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1 材料力学Ⅰ 練習問題 5 章解答例 5.1≪解答例≫ (a) 上下対称の形状であるため,中立軸は上下方向 の真中になる。中立軸に対する全体の断面形状の断 面二次モーメント z I は,正方形の断面二次モーメント sz I から円形の断面二次モーメント cz I を引けばよい。 ここで,公式から, 4 12 sz a I (1.1) 4 64 cz d I (1.2) したがって, 4 4 12 64 z sz cz a d I I I (1.3) 上下対称であるから, 1 2 2 a e e e (1.4) 断面係数は, 3 4 6 32 z I a d Z e a (1.5) (b) 断面 2 次モーメントが既知である基本形状の,三 角形 4 つと長方形1つに分けて,それぞれの断面 2 モーメントの和によって,総合の断面 2 次モーメントと する方法もあるが,ここでは,断面 2 次モーメントの定 義式から積分によって求める方法を示す。 解図 1.1 より, y の位置における微小幅 dy の幅 y b は次式で表される。 0 y の場合 2 ( 2) 3 /2 2 2 3 y y b a a a a y a (1.6) 解図 1.1 正六角形の断面二次モーメント 0 y の場合 2 ( 2) 3 /2 2 2 3 y y b a a a a y a (1.7) 断面 2 次モーメントの定義より, 3 /2 0 2 2 0 3 /2 3 /2 2 0 0 2 3 /2 3 4 3 /2 0 3 4 0 3 /2 4 4 4 4 4 2 ( ) 3 2 ( ) 3 1 2[ ] 3 4 3 1 2[ ] 3 4 3 3 33 2( ) 8 64 3 33 2( ) 8 64 53 16 a z y y a a a a a I y b dy y b dy y y a dy y y a dy a y y a y y a a a a a (1.8) 断面係数 Z は, y y dy z b y a 2a 3 2 a 3 2 a

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1

材料力学Ⅰ 練習問題 5 章解答例

【5.1】

≪解答例≫

(a) 上下対称の形状であるため,中立軸は上下方向

の真中になる。中立軸に対する全体の断面形状の断

面二次モーメント zI は,正方形の断面二次モーメント

szI から円形の断面二次モーメント czI を引けばよい。

ここで,公式から,

4

12sz

aI (1.1)

4

64cz

dI

(1.2)

したがって,

4 4

12 64z sz cz

a dI I I

(1.3)

上下対称であるから,

1 2 2

ae e e (1.4)

断面係数は,

3 4

6 32zI a d

Ze a

(1.5)

(b) 断面 2 次モーメントが既知である基本形状の,三

角形 4 つと長方形1つに分けて,それぞれの断面 2 次

モーメントの和によって,総合の断面 2 次モーメントと

する方法もあるが,ここでは,断面 2 次モーメントの定

義式から積分によって求める方法を示す。

解図 1.1 より, y の位置における微小幅 dy の幅 yb

は次式で表される。

0y の場合

2 ( 2 )3 / 2

22

3

y

yb a a a

ay

a

(1.6)

解図 1.1 正六角形の断面二次モーメント

0y の場合

2 ( 2 )3 / 2

22

3

y

yb a a a

ay

a

(1.7)

断面 2 次モーメントの定義より,

3 /2 02 2

0 3 /2

3 /2 2

0

0 2

3 /2

3 4 3 /20

3 4 0

3 /2

4 4

4 4

4

2 ( )3

2 ( )3

12[ ]

3 4 31

2[ ]3 4 3

3 3 32( )

8 64

3 3 32( )

8 64

5 3

16

a

z y ya

a

a

a

a

I y b dy y b dy

yy a dy

yy a dy

ay y

ay y

a a

a a

a

(1.8)

断面係数 Z は,

y

y

dy

z

by

a

2a

3

2a

3

2a

Page 2: y I a dy I by z - Tottori University

2

1 2

3

2e e a e (1.9)

であるので,

4 35 3 2 5

16 83zI

Z a ae a

(1.10)

(c) 解図 1.2 に示すように,直径を 1z 座標とし r 座

標系を考える。

図 1.2 半円の中立軸に平行な座標系 z1

中立軸の位置を求めるために,断面一次モーメント

1zJ を求める。

1 0 0

r r

z yJ ydA yb dy

ここで,

siny r

cos cosdy

r dy r dd

2 cosyb r

したがって,

1

/2 3 2

0

3 3 /2 30

2 sin cos

1 22 [ cos ]

3 3

zJ r d

r r

(1.11)

一方,半年の面積 A は,

2

2

rA

(1.12)

一方,半円の中立軸までの距離 e は,

1

3

2

2 2 4

3 3zJ r r

eA r

(1.13)

中立軸 z に関する断面二次モーメント zI と中立軸に

平行な 1z 軸に関する端面二次モーメント1z

I の間には,

次の平行軸の定理が成り立つ。

1

2z zI I e A (1.14)

ここで,

1

2 2

0 0

/2 4 2 2

0

4/2 2

0

4/2

0

4 4/2

0

2 sin cos

sin 22

(1 cos 4 )4

1[ sin 4 ]

4 4 8

r r

z yI y dA y b dy

r d

rd

rd

r r

(1.15)

したがって,

1

2 22 4

2

4

16

8 9 28

( )8 9

z z

r rI I e A r

r

(1.16)

また,

1

3 4

3e r e r

(1.17.1)

2

4

3e e r

(1.17.2)

したがって,

41

1

3

8 3( )8 9 (3 4)

3 8( )

(3 4) 8 9

zIZ r

e r

r

(1.18.1)

y

dy

z1

y

by

2r

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3

42

2

3

8 3( )8 9 4

3 8( )

4 8 9

zIZ r

e r

r

(1.18.2)

【5.2】

≪問題訳≫

図 5.57 に示されるように,面積の中心を通り水平軸

に対する断面二次モーメントを求めよ。

≪解答例≫

解図 2.1 に示すように,H 型鋼は 3 つの長方形に分

けることができる。それぞれの長方形の断面二次モー

メント 1I , 2I は,

解図 2.1 3 つの長方形から成る H 型鋼

3 341 1

1

5 203333 mm

12 12

b hI

(2.1)

3 342 2

2

20 5208.3 mm

12 12

b hI

(2.2)

したがって,全体の断面二次モーメント I は,

1 2

4 4

2 2 3333.3 208.3

6874.9 mm 6875 mm

I I I

(2.3)

【5.3】

解図 3.1 に示すように,丸棒から最大の長方形断面

の棒を切り出すとき,円形断面に接する。三平方の定

理より,

2 2 2b h d (3.1)

解図 3.1 長方形の幅,高さと直径の関係

(a) 最大曲げ応力は次式で与えられる。

max

M

Z (3.2)

したがって,断面係数が最大になるように長方形断面

を切り出せば,曲げ応力を最小にできる。長方形断面

の断面係数は式(3.1)を考慮して,

2 2 2( )

6 6

bh b d bZ

(3.3)

変数 b で微分して,

2 230

6

dZ d b

db

(3.4)

極を求めると,

3

db (3.5)

増減表を作ると,

b 0 / 3d d

/dZ db 2 / 6d 0 2 / 3d

Z 0 3 / 9 3d 0

z

h1h2

b1b2b1

y

z

b

hd

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4

したがって,最大の断面係数は,

3

db (3.6)

2 2 2

3d d b d (3.7)

(b) たわみを最小にするためには,曲げ剛性を最大

にすればよい。すなわち,形状に関しては,断面 2 次

モーメントを最大にすればよい。長方形断面の断面 2

次モーメントは,

3 2 2 3

12 12

bh d h hI

(3.8)

変数 h で微分して,

2 5 7 2 2 5

2 6 8 2 6 8

(6 8 ) (3 4 )0

24 12

dI d h h d h h

dh d h h d h h

(3.9)

極を求めると,

3

2h d (3.10)

増減表を作ると,

h 0 3 / 2d d

/dZ dh 0 0

Z 0 43 / 64d 0

したがって,最大の断面係数は,

3

2h d (3.11)

2 2

2

db d h (3.12)

【5.4】

≪問題訳≫

図 5.58 に示されるように,単純支持はり AB が長さ l

= 4m でスパン全体に q = 10N/m の等分布荷重がかか

っている。断面形状は長方形である。最大の曲げ応力

max と最大の平均せん断応力 max を求めよ。

≪解答例≫

全体のフリーボディダイアグラムを描くと解図 4.1 となる。

解図 4.1 全体のフリーボディダイアグラム

左右対称であるから,

A B 2

qlR R (4.1)

任意の位置 x での仮想断面を考え,仮想断面を含む

FBD を描くと解図 4.2 となる。

解図 4.2 仮想断面を含む部分的 FBD

力のつり合いから,

A 0F qx R

A ( 2 )2

qF R qx l x (4.2)

仮想断面回りのモーメントのつり合いから,

A 02

xM qx R x

2

( )2 2A

qx qxM R x l x (4.3)

SFD と BMD は解図 4.3 となる。

A

q

B

RA RB

A

q

RA

x

MF

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5

解図 4.3 SFD と BMD

任意の仮想断面上の最大応力は次式で与えられる。

max 2

6M M

Z bh (4.4)

したがって,はり全体での最大応力は最大モーメント

の位置,すなわちはりの中心で生じる。

2max

max 2 2

2

3 3 2

6 2

6 3

4

3 10 4

4 10 10 (5 10 )

480 10 N/m

480 MPa

M ql

bh bh

(4.5)

最大平均せん断応力は,最大のせん断力が生じる位

置で生じる。すなわち,A 点,B 点である。

maxmax

3 3

6 2

210 4

2 10 10 5 10

0.4 10 N/m

0.4 MPa

F ql

A bh

(4.6)

【5.5】

≪解答例≫

(a)

全体のフリーボディダイアグラムは解図 5.1 となる。

解図 5.1 全体のフリーボディダイアグラム

左右対称であるから,

A B 2

bqR R (5.1)

3 つの区間に分けて,仮想断面に作用するせん断力F

とモーメント M を求めると,

(i) AC 間

AC 間の仮想断面を含む FBD は解図 5.2 となる。

解図 5-2 AC 間の仮想断面を含む FBD

力のつり合いより,

A A02

bqF R F R (5.2)

仮想断面回りのモーメントのつり合いより,

A A02

bqM R x M R x x (5.3)

(ii) CD 間

CD 間の仮想断面を含む FBD は解図 5.3 となる。

解図 5.3 CD 間の仮想断面を含む FBD

SFD

BMD

2

ql

2

qlA

B

2

8

ql

BA

q

RA RB

C DA B

RA

A F M

x

q

RA

CA F M

x

(l-b)/2

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6

力のつり合いより,

A ( ) 02

l bF R q x

A ( ) ( )2 2

l b lF R q x q x

(5.4)

仮想断面回りのモーメントのつり合いより,

2A ( ) 0

2 2

q l bM R x x

2A

2

2 2

( )2 2

( )2 2 2

{ ( ) }2 2

q l bM R x x

bq q l bx x

q l bx lx

(5.5)

(iii) DB 間

DB 間の仮想断面を含む FBD は解図 5.4 となる。

解図 5.4 DB 間の仮想断面を含む FBD

力のつり合いより,

B B02

bqF R F R (5.6)

仮想断面回りのモーメントのつり合いより,

B B( ) ( ) ( )2

bqM R l x M R l x l x

(5.7)

以上より,SFD と BMD を描くと図 5.5 となる。

解図 5.5 SFD と BMD

(b)

各位置でのモーメント M に対する最大応力 max は

断面係数を Z とすると,式(5.7)で与えられる。

max

M

Z (5.7)

したがって,最大応力はモーメントに比例しており,は

り全体での最大応力は,最大モーメントの位置で生じ

る。一方,【5.5(a)】の結果より,BMD が解図 5.5 のよう

に得られている。その最大モーメントは, / 2x l の位

置で,その値は式(5.8)となる。

max

(2 )

8

qb l bM

(5.8)

正方形断面形状の断面係数 Z は,

4 32

12 6

a aZ

a (5.9)

したがって,最大応力 max は,

maxmax 3

3

(2 ) 6

83 (2 )

4

M qb l b

Z aqb l b

a

(5.10)

【5.6】

≪解答例≫

全体のフリーボディダイアグラムを描くと,解図 6.1 と

なる。

RB

BM F

l-x

-qb/2

qb/2

CD

AB

BMD b(l-b)/2 (l-b)/2

qb(l-b)/4qb(2l-b)/8

C DA B

SFD

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7

解図 6.1 全体のフリーボディダイアグラム

支持点 B,C での反力は,力のつり合いとモーメント

のつり合いから求めることができるが,ここでは左右対

称であることを利用して,

B C (2 )2

qR R a l (6.1)

SFD と BMD を描くために,3 区間に分けてせん断力

F と曲げモーメント M を求める。

(i) AB 間

AB 間の仮想断面を含む FBD は解図 6.2 となる。

解図 6.2 AB 間の仮想断面を含む FBD

力のつり合いから,

0F qx F qx (6.2)

仮想断面回りのモーメントのつり合いから,

221

02 2

qxM M qx (6.3)

(ii) BC 間

BC 間の仮想断面を含む FBD は解図 6.3 となる。

解図 6.3 BC 間の仮想断面を含む FBD

力のつり合いから,

B 0F qx R

B ( )2

lF qx R q a x (6.4)

仮想断面回りのモーメントのつり合いから,

2

B ( ) 02

qxM R x a

2

2

1 1( 2 )( )

2 21

{ ( 2 )( )}2

M qx q l a x a

q x l a x a

(6.5)

(iii) CD 間

CD 間の仮想断面を含む FBD は解図 6.4 となる。

解図 6.4 CD 間の仮想断面を含む FBD

力のつり合いから,

0F qx F qx (6.6)

仮想断面回りのモーメントのつり合いから,

2( 2 )0

2

q l a xM

21( 2 )

2M q x l a (6.7)

以上から,SFD,BMD は解図 6.5 となる。

q

RB RC

AB C

D

q

A F M

x

q

RB

AB

x-a

x

F M

D

q

M F

l+2a-x

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8

解図 6.5 SFD と BMD

【5.7】

≪問題訳≫

図 5.61 に示されるように,合板はりが断面積 4cm ×

6cm になるように 3 枚の 2cm×4cm の板が貼り付けられ

て い る 。 貼 り 付 け 接 合 の 許 容 せ ん 断 応 力 は

5 MPaa である。もしはりが 10cm の長さで,両端が

単純支持される場合,スパンの真中にかけることがで

きる安全な荷重 Pmax はどれだけか。対応する最大曲

げ応力はどれだけか。

≪解答例≫

解図 7.1 に示すように,断面を高さ h,幅 b の長方形

断面で,中立軸を原点に下向きに y 座標を考える。

解図 7.1 断面の座標系

長方形断面の場合,断面に生じるせん断応力は,教

科書 p.78,式(5.40)から,

2

2

3 4(1 )

2

F y

bh h (7.1)

したがって。接着剤で貼り合わせている面の y 座標を

代入すれば,その面に作用するせん断応力が求めら

れる。最大のせん断応力が許容せん断応力以下にな

ればよい。そのためには,式(7.1)から最大となるせん

断力を求める必要がある。このはりは単純支持で中央

に集中荷重が作用するから,軸方向の全体のフリーボ

ディダイアグラムを描くと,解図 7.2 となる。

解図 7.2 全体のフリーボディダイアグラム

左右対称であることから,

A B 2

PR R (7.2)

最大のせん断力を求めるため,区間に分けて仮想断

面に生じるせん断力とモーメントを求めていく。

(i) 区間 1 0 / 2x l

この区間の仮想断面を含む FBD は解図 7.3 となる。

解図 7.3 0 / 2x l 間の仮想断面を含む FBD

力のつり合いから,

A A02

PF R F R (7.3)

仮想断面回りのモーメントのつり合いから,

A A02

PM R x M R x x (7.4)

(ii) 区間 2 / 2l x l

この区間の仮想断面を含む FBD は解図 7.4 となる。

ql/2

-ql/2-qa

qaA B

C D

SFD

BMD

-qa2/2-qa2/2

l aa

q(l2-4a2)/8

A B C D

b

z

y

h

P

A B

RA RB

A

RA

x

F M

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9

解図 7.4 / 2l x l 間の仮想断面を含む FBD

力のつり合いから,

B B02

PF R F R (7.5)

仮想断面回りのモーメントのつり合いから,

B B( ) 0 ( ) ( )2

PM R l x M R l x l x

(7.6)

以上から SFD と BMD は解図 7.5 となる。

解図 7.5 SFD と BMD

したがって,せん断力 F の最大値は P/2 である。接着

面の y 座標を ygとすると,式(7.1)より,

2

2

43(1 )

4 a

yP

bh h g (7.7)

P について解いて,

3

2 2

4

3( 4 )abh

Ph y

g

したがって,

3

max 2 2

3 6

2 2

4

3( 4 )

4 0.04 0.06 5 10

3(0.06 4 0.01 )

18000 N 18 kN

abhP

h y

g

(7.8)

一方,解図 7.5 の BMD より最大の曲げモーメントは,

maxmax

3

4

18 10 0.1450 Nm

4

P lM

(7.9)

したがって最大応力は,

max maxmax 2

2

6

6

6 450

0.04 0.06

18.75 10 Pa 18.8 MPa

M M

Z bh

(7.10)

【5.8】

≪問題訳≫

図 5.62 に示されるはりに対して,SFD と BMD を描

き,点 B におけるたわみ B とたわみ角 B を求めよ。曲

げ剛性は EI とせよ。

≪解答例≫

全体のフリーボディダイアグラムを解図 8-1 に示す。

解図 8-1 全体のフリーボディダイアグラム

力のつり合いから,

A C 0R R (8.1)

A 点回りのモーメントのつり合いから,

B

RB

l-x

FM

P/2

-P/2

SFD

A B

Pl/4

l/2A B

BMD

CAB

M0

RA

RC

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10

00 C C0

MM R l R

l (8.2)

式(8.2)を式(8.1)に代入して,

0A C

MR R

l (8.3)

次に,SFD と BMD を描くために,2 つの区間に分け

て,せん断力 F と曲げモーメント M を求める。

(i) AB 間

AB 間の仮想断面を含む FBD は解図 8.2 になる。

解図 8.2 AB 間の仮想断面を含む FBD

力のつり合いから,

0A A0

MF R F R

l (8.4)

仮想断面回りのモーメントのつり合いから,

0A A0

MM R x M R x x

l (8.5)

(ii) BC 間

BC 間の仮想断面を含む FBD は解図 8.3 になる。

解図 8.3 BC 間の仮想断面を含む FBD

力のつり合いから,

0C C0

MF R F R

l (8.6)

仮想断面回りのモーメントのつり合いから,

C ( ) 0M R l x

0C ( ) ( )

MM R l x l x

l (8.7)

以上から,SFD と BMD は解図 8.4 となる。

解図 8.4 SFD と BMD

2 区間に分けてたわみ曲線を求める。

(i) AB 間

たわみの基礎式に式(8.5)のモーメントを代入すると,

201

2

Md y Mx

EI EIldx (8.8)

順次積分して,

201

1 1( )2

Mdy xC

dx EIl (8.9)

30

1 1 2( )6

M xy C x C

EIl (8.10)

(ii) BC 間

たわみの基礎式に式(8.7)のモーメントを代入すると,

202

2( )

Md y Mx l

EI EIldx (8.11)

順次積分して,

2022 3

1{ ( ) }

2

Mdyx l C

dx EIl (8.12)

A

RA

F M

x

C

RC

M F

l-x

A C

-M0/l

bM0/l

-aM0/l

a b

SFD

BMD

Page 11: y I a dy I by z - Tottori University

11

302 3 4

1{ ( ) ( ) }

6

My x l C x l C

EIl (8.13)

境界条件は,

0x で 1 0y (8.15)

x l で 2 0y (8.16)

連続の条件は,

x a で 1 2 (8.17)

x a で 1 2y y (8.18)

境界条件を用いる。式(8.15)を式(8.10)に,式(8.16)を

式(8.13)に適用して,

2 4 0C C (8.19)

連続の条件,式(8.17)と式(8.18)を適用すると,

22

1 3

1( )

2 2

aC a l C

2 21 3

1( )

2C C b a (8.20)

33

1 3

1( ) ( )

6 6

aC a a l C a l

3 31 3

1( )

6C a C b a b (8.21)

式(8.20)と式(8.21)の連立方程式を解いて,

2 21

1(2 2 )

6C b ab a (8.22)

2 23

1( 2 2 )

6C b ab a (8.23)

したがって,

22 201

1

1{ (2 2 )}

2 6

Mdy xb ab a

dx EIl (8.24)

32 20

1

1{ (2 2 ) }

6 6

M xy b ab a x

EIl (8.25)

B 点では,x=a を代入して,

B 1

32 20

0

( )

1{ (2 2 ) }

6 6( )

3

y a

M ab ab a a

EIlMab b a

l EI

(8.26)

B 1

22 20

2 20

2 20

20

20

( )

1{ (2 2 )}

2 6

( )

3

( 2 3 )

3

{( ) 3 }

3

3

3

a

M ab ab a

EIlMb ab a

l EIMb ab a ab

l EIMa b ab

l EIMl ab

l EI

(8.27)

【5.9】

≪解答例≫

非常に微小な構造であるが,単純な片持ちはりとし

てモデル化できる。この場合の,フリーボディダイアグ

ラムは解図 9.1 となる。

解図 9.1 フリーボディダイアグラム

力のつり合いから,

A A0P R R P (9.1)

また,A 点回りのモーメントのつり合いから,

A A0Pl M M Pl (9.2)

位置 x の仮想断面左側部の FBD は解図 9.2 となる。

解図 9.2 仮想断面に働くせん断力とモーメント

A

RA

P

B

MA

A

RA

F

M

x

MA

Page 12: y I a dy I by z - Tottori University

12

解図 9.2 において,力のつり合いから,

A A0F R F R P (9.3)

仮想断面回りのモーメントのつり合いから,

A A 0M M R x

上式を解いて,

A A ( )M M R x P l x (9.4)

式(9.4)をたわみの基礎式に代入して,

2

2( )

z z

d y M Pl x

dx EI EI (9.5)

順次積分して,

2

1( )2z

dy P xlx C

dx EI (9.6)

32

1 2( )6 2z

P x ly x C x C

EI (9.7)

境界条件は,左端( 0x )が固定端なので,

0 0

0 0

x

x y

で (9.8)

式(9.8)を式(9.6),(9.7)に適用して,

1 0C , 2 0C (9.9)

最終的に,たわみ角,たわみの式は以下の式となる。

( )2z

Pl xl

EI (9.10)

2

( )2 3z

Px xy l

EI (9.11)

一方,断面形状は,幅 45 μmb ,高さ 4.6 μmh の

長方形である。その断面二次モーメント zI は,

3 6 6 3

24 4

45 10 (4.6 10 )

12 12

365.0 10 m

z

bhI

(9.12)

先端のたわみ は,式(9.11)に x l を代入して,

3

6 6 3

9 24

3

6

3

100 10 (180 10 )

3 190 10 365.0 10

100 0.18

3 190 365.0

2.803 10 m 2.80 μm

z

Pl

EI

(9.13)

【5.10】

(a) パスタをはりと考え,1 個質量 m の 5 円玉 n 個の

吊り下げは,スパン中央への集中荷重と考えると,全

体のフリーボディダイアグラムは解図 10.1 となる。図中

の gは重力加速度である。

解図 10.1 全体のフリーボディダイアグラム

これは,スパンの中心に集中荷重がかかる単純支

持はりの問題であり,断面形状が異なるが,【5.7】と同

様な問題である。したがって,重なる導出は省き【5.7】

の結果を用いることとする。

式(7.9),(7.10)より,

maxmax 3

8

4

M Pl nm l

Z Z d

g (10.1)

最大応力が引張強さ以下でなければいけないから,

3

8B

nm l

d

g (10.2)

したがって,

3

6 3 3

3

8

25 10 3.141 (1.6 10 )

8 4 10 9.801 0.110.25

B dn

m l

g

(10.3)

5 円玉は 1 個単位であるため,解答は整数で答える必

要がある。したがって,解は 10 個となる。

P=nmg

A B

RA RB

Page 13: y I a dy I by z - Tottori University

13

(b) 【5.7】の結果を流用したわみ曲線を求める。通常

2 区間に分けて境界条件と連続の式を適用して未定

係数を求めるが,ここでは左右対称であることを利用し,

区間 1 のたわみ曲線だけを求めることとする。

(i) 区間 1 0 / 2x l

たわみの基礎式に,式(7.4)を代入すると,

21

2 2

d y M Px

EI EIdx (10.4)

順次積分して,

21

1 1( )2 2

dy P xC

dx EI (10.5)

3

1 1 2( )2 6

P xy C x C

EI (10.6)

境界条件は,

0x で 1 0y (10.7)

左右対称の条件は,

2

lx で 1 0 (10.8)

式(10.7)を式(10.6)に適用して,

2 0C (10.9)

式(10.8)を式(10.5)に適用して,

2

1 8

lC (10.10)

したがって,たわみ曲線は,

2 2

1

2 2

4

( )4 3 4

16( )

4 3

Px x ly

EI

nm x l x

d E

g

(10.11)

最大たわみは,

max 1

2 2 3

4 4

3 3

3 4 9

( )2

8 4( )

4 12 3

4 10 4 10 9.801 0.1

3 (1.6 10 ) 3 10

0.008463 m 8.46 mm

ly y

nm l l l nm l

d E d E

g g (10.12)

【5.11】

≪問題訳≫

図 5.65 に示されるように,直径 d = 5cm の片持ちは

りの端に集中荷重 P = 500N が負荷されている。以下

の値を求めよ。

(a) 最大の曲げ応力が生じる位置

(b) 最大の曲げモーメント

(c) はりの端での曲げ変形

片 持 ち は り は 木 材 で で き て お り , ヤ ン グ 率 は

10 GPaE である。

≪解答例≫

全体のフリーボディダイアグラムは解図 11.1 となる。

解図 11.1 全体のフリーボディダイアグラム

力のつり合いから,

A B 0R R P (11.1)

A 点回りのモーメントのつり合いから,

B B0l

aR lP R Pa

(11.2)

式(11.2)を式(11.1)に代入して,

A B

l aR P R P

a

(11.3)

最大の曲げモーメントを求めるために BMD を描く。こ

P

A CB

RARB

Page 14: y I a dy I by z - Tottori University

14

こでは必要とされていないが,SFD も描くことにする。2

つの区間に分けて考える。

(i) 第 1 区間 0 x a

この区間の仮想断面を含む FBD は解図 11.2 となる。

解図 11.2 第 1 区間の仮想断面を含む FBD

力のつり合いより,

A A0l a

F R F R Pa

(11.4)

仮想断面回りのモーメントのつり合いより,

A 0M xR

A

l aM R x Px

a

(11.5)

(ii) 第 2 区間 a x l

この区間の仮想断面を含む FBD は解図 11.3 となる。

解図 11.3 第 2 区間の仮想断面を含む FBD

力のつり合いより,

0F P F P (11.6)

仮想断面回りのモーメントのつり合いより,

( ) 0 ( )M l x P M l x P (11.7)

以上の結果から,SFD と BMD は解図 11.4 となる。

解図 11.4 SFD と BMD

(a) ある仮想断面に生じている曲げモーメントを M と

すると,その断面上の最大曲げ応力は,次式で与えら

れる。

max

M

Z (11.8)

断面は一様なので断面係数 Z は一定である。したがっ

て,はり全体での最大曲げ応力を生じる位置は,最大

曲げモーメントが生じる位置である。解図 11.4 の BMD

より,最大の曲げ応力が生じる位置は,

0.5 mx (11.9)

(b) 最大の曲げモーメントは,解図 11.4 の BMD より,

max 750 NmM (11.10)

モーメントの正負は回転方向を表している。

(c) たわみ曲線を求める。区間に分けて考えると,

(i) 第 1 区間 0 x a

たわみの基礎式に式(11.5)の M を代入して,

21

2

d y M P l ax

dx EI EI a

(11.11)

順次積分して,

21

1 1

( ){ }

2

dy P l a xC

dx EI a

(11.12)

A

RA

F M

x

P

CFM

l-x

-1500 N

500 N

-750 Nm

0.5 m 1.5 m

SFD

BMD

Page 15: y I a dy I by z - Tottori University

15

3

1 1 2

( ){ }

6

P l a xy C x C

EI a

(11.13)

(ii) 第 2 区間 a x l

たわみの基礎式に式(11.7)の M を代入して,

22

2( )

{ ( ) ( )}

d y M Pl x

dx EI EIP

x a l aEI

(11.14)

順次積分して,

22

23

1{ ( ) ( )( ) }

2

dy

dxP

x a l a x a CEI

(11.15)

3 22

3 4

1 ( ){ ( ) ( )

6 2( ) }

P l ay x a x a

EIC x a C

(11.16)

境界条件と連続の条件は,

0x で, 1 0y (11.17)

x a で, 1 2 0y y (11.18)

x a で, 1 2 (11.19)

式(11.17),(11.18)を適用して,

2 0C (11.20)

1

( )

6

a l aC

(11.21)

4 0C (11.22)

式(11.19)を適用して,

2 2

3

( ) ( )( )

2 6 3

l a a a a l aC

a

(11.23)

したがって,求めたい先端部を含むたわみ曲線の式

は,

22 { ( ) 3( )( )

62 ( )}( )

Py x a l a x a

EIa l a x a

(11.24)

x = l を代入して,

2

2 2

4

2

9 4

{ ( ) 3( ) 2 }( )6

( ) 64 ( )

3 3

64 500 2 (2 0.5)

3 10 10 0.050.2444 m

24.4 cm

Pl a l a a l a

EI

Pl l a Pl l a

EI Ed

(11.25)

【5.12】

≪解答例≫

フリーボディダイアグラムを描くと,解図 12.1 となる。

解図 12.1 フリーボディダイアグラム

支持点の反力 AR , BR は,通常は力のつり合いとモー

メントのつり合いから求める。しかしながら,本問題で

は左右対称であるため,

A B 2

PR R (12.1)

3 つの区間に分けて仮想断面上のせん断力 F とモー

メント M を求める。

(i) 第 1 区間 0 x l

この区間の仮想断面を含む FBD は解図 12.2 となる。

解図 12.2 第 1 区間の仮想断面を含む FBD

力のつり合いから,

A A02

PF R F R (12.2)

仮想断面回りのモーメントのつり合いから,

A D

RA RBP/2 P/2

B C

A

RA

M

F

x

Page 16: y I a dy I by z - Tottori University

16

A A02

PM R x M R x x (12.3)

(ii) 第 2 区間 2l x l

この区間の仮想断面を含む FBD は解図 12.3 となる。

解図 12.3 第 2 区間の仮想断面を含む FBD

力のつり合いから,

A A0 02 2

P PF R F R (12.4)

仮想断面回りのモーメントのつり合いから,

A ( ) 02

PM R x x l

A ( )2 2

P PM R x x l l (12.5)

(iii) 第 3 区間 2 3l x l

この区間の仮想断面を含む FBD は解図 12.4 となる。

解図 12.4 第 3 区間の仮想断面を含む FBD

力のつり合いから,

B B02

PF R F R (12.6)

仮想断面回りのモーメントのつり合いから,

B (3 ) 0M R l x

B (3 ) (3 )2

PM R l x l x (12.7)

したがって,SFD,BMD は解図 12.5 となる。

解図 12.5 SFD と BMD

次に,たわみ曲線を求める。通常 3 区間に分ける問

題であるが,3 区間に分けると積分定数が 6 つ出てき

て 6 元連立方程式となり大変である。左右対称である

ことから,左側半分 2 区間だけを考える。その場合の

境界条件と連続の条件は,

10 0x y で (12.8.1)

1 2x l y y で (12.8.2)

1 2x l で (12.8.3)

23 / 2 0x l で (12.8.4)

(i) 第 1 区間 0 x l

21

2 2

d y M Px

dx EI EI (12.9)

21

1 1( )2 2

dy P xC

dx EI (12.10)

3

1 1 2( )2 6

P xy C x C

EI (12.11)

(ii) 第 2 区間 3 / 2l x l

22

2 2

d y M Pl

dx EI EI (12.12)

22 3{ ( ) }

2

dy Pl l x C

dx EI (12.13)

22 3 4{ ( ) ( ) }

2 2

P ly l x C l x C

EI (12.14)

A

RA P/2

F

Mx

B

D

RB

M

F

3l-x

SFD

BMD

P/2

-P/2A B

Pl/2

l llA B

Page 17: y I a dy I by z - Tottori University

17

式(12.8.1)を式(12.11)に,式(12.8.4)を式(12.13)に適

用すると,

2 0C (12.15)

2

3 3

3( ) 0

2 2

ll l l C C (12.16)

式(12.8.2)と式(12.8.3)を適用すると,

2 22

1 3 1 32 2

l lC C C C l (12.17)

3 3 33

1 4 4

5

6 6 6

l l lC l C C l (12.18)

したがって,

22

1 ( )2 2

P xl

EI (12.19)

3 22 2

1 ( ) ( )2 6 2 6

P x Px xy l x l

EI EI (12.20)

2

3( )

2 2

Pll x

EI (12.21)

32 2

2

22

5{ ( ) ( ) }

2 2 6

1 5{ ( ) ( ) }

2 2 6

P l ly l x l l x

EI

Pl ll x l l x

EI

(12.22)

剛体の取っ手は変形しないから,荷重点の変位は B

点のたわみと等しくなる。したがって,

2 32 5

( )2 6 12

Pl l Pll

EI EI (12.23)

【5.13】

≪問題訳≫

図 5.67 に示されるように,等分布荷重 q が片持ちは

りに負荷されている。SFD と BMD を描け。

≪解答例≫

全体のフリーボディダイアグラムは解図 13.1 となる。

解図 13.1 全体のフリーボディダイアグラム

力のつり合いから,

A A0qa R R qa (13.1)

A 点回りのモーメントのつり合いから,

A A( ) 0 ( )2 2

a aM qa l M qa l

(13.2)

2 区間に分けて,仮想断面に生じるせん断力 F と曲げ

モーメント M を求める。

(i) 第 1 区間 0 x l a

この区間の仮想断面を含む FBD は解図 13.2 となる。

解図 13.2 第 1 区間の仮想断面を含む FBD

力のつり合いから,

A A0F R F R qa (13.3)

仮想断面回りのモーメントのつり合いから,

A A 0M M R x

A A

{( ) }2

M M R x

aqa l x

(13.4)

(ii) 第 2 区間 l a x l

この区間の仮想断面を含む FBD は解図 13.3 となる。

qMA

RA

CAB

x

MMA

RA

FA

Page 18: y I a dy I by z - Tottori University

18

解図 13.3 第 2 区間の仮想断面を含む FBD

力のつり合いから,

( ) 0 ( )F q l x F q l x (13.3)

仮想断面回りのモーメントのつり合いから,

2 2( ) ( )0

2 2

l x l xM q M q

(13.4)

以上の結果から,SFD と BMD は解図 13.4 となる。

解図 13.4 SFD と BMD

【5.14】

≪解答例≫

L 字型の取っ手 BC に関するフリーボディダイアグラ

ムを描くと解図 14.1 となる。また,取っ手 BC の B 点に

作用する支点反力とモーメントが,片持ちはりの B 点

に大きさ同じで向きが逆に作用すると考えると,片持ち

はりのフリーボディダイアグラムは解図 14.2 となる。

解図 14.1 取っ手の FBD

解図 14.2 片持ちはり AB の FBD

解図 14-1 において,力のつり合いから

B B0P R R P (14.1)

また,B 点回りのモーメントのつり合いから,

B B02 2

l PlP M M (14.2)

次に,解図 14.2 において,力のつり合いから

A B A B0R R R R P (14.3)

また,A 点回りのモーメントのつり合いから,

A B B 0M R l M

上式を解いて,

A B B

2 2

M R l M

Pl PlPl

(14.4)

任意の位置 x の仮想断面を含む FBD は解図 14.3 と

なる。

CF

l-x

M

q

qa

l-a a

-qa(l-a/2)

-qa2/2

SFD

BMD

MB

RB

P

B

A

A

RARB

MB

B

MA

Page 19: y I a dy I by z - Tottori University

19

解図 14.3 仮想断面を含む FBD

力のつり合いから,

A A0F R F R P (14.5)

仮想断面回りのモーメントのつり合いから,

A A 0M M R x (14.6)

上式を解いて,

A A

( )2 2

M M R x

Pl lPx P x

(14.7)

以上の結果から,SFD と BMD は解図 14.4 となる。

解図 14.4 SFD と BMD

【5.15】

≪解答例≫

問題では求められていないが,支持点での反力,SFD,

BMD 等のはりに関する一連の情報もここで解いておく。

まず,フリーボディダイアグラムは解図 15.1 となる。

解図 15.1 フリーボディダイアグラム

力のつり合いから,

B C 2R R P (15.1)

A 点回りのモーメントのつり合いから,

C ( 2 ) ( ) 0Pa R l a P l a

CR P (15.2)

式(15.2)を式(15.1)に代入して,

B C2R P R P (15.3)

SFD と BMD を描くために,3 区間に分けてせん断力

と曲げモーメントを求める。

(i) 0 x a

この区間の仮想断面を考えると解図 15.2 となる。

解図 15.2 第 1 区間の仮想断面の FBD

力のつり合いから,

0F P F P (15.4)

仮想断面回りのモーメントのつり合いから

0M Px M Px (15.5)

(ii) a x l a

この区間の仮想断面を考えると解図 15.3 となる。

A

RA

F

M

x

MA

P

A B

Pl/2A

B-Pl/2

SFD

BMD

P P

A DB C

RB RC

P

A MF

x

Page 20: y I a dy I by z - Tottori University

20

解図 15.3 第 2 区間の仮想断面の FBD

力のつり合いから,

B 0F P R

B 0F P R (15.6)

仮想断面回りのモーメントのつり合いから

B ( ) 0M Px R x a

( )M Px P x a Pa (15.7)

(iii) l a x l

この区間の仮想断面を考えると解図 15.4 となる。

解図 15.4 第 3 区間の仮想断面の FBD

力のつり合いから,

0F P F P (15.8)

仮想断面回りのモーメントのつり合いから

( ) 0M P l x

( )M P l x (15.9)

以上を図示すると, SFD,BMD は解図 15.5 となる。

解図 15.5 SFD と BMD

次に,中央のたわみを求めていく。通常の方法では,

各区間に対するたわみの基礎式の微分方程式の一

般解を求め,境界条件や連続の条件から積分定数を

決定する。しかしながら,本問題は 3 つの区間に分か

れるため,積分定数は 6 個現れ 6 元連立方程式を解

く必要がある。手計算ではかなり大変な作業になるた

め,積分の形の工夫が必要である。ここでは,本問題

が左右対称であること,すなわち,真ん中ではたわみ

角は 0 であることを利用して,2 つの区間だけで解いて

みる。この場合,境界条件と連続の条件は以下のよう

になる。

1 0x a y で (15.10.1)

2 0x a y で (15.10.2)

1 2x a で (15.10.3)

2/ 2 0x l で (15.10.4)

第 1 区間,第 2 区間に対して,たわみの基礎式を求

め,解くと,

(i) 第 1 区間( 0 x a )

21 1

2

{( ) }

d y M Px

dx EI EIP

x a aEI

(15.11)

順次積分して,

P

AB

MF

x

x-a

RB

a

P

DFM

l-x

SFD

BMD

-P

P

A B C D

-Pa

a l-2a a

A B C D

Page 21: y I a dy I by z - Tottori University

21

11

21

1{ ( ) ( ) }

2

dy

dxP

x a a x a CEI

(15.12)

3 21

1 2

1{ ( ) ( )

6 2( ) }

P ay x a x a

EIC x a C

(15.13)

(ii) 第 2 区間( a x l a )

22 2

2

d y M Pa

dx EI EI (15.14)

順次積分して,

22 3{ ( ) }

dy Pa x a C

dx EI (15.15)

22 3 4{ ( ) ( ) }

2

P ay x a C x a C

EI (15.16)

式(15.10.1)と(15.10.2)を式(15.13),(15.16)に適用して,

2 0C , 4 0C (15.17)

式(15.10.4)を式(15.15)に適用して,

3 3( ) 0 ( )2 2

l la a C C a a

(15.18)

式(15.10.3)を式(15.12), (15.15)に適用して,

1 3 ( )2

lC C a a (15.19)

したがって,第 2 区間のたわみの式は,

2 ( )( )2

Pay x l a x a

EI (15.20)

中央部のたわみ Cy は,式(15.20)に / 2x l を代入す

して,

2C

( 2 )( )

2 2 8

Pa l Pa l ay a

EI EI

(15.21)

【5.16】

≪解答例≫

教科書 p.73 式(5.22)に従い,

1 1 2

1

1 1 2

1

1

1 1 1 1 2 10

1 1 2 2

2 21 1

1 0 21 1 2 2

2 2 21 1 2 1 2 1

1 1 2 2

2 21 1 2 1 2 2 2

1 1 2 2

1( [ ] [ ] )

2 2

{( ) }

2( )

2

2( )

A

h h h

h

h h hh

y dAy

A

y b dy y b dy

b h b h

y yb b

b h b h

b h b h h h

b h b h

b h b h h b h

b h b h

(16.1)

また,教科書 p.76 式(5.16)に従い,

1 1 2

1

1 1 2

1

2

2 21 1 2 1

3 3

1 2

3 311

3 321 2 1

3 2 211 1 1

3 2 222 2 1 2 1

3 31 1 2 2

1 1 1

2 2

[ ] [ ]3 3

{( ) }3

{( ) ( ) }3

( 3 3 )3

{ 3 ( ) 3 ( ) }3

( )3(

A

h y h h y

y h y

h y h h yy h y

I y dA

y b dy y b dy

y yb b

bh y y

bh h y h y

bh h y h y

bh h h y h h y

b h b hb h y h y

b h h

1 1 2

3 31 1 2 2

1 2 2 1 2 1 1

3 31 1 2 2

1 2 2 1 2 1 1 2 2

)( )

3( ){ ( ) }

3( ){ ( ) ( ) }

y h h y

b h b h

h y b h h h y b h y

b h b h

h y b h h h b h b h y

(16.2)

ここで,

2 21 1 2 2

11 1 2 22( )

b h b hh y

b h b h

Page 22: y I a dy I by z - Tottori University

22

2 2 1 2 1 1 2 2

2 21 1 2 1 2 2 2

2 2 1 2

2 21 1 2 2

( ) ( )

2( )

2

2

b h h h b h b h y

b h b h h b hb h h h

b h b h

したがって,

3 3 2 2 21 1 2 2 1 1 2 2

1 1 2 2

( )

3 4( )

b h b h b h b hI

b h b h

(16.3)

≪別解≫

解図 16-1 に示すように,2 つの長方形に分けて考える。

解図 16.1 2 つの長方形から成る凸型断面

それぞれの長方形の面積を A1,A2 とすると,

1 21 2 1 1 2( ) ( )

2 2

h hy A A A h A

したがって,

1 1 1 2 2

1 2

1 1 1 1 2 2 2

1 1 2 2

2 21 1 2 1 2 2 2

1 1 2 2

(2 )

2( )

(2 )

2( )

2

2( )

h A h h Ay

A A

h b h h h b h

b h b h

b h b h h b h

b h b h

(16.4)

また,それぞれの長方形の中立軸に対する断面 2 次

モーメントを I1,I2,全体の中立軸 z までの距離を d1,

d2 とすると,全体の中立軸 z に対する断面 2 次モーメ

ント Iz1,Iz2 は,平行軸の定理より,

21 1 1 1

321 1 1

1 1

3 221 1 1

1 1 1

31 1

1 1 1

( )12 2

( )12 4

( )3

zI I d A

b h hy b h

b h hy h y b h

b hy h yb h

(16.5)

22 2 2 2

322 2 2

1 2 2

3 222 2 2

1 1 2 2 2

32 2

1 1 2 2 2

( )12 2

{( ) ( ) )12 4

( )( )3

zI I d A

b h hh y b h

b h hh y h y h b h

b hh y h y h b h

(16.6)

したがって,凸型断面の全体の断面 2 次モーメントは,

1 2

31 1

1 1 1

32 2

1 1 2 2 2

3 31 1 2 2

1 1 2 2 2 1 1 2 2

( )3

( )( )3

3( ){( ) ( ) }

z z zI I I

b hy h yb h

b hh y h y h b h

b h b h

h y h h b h b h b h y

(16.7)

式(16.7)は式(16.2)と同一である。したがって,別解法

で解いても,解は最終的には式(16.3)となる。

【5.17】

≪解答例≫

典型的な片持ちはりの問題である。壁からの反力を

AR ,固定モーメントを AM として,フリーボディダイアグ

ラムを描くと解図 17.1 となる。

解図 17.1 全体のフリーボディダイアグラム

力のつり合いから,

A A0 100 NP R R P (17.1)

zd1

d2

z1

y

A

RA

P

B

MA

Page 23: y I a dy I by z - Tottori University

23

また,A 点回りのモーメントのつり合いから,

A A0 10 NmPl M M Pl (17.2)

次に,任意の位置 x で仮想断面を考え,仮想断面を

含む FBD を描くと解図 17.2 となる。

解図 17.2 仮想断面に働くせん断力とモーメント

解図 17.2 において,力のつり合いから,

A A0 100 NF R F R (17.3)

仮想断面回りのモーメントのつり合いから,

A A 0M M R x

したがって,

A A ( )

100(0.1 ) Nm

M M R x P l x

x

(17.4)

以上から,SFD と BMD は解図 17.3 となる。

解図 17.3 SFD と BMD

断面形状は,一辺 a の正方形なので,その断面二次

モーメント zI は,

4 3 4

9

9 4

(10 10 )

12 1210

1012

0.8333 10 m

z

aI

(17.5)

BMD より,モーメントの最大値 maxM は, 0x で

max 10 NmM (17.6)

したがって, 0x の仮想断面における垂直応力は,

max9

9

10

0.8333 10

12 10 Nm

My y

I

y

(17.7)

上式より

0 0

0 0

y

y

で 引張応力

で 圧縮応力

したがって,引張最大応力ははり上面で,また,圧縮

最大応力ははり下面で生じ,その絶対値は上下面とも

等しく次の式(17.8)で与えられる。

9max

6 2

12 10 ( 0.01)

120 10 N/m 120 MPa

(17.8)

≪先端のたわみを求める問題≫

式(17.4)をたわみの基礎式に代入して,

2

2( )

d y M Pl x

dx EI EI (17.9)

順次積分して,

21

1( )

2

dy Px lx C

dx EI (17.10)

3 21 2

1( )

6 2

P ly x x C x C

EI (17.11)

境界条件は,左端( 0x )が固定端なので,

0 0

0 0

x

x y

で (17.12)

式(17.12)を式(17.10),(17.11)に適用して,

A

RA

F

M

x

MA

100 N

A B

A B

-10 Nm

SFD

BMD

Page 24: y I a dy I by z - Tottori University

24

1 0C , 2 0C (17.13)

たわみ角とたわみの式を整理して,

1( )

2

Pxl x

EI (17.14)

2 1( )

2 3

Pxy l x

EI (17.15)

したがって,曲げモーメントによる先端のたわみ M

は,式(17.15)に x l を代入して,

2 3

3 3

4 4

3

4 9

3

1( )

2 3 3

12 4

3

4 100 0.1

0.01 200 10

0.2000 10 m 0.200 mm

M

Pl Pll l

EI EI

Pl Pl

E a a E

(17.16)

一方,せん断力によるたわみは,せん断ひずみによる

変形量である。正方形も含む長方形断面の中立軸に

おけるせん断ひずみは次の式で与えられる。

3

2

F

A (17.17)

解図 17.3 の SFD より,本問題のせん断力は全長に渡

り一定であり,以下の値となる。

F P (17.18)

したがって,

2

2 9

6

3 3

2 23 100 0.1

2 0.01 80 10

1.875 10 m=1.88 μm

F

Pl Pll l

G AG a G

(17.19)

【5.18】

≪解答例≫

全体のフリーボディダイアグラムは解図 18.1 となる。

解図 18.1 全体のフリーボディダイアグラム

力のつり合いから,

A A0P R R P (18.1)

A 点回りのモーメントのつり合いから,

A A0Pa M M P a (18.2)

2 区間に分けて,たわみ曲線を求める。

(i) AB 間(第 1 区間) 0 x a

AB 間の仮想断面を含む FBD は解図 18.2 となる。

解図 18.2 AB 間の仮想断面を含む FBD

仮想断面回りのモーメントのつり合いから,

A A 0M M R x

A A

( )

M M R x

P x a

(18.3)

たわみの基礎式に代入して,

21

2( )

d y M Px a

dx EI EI (18.4)

順次積分して,

211 1

1( )2

dy Px ax C

dx EI (18.5)

3 21 1 2

1( )6 2

P ay x x C x C

EI (18.6)

y

x

P

MA

RA

ACB

x

MMA

RA

FA

Page 25: y I a dy I by z - Tottori University

25

この区間での境界条件は,

0x で 1 0 (18.7)

0x で 1 0y (18.8)

境界条件を適用することで,

1 0C , 2 0C (18.9)

したがって,

3 21

2 3

1( )6 2

1( )2 6

P ay x x

EIP a

x xEI

(18.10)

(ii) BC 間(第 2 区間) a x a b

BC 間の仮想断面を含む FBD は解図 18.3 となる。

解図 18.3 BC 間の仮想断面を含む FBD

仮想断面回りのモーメントのつり合いから,

0M (18.11)

たわみの基礎式に代入して,

22

20

d y M

dx EI (18.12)

順次積分して,

22 3( )

dy PC

dx EI (18.13)

2 3 4{ ( ) }P

y C x a CEI

(18.14)

AB 間のはりと BC 間のはりは繋がっているから,連続

の条件から,

x a で 1 2 (18.15)

x a で 1 2y y (18.16)

連続の条件を適用することで,

2

3 2

aC ,

3

4 3

aC (18.17)

したがって,

2 3

2

3 2

{ ( ) )2 3

{ ( )}3 2

P a ay x a

EI

P a ax a

EI

(18.18)

CF

l-x

M