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ニニニニニニニニニニ March 2020. Shoji I-1 ニニニニニ 力力力力力力力力力力 力力力力力力力力力力力力力 力力 力力力力力力力力力力力力 「」「」 ,, 力力力力力力力力力力力力力 .,.()., 「」 Q アアアアアアアアアアアア アアア アアアアアア アアアアアアアアアアアアアアアアアア アアアアアアアア . ,体 ... 力力力力力力力 1 力力力力力力力力力力力力力力力力力力力力力力 力力力力力力力力力力力力力力力力力力力力力 。. 力力力力力力力力力力力力力力力力力 ,。、. I-2 力力力力 [力力―力力力力力力力力] 力力力力 力力力力力力力力力力力 力力力力力力力力 力力力力力力力力力力力力力力力力力力力力 (),体 m 力力力力力力 力力力力 力力力 F 力力力力 F=m (1.1) 力力 力力力 (体). [力力力―力力力力力力力力] 力 力 力 力力力力力力力力力力 力力力力力力 力力力力力力力力力 力力力力 ,() 力力力 .,力力 力力力 ..、力力力力 .()力力 F 力力 、. F=–k (1.2) 力力力力 、、。 F, k, x 力力力力力力 [力力力力―力力力力力力] 力力力力 、.,力力力力力 力力力力力力力 、。()、、。 Q ア アアアアアアアアアア 、体体.,,3,(). [力力力―力力力力力力力力力力力] 力力力力力力 力 力力力力力 力力 力力力力 。.、。 I-3 力力力力力力 力 力力力力力力力力力力 力力力力 力力力力力力力力力力力力力力力力力力 。、 「」 力力力力力力力力力力 力 ()。 ニニニニ力力力力力力力力力力力力力力力 力力 F G F R F SF 力力力力力力力力 F G +F R +F SF =0 3力 [力力力力力] 力力力力 3 力 力 4力力 F G 力力力力力力力力力力 F 力力力力力力力力力力力 力力 F // 力力力力力力力力 2力力 F G = F + F // 力力力 。、 2 力力力力 力力力力力力力力F F // F G 力力 」「F G F F // 力力 」。F G 力力力力力力力力力力力力力力力力力力F F // 力力力 。、 F G +F R +F SF =0 力力力力力 F R + F =0 力力力力力力力力力 ()、 F SF + F // =0 力力力力力力力力力力 ()。 I-4 力力力力 [力力力力] 力力力力力 、。、。 F 力力 力力力力力力力力力力力力 力力|F SF |=| F | (1.3) 力力 力力力 、。 F DF 力力力 力力力 F _|_ 力力 ア’力力力力力力力力力力力力 |F DF |=| F | (1.4) 力力力 ’<力力力 、。、 |F DF |<| F // |力力力力力力力力力力力力力力 力力力力 [力力力力力力力力力力力] 力力力力力力力力力力力力 力力力力力力 力力力力力力力力力力力 1 力 力 力 力 力 、()。 F 力力力力力力 F F 力力力力力力力力力 Q F F FF F アアア .。。 I-5 力力力力力力 力力力力力力力力力 3 力力力 力 B 力力A 力力F力力 ,体 B力 力力A 力力力−F 力力力力 力力力 () F R =– F 力力力力 力 、。 A 力 B 力力力力力力力力力力力力力力力力力 力力力力力力力力力力力 。、 A 力力力力力力力B 力力 A 力 力 力力 、? 一, 力力 力力 力力力力力力力 ()、。、体。力力 力力 、。 I-6 力力 力力 1力力力力力 .,。。 m 1 力力 力力 m 2 力力力 力 力力力力力力力力力力力力力力力力力力力力力力 」、 S 1 S 2 力力力 m 1 /S 1 =m 2 /S 2 力力力力力力力力 Q アアアア 「」「」 力力力力力力 、、。体、 3 力力力力力力力力Q 力力力 。、 力 力力力力力力 ()?? II-1 ニ ニニ 1,2 力 力力力 力 力力力力力力力力力力 力力力力力力 体, 力力 力力力力力力力力力力力力力力力力力力力力力力力 力力力 ,.. 力 力力力力力力力力力力力力力力力 力力力力力力 力力 a, 力力 F m 力力力力力力力力力力 F = m a (2.1) 力力 a 力力力 ,. v 力 力 力力力力力力 力 。、「」 (1.1)力力力 「」。2 力力力力力力力力力 力力 、。 力 力 力 力 力力力力力力力力力力力力力力力力力力力力力力力力力力 力力力力力力力力力 力力力力力力力力力力力力力力力力力力力力 力力力力 一.,. .、、()。 「」 II-2ニ ニ ニ ニ ,,; 力力力力力力力力力力力力力力力力力力力力 a = dv/dt 力力力力力。「d 力力力力力力力力力力力力 」、 dt 力力力力力力 力力力dv 力 力力力力力 。、。 x 力力力 力力力力力力力力力力力力力力 力力力力力力力力力力力力力力 力 力力力力力力力力力力力力力力力力力 力 力力力力力力力力力力力 。、。 力力 v = dx/dt 力力力力力力 Qアアアア 、。、。 II-3 ニニニニ 力力力力力力力 1 力 力力力力力力力 (一)、 x v a t 力力力 。「 力力 力力力 .、 17力 力力 、。 力力力力力 t a 力力力力力力力力 a-t 力力力 .一 a 0 力力力力力 1a 力 力 力 ., t 力力力力力力力力 v 力力力 v-t v 力力力力力力力力 力力 力力 2a力 力 力 ., x 力力力 x-t 力力力力力力 .=、 3a 力 力 2a 力力力力力力力力力力力力力力力力力力力力力 力力力 。「 d 」「力力力力力力力力力力力 」。 アt 力力力力力力アv v = a t (2.4) 力力力力力力 a-t 力力 1b 力 力 0 力力 t 力力力力力力力力力 力 力 (). 力 1a 力力力 a 力力力 力 2a 力力力力力力力 力 3a 力力力力力力力 力 1b 力力力力力力力 力 2b 力力力力力力力 a = dv/dt (2.2) v = dx/dt

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ニュートン力学の概要

March 2020. Shoji

I-1 力とは何か

 「力」は「作用」を表す物理量で,ゴムやバネを変形さ

せたり,物体の運動を変化させる働きです.目には見えま

せんが,我々は押されれば力の大きさや向きを感じます.

これは皮膚の僅かな凹み(変形)を感じるのです.さらに,

押されたときに支えがなければ動き出すのも「作用」で

す.

Q アリストテレスは「力が働いている時だけ物体は動く」と考えました.馬車

は馬が曳くのを止めたら止まるからです.後年ガリレオは「力が働かなければ,

物体はそのままの運動を続ける」と考えました.正しいのはガリレオです.馬

車の論理の誤りを説明しなさい.

 力は大きさのある面に作用しますが、単純化

して 1 点に作用すると考えても十分な場合が多

いのです。このとき力が作用する点を作用点と

言います.

 力には大きさと方向があるので,数学的にはベクトルです。図で示す場合は、

作用点を起点とする矢印で表現できます.

I-2 様々な力

[重力―地球がおよぼす力] 地球が物体を引っ張る力は重力です.方向は地球の中心(正

しくは重心)を向き,大きさは物体の質量 m に比例します.重

力の大きさを F とすると

F=m𝑔 (1.1)です.比例係数 𝑔 は(物体が加速しない場合でも)重力加速度といいます.

[弾性力―ばねがおよぼす力] 伸びたり縮んだりするばねは,もとの長さ

(自然長といいます)に戻ろうとします.その

とき,ばねは結び付けられている物体に力を及

ぼします.この力を弾性力といいます.力の方

向は変形を戻す方向で、力の大きさは変形の大

きさ𝑥に比例します.比例定数(ばね定数という)を𝑘ととすると、力の大きさ

F は、下式で表せます.F=–k𝑥 (1.2)比例定数はプラスの値で、式のマイナス符号は、変形方向と力の方向が逆だか

らです。方向を無視すると F, k, x の全てがプラスなので式にマイナスを付けま

せん。

[垂直抗力―面を支える力] 重力によって、りんごは落下しますが台の上

に置かれた本は動きません.これは台が本を支

えるからで,重力と同じ大きさで、逆方向の力

を返しているのです。この力は台が動かないよ

うにする(壊れないようにする)力なので、面に垂直で、垂直抗力と言います。

Q 力には必ず、力を作用する物体と力を受ける物体があります.重力,面を押

す力,面の抗力という3つの中で,本が受ける力(本にに働く力は)どれで

しょう.

[摩擦力―面上の滑りを邪魔する力] 摩擦が大きいと台を傾けても本は動きません。

台の面上を滑らないようにする力を静止摩擦力

といいます。滑らせようとする力と同じ大きさ

で逆方向です.この力は滑りを妨げる力なので、

力の向きは面と平行です。

I-3 力の釣り合い

 本が動かないとき、本に働く力は「釣り合い条件」を満たしています。これ

は、本に働く全ての力のベクトル和をとると(ベクトルの合成)ゼロとなる条

件です。以後の式で直立太字は力などのベクトル

を表します。

 傾いた台の上の本に働く力は、地球からの重力

FG、台からの垂直抗力 FR、台からの静止摩擦力

FSF の三つです。したがって本が動かない条件は

FG+FR+FSF=0、つまり図の 3 つの矢印の合成がゼロです。

[分力と合力] 右の図は 3 つの力ですが、その上の図は 4 つの

力で、重力 FG の代わりに面を押す力 F⊥と面上を

滑らせようとする力 F//が描かれています。この 2 つの図はともに正しく、右下

の図のように FG= F⊥+ F//なのです。ここでは重力を、重力と等価になる 2 つ

の力に分けて考えたので「F⊥と F//は FG の分力」または「FG は F⊥と F//の合

力」と表現します。FG は様々な分力に分けることができますが、F⊥と F//に分

けると便利でした。それは、力の釣り合い条件 FG+FR+FSF=0 を方向別に FR+

F⊥=0(面に垂直な方向)と、FSF+ F//=0(面に水平な方向)に分けて考えられ

るからです。

I-4 動摩擦力

[動摩擦力] 台をさらに傾けると、本は滑り始めます。摩擦力に限界があるからで、この

ギリギリの摩擦力を最大静止摩擦力と言います。本を面に押しつける力 F⊥に比

例し、その係数を静止摩擦係数といいます。

最大|FSF|=| F⊥| (1.3) 本が滑り落ちる間も摩擦力は働き、これが動

摩擦力です。動摩擦力 FDF も面を押す力 F_|_に比

例し、その係数’を動摩擦係数と言います。

|FDF|=’| F⊥| (1.4)通常は ’<であって、動摩擦力は最大静止摩擦力より弱くなります。このとき

本は面に水平な方向に加速し、|FDF|<| F//|です。動摩擦力は速度で変わりませ

ん。

[摩擦力をグラフで考える] やや粗い面上に置かれた物

体を水平に引く場合を考えま

す。方向は 1 方向だけなので、

力を実数(ベクトルの水平方向成分)で表します。

引く力 F に対して摩擦力 FFをグラフにします。

Q FFと F+FFがどうしてこようなグラフになるの

か.説明しなさい。途中の段差では何が起きていますか。

I-5 作用と反作用

 ニュートン力学の第 3法則は「物体 B が物体 A に力𝑭F をおよぼすとき,物体 B には物体 A から

力−F(大きさが同じで逆向きの力)がはたらく」

です.これらの力を作用と反作用といいます.本

が台を押す力と台からの垂直抗力がこの関係

で FR= – F⊥です。また摩擦力は、本が台に

及ぼす摩擦力と台が本の及ぼす摩擦力が作用

と反作用の関係です。

 A と B の間にばねを取り付けて力を測ります。ばねの縮みが示す力は、A に

作用する力か、B から Aへの反作用か、どちらでしょう? 実は力は一方的では

なく,物体間で相互に作用し合うのです.作用と反作用は同じ作用(力)を、

作用者の立場を変えて表現しただけです。作用と反作用は、同じ物体に作用す

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る力ではないので力の和はとれません。力の釣り合いで合成した力は同じ物体

に作用している力であったから、和を取れたのです。

I-6 圧力

 単位面積あたりに作用する力が圧力で

す.その 1 例が水圧です.図は自由に動

くピストンがついた太いシリンダーと細

いシリンダーを水で満たし,パイプで繋げた様子です。これで同じ高さの圧力

は同じになります。太いシリンダーのピストンを質量 m1の重りで抑えます。

これに対して細いシリンダーのピストンを抑えるのは、質量 m2 の軽い重りで

十分です。圧力が等しいならば「面積あたりの力」が等しくなるので、それぞ

れのピストンの面積を S1 と S2とすれば、m1/S1=m2/S2 になるからです。

Q 「面積あたりの力」でいう「あたり」とはどういう意味か

説明しなさい.

 水圧の方向は面に垂直で、大きさは、同じ深さであれば同

じです。図のような三角の物体であれば、面に垂直な力を 3方向から受けます.

Q 図のような縦長の円柱を水槽に沈めた。上面から作用する

水圧と、下面から作用する水圧の絶対値(圧力の大きさ)は

どちらが大きいか?それはなぜか?

II-1 ニュートン力学の第1,第2法則

 ニュートンの第一法則は「物体

は力が働かない限り,そのままの

運動を続ける」です.平らで滑ら

かな氷面上を走るカーリングス

トーンは次第に速度を落とします

が,これは摩擦があるからです.摩擦がなければストーンはどこまでも直進し

ます.

 ニュートンの第二法則は力と加速度,質量の関係を示したものです.加速度

を a, 力を F,質量を m として式で表現すると

F = m a (2.1)

という式になります.ここで加速度 a は単位時間あたりの速度の変化で,方向

を持つベクトルです.速度 v もベクトルです。この質量は、運動の変えにくさ

で「慣性質量」といい、式(1.1)の質量は重力の係数で「重力質量」といいます。

2種類の呼び方は役割を示したのであり、これらは同じ質量なのです。

 第二法則から第一法則を導出できます.力がゼロであれば加速度もゼロで,

速度は変化しません.「そのままの運動を続ける」というのは「速度が変化し

ない」という意味です.摩擦がないならば、カーリングストーンに作用する力

はゼロで、ストーンは速度(方向と速さ)を変えないのです。

II-2位置,速度,加速度;時間あたりの変化量

 加速度は速度変化を時間変化で割ったもので a = dv/dtとなります。「d」は

微小変化を表す記号で、dtは時間の微小変化量、dv はこの微小時間内の速度の

変化です。この、微小変化の比をとる操作が微分です。加速度と速度以外に位

置 x もベクトルで速度は位置の変化率です。位置を表すには基準点が必要で、

位置は基準点からの移動量で示します。移動

量は距離と方向を持つのでベクトルになりま

す。この位置をすると速度は v = dx/dt と表

せます。

Q あなたの現在位置を、基準点を前提とせずに誰かに説明してください。でき

ないのであれば、できない理由を考えなさい。

II-3 積分計算

 ここで扱うのは 1次元の運動(力も運動も同一直線上)なのでベクトルでは

なく実数を使い、位置を x,速度を v,加速度を a,時間を t で表します。そし

て「加速度が一定」の運動をグラフに図示します.まずは、微分積分の知識が

なかった 17世紀に、物理学者ガリレオが行なった計算方法を試してみましょ

う。

 横軸を時間 t,縦軸を加速度 a として描いた図を a-t 図と言います.時間に対

して加速度は一定値 a0 でなので図 1a になります.次に,横軸は t のまま縦軸を

速度 v とした v-t 図を描きます.v は時間とともに一定割合で増え続けるので,

図 2a になります.最後に,縦軸を位置 x とした x-t 図を描きます.時間ととも

に「変化割合=傾き」が大きくなっていくので、図 3a のような曲線になります。

 図 2a の当たり前の結果を積分の考え方で説明します。まず「d」の代わりに

図で示せる程度の微少量を示す「」を使います。微少時間内t内の速度増加v

は v = a t (2.4)です。これを a-t 図で面見ると、図 1b の濃い斜線部分の面積になります.さら

に 0 から t までの速度増加はこの時間区間の面積(粗い斜線部分)です.

 位置変化は図 2b の三角部分の面積になります.この面積計算は積分になって

います.この教科書では扱いませんが,関数と式を使って面積を求めることで,

より複雑な動きも扱えます.

Q ガリレオは図 2b のように

面を同形の三角形に分割して,

その数を数えることで面積比

を計算しました.時間 1 マス

の 小 三 角 形 の 数 は ,

1,3,5,7,,と奇数です.そこで斜面に図のようにベルを置いて球を転がし

ました.人々は,球がベルを通過する際に出す音の間隔の規則性に驚きました.

その音の間隔はどんな間隔だったでしょう?

 

II-4 平均速度と瞬間速度(微分計算)

[平均速度] 次に説明するのは微分で,積分とは逆に x → v → a と遡っ

て計算します.まず以下の前提を確認してください。

1)x-t 図を「x は t の関数である」と考えて x(t)と表現する.

2) スタート時の時刻と位置を t=0,x =0 とする.x (0)=0.

3) 時間の単位を秒(s)、位置の単位をメートル(m)とする。

4) 定数 k= 1 m/s2 を使い、x(t)=k t2 とする。

Q 移動時間をt、移動距離をx

とすると平均速度は<v>=x/t

です。上の条件で t= 2s から

t= 4s 間の平均速度を求めなさ

い。

[瞬間速度] 微分が与えるのは瞬間速度で,

t を短くしていった極限で定義

図 1a 加速度 a は一定 図 2a 速度の時間変化 図 3a 位置の時間変化

図 1b 面積が速度変化 図 2b 面積が位置変化

a = dv/dt (2.2) v = dx/dt (2.3)

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できます.図 3b を例に t=2s からt を小さくしていくと平均速度がどう変るか

を図 4 に示しました.t を 3s から 2s,1s と小さくするのに従って,平均速度

(2点を結ぶ直線の傾き)は小さくなっていきt =0 におけるx/t の値は 4 m/s でこれが瞬間速度です.図 3b から,瞬間速度は x-t 図の曲線の接線の傾き

であることがわかります.

 以上の定義を式で表し,定性的ではなく定量的に数値計算します.式表現は

v(t)= lim∆t →0

x (t +∆ t )−x (t)( t+∆ t )−t

(2.5)

となります.やや面倒ですが lim は極限(limit)を意味する数学記号です.この

式を x(t)=kt2として計算します.

x (t+∆ t )−x (t)(t+∆t )−t

= k (t +∆ t)2−k t2

( t +∆ t )−t=2kt ∆ t +k ∆ t 2

∆ t¿2 kt+k ∆ t

(2.6)なので, t を 0 に近づけた極限(瞬間速度)は簡単に計算できます.それは,

v(t)= 2kt (2.7)です.この操作が微分で「関数 v(t)は関数 x(t)の時間微分」と表現します.

[瞬間加速度] 加速度は速度変化なので

加速度 = 速度増加/増加時間 a=v /t (2.8)であり,瞬間加速度も同じように計算できます.

a(t)= lim∆ t →0

v (t+∆ t )−v( t)(t+∆ t )−t

= lim∆ t →0

2 k (t+∆ t )−2 kt(t +∆ t )−t

= lim∆ t →0

2k ∆ t∆ t

(2.9)

なので,

a ( t )=2 k (2.10)

です.つまり,この 2k が一定値の加速度 a0なので,結局位置を表す関数は

x(t)= ( a0

2 ) t2 (2.11)

となります.Q 力が一定ではなく増加する場合の位置は、定数 b を使うと x(t)=bt3 という形に

なります。この式を微分して a(t)を計算しなさい。