日本語環境におけるWordPressの高速化

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Chapter 0 自己紹介

WordPressインテグレーション

サービスを提供するプライム･ス

トラテジー株式会社代表取締役。

マイコンBASICマガジン時代か

らプログラミング暦約３０年です。

@kengyu_n

kengyu.nakamura

www.prime-strategy.co.jp


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Chapter 1 本セッションのゴール（どこまで速くなるか）

どのくらい速くしたいですか？


Prime Strategy7


１０倍？


Prime Strategy8


１００倍？


Prime Strategy9


１０００倍？


Prime Strategy10


もっとですか？


Prime Strategy11


２０００倍！？


Prime Strategy12


わかりました。あの手この

手でやってみましょう。


Prime Strategy13


Prime Strategy14

測定する対象

Chapter 2 具体的に何を高速化するのか

一、HTMLページのロード時間

二、１秒あたりのリクエスト数


Prime Strategy15

一、HTMLページのロード時間＝①＋②＋③を短縮する

ブラウザ


サーバ（WordPress）

①リクエスト送信

②実行

③レスポンス受信


Prime Strategy16

ロード時間を分解する

ブラウザ


サーバ（WordPress）


ブラウザ

②実行


伝送時間

伝送時間

PHPの実行

MySQLの実行

翻訳処理


Prime Strategy17

今回テストするサーバ環境など


サーバの場所 Amazon東京DC

サーバ(VPS) Amazon EC2 スモールインスタンス

WordPress 3.2.1日本語版

アクセス元東京某所

東京某所東京のAmazon EC2 東京某所


Prime Strategy18

HTMLページのロード時間をFirefoxのFirebugで測定する


Firebugのネットタブ

ロード時間は682ミリ秒

1,000ミリ秒＝１秒。


Prime Strategy19

二、１秒間に処理できるリクエスト数を増やす


abというlinuxのコマンドライン

ツールでAmazonに設置した

WordPressに負荷をかけて測

定します。

＝＞ 1.50リクエスト/秒


Prime Strategy20

何もしない状態での測定結果


１．ロード時間 682ms

２．リクエスト数 1.5リクエスト/秒


Prime Strategy21

何もしない状態での測定結果


１．ロード時間 682ms

２．リクエスト数 1.5リクエスト/秒

あまりに遅すぎます。


Prime Strategy22

そこでサーバ(VPS)を変更します（スケールアップ）。


サーバ(VPS) Amazon EC2 スモールインスタンス（CPU 約900MHz 1コア,メモリ 1.7G）

サーバ(VPS) Amazon EC2 ミディアムインスタンス(CPU 約2.17GHz 2コア,メモリ 1.7G)


Prime Strategy23

スケールアップの効果


１．ロード時間 682ms→291ms（2.3倍）

２．リクエスト数 1.5リクエスト/秒→7.0リクエスト/秒（4.6倍）

ロード時間はCPUの周波数に、リクエスト

数は周波数にコア数を乗じたものに比例

するのがわかります。


Prime Strategy24


Prime Strategy25

Chapter 3 日本語環境特有の場所と翻訳の問題

サーバの設置場所の違いによるロード時間の差

サーバの場所 Amazon世界各地のデータセンターで比較します。（アメリカ東海岸、西海岸、シンガポール、東京で測定）

サーバの場所 Amazon東京DC

サーバ(VPS) Amazon EC2 ミディアムインスタンス

WordPress 3.2.1日本語版

アクセス元東京某所


Prime Strategy26


サーバの設置場所の違いによるロード時間の差

設置場所ロード時間遅延時間

①東京 291ms 10ms

②シンガポール 564ms 283ms

③西海岸 653ms 372ms

④東海岸 898ms 617ms

①

②

③ ④


Prime Strategy27


サーバの設置場所の違いにより生じる伝送遅延時間

ブラウザサーバ（WordPress）


ブラウザ

②実行


伝送時間

伝送時間

PHPの実行

MySQLの実行

翻訳処理


Prime Strategy28


日本語翻訳処理

英語版日本語版

ja.moファイル等

を用いた翻訳プ

ロセス


Prime Strategy29


日本語翻訳処理のオーバーヘッド

WordPress日本語版の実行時間

の最大７５％を占めます。

＝＞改善策は次章でお話します。


Prime Strategy30


Prime Strategy31

PHPを高速化する

Chapter 4 ページキャッシュを使わないで高速化する



ブラウザ

②実行


伝送時間

伝送時間

PHPの実行

MySQLの実行

翻訳処理


Prime Strategy32

APCを導入してPHPの構文解析を高速化する。


PHPは実行時に通常のPHPファイル

を構文解析し、バイトコードと呼ばれ

るPHPだけが理解できる形式に変

換します。

APCはバイトコードをキャッシュして

PHPの実行時間を短縮させます。


Prime Strategy33

APC導入の効果


１．ロード時間 291ms→188ms（1.54倍）



Prime Strategy34

MySQLを高速化する




ブラウザ

②実行


伝送時間

伝送時間

PHPの実行

MySQLの実行

翻訳処理


Prime Strategy35

MySQLを高速化する（クエリキャッシュの有効化）


my.cnfの[mysqld]セクションに

query_cache_size = 64M

の一行を追加してクエリキャッシュを有効にします。

クエリキャッシュはデータベースに変更がない限り、一度発行されたSELECT

文の実行結果をキャッシュして、それを再利用するものです。


Prime Strategy36

クエリキャッシュ導入の効果


１．ロード時間 188ms→186ms（1.01倍）


セットアップ直後はあまり効果が見られませんが、クエ

リ数やデータ数が増加してくると威力を発揮します。数

倍以上のパフォーマンスになることもあります。


Prime Strategy37

日本語翻訳処理を高速化する




ブラウザ

②実行


伝送時間

伝送時間

PHPの実行

MySQLの実行

翻訳処理


Prime Strategy38

001 Prime Strategy Translate Acceleratorを導入する


WordPress.org公式ディレクトリから

プラグインをダウンロードして有効化

します。

翻訳ファイルの読み込みにキャッ

シュを用いたり、翻訳そのものを停

止させることで高速化します。


Prime Strategy39

Translate Accelerator導入の効果（APCモード）


１．ロード時間 186ms→132ms（1.40倍）



Prime Strategy40

Translate Accelerator導入の効果（サイト表示の翻訳を停止）





Prime Strategy41

HTMLを圧縮して転送を高速化する




ブラウザ

②実行


伝送時間

伝送時間

PHPの実行

MySQLの実行

翻訳処理


Prime Strategy42

mod_deflate利用してファイル圧縮で転送量を減少させる


mod_deflateが利用可な場合、Apacheの設定ファイルに、

AddOutputFilterByType DEFLATE text/html text/plain text/css

等の設定を行うと、該当するコンテントタイプのファイルをgzip圧縮します。

これによって転送量を減少させることができます。


Prime Strategy43

mod_deflate導入の効果




リクエスト数にはあまり影響がありませんが、ページの

ボリュームが多い場合には効果的です。また

WordPressのみならずCSSやJavascriptなどにも適用で

き、ページ全体の表示速度を向上させることができます。


Prime Strategy44


Prime Strategy45

ページキャッシュを用いる高速化

Chapter 5 ページキャッシュを用いて高速化する



ブラウザ

②実行


伝送時間

伝送時間

PHPの実行

MySQLの実行

翻訳処理


Prime Strategy46

WP Super Cacheでページをキャッシュする


WordPress.org公式ディレクトリから

プラグインをダウンロードして有効化

します。

一度アクセスのあったページを

キャッシュして再利用します。


Prime Strategy47

WP Super Cache導入の効果



２．リクエスト数 41リクエスト/秒→679リクエスト/秒（16.56倍）


Prime Strategy48

Nginxのプロクシキャッシュを使う（１回目のアクセス）


Nginx+proxy cache80番ポート

Nginx+fcgi8080番ポート

②プロクシ ③PHP（WordPress）の実行

④キャッシュ処理とレスポンス

①リクエスト


Prime Strategy49

Nginxのプロクシキャッシュを使う（２回目以降のアクセス）


Nginx+proxy cache80番ポート

Nginx+fcgi8080番ポート

②キャッシュを返す①リクエスト


Prime Strategy50

Nginxのプロクシキャッシュ導入の効果


１．ロード時間 25ms→25ms（１.00倍）



Prime Strategy51

Nginx+Varnishでさらに高速化する（１回目のアクセス）


Nginx+proxy80番ポート

+

8080番ポート

②プロクシ

④PHP（WordPress）の実行

⑤キャッシュ処理

①リクエスト

Varnish6081番ポート

Nginx+fcgi

③プロクシ

⑥レスポンス


Prime Strategy52

Nginx+Varnishでさらに高速化する（２回目のアクセス）


Nginx+proxy80番ポート

+

8080番ポート

②プロクシ ③キャッシュを返す

①リクエスト

Varnish6081番ポート

Nginx+fcgi

④レスポンス


Prime Strategy53

Nginx+Varnish導入の効果


１．ロード時間 25ms→25ms（１.00倍）



Prime Strategy54

絶大な威力を発揮するページキャッシュ。では、これですべて解決か？


ページキャッシュなしページキャッシュあり

テーマ修正 ○ キャッシュクリア必要

ウィジェット修正 ○ キャッシュクリア必要

設定変更 ○ キャッシュクリア必要

投稿 ○ △

管理画面 ○ キャッシュ無効

セッション使用 ○ 対策が必要

データ書き込み ○ 対策が必要

条件に応じた表示の変化

○ 対策が必要


Prime Strategy55


Prime Strategy56

おまけ：keep aliveを有効にして接続を再利用する

Chapter 6 最終結果とまとめ



ブラウザ

②実行


伝送時間

伝送時間

PHPの実行

MySQLの実行

翻訳処理


Prime Strategy57

おまけ：keep aliveを有効にして接続を再利用する


Apaceh、Nginxともにkeep aliveを有効にすることによって一度発生した接続

を一定時間再利用します。これにより、接続を確立させるまでのオーバー

ヘッドを短縮します。

[Nginx]の場合

keepalive_timeout 3;

[Apache]の場合

KeepAlive On


Prime Strategy58

keep alive導入の効果





Prime Strategy59

2,000倍速くなったか？


１．ロード時間 682ms→16ms（43倍）

２．リクエスト数 1.5リクエスト/秒→3175リクエスト/秒（2116倍）

ロード時間は４３倍でしたが、リクエスト数は２０００倍を

達成しました。


Prime Strategy60

まとめ



②実行


伝送時間

伝送時間

PHPの実行

MySQLの実行

翻訳処理

サーバの場所

keep alive

APC

クエリキャッシュ

001 Prime Strategy

Translate Accelaratorサーバの場所

gzip圧縮

WP Super CacheNginx+proxy cacheNginx+Varnish

サーバスペックの見直し


Prime Strategy61

ご清聴ありがとうございました。

日本語環境におけるWordPressの高速化

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