東海大学大学院平成 29 年度修士論文
南鳥島海域に賦存するレアアースの
資源開発に関する研究
-揚鉱システム中の泥水スラリーの
流動特性について-
指導 清水 賀之 教授
東海大学大学院海洋学研究科
海洋学専攻
花村 英悟
要旨
論文題名「南鳥島海域に賦存するレアアースの
資源開発に関する研究
-揚鉱システム中の泥水スラリーの流動特性について-」
指導教員:清水 賀之
花村英悟 (6BKGM017)
南鳥島海域の水深 5000 ないし 6000 m の海底下数十 m に高濃度のレアアースを含む
堆積物が広い範囲にわたって存在することが明らかにされた.このレアアースを資源と
して利用するために,海底下のレアアース堆積物に海水を混ぜ,泥水スラリーとして揚
鉱管を通して船上まで吸い上げる揚鉱システムが検討されている.このシステムを検討
するにあたり,レアアースを含む泥水スラリーの流動特性を把握する必要がある.その
ため,本研究では南鳥島海域で採取されたレアアース試料 (採取位置が異なり,深度 2.5
ないし 7.85 m,レアアース含有量 1039 ないし 3970 ppm) から,体積濃度が 10.0%まで
の泥水スラリーを作成し,円錐平板型粘度計を用いて流動特性を測定した.
測定の結果,ずり速度の増加と共にせん断応力は増加するが,その増加の割合は徐々
に低下し,非ニュートン流体の挙動を示した.これまで,いくつかの試料の測定結果よ
り,この泥水スラリーを擬塑性流体 (べき乗則) モデルとして近似してきた.今回の測
定で,より多くの試料についてその特性を検討し,擬塑性流体モデルの他に,修正ビン
ガムモデルや修正ハーシェル・バルクレイモデルでの近似を試みた.これら複数の近似
モデルの定量的評価に,赤池の評価基準 ( AIC ) を用いて検討した結果,修正ハーシェ
ル・バルクレイモデルで測定結果を近似するのが も精度が高いことがわかった.ただ
し,設定するパラメータ数が多くなることや,揚鉱システムの性能を推定する場合に必
要な泥水スラリー体積濃度から,これらのパラメータを推定する実験式を作るときに,
個々の試料の測定結果から得られるパラメータのばらつきが大きくなってしまったこ
となど,今後更に検討すべき点があることも明らかとなった.
目 次
1. 序論・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
1.1 研究の目的・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
1.2 本研究に関する従来の研究・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3
1.3 本研究の概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4
2. レアアース堆積物試料の基礎物性・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5
2.1 序言・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5
2.2 レアアース堆積物試料・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5
2.3 粒度分布・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9
2.4 液性限界・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14
2.5 含水比,含水率・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・19
2.6 乾燥密度・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・19
2.7 結言・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20
3. 泥水スラリーの作成および予備実験・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・21
3.1 序言・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・21
3.2 泥水スラリーの作成方法・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・21
3.3 流体モデル・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・22
3.4 粘性測定・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・23
3.4.1 測定原理・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・26
3.4.2 実験条件・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・28
3.4.3 結果・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・29
3.4.4 撹拌時間の考察・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・46
3.5 結言・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・46
4. 泥水スラリーの流動特性・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・48
4.1 序言・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・.・・・48
4.2 結果および考察・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・.・・・48
4.2.1 レアアース堆積物の体積濃度について・・・・・・・・・・・・・・・・・48
4.2.2 レアアース含有量について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・163
4.3 結言・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・173
5. 結論・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・176
謝辞・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・179
参考文献・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・180
1
1. 序論 1
1.1 研究の目的 2
レアアースとは希土類元素とも呼ばれ,スカンジウム,イットリウム,ランタンから3
ルテチウムまでの 17 元素の総称である.レアアースは軽レアアースと重レアアースに4
分けられる.レアアースは産業のビタミンとも言われ,ベースメタルに微量添加するこ5
とで性能を大幅に上昇させる.例えば,発光ダイオードや電池,永久磁石などの電子・6
磁石材料として,さらには光触媒やニューガラスなどの機能性材料として用途は多岐に7
渡る.近年の再生可能エネルギーや電気自動車への関心から,レアアース使用量は年々8
増加すると考えられる.しかしレアアースは偏在性が高く,特に重レアアースは世界の9
生産量の約 90 % を中国が生産供給することもあった.今後需要の増加が見込まれるレ10
アアースの安定供給のため,自国での資源の確保は喫緊の課題である.中国の鉱床では11
400 ppm に相当するものが採掘されているため,レアアース堆積物中のレアアース濃度12
が 400 ppm 以上あるものは,資源として採算が合うと考えられている.近年の研究によ13
り南鳥島海域の水深 5000 ないし 6000 m の深海底下にレアアースを高濃度に含む泥が14
広範囲に分布しているのが確認されている 1).南鳥島海域の堆積物は 大 6500 ppm と15
非常に高濃度であると報告されているため,有望な鉱床であると言える.これを回収す16
るためにレアアース堆積物を泥水スラリーとして回収する流体ドレッジ法のひとつの17
エアリフトシステムが検討されており,その揚鉱技術を確立する必要がある 2).本研究18
2
ではレアアース堆積物泥水スラリーを揚鉱する装置の設計指標とするため,南鳥島海域19
で採取された採取位置およびレアアース含有量の異なる 6 本の試料 (岡田 他 3)とは異20
なる試料) を用いてレアアース堆積物泥水スラリーを作成し,流動特性の測定および比21
較を行った. 22
なお本研究は,経済産業省の委託を受けた(独)石油天然ガス・金属鉱物資源機構23
(JOGMEC) の「平成 28 年度深海底資源基礎調査に係るレアアース堆積物揚泥特性の予24
測技術開発調査」の一環として実施された. 25
26
27
28
29
30
31
32
33
34
35
36
3
1.2 本研究に関する従来の研究 37
2013 年に新たな海洋基本計画が閣議決定されたことを受けて, (独) 石油天然ガス・38
金属鉱物資源機構 (JOGMEC) は,レアアース堆積物に関する今後の調査,研究の計画39
案 4) を示した.そこで,さらなる技術の改良の必要性や,開発システムの全体像が示さ40
れた.採鉱分野 (採泥・揚泥)は,地理的条件を克服するための既存技術の改良や,新技41
術の開発,採泥・揚鉱シミュレーションを行うことが検討されている.2016 年に開催さ42
れた第 2 回レアアース泥開発推進コンソーシアムによる報告 5)では,ピストンコアラに43
よるコア試料採取と併せて,サブボトムプロファイラ (SBP) による音響調査により,44
平均品位が 2,000 ppm 以上の非常に高い濃集度を示す地点が複数存在する高濃度分布域45
も発見されている.またエアリフト方式を用いた小型の循環設備で模擬泥水の揚泥実験46
を行い,実験結果と様々な揚泥シミュレーションプログラムの結果を比較し,レアアー47
ス堆積物を揚泥するのに適したシミュレーションソフトを開発している.東海大学清水48
研究室では実際に南鳥島海域で採取されたレアアース堆積物試料を用いて含水比およ49
び乾燥密度の測定を行った.測定したレアアース堆積物の基礎物性値を利用し,体積濃50
度の異なる泥水スラリーを作成し,円錐平板型回転粘度計を用いて流動特性の測定を行51
った.また測定したレアアース堆積物泥水スラリーを擬塑性流体とみなして近似し,近52
似式から得られた擬塑性粘度およびレオロジー定数をレアアース揚鉱シミュレータに53
適用し,揚鉱シミュレータを行っている. 54
4
1.3 本研究の概要 55
第 1 章において,本研究の目的および意義を述べている. 56
第 2 章において,基礎物性値について述べている. 57
第 3 章において,泥水スラリーの作成および予備実験について述べている. 58
第 4 章において,泥水試料の粘性測定について述べている. 59
第 5 章は,結論である. 60
61
62
63
64
65
66
67
68
69
70
71
72
5
2. レアアース堆積物試料の基礎物性 73
2.1 序言 74
本章では,泥水作成に使用したレアアース堆積物コアの基礎物性について述べる. 75
76
2.2 レアアース堆積物試料 77
今回の測定で使用するレアアース堆積物 (Fig.2.1ないしFig.2.6) の物性値をまとめて78
Table 2.1 に示す.16MTPC78,16MTPC79,16MTPC80,16MTPC81 はそれぞれ採取位置79
が異なり Sec 以下の違いはコアの深度の違いである.本研究で使用した試料の採取深度80
は海底下約 10 m 以浅で,レアアースの含有量は,1,000 ないし 4,000 ppm である.土粒81
子は,主に粘土とシルトの細粒子で構成され, 50D は 3.2 ないし 4.6 μm, 大粒子径は82
0.1 ないし 0.43 mm である.また粒子の密度は 2.7 ないし 2.8 g/cm3で,含水比は,138 な83
いし 180 %,液性限界は 170 ないし 220 %,塑性限界は 30 ないし 50 %の範囲である. 84
85
Table 2.1 レアアース堆積物の物性値 86
87
88
NameSubmarine
depth[m]
D50
[mm]
DMax
[mm]
Density[g/cm3]
Moist.Ratio[%]
Liquid limit[%]
Plastic limit[%]
REYcontent[ppm]
16MTPC78 Sec3W 7.606~7.840 0.0041 0.106 2.707 178.5 218.2 37.7 1039.416MTPC79 Sec3W 6.610~6.845 0.0039 0.250 2.718 157.1 165.6 47.7 3778.316MTPC79 Sec4W 5.610~5.850 0.0046 0.106 2.754 145.4 167.6 39.8 3969.716MTPC80 Sec6W 4.630~4.925 0.0044 0.250 2.826 138.2 197.3 34.9 3034.616MTPC80 Sec7W 3.602~3.845 0.0038 0.250 2.821 171.2 206.9 37.2 2096.416MTPC81 Sec7W 2.590~2.810 0.0032 0.425 2.754 165.1 180.0 45.0 3331.3
6
Fig.2.1 ないし 2. 7 に試料 16MTPC78 Sec3W,16MTPC79 Sec3W,16MTPC79 Sec4W,89
16MTPC80 Sec6W,16MTPC80 Sec7W ないし 16MTPC81 Sec7W のレアアース堆積物の90
泥水スラリーについて試料の全体像を示す. 91
92
93
Fig.2.1 16MTPC78 Sec3W 94
7
95
Fig.2.2 16MTPC79 Sec3W 96
97
98
Fig.2.3 16MTPC79 Sec4W 99
8
100
Fig.2.4 16MTPC80 Sec6W 101
102
103
Fig.2.5 16MTPC80 Sec7W 104
9
105
Fig.2.6 16MTPC81 Sec7W 106
107
2.3 粒度分布 108
Table 2.2 ないし 2.5 に各試料の粒度分布データと密度のデータを示す. 109
110
111
112
113
114
115
10
Table 2.2 粒度分布データと密度 16MTPC78P03,P4 116
117
118
119
120
11
Table 2.3 粒度分布データと密度 16MTPC79P03,P4 121
122
123
124
125
12
Table 2.4 粒度分布データと密度 16MTPC80P06,P7 126
127
128
129
130
13
Table 2.5 粒度分布データと密度 16MTPC81P07,P8 131
132
133
134
135
14
2.4 液性限界 136
Table 2.6 ないし 2.10 に各試料の液性限界を示す. 137
Table 2.6 液性限界 16MTPC78 3W,79 2W,3W,4W,5W,80 1W 138
139
15
Table 2.7 液性限界 16MTPC80 5W,6W,7W,80 10W,81 6W,7W140
141
142
143
16
Table 2.8 液性限界 16MTPC78 3W,79 2W,3W,4W 144
145
146
17
Table 2.9 液性限界 16MTPC79 5W,80 1W,5W,6W 147
148
149
18
Table 2.10 液性限界 16MTPC80 7W,10W,81 6W,7W 150
151
152
19
2.5 含水比,含水率 153
Table 2.11 に全ての試料の含水比および含水率を示す. 154
155
Table 2.11 16MTPC78 3W,79 3W,4W,80 6W,7W,81 7W の含水比および含水率 156
157
158
2.6 乾燥密度 159
Table 2.12 に全ての試料の乾燥密度を示す. 160
161
Table 2.12 16MTPC78 3W,79 3W,4W,80 6W,7W,81 7W の乾燥密度 162
163
164
NameMoisture weightpercentage [%]
Moisture content [%]
16MTPC78 Sec3W 139.6 64.0916MTPC79 Sec3W 157.1 61.1016MTPC79 Sec4W 145.4 59.2516MTPC80 Sec6W 138.2 58.0216MTPC80 Sec7W 146.7 63.1216MTPC81 Sec7W 165.1 62.28
Name Density [g/cm3]
16MTPC78 Sec3W 2.70716MTPC79 Sec3W 2.71816MTPC79 Sec4W 2.75416MTPC80 Sec6W 2.82616MTPC80 Sec7W 2.82116MTPC81 Sec7W 2.754
20
2.7 結言 165
本章では南鳥島海域で採取された採取位置と深度およびレアアース含有量が異なる166
レアアース堆積物 (16MTPC78 3W,79 3W,4W,80 6W,7W,81 7W) の写真,採取深167
度および基礎物性 (レアアース含有量,粒度分布,含水比および乾燥密度) について示168
した. 169
170
171
172
173
174
175
176
177
178
179
180
181
182
21
3. 泥水スラリーの作成および予備実験 183
3.1 序言 184
本章では,レアアース堆積物より泥水スラリーを作成し,この泥水スラリーを用いた185
流動特性および各体積濃度に応じた撹拌時間を求める予備実験について述べる. 186
187
3.2 泥水スラリーの作成方法 188
泥水スラリーは,2 章で述べたレアアース堆積物と海水を混ぜることで作成した.泥189
水スラリー作成に使用した海水は,駿河湾深層水取水供給施設で採取された深層水(水190
深 400m,塩濃度 35.5,密度 1.025 g/cm3) である. 191
使用する器具は,200 ml ビーカー,テルモシリンジ,滅菌フィルター (0.2μm),ス 192
テンレス匙,ポリエチレン広口規格瓶 100 ml である.使用機器は,電子天秤である.ポ193
リエチレン広口規格瓶 100 ml に,滅菌フィルター (0.2μm) を装着したテルモシリンジ194
を用いて 2 回ろ過を行った海水と試料を合計 60 ml になるように作成する.撹拌作業で195
は,ポリエチレン広口規格瓶を振ることによって撹拌を行う.レアアース堆積物 1 つに196
つき,体積濃度 1.0 ないし 10.0 %までの 1.0 %刻みで合計 10 個の泥水スラリーを作成す197
る. 198
泥水作成に必要な所定のレアアース堆積物に対して加える海水の量 swM g を求める199
式 (3.1) を示す. 200
22
rmX
swX
SX
swsw MC
T
XC
X
C
TM
ρρ
ρ1
1 ・・・(3.1) 201
202
ここで, 203
Tswρ :T [℃] における海水の密度 [g/cm3], 204
XC : 体積濃度 [-], 205
X : 含水率 [-], 206
Sρ :レアアース泥乾燥密度 [g/cm3], 207
rmM : 泥の質量 [g]. 208
209
3.3 流体モデル 210
泥水スラリーのずり速度に対するせん断応力の変化は非線形性を示す 6)ため,式 211
(3.2) ないし (3.4) に示す 3 つの非ニュートン流体モデル (擬塑性流体モデル,修正ビ212
ンガムモデルおよび修正ハーシェル・バルクレイモデル) で近似する 11).解析手法は213
岡田 他 3)と同様であるため省略する. 214
215
nK ・・・(3.2) 216
217
ここで, 218
23
K :擬塑性粘度 [Pa], 219
n:レオロジー定数 [-],(0< n<1). 220
221
B
my e 1 ・・・(3.3) 222
223
ここで, 224
y :降伏応力 [Pa] , 225
B :ビンガム塑性粘度 [Pa・s], 226
m:実験係数 [-]. 227
228
nmy Ke 1 ・・・(3.4) 229
230
3.4 粘性測定 231
Fig.3.1 に測定装置の構成を示す.測定装置は,2 台の円錐平板型回転粘度計 (型232
式:TVE-25L (低粘度用),TVE-20H (高粘度用),㈱東機産業製) と冷却恒温循環装置 233
(CL-150R,タイテック㈱製),さらに粘度計と循環装置をつなぐ配管類で構成される.234
冷却恒温循環装置より配管を通して冷媒が循環し,温度制御器 (精度 0.3 ℃) より,測235
定部の温度を一定に保つことが出来る. 236
24
237
Fig.3.1 測定装置の構成 238
239
流動特性の測定に使用した 2 台の円錐平板型回転粘度計を Fig.3.2 に,その仕様を240
Table 3.1 に示す.ロータの回転数は 0.5,1.0,2.5,5.0,10.0,20.0,50.0 および 100.0 241
rpm で,それぞれの回転数に対応するずり速度は 1.915,3.83,9.575,19.15,38.3,242
76.6,191.5 および 381 1/s である.また粘度計には,それぞれ 3 種類の測定のモード243
がある 15,16).各モードによりみかけ粘度 (供試流体をニュートン流体とみなしたとき244
の粘度) の測定可能レンジが異なり,例えばロータの回転数が 100.0 rpm の場合には,245
低粘度用では 6.076 ないし 30.38 mPa・s,高粘度用では 64.82 ないし 518.5 mPa・s 246
で,回転数が 0.5 rpm の場合には,低粘度用では 1.215 ないし 6.076 Pa・s,高粘度用247
25
では 12.96 ないし 103.7 Pa・s である.Fig.3.3 に示す円錐平板型回転粘度計の回転ロー248
タは円錐形で,その諸元は角度 1°34′,半径 24 mm である. 249
250
251
Fig.3.2 平板型回転粘度計 (左:TVE-20,右:TVE-25L) 252
253
Table 3.1 円錐平板型回転粘度計仕様表 254
255
M 2.5M 5M H R U [rpm] [1/s]
0.5 1.915 1215 3038 6076 12960 25920 1037001.0 3.83 607.6 1519 3038 6482 12960 518502.5 9.575 243 607.6 1215 2593 5184 207405.0 19.15 121.5 303.8 607.6 1296 2592 10370
10.0 38.3 60.76 151.9 303.8 648.2 1296 518520.0 76.6 30.38 75.95 151.9 324.1 6480 259350.0 191.5 12.15 30.38 60.76 129.6 259.2 1037100.0 383 6.076 15.19 30.38 64.82 129.6 518.5
Rot. speed Shear rateLow viscosity (TVE-25L) High viscosity (TVE-20H)
[mPa・s] [mPa・s]
26
256
257
258
259
260
261
262
263
Fig.3.3 標準ロータ(1°34`×R24) 264
265
3.4.1 測定原理 266
回転粘度計は液体中でロータを回転させたとき,ロータに作用する粘性トルクを検出267
し,粘度に換算する計測器である.今回の実験では,東機産業 (株) TVE-20H 粘度計お268
よび TVE-25L 粘度計の 2 機を使用した.TV-20 形粘度計では,トルクバランス・サーボ269
方式によって粘性トルクを検出しており,粘性トルク検出部分は,Fig.3.23 のように,270
駆動枠と従動枠と呼ばれる部分に分かれている.駆動軸が,モーターによって回転する271
と,ロータが受ける粘性トルクによって,駆動軸と従動軸の間に変位が生じる.この変272
位は,駆動軸に配置されたフィードバック制御系によって,変位をゼロに戻そうとする273
24 mm
1°34’
27
電流に変換される.電流は,コイルと磁石で構成されるトルカに伝達され,従動軸と駆274
動軸の変位がゼロになるように力を発生させる.このゼロに戻す力を発生させるための275
電流を粘度に換算することによって粘度測定を行っている.この方法は,変位を常にゼ276
ロに戻そうとするため零位法と呼ばれる. 277
278
279
Fig 3.14 TVE-20H 粘度計の測定原理 280
281
282
283
28
3.4.2 実験方法および条件 284
レアアース堆積物泥水スラリーの流動特性は,測定中にその時間変化を出来るだけ285
小さく抑える必要がある.鶴谷 他 17 )らは,底泥の泥水スラリーの流動特性の測定の286
中で,その条件として,十分に静止させるか,あるいは逆に十分に攪拌させる必要が287
あると示している.レアアース堆積物の場合,海底下の揚鉱装置内で十分に攪拌され288
た状態となり,泥水スラリーとして揚鉱管に供給されることが想定される.そこで本289
研究では,流動特性測定前に,泥水スラリー試料を十分に攪拌させることにした. 290
撹拌時間を求めるため,以下に示すような予備実験を行った.この予備実験では,291
冷却恒温循環装置で泥水の温度が 10.0℃に保たれるようにした.泥水試料を回転数292
100.0 rpm で攪拌しながら 20 分間放置し,その後ロータの回転数を 0.5 rpm に下げ,293
流動特性値を測定しながら回転数を順に上げ,100.0 rpm になった後,再び 0.5 rpm ま294
で順に下げた.0.5 rpm から 100.0 rpm まで順に回転数を上げた時の測定値と,100.0 295
rpm から 0.5 rpm まで順に回転数を下げたときの測定値の違いが見られなければ,その296
時間を攪拌時間として設定した.大きな違いがある場合は新たな泥水試料に替え,さ297
らに攪拌時間を 20 分延長し,違いが見られなくなるまで続けた.体積濃度が 1.0,298
2.0,3.0,4.0,5.0,6.0,7.0,8.0,9.0 および 10.0 %でのそれぞれの攪拌時間は,20,299
40,60,90,120,120,120,120,120 および 180min である. 300
流動特性の測定は,以下の手順で行った.まず,測定前にロータの回転数 100 rpm 301
29
で,上述した予備実験で得られたそれぞれの体積濃度で設定された時間,泥水スラリ302
ーを攪拌する.その後,回転数を 0.5 rpm に下げてから流動特性の測定を行う.次に303
回転数を順に 1.0,2.5,5.0,10.0,20.0,50.0 および 100.0 rpm に上げ,それぞれの条304
件で流動特性の測定を行う.その後,今度は,100.0 rpm から回転数を 50.0,20.0,305
10.0,5.0,2.5,1.0 および 0.5 まで下げ,それぞれの流動特性の測定を行う.この手順306
をもう一度繰り返す.この操作を 2 つのサンプルについて行い,その算術平均を求307
め,それぞれの条件での測定値とした.なお測定部の温度は,冷却恒温装置の温度制308
御器により,測定中 10℃に一定に保たれた.また,泥水スラリーは,体積濃度ごとそ309
の特性が異なり,測定レンジも変化する.そのため測定では,泥水スラリー体積濃度310
が 1.0 ないし 6.0%では低粘度用を,7.0 ないし 10.0%では高粘度用を用いた. 311
312
3.4.3 結果 313
Fig.3.15 ないし 3.24 に攪拌時間を設けなかった場合と設けた場合の泥水スラリー 314
(試料 16MTPC79 4W) のずり速度 とせん断応力 の関係を示す.Table 3.2 ないし 3.11315
に体積濃度 1.0 ないし 10.0%の泥水スラリー (試料 16MTPC79 4W) の測定値を示す.316
体積 1.0%では攪拌時間の有無によってせん断応力に顕著な違いは見られなかった.し317
かし体積濃度 2.0%以降ではせん断応力に差が出始め,体積濃度 9.0%までは攪拌時間318
を設けた場合の泥水スラリーの方がせん断応力は小さくなった.またロータの回転数319
30
を次第に上げて行き,回転数 100.0 rpm になった後再び回転数を下げると同じ回転数320
でもせん断応力に差が生じるが,攪拌時間を設けない場合の方が体積濃度 1.0 ないし321
10.0%の範囲でせん断応力の差が大きくなった. 322
323
324
Fig.3.15 ずり速度 とせん断応力 の関係 (試料 16MTPC79 Sec4W, XC :1.0%) 325
31
326
Fig.3.16 ずり速度 とせん断応力 の関係 (16MTPC79 Sec4W, XC :2.0%) 327
328
Fig.3.17 ずり速度 とせん断応力 の関係 (16MTPC79 Sec4W, XC :3.0%) 329
32
330
Fig.3.18 ずり速度 とせん断応力 の関係 (16MTPC79 Sec4W, XC :4.0%) 331
332
Fig.3.19 ずり速度 とせん断応力 の関係 (16MTPC79 Sec4W, XC :5.0%) 333
33
334
Fig.3.20 ずり速度 とせん断応力 の関係 (16MTPC79 Sec4W, XC :6.0%) 335
336
Fig.3.21 ずり速度 とせん断応力 の関係 (16MTPC79 Sec4W, XC :7.0%) 337
34
338
Fig.3.22 ずり速度 とせん断応力 の関係 (16MTPC79 Sec4W, XC :8.0%) 339
340
Fig.3.23 ずり速度 とせん断応力 の関係 (16MTPC79 Sec4W, XC :9.0%) 341
35
342
Fig.3.24 ずり速度 とせん断応力 の関係 (16MTPC79 Sec4W, XC :10.0%) 343
344
345
346
347
348
349
350
351
352
36
Table 3.2 粘性測定値 ( XC :1.0%,上:攪拌あり,下:攪拌なし) 353
354
355
356
Speed ofrotation[rpm]
Shear rate[1/s]
Shearstress [Pa]
Viscosity[Pa・s]
0.5 1.915 0.061 0.0321.0 3.83 0.062 0.01622.5 9.575 0.116 0.01215.0 19.15 0.169 0.0088
10.0 38.3 0.243 0.0063520.0 76.6 0.365 0.0047750.0 191.5 0.638 0.00333100.0 383 1.018 0.00265950.0 191.5 0.619 0.0032320.0 76.6 0.349 0.0045510.0 38.3 0.248 0.006495.0 19.15 0.173 0.0092.5 9.575 0.144 0.0151.0 3.83 0.095 0.02470.5 1.915 0.041 0.021
Speed ofrotation[rpm]
Shear rate[1/s]
Shearstress [Pa]
Viscosity[Pa・s]
0.5 1.915 0.051 0.0271.0 3.83 0.079 0.02062.5 9.575 0.112 0.01175.0 19.15 0.153 0.008
10.0 38.3 0.225 0.0058720.0 76.6 0.351 0.0045850.0 191.5 0.615 0.00321100.0 383 1.009 0.00263650.0 191.5 0.611 0.0031920.0 76.6 0.354 0.0046210.0 38.3 0.246 0.006415.0 19.15 0.181 0.00952.5 9.575 0.142 0.01491.0 3.83 0.095 0.02490.5 1.915 0.049 0.025
37
Table 3.3 粘性測定値 ( XC :2.0%,上:攪拌あり,下:攪拌なし) 357
358
359
360
Speed ofrotation[rpm]
Shear rate[1/s]
Shearstress [Pa]
Viscosity[Pa・s]
0.5 1.915 0.298 0.1561.0 3.83 0.371 0.0972.5 9.575 0.487 0.05095.0 19.15 0.598 0.0312
10.0 38.3 0.701 0.018320.0 76.6 0.877 0.0114550.0 191.5 1.302 0.0068100.0 383 1.846 0.0048250.0 191.5 1.291 0.0067420.0 76.6 0.886 0.0115710.0 38.3 0.717 0.01875.0 19.15 0.603 0.03152.5 9.575 0.523 0.05461.0 3.83 0.402 0.1050.5 1.915 0.298 0.156
Speed ofrotation[rpm]
Shear rate[1/s]
Shearstress [Pa]
Viscosity[Pa・s]
0.5 1.915 0.284 0.1481.0 3.83 0.359 0.0942.5 9.575 0.489 0.0515.0 19.15 0.560 0.029
10.0 38.3 0.663 0.01720.0 76.6 0.827 0.01150.0 191.5 1.219 0.006100.0 383 1.756 0.00550.0 191.5 1.215 0.00620.0 76.6 0.824 0.01110.0 38.3 0.662 0.0175.0 19.15 0.559 0.0292.5 9.575 0.484 0.0511.0 3.83 0.393 0.1030.5 1.915 0..301 0.157
38
Table 3.4 粘性測定値 ( XC :3.0%,上:攪拌あり,下:攪拌なし) 361
362
363
364
Speed ofrotation[rpm]
Shear rate[1/s]
Shearstress [Pa]
Viscosity[Pa・s]
0.5 1.915 0.743 0.3881.0 3.83 0.984 0.2572.5 9.575 1.257 0.13135.0 19.15 1.426 0.0744
10.0 38.3 1.622 0.042420.0 76.6 1.895 0.0247450.0 191.5 2.445 0.01277100.0 383 3.216 0.008450.0 191.5 2.495 0.0130320.0 76.6 1.917 0.0250210.0 38.3 1.662 0.04345.0 19.15 1.471 0.7682.5 9.575 1.318 0.13771.0 3.83 1.05 0.2740.5 1.915 0.738 0.385
Speed ofrotation[rpm]
Shear rate[1/s]
Shearstress [Pa]
Viscosity[Pa・s]
0.5 1.915 0.696 0.3641.0 3.83 0.850 0.2222.5 9.575 1.130 0.1185.0 19.15 1.280 0.0669
10.0 38.3 1.442 0.037620.0 76.6 1.683 0.0219650.0 191.5 2.240 0.0117100.0 383 2.973 0.0077650.0 191.5 2.245 0.0117220.0 76.6 1.690 0.0220610.0 38.3 1.435 0.03755.0 19.15 1.248 0.06522.5 9.575 1.112 0.11621.0 3.83 0.903 0.2360.5 1.915 0.575 0.300
39
Table 3.5 粘性測定値 ( XC :4.0%,上:攪拌あり,下:攪拌なし) 365
366
367
368
Speed ofrotation[rpm]
Shear rate[1/s]
Shearstress [Pa]
Viscosity[Pa・s]
0.5 1.915 1.049 0.5481.0 3.83 1.899 0.4962.5 9.575 2.515 0.26265.0 19.15 2.79 0.1457
10.0 38.3 3.084 0.080520.0 76.6 3.473 0.0453450.0 191.5 4.331 0.02261100.0 383 5.419 0.0141550.0 191.5 4.388 0.0229120.0 76.6 3.558 0.0464410.0 38.3 3.188 0.08325.0 19.15 2.88 0.15042.5 9.575 2.615 0.2731.0 3.83 1.983 0.5180.5 1.915 1.002 0.523
Speed ofrotation[rpm]
Shear rate[1/s]
Shearstress [Pa]
Viscosity[Pa・s]
0.5 1.915 0.808 0.4221.0 3.83 1.471 0.3842.5 9.575 2.128 0.22225.0 19.15 2.449 0.1279
10.0 38.3 2.700 0.070520.0 76.6 3.051 0.0398350.0 191.5 3.816 0.01993100.0 383 4.813 0.0125750.0 191.5 3.823 0.0194620.0 76.6 3.050 0.0398210.0 38.3 2.690 0.07025.0 19.15 2.415 0.12612.5 9.575 2.155 0.22511.0 3.83 1.587 0.4140.5 1.915 0.793 0.414
40
Table 3.6 粘性測定値 ( XC :5.0%,上:攪拌あり,下:攪拌なし) 369
370
371
372
Speed ofrotation[rpm]
Shear rate[1/s]
Shearstress [Pa]
Viscosity[Pa・s]
0.5 1.915 1.52 0.7941.0 3.83 2.89 0.7532.5 9.575 5.53 0.5785.0 19.15 6.18 0.3226
10.0 38.3 6.84 0.178420.0 76.6 7.44 0.097150.0 191.5 8.67 0.04527100.0 383 10.33 0.0269750.0 191.5 8.76 0.0457320.0 76.6 7.49 0.097710.0 38.3 6.83 0.17835.0 19.15 6.26 0.32672.5 9.575 5.53 0.5771.0 3.83 2.45 0.6400.5 1.915 1.57 0.822
Speed ofrotation[rpm]
Shear rate[1/s]
Shearstress [Pa]
Viscosity[Pa・s]
0.5 1.915 1.18 0.6161.0 3.83 2.2 0.5752.5 9.575 3.98 0.4165.0 19.15 4.62 0.241
10.0 38.3 5.04 0.131520.0 76.6 5.51 0.071950.0 191.5 6.54 0.03413100.0 383 7.86 0.0205350.0 191.5 6.54 0.0341520.0 76.6 5.5 0.071710.0 38.3 4.98 0.1305.0 19.15 4.55 0.23762.5 9.575 3.96 0.4131.0 3.83 2.13 0.5550.5 1.915 1.04 0.543
41
Table 3.7 粘性測定値 ( XC :6.0%,上:攪拌あり,下:攪拌なし) 373
374
375
376
Speed ofrotation[rpm]
Shear rate[1/s]
Shearstress [Pa]
Viscosity[Pa・s]
0.5 1.915 2.12 1.111.0 3.83 2.99 0.7752.5 9.575 7.74 0.8085.0 19.15 10.07 0.526
10.0 38.3 11.11 0.29020.0 76.6 12.11 0.15850.0 191.5 13.94 0.0729100.0 383 16.14 0.0421550.0 191.5 14.04 0.073320.0 76.6 12.2 0.159410.0 38.3 11.16 0.29155.0 19.15 9.98 0.5212.5 9.575 7.4 0.7731.0 3.83 3.0 0.7840.5 1.915 2.06 1.08
Speed ofrotation[rpm]
Shear rate[1/s]
Shearstress [Pa]
Viscosity[Pa・s]
0.5 1.915 1.350 0.7001.0 3.83 2.210 0.5782.5 9.575 5.770 0.6045.0 19.15 7.430 0.388
10.0 38.3 8.040 0.21020.0 76.6 8.720 0.11450.0 191.5 10.110 0.053100.0 383 11.830 0.03150.0 191.5 10.100 0.05320.0 76.6 8.660 0.11310.0 38.3 7.930 0.2075.0 19.15 7.310 0.3822.5 9.575 5.770 0.6031.0 3.83 2.240 0.5850.5 1.915 1.430 0.750
42
Table 3.8 粘性測定値 ( XC :7.0%,上:攪拌あり,下:攪拌なし) 377
378
379
380
Speed ofrotation[rpm]
Shear rate[1/s]
Shearstress [Pa]
Viscosity[Pa・s]
0.5 1.915 4.76 2.481.0 3.83 5.05 1.322.5 9.575 11.16 1.1675.0 19.15 16.07 0.839
10.0 38.3 18.36 0.48020.0 76.6 20.22 0.263950.0 191.5 22.99 0.1201100.0 383 26.33 0.068850.0 191.5 23.18 0.121220.0 76.6 20.19 0.263810.0 38.3 18.22 0.4765.0 19.15 15.42 0.8072.5 9.575 9.17 0.9581.0 3.83 4.29 1.120.5 1.915 2.58 1.35
Speed ofrotation[rpm]
Shear rate[1/s]
Shearstress [Pa]
Viscosity[Pa・s]
0.5 1.915 2.07 1.081.0 3.83 3.03 0.7922.5 9.575 7.73 0.8085.0 19.15 11.41 0.597
10.0 38.3 13.24 0.345920.0 76.6 14.32 0.187150.0 191.5 16.31 0.0853100.0 383 18.72 0.048950.0 191.5 16.3 0.085220.0 76.6 14.08 0.183910.0 38.3 12.98 0.33895.0 19.15 11.48 0.5992.5 9.575 7.97 0.8341.0 3.83 3.29 0.8590.5 1.915 2.07 1.08
43
Table 3.9 粘性測定値 ( XC :8.0%,上:攪拌あり,下:攪拌なし) 381
382
383
384
Speed ofrotation[rpm]
Shear rate[1/s]
Shearstress [Pa]
Viscosity[Pa・s]
0.5 1.915 4.19 2.191.0 3.83 6.16 1.612.5 9.575 13.02 1.3615.0 19.15 21.73 1.135
10.0 38.3 27.64 0.72220.0 76.6 30.53 0.398950.0 191.5 34.54 0.1805100.0 383 39.07 0.10250.0 191.5 34.68 0.181220.0 76.6 30.42 0.397110.0 38.3 22.27 0.7135.0 19.15 21.62 1.1232.5 9.575 11.28 1.1711.0 3.83 4.87 1.270.5 1.915 3.8 1.99
Speed ofrotation[rpm]
Shear rate[1/s]
Shearstress [Pa]
Viscosity[Pa・s]
0.5 1.915 4.460 2.331.0 3.83 5.380 1.402.5 9.575 10.090 1.0545.0 19.15 15.780 0.824
10.0 38.3 19.910 0.52020.0 76.6 21.820 0.285150.0 191.5 24.890 0.1301100.0 383 28.480 0.074450.0 191.5 24.980 0.130520.0 76.6 21.880 0.285710.0 38.3 19.890 0.5205.0 19.15 16.030 0.8372.5 9.575 9.720 1.0161.0 3.83 5.210 1.360.5 1.915 3.640 1.90
44
Table 3.10 粘性測定値 ( XC :9.0%,上:攪拌あり,下:攪拌なし) 385
386
387
388
Speed ofrotation[rpm]
Shear rate[1/s]
Shearstress [Pa]
Viscosity[Pa・s]
0.5 1.915 6.7 3.501.0 3.83 10.0 2.622.5 9.575 16.0 1.675.0 19.15 30.2 1.58
10.0 38.3 46.1 1.20620.0 76.6 55.5 0.72550.0 191.5 63.8 0.334100.0 383 71.8 0.187650.0 191.5 63.2 0.3320.0 76.6 54.1 0.70610.0 38.3 44.8 1.175.0 19.15 30.0 1.572.5 9.575 15.5 1.621.0 3.83 15.8 4.130.5 1.915 13.4 7.0
Speed ofrotation[rpm]
Shear rate[1/s]
Shearstress [Pa]
Viscosity[Pa・s]
0.5 1.915 3.07 1.611.0 3.83 3.88 1.012.5 9.575 11.88 1.2425.0 19.15 24.0 1.253
10.0 38.3 31.77 0.8320.0 76.6 35.79 0.467550.0 191.5 40.28 0.2104100.0 383 45.3 0.118450.0 191.5 40.25 0.210320.0 76.6 35.6 0.46510.0 38.3 31.91 0.8335.0 19.15 23.31 1.2162.5 9.575 12.11 1.2671.0 3.83 5.59 1.460.5 1.915 4.82 2.52
45
Table 3.11 粘性測定値 ( XC :10.0%,上:攪拌あり,下:攪拌なし) 389
390
391
392
Speed ofrotation[rpm]
Shear rate[1/s]
Shearstress [Pa]
Viscosity[Pa・s]
0.5 1.915 4.2 2.201.0 3.83 5.4 1.432.5 9.575 9.8 1.035.0 19.15 22.5 1.18
10.0 38.3 31.3 0.81720.0 76.6 34.6 0.45250.0 191.5 38.8 0.203100.0 383 42.7 0.111650.0 191.5 38.0 0.19820.0 76.6 33.5 0.43710.0 38.3 29.6 0.7755.0 19.15 21.5 1.132.5 9.575 10.0 1.041.0 3.83 5.1 1.340.5 1.915 3.9 2.10
Speed ofrotation[rpm]
Shear rate[1/s]
Shearstress [Pa]
Viscosity[Pa・s]
0.5 1.915 8.9 4.71.0 3.83 13.1 3.42.5 9.575 14.6 1.535.0 19.15 28.1 1.47
10.0 38.3 38.6 1.00620.0 76.6 42.7 0.55750.0 191.5 48.0 0.251100.0 383 54.4 0.141950.0 191.5 48.35 0.25420.0 76.6 42.9 0.56110.0 38.3 37.6 0.9825.0 19.15 27.7 1.452.5 9.575 13.1 1.371.0 3.83 8.3 2.160.5 1.915 7.7 4.0
46
3.4.4 撹拌時間の考察 393
体積濃度 1.0%では撹拌時間の有無によって顕著な差が見られないが,体積濃度の増394
加に伴って回転数を順に下げたときと順に上げたときのせん断応力の差が大きくなっ395
た.また体積濃度 10.0%で攪拌時間を設けない場合の方がせん断応力が低いのは,試396
料の偏りによるものだと考えられる.攪拌時間を設けた場合,せん断応力の値が小さ397
く,回転数を順に下げたときと順に上げたときのせん断応力の差が著しく小さくなっ398
たため各体積濃度のごとに設けた攪拌時間は適切であると考えられる.今回は回転数399
100 rpm (ずり速度 383 1/s) で攪拌を行ったが,回転数を変化させることで攪拌時間は400
増減する必要があると考える.攪拌時間を設けることでせん断応力が低下するのは,401
攪拌によって泥粒子が十分に海水と混じり粒子間の接着力が低下すると考えられるた402
め,ずり速度が遅いほど攪拌時間は長く,ずり速度が速いほど攪拌時間は短くなると403
と考える. 404
405
3.5 結言 406
本章では南鳥島海域で採取された,採取地点と深度が異なるレアアース堆積物の試料407
(16MTPC78 Sec3W,16MTPC79 Sec3W,4W,16MTPC80 Sec6W,7W,16MTPC81 Sec7W)408
から体積濃度 1.0 ないし 10.0%の計 60 個の泥水試料を作成した. 409
泥水スラリーのずり速度に対するせん断応力の変化は非線形性を示すため,泥水スラ410
47
リーの近似には擬塑性流体モデル,修正ビンガムモデルおよび修正ハーシェル・バルク411
レイモデルを用いる. 412
また体積濃度ごとに攪拌時間を設定する為,試料 16MTPC79 Sec4W より作成した泥413
水スラリーを用いて,ロータの回転数を順に下げたときと順に上げたときのせん断応力414
の差がなくなるまで回転数 100 rpm で攪拌した.その結果,体積濃度が 1.0,2.0,3.0,415
4.0,5.0,6.0,7.0,8.0,9.0 および 10.0%でのそれぞれの攪拌時間は,20,40,60,90,416
120,120,120,120,120 および 180 min となった.攪拌時間を設けなかった場合に比417
べ攪拌時間を設けた場合のせん断応力は,全てのずり速度域で小さくなり,ロータの回418
転数を順に下げたときと順に上げたときのせん断応力の差が小さくなった.攪拌時間を419
設けた場合,せん断応力の値が小さく,回転数を順に下げたときと順に上げたときのせ420
ん断応力の差が著しく小さくなったため体積濃度のごとに設けた攪拌時間は適切であ421
ると考えられる. 422
423
424
425
426
427
428
48
4. 泥水スラリーの流動特性 429
4.1 序言 430
本章では,レアアース堆積物より作成したレアアース堆積物泥水スラリーを用いた431
各体積濃度における流動特性値の測定結果について述べる. 432
433
4.2 結果および考察 434
4.2.1 レアアース堆積物の体積濃度について 435
Fig.4.1 ないし 4.6 に,それぞれ試料 16MTPC78 Sec3W ないし 16MTPC81 Sec7W の体436
積濃度 1.0ないし 10.0%のレアアース堆積物泥水スラリーのずり速度 γとせん断応力 τ の437
関係 (両対数) を示す.全ての試料の泥水スラリーについて,その特性は同様な傾向を438
示す.すなわち,泥水スラリー体積濃度が増加するとせん断応力は大きくなり,その特439
性は,両対数グラフ上で曲線となる。両対数グラフ上では,擬塑性流体モデルに従えば440
直線となり,ビンガムモデル,ハーシェル・バルクレイモデルのように降伏応力があれ441
ば,ずり速度が小さくなるにつれて,横軸に平行な線に漸近する.測定結果は,ずり速442
度が約 10 1/s までは,擬塑性流体モデルあるいは降伏応力のあるモデル (ビンガムモデ443
ル,ハーシェル・バルクレイモデル) に近い特性を示すが,さらにずり速度が小さくな444
ると逆にその傾きが大きくなった.ニュートン流体,あるいは擬塑性流体モデルに従え445
ば,ずり速度とせん断応力の関係は両対数グラフ上で直線となり,ビンガム流体モデル446
49
やハーシェル・バルクレイ流体モデルのような降伏応力が存在するとすれば,ずり速度447
が小さくなるにつれて,横軸に平行な線に漸近する.泥水スラリー体積濃度が小さい 448
(1.0 ないし 3.0%) の場合には,上述の通り,ずり速度の全領域にわたって両対数グラフ449
上でほぼ直線となり,擬塑性流体モデルに近い特性を示す.ただし,ずり速度が 9.575 450
1/s (ずり速度の小さい方 (左) から 3 番目のデータ) の付近でその特性がわずかに変化451
する.泥水スラリー体積濃度が 4.0%以上では,ずり速度が 9.575 あるいは 19.15 1/s (ず452
り速度の小さい方 (左) から 4 番目のデータ) を堺にその特性が変化する.すなわち,453
ずり速度が 9.575 あるいは 19.15 1/s より大きい領域では,泥水スラリー体積濃度が小454
さい場合に全ずり速度域にわたってみられたのと同じように,擬塑性流体モデル,ある455
いはビンガム流体モデルおよびハーシェル・バルクレイ流体モデルに近い特性を示す.456
一方,ずり速度が 9.575 1/s あるいは 19.15 1/s より小さくなると,その傾きが大きくな457
ったり,全ずり速度領域でみると,全体として折れ曲がった曲線となる. 458
459
460
50
461
Fig.4.1 ずり速度 とせん断応力 の関係 (両対数,試料 16MTPC78 Sec3W) 462
463
Fig. 4.2 ずり速度 とせん断応力 の関係 (両対数,試料 16MTPC79 Sec3W) 464
51
465
Fig.4.3 ずり速度 とせん断応力 の関係 (両対数,試料 16MTPC79 Sec4W) 466
467
Fig. 4.5 ずり速度 とせん断応力 の関係 (両対数,試料 16MTPC80 Sec6W) 468
52
469
Fig. 4.4 ずり速度 とせん断応力 の関係 (両対数,試料 16MTPC80 Sec7W) 470
471
Fig. 4.6 ずり速度 とせん断応力 の関係 (両対数,試料 16MTPC81 Sec7W) 472
53
Fig.4.7 ないし 4.12 に試料 16MTPC78 Sec3W,16MTPC79 Sec3W,16MTPC79 Sec4W,473
16MTPC80 Sec6W,16MTPC80 Sec7W および 16MTPC81 Sec7W のレアアース堆積物の474
泥水スラリーについて,体積濃度が 1.0%の場合のずり速度 γとせん断応力 τ の関係を示475
す.図中の実線は測定値の算術平均値を擬塑性モデル (図中,P model) と見なした場合476
の近似曲線を,破線は修正ビンガムモデル (図中,BM model),点線は修正ハーシェル・477
バルクレイモデル (図中,HBM model) と見なした場合の近似曲線を示す.使用した試478
料に関わらず泥水スラリーはずり速度の増加と共にせん断応力は増加するが,その変化479
は非線形となり非ニュートン流体の特性を示す.特にずり速度が 38.3 1/s (ずり速度が480
小さい方から 5 番目のデータ) 以下の低ずり速度域で非線形性が大きくなるが,それ以481
上のずり速度では,せん断応力はほぼ直線的に増加する.3 つのモデルの近似曲線を比482
べると,修正ハーシェル・バルクレイモデルは もデータの近似が良い修正ビンガムモ483
デルおよび擬塑性流体モデルとみなした近似曲線は,ずり速度が 38.3 1/s 以上で実験値484
から外れた.Table 4.1 に体積濃度 1.0%の測定値の算術平均値まとめを示す. 485
486
487
488
489
54
490
Fig. 4.7 ずり速度 とせん断応力 の関係 (試料 16MTPC78 Sec3W, XC :1.0%) 491
492
Fig. 4.8 ずり速度 とせん断応力 の関係 (試料 16MTPC79 Sec3W, XC :1.0%) 493
55
494
Fig. 4.9 ずり速度 とせん断応力 の関係 (試料 16MTPC79 Sec4W, XC :1.0%) 495
496
Fig. 4.10 ずり速度 とせん断応力 の関係 (試料 16MTPC80 Sec6W, XC :1.0%) 497
56
498
Fig. 4.11 ずり速度 とせん断応力 の関係 (試料 16MTPC80 Sec7W, XC :1.0%) 499
500
Fig. 4.12 ずり速度 とせん断応力 の関係 (試料 16MTPC81 Sec7W, XC :1.0%) 501
57
Table 4.1 測定値の算術平均値まとめ ( XC :1.0%) 502
503
504
Fig.4.13 ないし 4.18 に試料 16MTPC78 Sec3W ないし 16MTPC81 Sec7W のレアアース505
堆積物の泥水スラリーについて,体積濃度が 2.0%の場合のずり速度 とせん断応力506
の関係を示す.体積濃度 1.0%の場合と比べ,せん断応力が大きくなった.しかしずり507
速度とせん断応力の関係に顕著な違いが見られず,体積濃度 1.0%の場合と同様にずり508
速度が 38.3 1/s (ずり速度が小さい方から 5 番目のデータ)前後で非線形性と線形性が変509
化する.また同様に 3 つのモデルの近似曲線を比べた場合,修正ハーシェル・バルクレ510
イモデルは もデータの近似が良く,修正ビンガムモデルおよび擬塑性流体モデルとみ511
なした近似曲線は,ずり速度が 38.3 1/s 以上で実験値から外れた.Table 4.2 に体積濃度512
2.0%の測定値の算術平均値まとめを示す. 513
514
515
516
16MTPC78Sec3W
16MTPC79Sec3W
16MTPC79Sec4W
16MTPC80Sec6W
16MTPC80Sec7W
16MTPC81Sec7W
0.5 1.915 0.050 0.056 0.048 0.050 0.070 0.0811.0 3.83 0.083 0.092 0.087 0.078 0.109 0.1172.5 9.575 0.115 0.139 0.136 0.117 0.160 0.1635.0 19.15 0.152 0.183 0.179 0.149 0.201 0.207
10.0 38.3 0.213 0.255 0.247 0.208 0.269 0.27520.0 76.6 0.313 0.367 0.357 0.308 0.381 0.38250.0 191.5 0.567 0.624 0.619 0.551 0.646 0.647100.0 383 0.958 1.016 1.010 0.921 1.046 1.049
Speed ofrotation[rpm]
Shear rate[1/s]
Average of Shear stress [Pa]
58
517
Fig. 4.13 ずり速度 とせん断応力 の関係 (試料 16MTPC78 Sec3W, XC :2.0%) 518
519
Fig. 4.14 ずり速度 とせん断応力 の関係 (試料 16MTPC79 Sec3W, XC :2.0%) 520
59
521
Fig. 4.15 ずり速度 とせん断応力 の関係 (試料 16TPC79 Sec4W, XC :2.0%) 522
523
Fig. 4.16 ずり速度 とせん断応力 の関係 (試料 16MTPC80 Sec6W, XC :2.0%) 524
60
525
Fig. 4.17 ずり速度 とせん断応力 の関係 (試料 16MTPC80 Sec7W, XC :2.0%) 526
527
Fig. 4.18 ずり速度 とせん断応力 の関係 (試料 16MTPC81 Sec7W, XC :2.0%) 528
61
Table 4.2 測定値の算術平均値まとめ ( XC :2.0%) 529
530
531
Fig.4.19 ないし 4.24 に試料 16MTPC78 Sec3W ないし 16MTPC81 Sec7W のレアアース532
堆積物の泥水スラリーについて,体積濃度が 3.0%の場合のずり速度 γとせん断応力 の533
関係を示す.体積濃度 1.0 および 2.0%の場合と比べ,せん断応力が大きくなった.また534
試料 16MTPC79 Sec3W と他の試料のせん断応力を比較すると,試料 16MTPC79 Sec3W535
のせん断応力は も小さくなった.体積濃度 1.0 および 2.0%の場合と同様にずり速度536
が 38.3 1/s (ずり速度が小さい方から 5 番目のデータ) 前後で非線形性と線形性が変化す537
る.また同様に 3 つのモデルの近似曲線を比べた場合,修正ハーシェル・バルクレイモ538
デルは もデータの近似が良く,修正ビンガムモデルおよび擬塑性流体モデルとみなし539
た近似曲線は,ずり速度が 38.3 1/s 以上で実験値から外れた.Table 4.3 に体積濃度 3.0%540
の測定値の算術平均値まとめを示す. 541
542
543
16MTPC78Sec3W
16MTPC79Sec3W
16MTPC79Sec4W
16MTPC80Sec6W
16MTPC80Sec7W
16MTPC81Sec7W
0.5 1.915 0.271 0.231 0.290 0.265 0.332 0.3441.0 3.83 0.321 0.314 0.382 0.347 0.422 0.4322.5 9.575 0.386 0.417 0.495 0.445 0.532 0.5425.0 19.15 0.445 0.490 0.567 0.515 0.609 0.617
10.0 38.3 0.538 0.588 0.672 0.615 0.718 0.73220.0 76.6 0.691 0.738 0.834 0.772 0.887 0.90050.0 191.5 1.058 1.104 1.222 1.144 1.291 1.300100.0 383 1.590 1.616 1.760 1.668 1.851 1.860
Speed ofrotation[rpm]
Shear rate[1/s]
Average of Shear stress [Pa]
62
544
Fig. 4.19 ずり速度 とせん断応力 の関係 (試料 16MTPC78 Sec3W, XC :3.0%) 545
546
Fig. 4.20 ずり速度 とせん断応力 の関係 (試料 16MTPC79 Sec3W, XC :3.0%) 547
63
548
Fig. 4.21 ずり速度 とせん断応力 の関係 (試料 16MTPC79 Sec4W, XC :3.0%) 549
550
Fig. 4.22 ずり速度 とせん断応力 の関係 (試料 16MTPC80 Sec6W, XC :3.0%) 551
64
552
Fig. 4.23 ずり速度 とせん断応力 の関係 (試料 16MTPC80 Sec7W, XC :3.0%) 553
554
Fig. 4.24 ずり速度 とせん断応力 の関係 (試料 16MTPC81 Sec7W, XC :3.0%) 555
65
Table 4.3 測定値の算術平均値まとめ ( XC :3.0%) 556
557
558
Fig.4.25 ないし 4.30 に試料 16MTPC78 Sec3W ないし 16MTPC81 Sec7W のレアアース559
堆積物の泥水スラリーについて,体積濃度が 4.0%の場合のずり速度 とせん断応力560
の関係を示す.体積濃度 1.0 ないし 3.0%の場合と比べ,せん断応力が大きくなった.ま561
た試料 16MTPC78 Sec3W と他の試料のせん断応力を比較すると,体積濃度 3.0%とは異562
なり試料 16MTPC79 Sec3W のせん断応力は も小さくなった.しかし体積濃度 1.0 な563
いし 3.0%の場合と同様にずり速度が 38.3 1/s (ずり速度が小さい方から 5 番目のデータ)564
前後で非線形性と線形性が変化する.また 3 つのモデルの近似曲線を比べた場合,修正565
ハーシェル・バルクレイモデルは もデータの近似が良いが,修正ビンガムモデルとみ566
なした近似曲線は,体積濃度 3.0%の場合と比べ精度が良くなった.Table 4.4 に体積濃567
度 4.0%の測定値の算術平均値まとめを示す. 568
569
570
16MTPC78Sec3W
16MTPC79Sec3W
16MTPC79Sec4W
16MTPC80Sec6W
16MTPC80Sec7W
16MTPC81Sec7W
0.5 1.915 0.611 0.505 0.651 0.679 0.711 0.7371.0 3.83 0.814 0.645 0.848 0.844 0.899 0.9742.5 9.575 0.983 0.809 1.084 1.051 1.105 1.2485.0 19.15 1.088 0.919 1.222 1.179 1.230 1.394
10.0 38.3 1.229 1.071 1.397 1.333 1.392 1.57520.0 76.6 1.452 1.287 1.650 1.561 1.628 1.83150.0 191.5 1.976 1.781 2.210 2.091 2.172 2.382100.0 383 2.696 2.449 2.941 2.796 2.897 3.170
Speed ofrotation[rpm]
Shear rate[1/s]
Average of Shear stress [Pa]
66
571
Fig. 4.25 ずり速度 とせん断応力 の関係 (試料 16MTPC78 Sec3W, XC :4.0%) 572
573
Fig. 4.26 ずり速度 とせん断応力 の関係 (試料 16MTPC79 Sec3W, XC :4.0%) 574
67
575
Fig. 4.27 ずり速度 とせん断応力 の関係 (試料 16MTPC79 Sec4W, XC :4.0%) 576
577
Fig. 4.28 ずり速度 とせん断応力 の関係 (試料 16MTPC80 Sec6W, XC :4.0%) 578
68
579
Fig. 4.29 ずり速度 とせん断応力 の関係 (試料 16MTPC81 Sec7W, XC :4.0%) 580
581
Fig. 4.30 ずり速度 とせん断応力 の関係 (試料 16MTPC80 Sec7W, XC :4.0%) 582
69
Table 4.4 測定値の算術平均値まとめ ( XC :4.0%) 583
584
585
Fig.4.31 ないし 4.36 に試料 16MTPC78 Sec3W ないし 16MTPC81 Sec7W のレアアース586
堆積物の泥水スラリーについて,体積濃度が 5.0%の場合のずり速度 とせん断応力587
の関係を示す.体積濃度 1.0 ないし 4.0%に比べ,せん断応力は大きくなったが,ずり速588
度が 9.575 1/s (ずり速度の小さい方 (左) から 3 番目のデータ) より小さい場合,ずり速589
度の増加とともにせん断応力は大きく増加し,その後,ずり速度が 19.15 1/s (ずり速度590
の小さい方 (左) から 4番目のデータ) あるいは 38.3 1/s (ずり速度の小さい方 (左) か591
ら 5 番目のデータ) まで緩やかに変化し,それより大きくなるとほぼ直線的に体積濃度592
1.0 ないし 4.0%に比べ緩やかに増加した.Table 4.5 に体積濃度 5.0%の測定値の算術平593
均値まとめを示す. 594
595
596
16MTPC78Sec3W
16MTPC79Sec3W
16MTPC79Sec4W
16MTPC80Sec6W
16MTPC80Sec7W
16MTPC81Sec7W
0.5 1.915 0.874 0.675 0.893 0.880 0.798 0.8281.0 3.83 1.509 1.487 1.512 1.712 1.633 1.7642.5 9.575 1.955 2.155 2.085 2.720 2.333 2.4905.0 19.15 2.122 2.426 2.324 2.994 2.603 2.763
10.0 38.3 2.321 2.730 2.555 3.319 2.872 3.02920.0 76.6 2.616 3.089 2.917 3.684 3.219 3.38050.0 191.5 3.277 3.846 3.670 4.501 3.983 4.150100.0 383 4.194 4.846 4.660 5.562 4.985 5.149
Speed ofrotation[rpm]
Shear rate[1/s]
Average of Shear stress [Pa]
70
597
Fig. 4.31 ずり速度 とせん断応力 の関係 (試料 16MTPC78 Sec3W, XC :5.0%) 598
599
Fig. 4.32 ずり速度 とせん断応力 の関係 (試料 16MTPC79 Sec3W, XC :5.0%) 600
71
601
Fig. 4.33 ずり速度 とせん断応力 の関係 (試料 16MTPC79 Sec4W, XC :5.0%) 602
603
Fig. 4.34 ずり速度 とせん断応力 の関係 (試料 16MTPC80 Sec6W, XC :5.0%) 604
72
605
Fig. 4.35 ずり速度 とせん断応力 の関係 (試料 16MTPC80 Sec7W, XC :5.0%) 606
607
Fig. 4.36 ずり速度 とせん断応力 の関係 (試料 16MTPC81 Sec7W, XC :5.0%) 608
73
Table 4.6 測定値の算術平均値まとめ ( XC :5.0%) 609
610
611
Fig.4.36 ないし 4.41 に試料 16MTPC78 Sec3W ないし 16MTPC81 Sec7W のレアアース612
堆積物の泥水スラリーについて,体積濃度が 6.0%の場合のずり速度 とせん断応力613
の関係を示す.体積濃度 1.0 ないし 5.0%に比べ,せん断応力は大きくなったが,ずり速614
度が 9.575 1/s (ずり速度が小さい方 (左) から 3 番目のデータ) までの領域でせん断応615
力は急激に増加し,9.575 1/s ないし 38.3 1/s (ずり速度が小さい方から 5 番目のデータ) 616
の領域ではその増加が緩やかになり,その後はほぼ直線状に緩やかに増加した.また 3617
つのモデルの近似曲線を比べた場合,擬塑性流体モデルとみなした近似曲線は,ずり速618
度が 9.575 (ずり速度が小さい方 (左) から 3 番目のデータ) ないし 100 1/s 以上で実験619
値を下回り,100 1/s では実験値を上回った.しかし修正ビンガムモデルの近似の精度は620
体積濃度 1.0 ないし 5.0%に比べ上がっており,修正ハーシェル・バルクレイモデルとほ621
ぼ同じような近似を示す.Table 4.6 に体積濃度 6.0%の測定値の算術平均値まとめを示622
す. 623
16MTPC78Sec3W
16MTPC79Sec3W
16MTPC79Sec4W
16MTPC80Sec6W
16MTPC80Sec7W
16MTPC81Sec7W
0.5 1.915 1.318 1.071 1.006 1.210 1.088 1.1201.0 3.83 2.464 2.015 2.028 2.278 2.260 1.9462.5 9.575 3.716 4.244 3.959 4.235 3.993 4.4535.0 19.15 4.028 4.969 4.541 4.793 4.409 5.249
10.0 38.3 4.271 5.424 4.945 5.200 4.751 5.70420.0 76.6 4.674 5.940 5.443 5.689 5.201 6.23650.0 191.5 5.546 7.045 6.490 6.716 6.184 7.345100.0 383 6.715 8.468 7.823 8.035 7.475 8.753
Speed ofrotation[rpm]
Shear rate[1/s]
Average of Shear stress [Pa]
74
624
Fig. 4.37 ずり速度 とせん断応力 の関係 (試料 16MTPC78 Sec3W, XC :6.0%) 625
626
Fig. 4.38 ずり速度 とせん断応力 の関係 (試料 16MTPC79 Sec3W, XC :6.0%) 627
75
628
Fig. 4.39 ずり速度 とせん断応力 の関係 (試料 16MTPC79 Sec4W, XC :6.0%) 629
630
Fig. 4.40 ずり速度 とせん断応力 の関係 (試料 16MTPC80 Sec6W, XC :6.0%) 631
76
632
Fig. 4.41 ずり速度 とせん断応力 の関係 (試料 16MTPC80 Sec7W, XC :6.0%) 633
634
Fig. 4.42 ずり速度 とせん断応力 の関係 (試料 16MTPC81 Sec7W, XC :6.0%) 635
77
Table 4.6 測定値の算術平均値まとめ ( XC :6.0%) 636
637
638
Fig.4.43 ないし 4.48 に試料 16MTPC78 Sec3W ないし 16MTPC81 Sec7W のレアアース639
堆積物の泥水スラリーについて,体積濃度が 7.0%の場合のずり速度 とせん断応力640
の関係を示す.体積濃度 1.0 ないし 6.0%に比べ,せん断応力は大きくなったが,せん断641
応力の増加傾向は体積濃度 6.0 と同様であった. また試料ごとのせん断応力を比較す642
るとずり速度 400 rpm 前後でせん断応力は試料 16MTPC79 Sec4W が 25 Pa 前後と も643
大きく,他の試料のせん断応力は 20 Pa 前後であった.3 つのモデルの近似曲線を比べ644
た場合,擬塑性流体モデルとみなした近似曲線は,ずり速度が 9.575 (ずり速度が小さい645
方 (左) から 3 番目のデータ) ないし 150 1/s 以上で実験値を下回り,150 1/s では実験646
値を上回った.修正ビンガムモデルの近似の精度は体積濃度 6.0%と同様に上がってお647
り,修正ハーシェル・バルクレイモデルとほぼ同じような近似を示す.Table 4.7 に体積648
濃度 7.0%の測定値の算術平均値まとめを示す. 649
650
16MTPC78Sec3W
16MTPC79Sec3W
16MTPC79Sec4W
16MTPC80Sec6W
16MTPC80Sec7W
16MTPC81Sec7W
0.5 1.915 1.766 1.455 1.325 1.281 1.666 2.2861.0 3.83 3.159 2.424 2.133 2.213 2.623 3.5382.5 9.575 6.373 6.485 5.249 6.065 6.244 7.0235.0 19.15 7.836 8.531 6.730 7.681 8.191 8.966
10.0 38.3 8.468 9.476 7.286 8.320 8.868 9.89620.0 76.6 9.018 10.263 7.951 9.009 9.563 10.69950.0 191.5 10.281 11.841 9.374 10.420 10.979 12.296100.0 383 11.890 13.795 10.980 12.183 12.728 14.308
Speed ofrotation[rpm]
Shear rate[1/s]
Average of Shear stress [Pa]
78
651
Fig. 4.43 ずり速度 とせん断応力 の関係 (試料 16MTPC78 Sec3W, XC :7.0%) 652
653
Fig. 4.44 ずり速度 とせん断応力 の関係 (試料 16MTPC79 Sec3W, XC :7.0%) 654
79
655
Fig. 4.45 ずり速度 γとせん断応力 τ の関係 (試料 16MTPC79 Sec4W, XC :7.0%) 656
657
Fig. 4.46 ずり速度 とせん断応力 の関係 (試料 16MTPC80 Sec6W, XC :7.0%) 658
80
659
Fig. 4.47 ずり速度 とせん断応力 の関係 (試料 16MTPC80 Sec7W, XC :7.0%) 660
661
Fig. 4.48 ずり速度 とせん断応力 の関係 (試料 16MTPC81 Sec7W, XC :7.0%) 662
81
Table 4.7 測定値の算術平均値まとめ ( XC :7.0%) 663
664
665
Fig.4.49 ないし 4.54 に試料 16MTPC78 Sec3W ないし 16MTPC81 Sec7W のレアアース666
堆積物の泥水スラリーについて,体積濃度が 8.0%の場合のずり速度 とせん断応力667
の関係を示す.体積濃度 1.0 ないし 7.0%に比べ,せん断応力は大きくなったが,せん断668
応力の増加傾向は体積濃度 6.0 および 7.0%と同様であった. また試料ごとのせん断応669
力を比較するとずり速度 400 rpm 前後でせん断応力は試料 16MTPC79 Sec4W と 30 Pa670
を下回ったが,試料 16MTPC79 Sec4W は 40 Pa と も高くなった.修正ビンガムモデ671
ルの近似の精度は体積濃度 6.0 および 7.0%と同様に高く,修正ハーシェル・バルクレイ672
モデルとほぼ同じような近似を示す.Table 4.8 に体積濃度 8.0%の測定値の算術平均値673
まとめを示す. 674
675
16MTPC78Sec3W
16MTPC79Sec3W
16MTPC79Sec4W
16MTPC80Sec6W
16MTPC80Sec7W
16MTPC81Sec7W
0.5 1.915 2.691 2.394 3.234 2.364 2.415 1.7491.0 3.83 4.410 3.428 4.229 3.461 3.424 2.8132.5 9.575 9.604 8.352 8.958 8.154 8.445 9.3565.0 19.15 12.796 12.573 14.214 11.716 12.393 14.505
10.0 38.3 14.261 14.908 17.459 13.433 14.173 17.28920.0 76.6 15.166 16.188 19.256 14.416 15.200 18.86450.0 191.5 16.939 18.420 21.903 16.373 17.104 21.270100.0 383 19.108 21.083 24.998 18.695 19.425 24.030
Speed ofrotation[rpm]
Shear rate[1/s]
Average of Shear stress [Pa]
82
676
Fig. 4.49 ずり速度 とせん断応力 の関係 (試料 16MTPC78 Sec3W, XC :8.0%) 677
678
Fig. 4.50 ずり速度 とせん断応力 の関係 (試料 16MTPC79 Sec3W, XC :8.0%) 679
83
680
Fig. 4.51 ずり速度 とせん断応力 の関係 (試料 16MTPC79 Sec4W, XC :8.0%) 681
682
Fig. 4.52 ずり速度 とせん断応力 の関係 (試料 16MTPC80 Sec6W, XC :8.0%) 683
84
684
Fig. 4.53 ずり速度 とせん断応力 の関係 (試料 16MTPC80 Sec7W, XC :8.0%) 685
686
Fig. 4.54 ずり速度 とせん断応力 の関係 (試料 16MTPC81 Sec7W, XC :8.0%) 687
85
Table 4.8 測定値の算術平均値まとめ ( XC :8.0%) 688
689
690
Fig.4.55 ないし 4.60 に試料 16MTPC78 Sec3W ないし 16MTPC81 Sec7W のレアアース691
堆積物の泥水スラリーについて,体積濃度が 9.0%の場合のずり速度 とせん断応力692
の関係を示す.体積濃度 1.0 ないし 8.0%に比べ,せん断応力は大きくなったが,せん断693
応力の増加傾向は体積濃度 6.0 ないし 8.0%と同様であった. また試料ごとのせん断応694
力を比較すると,ずり速度 400 rpm 前後でせん断応力は試料 16MTPC80 Sec6W では 40 695
Pa を下回ったが,試料 16MTPC81 Sec7W は 60 Pa 近くと も高く次いで試料 16MTPC79 696
Sec3W が高くなった.修正ビンガムモデルの近似の精度は体積濃度 6.0 ないし 8.0%と697
同様に高く,どの試料でもすべてのずり速度の範囲で修正ハーシェル・バルクレイモデ698
ルとほぼ同じような近似を示す.Table 4.9 に体積濃度 9.0%の測定値の算術平均値まと699
めを示す. 700
701
702
16MTPC78Sec3W
16MTPC79Sec3W
16MTPC79Sec4W
16MTPC80Sec6W
16MTPC80Sec7W
16MTPC81Sec7W
0.5 1.915 3.895 3.853 3.463 3.898 3.176 3.8041.0 3.83 6.065 5.460 4.483 5.631 5.036 5.8642.5 9.575 13.580 10.163 9.771 10.373 10.870 9.7175.0 19.15 20.000 19.099 16.529 18.813 17.969 20.888
10.0 38.3 24.786 25.039 20.445 23.971 22.553 27.19120.0 76.6 26.508 28.113 22.494 26.596 24.701 30.50450.0 191.5 29.245 31.795 25.524 29.994 27.574 34.305100.0 383 32.435 35.895 29.040 33.793 30.883 38.615
Speed ofrotation[rpm]
Shear rate[1/s]
Average of Shear stress [Pa]
86
703
Fig. 4.55 ずり速度 とせん断応力 の関係 (試料 16MTPC78 Sec3W, XC :9.0%) 704
705
Fig. 4.56 ずり速度 とせん断応力 の関係 (試料 16MTPC79 Sec3W, XC :9.0%) 706
87
707
Fig. 4.57 ずり速度 とせん断応力 の関係 (試料 16MTPC79 Sec4W, XC :9.0%) 708
709
Fig. 4.58 ずり速度 とせん断応力 の関係 (試料 16MTPC80 Sec6W, XC :9.0%) 710
88
711
Fig. 4.59 ずり速度 とせん断応力 の関係 (試料 16MTPC80 Sec7W, XC :9.0%) 712
713
Fig. 4.60 ずり速度 とせん断応力 の関係 (試料 16MTPC81 Sec7W, XC :9.0%) 714
89
Table 4.9 測定値の算術平均値まとめ ( XC :9.0%) 715
716
717
Fig.4.61 ないし 4.66 に試料 16MTPC78 Sec3W ないし 16MTPC81 Sec7W のレアアース718
堆積物の泥水スラリーについて,体積濃度が 10.0%の場合のずり速度 とせん断応力719
の関係を示す.体積濃度 1.0 ないし 9.0%に比べ,せん断応力は大きくなった.体積濃度720
が 5.0%の場合と同様に,せん断応力は,19.15 1/s (ずり速度の小さい方 (左) から 4 番721
目のデータ) より小さい場合,ずり速度の増加と共にほぼ直線的に増加し,19.15 ない722
し 76.6 1/s (ずり速度の小さい方 (左) から 6 番目のデータ) の範囲で,その変化が緩や723
かとなり,更にずり速度が 76.6 1/s より大きくなると,直線的に緩やかに増加した.試724
料を比べるとほぼ同じ特性を示すが,せん断応力は 3 つのモデルの近似曲線を比べる725
と,修正ハーシェル・バルクレイモデル および修正ビンガムモデルが測定結果とよく726
一致した.一方,擬塑性流体モデルとして近似した場合は,実験値との差が大きく,近727
似曲線はずり速度が 191.5 1/s (ずり速度の小さい方 (左) から 7 番目のデータ) より小728
さい場合,測定値との差が大きくなり,191.5 1/s 以上の範囲でずり速度の増加と共に測729
16MTPC78Sec3W
16MTPC79Sec3W
16MTPC79Sec4W
16MTPC80Sec6W
16MTPC80Sec7W
16MTPC81Sec7W
0.5 1.915 5.838 4.963 4.039 4.545 6.023 7.7131.0 3.83 8.188 7.038 6.101 6.529 8.546 9.7882.5 9.575 14.988 12.388 11.555 10.951 12.790 14.4755.0 19.15 26.400 25.250 24.020 21.554 24.251 27.088
10.0 38.3 34.163 34.400 32.396 28.604 32.443 37.00820.0 76.6 38.450 40.150 36.625 32.276 36.574 43.77550.0 191.5 42.538 45.525 41.229 36.409 40.684 49.475100.0 383 46.975 51.425 46.368 40.923 45.355 56.050
Speed ofrotation[rpm]
Shear rate[1/s]
Average of Shear stress [Pa]
90
定値との差は大きくなった.Table 4.10 に体積濃度 10.0%の測定値の算術平均値まとめ730
を示す. 731
732
733
Fig. 4.61 ずり速度 とせん断応力 の関係 (試料 16MTPC78 Sec3W, XC :10.0%) 734
91
735
Fig. 4.62 ずり速度 とせん断応力 の関係 (試料 16MTPC79 Sec3W, XC :10.0%) 736
737
Fig. 4.63 ずり速度 とせん断応力 の関係 (試料 16MTPC79 Sec4W, XC :10.0%) 738
92
739
Fig. 4.64 ずり速度 とせん断応力 の関係 (試料 16MTPC80 Sec6W, XC :10.0%) 740
741
Fig. 4.65 ずり速度 とせん断応力 の関係 (試料 16MTPC80 Sec7W, XC :10.0%) 742
93
743
Fig. 4.66 ずり速度 とせん断応力 の関係 (試料 16MTPC81 Sec7W, XC :10.0%) 744
745
Table 4.10 測定値の算術平均値まとめ ( XC :10.0%) 746
747
748
749
750
16MTPC78Sec3W
16MTPC79Sec3W
16MTPC79Sec4W
16MTPC80Sec6W
16MTPC80Sec7W
16MTPC81Sec7W
0.5 1.915 7.675 8.738 7.900 6.513 6.688 7.1381.0 3.83 11.075 11.138 10.175 8.863 9.713 9.3752.5 9.575 19.513 15.950 13.250 15.088 15.363 17.1255.0 19.15 33.788 30.488 27.275 28.988 30.150 30.513
10.0 38.3 43.950 42.800 37.700 39.425 41.850 43.22520.0 76.6 52.075 49.600 42.525 44.675 48.875 48.73850.0 191.5 57.813 55.950 47.831 49.850 54.588 54.625100.0 383 64.075 63.150 53.875 55.925 60.850 61.975
Speed ofrotation[rpm]
Shear rate[1/s]
Average of Shear stress [Pa]
94
Fig.4.67 ないし 4.73 に試料 16MTPC78 Sec3W ないし 16MTPC81 Sec7W のレアアース751
堆積物泥水スラリーを擬塑性流体として近似したときの擬塑性粘度K と海水粘度 μと752
の比 μ/K と体積濃度 XC の関係を示す.また Fig.4.74 に Fig.4.67 ないし 4.73 をまとめ753
たものを示す.なお海水粘度 μは 10℃として 1.38×10-3 Pa・s を用いた 18).これにより754
体積濃度 5.0%前後で海水の 1000 倍の粘度になっていることが分かる.試料によって755
粘度の増加傾向は変わらず,粘度の値に大きな違いは見られなかった. 756
757
758
Fig. 4.67 擬塑性粘度K と海水粘度 μとの比 μ/K と体積濃度 XC の関係 759
(試料 16MTPC78 Sec3W,擬塑性流体モデル) 760
761
95
762
Fig. 4.68 擬塑性粘度K と海水粘度 μとの比 μ/K と体積濃度 XC の関係 763
(試料 16MTPC79 Sec3W,擬塑性流体モデル) 764
765
96
766
Fig. 4.69 擬塑性粘度K と海水粘度 μとの比 μ/K と体積濃度 XC の関係 767
(試料 16MTPC79 Sec4W,擬塑性流体モデル) 768
769
97
770
Fig. 4.70 擬塑性粘度K と海水粘度 μとの比 μ/K と体積濃度 XC の関係 771
(試料 16MTPC80 Sec6W,擬塑性流体モデル) 772
773
98
774
Fig. 4.71 擬塑性粘度K と海水粘度 μとの比 μ/K と体積濃度 XC の関係 775
(試料 16MTPC80 Sec7W,擬塑性流体モデル) 776
777
99
778
Fig. 4.72 擬塑性粘度K と海水粘度 μとの比 μ/K と体積濃度 XC の関係 779
(試料 16MTPC81 Sec7W) 780
781
100
782
Fig. 4.73 擬塑性粘度K と海水粘度 μとの比 μ/K と体積濃度 XC の関係 783
(まとめ,擬塑性流体モデル) 784
785
Fig.4.74 ないし 4.79 に試料 16MTPC78 Sec3W ないし 16MTPC81 Sec7W のレアアース786
堆積物泥水スラリーを擬塑性流体として近似したときのレオロジー定数 と体積濃度787
XC の関係を示す.また Fig.4.80 に Fig.4.74 ないし 4.79 をまとめたものを示す.試料の788
違いによってレオロジー定数に大きな違いは見られない.体積濃度が 5.0%以前では体789
積濃度の増加と共にレオロジー定数は小さくなるが,体積濃度 5.0%以上になると,レ790
オロジー定数の値は体積濃度の増加と共にわずかに大きな値を示す. 791
792
n
101
793
Fig. 4.74 レオロジー定数 nと体積濃度 XC の関係 794
(試料 16MTPC78 Sec3W,擬塑性流体モデル) 795
796
102
797
Fig. 4.75 レオロジー定数 nと体積濃度 XC の関係 798
(試料 16MTPC79 Sec3W,擬塑性流体モデル) 799
800
103
801
Fig. 4.76 レオロジー定数 nと体積濃度 XC の関係 802
(試料 16MTPC79 Sec4W,擬塑性流体モデル) 803
804
104
805
Fig. 4.77 レオロジー定数 nと体積濃度 XC の関係 806
(試料 16MTPC80 Sec6W,擬塑性流体モデル) 807
808
105
809
Fig. 4.78 レオロジー定数 nと体積濃度 XC の関係 810
(試料 16MTPC80 Sec7W,擬塑性流体モデル) 811
812
106
813
Fig. 4.79 レオロジー定数 nと体積濃度 XC の関係 814
(試料 16MTPC78 Sec3W,擬塑性流体モデル) 815
816
817
107
818
Fig. 4.80 レオロジー定数 nと体積濃度 XC の関係 819
(まとめ,擬塑性流体モデル) 820
821
擬塑性粘度K と体積濃度 XC の関係を,式 (4.1) で近似する.また,レオロジー定数822
nは,体積濃度 0.05 で領域を分割し,式 (4.2) (体積濃度 0.01 ないし 0.05) および式 (4.3) 823
(体積濃度 0.05 ないし 0.10) で近似する. 824
PBXPCAK 1 ・・・(4.1) 825
826
PBXPCCn 1 (0≦ XC ≦0.05) ・・・(4.2) 827
828
108
PXP FCEn 1 (0.05≦ XC ≦0.10) ・・・(4.3) 829
830
ここに, 831
PA , PB :式 (4.1) 中の係数, 832
PC , PD :式 (4.2) 中の係数, 833
PE , PF :式 (4.3) 中の係数. 834
835
Table 4.11 に,測定に使用した全ての試料の泥水スラリーについて,擬塑性流体モ836
デルとみなした式 (4.1) ないし (4.3) で近似した場合の係数を示す.擬塑性粘度K と837
体積濃度 XC の関係の近似式 (4.1) は,どの試料の泥水スラリーでも決定係数が 0.99838
以上となる.レオロジー定数 nと体積濃度 XC の関係式(4.2 および 4.3) では,決定係数839
が 0.783 (試料 16MTPC81 Sec7W) の場合を除き,他の試料の泥水スラリーで決定係数840
は 0.85 以上となった. 841
Table 4.1 擬塑性粘度K ,レオロジー定数 nと体積濃度 XC の関係 842
(擬塑性流体モデルの場合) 843
844
845
Name Det. coef. Det. coef. Det. coef.
16MTPC78 Sec3W 6.95×106 2.85 1.000 3.81 0.497 0.941 -1.68 0.877 0.980
16MTPC79 Sec3W 3.89×106 2.67 0.997 2.51 0.380 0.945 -1.32 0.817 0.865
16MTPC79 Sec4W 2.95×106 2.57 0.998 2.73 0.400 0.898 -1.17 0.811 0.853
16MTPC80 Sec6W 3.22×106 2.59 0.996 3.05 0.428 0.892 -1.38 0.834 0.927
16MTPC80 Sec7W 2.68×106 2.51 1.000 2.43 0.360 0.912 -1.47 0.844 0.990
16MTPC81 Sec7W 3.00×106 2.52 0.999 2.26 0.340 0.892 -1.39 0.826 0.783
PA PB PC PD PE PF
109
Fig.4.81 ないし 4.86 に試料 16MTPC78 Sec3W ないし 16MTPC81 Sec7W のレアアース846
堆積物の泥水スラリーを擬塑性流体として近似したときの修正ビンガムモデルとして847
近似したときの粘度 Bμ と海水粘度μの比 μμ /B と体積濃度 XC の関係を示す.また Fig. 848
4.87 に Fig.4.81 ないし 4.86 をまとめたものを示す.どの試料も体積濃度の増加と共に849
ビンガム粘度は増加し,試料によってビンガム粘度の増加に顕著な違いは現れなかっ850
た. 851
852
853
854
Fig. 4.81 粘度 Bμ と海水粘度 μとの比 μμ /B と体積濃度 XC の関係 855
(試料 16MTPC78 Sec3W,修正ビンガムモデル) 856
110
857
Fig. 4.82 粘度 Bμ と海水粘度 μとの比 μμ /B と体積濃度 XC の関係 858
(試料 16MTPC79 Sec3W,修正ビンガムモデル) 859
860
111
861
Fig. 4.83 粘度 Bμ と海水粘度 μとの比 μμ /B と体積濃度 XC の関係 862
(試料 16MTPC79 Sec4W,修正ビンガムモデル) 863
864
112
865
Fig. 4.84 粘度 Bμ と海水粘度 μとの比 μμ /B と体積濃度 XC の関係 866
(試料 16MTPC80 Sec6W,修正ビンガムモデル) 867
868
113
869
Fig. 4.85 粘度 Bμ と海水粘度 μとの比 μμ /B と体積濃度 XC の関係 870
(試料 16MTPC80 Sec7W,修正ビンガムモデル) 871
872
114
873
Fig. 4.86 粘度 Bμ と海水粘度 μとの比 μμ /B と体積濃度 XC の関係 874
(試料 16MTPC81 Sec7W,修正ビンガムモデル) 875
876
115
877
Fig. 4.87 粘度 Bμ と海水粘度 μとの比 μμ /B と体積濃度 XC の関係 878
(まとめ,修正ビンガムモデル) 879
880
Fig.4.88 ないし 4.93 に試料 16MTPC78 Sec3W ないし 16MTPC81 Sec7W のレアアース881
堆積物の泥水スラリーを擬塑性流体として近似したときの修正ビンガムモデルとして882
近似したときの降伏応力 yτ と体積濃度 XC の関係を示す.また Fig .4.94 に Fig.4.81 な883
いし 4.86 をまとめたものを示す.どの試料を用いた泥水スラリーでも体積濃度の増加884
と共に降伏応力が増加し,試料によって降伏応力に顕著な違いは見られない. 885
886
887
116
888
Fig. 4.88 降伏応力 yτ と体積濃度 XC の関係 889
(試料 16MTPC78 Sec3W,修正ビンガムモデル) 890
891
117
892
Fig. 4.89 降伏応力 yτ と体積濃度 XC の関係 893
(試料 16MTPC79 Sec3W,修正ビンガムモデル) 894
895
118
896
Fig. 4.90 降伏応力 yτ と体積濃度 XC の関係 897
(試料 16MTPC79 Sec4W,修正ビンガムモデル) 898
899
119
900
Fig. 4.91 降伏応力 yτ と体積濃度 XC の関係 901
(試料 16MTPC80 Sec6W,修正ビンガムモデル) 902
903
120
904
Fig. 4.92 降伏応力 yτ と体積濃度 XC の関係 905
(試料 16MTPC80 Sec7W,修正ビンガムモデル) 906
907
121
908
Fig. 4.93 降伏応力 yτ と体積濃度 XC の関係 909
(試料 16MTPC81 Sec7W,修正ビンガムモデル) 910
911
122
912
Fig. 4.94 降伏応力 yτ と体積濃度 XC の関係 913
(まとめ,修正ビンガムモデル) 914
915
Fig. 4.95 ないし 4.100 に試料 16MTPC78 Sec3W ないし 16MTPC81 Sec7W のレアアー916
ス堆積物の泥水スラリーを修正ビンガムモデルとして近似したときの補正係数mと体917
積濃度 XC の関係を示す.また Fig. 4.101 に Fig. 4.95 ないし 4.100 をまとめたものを示918
す.体積濃度 2.0 ないし 4.0%ではどの試料でもほとんど同じような補正係数をとる919
が,体積濃度 1.0 および 5.0 ないし 10.0%では試料によって補正係数に違いが表れた. 920
しかし,どの試料でも体積濃度の増加と共に補正係数は減少し,試料によって減少傾向921
に顕著な違いは見られない. 922
123
923
Fig. 4.95 補正係数mと体積濃度 XC の関係 924
(試料 16MTPC78 Sec3W,修正ビンガムモデル) 925
926
124
927
Fig. 4.96 補正係数mと体積濃度 XC の関係 928
(試料 16MTPC79 Sec3W,修正ビンガムモデル) 929
930
125
931
Fig. 4.97 補正係数mと体積濃度 XC の関係 932
(試料 16MTPC79 Sec4W,修正ビンガムモデル) 933
934
126
935
Fig. 4.98 補正係数mと体積濃度 XC の関係 936
(試料 16MTPC80 Sec6W,修正ビンガムモデル) 937
938
127
939
Fig. 4.99 補正係数mと体積濃度 XC の関係 940
(試料 16MTPC80 Sec7W,修正ビンガムモデル) 941
942
128
943
Fig. 4.100 補正係数mと体積濃度 XC の関係 944
(試料 16MTPC81 Sec7W,修正ビンガムモデル) 945
946
129
947
Fig.4.101 補正係数mと体積濃度 XC の関係 948
(まとめ,修正ビンガムモデル) 949
950
修正ビンガムモデルの流動特性パラメータであるビンガム塑性粘度 B ,降伏応力 yτ951
および実験係数mと体積濃度 XC の関係を,次の式 (4.4) ないし (4.6) によってそれぞ952
れ近似する. 953
954
BMBXBMB CA1 ・・・(4.4) 955
956
BMDXBMy CC ・・・(4.5) 957
130
958
XBMCFBM eEm 11 ・・・(4.6) 959
960
ここで, 961
BMA , BMB :式 (4.4) 中の係数, 962
BMC , BMD :式 (4.5) 中の係数, 963
BME , BMF :式 (4.6) 中の係数. 964
965
Table 4.12 に,測定に使用した全ての試料の泥水スラリーについて,修正ビンガム966
モデルとみなした式 (4.4) ないし (4.6) で近似した場合の係数を示す.ビンガム塑性967
粘度 B と体積濃度 XC の関係の近似式 (式 4.4) および降伏応力 yτ と体積濃度 XC の近968
似式 (式 4.5) は,全ての泥水スラリーでも決定係数が 0.90 以上となる.しかし補正係969
数mと体積濃度 XC の関係式 (式 4.6) では,決定係数が 0.681 (試料 16MTPC79 Sec4W) 970
ないし 0.85 (試料 16MTPC81 Sec7W) とばらつきが大きい. 971
972
973
974
975
131
Table 4.12 ビンガム塑性粘度 B ,降伏応力 yτ ,補正係数mと体積濃度 XC の関係式 976
(修正ビンガムモデルの場合) 977
978
979
Fig.4.102 ないし 4.107 に試料 16MTPC78 Sec3W ないし 16MTPC81 Sec7W のレアアー980
ス堆積物の泥水スラリーを修正ハーシェル・バルクレイモデルとして近似したときの981
擬塑性粘度K と海水粘度 μの比 μ/K と体積濃度 XC の関係を示す.また Fig.4.102 に982
Fig.4.107 ないし 4.108 をまとめたものを示す.体積濃度の増加と共に擬塑性粘度は増983
加する.体積濃度が 5.0%以上になると試料によって実験値にばらつきが表れる. 984
985
986
Name Det. coef. Det. coef. Det. coef.
16MTPC78 Sec3W 6.82×102 1.60 0.953 1.78×10
4 2.69 0.973 2.74 18.8 0.765
16MTPC79 Sec3W 1.05×103 1.70 0.965 1.51×10
4 2.60 0.964 3.88 17.3 0.717
16MTPC79 Sec4W 7.43×102 1.60 0.973 1.06×10
4 2.50 0.972 3.72 17.1 0.681
16MTPC80 Sec6W 6.67×102 1.58 0.977 1.15×10
4 2.52 0.984 3.24 18.5 0.770
16MTPC80 Sec7W 5.75×102 1.53 0.967 1.08×10
4 2.49 0.974 3.05 19.3 0.817
16MTPC81 Sec7W 9.46×102 1.65 0.961 1.46×10
4 2.55 0.977 3.00 20.6 0.859
BMA BMB BMCBMD BME BMF
132
987
Fig.4.102 擬塑性粘度K と海水粘度 μとの比 μ/K と体積濃度 XC の関係 988
(試料 16MTPC78 Sec3W,修正ハーシェル・バルクレイモデル) 989
990
991
133
992
Fig.4.103 擬塑性粘度K と海水粘度 μとの比 μ/K と体積濃度 XC の関係 993
(試料 16MTPC79 Sec3W,修正ハーシェル・バルクレイモデル) 994
995
134
996
Fig.4.104 擬塑性粘度K と海水粘度 μとの比 μ/K と体積濃度 XC の関係 997
(試料 16MTPC79 Sec4W,修正ハーシェル・バルクレイモデル) 998
999
135
1000
Fig.4.105 擬塑性粘度K と海水粘度 μとの比 μ/K と体積濃度 XC の関係 1001
(試料 16MTPC80 Sec6W,修正ハーシェル・バルクレイモデル) 1002
1003
136
1004
Fig.4.106 擬塑性粘度K と海水粘度 μとの比 μ/K と体積濃度 XC の関係 1005
(試料 16MTPC80 Sec7W,修正ハーシェル・バルクレイモデル) 1006
1007
137
1008
Fig.4.107 擬塑性粘度K と海水粘度 μとの比 μ/K と体積濃度 XC の関係 1009
(試料 16MTPC81 Sec7W,修正ハーシェル・バルクレイモデル) 1010
1011
138
1012
Fig.4.108 擬塑性粘度K と海水粘度 μとの比 μ/K と体積濃度 XC の関係 1013
(まとめ,修正ハーシェル・バルクレイモデル) 1014
1015
Fig.4.109 ないし 4.114 に試料 16MTPC78 Sec3W ないし 16MTPC81 Sec7W のレアアー1016
ス堆積物の泥水スラリーを修正ハーシェル・バルクレイモデルとして近似したときの1017
レオロジー定数 nと体積濃度 XC の関係を示す.また Fig.4.115 に Fig.4.109 ないし 4.1141018
をまとめたものを示す.体積濃度の増加と共にレオロジー定数は増減し,一様な変化1019
はしない.この傾向はどの試料から作成した泥水スラリーでも同様であった. 1020
1021
1022
139
1023
1024
Fig.4.109 レオロジー定数 nと体積濃度 XC の関係 1025
(試料 16MTPC78 Sec3W,修正ハーシェル・バルクレイモデル) 1026
1027
140
1028
Fig.4.110 レオロジー定数 nと体積濃度 XC の関係 1029
(試料 16MTPC79 Sec3W,修正ハーシェル・バルクレイモデル) 1030
1031
141
1032
Fig.4.111 レオロジー定数 nと体積濃度 XC の関係 1033
(試料 16MTPC79 Sec4W,修正ハーシェル・バルクレイモデル) 1034
1035
142
1036
Fig.4.112 レオロジー定数 nと体積濃度 XC の関係 1037
(試料 16MTPC80 Sec6W,修正ハーシェル・バルクレイモデル) 1038
1039
143
1040
Fig.4.113 レオロジー定数 nと体積濃度 XC の関係 1041
(試料 16MTPC80 Sec7W,修正ハーシェル・バルクレイモデル) 1042
1043
144
1044
Fig.4.114 レオロジー定数 nと体積濃度 XC の関係 1045
(試料 16MTPC81 Sec7W,修正ハーシェル・バルクレイモデル) 1046
1047
145
1048
Fig.4.115 レオロジー定数 nと体積濃度 XC の関係 1049
(まとめ,修正ハーシェル・バルクレイモデル) 1050
1051
Fig.4.116 ないし 4.121 に試料 16MTPC78 Sec3W ないし 16MTPC81 Sec7W のレアアー1052
ス堆積物の泥水スラリーを修正ハーシェル・バルクレイモデルとして近似したときの1053
降伏応力 yτ と体積濃度 XC の関係を示す.Fig.4.121 に Fig.4.116 ないし 4.121 をまとめ1054
たものを示す.修正ビンガムモデルと同様に体積濃度の増加と共に降伏応力が増加し1055
た. 1056
1057
1058
146
1059
1060
Fig.4.116 降伏応力 yτ と体積濃度 XC の関係 1061
(試料 16MTPC78 Sec3W,修正ハーシェル・バルクレイモデル) 1062
1063
147
1064
Fig.4.117 降伏応力 yτ と体積濃度 XC の関係 1065
(試料 16MTPC79 Sec3W,修正ハーシェル・バルクレイモデル) 1066
1067
148
1068
Fig.4.118 降伏応力 yτ と体積濃度 XC の関係 1069
(試料 16MTPC79 Sec4W,修正ハーシェル・バルクレイモデル) 1070
1071
149
1072
Fig.4.119 降伏応力 yτ と体積濃度 XC の関係 1073
(試料 16MTPC80 Sec6W,修正ハーシェル・バルクレイモデル) 1074
1075
150
1076
Fig.4.120 降伏応力 yτ と体積濃度 XC の関係 1077
(試料 16MTPC80 Sec7W,修正ハーシェル・バルクレイモデル) 1078
1079
151
1080
Fig.4.121 降伏応力 yτ と体積濃度 XC の関係 1081
(試料 16MTPC81 Sec7W,修正ハーシェル・バルクレイモデル) 1082
1083
152
1084
Fig.4.122 降伏応力 yτ と体積濃度 XC の関係 1085
(まとめ,修正ハーシェル・バルクレイモデル) 1086
1087
Fig.4.123 ないし 4.128 に,試料 16MTPC78 Sec3W ないし 16MTPC81 Sec7W のレアア1088
ース堆積物の泥水スラリーを修正ハーシェル・バルクレイモデルとして近似したとき1089
の補正係数 m と体積濃度 XC の関係を示す.Fig4.129 に Fig.4.123 ないし 4.128 をまと1090
めたものを示す.どの試料で作成した泥水スラリーにおいても体積濃度の増加と共に1091
補正係数は減少した. 1092
1093
1094
153
1095
1096
Fig.4.123 補正係数 m と体積濃度 XC の関係 1097
(試料 16MTPC78 Sec3W,修正ハーシェル・バルクレイモデル) 1098
1099
154
1100
Fig.4.124 補正係数mと体積濃度 XC の関係 1101
(試料 16MTPC79 Sec3W,修正ハーシェル・バルクレイモデル) 1102
1103
155
1104
Fig.4.125 補正係数mと体積濃度 XC の関係 1105
(試料 16MTPC79 Sec4W,修正ハーシェル・バルクレイモデル) 1106
1107
156
1108
Fig.4.126 補正係数mと体積濃度 XC の関係 1109
(試料 16MTPC80 Sec6W,修正ハーシェル・バルクレイモデル) 1110
1111
157
1112
Fig.4.127 補正係数mと体積濃度 XC の関係 1113
(試料 16MTPC80 Sec7W,修正ハーシェル・バルクレイモデル) 1114
1115
158
1116
Fig.4.128 補正係数mと体積濃度 XC の関係 1117
(試料 16MTPC81 Sec7W,修正ハーシェル・バルクレイモデル) 1118
1119
159
1120
Fig.4.129 補正係数mと体積濃度 XC の関係 1121
(まとめ,修正ハーシェル・バルクレイモデル) 1122
1123
擬塑性粘度K ,レオロジー定数 n,降伏応力y および実験係数 m と体積濃度の関係1124
を,次の式 (4.7) ないし (4.10) によりそれぞれ近似する. 1125
1126
HBMBXHBMCAK 1 ・・・(4.7) 1127
1128
HBMDXHBM CCn 1 ・・・(4.8) 1129
1130
160
HBMFXHBMy CE ・・・(4.9) 1131
1132
XHBMCHHBM eGm 11 ・・・(4.10) 1133
1134
ここで, 1135
HBMA , HBMB :式 (4.7) 中の係数, 1136
HBMC , HBMD :式 (4.8) 中の係数, 1137
HBME , HBMF :式 (4.9) 中の係数, 1138
HBMG , HBMH :式 (4.10) 中の係数. 1139
1140
Table 4.13 に,測定に使用した全ての試料の泥水スラリーを,修正ハーシェル・バ1141
ルクレイモデルみなした場合の擬塑性粘度K ,レオロジー定数 n,降伏応力y ,補正1142
係数mと体積濃度 XC の関係を近似した際の係数,指数および近似式の決定係数を示1143
す.擬塑性粘度K と体積濃度 XC の関係の近似式 (4.7) は,決定係数が 0.85 を下回る1144
ものはなかった.レオロジー定数 nと体積濃度 XC の関係の近似式 (4.8) は,試料1145
16MTPC80 Sec7W および 16MTPC81 Sec7W の決定係数が極端に小さくなったが,他の1146
試料では決定係数は 0.80 を超えた.降伏応力yτ と体積濃度 XC の近似式 (4.9) は,ど1147
の試料でも決定係数が 0.98 より高くなった.補正係数 m と体積濃度 XC の関係式 1148
161
(4.10) では,どの試料でも決定係数が高く 0.90 となった. 1149
1150
Table 4.13 擬塑性粘度K ,レオロジー定数 n,降伏応力yτ ,補正係数m 1151
と体積濃度 XC の関係 (修正ハーシェル・バルクレイモデルの場合) 1152
1153
1154
Table 4.14 に,全試料の測定結果について各流体モデルで近似を行った場合の,それ1155
ぞれの試料ごとの測定値と近似曲線との残差二乗和 Sの算術平均 (体積濃度 1.0 ないし1156
10.0%) と赤池の情報基準 AIC (Akaike’s Information Criteration) (以下, AIC ) の算術平1157
均を示した 14). AICは式 (4.11) で求められ, AIC計算結果の値が小さいほど良いモデ1158
ルとされる.式 (4.11) の導入は岡田 他 3)に記されているため省略する. 1159
1160
Name Det. coef. Det. coef.
16MTPC78 Sec3W 1.37×105 2.38 0.860 1.33 0.400 0.834
16MTPC79 Sec3W 2.63×105 2.41 0.898 1.22 0.327 0.827
16MTPC79 Sec4W 1.64×105 2.28 0.898 1.19 0.319 0.826
16MTPC80 Sec6W 5.26×104 2.01 0.936 0.911 0.257 0.885
16MTPC80 Sec7W 3.82×104 1.90 0.897 0.604 0.0978 0.0954
16MTPC81 Sec7W 4.34×104 1.97 0.913 0.521 0.0687 0.0428
Name EHBM FHBM Det. coef. GHBM HHBM Det. coef.
16MTPC78 Sec3W 3.06×104
2.95 0.992 1.38 27.2 0.966
16MTPC79 Sec3W 2.11×104
2.83 0.985 1.89 25.8 0.934
16MTPC79 Sec4W 1.55×104
2.74 0.990 1.90 25.0 0.912
16MTPC80 Sec6W 2.19×104
2.83 0.997 1.64 26.4 0.962
16MTPC80 Sec7W 2.04×104
2.79 0.991 1.53 27.4 0.961
16MTPC81 Sec7W 2.30×104
2.78 0.993 1.70 27.0 0.958
HBMA HBMB HBMC HBMD
162
qN
SlnNAIC 2
・・・(4.11) 1161
1162
体積濃度 0.01 ないし 0.10 の範囲で全ての泥水スラリーの AICは,擬塑性流体モデル1163
では-5.43 ないし-1.99,修正ビンガムモデルでは-26.4 ないし-18.3,修正ハーシェル・バ1164
ルクレイモデルでは-30.1 ないし-22.9 となった.擬塑性流体モデルは全ての試料におい1165
て修正ビンガムモデルおよび修正ハーシェル・バルクレイモデルよりも AICが大きくな1166
った.修正ビンガムモデルおよび修正ハーシェル・バルクレイモデルを比較すると,1167
16MTPC80 Sec7W の試料では修正ビンガムモデルの AICは僅かに修正ハーシェル・バ1168
ルクレイモデルを下回ったが,それ以外の試料では修正ハーシェル・バルクレイモデル1169
の AICは修正ビンガムモデルよりも小さくなった.すなわち,近似精度の良い順に修正1170
ハーシェル・バルクレイモデル,修正ビンガムモデル,擬塑性流体モデルとなった. 1171
1172
Table 4.14 残差二乗和の平均および AIC平均の一覧 1173
1174
1175
1176
P model BM model HBM model P model BM model HBM model16MTPC78 Sec3W 67.1 2.06 1.58 -4.84 -26.4 -30.1
16MTPC79 Sec3W 66.0 4.78 5.89 -4.05 -20.1 -20.8
16MTPC79 Sec4W 56.0 4.66 5.45 -5.43 -21.0 -23.2
16MTPC80 Sec6W 56.0 2.53 2.93 -4.37 -21.1 -22.9
16MTPC80 Sec7W 62.9 3.17 4.08 -3.68 -21.7 -21.3
16MTPC81 Sec7W 73.3 4.84 4.90 -1.99 -18.3 -21.3
NameAverage of S Average of AIC
163
4.2.2 レアアース含有量について 1177
Fig.4.130 に泥水スラリーを擬塑性流体モデルとみなした場合の擬塑性粘度K と海水1178
粘度 μとの比 μ/K と体積濃度 の関係をレアアース含有量ごとに色分けしたものを1179
示す.試料によってせん断応力に顕著な違いは無く,レアアース含有量による影響は1180
見られない. 1181
Fig.4.131 に泥水スラリーを擬塑性流体モデルとみなした場合のレオロジー定数 nと1182
体積濃度 の関係をレアアース含有量ごとに色分けしたものを示す.体積濃度 1.0 な1183
いし 5.0%までは試料によって多少ばらつきはあるが,レアアース含有量による影響は1184
見られない.また体積濃度 5.0 ないし 10.0%の範囲でもレアアース含有量による影響は1185
見られない. 1186
Fig.4.132 に泥水スラリーを修正ビンガムモデルとみなした場合の粘度 Bμ と海水粘度1187
μとの比 μμ /B と体積濃度 XC の関係をレアアース含有量ごとに色分けしたものを示1188
す.試料によってせん断応力に顕著な違いは無く,レアアース含有量による影響は見1189
られない. 1190
Fig.4.133 に泥水スラリーを修正ビンガムモデルとみなした場合の降伏応力 yτ と体積1191
濃度 XC の関係をレアアース含有量ごとに色分けしたものを示す.試料によってせん1192
断応力に顕著な違いは無く,レアアース含有量による影響は見られない. 1193
Fig.4.134 に泥水スラリーを修正ビンガムモデルとみなした場合の補正係数mと体積1194
XC
XC
164
濃度 XC の関係をレアアース含有量ごとに色分けしたものを示す.試料によって補正1195
係数に顕著な違いが見られ,レアアース含有量 1000 ppm の試料より作成した泥水スラ1196
リーの補正係数は他の試料に比べ低いが,それ以外のレアアース含有量では降伏応力1197
との関係が見られないため,レアアース含有量による影響はないと考えられる. 1198
Fig.4.135 に泥水スラリーを修正ハーシェル・バルクレイモデルとみなした場合の粘1199
度K と海水粘度 μとの比 μ/K と体積濃度 の関係をレアアース含有量ごとに色分け1200
したものを示す.試料によって粘度に顕著な違いが見られるが,レアアース含有量に1201
よる影響は見られない. 1202
Fig.4.136 に泥水スラリーを修正ハーシェル・バルクレイモデルとみなした場合のレ1203
オロジー定数 と体積濃度 XC の関係をレアアース含有量ごとに色分けしたものを示1204
す.試料によってレオロジー定数に顕著な違いが見られるが,レアアース含有量によ1205
る影響は見られない. 1206
Fig.4.137 に泥水スラリーを修正ハーシェル・バルクレイモデルとみなした場合の降1207
伏応力 yτ と体積濃度 XC の関係をレアアース含有量ごとに色分けしたものを示す.試1208
料によって降伏応力に顕著な違いはなく,レアアース含有量による影響は見られな1209
い. 1210
Fig.4.138 に泥水スラリーを修正ハーシェル・バルクレイモデルとみなした場合の補1211
正係数mと体積濃度 XC の関係をレアアース含有量ごとに色分けしたものを示す.試1212
XC
n
165
料によって補正係数に顕著な違いが見られ,レアアース含有量 1000 ないし 2000 ppm 1213
の補正係数が小さく,レアアース含有量 3500 ないし 4000 ppm の補正係数が大きくな1214
るように見える.しかしそれ以外のレアアース含有量では補正係数との関係性が見ら1215
れないため,レアアース含有量による影響はないと考える. 1216
1217
1218
Fig.4.130 擬塑性粘度K と海水粘度 μとの比 μ/K と体積濃度 XC の関係 1219
(レアアース含有量別,擬塑性流体モデル) 1220
1221
1222
1223
166
1224
Fig.4.131 レオロジー定数 nと体積濃度 XC の関係 1225
(レアアース含有量別,擬塑性流体モデル) 1226
1227
1228
1229
167
1230
Fig.4.132 粘度 Bμ と海水粘度μとの比 μμ /B と体積濃度 XC の関係 1231
(レアアース含有量別,修正ビンガムモデル) 1232
1233
1234
1235
168
1236
Fig.4.133 降伏応力 yτ と体積濃度 XC の関係 1237
(レアアース含有量別,修正ビンガムモデル) 1238
1239
1240
1241
169
1242
Fig.4.134 補正係数mと体積濃度 XC の関係 1243
(レアアース含有量別,修正ビンガムモデル) 1244
1245
1246
1247
170
1248
Fig.4.135 粘度K と海水粘度 μとの比 μ/K と体積濃度 XC の関係 1249
(レアアース含有量別,修正ハーシェル・バルクレイモデル) 1250
1251
1252
1253
171
1254
Fig.4.136 レオロジー定数 と体積濃度 XC の関係 1255
(レアアース含有量別,修正ハーシェル・バルクレイモデル) 1256
1257
1258
1259
n
172
1260
Fig.4.137 降伏応力 yτ と体積濃度 XC の関係 1261
(レアアース含有量別,修正ハーシェル・バルクレイモデル) 1262
1263
1264
173
1265
Fig.4.138 補正係数mと体積濃度 XC の関係 1266
(レアアース含有量別,修正ハーシェル・バルクレイモデル) 1267
1268
4.3 結言 1269
本章では円錐平板型回転粘度計を用いて第 3 章で作成したレアアース堆積物泥水ス1270
ラリー試料の流動特性を測定した. また,得られた流動特性値の結果を擬塑性流体モ1271
デル,修正ビンガムモデル,修正ハーシェル・バルクレイモデルの 3 つの非ニュートン1272
モデルで近似し,各試料の比較を行った.測定のデータから,泥水スラリーの流動特性1273
を擬塑性流体モデル,修正ビンガムモデル,修正ハーシェル・バルクレイモデルとみな1274
し近似を試みた.各近似式をもとに,泥水スラリー体積濃度 1.0 ないし 10.0%の範囲で,1275
174
体積濃度に関して各パラメータの流動特性のパラメータを推定する実験式を作成した.1276
その結果,以下のことが明らかにされた. 1277
(1) レアアース堆積物泥水スラリーは,体積濃度 1.0 ないし 10.0%の範囲で非ニュート1278
ン流体の特性を示し,泥水スラリー体積濃度が増加するにつれせん断応力は大きくなる.1279
泥水スラリー体積濃度が小さい場合 (1.0 ないし 3.0%) には,その特性は,ずり速度の1280
全領域にわたって両対数グラフ上でほぼ直線となり,擬塑性流体モデルに近い特性を示1281
す.泥水スラリー体積濃度が 4.0%以上では,ずり速度 9.575 1/s あるいは 19.15 1/s より1282
大きい領域では,擬塑性流体モデル,あるいはビンガムモデルおよびハーシェル・バル1283
クレイモデルに近い特性を示す.一方,ずり速度が 9.575 1/s あるいは 19.15 1/s より小1284
さくなると,その傾きが大きくなり,全ずり速度領域でみると,全体として折れ曲がっ1285
た曲線となる. 1286
(2) 採取位置と採取深度が異なり,レアアース含有量の異なるレアアース堆積物の泥1287
水スラリーの流動特性は,泥水スラリー体積濃度が同じ条件では,ほぼ同様の特性を示1288
す. 1289
(3) 擬塑性流体として近似した場合,ずり速度が小さい領域では,せん断応力の測定デ1290
ータが近似式より大きく,それ以上のずり速度では,測定データが近似式より小さい. 1291
(4) 修正ビンガムモデルと近似した場合,ずり速度が 38.3 1/s より小さい範囲で,近似1292
式は測定データを良く近似する.ずり速度が更に増加すると測定データと近似式との差1293
175
が大きくなった.しかし泥水スラリー体積濃度の増加と共に,その差は小さくなった. 1294
(5) 修正ハーシェル・バルクレイモデルで近似した場合,泥水スラリー体積濃度 1.0 な1295
いし 10.0%の範囲の全てのずり速度の範囲で,近似式は測定データを精度良く近似した. 1296
(6) 擬塑性流体モデル,修正ビンガムモデルおよび修正ハーシェル・バルクレイモデル1297
それぞれの流動特性パラメータについて,泥水スラリー体積濃度との関係を表す関係式1298
(4.1) ないし (4.10) を作成した. 1299
1300
1301
1302
1303
1304
1305
1306
1307
1308
1309
1310
1311
176
5. 結論 1312
本研究では,レアアース堆積物揚泥システムパラメータの設定のため, (独)石油天然1313
ガス・金属鉱物資源機構 (JOGMEC) 殿より提供された南鳥島海域の 6 本の試料を用い1314
て流動特性値を求めた. 1315
以下に各章で得られた結言を再記する. 1316
第 2 章では南鳥島海域で採取された採取位置と深度およびレアアース含有量が異な1317
るレアアース堆積物 (16MTPC78 Sec3W,16MTPC79 Sec3W,4W,16MTPC80 Sec6W,1318
7W,16MTPC81 Sec7W) の写真,採取深度および基礎物性 (レアアース含有量,粒度分1319
布,含水比および乾燥密度) について示した. 1320
第 3 章では南鳥島海域で採取された,採取地点と深度が異なるレアアース堆積物の試1321
料 (16MTPC78 Sec3W,16MTPC79 Sec3W,4W,16MTPC80 Sec6W,7W,16MTPC81 1322
Sec7W) から体積濃度 1.0 ないし 10.0%の計 60 個の泥水試料を作成した.泥水スラリー1323
のずり速度に対するせん断応力の変化は非線形性を示すため,泥水スラリーの近似には1324
擬塑性流体則モデル,修正ビンガムモデルおよび修正ハーシェル・バルクレイモデルを1325
用いる.また体積濃度が 1.0,2.0,3.0,4.0,5.0,6.0,7.0,8.0,9.0 および 10.0%での1326
それぞれの攪拌時間として,20,40,60,90,120,120,120,120,120 および 180 min 1327
を設定した. 1328
第 4 章では第 3 章で作成したレアアース堆積物泥水スラリー試料の流動特性を測定1329
177
した.また,得られた流動特性値の結果を擬塑性流体モデル,修正ビンガムモデル,修1330
正ハーシェル・バルクレイモデルの 3 つの非ニュートンモデルで近似し,各試料の比較1331
を行った.測定のデータから,泥水スラリーの流動特性を擬塑性流体モデル,修正ビン1332
ガムモデル,修正ハーシェル・バルクレイモデルとみなし近似を試みた.各近似式をも1333
とに,泥水スラリー体積濃度 1.0 ないし 10.0%の範囲で,体積濃度に関して各パラメー1334
タの流動特性のパラメータを推定する実験式を作成した.その結果,以下のことが明ら1335
かにされた. 1336
(1) レアアース堆積物泥水スラリーは,体積濃度 1.0 ないし 10.0%の範囲で非ニュート1337
ン流体の特性を示し,泥水スラリー体積濃度が増加するにつれせん断応力は大きくなる.1338
泥水スラリー体積濃度が小さい場合 (1.0 ないし 3.0%) には,その特性は,ずり速度の1339
全領域にわたって両対数グラフ上でほぼ直線となり,擬塑性流体モデルに近い特性を示1340
す.泥水スラリー体積濃度が 4.0%以上では,ずり速度 9.575 1/s あるいは 19.15 1/s より1341
大きい領域では,擬塑性流体モデル,あるいはビンガムモデルおよびハーシェル・バル1342
クレイモデルに近い特性を示す.一方,ずり速度が 9.575 1/s あるいは 19.15 1/s より小1343
さくなると,その傾きが大きくなり,全ずり速度領域でみると,全体として折れ曲がっ1344
た曲線となる. 1345
(2) 採取位置と採取深度が異なり,レアアース含有量の異なるレアアース堆積物の泥1346
水スラリーの流動特性は,泥水スラリー体積濃度が同じ条件では,ほぼ同様の特性を示1347
178
す. 1348
(3) 擬塑性流体として近似した場合,ずり速度が小さい領域では,せん断応力の測定デ1349
ータが近似式より大きく,それ以上のずり速度では,測定データが近似式より小さい. 1350
(4) 修正ビンガムモデルと近似した場合,ずり速度が 38.3 1/s より小さい範囲で,近似1351
式は測定データを良く近似する.ずり速度が更に増加すると測定データと近似式との差1352
が大きくなった.しかし泥水スラリー体積濃度の増加と共に,その差は小さくなった. 1353
(5) 修正ハーシェル・バルクレイモデルで近似した場合,泥水スラリー体積濃度 1.0 な1354
いし 10.0%の範囲の全てのずり速度の範囲で,近似式は測定データを精度良く近似した. 1355
(6) 擬塑性流体モデル,修正ビンガムモデルおよび修正ハーシェル・バルクレイモデル1356
それぞれの流動特性パラメータについて,泥水スラリー体積濃度との関係を表す関係式1357
(4.1) ないし (4.10) を作成した. 1358
以上,南鳥島海域深海底のレアアースを,流体ドレッジ法を用いて輸送する場合,揚1359
鉱管内に供給されるレアアース堆積物泥水スラリーの流動特性について明らかにする1360
ことが出来た.ただし,設定するパラメータ数が多くなることや,揚鉱システムの性能1361
を推定する場合に必要な,泥水スラリー体積濃度からこれらパラメータを推定する実験1362
式を作るときに,個々の試料から得られるパラメータのばらつきが大きくなってしまっ1363
たことなど,今後更に検討すべき点があることも明らかとなった. 1364
1365
179
謝辞 1366
本研究は, (独) 石油天然ガス・金属鉱物資源機構の委託業務「平成 28 年度深海底資1367
源基礎調査に係るレアアース堆積物揚泥特性の予測技術開発調査」の中で実施された.1368
資源エネルギー庁, (独) 石油天然ガス・金属鉱物資源機構の関係各位にお礼申し上げ1369
る.またご指導頂いた,東海大学海洋学部 清水 賀之 教授,元東海大学海洋学部教授 1370
益山 忠 博士,元一関工業高等専門学校教授 畠山 信夫 博士にお礼申し上げる. 1371
1372
1373
1374
1375
1376
1377
1378
1379
1380
1381
1382
1383
180
参考文献 1384
1) Kato et al.:”Deep-sea mud in the Pacific Ocean as a potential resource for rare-earth 1385
elements”,Nature geoscience Letters,vol.4,pp535-539, (2011). 1386
2) 資源環境技術総合研究所:特集「海洋資源総合基盤技術 (マンガン団塊採鉱システ1387
ム) 」の研究開発,資源と環境,Vol.8,No.1,(1999). 1388
3) 下辻,岡田:“南鳥島海域レアアース堆積物泥水スラリーの流動特性-採取位置の異1389
なるレアアース試料および非ニュートン流体モデルについて-”,東海大学卒業論文,1390
(2017). 1391
4) (独) 石油天然ガス・金属鉱物資源機構,南鳥島海域のレアアース泥に関する勉強1392
会報告書,(2013). 1393
5) 「レアアース泥開発推進コンソーシアム」 第 2 年度活動報告会,(東京大学コンソ1394
ーシアム). 1395
6) 河面,野村,若林,古谷:“南鳥島海域レアアース泥泥水スラリーの流動特性 -高濃度レ1396
アアース試料について-”,東海大学卒業論文,(2016). 1397
7) Okamoto,N.:“Current Status of Japanese Deep-sea Mining Technologies”,World 1398
NAOE Forum 2017,56-65 (2017). 1399
8) 花村 他:“南鳥島海域レアアース堆積物泥水スラリーの流動特性”2016 年 8 月,資1400
源・素材学会平成 29 (2016) 年度春季大会. 1401
181
9) 花村 他:“南鳥島海域レアアース泥泥水スラリーの流動特性”2017 年 4 月,資源・1402
素材学会平成 29 (2017) 年度春季大会. 1403
10) 花村 他:“南鳥島海域レアアース堆積物泥水スラリーの流動特性-高濃度レアアー 1404
スの場合-”2017 年 4 月,資源・素材学会平成 29 (2017) 年度秋季大会. 1405
11) Papanastasiou,T.C.:“Papanastasiou's contributions to rheology and computational 1406
fluid mechanics”,J.Rheology,31 (1987),385-404. 1407
12) Mitsoulis,E.:“Flows of viscoplastic materials: models and computations”,Rheology 1408
Review,(2007),135-178. 1409
13) Asakura,K.et al.:“Transport Characteristics of Highly Concentrated Paste backfill 1410
Mixes”,J.of MMIJ,120,(2004),217-221 (in Japanese). 1411
14) 中川,小柳: 小二乗法による実験データ解析,東京大学出版会,150-156, 1412
(1982). 1413
15) 東機産業株式会社:”TV-20 形粘度計コーンプレートタイプ取扱説明書”, 1414
(2002),110-115. 1415
16) 東機産業株式会社:”TV-25 形粘度計コーンプレートタイプ取扱説明書”, 1416
(2011),121-126. 1417
17) 鶴谷,中野,鷹濱:”回転粘度計による低泥の流動特性の検討”,Technical Note of 1418
the Port and harbor Research Institute,Ministry of Transport,Japan.No.566, 1419
182
(1986). 1420
18) 鈴木,長島:“高圧力下における海水の粘性係数”,日本機械学会論文集 (B 編), 1421
46 (408),1574-1582,(1980). 1422
1423
Top Related