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0 Surface Mining & Underground Mining Methods 平成18年度 非鉄金属関連成果発表会 採鉱技術の動向紹介 Japan Oil , Gas and Metals National Corporation 平成18831金属資源技術グループ 大山 雅嗣

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0

Surface Mining & Underground Mining Methods

平成18年度 非鉄金属関連成果発表会

採鉱技術の動向紹介

Japan Oil , Gas and Metals National Corporation

平成18年8月31日

金属資源技術グループ

大山 雅嗣

1

1.世界の資源開発の大きな変化と現状

2.主要非鉄メジャーの動向

3.露天採掘の世界的な技術動向と現場の紹介

① 世界の露天採掘鉱山の状況

② 現場におけるベンチ・カット法の紹介

③ 露天採掘での発破と孔曲りの問題点について

4 .坑内採堀の技術動向とその紹介① 世界の坑内堀鉱山の現状(露天から坑内採掘へ)

② 世界の坑内採鉱技術の紹介

③ 今後の坑内採鉱技術の研究と課題

5 .世界の動向と問題点

発表内容

2世界の資源開発の大きな変化と現状

ベースメタルの生産と消費の拡大• BRICs諸国を中心とした経済発展に伴う、金属需要増加に伴い生産量の増大

• 2003年秋以降の金属価格の上昇に伴う鉱山開発の促進

現状の問題点

• 鉱体の深部化、鉱石品位の低下

平均銅品位 2.0%(1930年代)→0.7%(1990年代)

3

(Morales, 2005)

CODELCO社の鉱石品位の推移

主要非鉄メジャーの動向 コデルコ社

4CODELCO社の技術戦略Ⅰ-世界中の企業、大学、研究機関との共同事業方式-

① 技術革新に向けたアライアンス方式– ビジネスの中核でない技術を共同開発

メリットのある事案の提案を受け、契約

② 基礎研究コンソーシアム方式– 大学や政府系機関と研究グループを事業

参加者共同体という形で形成

• 豪、米、独の大学、CSIRO、BRGM

③ 共同開発方式– ハイリスクで多額な投資を要する事業

• 複数の企業と共同研究事業

研究 開発 商業化

熟成度

期待度

主要非鉄メジャーの動向 コデルコ社

5CODELCO社の技術戦略Ⅱ-開発対象技術分野ー

• 採鉱技術– ①坑内掘:International Caving Study(ICS)– ②露天掘:大規模鉱山の残壁の安定化– ③機械類:プロトタイプ(原型)

• バイオ湿式製錬• 自動化・ロボット化

– ①採鉱現場、②選鉱場、③製錬所への導入

主要非鉄メジャーの動向 リオ・ティント社

6Rio Tinto社における技術戦略Ⅰ

• 外部研究機関との共同研究– ケービング研究(国際ケービング研究:豪州)– 地震波トモグラフィ(ポーランド)– 沈降メカニズム(コロンビア大学)

• 研究テーマ:ケービングのメカニズム

ケーバビリティの評価

• 採掘方法:露天採堀から坑内採掘への移行

• 将来的研究テーマ:坑内採鉱場からの連続積込み、坑内破砕、鉱山操業の自動化等

7Rio Tinto社の銅生産量に占める露天掘と坑内掘のシェアの推移

(Russell, 2005)

2004年に露天採掘が85%を占めている2014年には露天採掘が終了し、坑内採掘へ完全移行する見込み

ブロック・ケービング法の積極的な採用

主要非鉄メジャーの動向 リオ・ティント社

世界の露天鉱山の状況

8世界の露天掘鉱山における1日当り粗鉱生産量の進展状況

(Brown, 2004)

近代的採鉱法の誕生

地盤力学

ISR

M(国際岩の力

学連合会)の創立

インペリアル・カレッジの

斜面安定プロジェクト

1970年代以降、粗鉱生産量・ピット深度が増大生産量:8万t/日(1960年代)→22万t/日

日鉄鳥形山

エスコンディーダー(チリ)

チュキカマタ(チリ)

ビンガム・キャニオン(米)

モレンシー(米)アンディーナ(チリ)

バツ・ヒジャウ(インドネシア)

9世界の露天掘鉱山におけるピット深度の進展

(Brown, 2004)

近代的採鉱法の誕生

地盤力学

ISR

M(国際岩の力

学連合会)の創立

インペリアル・カレッジの

斜面安定プロジェクト

Chuquicamataのピット深度280m(1970年代)→850m(現在)→1,100m(2013年) ケービングによる坑内採掘開始予定

世界の露天鉱山の状況

チュキカマタ(チリ)

エスコンディーダー(チリ)

マウント・アイザ(豪)

グラスベルグ(インドネシア)

世界の露天鉱山の状況

10鉱体の深部化

~露天採掘から坑内採掘へ

露天採掘の問題点

鉱体の深部化

剥土処理量増加 剥土処理費の増加

運搬距離増加生産性悪化生産コストアップ

環境面の問題 発破振動、発塵問題露天採掘とはどんな採掘か?

11露天採掘の工程

① 穿孔

② 発破

③ 積込

④ 運搬

ベンチ・カット法

開発・生産からリクラメーションへ

Surface Mining

12露天採掘の平面図

Surface Mining

露天採掘のポイント

1.優位で安全な開発道路の設計

2.計画的な剥土処理の推進

3.採掘は、上から決めてくる(多段ベンチにしない)

4.採掘跡地の有効利用を図る

13最終ピット 鳥瞰図

14

リクラメーション採掘跡地への剥土投下状況

①ダンプ台へセット

②オープンシュート開始

Surface Mining

Surface Mining

15露天堀採掘跡 埋戻し完了

リクラメーション完了

覆土緑化事業採掘跡地は、空間資産である。

リクラメーション開始

Blasting

16発破規格と剛性効果

露天採掘の抵抗:Burden(m)=18.1×d0.689 d:口径(m)

爆砕効果 1:不良 2:普通 3:良 4:優良

17岩質変化と孔曲り概念図

Drill Hole Deviation

硬い岩質

硬い岩質軟い岩質

軟い岩質

Drill Hole Deviation

18露天最終残壁 孔曲り実例

x′

y′

XY

Z

iP

NP

diVρ

孔NVρ

0P

y′

diVρ

曲り量評価曲り量評価

19孔曲り量のレーダー図

Drill Hole Deviation

孔曲りの変位量(m)と方位性

-3.00

-2.00

-1.00

0.00

1.00

2.00

3.00

-3.00-2.00-1.000.001.002.003.00Y(m)

Z(m)

海外のデーター(穿孔長8.8m) 国内石灰石鉱山のケース

穿孔径80mm(青:対策前、赤:対策後)

N

経済面:発破効率の向上 保安面:発破飛石事故の防止経済面:発破効率の向上 保安面:発破飛石事故の防止

20Open pits going underground

The pit gets deeper

Underground mining will take over

ピット深度増大による坑内採掘への移行

21大規模坑内掘鉱山における1日当り粗鉱生産量の進展

(Brown, 2004)

近代的採鉱法の誕生

地盤力学

ISR

M(国際岩の力

学連合会)の創立

インペリアル・カレッジの

斜面安定プロジェクト

国際ケービング研

世界の坑内堀鉱山の状況

エル・テニエンテ(チリ)

ビンガム・キャニオン(米)

キルナ(スウェーデン)

マウント・アイザ(豪)

コデルコ社の坑内総採掘量は現在の20万t/日から、2017年には35万t/日まで増加する見込み

アンディーナ(チリ)

El Teniente(1905年:採掘開始、1930年代後半:ケービング法による採掘開始

22大規模坑内掘鉱山における深さ(最下底深度)の進展

近代的採鉱法の誕生

地盤力学

ISR

M(国際岩の力

学連合会)の創立

インペリアル・カレッジの

斜面安定プロジェクト

国際ケービング研

坑内深度 2,000m以下(現在)→3,000m(2016年)

世界の坑内堀鉱山の状況

マウント・アイザ(豪)

キルナ(スウェーデン)

エル・テニエンテ(チリ)

ビンガム・キャニオン(米)

アンディーナ(チリ)

キッド・クリーク(カナダ)

(Brown, 2004)

23Room & PillarUnderground Mining Methods

天盤

ドリルジャンボによる穿孔

鉱石

Truck & LHD

鉱柱

天盤

鉱柱を掘り残し、天盤を支持しながら鉱石を採掘する法

24Cut & Fill StopingUnderground Mining Methods

採掘と充填を繰返す採掘法

ランプ坑道

ドリルジャンボによる穿孔

鉱体

換気設備

廃滓、ズリ充填箇所

廃滓、ズリ

採用鉱山

ポゴ(米)

マウント・アイザ(豪)

25Sublevel StopingUnderground Mining Methods

サブレベル

サブレベル扇型穿孔

起砕鉱石

下盤鉱体

搬出レベル

起砕された鉱石を重力により、最下底レベルに落とし、運搬坑道へ抽出される採掘法

鉱石を自重で落とせる、鉱体の傾斜が必要

Bighole Stoping:長孔発破からOpen Stopingする法

マウント・アイザ(豪)

採用鉱山

オリンピック・ダム(豪)

26

坑道掘進穿孔配置図 Underground Production Design

加背 4×4m

Length=0.15+34.1d-39.4d2 d:口径(m)

EX:70mm L=0.15+34.1×0.07-39.4(0.07)2

Answer L=2.3m

27Vertical Crater RetreatUnderground Mining Methods

下向穿孔

アンダーカット

起砕鉱石

搬出レベル

○:Relief Hole:心抜き孔(非装薬)

●:Blasthole:装薬孔(発破孔)

VCR法(Stage Blasting):自由面を開削する採掘法平面図

28Sublevel CavingUnderground Mining Methods

鉱体

扇型穿孔起砕鉱石

坑井

中段坑道(Sublevel)が、鉱体断面を貫き、その坑道から扇型に穿孔される。

上盤もしくは鉱体の端から発破し、発破された鉱石は坑道内に陥没。

ズリの混入が多くなると、次の発破に移る。

上盤

穿孔線の孔尻間隔

坑道正面

採用鉱山

キルナ(スウェーデン)

1957年、キルナ鉱山で初めて大規模に用いられた。

29Sublevel Caving ⅠUnderground Mining

T:穿孔線の孔尻間隔

実際の装薬図

Charging a 3 Hole Pattern垂直線に沿って、センター孔が測定

Raise Design(上向穿孔)

扇型穿孔

30Sublevel Caving ⅡUnderground Mining

坑道から鉱石が積込まれ、運搬路までロード&キャリーされ搬出される。

31Block Caving Underground Mining Methods

鉱体の下部に、鉱石の抽出口となるドローポイントと鉱石を搬出する為の坑道を掘削し、ドローポイントの上部を発破して、アンダーカットし、鉱石を自然崩落させる。

扇状穿孔

ドローポイント

運搬坑道

鉱画

ケービングの始まり

鉱石を下部から抽出すると、崩落が上部まで伝わり、やがて地表まで崩落が続き、鉱石全てと被覆岩盤まで陥没する法。

チュキカマタ(チリ) 2013年予定

採用鉱山ビンガム・キャニオン(米)

アンディ-ナ(チリ)

エル・テニエンテ(チリ)

グラスベルグ(インドネシア)

32Block Caving Underground Mining Methods

①②

鉱体扇状穿孔 ケービングの始まり

崩落した鉱石

アンダーカットの為の穿孔

アンダーカット

未崩壊鉱石被覆岩の崩壊を起こして、地表に通じる。

33Bench Stoping

断面図

Underground Mining

坑内を露天採掘の様に、ベンチを形成し採掘して、規模の大きい空間を造る。

永久鉱柱

International Caving Study

34国際ケービング研究(ICS)• 第1期(1997~2000年)

– 硬岩盤へのケービング適用可能性の研究– 報告書’Block Caving Geomechanics’の作成

• 破断化、亀裂シミュレーション、アンダーカット技術、リスク解析– 9企業が参加( CODELCO, Rio Tinto, Northparkes, PT

Freeport Indonesia, NORANDA, Newcrest, TVX Gold, BHP, De Beers )

• 第2期(2001~2004年)– 重力フローのメカニズム解明、鉱石引抜き法、硬岩盤に対する事前破砕(水圧破砕)法、露天掘から坑内掘への移行におけるジオテクニカル解析等

– 9企業が参加(CODELCO、Rio Tinto, Sandvik, Northparkes, Newcrest, LKAB, WMC Resources, Anglo American, De Beers )

35Mass Mining Technology(MMT:2005-2008年)マス・マイニング技術に関して提案された研究(技術)提案

• 研究項目①重力フロー(岩石特性評価、フローシミュレーション、重力フローテスト)②ケービングのメカニズム(陥没の開始と亀裂の伝達、地盤沈降)③ブロック・ケービングにおける破砕化プロセス等

④より効率的な崩壊と安全な鉱石の引抜き方法の適用(自動化)

• 今後15年間の採鉱技術に関する挑戦課題①深部におけるケービング技術の確立(地下2kmまでの鉱体への適用)②大規模露天採掘から大規模坑内採掘への転換

③経済性を確保するための高い操業効率の要求

④安全と環境対策の高いレベルでの維持

36世界の動向と問題点

• 世界の資源開発の大きな変化– BRICs諸国を中心とした経済発展に伴う金属消費量の増大に関連した生産量の増大

– 採掘対象鉱石の状態の変化(鉱体の深部化、鉱石品位の低下)

– 坑内採掘の増加(露天採掘からの転換)– 大量生産による鉱山の競争力強化のための低コスト化、自動化

• ケービング技術、自動採掘システム、大規模坑内採掘への転換

• 中小の露天堀鉱山の場合– 運搬距離の増大に伴うコスト増加や人材不足(後継者)の問題– 環境へ配慮した採掘への対応