Title ロオゼンシュタイン・ロダン「一般的貨幣論と...

13
Title ロオゼンシュタイン・ロダン「一般的貨幣論と一般的價 格論との同格化」 Author(s) 飯田, 藤次 Citation 經濟論叢 (1937), 44(6): 1317-1327 Issue Date 1937-06-01 URL https://doi.org/10.14989/130962 Right Type Departmental Bulletin Paper Textversion publisher Kyoto University

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Title ロオゼンシュタイン・ロダン「一般的貨幣論と一般的價格論との同格化」

Author(s) 飯田, 藤次

Citation 經濟論叢 (1937), 44(6): 1317-1327

Issue Date 1937-06-01

URL https://doi.org/10.14989/130962

Right

Type Departmental Bulletin Paper

Textversion publisher

Kyoto University

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宇内国民四年六司ニナ

-Hm三明謝叫初出口叫『一時月一

JH-nu虫一汀ザ

干す・哩聾日 -J'司コ可勾主ート・ヨF日昔話

輸入統制に仲ふ「割営利得」の問題

偲川時代の夫役に抗いて

一一叩

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お山下刈υ4.中XUE5Jドト)ヨペ3

ルlテル経済制の特質:

大都市交通の特性

ロオゼンむユタイン・ロダン「一般的

貨幣論と一般的債格論との同格化」

安本組識の有機的穏化』手均利川市

との閲係

都留皐士に答ふ:

シユラムの比較生産賀村山

キヤレル氏保護関税と就業

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新着外関経済雑誌主要論題

本誌第四十四巻摘出目録

品岡山

晶--四回

現賓利子の問題・

現下の土地問題と農地法案

(禁

文問中博土高田保馬

純一問調申博士八木芳之助

線章博士谷

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ーヤ→恒

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ロオゼンシユタイン・

ロダ'ン

日間 一一と 般の品

思主化ijia

般的f買格

F瓦

三た

貨幣側からの器響と財刷聞からの務響との国別、従っ

と共同胤から生中る絞桝却和一川上の貨幣的分析と非貨幣的

分析との区別は、本来古典波から承継したものなので

あるが、漸次に然し非常に困難な歩みを以って克服さ

れつ

Lある。此医別が放棄される過程を跡付け、斯く

て債格理論と貨幣理論とを論理的に完結せる鰭系へ同

格化しようとする企闘が現代の経済皐の文献に沿いて

徐々になされてゐるのを示そうとする、共れが此の論

文の目的である。

ロオぜ

y

yユタイ

y・ーログシ「一般的貨僻論と

一般的債格論との同格化」

全ての古典波理論は‘均衡状態にるる物LR

経済の相

封債格に閥ナる埋論であった。古典況の人A

は、債値

の性質と機構とを分析してゐたので、財の此債値は貨

幣の偶然的債絡から濁立してゐるやうに見えた。貨幣

は、より深いより線本的危諸闘係を蔽ふてゐる・従ヲ

で取り除かれ得るヴェールに過ぎ・なかった。放に中心

的友基本的な僚出情理論は、貨幣論とは州立して居た。

然し斯くて到達された相針債格醐閥系は、現寅世界の

諸結果に趨附され泣いし、比較され仰ない。犬底引」相

針債格を総劃償循へ愛形ずる

EC]一一刀-EZoP22を決

定する方程式が必要とされるに致った。夫れを興へる

のが貨幣論の問題となった。斯くて夫の終りに附加さ

れた羊は、貨幣数量試であった1

然るにこの章は其鰭

系の必要訣く可からざる部分とはたら左かった。何故

左ら支挽手段と一般物債水準との聞の草純左函教関係

として表現された数量設は‘共ファクターを決定する

に足るものでは友いであらう、即ち、共他の事情が同

一である揚合に、

一般物債水準が貨幣童忙よって決定

第四十四巻

第六競

一一

P. N. Rosen.'>tein-Rodan; Th.e Coordi:nation of the Generill TheoTIes of Money and Prices. Economica

t Vol. 111, No" :2:凹, August, 1936.

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ロオぜシシユタイシ・ロダン「一般的貨僻論と

一般的償格諭との同格化」

されるといふ事を一不すためには、

一定の問山市闘係が侭

定されねばなら泣かった。貨幣数量が物債水準以外の

何物かに囚って説明されねば左ら左かったロ

との「共

以外の何物か」とは特殊の貨幣的一長閑であった。

との同俗化の金凶に同有の困難、町貨幣供給をは史的

R決定し特注いlir--

いふ市中は、直接にはつをりと意識さ

れなかった。斯くて物々経併にゐける均衡迎論の結某

は、貨幣経怖に沿いて基本的に愛更されゃうとは忠へ

たかった。夫故粧品問的分析は物々経消に向けられ、貨

幣裂困から来る相違は、後に第二次的修正として附加

されたc

後になって貨幣供給決定に闘する闘有の困難がはっ

きりわかった時ですら、体統的方法は改められ左かっ

た。然し物K

経済に闘する諸結論を表面的に修正する

に過ぎないこの後の孝にゐける修医は、

完全左詳に

はゆかなかった。何故たら共は、物-R

経桝と貨幣経済

との差具に闘する適営危慨念に本礎をたいてゐたかっ

たからでるる。従って物々経済の定義と貨幣経済の定

第四十回答

丹、

第六披

義との吟味が求められる。

一物々一維持の概念物々経済と貨幣経済との定義

は、貨幣の存在如何によって区別される二個の経格過

殺を比較するために川ひられて来た。若し雨経桝過粧

の結果が異ってゐる友らば、夫れは純粋に貨幣的影響

hk

反映

Fるでめらう。

以どん

JF-

コトuth丸〉主出陸戸一ゴ

F

3さ

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tdvLL前十dV4J口封叫ゆゐGbI

44/

めに、物b

経済は貨幣経済に存在する貨幣以外の全ゆ

る要素を包含しなければ怒らぬ。若しそうでない左ら

ば、比較自健従ってまた比較の結果たる貨物的教具と

貨幣的数叩ーとの医別は無意味とたるでるらう。事寅

以前には、共他の事情が同一であるといふ事に謝して

酒貨危注意を排ふ事なしに、比較された。夫は物々経

済の型が不通首であったが故に無意味であったし共

事は叉、

貨幣の本質と性質との分析が不定分であっ

たので不過賞でるった。

アリストテレス以来、貨幣は三つの機能川計算車位

間交換手段問債値貯臓を布すると言はれて来た。従つ

て是に閲して物k

経済は三つに定義される。印二財間

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に直接交換があるに過ぎ守、各財は交換営事者の一方

にとって計算の早位であを。印二財以上の財と間接交

換を持ち、各財は各人にとって一初めの二つの機能を持

っ。矧二財以上の財と間接交換とを持ち各財が各個人

にとって全て三つの機能を持つ。今迄貨幣経済と比較

するために採られた物K

経怖は.第一と第二の裂であ

った。

(二)

貨幣ι}

概;iL、

中ム止貨幣HH貨幣ヴ工ーんとい

ふ慨念は、物々維持の抱に応じと同時べる。物々絞仰の創

一四円

-Rhコ15こもそ抗日a

一一巳コ忍

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産し交換される量に影響し泣い。貨幣経済の結果は物

々経済の結川市と同一である。貨幣は此庭では震にヴエ

ールに過ぎ一ない。物、R

経済第三型がとられ、古典仮に

従ってコンスタント友費用が仮定せられるならば、貨

幣量の愛化は相封慣絡には影響したいが、此等コンス

タントな費用によって生産し交換される量は影響され

る。この揚合貨幣量は相針領格に閲して中立寸あるが

且卦互に闘してはそうではない。

ロオゼンシユタイシ・ロダン「一般的貨幣論と

一般的簡格論との同格化」

貨幣経済と比較されて来た物々経済は、以上二つの

型であった。古典振にとっては、生産し交換される量

ではなくて、相針使格だけが吟味の封象であったので

中立貨幣に闘する二つの定義が同一のものであると考

へられて来た。

一方に図れば、貨幣量の餐化が相射償

格に影響したい時に中立でるる、他方によれば貨幣且一阜

の旋化が、物々経済の類似の事情の下において獲得ず

る放川市と同一の殺旧取を、相劃師四ゆ情に叫制して持っとき中

ーである。第一一一貨幣機能を除外して仮定する限り、二

倒のん止裁は初等しいでめらうが、

にの機能を除外する

事(三)は物k 間経題官ヰ を第除三外1W すとる中事立に貨主主幣る

債値貯蔵機能が考

へられた揚合に中立貨幣は何うなるであらうか、とい

ふ事をみるために、物々経桝第三型と貨幣経済去を比

較し左ければ友らたい。今

abcといふ三財を持ち、

IH旧友る三人の個人のゐる枇舎を考へ、物h

ニ組枠で

C

は旧の貨幣であり、貨幣経

済一では

aは三人全部の貨幣であるとしよう。治貨幣は

a土l

D、

l

l

t

bは日の、

第凶十四巻

第六競

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此庭で

メ。、 一一ロ

機 f宇全官E問 セ

を謹ン~V

来語ュヲとタ

のイ』同 y

相格LKJイbダ」:!;. y

.r~ ユる2)般o 的

貨幣論と

貨幣経済に沿ける貨幣査の時現化に問…癒する媛、化は、

物々経済の此割に沿いては、大関相針債格に影響する。

故に第一の意味に長ける中立は左い.貨幣が第一叉は

第二の意味

σ中立なる事が如何に困難でるるか、

J:: V、

ふ事を一不す最上の力訟は、

との中立性が制作られる諸保

件を疋確に遁ぺる事であらう。

共の一。若し債値貯蔵手段として確貫性の不足を充

してゐる財なる貨幣が、杢ての個人にとって猪立財で

あるので、貨幣と共他の財との代替卒の費更が共他の

財の聞の代替率に影響し友い友らば、郎貨幣と共他の

財との補完性の弾力性が零である友らば、貨幣量の愛

化は相針債絡に謝して何等の影響も持た左いであら

ぅ。貨幣は今や第一の(従って第二)意味に沿いて中立で

あらう。共事は、上掲の例に沿いては、ーの無差別の地

闘では

aはbcから相倒立して居らねば友ら友い。印代

替卒

a一b(及ひa-C)

の時変更は、

代替挙b一cに影響L左

い事を意味し、日の無差別地闘ではbは

caから狽立

第四十四巻

O

一中/、

第六競

して居らねばたら泣い、代替率h一札(及びb

一C)

の費更

は、代持率a7Lに影響せ十、山の無差別地闘では、

?bから杷倒立して居らねば友らね、代替寧C

一a(及び

c-b)の経更は、代替率

a一bに影響したい、といふ事を

窓味ずる。

況代の放朋川川一論によれば刊湖訟財の存症崎原則とい

ふよりはむじろ例外であるので、此等の保件が如何に

稀にしか漏され友いかがわかるのである。種K

なる財

は種々怠る程度の販買力を持つといふ事寅は、此等の

財をして多かれ少かれ債値貯臓手段たるに遁ぜしめる

のであって、斯くて現金残高が一個人にとって濁立財

である事が如何にありそうも友い事かといふ主要理由

となるのである。

共の二。貨幣が凋立財で怠い揚合にも中立であり得

る揚合がある。

山各自問。。「四日

ZZ司吉ロ52・n辛口民主

=2門

2

貨幣

且一旦の増加は、我々の物々経済に沿いては、ーの

aの所

有、日のbの所有、

Eのcの所有が増加し、

彼等の其 C

古典汲は貨骨干の第ー第二機能を分析した。然し第豆機能は、古典汲の僅系は時間な告静的均衡の韓系であったが故に、及び現代の香史的分析がなかったが故に展開され待なかった。樹立財 independent goodは、 Hicks and Al1en;λReconsidero.tion of the Theory oC Value, Economica, Feb.,May, 1934白術認を用ひた。 elasticityof complementari ty も亦同ピ。

2)

3)

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他の所有が不援でるる事を意味する。此事情の下に一な

いては、ーの代替率三bとa一

cとが下落するであら

うので、

b一Cも餐化するであらう。

Iのbcに封する

需要は、彼のb

k封する需要費化と

cに謝する夫れと

が相等しくたいにしても、増大するであらう。同核に

して

Hのacに針ずる需要、

Eのabに針する需要が

増大するであらう。共場合、若しIH旧の無差別級が

同様であり、彼等の所得(購買力)が等しい友らば、

bck謝する会での個人的需要曲線が捷化寸るにして

-bck針寸る市掛需要曲帥酬は劇化し友いであら

もぅ。個人的需要経一化は相互に相殺するからである。相

封債格は不援であるし、貨幣は従って中立である。

同同

gESZ5223円

rp口問。

c-gg

若しIH

回の不確貫性に闘する感情が高まったために、彼等の

現金残高需要を刊%だけ増大しようと決心するなら

ば、

Iの現金残高

ak謝するIの増大せる個人的需要

は、bcに閥するIの個人的提供を意味するo同様友事

が江と

mk就いて言へる。無差別線と個人的需要陀閥

ロオぜ

Y

V

ユダイン・ログシ「一般的貨幣論と

一般的債格論との同格化

a

ずる特定の仮定の下に沿いては、個人的需要愛化は稲

殺され市場需要と物債とは不時伎のままに止まる。貨幣

は従って中立である。

貨幣が物々経済に沿いても貨幣経済においても中立

である諸保件を蓮ぺる事は、夫れが現貧に沿いては殆

んど獲得されるものではない事を一示すのであるが、此

事が上掲二つの揚合の唯一の目的では友い。上掲二つ

の場合の根底にはより詳細に吟味したければならない

概念が伏在してゐる。北(議論は漸がで物々絞神L」貨時

級品相との匝別九並びに犬成(恭艇を聞いてゐる賞品刊酌

殺呆と貨幣的殻果との庖別を、はっきりさせるために

役立つのである。

さで貨幣が濁立財でたい場合に中立が得られるため

の保件の一つは、

IHmの無差別総が相等しいといふ

のであった。貨幣経済の下で此仮定の成立する事は明

である。然し物身経消の下では疑問である。何故なら

各財が各偶人にとって貨幣であるといふ事費は、邸債

値貯減機能が考へられてゐるときには.如何なる財が

tF四十四巻

第六競

saleability,之は Mengerc?言葉であ品。安井琢腐脅;メンガー図民経済串原理, 233-250,参照

4)

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ロオぜシシユダイン・ログシ「一般的貨僻論と

一般的債格論正の同格化」

債値貯蔵手段として最良のものであるかといふ事に闘

して

IHmの判断が具ってゐる事を意味するからであ

る。硲貫性の個人的不足を充すための個々人によって

同時る財は、帰来の出来事に闘する彼等の殻想が同組一って

ゐる事を意味する。共して斯〈の如き殻想こそが、個

‘. .

人的選傑慨系の本質部分注成すが故に、

ら」

avrコ剛一3-JJ

,HUが'h

弓江川刊Y苅」ρ

相等し、とは言へないのである。

この相等しき無差別総と相等しき所得といふ仮定の

他に、更にもう一つの閃難がある。夫れは前と同様に

物々経済と貨幣経済との比較の意味とカーとを減殺する

であらう。郎、同一財が金貨幣機能を充すといふ偲定

を、より詳細に吟味し左ければならぬ。貨幣が三つの

機能の全部を芳すといふ事は、貨幣ピけが債値の貯蔵

手段である事を意味するものでは左い。事費種々の財

は或程度に沿いて債備貯蔵手段である。大械の耐久財

特に多くの用設を持ってゐる耐久財は、或程度迄は晴嵐

想すべからぎる偶然事のために準備し得る。貨幣は最

初の二機能を充す唯一の財ではあるが、現金残高機能

第四十四巻

箭六擁

i¥.

と呼ばれるものを充す多数財の中の一ワ陀過ぎ左い。

法律又は憤習によって成立せる繰延支排の基準である

事が、貨幣形棋に侭侃貯出川手段の役割をより多〈持た

しめる事に在るであらう。然しそれにしても貨幣は唯

一の侭侃貯臓手段ではない。

作賞仕の一小U

止を4t7MMは‘民他の財と将胸輔功の倒

係にある。共他の財が、債値貯臓手段としての貨幣に

劃して多少とも代替物であるといふのは、

との民同幽輔

車の闘係のためでるる。貨幣が共他の財と完全に樹立

してゐる例外的た揚合にのみ、貨幣は唯一の便値貯蔵

手段と在る。故に貨幣経済と物々一経済とに沿いて、各

人にとって債佑貯蔵手段として役立つ種k

友財の束が

るる。貨幣は、貨幣粧怖に沿いては法律、制度及び共

他の四日出によって、個人的債値貯賊財の束に沿いて大

き友役割を演やる。放にとの束の分散は、物々経済に

沿けるよりは小でちる。如何左る財が最良の債佑貯蔵

¥

手段であるかといふ判断は、腕来の問来事に闘する不

m寅左抽出想そ含んでゐるので、来の分散程度が小さい

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事は、将来に関する個人的環忽の相違の程度は物々経

済よりも貨幣経済の場合により小であるといふ事を意

味する。斯くて物々経済と貨幣経済とは、種類の相違

ではな〈て樫度の相違である。将来の個人的課想が或

るものよりはるかに異ってゐる一方は、他方に比すれ

ぽ物々経砧円である。純物々…経怖と純貨幣経済とは、純

競争と純滴占と同ビ採に、現買では決して得られ友い

川内想的向制限の場合である。現貨にはとの附似限の中間

経済だけが存在し・間前貯峨財

η束力分散の続攻が、

経済をとの雨極の一方へ近やける事に友る。斯うした

議論の観拙からすれば、調立財としての貨幣の場合を

除けば、貨幣は第一の意味に訟いても第二の意味に沿

いても中立ではない。

る貨(四)幣中ヴ立エ貨l 幣

yレ第と三い概ふ念慨念』土

上;事せるもの心つみで、

t1

古典波の理論に含まれてゐ

友い。との申立貨幣の第三概念は、

]-B・セイの理

論の中に含まれてゐる。

セイが意味し、

叉意味しよう

と意同した思想は、大鶴次のやうたものであった。す

ロオぜシシユタイシ・ロダシ「一般的貨幣論と

一般的債格論正申同格化」

友はち、静的物々経怖に沿いては、人は明瞭に均衡債

格を知ってゐる。貨幣経済に沿いては貨幣がとの智識

を蔽ひか〈す。然し貨幣は、物々経済に治ける基本闘

係を縫更するものでは泣い。若し貨幣がヴェールに過

ぎないならば、貨幣経済にないては一般的過剰生産が

生じないであらう、と。

此底にたける貨幣ヴェールといふ考へは、

さきに田氏

関したものとは異つでゐる。夫れは、若し貨幣的力も

亦イ臼吋レ勾{時明を通〕亡の)しcbるまら工、

1

j

f

f

l

;

-

u

;

例川f干の不均何

もたいであらうといふ事を意味する。

この第三概念は

その後累積的過程の友い事によって特徴付けられた貨

幣的均衡の諸傑件の銭漣である。

セイは斯〈でウイク

セル陀先行するものとして現はれるのである。

この第

一一概念の理論と重要度とを明瞭友らしめるためには、

均衡状態からの分析を以ってしでは.不可能である。

貨幣理論と一般的債格珂論との分離は、長い間しか

も最近迄、相互猫立に展開せられたこつの思想の流れ

第四十四巻

第六挽

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はに王鬼よ金つ~て=、-ロ局二補百般オ

車斤 欠盟ぎでに ZELあ共語ムりのと夕、根のイ他炭同 y

はを格二化

資額」ダ本 へ と分さー祈れ般で つ 的

あ1. ! るるま" .岡隻 'O と

方と 'コ

も臭った道を通って同一の結論、邸貨幣の存在は静的

均衡と矛盾するといふ結論へ導〈。

↑現金残高分析古典派が貨幣の債値貯蔵機能を

稜凡し得恥かったのは且数別分析が抵かったからさわ

る。現代の償値理論が打ち立てられるや弓に在ると、

財の致用は相針債格決定の原凶であるのに、貨幣の殻

用は債格決定の結岡市であって、債格決定のため何等の

役割も演じ得司泣いため、倖統的な貨幣の毅用は、共他

の財の毅用と同絡にする事が出来なく左つ

τ来た。斯

〈て理論は貨幣量の決定が出来なく友り、理論館系が

完全であるためには.貨幣に針する需要は何であるか

といふ事を説明しなければ左らな〈友った。斯くてレ

オン・ワルラスは、

=zg合品。としての貨幣の致用と

債値貯蔵としての貨幣の殻用とを原別し、

としての貨幣の債値は、債格形成過程の結果でるるが

ロロgptz

SEUmO《忠弘『臥。

としての貨幣の僕値は、共他の財の数

第四十四巻

第六銃

O

用と同じ桜に、債格決定の原因となった。斯くて初め

て、現論酷系の必須部分としての貨幣需要に闘する説

明が可能と怠るに扱った。

我A

が自分の趣味、所得、帰来の債格、自分の購買

日及び量を、完全に継貿に濠恕し得るやう攻摩擦のな

い絞僚批佐代h仰いては、現金残高社特と一っと寸おや行

在者は誰も悲いであらう。各人は賂来支排が暗闇想され

る時間だける一貨幣を投資し、それをし左い事に図る利

子損失を謎けるであらう。各人は中央手形交換銀行に

残高を持ち、全ての支排は銀行帳簿の上で行ふであら

ぅ。何等の危険も晴朗想の不確貸さもない欣態に沿いて

は、短期利率も長期利率も相等しいが故に、短期資産

も長期資産もよき支排手段であらう。斯うした欣態で

は、中央銀行の信用創造には何等の制限も泣〈、貨幣、

の流通速度が無限とたるかの如くに経済過程は都民展し

相釘債格は決定し得ても貨幣債格は不決定と左らう。

との詰込ロ円zcm戸

〔】

pzz三ロ自は、

一般的在確寛左強恕

欣態と貨幣存在とを同時に許す事は矛盾である事を一示

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ず。現金残高としての貨幣は‘一般的建想が不確買であ

る揚合にのみ存在し、不確寅に闘する個人的感情の函

教であり、それを芳足するための財である。従って一

の め般分(二)で的析資~. 1象か本与、想ら分^"を生祈 {侵十定るす。 第 ると二 静のの 的ブJ 忠均尚一想 自島It亡 dコ 1;):ヰ量消 貨け れ 幣るは 存叢、在

期資と的本雨前と 立進利 しは 子 な、とい

ウイクセル、伐の批判者及び伐の後継者連によって成

された。

ウイグセル立、

lil 古典派の山九州から出殺しも側仲村がJ

まると需要が増加し又は供給が減少したと言ひ得るの

であるが、全ての債格が高まるとき陀は全ての財の需

要又は供給が幾化したと一一一口はなければ友らないのであ

り、この事は一般的過剰生産の不可能を主張する古典

波にとっては説明の山内来ない現象であるといふ。会ゆ

る貨幣理論は、

一定の事情の下に沿いて全ゆる尉の需

要が全ゆる財の供給よりもより犬でるるかより小であ

るかといふ事を設明し得なければなら左いのである、

ロオゼシシユタイン・ロダン「一般的貨幣論と

一般的債格論との同格化L

といふ。

ウイクセルにあっては、

との均衡叉は不均衡を支配

ずる挺子は、貨幣利率である。それは三つの領域川迂

間生産方法の生産力側資本市場閉消費者財市場にたい

て分析せられ、均衡利率は印貨物資本の物理的限界生

産力(自然利率)に等しく仰貯蓄の需要供給を相等しく

するものでるり同消費財債格水準を動かさ友いもので

ある。ネォ。ウイクセル汲は印と

ωとは相等し〈仰と

は矛盾するといふ

D

均衡僚件は白熱利率d貨幣剰率との均等である。

者し貨幣利率が自然利率に相等しくない友らば累積温

程を生じ、

南利率が相等しくない限り繕績する3

然利率と貨幣利率との均等は斯くて貨幣均衡の傑件と

在る。

此庭にゐける均衡は、

静的債格理論のそれと

相等しきものではた〈、

夫庭では何等かの撹鋭がる

れば一疋の欣態へ恢復せしめんとするカが作用し、水

振子に類似する。

の表面、

此庭では撹乱原因(利率白

講離)

は、無限に綾〈運動を生十る。

斯かる累積過程

第四十四巻

一三二五

第六競

現貨においては、現金残高の存在を u不確賞以外に二種。摩擦が設明ずる。却投資の費用(銀行料金)と官量破に封ナる希望」であるLindahlは、 Wicksellの .11 goodsは (;onsumers' goods しか意味しないといふ。貯蓄のある動的過程においては、所得は (r)貯菩(2)消費者財需要へ行者社曾的生産物は (1)貨物資本への投諮(2)消費者敗。生産とな p、l比等四要素D均衡が問題となる。

5)

6)

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ロオゼシシユタイ

y・ログペ「一般的貨幣論と

一般的債格論との同格化」

がない事によって特徴付けられた貨幣的均衡は、従つ

て動的均衡である。新〈てウイクセんは貨幣現象を動

的理論に沿いて取扱ひ得たに過子たいのであって、貨

幣と静的均衡が附立し得ないといふ現金残高分析の結

論に一致する。

主幣内勾

d

J

日〉一肋勺

J

ld什土、

術判dE1

有dvz'HfiJtl

ウイクセルが彼の州礎知

として静態を抹ちたかった左らぼ、もっと明瞭に左つ

たでるらう。静態にたいては貨幣的均衡の三個のウイ

クセル的保件の全てが仮定によって充されてゐる

3

鹿では叉若し維持されるならば扮証後貨幣的均衡の賓

限定によって均衡があ

現を妨げる共他の要素問に、

る。ウイクセルは時間のある過程を分析するのである。

彼の理論の主要在仕事は、我々をして動的過程の各陣

聞にたいて貨幣的均衡があるか不均衡があるかを絞ぺ

得さしめる事である。故に最上の方法は、分析の向費

黙として不均衡欣態をとる事である。その時とそ我々

は、より明瞭に強想と不確賓との特殊友重要さがわか

るのである。静態にゐいては債格は

EE百円であり、

第四十四巻

ー』ノ、

第六競

各人は現在支配してゐる償絡は脈来も亦支配するので

あらうと議怨する。ウイクセルは彼の累積過程の設明

にh嗣いでこの型の抽出相むを暗黙の中に仮定

Lた。芳し自

然利一郎ナと貨幣利率の聞に聞きがあるたらば、若し各人

が現在支配してゐる償絡は将来も亦支配するであらう

」設相山ナ・心たら一山仏、累積組一院はのイクセルわ組り陀日出

閲される。然し、不均衡の扶態においては何等かの累

積過程を妨げ得る叉は方向を逆にさへする異れる種類

の抽出想がるる。動的均衡にムおいては、物価加の珠想と不

椛賓とは、現賓の物債と同じ樫需給を決定する狽立礎

数である。

現金残高分析とウイクセル的資本分析とは、貨幣存

十忙と静的均衡とは同時に許し得、千、我々は動的経済に

沿いてのみ貨幣を取扱び得る事を結論する。貨幣及び

債格の一般理論を等級化ずる事は、雨理論を同一俄定

の下に展開する事を意味する。貨幣及び債格の静的理

論を同格化する事は、貨幣の静的研論が存在し友いが

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故に不可能である。是を途行し得るためには、貨幣理

論を債絡の動的理論と結び付けねば友らない。然らぽ

債格の動的理論は如何にしで到達されるか。

今や貨幣の動的理論の二個の研究結果が有殺と左

る。包含さるべぎ重要な要素は、不離賓と涼相ゆとであ

る。将来債格の疎想は、現宵何回格以外に現在需要を決

定ずる濁立鑓数である。今一一一財

abcを俄定しよう。

りお

H「(円)g

司、pw

司、、pui目

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司、宮司、Jvw・:?・司、ま円vzde--・)

此鹿に伊とは

aに即する川市要であり¥

abot

pp仰は

abc

の慣俗でありァ、

FF以次の咋の開聞に判別する州問権抽出細川で

ありJPは時の第二期聞に針する債格晴朗想でるるo我々

は斯〈て

n財を持てる静的均衡の理論にゐけると同様

に、叫個の方程式によっで決定せられる叫個の未知数

を持ってゐる。此事は是等の旗惣が確貫左ものである

かの如〈に環想を考へてゐる。不確寅は現金残高の常

要といふ形態の下に考慮されねば友らぬ。現金残高分

析は、不確賓のある所では現金建高は全ゆる暫に沿い

て一個の経済叫別である事を示す。放に現金残高は刊番

ロオゼンシ品タイシ・ロ

rシ「一般的貨幣論と

n

一般的情格論とり同格化」

目の財とたり、

n番目の未知数を成す。この昨呑円に叫制

する需要は、将来の出来事に針ずる不確貨の函数であ

る。第二八万折から、動的均衡を決定するためには均衡利

率が決定されねば怒らぬ事を知る。利率は貨幣市場に

最ける一個の耐同格である。貨幣の一部分は玩に濁立鑓

数の贈系の中へ現金残高として包合せられてゐる。第

二部分は、通営に定義せられた貸金と負債とのための

qhM

市場に沿ける貨幣から成る。第二部分は、+番目の

M

hv一成し、決定虫、る可き1L祁聞の未知数である。斯〈の

n

如き動的均術論こそ、貨幣及び債格の一般瑚論の同格

化を、論理的陀完結せる一個の現論億一栄にゐいて、可

能ならしめるのである。

第四十四巻

第六披