStarOfficeとして開発● 1999年:サン・マイクロシステムズが開発元を買収
● 2000年:オープンソースとして公開。OpenOffice.orgプロジェクト開始
● 2002年:OpenOffice.org 1.0 リリース● 2005年:OpenOffice.org 2.0 リリース● 2008年:OpenOffice.org 3.0 リリース
● 2010年:オラクルによるサン・マイクロシステムズの買収
● 2010年9月:TDF発足。LibreOfficeの開発が開始● 2011年1月:LibreOffice 3.3.0 リリース● 2012年8月:LibreOffice 3.6.0 リリース
● 2013年2月:LibreOffice 4.0.0 リリース
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プロジェクトのマニフェスト
● Our Values:私たちの価値観(非公式要約)
– すべての人がライセンス料なしでオフィスソフトを利用できるようにして格差(デジタルデバイド)を解消する
– 母語での利用できるようにして、母語の保護をサポートする– オープンなドキュメントフォーマット、オープンスタンダードで
文書資産を作れるようにする– オープンで透明性のある開発プロセスで開発する
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コミュニティによる開発
● ドキュメント財団(TDF)が運営の中心を担う– 運営の透明性が高い– 特定の企業にコントロールされない
● 企業や団体、個人がボランティアとして参加– 誰でも参加できる– 実力主義– 参加メンバの所属企業の例
(SUSE, Redhat, Canonical, Lanedoなど)● 日本語圏で活動するメンバーが中心になって日本語チームを結成し
て活動
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OpenOffice.orgからフォークして変わったこと
● コミュニティが健全になった!!(特定企業のコントロールではなくコミュニティ自身で民主的に運営されるように)
● 自由に自己組織化して活動しやすくなり、コミュニティでの活動も楽しくなった
● 開発が安定志向からアグレッシブになった● アジャイル的になった。タイムベースリリース● コードのリファクタリングが進み、Unitテストも書かれるよう
になった(ソフトウェア内部の改善が進んだ)
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開発者の状況・ロングテール
出典:http://blog.documentfoundation.org/2013/01/07/waving-tdf-long-tail/
参考:TED Talks クレイ・シャーキー「組織というシステムと協力というシステム」
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リリース計画
● 6ヶ月ごと(2月と8月ごろ)に機能追加版をリリース(3.6、4.0など)
● 毎月不具合修正版リリース(4.0.1...4.0.6など)● しばらく並行リリース
出典:https://wiki.documentfoundation.org/ReleasePlan
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LibreOffice導入状況
● OpenOffice.orgからLibreOfficeへ
– 会津若松市(福島県)(約840台)
– 住友電工
– 交野市(大阪府)● LibreOfficeから導入
– JA福岡市
– 久喜市(埼玉県)、甲賀市(滋賀県)、湖西市(静岡県)、etc● OpenOffice.org導入済み、LibreOffice移行は?
– 山形県(約5600台)
– 徳島県(約4000台)
– 龍ヶ崎市(茨城県)、四国中央市(愛媛県)、豊川市(愛知県)、箕面市(大阪府)、深川市(北海道)、夕張市(北海道)など
– トーホーなど
先日6/14発表
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海外での導入状況
● ヨーロッパなどを中心に世界中で利用が進んでいる● ミュンヘン市(ドイツ)● フランス政府● ウンブリア州(イタリア)● ラス・パルマス県(スペイン)● コペンハーゲンの病院グループ(デンマーク)
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LibreOfficeの最近の動向
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LibreOffice 4.0について
● パフォーマンス向上– LibreOfficeのファイル(ODS)、Excelファイル(XLSX)
などの読み込み速度の向上(起動速度も速く)● 互換性の向上
– すべてのバージョンのVisioファイル形式に対応– docxなどOOXMLの読み込み強化
● Impressリモート– androidからプレゼンを操作できるように
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Calcファイルの読み込み速度向上
出典http://dbank-libreoffice.blogspot.fr/2012/07/improved-ods-load-times.html
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更なる情報を得るには
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参考書籍
● 実務で使えるLibreOffice● はじめてのLibreOffice
● 導入事例に学ぶ!LibreOffice移行ガイド● すぐわかる OpenOffice.org 3
● しっかり学べる!OpenOffice.org&LibreOffice
● オープンガイドブック OpenOffice.org 3 第2版
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情報交換:メーリングリスト
● アナウンスメントとプレスリリース– [email protected]
● プロジェクトおよびコミュニティについての議論– [email protected]
● LibreOffice のためのユーザーサポート– [email protected]
● http://ja.libreoffice.org/get-help/mailing-lists/に参加方法が記載
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各地の勉強会/オフラインミーティング
● 浜名湖LibreOffice勉強会● 関西LibreOffice勉強会(次回夏-秋)● 関東LibreOfficeオフラインミーティング(毎月平日夜)● 九州LibreOffice勉強会(次回7/13)● 徳島LibreOffice勉強会(立ち上げ中)
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LibreOfficeの入手方法
● http://ja.libreoffice.org/ から最新版がダウンロードできます(現在4.0.4)
● 本体(Main installer)とヘルプにわかれています
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まとめ
● LibreOfficeはオープンソースの統合オフィスソフトです
● LibreOfficeは単なるソフトウェアプロジェクトではなく、
社会的使命をもって活動しています
● 世界的に導入が進みつつあり、日本でも自治体や企業な
どで少しずつ導入が進んでいます
● 表面的な機能だけでなく、内部的にも改善が進んでいます
● ぜひ、使ってみてください。周りの方に伝えてください。プロ
ジェクトに参加ください
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ご清聴ありがとうございました
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