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TICの理念を具現化した 空調製品の信頼性確保 フッ...
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26 Challenge 2018 Vol. 03 27
ダイキンを支える技術 ❸
TICだからできる「機械」「化学」「電気」3分野の協創
TICの理念を具現化した
分析・評価技術の高度化ダイキンでは、ユーザーからの信頼を最優先に、製品や素材の分析や評価、トラブル予防にも最善を尽くしている。その中核をなすのが、複数の異なるジャンルの技術者で構成された「分析・評価技術高度化グループ」である。
専門知識と技能が必要だが、それだけなら『分析評価グループ』でいい。私たちは、さらに『高度化』することがミッション。この
『高度化』には、単に高性能な機器を使うことだけでなく、将来の分析ニーズをふまえた、新たな分析手法の確立、処理技術高精度化、効率化、分析対象の拡大、解析力の複合化、蓄積した分析データの有効活用など、さまざまな意味が込められています。このレベルまで主体的に行うのが私たちの仕事
TICは発足して2018年で3年目になる。現在20近くのグループがある中の一つに、「分析・評価技術高度化グループ」がある。同グループのリーダー主任技師の守本光希は、「長い名前だが、私たちの役目をきちんと表しているグループ名。省略することなくフルネームで呼ぼう」とメンバーに言っている。 依頼されたものを「分析」し、その結果を「評価」する。「もちろん分析を行うには高度な
です」と守本は話す。
異なる分野の強みを 生かして協創する
分析・評価技術高度化グループは、空調の機械系と電気系、化学系、3分野の分析技術者が一つに集まった、およそ30名ほどのグループだ。3分野のそれぞれの特徴を簡単に説明すると――。 機械系は、製品である空調機が故障したときに、なぜ起きたのかを分析・解析し、故障メカニズム
を明確にする。例えば故障部分の表面分析から腐食や破壊などの故障モードの切り分け、断面分析から腐食の進行形態、破壊の形態などを明らかにする。さらに金属組織の状態から、どんなストレスが加わったのかを見つけ出している。 化学系は、素材に施した機能が発現できているかを検証する。例えばダイキンは、滑り性や電気特性に優れたフッ素化合物を開発したが、実際にその機能が備わっているかを分子構造から見ていく。
電気系は、開発機器の電磁両立性(EMC)を評価する。空調機から出る電磁波が生活空間にある通信電波などに影響を与えないか、また空調機が電磁妨害波を受けても満足に動作する耐性があるかを評価する、ということになる。「3分野の技術者が集まっただけでなく、それぞれの強みを出して協創していく。それがこのグループの意義だと思う」と力強く言う守本は「高度化」についてこうも説明する。「他の部署から『この
分析・評価技術高度化グループリーダー主任技師
守本光希
材料腐食系の高度化チームリーダー
岡田邦弘環境技術研究所にて空調機の市場戻り品を中心とした分析業務に従事。近年は腐食による冷媒漏れのメカニズム解明と防止対策に取り組む。
空調生産本部にて圧縮機の設計開発と信頼性の評価技術開発に従事。圧縮機と製品の信頼性面での連携強化に取り組む。2015年よりTIC分析・評価技術高度化グループリーダー主任技師に。空調と化学が一体となった分析中央拠点の構築に向けて推進する。
新たな分析評価技術の探索・導入チームリーダー
能美政男化学事業部にて化学分析を基に素材開発から量産、品質管理などで活躍。研究施設・分析機関との連携を推進し、幅広く技術高度化に取り組む。
構成材料の腐食・割れ
水漏れ
ガス漏れ
異臭
性能低下
機能発現および耐久性、劣化機構は、材料界面でのミクロ現象が支配
フッ素化合物のユニークな特性空調製品の信頼性確保
『空気質』に特化して個別強化
社内協創による分析・評価技術高度化
●社内協創を実践
機能の発現は、分子や原子といった極小の領域で起こる。それを分析・評価するためには分子構造まで見ていく必要があり、そういったミクロの視点で、金属、化合物、さらに空気にも対象を広げ、
「見える化」の技術を彼らは作っている。
彼らの考える「高度化」は、高級な装置を使う技術だけではなく、「データ活用の仕組みとして高度」であることも目指す。また、その前段階でもある対象の拡大、あるいは複眼的な目で見ていくことも大切だ。
ユーザー(顧客ニーズ)により近い空調(機械、電気)と、材料の素材や原料に深く関与する化学の分析・評価技術者が協創することで、信頼性や新製品の開発につながる、今までにない高度な分析力が生まれてくる。