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樹木の生理特性

日本ヒートアイランド学会 第6回全国大会

地上型レーザースキャナを用いた都市空間における樹木の三次元情報の取得 -微気候予測のための樹木のモデル化に向けた検討-

Acquisition of 3-D Information of a Tree by a Terrestrial Laser Scanner in Urban Areas -Study on modeling of trees for microclimate prediction-

○本田友里香, 浅輪貴史, 梅干野晁, 押尾晴樹 (東京工業大学総合理工研究科) Yurika HONDA, Takashi ASAWA, Akira HOYANO, Haruki OSHIO (Tokyo Institute of Technology)

2011.7.23-24 会場:筑波大学

はじめに

研究の背景

近年、都市の熱環境の悪化への対策として緑化が推進されている。

また、都市空間において樹木の効果を生かした快適な空間を作るには、実在の樹木の情報を反映した樹木モデルを構築し、樹木の微気候調整効果の予測・評価の結果を踏まえて緑化計画を行うことが重要である。

日射透過距離 消散係数

日射遮蔽

蒸散 (潜熱輸送量)

風速低減

抵抗係数

日射を受ける葉面積(時間変化)

気温低下 (顕熱輸送量)

微気候 調整効果

樹木の微気候調整効果と 形態情報との関係 樹木の微気候調整効果を予測評価するには右図のように、各樹木の形態情報、及び生理特性を把握することが重要である。

また、樹木の季節変化や成長の影響、また都市空間における樹木を考える場合は、剪定などの影響により樹木の形態情報が変化することが想定される。

そこで各樹木についての形態情報取得が望まれるが、その手法については課題が多い。

気孔[葉内]コンダクタンス 活性度

研究の目的 本研究では樹木の形態情報を取得するための手段として3

次元レーザースキャナに着目し、樹木の微気候調整効果の予測・評価のための、形態情報の取得を目指す。 中でも本報では、樹木の3次元形態情報の取得を目指し,

まず基礎的検討として測定地点別に取得される外形及び密度情報の分布の違いの把握を目指す.また,樹木のモデル化の例を示す.

樹木の測定手法

測定に用いた レーザースキャナ

測定には地上型レーザースキャナVZ-400 RIEGL社を用いた。 VZ-400の特徴は以下の2点。

測定時間が短い 中間パルスを無制限に取得可能。

測定原理 TOF

1パルスあたりの 総検出ターゲット数

無制限

精度 5mm

レーザー波長 1550nm

ビーム広がり角 0.3mrad

垂直スキャン範囲 全100°

実測の詳細

実測地:愛知県名古屋市久屋大通 対象樹木:ケヤキ 樹高約10m、樹冠径約8m 枝下高さ約3.6m 測定地点: 周辺3か所(A,B,C スキャナ縦向き) 樹冠下1か所(D スキャナ横向き)

測定分解能:0.04° 測定対象:ケヤキ

樹高 10m

樹冠径 8m

枝下 高さ 3.6m

B(10m)

C(10m) ケヤキ

A(13m)

D(1.4m)

N Y

A,B,C:縦 D:横

測定地点 スキャナの向き

取得されたデータについての分析

VZ-400の仕様

樹冠外形の取得精度の検討 点群密度分布の検討

まとめ 地上型レーザースキャナによる樹木の測定結果について樹冠外形の取得精度、密度分布に関する分析を行い、今回の対象樹木の場合、外形・密度分布どちらを把握するにも複数の測定が必要であることを示した。 また、密度分布に基づいた樹木の可視化方法の検討を行った。 今後は密度分布についての補正、LADの算出、着葉前後の比較、形態と生理特性の関係の検証等を行う。

ALL-共通

ALL-合計

測定地点A

測定地点B

測定地点C

測定地点D

B

C

A

①樹冠上部(h=8.2~8.3m) ③樹冠下部(h=4.2~4.3m)

ALL-共通

測定地点A

測定地点B

測定地点C

測定地点D

ALL-合計

B

C

A

抽出した水平断面

中心からの距離[

m]

中心からの距離[

m]

-5 -4 -3 -2 -1 0 1 2 3 4 5

10

9

8

7

6

5

4

中心からの距離

高さ[m]

③C-C’断面

B(10m)

C(10m) 対象のケヤキ

A(13m)

D(1.4m) N

③ ①

抽出した鉛直断面 (数字のある方が中心からの距離が正数)

C‘

高さ[m] 0 10

反射強度 弱 強

ALL-共通

ALL-合計

測定地点A

測定地点B

測定地点C

測定地点D

B

C

A

ALL-共通

ALL-合計

測定地点A

測定地点B

測定地点C

測定地点D

B

C

A

ALL-共通

ALL-合計

測定地点A

測定地点B

測定地点C

測定地点D

B

C

AALL-共通

ALL-合計

測定地点A

測定地点B

測定地点C

測定地点D

B

C

AALL-共通

ALL-合計

測定地点A

測定地点B

測定地点C

測定地点D

B

C

A

外形を構成する点郡の抽出方法 (1)各測定地点から得られた樹冠点群データを、

鉛直方向に10cm間隔で分離し、レイヤーを作成。

(2)各レイヤーを中心角2°(樹冠中心から3m地点の円弧の 長さ:約10cm)でエリアに分割し,各エリア内で中心から最も遠い点を抽出。

抽出

水平断面の外形取得精度 各地点での測定から得られる外形、及び地点B・Cの合成と4地点の合成による外形との比較を示す。 表には1回(2回以上)の測定でレーザーが届く範囲を、4地点の合成を100%として比較した結果を示す。

測定地点B+C

ALL-合計

B

C

A

測定地点B+C

ALL-合計

B

C

A

Point B Point D Point C

1 20

1 70

点群密度

[点/ voxel ]

Point D

1 35

1 400

Point D

レーザー

照射方向

Point B,C

Point B,C

1 30

点群密度

[point/Voxel]

地点Cの点群密度分布の

可視化結果

厚さ1mの断面図

密度分析の手法 点群密度分布を分析するに当たり、風の影響を考慮し,樹冠を各辺10㎝のVoxelに分割し,各Voxel内の点群数を数えた。

(B or C)≧1 (B or C)≧10 (B and C)≧1 (B and C)≧10

①樹冠上部(h=8.2-8.3) 443 121 163 11

②樹冠中部(h=6.2-6.3) 534 244 265 36

③樹冠下部(h=4.2-4.3) 563 259 349 89

地点 A 地点 B 地点 C 地点 D 地点B+C 共通部分

①樹冠上部 (h=8.2-8.3) 60.2% 65% 58.2% 77.7% 83.1% 25.45%

②樹冠中部 (h=6.2-6.3) 69.1% 77.1% 64.6% 66.6% 89.1% 34.35%

③樹冠下部 (h=4.2-4.3) 79.1% 80.1% 68.9% 78.8% 90.1% 51.4%

ALL-共通

ALL-合計

測定地点A

測定地点B

測定地点C

測定地点D

B

C

A

測定地点B+C

ALL-合計

B

C

A

樹木の微気候調整効果と形態情報及び生理特性

各地点での測定から得られる外形及び共通・合計部分

各水平断面におけるレーザー照射可能範囲の全体に対する割合

[まとめ] ・1地点から取得可能な外形は特に樹冠上部で少なく、60~80%程度 ・2地点からの測定を合成することで80~90%の外形が取得可能

[まとめ] ・点群密度分布にはレーザーが遮蔽される影響が顕著に表れる。 ・BかCのどちらかからレーザーが届いているボクセルに対して共通して届いている ボクセルは30~60%程度である。また、点群として考えるとその比率はさらに下がる。

各地点での測定から得られる外形及び共通・合計部分

①樹冠上部(h=8.2~8.3m) ③樹冠下部(h=4.2~4.3m)

①樹冠上部 (h=8.2~8.3m)

③樹冠下部 (h=4.2~4.3m)

点群密度

[点/ voxel ]

測定地点B,Cそれぞれのボクセルについてレーザーが届く数の比較

3次元点群密度分布の可視化結果

Point B Point D Point C

地点BとCの結果について各高さで、BとC共通して(=or)[どちらかで(=and)]1点以上点が含まれるボクセル、及び10点以上含まれるボクセルの数について分析を行った。

1 2 3 4 0 1 2 3 4 0

B

C

A

B

C

A

中心からの距離[

m]

中心からの距離[

m]

地点B・Cの合成結果と4地点の合成結果の比較

研究の目的

本研究では、樹木の微気候調整効果を把握する際に重要な、樹木の形態情報・生理特性の中でも、特に樹木の形態情報を取得することを目的とする。なお、そのための手段として3次元レーザースキャナに着目する。

本報ではまず基礎的検討として、測定地点別に取得される外形及び密度情報の分布の違いの把握を目指す.また,樹木のモデル化の例を示す.

樹木の形態情報

葉面積密度(LAD)分布 幹・枝の分布

樹木形状(樹高、樹冠径など) 葉の大きさ

(1) (2)

レーザースキャナにより取得される葉や枝の形状

1 2 3 4 0 1 2 3 4 0

B B

A

C

B

A

C

B

A

C

B

A

C

点群密度分布の三次元可視化

密度分析の結果 樹冠の各高さ地点における、点群密度分布を示した。

9.0cm

2.7cm

(439点)

(22点)

1㎝

1cm 3 あたり6.8点

1cm 3 あたり1.6点

1cm

(1012点)

(19594点)

50.0cm

11.5cm

1.6mm

3.8mm

7.9mm

3.4mm

レーザースキャナから得られる樹冠の密度情報は、レーザーの遮蔽等の課題を解決し、樹木の情報を的確に反映出来れば、樹木の微気候調整効果の予測・評価に際して有益な情報となる。 今回は課題を認識した上で,樹木のモデル化の一例として密度分布を,3次元で示す。

レーザスキャナにより

得られるデータ

LiDARを 用いた測定

レーザースキャナによる測定で樹木の形態情報は取得できるのか?

※①測定距離 ②スキャナと樹冠中心間距離

密度分析の手法(Voxel分割)

謝辞

本研究でのデータ取得にはリーグルジャパン株式会社の協力を得た。ここに記して深謝の意を表する。

葉群 葉と理論値からの点群密度(樹冠中心) 枝

地点

D

(①1.4m

②5.5m

)

地点

B

(①10m

②11.3m

)

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