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本記事では、JavaServer Faces(JSF)を利用する

新規または既存の Java EEアプリケーションへのHTML5 の統合に焦点を当てます。既存の JSF ビューにHTML5コンポーネントを追加する方法とHTML5 マークアップを使用して JSF ビュー全体を作成する方法の基本を説明します。 また、サーバー・サイド・テンプレートの開発についても取り上げます。この機能により、1つのアプリケーション内にある複数のビューのルック・アンド・フィールを変更しやすくなります。WebSocketと JSON-Pを使用し、HTML5コンポーネントを介してサーバーとデータを送受信するテクニックを、サンプルにより確認します。さらに、これらのソリューションをNetBeans IDEで構築する方法について学習します。本記事のサンプルでは、同

じWebフォームを、標準 JSFマークアップ、HTML5 のみ、および JSFとHTML5 の両方を使用して生成する方法について示します。また、HTML5

要素を JSFコンポーネントとして(または JSFコンポーネントをHTML5 要素として)シームレスに処理する方法についても示します。本記事を最後まで読めば、HTML5 のコンポーネントやテクノロジーを JSFアプリケーションに統合するために必要な基礎知識を得られます。

HTML5 互換マークアップWebアプリケーションの開発時に、あらかじめ決定しておくべき事項は多数あります。「アプリケーションでどのような機能を提供するか」、「どのようなユーザーがアプリケーションを利用するか」、「どのデバイスからアプリケーションを利用するか」。これらの問いは、利用するテクノロジーやWebフレームワークを選択する前に答えを出しておくべきもののほんの一部です。 今日のWebアプリケーション開発に利用できるフレームワークやテクノロジーは数百種類に上ります。JSF は、その中でも上位に入る十分な成熟度と堅牢さを誇る仕様であり、状

態管理機能を備えた洗練されたサーバー・サイド・アプリケーションの強固な基盤となります。また、JSFには、洗練されたユーザー・インタフェースを構築するための手軽なコンポーネント群があり、実装の詳細を意識せずに利用できます。そのため、開発者は JavaScriptや CSS の開発に長い時間をかけることなく、アプリケーションの構築に集中できます。 HTML5 は、さまざまなデバイスに合わせてシームレスにスケーリングできる移植可能なアプリケーションを開発するための新標準です。JSF 2.2 では、HTML5ビューとJSF ビュー間の双方向性が実現するため、堅牢で信頼性の高いWebアプリケーションの強固な基盤を維持しながら、HTML5 によるスケーラビリティとモダナイゼーションの効果を得ることができます。JSF 2.2 では、JSFコンポーネント、HTML5 要素、あるいはそ

の両方の使用を開発者が選択できます。 JSF 2.2 では、パススルー要素、パススルー属性、またはこの両方をHTML ページ内に配置するために指定できる、新しい名前空間が導入されました。これらの新しいパススルー機能を利用すれば、HTML5 要素を JSFコンポーネントとして取り扱うことができます。また、JSFコンポーネントを、JSFコ

HTML5とJSF2つのテクノロジーを自在に組み合わせて洗練されたアプリケーションを作成する

JOSH JUNEAU

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図1

Josh Juneau:おもに Java、PL/SQL、Jython/Pythonを利用するアプリケーション開発者、システム・アナリスト、DBA。Jython Monthly ニュースレター、Jython Podcast、Jython Web サイトを管理している。『Java EE 7 Recipes』(Apress、2013年)、『Introducing Java EE 7』(Apress、2013 年)の著者。現在は『Java 8 Recipes』(本年後半にApressより出版予定)を執筆中。

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ンポーネントやレンダラによる解析を介さずにブラウザに直接渡す(パススルー)ことができます。HTML5ページで標準の JSF ビューと同様にJSF バッキング Beanを利用できるため、JSFとのシームレスな双方向性が実現します。

標準的な JSFビューHTML5 について確認する前に、まずは標準的なJSFビューを見てみましょう。本記事で使用するサンプルは、Java 開発者が羽を休めるリゾート施設の「Acme World」を対象としたアプリケーションのサブセットです。本記事では、このリゾートの宿泊予約用フォームに焦点を当てます。JSF のみで構成されるビューには、標準のJSFコンポーネントとPrimeFacesコンポーネントが混在しています。留意点として、このビューには検証機能がありませんが、すべてのWebアプリケーションにおいて、リリースの前に検証機能を追加しておくことは重要です。リスト1は、JSF のみで構成され

る予約フォームのビューです。おわかりのように、このビューには予約フォームを構成する多数の PrimeFacesコンポーネント(具体的には inputText、spinner、calendar)が含

まれています。図 1に、JSF のみで構成されるビューの外観を示します。

HTML5のみで構成されるビューJSF マークアップのみを使用したフォームの生成方法がわかったので、今度はHTML5 について確認します。リスト2a、2b、2cのフォームでは、JSF Facelets マークアップとHTML5 マークアップが混在しています。この Facelets マークアップはテンプレートとして使用されているだけであり、仮にこれらの Facelets マークアップが存在しなくても、このページは JSF エンジンにより正常に処理されます。JSF 2.2 ではパススルー要素が導入されたため、リスト2a、2b、2cのHTML5要素はJSFコンポーネントとして処理されます。JSFで HTML5 要素を利用するためには、まずページに対してパススルー要素向けの jsf 名前空間(xmlns:jsf="http://xmlns.jcp.org/jsf")を追加します。この jsf 名前空間は、任意のHTML5 要素の属性に対して追加でき、この名前空間が追加された要素はJSFランタイムによって処理されるようになります。以下の<head> 要素を見てください。

この jsf:id="head"という記述は、JSF エンジンに対して、このコンポーネントを<h:head>として解釈するように指示しています。同様に、入力コンポーネントを見ると、JSF 処理に不可欠な属性が JSFランタイムにパススルーされることがわかります。た

<head jsf:id="head">

自由に選択JSF 2.2では、JSFコンポーネント、

HTML5 要素、あ

るいはその両方

の利用を開発者が選択できます。

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注:このリストは、紙面の都合上抜粋になっています。省略部分は. . .記号で示しています。コード・リストの全体は、本号のコード・リストをダウンロードしてご確認いただけます。

<h:form id=" parkReservationForm" > <h1>Create Reservation</h1> <br/> <h:messages id=" messages" infoStyle=" color: green;" errorStyle=" color: red;" /> <br/> <h:panelGrid columns=" 2" > <label for=" firstName" >First:</label> <p:inputText id=" firstName" placeholder=" Enter First Name" value=" #{...firstName}" />...

<label for=" numAdults" >Adults:</label> <p:spinner id=" numAdults" min=" 1" max=" 15" value=" #{...numAdults}" />...

<label for=" startDate" >Trip Start:</label> <p:calendar id=" startDate" value=" #{...tripStartDate}" />

</h:panelGrid>

<h:commandButton id=" parkReservation" action=" #{parkReservationController.createReservation}" value=" Create a Reservation" >

</h:commandButton></h:form>

リスト1 リスト2a リスト2b リスト2c

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とえば、以下の inputText要素では、idとvalue がパススルーされます。

このようにパススルー要素として指定した結果、このHTML5 要素は JSF で元々用意されているコンポーネントであるh:inputTextとして扱われ、サーバー・サイドのUIComponent インスタンスと関連付けられます。JSFコンポーネントとして扱うためには、パススルーを示す名前空間の「jsf」を、少なくとも1つの要素に追加する必要があります。この名前空間の追加によって、標準のHTML5要素で式言語(EL)を使用できるようになり、マネージドBean のプロパティの取得と設定が可能になります。そのため、フォームが送信されたとき(または要素の値が JavaScript によってサーバーに送信されたとき)に、値がマネージドBean に送信されて処理されます。 図 2に、HTML5 ページの外観を示します。このコードではHTML5カレンダー要素を利用しています。この要素は、ブラウザによって表示が異なる可能性があります。

既存の JSF への

HTML5 の挿入JSFとHTML5 は親和性が高く、HTML5 要素をまるで標準の JSFコンポーネントのように既存のJSFビューや JSF 関数に追加できます。しかし、JSFコンポーネントを利用しながら、さらにその JSFコンポーネントと同等のHTML5 要素にしかない属性を指定して拡張したい場合もあります。このような拡張は、JSF 2.2 でパススルー属性機能が導入されたことで可能となりました。パススルー属性にはパススルー要素とは逆の効果があります。パススルー属性を JSFコンポーネントに適用した場合、指定さ

<input type="text" jsf:id="firstName" jsf:value="#{…}"/>

図2

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注:このリストは、紙面の都合上抜粋になっています。省略部分は. . .記号で示しています。コード・リストの全体は、本号のコード・リストをダウンロードしてご確認いただけます。

<h:form id=" parkReservationForm" prependId=" false" > <h1>Create Reservation</h1> <br/> <h:messages id=" messages" infoStyle=" color: green;" errorStyle=" color: red;" /> <br/> <h:panelGrid columns=" 2" > <label for=" firstName" >First:</label> <h:inputText id=" firstName" p:placeholder=" Enter First Name" value=" #{...firstName}" />...

<label for=" numAdults" >Adults:</label> <h:inputText id=" numAdults" p:type=" number" p:min=" 1" p:max=" 15" value=" #{...numAdults}" />...

<label for=" startDate" >Trip Start:</label> <h:inputText p:type=" date" id=" startDate" value=" #{...tripStartDate}" > <f:convertDateTime pattern=" YYYY-MM-dd" /> </h:inputText>

</h:panelGrid>

<h:commandButton id=" parkReservation" action=" #{...createReservation}" value=" Create a Reservation" >

</h:commandButton>

リスト3

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れた属性は JSFランタイムで無視され、ブラウザに直接渡されるようになります。その結果の要素は、そのJSFコンポーネントと同等のHTML5要素(すべての属性を含むもの)となります。パススルー属性は 1つのJSFコンポーネントに対していくつでも指定できます。指定したパススルー属性は JSFで完全に無視され、ブラウザでHTML5としてレンダリングされます。HTML5 は現在も進化を続けており、今後新しい属性が追加される可能性があるため、パススルー属性は非常に便利な機能です。JSF 2.2 のパススルー属性機能によって、標準の JSFコンポーネントに対して、現時点で使用できる属性だけでなく、今後追加されるものも含め、任意のHTML5 属性を指定できることになります。JSF ビューでパススルー属性を利用するためには、複数の方法があります。その 1つが、JSFビュー内でパススルー名前空間(xmlns:p="http://xmlns.jcp.org/jsf/passthrough")を宣言した上で、JSFコンポーネント内にHTML5 属性を記述し、その属性にこの名前空間のプリフィックスを付けることです。 リスト3では、前項までに作成したものと同じフォームを、JSFコンポーネントとパススルー属性を使用して再実装しています。このビューの1つ目の inputTextコンポーネントを確認すると、HTML5 の placeholder属性が指定されています。この属性により、レンダリングされたビューのテキスト・ボックスにヒント・テキス

トを追加できます。placeholder 属性は、inputTextコンポーネントには存在しないため、HTML5レンダリング・エンジンにパススルーする必要があります。

同様に、inputTextコンポーネントでは、レンダリングすべきコンポーネントのタイプを指定するパススルー属性も使用されています。以下の記述により、HTML5 の number要素とdate 要素がレンダリングされます。

必要なパススルー属性が 1つのみの場合は、コンポーネント・タグ内に f:passThroughAttributeタグをネストして指定できます。リスト4に、f:passThroughAttributeタグを使用して、inputTextコンポーネントでHTML5 の date 要素をレンダリングするように指定する方法を示します。f:passThroughAttributeタグでは、name 属性とvalue 属性を使用して、パススルーする属性のタイプと値を指定できます。 これと同じ手法で複数の属性を指定する場合は、コンポーネント・タグ内に f:passThroughAttributesタグをネストし、その値として、マネージドBean 内のMap<String, Object>

をEL式で指定します。このMapには、利用する属性ごとに名前と値のペアを格納する必要があります。リスト5にそのようなMap の作成方法を示します。また、リスト6には、HTML5の number 要素をレンダリングするための f:passThroughAttributesタグの記述方法を示します。出力されるフォーム全体は図 2のようになります。

ステートレス・ビューJSF のデフォルトでは、各リクエストの後にすべてのUIコンポーネントの状態が保存されます。しかし、HTML5と、現在普及している一部のWebフレームワークを利用した場合、状態が必要とされないケースも増えてきています。たとえば、ログイン・ページを作成する場合、一般的にはステートフルな値をメモリ内に保存せずに、処理する値を単純にパススルーして次のタスクに移ることが好まれます。JSF 2.2 には、ステートレス・ビューを作成するため

の新機能があります。f:viewタグにtransient 属性を追加し、値に trueと指定することで、そのビューをステートレスとしてマークできます。

ステートレス・ビューを使用する場合は、マネージドBean 内で適切なセッション管理を行うことが重要です。つまり、マネージドBeanでは@ViewScopedでも@SessionScopedでもなく、@RequestScopedを指定する必要があります。注:CDIアプリケーションでは、必ず javax.enterprise.context.RequestScopedアノテーション使用してください。

サーバー・サイド・テンプレートJSF の重要な機能の 1つに、サーバー・サイド・テンプレートの実行があります。JSF には Facelets テクノロジーが付属しています。Faceletsによって、同一アプリケーション内の複数のビューに適用可能なテン

<h:inputText … p:placeholder="text here"…

<h:inputText … p:type="number"……<h:inputText … p:type="date"…

<f:view transient="true">

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<h:inputText id=" startDate" value=" #{parkReservationController…tripStartDate}" > <f:passThroughAttribute name=" type" value=" date" /></h:inputText>

リスト4 リスト5 リスト6

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プレートを開発できます。HTML5/JavaScriptフロントエンドなどのクライアントを利用するアプリケーションを開発している場合でも、サーバー・サイド・テンプレートの利用は効果的です。JSF 2.2 のリソース・ライブラリ・コントラクト(Resource Library Contracts)と呼ばれる機能により、1つの Web アプリケーションに対して、複数の画面デザインのテンプレート(CSS 等 )を事前に作成しておく事で、画面のルック・アンド・フィールをかんたんに切り替える事ができます。リソース・ライブラリ・コントラクトを利用するためには、JSFアプリケーション内に contractsフォルダを指定します。さらに、このフォルダ内に、名前付きのコントラクト(ディレクトリ)を1つ以上作成します。各コントラクトには、対象となるルック・

アンド・フィールに必要なリソースを格納します。たとえば、Acme World Web サイトで、管理者としてログインした場合は通常と異なるルック・アンド・フィールが表示されるようにします。そのためには、たとえば図3に示すように、アプリケーション構造内に2種類のコントラクトを作成します。これらのコントラクトの構成については、faces-config.xmlファイル内にresource-library-contracts 要素を適宜記述します。リスト7では、Acme World のサンプルで、標準のコントラクト(standard)と管理者用コントラクト(admin)でそれぞれ異なるテンプレートを使用する場合の構成方法を示しています。以下のように、すべてのページで同じテンプレート名を指定でき、実際に適用すべきテンプレートはリソース・ライブラリ・

コントラクトによって自動判定されます。

テンプレートは、必要であれば複数のアプリケーションに適用できるように、JARファイルにパッケージ化することもできます。詳細については、Java EE 7 チュートリアルのリソース・ライブラリ・コントラクト情報を参照してください。

WebSocket、HTML5、JSFHTML5ソリューションでは高速通信が必要であり、その通信チャネルはWebSocket により確立されます。WebSocket では、1つの TCP 接続により全二重通信を実行できます。すなわち、ある送信単位ごとに別個のリクエストを送信するのではなく、双方向通信用の接続を開き、必要な間はその接続を開いたままにして、通信が完了したときに閉じることがで

きます。 この項では、WebSocket の基本については割愛します。WebSocketに関する詳細については、Java EE 7チュートリアルのWebSocket の項を参照してください。以降では、JSFとHTML5を組み合わせてWebのチャット・ビューを作成し、WebSocket により通信を行うアプリケーションの開発方法を説明します。 このサンプルでは、WebSocket 接続を利用して、同じサーバー・エンドポイントに接続するすべてのセッションにメッセージをブロードキャストする単純なチャット・ビューについて見ていきます。この極めて単純なチャット・アプリケーションは図 4のようになります。すべてのWebSocket 送信は同様の手順で行われます。すなわち、まずWebSocket 接続を開き、さまざまなクライアントからのメッセージをWebSocketエンドポイントに送信し、最後に接続を閉じます。本記事のサ

<ui:composition template="/template.xhtml">

図3 図4

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<resource-library-contracts> <contract-mapping> <url-pattern>/admin/*</url-pattern> <contracts>admin</contracts> </contract-mapping> <contract-mapping> <url-pattern>*</url-pattern> <contracts>standard</contracts> </contract-mapping></resource-library-contracts>

リスト7

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ンプルでは、ユーザーがチャットのユーザー名を入力して「Start Chat Session」ボタンをクリックすると、WebSocket 通信チャネルが開きます。通信チャネルが開いた後は、ユーザーはメッセージを入力してチャット・ルームに送信できるようになります。接続が確立されると、他のユーザーからWebSocket エンドポイントに送信されたすべてのメッセージが表示され始めます。リスト8に、この単純なチャット・ルームの Facelets ビューのソース・コードを示します。このソース・コードは、PrimeFaces のcommandButtonコンポーネント3つと、HTML5 のテキスト入力要素 2つで構成されています。このようにJSFとHTML5を組み合わせて、JSFバッキング Bean およびWebSocketエンドポイントとのやり取りを行っています。また、エンドポイントから返されるチャットの出力は、フォームの下部にあるdiv 内に表示されます。 PrimeFaces の commandButtonコンポーネントは、action 属性を使用して JSFランタイムと通信します。この action 属性は、ChatControllerというバッキング Bean にバインドされます。また、commandButtonコンポーネントは、JavaScriptの onclick イベントを利用してWebSocket 接続と通信します。リスト9aと9bに、ボタンのイベントによって呼び出される JavaScript を示します。たとえば、「Chat」ボタンがクリックされたときには、JavaScript関数の sendChatMessage() が呼び

出され、対応するテキスト・ボックス内のメッセージがWebSocket エンドポイントに送信されます。 WebSocket エンドポイントのクラスはChatServerEndpointという名前で識別されます(リスト10a、10b)。@ServerEndpointアノテーションにより、このクラスをWebSocket エンドポイントとしてマークしています。また、encoders 属性とdecoders 属性を使用して、メッセージの変換に使用できるクラスを指定しています。value 属性には、クライアントからアクセス可能なエンドポイントを示すパスが含まれています。このサンプルでは、ws://localhost:8080/JavaMagazine-HTML5JSF/chatというパスで、このWebSocket にアクセスできます。クライアントのJavaScript関数である sendChatMessage() は、メッセージを JSONオブジェクトにエンコードします。具体的には、ユーザー名とメッセージを結合して、名前と値のペアで構成される JSON文字列を生成します。その後、生成した JSON文字列をChatServerEndpoint に送信します。エンドポイントがメッセージを受信すると、@OnMessageアノテーションが付加されたメソッドが呼び出されますが、このメソッド自体はメッセージの変換を行いません。メッセージの受信時にデコーダ(リスト11)によりJSON-P API を使用してオブジェクトが解析され、結果のメッセージはエンコーダ(リスト12)によって、すべてのクライアントに送信される表示可能な String に変換さ

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<form jsf:id=" chatForm" jsf:prependId=" false" > Please enter a username to chat (a valid email address). <br/><br/> <label>Username:</label> <input type=" text" jsf:id=" username" jsf:value=" #{chatController.current.username}" /> <br/><br/> <p:commandButton onclick=" initiateChatSession();" update=" sendMessage jsfOutput" value=" Start Chat Session" action=" #{chatController.startSession}" /> <p:commandButton onclick=" closeChatSession()" update=" sendMessage jsfOutput" value=" Close Chat Session" action=" #{chatController.closeSession}" /> <br/><br/> Message:<br/> <input type=" text" jsf:id=" message" jsf:value=" #{chatController.current.message}" /> <br/> <p:commandButton value=" Chat" id=" sendMessage" disabled=" #{!chatController.sessionOpen}" onclick=" sendChatMessage()" action=" #{chatController.sendMessage}" /> <hr/> Session Content:<br/> <div id=" output" class=" chatOutput" > <h:outputText id=" jsfOutput" value=" #{chatController.chatOutput}" /> </div>

</form>

リスト8 リスト9a リスト9b リスト10a リスト10b

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れます。 ChatServerEndpointクラスは、開かれているWebSocket セッションのリストを管理し、メッセージがエンドポイントに送信されるたびに、そのメッセージを各セッションにブロードキャストします。CDI バッキングBean の ChatController(リスト13)は、必要に応じて現在のチャット・メッセージをその後も利用するためにセッション・スコープにロードする目的で使用します。この Beanでは、usernameも後で利用できるように保管され、さらに、そのチャット・セッションがアクティブかどうかを示す Booleanも管理されます。この単純なチャット・クライアントは、HTML5とJSF の両方を利用し、さらにWebSocketと連携できることを示しています。WebSocket を利用して洗練されたソリューションを作成する方法については、Java EE 7チュートリアルで、WebSocket の詳細をぜひ確認してください。

NetBeans IDE によるHTML5 開発NetBeans IDE により、HTML5を利用した開発が特に簡単になります。初心者向けの情報になりますが、NetBeans Connector 拡張をChromeブラウザにインストールすることで、NetBeansアクション・メニューが Chrome に追加され、HTML5 開発の生産性を高めるための機能を利用できるようになります。たとえばNetBeans の提供するWebページのライブ・プレビュー機能では、ページの保存時にそのページ

が自動的に再デプロイされます。そのため、変更内容を保存した後すぐに、Chromeで、あるいは Androidや iOS のモバイル・デバイス上でも、変更が反映されたWebページを確認できます。HTML ページでもJSFビューでも同じように、修正作業をしながらページを自動更新できます。モバイル開発について言及すると、NetBeans のレスポンシブWebデザイン機能によって、ブラウザのプラグインで任意のレイアウトを選択できます(図 5)。このプラグインでは選択した画面サイズに応じてコンテンツが動的に再設定されるため、そ開発者はさまざまなデバイスの画面でアプリケーションがどのように表示されるかを確認できます。

NetBeans には、HTML5 要素、JSFコンポーネント(PrimeFaces などのライブラリを利用している場合にも対応)、JavaScript、CSS などに対して動作する優れたコード補完機

能があります。こコードの入力中に利用可能なオプションが表示されるため、ドキュメントを隅々まで調べる必要がなくなり、開発の生産性が向上します。たとえば、CSSタグの

図5

public class ChatDecoder implements Decoder.Text<Chat> { @Override public void init(final EndpointConfig config) { }

@Override public void destroy() { }

@Override public Chat decode(final String textMessage) throws DecodeException { Chat chatMessage = new Chat(); JsonObject obj = Json.createReader( new StringReader(textMessage)) .readObject(); chatMessage.setMessage(obj.getString("message" )); chatMessage.setUsername(obj.getString("username" )); chatMessage.setChatDate(new Date()); System.out.println("decoder..."); return chatMessage; }

@Override public boolean willDecode(final String s) { return true; }}

リスト11 リスト12 リスト13

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入力時に、[Ctrl] キーを押しながら[Space] キーを押すと、CSS ルールのコードが補完されます(図 6)。 NetBeans IDEでは HTML5プロジェクト・タイプも利用できます。HTML5プロジェクトでは、AngularJS、Knockout などの各種ライブラリが完全にサポートされます。Cordovaアプリケーションを開発してモバイル・デバイスに直接デプロイすることも非常に簡単です。以上はNetBeans による開発で利用で

きるオプションのほんの一部です。NetBeans IDE は、HTML5とJSF の開発における最高の選択肢の 1つと言えます。

まとめJSF は、Java Web 開発において重要な役割を果たします。Java EE 7 のリリースによって、JSF は HTML5とシームレスに統合されるように強化されました。そのため、JSF 開発者はHTML5 の機能を活用でき、逆に

HTML5 開発者は JSF の機能を活用できます。開発者はこの 2つのテクノロジーをニーズにあうように自在に組み合わせることで、洗練されたアプリケーションを開発できます。JSF は、WebSocket や JSON-P な

どの HTML5 対応 APIともスムーズに連携します。本記事では、これらのテクノロジーを統合したソリューションのサンプルを示し、そのようなソリューションを構築するためにNetBeansなどの IDEを活用する方法について説明しました。</article>

図6

LEARN MORE• Java EE 7チュートリアルのHTML5の項• NetBeansのHTML5サポート• PrimeFaces

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