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Instructions for use Title 胎児超音波遠隔診断を用いた医療連携 Author(s) 菱谷, 隆 Citation 北海道大学. 博士(医学) 乙第6928号 Issue Date 2014-09-25 DOI 10.14943/doctoral.r6928 Doc URL http://hdl.handle.net/2115/58550 Type theses (doctoral) Note 配架番号:1681 File Information Takashi_Hishitani.pdf Hokkaido University Collection of Scholarly and Academic Papers : HUSCAP

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  • Instructions for use

    Title 胎児超音波遠隔診断を用いた医療連携

    Author(s) 菱谷, 隆

    Citation 北海道大学. 博士(医学) 乙第6928号

    Issue Date 2014-09-25

    DOI 10.14943/doctoral.r6928

    Doc URL http://hdl.handle.net/2115/58550

    Type theses (doctoral)

    Note 配架番号:1681

    File Information Takashi_Hishitani.pdf

    Hokkaido University Collection of Scholarly and Academic Papers : HUSCAP

    https://eprints.lib.hokudai.ac.jp/dspace/about.en.jsp

  • 学位論文

    胎児超音波遠隔診断を用いた医療連携

    (Medical Link Using Telediagnosis With Fetal Ultrasound)

    2014年9月

    北海道大学

    菱谷 隆

  • 目 次

    発表論文目録および学会発表目録 ……………………………… 1頁

    緒言 ……………………………… 5頁

    略語表 ……………………………… 7頁

    実験方法 ……………………………… 8頁

    実験結果 ……………………………… 11頁

    考察 ……………………………… 19頁

    結語 ……………………………… 25頁

    謝辞 ……………………………… 26頁

    引用文献 ……………………………… 27頁

  • 1

    発表論文目録および学会発表目録

    本研究の一部は以下の論文に発表した。

    1. 菱谷隆、小川潔、林正敏、瀬川裕史、宇井万津男、木野秀郷、

    厚川裕志、松本二朗

    埼玉県東部の胎児遠隔診断システムの構築―最小限の設備投資で―

    日本遠隔医療学会雑誌, 5(2)・245-247, (2009)

    2. 菱谷隆、小川潔、星野健司、菅本健司、伊藤怜司、飯島正紀

    小児医療センターを中心とした胎児遠隔診断システム

    埼玉県医学雑誌, 45(1)・113-117, (2010)

    3. 菱谷 隆、小川潔

    地域の産科と小児医療センターとの間に胎児超音波遠隔診断システ

    ムを構築し周産期医療の向上をめざす

    日本医事新報, 4513・90-92, (2010)

    4. 菱谷 隆

    埼玉県東部の胎児遠隔診断システムの構築(第2報)

    日本遠隔医療学会雑誌, 6(2)・190-191, (2010)

    5. 菱谷 隆

    超音波を用いた胎児遠隔診断で生まれる前に病気を診断!

    全国自治体病院協議会雑誌, 8・14-20, (2011)

    6. 菱谷 隆

    埼玉県東部の胎児遠隔診断システムの構築(第3報)

    日本遠隔医療学会雑誌, 8(2)・116-118, (2012)

    7. Takashi Hishitani, Yoshitaka Fujimoto, Yukinori Saito,

    Kenji Sugamoto, Kenji Hoshino, Kiyoshi Ogawa

    A medical link between local maternity hospitals and a

    tertiary center using telediagnosis with fetal cardiac

    ultrasound image transmission

    Pediatr Cardiol, 35(4)・652-657, (2014)

  • 2

    8. Takashi Hishitani, Yoshitaka Fujimoto, Yukinori Saito,

    Kenji Sugamoto, Kenji Hoshino, Kiyoshi Ogawa

    Accuracy of telediagnosis of fetal heart disease using

    ultrasound images transmitted via internet

    Pediatr Int. 56・289-291, (2014)

    本研究の一部は以下の学会で発表した。

    1. 菱谷隆、小川潔、林正敏、瀬川裕史、宇井万津男、木野秀郷、

    厚川裕志、松本二朗

    埼玉県東部の胎児遠隔診断システムの構築―最小限の設備投資で―

    日本遠隔医療学会学術大会, 2009.10.11・熊本

    2. 菱谷 隆、小川 潔、星野健司、菅本健司、伊藤怜司、飯島正紀、

    城 宏輔

    小児医療センターを中心とした胎児遠隔診断システム

    第47回 埼玉県医学会総会, 2010.1.24・さいたま

    3. 菱谷 隆、小川 潔、厚川裕志、宇井万津男、木野秀郷、瀬川裕史、

    林 正敏、松本二朗

    超音波動画送受信による胎児遠隔診断システムの構築と運用

    第16回日本胎児心臓病研究会学術集会, 2010.2.19・大阪

    4.Takashi Hishitani, Masaki Iijima, Reiji Ito, Kenji Sugamoto,

    Kenji Hoshino, Kiyoshi Ogawa

    Establishment and operation of fetal telediagnosis system

    using ultrasound image transmission

    第3回アジア-太平洋小児循環器学会総会, 2012.7.6・千葉

    5. 菱谷 隆

    埼玉県東部の胎児遠隔診断システムの構築(第2報)

    日本遠隔医療学会 MISHIMA 大会, 2010.9.25・三島

    6. 菱谷 隆、小川潔、厚川裕志、宇井万津男、木野秀郷、稲毛幸子、

    瀬川裕史、田口知里、丸山千鶴、林正敏、松本二朗、北川優、

    吉越和江

    埼玉県東部における胎児超音波遠隔診断を用いたスクリーニングの

    現状

    第17回日本胎児心臓病学会, 2011.2.18・旭川

  • 3

    7. 菱谷 隆

    遠隔診断

    第45回神奈川胎児エコー研究会 アドバンスセミナー, 2011.10.10

    東京

    8. 菱谷 隆、小川潔、木野秀郷、稲毛幸子、瀬川裕史、田口知里、

    丸山千鶴、寺内友恵、船川咲絵、松本二朗、北川優、吉越和江

    胎児超音波遠隔診断を用いた医療連携の効果

    第 18 回日本胎児心臓病学会, 2012.2.18・つくば

    9. 菱谷 隆

    埼玉県東部の胎児遠隔診断システムの構築(第3報)

    日本遠隔医療学会 JTTA2012, 2012.9.29・舞子

    10. 菱谷 隆、厚川裕志、宇井万津男、林 正敏、木野秀郷、稲毛幸子、

    田中亜紀、松本二朗、北川 優、吉越和江、瀬川裕史、丸山千鶴、

    田口知里、寺内友恵、船川咲絵、藤本義隆、斎藤千徳、菅本健司、

    星野健司、小川潔

    胎児超音波遠隔診断を用いた医療連携 ~3 年間のまとめ~

    第 19 回日本胎児心臓病学会, 2013.2.15・津

    11. 菱谷 隆

    「胎児診断って何?-埼玉県の遠隔診断システム-」

    群馬胎児心エコー研究会 第2回講座, 2013.6.1・群馬

    12. 菱谷 隆

    埼玉県東部の ICT を用いた胎児遠隔診断システム

    -産科施設との医療連携-

    第 15 回日本医療マネジメント学会 シンポジウム

    「ICT を活用した地域連携」, 2013.6.15・盛岡

    13. 菱谷 隆

    ICT を用いた胎児超音波遠隔医療システム

    第3回小児循環器遠隔医療学会, 2013.7.11・東京

    14. 菱谷 隆

    ICT を活用した胎児超音波遠隔診断システム

    第49回日本周産期・新生児医学会, 2013.7.15・横浜

  • 4

    15. 菱谷 隆

    胎児心エコーの現状と当院での遠隔診断について

    東京慈恵会医科大学小児科医局, 2013.9.26・東京

    16. Takashi Hishitani

    Accuracy of telediagnosis of fetal heart disease using ultrasound

    image transmission via internet

    The 18th ISfTeH (international society for telemedicine and

    eHealth) International Conference in Japan, 2013.10.19・香川

    17. 菱谷 隆

    胎児エコーによるスクリーニング方法と当院での胎児心疾患の遠隔

    診断について

    北大小児科特別集談会, 2014.1.15・札幌

    18. 菱谷 隆、河内文江、藤本義隆、菅本健司、星野健司、小川 潔

    胎児遠隔診断に従事して~産科施設スタッフへのアンケート調査

    第20回日本胎児心臓病学会, 2014.2.15・浜松

  • 5

    緒言

    産科医療の分野においても高精度の超音波診断装置の登場により、子宮内

    の胎児の状態を詳細に観察できるようになり、胎児疾患の早期発見が可能と

    なってきている。先天奇形による乳児死亡は 10 万人あたり 151 人(乳児全

    死亡の 35%)であり、このうち 55.6%は新生児期に死亡しており、この中

    で呼吸・循環器系の奇形が 7 割を占める 1)。妊娠中に正確な胎児診断を実施

    し、産科施設と小児専門施設との連携をとることで新生児死亡、乳児死亡を

    少なくしていくことが今後の課題である。

    正確な胎児超音波診断を実施するためには高度の知識とテクニックが必

    要とされる。産科施設のスクリーニング検査で見つかった異常が重大な疾患

    につながることもあるため胎児診断に精通する専門家による精査が必要で

    ある。妊娠中に産科で胎児異常を指摘された場合、妊婦は精査目的で専門医

    のいる施設に紹介されることとなるが、遠方の場合や移動の制限される妊婦、

    満期に近い妊婦が専門施設へ行くことが容易でない場合もある。また埼玉県

    立小児医療センターの場合、近隣の産科スタッフが診断結果に自信を持てな

    い時など、画像をDVDに保存し専門医のいる当施設へ持ち込んで診断を求

    めるケースも多く、産科スタッフの間でインターネットを利用した胎児診断

    を求める声が上がっていた。2008 年7月に開かれた小児循環器学会にて、

    岡山大学で行われている胎児遠隔診断についての発表を聴いて、埼玉県東部

    地域でインターネットを利用した胎児超音波遠隔診断システムの実現が妊

    婦や産科スタッフにとって便利なツールとなり、地域の周産期医療へのメリ

    ットが大きいと考えた。

    今回埼玉県立小児医療センターを中心とした胎児遠隔診断システムを構

  • 6

    築し、2009 年 2 月から送受信テストによる受信画像の検証を行い 2)、2009

    年 10 月から近隣の産科施設との間で運用を開始した。今回運用開始後 3 年

    が経過したため、これまでの遠隔診断実績のまとめ、遠隔診断の正確さ及び

    この遠隔診断システムが産科施設との医療連携に与えた効果を検証した 3)。

    なお胎児遠隔診断の実施に関しては、2009 年 2 月に当センター内の倫理委

    員会で検討され承認を得ている。

  • 7

    略語表

    AO aorta

    AS aortic stenosis

    bps bit per second

    CAVC common atrioventricular canal

    CCAM congenital cystic adenomatoid malformation

    CoA coarctation of aorta

    CPVA common pulmonary vein atresia

    DORV double outlet right ventricle

    FO foramen ovale

    fps frame per second

    ICT information and communication technology

    LSVC left superior vena cava

    LV left ventricle

    PA IVS pulmonary atresia with intact ventricular septum

    PE pericardial effusion

    PR pulmonary regurgitation

    PS pulmonary stenosis

    STIC spatio-temporal image correlation

    TAPVC total anomalous pulmonary venous connection

    TOF tetralogy of Fallot

    TGA transposition of the great arteries

    VSD ventricular septal defect

    VPC ventricular premature contraction

    VPN virtual private network

  • 8

    実験方法

    1.遠隔診断の手順

    必要設備

    小児医療センター側の設備として光ファイバーを用いた通信機能の完備

    したテレビ会議システム(NTT Meeting Plaza ver.4.5、2012 年 4 月~ver.

    6.0)を使用した。また産科側の必要設備は院内にすでにある超音波診断装

    置とパソコン、新たに購入したビデオキャプチャー及びヘッドホンマイク、

    ウェブカメラであった(産科側の初期投資額は光ファイバー設置料金を別に

    すると概ね 2 万円以内)。各産科施設のパソコン(Windows XP、 2012 年 4

    月~Windows 7 も可能)からインターネット経由でサーバにログインしてプ

    ログラムファイルの自動ダウンロードを行い、また情報保護のためセンター

    側と産科側との間にフレッツ網を介した VPN(virtual private network 仮想

    専用回線)を構築した(産科側負担月額約 2000 円)。

    超音波遠隔診断の方法 (図 1)

    遠隔診断は以下のように実施した。 ①ヘッドホンマイクを装着し、ウェ

    ブカメラをセットした遠隔診断システム端末のパソコンの前に座り、小児医

    療センター医師と産科スタッフ(技師または産科医)があらかじめ打ち合わ

    せた時刻にテレビ会議システムのサーバにログイン。 ②モニター画面に映

    し出されたお互いの顔を見ながらヘッドホンマイクで会話しながら遠隔診

    断を開始。 ③産科側からあらかじめ録画してあった胎児画像を送信し、小

    児医療センター側で受信した画像を共有画面で見ながら診断をすすめる。ま

    たリアルタイム送受信の場合は、実際に妊婦の胎児エコーを実施している状

  • 9

    態で超音波機器の端子からリアルタイム画像をパソコンに取り込み送信。

    ④診断後には産科医とともに妊婦へ診断結果の説明を実施。 ⑤以上すべて

    のやりとりを後日検証できるようにハードディスクに保存。

    図1 インターネット経由で産科から小児医療センターへ動画を送信、

    専門医とヘッドホンマイクで会話しながら遠隔診断を行う。

    STIC: spatio-temporal image correlation PC: personal computer

    2.統計

    ①遠隔診断開始前後で産科からの周産期医療施設への紹介件数の割合の

    増加 ②外来診断例と遠隔診断例の心疾患陽性率の差、これらについて 2

    群の母比率の差の検定として実施し、P

  • 10

    3. 接続テスト

    2009 年 2 月より産科 6 施設との接続テストを開始した 2)。

    方法 センター側と産科側に 1 人ずつシステム担当者を配置し、接続作業

    の手助けを行った。検証項目は①あらかじめ録画した心エコー画像を産科施

    設から送信し、受信した画像のクオリティ(Bモード画像の鮮明さ、コマ落

    ちの程度、カラーフローの色彩)の検証 ②動画を見ながら、ヘッドセット

    での会話が可能なこと ③入力画像をウェブカメラに切り替え、相手の顔を

    見ながらヘッドセットでの会話が可能なこと ④胎児心エコー機器のリア

    ルタイム画像を送信し、受信した画像のクオリティの検証 ⑤録画機能を用

    いてすべての行程を録画、録音した画像及び音声の検証である。

    結果 送信側で圧縮され受信側で伸張された画像はシステムの設定を高画

    質モード(最大ネットワーク速度 6000kbps (bit per second)、最大 frame

    rate 30fps (frame per second))にすることで、コマ落ちも目立たず、精

    度及び心臓の動き等、元の画像と遜色ないものが得られた。ディスプレイに

    表示された動画を見ながら、ヘッドセットでの会話がスムーズにできた。ま

    た適宜切り替えスイッチにてウェブカメラに変更し、相手の顔を見ながら会

    話できることを確認した。リアルタイム送受信では、鮮明なBモード画像と

    遜色ないカラーフローの色彩を得ることができた。またプローブの移動によ

    る画像変化への追従性も優れていた。録画した画像の劣化はほとんど無かっ

    たが、画質優先モードとしているため音声はやや聞き取りにくい部分があっ

    た。以上接続テストにて画像は録画送受信及びリアルタイム送受信ともに鮮

    明でコマ落ちなく臨床使用可能と判断した。

  • 11

    実験結果

    1. 胎児遠隔診断の実績

    2009 年 10 月 1 日から 6 産科施設(2014 年 8 月現在 9 施設)との間で運用

    開始した。

    外来診断件数と遠隔診断件数

    方法 当科胎児外来診断台帳及び胎児遠隔診断台帳からそれぞれの件数、

    内訳を調べた 3)。

    結果 外来診断件数は徐々に増加し、年間平均 35±11(17~50)件で推移し

    ている。2009 年 10 月に遠隔診断を開始してからもほぼ横ばいの件数である

    (図 2)。

    図2 外来診断件数(35±11 件)と遠隔診断件数(40 件前後)の推移

    (2003 年 1 月 1 日(遠隔診断は 2009 年 10 月 1 日)~2012 年 9 月 30 日)

  • 12

    胎児遠隔診断は 2009 年 10 月から運用開始し、2009 年 10 月 1 日~2012 年 9

    月 31 日まで年間平均 40 件(図 2)、3 年間合計で 119 件(117 例)実施して

    いる(表 1)。内訳は心疾患(疑い):104 例(左心低形成、大血管転換、大動

    脈縮窄、重症肺動脈狭窄、肺動脈閉鎖+心室中隔欠損、ファロー四徴、総肺

    静脈還流異常、共通房室弁口、無脾症候群(複雑心奇形)、心室中隔欠損、

    左上大静脈遺残、動脈管瘤、動脈管早期閉鎖、卵円孔早期閉鎖、心臓腫瘍、

    全内臓逆位、心室性期外収縮、心房性期外収縮、その他)、腹部疾患:4 例

    (総胆管/胆嚢拡大、卵巣嚢腫、胆嚢腫大、腹水)中枢神経疾患:3 例(側

    脳室拡大 2 例、Dandy Walker 症候群、うち 2 例は心疾患合併)、泌尿器疾患:

    3 例(水腎症、腎嚢胞疑い、腎盂拡大)整形外科疾患:2 例(四肢短縮 2 例、

    1 例は中枢神経疾患合併)、形成外科疾患 2 例(口蓋裂+心疾患)、肺疾患:

    4 例(胸腺腫瘍 2 例、胸水、CCAM(congenital cystic adenomatoid mal-

    formation))であった。これらのうち録画送受信 110 件(うち STIC (spatio

    -temporal image correlation) 36 件)、リアルタイム送受信 9 件であった。

    表1 胎児遠隔診断件数/例数と内訳(2009 年 10 月 1 日~2012 年 9 月 30 日)

    結果 遠隔診断 119 件(117 例)

    内訳 心疾患(疑い) 104 例

    小児外科疾患 5 例

    中枢神経疾患 3 例 (2 例心疾患合併)

    泌尿器疾患 3 例

    整形外科疾患 2 例 (1 例中枢神経疾患合併)

    形成外科疾患 2 例 (ともに心疾患合併)

    肺疾患 3 例

    リアルタイム送受信 9 件

    録画送受信 110 件

    (STIC 36 件)

  • 13

    2.遠隔診断と胎児精査又は出生後診断との比較

    方法 2009 年 10 月 1 日~2013 年 5 月 8 日までで当科胎児外来診断台帳(胎

    児精査結果及び判明している出生後診断を記載)及び胎児遠隔診断台帳から

    診断の比較が可能な例を抽出して遠隔診断の精度を検討した 4)。

    結果 25 例で比較が可能であった(表 2)。大きく診断が違ったのは 2 例で

    あった。うち 1 例は在胎 38 週、産科入院中で分娩の近い妊婦であった。遠

    隔診断に 30 分近く費やしたが、四腔断面のみの不鮮明な画像であり、詳細

    診断は不可能であった。出生後に下肢脈の触知を確認し大動脈縮窄を否定す

    るようにアドバイスをして終了した。実際は出生後にチアノーゼを呈し緊急

    搬送となった。出生後の診断は大血管転換であった。他の1例は左心房が小

    さいという理由で遠隔診断を実施したが、受信画像(STIC 画像)が不鮮明

    であり異常は指摘できなかった。胎児精査を行い卵円孔早期閉鎖と診断した。

    表2 遠隔診断と胎児精査または出生後診断との比較

    (2009 年 10 月 1 日~2013 年 5 月 18 日 心疾患を疑われた 25 例)

  • 14

    3. 医療連携への効果の検討

    スクリーニングを積極的に実施している産科施設を三つ選び、胎児遠隔診

    断(心疾患に関して)を開始したことによる効果を検証した 3)。

    方法 3 産科施設(A,B,C)はいずれも埼玉県東部に位置する産科開業施設

    であり、年間分娩数はそれぞれA:1600~1800 件、B:600~700 件、C:

    600~700 件である。2007((1)のみ 2006)年 1 月 1 日から 2012 年 9 月 30 日ま

    での期間で、これら 3 施設から当科外来へ紹介され胎児診断を行った件数、

    産科施設との間で行った遠隔診断件数、また産科施設から周産期医療施設へ

    紹介になった件数および病名、出生後緊急搬送された件数及び病名、胎児外

    来診断例と胎児遠隔診断例の診断陽性率と発見心疾患例数を検討した。 産

    科施設台帳および当科胎児外来診断台帳、胎児遠隔診断台帳から後方視的に

    抽出した。

    (1) 外来診断件数と遠隔診断件数の比較

    結果 産婦人科から心疾患を疑い小児医療センター胎児診断外来へ紹介と

    なった年間の件数は、遠隔診断開始前は 8~14 例(3 施設合計)であったが、

    遠隔診断開始後は 3~5 件に減少、このうち 8 割近くはC産婦人科からの遠

    隔診断後の確認目的で来院した例であった(図 3)。また遠隔診断件数は年

    間 16~38 件(3 施設合計)(図 4)であった。従って遠隔診断開始後は、遠

    隔診断で確定診断される場合が多く、診断目的に外来へ紹介される件数は大

    幅に減少した。遠隔診断後にC産科から外来へ来院した例では、診断確定と

    ともに紹介先選定も主たる目的であった。

  • 15

    図3 外来診断件数の推移(心疾患疑いで産科 3 施設からの紹介例)

    図4 遠隔診断件数の推移(心疾患疑いで産科 3 施設からの紹介例)

  • 16

    (2) 産科からの周産期医療施設紹介例数と診断方法

    結果

    紹介例数:周産期施設紹介件数は年間 5~8 件(3 施設合計)、胎児遠隔診断

    開始後は 5~11 件で、A及びB産婦人科は遠隔診断開始前後で不変であった

    が、C産婦人科からの紹介件数が増加した(図 5)。

    図5 周産期医療施設への紹介件数の推移(心疾患疑いで産科 3 施設からの紹介例)

    診断方法:遠隔診断開始前は、当科胎児外来診断後に周産期医療施設へ紹

    介された件数が 2~4(合計 8)件、産科施設から直接紹介された件数は 2~

    3(合計 7)件で、後者は全体の 39%であった。遠隔診断開始後は胎児外来診

    断後の周産期医療施設への紹介件数はゼロとなり、産科施設からの直接紹介

  • 17

    が 3~8(合計 12)件と増加した。後者は全体の 46%に上昇した(P=0.631)。

    また遠隔診断後の周産期医療施設への紹介は 2~8 件で全体の 54%を占め、

    うち半数は遠隔診断のみで周産期医療施設へ紹介され、また残りの半数は遠

    隔診断後の確認と紹介先選定のため外来受診した(図 6)。

    図6 周産期医療施設紹介例の診断方法の推移(心疾患疑いで産科 3 施設からの紹介例)

    (3) 出生後の緊急搬送

    胎児遠隔診断開始前、出生後に産科施設から緊急搬送された例は 8 例(内

    訳は総肺静脈還流異常 6 例、共通房室弁口、ファロー四徴)。胎児遠隔診断

    開始後は 3 例(総肺静脈還流異常 2 例、卵円孔早期閉鎖)であった。もとも

    とスクリーニングレベルの高い産科施設であり重症例は、以前から周産期医

    療施設へ紹介されている。総肺静脈還流異常はレベルの高い産科でもスクリ

  • 18

    ーニングから漏れる傾向があり、遠隔診断開始後も出生後の緊急搬送 3 例の

    うち 2 件が総肺静脈還流異常であった(図 7)。

    図7 産科 3 施設から出生後緊急搬送された心疾患例

    CAVC: common atrioventricular canal CPVA: common pulmonary vein atresia

    TOF: tetralogy of Fallot TAPVC: total anomalous pulmonary venous connection

    (4) 外来診断例と遠隔診断例の診断陽性率と発見心疾患例数

    2007年 1月 1日~2012年 3月 31日までの心疾患陽性率(心疾患例数 / 紹

    介された例数)は遠隔診断では 50 例/89 例(56%)、外来診断では 22 例/29

    例(76%)と遠隔診断では偽陽性が多かった(P=0.059)。発見心疾患例数は

    遠隔診断では 50 例(全期間 30 カ月)、外来診断 22 例(全期間 75 カ月)と

    遠隔診断は短い期間中であったが、より多くの心疾患が見つかった(図 8)。

  • 19

    図8 心疾患の診断率(産科 3 施設から紹介された外来診断例と遠隔診断例との比較)

    (2007 年 1 月 1 日~2012 年 3 月 31 日)

    考察

    今回 ICT(information and communication technology)を利用した胎児

    遠隔診断システムを構築し、産科施設との間で実際に運用を実施しその有用

    性について検討した結果、①接続テストにて送信側で圧縮された画像はイン

    ターネット経由で受信し伸張され端末に表示された(圧縮方式は非公開)。

    録画送受信及びリアルタイム送受信ともに動画は鮮明でコマ落ちなく臨床

    使用可能と判断した。②運用後、産科スタッフは専門医から診断補助を受け

    ることによって正確な診断をすることができた。また産科スタッフの教育に

  • 20

    もなり、産科施設のスクリーニング能力が向上し、重症例は周産期医療施設

    へあらかじめ紹介されるようになり出生後の緊急搬送は減少した。

    運用では録画したビデオ映像の送受信とリアルタイムの送受信を行った。

    実際には産科側で記録したビデオ画像をあらかじめ決めた時刻に送信し、産

    科側と小児医療センター側とで同時に画面を見て診断を進めていく方法と、

    妊婦から直接得た超音波画像をリアルタイムで送受信する方法を使い分け

    ることが必要と思われた。リアルタイム送受信の優れた点は①送る側の技師

    が専門医の指示で、専門医が要求する画面を出すことが可能となり、正確な

    診断ができること。②ハンズオンのような感覚で技師に対する教育ができる

    こと③家族への説明がすぐに行えることなどである 5)。小児や新生児と違っ

    て、胎児の場合は一般には時間的余裕があるので、リアルタイム送受信を実

    施する場合は、一部の緊急の場合(分娩が迫る事態、胎児の状態が悪い場合)

    を除いて専門医の対応可能な時間に再度妊婦に来院してもらう必要があっ

    た。また、産科スタッフとのやりとり及び本人と家族に説明するのに時間を

    要し全体の検査時間が長くなることが専門医と産科スタッフに負担となっ

    た。McCrossan 等によると平均所要時間は 13.9 分と報告されている 8)が、

    我々の場合は 30 分前後かかった。またリアルタイムの場合は診断結果に対

    する家族の期待値が高くなりすぎることもあるため、胎児診断そのものの限

    界と遠隔診断の限界について十分納得してもらう必要があると考えられた。

    3 年間の運用結果では、胎児遠隔診断開始後、産科施設スタッフがスクリ

    ーニング中に気になった画像を簡便に送信して専門医に相談できる遠隔診

    断の件数が増加した(図 2)。以前は軽微な異常のみの場合などは、妊婦に

    遠方の専門施設への受診をすすめることに躊躇いがあったが、遠隔診断では

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    積極的に相談できるようになったと推測される。その結果産科からの遠隔診

    断紹介例が増加し、軽微な異常も含めて遠隔診断で精査するようになり偽陽

    性が増加する半面、見逃し例が減少し結果として疾患が多く見つかるように

    なったと考えられる(図 8)。

    遠隔診断例と出生後診断との比較においては、遠隔診断であってもほぼ正

    確な診断が可能である事が確認された。通常鮮明でコマ落ちのない受信画像

    であり、一時的なネットワーク環境の影響で送受信速度が遅くなり受信画像

    に影響することはあったが診断には支障ないレベルであった。菅原等もテレ

    ビ会議システムを用いて映像音声送受信により胎児超音波検査動画像をラ

    イブで共有し妊婦健診に利用可能なことを示した 6)。 比較検討した 25例中、

    診断できなかった大血管転換の例では、送信されたのは四腔断面のみであり

    流出路や大動脈の断面はほとんど含まれていなかった。また卵円孔早期閉鎖

    例では受信画像が不明瞭な STIC 画像であったため卵円孔の開存性の診断が

    難しかった。以上より遠隔診断に影響したのは、通信機器類の動作ではなく

    産科スタッフの技術力、つまり診断に必要な部分の鮮明な画像を送ることが

    できるかどうかであり、基礎的な胎児心エコーの技術が正確な遠隔診断に必

    要不可欠と思われた。

    遠隔診断の結果に基づいて、疾患の重症度を専門医から産科側にアドバイ

    スを行い、重症例は周産期施設へ紹介(またはセンター施設でさらに精査後

    に紹介)(図 6)、その他重症度に応じて出生後搬送、出生後の外来受診など

    を決定した。その結果、重症例が周産期施設へ紹介され、出生後の緊急搬送

    例は総肺静脈還流異常以外ほとんど無くなった(図 7)。また軽症例は地域

    の産科施設で分娩し、重症例のために周産期施設のベッドを確保することが

  • 22

    できるため、これらは安全で効率の良い新生児医療につながると思われた。

    また専門医との相談の過程でヘッドホンマイクを通して診断ポイントの

    説明を聞くなどでフィードバックを受けることが可能となり、産科スタッフ

    にとっての良い教育ツールとして機能することとなり診断技術の向上が得

    られたと思われる。これは遠隔診断開始後、産科スクリーニングでかなり詳

    細な診断が実施され、専門施設を経由することなく直接周産期施設へ紹介さ

    れる例が増加したことからも推察される(図 6)。 この点、鈴木等や

    McCrossan 等も遠隔診断の教育効果について言及している 7)8)。遠隔診断を

    開始した 2009年 10月以降に緊急搬送された 2例の総肺静脈還流異常は胎児

    期には診断が難しいとされている(図 7)。産科での一次スクリーニングで

    疑い専門医の診断にまで至るためには、より良いスクリーニング方法の確立

    と軽微な異常も見逃さない産科スタッフの技術を磨くことが重要であり、産

    科施設での技術の向上が今後の日本の胎児診断の発展のために必要不可欠

    である。この産科側のスタッフを育てるという観点から、産科医師や技師が

    ヘッドホンマイクで会話しながら、専門医と診断を進める両者参加型の遠隔

    診断の方式は、今後有用であると思われる。近年 STIC 画像を3次元のデー

    タの固まりとして保存し、あとで詳細に診断ができるという画期的な方法が

    考案された。産科で保存した STIC データを専門医へ伝送 9)あるいは郵送し

    て診断する方法が行われており、今回行った遠隔診断でも 119 件のうち 36

    件は STIC 画像で行っている。産科施設の超音波機器に保存してある STIC

    画像を産科側と専門施設で共有し、ヘッドセットで会話しながら産科側で画

    像を動かして診断を進めた。この場合も STIC 画像を一方的に専門医側へ送

    り診断結果を受け取る方法(off-line STIC)では診断精度に限界があるため

  • 23

    10)、産科側スタッフの疑問箇所について共有画像を前に会話しながら診断を

    進める方法(on-line STIC)が、診断精度と産科スタッフ教育という二つの面

    で有用と思われる。

    遠隔診断が遠方や移動の制限される妊婦の場合にも使用できるメリット

    は大きいと思われた。産科施設に入院中で移動が難しい妊婦に関して、急い

    で専門医に相談したい場合などは簡単に画像を送り相談できる。またリアル

    タイム送受信ではインターネット経由で妊婦や家族へ直接説明が可能であ

    り安心感を与えることができる点もすぐれている 5)7)11)12)。

    一方、超音波遠隔診断で今後問題として解決していくべきことは、超音波

    遠隔診断実施上の法的問題、報酬と特典及び責任の所在である。

    まず個人情報保護の点から産科側から妊婦の個人情報に属する超音波エ

    コー動画を他施設の専門医へ提供して助言を得ることを、あらかじめ文書で

    確認しておくことが必要である。またリアルタイムの遠隔診断では妊婦を前

    にして診断をすすめる。この行為が対面診療を原則とする医師法第 20 条に

    触れないかが問題となる。IT 戦略本部内のデジタル利用活用のための重点

    点検専門調査会への厚生労働省の遠隔診療に関する回答(平成 21 年 10 月

    20 日)では直接の対面診療が原則だが、直接の対面診療による場合と同等

    ではないにしてもこれに代替し得る程度の心身の状況に関する有用な情報

    が得られる場合には特定の疾病に関して遠隔診療を行っても医師法第 20 条

    に抵触しないことを示している 13)。胎児の超音波画像診断は画像のみでの

    診断であるので、鮮明な画像転送ができる場合には、対面での超音波診断に

    より得られる情報は受信画像による遠隔診断で代替できると考えられる。当

    センター顧問弁護士の見解でも、遠隔診断によって得られる情報が対面診療

  • 24

    の場合と同等の情報が得られるとの前提であれば医師法第 20 条には抵触し

    ないとしている。ただし産科医が送信側に同席することが望ましいとのこと

    である。医師法第 20 条が遠隔診療に対してどこまでの行為を許容している

    のか未だ明確な基準がなく、今後の司法的判断の集積、立法的措置が期待さ

    れる 13)。従って現時点では産科医が送信側に同席して医師対医師のコンサ

    ルトという形をとれば法的には問題ないと考えられる。

    今後遠隔診断が普及するために、行政側が行うべきことは放射線画像の遠

    隔診断と同様に、超音波を使用した遠隔診断を保険診療としてその診療報酬

    の算定を可能にすることである。現在われわれの場合、遠隔診断について無

    報酬で実施している。今後保険診療が認められるまでは、遠隔診断を実施し

    た場合に相談料を産科側から専門施設側に支払い、産科施設は医療費追加分

    として家族に請求することなども考慮する必要がある。また遠隔診断を取り

    入れて周産期管理体制を改善している地元の産科施設に対して、現場の負担

    を軽減する何らかの特典を与える体制を整えることも行政側に期待される。

    前述したとおり無報酬ではあるが、顧問弁護士の見解では、誤診が起きた

    場合には専門医側の責任は生ずる可能性がある。当センターが契約している

    保険会社は、遠隔診断を行ったセンター医師の誤診により病院が提訴された

    場合には通常の診療の場合と同様に対処するとの見解であるが、今後本格的

    な運用を行う場合には診断を依頼した側と専門医側の責任の割合などの検

    討も必要である。今回使用したTV会議システム(Meeting Plaza ver4.5)

    では遠隔診断をした過程の記録は、送受信画像と会話内容すべてを各PC端

    末やサーバに保存することが可能であり、後日検証が可能である 2)。

  • 25

    結語

    小児医療センター既存のテレビ会議システムを Web ベースで使用するこ

    とで、産科側の最小限の設備投資で診断に使用可能な動画を送受信すること

    ができた。実際の運用ではインターネット経由により、専門医から疾患の診

    断や周産期管理方法を含めサポートを受けることで、産科スタッフの負担が

    軽減した。また教育ツールにもなり産科での診断能力が向上、早期発見され

    る先天性心疾患が増えた。重症例を拾い上げ周産期医療施設での分娩につな

    げることが可能となり、産科からの新生児緊急搬送が減少した。また遠方や

    移動の制限される妊婦の診断にも使え、リアルタイム送受信ではインターネ

    ット経由で妊婦や家族へ説明ができるので安心感を与えることができた。今

    後の普及のため関連法規の確認、報酬の設定、責任分担の明確化など議論す

    る必要があると思われる。

  • 26

    謝辞

    本研究を行うにあたり多大なご協力を頂いた下記産科施設のスタッフの

    方々、および小児医療センタースタッフの方々に感謝いたします。(あいう

    えお順)木野産婦人科:木野秀郷医師、稲毛幸子技師、田中亜紀氏、双鳳会

    山王クリニック:松本二朗医師、北川優医師、吉越和江技師、ワイズレディ

    スクリニック:瀬川裕史医師、丸山千鶴技師、田口知里技師、寺内友恵技師、

    船川咲絵技師、小児医療センター:業務部長 増田 健氏、 システム担当 山

    下徹也氏、鈴木安徳氏、岡田甲一氏(現埼玉県庁)、医事担当 三森信一氏(現

    埼玉県庁)、萩原美季氏(現埼玉県庁)、黛哲男氏、生理機能検査室 鈴木み

    どり技師、益子明子技師、岡和田智美技師。また本研究を行うにあたり、川

    野正登記念(財)川野小児医学奨学財団の研究助成により多大な援助をして

    いただきましたことに謝意を表します。

    また北海道大学において学位申請の機会を与えて下さった北海道大学大

    学院医学研究科小児科学分野 有賀正教授に感謝いたします。

  • 27

    引用文献

    1. 多田裕, 日暮眞, 中村敬, 長坂典子.

    死亡診断書による乳児死亡原因の解析

    http://www.aiiku.or.jp./aiiku/rpi/nakamura/imr/imr.pdf

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    テムによる妊婦遠隔医療の取り組み 岩手県立病院医学会雑誌

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  • 28

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