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2012 年仙台模擬国連後期会議

「薬物・医薬品問題」

http://allabout.co.jp/gm/gc/300697/より

文責:千原、BG班一同

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はじめに

 この度、2012 年後期会議のディレクを務めさせていただくことになりました、2 年の

千原悟です。今回の会議は私の一身上の都合により、会議期間が例年に比べ早く、そのた

め休日 3 日を返上して行う形になりましたこと、この場を借りてお詫び申し上げます。

会議そのものにおきましては、有意義な会議になるよう全力を尽くしていきますので、

みなさんよろしくお願いします。

 今回は議題として「薬物・医薬品問題」を扱います。2012 年、京都大学の山中伸弥教

授が iPS 細胞開発の研究が評価されノーベル賞を受賞しました。この細胞は薬の開発にお

いても画期的なものであるとされています。今日では新たな医薬品を製造することが困

難を極め、そのことに関連して特許などの問題があらゆる地域で形を変えて問題となっ

ています。また薬物に関しても、以前と比べ、生産国や中継国、中継のルートや麻薬組織

が実に多様化・複雑化してきており、国際的な取組み・協力がますます必要になってき

ています。今回の会議を通じて、皆さんには医薬品や薬物についての国際的な知識を深

めることはもちろん、客観的には1つに見える物事も、見方を変えれば、立場を変えれ

ば、また別の一種の見解があるということを会議をもって感じて、今後の生活の中にお

いても活かしていただければ幸いです。

 また今回の会議はこのメンバーで行う最後の会議です。1 年生には、来年度の模擬国を

牽引するに当たり、2 年生を見て良いことも悪いことも含め多くのことを学びながら積極

的に会議に参加することを期待します。2 年生には、悔いなく引退できるような会議にし

ていただければなと思っております。

 最後に BG を作成するにあたって、各部門のリーダーを務めてくれた大崎、南、窪田を

はじめ、ご協力くださったみなさん、ありがとうございました。

 それでは、この BG を参考に、有意義な後期会議をみんなで作っていきましょう!

2012 年仙台模擬国連後期会議 会議監督

2 年 千原悟

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目次

第1部 知識編 … … … … … … … … … … … … … … … … … …5第 1 章 世界の薬物事情 5第 2 章 麻薬 6

 麻薬原産国

 麻薬マフィア

 麻薬に関する条約 「麻薬に関する単一条約」

          「向精神薬に関する条約」

          「麻薬新条約」

第 3 章 麻薬密輸とその実態 8 地域別密輸中継国

 中継国における諸問題

 国際協力

第 4 章 医薬品の特許権保護 13 知的財産権

 ジェネリック薬

 偽造医薬品

 TRIPs 協定 医薬品アクセス

       強制実施権

       生物海賊行為

 TRIPs 協定と公衆衛生に関する宣言

第 5 章 国際諸機関とその動向 17 麻薬委員会

 国際麻薬統制委員会(INCB) 国連薬物犯罪事務所(UNODC) GATT・ウルグアイラウンド

 世界知的所有権機関(WIPO) 世界貿易機関(WTO)

第 2 部 論点編 … … … … … … … … … … … … … … … …… …19第 1 章 麻薬 19

第 1節 刑罰化・非刑罰化 19第 2節 麻薬の密輸対策 20第 3節 薬物生産国・中継国に対する支援 21

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第 2 章 知的財産権 23第 1節 医療品アクセス問題 23第 2節 途上国の利益配分 24

第 3 部 各国編 … … … … … … … … … … … … … … … …… …24

参考サイト・参考文献 48

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第 1 部 知識編

第 1 章 世界の薬物事情 世界にはたくさんの「薬」が存在する。それらの「薬」は大きく、風邪薬などの医薬品

をはじめとする合法ドラッグ、大麻などの一般に薬物と呼ばれる非合法ドラッグに分類

することができる。この章では世界の薬物事情と題し、麻薬と医薬品における現状を述

べていく。

●麻薬

『麻薬』の定義は「脳内に作用し、酩酊・多幸感・幻覚などをもたらす薬物のうち、依

存性や毒性が強く健康を害する恐れがあるため、あるいは社会に悪影響を及ぼすため、

国家等によって指定され、単純所持が禁じられているもの」とされている。

国 連 薬 物犯罪事 務所(UNODC)は 2012 年版「 世 界 薬 物報告書(World Drug Report)」で、15~64歳の世界人口のうち約 5%に当たる約 2億 3000万人が、 最新の

データがある 2010 年中に少なくとも 1 回は違法薬物を使用した事実があると発表した。

麻薬利用者の増加傾向は先進国から発展途上国にシフトしており、中南米や西・中央ア

フリカ、アフガニスタンやイランを含むアジアなどが顕著である。途上国が先進国のラ

イフスタイルを模倣するにつれ、先進国以外の地域でも違法薬物はさらにまん延してい

くだろう、と UNODC は予測する。

●新しい麻薬の台頭

また報告書によると、最近合成薬物が大きく生産量を伸ばしている。メタンフェタミ

ンの全世界の押収量は、08 年の 21.5 トンから 10 年は 45 トンへと 2倍以上に増加した。

合成薬物はアンフェタミン系覚醒剤(ATS)やメタンフェタミンなどが代表的で、世界規

模で規制対象になっていないものも含まれる。

全世界の若者の間ではマリファナなどの既存の薬物の代用品として化学合成された合法

の薬物が増えてきている。合法麻薬は予想もつかない副作用があるためより危険な状況

になることが懸念されている。最近では世界だけでもなく日本でも合法ハーブなどの脱

法薬物が問題となっている。

●医薬品

 医薬品とは、周知の事実ではあろうが、病気の治療や処置に利用される薬品のことであ

る。今日この医薬品を購入する財政・経済的余裕がない途上国では、何百万人もの人々が 、

治療や苦痛の緩和に必要な薬(必須医薬品)を手に入れられていない状況に置かれている

必須医薬品を入手できない理由は実に多岐に渡っており、物資の供給・保管など物流面で

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の問題、薬の品質が悪いこと、保健医療設備が整っていないこと、資金や人材の不足、価

格な高さなどが挙げられる。一方先進国においても、新薬創出が困難を極め、新たな医薬

品を開発する前に既存の医薬品の特許が切れ、各医薬品会社は崩落するという危機に瀕し

ているのである。

第 2 章 麻薬 ●麻薬原産国

 今や麻薬は世界第 3位の取引商品ともされている。かつては麻薬の原産国は限定的で

あったが、今日では特定の地域に限定されなくなって来ている。ここではかつて原産国

の中心を担った地域について挙げ、後に今日の麻薬生産事情を述べる。なお、当然のこと

ながら乱用薬物の大半は密造であり、信頼できるデータは多くはないことを念頭におい

ていただきたい。

 まず 80 年代頃まで、世界最大の生産地は「黄金の三角地帯」であるとされていた。具

体的にはタイ・ミャンマー・ラオスである。しかし、その後の生産各国の安定化と、国

際社会の圧力も受けた麻薬撲滅、あるいは茶やコーヒーなどへの転作奨励政策が一定の効

果を挙げ、高価な品種の烏龍茶の栽培で成功している地域もある。タイに至っては非合法

アヘン生産を一層したと国際社会に認められている。タイでは麻薬の取り締まりが厳し

く、ラオス、ミャンマーにケシ畑の撲滅を求めているが、ミャンマー、ラオス側では貧

しい農家にとっての大きな収入源となっていることから、減少はしているものの依然と

して違法なケシ栽培が後を絶たない。

 黄金の三角地帯に代わって 90 年代から世界一のヘロイン供給源として成長したのが

「黄金の三日月地帯」である。アフガニスタン、トルコ、パキスタン及びイラン国境付

近ではケシの不法栽培とヘロインの密造が盛んに行われている。特にアフガニスタンに

おいては国内だけではなく国際社会へも深刻な影響をもたらす。生産量の増加はすなわ

ち、アフガニスタン産麻薬の最終消費地である欧州での麻薬被害増加を導きかねない。特

筆すべき産業基盤のないこれらの国にとってアヘン生産による経済効果は大きなものな

のである。

 また現在、アメリカで不法に消費されるコカイン、マリファナ、ヘロイン等の麻薬の

大半が、コロンビア、ペルー、ボリビア、メキシコ等で精製、生産されている。中南米

地域の麻薬生産は農村・山岳地帯の貧困、所得格差が一因とされ、麻薬絡みの犯罪、テロ

リズム、地下経済の発展等が、中南米地域全体の政治的安定と健全な経済・社会発展に対

する阻害要因になっている。

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 ごく最近では、コカインの栽培はコロンビア等だけではなく、エクアドル、ブラジル、

ベネズエラ、パナマといったラテンアメリカ全体に広がっている。またアルゼンチンや

チリにも工場があると言われている。アヘンに関しても黄金の三角地帯、黄金の三日月

地帯にかつては限定されていたが、なおこの地帯が主力ではあるものの、新たに、トル

コ、エジプト、東ヨーロッパ、中央アメリカ、中央アジアにまで広がっている。

 

●麻薬マフィア

 紛争地域で形成されるマフィア経済の規模は想像以上に大きい。例えば USDEA(西ア

ジア麻薬撲滅計画)の発表した数値によれば、アルバニア系マフィアは母国アルバニア

の GDP の三倍もの資金を動かした過去があることがわかる。CIA(中央情報機関)は叩

き潰したい勢力に対抗して、反政府ゲリラを育成してきた。そして反政府勢力を支援す

る資金源の多くは麻薬取引であった。このような支援は秘密裏に行われる作戦であるた

め、CIA は公的な資金をできず、やむなく闇資金に依存してしまうのだ。そのほとんどが

麻薬取引から生まれるので、結果的に麻薬取引業者と CIA工作員は癒着し、「汚れた資

金」を洗浄するための金融の裏取引に傾斜する。

 世界の麻薬取引総額は年間 400億ドルを超えると言われる。武器取引よりもわずかに

少ない程度である。麻薬取引は、自動車、薬品、銀行と同じようなグローバル産業なので

ある。国境を苦も無く超え、国民的な痕跡を止めないのが麻薬生産である。インター・

ポール(国際刑事警察機構)は次のように事態を表現している。

 「麻薬は高度の組織化されたビジネスである。巨額の資本、多数の従業者、輸送技術、

専門的知識、強力な人脈等々によって営まれている。この麻薬組織はまさに多国籍企業と

同一の機能を持つ」。

 世界の様々なマフィアはこのビジネスに関与しており、麻薬常習者は世界に 2000万人いると言われている。特にロシア、中央アジア、コーカサス地域のマフィアは世界最高

の強力なグループであろう。5000ほどのグループが存在し、構成員は 300万人はいる

と推定されている。

●麻薬に関する条約

 国連においては、各種条約を通じて、薬物の不正な製造・取引・乱用の撲滅に向けた国

際協力の推進が図られている。ここでは主に 3 つの国際条約を挙げる

 まず始めに採択されたのが「麻薬に関する単一条約」であり 1961 年に採択された。こ

れは、特定の薬物(主に麻薬)や同様の効果のある薬物につき、医療や研究などの特定の

目的について許可された場合を除き、これらの生産および供給を禁止するための国際条

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約であり、麻薬の取り締まりのための国際協力に関する従来の条約を整備・強化し統一し

た条約である。加盟国に、麻薬の不正取引を処罰する立法措置を義務付ける。また輸出入

の免許制度、国際麻薬統制委員会(INCB)の設置などが規定された。

 1971 年には向精神薬についても麻薬類と同様の規制を行うため、「向精神薬に関する

条約」が採択された。向精神薬とは、中枢神経系に作用し、生物の精神活動に何らかの影

響を与える薬物の総称で、アンフェタミンやバルビツール酸系や幻覚剤、睡眠薬や精神安

定剤などが挙げられる。

 さらに 1988 年 12月には、薬物の不正取引問題の種々の局面を網羅し、これら 2 つの

条約に規定された措置を強化・補完するため、「麻薬及び向精神薬の不正取引の防止に関

する国際連合条約」(麻薬新条約)が採択された。国境を越えた組織的な麻薬取引と、そ

れに伴う不法収益に国際協力で歯止めをかけるためのものであり、マネー・ロンダリン

グや国外犯に対する処罰、不法収益の没収などの不正取引防止策の強化、麻薬原料物質の

規制などの法的整備を義務付けている。

第 3 章 麻薬密輸とその実態現在の国際社会に目を向けると、不正薬物の密輸ルートは多様化・複雑化しており、従

来とは異なる国が不正薬物の密輸中継国として使われてきている。さらに薬物の密輸中継

国での国内乱用が拡大する傾向が継続している。

例えば、1980 年代に旧ソ連と中国が世界市場に開放されて以後、シルクロードが昔の

機能を回復しただけでではなく、麻薬ロードとしての新たな機能をも担うようなってし

まった。パリにある国際麻薬監視団によれば、中央アジア諸国の農民の月収は 5ドルし

かなく、半数は貧困脱出のために麻薬生産に従事しており、麻薬運送報酬 5ドルから 10ドルを求めて、シルクロードを通り、遠方まで麻薬を運搬することを希望する人たちが

無数にいる。取締官の多くは買収されており、麻薬摘発捜査情報は事前に漏れ、麻薬の生

産者も運搬人も容易に麻薬を隠すことができる。

このように麻薬取引、麻薬密輸に関しては様々な問題が存在する。以下では中継国毎に

麻薬密輸の実態を見つめ、共通する中継国の問題をいくつか列挙する。

●地域別密輸中継国

欧州地域

欧州地域のコカインの需要は依然高く、多くの欧州諸国においてコカインの濫用が悪化

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している。西欧地域へのコカインの主要支出地は南米地域であり、特にベネズエラ、コ

ロンビア、ブラジル及びスリナムが報告されている。西欧地域においては、スペイン及

びオランダが中継国として報告されている。また、ロシアにおけるコカインの濫用が広

がりを見せている。2005 年には、コカインの摘発件数は著しく減少したものの、押収量

は、前年から約 2.5 トン増加し、43.8 トンとなった。南米やカリブ地域からの航空機旅

客を 100%検査するオランダの施策は成功し施策開始当初は、一便からの摘発者 4~5 で

あったのが、現在は 1人程度に減少した。オランダの施策開始以降、アムステルダム空

港での検査を避けるために密輸者は他の地にシフトし、スペインやイタリアの空港での

摘発が増加した。

また西欧地域は依然としてヘロインの最大のマーケットとなっており、欧州地域に密

輸入されるヘロインの大半は南西アジアを出発点とする「バルカン・ルート」を経由し

て持ち込まれる。近年では、トルコ、ブリガリア、ルーマニアなどを経由する従来から

の「北バルカン・ルート」の重要性が増している。また「中央アジア・ルート」もよく

利用される。「シルクロード・ルート」の使用も拡大している。西欧地域への密輸ルート

上のある中央・東欧地域諸国におけるヘロインの国内乱用も大きな問題となっている。

2005 年西欧地域においては、23件、126キロが摘発されており、ほとんどがドイツお

よびスウェーデンにおけるものである。スウェーデンでの摘発のほとんどがドイツ仕出

しであり、ドイツは二次的な密輸の出仕地となっている。

欧州地域における大麻草の摘発数量は近年減少傾向にある。アルバニアからの密輸ルー

トとしては、ボスニアヘルツェゴビナ、クロアチア、スロベニアを経由し、イタリアを

通過して(中継国として)オーストリアから西側方面に至るルートが好んで用いられて

いる。ちなみにイタリアは、世界有数の中継国である。ジャマイカは特にイギリスに向

けて密輸される大麻草の支出地であり、この他コロンビア、南アフリカなども欧州向け

大麻草の支出地である。また、モロッコは引き続き欧州向け大麻樹脂の必要な支出国であ

り、スペインが主要な持込み地点となっている。西欧地域においては 2005 年に報告され

た大麻草の摘発件数はわずかに減少したものの、数量は 600キログラム増加し、13.5 ト

ンとなりました。主な輸送手段は船舶であり、続いて自動車である。ベルギー税関はナ

イジェリア来海上の貨物から 4.3 トンの大麻を摘発した。CIS 地域では、ほとんどの大麻

草がロシアにおいて摘発されており、CIS 地域における大麻草の重要な支出国はカザフス

タンである。また、大麻樹脂はモロッコが依然として主要な支出国で輸送方法はモロッ

コからスペインへフェリーやボート等で運ばれ、その後陸路でフランスや欧州全域へ輸

送されている。

アジア・太平洋地域

2005 年アジア・大洋州地域においては、オーストラリア・中国・ニュージーランド・

インド・香港において合計 32件、58キロのコカインが摘発されており、件数は前年と

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同水準であるが、数量は大幅に減少。アジア・大洋州で摘発されたコカインの多くが

オーストラリアで摘発されており、オーストラリアはコカイン密輸グループのターゲッ

トとなっていることがうかがわれる。南太平洋の島々がコカイン密輸の中継地として利

用されている。

UNDCP の報告によればアジア地域は、依然として世界市場へのヘロインの主要な支出

地である。主要生産国はイラン及びパキスタンで、ほとんどの摘発はカナダ、アメリカ

及びイギリス向けのものだった。パキスタン仕出しアフリカ向け郵便物によるアヘンの

密輸が増加傾向にあり、またパキスタンは中東地域向けの密輸の支出地にもなっている。

タイ、ミャンマー、ラオスに群がるいわゆる黄金の三角地帯から中国、香港を経由する

ルートが依然として主要な密輸ルートとなっているほか、従来のタイ、インド、パキス

タンを経由する密輸ルートも利用されている。ヘロインの報酬料は 2003 年の 2.5 トン、

2004 年の 2.4 トンであったのに対し、2005 年はわずか 492キロであった。

カンボジア、インドネシア、ラオス、フィリピン、インド及びネパールにおいて、大

規模な大麻草の不法栽培がおこなわれている。またオーストラリアやニュージーランド

においては、大麻草の室内水耕栽培の増加が問題となっている。インドは地域内最大の摘

発量、パキスタンはアフガニスタンと並ぶ主要な大麻生産国であり、インド、パキスタ

ン、フィリピン、ネパール、タイ及び中国から主に欧州向けの大麻樹脂が密輸出されて

いる。それに関連して、インド北西部が大麻樹脂の必要な支出地として頭角を現してき

ており、また、ネパールからもインドへ陸路による大麻樹脂が流出している。インド及

びパキスタン産の大麻樹脂はバングラデシュを経由し、欧州地域へ運ばれている。バン

グラデシュではインドとの国境において徒歩での入国者から 2005 年において 168件、

7.2 トンの大麻草が摘発された。南アフリカは日本への主要支出国である。

アメリカ地域

 南米地域は唯一のコカイン生産地域である。コロンビアは引き続き世界最大のコカイ

ン生産国であり、ペルー、ボリビアがこれに続く。ペルーとボリビアにおけるコカイン

栽培は近年減少傾向にあるものの、コロンビアでは増加しているため、コカインの原料

であるコカ葉の供給は安定している。米国は世界最大のコカイン消費国であり、アメリ

カにおける摘発数量の 40%は南米から直接密輸されたものである。そのほかにも中米及

びメキシコを経由するルート、カリブ地域を経由するルートがある。また、ベネズエラ、

ペルー、パナマ及びブラジルはアメリカ向けだけではなく、ヨーロッパやアフリカなど

に向けて密輸される南米産コカインの積み出し地となっている。2005 年、カリブ海地域

においては 31件、424キロのコカインが摘発されており、ほとんどが船舶に隠匿・輸送

される事例であった。

 アメリカは主要なヘロイン消費国であり、アメリカに密輸されるヘロインのおよそ 4分の 3 がコロンビアやメキシコで生産されたものである。コロンビアにおける不法なけ

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し栽培は拡大しており、それをもとに生産されるヘロインのほとんどが直接あるいは中

米諸国やカリブ海諸国を経由して、米国に密輸されているのである。 2005 年、北米地域

においては 60件、61キロのヘロインが摘発されており、前年と比較して件数はほぼ倍

増しているが、数量は 5%増加しただけである。そのうち 40件が郵便を利用した事例で

あり、商業航空貨物によるものが 16件であった。

 大麻は北米・南米のあらゆる地域で乱用されている主要な薬物であり、いたるところ

で栽培されている。インターネットで簡単に情報が入手できることもあり、主にアメリ

カでは大麻の室内水耕栽培の増加が深刻な問題となっている。米国司法省によればアメリ

カに密輸される大麻草の主要な生産国はコロンビア、カナダ、ジャマイカである。中米

及びメキシコを経由する陸路を使って膨大な量の大麻草がアメリカに密輸されている。

国際麻薬統制委員会(INCB)の報告によるとカナダでの違法な大麻の年間生産量は約

800 トンであり、そのうち 60%以上がアメリカに密輸されている。さらに南米地域では

コロンビアはアメリカや欧州地域向けの大麻の主要生産国となっており、カリブ海に位

置するジャマイカで生産された大麻草は飛行機や船を使って、欧州、アメリカ、カナダ

などに密輸されている。

アフリカ地域

 摘発はごくわずかだが、コカイン密輸の中継地としてアフリカに関連する事犯が南米

及び欧州において相当数報告されている。またアフリカ人の運び屋は世界的なコカイン

密輸に深く関与している。2004 年、アフリカ地域におけるコカインの摘発は南アフリカ

とコートジボワールのみであったが、2005 年は南アフリカ、セネガル、コートジボワー

ル、ケニア、モロッコ及びマリでも摘発されている。

 南西アジアで生産され、欧州またはアメリカ向けヘロインの密輸中継地となっており 、

特に南西アジアの密輸グループはアラブ首長国連邦を経由し、ケニアとコートジボワー

ルで中継するルートを利用している。

 大麻はアフリカ地域でもっとも乱用されている薬物であり、地域内の多くの国々で栽

培されている。特にガーナ産の大麻草は西側アフリカ諸国での需要が多い。そして同地

域は世界各地、特に欧州向け大麻の支出地であり、南アフリカを支出地とする大麻草が欧

州及び北米において多々摘発されている。また東アフリカ地域の開港は大麻草及び大麻樹

脂密輸の主要な密輸中継地となっている。さらにモロッコは大麻樹脂の主要生産国であり、

主に欧州市場への供給源となっている。

●中継国における諸問題

 中継国として利用される国は治安が悪く、不正薬物を取り締まることができないこと

が多い。また、密輸ルートは多様化・複雑化しており、摘発が困難となっている。これ

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らの国では旅行者を運び屋に仕立て上げる事件なども発生している。ここでは、以下 3つについて述べる。

 まず一つ目は移動中に見つける危険性が高いということである。一般的に麻薬は「作

る」ことに対して目をつむっている部分もあるが、「運ぶ」部分においては監視の目が

厳しい。よってその移動中、特に国境付近において各国の警察機構に逮捕されることも

しばしばである。

 二つ目の問題としてあげられるのが、密輸して者の殺される可能性が高いということ

である。麻薬の受け渡しを終えたと同時に殺されるケースもしばしばである。要は「ア

シ」を残さないための手段である。

 そして三つ目の問題として、生産者に比べてもらえる報酬の額が少ないということで

ある。特別総会において「薬物需要の充足で最も大きな人的・社会的及び制度的負担を被

るのは中継国である。薬物取引との戦いで最初に命を落とす者も中継国の人々である。多

くの中継国の国境は脆弱であり、完全武装した密輸人を通さないようにするためにはこ

れらの国々に資金と技術援助を提供する必要がある。代替的開発プログラムには中継国の

小規模農家、運び屋及び漁民の状況に対処する要素を組み込むべきである。このような

人々は貧しく、代替的生計手段を持たないため、薬物の不正取引に巻き込まれている。」

との意見が出されたにもかかわらず、中継国に対して実行的な措置はなされていない。

理由は簡単で、いい手段が提起されないからである。生産国のように代替作物戦略もと

れないし、結局は「運び屋をやめさせて何をさせるか」という問題に行きついてしまう

のである。

●国際協力

麻薬等の薬物問題は地球的規模の深刻な問題であり、国際社会が協調して対応を強化し

ていかなければならない。先進国及び途上国双方が優先すべき課題として取り組み、関

係国際機関を含めた国際協力の下に対策を進めていくことが重要である。国際協力に際し、

様々な条約、国際機関が存在するが、それらの説明は他の章に譲り、ここでは具体的に何

をしていくことが考えられるかをいくつか挙げていくことにする。

 まず考えられるのが、情報の交換・共有である。麻薬は国境を越えていくものである

以上、他国から情報を仕入れることが不可欠である。さらに麻薬密輸組織は取り締まりが

強化されるとすぐさま密輸ルートを変えてくるので、継続的且つ活発な情報交換が必要

となる。そうして集めた情報をもとに密輸ルートを割出、取り締まりを強化していこう

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というのである。

 次に挙げられるのが、捜査機関の国際協力である。情報の交換・共有にとどまらず、国

際捜査を行うこともある。複数の国家が協定を結び捜査機関が共同捜査を行うことで、国

際的な薬物密輸の取り締まりを強化していくのである。そして薬物が多数国間にまた

がって密輸・取引される場合に有効といわれているのが、コントロール・デリバリー

(監視付き移転)である。これは、ある国家の捜査機関が不正取引を認知しても、直ちに

検挙せずに監視下に置いて運搬を継続させると同時に、他国に情報を伝えて国際的な協力

を得て、最終段階で犯罪者を一網打尽に検挙するという捜査手法だ。うまくいけば密輸・

不正取引に関与した者を芋づる式に捕えることができ、犯罪組織を壊滅させることも可

能であり、極めて有効といえる。

 また、税関強化のための支援も必要となってくる。麻薬の流入阻止のためには税関で

の水際阻止が極めて重要になってくる。よって、検査機器の導入や麻薬専門家・麻薬探知

犬の育成には多額の費用がかかるので、先進国が途上国に資金援助していくことが必要に

なってくる。また技術援助や人材交流も欠かせない。麻薬専門家の乏しい国家に麻薬専門

家を派遣したり、あるいはその国家から人材を受け入れて将来の麻薬専門家とすべく育

成したりすることが重要である。

 他には軍事行動の国際協力も必要だ。麻薬密輸組織に対して複数の国家が共同で軍事攻

撃を仕掛けることもある。1 か国の軍だけでは密輸組織に充分な打撃を与えられない場合

には、他国と協力して麻薬組織を掃討していくのである。実際、アメリカの多大な援助

のもとでコロンビア政府による麻薬密輸組織掃討を行った。アメリカは、自国の麻薬汚

染を防ぐために元を断とうとしたのである。

麻薬は少量の生産販売で多額の利益が得られる事から、多くの国の反政府ゲリラや民兵

組織が資金源として麻薬産業を保有する事が多い。また、同様の理由で、かつ、中央政府

の支配力が及ばない事から貧しい農家が「究極の換金作物」として麻薬植物を栽培する

ケースも多い。このような状況に対して、麻薬撲滅のためには、世界的な取り締まりや

先進国による麻薬産業国への援助が必要となるのである。

第 4 章 医薬品の特許権保護●知的財産権

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現在医薬品についての知的財産権が大きな問題となっている。例えば発展途上国ではエ

イズ治療が必要な患者のおよそ 3分の 2 が必要な薬を入手することができない。アフリ

カやアジアの最貧国では治療に必要な薬はほとんど手に入れることができず、その最も

大きな原因は医薬品の価格が高いことであり、そして医薬品の価格が高くなってしまう

主な理由は特許権があるからである。

 そもそもある製薬会社が新しい医薬品を 1 つ開発するには 260億~360億円の費用が

かかる。特許がないとすぐに同一成分の後発医薬品が 3~6割の価格で販売されるように

なり、他社の新薬を模倣した方が競争優位に立てるので製薬会社は新しい医薬品の開発を

行わなくなってしまうのである。つまり先発医薬品を開発した製薬会社がその開発費を

回収できる仕組みは知的財産権によって成り立っているのだ。一方近年では「世界中の

人々が必要な薬を入手し、正当な治療を受けて生存する権利は特許権に優先されるべき」

という声も高まっており、先発医薬品を開発した製薬会社が開発費を回収できる仕組みを

維持しつつ、発展途上国での薬の価格を下げることが課題となっている。

●ジェネリック薬

まず、ジェネリック医薬品とは厚生労働省が先発医薬品と同等と認めた医薬品のことを

言う。先発医薬品の特許満了後に有効成分、分量、用法、効能および効果が同じ医薬品と

して新たに申請され、製造、販売される安価な医薬品で、先発医薬品と質的な違いはない

開発期間が先発医薬品より短いので価格を安く抑えることができる。よってその利点と

して患者の薬代負担が減ることなどが挙げられる。また、仮に特許期間が過ぎている薬

がすべてジェネリック医薬品に置き換えられれば日本の医療費は年間で約 1兆円節減で

きると言われており、医療費の国庫負担が減ることで医療行政の向上が期待される。安全

性については先発医薬品がその特許期間が満了するまでの間に多くの患者に使用されて

いるので成分の有効性や安全性は十分に確認されているということができると思われる。

 日本ではまだそれほど馴染みのないジェネリック医薬品だが、欧米諸国では特許が満

了した 1カ月後に約 80%がジェネリック医薬品に替わる薬もあるほど一般的な存在とし

て認識されている。数量ベースで言えば 2002 年にはアメリカ、イギリス、ドイツで

ジェネリック医薬品が全体の 50%を超えるのに対して日本では 16.9%にとどまっている。

●偽造医薬品

偽造医薬品とは内容や出所に関して故意に虚偽の記載がなされた医薬品のことである。

有害物質が含まれていることによる健康被害を引き起こしたり、有効成分が入っていな

いことにより医療機会が逸失されたりすることなどが問題点として挙げられる。2010 年

の販売額は 750億ドルと言われ、事例数ではアジアが最も多い。国単位でいうと中国が

1位でそれに続き韓国、アメリカ、インド、そして 5位に日本が入る。しかし、日本の場

合実際はほとんどがインターネット経由で取引が行われているため一般の人々が脅威を

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感じることはない。偽造医薬品は他の薬物犯罪に比べ低リスクで利益が上がるため犯罪組

織やテロ組織が資金源として売買に手を出しやすい。最近では医者や薬剤師、その他の健

康関係の正規の教育を受けた人が道を踏み外してそういった犯罪組織などに手を貸して

しまうといったケースも見られる(プロフェッショナルの悪人)。

 もともと薬の無い発展途上国で大きな問題だと考えられていたが近年では先進国でも

大きな問題として取り上げられるようになってきている。その理由としては市場のグ

ローバル化で流通が容易になったこと、インターネットの普及、ラベルから有効成分ま

で何でも製造技術が広がったこと、規制する法律が十分でないことなどが挙げられる。

その対策として 2006 年 2月には国際偽造医療品対策タスクフォース(IMPACT)が設立

され、偽造医薬品の定義の修正、対象を医療機器にも広げるための作業、インターネット

販売のガイドライン作成など偽造医薬品の製造、取引、販売をなくすため国際共同ネット

ワークの構築を目標に掲げて活動している。

●TRIPs 協定

「TRIPs 協定」(知的所有権の貿易関連の側面に関する協定)とは国際的な自由貿易秩

序維持形成のため、知的財産権全般(著作権、商標、地理的表示、意匠、特許、集積回路

配置、非開示情報)の保護や権利行使手続の整備を各国へ義務付けることを目的とする協

定である。GATTウルグアイラウンド解消と WTO設立に伴い、1994 年に作成されたマ

ラケシュ協定(モロッコのマラケシュで作成された、WTO の設立などについて定める条

約。)の一部を成している。全ての WTO 加盟国に適用され、現在 130カ国以上の国が加

入している。「TRIPs 協定」は、パリ条約などにおける既存の義務の遵守を規定している

他、加盟国が他の加盟国の国民に与える権利は全ての加盟国に与えられる、という最恵国

待遇や、自国民の待遇より不利でない待遇を他の加盟国にも与える、という内国民待遇な

どを原則としている。

▶医薬品アクセス

医薬品の手に入れ安さについての途上国関連問題の一つである。

 特許料によって医薬品が高価になることにより、感染症(特に HIV/AIDS、マラリア及

び結核)に苦しむアフリカをはじめとする途上国において医薬品の入手が阻害されるこ

とをいかに防ぐかという知的財産権の保護と生命倫理とのバランスをめぐる問題である 。

特許制度による医薬品が値上がりや、コピー薬の生産・使用・輸入等が制限される結果、

医薬品へのアクセスを阻害しているとの指摘がなされてきている。

これに対し、先進国は、TRIPs 協定をはじめとする知的所有権制度に関する対処だけで

すべてが解決可能なわけではなく、これらはあくまでも総合的対策の一つの側面にすぎ

ないことに留意すべきであり、医薬品開発の促進のためには特許制度は必要である旨主

張してきている。

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感染症に対する社会的関心の高さもあり、ドーハ閣僚会議において「TRIPs 協定と公衆

の健康に関する宣言」が採択され、特に医薬品生産能力のない国への対策について検討す

ることとされている。途上国関連問題の中でも一つの象徴的な問題となっている。

▶強制実施権

 本来特許発明の使用には特許権者の許諾が必要であるが、WTO は 95 年に発効した

TRIPs 協定で、医薬品に限らず、政府や政府と契約関係にある機関が非商業目的のために

生産するのであれば、特許権者の事前の承諾を得ることなく、その技術を使うことがで

きると定めている。このような権利を強制実施権という。ドーハ閣僚会議の宣言では、

HIV/AIDS等も強制実施権を認める際の条件となり得るとなっている。これが認められた

背景には、国内外の特許所有者に配慮することなく、宇宙開発や軍事開発を進めたい米国

政府の思惑があったとされる。

▶生物海賊行為

生物海賊行為(バイオパイラシー)とは生物資源を巡る盗賊行為のことである。

インドの女性科学者バンダナ・シバなどが主張しているような先進国による途上国(生

物資源の原産国)に対する新たな侵略行為をさす。つまり、先進国の多国籍企業などは、

途上国住民の永年の伝統的生活により保全・利用されてきた豊かな生物資源(生物多様

性)を利用し、バイオテクノロジーにより食料や医薬品など商品開発をして莫大な利益

を上げている。それにもかかわらず、途上国にはその利益の公平な配分・還元や技術移

転などがなく、生物資源の盗賊行為に等しいというものである。このような先進国など

の姿勢を生物帝国主義と呼ぶこともある。

生物多様性条約策定の段階でも、南北対立問題の一つとなり、成立した条約では、遺伝

子資源へのアクセスとその利用から生じる利益の公正・衡平な配分(ABS)が条約の目的の

一つとして位置づけられた。また条文にも途上国など「原産国」の権利や先進国から途上

国への資金援助、技術移転などの項目が盛り込まれた。

なお、アメリカ合衆国はこれら資金援助や技術移転が無制限になる可能性があり、その

歯止めとしての知的所有権の保護も十分ではないとして、生物多様性条約を未だ(2005年 2月現在)批准していない。

●TRIPs 協定と公衆衛生に関する宣言

2001 年 11月にカタールのドーハで行われた第4回 WTO閣僚会議において採択され

た宣言である。

世界貿易機関(WTO)の創設に合わせて新たな貿易関連ルールの一環として発効した

TRIPs 協定は、知的所有権の保護が新薬開発のための重要性を認識し、医薬品価格への影

響についての懸念も認識したと伴に、多くの開発途上国及び後発開発途上国を苦しめてい

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る公衆の健康の問題、特に HIV/AIDS、結核、マラリアや他の感染症に起因する問題の重

大さを認めるうえで、加盟国が公衆衛生を保護するための措置をとることを妨げないし

妨げるべきではないことに合意した。

2001 年に「すべての人々に必須医薬品を提供」、又は「公衆衛生の保護、特に医薬品

へのアクセスを促進するという加盟国の権利を支持するような方法で、協定が解釈され

実施されうるし、されるべきである」と旨に宣言したドーハ宣言は、TRIPs 協定は加盟国

が公衆衛生を保護するための措置を採ることを妨げるものではないとの趣旨を盛り込む

一方で、TRIPs 協定上の権利義務関係に影響を与えないようにし、全体として途上国側の

主張と先進国側の主張のバランスをとったものとなった 。

TRIPs 協定における、2003年に公衆衛生の保護について、TRIPs 協定の柔軟性によ

り各加盟国は、強制実施権を許諾する権利及び当該強制実施権が許諾される理由を決定す

る自由を有し、若しくは何が国家的緊急事態かは各国が決定可能であり、HIV/AIDS、結

核、マラリアや他の感染症は国家的緊急事態と見なすことがあり得ると認識した。これ

によって国内の公衆衛生、医療対策上必要と判断した場合には、各国政府は WTO ルール

に基づく経済制裁などの報復措置を恐れることなく、TRIPs 協定による特許保護に縛られ

ず、強制実施権の行使などによって対応できることになるはずである。ジェネリック医

薬品を生産する技術能力のある国は、自国の判断で強制実施権を発効して生産を行うこと

ができる。

しかし、生産能力や資力のない国は、ドーハでの「国内の公衆保健衛生が TRIPs 協定よ

り優先する」という宣言は実用性の意味がないと言われている。特に、熱帯病、エイズ、

結核などの感染病患者が多く、高い薬を買う能力がない南アフリカの国々にとっては、

まったく救いにはならないことであると指摘されていた。

第 5 章 国際諸機関とその動向●麻薬委員会

 麻薬委員会とは国際連合の組織内における麻薬政策決定の中核的機関である。経済社会

理事会の機能委員会の1つである。麻薬委員会は 1946 年に創立され、現在発効している

薬物統制条約に基づいて職務を行っている。

 麻薬委員会は後述の国際麻薬統制委員会とのあいだで権限を分けあっている。麻薬委員

会はどの物質をどのような統制下に置くかを決定することにより、委員会は麻薬統制条

約に影響を与える権限を持つ。麻薬委員会は上部組織である国連と同じように各国で構成

される。計 53カ国で任期は 4 年である。構成国の議席数は各地域グループごとに割り当

てられている。

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 麻薬委員会は世界保健機関(WHO)の勧告に従って物質を国際統制下に置くことを決

定できる。逆に上部組織である経済社会理事会に助言すること、そして必要に応じて薬物

統制を強化する目的の勧告及び条約案の作成を行うことができる、まさに薬物国際統制に

関する意思決定の中心機関である。

●国際麻薬統制委員会(INCB) 国際麻薬統制委員会は国際連合の機関の1つで、薬物関連国際条約の実施を目的とした

機関である。麻薬及び向精神薬の規制施行の監視、さらに前駆物質の規定においての重要

な任務を担っている。組織は麻薬委員会とは異なり理事会により選出された 13人の委員

で構成される。13人の内訳は WHO が指名した名簿から選出された医学、薬学の経験の

ある者が 3人、国連加盟国、国連非加盟の締約国が指名した名簿から選出された者が 10人である。

 主な業務は麻薬及び向精神薬の生産、流通及び消費を世界的視野において統制すること

である。そのため各国政府から麻薬などの統計、見積もり報告を受け、その集計を行い医

療や学術研究目的などの合法的目的としての麻薬等の

必要量を検討し、これらの栽培、生産、製造、使用について条約上求められている必要な

制限を行う。また、麻薬等の原料物質による密造に関わる情報処理も行うようになり、そ

れらの物質の評価を必要に応じて行い、その結果を麻薬委員会に通知する役割も担ってい

る。

●国際連合薬物犯罪事務所(UNODC) 国際連合薬物犯罪事務所は薬物規制と薬物犯罪に加え、人身売買や資金洗浄を含めた組

織犯罪や汚職を含めた腐敗防止を目的として、1997 年に設立された国際連合の機関であ

る。主な業務は、政策及び事業決定過程に資するため、不正薬物及び犯罪に関する調査・

分析を行うこと、国連加盟国の不正薬物、犯罪、テロリズムに関する各条約の締結・実施

及び国内法整備の支援、加盟国に対し不正薬物、犯罪、テロ対策における能力向上のため

の技術協力提供が主なものである。特徴としては前述の2つの組織と比べて薬物だけに

とどまらず広い範囲の犯罪を取り締まっているという点だ。またこの組織は麻薬委員会、

国際麻薬統制委員会の事務局も務めていて、これらの委員会の決定がこの組織の方向性に

指示を与えることとなる。

●GATT ウルグアイ・ラウンド

 GATT のウルグアイ・ラウンドは現世界貿易機関(WTO)の前身である GATT体制で

行われた貿易の自由化、多角的貿易を推進するために行われた通商交渉である。

 具体的な内容としてはサービス貿易や知的所有権の扱い方、農産物の自由化などについ

て交渉が行われた。そしてこの協議によって GATT を改組して世界貿易機関を設立するこ

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とが決定された。

●世界知的所有権機関(WIPO) 世界知的所有権機関は、全世界的な知的財産権の保護を促進することを目的とする国際

連合の専門機関である(加盟国は 184カ国)。

 活動としては知的財産権保護の国際的な推進のための活動を行うとともに、知的財産権

に関する条約、国際登録業務の管理・運営を行っている。さらにこのうち知的財産権保護

の国際的推進のためには、知的財産保護に関する条約の作成、途上国への技術協力を通じ

た知的財産の保護水準の工場、情報化の推進等の活動が行われている。設立自体は 1970年であるが著作権などの知的財産権保護が謳われてきたここ 10~15 年ほどのうちに重要

となってきた。日本でも 2006 年に日本事務所が開設されるに至った。

●世界貿易機関(WTO) WTO は GATT を継承する形で前述のウルグアイ・ラウンドにおける協定により成立し

た。自由貿易推進が主たる目的である。

 GATT から WTO になり既存の貿易ルールは強化された(アンチダンピング、セーフ

ガードの改正)。GATT が協定(Agreement)に留まったのに対し、WTO は機関

(Organization)であるのが根本的な違いである。基本原則は自由・無差別(最恵国待

遇)・多角的通商体制である。また物品貿易だけでなく金融、情報通信、知的財産権や

サービス貿易も含めた包括的な国際通商ルールを協議する場である。対抗処置の発動に関

しては GATT がコンセンサス方式(全加盟国の賛成)をとっていたのに対し、WTO では

ネガティブ・コンセンサス方式(全加盟国の反対がなければ採択)をとったため強力な

紛争処理能力を持っている。

第 2 部 論点編

第 1 章 麻薬

第 1節 刑罰化・非刑罰化

薬物の使用等への対応は、国によって大きく異なっているが、そこには薬物に刑事罰

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を課すか否かという問題がある。

例えば日本では、業とした場合や、営利目的の輸入、売買などの場合に無期懲役の規定

はあるが、実際の裁判では、概ね 10 年以下の懲役刑になっている。麻薬犯罪については、

日本から見れば諸外国の刑罰が重いように感じられるが、逆に、全世界で見れば、日本の

刑罰が軽い部類にあると言える。アジア諸国及び中東などで死刑をはじめとする厳罰傾

向がうかがえるからだ。シンガポール、中国、韓国などの最高刑は死刑である。イスラ

ム圏で、麻薬の所持や売買などは厳罰に処すために、最高刑を死刑にしてある国が多い

のは、コーランで麻薬の使用が厳禁されているためである。

このように厳重に刑事罰を課す国があるとはいえ、世界的に見ると、死刑などの厳罰

から、リハビリをして社会復帰させようという方向に動いているとの見方もある。その

例がアメリカだ。もはや刑事罰という司法的処理だけでは、再乱用の防止は期待できな

いとして、「ドラッグコート」や「トリートメントコート」といわれる処罰回避をして、

治療を優先するシステムが一般化してきている。また、オランダに至っては、ソフトド

ラッグを合法としている。ブラジルでも麻薬の非刑事罰化を求める運動がすすめられ、

マリファナを非刑事罰化したポルトガルでは、大麻使用者が増えなかったばかりか、若

い世代ではむしろ使用率が下がったとの例もある。

こうした非刑事罰化が進む背景には、文化的なもののほかに、いくつかの理由がある。

まず、刑事罰化にあたり薬物を禁止すると暴力団の暗躍にも繋がり、逆に薬物が蔓延する

可能性すらあるからだ。一部合法化することで、市場を政府が管理でき、都合がよいの

だ。次に、全面的な禁止法の下では十分な研究もできないという問題もある。より正確

で、実際の害削減に役に立つ研究のためには、品質や逮捕の危険のない使用者の証言を保

証が必要なのだ。また、一見すると禁止法は究極的な解決法に見えるが、実際には何のコ

ントロール機能も持っていないという問題点もあるのだ。禁止されている状況では、脅

しによる教育しかできず、害削減のガイドラインも示すことはできない。流通している

薬物の品質の管理もできない。害の削減どころかリスクを拡大してしまうこともあるの

だ。何より、刑事罰化は、たった一度の過ちのためにその後の社会復帰の足枷になると

いう難点がある。

とはいえ、刑事罰化をしないまま、治療だけをすればいいというのは極論すぎるとも

いえる。刑事罰化の必要性は、社会や当事者のことを考えて慎重に議論する必要がある。

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第 2節 麻薬の密輸対策

麻薬とは、アヘン、モルヒネ、コカインなどの脳内に作用し、幻覚などの症状を引き

起こすものであり、依存性や毒性が非常に高く、社会に悪影響をもたらすと考えられて

いる。さらに、麻薬は非常に高い価格で取引され、集団犯罪組織が国家を介さずに、違法

な栽培・製造・密輸・密売が横行しており、特に、少量で多額の利益が得られることから

反社会的組織が関与し、さらにそれらの集団の重要な資金源となっている。これらの事

実から、世界では麻薬の使用が厳しく規制され、社会的治安崩壊を阻止するために国家や

警察による厳しい取り締まりが行われ、多くの国で製造・所持・使用について刑罰が科さ

れており、中には死刑を科す国も存在する。密輸に関しては、多種多様な方法が採られて

おり、観光客を使ったもの、潜水艦、洋上取引、コンテナ貨物を利用したものなど様々で

あり、それゆえに対策が難しくなっており、国際的な対応が求められている。

現状、様々な対策が講じられ、水際での麻薬押収が増加しているが、薬物そのものの密

輸ルート自体は根絶されてはいないため、依然として相当量の薬物が流通しているとい

うのが現状である。さらに近年の犯罪は、「凶悪化・巧妙化・国際化」、「組織化・ス

ピード化」、「ハイテク化」といった特徴があり、対策が難しい。対策のための国際的組

織としては、国際連合の機関のひとつとして国際麻薬統制委員会(UNDCP)が存在した

が、2002 年に国連薬物犯罪事務所(UNODC)に統合された。これは「向精神薬に関す

る条約」第 19 条および「麻薬及び向精神薬の不正取引の防止に関する国際連合条約」第

22 条の不履行国に対し、資料の提出・是正措置の要求する権限を有し、それが満足なも

のでなかった場合、当該事件について注意を喚起する。また、薬物問題に関するサミッ

トも開催されており、数々の論点について議論されている。

これからの対策としては、国際社会において各国間の協力体制の強化が求められる。具

体的方策としては国連麻薬委員会等の国際会議への積極的参加や、国連薬物統制計画基金

への資金拠出といったことを先進国や経済大国に求めていくことが必要であるといえる 。

さらに、各国が密輸等の情報を共有するコンタクトポイントの設立、密輸ルートの解明、

関係地域の治安状況などの調査を協力して行い、国際的な水際摘発の向上を目指す必要が

ある。先進国は、二国間援助を積極的に行うことによって、危険地域での薬物関連事件の

防止や取締能力の向上を支援し、薬物問題の根底には貧困問題が存在していることを踏ま

え、薬物の代替作物栽培への支援を進めていくことが求められる。さらに前述したよう

な供給を断つような方策を実施したとしても、依然として需要は強く存在しているので

あり、その限りにおいて薬物問題、ひいては密輸問題の解決に至ることは難しい。そこ

で、薬物問題の噂がある地域において経済大国が十分な薬物教育による治安改善を図って

いくべきである。同時に国際司法における法の抜け穴をなくすための協力も求められる。

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第 3節 薬物生産国・中継国に対する支援

麻薬を非合法とする国が多い中で、なお麻薬を生産する国々は存在する。理由としては、

麻薬は荒れた土地でも育つことから、比較的育てやすい作物であるということ、そして

なにより麻薬は高値で売れるということがある。また、たとえインフラが整備されてい

ない土地で麻薬を栽培したとしても、麻薬を必要とする国が自力で取りに来るという運

搬の必要が無い場合もある。こういった点から、麻薬はほかの作物と比べて効率がよく

お金が手に入るものであると考えられる。

アメリカのブッシュ前大統領は、違法薬物の主要生産国と薬物輸送国として、アフガニ

スタン、バハマ、ボリビア、ブラジル、ビルマ、中国、コロンビア、ドミニカ、エクア

ドル、グアテマラ、ハイチ、インド、ジャマイカ、ラオス、メキシコ、ナイジェリア、

パキスタン、パナマ、パラグアイ、ペルー、タイ、ベネズエラ、ベトナムを挙げている。

どの国も比較的貧しい国であるといえる。だからこそ麻薬生産をしているのであろう。

では、このような国々にどのような支援をしていけばよいのか。例えば代替開発支援

という方法が考えられる。貧困国の農業・農村支援を積極的に行ったり、国際的に需要の

ある代替作物の栽培を支援したりすることで、麻薬生産に頼らなくとも自国の利益を得

られるように支援する方法である。ほかにもさまざまな方法が考えられるであろう。

また、薬物運搬の中継国は、人的・社会的・制度的に大きな負担を強いられている。上

でブッシュ前大統領が述べていたように、中継国もまた貧困国が多い。武装した薬物密売

人を止めるために命を落とすケースも少なくない。また、貧しさゆえに運び屋として仕

事をする人々もいる。その場合、薬物の密輸ルートを悟られないために、口封じとして

殺害されてしまう、といった場合もある。

では、中継国にはどのような支援をしていけばよいのだろうか。まず考えられるのは、

技術的支援であろう。貧困国が多数を占める中継国においては、空港や船、車など様々な

手段を使って運搬される違法薬物を検知する設備が十分に整っているかは疑問である。

さらに、薬物密売人が武装していた場合、密売を止める際に命を落とさぬよう、防護服な

どを着用する必要があると思われる。このように、貧困国で不足している技術を提供す

ることは、中継国の支援につながると考えられる。

また、中継国の国民が麻薬の運び屋として働く必要をなくすために、麻薬生産国と同様

中継国にも開発支援を行う、という方法もある。上で述べたように、中継国の国民が運び

屋として仕事をする理由は貧しさである。逆に、通常の労働で豊かな生活が送れれば、

運び屋もせずに済むし、口封じのために命を落とすこともない。よって、農地・農村開

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発など、他の国々による開発支援をすることは薬物に関する問題の解決の糸口につなが

ると思われる。

このように、麻薬生産国・中継国ともに貧しさによって麻薬に関する事柄に手を出し

てしまうというケースが多く見受けられる。他国にできる支援は、その国々の貧しさを

少しでも緩和することであろう。

第 2 章 知的財産権

第 1節 医療品アクセス問題

医療品アクセス問題とは、特許制度により医薬品が高価になったり、コピー薬の生産・

使用・輸入等が制限される結果、途上国の医薬品へのアクセスが阻害されたりする、とい

う問題である。W T O(1/T R I P S 協定(2においては、特許は、新規性、進歩性及び産業

上の利用可能性のあるすべての技術分野の発明について与えられるとしており、医薬品

も特許対象となることになり、W T O の加盟国はその義務を負う。アフリカをはじめと

する途上国では HIV などの感染症の被害が深刻であり、その原因の一つに特許による医

療品の高額化があると途上国側は主張しているが、新薬を開発にかかる膨大な研究費を回

収するには医療品から回収しなければならず、特許はそのために必要である。また、製

薬会社によっては無償もしくは安価で医療品を提供するなどの対策も行われている。し

かしながら、この問題を解決するには未だ効果的な対策はなされていない。

現在、進行している対策にドーハ特別宣言が挙げられる。

ドーハ特別宣言では、H I V/A I D S、結核、マラリアといった感染症に対し、強制発

動権の行使により、国内で安価に医療品が製造できるようになった。しかし、この宣言

には問題も残った。自国に生産能力のない国については TRIPS 協定の条項(3も関係して、

他国からの輸入をしなければならないのにも関わらず、できない状態になってしまった

のである。これに対し、WTO は、そのような国の協定国からの医療品の輸入については

例外とするよう、2005 年に TRIPS 協定の改定を行った。これによって、輸入する側にも

義務が定められ、他国から輸入した医薬品を再輸出することを防ぐための対策が必須で

ある。

また、この問題に大きく関わってくる条約としては TPP(4 があげられる。TPP が導入さ

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れた国では関税が撤廃されるため、医療品のアクセスが簡単になる。現在、この協定に

はシンガポール、ニュージーランド、チリ、ブルネイ、アメリカ、オーストラリア、ペ

ルー、ベトナム、マレーシアの 9カ国の間で交渉が行われており、カナダ、メキシコ、

韓国、中国などが交渉参加を検討している。

国家間だけでなく、企業や国際機関間でも動きがある。2012 年 1月 30 日に、ビル&

メリンダ・ゲイツ財団、世界保健機構(WHO)、世界銀行、米国・英国政府、顧みられ

ない熱帯病の蔓延国、製薬メーカーが一緒になって、2020 年までに顧みられない熱帯病

制圧に向けて共闘するという共同声明「ロンドン宣言」を発表した。参加した製薬会社・

財団などは、医療品の継続的な無償提供などを決めた。

いずれにしろ、長期的な視点からこの問題を捉え、製薬会社などの私益と途上国の感染

症抑止の公益とのバランスを考えていくことが必要だろう。

(1 世界貿易機構(World Trade Organization)。自由貿易促進を主たる目的として創設された国際機関。

(2 WTO の付属議定書。物品及びサービスの貿易に関する協定と並ぶ知的財産権の貿易関連の協定で、国際貿易、投

資の促進、円滑化のためには知的財産権の保護が不可欠との認識から定められた、知的財産権保護の国際的ミニマム

スタンダード。

(3 第 31項。強制実施権を設定して特許権に係る発明を実施するような場合は、「主として当該他の使用を許諾す

る加盟国の国内市場への供給のために許諾される」

(4 Trans-Pacific Partnership(環太平洋経済連携協定)。太平洋周辺の国々の間で、ヒト、モノ、サービス、カネの

移動をほぼ完全に自由にしようという国際協定。

第 2節 途上国への利益配分の問題

 1993 年に発効した生物多様性条約(Convention on Biological Diversity:CBD)に

おいて、遺伝資源を含む天然資源に対する各国の主権的権利を認めるとともに、遺伝資源

を利用する際には、資源提供国の国内法の定めに従って、当該国の事前同意を得ること、

遺伝資源の利用から生じる利益を公正かつ衡平に配分することが定められた。これを遺

伝資源の利用から生じた利益の公平な配分(Access to genetic resources and Benefit Sharing:ABS)と呼ぶ。

 しかしながら、それを実現するべく採択された名古屋議定書は未だに発効していない

これは、議定書に合わせた国内制度の変更によって自国が不利にならないか、という点

での様子見が行われているためである。

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この状況が続くことは、途上国にとって経済的に不利であるだけでなく、先進国によ

る資源の海賊行為が生物多様性に悪影響を及ぼすことも懸念される。しかし、途上国への

利益配分が増大した場合、それまでよりもコストがかかるようになり以前と同様の生産

が不可能になる可能性も同時に存在する。すなわち、途上国が病原体を提供する際に対価

を要求することによって、生産されるワクチンの流通量の減少や価格の高騰を引き起こ

し、逆に途上国にとって不利益になる危険性もはらんでいるのである。

第 3 部 各国編

ヨーロッパ

ベルギー

2004 年に、「国家健康インタビュー調査」(大麻使用に関する質問を含む)が、15歳以上の国民全体に対し行われた。報告によると、大麻の生涯普及率は、15~64歳の回

答者の 13%、(2001 年報告で 10.8%)。全体的に見れば、昨年の大麻使用普及率は回

答者の全体の 5%で、15~24歳の回答者では 12%、25~34歳で 11%。

学校年齢児童の健康挙動(HBSC)の研究が、2005-2006 年に、フラマン(オラン

ダ)系地域社会とフランス系地域社会の 12-18歳の生徒の代表的サンプルに対し行われ

た。大麻は、両地域の 15歳と 18歳の生徒から最も頻繁に報告されるドラッグであり、

フラマン系地域社会の 15-16歳では 24.6%、17-18歳では 43.5%、フランス系地域社

会の 15-16 歳では 29.6%、17-18 歳では 47.0%が、人生で最低1回の経験が有る 。

2002 に比較して 2005 年は、両地域社会で生涯大麻使用は 17-18歳グループでわずかに

増加しているが、15-16歳グループでは増加していない。

ベルギーで差押えられる違法ドラッグは、しばしば他の欧州諸国、特にイギリス、オ

ランダ、およびフランスに行く。ベルギーでの差し押さえの大部分が大麻にかかわる。

大麻の耕作は増加しているが、全国的には、モロッコ産ハシシの大規模な輸入がまだ優

位にいる。連邦警察からのデータは、すべてのドラッグ関連犯罪において、最も共通に

関連するドラッグが大麻であることを示している。

2007 年、ドラッグの大部分、すなわち大麻、ヘロイン、コカイン、アンフェタミン、

エクスタシーなどに対するドラッグ関連捕獲の数は、2006 年と比べると増加していると

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報告されている。その上、2007 年に差し押さえられたヘロインの量はかなり増加し、

2005 年の合計 270kg、2006 年の 176kg に対し 2007 年には合計 548kg が差し押さえ

られた。アンフェタミンに関しては、同様の傾向が観察でき、2005 年に捕獲されたのは

合計 175kg、2006 年の 119kg、および 2007 年の合計 484kg。

アントワープの港は、世界で 3番目に大きいコンテナ港であり、国際的なドラッグ取

り引きの中心です。合成ドラッグ(特にエクスタシー)はベルギーで非合法に製造され、

米国、カナダ、イギリス、および最近はオーストラリアを含んで輸出される。2000 年以

前に、合成ドラッグを作る非合法な実験室は、主に国の東地域に集中していましたが、し

かし現在は地理的にもっと広がっているようだ。ベルギーから他のヨーロッパ諸国への

輸出と同様にベルギー内部で合成ドラッグの流通が増加している。

差押えされたエクスタシー錠の量は、1990 年以来増加し続けており、2007 年には合計

541,245錠が差押さえられている。

2003 年には国家ドラッグ法がつくられドラッグ流通防止に乗り出した。

ベルギーでは、医薬品産業が盛んであり、ucb などのグローバルな製薬企業がベル

ギーに本拠を置く。また、輸出における医薬品の割合も大きく、最大輸出品目である化学

工業製品の約 3分の 1 を医薬品が占めている。他方、医薬品価格の規制を行っているため、

ジェネリック医薬品市場の発展は遅れている。

デンマーク

世界最高水準の社会福祉国家として知られるが、近年では若年層の貧困化や移民の増加

により麻薬が蔓延しつつある。デンマークでも麻薬は違法とされているが、コペンハー

ゲンの中にあるクリスチャニアという地区では独自のルールにより大麻の使用が許され

ている。

デンマーク第三の都市オーデンセでは、麻薬患者による犯罪を抑えるために、麻薬患者

にヘロインを渡すという法案が提案された。

2003 年以降、デンマークの大麻取締法は少し厳しくなった。現在は量に関係なく最低、

300 デンマーク・クローネ(約 5,400円)の罰金があるが、逮捕されず、裁判も無く、

犯罪歴も残らないのはそのままで、事実上は取締りの効果を発揮していない。

医療品分野はデンマークの産業として重要な位置を占めており、20 年間の特許期間の

ほか 5 年の延長が認められている。医療費の多くが税金で賄われているが、税収の減少

による医療費の削減が問題となっている。高額な新薬を避けるため、効果の低い薬やコ

ピー薬が多く出回っている。

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フランス

フランスでは若者を中心に薬物が横行しており、「先月、大麻を使用しましたか?」と

いうアンケートに、17歳の若者の 4分の 1 (女子 20%、男子 30%)がウィと答えており、

12歳から 18歳の若者層の大麻使用の倍増が憂慮されている。このようにパリ市内や郊

外で、大麻売買が堂々と行われていることは住民には周知の事実である。中学校や高校の

下校時を狙って学校前に売人が現れるので、警察が張り込むこともある。売人は、広場の

陰、公園の奥、高層住宅の階段などを利用し、周囲に見張りを立てているため検挙するこ

とは難しく、もっぱら使用者が逮捕されるのみである。

一方、1990 年に発効された国連の麻薬に関する国際 3 条約を批准しているフランスで

は、現在、大麻関連の検挙者には厳しい罰則を科している。所持・輸送・販売・買い入

れ・譲渡・譲り受けで最高 10 年の禁固刑および 7万 5 千ユーロの罰金刑、使用のみでも

最高 1 年の禁固刑および 3750ユーロの罰金刑である。栽培にいたっては最高 20 年の禁

固刑が科せられることもある。

しかし薬物売買のもたらす経済効果の大きさからしばしば合法化の提案が政治家から

なされるなど、国として一枚岩で禁止に努めているとは言い難い面がある。

フランスの医薬品製造会社数は一貫して減少を続けているが、近年では、わずかに増加傾

向が見られる。政策によって元々の薬価が低く保たれている。そのため、医薬品市場の

成長が抑制されてきた。ジェネリック医薬品浸透率も他の大規模な医薬品市場に比べて低

い。しかし、フランスは、特に途上国において、医薬品アクセス問題に長く取り組んで

きている。

ドイツ

 日本と同様に、麻薬に関しては厳しく取り締まっている。ただ隣国オランダの影響で

軽度な麻薬(主にハシッシなど)の愛好者は一定数存在し続けている。ドイツでは、

2010 年まで、オランダのように軽度の麻薬の服用を許可する代わりに、麻薬中毒者に政

府が麻薬を提供して、中毒者の社会復帰、及び犯罪を減らすという面白い対策が採られて

いた。麻薬中毒患者が簡単に麻薬辞められるわけがなく、中毒死するまで麻薬を打ち続け

る、ということになる。そのため国が麻薬中毒者に麻薬(正確にはメタドンなどの麻薬

の代用品)を提供することによって、麻薬中毒患者がお金を工面する為に犯罪に走るケー

スも少なくなり、危ない注射器も街中に転がるようなこともなくなるので、市民の安全

性も上昇した。このプログラムを利用して社会復帰し仕事もこなせるようになった中毒

患者もでてきたが、やはり社会保障が発展しているドイツでこのプログラムに対する理

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解度は高くなく、2010 年にほとんどの地方自治体でこのプログラムが終了してしまった。

 ドイツは医薬品の自由価格制をとってきた。しかし、2010 年 7月、保健省が自由価格

制の廃止を提言し、医薬品市場新秩序法が改正され、自由価格の設定は発売後 1 年間に限

られることとなった。ジェネリック医薬品については、浸透率が欧州で最も高く、参入

しているジェネリック医薬品企業の数も多く、最近では入札制度への移行も起きている。

ハンガリー

 ここ十年ハンガリーでの薬物流通量は増えている。不法麻薬の流用量を正確に掴むのは

不可能だが、危険性が高いヘロインのハンガリーでの摘発量は世界で4番目に多い。人口

対比で見ると、ブルガリアに次いで2番目だ。勿論、これらの数字が、ハンガリー国内

での麻薬使用量に直結するわけではない。しかし西側向けの麻薬がハンガリーを通る際、

豊かになりつつある“美味しい”市場ハンガリーを、麻薬ビジネス界が見逃がしてくれるわ

けがなくハンガリーの GDP を 1~2パーセント押し上げるほど多くの薬物が流通してい

る。これからの対応が注目される。

 ハンガリーは東ヨーロッパの製薬業界のリーダーである。ハンガリーの医薬品市場は

35億ドルに達した。最近では、景気後退、高失業率、そして、医薬品の補償費の 30%を

削減する計画があるものの医薬品の研究および生産拠点として、見通しは依然として良好

である。ハンガリーの製薬業界のビジネスの約 75%が輸出であり、それは主にジェネ

リック医薬品である。

イタリア

イタリア政府は、コカイン中毒者を立ち直らせるためのセンターを 18カ所つくること

を決定し、100万ユーロを計上した、とパレルモで開かれた会議で発表した(コリエ

レ・デッラ・セーラ、12月 7 日)。イタリアで、15~34歳でエクスタシーを使用する

ものは 0.7%で、ヨーロッパの中では消費量は下から三番目。大麻になると、イタリアは

ヨーロッパで7番目の消費国で、15~34歳のうち 12%が使用。ヘロインは、ヨーロッ

パで 12番目。15~34歳の 0.6%が使用。また、2.2%の人がコカインを用いており、そ

れはイギリス、スペインについで、ヨーロッパで 3番目である。特に若者の間で消費が

増えており、この 10 年間で倍増したと言われている。まさにそれに対処すべく 18 のセ

ンターを作ることにしたわけだが、まだ具体的な場所は決定していない。センターは夜

や土日も開くフレクシブルな時間制をとりたいとしている。

ヨーロッパ、またイタリアにおけるいくつかのバイオテクノロジー医薬品の特許期限

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が切れる時期にあたり、後発生物製剤、バイオシミラー医薬品と名づけられた新世代の医

薬品が既に市場に出回っており、またいくつかは開発・承認申請の最終段階にはいって

いる。EMEA の定義によれば、後発生物製剤とは既に認可済みの生物製剤と同種の有効成

分を持ち、同じ病状に対して生物製剤と同じ服用量を用いることができる。この後発生物

製剤と従来の生物製剤とは、よく似ているがまったく同じ物という訳ではないため、ど

ちらの薬品を患者に投与するのかという判断は、保健機関の有能なスタッフに一任され

ることになる。

イタリアで現在論議の的となっているのは、新しい後発生物製剤の市場導入を管理する

ための、より適切な手続きの確認方法であり、さらにはバイオテクノロジー医薬品を作

る者と、それを使うエキスパートが共有可能な、総括的かつ信頼できる基準を明確にす

ることである。

そのために大切なのは、バイオ医薬品とはいったい何であるかをよく理解することで

あり、その複雑な組成、作用の基本的な仕組み、さらにバイオテクノロジー全体におい

て、その生物構造に及ぼす影響と臨床的に広く使用される完成品の効能と安全性を知り尽

くすことだ。バイオ医薬品とその後発製剤の効能と安全性は、ただ化学的構造の特徴にだ

け基づいて評価されるべきではなく、厳格な臨床研究において証明されるべきものと言

える。

オランダ

オランダの薬物政策の主要な特徴のひとつは、ハーム・リダクションである。つまり 、

薬物使用者と使用者に関わる人たちに対する被害を制約しながら、薬物の使用を予防する

ということだ。ハードドラッグ(エクスタシーやコカイン、ヘロインのような、許容し

がたい健康上の危険を引き起こす物質)と大麻(マリファナとハシシ)は、薬物政策に

おいても、法律(「あへん法」)上でも区別されている。個人的な使用目的での大麻の所

持は(最高 30グラムまで)軽罪とされる。目的のひとつは、ハードドラッグと大麻(こ

れはコーヒーショップにおいて厳格な規定のもとに販売されている)の市場を区分する

ことである。

大麻を売ることは法律上では犯罪だが、コーヒーショップでは、厳密な規則を遵守する

ことが規定されているが、訴追されずに大麻を販売することができる(1人につき1日

あたり5グラムまで)。この政策の目的は、大麻の使用者が、社会の隅に追いやられた

り、より有害なドラッグにさらされたりすることを防ぐことである。たとえば、違法な

密売人から大麻を買おうとすれば、ハードドラッグを勧められることもある。大麻だけ

を売ることを条件にした販路があることで、人々をより危険なドラッグから遠ざけるこ

とができるのである。法律は、ハードドラッグの所持や販売を厳格に禁止している。

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オランダの薬物政策の主要な目的は、薬物の需要と供給の両方を削減し、薬物使用者、

関係者、そして一般大衆に対する害を最小に食い止めることである。当局は、大麻とハー

ドドラッグに対しては異なるアプローチをとっている。多くの国家では、公式にはこの

二つの分類の区別をせずに、事実上、同様のことが行われている。医療、獣医学、教育、

研究目的以外でのすべての薬物の取引、所持、販売、製造は処罰対象となる犯罪である。

オランダ裁判所は何度かにわたって有効特許によって保護されている薬品と同じ薬品

の市場販売認可取得を目的で第三者が行う試験行為への罰則を判決したことがある。

 オランダは、医薬品特許に関しては厳しい国であり、08 年にはインド、ブラジルとの

間でジェネリック医薬品の特許についての紛争が発生し、10 年には WTO に提訴されて

いる。また国内では、医薬品の自由価格制度による新薬との価格差により、ジェネリッ

ク医薬品は普及しており、ジェネリック医薬品市場は成熟している。

ロシア

麻薬の世界的な流通に非常に大きくかかわっていることは言わずと知れている。主に

その活動の中心となっているのはいわゆる「ロシアマフィン」。ロシア国外に活動する

ロシアンマフィアの人員総数は約 30万以上。中でも最大の「受け入れ国」と言われる

ポーランドでは 2万名以上が活動しているものと見られている。またスペインにおいて

は違法薬物ならびに違法銃器市場の 9割を掌握していると見られている。アメリカ大陸

においては、南アメリカから北アメリカへ、潜水艦を用いての違法薬物の密輸を行って

いる。さらに極東のウラジオストックは外国マフィアとの窓口であり、日本を含む北東

アジア諸国を相手に武器と麻薬を密輸している。日本における活動の拠点は北海道で、大

麻・アヘンなどの違法薬物の密輸入が行われている。

ロシアでは 20g 以上の大麻または他の違法薬物の所持は犯罪、また 6g までであれば合

法的に所持できる。また現在ロシアでは若者たちによる「クロコダイル」という合成薬

物(皮膚が透けるなどの重度の皮膚障害を引き起こす)の使用が大きな社会問題になって

いる。アルコール依存、育児放棄、虐待などの理由による家庭崩壊に耐えかねて家を飛び

だしたり、親に捨てられたりしたストリートチルドレンは現在 100万~250万人もいる

と言われており、彼らが違法薬物の使用の中心となっている。

ロシアの医薬品市場の規模は 09 年に世界 10位であり、BRICs のなかで一人当たりの

医薬品消費額はトップであり、その消費の 8割を輸入に頼っている。ロシアでは、薬剤

費が全額自己負担であるため、数量ベースでの消費は、処方薬(新薬)12%、処方薬

(ジェネリック医薬品)24%、一般医薬品 64%となっている。価格ベースでもジェネ

リック医薬品は 23%となっており、これは英 24%、独 22%(どちらも 08 年)とほぼ同

水準である。

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スウェーデン

国内における薬物乱用のレベルは低く、その対策も手厚い国である。スウェーデンで

は公衆衛生全般について、政府が 2002 年 12月に国会に提出した 公衆衛生目標 という「 」ものがある。そしてこの中で、政府が最も重要視しているのがアルコール・薬物乱用対

策である。薬物対策関連では、「麻薬中毒に陥るような機会の低減」、「麻薬中毒患者が

中毒から抜け出すことを可能にすること」、「国民が麻薬そのものへ接する機会を低減

させること」を目標として掲げている。また薬物依存者が再び社会に復帰することを可

能にする制度も整っている。

スウェーデンではつい最近まで医薬品は全て APOTEK(アポーテック)と言われる国

営の薬局でしか取り扱うことが出来なかったが、2009 年 11月からコンビニやスーパー

などの店頭でも、鎮痛剤や鼻スプレーなどの一部の市販薬に限り販売が可能になった。

ただ、若者が簡単に一般店頭で薬を買えるようになると、アルコール中毒の青少年によ

る医療機関への影響、青少年自身の身体への被害がさらに拡大してしまう恐れがあると

して、スウェーデン政府は一般の店頭販売のアルコール飲料(ちなみにスウェーデンで

は度数 3.5 度以下の飲料のみ店頭販売可)と同様、18歳以上という年齢制限を設けてい

る。

スイス

 実はヨーロッパ最大級の大麻消費国。薬物使用者に対して寛容な対応を示す国である。

個人使用目的の大麻を少量所持していたところでは処罰の対象にはならない。全人口

730万人のうち、およそ 50万人(約7%)が大麻の常用者ともいわれる。現在、青少年

による大麻吸引の数は急速に増えており、学校関係者や司法当局は早急の対応を迫られて

いる。そのため大麻は合法化するべきだという意見も、国内で非常に多い。スイス国民

は大麻を使っても中毒にならないことが分かっているため、多くの国民が賛成している

と言われる。この意見はまた、ヘロイン等の麻薬を、大麻を合法化することによって取

り締まろうという意味合いも含まれているが、そうするとスイス政府はスイスがヨー

ロッパのドラッグのメッカになってしまうのではないのかと懸念し反対している。

 またスイスは医薬品産業の国際的中心地であり、バイオベンチャーが非常に活発であ

る。これはスイスの地理的な状況や、外国の企業が多く進出してきていることなどが要

因である。

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イギリス

ドラッグ大国と言われるほど、大麻・麻薬の社会への蔓延が問題となっている。特に

1990 年代前半に若者による薬物使用が問題となり、政府によって薬物についての教育の

充実が図られた。しかし、薬物の取締りに関する法律が他国に比べ厳しくないことや、

あまりに広く蔓延してしまっており取締りが困難なことから、薬物の生涯経験率(2006年)は大麻が 30.2%、覚せい剤 11.9%、MDMA7.5%といずれも高く、ドイツやフラン

ス、アメリカなどの他の主要国と比較しても高い数値になっている。特に覚せい剤や

MDMA の経験率は他国と比べて非常に高い。

また、後発医療品(ジェネリック医薬品)の普及が進んでおり、その普及率は 65%で

ある。イギリスは、医薬品売上高で世界第 6位のグラクソ・スミスクラインと同 7位の

アストラゼネカがある医薬品大国であり、製薬産業は同時に重要な輸出産業でもある。

しかしながら、国内の公的医療施設 NHS では、ジェネリック医薬品が数量ベースでは 7割以上を占め、全体でも 5割以上がジェネリック医薬品である。国内のジェネリック医

薬品製造業者は、欧州市場への進出も狙っている。

アジア

アフガニスタン

 まぎれもなく世界最大の麻薬生産国。アフガニスタンは世界の麻薬生産の 9割を占め

ており、そして麻薬取引がタリバンの資金源となっている。90 年代の内戦で各軍閥勢力

が資金源としてケシ栽培に関与しはじめ、国内での栽培が盛んになった。今まではケシ

の輸出国であったが、タリバン政権成立後、資金源とするために国内にはヘロイン精製

工場が増え、アフガニスタンはヘロイン輸出国に転換している。ケシによってできるア

ヘンに関しても世界の 90%を供給している。

 このような状態となった当然な結果として、国内の麻薬中毒者も増え、社会不安が広

がっている。15~64歳の約 100万人が麻薬中毒者であることが明らかとなっており、

中毒者数は全人口の 8%に上り、世界平均の 2.65%を大幅に上回っている。麻薬を入手

しやすい環境であるほか、麻薬中毒者の治療・更生施設が不足していることが、中毒者増

に拍車をかける大きな要因になっている。

 またアフガニスタンからの麻薬流入がイランやロシアなど周辺国で大きな問題となっ

ている。ロシアは欧米に麻薬栽培の摘発を求めているが、駐留する欧米軍はアフガン農

民の反発を恐れて、積極的に摘発はしていない。ロシアで消費される麻薬の 9割はアフ

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ガニスタン産と言われている。アフガニスタンからの密輸ルートは大きく三つあり、カ

ザフスタンからロシアを経由して欧州、英国にいたる「ヨーロッパ・北部ルート」、タ

ジキスタンやウズベキスタンなどを通り、ロシアへ流れる「中央アジア・北部ルート」、

パキスタン南部やイラン、トルコを経由して英国にいたる「バルカンルート」だ。国も

これらの取り締まりを強化しようとしているが、警察や地方有力者の麻薬ビジネスへの

関与も指摘されており、なかなか対応しきれていないのが現実である。

 アフガニスタンでは、いまだに治安の改善が必要であり、深刻な医薬品不足が続いて

いる。また手に入る医薬品も、欧米や日本製の薬剤の流通は極めて限られていて、もっ

ぱら、イランやパキスタン、インド製のものである。このため、特にインドなどにおけ

る医薬品特許についての問題如何によっては、ただでさえ少ない医薬品の流通がさらに

限られることが予想される。

バングラデシュ

バングラデシュでは、薬物中毒、特に鎮痛剤コデイン含有の咳止めシロップやヘロイ

ンの中毒患者が増加している。同時に被検挙者の低年齢化も進んでいる。特にダッカ市内

では「Yaba(ヤバ)」と呼ばれる錠剤の薬物が大量に出回っており、外国人に売買を持

ちかける密売グループが存在していると言われている。薬物の乱用は、イスラム教徒が

多数を占めバングラデシュの富裕層や高学歴層に広がる「大問題」になりつつある。

麻薬取締法では、禁止薬物の種類及び量により刑罰が異なるが、日本の法律と比較して

も極めて厳格な罰則規定がある。例えば、ヘロイン、コカイン及びコカからの派生物の

量が 25グラム以上の薬物を所持または輸入していた場合、死刑または終身刑に処せられ

る。25グラムに満たない場合でも 2~10 年の刑に処せられる。

2012 年 8月 30 日、官民パートナーシップによって年内に臨床研究機関設立を目指す

ことが明らかになった。バングラデシュの日刊紙デイリースターが報じたところでは、

バングラデシュの国際保健医療機関が中心となって、バングラデシュ臨床研究機構(BC

RG)という組織を設立。ハク厚生相は全面的な支援を提供するという。現在、バングラ

デシュでは有力な臨床研究機関がないため、ライセンス料を支払ったうえで医薬品を製

造し、輸出している。ライセンス料は過去4年間で 5000万ドル(約 39億円)にも上る

ことから、バングラデシュ国内でジェネリック(後発医薬品)生産を行える体制が求め

る声が強かった。

カンボジア

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 首都プノンペンの路上に住んでいる、あるいはそこで働いている若者の間で、今年も

薬物乱用が増え続けていることが、6月に実施され、9月末に刊行された NGO の調査報

告で明らかになった。フレンズの薬物プログラムによって行われた 2271人の 23歳まで

の子どもと若者に対する 1 日の調査で、調査された彼らのうちの半数近くが、シンナー

からアンフェタミン(訳注:覚せい剤の一種)にいたる薬物を使用していることが判明

した。薬物使用者のうち 61.5%がメタフェタミン(訳注:日本で一般的に言われる覚せ

い剤)を、20.7%がヘロインを使用しており、ともに昨年よりも増えていた。もはや路

上における“入り口の”薬物となったシンナーの使用が大幅に減っていることもこの調査で

分った。専門家は、2004 年と比較してヘロインの使用(多くの場合注射で摂取される)

が 13.5%増えたことに懸念を覚える、と語る。カンボジアでは法的に厳正に薬物への対

応がなされているわけではなく、他国では規制され流通しない薬物も簡単にかえてしま

うのが現状である。

カンボジアの製薬市場は依然として発達の初期段階にある。国内産業はあまり発達して

おらず、小規模な現地製造メーカーがわずか7社で製薬市場の約 20%を供給しているだ

けである。現地の生産は実質的に後発医薬品に限られている。

カンボジアは、医療ツーリズム産業を発展させるための努力もしており、これによっ

て医薬品の輸入が増加すると思われる。

 しかし、多数の外国資本ジェネリック製薬会社がカンボジアに製造設備を設立すると

いう望みは薄い。2009 年 5月に世界銀行が発表した報告書では、世界的な経済危機によ

り、カンボジアが事業環境の改善を行うことがますます必要になったと述べている。

中国

麻薬の製造、密売、密輸に対する厳罰主義をとる。一方で「麻薬使用自体が第三者の権

利を侵害するわけではない」として使用者には刑事罰を問わず、中毒治療を優先してい

る。

中国には医療品メーカーが自らの知的財産を独占的に利用することを可能にする制度と

して、特許制度が存在する。1984 年に初めて特許法が制定された際、人間の健康と生命

にかかわる特殊な財である医療品に関しては製法特許のみが認められた。1993 年に医薬

品を含む化学物質に対しても特許が与えられるようになり、医療品特許保護の環境は大き

く改善した。1986 年から 92 年にかけて海外で特許が付与された医療品に対しては、最

長 7.5 年の保護を与えた。このように古い医薬品にも一定の保護を与えることをパイプ

ライン保護と呼ぶ。現在、中国の医療品特許制度は、法文上の観点からは保護水準は高く

保護の範囲は基本的に国際ルールと一致したものといえる。医療品特許の保護が強化され

ることは、中国製薬産業の研究開発を促進すると考えられる。一方で、医療品分野でイン

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ドなどに遅れをとる中国が国際医療品市場におけるシェアをのばすためには、厳格な特

許保護は国際市場における競争力の低下を招くこととなり、配慮が必要である。

インド

 イギリス統治時代にアヘンを生産していたこともあり、歴史的にもアヘンやヘロイン

といった薬物と深い関係があるインドでは、現在でもかなり簡単にアヘンが手に入る。

そのため、それらの薬物を原料に精製されるヘロイン(通称ブラウン)や、純度の高い

ヘロインが流通しており、中毒者が増加している。この流行が HIV/AIDS 感染リスク増大

の一因となっている。

またインドでは、許可を受けた農家がけしを合法的に栽培し、政府の統治下において

アヘンを合法的に生産、輸出している。横流しを防ぐため、インド当局は正当なあへん

生産地域の監視を強化し、他の州で不正なけし栽培が摘発された場合には撲滅運動を展開

しているが一部の州ではあへん乱用が続いている。

以前は、後発品に関する開発・製造が中心であったが、1990 年代半ば頃から、創薬、

すなわち自ら新薬を創り出すことを目的とした研究開発投資を開始し、現在 15 社程度

がそうした開発・製造を行っている。2010 年頃には、インド国内市場へ、インドの製薬

企業自らが製造した新薬が導入されていくと思われる。また、薬は古いが新しい剤形を

作り、その価値を高めるという新剤形の研究も行われており、特にこうした新剤形に関

する特許は、インドの製薬企業から国際出願も含めて多数出願されている。こうした創

薬をするとなると特許制度というのは非常に重要な事項となるので、今後インドの製薬

企業にとっても、特許制度は大変重要なものとなると考えられる。

インドネシア

インドネシアは違法薬物の生産地であると同時に消費地でもある。薬物消費市場を狙っ

た密輸も盛ん。インドネシア警察によると、インドネシアに麻薬を持ち込もうとして逮

捕された外国人の数は、2010 年が 134人、2011 年が 120人である。意図的に栽培して

いる組織もあるが、スマトラ島のアチェを含め、インドネシアでは自生しているケース

が多い。 1994 年 6月に大麻 50 トンが押収され、37ヘクタールの不正大麻畑が取り壊

された。

インドネシアの医薬品市場では競争力強化に向け、国内大手製薬会社の合併が検討され

ている。平均寿命が伸び、老人性疾患が増加して西洋型医療への需要が急激に高まる傾向

にあるなか、欧米の巨大製薬企業も続々と参入、業界地図が塗り変わろうとしている。イ

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ンドネシアの医薬品市場は、2013年までに61億ドル(約4960億円)超の成長が

見込まれている。ただ、国民の購買力は低く、医薬品市場を支える消費者は少数派に限定

される。これは、国内に流通する多くの後発医薬品でさえ高価であるためである。理由

は、国内産業が輸入製品に依存しており、最終価格が為替変動に左右されてしまうためだ。

インドネシアの医薬品市場は、他の新興国市場と同様に、特許やデータ保護などに関する

有効な手段がないため、偽造薬品の問題は残る。しかし、それは新興国市場では当たり前

のことであり、それ以上に著しい経済成長がインドネシアの医薬品市場をますます成長

させることは間違いない。

日本

 麻薬に関しては非常に厳しく取り締まっている国。個人使用目的の少量所持を犯罪(刑事事件)として扱うのは主要先進国の中では日本だけ。

 しかしそれでも違法薬物の使用は近年増加傾向である。主に蔓延しているのは、覚せ

い剤であり、現在は第三次覚せい剤乱用期と呼ばれている。覚せい剤は今までは注射に

よって摂取するものであったが、近年、アルミはくなどに乗せた覚醒剤を気化させて鼻

から吸引する「アブリ」と呼ばれる摂取方法が若者の間で拡がっている。さらに若者の

間では「エス」「スピード」という呼称が一般的になり、インターネット等をつかえば

入手することが可能になっている。これらが若者のあいだでの覚せい剤の広まりの原因

である。より最近における話では、脱法ハーヴが若者を中心として急激な広がりを見せ

ている。

 医薬品に関して、日本では医薬品の輸入に関して薬事法によってさまざまな規約が設け

られていて、手続き(製造販売業許可・外国製造業者の認定申請・輸入届など)が多く、

個人レベルで輸入をするのはかなり困難なものとなる。また新薬の承認にも日本はかな

りの時間がかかるため、医薬品の輸入に関する規制緩和が求められている。海外で使わ

れているが国内で使えない抗がん剤などが多いこともその主張の背景になっている。そ

のような薬の場合、保険がきかず医療費が高額となってしまうのだ。

マレーシア

 中国同様に麻薬の製造、密売、密輸に対する厳罰主義をとる。

マレーシアの医療技術・施設は先進的で、医療設備も充実している。また、現地医療品

メーカーは、独自ブランドによる特許切れのジェネリック医薬品や漢方製品の開発や参

入を軸としている。現在、マレーシアの知的財産法は国際基準を満たしており、国内およ

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び外国の投資家に対し適切な保護を提供しているといえる。しかし、医療品特許が延長さ

れるとジェネリック医薬品を製造できなくなる、薬の値段が上がり国民が医療を受けに

くくなるなどの観点から、さらなる特許保護には否定的である。

パキスタン

 アフガニスタン、イランにまたがる地域並びにレバノンのいわゆるゴールデン・ク

レッセントのひとつとして数えられるパキスタンから、中央アジアの 5 つの加盟国(カ

ザフスタン、キルギスタン、タジキスタン、トルクメニスタン、およびウズベキスタ

ン)を経由して、大量のヘロインとアヘンが欧州各国へ密輸されている。こことミャン

マー、ラオス及びタイにまたがるいわゆるゴールデン・トライアングル、それからメキ

シコのこれら 3 地域における不正なアヘンの生産量の推定値は、それぞれ、2,520 トン

から 3,000 トン、810 トンから 1,310 トン、90 トンである。またパキスタンからは日

本にもアヘンやヘロインが密輸されている。またパキスタン自身もアヘンの一大消費国

であるが、年間 224 トンを消費するほどである。

いまパキスタンで一番よく売れているのは、密輸されたインド産の医薬品だ。鎮痛

薬・鎮静剤・精神安定剤・向精神薬・避妊薬など様々なものが流れ込んでいる。

 印パ関係が冷えているにもかかわらずインドからの医薬品輸入が多いのは、パキスタ

ンに基盤を置いた多国籍企業の製造する医薬品の価格が高すぎるためだ。地元の医師ガ

ル・ジャマルさんは、「インドの薬は多国籍企業の薬と性能は変わらないのに、その1

0倍も安い」と証言する。

フィリピン

不法麻薬使用はフィリピンでは寛大に扱われておらず、厳罰は長期間におよぶ留置から

死刑執行まで多岐にわたっている。汚職は法体系に悪影響を与え、観光客が犯罪を報告す

るために、警察署に出向かなければならない時に、第3者を連れて行くことが勧められ

る。自国の大使館が観光客に効果的な援助を提供するのに力不足であれば、観光客は犯罪

の被害者となってしまう。

知的所有権法(共和国法 8293号)がある。特許の期間は申請日から 20 年。共和国法第

8293号(フィリピン知的財産法(IP法))は、知的財産権の利用に対するロイヤルティーの

金額に上限を設けていない。

1.特許登録上、特許の申請日は知的所有権庁が最低以下の情報を受理した日とされ、特

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許の期間は申請日から 20 年とされる。

a.フィリピン特許を得たいとする意思表示

b.申請者を特定する情報

c.発明の詳細およびその一つまたは複数の主張

なお、IP法は、特許期間の延長を定めていない。

また、特許申請の公告は、申請日または優先日から 18ヶ月の強制期間がきれる前に行う

ことができる(大統領府命令(Office Order)2003 年シリーズ第 124号、2003 年 12月 17 日公布)。特許登録申請者は次の条件を満たせば申請の早期公告を求めることがで

きる。(1)18ヶ月の待機期間と、(これまでの作品を示すすべての文書についての)調査

報告作成に対する権利放棄状を提出する。(2)公告は申請日より 6ヶ月目の日より早くて

はならない。(3)早期公告に求められる費用を全額支払う。

2.商標については、保護期間は 10 年間で、さらに 10 年間追加延長が可能。

フィリピン知的財産庁ではオンライン申請化を進めている。

シンガポール

シンガポール政府は、特に麻薬関連犯罪に対して、その犯罪者の国籍を問わず死刑を含

む極刑をもって対処する方針をとっており、同国ではシンガポール人、外国人を問わず

麻薬事案が頻繁に摘発されている。シンガポール中央麻薬取締局によれば、 2007 年中の

麻薬使用による逮捕者数は、2,166人(前年比 948人増)である。在シンガポール日本

国大使館は麻薬関連犯罪の取締強化のみならず、取締り対象薬物の指定も拡大している。

2007 年 1月、シンガポール政府は、同国内でヘロインを所持していたことにより死刑判

決が確定していたナイジェリア人について、ナイジェリア国大統領から減刑を要請され

ていたが、麻薬犯罪に対する厳しい立場を堅持する必要から減刑には応じないことを発

表し、同日、死刑が執行された。また、2005 年末には、麻薬密輸のオーストラリア人死

刑囚も、本国政府からの減刑の嘆願が受け入れられず死刑が執行された。シンガポール

においては、15g 以上のヘロイン、30g 以上のモルヒネ、500g 以上の大麻、250g 以上

の覚せい剤等の所持・密売・密輸に対しては死刑が科せられるほか、微量の所持等でも重

罪になる。特に麻薬を所持している場合は「疑わしきは罰せず」の例外として、所持人自

身が自らの潔白を証明できない限り有罪となるのだ。従来よりシンガポール政府はいっ

たん極刑判決が確定した場合、外国政府、関係者からの減刑要請があっても、これを認め

ないとの方針を貫いている。

医薬品業界は、世界的な特許切れ問題を抱えており、新薬開発の迅速化が急務とされて

いる。欧米では新薬開発の促進に向け、アジアを含む複数国で同時に治験を進め、開発の

早期化と費用負担軽減を図る国際共同治験が一般的だ。医療費抑制のための薬価切り下げ

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で国内市場の伸びが見込めないうえ、治験や人件費のコストが高い。今は成長市場の中国

やシンガポールに注目が集まっている。

タイ

タイでは大麻の不正栽培が、北部及び東北部からその他の地域へと拡大し、国内不正生

産量は年間 900 トンと推定されている。タイ北部山岳地帯におけるケシ栽培は 19 世紀初

頭に始まり,19 世紀半ばから約 100 年間は,アヘン乱用者は政府に管理され,登録者に

はあへん窟におけるアヘンの吸引が公認されていた。その後,タイ政府は,1958 年に,

アヘン窟を閉鎖し,アヘン禁止令を発布したが,そのころからヘロイン乱用が急増した 。

このようにタイでは,従来からタイ北部のいわゆるゴールデン・トライアングル地域近

辺で,アヘンや大麻が製造され,山岳民族を中心にアヘンやヘロインが乱用されてきた

が,1980 年代から国連やアメリカ等の援助を受けてアヘン根絶プログラムが継続的に展

開された。その結果,生産の減少に伴い,アヘンやヘロインの価格は 90 年代から上昇傾

向にあり,これらの規制薬物の乱用者数も徐々に低下傾向にある。

 一方,ヘロインのデイーラーはアンフェタミン系興奮剤(Amphetamine Type Stimulants,ATS)の密売に従事するようになり,北部地域のみならずミャンマー等

様々なルートから大量の ATS が密輸されるようになり,90 年代から ATS の乱用が主流に

なっている。

現在タイは、製薬会社に特許料を支払わずに安価な薬剤(いわゆるジェネリック薬品)

を国内で製造・販売しており、これが国際的な問題になっている。タイ国は今後、この

問題にどのように対処するかを決断しなければならない。 もしも特許料を支払うこと

になれば、現在実施しているようなかたちでは、多くの患者に薬剤を供給することがで

きず、その結果、途中で薬が打ち切りとされる患者が続出することが予想される。

トルコ

トルコは麻薬の生産地域であるイラン・アフガニスタンと麻薬の大量消費地域である

ヨーロッパとの間にあるという地理的事情からも麻薬の主要運搬ルートとして古くから

栄えていた。それゆえ、トルコ政府は薬物犯罪対策に力を入れており、薬物の不法所持に

は厳しい刑罰が科せられる。麻薬や向精神剤を無免許で、もしくは免許規定に反して製

造・輸入・輸出した方は、10 年以上の懲役且つ 2万日分以下の罰金に処される。さらに

それがヘロイン、コカイン、モルヒネ、モルヒネベースである場合は、50%刑が重くな

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る。

しかし歴史的に見てもトルコでの麻薬、特にアヘンと大麻の使用はよく知られている

ことであり、それらは現代では治療用から嗜好品になっていった、ということができる

ことは間違いない。

トルコでは現在実施されている医療改革プロジェクト、計画的かつ監査的な保健省の構

造、全国民を統一する一般健康保険、広範囲かつ気軽に利用可能な笑顔の医療サービス制

度、強化された一般医療サービス、ホームドクター、有効かつ段階的な輸送網、自主的に

財政を行う医療管理、経験と知識が豊富なやる気のある医療関係者の労働力、システムを

支える教育及び情報委員会、質の高い有効な医療サービスのためのランク付けと認定、薬

と医療品の合理的な管理の制度的構造化、全国医薬協会、医療機器協会、決定の段階で有

効な情報を得るための医療情報システムが計画されている。

ベトナム

現在ベトナム国内では、一部のバー、ディスコ、レストラン、カジノ等の娯楽施設が

若者による麻薬犯罪、性犯罪、賭博等の温床となっているなどとして、こうした施設に対

し公安当局による一斉取締や摘発が全国規模で強化されている。ハノイ直轄都市内での今

年 7月から 9月までの 3ヶ月間の麻薬犯罪関連の検挙件数や押収量等は、検挙件数が 630件、検挙人員が 833人となっており、麻薬押収量についてもヘロインが 2473グラム、

アヘンが 182.2グラム、マリファナが 20.8グラム、エクスタシー等の錠剤型の覚せい剤

が 813錠となっているなど、依然、都市部において、違法薬物は高い水準で推移してい

る。また、麻薬隠匿・運搬の手口も巧妙化しており、食肉用の鶏肉の内部や石膏の彫刻像

の内部に麻薬を隠して購入者の客に届けるなどして、公安当局の監視の目を逃れようと

する密売者もいる。

また、ベトナムの麻薬グループは国外でも活動しており、主にカナダ・アメリカで大

麻の栽培等を行っている。カナダや米国では、大麻を室内で大量栽培していた事件が起

こったとき、その事件にベトナム系グループがかかわっていることがしばしばある。ア

メリカ政府はアジア系薬物組織がかかわっている、と言っているが、そのアジア系薬物

組織としてまず挙げられるのは、カナダに活動拠点を置くベトナム人犯罪組織であり、

カナダ国内で MDMA の密造や大麻の栽培を行い、それを、北部国境を越えて大量に米国

へ密輸しているのだ。

2005 年の時点でベトナム市場に流通している承認済み医薬品は 8000 品目に及ぶ。そ

のうち 5000 品目が国内生産されている。国内の生産工場は国営工場 18、省営工場 126 をはじめとし、ほとんどが国営企業である。

公的医療機関を通じて無料で医薬品が供給されていた時代は慢性的な品不足に悩まされ

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いたが、1989 年に医薬品も自由経済のシステムに移行してから、供給状況は著しく改善

た。むしろ住民が処方箋なしで安易に服薬しすぎることが問題となっている。

北アメリカ

カナダ

 カナダはオランダ、ベルギーと並んで合成麻薬エクスタシーの世界三大産地の一つで

あり、カナダ産の薬物は、カナダで活動するアジア系の薬物犯罪組織を中心にアメリカ

に大量に輸出されている。政府は規制薬物・物質法によって薬物の所持・取引・輸出入・

製造を禁止している。ただし、2000 年ごろからは産業用大麻の栽培を許可しており、産

業用大麻取締規則を設けて、それに従って栽培免許の交付や栽培者の管理を行なっている

また、現在は、医療用大麻の栽培政策も導入している。政府は、薬物患者に対しては、罰

するのではなく更正することに主眼を置いている。しかし、対米薬物密輸が増加してい

ることを受けて、最近では薬物犯罪者に対して最低限の拘禁刑を例外なく科すというマ

ンデトレイ・ミニマム判決の制度をどうにゅうし、違反者に対する罰則の引き上げを

行った。

 医薬品に関しては、連邦政府が医薬品販売をすべて規制しており、製造者が提出する申

請書をもとに医薬品の安全性や有用性を審査している。医薬品の価格の監視をしているの

は独立組織の PMPRB で、新しい特許医薬品の最高価格を決定している。

メキシコ

麻薬の主要産出国であるとともに、その地理的位置関係から、長年コロンビアからア

メリカへの麻薬の輸出の中継地とされてきた。国内に多くの麻薬組織ができ、コロンビ

アの麻薬密輸組織とカルテルを結ぶようになった。カルテル間の権力抗争や混乱に伴う

紛争が生じるようになり、現在その紛争や暴力は深刻化している。2006 年以降から政府

は大規模な麻薬密輸組織掃討作戦に乗り出したが、治安当局への報復攻撃などにより 4 年

間で 3万人の死者が出るに至った。これらの紛争はメキシコ麻薬戦争と呼ばれ、現在も

続いている。

2005 年にジェネリック医薬品の製造が許可され、同時期にメキシコジェネリック医薬

品協会が誕生した。2010 年にはメキシコ保健省からも推奨されるまでになったが、メキ

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シコ国内のジェネリック医薬品の普及率は 16.9%と低い水準である。経済協力開発機構

(OECD)の調査によると、メキシコのジェネリック医薬品はもっとも高価だというが、

他の医薬品より安価であるため、注目されている。

アメリカ

平成 22 年の 20 歳代以下の若年層における覚醒剤及び大麻事犯の検挙人員は 4,038 人であり、減少傾向にはあるものの、若年層に従来の施策が十分に浸透していない状況が認

められる。また、平成 22 年の覚醒剤事犯の再犯者率は 59.1%で年々上昇しており、従

来の施策が薬物乱用者に対しては十分ではない状況が認められる。一層の若年層に対する

未然防止対策と再乱用防止対策が求められている。また、National Institute on Drug Abuse (米国立薬物乱用研究所)の 2002 年のデータでは、260万人のアメリカ人がマリ

ファナ使用をすでに経験しており、そのうちの 3分の 2 が 18歳以下という、衝撃的な

データもある。

 2010 年の国際麻薬統制委員会(INCB: International Narcotics Control Board)に

よるアメリカの現状報告によると、アメリカは依然として違法薬物積み荷の主要目的国

である。アメリカでは、大麻及びメタンフェタミン以外の全規制薬物について、その大

部分が国外で違法に製造された後、国内に密輸されている。メキシコを基盤とした薬物不

正取引組織は、アメリカの卸売りレベルでコカイン、ヘロイン、メタンフェタミンの違

法供給を独占しており、大麻の違法供給においても重要な役割を果たしている。薬物関連

の死亡数はアメリカでは急増した。委員会は、アメリカが 2009 年にコカインを除く全

薬物の乱用の増加を報告したという事実について極めて懸念している。2006 年~2009年にアメリカではコカインの乱用は減少した。委員会が特に懸念する問題の 1 つは、ア

メリカの若者の間で大麻及び規制物質含有処方薬の乱用が増加していることである。その

ほかにも、うつ病の治療薬である向精神薬の乱用も広がっている。

南アメリカ

ブラジル

 ブラジルは世界第二位のコカインの消費地で、世界のコカイン消費量の 20%を占めて

いる。成人の 4%(600万人)が違法薬物に手を染めているうえに、10代前半の幼い子

供が薬物を乱用しているケースも珍しくない。麻薬取引の総額は 100億ドルに達すると

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言われている。2008 年以降、政府は、2016 年のオリンピック開催に向けて麻薬犯罪組

織の大規模な掃討作戦を実施しており、首都リオデジャネイロでは、麻薬組織と治安当局

の大規模な衝突が繰り返し起きている。2004 年の麻薬対策新法により、麻薬の使用者に

対しては監獄よりも更正施設で社会復帰を促す社会奉仕活動や雇用促進プログラムを適用

する一方で、ドラッグの生産・流通などに関わったものに対しては罰金を強化した。

 医薬品に関しては、近年、政府が医療アクセスの拡大を目指す政策をとっており、医薬

品売上高は年々伸びている。ブラジルでは全国民の医療費が無料だが、薬剤費だけはかか

る仕組みになっており、格差の大きい国内ではまだ医薬品を手に入れられない人々もい

る。この薬剤費を安く抑えるために、2007 年、大統領は、製薬会社が不当な価格設定を

行った際には特許権者の承諾を得なくても特許発明を使用する権利を第三者に認めるとい

う WTO の特許強制実施権を認め、国内でジェネリック薬品を使いやすくなるよう政策を

進めている。2008 年の医薬品全体に対するジェネリック薬品の割合は 18%である。ま

た、偽造医薬品に対しては、2010 年に製薬会社に偽造防止ラベルの導入を義務付けて対

応している。

コロンビア

コロンビアは、世界のコカインの 80%を生産し、ペロインも生産する世界最大の麻薬

の産地である。2000 年以降、米国の支援を受けて麻薬撲滅を進めた結果、コカインの原

料コカの葉の生産量は減ったとされる。ただ、栽培面積は、依然コロンビアが世界一。取

引をめぐって麻薬組織同士や左翼ゲリラ、右翼民兵、政府軍などが入り乱れて戦闘を続け

多くの死傷者が出ている。1978 年になると、コロンビアの麻薬組織は、アメリカ国内で

のコカイン流通までも牛耳ろうとする動きに出た。コカインの値段は、コロンビアから

出荷するときは、1キロ 2000ドル前後だが、アメリカでの末端価格は 1キロ 6万ドル前

後である。実に 30倍になるのだが、その利益の大半はアメリカ側の流通組織のフトコロ

に入ってしまう。コロンビア側は、より多くの分け前を得ようと、アメリカでの主なコ

カイン輸入地点だったマイアミでの勢力拡大闘争に動き出した。アメリカの麻薬組織と

の間での暗殺合戦となったが、アメリカ側とコロンビア側の組織がゆるやかに結合する

形で組織拡大することには成功した。コロンビアの麻薬組織は、連合体という意味で

「カルテル」と呼ばれるようになった。「メデジンカルテル」「カリカルテル」などの

誕生である。これにはアメリカ政府も危機感を強め、コロンビア政府を動かして、麻薬

カルテルをつぶしにかかった。コロンビアでは当時、麻薬組織のほか、左翼ゲリラによ

る反政府テロが増えていた。コロンビア政府は、左翼ゲリラとは和平して結託し、その

力で麻薬組織を粉砕しようとした。だが、麻薬組織はすでに、政府の中枢にまでたっぷ

り賄賂を渡してあったから、政府の動きは筒抜けだった。麻薬組織は左翼ゲリラに、コ

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カの栽培地域を警備してもらう代わりに、活動資金や武器を提供するという提案を行っ

て、逆に左翼と結託し、政府の戦略をつぶしてしまった。1990 年代に入っても、コロン

ビアの体制は変わらなかった。1994 年に当選した現職のサンペール大統領は、選挙活動

中にカリカルテルから 600万ドルの運動資金を受け取っていた疑いが強い。本当に受け

取っていたのなら、日本でいえば山口組の代理人が首相になったようなものである。サ

ンペール大統領は議会の懲罰委員会にかけられたが、証拠不十分でお咎めなしとなった。

議員の 8割は何らかの賄賂を受け取っているといわれる状況だけに、コロンビア国民の

多くは、この決定が真実に基づくものだとは思っていない。

パナマ

中央アメリカ、カリブ海地域では、南米産コカインの北米、ヨーロッパ向けの中継地

となっているほか、麻薬組織による資金洗浄(マネー・ロンダリング)の活動も活発化

して いる。これに対してパナマでマネー・ロンダリング撲滅に必要な法規制を確立させ

たほか、カリブ地域金融対策委員会も運営されている。

パナマは,その地理的特性から,コロンビアから中米,北米及び欧州に向けた麻薬の中

継拠点になっていると言われ,国連薬物犯罪事務所(UNODC)の世界の麻薬に関する報

告書(2012 年)によれば,パナマの麻薬押収量は世界第 3位,中米第1位であった。メ

キシコ,コロンビア等の麻薬組織が国内に浸透し,麻薬取引等をめぐるトラブルによる

殺人等の凶悪事件も多発している。

米国や日本などの外国企業が進出していて、主に中南米への売買拠点となっている。都

市部では基本的な医薬品は入手可能であるが、農村部では慢性的な医薬品不足となってい

る。2006 年、政府から配布された風邪薬を服用した 400人近くの人々が死亡した。原因

は風邪薬に含まれていた毒性物質「ディエチレン・グリコール」であった。これは通常

使用される「グリセリン」と偽って中国が輸出したものであった。

ペルー

 2009 年から現在まで世界一のコカイン生産国である。主な原因としては、中部の山岳

地帯が国の成長から取り残されており、貧困にあえぐ農民たちが高値で売れるコカイン

の違法栽培に手を出す傾向にある。また、アメリカの麻薬需要が減らないことや、隣国

コロンビアなどから麻薬組織が精製所を移転してきたことが生産に拍車をかけている。

国内でも国民のコカイン乱用が重大な社会問題となっており、麻薬対策のために、アメ

リカから 2010 年時点で年間 3700億ドル〈約 31億円〉の援助を受けている。政府は麻

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薬の所持・売買・使用を禁止し、違反者は懲役及び罰金の対象となる。

 医薬品に関しては、現在までの法律では医薬品特許が認められなかったため、数多く

の安価なジェネリック薬が作られていて国民も手に入れやすくなっている。しかし、現

在ペルーをはじめとするアンデス諸国とアメリカとのあいだで結ばれている自由貿易協

定(FTA)には TRIPs 協定を上回る特許の保護が盛り込まれており、ジェネリック薬の進

出が妨害されている。

 

オセアニア

オーストラリア

マリファナ(大麻)が最も広く流通しており、MDMA の使用者も多い。いずれも違法

ではあるが、取締りがかなり甘く、簡単に入手できてしまう。2008 年の若者に対する調

査では 12-17歳までの回答者のうち大麻を最低一度は口にしたことがあるとしたほど、

若者にとっても大麻はかなり身近な存在となっていて、個人的に栽培するひとも多い。

オーストラリアのジェネリック医薬品市場は 14億 3,000万米ドル規模で、医薬品市場

全体の 14.9%を占めている。これはアメリカやイギリス、フランスなどの先進国と比べ

ると低い値となっている。

アフリカ

中央アメリカ

 中央アフリカは、西アフリカと並んで、南西アジアからヨーロッパ・アメリカに薬物

を密輸する主要ルートとなっている。しかも、この辺り一帯は法律・金融面の制度が不十

分なため薬物犯罪に利用されやすく、中央アフリカや西アフリカを経由して密売される

コカインの約半分はこれらの国々で売りさばかれている。中央アフリカの薬物押収量は

世界の国々と比べて高い。また、国際的な麻薬密売業者が薬物の密輸ルートを利用して、

チンパンジーなど野生動物の肉を取引しており、中央アフリカの自然破壊を引き起こし

ている。

 アフリカ最貧 10カ国のうちのひとつであって医療制度がまだ十分に整っておらず、国

民は高額な医薬品をほとんど手に入れることができない。国内で比較的多く出回ってい

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るのは偽造医薬品で、アフリカ諸国は国による規制が緩いため、偽造医薬品の最大の消費

地である上に生産拠点にもなっている。

エジプト

 エジプト国内における麻薬の広がりのレベルは比較的高いものである。そのためエジ

プトでは、覚せい剤等の薬物に関する犯罪に対して、死刑を含む厳しい刑罰を設けてい

る。街中などでも誰でも容易に手に入れることができるため、日本人が巻き込まれたり 、

エジプト人有名人が逮捕されたりする事件もたびたび発生している。

観光客が気づかないうちに「運び屋」とされ、麻薬を国外へと運び出してしまうとい

うケースも数多く起こっている。他国の友人に届けて欲しいなどと言われて、空港等で

他人から中味の不明なスーツケース等を渡されるなどの事例がある。

新興国であるエジプトでは、医薬品の需要は今後高まっていくと予想されている。欧

米の企業が市場進出を狙っていて、まだ数は多くないが、医薬品企業の特許出願件数は

徐々に増加している。またジェネリック医薬品の導入にも積極的で、インドのジェネ

リック医薬品企業の工場が進出している。

ケニア

違法薬物としては、バンギといわれるものや(葉っぱをタバコのように紙に巻いて吸

うもの)やチャットといわれるものが広く蔓延している。後者は特に飲酒が禁止された

イスラム世界においては酒の代わりの嗜好品としての需要が高い。一般的に失業率は

30%といわれるが、地域によってはより低く、その日暮らしの生活を営む者が多いため、

その不安や暇を紛らわすためにドラッグを使用することが多いと考えられる。マラリア

やエイズをはじめさまざまな疾病が広まっており、医療品の普及が望まれているが、各

地で医療品不足が起こっている。

ケニアでは病気に苦しむ貧困層が、安価な医薬品にアクセス可能な状態にすることが

喫緊の課題である。医薬品価格を釣り上げる特許は大きな障害である。そこでケニアで

は安価なジェネリック医薬品の輸入、製造を可能にする法案を成立させた。ケニアで取

引される医薬品の 3割が偽薬であることが判明し、在ケニアのイギリス企業が政府に取

り締まりの強化を要請した。

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モロッコ

モロッコは、大麻樹脂(ハシシ)の世界最大の生産国であり、世界最大の大麻栽培地を

有しているとされる。モロッコは、ヨーロッパで消費される大麻樹脂の約 80%を生産し

ており、2004 年に世界で押収された大麻樹脂全体の約 74%が西欧で押収された。

モロッコ政府は UNODC と協力して、3 年にわたり、同国内の大麻樹脂についての総

合的な調査を実施した。2003 年の調査によれば、大麻樹脂の生産量は約 3,070 トンで、

Rif 地方では約 96,600 世帯が合計で 134,000 ヘクタールの土地で大麻を栽培しており、

大麻を主な収入源としている人は約 80 万人であった。2004 年の調査では、大麻栽培に

使用されている土地は 10%減少し(12,500 ヘクタール)、生産量は 2,760 トンに減少

したことが明らかになった。根絶駆除のための取り組みに加え、干ばつの影響で、2005 年の生産量は大きく落ち込む結果となった。

2004 年、大麻栽培による農家収入の合計は約 US$3 億 2,500 万と見積もられている。

Rif 地方では大麻栽培により利益を得ている人が 804,000 人と推定される。このデータ

にもとづくと一人当たりの総収入は US$400 で、2003 年の同国のひとりあたりの GDP である US$1,478 を大きく下回っている。明らかに、モロッコにおける大麻生産は、貧

しい農民にとっての頼みの綱であり、彼らは大麻取引により大儲けをしているわけでは

ないのである。

モロッコは新興国として医薬品需要の高まりが期待される国の一つである。そこでイ

ンドのジェネリック医薬品の企業がモロッコに進出するなど、注目の市場となっている。

ナイジェリア

 ナイジェリアは北米・欧州への麻薬密輸のアフリカ最大の中継地とされる。日本人女性

が麻薬の密輸に巻き込まれることも多い。

また,国内でも大麻の栽培・供給が行われていることもあり,政府による麻薬取締り

が非常に厳しく行われている。麻薬の輸出入,譲渡,売買を行った者は終身刑に処せられ,

麻薬の所持,使用では 15 年以上 25 年未満の禁固刑に処される。

ナイジェリア政府は、麻薬の国内での栽培や市場の存在を否定し、ナイジェリアが欧

米への積み替え地点でしかないと主張している。

実際にもナイジェリアなどアフリカの麻薬組織がタイやミャンマー、ラオスなど東南

アジア諸国から韓国を経由し、米国に運ぶ例は後を絶たない。

医療水準は教育、臨床レベルともに低い。感染症のように直接生命の脅威となる疾病に

かかりやすく、治療薬は必須である。一方、先進国で開発された新薬などには特許が発生

し、入手が困難な場合が多い。こうした医療品に対するアクセスの確保が大きな課題と

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なっている。

ルワンダ

 国のインフラレベルの低さのためやはり、スラム街などを中心に薬物乱用が行われて

いる。だがあらゆる種類の麻薬の売買・所持は厳罰に処せられます。それでもやはりセ

キュリティーの低さにより、タンザニア・ブルンジなどとの国境では武器・麻薬など不

法な人や物の流れが発生している。

ルワンダでは医療用大麻の使用は合法である。大麻が保険機関でのみ鎮痛剤、特に患者

の問題行動をコントロールする為に扱われるべき、という条件のもと大麻が合法となっ

ている。

また医療水準は低く、全体的に医師や看護師の不足、医療機器・医薬品の不足も深刻で

ある。簡単な診察・治療の利用に限られ、手術が必要な場合や重症化した場合には、先進

国(南アフリカや欧州など)で治療を受けざるを得なくなる。一部の国では、都市部の

私立病院や開業医などで富裕層や外国人向けに診療を行っているところもあるが、設備が

十分に整っているとはいえない。

セネガル

 アフリカのほとんどの国々で違法薬物の広がりへの対策が遅れ、HIV 感染の大規模な拡

大につながった。しかしウガンダやセネガルでは早期に薬物対策をしていたため感染拡

大を抑えることができた。その後もアメリカなど先進国と協力して薬物対策に乗り出す

など薬物が横行しているアフリカ内で積極的に対薬物の活動が盛んであるといえる。

セネガルの医薬品市場規模は年間 400億 FCFA(約 80億円)、と見積もられており、そ

の 95%が輸入品である。公共医療施設で販売される医薬品は全体の 15%(63億 FCFA)を占めるが、それらは国立医薬品供給公社(PNA)が二年に一回、必須医薬品(蚊帳・避妊具を

含む 531 品目)として国際入札を行っており、これまでヨーロッパ(フランスが 70%)、ア

メリカはもとより、中国、インド、ブラジル、また去年からはイスラエルが入札に参加

してきているが、日本企業の参加はまだない状況である。民間セクターについては、

Laborex, Cophase, Sodipharm, Sogen という 4 医薬品商社を通して流通・販売されて

いる。

 また、医薬品総市場の 15%に当たる 60億 FCFA は、違法医薬品(有効期限切れ医薬品

を含む)とされており、これをいかに防ぐかが重要な課題になっている。

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シエラレオネ

シエラレオネは財源不足、汚職、貧困でセキュリティー体制が整っていないために、

ギネアビサウとともに西アフリカ地域の主要麻薬経由地となっている状態である(主に

南アメリカから当地域と経由して、西ヨーロッパへと運ばれる)。国として対策はして

いるものの、高度に組織化された密輸ネットワークに対抗しきれずに、多くの麻薬の密

輸を許してしまっている。また、シエラレオネの麻薬法はまだ粗く、密輸の量に拘わら

ず、最高罰金 1000ドルあるいは短期収監で済んでしまう、というものであり、これも

またシエラレオネが狙われる原因となっている。国内にも、主にその密輸の協力者に

よって大量の麻薬がもたらされるため、国内の麻薬乱用は非常に悪い状態になっている。

また、内戦のために多くの少年兵に麻薬与えて、戦闘に参加させるという残忍なことが

数 10 年前まで行われていたという過去からも、国内の薬物状況の悪さというものがうか

がえる。

長引く武力紛争の影響で保険制度は資金不足が続き、医薬品の不足も深刻な状態だった。

しかし、2010 年に発表された医療制度改革によって妊娠中や授乳期の女性と、5歳未満の全ての子どもたちの保健医療サービスはすべて無料となった。この発表がなされると、

シエラレオネ中の女性と子どもたちが、病院や診療所に詰め掛けました。細かい準備作

業が、数ヵ月間にわたって行われました。ユニセフの技術・物流両面での支援と、英国国

際開発省(DFID)からの資金援助によって、シエラレオネ政府は、病院や診療所への確

固たる物流網を整備。全ての医療機関で、一年間分の医療品が備蓄された。

実際には医師による診察料、ACT(マラリアに対する療法)以外で必要になる医薬品の費

用などは患者の負担になっており、交通機関や道路の整備が進んでいないために治療を

受けられず、マラリアで死亡する人はいまだに多い。

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生命と知的財産権との相克

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